阪神(☆9対1★)ヤクルト =リーグ戦21回戦(2022.09.07)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(9勝5敗0S)
敗戦投手:高梨 裕稔(7勝7敗0S)
  DAZN
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◆投打のかみ合った阪神が完勝。阪神は4回裏、梅野と近本の適時打などで一挙6点を先制する。1点を返された直後の6回には近本が犠飛を放ち、追加点を挙げた。投げては、先発・伊藤将が9回5安打1失点で今季9勝目。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。

◆阪神伊藤将司投手(26)が甲子園10連勝をかけ、7日のヤクルト戦に先発する。8月17日の敵地ヤクルト戦で村上、山田に1発を浴び敗れただけに「村上が一番当たっているので、そこを注意しながら、自分のピッチングができたらいいなと思う」と引き締めた。前回8月31日の広島戦(甲子園)は5回5失点と打ち込まれたが、味方が逆転して黒星が消えた。8月3日の敵地巨人戦以来の9勝目を目指す。

◆阪神斎藤友貴哉投手(27)が1軍に合流し、そのまま出場選手登録された。8月1日に出場選手登録を抹消されて以降は、ウエスタン・リーグで7試合に登板し4失点(自責2)。9月は2試合に登板し、いずれも無失点と安定した投球を披露していた。今季は1軍で18試合に登板し防御率4.87。阪神は4日にラウル・アルカンタラ投手(29)が2軍降格して以降、救援投手8人態勢となっていたが、斎藤の昇格で再び9人となった。

◆三友商事(本社・大阪市中央区)が冠スポンサーの「AIRBUSTER DAY」の7日、阪神対ヤクルト戦の試合前、同社がスポンサードする"二刀流レーサー"冨林勇佑(26)が始球式を行った。世界初のeスポーツレーサーとリアルレーサーの2つの顔を持つ冨林は、レーシングスーツにフルフエースのヘルメット姿でミニカーをドライブして、甲子園のマウンドに登場。サーキットとは勝手が違い、ストライク投球とはいかなかったが、大役を終え笑顔を見せた。同社のオゾン脱臭機「AIRBUSTER」は、20年から甲子園と選手宿舎などに導入されている。

◆世界初の「eスポーツレーサー兼リアルレーサー」として活動中の冨林勇佑(26)が、ファーストピッチセレモニーに登場した。レーシングスーツを身にまとい、リリーフカーに乗って右翼ポール入り口から現れ、マウンドへ。ボールは惜しくも右バッターの頭上付近へとそれたが、ノーバウンドでミットに収まった。冨林は「夢のようです。思いっきり投げようと思って投げられたのはよかったんですけど、非常に変なところにいってしまって。ノーバンだったからよかったなと思います」と笑顔。普段参戦しているレースの大会よりも「こっちの方が100倍緊張します」と話し、「今後あんまりいろんなことに動じなくなるのかなみたいな、すごくいい人生経験になるのかな」と感慨深げだった。今後は9月17、18日にスポーツランドSUGO(宮城)で行われるスーパーGTにも出場する予定で「日本で一番ホットなレース。今日の経験を生かしながらチームも優勝したことがないので、優勝をプレゼントできたらいいかなと思います」と意気込んだ。

◆阪神が0-0の4回にビッグイニングをつくり、大量6点の先取点をたたき出した。2試合連続で4番に入った先頭大山が、自己最長を更新する13試合連続ヒットとなる左前打で出塁。マルテが右前へのポテンヒット、佐藤輝が四球を選び、木浪の押し出し四球でまず1点。なおも無死満塁から梅野が左前タイムリーで2人の走者をかえした。さらにチャンスは続き、2死満塁から近本が2番手今野の内角140キロを右翼線にはじき返し、走者一掃の適時三塁打で3点を追加。5時間超えのゲームから一夜明け、疲れを感じさせない打者一巡の猛攻で、首位ヤクルトを攻め込んだ。

◆セ・リーグ3位の阪神が、首位のヤクルトと対戦。先発は阪神が伊藤将司、ヤクルトは高梨裕稔 。

◆3位阪神が快勝して連敗を3で止めた。負ければ広島に同率で並ばれる危機を回避した。4回、無死満塁から木浪聖也内野手(28)の押し出し四球と梅野隆太郎捕手(31)の2点左前打でヤクルト高梨裕稔投手(31)をKOした。さらに近本光司外野手(27)の3点三塁打でこの回一挙6得点と優位に立った。大量援護に守られた伊藤将司投手(26)は1失点完投で9勝目を挙げた。完投は6度目でリーグトップを快走。また、球団史上6度目(5人目)の甲子園10連勝を達成した。新人だった昨年9月から本拠地負け知らずで白星を積み重ねている。ヤクルトは高梨が誤算。打線も伊藤将を打てなかった。前日、甲子園で今季6本目のアーチをかけていたヤクルト村上宗隆内野手(22)は不発に終わった。歴代単独6位になる53号弾は出なかった。

◆阪神先発の伊藤将司投手(26)が、9回1失点完投勝利した。111球で5安打、6奪三振、無四球。8月3日巨人戦以来5試合ぶりの白星となる9勝目で、完投は今季6試合目。伊藤将は甲子園では昨年9月1日の中日戦から、10連勝。球団では79年から80年にかけて10連勝した小林繁以来、6人目。「注意したい」と警戒していたヤクルト4番村上を3打数無安打に抑え込んだ。2回の第1打席は遊飛、5回の第2打席はカーブで見逃し三振。いずれも回の先頭での対戦だった。7回は直前に3番山田の打球が右太もも内側に直撃するアクシデント(記録は投手強襲安打)もあり、無死一塁とこの日初めて走者を置いての対決となった。初球を内角に大胆にチェンジアップを投げ込み二ゴロ併殺に打ち取った。打っても7回2死一、二塁で左中間へ2点適時二塁打を放ち、自らダメ押し点を奪った。今季4安打中3本が適時打だ。伊藤将が、21年9月1日中日戦から続く甲子園での連勝を10に伸ばした。阪神の投手が甲子園で10連勝以上は、79年から80年にかけて10連勝した小林繁以来、42年ぶり。延べ6人目で、左腕投手では初めて。最長は14連勝で、御園生崇男が36年から38年にかけて記録した。伊藤将はこれで両リーグトップの6完投目。球団では、15年藤浪晋太郎の7完投以来。

◆阪神は首位ヤクルトに完勝し、連敗を3でストップした。甲子園のお立ち台には1失点完投勝利の伊藤将司投手(26)、4打点の近本光司外野手(27)、2打点と好リードの梅野隆太郎捕手(31)の3人が上がった。伊藤将は「低めに丁寧に投げることもできましたし、ウメさんのリードを信じて投げた結果、こうやって完封...完投することができました(笑い)」と、バッテリーを組んだ梅野に感謝した。両リーグトップの6完投目については「先発をやらしてもらっているので、マウンドは譲りたくない気持ちがある。その結果」と話した。昨年から本拠地甲子園では10連勝。「ホームのグラウンドなので、1つでも多く甲子園で勝てるように投げています。ファンの声援のおかげで自分も勝てている」と満員の虎党に手を振った。プロ初となる4打点の近本は「4打点は今までないんじゃないかなというくらいね、あんまり打点を挙げられないんですけど、まあでも回ってきたところで、しっかり自分のバッティングができるように、やっていきたい」と話した。個人タイトル争いでは最多安打、盗塁王も視野に入っている。「あと10何試合かあるんですけど、最後までしっかり諦めず、チームのためにやっていくんですけど、そのために自分が引っ張って、走って、チームに勢いある、試合、流れを持っていきたい」と勝利を導く中で数字を重ねるつもりだ。最後は梅野が「明日はゲームがない移動で横浜に入るので、あさって必ず勝ってまた甲子園に帰ってきたい。みなさん心の中で『勝つバイ』とお願いします。近本が自分と初めて(のお立ち台)らしいので、うれしいと言っていたので、こうやって思い出にできるのがうれしく思います。それではみなさん、『あさっても勝つば~い! 』」と、得意のパフォーマンスで締め、9日からの横浜でのDeNA2連戦に連勝し甲子園に戻ることを誓った。

◆阪神が球団62年ぶりの20盗塁トリオの誕生に王手がかかった。中野、島田、近本の1~3番がそれぞれ盗塁を記録。リーグトップを走る近本は27、中野は21、そして島田海吏外野手(26)は6回2死一塁から走って成功させ、19個目になった。「仕掛けるのはうちの野球。今日だけ目立っているわけではないし、変わらずにやってくれている」と矢野監督は頼もしそうだった。

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)が攻守で伊藤将を支えた。4回、押し出しで1点先制した直後の満塁チャンスで左前に2点適時打を放った。「満塁で重圧がかかるところで(木浪)聖也がつないでくれた。三振だけは嫌やなと集中して何とか食らいついて、結果として大事なところで2点取れた。みんなでつないだ打線だったと思う」。実質、高梨をKOする一打。ワンサイドゲームへの分岐点だった。マスク越しにも大奮闘した。対ヤクルト、対村上の研究を重ねて臨んだ。「前回、前々回と悔しい思いをしていた将司が、強い気持ちで最後まで投げ切れた。自分もやりがいがあった。(対村上も)将司と話し合って1打席1打席ちゃんとできた」。試合後は互いに背中をたたき合った。お立ち台では「あさっても勝つば~い!」と高らかにファンに約束。充実感に満ちた表情だった。○...木浪の意地が詰まった10球だった。4回無死満塁。3球で追い込まれたが、そこから高梨の力のある速球を次々とファウルにして、10球目のスライダーを見極めた。この先制点から大量得点につながった。矢野監督は「あいつも必死。自分の立場、状況を理解してチャンスをつかもうとしている。そういう思いは強い選手」と気持ちの入った打席を絶賛した。

◆阪神が首位ヤクルトに9-1で快勝し、連敗を止めた。プレッシャーが少しだけほぐれた。同時に、近本光司外野手(27)は気合を入れ直した。「ここで試合を決めたろう」。4回。木浪の押し出し四球、梅野の2点打で3点を先制し、なおも2死満塁。ヤクルト今野の内角140キロを引っ張った。「梅野さんの執念あるヒットで3点取って、けっこう、気持ち的には楽でした」。仲間への感謝を込め、右翼線へ3点適時三塁打。矢野監督も「もう1点欲しいところで3点は本当に大きい」と手放しでたたえる貴重な追加点になった。前夜は6-6で同点の延長10回。2死二、三塁のサヨナラ機で、マクガフの前に空振り三振に倒れた。無念を晴らすように、1点を奪われた直後の6回にはきっちりと犠飛。「多分、4打点は今までない」という通り4打点はプロ最多。「回ってきたところで自分の打撃がしっかりできるように」と力を込めた。打てない時も、活躍した時も。あるリフレッシュ方法が近本を支える。「例えば帰り道、いつもと違う道から帰るとか。休みの日に美術館に行ってみるとか。いつも自分がしていることと、ちょっと違うことをしてみるんです」今季ブレークした同期入団の湯浅にも、そうアドバイスしたことがある。「いつもと違うことをすれば、脳がリフレッシュされる。僕? 甲子園からの帰り道、信号にひっかかったら『あっ、こっちの道にしよう』ってするくらいかな(笑い)」。後輩右腕が、ネットでどれだけ「疲労回復」と検索してもたどり着くはずがない。自己流のメンタル回復術で長いシーズンを乗り切る。初回の二盗で今季27盗塁。ヤクルト塩見に4個差をつけ、頭ひとつ抜け出しリーグトップ。143安打はヤクルト村上に並び同トップだ。2冠も見えてきたが、あくまで視線はチームに向く。「最後まで諦めずチームのためにやっていく。そのために自分が引っ張って走っていきたい」。虎のラストスパートは近本とともにある。【中野椋】

◆阪神の4回、ビッグイニングの起点は4番大山悠輔内野手(27)だった。4回の先頭で打席に立つと、3回まで無安打に抑えられていたヤクルト先発高梨の初球142キロ直球を鮮やかに左前へ。チーム初安打で、自身最長の13試合連続安打とした。この一打で点火した打線は、打者11人で4安打、4四球を絡めて6点を奪った。前日6日から不振の佐藤輝にかわり4番に入った。この日も2四球を選び3出塁。今季53四球はチームトップで、リーグ4位。8月は打率3割4分と好調で、9月に入っても6試合で24打数8安打の3割3分3厘と好調さをキープしている。矢野監督は「いい時はもっといいと思っているし、今でいいとは思ってないけど」と、まだまだ物足りない様子。残り14試合で、月間10発を放った6月のような爆発を期待している。常に高いレベルを求め「もっともっと上を目指していかないといけない。まずはチームが勝つこと」と話している大山が、4番として好調を保てば、3位争いもその先のポストシーズンも、頼りになる軸となってくれそうだ。【石橋隆雄】

◆守備の乱れが阪神の唯一の失点につながった。6点リードの6回1死から代打浜田がマウンド付近に高々と打球を打ち上げた。一塁マルテと三塁佐藤輝がお見合いする形となってポトリ。打ち取った打球が二塁打になった。その直後、完封ペースだった伊藤将は塩見に左前適時打を浴びて失点。記録には残らないが、恥ずかしい守備のミスだった。

◆Aクラスは譲らん! 阪神伊藤将司投手(26)が1失点完投で甲子園10連勝を飾った。80年小林繁以来、球団史上5人目の快挙だ。ヤクルト村上を3打数無安打に抑え、7回には左中間への2点二塁打で自らを援護。打球が直撃するアクシデントもあったが、12球団最多となる今季6度目の完投勝利。タフな左腕がチームの連敗を「3」で止めた。ラスト1球、低めにあらん限りの144キロ直球を押し込んだ。伊藤将はマウンド上で勝利を見届け、左拳を腰付近で小刻みに動かしガッツポーズ。9回5安打無四球1失点、111球の熱投で両リーグ単独トップの6完投。8月3日の巨人戦以来約1カ月ぶりの勝ち星となる9勝目を飾り、球団では80年の小林繁以来42年ぶり5人目、左腕では虎史上初の甲子園10連勝だ。「梅さん(梅野)のリードを信じて投げた結果、こうやって完封...、完投することができました(笑い)」雪辱を果たした。5回まで二塁を踏ませず、6回は守備のミスもあった中で最少失点でしのいだ。7回は先頭山田の打球が右内もも付近に直撃し、もん絶。マウンド上でうずくまったがすぐに復活し、続く村上の内角を突いて二ゴロ併殺に退けた。「今日はやり返す気持ちで投げました」。8月17日に1発を浴びた村上から内角カーブで見逃し三振を奪うなど3打席を完璧に封じ、リベンジを決めた。シーズン中に着手した投球フォームの微調整が実を結んだ。今季の6月中旬頃から、意識的に左腕をトップの位置まで持っていくスピードを速めたという。「球が抜けてる時は(腕を振るタイミングが)遅れてるんですけど、それをなるべく速く(トップに)くるように。『これだ!』っていう感じ」と手応えをつかんだ。カーブの精度も向上するなど相乗効果が生まれ、引き出しを増やした。矢野監督の助言も生かした。自身3連敗中に迎えた前回8月31日の広島戦(甲子園)では菊池涼に3ランを浴びるなど5失点。翌1日の練習中、指揮官が左腕に歩み寄った。「菊池さんに対しての配球だったり、ポイントになったところを言ってくださった」。昨季も苦戦した夏場には「真っすぐがいいんだから、どんどんいけ」と背中を押され、救われたという。「すごくいいタイミングで声をかけてくださいます」。快投につなげ、連敗ストップという形で恩を返した。「9番打者」としては7回2死一、二塁から左中間を破る今季3本目のタイムリーとなるダメ押しの2点適時二塁打を放ち、セルフ援護。投打で奮闘し、2年連続の2桁勝利へ王手をかけた。地の利を生かし、今後も聖地で勝ち星を量産していく。【古財稜明】伊藤将が、21年9月1日中日戦から続く甲子園での連勝を10に伸ばした。阪神の投手が甲子園で10連勝以上は、79年から80年にかけて10連勝した小林繁以来、42年ぶり。延べ6人目で、左腕投手では初めて。最長は14連勝で、御園生崇男が36年から38年にかけて記録した。伊藤将はこれで両リーグトップの6完投目。球団では、15年藤浪晋太郎の7完投以来。

◆阪神・斎藤友貴哉投手(27)が1軍に合流した。8月1日に登録抹消されて以来、今季3度目の1軍昇格となる見込み。ここまで18試合に登板し、0勝1敗、防御率4・87。ウエスタンリーグでは、防御率1・35と安定した成績を残している。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神・佐藤輝明内野手(23)は2試合連続で「6番」に入った。6日の同戦は中堅フェンス直撃の三塁打を放つなど、今季7度目の3安打猛打賞。4番から6番降格の悔しさをバネに暴れまわった。相手先発の高梨とは試合前時点で、今季の対戦打率・417(12打数5安打)と好相性。快音を響かせ、チームの連敗を止める。

◆阪神・近本光司外野手(27)が2試合連続の盗塁を決めた。一回2死で迎えた第1打席。相手の一塁手・オスナの失策で出塁すると、続く大山の打席、その初球でスタートを切った。113㌔変化球を見越していたかのような完璧な始動で悠々セーフ。今季の盗塁数を27とし、リーグ2位のヤクルト・塩見(23盗塁)に4差をつけ独走態勢に入った。一回のチャンスを得点につなげたい打線だったが、大山が四球で2死一、二塁。マルテが空振り三振に倒れ、無得点に終わった。

◆阪神・木浪聖也内野手(28)が四回の第2打席で、先制の押し出し四球をもぎ取った。0-0で迎えた四回。先頭の大山がチーム初安打となる左前打を放つと、続くマルテは、二塁手後方にポトリと落ちるラッキーな右前で。佐藤輝が四球でつなぎ、無死満塁の絶好機を作った。打席には「7番・二塁」で2試合ぶりにスタメン出場の木浪。5球でフルカウントとし、ファウルで粘った。10球目、高梨の変化球は外角に大きく外れ、ボール!執念の粘り勝ち。押し出し四球で先制点を奪った。打線はなおも無死満塁で8番・梅野が打席へ。カウント2-2から6球目、131㌔の変化球にしぶとく食らいつくと、打球は三遊間を抜ける2点左前打。梅野は8月31日の広島戦(甲子園)以来、出場5試合ぶりの安打&打点となった。止まらない阪神打線は伊藤将が犠打、中野が四球で再び1死満塁の好機を作ると、ヤクルトの先発・高梨を早々にノックアウト。島田が遊飛で2死としたが、近本が2番手・今野から右翼線へ走者一掃の3点三塁打を放ち、6-0とした。阪神は打者一巡の猛攻で、この回4安打4四球、一挙6得点と今季最多タイのビッグイニングを作り、先発の伊藤将に大量援護点を届けた。

◆阪神・近本光司外野手(27)が6-1の六回に中犠飛を放った。1死一、三塁で打席へ。ヤクルト3番手・大西の145㌔の速球をはじき返した。飛距離十分の中犠飛で三走・中野が生還。7-1と再び6点差にリードを広げた。近本は四回に走者一掃の3点三塁打を放ち、「チームとしてもいい流れでしたし、(伊藤)将司が楽に投げられるように、少しでも追加点を取って援護したいと思っていました。しっかりと自分のスイングができたと思います」とコメントしていた。これで今季最多の1試合4打点。力投する左腕を選手会長がバットで支えた。

◆ヤクルト先発の高梨は四回途中3安打5四球、6失点で降板。三回まで無安打投球で決め球のフォークボールを軸に一回2死からは四球を挟んで5人連続で三振に斬っていたが、四回先頭で大山に初安打を浴びると無死満塁のピンチを招き、木浪に押し出し四球。その後も流れを止められず、中野を四球で歩かせて今野と交代した。「自分のカウントを作って無駄な走者を出さずにしたい」と意気込んでいたが、悔しい結果となった。

◆阪神・伊藤将司投手(26)が投打で躍動した。7―0の七回2死一、二塁では3番手・大西の直球をとらえ、左中間への2点二塁打でダメ押しした。これで左腕は6月25日の中日戦(甲子園)以来の打点を記録し、今季5打点目。野手顔負けの打撃を披露している。投げては八回まで1失点と好投。六回1死で代打・浜田の高く上がった打球を内野陣が捕球できず、二塁打に。直後の塩見のタイムリーで1点を失ったが、前日2安打2打点の4番・村上を3打数無安打に封じた。自身4試合連続白星なし&3連敗中。ヤクルトとの前回対戦(8月17日、神宮)では村上と山田ぞれぞれに一発を食らい、8回4失点で黒星を喫しており、リベンジのマウンドだった。左腕は今季、甲子園では9連勝中で、得意の本拠地のマウンドでこの日も活躍した。

◆阪神が快勝。先発した伊藤将が9回1失点で今季9勝目をマークした。完投は6度目。ヤクルトの主砲・村上を3打数無安打と完璧に抑え、流れを渡さなかった。打線は四回に打者一巡の猛攻で一挙6得点。大山が自己最長となる13試合連続安打を放ち、口火を切った。六回には近本が中犠飛で、プロ入り後最多の1試合4打点をマーク。七回には伊藤将が2点二塁打を放つなど、左腕は投打で躍動した。阪神は連敗を3でストップ。クライマックスシリーズ進出へ、3位を死守した。

◆秋風漂う甲子園。クライマックスシリーズ(CS)争いになんとかとどまるために負けられない戦いが続く。エース・青柳まで一発を浴びた相手の主砲に対しても、最大級のマークをしながら2年目の左腕・伊藤将が懸命に腕を振った。「ヤクルト自体も調子いいので、村上が一番当たっているので、そこを注意しながら、自分のピッチングができたらいいなと思う」登板前には首位をひた走る燕打線を警戒した。村上との前回対戦ではホームランを打たれた100人目の投手となったが「いいバッターなので、抑えたいって気持ちはあります」とリベンジに燃えていた。一回を三者凡退に抑え、二回に村上と顔を合わせた。変化球主体の配給でフルカウントからの6球目、134キロのカットボールで遊飛に抑えた。オスナにこの日初安打を許すも、続くサンタナの打席時にけん制球で一塁走者のオスナを刺すなど、終始落ち着いた投球で流れを渡さなかった。伊藤将は昨年の9月1日の中日戦から甲子園で9連勝中。井川慶が2003年から04年にかけて達成した記録に並んでいた。記録達成を期待された前回の8月31日の広島戦(甲子園)では今季最短の5回5失点で降板していただけに再び記録に挑む。ルーキーイヤーの昨年は2桁の10勝を挙げたが、今季はここまで8勝。8月3日の巨人戦(東京D)以降、1カ月白星が遠ざかっている。2年連続での2桁勝利に向けては「2桁はみんな目標にしていると思うので、そこを早く達成できるように頑張りたい」と意気込む。四回に味方の大量6得点の援護をもらっても、リズムは変わらなかった。五回には村上との2回目の対戦では見逃し三振に仕留めるなど、走者を許したが、危なげなかった。111球を投げて無四球完投。前夜延長戦で疲労が残るリリーフ陣を休ませた。5安打1失点に抑え、絶好調の村上は3打数無安打に抑え込んだ。甲子園での登板は10連勝。シーズン終盤にラストスパートをかけるべく、虎の先発ローテの中で唯一のサウスポーがチームを引っ張る。(北池良輔)

◆ヤクルトの村上は伊藤将の前に3打数無安打と沈黙した。52号本塁打を放って一夜明けたこの日、二回は遊飛、五回は見逃し三振。七回無死一塁では初球の変化球を引っかけて二ゴロ併殺打に倒れ、連続試合出塁も30で止まった。先発の高梨が0―0の四回に畳みかけられて6失点KOとなり、チームも完敗。高津監督は「1日が終われば、また次の試合が大事」と切り替えた。

◆まだまだ、あきらめない。近本が、たまった走者を大掃除して、1試合4打点の大暴れ。盗塁王&安打王の2冠を目指す選手会長が試合を決めた。「3点入っているというのが気持ち的には楽でしたけど、全然、逆転されることもあるので。ここで早い段階で決めないとな、とは思っていた」3点を先制し、なおも2死満塁で迎えた四回の第3打席だった。2番手・今野の140キロ直球を振り抜いた。鋭い打球が右翼線で弾む。走者一掃の3点三塁打。勝利を決定づけるひと振りに、矢野監督は「もう1点ほしいというところで3点になったので、本当に大きい」と最敬礼だ。今季はここまで32打点。チャンスメークのイメージが強い近本は「僕はあんまり打点ね、挙げられないんですけど...」と頭をかいた。ただ、この日は一味、違う。六回1死一、三塁は飛距離十分の中犠飛できっちり仕事を果たし、自己最多の1試合4打点をマークした。リードオフマンとして虎を引っ張ってきたこれまでとは違い、今年の主戦場は3番だ。クリーンアップとして意識するのは「どこでヒットを打つか」ということ。走者をかえさなければいけない場面で打つ。これが一番求められている役割。その結果が、最も現れる〝打点〟で、いままでの自分を超えてみせた。「走れる場面で企画(企図)はできている。(タイミングを)つかんだらしっかりいこうとは思っています」一回は相手失策で出塁し、直後の大山の打席ですかさず二盗。リーグトップを独走する今季27盗塁目で、2年連続の「チーム100盗塁」という節目に貢献した。さらに、143安打はヤクルト・村上に肩を並べ、最多安打争いでもトップに再浮上。万感の拍手の中、お立ち台に上がった近本は誓った。「最後まであきらめず。チームのためにしっかり自分が引っ張って、走って、流れを持ってきたいと思う。頑張っていきます!」残り14試合。ラストスパートに入った近本の足とバットは、もう止まらない。(原田遼太郎)

◆〝村神様〟も音無し。セ・リーグ首位のヤクルトは7日、阪神21回戦(甲子園)に1―9で敗戦。2位・DeNAも敗れたため、7ゲーム差は変わらなかった。打線はわずか5安打で、打撃の主要3部門(打率、本塁打、打点)でトップに立つ村上宗隆内野手(22)は3打数無安打。連続試合安打は9で、連続試合出塁は30で止まった。険しい道のりを越え、リーグ連覇に向けて歩みを進める。本塁が遠ければ、白星も遠ざかっていく。ヤクルトは四回に6点を先制される厳しい展開で、打線も5安打1得点。高津監督は「追いかける野手の方にも少し難しさはあったと思う」と嘆き、完投した阪神先発・伊藤将に脱帽した。「チャンスらしいチャンスがなかなか、なかった。タイミングも合ってないし制球もいいし、簡単に捉えられなかった」唯一の得点は六回。1死から代打・浜田が高々と放った内野へのフライが二塁打となり、続く塩見が左前適時打。ただ、直後に一走・塩見が、けん制に誘われて飛び出してアウトに(記録は盗塁死)。反撃のムードがしぼんだ。頼みの村上も音無しに終わった。二回は遊飛、五回は見逃し三振に倒れ、6点を追う七回無死一塁。安打が出れば好機が広がり、一発が出れば雰囲気が変わる場面だったが二ゴロ併殺打に終わり、唇をかんだ。これで連続試合安打は9(8月29日-9月6日)、球宴明けの後半戦初戦となった7月29日から続いていた連続試合出塁は30でストップ。ただ、いずれもリーグトップの打率・339、52本塁打、127打点と圧倒的な数字を残し、ここまでチームを引っ張ってきただけに責められない。2位・DeNAも敗れたため、7ゲーム差は変わらず。移動日を挟み9日からは広島との2連戦(神宮)だ。村上は「最終的に優勝できないと意味がない。シーズンが終わって本当にいい試合が多かったと思えるように、頑張っていきたい」と気合を入れ直した。「毎日、次の日のことを考えるし、次の試合が大事だと思う」と高津監督。連覇が決して簡単ではないことは重々承知だ。山あり谷ありの道のりを越え、頂に立つ。(赤尾裕希)

◆見せてくれた男気に、男気で応えたかった。援護点まで添えて、女房役の梅野が伊藤将を男にした。リードだけでなく、バットでも満塁からの2点打で勝利へ導き、お立ち台ではそろって笑顔をはじけさせた。「追い込まれて、三振はしないようにと。そういう執念というか結果がね、三遊間を抜けてくれたので、本当にみんなでつないだ打点だったんじゃないかなと思います」木浪が10球粘って押し出し四球を選び、1点を先制。なお無死満塁で打席に入ったが、2球で追い込まれた。次の打者は投手の伊藤将。簡単に凡退するわけにはいかず、梅野も食らいついた。カウント2-2からの6球目、変化球をとらえて左前2点打とし、こぶしを握った。矢野監督も「1点(だけ)で満塁だと、ピッチャーだと難しいなって思っていたんですけど、2点取ってくれたんでね」とたたえる一打だった。これで今季の梅野は満塁では打率・444(9打数4安打)、10打点。この日も投手を思う気持ちだけで、一挙6得点のビッグイニングへつなげてみせた。「将司が『きょうはやったりますよ、もう打たれたら知りません』というくらい割り切りを持って言ってきたので。それに応えられるよう、しっかり〝1人のバッター〟を研究して、こうやって抑えて行こうって」伊藤将は4戦続けて白星から見放されていた。この日も村上が立ちはだかったが、最後は伊藤将の開き直りと、それを先輩の捕手にも堂々と伝えてくるハートの強さがモノを言った。梅野も「本当に男気のある、試合前からそう言っていたので、男だなと」と舌を巻いた。なんとしても勝たせてやりたい一戦だっただけに「将司も最後ね、満足した顔が見られたのが本当によかった」とほほ笑んだ。お立ち台の最後は、決めぜりふにアレンジを加えた「あさっても勝つば~い!」で締めた。やられた分をやり返す戦いはまだまだ続く。虎には、投手を男にし勝たせる女房、梅野がいる。(長友孝輔)

◆阪神が2年連続でチーム盗塁数を3桁に乗せた。六回1死から中野が中前打で出塁し、今季21盗塁目の二盗に成功。島田も内野安打でつなぎ、一、三塁から近本の中犠飛で追加点を挙げた。その後、大山の打席で島田も今季19盗塁目の二盗を決めた。1番中野、2番島田、3番近本の快足トリオが1盗塁ずつ記録し、チーム盗塁数は「101」に。矢野監督は「しかけるのはうちの野球」と信頼を口にした。

◆得意の甲子園で圧巻の投球! 阪神は9-1で首位ヤクルトに快勝し、3位をキープした。伊藤将司投手(26)が今季6度目の完投で9勝目。燕の主砲・村上を3打数無安打に抑え、甲子園での連勝を「10」に伸ばした。クライマックスシリーズ(CS)進出へ、2年目左腕の復調は心強い!夜空に輝く月のように、伊藤将もマウンドで光り輝いた。虎にも自分にもようやく〝ツキ〟が回ってきた。難敵・村上を華麗に封じ、甲子園自身10連勝をつかんだ。「やっぱり一番調子の良い村上を抑えられたのがよかったんじゃないかなと思います」ヤクルト・村上を完璧に封じ、流れを引き寄せた。二回は遊飛、五回は直球を印象づけた後に116キロのカーブで見逃し三振。七回無死では初球のチェンジアップで二ゴロ併殺に料理して、3打数無安打に斬った。30試合連続出塁中だった打撃3冠の燕の主砲に仕事をさせず。前回対戦の8月17日に3ランを浴びた雪辱を晴らした。六回に守備の連係ミスによる不運な二塁打から1点を返されたが「点差もあったので、同点までオッケーという気持ちで投げていた」と動揺はなかった。9回5安打1失点と好投し、今季6度目の完投で9勝目。さらに球団では1979-80年の小林繁以来、42年ぶりに甲子園10連勝を達成した。シーズン途中から取り組んできた、ほんの少しの微調整が好投の要因だ。交流戦後の6月中旬以降からフォームに修正を加えた。左腕を振り上げる速度をコンマ数秒の単位で速くしたことで制球が安定し、カーブなど変化球の精度向上につながった。「自分で変えながらやってたら『これだ!』っていう(のを見つけた)感じ」と飽くなき向上心と日々の試行錯誤が投球に生きている。7―1の七回2死一、二塁で左中間へ2点二塁打を放ち、バットでも勝利に貢献。直前の七回先頭では山田の打球が右足の太ももを直撃し、悶絶する場面もあったが、九回まで投げ切った。5時間17分の延長戦の末に敗れた前夜とは対照的に、左腕のテンポの良い投球もあって3時間10分で試合終了。チームの連敗は3でストップした。残り14試合。首位ヤクルトはCS進出が確実で、2位DeNAも有力だ。出場圏内となる3位の座をかけて虎を1ゲーム差で追う4位広島、2ゲーム差の5位巨人と争うが、譲りはしない。最後までマウンドに立ち続けた伊藤将が示したように、チーム一丸で意地でも白星をもぎ取る。「残り試合も少ないですし、規定(投球回到達)ももう少しというところなのでもうひと踏ん張り投げていきたい」夏が終わり、秋が近づいてきても決してあきらめない。やり切ったと言える一年にするため、伊藤将は全力で腕を振り続ける。(織原祥平)■データBOX 伊藤将は新人だった昨年9月1日の中日戦から甲子園で10連勝。阪神では小林繁が1979年9月5日の巨人戦から80年7月4日の大洋戦まで10連勝して以来42年ぶり、5人目。御園生崇男が14連勝(36年秋-38年春=1リーグ時代)、村山実が12連勝(66年)、若林忠志が11連勝(43-44年)している

◆いつもの「浜風」とは逆の、三塁から右中間方向へ約4メートルの強い風が吹いていました。「いま、村上が打撃練習をしています。右中間スタンド中段に特大の当たりを飛ばしています」トラ番キャップ長友孝輔が縁起でもないことを伝えてきましたが、仕方ありません。6、7月に続いて8月の月間MVPにも選出された絶好調男ですから、追い風の中、すごい当たりを飛ばすのも当然です。「いえ、きょうは伊藤将がやり返してくれるはずです」リベンジを予言していたのは、投手担当のトラ番織原祥平です。織原は、8月17日のヤクルト戦(神宮)で伊藤将と一緒に悔しい思いをしています。「それ以外はいい投球だったのに、村上に3ランを打たれてしまった試合です。コロナ対策の取材制限で僕は記者席に入れなくて。球場の向かいのビルの前にあったベンチで、小雨が降る中、負け原稿を書きました」そのヤクルト戦を含め4試合勝ち星がなかった伊藤将ですが、本人には落ち込んでいる様子はなかったといいます。「『しんどいッスわ』と言いながら、顔は笑っていました。気持ちを切り替えてやっていける選手です。本人も『調子は悪くない』と言っています。それに僕も、きのうの虎ソナで織原は〝ザル〟スコアラーだと思われているので、一緒にやり返したいんです」7日付のこの欄で、織原が『村上は内角の真ん中と外角の真ん中が苦手』という意外なデータを見つけた-という話を紹介しましたが、青柳が六回に外角の真ん中の高さの球をバックスクリーン左に運ばれてしまいました。8・17の雨中の負け原稿執筆の無念さを晴らすことと一緒に〝ザル〟スコアラーの汚名返上も願っていたのです。打者担当の原田遼太郎も、6日の5時間17分の死闘を少し引きずっていました。「家に帰ったら午前1時半でした。球場から各自ばらばらに(タクシーで)帰るわけにはいきませんから。4人で一緒に会社に向かって、途中で自宅近くを通る織原と三木さん(ビヤ樽編集委員三木建次)に降りてもらって、新里さん(サブキャップ新里公章)と僕は会社に戻ってから、同じ方向の人と一緒に深夜帰りをしました」経費節約です。けなげでしょ。あちこちから賄賂をもらっていたとされる方にも聞いていただきたいくらいです。「でも、佐藤輝が打ってくれたので良かったです」6日の佐藤輝は中堅フェンス直撃の三塁打を含む猛打賞。中でも原田が良かったとうなずいたのが、四回の右前同点打とその後の本塁へ勝ち越しのヘッドスライディングでした。「以前、二盗でヘッドスライディングしたときに、近大の田中先生(田中秀昌野球部監督)が『(気持ちが前に出るのは)いいことなんだけど、けがが心配だ』とおっしゃっていました。佐藤輝にも(ヘッドスライディングは)やめるように連絡したそうです。本人からは『わかりました』と返ってきたそうなんですが、思わずやっちゃったんでしょうね」伊藤将が、村上にはヒットすら打たせず、味方の拙守にも動揺せず、1失点で完投しました。打線も効果的に援護しました。残り14試合、このままみんなで踏ん張っていきましょう。

◆「大好きな投手は伊藤将」と公言しながらサンスポ紙面でホメる機会が少なかったので、思い切り絶賛してあげたい。ここ何試合か、勝てない登板が続いていた原因は、絶好調時に比べると制球が微妙に狂っていた。要所で高めに抜けたりして失点するケースが続いていたのだが、この試合はほぼ思ったコースに投げられていた。もともと球威で抑え込むタイプではない。生命線の「低め」への制球が戻れば、そうは打たれない。五回の村上をカーブで見逃し三振に仕留めた場面も見事。本当はもっと外寄りへ投げたかったのだろうが、予想外の球種に村上は完全に裏をかかれた感じだった。投げるだけではないのが伊藤将の魅力。送りバント(四回)は確実に決める起用さを持つ。本当にうまい。大量リードでの打席(七回)でも集中力を切らさず、適時二塁打を放った。打球が体に当たりながら、投げ続けた気迫も素晴らしい。七回まで来たら、自ら交代を申し出る投手がいるご時世での完投。おかげで、延長戦を戦った翌日の救援陣が休めた。阪神の投手陣では珍しい「雑草」のムードを漂わせる。シーズン最終盤、CSではキーになる存在だ。この日は完全に抑えた村上にも触れておきたい。アウトになりながらも怖さを感じさせる打者だ。たとえば、伊藤将&梅野のバッテリーが絶妙の配球で見逃し三振を奪った五回の打席。阪神からすれば裏をかいたのだが、あの状況でしっかり狙い球を絞っているところにすごみを感じる。常にしっかり読んで、狙い球を絞っているのだ。今回は裏をかいたが、一歩間違えば「表」になる。その時は高い確率で仕留められてしまう。2打席目以降は点差が開いた状況になったので、あまり参考にはならない。接戦の中で、この強打者とどう対戦し、どう裏をかくか。注目したい。(本紙専属評論家)

◆よっしゃァ! 伊藤将の5安打完投勝利だけでなく、今や手をつけられない〝村神様〟を三振あり、ゲッツーありの3打席完璧に抑えた『1粒で2度おいしい投球』、おおきにー!!ちゅ~うか、俺なんかほとんどいいことがなかった虎党歴55年の卑屈な男。村上が56号本塁打を放ったらスポンサーが東京都内に1億円の家をプレゼントするなんて、耳にした途端にうらやましいけど、妬ましい~。そーだ! 小笠原諸島だって東京都だから、きっと小笠原に違いない!! と一方的に思っている。本日の伊藤将の村上封じにはガッツポーズだったのだ(でも、小笠原でも充分うらやましいから俺にもくれ~!)これで2年目の伊藤将は昨季から2年連続2桁勝利に王手をかけた。けど、心配なのは同じ2年目の佐藤輝! 未だにストレートに差し込まれる欠点が克服されていないというか、克服しようとしている気配が見られないのが悲しい...。その答えは自分で見つける以上にない。悩み苦しみ、もがくけど、はい上がってきたら怖いものなしの虎になるには、4番起用が必要と俺は思うのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
71502 0.587
(↓0.005)
-
(-)
20544
(+1)
483
(+9)
152
(-)
64
(-)
0.253
(↓0.001)
3.530
(↓0.05)
2
(-)
DeNA
62552 0.530
(↓0.004)
7
(-)
24416
(+3)
457
(+18)
98
(+1)
42
(-)
0.251
(↓0.001)
3.520
(↓0.13)
3
(-)
阪神
62643 0.492
(↑0.004)
11.5
(↑1)
14441
(+9)
372
(+1)
76
(-)
101
(+3)
0.244
(-)
2.580
(↑0.02)
4
(-)
広島
61653 0.484
(↑0.004)
12.5
(↑1)
14484
(+3)
477
(+1)
80
(-)
25
(-)
0.254
(-)
3.430
(↑0.01)
5
(-)
巨人
59653 0.476
(↑0.004)
13.5
(↑1)
16493
(+18)
538
(+3)
141
(+5)
55
(-)
0.244
(↑0.003)
3.800
(-)
6
(-)
中日
54681 0.443
(↓0.003)
17.5
(-)
20352
(+1)
440
(+3)
58
(-)
50
(-)
0.246
(-)
3.400
(↑0.01)