阪神(★3対6☆)広島 =リーグ戦22回戦(2022.09.13)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:森浦 大輔(3勝5敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝1敗30S))
敗戦投手:青柳 晃洋(12勝4敗0S)
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◆広島は4回表、磯村の適時二塁打などで2点を先制する。その後1点差に迫られるも、6回に羽月の適時二塁打などで3点を加え、相手を突き放した。投げては、好救援を見せた2番手・森浦が今季3勝目。敗れた阪神は先発・青柳が試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆広島栗林良吏投手(26)は、ここまで29セーブ。37セーブした昨季に続いて30セーブすれば、広島では07~09年まで3年連続の永川に次ぎ2人目。新人年から2年連続は15~16年山崎(DeNA)だけで、球団初になる。

◆広島栗林良吏投手(26)がプロ野球史上2人目の、新人から2年連続30セーブを記録した。4点リードの8回1死一、三塁から登板。対戦1人目の島田海吏外野手(26)に中犠飛を許した。2死一塁とし、メル・ロハス・ジュニア外野手(32)を空振り三振に打ち取り、8回を脱した。今季初の回またぎとなった9回も点差を守り、セーブを記録。今季44試合目の登板で30セーブ目を記録した。2年連続30セーブは球団では07~09年まで3年連続の永川勝浩に次ぎ2人目。新人から2年連続となると、15~16年山崎康晃(DeNA)以来、史上2人目で、球団初となった。

◆阪神島本浩也投手(29)が球団の"無敗記録"を更新した。4点を追う7回から登板。1死から西川に左前打を許したが、矢野、坂倉と後続を危なげなく断った。これで15年4月2日ヤクルト戦でのプロ初マウンドから117試合連続で無敗を継続。桟原将司が持つ球団記録を塗り替えた。「特に記録は意識はしていませんが、もっと大事な場面や勝ち試合で投げられるように、これからも頑張ります」マウンドから降りた左腕は平然と話したが、苦労を乗り越えて打ち立てた金字塔だ。育成からはい上がり19年にはリリーフとして63試合に登板。20年11月にトミー・ジョン手術を受けた。再び育成契約、そして長いリハビリを経て3年ぶりに1軍の舞台に帰ってきた。「0点に抑えられたのは良かったですが、追い込んでから甘い球をヒットにされてしまった場面があったので、特に左打者に対しては、まだまだ精度を上げていかないといけない」。背番号46はすぐに次の登板を見据えた。

◆阪神が痛い星を落とした。4位広島に1ゲーム差と迫られた。14日の対戦で敗れれば同率で並ばれる。エース青柳晃洋投手(28)が粘れなかった。4回に失策もからんで2点を先制された。1-2の6回には無死満塁から3失点。裏の攻撃で代打を送られた。6回5失点(自責4)で13勝目はならず4敗目。8月2日に勝って以来、6試合白星をつかめていない。この間に防御率も悪化し、今季22度目の登板で初めて2点台(2・02)になった。打線も反撃が遅かった。5回に大山悠輔内野手(27)の中前打で1点、8回に代打ジェフリー・マルテ内野手(31)の左前打などで2得点したが届かなかった。2桁安打を放ちながら、好機でたたみかけることができなかった。

◆広島の守護神栗林良吏投手(26)が2年連続30セーブを達成した。4点リードの8回1死一、三塁から登板して、今季初のイニングまたぎで、30セーブ目を記録。球団では07~09年まで3年連続の永川につぐ2人目。新人から2年連続30セーブとなれば、15~16年山崎(DeNA)以来でプロ野球史上2人目、球団初の記録となった。守護神が試合を締め、3位阪神には1ゲーム差に迫った。14日も勝てば、8月18日以来の3位タイに浮上する。逆転を信じて声援を送る、阪神ファンを黙らせるには十分な30球だった。4点リードの8回1死一、三塁から登板。島田に犠飛を許したものの、点差は3点にとどめた。今季初の回またぎとなった9回は3者凡退。プロ野球史上2人目の新人から2年連続30セーブを挙げた。「監督さんが今日みたいに使ってくれたり。自分の力というよりはみんなに感謝してこれからも継続して投げたい」。まず出てきたのは感謝のひと言だった。今季は自身未経験の延長戦復活により、苦労もあった。4月2日の中日戦(バンテリンドーム)では、1点のリードを奪った直後の延長12回に登板したが、リードを守れず。「もちろん難しさもあった」。通算56登板目にして初めてセーブに失敗した。周囲はざわついた。2年目のジンクスか-。本人も覚悟はしていた。「周りからは『2年目のジンクス』という言葉がどんどん出てくると思う」。周りの不安を、そして、そんなジンクスを振り払うには1つしかなかった。「結果を残していきたい」。延長戦では準備の頻度と強度を減らした。平常時の登板でも、時期によっては足の上げ方などにも手を加えた。4月24日にはプロ初ホールド。6月21~23日には初の3日連続登板もした。記念セーブはプロ入り2度目で、今季初の回またぎ。最終回を守る守護神として、日々経験を上積みしている。2年連続30セーブは球団では07~09年まで3年連続の永川に次ぎ2人目。新人から2年連続となると、15~16年山崎(DeNA)以来、史上2人目で、球団初。歴史に名を残す守護神となった。守護神が試合を締め、3位阪神には1ゲーム差に迫った。14日も勝てば、3位タイに浮上する。今季は残り9試合。「残りの試合は全部いくつもりで準備したい」。逆転CSへ、守護神はフル回転を辞さない。【前山慎治】広島栗林が今季30セーブに到達した。1年目の昨年も37セーブをマーク。新人年から2年連続30セーブ以上挙げたのは、DeNA山崎康晃(15年37セーブ→16年33セーブ)以来、プロ野球史上2人目。▽広島佐々岡監督(8回途中から栗林を送りだし、今季初の回またぎ起用に)「(残り)試合数も少ない。選手も分かっていると思う。明日も栗林に頑張ってもらうというのも(あり得る)」○...先発九里は毎回安打で4回1/3を1失点で降板した。4回までは無失点投球。5回1死から連打で一、二塁とすると、続く大山に中前適時打を浴び、2番手森浦とスイッチした。森浦が後続を抑え、追加点は防いだ。前回対戦の8月31日も4回に3適時打を浴び、イニング途中で降板。「リベンジもしたいが、まずはチームの勝利を」と意気込んでいたが、3位阪神との直接対決で責任投球回を果たせなかった。▽広島森浦(5回1死一、二塁から救援し、打者2人を抑え、3勝目)「マウンドに上がったら打者を抑える気持ちでずっと投げている。甘くならないように投げた」▽広島羽月(2点リードの6回1死二、三塁で青柳から左中間に2点適時二塁打)「クイックに負けないようにセッティングしていた。本当にくらいついただけ」

◆広島が3位阪神に勝利し、1ゲーム差に迫った。試合は、栗林良吏投手(26)が締め、新人から2年連続30セーブを記録した。DeNA山崎康晃投手(29)以来、2人目の記録。佐々岡真司監督(55)の一問一答は以下の通り。-勝利への執念を感じる栗林の継投だった負けられない試合があと10試合というところで、選手も分かってると思うので。-8回途中に栗林投入に迷いは点差を考えながら当然、準備はしてるとは言ってましたので。-今後もああいう起用はある今日明日だけの試合ということもありましたし、試合数も少ないので、明日も栗林も頑張ってもらうというのは(あり得る)。当然選手も負けられないという気持ちもありますし、そういうのも当然あると思います。-前回苦しんだ青柳に、左打者が逆方向の意識を持ってやり返した前回やられたなかで、しっかり打撃コーチとスコアラーがしっかりと対策を練った中で、なかなか連打連打が難しい。あれだけ防御率がいい投手なので、ワンチャンスをしっかりモノにして、羽月もしっかり打てたので。-早めの動きが良い方向にはたらいた森浦はね、良いところで投げさせたいし、良い仕事をしてくれてますし。良い形ができたので、これをあと9試合みんなで一丸となって戦うだけです。

◆阪神はクライマックスシリーズ(CS)を争う4位広島に完敗し、1ゲーム差に迫られた。意地の二塁打を放ったのは佐藤輝明内野手(23)だ。この日糸井嘉男外野手(41)の引退会見が行われ、イズム継承を誓った近大の後輩が気を吐いた。チームのシーズン最終戦は28日のヤクルト戦(神宮)だが、CSに進出すれば糸井と野球ができる時間が続く。超人の花道を飾るために、何としても3位は死守したい。敗戦が決まると、阪神佐藤輝は険しい表情で引き揚げた。「アニキ」をCSに連れて行くためにも、勝たなければいけない試合だった。試合前。近大の先輩で、尊敬する糸井の引退会見場に足を踏み入れた。花束を手渡し、感傷に浸った。「なんとも言えない、本当に寂しい気持ちです。年齢は離れていますが、アニキのような存在でした。自分が昨年入団して、実質(外野の)ポジションを奪ったような形ですが、関係なく優しく接してくれました」。糸井の会見は後輩へのエールで締めくくられた。先輩は優勝、そしてCS進出を熱望していた。「テル、頑張れよ!」。直接、激励を受け、CSを争う4位広島との対決に臨んだ。2回1死一塁の打席で低めの変化球をすくい上げた。右翼後方に伸びていく糸井のような弾丸ライナーは野間の超美技に阻まれた。5点ビハインドの8回第4打席は1死一塁で5番手矢崎を捉え、右中間を切り裂く弾丸二塁打。その後の2得点を呼び込み、劣勢の試合でネバーギブアップを体現した。糸井には特別に目をかけてもらった。自主トレチーム「超人軍団」入りを認められ、オリックス吉田正も紹介された。1月に打撃練習やトレーニングをともにした佐藤輝は「全ての面で超人的な数字を残さないと超人にはなれない」と一流のレベルを肌で実感。イズムの継承を誓って今季に臨んでいた。「結果が思うように出なくても腐らず、40代とは思えないほど自分を追い込んでおられたし、野球に対する情熱が素晴らしい。自分も何歳になっても、そういう選手でいたいと思う」。この先も外野手で一時代を築いた糸井の背中を追い続けることを誓った。反撃はおよばなかった。成長した姿を見せること、そしてAクラス入りがあこがれの先輩への恩返しになる。【柏原誠】阪神は14日の広島戦に敗れると、今季優勝の可能性が消滅する。ヤクルトの試合予定のない同日に阪神が敗れ、その後の残り8試合に全勝しても、最終成績は72勝68敗3分けで勝率5割1分4厘。ヤクルトが残り15試合に全敗しても、73勝68敗2分けで5割1分8厘となり、阪神を上回るため。13日阪神●ヤクルト○なら阪神のV逸が決まっていたが、ヤクルトも●だったため1日延びた形となった。○...糸原は大先輩への思いを猛打賞に込めた。練習前は糸井の引退会見にサプライズ登場。1回1死では先輩の代わりにSMAPの「SHAKE」を登場曲に選び、中前打を決めた。「年は離れているけど、本当に仲良くしてもらった。室内で準備を怠らない姿勢とかはすごく見習うところ。阪神で優勝したいとずっと言われていた。糸井さんの思いもしっかり受け止めて全力でやっていきたい」と前を向いた。○...近本は両リーグ最速で150安打に到達した。2点を追う5回1死一塁、フルカウントから中前に運び、4番大山の適時打につなげた。シーズン150安打はプロ1年目だった19年からの4年間で3度目。13戦連続安打で、2年連続の最多安打タイトルへ勢いを加速させている。近本が今季の安打数を150本とし、昨季の178本から2年連続で150安打以上となった。阪神の打者としては、13~15年にマートンと鳥谷敬が3年連続で記録して以来。なお球団最長は4年で、今岡誠02~05年、金本知憲03~06年、赤星憲広03~06年の3人。○...マルテが連日の適時打で気を吐いた。5点を追う8回1死二、三塁で代打出場。カウント3-1から広島矢崎の151キロ直球を左前にはじき返した。「いつでも準備はできていたよ。打つべき球を絞って、しっかりコンタクトすることを心がけた。いい結果になって良かったね」と納得顔。助っ人はこれで5試合連続安打と好調だ。○...原口が今季初の猛打賞で気を吐いた。「5番一塁」で出場。2、4回には九里から、8回には矢崎から全て左前打をマーク。8回の一打はマルテのタイムリーを呼んだ。3安打は19年9月4日DeNA戦以来3年ぶり。引退を発表した糸井については「すごくプロフェッショナルな部分を感じていた。長くレギュラーでやってきた野球に対する姿勢、練習への持って行き方は近くで見ていた。みんなに慕われてるし、尊敬しています」と感慨深げだった。○...4番大山は中前適時打でしぶとく2戦連続打点を記録した。2点を追う5回1死一、二塁、九里の外角低めスライダーに食らいつき、二遊間を破った。「チカ(近本)が粘ってつないでくれましたし、まずはなんとか1点を返したいと思って打席に立ちました」。3戦連続安打で踏ん張っている。

◆阪神が痛い一戦を落とした。Aクラスを争う4位広島との第1ラウンド。先発の青柳晃洋投手(28)が、昨季最多勝同士の広島九里との対決で、6回5安打5失点(自責4)と崩れた。ライバルとのゲーム差は1に縮まり、14日も敗れれば同率3位で並ばれる。青柳は3回まで無失点に抑えたが、4回1死一、三塁で併殺かと思われた小園の当たりを遊撃中野が悪送球して先制点を献上。磯村にも中越え二塁打され、2点目を与えた。6回は羽月に適時二塁打を浴びるなどさらに3失点。エースの背信に甲子園がため息に包まれた。矢野監督は2点を追う4回2死一、三塁の好機で青柳に代打を送らず、奮起を信じて打席に立たせた。だが、期待に応えることはできなかった。前半戦は破竹の勢いで、11勝をマークしたが、8月2日の巨人戦を最後に6試合連続で勝ち星がない。12勝は依然リーグトップだが、防御率も2.02と初めて2点台に下降。右腕は珍しく降板後のコメントも残さず、ベンチでナインのプレーを見守った。矢野監督は「先頭にフォアボールを出したり、粘り切れなかったところをヤギ自身も反省してると思う。それでも踏ん張って欲しいのが、今のヤギの立ち位置」と厳しく指摘。青柳が失速したままでは、この先の勝利も望めない。14日の広島戦に敗れると17年連続で優勝が消える。広島だけでなく、5位巨人にも1ゲーム差に迫られた。Aクラス死守のために、もう1つも落とせない。【三宅ひとみ】阪神は14日の広島戦に敗れると、今季優勝の可能性が消滅する。ヤクルトの試合予定のない同日に阪神が敗れ、その後の残り8試合に全勝しても、最終成績は72勝68敗3分けで勝率5割1分4厘。ヤクルトが残り15試合に全敗しても、73勝68敗2分けで5割1分8厘となり、阪神を上回るため。13日阪神●ヤクルト○なら阪神のV逸が決まっていたが、ヤクルトも●だったため1日延びた形となった。○...糸原は大先輩への思いを猛打賞に込めた。練習前は糸井の引退会見にサプライズ登場。1回1死では先輩の代わりにSMAPの「SHAKE」を登場曲に選び、中前打を決めた。「歳は離れているけど、本当に仲良くしてもらった。室内で準備を怠らない姿勢とかはすごく見習うところ。阪神で優勝したいとずっと言われていた。糸井さんの思いもしっかり受け止めて全力でやっていきたい」と前を向いた。○...近本は両リーグ最速で150安打に到達した。2点を追う5回1死一塁、フルカウントから中前に運び、4番大山の適時打につなげた。シーズン150安打はプロ1年目だった19年からの4年間で3度目。13戦連続安打で、2年連続の最多安打タイトルへ勢いを加速させている。近本が今季の安打数を150本とし、昨季の178本から2年連続で150安打以上となった。阪神の打者としては、13~15年にマートンと鳥谷敬が3年連続で記録して以来。なお球団最長は4年で、今岡誠02~05年、金本知憲03~06年、赤星憲広03~06年の3人。○...マルテが連日の適時打で気を吐いた。5点を追う8回1死二、三塁で代打出場。カウント3-1から広島矢崎の151キロ直球を左前にはじき返した。「いつでも準備はできていたよ。打つべき球を絞って、しっかりコンタクトすることを心がけた。いい結果になって良かったね」と納得顔。助っ人はこれで5試合連続安打と好調だ。○...原口が今季初の猛打賞で気を吐いた。「5番一塁」で出場。2、4回には九里から、8回には矢崎から全て左前打をマーク。8回の一打はマルテのタイムリーを呼んだ。3安打は19年9月4日DeNA戦以来3年ぶり。引退を発表した糸井については「すごくプロフェッショナルな部分を感じていた。長くレギュラーでやってきた野球に対する姿勢、練習への持って行き方は近くで見ていた。みんなに慕われてるし、尊敬しています」と感慨深げだった。○...4番大山は中前適時打でしぶとく2戦連続打点を記録した。2点を追う5回1死一、二塁、九里の外角低めスライダーに食らいつき、二遊間を破った。「チカ(近本)が粘ってつないでくれましたし、まずはなんとか1点を返したいと思って打席に立ちました」。3戦連続安打で踏ん張っている。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発する。右腕は8月2日の巨人戦(東京D)を最後に、同9日のDeNA戦(横浜)から直近5試合で白星から遠ざかっている。広島戦は今季初対戦だった同30日(甲子園)で7回4安打無失点と好投。CS圏内を争うチームを勝利に導き、12勝でリーグトップに立つ最多勝を争いでもリードを一歩、広げたい。

◆阪神・糸原健斗内野手(29)が「2番・三塁」で出場。一回の打席に入る際に登場曲として、この日に引退会見を行った糸井嘉男外野手(41)が長年使用してきたSMAPの「SHAKE」を採用した。打撃では1ボール2ストライクから九里が投じたカットボールをとらえて二遊間を突破。〝超人パワー〟も力にし、チーム初安打をマークした。引退を決断した超人には「野球に対する姿勢とかもすごいですし。ずっと試合で、代打とかが多かったと思うんですけど、室内とかでも準備を怠らない姿勢が、やっぱりすごい。見習うところ」と尊敬の思いをバットに乗せた。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(28)が「8番」で出場。この日に引退会見を行った糸井嘉男外野手(41)が長年使用してきたSMAPの「SHAKE」を登場曲として採用した。一回に2番・糸原が同曲を流して第1打席に入り、チーム初安打となる中前打で出塁。坂本も三回の第1打席で使用し、フルカウントから外角低めに投じられたカットボールを見極め、四球で出塁した。先輩への思いを定番だったメロディーに込め、甲子園は惜別ムードに包まれた。

◆阪神が先制点を献上した。0-0で迎えた四回。先発・青柳が先頭打者に四球を与えた後、左前打も浴びて無死一、二塁のピンチを背負う。坂倉は一ゴロで1死一、三塁。6番・小園に投じた2球目だった。打球はボテボテの二ゴロで、併殺崩れの間に先制点を献上した。なおも2死二塁のピンチとなると、磯村に中越えの適時二塁打を許し、0-2とリードを許した。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が「4番・左翼」で出場。2点ビハインドの五回に中前適時打を放ち、1点差に迫った。1死から2番・糸原がこの日3安打目となる右前打で出塁し、近本も中前打で続いてチャンス到来。ここで大山が、鋭いゴロで遊撃の右を破り、糸原をホームへと招き入れた。大山は12日の中日戦(甲子園)でも一回に柳から右前同点打を放っており、2試合連続打点。この試合では二回の第1打席で見逃し三振、三回の第2打席では2死満塁の先制機で二ゴロに倒れており、名誉挽回した。しかし続く原口、佐藤輝が凡退し、同点に追いつけなかった。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発し、6回5安打5失点(自責4)で降板した。四回に1死一、三塁を招き、二ゴロの併殺崩れの間に先制点を献上。さらに2死二塁で磯村に中越え適時二塁打を浴び、この回に2点を失った。五回に打線から1点の援護をもらったが、直後の六回は左翼への二塁打と四球で無死一、二塁とされると、小園の送りバントを処理した一塁・原口が三塁へ送球するもセーフ(記録は犠打野選)。ピンチは無死満塁に広がり、磯村の三ゴロの間に3点目。さらに1死二、三塁で羽月には左中間方向への2点二塁打を許し、痛い3失点を喫した。8月2日の巨人戦(東京D)を最後に、9日のDeNA戦(横浜)から直近5試合で白星から遠ざかっていたなかで向かったマウンドだったが、今回も勝ち投手の権利は得られず。12勝でリーグトップに立つ最多勝争いでも、1差で迫る巨人・戸郷を突き放すことはできなかった。

◆広島の九里は五回途中1失点で交代を告げられた。阪神との前回8月31日の対戦では四回途中4失点でKOされ「やられているのでやり返せれば」と雪辱を期して臨んだ中、勝利投手の権利がかかったこの回を乗り越えられなかった。低めに変化球を集め、四回までは無得点に抑えた。2―0の五回は1死後に連打で一、二塁を招き、大山に外角変化球を中前に適時打とされて降板。代わった森浦に後続を断ってもらった。7勝目には届かなかったものの、逆転でのクライマックスシリーズ進出へ「自分が勝つどうこうより、まずはチームが勝つことが最優先」と話していたように勝機はつないだ。

◆阪神・島本浩也投手(29)が4点ビハインドの七回に2番手で登板し、1回無失点だった。1死から西川に左前打を浴びたが、矢野が試みた送りバントのゴロを捕手・坂本が二塁への送球で封殺し、2死。坂倉を145㌔直球で空振り三振に抑え、スコアボードにゼロを刻んだ。これで2015年4月2日のヤクルト戦(神宮)でのプロ初登板から117試合連続で負けなし。前回登板の9月10日のDeNA戦(横浜)で桟原将司が持っていた球団記録に並んでいたが、今回の一戦で塗り替えた。

◆阪神が1―6の八回に2点を返した。5番手・矢崎を相手に1死から原口がこの試合3安打目となる左前打で出塁すると、佐藤輝は右中間へ弾丸ライナーをはじき返して二、三塁。ここで代打登場したマルテが151キロ直球を左前に運び、1点を返した。なおも1死一、三塁とチャンスは続き、広島ベンチは栗林に継投。守護神を相手に代打・島田も中犠飛を放ち、3点差に詰め寄った。マルテは12日の中日戦(甲子園)でも六回1死満塁で代打で柳から左翼への2点打を放っており、2試合連続打点と勝負強さを発揮した。

◆セ・リーグ3位の阪神は主導権を奪い返すことができず、敗れた。先発・青柳は四回に2点を先制され、1点の援護点をもらった直後の六回も羽月の左中間2点二塁打などで3失点。6回5安打5失点(自責4)と踏ん張り切れなかった。打線は五回に糸原、近本、大山の3連打で1点を返し、5点を追う八回も代打・マルテの左前適時打、代打・島田の中犠飛で2点を奪って3点差としたが、守護神・栗林を投入されるなどして反撃及ばず。この直接対決で敗れた4位広島、さらに、この日にヤクルトに勝利した5位巨人には1ゲーム差に詰め寄られた。

◆広島は四回に小園の二ゴロで先制点を挙げ、磯村の適時二塁打で加点。2―1の六回は羽月の2点二塁打などで3点を追加した。好救援の森浦が3勝目で、八回途中から登板した栗林が30セーブ目。阪神は青柳が6回5失点で4敗目。

◆阪神が広島との〝3位攻防戦〟に完敗し、1差に迫られた。青柳晃洋投手(28)が四回、先頭打者への四球から2点を許し、1点差の六回には3点を失った。自身3連敗で6戦勝ちナシ。打線は好機を作りながらも11安打で3点に終わった。佐藤輝明内野手(23)は4打数1安打で、ノーアーチは20試合&85打席。昨年の自身最長「91打席」が近づいてきた。三回に「一塁」原口文仁内野手(30)、四回に中野拓夢内野手(26)が失策を記録し、チーム総数は「79」。さらに原口は六回1死一、二塁でのバント処理後の三塁送球も犠打野選となった。勝利5割フィニッシュに残り9戦6勝がノルマとなった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績64勝67敗3分=残り9試合、観衆3万5726人)。ーー青柳はエラーからの不運な失点もあった「まあまあね、それはそれでも踏ん張って欲しいというのが今のヤギの立ち位置。自分の...まあその、ヤギはそんなふうに思ってないと思うけど、誰がどうしたからというよりも、やっぱり自分、自己責任っていうか、そういう考え方でアイツもやっていると思う。他の点の取られ方も、フォアボールを先頭に出したりとか、粘り切れなかったところをヤギ自身も反省してると思う」ーー四回は中野の悪送球や、もったいない部分も「まあまあ、やっぱり負けた原因って絶対ある。その前で言えば、ヤギも送りバントを決められていないとか。まあ、拓夢だって進ませていなかったら、そういうこともなかったと思うし。原因はいろいろある。しっかり見つめ直すところは、終盤に来ても大事なこと。それをやっていきながら、やるしかないよね」ーー苦しい登板が続く「まあね、順調にいったところ、いかないところって、もちろんシーズンの中ではあると思う。次投げても、もう1回くらいでしょ。ヤギ自身も強い思いで投げてくれたと思うけど、さらなる思いで投げてくれると思う。まあそこは、個人の記録もあるし、チームのためにもがんばってくれたらと思います」ーー攻撃は走者を貯めていただけに「まあそうやね。だから、そこで、早い回にもう1本、どっかで出るっていうところが、ズルズルいってしまっている要因だと思うので。まあ、そこらへんかな」ーー安打数は11本。欲しいのは長打「もちろん、長打もほしいけど、ここぞっていうところで打つのと、ある意味試合が展開的に行っているところの一本は、向こうのピッチャーだって気持ちの入り方って変わってくる。そういうところで打てるようになっていかないとダメだ。そういう中身のある凡打であったり、ヒットヒットでつなげられないところでも選んでフォアボールとか。もちろん長打を打てれば、そんないいことはないけど、簡単にできることじゃない。もちろん、それは望んでいるけど。今のチームの野球を考えれば、そっちの方が大事と思う」ーーチーム全体でホームランが少ない「いや、それは結果から言うたら、いろんな理由がなんぼでもどんどん出てくるし。ホームラン打てっていって打てるもんじゃないからね、そんなん。結果から踏まえたら、いろんな原因は、もちろん出てくるけど、今はその場その場で必死にやってる。それはみなさんが振り返ったときにそうなってるだけなのだと思います」

◆阪神が広島との〝3位攻防戦〟に完敗し、1差に迫られた。矢野耀大監督(53)は試合後、引退会見を行った糸井嘉男外野手(41)について言及した。主なコメントは以下の通り。ーー糸井が引退会見「まあね、うーん。魅力のある選手というか。野球少年がそのまま大人になったような感じだった。超一流、第一線でやりながら、ここ2年くらいはすごい我慢を覚えたというか経験して。偉そうに言うわけじゃないけど、人間嘉男としてね、成長がすごく出来た。やっぱり俺らが同じチームで見ていても、魅力は本当に大きな選手だった。いつまでも俺ら、野球やれたらいいけど、そういうわけにはいかないので。嘉男の決断は、嘉男自身もいろいろ考えながら出した結論と思う。俺としては、最後に一緒にやれる機会があるのでね。何とか嘉男にいい舞台を作れるように頑張っていきたいと思います」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は6回無死満塁の守りで前進守備をしなかった阪神ベンチの采配に疑問を呈した。対戦成績で、大きく負け越しているチームを相手に、横綱相撲をしてはいかん。試合の流れをどんどん相手に持っていかれる。1-2の六回無死満塁で前進守備をしなかったのには驚いた。1点ならいいですよという併殺狙いの守備は、この試合で今季の対戦成績が7勝13敗2分になった負けている側の阪神がする野球ではない。え? ここで1点やっていいの? と選手が思ってしまう。ファンにも伝わり、球場のムードが変わってしまう。結果は磯村の三ゴロの間に3点目を許し、続く羽月には2点二塁打を浴びた。勝っている側の佐々岡監督の方が逆に攻めに攻めていた。先発・九里を2-1で勝っていた五回途中で代えた。六回の攻撃では4番・松山に代走を出して、これが野選を誘って追加点につながった。6-1とリードを広げたのに、八回に1点返されると切り札の栗林をイニングまたぎで投入した。阪神の方がこういう野球をしないとダメなのだが今年は前半から守備でも攻撃でも仕掛けが遅いし、動きが少ない。まだ1差ある。しかし、これを守りにいったら、負けてしまう。対戦成績で負けている広島には、勝率と勝利数で並ばれたらシーズン最終成績では抜かれてしまう。残り9試合、全部勝つ気持ちで向かっていってほしい。そうしないと並ばれて負ける。守ろうとしてはいけない。

◆3位阪神はクライマックスシリーズ(CS)進出を争う4位広島に3―6と完敗し、5位巨人とともに1ゲーム差に迫られた。先発した青柳晃洋投手(28)が6回5失点(自責4)と崩れ、打線も11安打を放ちながら3得点。本拠地最終戦となる21日の広島戦は糸井嘉男外野手(41)の引退試合の予定だが、CS進出が決まっていないと出番はわずかになりそう。はよCS圏内を決めてくれ~!不安でいっぱいになる1敗だ。糸井が引退会見に臨み、甲子園最終戦で引退試合が組まれることも明らかになった日だというのに、まったく先を見通せないような負け。花道をつくるためにも、これ以上ズルズルと引き下がことはできない。矢野監督も語気を強めた。「俺としては、最後に一緒にやれる機会があるのでね。なんとか嘉男にいい舞台を作れるように頑張っていきたいと思います」このままではCS進出から転げ落ちる寸前の舞台に立たせてしまう。4位広島を直接たたく絶好機だったにもかかわらず、エース青柳が踏ん張れず、拙守と拙攻も絡んで完敗。1ゲーム差に迫られ、14日にも並ばれる。5位巨人もヤクルトに勝ち、さらに事態をややこしくしてしまった。6戦勝ちなしとなった青柳は、2失策など拙守にも足を引っ張られはしたものの、チームのためにも耐えてほしかった。「自己責任っていうか、そういう考え方でアイツもやっていると思うし。他の点の取られ方も、四球を先頭に出したりとか、粘り切れなかったっていうところを反省してると思う」と指摘せざるを得なかった。広島の10安打を上回る11安打を放ったが、9残塁で3得点。広島ベンチは要所で執念を見せ、1失点だった先発の九里を勝利投手の権利目前だった四回1死で降板させた。守護神の栗林は八回1死からイニングまたぎ。虎がやりたかったような戦いをやられた。順調に日程を消化すれば、糸井の引退試合となるのは、本拠地の今季最終戦となる21日の広島戦。だが、この戦いぶりでは、矢野虎の進む道すら閉ざされてしまいそうな、重たい重たい一戦になってしまう。広島には開幕から11戦勝ちなしで9連敗を喫し、すでにカード負け越しも決定。7勝13敗2分けとセ・リーグ5球団でもっとも分が悪い。仮に勝率と勝利数で並べば、対戦成績で上回られてしまう。矢野監督は「原因はいろいろある。しっかり見つめ直していくってところは終盤に来ても大事。それをやっていきながらやるしかない」と必死に言葉をつないだ。残り9戦で21日までは5戦。勝ち続けるしかない。(長友孝輔)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
73532 0.579
(↓0.005)
M11
(-)
15567
(+7)
520
(+9)
160
(+4)
66
(-)
0.254
(-)
3.590
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
66572 0.537
(↑0.004)
5.5
(↑1)
18445
(+1)
467
(-)
100
(-)
47
(-)
0.251
(↓0.002)
3.430
(↑0.03)
3
(-)
阪神
64673 0.489
(↓0.003)
11.5
(-)
9457
(+3)
396
(+6)
77
(-)
101
(-)
0.244
(-)
2.640
(↓0.02)
4
(-)
広島
63683 0.481
(↑0.004)
12.5
(↑1)
9511
(+6)
503
(+3)
83
(-)
25
(-)
0.255
(-)
3.500
(-)
5
(-)
巨人
62673 0.481
(↑0.004)
12.5
(↑1)
11518
(+9)
558
(+7)
152
(+4)
63
(+2)
0.245
(↑0.002)
3.760
(↑0.01)
6
(-)
中日
57711 0.445
(↓0.004)
17
(-)
14364
(-)
455
(+1)
59
(-)
56
(+1)
0.246
(-)
3.360
(↑0.02)