◆日本ハムは2回裏、万波と谷内の適時打で2点を先制する。その後1点差とされて迎えた5回には、松本剛と清宮の適時打で一挙4点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・上沢が7回5安打2失点の好投で今季7勝目。敗れたオリックスは、先発・山岡が誤算だった。

◆初の首位打者獲得を狙う日本ハム松本剛外野手（29）が「4番DH」で3試合ぶりにスタメン復帰した。1回2死一塁の第1打席で中前打を放った。7月19日オリックス戦（京セラドーム大阪）で自打球が当たり左膝下を骨折。復帰後の9月2日楽天戦（楽天生命パーク）では走塁に異変を感じたベンチの判断で、直後に代走を送られ途中交代していた。3日楽天戦では11試合ぶりにスタメンを外れ、代打での出場が続いていた。

◆日本ハム万波中正外野手（22）が先制打を放った。2回2死三塁、オリックス先発山岡の低めに入った140キロの直球系を引っ張り、左前適時打で先制点を挙げた。この日から「FIGHTERS CLASSIC」と銘打ったシリーズがスタートし、北海道に本拠地移転した04～11年までのユニホームを着用。万波は「真新しいユニホームに袖を通して、新鮮な気持ちで振り抜きました。着こなしは、田中幸雄さんを意識しています」と話した。なお2死二、三塁で谷内亮太内野手（31）が2試合連続の適時打で加点。この回2点を奪った。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手（23）が、価値ある3点適時三塁打を放った。2点リードの5回2死満塁、オリックスの2番手山田の143キロ速球をコンパクトに振り抜き走者一掃の三塁打。8月24日オリックス戦以来、8試合ぶりの適時打となった。三塁打は7月31日楽天戦以来、今季3本目。球団を通じて「新BIGBOSS打法でいきました」とコメントした。三塁側ベンチの新庄剛志監督（50）も、力強く右拳を握って喜んだ。

◆初の首位打者を狙う日本ハム松本剛が「4番DH」で3試合ぶりにスタメン復帰し起用に応えた。1点リードの5回2死二塁から左中間への適時二塁打。第1打席の中前打に続く安打で追加点を挙げた。7月19日オリックス戦で自打球が当たり左膝下を骨折。8月16日楽天戦で1軍復帰を果たしたが、9月2日楽天戦での走塁に異変を感じたベンチの判断で、直後に代走を送られ途中交代していた。翌3日楽天戦では11試合ぶりにスタメンを外れ、代打での出場が続いていた。新庄監督は「これ（首位打者）は本当にモノにしたいから」と、タイトル獲得へ全面的にサポートしていく姿勢を強調。優勝が完全消滅した今、松本剛の活躍はチームの希望になっている。

◆オリックスが最下位日本ハムに敗れ、連勝は3で止まった。試合前までゲーム差なしで3チームが並んでいたが、首位ソフトバンク、2位西武がともに勝利したため、3位オリックスは1ゲーム差をつけられた。またも天敵を打ち崩せなかった。日本ハムの先発上沢には17年4月7日の白星を最後に、これで18年4月から11連敗となった。一方、オリックスの先発山岡泰輔投手（26）は5回途中103球9安打5失点で降板。「チームがいい流れで来ていただけに、先発としての役割が果たせず悔しいです」と広報を通じてコメントした。山岡が残した1－3の5回2死一、二塁で、左腕の山田が救援。ただ、満塁を招いて、清宮に右中間を破られる走者一掃の適時三塁打を浴び、流れを食い止められなかった。残り17試合。逆転でのリーグ連覇へ、踏ん張るしかない。

◆オリックスが天敵の日本ハム上沢に18年4月から11連敗を喫した。打ち崩せず3回と6回に1点ずつ奪うのが精いっぱいで先発山岡を援護できず、連勝は3でストップ。中嶋監督は「連打、連打で行く投手じゃないですけど、いやらしさはもう少し出さないといけない」と上沢に屈した打線に注文をつけ、「なんとか（山岡に）粘ってもらって、先制点を取ってという形にしたかった」と唇をかんだ。アクシデントも発生した。6回無死一塁では宗が内野ゴロを放ち、併殺をまぬがれようと全力疾走で一塁ベースを駆け抜けた。その際にベースカバーに入った上沢と接触。宗は右足首をひねり、6回の守備から大事を取って交代した。病院に行く予定はなく、患部の状態を見る。指揮官は「この時期のケガは本当に痛い。ああいうことが起こるから、気をつけないといけない」と心配そうに話した。試合前までゲーム差なしで3チームが並んでいたが、首位ソフトバンク、2位西武がともに勝利したため、最下位に敗れた3位オリックスは1ゲーム差をつけられた。自力Vの可能性が消滅したのは5度目だが、この混パではまだ挽回できる。残り17試合。逆転でのリーグ連覇へ、懸命に突き進む。【真柴健】○...先発した山岡は5回途中103球9安打5失点で今季7敗目を喫した。降板後は「チームがいい流れで来ていただけに、先発としての役割が果たせず悔しいです」と球団広報を通じてコメント。中嶋監督は「粘り切れなかったですね、今日は。もう1回、何かを見つめ直さないといけないのかな」と首をかしげた。

◆"新BIGBOSS打法"で、勝負弱さと決別だ！　日本ハム清宮幸太郎内野手（23）が、今季10度目の満塁機で初安打初打点。3－1の5回2死満塁で、オリックス2番手の山田修義投手（30）から、走者一掃の適時三塁打を放った。得点圏打率は1割台とまだまだ低いが、新庄剛志監督（50）の「指1本短く持ってみ」という助言を生かして大成功。チームの2連勝に貢献した。右中間を真っ二つに破った日本ハム清宮の打球に、BIGBOSSは右手でガッツポーズを作り大喜びだ。3－0の5回2死満塁で、打席には清宮。オリックスの左腕、山田の内角の143キロを捉えた。今季10度目の満塁機で、ようやく放った初安打は、勝利をぐっと引き寄せる走者一掃の適時三塁打。「"新BIGBOSS打法"で打てました」と喜んだ打のヒーローは「散々チャンスをつぶしてきたので。さすがに、もう...」と、安堵（あんど）の表情だ。この約1カ月は、不振にあえいでいた。見かねた新庄監督が、ついに動いた。「野球っていうのは、芯にボールを当てる確率のスポーツだから。指1本分、短く（バットを）持って練習でやってみて」とアドバイス。いつもの小指をグリップに掛けるスタイルを捨て、監督の助言を生かしてコンパクトな打撃を心掛けた。新庄監督は「今までは助言をしても、7分後には元に戻っていた選手だから。どうなるかなと思っていたら、短く持っていたね」と、満足げだ。今季限りで本拠地の役目を終える札幌ドーム。チームはこの日からの主催6試合で、北海道移転元年となった04年から7年間着用したユニホームを身にまといプレーする。新庄監督が一番気に入っているデザインで、日本一やパ・リーグ連覇など常勝時代を築いたレジェンドユニホームだ。気分良く2連勝後、恒例の勝利の一本締めで声出しを務めた清宮は「大先輩方の力を借りて、これからもっともっと勝っていきたいと思います」と、誓った。12球団で唯一、優勝の可能性が消えたとはいえ、若いチームは元気いっぱい。「うちはマジで、パ・リーグのキーポイントでしょ」と、BIGBOSSが不敵に笑った。【中島宙恵】

◆日本ハムは、苦手にしていたオリックス山岡泰輔投手（26）を攻略して2連勝。この日から、2004年～2010年のユニホームを着てプレーする「FIGHTERS　CLASSIC」が始まった。

◆最大震度７で北海道で４４人が犠牲になった北海道胆振（いぶり）東部地震からちょうど４年となった６日、試合前に日本ハム・新庄剛志監督（５０）ら両軍の首脳陣、ナインが哀悼の意を示し、黙とうが捧げられた。当時、日本ハムナインは前日５日に旭川での西武戦を終え、バス移動した札幌で被災した。チーム関係者全員の無事は確認されたが、合宿所や自宅は停電に見舞われ、７日の楽天戦に向けた仙台への同日の空路移動も不可能となった。

◆日本ハムは主催６２試合目となる同戦で今季の主催試合観客動員が１００万人に到達した。２０１７年は北海道移転後最速の３５試合目、１８年は３６試合目、１９年は３８試合目だった。日本ハムは今季、交流戦の札幌ドームでの主催試合（５月２７日）までは新型コロナウイルス感染対策として収容人数の５０％を目安としてチケットを販売していた。ただ今季３万人超えはわずか２試合。女性限定２万人にガールズユニホームが無料配布され、試合前にタレントで歌手の手越祐也がスペシャルライブを開催した７月２日のオリックス戦（３万２２３人）と、新庄監督が自身のボブルヘッド人形を来場者限定１００人に手渡しした８月１１日の西武戦（３万３７５４人）だった。

◆オリックスは中川圭が０―２の三回１死一塁から上沢の直球を捉えて左中間へ適時二塁打を放った。今季１０６安打目で新人だった２０１９年にマークした自己最多安打を更新。「後ろにつなぐことだけを考えていた。いい結果になって良かった」と振り返った。大阪・ＰＬ学園高―東洋大からドラフト７位入団した１９年は交流戦首位打者に輝くなどして１１１試合に出場した。主力へ成長することが期待されたが、２０年は打率１割台半ばの不振で、リーグ優勝した昨季も思うように活躍できなかった。雪辱を期して臨んだ今季はシュアな打撃で先発メンバーに定着。「自分の居場所をつかんで戦力になりたい」と、初のシーズン規定打席クリアと打率３割も視界に入っている。

◆日本ハムは二回に万波と谷内の適時打で２点を先制。２―１の五回には松本剛の適時二塁打と清宮の３点三塁打で４点を追加した。上沢が７回２失点で７勝目。オリックスは山岡が五回途中５失点と崩れ、連勝が３で止まった。

◆日本ハムは五回、３―１としてなお２死満塁で清宮がサウスポー山田の内角速球を捉え、右中間へ走者一掃の三塁打を放った。今季過去８打数無安打と苦しんだ満塁機をものにし「全然打っていなかったので、やっと安打が出て良かった」と安堵した。新庄監督から受けた「指一本分、バットを短く持つように」というアドバイスを生かし「新ビッグボス打法です」と笑顔だった。

◆日本ハムはエース上沢が７回を５安打に抑え、２失点にまとめて後半戦初白星となる７勝目を挙げた。「最低限、試合をつくることができて良かった。野手がいい守備でもり立ててくれたおかげ」と謙虚に話した。一回１死一、二塁では頓宮を外角カーブで空振り三振、宗を内角のスライダーで遊飛に仕留めるなど要所で粘った。２年連続の２桁勝利も視野に入る。「首の皮一枚つながった。しっかり目指していきたい」と意気込んだ。

◆オリックスは上沢の攻略にまたも失敗。七回まで５安打２得点に抑えられ、天敵に２０１８年から１１連敗となった。序盤から好機をつくっても、あと一本が出なかった。一回は１死一、二塁と攻めて頓宮が三振で、宗が遊飛。０―２の三回１死一塁から中川圭の適時二塁打で１点返した後も畳みかけられなかった。中嶋監督は「いろいろと対策したが、成功したとは言えない。連打を狙える投手ではない分、嫌らしさをもう少し出したかった」と課題を口にした。

◆オリックスの宗が負傷交代した。六回の一ゴロ併殺打で一塁を駆け抜けた際に右足首をひねり、直後の守備から退いた。中嶋監督は「（状態は）まだ分からないが、この時期にけがは本当に痛いこと」と心配そうだった。

◆既にＶ逸が決定している日本ハムは五回２死満塁での清宮幸太郎内野手（２３）の適時三塁打などで快勝。新庄剛志監督（５０）の試合後の一問一答は以下の通り。ーー２００４年から２０１０年まで着用した北海道移転後の初代ユニホームを着用「このユニホーム、めちゃくちゃ着心地良かった。なんか僕が（現役で）ファイターズにいた頃の景色が浮かんできたっていう感じはしましたね。それに当時、ヒルマン監督にある場所に呼ばれて『君と一緒にプレーをしたい』っていう風に声を掛けてもらって、ユニホームを見せてもらったんですよ。あ、格好いいなって。『１番ください。だったら行きます』みたいな（笑）。本当に冗談っぽくも本気っぽくも話したのは思い出しますよね」ーー清宮が試合を決める一打「今日の試合前練習の時。『野球は芯に当てる確率のスポーツ。指１本分ちょっと短く持ってやってみて』っていうふうに伝えて。したら試合でもね、やってたんで。あれが小指を掛けてたら、コンパクトに振れずに、もしかしたらライトフライだったかもしれない。結果が出てない選手というのは何か変えないと」ーー対戦防御率０・４９と苦手の山岡を打ち崩した「なんか今日は初回からいつもの山岡君と違うかなって。弟？双子？かなって感じはしましたね」

◆日本ハム・清宮幸太郎内野手（２３）が３－１の五回２死満塁で右中間三塁打。今季は４三振を含む８打数無安打だった満塁機で勝負を決める一打を放った。「散々（チャンスを）潰してきたので。さすがにもう...」。満塁機だけでなく、８月は打率・１２７。９月に入ってもこの打席まで８打数無安打だった。試合前、新庄監督から「野球というのは芯に当てる確率のスポーツ。指一本分（バットを）短く持ってみれば」との助言を受けた。だからこそ清宮は「今日は〝新ビッグボス打法〟でいきました」と感謝を口にした。来年３月の新球場「エスコンフィールド北海道」への本拠地移転を前に、カウントダウンに入った札幌ドームでの試合。この日は北海道移転後の２００４年～１０年までの７年間で着用した初代ユニホームで臨んだ。３度のリーグ優勝に加え、新庄監督の現役最終年となった０６年に日本一に輝いた栄光と伝統が刻まれた〝戦闘服〟だ。「やっぱり強いときのユニホームって格好いいですよね」と清宮。その言葉を再び十数年後の後輩に言わせるのが使命だ。（東山貴実）