阪神(★4対5☆)DeNA =リーグ戦25回戦(2022.09.20)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
DeNA
10000100351111
阪神
1000000304801
勝利投手:ロメロ(6勝8敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(0勝2敗35S))
敗戦投手:岩崎 優(1勝6敗26S)

本塁打
【DeNA】佐野 恵太(20号・1回表ソロ)
【阪神】陽川 尚将(1号・8回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 DeNA戦チケット予約

DAZN

◆DeNAは2点ビハインドで迎えた9回表、桑原と佐野の適時打で2点を奪い、同点とする。なおも続く2死満塁の好機で楠本が適時打を放ち、土壇場で試合をひっくり返した。投げては、5番手・ロメロが今季6勝目。敗れた阪神は、5番手・岩崎が大誤算だった。

◆JRAの松山弘平騎手(32)が自身初の始球式に挑んだ。三冠牝馬デアリングタクトの勝負服で登場。ノーバウンド投球はならず、「かなり緊張しました。ワンバウンドになってしまったのが悔しいですね」と苦笑いした。兵庫・神戸市出身。現役では藤浪晋太郎投手(28)、OBでは日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(53)とも親交がある。「小さい頃から阪神ファンで、甲子園には足を運んでいました。すごく素晴らしい舞台に立たせていただけて、本当に光栄に思います」。前日19日はセントライト記念(G2)を重賞初挑戦の3番人気ガイアフォースで制覇。「今週はデアリングタクトでオールカマー(G2)に挑みますので、レース本番でもいい結果を出せるように頑張りたい」と力を込めた。

◆DeNAは同点の3回、阪神青柳からもらった再三のチャンスをものにできなかった。まずは無死一塁。投手の上茶谷は当然、バントの構えをした。だが、青柳の制球が定まらず四球。労せず得点圏に走者を進めた。ところが、続く桑原がバント失敗。捕手のすぐ近くに転がしてしまい、三塁封殺で送れなかった。それでも、すぐに次のチャンスをもらった。1死一、二塁となって神里が四球。またも労せずして三塁へ走者を進めた。ところが、続く佐野が投ゴロ。これでは生還できない。投-捕とわたり2死。一塁送球で併殺...とはならなかった。青柳の本塁送球がすっぽ抜け、本塁の封殺のみで免れた。まだ2死満塁。好機は続いた。しかし、ここで4番の牧が三ゴロ。3者残塁で勝ち越せなかった。これだけ青柳がミスを犯しながら、得点を奪えなかった。勝負の9月。首位ヤクルトも波に乗れないが、DeNAもお付き合いしてしまっている。試合前、三浦監督は「いつも一緒ですよ。1試合1試合、全力で目の前の試合に、どうやって挑んでいくか」と言った。目の前の好機を逃していては、上昇気流に乗るのは難しい。【古川真弥】

◆阪神矢野監督の代打策が、見事に当たった。1点を追った8回、先頭で代打起用された陽川尚将内野手(31)が、DeNAの必勝リリーバー、エスコバーを捉えた。155キロ速球を仕留め、左翼スタンドへ起死回生の今季1号同点弾。苦しいムードが充満していた甲子園の雰囲気を、一振りで変えた。陽川は「2球で追い込まれてしまったので、なんとか食らいついて、とにかく塁に出ることだけ考えていました。しっかりと自分のスイングができましたし、最高の結果になってよかったです」と値千金の1号弾を振り返った。

◆阪神原口文仁内野手(30)が、勝ち越しの適時打を放った。8回、代打・陽川の1号弾で追いつき、なおも2死一、二塁と続いた好機でDeNAエスコバーの154キロ速球を左前にはじき返した。前打者の大山が敬遠されたあとの殊勲打に「(大山)悠輔が敬遠されましたが、冷静に落ち着いて打席に入ることができました。(陽川)尚将がいい流れを作ってくれましたし、みんながつないで作ってくれたチャンスだったので、絶対になんとかするという思いでした。(中野)拓夢もよく走ってくれたと思います」と二塁走者にも感謝した。

◆まさかまさかのBクラス転落だ。阪神は2点リードの9回、守護神に復帰した岩崎優投手(31)を投入したが大乱調。5安打を集中されて3点を失い、DeNAに逆転された。8回に陽川の1発、原口の適時打などで逆転して勝利目前だっただけに、甲子園に悲鳴が渦巻いた。70敗目で矢野体制で初めてシーズン勝ち越しが消滅し、CS進出も黄色信号。21日と23日はライバル広島との直接対決だけに、絶対に負けられない。勝利ムードに包まれた甲子園が、一瞬にして天国から地獄へと沈んだ。1点ビハインドの8回、代打陽川の同点弾、原口、佐藤輝のタイムリーで3点をたたき出し、2点の勝ち越しを決めた直後の9回。あれよあれよとDeNAのスコアボードに3点が加点され、まさかの逆転負けで、8月18日以来のBクラスに転落。守護神に復帰した岩崎が大誤算だった。終盤の逆転劇で完全に流れは阪神に傾き、誰もが勝利を確信した9回だった。岩崎が先頭宮崎、代打大田に連打を浴び、1死一、三塁から桑原に右前適時打を許して1点差。なおも2死一、二塁から佐野にスライダーを右前に運ばれあっさり同点に。牧には四球を与え、満塁から楠本に初球を詰まりながらも二塁と右翼の間に落とされ、勝ち越し点を献上した。矢野監督は流れを止めきれなかった左腕に「まあ逃げたわけじゃないんで。その点はあれやけど(責められない)。任すしかなかったんで。それは受け止めています」と目線を落とした。岩崎は8月に2戦連続でセーブ失敗し、守護神の肩書を1度失った。そこから任されたマウンドで結果を残し続け、6試合連続無失点と奮闘。信頼を回復させ、再び最後を締めるマウンドに返り咲き、14日の広島戦で8月5日以来のセーブを挙げたばかりだった。Aクラス死守へ逃げ切りを図った終盤戦。痛い3連敗を喫し、矢野体制で初めてシーズン勝ち越しはなくなった。指揮官は「もちろんこの負けは痛いし、悔しいし、流れ的にも大きな1敗になるかもしれないけど。でも、何か決まったわけでもないので。試合も残っているので、その中で逆転できるチャンスがあると信じて戦っていくしかないと思うので。その思いをぶつけていきます」と懸命に前を向いた。残り5試合。21、23日のホーム&ビジターの広島戦に是が非でも勝利をもぎ取り、3位返り咲きを信じるしかない。【古財稜明】青柳は8月2日巨人戦に勝って以降、7試合勝ちなしとなった。これは19年と20年に並び、自身最長。

◆中堅2人のバットが、一瞬、甲子園の空気を変えた。阪神1点ビハインドの8回だ。先頭、代打で陽川尚将内野手(31)が登場。代わったばかりのDeNAエスコバーの155キロを打ち砕いた。陽川 2球で追い込まれてしまったので、なんとか食らいついて、とにかく塁に出ることだけを考えて。しっかりと自分のスイングができたし、最高の結果になって良かったです。弾丸ライナーで左翼スタンドへ着弾。今季1号が値千金の同点ソロとなった。ベンチでは狂喜乱舞する仲間に祝福を受けまくり、久々の「ゴリラポーズ」を披露。何度も拳で胸をたたいてみせた。ここで終わらない。2死一、二塁となり原口文仁内野手(30)だ。内角154キロをしぶとく左前へ落とした。二塁走者中野がヘッドスライディングで本塁生還。4番大山が申告敬遠された直後、ざわめく甲子園を一振りで黙らせた。原口 悠輔(大山)が敬遠されましたが、冷静に打席に入ることができました。尚将(陽川)がいい流れを作ってくれたし、みんながつないでつくってくれたチャンスだったので、絶対になんとかするという思いでした。拓夢(中野)もよく走ってくれた。一時勝ち越しとなるタイムリー。仲間思いの男は、お膳立てしてくれた面々の名前を挙げ感謝した。7試合連続スタメン起用でこの間19打数7安打、打率3割6分8厘。欠かせない存在になりつつある。開幕1軍に名前のなかった男たちだ。鳴尾浜で汗を流し続けた日々が、秋風吹き始めた9月に生きる。矢野監督も「もちろんその前に点を取らなあかんと思うけど、尚将が1発で流れを変えてくれたんでね。フミ(原口)のタイムリーも大きかったし、なんとか粘りをみんな見せてくれたとは思います」とたたえた。糸井の引退試合となる21日。もう負けられない。束になって花道を飾る。【中野椋】▽阪神岩貞(6回、DeNAに勝ち越された直後の無死一、二塁で登板し、2球で2アウト)「「とにかく勝ちたい! その思いだけで投げました」阪神は今季の勝ち越しがなくなった。現在65勝70敗3分け。残り5試合に全勝しても70勝70敗3分けの5割に終わるため。21日広島戦に△以下で、シーズン負け越しが決まる。仮に3位以内に入りCSに進めば、阪神では15年に70勝71敗2分け、勝率4割9分6厘の3位以来、2度目の貯金なしCSとなる。阪神は今季DeNA戦を9勝16敗で終えた。DeNA戦年間16敗は04年(当時は横浜)に16敗して以来、18年ぶり。なお、DeNA戦の年間最多敗戦は78、98、99年の19敗。○...青柳は6回途中2失点で自身最長タイの7戦連続白星なしとなった。1回、3番佐野に先制ソロを献上。3回1死満塁のピンチでは耐えたが、同点の6回に1四球と2連打で勝ち越されたところで降板した。7奪三振も3四球と球数がかさんだ内容。矢野監督は「粘ったと言ってもヤギの求めている投球じゃないと思う」と振り返った上で「まだあると思うので頑張ってもらいたい」と次回の変わり身に期待した。

◆DeNA伊勢大夢投手(24)が球団新記録となる39ホールドポイントを挙げた。2-1の7回に3番手で登板し、佐藤輝、木浪、梅野を3者凡退に抑えた。「チームを通してこれだけ積み重ねられると思わなかった数字なので。そもそも知らない球団記録の数字だったので、そこにたどり着けるというか、ベイスターズでも歴代でも一番になれたことをうれしく思います」と率直に話した。今後の意気込みを問われると「1戦1戦、緊迫している中で、チームカラーというのは崩さずにできていますし、僕らピッチャー陣は皆で助け合って、体はきついですけど、魂だけはちゃんと入れて投げていきたいと思います」と頼もしく答えた。

◆無念の再逆転負けの中で、阪神浜地真澄投手(24)が光輝いた。節目の今季登板50試合目で盤石の投球を披露。8回の一時逆転劇につなげた。6回に先発の青柳が1-2と勝ち越され、なおも無死一、二塁と残ったピンチ。岩貞が2球で2アウトを取り、2死二、三塁の場面を託された。試合の行方を左右する局面でも心は熱く冷静に。代打宮崎を152キロ速球で空振り三振に斬った。6月19日DeNA戦以来のイニングまたぎとなった7回は、先頭の森に中前打を打たれ、1死二塁と得点圏に走者を背負たが、桑原、ソトを料理。DeNAに追加点を許さなかった。「今シーズン、リリーフ陣は(青柳)ヤギさんに助けられてきましたし、いつかは逆に自分が助けたいと思っていたので、ピンチの場面でしたが、粘り切ることができてよかったです」。エースを助けたい一心で、中盤の厳しい場面で踏ん張った。50試合登板は、今シーズンの目標だった。「開幕前に目標にしていた数字なので、その点については嬉しいですが、まだ試合も残っているので、次の登板へ向けてまたしっかり準備したいと思います」。目指していた数字をクリアしても、慢心はない。岩崎、湯浅、岩貞ら今のタイガースを支える登板50試合以上の救援カルテットが誕生。浜地の50試合、46回を投げて1・17の防御率はさんぜんと輝く。どれほど追い込まれても、この救援陣がいる限り、下克上の夢は終わらない。【堀まどか】

◆虎党の「あと1人」コールがマスク越しに聞こえてきても、DeNA佐野は「諦めている人は誰もいない」と前だけ向いた。1点を追う9回2死一、二塁。カウント2-1から、阪神岩崎のスライダーを右前に運んだ。佐藤輝は前進しておらず、二塁から大田が悠々と同点ホーム。一塁でカッと口を開けて喜んだ佐野は「先頭で宮崎さんが出て、つながって。そこに、みんな乗っかっていった」。さらに楠本が「佐野さんが同点にしてくれていた。打ったら、もうけもん」とノリノリで決勝打を放った。先にヤクルトが負けていた。ゲーム差を詰めるチャンス。1点リードの6回以降はリリーフ陣がつなぐ必勝パターンのはずが、8回にエスコバーが3失点でひっくり返された。だが、諦めない。9回、先頭の宮崎、代打・大田と連打し、桑原、佐野が適時打。牧は四球を選び、楠本で再逆転劇は完成。三浦監督の言葉が全てを示す。初回には先制ソロも放った佐野の活躍を問う声に「佐野だけじゃなくて、みんなです」と力説した。これで首位と6ゲーム差。まだまだ遠いが、23日からは直接対決3連戦が控える。「諦める」なんて選択肢が、あるはずない。「みんな」とは選手だけじゃない。試合前のフリー打撃。先頭でマウンドに立った福本査定担当補佐兼打撃投手は、相手の先発青柳を想定しサイドから投げた。上を横に変えても、屈指の制球は相変わらず。佐野は「与えられた環境で最高の準備をしていきたい」と言った。その思い、ベイスターズに関わるみんなで体現する。【古川真弥】▽DeNA上茶谷(5回3安打1失点)「勝ち越されなかったことは良かったですが、初回の1点がすごく重く感じ、前回と同様なことをしてしまい申し訳ないです」▽DeNA牧(6回に一時勝ち越し打)「前の打席のチャンス(3回2死満塁)で凡退していたので強い気持ちで臨みました」▽DeNA伊勢(球団新記録の39ホールドポイント)「これだけ積み重ねられるとは思わなかった数字。歴代でも一番になれたことをうれしく思います」

◆阪神があと1死から逆転を許した。2点リードの9回。守護神岩崎優投手(31)が桑原に適時打、2死一、二塁で佐野の適時打で同点に追い付かれ、2死満塁から楠本に右前適時打を浴びた。守護神が一挙3点を失って逆転負け。矢野燿大監督(53)も苦悶(くもん)の表情を浮かべた。-岩崎が流れを止められなかった「うん、まあ逃げたわけじゃないんで。その点はあれやけど(責められない)。任すしかなかったんで。それは受け止めています」-8回の逆転劇「もちろんその前に点を取らなあかんと思うけど、(陽川)尚将が1発で流れを変えてくれたんでね。フミ(原口)のタイムリーも大きかったし、なんとか粘りをみんな見せてくれたとは思います」-先発青柳は粘った「うーん。まあ粘ったと言ってもヤギの求めているピッチングじゃないと思うし、これでいいというピッチングでもなかったと思うけど。まあ、まだあると思うので。頑張ってもらいたい」-悔しい1敗「まあね。もちろんこの負けは痛いし、悔しいし、流れ的にも大きな1敗になるかも知れないけど。でも、何か決まったわけでもないので。試合も残っているので、その中で逆転できるチャンスがあると信じて戦っていくしかないと思うので。その思いをぶつけていきます」

◆苦しみ抜いた末の「Hランプ」だ。阪神佐藤輝明が、意地のタイムリーでプロ初のシーズン80打点に乗せた。8回に原口の適時打で1点勝ち越し、なお2死一、二塁。DeNAエスコバーの内角低め156キロを強振した。グシャっというバットが折れた音とともに打球は左前へぽとり。一塁ベース上では笑顔なくベンチの歓喜に応えた。「いつもですけど『しっかり打てる』って自分に言い聞かせて、自信を持って打席に入って食らいついていって、いい結果が出ました」。3打席連続三振、18日ヤクルト戦から数えると5打席連続三振で迎えた打席。自らを奮い立たせ、折れかけていた心を保った。21日は大好きな先輩、糸井の引退試合。「最後に嘉男さんにいいところを見せられるように。そういう試合にしたいです」と誓った。球団史上2人目となる新人年から2年連続での20本塁打にも王手をかけている。超人に節目の1本を届けてみせる。

◆阪神無念の逆転負けの中で、3番手の浜地真澄投手(24)が光り輝いた。節目の今季登板50試合目で盤石の投球を披露。8回の一時逆転劇につなげた。6回に先発の青柳が勝ち越され、なおも無死一、二塁のピンチ。岩貞が2球で2アウトを取り、2死二、三塁の危機を託された。だが、試合の行方を左右する局面でも心は熱く冷静に。代打宮崎を152キロの速球で空振り三振に斬った。6月19日のDeNA戦以来のイニングまたぎとなった7回も盤石。先頭森に中前打され、1死二塁と得点圏に走者を背負ったが桑原、オースティンを料理。抜群の安定感で0を刻んだ。「リリーフ陣は(青柳)ヤギさんに助けられてきましたし、いつかは逆に自分が助けたいと思っていたので、ピンチの場面でしたが、粘り切ることができてよかったです」。先輩エースを助けたい一心で、中盤の厳しい場面で踏ん張った。50試合登板は目標だった。「開幕前に目標にしていた数字なので、その点についてはうれしいですが、まだ試合も残っているので、次の登板へ向けてまたしっかり準備したいと思います」とまだまだ積み上げる。浜地の加入により、岩崎、湯浅、岩貞とともに、登板50試合以上の救援カルテットが誕生した。中でも浜地の50試合46イニングでの防御率1・17は、4人中1位の好成績だ。チームはCS進出の崖っぷちに立たされたが、背番号36は下克上の夢を終わらせるつもりはない。【堀まどか】阪神は浜地が今季50試合目の登板となり、50試合以上登板の投手が4人となった。他に湯浅54、岩崎52、岩貞51試合。4人合わせて188イニング2/3を投げ自責点33で、防御率1・57。07年に、全盛期のJFKことジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之、さらに渡辺亮、江草仁貴の5人が50試合以上登板を果たしたが、合計防御率は1・73。過去最高の50試合登板以上投手陣の防御率を、超える好投を続けている。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は青柳晃洋投手(28)が先発する。ここまでリーグトップタイの12勝をマークしている右腕だが、最近は6試合連続で勝ち星に恵まれていない。DeNAとは今季セ・5球団で最も相性が悪く、防御率は3・10。勝利数に加え、防御率、勝率でリーグトップと3冠を目指す右腕が強力打線を抑え、久々の勝利を手にする。

◆DeNAは宮崎敏郎内野手、ネフタリ・ソト内野手がスタメンから外れた。阪神の先発は今季ここまでDeNAに5試合で3勝1敗の成績を残している青柳で、宮崎、ソトはともに対戦打率・000と苦手にしている。三浦監督は「最多勝争いをしている投手ですから、全員で全員で攻略できるようにやっていきます」と説明した。青柳のここまで右打者への被打率・156に対し、左打者は・240。この日は宮崎に代わり柴田が三塁に入り、ソトに代わって一塁に佐野が入り、左翼のスタメンは神里が起用された。8月23日の対戦でも、やはり宮崎とソトが代打で待機。DeNAは序盤に効率よく得点を重ね、青柳から今季初白星をマークした。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(28)がいきなり手痛い一発を浴びた。一回、先頭の桑原、続く神里を内野ゴロに仕留め、簡単に2死を奪った。打席には3番・佐野。カウント2-1から4球目だった。144㌔を完璧に捉えられると、打球は弾丸ライナーで左中間スタンドへ。佐野の20号ソロで阪神が先制を許した。

◆阪神がすぐさま同点に追いついた。0-1の一回。先頭の中野が三塁強襲の内野安打を放つと、糸原が四球で無死一、二塁の好機を作った。近本は三塁線に絶妙な犠打を決め、1死二、三塁。4番・大山が打席に向かった。大山の三ゴロに三走・中野がヘッドスライディングで生還。試合を振り出しに戻した。

◆DeNA・佐野恵太外野手(24)が一回に左中間フェンスを越える先制の20号ソロを放った。カウント2-1から阪神・青柳の投じた144キロをとらえた。甲子園は左中間、右中間が深い球場だが、佐野の逆方向へのパワーあふれる一撃となった。20号は2020年の自己最多に並ぶ〝大台到達〟。佐野は8月23日の対戦でも青柳から本塁打を放っている。

◆試合開始に先立ち、JRAの松山弘平騎手(32)=栗・フリー=が始球式を行った。「すごく素晴らしい舞台に立たせていただけて本当に光栄に思います。兵庫県(神戸市)出身ですし、小さい頃から阪神ファンで甲子園には足を運んでいました。そういったところでこうやって投げさせていただいたっていうのは本当にいい経験になりました」25日に行われる中山産経賞オールカマー(GⅡ、芝2200メートル)。その大本命馬でもある三冠牝馬デアリングタクトの勝負服で登場した。惜しくもワンバン投球となり、「ちょっと緊張してしまって...。ワンバウンドになってしまったのでそこが悔しいですね」と振り返った。25日のレースは秋のGⅠ戦線を占う重要な前哨戦となる。「今週デアリングタクトでオールカマーに挑みますので、これを機にしっかりレース本番でもいい結果を出せるように頑張りたい」と力強かった。

◆DeNA・佐野恵太外野手(24)が一回に左中間フェンスを越える先制の20号ソロを放った。カウント2-1から阪神・青柳の投じた144キロを捉えた。甲子園は左中間、右中間が深い球場だが、佐野の逆方向へのパワーあふれる一撃となった。「しっかり自分のスイングで捉えることができました。先制することができ良かったデスターシャ!」コメントをお決まりの文句で締めくくった20号は2020年の自己最多に並ぶ〝大台到達〟。佐野は8月23日の対戦でも、青柳から本塁打を放っている。

◆21日の広島戦(甲子園)に先発する阪神・伊藤将司投手(26)がキャッチボールなどで調整した。今年の自主トレで師事した能見(オリックス)が16日に引退会見を行ってから、初の登板となる。「やっぱり自主トレ一緒にやらせてもらった以上は、能見さんに活躍しているところを見てもらいたい」と〝恩返し〟の好投を誓った。相手先発は森下。新人年から2年連続となる2桁勝利と今季中の規定投球回到達(20日時点で129回?)を目指し、甲子園11連勝を手に入れる。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が満塁のピンチを無失点で切り抜けた。1-1の三回だった。先頭の森に二塁内野安打を許すと、犠打を試みた上茶谷に痛恨の四球を与え、無死一、二塁。桑原は犠打失敗の捕ゴロで1死を奪ったが、神里に四球で満塁としてしまった。打席には一回に先制ソロを被弾した佐野。その6球目だった。詰まった打球は青柳のグラブへ。大事に行き過ぎたのか、ホームへの送球はあわや悪送球。捕手・坂本が何とかキャッチし、得点は許さなかったが、併殺を奪うことができなかった。騒然とする甲子園。それでも、続く牧は三ゴロ。難しいバウンドを三塁手・糸原がさばき、ランニングスローでアウトに仕留めると大きな拍手が巻き起こった。

◆DeNA・森敬斗内野手(20)が、持ち前の強肩を披露し、自軍のピンチを救った。1-1の三回無死一塁、中野の強烈なゴロを二塁手の牧がこぼした。牧は急いで拾って二塁へトス。二塁ベースのカバーに入っていた遊撃手の森は、牧が打球をこぼしたために、すでにベース上に立っている状態で捕球し、一走はアウト。そこから助走なしの状態で取ってすぐに一塁へ。レーザービームの送球で打者走者の中野も間一髪でアウトにし併殺プレーを完成させた。試合前の時点でリーグ3位の22盗塁をマークしている俊足の中野だったが、森の〝鬼肩スロー〟の前に出塁できなかった。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(28)は六回途中に降板。5回4安打2失点だった。一回、佐野に20号ソロを被弾し先制点を献上した。同点で迎えた三回は1死満塁のピンチを切り抜けたが、この日の青柳は制球に苦しむ。六回先頭の神里に四球を与えると、続く佐野に中前打。無死一、二塁から牧に勝ち越しの左前打を浴び、ベンチからタオルが投げ込まれた。阪神はなおも無死一、二塁から岩貞が2番手で登板。楠本は犠打で1死二、三塁としたが伊藤光を右飛で追加点を与えない。2死二、三塁とし、代打・宮崎を送り込んだDeNAベンチに対して、矢野監督は3番手・浜地にスイッチ。浜地が宮崎を空振り三振に仕留め、1-2と傷口を広げなかった。ただ、青柳は8月2日の巨人戦(東京ドーム)で今季12勝目をマークして以降、これで登板7試合連続で勝ち星なし。シーズンも最終盤に入った中で苦しい投球が続いている。

◆DeNA・三浦監督は右打ちの主軸打者、宮崎、ソト、大田をスタメンから外す〝勝負手〟に出た。「最多勝争いをしている投手ですから、全員で攻略できるようにやっていきます」ここまでリーグトップタイの12勝をマークしている変則右腕、阪神・青柳に対して宮崎、ソトはともに今季の対戦打率・000。大田は今季の対戦がない。また、青柳の右打者への被打率・156に対し、左は・240とあって、宮崎に代わる三塁に左打ちの柴田。ソトに代わる一塁には佐野が入り、左翼に左の神里がスタメンで出場した。〝右打者外し〟は、今季5度目の対戦で初めて青柳に黒星をつけた8月23日の前回対戦でも採用した戦術。まずは一回に佐野が2020年以来2年ぶりの大台到達となる、自己最多に並ぶ20号ソロを放ち「しっかり自分のスイングで捉えることができました。先制することができ良かったデスターシャ!」と幸先よく先制した。DeNA打線はその後、安打を積み重ねることはできなかったが、ファウルで粘るなど青柳の投球数を稼ぎ、五回で94球を投げさせるなどジワジワと追いつめた。そして六回だ。先頭の神里が四球、佐野が中前打でつないで一、二塁とすると、4番の右打者、牧が青柳の104球目を三遊間を破る左前適時打として勝ち越し。青柳はここで交代を告げられた。DeNAが粘り強い攻撃で、好投手をマウンドから引きずり下ろした。2|1の八回の守備で4番手のエスコバーがつかまり3失点で2|4と逆転された。迎えた九回、先頭の宮崎の中前打から1死一、三塁の好機をつくると、桑原の右前適時打で3|4に迫った。続く代打のソトは三振に倒れたが、佐野が一、二塁から、この試合4本目の安打となる右前適時打を放って同点に追いついた。さらに牧は四球で2死満塁としたところで、この試合、5番で起用された楠本が右前適時打を放ち、5|4と逆転に成功した。(湯浅大)

◆阪神がオール1点差で3連敗を喫し、8月18日以来の4位に転落した。2点リードの九回、岩崎優投手(31)が打者9人に5安打3失点で暗転した。九回無死二塁では植田海内野手(26)の犠打失敗など、チグハグな攻撃で痛い1敗を喫した。八回、代打の陽川尚将外野手(31)が2021年5月16日の巨人戦(東京ドーム)以来、492日ぶりの本塁打、原口文仁内野手(30)、佐藤輝明内野手(23)の適時打で逆転したものの、痛恨の黒星。六回途中降板の青柳晃洋投手(28)は7戦未勝利。就任4年目にして初めてシーズン勝ち越しがなくなり、勝率5割フィニッシュには5戦全勝となった矢野監督の一問一答は以下の通り(チーム成績65勝70敗3分=残り5試合、観衆3万3203人)。ーー岩崎が流れを止められなかった「うん、まあ逃げたわけじゃないんで。その点はあれやけど(責められない)。任すしかなかったんで。それは受け止めています」ーー八回の逆転劇「もちろんその前に点を取らなあかんと思うけど、尚将が一発で流れを変えてくれたんでね。フミのタイムリーも大きかったし、なんとか粘りをみんな見せてくれたとは思います」ーー青柳は粘った「うーん。まあ粘ったと言ってもヤギの求めているピッチングじゃないと思うし、これでいいというピッチングでもなかったと思う。まあ、まだあると思うので。頑張ってもらいたい」ーー悔しい1敗「まあね。もちろんこの負けは痛いし、悔しいし、流れ的にも大きな1敗になるかも知れないけど。でも、何か決まったわけでもないので。試合も残っているので、その中で逆転できるチャンスがあると信じて戦っていくしかないと思うので。その思いをぶつけていきます」

◆DeNAの伊勢が2―1の七回に登板して三者凡退に抑え、球団新記録となる39ホールドポイントに到達した。佐藤輝を空振り三振、木浪を遊飛、代打梅野を遊ゴロと15球で簡単に終わらせ「ベイスターズでも歴代で一番になれたことをうれしく思う」と喜んだ。3年目の今季は同僚のエスコバーと並んでリーグ最多の65試合に登板し、セットアッパーとしてフル回転でチームを支える。シーズン最終盤に入り「体はきついけど、魂だけはちゃんと入れて投げていきたい」と気合を入れた。(甲子園)

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は九回、1点許して1死一、二塁の場面で岩崎優投手(31)を代えなかった矢野耀大監督(53)の采配を疑問視した。二転三転の「いい試合」だった。ただシーズンの最終盤、総動員で戦う時期に「いい試合」はいらない。3位を狙う今の阪神は1点差でいいから、勝たなければいけない。そういうさい配だっただろうか? 大いに疑問が残る逆転負けだ。九回、守護神として岩崎を投入した。間違いではない。一時の不調を克服して、復活気配を漂わせていた。この日の投球は明らかに状態が悪かった。バロメーターは球威でもコースでもない。「キレ」。キレがないから、ヒットコースに行くし、ポテンヒットにもなる。宮崎、大田の連打で、はっきりと分かった。そして1死後に桑原に適時打を許し、1点差に。ここで交代だ。シーズン序盤、中盤なら「守護神はそう簡単に代えられられない」「守護神に託したのだから」という起用法になる。ある意味、それがセオリー。でも今は1つの負けも許されない。一番分かっている矢野監督は「全部勝つ」と宣言していたではないか。総動員で勝ちにいく時期だ。ブルペンには湯浅という最高の切り札も控えていたはず。なぜ矢野監督は動かなかったのだろうか? 湯浅を送り込まなかったのだろうか? 交代すべき、というより、あまりの状態の悪さを見て「代えてやれよ!」と叫んだぐらいだ。心中するような投球内容にはほど遠かった。同じことをベンチで戦っている阪神ナインも感じたのではないか。「何で代えないんだろう?」と思った選手は、一人や二人ではないだろう。万が一、延長になっても西純もベンチ入りしていた。長い回を任せる存在が待機していたのだ。あの場面、何の心配もなく、急成長したセットアッパーを投入できたと思うのだが...。疑問ばかりが頭の中をグルグルする九回表だった。投手交代は「守り」ではない。相手の攻撃を、投手を交代することで止める-。私は「攻め」だと思っている。シーズンの最後の最後で、矢野監督が「攻めの投手交代」をしなかったことが悔やまれてならない。今季を象徴する試合を見せられた。残念だ。まだ可能性がある以上、矢野監督は攻めのさい配を思い出して、戦い抜いてほしい。

◆セ・リーグ2位のDeNAは20日、阪神最終戦(甲子園)に5-4で逆転勝ちした。主将の佐野恵太外野手(27)が一回に自己最多に並ぶ先制の20号ソロ、九回に同点打を放つなど、今季2度目の1試合4安打、2打点で勝利に貢献した。八回に勝ち越しを許したが全員野球で劣勢をはね返した。変則日程の10連戦中で貴重な勝ち星をつかみ、21日から巨人2連戦(横浜)、23日からは6ゲーム差で追いかける首位・ヤクルトとの直接対決3連戦(神宮)に挑む。主将がチームを勢いづけ、そして救った。佐野が自己最多に並ぶ、2年ぶりの20号到達となる先制ソロを含む4安打2打点で勝利に貢献した。「間違いなく諦めている人はいなかった。(九回は)先頭で宮崎さんが出て、つながって、さらにまだまだいけるぞという思いに。そこにみんなが乗っかっていった」ナインの思いを代弁した。2-1の八回に救援のエスコバーがまさかの3失点。甲子園の阪神ファンは勝利を確信したかのように歓喜したが、DeNAベンチは誰一人として諦めていなかった。九回に宮崎、代打・大田の連打から桑原の適時打で1点差。さらに2死一、二塁で佐野が虎の守護神、岩崎のスライダーを右前へ運んだ。意地の同点打で失望の溜息を誘うと、2死満塁から楠本が決勝の右前適時打で虎党を沈黙させた。佐野は9月に入り、26打席連続無安打と苦しい時期も過ごしたが、この日で3試合連続安打。一回に青柳から左中間フェンスを越える2戦連発となる20号を放つと、第3、4打席でも中前打を放ち、今季2度目の1試合4安打で「だんだんヒットコースに打球が飛んできている」と復調宣言だ。チームは試練の10連戦中。本来ならば、前日19日に巨人とのデーゲーム後に大阪入りするはずだったが、台風14号の影響で、この日の移動ゲームを余儀なくされた。負ければ1勝4敗ターンに加え、3位・巨人に4ゲーム差まで迫られて疲労倍増だっただけに、大きな勝利となった。「本当にみんなでよくひっくり返してくれた」。三浦監督も息をついた。21日は横浜にとんぼ返りし、3位・巨人との2連戦に臨む。「ヒットが出ずに迷惑をかけた分、これから取り返したい」。佐野の目がギラリと光った。12試合を残し、あと3勝すれば、自力で3年ぶりのCS進出が決定。6ゲーム差の首位・ヤクルトとの直接対決は4試合が残されている。猛チャージへの準備は完了した。(湯浅大)★虎キラー楠本V打 対右打者を得意とする変則右腕の青柳に対し、三浦監督は宮崎、ソトを控えにまわし、左打者5人を並べるオーダーを選択。今季の阪神戦で打率・357の好相性を誇る左打ちの楠本が「5番」で先発起用され、決勝打を放った。九回に2点差を追い付き、なお2死満塁で岩崎の初球を狙い打って右前へ。殊勲のヒーローは「佐野さんが同点にしてくれたので、もう思い切って打っていきました。『よっしゃ!』と思いました」と胸を張った。

◆限られたチャンスに全身全霊のスイングで応えた。陽川が代打同点弾で虎を一度は救った。悔しい敗戦のなか、伏兵とはいわせないとばかりに強烈な一撃を見舞った。「2球で追い込まれてしまったので、なんとか食らいついて、とにかく塁に出ることだけを考えていました」1-2の八回先頭にケラーの代打で登場。剛腕・エスコバーの155キロ直球に空振り、続く154キロ直球は見逃し、2球で追い込まれた。だが、直球をファウル、ボール球のチェンジアップを見逃し、5球目の内角低め155キロ直球を一閃! 左翼ポール際へ112メートル弾をほうり込んだ。今季1号は昨年5月16日の巨人戦(東京ドーム)以来492日ぶりのアーチとなり、原口、佐藤輝の適時打の呼び水になった。今季は守備位置の被る大山や佐藤輝らにスタメンを譲る機会も多いが、ベンチメンバーに甘んじるつもりは少しもない。軸足のタメをテーマに掲げてオフからバットを振りこみ、「去年は軸足のタメがなかった。もう一つタメがあれば、ボール球に手を出そうとしても止まる」と自慢の打撃力を磨いてきた。2018年シーズンに4番を打った経験のある31歳は「あのとき(18年)は無我夢中だった。今みたいに考えながらは、なかなかできなかった」。すべての経験値を総動員して1軍に〝食らいつく〟姿勢が、この日の意地のアーチにつながった。矢野監督も「(陽川)尚将が一発で流れを変えてくれた」とたたえ、陽川も「しっかりと自分のスイングができましたし、最高の結果になってよかった」とうなずいた。本塁打を打った際の〝ゴリラポーズ〟をこれから何度も披露し、崖っぷちの矢野虎をクライマックスシリーズへ連れていく。(新里公章)

◆この時期に4番が沈黙するチームは、沈んでいくしかない。大山の無安打が、虎に暗い影を落としている。最低限の1打点こそ挙げたが、あとはつなげず、かえせず。これで3試合、15打席連続無安打になった。八回に一時逆転はあったとはいえ、試合後の矢野監督が悔いたのも攻撃陣だった。「もちろん、(八回より)その前に点を取らなあかんと思うけど」と思わず漏らした。先頭打者の出塁が六回までに4度もあった。一回は特に、先頭・中野の三塁内野安打に糸原が四球で続き、近本が投前犠打をしてまでおぜん立てした絶好機だった。大山はここで三ゴロを放ち、1打点を挙げ同点とした。もちろん、先制された直後に追いついたのは大きく、最低限の仕事ではあった。だが、4番に望まれる仕事ではなかった。ピリッとしなかった相手先発の上茶谷が、ここからまたよみがえってしまった。近本が先頭で中前打を放った直後の1-1の四回には、大山は上茶谷に3球で見逃し三振を喫した。1点を追う六回1死二塁でも、大山は2番手の入江に空振り三振に斬られた。つなぐことも、決めることもできず、この時点で14打席連続無安打となった。14日の広島戦(甲子園)を最後に無安打に陥り、まるごと1週間快音がなく、チームも3連敗。八回2死二塁では申告敬遠されたが、この9月の勝負どころにきて、チームにとっても痛恨の沈黙だ。佐藤輝に代わって9月6日のヤクルト戦(甲子園)から4番に座った。ある意味では、勝負の9月に、勝ちにこだわった矢野監督の〝勝負手〟が「4番・大山」となるはずだった。しかし、それからの11試合の成績は、この日の3打数無安打で打率・171(41打数7安打)、0本塁打、5打点という寂しいものだ。チームを救えるのか、このまま落ちていくのか。残酷なことだが、逃げることもできない。大山のバットが、虎のこれからを決める。(長友孝輔)

◆阪神が〝いてまえ打線〟になった? 八回の攻撃にはそう期待させるくらいの勢いがあったのですが、逆転して迎えた九回にまさかの...。重量打線で勝負に出るのか-と思わせる試合前の守備練習でした。「原口選手がレフト、大山選手はライト、佐藤輝がサードで守備練習をしています。〝ファイヤー・フォーメーション〟でいくんですかね」打者担当のトラ番原田遼太郎の報告です。原田は「これで、糸原選手は二塁で、マルテを一塁で起用して...」と打力重視のオーダーに思いを巡らせていました。この話を聞いて、編集局で声を弾ませていたのが、大阪近鉄のファンだった紙面総括の整理部長矢田雅邦です。「2001年を思い出すわ。中村紀(普段は三塁)がショートに入ったときがあった。吉岡(普段は一塁)がサード。一塁に北川が入って、1番から大村、水口、ローズ、中村紀、磯部、吉岡、北川...と並べたりしていた。ショートを守るギルバートがあまり打てない助っ人やったから」同年にパ・リーグ優勝を果たす近鉄は、中軸として期待したガルシアが打撃不振で6月に退団。途中加入したギルバートは、76試合で・257、6本塁打、24打点。主に8番に座っていました。矢田は「中村紀がショートに入ったときは、キャッチャー(的山、古久保)以外はみんな打てる打線やった」と振り返りながら、その〝いてまえ打線〟の迫力を阪神でもと期待したのです。しかし、スタメンが発表されると、大山は左翼、原口は一塁、佐藤輝は右翼。糸原が三塁で、マルテはベンチ待機。最近の布陣どおりでした。「青柳さんが先発ですからね。抑えて守って勝つということでしょう」守備力には目をつむって打撃を優先するファイヤー・フォーメーションを採用するのは劣勢になったときや打撃戦が予想される試合。この日の守備練習は、そのときに備えてということだったのでしょう。サブキャップ新里公章は投手陣の〝フォーメーション〟の変化を伝えてきました。「西純矢がベンチに入っています。小林が〝アガリ〟です」18日のヤクルト戦に先発した藤浪は、中1日のこの日はさすがに入っていませんが、藤浪も終盤には「第2先発」として待機する予定。総力戦の態勢でした。阪神はあと1試合落とすと、シーズンの勝率5割以下が決まります。新里は「クライマックスシリーズに行けるのなら、借金があったっていいですよ。残りを何勝何敗とか、勝率5割以上でとかより、とにかくCSに行ければいい。優勝がない以上は、100勝しようが、100敗しようが一緒ですから」と強調しました。原田も「早くCSを決めてほしいです。10月2日のヤクルト戦(甲子園)まで待ちたくない」とうなずいています。台風14号の影響で中止・延期になった19日のヤクルト戦の追加日程が発表されました。そこまで決まらないような大混戦になっていくのでしょうか。八回に代打・陽川に同点ソロが出て、原口、佐藤輝のタイムリーで2点勝ち越したときには勝利をつかんだと思いましたが、まさかの4位タイに転落。先が読めません。湯浅も、西純もいた。投手陣は〝スペシャル・フォーメーション〟だったはずなのに...。

◆あの『矢野ガッツ』ちゅうのは、どこにいってもうたんやー!! 阪神ベンチで一人だけ、お通夜のような... それが虎の将だってんだから、勝てまっかいなー!!今季限りでユニホームを脱ぐのは勝手やけど、最後の最後まで勝ちにこだわるCS進出にかける)姿勢をウソでも見せてくれー!!四回1死一、二塁で佐藤の見逃し三振の球は明らかにボールに見えたのに、審判につめ寄ることも一切せず...。逆転した九回、岩崎がマウンドでヒィヒィしているんなら、監督自らマウンドに激励に行ってやったらええやん!1点を追う六回無死二塁では、一回にバントをさせた近本にお任せで結果、無意味な遊ゴロ。進塁打にもならずときたもんだ!!残り5試合は監督不在...いや「最後まで諦めるかいな」と、われわれ全国の虎党心監督で一丸になって戦います!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
74553 0.574
(↓0.004)
M6
(-)
11575
(+4)
536
(+5)
160
(-)
67
(-)
0.252
(↑0.001)
3.590
(-)
2
(-)
DeNA
68612 0.527
(↑0.004)
6
(↑1)
12464
(+5)
495
(+4)
105
(+1)
48
(-)
0.252
(↑0.001
3.500
(↓0.01)
3
(2↑)
巨人
65683 0.489
(↑0.004)
11
(↑1)
7532
(+5)
570
(+4)
161
(+2)
63
(-)
0.245
(-)
3.740
(-)
4
(1↓)
阪神
65703 0.481
(↓0.004)
12
(-)
5469
(+4)
410
(+5)
79
(+1)
104
(+1)
0.244
(-)
2.660
(↓0.02)
4
(1↓)
広島
65703 0.481
(↓0.004)
12
(-)
5534
(+3)
520
(+5)
86
(+1)
26
(-)
0.257
(-)
3.510
(-)
6
(-)
中日
60712 0.458
(↑0.004)
15
(↑1)
10383
(+5)
463
(+3)
60
(-)
58
(+1)
0.246
(-)
3.310
(-)