DeNA(☆9対2★)阪神 =リーグ戦23回戦(2022.09.09)・横浜スタジアム=
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阪神
2000000002700
DeNA
00017010X91101
勝利投手:上茶谷 大河(3勝6敗0S)
敗戦投手:藤浪 晋太郎(2勝4敗0S)

本塁打
【DeNA】牧 秀悟(24号・4回裏ソロ)

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◆DeNAが快勝。DeNAは2点を追う4回裏、牧のソロで1点差に迫る。続く5回には佐野、牧、楠本に適時打が飛び出すなど、打者一巡の猛攻で7点を挙げ、試合をひっくり返した。投げては、先発・上茶谷が5回2失点で今季3勝目。敗れた阪神は、先発・藤浪が中盤に崩れた。

◆9日から3位阪神は2位DeNAと今季最後の横浜スタジアムでの2連戦を戦う。阪神はDeNAに対して、今季の負け越しが決定。横浜スタジアムでも2勝9敗と今季は相性が悪く、同一年では1999年(平11)以来23年ぶりの6連敗中だ。連敗ストップへ打撃で注目は、佐藤輝明内野手(23)だ。今季横浜スタジアムではチーム最多の13安打で、規定打席到達者の中でチームトップの打率3割3分3厘と好相性。現在、二塁打31本、三塁打8本はいずれもリーグトップの数字を残している。二塁打と三塁打ともにリーグトップでシーズンを終われば、阪神では過去に1967年(昭42)の藤田平のみだ。佐藤輝に長打が出れば得点が入る可能性も高まる。チーム防御率はリーグ断トツなだけに、主砲のバットで投手陣を援護して勝利をもたらしたい。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)は、プロ野球154人目の通算1000奪三振へあと5個。藤浪の通算投球回数は982回で、96年伊良部(ロッテ)の997回1/3を抜いてスピード8位での1000奪三振達成を目指す。

◆4位広島に1・5ゲーム差に迫られ、2位DeNAを4ゲーム差で追う3位阪神は、メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が「5番左翼」で3試合ぶりにスタメン復帰。8月は打率3割2分8厘と好調も、9月に入って12打数1安打と急降下。久々のチャンスをものにできるか。大山悠輔内野手(27)は3試合連続で4番起用され、3試合ぶりに一塁で先発。佐藤輝明内野手(23)は、3試合連続で6番でスタメン出場する。先発は藤浪晋太郎投手(28)。敵地横浜スタジアムは通算11試合に登板し8勝1敗と好相性の舞台。14年からは7連勝中だ。プロ野球通算154人目の通算1000奪三振まであと5個に迫っており、今季初対戦となるDeNA戦で決められるか。

◆惜しい~、あと数センチだったのに...。阪神佐藤輝明内野手(23)が、ホームラン級の特大二塁打で上昇ムードを示した。2点リードの2回先頭、1ストライクからDeNA上茶谷の内角144キロを強振。打球は右翼フェンス最上部の黄色い角部分に直撃したとみられ、グラウンド側へ、大きく斜め上へと跳ね返った。矢野監督はスタンドインを疑い、すぐさまリクエストを要求。判定は覆らなかったものの、わずかに上をいけば本塁打となる強烈な当たりだった。リーグトップを快走する32本目の二塁打。それも、内角攻めに屈せず、はじき返したのだから価値がある。「(昨年の)ルーキーの時に24本かな。『昨年に届かないのはちょっと恥ずかしいでしょ』、『お前、20本も届かず終わっていいの』とプレッシャーをかけながら。高校野球のトーナメント戦くらいの気持ちでやれよ、と言おうと思う。最後に見せてほしい」。試合前まで66打席ノーアーチで、井上ヘッドコーチからそうハッパをかけられていた。「今、状態良くないよね」と語っていた矢野監督を含め、周囲の心配も少しは晴れる放物線となったはずだ。一方で相手4番には、まざまざと実力を見せつけられた。24号ソロを含む2安打3打点のDeNA牧に本塁打だけでなく、これで打点数でも追い抜かれた。同学年のスラッガーにやられっぱなしでは終われない。今季ビジター最多4本塁打、打率3割3分3厘と好相性の横浜スタジアムで息を吹き返し、10日の今季レギュラーシーズン同球場最終戦で久々の1発に期待がかかる。泣いても笑っても残り13試合。新人から2年連続20本塁打、さらにクライマックスシリーズに向け、一振りで流れを変えたい。【中野椋】○...糸原がキャリア4度目となる年間100安打をマークした。2番・三塁で先発出場し、3回1死でDeNA先発の上茶谷から中前打。プロ2年目の18年に152安打をマークし、19年は131安打。20年は年間64安打に終わったが、21年の126安打に続いて今年も大台に乗せた。○...近本がヤクルト村上に1差をつけ、リーグ最多145安打で単独トップに立った。初回無死一、二塁でDeNA上茶谷のカットボールを捉え、右前に先制タイムリー。上茶谷の連続四球から生まれた好機で「相手からもらったチャンスだったので、思いきってスイングしていこうと思っていました」と振り返った。3回1死一塁では中前打を放ち、3日巨人戦以来のマルチ安打を記録。2年連続最多安打に前進した。○...4番大山は連続試合安打が13で止まった。1点をリードした直後の1回無死一、三塁では上茶谷から右犠飛。ただ、3回1死一、二塁で左飛に倒れるなど、この日は2打数無安打1四球。チームは2位DeNAに大敗を喫し、厳しい表情で球場を後にした。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)がプロ野球154人目の通算1000奪三振を達成した。試合前時点で通算995奪三振。1点リードの4回2死、5番宮崎から150キロスプリットの空振りでこの日5個目の三振を奪い、大台に到達した。986イニングでの達成となり、997回1/3の96年ロッテ伊良部秀輝を抜いてプロ野球史上歴代8位の到達スピードとなった。【1000奪三振到達スピード10傑】1位...17年阪神藤川球児(771回2/3)2位...20年ソフトバンク千賀滉大(855回1/3)3位...93年近鉄野茂英雄(871回)4位...00年ヤクルト石井一久(913回)5位...70年阪神江夏豊(940回)6位...18年楽天則本昂大(958回)7位...09年ソフトバンク杉内俊哉(979回1/3)8位...22年阪神藤浪晋太郎(986回)9位...96年ロッテ伊良部秀輝(997回1/3)10位...19年巨人山口俊(1033回)通算1000奪三振=藤浪(阪神) 9日のDeNA23回戦(横浜)の4回、宮崎を空振り三振に仕留めて達成。プロ野球154人目。初奪三振は13年3月31日のヤクルト3回戦(神宮)で岩村から。通算986回で到達は史上8位のスピード記録。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)は通算1000奪三振を勝利で飾れなかった。5回に一挙6失点。「ストレートに狙いを絞られ、うまく打たれてしまった印象です。そんな中でもなんとか粘りながら、もうひと踏ん張りしたかった」。4回1/3を7安打7失点で4敗目。想定外の早期降板だった。最速159キロを計測し、3回まで無四球1安打無失点。4回は4番牧に左越えソロを献上したが、直後に5番宮崎を150キロスプリットで空振り三振に仕留め、プロ野球史上154人目の1000奪三振を達成した。986イニングでの大台到達は歴代8位のスピード。この時点で誰が大炎上を予期できただろうか。落とし穴が待っていたのは1点リードの5回だ。不運な内野安打などで1死二、三塁。代打オースティンに対してスプリットをたたきつけ、155キロ直球を引っかけた。2度の暴投で2失点し、さらに1四球2安打で1死満塁。最後は3番佐野の左翼線への飛球をロハスが痛恨の捕球ミス(記録は2点打)をしたところでマウンドを明け渡した。横浜スタジアムでの自身連勝は7でストップ。連続クオリティー・スタート(6回以上、自責点3以内)も5試合で止まった。次回は仕切り直しの一戦。間髪入れず悔しさを晴らしたい。【佐井陽介】○...小林が1回を無失点に抑えた。7点ビハインドの8回に登板。伊藤を中飛に仕留め、森をフォークで空振り三振。最後は柴田も空振り三振とテンポよく3者凡退に料理した。「0点で抑えることができてよかったです。しっかりと自分の球を投げることができた」と納得顔。8月7日に今季初昇格し、7試合で防御率1・13と自分の役割を果たしている。

◆阪神は大敗で横浜スタジアム7連敗を喫し、2位DeNAとのゲーム差を5に広げられた。1点リードで迎えた5回、先発の藤浪晋太郎投手(28)が自身の2暴投に不運な安打や左翼ロハスの拙守も絡み、1点リードの5回に一挙6失点。チームとしては今季ワーストの1イニング7失点を許し、試合の行方を一気に決められた。1回表に3番近本光司外野手(27)の右前適時打、4番大山悠輔内野手(27)の右犠飛で2点を先制。藤浪も3回まで1安打無四球で無失点。上々の形でゲームを進めていたが、中盤に落とし穴が待っていた。藤浪は2点リードの4回、4番牧に左越えソロを献上。1点リードの5回は当たり損ねの内野安打などで1死二、三塁のピンチを招くと、代打オースティンの打席で2度の暴投で2失点し、あっさり逆転を許した。さらに1死満塁とされ、3番佐野の左翼線への飛球をロハスが捕球できず(記録は2点打)。ここでマウンドを下りたが、2番手加治屋も4番牧に2点二塁打、6番楠本に適時内野安打を浴びた。藤浪は4回1/3を5奪三振7安打1四球7失点で今季4敗目(2勝)。プロ野球史上8位のスピードで通算1000奪三振を達成したが、自身の連続クオリティー・スタート(6回以上、自責点3以内)は5試合でストップした。自身の横浜スタジアム戦の連勝も7で止まった。阪神の5回の7失点は今季最多。4月6日DeNA戦12回、8月4日巨人戦2回の各5失点を上回った。7失点は、21年9月19日巨人戦2回7失点以来。藤浪の1試合7失点以上はプロ入り後7度目。前回は20年9月5日巨人戦で、球団ワーストの11失点だった。

◆DeNA上茶谷大河投手(26)が、3カ月ぶりの1軍登板を5回2失点でまとめ、今季3勝目を挙げた。1回先頭から阪神中野、糸原に連続四球を与え、近本に適時打を許した。続く大山に犠飛を打たれ、打者4人で2失点。だがここで踏みとどまり、尻上がりに調子を上げた。故障と新型コロナウイルスを乗り越えた。6月8日の日本ハム戦(札幌ドーム)の守備でベースカバーに入ろうとした際、転倒して左足首を捻挫。7月にはコロナ陽性判定を受けた。「チーム状態もいいので、久しぶりではありますが、しっかり自分の投球をしたい」。2回、3回も得点圏に走者を背負ったが、今度はフォークと直球で中軸を打ち取り、要所を締めた。7日に恩師の訃報が届いた。東洋大の高橋昭雄前監督が亡くなり「勝負の厳しさなどを教えていただきました。天国で見守っておられる高橋監督に活躍する姿を見せられるように頑張ります」と決意を新たにした。5月の対戦で5回途中7失点と打ち込まれた阪神打線に、今度はしっかりリベンジした。1点ビハインドで降板も、直後に味方が今季最多の1イニング7得点で逆転。ベンチの上茶谷も興奮気味にほえ、味方打線に感謝した。神宮では首位ヤクルトが広島に勝利。DeNAは引き分けてもマジックが点灯するピンチだったが、土俵際で粘りを見せた。

◆阪神が痛恨の逆転負けを喫した。初回に2点を先制しながら、5回に先発の藤浪晋太郎投手(28)が5安打を浴び6失点するなど1イニング7失点で試合は暗転。打線も2回以降はDeNAの継投の前に無得点に終わった。これで2位DeNAとのゲーム差は5に広がった。矢野燿大監督(53)の試合後のコメントは次の通り。-上茶谷の立ち上がりを見ていると、序盤にもっと点を取りたかった「まあ、まず打線はそこやね。やっぱり2回も3回もチャンスを作っていたし。初回ももちろん2点より3点といきたかったけど、2回、3回で最低でも1点というのは取っていかないと。あそこで1点でも取れれば流れが来たと思うし、あそこまで投げさせることもなかったと思うし。打線はそこかな」-藤浪は結果ほど状態が悪いようには見えなかった「だから結果、条件がいろいろ付いてくると、やっぱりピッチングって難しくなるから。ランナーいないときはテンポ良くいけても、ランナー出したところでどう粘るかっていうのはやっぱり。試合の中でピンチなくいけるってことはないんで。良くなってきているからこそ、そういうところをしのげるものがね、これから必要になってくると思う」-佐野のポテンヒットになった打球は難しい打球「いや、難しいといっても、(ロハスを)使ってる俺が悪いんだけどね。まあ、そう受け止めています」-5回の猛攻はダブルスチールなど防ぎたい作戦も「まあまあ、こっちからしたらスキを突かれたっていうところやけど、ピッチャーが1番ケアをせなアカンけど、そういうところでも内野手とかキャッチャーとかがね、ピッチャーってそういうふうになりやすいんでね。そのケアっていうのがないと、ああいうことになっちゃうよね」-ハマスタで悔しい結果が続く「まあまあ、もう球場とかそんなこと言ってられへんからね。今日みたいなこんな試合見せたくないんで。この悔しさを持って、どれだけ明日やれるかっていうところだと思うんで」

◆阪神島本浩也投手(29)が、桟原将司の持つ球団連続試合無敗記録「116」に王手をかけた。6点ビハインドの6回に登板し、先頭のDeNA森を直球で空振り三振。続く代打ソトも空振り三振とした。桑原には左前打を許したが、関根を一ゴロに打ち取った。「絶対に抑えるという気持ちでした。ビハインドでの登板が続いていますが、1試合ずつ役割を全うして、もっと信頼を得られるように頑張りたい」10年ドラフトの育成2位で入団。地道に努力を積み重ね、15年に支配下登録をつかんだ。19年には63試合に登板するなど左の中継ぎとしてフル回転。20年に左肘のトミー・ジョン手術を受け育成契約となったが、今季再び支配下登録を勝ち取って復活した。今季は10試合に登板し、1ホールド、防御率1・86と安定した投球が光っている。

◆DeNAが逆転勝利で阪神に快勝した。2点を先行された4回、4番牧秀悟内野手(24)の24号ソロで反撃開始。5回に相手のバッテリーミスから勝ち越すと、打者一巡の7安打を重ねて、今季最多の1イニング7得点のビッグイニングとした。牧は2安打3打点の活躍で、3カ月ぶりの1軍登板だった上茶谷大河投手(26)に白星をプレゼントした。1球で仕留めた。4回2死、牧が振ったのは150キロの落ちる球だった。「初めて見るくらいの感覚。もう本当にいい球しかなかったので、1打席目にそう感じたので。初球から思い切っていこうと思ったのがいい形になったのかなと思います」。変化球までも速い阪神藤浪の剛球を、左中間スタンドまで運んだ。ミスに乗じて一気に攻め込んだ。24号ソロで1点差に詰め寄ると、5回は藤浪の2度の暴投で逆転に成功。この2点で終わらなかった。佐野が2点打を放った後、1死一、二塁から二走関根と重盗を仕掛けた。三浦監督は「作戦のことは言えないですけど、関根の好判断です。隙をつく野球、隙を見せない野球を常に狙ってました」と積極性をたたえる。拡大した好機でまた4番が決めた。牧は今度は加治屋から、右方向への2点二塁打でガッツポーズ。2年連続で二塁打を30に乗せた。「盗塁してくれて打ちやすい状況になったので、ありがたかったです。去年(の35二塁打)に、何とか並ぶか超えられるようにしたいですね」。打者11人で奪った7点は、今季1イニングの最多得点となった。広島、巨人とロードで2カード連続で負け越したが、やはりハマスタで強い。8月に17連勝も記録した本拠地に「ここに帰ってくると、負けてても追い越せる雰囲気がある。8月は投手陣が頑張ってくれたので、野手が何とかすべきところ」。1点ビハインドの5回2失点で降りた上茶谷に、白星を贈った。この日の練習前。自身のホームランパフォーマンスにも取り入れている「デスターシャ」を決めポーズとする人気YouTuberのサワヤンが、16日の広島戦に来場することを知った。「佐野さんと、テンション上げながら練習に臨めました」とサワヤン効果にも感謝? していた。【鎌田良美】

◆阪神が悪夢の7失点で、2位DeNAに逆転負けを喫した。1点リードの5回に先発の藤浪晋太郎投手(28)が2つの暴投で同点と勝ち越しを許し、メル・ロハス・ジュニア外野手(32)と中野拓夢内野手(26)が左翼の飛球をお見合いし、2点打にするなどまさかの大量失点。シーズン最終盤にふがいない戦いで、敵地横浜で7連敗。11日にも優勝の可能性が完全に消滅する。矢野阪神に、Aクラスを争う緊張感など全くなかった。悪夢の7失点。1点リードの5回は、自滅、自滅、また自滅で白星をあっさりと手放した。敵地横浜でまさかの7連敗。2位DeNAを追い上げるはずが、5差に開いた。11日にも、優勝の可能性が完全に消滅する。矢野監督は「もう球場とか、そんなこと言ってられへんからね。今日みたいなこんな試合、見せたくないんで。この悔しさを持って、どれだけ明日やれるかというところだと思う」と吐き捨てるように言った。悔しさを晴らそうにもシーズンは残り13試合しかない。指揮官の言葉もむなしく響いた。目を覆いたくなる5回の大量失点だった。先発藤浪が代打オースティンに、2つの暴投で同点と勝ち越しを許した。矢野監督は「走者を出したところでどう粘るか、よくなってきているからこそ、そういうところをしのげるものが必要」と指摘。さらに1死満塁で、おなじみの拙守が飛び出した。3番佐野の打球が左翼に打ち上がった。遊撃中野とロハスが追ったが、「お見合い」の状態で、打球は弾んだ。平凡なフライが2点タイムリーとなり、さらに傷口を広げた。「難しい(打球)といっても、使っているオレが悪いんだけどね。まあ、そう受け止めています」と指揮官は渋い表情。5番で起用したロハスは4打数無安打と沈黙。2番手加治屋も流れを止められず、今季ワーストとなる1イニング7失点となった。打線も乱調の上茶谷を攻略できず、初回の2点だけに終わった。4回の時点で2度リクエストに失敗。すべてが空回りして、結果は完敗だった。「初回も2点より3点、2回、3回で最低でも1点。あそこで1点でも取れれば流れが来たと思う」と矢野監督は話すが、後の祭りだ。3位を争う広島、巨人が敗れたため、CS圏はキープしたが、ふがいない戦いが続けば、あっという間にBクラス転落だ。10日にはドラフト1位森木がプロ初勝利をかけ、2度目の先発に臨む。19歳の右腕に頼るな! 主力選手の意地が見たい。【石橋隆雄】

◆阪神ドラフト1位森木大智投手(19)が、チームの正念場でプロ2度目の先発に臨む。プロ初登板となった前回8月28日中日戦から中12日。高知中2年夏の全国大会以来となる横浜スタジアムのマウンドに上がる。前回は6回3失点でプロ初黒星。球団史上6人目となる高卒新人プロ1年目での初勝利を狙う。11日にも優勝の可能性が完全に消滅する危機を救えるか。オーダーは前日から変更。2番に山本泰寛内野手(28)、5番にジェフリー・マルテ内野手(31)、7番に陽川尚将内野手(31)を起用。DeNA先発左腕石田対策として、先発野手5人を右打者とした。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が9月4日の巨人戦(甲子園)以来のスタメンで出場する。今季は80試合に出場し、打率.237、8本塁打、25打点だが8月の成績が打率.328、4本塁打、13打点と上り調子。バットでチームをけん引する。また藤浪晋太郎投手(28)が今季3勝目をかけて先発登板。今季はここまで2勝3敗、防御率2・98の成績を残している。通算1000奪三振にあと「5」と迫っている。阪神はハマスタでのDeNA戦に6月28日から6連敗中。一つでも順位を上げるため、この悪い流れを止めたい。

◆阪神・近本光司外野手(27)が先制点を挙げた。一回先頭の中野、糸原が連続で四球を選び無死一、二塁の好機で近本に打席が回ってきた。真ん中に甘く入ってきたカットボールを振り抜き、打球は右前へ。先発・藤浪を援護する先制点となった。続く大山の右犠飛でさらに1点を加え、幸先よくこの回2点を奪った。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(28)がプロ通算1000奪三振を達成した。試合前であと「5」としており、一回から毎回三振を積み重ねた。四回に2死から牧に24号ソロを浴びたが、続く宮崎をフォークで空振り三振に仕留めて達成となった。プロ野球では154人目で、球団では2017年の5月30日のロッテ戦で達成した藤川球児以来、12人目。986回での達成は伊良部秀輝の997回1/3を抜いて、史上8位のスピード記録となった。

◆阪神・藤浪が2度の暴投で逆転を許した。五回先頭の楠本、伊藤光に連打を浴び、森に投前の犠打で無死二、三塁のピンチを招いた。ここで打席には代打・オースティン。初球に投じたフォークが指にかからずホームベースの上でワンバウンドし、後ろに逸れて同点を許した。さらに3球目の真っすぐもすっぽ抜けて、梅野が捕球できず逆転を許した(記録はいずれも暴投)。さらに1死満塁から佐野の左翼に上がった打球を中野とロハスの連係が乱れて適時二塁打となり、2点を追加された。ここで藤浪は降板。四回にはプロ通算1000奪三振を達成したが、4回1/3を7失点と悔しい投球となった。後を受けた加治屋も牧に右越え二塁打を打たれて2点を追加され、この回計7失点と大きくリードを許してしまった。

◆好球必打で迷わず初球を振り抜いた。DeNAの4番、牧秀悟内野手(24)が0―2の四回に左翼席へ24号ソロを運んだ。「(先発の)上茶谷さんが粘り強く投げていたので、負けじと何とかしようと打席に向かった」好投を続ける阪神先発の藤浪に対し、四回も2死走者なしで迎えた第2打席。牧は1球目、真ん中に入ってきた150キロのフォークを捉えた。トラックマンの計測で、打球角度25度、速度170キロをマークする理想的な弾道で左翼席へと一直線。推定飛距離127メートルの一発で、堂々とダイヤモンドを一周した。チームは2―4日の広島戦(マツダ)で3戦連続零封負け、6―8日の巨人との3連戦(東京ドーム)でも初戦を取ったあと連敗を喫し、2カード連続負け越しでハマスタに戻ってきた。4番の牧もその6試合で21打数5安打、打点1に終わっていた。本拠地から巻き返しを期す一戦で、自身9試合ぶりのアーチをかけた。牧の一振りで空気を一変させたDeNAは、立ち上がりから封じられていた藤浪を1―2の五回に一気に攻めた。連打と送りバントで1死二、三塁にしたあと、連続暴投で労せずして逆転。さらに四球と連打の満塁から佐野が左前に2点打を放った。ここで藤浪をKO。なおも1死二、三塁で牧が2点二塁打。この回一挙7点を奪い、8―2と完全に試合の主導権を握った。牧は本塁打を含む2安打3打点。9連戦、中1日で10連戦と続く過酷日程は始まったばかり。頼れる2年目の4番が、まだまだチームを引っ張っていく。

◆阪神は逆転負けを喫した。打線は一回、上茶谷の立ち上がりを攻めて近本の右前適時打と大山の右犠飛で幸先よく2点を先制した。しかしそこからは追加点を奪えず、四回1死から七回終了まで11人連続で打ち取られるなど沈黙した。先発の藤浪は三回まで1安打の抜群の立ち上がりをみせた。四回にはプロ通算1000奪三振を達成したが、2ー1の五回に暗転。1死二、三塁で迎えた代打・オースティンの打席で2度暴投し、逆転を許した。さらに1死満塁から佐野の左翼に上がった打球を中野とロハスの連係が乱れて適時二塁打となり、2点を追加されたところで降板。4回1/37安打7失点で今季4敗目と悔しい投球となった。後を受けた加治屋も牧に右越え二塁打を打たれて2点を追加されるなど、この回計7失点して勝敗が決まった。これで6月28日からハマスタで7連敗。借金も「3」となりCS進出にも暗雲が立ち込めている。

◆DeNAが逆転勝ち。0―2の四回に牧のソロで1点を返し、五回に暴投二つや佐野の2点打など打者11人の攻撃で7点を奪った。上茶谷は5回を2失点にまとめ、4月16日以来となる3勝目。阪神は藤浪が五回途中7失点と崩れた。

◆阪神が逆転負けで横浜スタジアム7連敗を喫した。2点の援護を受けた藤浪晋太郎投手(28)は五回、代打のタイラー・オースティン外野手(31)の打席で2暴投を記録して逆転を許し、2番手の加治屋蓮投手(30)も打ち込まれて、一挙7点を奪われた。藤浪は四回にNPB8位のスピード記録となる通算1000三振(986投球回)を達成したが、2015年7月5日からのハマスタ連勝が「7」で止まり、4敗目(2勝)。打線は近本光司外野手(27)の適時打と大山悠輔内野手(27)の犠飛による一回の2点のみ。3戦連続6番の佐藤輝明内野手(23)は3打数1安打1四球でノーアーチは16試合&70打席。ハマスタ7連敗は8連敗を喫した1998年以来。また年間10敗は1978年の開場後、球団ワースト。2位DeNAと5差。最短で11日にVが完全消滅となった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績62勝65敗3分=残り13試合、観衆2万9042人)。ーー上茶谷の立ち上がりを見ると、序盤にもっと点を取りたかった「まあ、まず打線はそこやね。やっぱり二回(無死二塁)も三回(1死一、二塁)もチャンスを作っていたし。初回ももちろん2点より3点といきたかったけど、二回、三回で最低でも1点は取っていかないと。あそこで1点でも取れれば流れが来たと思うし、あそこまで投げさせることもなかったと思う。打線はそこかな」ーー藤浪は結果ほど状態が悪いようには見えなかった「だから結果、条件がいろいろ付いてくると、やっぱりピッチングって難しくなるから。ランナーいない時はテンポ良くいけても、ランナー出したところでどう粘るかはやっぱり。試合の中でピンチなくいけることはないんで。良くなってきているからこそ、そういうところをしのげるモノが、これから必要になってくると思う」ーー佐野のポテンヒットは難しい打球だったが(逆転されて2ー3となった五回1死満塁で佐野の左翼線への打球を中野、ロハスが捕球できず)「いや、難しいといっても、(ロハスを)使ってる俺が悪いんだけどね。まあ、そう受け止めています」ーー五回はダブルスチール(続く牧の打席で一走佐野、二走関根が重盗成功)など防ぎたい作戦も「まあまあ、こっちからしたら隙を突かれたところやけど、ピッチャーが一番ケアをせなアカンけど、そういうところでも内野手とかキャッチャーとかがね、ピッチャーってそういうふうになりやすいんでね。そのケアがないと、ああいうことになっちゃうよね」ーーこの球場で悔しい結果が続く「まあまあ、もう球場とかそんなこと言ってられへんからね。今日みたいな、こんな試合見せたくないんで。この悔しさを持って、どれだけ明日やれるかっていうところだと思うんで」

◆阪神が逆転負けで横浜スタジアム7連敗を喫した。2点の援護を受けた藤浪晋太郎投手(28)は五回、代打のタイラー・オースティン外野手(31)の打席で2暴投を記録して逆転を許し、4回?を投げて、7失点で降板した。四回にNPB8位のスピード記録となる通算1000三振(986投球回)を達成したが、2015年7月5日からのハマスタ連勝が「7」で止まり、4敗目(2勝)を喫した。藤浪は広報を通じて「ストレートに狙いを絞られて、うまく打たれてしまったという印象です。そんな中でも、なんとか粘りながら、もうひと踏ん張りしたかったなと思います」とコメントした。

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(56)は藤浪晋太郎投手(28)の投球に言及。投球はすべて合格点と評し、自分を信じて投げろとゲキを飛ばした。藤浪のまさかの乱調だった。四回までの投球を見せられると、ちょっと考えられない五回の崩れ方になってしまった。ポイントは1死二、三塁で代打・オースティンを迎えた場面。この回は無死から楠本に中前打され、伊藤は完全に打ち取った打球が内野安打。森が送って二、三塁。ピンチとはいえ、よくあるケースだ。ところが、ここで突然のように力んでしまう。暴投2つで逆転され、ストレート四球。推測しかできないが、1点リードの五回、勝ち投手を意識して、絶対に打たれてはいけないという思いが強すぎたのか。技術ではない。メンタルの問題としか考えられない。それまでの藤浪はフォークを多投。以前に指摘したが、フォークを投げると、腕をタテに振る。ヨコ振りになって制球を乱す藤浪の悪癖を、自然な形で解消できるのだ。2球連続でフォークを投げるなどして、四回までは文句の付けようがなかった。牧に打たれた本塁打は、相手がうまく打ったというしかない。それ以外は、ほぼ完ぺきだった。もし四回までに制球の乱れがあれば、オースティンの打席での2暴投&四球で交代も考えられるが、それまでは抜群の制球。150キロ後半の真っすぐと、150キロ前後のフォークで緩急の攻めができていたし、カットボール、スライダーも威力があった。テークバックでも無駄な力が抜けて、いい感じの投球を本人も実感していたはずだ。ところが、初めての四球の直後に3連打。ベンチとしても、最も交代を考えづらい投球になってしまったのも不運だった。惜しまれるのは、序盤に見られたフォークの連投が、3連打を浴びたシーンでは見られなかったことぐらいか。はっきり言えるのは、投げている球はすべて合格点。今の球なら、少々のピンチでも大丈夫だと自分を信じて投げ込むしかない。

◆DeNA・上茶谷大河投手(26)が、3カ月ぶりの1軍先発で5回2失点の粘投。4月16日以来となる3勝目を挙げた。「チームの(状態が)いいときに、テレビの前でしか応援できなかった。こうやって準備してきて、勝ちたいという思いが強かった」左足首を捻挫した6月18日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来の1軍マウンド。序盤は制球が定まらず一回に連続四球から2点を失った。それでも、辛抱強く二、三回のピンチを切り抜けると、四、五回は無安打と調子を取り戻した。右腕の踏ん張りに応えるように、代打を送られた五回に味方が藤浪を攻略し、今季最多の一挙7得点。降板後もベンチで必死に仲間を鼓舞し続けた上茶谷に、久々の白星が舞い込んだ。7日には、東洋大1年時から3年時まで監督として指導を受けた高橋昭雄さんが敗血症のため74歳で死去した。上茶谷は京都学園高から2015年に入学。甲子園とも無縁だった右腕の才能を見出し、1年時から公式戦で起用してもらった経験が、4年時のリーグMVPへとつながった。6月、病状が悪化し入院する恩師を元気づけるため、上茶谷ら同期による動画メッセージが送れらたという。前日8日にはオリックス・中川が2本塁打。この日は右腕が復活の1勝をささげた。東洋大では練習中、気を抜いているとグラウンドのマイクのスイッチが入り、監督から厳しい言葉が飛んだ。あの緊張感はもう、味わうことはないけれど、新たな舞台で、新たな仲間と強くなった上茶谷は、これからも天国から見守る恩師へ白星を送り続ける。

◆阪神・矢野耀大監督(53)が二回、佐藤輝明内野手(23)の右翼フェンス最上部に当たる打球に対し、リクエストを要求。結果は覆らずに二塁打になると、今度は四回の佐藤輝の二盗にもリクエスト。こちらもリプレー検証の結果、ジャッジ通りにアウトと判定されて、この時点で2回の権利を使い切った。それ以降、微妙な判定はなかったものの、もし...。一歩間違えば、悔いが残る〝消費〟だった。

◆このままじゃ、勝てん! 阪神は2位・DeNAに2-9で大敗。横浜スタジアムで1998年以来となる7連敗となった。クライマックスシリーズ(CS)の切符を手にしてもファーストステージの舞台は〝鬼門〟が濃厚。首位ヤクルトとは12・5ゲーム差に広がり、11日にも優勝が完全消滅する。お先真っ暗や-。スコアボードの中央に重たい「7」を刻まれ、屈辱的な横浜での7連敗は整った。矢野虎が目指してきたリーグ優勝は、11日にも完全消滅する。10月にCSという別の形でここへ戻ったとしても、このままでは先など見えない。指揮官は悔しさをかみ殺した。「もう球場(の相性)とか、そんなこと言ってられへんからね。今日みたいなこんな試合見せたくないんで」チームバスまで続く薄暗く長い通路にも、場内からのヒーローインタビューの盛り上がりと、打ち上げ花火の爆音が響くばかりだ。これで5月15日に勝ったのを最後に横浜では7連敗になった。この日も一回から2点を奪ったように、その7試合のうち5試合で先制に成功してきた。だが、主導権を奪うところまで、攻めきれない。二回には先頭の佐藤輝の二塁打を、下位打線が得点につなげられず。三回は1死一、二塁としたが、大山、ロハスが続けて凡退した。一回先頭から連続四球で立ち上がりフラフラだった上茶谷の息を吹き返させてしまったことは、虎将としても嘆くしかなかった。「初回ももちろん2点より3点と行きたかったけど。二、三回で最低でも1点というのは取っていかないと。あそこで1点でも取れれば流れが来たと思うし、あそこまで(上茶谷を)投げさせることもなかったと思う」そして、気が付けばドカンドカンと強力打線に飲み込まれて敗れる。文句なしの快投を見せていた藤浪が、2-1の五回にまさかの7失点降板。救援した加治屋も火に油を注いで、今季ワーストの1イニング7失点を喫したところで勝負は決した。横浜7連敗のうち6敗が逆転負けで、今後へ向け希望も何もないショッキングな負けを見せつけた。首位のヤクルトは広島に勝利し、12・5ゲーム差に広げられて、いよいよ「そのとき」も目の前に迫る。数字上は可能性が残っているリーグ優勝が、最速で11日にも完全消滅する。キャンプイン前日の1月31日に今季限りでの退任を表明し、何としても頂点を奪う覚悟で挑んできたシーズンだった。開幕9連敗からも巻き返し、追いすがってきたが、燕はなかなか落ちてこない。それどころかCSへ進出し、3位となってDeNAと戦うことになっても、開催地が今季の鬼門、横浜では勝ち抜ける気配もない。矢野監督は「この悔しさを持って、どれだけ明日やれるかというところだと思うんで」と、レギュラーシーズンでの横浜ラスト1戦へ決意を口にした。ナインに、特に打線にその思いが乗り移らなくては、森木をまたも見殺しにし、矢野虎の進む先は真っ暗になる。(長友孝輔)

◆天国から地獄だ。暴投で追いつかれ、また暴投で逆転され、さらに味方守備にも足を引っ張られて...。圧巻の立ち上がりをみせた藤浪が2-1で迎えた五回、突然、乱れた。「なんとか粘りながら、もうひと踏ん張りしたかったなと思います」楠本、伊藤光の連打と森の犠打で1死二、三塁。代打・オースティンを送られた場面だった。初球のフォークがワンバウンドする暴投で同点に。そして3球目、直球を引っかけて、勝ち越しを許す暴投となった。オースティンを四球で歩かせ、桑原、関根の連打で満塁のピンチ。佐野の左翼線への飛球をロハスが目測を誤り、捕球できず、2者が生還。ここで降板となり、クオリティスタート(6回以上、自責3以下)は5試合連続でストップした。バトンを渡した加治屋も相手の勢いを止められず、チームは今季ワーストの1イニング7失点。藤浪も4回?を投げて7失点で、自責7は自己ワーストタイ。「ストレートに狙いを絞られて、うまく打たれてしまったという印象です」と猛省した。気分よく投げていたはずだった。直前の四回2死で宮崎を150キロのフォークで、この日5個目となる三振を奪った。プロ野球史上154人目の1000奪三振を達成。虎党から大きな拍手を受けて笑みを浮かべたが、自身の節目となる記録を白星で祝えず、今季4敗目(2勝)だ。前回3日の巨人戦(甲子園)もピンチで変化球がすっぽ抜ける暴投を犯した。克服したはずの制球難がまた顔を出したのか...。矢野監督は「ランナーがいないときはテンポ良くいけても、ランナーを出したところで、どう粘るか」と指摘。「試合の中でピンチなくいけるってことはない。よくなっているからこそ、そういうところでしのげるかが、これから必要になってくる」とさらなる上積みに期待した。過去11度の登板で8勝1敗だった横浜スタジアムで悔しい黒星。立て直し、もう一度、存在感を示すしかない。(三木建次)

◆高橋監督、見ていますか-。DeNA・上茶谷大河投手(26)が左足首を捻挫した6月8日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、3カ月ぶりの1軍戦先発で5回2失点の粘投。4月16日以来となる3勝目を挙げ「チームの(状態が)いいときに、テレビの前でしか応援できなかった。勝ちたいという思いが強かった」と笑みを浮かべた。一回先頭から連続四球をきっかけに2点を失い「終わったと思った」というが、捕手の伊藤から「おい、しばくぞ!」と声を掛けられ「ちょっと笑いが出て、柔らかくなった」と調子を取り戻した。五回に味方が一挙7点を挙げ、久々の白星をつかんだ。7日には東洋大3年時まで監督として指導を受けた高橋昭雄氏が亡くなった。「勝負の厳しさなどを教えていただいた」と感謝する天国の恩師へ、復活の1勝をささげた。

◆セ・リーグ2位のDeNAは9日、阪神23回戦(横浜)に9―2で快勝し、連敗を2で止めた。四回に牧秀悟内野手(24)が藤浪晋太郎投手(28)から反撃の24号ソロ。主砲の一発を口火に、五回は今季最多の1イニング7得点で逆転した。チームは日本一に輝いた1998年(8連勝)以来、24年ぶりとなる本拠地での阪神戦7連勝を飾った。4番の一振りが、ハマスタの空気を変えた。三回まで完璧に封じ込められていた藤浪から、牧が四回に豪快な一発。勢いづいた打線が五回に一挙7得点を挙げ、大きな1勝をつかんだ。「負けている状態だったけど、本塁打を打てて、チームも勢いに乗って、あれをきっかけに得点が入って良かった」藤浪に対し、第1打席は157キロの直球で遊ゴロに倒れ、0―2で迎えた四回2死。「なかなか打てる球じゃないと思って、1・2・3でいった」と初球を振り抜いた。意図せず捉えたのは、150キロのフォークボール。「初めて見る感覚。振ったら当たったぐらい」と笑顔で振り返ったが、170キロを計測した打球は一直線で左翼席に消えた。ベンチ前では恒例のポーズ「デスターシャ」を披露した。6、7月は月間打率2割台と調子を落とした。夏に入り、球場の食堂に日替わりで並ぶ果物を毎日食べることを験担ぎに始め、8月に同打率・309、6本塁打と復調した。この日は五回に右越えの2点二塁打を放ち、2安打3打点。9試合ぶりの一発でリーグ4位の24本塁打、77打点は巨人・岡本和を抜いて同3位に浮上した。三回まで1安打、4三振だった打線が牧の一発で息を吹き返し、五回に7安打を集中して7得点。ハマスタでは7連敗中だった藤浪を一気に攻略し、13年以来となる白星を挙げた。本拠地での阪神戦7連勝は24年ぶり、前回優勝の98年以来という〝吉兆〟だ。3位・阪神を5ゲーム差に突き放し、首位のヤクルトとは7・5ゲーム差。「自分たちは上を見るしかない。勝っていくしかない」と牧の視線は鋭い。可能性のある限り、頂点を信じて戦い抜く。(浜浦日向)★元ネタ「サワヤン兄弟」16日始球式に登場 牧や佐野らが右拳を握って叫ぶ本塁打パフォーマンス「デスターシャ」の本家で、ゲーム実況で人気のYouTubeチャンネル「サワヤンゲームズ」(登録者数144万人)を運営するウクライナ出身のユーチューバー、サワヤン兄弟が16日の広島戦(横浜)に来場し、セレモニアルピッチ(始球式)を務めることが決まった。「デスターシャ」は単語自体に意味はなく、兄弟が動画冒頭で見せる挨拶の掛け声&ポーズのこと。2人が観戦した6月28日からチームが本拠地で17連勝した〝縁起の良さ〟もあり、「終盤戦応援ゲスト」に指名された。牧は「来るまでに勝っていきたい」と来場を心待ちにした。

◆月が変わって〝ツキ〟も何もかもが落ちきってしまったようだ。ロハスが、打ちまくっていた8月とは別人のように精彩を欠き、守備でもトホホなプレーが...。急変してしまった助っ人の姿に、矢野監督も言葉少なだ。「いや(打球処理が)難しいといっても、(ロハスを)使っている俺が悪いんだけどね。まあ、そう受け止めています」藤浪の乱調で逆転を許して迎えた2-3の五回1死満塁で、佐野が高々と打ち上げた打球は左翼方向へ。遊撃の中野も外野まで背走したが、最後は左翼のロハスに任せた。だが、助っ人は落下地点の目測を誤ったのか、白球は差し出したグラブの横を通過してポーンと跳ね、ファウルゾーンを転々(記録は2点打)。エラーこそつかなかったが、負の連鎖を止められなかった。この日は4タコ。制球の定まらない上茶谷を攻め立てたい一回は遊ゴロ併殺打に倒れて流れをプツリと切り、3回2死一、二塁はバットが空を切った。四球3つをもぎとって作った八回2死満塁のチャンスは中飛に倒れ、内容も散々だった。8月は月間打率・328(61打数20安打)、4本塁打、13打点と打ちまくり、これぞ助っ人という存在感を発揮。それが9月に入って、同・063(16打数1安打)、0本塁打、1打点とガクッとペースが落ち込んだ。2年契約最終年。残留へ、ラストスパートをかけなければいけない秋に大不振に陥っている。クライマックスシリーズ進出を確実にするためには、ロハスの輝きが必要だ。このままでは、何も手にできずに秋を迎えることになってしまう。(新里公章)

◆エリザベス女王が亡くなられた。英国からはるか離れた日本国の、関西方面にあるプロ野球チーム・阪神タイガースと結びつけるのは、ちょっと無理があるけれど、世界的偉人の逝去の日だから、恐縮しつつ「虎ソナ」でも触れてみたい。東京五輪を取材し、ごく一部で「世界の長友孝輔」と呼ばれているトラ番キャップに尋ねてみると「さすがにエリザベス女王には会ったことはないです」と苦笑い。女王の有名なシーンといえば、ロンドン五輪の開会式。ジェームズ・ボンドと一緒にヘリコプターからパラシュートで飛び降りて-。ということは、ロンドン五輪を取材した記者なら...。元サンスポ記者としてロンドンで大活躍し、元トラ番キャップでもあり、現在は別の分野で活躍している栃山直樹氏に聞いてみた。元トラ番、久々の登場!「ユニオンジャックのパラシュートのシーンはプレスセンターで見ましたよ。ビックリしました。でも、ナマで女王陛下は見てないです。ひょっとしたら、矢野監督は目撃しているかもしれないですよ。テレビの取材でロンドンに来られてましたから」そうだった。虎の指揮官は引退後、多方面でもアクティブ。ロンドン五輪期間中、すごく明るく現地リポートしていたっけ。「今季限り」を早々と表明し、苦労し続ける指揮官にも、そんな時代があったんだと思うと感慨深い。いい思い出なのだろう。ことし正月、サンスポ1面で対談した東京五輪銀メダリストの空手家・清水希容さんに自身のロンドン五輪取材体験談を語っていた光景を、長友キャップもよく覚えていた。ただ、このシーズンが押し詰まった、緊迫感MAXの時期に「女王陛下に会いましたか?」と尋ねるわけにもいかず。すみません。いつの日か確認しておきます。「エリザベス女王の思い出はないですが、このハマスタでの福留さんの思い出はいっぱいありますよ」こちらのムチャぶりに困惑していたキャップ・長友が、今季限りで引退を発表した福留の話題を提供してくれた。「ハマスタでは打ちまくって、サンスポMVPの授賞式で『1年ぐらい、ハマスタを本拠地にしてもいいですね』と冗談交じりに話していましたよね」ハマスタ好き! 今なら佐藤輝か。昨年の特大場外アーチに象徴されるように、このスタジアムでは、生まれ変わったように打ちまくる。二回の1打席目の一撃も、フェンス最上段を直撃の二塁打。ことしは勝てないハマスタ。大爆発を願いたい。それにしても、期待の藤浪が暴投、暴投、安打、安打、安打...。大事な試合だったんだけれどなぁ。「藤浪、森木、西純。高卒ドラフト1位3人で3連勝したら、来年にもつながると思うんです」長友の試合前の夢は呆気ないほど脆く崩れ去った。高卒ドライチ3連勝!実に響きは良かった。来年につなげる意味でも、と期待を込めてみていたのに。藤浪よ、どうしたんや? せめて、森木、西純で連勝を!きょう9月10日は、中秋の名月。ま~るいお月様のような白星を、どうかどうか、タイガースが手にしますように。

◆ムシャムシャ...。「ダンカンさん、ホウレンソウをドカ食い! 今日は阪神負けたけど、この後虎の大逆襲見せたろやないか! とアニメのヒーロー、ポパイですね?」ちゃう...。ホウレンソウは血圧下げるんや~、このままだと本日の虎の草野球に血管ブチ切れる~!!(涙)まずは晋ちゃん(藤浪)力ずくの投球から160キロを捨てる丁寧な虎猫をかぶるマウンドを、ここ数試合続け結果を出してきたのに...。なんで虎猫の着ぐるみ脱いで同点のワイルドピッチ、勝ち越しを許すワイルドピッチと暴れる虎に戻ってんの? ウ~、ホウレンソウをムシャムシャ...。そして、最大にホウレンソウを口にギャル曽根級に詰め込んだのはロハスなのだ!! 再三のチャンスに本日もストレートに遅れるバット...。外国人ってストレートに強いんじゃねーのかい? そして、五回に佐野の左飛をグラブが空振り(記録はヒット)。これからも矢野さんが使うなら俺、農家とホウレンソウを直接契約しなきゃ...。トホホ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
72502 0.590
(↑0.003)
-
(-)
19551
(+7)
489
(+6)
155
(+3)
65
(+1)
0.254
(↑0.001)
3.550
(↓0.02)
2
(-)
DeNA
63562 0.529
(↑0.004)
7.5
(-)
22430
(+9)
465
(+2)
99
(+1)
45
(+2)
0.252
(-)
3.530
(↑0.01)
3
(-)
阪神
62653 0.488
(↓0.004)
12.5
(↓1)
13443
(+2)
381
(+9)
76
(-)
101
(-)
0.244
(-)
2.640
(↓0.06)
4
(-)
広島
61673 0.477
(↓0.003)
14
(↓1)
12490
(+6)
486
(+7)
80
(-)
25
(-)
0.254
(↑0.001)
3.450
(↓0.03)
5
(-)
巨人
60663 0.476
(↓0.004)
14
(↓1)
14500
(+1)
546
(+3)
144
(+1)
58
(+2)
0.243
(↓0.001)
3.790
(↑0.02)
6
(-)
中日
56681 0.452
(↑0.005)
17
(-)
18357
(+3)
441
(+1)
58
(-)
52
(+1)
0.246
(-)
3.350
(↑0.02)