◆日本ハムは1回裏、無死一三塁から松本剛が適時打を放ち、先制に成功する。なおも続く好機で木村の犠飛、近藤の適時二塁打が飛び出すなど、この回一挙4点を奪った。投げては、先発・加藤が9回無失点で今季7勝目。敗れたロッテは先発・鈴木が乱調で、打線も無得点と振るわなかった。

◆日本ハムの試合中の応援曲として、球界でブームを起こした「きつねダンス」の原曲を歌う、ノルウェー在住の兄弟ユニット「Ylvis（イルヴィス）」が初来日。試合前に球団公式チアのファイターズガールら総勢300人の「チームきつねダンス」を従えて、原曲「The Fox」を熱唱した。明るく元気いっぱいの笑顔でダンスを踊る姿が人気のファイターズガールだが、この日は、原曲のミュージックビデオ（MV）をまねて無表情でダンス。日本ハム杉谷拳士内野手（31）や清宮幸太郎内野手（23）も、ベンチ内で一緒に踊っていた。3回裏終了後に行われた「きつねダンス」には、キレのあるきつねダンスを踊るイルヴィスが大型ビジョンに映し出され、観衆を沸かせた。

◆日本ハム発で球界を席巻する「きつねダンス」の原曲「The Fox」を歌うノルウェー出身のコメディアン「Ylvis（イルヴィス）」が、初来日で生歌を披露した。その後、ファーストピッチを務め、捕手を務めた杉谷と松本剛に向かってノーバウンド投球を披露した。弟のボード（40）は「最高だったよ！　これでいい気になっちゃうかも」と笑顔。兄ヴェガード（43）は「僕らのマネを本気でやってくれるとうれしいね」とご満悦だった。ノルウェーから初来日を果たし、今後は日本の音楽番組にも出演予定。

◆「きつねダンスDAY」のこの日、日本ハムが初回4得点で先制した。「1番一塁」で先発した清宮幸太郎内野手（23）の左越え二塁打を皮切りに、松本剛外野手（29）の左前適時打、木村文紀外野手（34）の中犠飛、近藤健介外野手（29）の左翼線適時二塁打、さらに宇佐見真吾捕手（29）の中前適時打でダメ押した。首位打者獲得を狙う松本剛は「チャンスで二岡さんの登場曲で打席に入ったので、打てる気がしました。もう1本打ちます！」と気合十分。野手最年長の木村は「最低限の仕事はできたと思います。追加点を取れて良かったです」。近藤は「いい流れで来ていたので何とか続くことができて良かったです。加藤さんにもっと援護点を取れるように頑張ります」と頼もしかった。先制の喜びを表現するように、1回の攻撃後には「きつねダンス」が盛大に行われた。

◆日本ハムの試合中の応援曲として、球界でブームを起こした「きつねダンス」の原曲を歌う、ノルウェー在住の兄弟ユニット「Ylvis（イルヴィス）」が初来日。試合前に球団公式チアのファイターズガールら総勢300人の「チームきつねダンス」を従えて、原曲「The Fox」を熱唱した。

◆ロッテ先発の鈴木昭汰投手（24）が、2回途中4失点でKOされた。初回、1番清宮に追い込みながら左翼フェンス直撃の二塁打を打たれると、2番細川にはフルカウントからバント安打。3番松本剛の先制適時打の後、4番木村の犠飛でようやく1死。しかし近藤に左翼への適時二塁打でつながれ、上川畑、宇佐見も連打。ロッテ打線が苦手とする日本ハム加藤を相手に、いきなり4点を奪われてしまった。2回も中島に四球、清宮に内野安打といきなり2走者を許し、2番手広畑にスイッチ（その後無失点）。打者10人に52球を投げ、ボール球が18球、ファウルが19球、安打が7本。最下位が確定した日本ハム打線に押し込まれ、首脳陣の期待を裏切った。試合中、球団広報を通じ「負けられない試合でこういった形となってしまい、申し訳ないです」とコメントした。

◆ロッテが痛い1敗を喫した中で、広畑敦也投手（24）のロングリリーフでの好投は光った。先発鈴木が早々に打ち込まれ、2回無死一、二塁のピンチに2番手でマウンドへ。無失点で切り抜けると、そのまま5回まで無失点リリーフを続けた。昨秋ドラフト3位で三菱自動車倉敷オーシャンズから入団し、今季はこれで29試合目の登板。4回を投げたのは1軍公式戦では自己最長となった。

◆最下位確定から一夜明けた日本ハムは、初回4得点のリードを守り切った。先発加藤貴之投手（30）が9回6安打無失点で今季2度目の完封勝利。自己最多タイ7勝目を挙げた。ヒーローインタビューには加藤と先制打の松本剛外野手（29）が登場し、インタビュアーを務めた清宮ファンの少女の直球質問にタジタジだった。一問一答は以下の通り。－まずは松本選手。好きな女性のタイプを教えて下さい松本剛　そーっすねえ...。笑顔が素敵な方が好きですね。－私は清宮選手です。ビックボスはどんな匂いですか松本剛　めちゃめちゃいい匂いです、本当に。－ちなみに清宮選手はどんな匂いがしますか松本剛　（笑い）清宮は...そうだなあ、なんか一生懸命な匂いがしますね。－仲のいい選手は誰ですか松本剛　僕はみんな仲良いですね。同級生は本当に仲良いと思います。－清宮選手とはどうですか松本剛　清宮呼んできます？　1回。清宮は僕のこと先輩と思っているか分からないですけど、すごくかわいらしい後輩です。－今日はきつねダンスDAY。プロデューサーとして松本剛　今日はきつねダンスDAYということで、僕プロデューサーやらせて頂いているんで、僕が活躍しないわけにはいかないなと、そういう気持ちで打席に立ちました。－次の企画も期待しています松本剛　頑張ります。－次は加藤選手。好きな女性のタイプを教えて下さい加藤　僕、ご飯を作れないので、料理作れたり掃除してくれる人がいいなと思います。－ビッグボスはどんな匂いですか加藤　あんまり近くに行かないですけど、すごいいい匂いですよ！　フルーティーな匂い。－仲のいい選手は誰ですか加藤　そうだなあ...。玉井にしておきます。玉井で。－どんな風に仲良いですか加藤　え、一緒にご飯食うくらい？－清宮選手とはどうですか加藤　そーっすねえ...。育ちが良いので、あんまり話さないですけど、言葉がキレイですね。－今日は私のために勝ってくれてありがとうございました。次の試合も頑張って下さい加藤　はい、頑張ります。

◆侍ジャパン栗山英樹監督（61）が試合を視察し、日本ハム清宮幸太郎内野手（23）のプレーに目を細めた。清宮は「1番一塁」で出場。初回、左翼フェンス直撃の二塁打で出塁し、この回4得点の口火を切った。視察を終え、清宮のことを聞かれた栗山監督は「ジャパンに選べと。分かった。よく見ておきます。今日みたいな活躍をしたら、選びましょう！」と答えた。侍入り確定？　とざわつく報道陣に「違う、違う、違う」と急いで否定。「ジャパンに選びましょう、そういう風に思えるような内容もありましたね。選べるような頑張りを期待してます」と笑顔で補足した。5年目の今季、ここまで自己最多となる17本塁打。一皮むけつつある、かつての教え子のさらなる成長を願っていた。

◆日本ハムは先発の加藤貴之投手（30）が、昨年10月18日楽天戦（楽天生命パーク）以来、自身2度目の無四球完封で、7勝目。打線は、1回に犠飛を挟んで6連続長短打で4点を奪った。試合後の新庄剛志監督（50）の主な一問一答は、以下の通り。新庄監督　今日の勝ちのポイントはどこだったと思いますか？　（1回の）2本のセーフティーバント。特に細川君の2ストライク後のセーフティー。セーフティーバントを決めて、セーフになって、また何か次やると思わせといて、攻撃していく。最高でしたね。（2回無死一塁では）オレも調子に乗って、清宮君に（バントのサインを）出したら、顔に当たったっていうね（笑い）。何番からでも点を取りに行くために、セーフティーバントを成功させて、1点ずつ（取っていく）。それで、今日の加藤君みたいに抑えていけば、必ず勝ちは増えていく。それだけの差だと思うんですよ。だから、しっかり打てるまでは、細かいきっちりとした（攻撃をしていかないといけない）。10回打席に立ってヒットを打つのと、10回打席に立ってバントを決めるのと、どっちが簡単ですか？　やっぱり、バントになると、6回くらいは成功してくれると思う。今日（1回に）ディレードスチール、ダブルスチールをやってみたんですけど、あれはピッチャーカットだったと思うんですよね。ああいう向こうのミスがあるから、面白いんですよ。1死だったので（一塁走者の）上川畑君は、そのままセカンドに行かないといけなかった。止まるんじゃなくて（止まって挟まれ、記録は盗塁死）。そのままセーフになっていたら、二、三塁から。あれは、サードランナー（の近藤）は難しいですよね。でも、ピッチャーがしゃがんだ時点で「わ！相手のミスだ！」と思った瞬間に、慌てて（本塁へ）行っても間に合ったかな～。あの時はイケイケだったし、ピッチャーもアップアップしていた。パニックになる場面なんで、ああいう向こうのミスを、ものにしていければ。初回の攻撃は面白かったですね。－細川は三塁の進塁もよかった新庄監督　あれも良かった。あれ、デカかった。あれは間一髪アウトになっても、僕は褒めますよ。（先発の）加藤君は、あと1試合くらいで（規定投球回に）いくかな？　次でクリアすると思うんで。－完投の理由新庄監督　本人が。今日は「行きます、行きます。全然行きます」っていう感じだったので。でも「ピンチになったら1回マウンドに来てください」って言ってた。－加藤が意思表示するのは珍しい？新庄監督　いや、今年は結構ありますよ。「終わりですか？」っていう表情もありましたし、逆に「代えないんですか？」っていう表情もあったし。「ここで代えるの？」っていう表情もあったし。彼は全てこっち任せにしてくれるので、すごい、やりやすいですね。淡々と。－投球のテンポが独特新庄監督　だから、加藤君だけかな、オレ言っていないの。「打者のタイミングを外す練習をして欲しい」っていうのを、言っていない。左打者は詰まるし、二ゴロ。だから、加藤君が投げる時はセカンドをすごく迷う。誰を守らせようかって。引っ張る右打者でも（打球が）ライト方向に行くしね。意外と守備位置が難しいんですよね、外野の。－侍ジャパンの栗山監督とも話していた新庄監督　推薦したのは、五十幡君、上川畑君、松本君、近藤君。すごいゲームの流れも作ってくれるし、守備もうまいし。－五十幡は代走として新庄監督　そうだね。これがダルビッシュ君とか大谷君が（代表に）入ってくるのであれば、他のチームのことは言いたくないですけど、やっぱり足の速い外野（が欲しい）。僕が大好きな高部君（ロッテ）とか、楽天の辰巳君。間を抜けないっていう。（先発投手は）そうは打たれないと思うから。オレの中で、面白そうだなって思いますけどね。守備重視の方が、僕は好きですね。あとは栗山さんがどういう考えかは、ちょっと...まあまあ、これから時間あるしね、聞いてみて。ですね。－投手は誰も推薦していない新庄監督　ピッチャーのことがあまり...まだ（監督）1年目で、そんなに詳しくないから。推薦するのであれば、ポンセくらいかな？－国籍が違うのでダメ新庄監督　ピッチャーはピッチングコーチの方と話してもらって。ある意味、鈴木君とか面白いんじゃないかな？　ワンポイントでもね。（アンダースローは、外国人選手は）見たことないと思うしね。－今日も3万6000人近く入った新庄監督　面白いですね。もう、グラウンドに入った瞬間に「さあ、何かしたるよ。見といて下さい」という気持ちにさせてくれるから。でも、ちょっとライト側空いてね？　なんなら埋めてって。最高っすよ。来年とか満員になってくれたら、選手の気合も入る。エスコンフィールドは何人くらい入るんだろう？－3万5000人新庄監督　3万5000人。圧が、かかると思うから。（オレが監督を）やっていたらね（笑い）

◆日本ハム清宮幸太郎内野手（23）が、フェンス直撃の二塁打で初回猛攻の口火を切った。試合前に「きつねダンス」の本家パフォーマンスを見て、ベンチ内で思わず一緒にダンス。リラックスした状態で1回、先頭の打席に臨んだ。ロッテ先発、鈴木の出ばなをくじき、チームは犠飛を挟んで6連続長短で一挙4点。リードオフマンの役割を果たした背番号21は「"きつねパワー"で。1番の仕事は、ちょっとは出来たかなと思います」と、ご機嫌だった。この日、4打数2安打。視察した侍ジャパンの栗山監督は「今日のような活躍をしたら（代表に）選びましょう！...というような頑張りを見せてくれたシーンもありましたね」と、遠回しながら、昨季まで指導した愛弟子を褒めた。清宮は「（代表は）後からついてくるもの。今できること、目の前のことを一生懸命やるだけかなと思います」と、気を引き締めた。○...加藤が今季2度目の完封勝利で、自己最多タイの7勝目を挙げた。初回に4得点の援護を受けて9回を6安打無失点無死四球の快投だった。「きつねダンスDAY」のこの日、ヒーローインタビューにきつねの尻尾をつけて登場。「あんまり言わないですけど（9回も）投げさせてください、と。もう1試合あるので、しっかり調整してイニング関係なくしっかり投げたい」と話した。○...首位打者獲得を狙う松本剛が「きつねダンスパワー」で決勝打を放った。1回無死一、三塁で左前適時打。4打数2安打1打点で打率3割5分1厘でトップをキープ。「お客さんもきつねを見にたくさん来てくれて、そのおかげで僕らもすごいモチベーション高く試合できたので、きつねのおかげだと思います」と笑った。▽日本ハム新庄監督　今日のポイントは、どこだったと思いますか？　初回の2本のセーフティーバントです。しっかり打てるまでは、細かい攻撃で点を取っていかないと。

◆「きつねダンス」効果だ。日本ハム加藤貴之投手（30）が今季2度目の完封勝利で、キャリア最多タイ7勝目を飾った。視察に訪れた侍ジャパン栗山英樹監督（61）は、加藤の快投に「俺が言うところではないけれども、本当に良かったよね」と目尻を下げた。代表選出については「もちろん、もちろん。本当に横並びに。だから何も言えないだけ」と話すにとどめた。新庄監督は「オレは加藤君は（代表に）合うんじゃないかなって思うんですよね。外国人のどんどん打っていく感じに。栗山さんが加藤君を使いたいと言うのであれば全然、もちろんですって言うし。プロ野球を盛り上げないと」と話した。

◆「きつねダンス」効果だ。日本ハム加藤貴之投手（30）が今季2度目の完封勝利で、キャリア最多タイ7勝目を飾った。自身2戦連続となったロッテ戦で、敗戦投手となった前回のリベンジを果たし、9回6安打無失点。「きつねダンスDAY」の盛り上がりに負けず、スタジアムを盛り上げた。チームの最下位確定から一夜明け、仕切り直しの一戦で左のエースが躍動した。「きつねダンスDAY」にふさわしいヒーローが、躍動した。きつねの尻尾をつけた加藤が、ヒーローインタビューに登場した。今季2度目の完封勝利。打者のタイミングをずらす独特のテンポで、凡打の山を築いた。「先頭を出さなかったところと守備に助けられた。野手とキャッチャーに感謝です」と最敬礼だ。球団公式YouTubeチャンネル内の「加藤の謎きつねダンス」は再生数84万超を記録。絶妙に脱力したダンスと、隣で踊る球団マスコットのフレップの戸惑う姿が相まって再生数を伸ばしている。「まだバズっていないので、もうちょい見てほしいです」。お立ち台でのダンス披露に期待が集まったが「ちょっと疲れていたのでやめました」と苦笑いを浮かべた。イニング間に複数回行われた「きつねダンス」を横目に快投した。8回、初めて三塁に走者を進めたがピンチを断つと「変なスイッチが入った」。加藤投手コーチに続投の意思を聞かれ「あんまり言わないですけど『投げさせて下さい』と。投げたいなという気持ちになったんですよね」とポーカーフェースの裏でアドレナリンがあふれていた。「きつねダンス」のモチーフになっているキタキツネのフレップとは、入団当初から不思議な関係を築いてきた。フレップにだけハイタッチしない塩対応ぶりが話題となった。フレップは「心友！...だと勝手に思っています」。加藤は「（心友と）思うのは勝手なので。あんまり心開かないようにしています」と相変わらずの塩対応も、きつねパワーを受け取った。プロ7年目でルーキーイヤーに挙げた自己最多7勝目に並んだ。「もう1試合（登板が）あるので、しっかり調整してしっかり投げたい」。左のエースはきつねのごとく、まだまだ化ける可能性を秘めている。【田中彩友美】

◆日本ハムは一回に松本剛の適時打、木村の犠飛、近藤の適時二塁打、宇佐見の適時打で４点を挙げた。加藤は無四球の６安打で自己最多に並ぶ７勝目を今季２度目の完封で飾った。ロッテは鈴木が二回途中４失点と崩れ、打線もつながらず零敗を喫した。

◆日本ハム・加藤が１２３球、６安打、無四死球で今季２度目の完封。八回を投げ終えたところで加藤投手コーチに続投を志願した７年目左腕は「変なスイッチが入った」と照れ笑いを浮かべた。今季７勝目で規定投球回到達まであと３回１／３。防御率２・００でリーグ１位のオリックス・山本（同１・７１）を逆転する可能性も残されており、「もう１試合、しっかり投げたい」と表情を引き締めた。

◆５位ロッテはクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出が遠のく完敗となった。最下位日本ハムの加藤に抑え込まれて今季１８度目の零敗で３位楽天との差は３ゲームに開いた。井口監督は「なかなか（球を）絞りきれなかった。残りの試合頑張るだけ」と語った。得点圏に走者を進めたのは２度だけで八回２死一、三塁では安田が投ゴロに倒れた。先発投手の鈴木は二回途中４失点とチームを勢いづけられず「負けられない試合でこういった形となってしまい申し訳ない」と肩を落とした。

◆日本代表の栗山監督が視察に訪れ、ロッテの井口監督と疲労を考慮して出場選手登録を外れている佐々木朗について話した。来年３月のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）に向け、栗山監督は「本当に預かる方は大変。丁寧にいく」と状態を慎重に見極める考えを示した。今季２度目の公式戦視察をこの日で終えた。１１月には強化試合を戦うが、メンバー選考には「全ての監督さんにぎりぎりまで引っ張らせてください、とお願いした。難しい」と頭を悩ませていた。