阪神(☆6対5★)広島 =リーグ戦23回戦(2022.09.14)・阪神甲子園球場=
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広島
20001110051311
阪神
20001300X6800
勝利投手:ケラー(2勝2敗3S)
(セーブ:岩崎 優(1勝5敗26S))
敗戦投手:森下 暢仁(10勝8敗0S)

本塁打
【広島】西川 龍馬(10号・5回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神が逆転勝利。阪神は1点を追う5回裏、糸原の犠飛で同点とする。直後に勝ち越しを許すも、6回に梅野の2点適時三塁打などで3点を奪い、試合をひっくり返した。投げては、2番手・ケラーが今季2勝目。敗れた広島は、先発・森下が6失点と振るわなかった。

◆阪神伊藤将司投手(26)が10勝目を目指す。阪神投手が新人から2年連続2桁勝利すれば、13~15年藤浪以来。また、甲子園では昨年9月1日から10連勝中。阪神投手が甲子園で11連勝だと、70、71年村山(12連勝)以来、球団51年ぶり。

◆負ければ今季の優勝の可能性が消滅する阪神は、この日昇格した小幡竜平内野手(21)を7番・二塁でスタメンに抜てきした。井上一樹ヘッドコーチ(51)は「2軍の方でも頑張っている、数字を残しているという報告を受けていて、調子がいいと。新風? という新しい風で竜平(小幡)いってみよう! って」と説明した。2軍では現在9試合連続安打をマーク。9月は8試合で打率4割6厘(32打数13安打)、5打点と絶好調だ。1軍でのスタメンは7月20日広島戦(マツダスタジアム)以来、今季13度目。先発の伊藤将司投手(26)は昨年から本拠地甲子園で10連勝中。その好相性も生かし、昨季に並ぶ10勝目を狙う。

◆阪神伊藤将司投手(26)の2年連続2ケタ勝利はお預けとなった。1回に2点を先制されたが、その裏、大山悠輔内野手(27)の適時打などですぐに同点に追いついた。5回には西川に10号勝ち越しソロを浴びたものの、その裏、無死満塁から糸原健斗内野手(29)の左犠飛で再び同点に追いついた。伊藤将はそのまま5回7安打3失点で降板。昨季も10勝しており、新人年から2年連続2桁勝利なら、球団では藤浪晋太郎以来だった。伊藤将は「立ち上がりは少しバタバタしてしまいましたが、調子は悪くなかったので、もう少し粘りたかったというのが正直なところです。先発として長いイニングを投げられるように、今日の反省をまた次回以降にいかしていければと思います」と話した。

◆阪神打線が3度目の正直で逆転に成功した。取られては取り返す展開。初回に2点先制されたが、その裏にすぐさま2得点。5回も1失点のあとに1得点。そして6回も1点勝ち越されたが、その裏、今度は逆転に成功した。1死一、二塁から梅野隆太郎捕手(31)が右中間を破る逆転の2点三塁打。広島森下暢仁投手(25)をKOした。さらに代打ジェフリー・マルテ内野手(31)の犠飛で計3点。6-4と初めて先行した。梅野は「追い込まれていたのでなんとか食らいつくという思いだった。きん差の展開になっているので絶対に競り負けないという強い気持ちでやっていきたい」とコメントした。

◆阪神が粘り強い戦いで逆転勝ちした。先発伊藤将司投手(26)が1回に2点を先制されたが、その裏、大山悠輔内野手(27)の適時打などで同点。5回に勝ち越されたが、その裏再び同点に追いついた。さらに、6回に2番手カイル・ケラー投手(29)が1点を失った直後に粘りを見せた。6回1死一、二塁の好機を作ると、梅野隆太郎捕手(30)が右中間を破る適時2点三塁打で逆転。さらに代打ジェフリー・マルテ内野手(31)の中犠飛で追加点を奪った。7回に1点差に迫られたが、継投で逃げ切った。この試合に敗れると、今季の優勝の可能性が消滅していた。また、広島に同率3位に並ばれるピンチでもあった。正念場の試合で、失点直後に3たび得点する粘り腰を見せ、見事に眼下のライバルを退けた。

◆広島が接戦を落とし、3位タイ浮上のチャンスを逃した。それどころか、1日以来2週間ぶりに5位に転落した。■森下6回途中7安打6失点で8敗目先発の森下暢仁投手(25)が3度のリードを全て守れず、最後はリードを与えた。4-3と三たびリードした直後の6回は1死から連打で1死一、二塁をつくられ、梅野隆太郎捕手(31)に右中間へ2点適時三塁打を浴びた。この試合初めてリードを許し、ここで降板。代わった森浦大輔投手(24)がジェフリー・マルテ内野手(31)に犠飛を許し、森下は5回1/3を6失点となった。■キャリアハイ更新に4度目の足踏み勝てばキャリアハイ更新の11勝目だったが、8月16日の中日戦(マツダスタジアム)に10勝目を挙げた後、4戦勝ち星がない。■試合のない巨人に抜かれ5位転落勝てば8月18日以来の3位タイ浮上だった。これで試合がなかった巨人に抜かれ、9日以来の5位に転落。クライマックスシリーズ(CS)圏の3位阪神には2ゲーム差に離された。今季は残り8試合。大きな1敗となった。

◆広島が接戦を落とし、3位タイ浮上のチャンスを逃し1日以来2週間ぶりに5位に転落した。3位阪神に再び2ゲーム差に離され、佐々岡真司監督(55)は「あと8試合を勝つしかない」と言葉を振り絞った。佐々岡監督の一問一答は以下の通り。-森下の評価は「味方が点を取った後というところがね。あそこはしっかり。取った後に取られるというのは流れが悪くなるので。初回は逆球があったり、変化球が入らなかったり。2回以降は持ち直した感じがしたんですけど、初回は入りが悪かったのかなと思います」-6回に会沢が適時打を打って1点リードを奪った。もし打っていなければ代打だったか「状況によって、一応(代打の)準備はしていました」-勝ち越した以上は当然6回も「まだいけると、こっちは判断していましたし、まして森下で、今のうちでは一番安定した投手でもある。点が入れば当然行く。入らなければ、点を取りにいかなければいけないとは考えていました」-打線は粘り強く「初回からほんと、しっかりとね。もう1本というところも初回とかにあって、もう1本出ていればまた(展開が)変わったかもしれないですけど」-3位阪神とは再び2ゲーム差「あと8試合を勝つしかないと思うのでね、そういう気持ちで戦うしかないと思っています」

◆粘りきったバイ!3位阪神が広島戦(甲子園)に競り勝ち、クライマックスシリーズ(CS)進出へしのぎを削るライバルを突き放した。3度背負ったビハインドをはね返し、6回1死一、二塁から梅野隆太郎捕手(31)が右中間に決勝の逆転タイムリー三塁打を放った。残り8試合で4位巨人と1・5差、5位広島と2差。CS圏内を守り抜く!黄色に染まったライトスタンドが大きく揺れる。梅野の打球は右中間真っ二つだ。1点を勝ち越された直後の6回1死一、二塁。負ければ優勝の可能性が完全消滅する土俵際で、森下から逆転2点適時三塁打。こん身のV逸阻止打に、拳を何度も突き上げた。「チームでつないで、たまたま自分が打点を挙げた。みんなのつなぎで乱打戦を制したんじゃないかなと思っています」言葉通り、まさに一丸だった。初回に先制されても、すぐさま同点に追いついた。5回に勝ち越されると、その裏。二塁打でチャンスメークし、糸原の犠飛にヘッドスライディングで生還。「無我夢中でね。その場面を覚えてないくらい集中していた」。負けられない一戦。気持ちがこれでもかとプレーに表れた。「ほんとこの勝利は大きい。ファンのみなさんもヒヤヒヤしたと思いますけど、こういうゲームを取ると、チームも上がってくる」8月下旬からゴールドがあしらわれたプロテクターを採用。今季使用していた白の差し色から変更した。ちょっとした気分転換が、時に背中を押してくれる。「少しのカラーリングで見る未来も雰囲気も変わる。143試合もあれば、打てた時、打てない時。勝った時、勝てない時とかが、もちろんある。毎日勝負してるけど、遊び心も持ってプレーしてる」常々、「みんなに視覚的にも楽しんでほしい」と願う男だ。プロテクターなら守備の際、中継に映し出される。ファン思いの梅野らしい細部へのこだわり。残り8試合。ギラギラと熱く輝く準備は整っている。シーソーゲームを制し、巨人とは1・5差、広島とは再び2差に広げた。執念が詰まった戦いぶりに、矢野監督も「諦めないっていうのはチームで大事にしていること。そういう思いが形になって、本当にうれしい」とうなずいた。お立ち台では同学年の岩崎に「次も勝つバイ」と決めせりふを先取りされ、思わず笑顔。梅野は仕切り直して「あさっても勝つバ~イ!」と締めた。クライマックスへ、もう走り続けるだけだ。【中野椋】○...マルテがまた勝負強さを発揮した。1点を追う6回。梅野の2点三塁打で逆転した直後に代打で登場。梅野を中犠飛で生還させ、3日連続の代打での打点となった。新しい代打の切り札は「しっかり準備できていたし、まずは自分のスイングをすることと、確実にコンタクトすることを心がけた。いい結果になってくれてうれしいよ」と満足そうだった。○...糸原が勢いづいている。初回、2得点につながる左前打を放つと、5回は一時同点の犠飛、7回にも左前打。3回の中直も完璧な当たりだった。犠飛は左翼線前方への打球。梅野が思い切ってホームに飛び込んだ。「相手のミスでもらったチャンス。思い切って積極的にスイングしました。梅野さんのナイスランのおかげです」。前日の3安打に続いて打線を機能させた。○...原口がまたクリーンアップの仕事を果たした。初回、1-2と追い上げてなお1死一、三塁で右犠飛を打ち上げた。4試合連続で5番起用され、期待に応えている。「(大山)悠輔が難しい状況でしっかりまず走者をかえしてくれたので、何とか食らいつこうと思った。(三塁走者の糸原)健斗もよく走ってくれた。最低限の仕事ができました」と仲間に感謝した。○...大山が試合を立て直す一撃を放った。初回、2点を先制されたがその裏すぐさま反撃。1死二、三塁で右前にはじき返し、すかさず1点。原口の犠飛で追いついた。「先頭からつないでいい流れで回ってきたので、何とか1点という思いだった」。4番として着実に打点を積み重ねる大山はこれがリーグ2位の84打点目。20年の自己ベスト85打点にあと1とした。○...ケラーがラッキーな2勝目をゲットした。6回に2番手で登板したが、1死から小園に二塁打、続く会沢に一時勝ち越しとなる中前適時打を浴びた。それでも後続を抑えてベンチに戻ると、その裏に味方打線が3点を奪い逆転。1回2安打1失点ながら、助っ人に来日2つ目の白星がついた。○...小幡が昇格即7番二塁でスタメンに抜てきされ、6回に安打で梅野の逆転適時三塁打につなげた。2打席凡退での第3打席、1死一塁で森下の外角低め直球を逆らわず左前へ。「下でずっといい感じのまま上がってきた。ああやって1本出て、すごくよかった」。2軍では9試合連続安打、9月は8試合で打率4割6厘(32打数13安打)、5打点と絶好調だった。7月20日広島戦(マツダスタジアム)以来、今季13度目のスタメンで新風を吹かせた。○...浜地が踏ん張った。2点リードの7回2死二塁で岩貞に代わって登板。広島の5番マクブルームに右中間を破る適時二塁打を浴びたが、続く代打松山を遊ゴロに仕留めて危機を脱した。今季19ホールド目で、20ホールドポイントとなった。○...岩貞がナイスリリーフで勝利の流れを渡さなかった。逆転した直後の7回に3番手でマウンドに上がると、先頭の上本に右前打を許し、いきなり走者を背負った。だが、西川、坂倉の3、4番を三振、三ゴロに打ち取って2死二塁で浜地と交代。浜地が適時打を浴びたため1失点となったが、最少失点で切り抜ける流れを作った。阪神が逆転勝利で、V消滅の危機を踏みとどまった。優勝消滅は最短で16日。同日ヤクルトが○なら、その後の14試合に全敗しても最終成績は74勝67敗2分けで勝率5割2分5厘。阪神は残る8試合に全勝しても73勝67敗3分けで5割2分1厘に終わり、ヤクルトを下回る。

◆守り抜いた。1点リードの9回、阪神岩崎優投手(31)がマウンドに上がる。「セーブシチュエーションが久々だったので気合入りました」。虎党の祈りを一身に背負った守護神は、先頭西川を遊ゴロ、続く坂倉を143キロの直球で三飛に仕留める。最後は代打菊池涼を一邪飛に斬って試合を締めた。お立ち台では一緒にお立ち台に立った梅野のセリフを拝借した。「勝敗に直結するところで投げているので、次の試合も勝つバイ!」。突然の博多弁に球場は笑いに包まれた。セーブは8月5日の広島戦以来。26セーブ目は球団左腕では82年の山本和行に並び歴代トップタイとなった。道のりは平たんではなかった。8月に2戦連続でセーブ失敗し、セットアッパーに配置転換された。それでも任されたマウンドで黙々と腕を振り、6試合連続無失点。再び最後を締めるマウンドに返り咲いた。「どこでも結果を出していけるのが、自分の持ち味というか、そういうポジションをやってきた。(9回を)任せてもらえることを、すごく意気に感じてやっていました」矢野監督も岩崎の存在の大きさを改めて口にした。「コンディションが難しい部分もあると思うけど、スグルに頼るしかない。残り試合も頼りにしないとねダメなんでね」と守護神を信頼していた。【三宅ひとみ】○...8回の男・湯浅も奮起した。2死から連打で2死一、三塁のピンチも、上本をフォークで空振り三振。ワンバウンドをそらさなかった梅野もガッツポーズ。湯浅は「梅野さんが止めてくれると信頼して、思い切って腕を振って投げられている。本当に感謝したいです。その前の回まで点が入り続けていたので、なんとかゼロで帰ることができて良かった」と会心の笑顔。5試合連続の39ホールド目を挙げた。岩崎が今季26セーブ目を挙げて、球団左腕最多の82年山本和行に並んだ。プロ野球左腕最多は、中日岩瀬仁紀が05年に記録した46セーブ。なお、右腕も含めた球団最多は、藤川球児が07年に挙げた46セーブ。

◆広島森下暢仁投手(25)が5回1/3を投げ7安打6失点で、自己ワーストとなる8敗目を喫した。1回、5回、6回と味方の援護直後に失点。4-3の6回は1死一、二塁から梅野に右中間へ2点適時二塁打を浴びた。3度のリードを守り切れず、逆転負けした。3位阪神とのゲーム差は2に広がり、5位転落。クライマックスシリーズ(CS)進出争いから1歩後退した。サインに首を振って投じた直球が浮いた。広島が3度目のリードを奪った6回。森下は1死から連打で一、二塁のピンチを招いた。梅野を追い込んでからの6球目真っすぐは、捕手会沢が構えたミットより高めに入った。捉えられた打球は右中間を破り、2人が生還。逆転を許した。この日初めて阪神にリードを許し、マウンドを降りた。「(球種は)どれも微妙という感じでした。それでも何とかしないといけない」。5回1/3で7安打6失点。敗戦の責任を背負い、険しい表情を崩さなかった。中5日での先発。変化球の精度を欠き、立ち上がりから直球中心の組み立てとなった。2点を先制してもらった1回は先頭の連打から2点を失い、再び1点を勝ち越した5回も先頭梅野の二塁打から同点に追いつかれた。決勝打を浴びた6回を含め、味方が得点した直後に失点。3度のリードを守れず、自己ワーストを更新する8敗目を喫した。勝ち越した6回の攻撃時、1死一塁から森下をそのまま打席に送った佐々岡監督は「味方が点を取った後に取られるというのは流れが悪くなる。2回以降は持ち直した感じがしたんですけど」と振り返った。本調子でない中でも6回のマウンドを託したが、裏目となった。8月16日の中日戦で自己最多10勝目を挙げた後、登板4試合勝ち星なしと苦しんでいる。チームは3位阪神に逆転負けし、ゲーム差は2に広がった。さらに巨人に抜かれ、5位に転落。CS争いから1歩後退した。残り8試合は変則日程となり、森下はまだ2試合に先発できる。「何とか残り試合投げさせてもらえるところで結果を残したいと思います。それだけしかないです」。やり返すチャンスも、順位を逆転する可能性も、まだ残されている。次回登板予定は、1週間後の21日、再び甲子園での阪神戦だ。【前原淳】○...西川が一時、勝ち越しとなる10号ソロを放ち、2年連続3度目の2桁本塁打に乗せた。2-2の5回1死。カウント2-1から伊藤将の内角直球を右翼席に運んだ。「しっかり振り抜くことができた。また明日からも頑張ります」。秋山不在の余波で5戦連続3番起用。その間23打数11安打と役目を果たしている。○...6戦ぶりスタメンのマクブルームが約2カ月ぶりの猛打賞で応えた。1回1死一、二塁で左翼線へ適時二塁打。3回2死では中前打を放ち、2点を追った7回2死二塁では右中間へ適時二塁打を放ち、1点差に迫った。「チームが負けて(前向きな)感情は少ない。勝つことだけを心に持って取り組みたい」。代打に甘んじていた主砲が7月16日以来5度目の猛打賞。再上昇の光が見えた...

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神梅野隆太郎が大活躍! 二塁打、逆転三塁打に泥だらけの生還。守りでも湯浅京己のフォークを体を張って止め、走攻守に光るプレーを見せました。

◆阪神・小幡竜平内野手(21)が出場選手登録され、「7番・二塁」で出場する。スタメンは7月20日の広島戦(マツダ)以来、2カ月ぶりとなる。先発は、甲子園10連勝中の伊藤将。現在、9勝(5敗)を挙げており、2年連続2桁勝利を目指してマウンドに上がる。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)と原口文仁内野手(30)のクリーンアップがきっちりと仕事を果たした。2点を先制された直後の一回裏に連打で無死一、二塁とし、近本は三塁線へセーフティーバント気味に転がして1死二、三塁(結果は犠打)。ここで大山が打席に立ち、先発・森下の外角高めのカットボールを右前にはじき返して1点を返した。なおも一、三塁で原口が右犠飛で同点とした。大山は試合前時点で得点圏打率・308。成績通りの勝負強さを発揮して試合を振り出しに戻した。

◆阪神・糸原健斗内野手(29)が同点犠飛を放った。1点を勝ち越された直後の2―3の五回、先頭の梅野が右中間二塁打で出塁すると、代打・木浪が初球をバント。処理した一塁手のマクブルームが一塁へ悪送球して一、二塁とチャンスが広がった。さらに中野は死球で満塁となり、糸原が先発・森下の直球に反応して左翼へ飛球。やや浅めの打球だったが、三走・梅野が本塁へ執念ヘッドスライディングを見せ、同点とした。先発の伊藤将は立ち上がりに制球が安定せず、西川、マクブルームの適時打で2点を献上。2―2の五回に西川に甘く入った直球を右翼席へ運ばれて勝ち越しソロを浴びた。5回7安打3失点で、五回の攻撃で代打が送られて降板。それでも味方の反撃もあり、黒星は消えたが、王手をかけていた2年連続の10勝とはならなかった。

◆広島の西川が2―2の五回、10号ソロ本塁打を放った。1死から伊藤将の甘く入った直球を豪快なスイングで引っ張り、右越えへ。2年連続2桁到達となる一発に「しっかり振り抜くことができた」と拳を握った。一回は先制打。先頭野間の左前打と犠打による1死二塁でチェンジアップにうまく合わせて左前に運んだ。秋山に代わって3番を任されてから5試合連続安打。「3番の仕事ができて良かった」と手応えを口にした。下半身のコンディション不良から8月上旬に復帰後は好調を維持。クライマックスシリーズ(CS)進出争いが白熱している終盤戦で頼もしさが増している。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)がチャンスで逆転2点二塁打を放ち、試合をひっくり返した。3―4の六回、1死から連打で一、二塁の好機を作り、梅野が打席へ。ここで先発・森下の高めの149キロに反応し、右中間へはじき返した。走者2人が生還し、打者走者も三塁まで到達した。なおも1死三塁で代打・マルテが中犠飛を放って、リードを広げた。一、五回とリードされならがも必死に追いつき、六回についに逆転。打線が粘り強さを見せて形勢逆転した。

◆阪神はシーソーゲームを制し、CS(クライマックスシリーズ)圏内の3位を死守した。一回に2点を先取されるも、その裏に追いつくと、2―2の五回も勝ち越しされた直後に追いつき、食らいついた。そして六回の守備で再度をリード許したが、その裏の攻撃で執念を見せた。1死から連打で一、二塁とし、梅野が2点三塁打を放ち、逆転に成功。この試合で初めてリードを奪った。その後、1点を返されるも、九回に登板した岩崎が試合を締めた。左腕は8月5日の広島戦(マツダ)以来、40日ぶりのセーブをマーク。先発の伊藤将は5回3失点だった。負ければV消滅&4位転落の可能性があった一戦で、チーム一丸となって白星をつかんだ。

◆広島早版試合開始直後から甲子園で10連勝中の伊藤将に襲い掛かった。クライマックスシリーズ(CS)進出を懸けた直接対決2戦目。広島・西川が鮮やかな逆方向への一打で幸先よく先制した。「(野手)キャプテン(野間)が先頭で出て、(上本)崇司さんがしっかり送ってくれた。3番の仕事ができて良かったです」一回1死二塁で変化球を左前へ流し打って先制に成功。さらに坂倉が四球でつなぎ1死一、二塁でマクブルームが三塁手の頭上を越える左翼線適時二塁打を放ってリードを広げた。不振のマクブルームは大一番で自身7試合ぶりに打点を挙げ、「初球からストライクを積極的に振っていこうと思っていた。良い追加点につながって良かった」と胸をなでおろした。13日の1戦目にハーラートップ12勝の青柳を6回5得点で攻略した打線は2─2の五回に突き放した。1死から西川が甘く入った直球を捉えると右翼席に着弾。この一発で2年連続、通算3度目の2桁本塁打に到達した。しかし、チームは六回に逆転を許してしまった。チームは11日の巨人戦(マツダ)に敗れ、4年連続でリーグ優勝の可能性がなくなった。この日は阪神に逆転負けを喫した。しかし、まだCS進出の可能性が残っている。秋山が10日に出場選手登録抹消。さらに菊池涼も5試合連続でスタメンを外れているが、総力戦でAクラス入りを勝ち取る。

◆負ければ17年連続V逸が決まる阪神は藤原崇起オーナー(70)が観戦する中、広島に逆転勝ちを収めて、踏みとどまった。1点を追う六回1死一、二塁で梅野隆太郎捕手(31)の右中間を破る三塁打で逆転。さらにジェフリー・マルテ内野手(31)が代打で3日連続打点となる犠飛を放ち、加点した。1点差の九回は岩崎優投手(31)が登板し、8月5日の広島戦(マツダ)以来のセーブを挙げた。1安打の佐藤輝明内野手(23)のノーアーチは21試合で自己最長「91」に迫る89打席。勝率5割フィニッシュには残り8戦5勝がノルマ。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績65勝67敗3分=残り8試合、観衆3万4584人)。(テレビインタビュー)ーー大きな勝利「いやーもうすごい大きいですね。勝ててうれしいです」ーー点を取られても取り返す粘り「いや、あきらめないのはチームで大事にしていることなので。そういう思いが形になって、本当に嬉しいです」ーー梅野の逆転打「いやーもうね、最高の形でタイムリーになって、もう1点という形にもつなげてくれました。その前のチャンスメークもそうですし、後半のワンバウンドも(八回2死一、三塁で湯浅のワンバウンド投球を捕球)止めてくれた。攻守でしっかりやってくれました」ーー先発の伊藤将は(5回3失点降板)「立ち上がりで2点を取られて、その後もピンチでしたし、もう1点はもったいないな、というのもありますけど。粘ってくれたところと課題もまだある。まだ登板あるんで、最後もうちょっと頑張ってもらいます」ーーリリーフ陣も粘り強く投げている「この緊迫感の中で、大事な試合というのを分かりながら投げるのは本当に難しいことですけど、気持ちの中で向かっていくのを大事にしてくれていると思います」ーー2日休んで17日から巨人、ヤクルトと当たる「いやもう勝つしかないんでね。目の前の相手をどう叩くか、一生懸命考えながら自分たちの諦めない超積極的野球を、しっかりやっていきたいと思います」(囲み)ーー梅野は難しい判断の犠牲フライで生還した(五回無死満塁から糸原の左飛でヘッドスライディングで生還)「あれは本当に簡単じゃないんで、2つともよく判断良くかえってくれた。簡単そうに見える人もいるかもしれないけど、あれは難しいんで」ーー点の取り方は犠飛などいい形「うーん、もちろんどっかでホームラン出てくれたら、いいんだけど。ホームラン打てるバッターが並んでるわけではないので、残り試合少ない中で、みんながチームに絡むのはチーム全体が盛り上がると思うので、そういう試合をしてくれたのは監督として嬉しいです」ーー苦手の森下から点を取って勢いに乗れる「もう一回当たる可能性があると思うし、立ち上がりに点取られたビハインドからのスタートになってしまって、ポンと抑えられると、嫌なムードになるところを初回にみんなで2点取れた。取られた後のすぐの2点も大きかったと思います」ーーマルテは3試合連続で代打での打点「いや、もうどんなピッチャーでも別に苦手は多分、基本ないと思うんで、どんな状況でも大事なところは基本マルテでいくのは自分の中でも多分...それに応えるのも簡単じゃないけど、まあ、何とかしぶとくやってくれるバッターなんでね。チャンスにはもってこいのバッターだと思っています」ーー岩崎が久しぶりのセーブ「うん、まあ、最近また状態もよくなってきているし、まあ、ずっとね自分が監督をやってる間、フルで投げてもらっているピッチャーなんでね。まあ、コンディションも難しい部分もあると思うけど、もう、ちょっとスグルに頼るしかないんでね。そういうところでまたいいスタートが切れたと思うんで。残り試合も頼りにしないとダメなんで。何とかスグルにつなぐようにとは思っています」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(57)は梅野隆太郎捕手(31)の走攻守に渡る好プレーを絶賛した。文句なしの「梅野デー」だったので、私もホメたい。ポイントは五回無死満塁から糸原の浅い左飛で思い切ってタッチアップ。本塁へヘッドスライディングで生還したシーンを挙げたい。あのプレーを足のスペシャリストがすれば「よくやった」だけなのだが、梅野がやるから意味がある。気合が入っていただろうが頭から滑り込んだことでチーム全体が盛り上がり、よし行けるぞ! という空気になったはず。自分のプレーでナインを鼓舞できる。梅野とは、そういう選手だ。ベンチスタートが多くなっている状況で、いつでも行けるように準備していたからこその活躍だろう。「打てる捕手」が特徴だったが、その打撃の調子が上がらないことも、試合に出られない要因になっていた。この日見せた逆方向への意識を強く持った打撃をしていけば、出場機会が増えるきっかけになるはず。リード面も素晴らしかったし、特に湯浅のワンバウンドを止めたシーンには驚かされた。1点リードの八回2死一、三塁、上本を迎えた場面でサインはストレート。ワンバウンドを想定していない状況でワンバウンドが来ると、並みの捕手なら絶対に止められない。体で止めに行く動作が間に合わないと判断して捕球に切り替えた。見事というほかない。残り8試合で1つも落とせない厳しい戦いが続く。その中で、梅野がプレーでチームを引っ張り始めた。阪神にとっては心強い。

◆広島はシーソーゲームをものにできず、5位に後退した。3位阪神とのゲーム差は2に逆戻りとクライマックスシリーズ(CS)進出を争う相手に痛い1敗を喫し、佐々岡監督は「あと8試合を勝つしかない。気持ちで戦う」と自らに言い聞かせるように話した。中5日で先発した森下は制球の甘さを突かれ、2―0の一回、3―2の五回と援護点の直後に追い付かれた。会沢の適時打で勝ち越した六回も1死から連打で一、二塁とされ、梅野の2点三塁打で逆転を許して降板。6失点で8敗目を喫し「勝たないといけない試合だった」と肩を落とした。

◆阪神の岩崎が8月5日以来の26セーブ目を挙げた。6―5の九回を3人で片付け「久しぶりだったので気合が入った」と胸をなで下ろした。3番から始まる相手攻撃に対し、まずは西川を遊ゴロ。坂倉と代打菊池涼も力で押して打ち上げさせた。8月6、14日と登板した2試合続けて負け投手となり、中継ぎに配置転換されていた。再び守護神を託され「任せてもらえることを意気に感じた」と首脳陣の期待に応えた。

◆夜空に高く舞い上がった白球が捕球されるのを見届け、岩崎は大きく息を吐いた。梅野とグータッチを交わすと、「よっしゃ」と声を上げた。グラウンドではポーカーフェースを貫く左腕もこの時ばかりは感情が高ぶった。「ウメ(梅野)がいいプレーをしてくれたり、他のピッチャーもなんとか逆転されないように粘っていたので、気持ちは入っていた」大きな拍手に迎えられ、九回のマウンドに上がった。西川、坂倉をそれぞれ直球で打ち取って2死とすると、虎党の応援ボルテージも高まった。最後は代打・菊池涼をど真ん中の143キロで一邪飛。点の取り合いだったこの日、初めて鯉打線を三者凡退に仕留め、8月5日の広島戦(マツダ)以来となるセーブを記録。今季26個目のSに「今日は絶対勝たないといけないところだったので、よかった」と胸をなでおろした。40日ぶりのセーブ。梅野と上がったお立ち台では淡々とインタビューを受けていたが、最後に「勝敗に直結するところで投げていますので、次の試合も、勝つばい」と相棒の決めゼリフを先取り。あまりの意外さに場内は笑いに包まれた。今季は試練の連続だった。開幕当初、守護神として期待されたケラーが不振で早々に2軍降格となり、左腕が新守護神を務めた。そこから新たな職場で力投を続けたが、8月6日の広島戦(マツダ)、14日の中日戦(京セラ)のセーブシチュエーションの登板で逆転を許し、自身2連敗。以降は九回以外で登板を重ねて調子を取り戻し、持ち場に帰ってきた。就任4年目の今季限りで退任する矢野監督は「自分が監督をやっている間、フルで投げてもらっている。もう、ちょっとスグル(岩崎)に頼るしかないんでね」と信頼を寄せた。「どこでも任せてもらえて、結果を出していけるというのが、自分の持ち味。任せてもらえることにすごく意気に感じてやっていた」と岩崎。残り8試合。自分の仕事を全うし、勝利の喜びを仲間と分かち合う。(織原祥平)■今季の岩崎あらかると★セットアッパーで開幕 1月に新型コロナウイルスに感染し調整が遅れたが、3月のオープン戦で3試合無失点。開幕1軍入りした。★抑えへ 新守護神として期待されたケラーの不振により、クローザーにまわった。4月15日の巨人戦(甲子園)で今季初セーブを挙げ、セットアッパー湯浅との〝ユアザキ〟が完成した。★登録抹消 6月13日、チーム最多の24試合に登板(13セーブ)した疲労を考慮され、出場選手登録を抹消された。★中継ぎへ 8月6日の広島戦(マツダ)、14日の中日戦(京セラ)と2試合連続で救援失敗。ケラーが守護神を務めることに。★守護神復帰 中継ぎでの登板を重ねた後、9月11日の中日戦(甲子園)で抑えとして復帰。5-0の状況でセーブこそ付かなかったが、1回無安打無失点。

◆こんな姿を見たかったんや! 阪神は14日、広島に6-5で勝利。1点を追う六回、梅野隆太郎捕手(31)の2点三塁打で逆転に成功し、逃げ切った。負ければリーグ優勝の可能性が消滅する一戦を制し、4位・巨人に1・5ゲーム差、5位に転落した鯉に2ゲーム差をつけた。攻・走・守の活躍で3位を死守。ようやった、梅ちゃん!打った。走った。守った。3位死守へ、絶対に負けられない試合で梅野の魅力が凝縮され、虎が死闘を制した。「いいところで打てることもなく、自分の中でふがいないと思いながらも、試合を毎試合、毎試合積み重ねて、いつかこういう日が来るだろうと思って、しっかりと試合前の練習からしっかりとやっていた。本当に良かったなと思います」泥だらけのお立ち台。同い年の岩崎に「勝つばい」を先取りされ、プッと吹き出した。3-4と3度目のビハインドを背負った直後の六回1死一、二塁だ。追い込まれてもファウルで粘って、森下の149キロを右中間にはじき返した。元阪神の今成亮太氏がかつて「イノシシ」と表現した快足を飛ばし、今季初の三塁打。試合をひっくり返し、今季15イニングで1得点しか奪えなかった森下に6失点を浴びせて、マウンドから引きずり下ろした。「弾ける」をテーマに虎9年目に臨んだ。6年連続で開幕スタメンこそ守ったが、すぐに坂本との併用となった。「同学年でいえば岩貞だったり原口だったり、たくさんいる中で、本当に自分たちが引っ張っていかないといけない世代になってきている」31歳シーズン。最もアブラが乗る年齢。それがチームの勝利につながり、これからの野球人生をさらに豊かにするものだとは分かっていた。しかし、持ち味の打撃は得点圏で打率2割前半と低迷。併殺打はビシエド(中日、18)に次ぐ16個と焦る気持ちが直結した。チームは球団ワースト記録の零封負け25度。扇の要として投手の気持ちを誰よりも考える梅野は自分自身が情けなかった。だからこそ、肉を切らせて骨を断つような勝利に「本当に、この勝利はチームにとっても大きい。こういうゲームを取るというのはチームも全体的に上がってくる」と心の底から喜んだ。バットだけじゃない。「無我夢中で(突っ込んだ)。ホームに一直線に頭からいったが、その場面を覚えていないぐらい集中していた」。二塁打を放った五回は三走として糸原の低い軌道の左飛でスタート。頭から滑り込み、試合を振りだしに戻した。八回2死一、三塁の守備では湯浅のワンバウンド投球を巧みなハンドリングで好捕。矢野監督は「もう、すごい大きい(勝利)ですね」と手放しで喜ぶ。今季135試合目にして虎に梅野アリを証明。ベストゲームといえる戦いをした。梅野は「みんなのつなぎで乱打戦を制した」とナインの絆を強調した。負ければ試合のなかったヤクルトと12ゲーム差となり、17年連続のV逸、さらに広島とは勝率で並ばれるが直接対決で負け越しており〝4位〟転落の危機だった。お立ち台で「明明後日も勝つばい!」と叫んだ。2日間休んで17日の巨人戦(東京ドーム)から残り8試合。もちろん、すべて出る。そして、勝つ。(三木建次)■データBOX?...阪神のリーグ優勝完全消滅は16日に延びた。16日にヤクルトが中日に勝つと決まる(阪神は試合なし)?...梅野の三塁打は今季初(通算13本目)。昨年9月29日の広島戦(甲子園)で九里から放って以来

◆豪快な快音ではなかったかもしれない。前夜の拙攻負けの借りを返すかのようにコツコツと、さらにもう一丁コツッと打ち上げ、虎は効果的に得点を積み上げていった。今季初1試合3犠飛は、仲間の思いをつなごうとした原口のバットから始まった。「(大山)悠輔がむずかしい状況で、しっかりまずランナーをかえしてくれたので、なんとか食らいついてもう1点と思っていました。(糸原)健斗もよく走ってくれましたし、最低限の仕事ができてよかったです」一回無死一、二塁から近本のセーフティー気味のバントが一塁アウトとなり、リクエストでも判定は変わらず。ただよう微妙な空気を大山が振り払い、右前適時打でまず1点。ここで続かなくては、原口ではなかった。4試合連続スタメンで「5番・一塁」に入っていた。4球目の低め148キロを右翼上空へ打ち上げ、三走・糸原が勢いよく本塁へ滑り込んで同点となった。思いはつながり、2本目の犠飛は、その糸原が放った。「ミスでもらったチャンスでしたし、思い切って積極的にスイングしました。梅野さんのナイスランのおかげで追いつくことができました」1点の勝ち越しを許した直後の五回無死満塁。左翼線への低い軌道の飛球だったが、梅野の好判断&好走で、またも同点になった。その梅野の、六回の逆転打の直後には、代打・マルテにも中犠飛が生まれ2点差に突き放した。昨年6月24日の中日戦(バンテリンドーム)以来の珍しい3犠飛だが、結果的に1点差に迫られたことを考えても、どれが欠けても勝てないゲームだった。矢野監督も「みんなが絡むっていうのはチーム全体が盛り上がると思うので、そういう試合をしてくれたっていうのは監督としてうれしい」と手応えを口にした。〝最低限の仕事〟の積み重ねが効いて、13安打の鯉を8安打の虎が負かした。(長友孝輔)

◆点の取り合いの末に阪神が6-5で勝利。甲子園球場で9連勝中だった伊藤将と、今季阪神戦計15回で1失点だった広島・森下が先発した試合は誰もが予想していた投手戦ではなく、まさかの展開になりました。これはきっと、アイツが珍しいものを持ち込んだせいです。「うわっ、なんですか? それ」トラ番キャップ長友孝輔が声をあげました。ベテラン編集委員三木建次が見るからに甘そうなドリンクを買い込んできて、記者席でぐびぐび飲み始めたからです。長友いわく「いかにも子どもが飲みそうな、派手なラベル」の700mlもあるジュースです。チェリオの「MEGA謎味01」という新商品でした。その横に、600mlの無糖でも微糖でもない甘そうなコーヒーも並べています。いくら「くそ暑いんや。例年はこの時期、ジャケットを着ているのに、台風のせいか、とにかく暑い」と言っても、試合前からそんなに飲んだら...。ビヤ樽は気にしません。「酸っぱい。甘い。『何味でしょう? ワカルカナ?』って書いてある。不思議な味や。けど、100ml当たり9キロカロリーと表示されている。見た目と違ってカロリーは低いから、大丈夫」ビヤ樽は、謎味と甘いコーヒー計1・3リットルを飲み干しながら「広島の勢いは本当にすごい。森下も簡単には打てん。その広島相手に、森下を相手に勝ったら大したもの。佐藤輝にも期待している。森下が今年阪神に取られた1点は佐藤輝のホームランや。2年目コンビで勝利に導いてほしい」と期待していました。そして、投手担当のトラ番織原祥平も、伊藤将に大きな期待をかけていたんです。「今や〝ミスター完投〟です。安定感ナンバーワンですからね」2完封を含む6完投は、4完投で2位タイの青柳と大野雄(中日)を抑えてセ・リーグトップです。「あと18回?で規定投球回数に到達します。去年は惜しくも届きませんでした(140回?)。今の調子なら今年は届くと思います。そのためにも、きょう森下投手に投げ勝ってほしい」残念ながら、伊藤将は5回3失点で先に降板。しかし、登板機会はあと2試合あります。必ず到達してくれるはずです。巨人と広島に迫られていますが、キャップ長友は、ベンチや選手のムードも決して悪くないと言います。「おととい(12日、〇6-2中日)のゲームで、熊谷が試合前の声出しで『ピンキー・ガッツ(井上ヘッドコーチの現役時代のガッツポーズ)をやりましょう』と呼びかけて、タイムリーを打った佐藤輝や代打2ランを打ったロハスも、みんなでやって盛り上がっていました。ああいうのを見ていると、チーム状態が良かったときと変わらないなと思います」そうした中、カープ担当の柏村翔がぼそっと心配になることをつぶやいたんです。「巨人は残り11試合。広島と阪神より、3試合多いんです。阪神との直接対決も気になりますけど、巨人の3試合多いぶんも気になって...」何位になるでしょう? ワカルカナ? わかりません。阪神、巨人、広島の3位争いの行方も、まだまだ『謎』です。

◆やればできるやんかー阪神!! 広島に負ければゲーム差なしに並ばれる大事な一戦。一回から先制を許す、しばし苦しい状況の中で森下をKO!! なんでこれをもっと早く、シーズン前半にやれんかね...。勝利を求め、先発・伊藤将を5回でピシャリと交代させた矢野采配!! 6点中3点が犠飛のキッチリ打線!! そして、今季虎党から見たら煮え切らなかった梅野の五回の激走ヘッドスライディングに、六回は逆転の2点三塁打!! そして、『THE BEST』は1点リードの八回2死一、三塁のピンチ。打者・上本の場面、湯浅の99%ワイルドピッチの球を止めた神キャッチ!! みんな、みんな、やればできるやんかー!! 正直、俺はクライマックスシリーズ(CS)どーのこーのより、あと8試合しか猛虎の姿が見られないことが寂しいのだ...。8試合でおよそ320打席(1試合40として)の猛虎打線と、およそ1200球(1試合150として)の虎投の投球を、秋の訪れとともに、しんみり、ジワ~ッと、いい気分で味わわせてくれよー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
73532 0.579
(-)
M10
(↑1)
15567
(-)
520
(-)
160
(-)
66
(-)
0.254
(-)
3.590
(-)
2
(-)
DeNA
66582 0.532
(↓0.005)
6
(↓0.5)
17447
(+2)
470
(+3)
101
(+1)
47
(-)
0.251
(-)
3.430
(-)
3
(-)
阪神
65673 0.492
(↑0.003)
11
(↑0.5)
8463
(+6)
401
(+5)
77
(-)
101
(-)
0.244
(-)
2.660
(↓0.02)
4
(1↑)
巨人
62673 0.481
(-)
12.5
(-)
11518
(-)
558
(-)
152
(-)
63
(-)
0.245
(-)
3.760
(-)
5
(1↓)
広島
63693 0.477
(↓0.004)
13
(↓0.5)
8516
(+5)
509
(+6)
84
(+1)
25
(-)
0.256
(↑0.001
3.520
(↓0.02)
6
(-)
中日
58711 0.450
(↑0.005)
16.5
(↑0.5)
13367
(+3)
457
(+2)
60
(+1)
56
(-)
0.246
(-)
3.350
(↑0.01)