阪神(★6対8☆)ヤクルト =リーグ戦20回戦(2022.09.06)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:マクガフ(1勝2敗34S)
(セーブ:田口 麗斗(1勝1敗2S))
敗戦投手:浜地 真澄(1勝3敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(52号・6回表ソロ)

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◆ヤクルトが熱戦を制した。ヤクルトは5-5の延長10回表、長岡の適時打で1点を勝ち越す。その後同点とされて迎えた11回には、1死満塁から塩見の2点適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、6番手・マクガフが今季初勝利。敗れた阪神は、終盤に追いつく粘りを見せるも及ばなかった。

◆阪神ドラフト1位ルーキーの森木大智投手(19)が、1軍に合流した。9日からのDeNA2連戦(横浜)での先発が見込まれる。ただ6日のヤクルト戦が悪天候で試合開催が危ぶまれており、現時点では再びローテーションが変更される可能性もある。8月28日の中日戦(バンテリンドーム)でプロ初登板初先発し、初黒星。1度出場選手登録を外れていたが、再びチャンスが回ってきた。森木は「勝ってくれってことだと思うので。矢野さんも今年最後なので。取ってもらった分、良いピッチングして勝利に貢献したいなと思っているので、それはずっと思っていることなので、成し遂げたいと思います」と力強く必勝を誓った。この日は甲子園で藤浪とキャッチボールを行い、「やっぱり強いボールを投げられているので、ボールの強さというのは参考にはなりますね」と先輩との貴重な時間をかみしめた。プロ初登板は黒星こそ喫したが、5回まで0封するなど、ポテンシャルの高さを示した。その後は中5日で3日のウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)に先発。球数を考慮しながら49球を投げ、3回途中4失点でマウンドを降りていた。5日に西勇が出場選手登録を抹消され、登板間隔を空けることから今回のチャンスが巡ってきた。1軍2戦目の先発マウンドで、念願のプロ初勝利を目指す。

◆阪神が打線のテコ入れを敢行した。大山悠輔内野手(27)が、5月6日の中日戦以来4カ月ぶりに4番で出場。佐藤輝明内野手(23)は8月17日ヤクルト戦以来の6番に下がった。4日の巨人戦(甲子園)で球団ワーストタイとなる24度目の完封負けを喫したチームが、得点力不足解消へ新オーダーを組み、首位ヤクルトたたきに臨む。先発は青柳晃洋投手(28)。8月2日の巨人戦以来、約1カ月ぶりの勝ち星で自己最多に並ぶ13勝を目指す。

◆ノムさんに並んだ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、2試合連発となる52号ソロを放ち、63年野村克也(南海)と85年落合博満(ロッテ)に並ぶ、シーズン52号本塁打に到達した。1点リードの6回先頭、阪神青柳に対し、1ストライクからの2球目、外角144キロ直球をバックスクリーン左へ。「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」と喜んだ。得意の甲子園で決めた。試合前点で、今季阪神戦は19戦で打率3割5厘、6本塁打、15打点。セ・リーグ相手では巨人と並ぶ最少本塁打に抑えられてはいるが、甲子園では6試合で22打数8安打の打率3割6分4厘、5本塁打、9打点。左打者に不利となる右翼から左翼方向への「浜風」が吹く中でもアーチを量産している。7月31日には、その後の5打席連発につながる3打席連続本塁打をマークしていた。シーズン最終盤でも勢いが衰えない「村神様」。これで64年王貞治(巨人)がマークした日本選手最多の55本塁打に、あと3本と迫った。

◆この日6番に降格した阪神佐藤輝明内野手(23)が、同点適時打&ヘッドスライディングで意地を見せた。1点ビハインドの4回1死一、二塁。ヤクルト石川から右前適時打を放ち試合を振り出しに戻した。石川から今季15イニング目で初得点。虎キラーの左腕にダメージを与えた。その後1点を勝ち越し、なおも1死一、三塁。8番坂本誠志郎捕手(28)が投手前にスクイズを敢行。三塁走者の佐藤輝は本塁に突っ込み、ヘッドスライディングで3点目をもぎ取った。背番号が見えなくなるほど、背中まで泥だらけ。気迫満点のプレーで流れを引き寄せた。今試合は、大山悠輔内野手(27)が約4カ月ぶりに4番でスタメン。佐藤輝は8月17日以来の6番に下がっている。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、リーグトップタイとなる今季8本目の三塁打を放った。2点ビハインドの6回1死。ヤクルト石川から中越えの打球を放ち、一気に三塁まで陥れた。その後、糸原の二ゴロの間にホームを踏み、1点差に迫った。この時点で、中日岡林と並び三塁打数でセ・リーグトップ。佐藤輝は二塁打もリーグ単独トップの31本放っている。4回には一時同点に追いつくタイムリー。6番に降格した試合でマルチ安打と意地を見せている。【写真たっぷり詳細ライブ】"村神様"村上宗隆、ノムさん&落合博満に並ぶ52号出た! 阪神-ヤクルト/ライブ速報中

◆ノムさんに並んだ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、2試合連発となる52号ソロを放ち、63年野村克也(南海)と85年落合博満(ロッテ)のシーズン52本塁打に並んだ。1点リードの6回先頭、阪神先発青柳に対し、1ストライクからの2球目、外角144キロ直球を捉え、バックスクリーン左へ。「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」と喜んだ。得意の甲子園でレジェンドに肩を並べた。試合前まで今季阪神戦は19戦で打率3割5厘、6本塁打、15打点。セ・リーグ相手では巨人と並ぶ最少本塁打に抑えられているが、甲子園では6試合で22打数8安打の打率3割6分4厘、5本塁打9打点。7月31日には、その後の5打席連発につながる3打席連続本塁打を放った。さらに阪神青柳に対しては、通算打率4割1分5厘、6本塁打と好相性を誇っていた。4回1死一、三塁では、青柳から「チャンスだったので大振りせずコンパクトに打つことを心掛けました。先制することが出来て良かったです」と右前適時打をマークした村上。偉大なレジェンドたちの記録も視野に、チームのために打ち続ける。【鈴木正章】

◆阪神青柳晃洋投手(28)はまた白星をつかめなかった。6回の打席で代打を出され、6回5失点で降板した。「野手がつないでくれたにもかかわらず、自分のふがいない投球のせいでチームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」と、反省するしかなかった。ヤクルト村上宗隆内野手(22)を止められなかった。まずは4回に先制の右前打を浴びた。1死一、三塁から慎重に制球してカウント3-0。4球目、外角を狙った128キロがやや内寄りに入ったところを右前に痛打された。その裏に3-1と逆転したが、直後5回に3失点して再逆転を許した。そして3-4の6回、村上に144キロを完璧に打たれ、バックスクリーン左まで飛ばされた。どうしても流れをつかめなかった。8月2日の巨人戦(東京ドーム)に勝ってから5試合白星なし。13勝目が遠い。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、63年野村克也(南海)、85年落合博満(ロッテ)に並ぶ52号本塁打を放った際のホームインのシーンが、ツイッターなどSNSで話題になっている。6回無死、1ストライクからバックスクリーン左に運んだ1発。村上はホームインの際に両手を合わせて、天を見上げた。ツイッターでは「ノムさん」などがトレンド入り。「ノムさんも絶対に喜んでるはず。ちょっとボヤきながらね」「ホームベース上で天を仰いで手を合わせた村神様。天国のノムさんも喜んでるよ」「ノムさんに報告する村神様」「天国でぼやいててほしいね」などのコメントが寄せられた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(31)が「スピン打法」で同点適時打を決めた。1点ビハインドの7回2死二塁。2ボール1ストライクから、ヤクルト石山の141キロフォークをフルスイング。バットの芯を外した打球には強烈なスピンがかかり、セカンドへのハーフライナーとなった。これがバウンドすると、ヤクルト山田が捕球できない方向へ転がり、結果的に右前適時打に。思わぬ形で同点に追いつき、マルテは塁上で笑顔になった。マルテは8月30日に右足コンディション不良から1軍復帰後、初のタイムリーとなった。

◆阪神がまさかの形で勝ち越し機を逃した。7回、ジェフリー・マルテ内野手(31)の適時打で同点に追いつき、なおも2死二塁。ここで6番佐藤輝明内野手(23)が右前へ安打を放った。二塁走者の植田海内野手(26)は三塁ベースを蹴り一気に本塁を狙おうとしたが、三塁ベースコーチの藤本敦士コーチ(44)が、これをストップ。植田が急停止し本塁突入をとりやめた瞬間、ヤクルトの右翼丸山が捕球ミスし、打球処理にもたついた。相手ミスもあり、本塁突入していればセーフとみられるタイミングだった。その後、糸原健斗内野手(29)が二ゴロに倒れ、勝ち越し機を逸した。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(31)が"秘打"で同点を呼び込んだ。「最高の当たりではなかったけど、形はどうあれ得点が必要な場面だった。追いつけてよかったよ」4-5の7回、2死二塁で石山の変化球を強振。バットの先端に当たった打球は、二塁前方へのハーフライナーに。二塁山田がワンバウンドで捕球体勢に入ったが、強いスピンがかかっていたため想定外のバウンドになり、右翼方向に抜けていった。倒れ込んだ山田もあぜんとするラッキーヒット。意外な形で試合を振り出しに戻した。4年目の今季も中軸を期待されながら、たび重なる右足コンディション不良に泣かされてきた助っ人。前回は7月13日の復帰当日に再発させ、またすぐに離脱。周囲を失望させた。8月21日に2軍で39日ぶりに試合復帰。同30日から1軍に再合流した。この日は今季2度目の5番でスタメン。大山、マルテ、佐藤輝という今季初の並びの中で、2安打と気を吐いた。4回の左前打も3得点をお膳立てする一打だった。「言われたポジションで100%が出せるようにやりたい。できる限りチームに貢献して自分も健康で1年が終われればと思う」。今回の昇格時にそう話していた。来季の去就がかかる時期。存在価値を示すラスト15試合になる。

◆阪神岩崎優投手(31)が絶体絶命の場面で村上を抑えた。4-5の7回に登板。2死後に満塁とされ、村上を迎えた。もう追加点はやれず、勝負も避けられない状況。観衆が固唾(かたず)をのんで見守る中、直球5連投で最後は141キロを引っかけさせ、二ゴロに仕留めた。抑えを外れて以来、少しずつ調子を取り戻している左腕。直後に同点としただけに、貴重な救援だった。

◆「代打の神様」や! 阪神原口文仁内野手(30)が、起死回生の同点打を放った。1点ビハインドの延長10回2死一、三塁で代打で登場。ヤクルト守護神マクガフから左中間への同点打を決めた。雨が降り続く甲子園で、土壇場で試合を振り出しに戻した。「打ったのはカットボール。みんなが粘ってつないでくれたチャンスだったので、なんとか自分でまず1点もぎ取りたいという一心でした。追い込まれていた中で、とにかく必死に食らいついていくことができたと思います」と振り返った。今季から捕手登録を外れ、内野手登録として勝負する男が、意地を込めた一振りでファンを沸かせた。

◆6番に降格した阪神佐藤輝明内野手(23)が、泥だらけになって執念を示した。4回。1点リードし、なお1死一、三塁。坂本のスクイズで、ヘッドスライディングで本塁を陥れた(記録は犠打野選)。背番号も見えないほど、背中は茶色に染まっていた。直前の一打が死闘の始まりを告げた。1死一、二塁で石川から右前へ一時同点となる適時打。「打線がつながってできたチャンスでしたし、なんとかまずは同点に、という思いでした。1スイングでしっかり仕留めることができてよかったです」。先制点を献上した直後、やり返す心が流れを引き寄せた。2点ビハインドの6回には、中越え三塁打でチャンスメーク。糸原の二ゴロで1点差に迫るホームを踏んだ。今季8本目の三塁打は中日岡林に並びリーグトップ。31本の二塁打はリーグ単独トップと、長打"2冠"だ。本塁打キング独走のヤクルト村上に52号アーチを見せつけられたが、負けじと虎の大砲も甲子園を沸かせた。7回2死二塁では右前打。期待が大きいからこそ、ため息も大きかった。同点の9回裏は2死一塁で一ゴロ。2点ビハインドの延長11回無死一、二塁では田口に3球三振に仕留められた。あと1本出ていれば...。悔しさも残った。昨季は夏場以降、NPBワーストの59打席連続無安打とどん底を味わった。悪い流れにハマればズルズルと抜け出せなかったが、2年目の今季は違う。8月17日以来、20日ぶりに6番降格した一戦で今季7度目の猛打賞。前回6番降格した8月16、17日の2戦も8打数3安打、1本塁打と、意地を見せるかのように快音を響かせていた。黙ったままでは終わらない。その反発力が、残り15試合も必要だ。【中野椋】

◆阪神は3連敗を喫し、4位広島に1ゲーム差まで迫られた。同点で迎えた延長10回表2死一、二塁、8番長岡の遊撃へのゴロが難しいバウンドとなり、遊撃手中野が後逸して二塁手植田も止められず(記録は安打)。二塁走者のホーム生還を許した。しかしその裏、2死一、三塁から代打原口が左前打を放ち同点に追いついた。だが11回、6番手浜地が無死満塁で4番村上のピンチを迎え、セ3冠王を空振り三振に斬ってとったものの、5番塩見に中前に2点打を許し力尽きた。先発の青柳晃洋投手(28)は苦しんだ。0-0で迎えた4回表1死一、三塁、4番村上に3ボールから一、二塁間を破られ、先制点を許した。味方打線が逆転して2点リードをもらった5回表には、1番山崎の右越え2点三塁打、2番中村の中犠飛で再逆転された。さらに6回表は先頭の4番村上に特大の52号中越えソロを献上。6回を7奪三振7安打1四球で今季ワースト5失点。8月2日の巨人戦以来、約1カ月ぶりの白星となる13勝を逃した。一方の打線は貧打解消を目指し、スタメンオーダーをテコ入れ。大山悠輔内野手(27)を5月6日の中日戦以来、4カ月ぶりに4番起用。佐藤輝明内野手(23)は8月17日ヤクルト戦以来の6番に下げ、試合前時点で今季2戦2敗だった左腕石川を相手に粘った。1点を追う4回裏に6番佐藤輝の右前適時打で同点。石川から今季15イニング目で初得点を決めると、7番糸原健斗内野手(29)の一ゴロが適時失策を誘って勝ち越し。さらに8番坂本誠志郎捕手(28)がスクイズを成功させた。2点を追う6回裏には1死から6番佐藤輝が中堅フェンス直撃の三塁打を放ち、内野ゴロの間にホーム生還。1点を追う7回裏は5番ジェフリー・マルテ内野手(31)がラッキーな右前適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。救援陣はピンチを踏ん張った。1点ビハインドの7回表は岩崎優投手(31)が2死満塁で4番村上を二ゴロに。同点の9回表はカイル・ケラー投手(29)が1死三塁のピンチを無失点でしのいだ。だが、最後は延長10回表に岩貞祐太投手(31)が不運な形で失点。痛恨の1敗を喫した。

◆阪神は頼みの「無失点男」が打たれ、3連敗で4位広島に1ゲーム差まで迫られた。同点で迎えた延長10回表2死一、二塁、ヤクルト8番長岡の遊撃へのゴロが難しいバウンドとなり、遊撃手中野が後逸して二塁手植田も止められず(記録は安打)。二塁走者のホーム生還を許し、1点を勝ち越された。直後の10回裏2死一、三塁、代打原口文仁内野手(30)の左前適時打で同点に。それでも同点の11回表1死満塁、16戦連続無失点だった浜地真澄投手(24)が途中出場の塩見に中前2点打を浴びた。先発の青柳晃洋投手(28)は苦しんだ。0-0で迎えた4回表1死一、三塁、4番村上に3ボールから一、二塁間を破られ、先制点を許した。味方打線が逆転して2点リードをもらった5回表には、1番山崎の右越え2点三塁打、2番中村の中犠飛で再逆転された。さらに6回表は先頭の4番村上に特大の52号中越えソロを献上。6回を7奪三振7安打1四球で今季ワースト5失点。8月2日の巨人戦以来、約1カ月ぶりの白星となる13勝を逃した。一方の打線は貧打解消を目指し、スタメンオーダーをテコ入れ。大山悠輔内野手(27)を5月6日の中日戦以来、4カ月ぶりに4番起用。佐藤輝明内野手(23)は8月17日ヤクルト戦以来の6番に下げ、試合前時点で今季2戦2敗だった左腕石川を相手に粘った。1点を追う4回裏に6番佐藤輝の右前適時打で同点。石川から今季15イニング目で初得点を決めると、7番糸原健斗内野手(29)の一ゴロが適時失策を誘って勝ち越し。さらに8番坂本誠志郎捕手(28)がスクイズを成功させた。2点を追う6回裏には1死から6番佐藤輝が中堅フェンス直撃の三塁打を放ち、内野ゴロの間にホーム生還。1点を追う7回裏は5番ジェフリー・マルテ内野手(31)がラッキーな右前適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。救援陣は1点ビハインドの7回表、岩崎優投手(31)が2死満塁で4番村上を二ゴロに。同点の9回表はカイル・ケラー投手(29)が1死三塁のピンチを無失点でしのいだ。だが、延長10回表は岩貞祐太投手(31)が不運な形で失点。11回表は浜地が17戦ぶりの失点を喫し、試合を決められた。

◆3位阪神が今季最長5時間17分、雨中の大激闘に敗れて4位広島に1ゲーム差に迫られた。6-6で迎えた11回、6番手浜地真澄投手(24)が塩見に決勝打を浴びて17試合ぶりの失点。先発の青柳晃洋投手(28)は4番村上に適時打と1発を浴びるなど、6回5失点で5試合勝ち星なしとなった。Aクラスを争う正念場で、セットアッパーとエースが撃沈。次戦で不安払拭(ふっしょく)の挽回投球を期待するしかない。甲子園に破壊音が鳴り響いた瞬間、阪神青柳晃洋投手(28)は首をかしげ、ぼうぜんと立ち尽くした。3-4の1点ビハインドで迎えた6回、先頭村上に外角直球を捉えられた。打球はバックスクリーン左へ吸い込まれた。現役最強バッターに今季初めて1発を許し、6回を投げ今季ワースト5失点で降板。勝ち負けこそつかなかったものの、無念の登板となった。「野手がつないで逆転してくれたにも関わらず、自分のふがいない投球のせいでチームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」この日最初の村上との対戦は青柳に軍配が上がった。台風の影響なのか、赤紫色に染まる異様な空の下、2回無死走者なし。フルカウントからファウルで3球粘られたが9球目。高めに浮き上がる145キロで空振り三振に斬った。阪神が甲子園で村上と対戦するのは3打席連発を食らった7月31日以来で、1カ月またぎの4打席連発を阻止。ピンチではなかったが、右手でガッツポーズを決めた。2度目の対戦は両軍無得点の4回、1死から中村、宮本に連打を浴び、ピンチで迎えた。際どいコースを攻め3ボールからの4球目、捕手坂本は外角に構えていたが、チェンジアップが甘く入った。一、二塁間を破られる右前適時打で先制点を献上。直後に味方が3点を奪って逆転したものの、5回に山崎に右越えの2点適時三塁打を許すなどまさかの3失点。再び勝ち越しを許し、6回の村上の1発でとどめを刺された。青柳はこれで12勝目を挙げた8月2日の巨人戦を最後に、1カ月勝ち星から遠ざかった。この日で4年連続となる規定投球回に到達したが、悔しさの残る投球となった。開幕9連敗から始まったチームを引っ張ってきた背番号50が、終盤戦で正念場を迎えている。【古財稜明】▽阪神ケラー(9回に登板。1死三塁のピンチを招くも無失点)「今日はコントロールもアバウトで、調子が良いとは言えない投球だったけど、好守備もあってなんとか0点に抑えることができたよ。守備陣に感謝したいね」▽阪神湯浅(8回に登板。走者を許すも無失点で切り抜ける)「チームが同点に追いついた直後でしたし、攻撃につなげるためにも、とにかく0点で抑えるという気持ちでした。ランナーを出してしまいましたが、0点で帰ってくることができてよかったです」

◆ヤクルトが延長戦で競り勝った。マクガフが抑えに失敗して6-6と追い付かれた直後の11回、塩見が中前に2点打を運んで勝ち越した。阪神は10回に代打原口が同点打を放ったが、6番手の浜地が打たれ、3連敗となった。

◆ノムさん、見てくれましたか。ヤクルト村上宗隆内野手(22)が2試合連発となる52号ソロを放ち、63年野村克也(南海)と85年落合博満(ロッテ)のシーズン52本塁打に並んだ。6回先頭、阪神先発青柳からバックスクリーン左に放り込んだ。勝負の9月に入っても4試合で3発と、勢いの衰えない「村神様」。64年王貞治(巨人)の日本選手最多55本塁打まで、あと3本に迫った。偉大なレジェンドたちの中でも特別な存在に、ついに肩を並べた。村上は1点リードの6回無死、青柳に対し、1ストライクからの2球目、外角144キロ直球を捉え、バックスクリーン左へ放り込んだ。90年代に「ID野球」を確立した元監督で、高津監督の恩師でもある野村さんに並ぶ本塁打。手を合わせ夜空を見上げながらホームを踏むと「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」と喜んだ。得意の甲子園で決めた。試合前まで今季阪神戦は19戦で打率3割5厘、6本塁打、15打点。セ・リーグ相手では巨人と並ぶ最少本塁打に抑えられているが、甲子園では6試合で22打数8安打の打率3割6分4厘、5本塁打9打点。7月31日には、その後の5打席連発につながる3打席連続本塁打を放っていた。またこの日は、左打者に不利と言われる右翼から左翼方向に強く吹く名物の「浜風」が少し控えめだった。天国の野村さんが"アシスト"してくれたのかもしれない。難敵・青柳をじわじわと攻略した。変則右腕に対し、第1打席は空振り三振に終わったが、9球粘ってプレッシャーをかけると、4回1死一、三塁では3ボールからの4球目、低め128キロシンカーを「チャンスだったので大振りせずコンパクトに打つことを心掛けました」と、右前に運ぶ先制適時打。6回の1発へとつなげた。次々と記録を伸ばしていく22歳は、常々「数字ではないので」と言いつつも、「その位置にいれるというのはすごく光栄なこと。肩を並べて、追いつけ追い越せと、やっていきたいなという思いはあります」と上を見据える。残り21試合。偉大なレジェンドを最後まで追いかけ続ける。【鈴木正章】村上が今季52号。シーズン52本以上は13年バレンティン(ヤクルト)以来8人目で、日本人選手では85年落合(ロッテ)以来4人目。チーム122試合目に52号は13年バレンティン114試合目に次いで2番目のペース。村上はすべて先発4番で打っており、4番で52本以上は85年落合52本、02年カブレラ(西武)55本、13年バレンティン58本(他に5番で2本)に次いで4人目。日本人の4番では落合に並ぶ最多本数だ。これで甲子園球場では7戦6発。今季の村上はホーム(神宮、松山)の60試合で19本に対し、ビジターは61試合で33本と1.8試合に1本ペースで量産。52年のフランチャイズ制後、ビジターで33本は77年王(巨人=ホームは17本)に並ぶタイ記録となった。▽ヤクルト高津監督(村上の52号に)「すごいね。ムネの当たりだね。(1年目に野村克也さんに)紹介したこと、昨日のように思い出します」▽ヤクルト山崎(5回に2点適時三塁打)「追い込まれていたので三振しないように何とか前に飛ばそうという気持ちでした。(外野を)越えてくれてよかったです」

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が2試合連発となる52号ソロを放ち、63年野村克也(南海)と85年落合博満(ロッテ)のシーズン52本塁打に並んだ。6回先頭、阪神先発青柳からバックスクリーン左に放り込んだ。勝負の9月に入っても4試合で3発と、勢いの衰えない「村神様」。64年王貞治(巨人)の日本選手最多55本塁打まで、あと3本に迫った。村上が今季52号。シーズン52本以上は13年バレンティン(ヤクルト)以来8人目で、日本人選手では85年落合(ロッテ)以来4人目。チーム122試合目に52号は13年バレンティン114試合目に次いで2番目のペース。村上はすべて先発4番で打っており、4番で52本以上は85年落合52本、02年カブレラ(西武)55本、13年バレンティン58本(他に5番で2本)に次いで4人目。日本人の4番では落合に並ぶ最多本数だ。これで甲子園球場では7戦6発。今季の村上はホーム(神宮、松山)の60試合で19本に対し、ビジターは61試合で33本と1・8試合に1本ペースで量産。52年のフランチャイズ制後、ビジターで33本は77年王(巨人=ホームは17本)に並ぶ記録となった。

◆阪神は3連敗で4位広島に1ゲーム差まで迫られた。1点を追う10回裏、代打原口文仁内野手(30)の左前適時打で同点に。だが11回表、16戦連続無失点だった浜地真澄投手(24)が塩見に決勝2点打を浴びた。

◆阪神がまさかの形で勝ち越し機を逃した。7回、マルテの適時打で同点に追いつき、なおも2死二塁。ここで6番佐藤輝が右前へ安打を放った。代走で起用された二塁走者の植田は三塁ベースを蹴り一気に本塁を狙おうとしたが、三塁ベースコーチの藤本コーチが、これをストップ。植田が急停止し本塁突入をとりやめた瞬間、ヤクルトの右翼丸山が捕球ミスし、打球処理にもたついた。相手ミスもあり、本塁突入していればセーフとみられるタイミングだった。その後、糸原が二ゴロに倒れ、勝ち越し機を逸した。その後、植田は途中出場ながら、4シーズンぶりのマルチ安打で存在感を示した。

◆阪神は3連敗を喫し、4位広島に1ゲーム差まで迫られた。同点で迎えた延長10回表2死一、二塁、8番長岡の遊撃へのゴロが難しいバウンドとなり、遊撃手中野が後逸して二塁手植田も止められず(記録は安打)。二塁走者のホーム生還を許した。しかしその裏、2死一、三塁から代打原口文仁内野手(30)が左前打を放ち、一時同点に追いついた。勝負への執念が乗り移った打球だった。「みんなが粘ってつないでくれたチャンスだったので、なんとか自分でまず1点をもぎ取りたいという一心でした。追い込まれていたけど、とにかく必死に食らいついていくことができたと思います」1点を勝ち越された直後の延長10回。2死一、三塁とチャンスを作り、代打原口がコールされた。ヤクルトの抑えマクガフに2球で追い込まれたが、3球目の外角カットボールに必死に手を伸ばした。ジャストミートではなかったが、ライナーはジャンプした遊撃長岡のグラブのわずか先を越えていった。塁上で右こぶしをグッと握った。延長に入ってからの痛すぎる失点の直後だった。雨が降り続く中、応援を続ける甲子園の観客が、再び沸いた。今季は前半戦の不振に新型コロナ感染も重なり、1軍初安打が出たのが8月13日。打撃だけでなく、矢野監督も高く評価するムードメーカーであり、チームにとっても痛かった。ただその8月13日からは代打で7打数5安打の猛打ぶり。連敗は止められなかったが、切り札の復活は心強い限りだ。【柏原誠】○...大山が5月6日以来、約4カ月ぶりの4番で意地の一打を放った。5打席ノーヒットで迎えた延長11回。先頭でヤクルト大西から右前打を放ち、2点ビハインドのチームを勇気づけた。守備では7回表2死、ヤクルト山崎の左翼ライン際の安打に猛チャージ。二塁へランニングスローを決め二進を阻止するなど、軽快な動きだった。阪神は今季の延長戦で2勝9敗3分けと大苦戦。有利なはずの甲子園も1勝5敗2分けと分が悪い。14試合の延長イニングでの適時打は、この日の原口が3本目だった。

◆ヤクルトが延長で阪神に競り勝ち、連敗を2で止めた。11回1死満塁、途中出場の塩見が阪神浜地の内角低め148キロ直球を捉え、前進守備の内野を破る中前2点適時打を放った。高津監督は「ミスも多かったけど、よく粘ってみんな頑張った。(塩見は)いいきっかけにして欲しいですね」と振り返った。

◆3位阪神が今季最長5時間17分、雨中の大激闘に敗れて4位広島に1ゲーム差に迫られた。6-6で迎えた11回、6番手浜地真澄投手(24)が塩見に決勝打を浴びて17試合ぶりの失点。先発の青柳晃洋投手(28)は4番村上に適時打と1発を浴びるなど、6回5失点で5試合勝ち星なしとなった。Aクラスを争う正念場で、セットアッパーとエースが撃沈。次戦で不安払拭(ふっしょく)の挽回投球を期待するしかない。霧雨が降り注ぐ甲子園に、悲鳴とため息が充満した。6-6の延長11回。6番手浜地が単打と2四球で無死満塁のピンチを背負い、打席には村上。高めの直球で空振り三振を奪い、流れを引き戻したかに思われた。だが、塩見に内角低め直球を捉えられ、打球は前進守備を敷いていた遊撃中野の上を通過しセンター前へ。2人の走者が生還し、今季最長5時間17分の延長大激闘の末に力尽きた。自慢の中継ぎ陣がつかまった。1点ビハインドの7回から岩崎、湯浅、ケラーが無失点でつないだ。だが5-5の10回、岩貞が2死一、二塁から長岡に中前に勝ち越し打を許した。直後に追いついたが、11回は抜群の安定感を誇っていた浜地が7月20日の敵地広島戦以来、後半初となる17試合ぶりの失点で決勝点を献上。矢野監督は「責めるつもりは別にないけどね。勝負どころとフォアボールがちょっともったいないなと」と肩を落とした。エース青柳も「村神様」の前に屈した。阪神が甲子園で村上と対戦するのは3打席連発を食らった7月31日以来。2回先頭は高めの直球で空振り三振に斬り、1カ月またぎの4打席連発を阻止した。だが4回1死一、三塁では甘く入ったシンカーを右前へ運ばれ、先制点を献上。直後に味方が3点を奪って逆転したが、5回は山崎に右越えの2点適時三塁打を許すなど3失点。再び勝ち越しを許し、6回は先頭村上に外角144キロ直球を強振され、バックスクリーン左へ飛び込む1発でとどめを刺された。「ふがいない投球のせいでチームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」6回を投げ今季ワースト5失点。指揮官は「点を取ったあとの、あっこの(5)回はやっぱり踏ん張るっていうところが、流れの中でも大きかった。結果的にはあの回が...うん」と厳しい表情。この日で4年連続の規定投球回に到達したが、12勝目を挙げた8月2日の巨人戦を最後に約1カ月、勝ち星から遠ざかる。チームは痛恨の3連敗で、この日勝った4位広島に1ゲーム差まで迫られた。Aクラスを争う佳境でエースと自慢の方程式が粉砕された。甲子園に、ダブルショックの涙雨が降り注いだ。【古財稜明】阪神は最短10日に今季の優勝が消滅する。ヤクルトが7日から3連勝すれば、11日以降の18試合に全敗しても最終成績は74勝67敗2分けで勝率5割2分5厘。同じ時期に阪神が3連敗の後で残り12試合に全勝しても、73勝67敗3分けで5割2分1厘に終わり、ヤクルトを下回るため。阪神は今季の延長戦で2勝9敗3分けと大苦戦。有利なはずの甲子園も1勝5敗2分けと分が悪い。14試合の延長イニングでの適時打は、この日の原口が3本目だった。

◆ノムさん、見てくれましたか。ヤクルト村上宗隆内野手(22)が2試合連発となる52号ソロを放ち、63年野村克也(南海)と85年落合博満(ロッテ)のシーズン52本塁打に並んだ。6回先頭、阪神先発青柳からバックスクリーン左に放り込んだ。勝負の9月に入っても4試合で3発と、勢いの衰えない「村神様」。64年王貞治(巨人)の日本選手最多55本塁打まで、あと3本に迫った。天を見上げて合掌した。偉大なレジェンドたちの中でも特別な存在に、ついに肩を並べた。村上は1点リードの6回無死、青柳に対し、1ストライクからの2球目、外角144キロ直球を捉え、バックスクリーン左へ運んだ。「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」。90年代に「ID野球」を確立した元監督で高津監督の恩師。プロ1年目の春季キャンプで初対面を果たしている大先輩に報告するかのように、手を合わせ、夜空を見上げながら、ゆっくり本塁を踏んだ。得意の甲子園で決めた。試合前まで今季阪神戦は19戦で打率3割5厘、6本塁打、15打点。セ・リーグ相手では巨人と並ぶ最少本塁打に抑えられているが、甲子園では6試合で22打数8安打の打率3割6分4厘、5本塁打9打点。7月31日には、その後の5打席連発につながる3打席連続本塁打を放っていた。またこの日は、左打者に不利と言われる右翼から左翼方向に強く吹く名物の「浜風」が少し控えめだった。天国の野村さんが"アシスト"してくれたのかもしれない。難敵・青柳をじわじわと攻略した。変則右腕に対し、第1打席は空振り三振に終わったが、9球粘ってプレッシャーをかけると、4回1死一、三塁では3ボールからの4球目、低め128キロシンカーを「チャンスだったので大振りせずコンパクトに打つことを心掛けました」と、右前に運ぶ先制適時打。6回の1発へとつなげた。次々と記録を伸ばしていく22歳は、常々「数字ではないので」と言いつつも、「その位置にいれるというのはすごく光栄なこと。肩を並べて、追いつけ追い越せと、やっていきたいなという思いはあります」と上を見据える。残り21試合。偉大なレジェンドを最後まで追いかけ続ける。【鈴木正章】村上が今季52号。シーズン52本以上は13年バレンティン(ヤクルト)以来8人目で、日本人選手では85年落合(ロッテ)以来4人目。チーム122試合目に52号は13年バレンティン114試合目に次いで2番目のペース。村上はすべて先発4番で打っており、4番で52本以上は85年落合52本、02年カブレラ(西武)55本、13年バレンティン58本(他に5番で2本)に次いで4人目。日本人の4番では落合に並ぶ最多本数だ。これで甲子園球場では7戦6発。今季の村上はホーム(神宮、松山)の60試合で19本に対し、ビジターは61試合で33本と1.8試合に1本ペースで量産。52年のフランチャイズ制後、ビジターで33本は77年王(巨人=ホームは17本)に並ぶタイ記録となった。▽ヤクルト高津監督(村上の52号に)「すごいね。ムネの当たりだね。(1年目に野村克也さんに)紹介したこと、昨日のように思い出します」

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレーバック】雨の甲子園、阪神佐藤輝明が奮闘しました!味方スクイズで三塁からヘッドスライディングをみせ生還! 必死のプレーで奮闘しました。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(28)がヤクルトの主砲・村上の第1打席を空振り三振に仕留めた。二回先頭で対戦。打撃部門を総なめにする燕の主砲に対し、徹底して内角を攻めた。フルカウントからファウルで粘られ、9球目。内角高めに145㌔直球を投じると、バットが空を切った。村上は7月31日に甲子園で3打席連続ホームラン。この打席でホームランを打たれていれば、元阪神のバースが1986年にマークした甲子園4打席連続に並ばれていた。頼れるエースが、虎のプライドを守った。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)がヤクルト・村上に適時打を浴び、先制を許した。三回まで、一人の走者を許さない完璧な投球だったが、四回に捕まった。1死から、中村と宮本の連打で、一、三塁とピンチを背負い、村上を迎えた。カウント3-0からの4球目、128キロのシンカーを右前に運ばれた。村上とは第1打席はフルカウントからファウルで粘られ、最後は9球目の内角高め145キロの直球で空振り三振に仕留めていただけに、痛恨の失点を許した。

◆「6番」に降格した阪神・佐藤輝明内野手(23)が四回1死一、二塁で右前に同点打。さらにチームは敵失で2点目を加え、1死一、三塁から坂本誠志郎捕手(28)のスクイズに、佐藤輝はヘッドスライディングで生還。一気に3点を奪った。しかし、その直後、青柳晃洋投手(28)が2安打1四球と犠飛などで3点を奪われて再び、1点を追う展開となった。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)は3-1の五回に逆転を許した。先頭のオスナの中前打から好機を広げられ、1死二、三塁から山崎に右越えへ2点三塁打を浴び、同点。なおも1死三塁から中村の中犠飛で3-4と逆転を許した。さらに六回には村上に中越えに52号ソロを浴びて、5点目を許した。今季、甲子園で村上相手にチームは6本目の被弾となった。8月2日の巨人戦(東京D)の12勝目後、4戦勝ち星なしの青柳にとって痛恨の一球となった。

◆完璧だった。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が4―3の六回先頭で、バックスクリーン左に52号ソロを放った。「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」阪神先発・青柳の外角144キロの直球を一閃。打った瞬間に入ったとわかる一発に、いつものように〝確信歩き〟をみせてから、納得の表情でダイヤモンドを一周した。これでシーズン52本塁打とし、1963年の野村克也(南海)、85年の落合博満(ロッテ)に並んだ。

◆「6番」に降格した阪神・佐藤輝明内野手(23)が四回1死一、二塁で右前に同点打。さらにチームは敵失で2点目を加え、1死一、三塁から坂本誠志郎捕手(28)のスクイズに、佐藤輝はヘッドスライディングで生還。一気に3点を奪った。しかし、その直後、青柳晃洋投手(28)が2安打1四球と犠飛などで3点を奪われて再び、1点を追う展開となった。佐藤輝は「打ったのはシュート。打線が繋がってできたチャンスでしたし、なんとかまずは同点に。という思いでした。1スイングでしっかり仕留めることができてよかったです」とコメントした。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)は6回7安打5失点で降板した。持ち味の動く球を駆使し、三回まで一人の走者を許さない完全投球。四回に初めて安打を浴びてからは、リズムを崩した。六回には村上宗隆内野手(22)に52号ソロを浴びるなど、3打数2安打2打点と抑えることはできず、先発の役割を果たせなかった。8月2日の巨人戦(東京D)で6回3失点(自責1)で12勝目を挙げて以降、約1カ月ぶりの白星を目指したが、昨年に並ぶ13勝目はお預けとなった。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)は6回7安打5失点で降板した。持ち味の動く球を駆使し、三回まで一人の走者を許さない完全投球。四回に初めて安打を浴びてからは、リズムを崩した。六回には村上宗隆内野手(22)に52号ソロを浴びるなど、3打数2安打2打点と抑えることはできず、先発の役割を果たせなかった。8月2日の巨人戦(東京D)で6回3失点(自責1)で12勝目を挙げて以降、約1カ月ぶりの白星を目指したが、昨年に並ぶ13勝目はお預けとなった。「野手が繋いで逆転してくれたにもかかわらず、自分のふがいない投球のせいでチームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」とコメントした。

◆阪神・ジェフリー・マルテ内野手(31)が七回に右前へ同点打を放った。4-5と1点を追う七回。2死二塁と味方が好機を作り、打席が回ってきた。2番手・石山に対し、カウント2-1から141キロの内角のフォークを捉えると、回転がかかった球は捕球のタイミングを合わせそこなった二塁手・山田のグラブの下をスルー。右前へ抜け二走・近本が生還して同点となった。マルテにとっては、7月13日の巨人戦(甲子園)で2打点を記録して以来の打点となった。

◆阪神-ヤクルト20回戦は5-5のまま延長戦に突入した。阪神打線は0-1の四回に佐藤輝が右前適時打を放って同点に追いつくと、糸原の打球が一塁手の失策を誘い、一時勝ち越した。逆転されて迎えた六回は佐藤輝の三塁打などで1点差に迫ると、七回にマルテが同点打を放った。佐藤輝は七回にも右前打を放って7月17日の中日戦(甲子園)以来、今季7度目の猛打賞。4番から6番に降格した男が意地を見せた。先発の青柳は三回まで一人の走者も許さない完璧な投球をみせる。しかし、3-1と逆転した直後の五回に山崎に同点の2点三塁打を浴びるなど3失点。六回は村上に52号ソロを許した。青柳はこれで登板5試合連続で勝ち星なしとなった。それでも、七回からは岩崎、湯浅、ケラーがいずれも三塁まで走者を進められながら無失点で切り抜けた。2日の巨人戦(甲子園)に続いて、延長戦に突入し、チーム成績は2勝8敗3分。

◆伝説が幕開けた地に堂々と凱旋(がいせん)した。4-3で迎えた六回無死、カウント0-1。ヤクルト・村上が阪神先発、青柳が投じた外寄りの直球を振り抜いた。打球はグングン伸びて、バックスクリーン左に飛び込んだ。「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」2試合連発の今季52号。1963年の野村克也(南海)、85年の落合博満(ロッテ)に並び、歴代6位となった。四回1死一、三塁では先制の右前適時打。「チャンスだったので大振りせずに、コンパクトに打つことを心掛けました。先制することができて良かった」と喜んだ。今季3度対戦し、2試合で零封負けしている阪神・青柳との勝負。1986年5月31日、6月1日にバース(阪神)が達成した記録に並ぶ、甲子園での4打席連発がかかった第1打席は9球粘った末に空振り三振だったが、2打席目に仕留めた。カウント3―0から真ん中低めのシンカーをはじき返した。今季127打点で1949年の別当薫(阪神)を抜き、2001年のペタジーニ(ヤクルト)、18年の浅村栄斗(西武)に並ぶシーズン歴代22位となった。甲子園といえば、前回7月31日の対戦。七回、九回、延長十一回に飛び出した衝撃の3打席連続本塁打。本拠地に戻ってからの8月2日の中日戦ではプロ野球史上初の5打席連続本塁打と伝説の幕を開けた場所だ。好印象の地でしっかりと結果を残した。勢いは止まらない。9月も絶好調でこの日で、9試合連続安打、30試合連続の出塁を決めた。誰も届かない領域へと向かう村上。さらなる記録の更新へ、打席は一瞬も見逃せない。(森祥太郎)

◆阪神・原口文仁内野手(30)が執念の一打で同点に追いついた。 5-6の延長十回、2死一、三塁から代打で登場。雨が降りしきる中、守護神・マクガフと対戦。カウント0-2と追い込まれてからの3球目、外角のカットボールに腕を伸ばして捉えると、打球は遊撃手の頭を越え、左翼の芝生に弾んだ。なおも2死二、三塁とサヨナラの場面を迎えたが、近本光司外野手(27)が空振り三振に喫すると、球場はため息に包まれた。

◆阪神・浜地真澄投手(24)が踏ん張り切れず、痛恨の勝ち越しを許した。6-6の延長十一回から6番手で登板。雨脚が強まる中、先頭の山崎に四球から無死満塁のピンチを背負った。この日、52号ソロを放っている相手の主砲・村上には追い込んでから149キロで空振り三振に斬った。しかし、続く途中出場の塩見に中前へ運ばれ、2人の走者の生還を許し、6-8とされた。浜地は試合前まで、16試合連続無失点を継続していただけに、雨とともに悔しいマウンドとなった。

◆阪神は延長戦の末敗れた。打線は0-1の四回に佐藤輝が右前適時打を放って同点に追いつくと、糸原の打球が相手一塁手の失策を誘い、一時勝ち越した。逆転されて迎えた六回は佐藤輝の三塁打などで1点差に迫ると、七回にマルテが同点打を放った。佐藤輝は七回にも右前打を放って7月17日の中日戦(甲子園)以来、今季7度目の猛打賞。4番から6番に降格した男が意地を見せた。先発の青柳は三回まで一人の走者も許さない完璧な投球をみせる。しかし、3-1と逆転した直後の五回に山崎に同点の2点三塁打を浴びるなど3失点。六回は村上に52号ソロを許した。青柳はこれで登板5試合連続で勝ち星なしとなった。それでも、七回からは岩崎、湯浅、ケラーがいずれも三塁まで走者を進められながら無失点で切り抜けた。しかし、延長十回に岩貞が失点。その裏の攻撃で原口が同点打を放ち、追いついたが、延長十一回に浜地が2点を失い力尽きた。阪神は3連敗で4位広島に1ゲーム差と迫られた。

◆ヤクルトが延長戦で競り勝った。マクガフが抑えに失敗して6―6と追い付かれた直後の十一回、塩見が中前に2点打を運んで勝ち越した。阪神は十回に代打原口が同点打を放ったが、6番手の浜地が打たれ、3連敗となった。

◆阪神が3連敗で今季の延長戦は2勝9敗3分となった。16試合無失点だった6番手の浜地真澄投手(24)が延長十一回1死満塁で塩見泰隆外野手(29)に2点打を浴びて、競り負けた。青柳晃洋投手(28)は村上宗隆内野手(22)に52号ソロを浴びるなど、6回7安打5失点で5戦連続して勝ち星から遠ざかった。「6番」に降格した佐藤輝明内野手(23)は7月17日の中日戦(甲子園)以来の猛打賞をマークしたが延長十一回無死一、二塁では空振り三振。今季最長の62打席本塁打なしとなった。4位広島に1差に迫られた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績61勝64敗3分=残り15試合、観衆3万4547人)。ーー粘りの差「どこかで1本出さないと、勝つチャンスは何回も...ね(ない)」ーー浜地は責められない「責めるつもりは別にないけどね。勝負所とフォアボールがちょっともったいないなと」ーー中野の守備も攻めた結果(延長十回2死一、二塁で長岡の打球を捕球できず=記録は安打)「俺のポジションからどうかというのわからないけど、答え合わせだけはもう一度、中(チーム内)でして、自分たちの球場なので、次どうすればいいかは出しとかないといけないんかなと思う」ーー佐藤輝の打撃「よくはないよね、もちろん」ーー3本出た「うん、まあ、いいときの輝ではないかなと思うけど」ーー青柳は「う~ん、点を取った後の回はやっぱり踏ん張るところが、やっぱり流れの中でも大きかった。結果的にはあの回が...うん」ーー植田が2安打放つなど全員で「勝てるチャンスがあったんでね...」

◆ヤクルトが5時間17分の接戦をものにした。6―6の延長十一回1死満塁で、六回から代走で出場した塩見泰隆外野手(29)が中前へ決勝の2点打を放った。「打った感じは詰まっていたんですけど。いいところに飛んでくれて安打になって本当に良かったです」。土壇場で追いつかれる苦しい展開をなんとか粘った。五回に村上の52号3ランで流れに乗ったかのようにみえたが六回、七回と1点ずつ阪神打線に返されて延長戦に突入。延長十回は長岡の中前適時打で一時勝ち越すが、抑えのマクガフが2死一、三塁で原口に同点打を浴びて振り出しに戻った。最後は新型コロナウイルス感染の影響もあって直近5試合は打率・048(21打数1安打)と結果を出せず。この日は苦手とする青柳が先発とあってスタメンから外れた塩見が結果を残した。

◆雨中の激闘も、力及ばず...。阪神は延長十一回、チーム今季最長の5時間17分の末、6-8でヤクルトに敗れた。6番に降格した佐藤輝明内野手(23)が適時打を含む3安打&激走と奮闘したが、最後の好機には打てず、悔し過ぎる3連敗。借金3となり、首位の燕とは12・5ゲーム差に。4位の広島に1差まで詰め寄られた。背番号8の奮闘も、チームの勝利にはつながらなかった。佐藤輝は首位をいくヤクルトに何度先を越されようが、泥にまみれようが、懸命に食らいついて3安打猛打賞。意地は見せたが、延長十一回の最終打席は空振り三振に倒れ、力及ばなかった。いつもの4番としてではなく6番として迎えた一戦。四回1死一、二塁の好機で打席に向かい、「打線がつながってできたチャンス。なんとかまずは同点に」と石川の3球目、シュートを振り抜いて一、二塁間を破る同点の右前打を放った。塁上で喜ぶのもほどほどに、すぐさま次のプレーへと目を向けた。直後に糸原の打球が相手失策を誘って2-1と勝ち越し、佐藤輝は三塁へ進塁。直後に坂本のスクイズで187センチ、94キロの体躯を走らせ、ホームに執念のヘッドスライディングを敢行。勢いあまって背中で〝受け身〟をとり、泥だらけになって生還した。もぎ取った3点目には、佐藤輝の意地が詰まっていた。六回は中日・岡林と並んでリーグトップタイとなるシーズン8本目の三塁打。七回にも右前打を放ち、今季7度目の猛打賞と暴れまわった。4日の巨人戦(甲子園)では球団ワーストタイとなるシーズン24度目の零封負けを喫した。打線不調の責任を背負うようにして、今季108試合で任されてきた4番を離れ、6番に降格して臨んだ一戦。心に突き刺さるうっぷんや悔しさはバットで晴らすのみだった。もう一つの発奮材料もあった。関学大硬式野球部に所属する弟・太紀がプロ志望届を提出。兄が戦う世界を目指す決意を表明した。「(弟には)自分で決めた道をいってほしいなと思います」小さな頃から一緒にキャッチボールをしたり、ゲームをしたり、よくけんかもした。そして、太紀は野球に打ち込む輝明の姿をずっと後ろで見てきた。わが道を貫き、夢の扉を開いた自分を道しるべとしてきた弟に、兄として泥臭くても勝利に向かって突き進む姿を届けたかった。試合は5時間17分の激闘の末、最後は虎が力尽きた。佐藤輝も延長十一回無死一、二塁の好機では敢えなく三振。矢野監督は「(状態は)よくはないよね。いいときのテル(佐藤)ではない」とさらなる奮起を期待した。3連敗で、4位広島とは1ゲーム差。クライマックスシリーズ進出へ向けても正念場を迎えた。それでも、どれだけ劣勢に立たされようと、チームも佐藤輝も、決してあきらめるわけにはいかない。泥臭く、最後まで戦い抜くしかない。(原田遼太郎)

◆悔しい敗戦の中でも、猛虎の意地を見せた。原口が5-6の延長十回2死一、三塁から、代打で登場。燕の守護神・マクガフのカットボールを左前へ運び、一時同点となる適時打とした。「みんなが粘ってつないでくれたチャンスだったので、まず1点をもぎ取りたいという一心でした。必死に食らいついていくことができた」直前の十回の守り。2死一、二塁から長岡のやや二塁ベース寄りのボテボテのゴロを遊撃・中野が捕り損ね、中前へ(記録は安打)。1点を勝ち越されたうえに、延長に入ってから雨も激しくなり、球場を後にするファンが多かった。そんな中でもずぶ濡れで応援し続けてくれた虎党を喜ばせる、執念の一打。これで代打で2打席連続安打。今季打率も3割(・303)にのせた。

◆正念場で踏ん張れない。どんなピンチも最少失点でくぐり抜けてきた青柳が燕につかまった。今季ワーストの5失点でKO。春先の飛ぶ鳥を落とす勢いは影を潜め、シーズン最終盤にきて疲労の色が見え始めている。「野手がつないで逆転してくれたにもかかわらず、自分の不甲斐ない投球のせいでチームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」そうチームに懺悔した。四回1死一、三塁で4番・村上に先制の適時打を浴びるも、直後の攻撃で3得点して逆転に成功。その後の守りでピシャリと抑えたいところだったが、安打と四球などで1死二、三塁とされ、山崎に右越えの2点三塁打を浴びて同点に。直後に中村の勝ち越しの犠飛、六回先頭では村上に外角の直球をとらえられて、今季初被弾となる52号ソロを浴びた。6回7安打5失点で無念の降板。その後、チームは同点に追いつき、黒星は消えたが、不安が残る102球となった。青柳は今季、新型コロナウイルス陽性判定を受けた影響で出遅れたが、4月中旬に復帰して以降は、自身8連勝を記録するなど怒涛の巻き返しを見せてチームを支えた。しかし、7月は球宴に出場するなど、ほぼ休みなしで投げ続けてきた影響もあってか、8月2日の巨人戦(東京ドーム)での勝利を最後に、これで5戦連続白星なしと尻すぼみの印象は否めない。登板前日にはコンディション面について「体的には全然問題ない。夏も終わりにかかっているので、もうひと踏ん張り頑張りたい」と強調していたが、夏バテ気味なのが現実だ。実際、昨季も8月末から約1カ月間、白星から遠ざかった経験があり、この夏場をしのぐことができるかが、虎の命運を握っている。シーズンは残り15試合で、チームはCS進出をかけて戦っている。このまま青柳の調子が上がらなければ、このまま虎も沈んでしまう。今がまさに正念場。この苦境を救えるのは背番号「50」しかない。(織原祥平)

◆天国にささげた―。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が6日、阪神20回戦(甲子園)の六回に中越えへに52号ソロを放ち、1963年の野村克也(南海=現ソフトバンク)、85年の落合博満(ロッテ)がマークした日本選手歴代2位のシーズン52本塁打に並んだ。入団1年目に2軍の宮崎・西都キャンプで野村氏から「俺の記録を破れ」と激励されてから4年。球界を代表する打者となった若き主砲がレジェンドの背中に追いついた。チームは延長十一回の末、8-6で勝利し、2年連続のシーズン勝ち越しを決めた。野村さん、見てくれていますか―。本塁ベースを踏んだ村上は両手を合わせ、天を仰いだ。六回先頭。中越えへ今季52本目のアーチを架けた。「偉大な野村克也さんと(シーズンの)本塁打数が並ぶことができて光栄です」天国の野村克也さんがほほ笑みかけたのだろうか。午後7時51分。曇りがかった甲子園の空に一瞬、おぼろ月が見えた。直後、144キロの直球を一閃。スタンドインを確信した際に恒例となった〝確信歩き〟を見せ、ダイヤモンドを回った。「52号」は特別な意味を持つ一本になった。歴代6位、日本選手では歴代2位で1963年の野村克也(南海)、85年の落合博満(ロッテ)という三冠王を達成した2人に並んだ。特に野村さんと比肩したことはこの上ない誉れとなった。2018年2月。宮崎・西都市での2軍春季キャンプで汗を流していた村上の元に野村克也さんが訪れた。当時18歳になったばかりの青年は、初めて会う球界の大先輩に「これが野村さんか。テレビの中で見ていた人だ」と目を輝かせた。「ホームランを狙って打っているか?」野村さんからの問いに村上は「(狙って)打っていないです」と即答。すると「王(貞治)ともそんな話をしたんだけど、『狙っていない』って言うんだ。日本で一番ホームランを打った王でも狙っていないというんだから、自分を信じて。自分の打撃をすれば打球は勝手に飛ぶ」と激励された。4年がたち、その考えは変わらない。意識するのはシンプルに自分の形で強く振ることだけ。「狙うとあまり打てない。狙わないでしっかり振ったほうがいい結果が出る」と明かす。あの日撮ってもらった野村さんとのツーショット写真は、いまでもスマートフォンに残っている。3日にTBS系「S☆1」で放送された当時の貴重映像も見た。懐かしい姿に「思い出して感動しました」と感慨深げに振り返る。「王の記録(シーズン55本塁打)なんか破っちゃえ。とりあえず俺の記録(同52本塁打)を破れ」という期待に応え、シーズン60発ペースで突き進む。二回の第1打席は空振り三振に倒れ、甲子園4打席連発はならなかったが、四回に先制の右前適時打を放つなど2安打2打点。チームは延長十一回、塩見の2点打で勝ち越し、5時間17分の死闘を制した。最短で8日にも優勝へのマジックナンバーが14で再点灯する。目指すのは野村さんが監督を務めた92―93年以来となる連覇。最後に笑い、勝利の報告をする。そう誓ったような一本のアーチだった。(赤尾裕希)★指揮官も回顧 村上の52号に高津監督は「すごいね。ムネの当たりだね。これ以上ない」と賛辞を惜しまなかった。2018年に恩師の野村克也氏が宮崎・西都キャンプを訪れて1年目の村上と交流した際、自身は2軍監督を務めており「野村監督に『今年入った村上です』と紹介した西都の三塁ベンチが、昨日のことのように思い出されます」と回顧。球界を代表する打者に成長した村上には「頼りにしているし、大きく成長している最中かな」とさらなる活躍に期待した。■データBOX?ヤクルト・村上が今季52号本塁打。シーズン52本以上を放ったのは、2013年のヤクルト・バレンティン(60本=プロ野球記録)以来9年ぶり8人目。日本選手では1964年の巨人・王貞治の55本に次ぐ、63年の南海・野村克也と85年のロッテ・落合博満と並ぶ歴代2位。?チーム122試合目での52号到達は、13年のヤクルト・バレンティンの114試合に次ぐ2番目のスピード。02年の西武・カブレラの123試合、日本選手の最速だった64年の巨人・王貞治の129試合を抜いた。?甲子園での本塁打は今季6本目。ラッキーゾーンが撤去された92年以降、ビジター選手がシーズン6本を放ったのは、99年の巨人・松井秀喜、18年のDeNA・ソトと並ぶ最多。?ヤクルトでシーズン127打点は13、18年のバレンティンの各131に次ぐ、01年のペタジーニと並ぶ3位。プロ野球最多は50年の松竹・小鶴誠の161で、村上は22位タイ。

◆もし甲子園のネット裏に野村克也さんが座っていたら、村上にこう言っただろう。「これが4番や!」。技術を磨き、相手バッテリーを恐れさせる。これができている。2018年2月。初対面の村上の打撃練習を見た野村さんは「気になるところがある。トップで、バットのヘッドが顔の前にある。あれでは手打ちになるし、速い球や内角球に苦労する。頭の後方にあるのが理想の形」と欠点を見抜いた。現在の村上は野村さんが見抜いた欠点を修正し、見事に理想のスイングをしている。この日の52号は、野村さんが言う「強打者の特権」を生かしていた。カウント1-0からストライクを取りにきた外寄りの真っすぐだった。投手不利のカウントで、村上はよく打つ。50号(2日)の中日・大野雄はカウント2-1、51号(4日)の同・高橋宏は1-0から。いまや、投手は村上に初球から簡単にストライクを投げられない。自然と投手不利のカウントになり、ストライクを投げなければならない状況になる。それを確実に仕留めている。「強打者の特権や。相手は初球から直球は投げてこないことが多い。だから時には思い切って変化球を狙っていい。相手はストライクが欲しいときには、得意なコース、球種で来る。打者を恐れて、かえって選択肢を狭めてしまうもんや。強打者は絞って備えればいい。『相手投手は俺を怖がっている』とうぬぼれていいんや」大胆に備え、謙虚に打ち返す。野村さんの理想だ。1963年10月17日、近鉄との最終戦最終打席で当時の日本新記録となる52号を放った。カウント3-0から「誰だって新記録は打たれたくない。外角一本、打ち損じたら歩かされる」と、ボール球に思い切り踏み込んで仕留めた。この一打を、人気棋士だった芹沢博文はこう評した。「『運が強い』というのは、自分が備えている『運』の要素にプラスアルファを重ねていかなければ身につかず、能動的に働きかけて勝ち取ったものである」才能と運だけで、シーズン52本の本塁打は打てない。能動的に重ねた努力と準備、打席での心の持ちよう。それを「これが4番や!」と称賛するだろう。(加藤俊一郎)

◆ガク~ン、疲れた...。タラタラと長い上に雨が降るわの延長11回。虎党には何一ついいことのない拷問試合だったのだ...。終わってみれば結局、ヤクルトの〝村神様〟に52本目のアーチを献上しただけやないかー!!てか、負けたのはさておき、なんで佐藤輝を4番から外し、大山を4番に起用するの!? 俺、以前から口がスッパイマン(沖縄の乾燥梅の菓子で、すっぱ~い)になるぐらい、言っているよね!!阪神の4番は呪われた椅子で長い歴史の中、その呪縛に打ち勝ったのは藤村富、田淵、掛布、金本ぐらいしかいない。逆に考えれば呪いを解き放った男が出現すれば、猛虎打線はとどまることを知らない恐るべき打線になる!! ならば、あえて鉄は熱いうちに打て!虎の親は虎の子を強くするために千尋の谷にあえて落とす(本当は獅子だけど)。大スランプだろうが、苦しかろうが、阪神の将来のために佐藤輝に懸けないでどないすんねん!? そりゃ、6番なら3安打打つわ!!

◆エース青柳がまさかの今季最多5失点。阪神にとっては心配だが、阪神、西武でヘッドコーチなどを務めた本紙専属評論家・黒田正宏氏(74)は「勝ちたい思いが力みになり、失投につながった」と分析。とはいえ、青柳の経験値を高く評価して「この先も、CSも全く心配はいらない」と不安説を一蹴した。立ち上がりの青柳は、決して悪くない、むしろ好調時に近い投球内容だった。結果的に、失点につながったのは、すべて失投。そういう意味では、もったいない投球だった。村上と勝負した3打席が、いい時の青柳と、良くない青柳が顕著に出ていたので分析したい。二回の1打席目は、内角を意識させる組み立てで、最後は力のある真っすぐで空振り三振。見事だった。ところが、四回1死一、三塁からの2打席目は、カウント3-0から甘く入ってしまい、うまく右前へ運ばれた。苦しいカウントになった時点で、次打者・サンタナとの比較で無理をしなくても良かった。完全な失投だ。五回の本塁打も、もう少し外へ投げられればよかったのだが、ここでも甘く入った。いくら青柳でも、好打者に失投を重ねては、今季最多失点も仕方がない。三回までは走者を許さず、マイペースで投げられていたが、四回以降、走者を背負うと、急に力みが見られた。8月2日以来、1カ月以上勝ち星から遠ざかっていたことから、勝ちたいという気持ちが入り過ぎて、力が入りすぎ、制球が乱れたのだろう。ただ、しばらく勝てていないとはいえ、前回登板(8月30日、広島戦)は7回無失点。無四球の投球を見せており、大きな心配をする必要はないと思う。長いシーズンには、好調な時も、うまく勝ち星に恵まれない時期もある。青柳の場合、昨年から経験を積んできているだけに、次回登板、さらにはポストシーズンに向けても、しっかり調整してくるだろう。心配はいらない。

◆どうもスッキリせん。レンガ色の下剤を2錠もらってコンビニで水を買って一気に飲んで...。朝早くから、こんな話題でごめんなさい(食事中の人はすっ飛ばしてもらってOKです)。わが社は生活習慣病検診の1週間に突入している。朝、おなかぺこぺこのライオンと化し「は、はやくバリウムをおくれ」状態の小欄が編集局にいくと、肛門括約筋が白旗を上げたメンバーが大量発生していた。その一人が編集委員・三木建次。口の周りを真っ白にしながら、チビチビと水を飲んでいた。「僕はすぐに反応するんや。ナメたらアカン?」何を? ナメる? 誰が?ビヤ樽三木の迫力に負けて、思わず漏らしそうになった。三木は虎ソナ席に近づいてくると、胃部X線検査中、上下左右に振られて手を離しそうになったことを熱く語り始めたのだった(誰も聞いていないのに)。「『内から棒を握ってください』とか『外から-』とか言われても分からへん。昔はお医者さんから『アナタは10年以内に死にます』『ビールケースが歩いているようなもの』とか言われたこともあったなぁ。きょう? 97キロや。ちょっと太っていたわ。コロナのせいや、うん」......ちょっとタイム。♪?♯♪?♪(音姫)「休みの日はよく歩いているんやけど。おいしそうなラーメン屋さんとかを発見してしまうねん。あ...キタかもしれん...。トイレにいってから甲子園にいってくるわ」お医者さま、安心してください。敏感が自慢(ニュース取材は特に敏感?)の58歳は難波駅から電車に揺られて、甲子園まで無事にたどり着きました。「ナメるな」と鼻の穴をふくらませ、肥えた体と舌を披露し、運を落としていきました。ビヤ樽の鼻息がまだ編集局内に滞留しているころ、整理部長・矢田雅邦が青い顔をしていた。「俺の腹の中がどうなっているのか、考えれば考えるほど出ない」。下剤のおかわりを申し出ていた。台風の影響で交通網が乱れ、原稿の締め切り時間が早まる可能性もあった。タイムスケジュールを管理するというのも整理部長の大事な仕事。ユルユルになっている場合じゃないのである。ヤクルト戦前、甲子園の記者席で目を光らせている男がいた。虎番・織原祥平。「あるサイトで見たのですが、村上は右投手の内角真ん中と外角の真ん中が苦手のようです」。逆方向にも打てるし、左投手も苦にしない。ただし、ストライクゾーンを9分割すれば穴があるという。「いかに腰付近を突くかだと思います」と織原スコアラー。確かに村上には7月31日の甲子園で3連発を食らって世界仰天ニュースばりのインパクトを与えてしまったけれど、他球団と比べ、阪神はまだ打たれていない方なのです(広島は12被弾、中日は13被弾。何の慰めにもなっていない?)。織原スコアラーに聞いてみた。ちなみに内角低めは?「打っています」高めは?「打っています」しばし、無言になってしまった。内外の真ん中ばかり投げるわけにはいかない。かみつかれないように神様、仏様、村神様に祈りながら警戒網を広げ、絶対に打たれないコースで勝負と思っていたら、六回、青柳が村上に外角真ん中の球を被弾。お、お、織原スコアラー?

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
71492 0.592
(↑0.004)
-
(-)
21543
(+8)
474
(+6)
152
(+1)
64
(+1)
0.254
(↑0.001
3.480
(-)
2
(-)
DeNA
62542 0.534
(↑0.004)
7
(-)
25413
(+2)
439
(+1)
97
(+1)
42
(+1)
0.252
(↓0.001)
3.390
(↑0.03)
3
(-)
阪神
61643 0.488
(↓0.004)
12.5
(↓1)
15432
(+6)
371
(+8)
76
(-)
98
(+1)
0.244
(↑0.001
2.600
(↓0.04)
4
(-)
広島
60653 0.480
(↑0.004)
13.5
(-)
15481
(+4)
476
(+2)
80
(+1)
25
(-)
0.254
(-)
3.440
(↑0.02)
5
(-)
巨人
58653 0.472
(↓0.003)
14.5
(↓1)
17475
(+1)
535
(+2)
136
(+1)
55
(+1)
0.241
(↓0.001)
3.800
(↑0.02)
6
(-)
中日
54671 0.446
(↓0.004)
17.5
(↓1)
21351
(+2)
437
(+4)
58
(+1)
50
(-)
0.246
(-)
3.410
(↓0.01)