阪神(★0対2☆)巨人 =リーグ戦24回戦(2022.09.04)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:赤星 優志(4勝5敗0S)
(セーブ:大勢(1勝1敗31S))
敗戦投手:西 純矢(5勝3敗0S)

本塁打
【巨人】中田 翔(17号・7回表2ラン)

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◆巨人は0-0で迎えた7回表、中田の2ランが飛び出し、試合の均衡を破る。投げては、先発・赤星が6回無失点の好投。その後は4人の継投で完封リレーを展開し、赤星は今季4勝目を挙げた。敗れた阪神は、打線が相手を上回る7安打を放つも、つながりを欠いた。

◆阪神西純矢投手(20)は三塁打を打てるか。今季打撃成績は20打数6安打、打率3割で、安打の内訳は単打4本、二塁打1本、三塁打0本、本塁打1本。阪神の投手が1シーズンに4種類の安打を打てば89年キーオ以来、33年ぶり。

◆阪神西純矢投手(20)が「8番投手」で今季2度目のG斬りに臨む。今季初登板だった5月1日の巨人戦で7回1失点と好投し、今季初勝利。8奪三振はここまで10試合を投げて最多となっている。打順は3試合連続で8番となった。また、前日スタメン落ちしたメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が「6番左翼」に座った。8月の月間打率は3割2分8厘を誇っている。

◆甲子園での「伝統の一戦」に、子ども向け英会話番組「セサミストリート」のエルモとクッキーモンスターが出現した。セ・リーグ6球団とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)によるイベントパートナーシップの一環として、ファーストピッチセレモニーに登場。USJの名物キャラクター綾小路麗華の紹介とともにマウンドに立つと、エルモが投手として投げ込み、クッキーモンスターがバウンドしたボールをキャッチした。その後、9日からUSJで開催されるイベント「ハロウィーン・ホラー・ナイト」をPR。最後は同イベントに登場するゾンビも現れ、甲子園を盛り上げた。

◆巨人の4番が待望の先制点をたたき出した。両軍無得点の7回無死一塁、中田翔内野手(33)が、阪神西純の初球内角フォークを捉えた。高く放物線を描いた打球は左翼席に飛び込む17号2ラン。6試合ぶりの1発で、6回までわずか1安打に封じられていた西純を打ち砕いた。中田は「甘く入ってきたボールを自分のスイングでしっかりと捉えることができました。赤星が頑張っていたので点を取ってあげたいと思っていました。ホームランになって良かったです」と、6回無失点と好投したルーキー右腕に3カ月ぶりの白星の権利を届けた。直前の7回先頭では、丸が四球を選ぶと、原監督は代走の切り札の増田大を投入。阪神バッテリーに塁上から重圧をかけた。

◆先発に復帰して2試合目の巨人赤星優志投手(23)が6回73球、6安打無失点と好投し、4勝目を挙げた。味方の好守備もあり、走者を背負っても丁寧な投球を継続。本塁を踏ませることなく阪神西純との投手戦を演じ、打線の援護を待った。7回に4番中田翔内野手(33)の17号2ランで先制すると、3カ月ぶりの白星となる4勝目の権利を持ったまま降板。「ボールがシュートしたり、抜けたりしたところがありましたが、野手の皆さんの守備に助けていただきました。6回まででしたけれど0に抑えることが出来て良かったです」とコメント。その裏から救援陣に託した。

◆阪神西純矢投手(20)は痛恨の被弾に泣き、7回を5奪三振2安打3四球2失点で降板した。7イニングを83球にまとめながら、2点ビハインドの状況でマウンドを下り、自身3連勝と今季6勝目を逃した。立ち上がりから抜群の安定感。6回終了時点で1安打無失点と快投を続けた。だが、両チーム無得点で迎えた7回表、先頭3番丸を四球で歩かせると、無死一塁から4番中田の左越え2ランで先制点を献上。7回裏に代打を送られ、無念の降板となった。「調子自体はそこまで良くはなかったですが、良くないなりに(坂本)誠志郎さんのリードに引っ張ってもらって、先発として試合をまとめることはできたと思います。ただ、失点した場面は自分の四球からなので、展開的にも終盤で粘らなければいけない場面でしたし、しっかりと反省して、同じ失敗をしないようにしたいと思います」登板後は冷静に次回への課題を言葉にした。

◆阪神は球団ワースト記録に並ぶ今季24度目の完封負けを食らった。巨人先発赤星を打ちあぐね、63年以来のシーズン24度目完封負け。2連敗で4位広島、5位巨人とのゲーム差を2に縮められた。先発の西純矢投手(20)は力投報われず、今季3敗目(5勝)を喫した。6回終了時点で1安打無失点。両チーム無得点で迎えた7回表、先頭3番丸を四球で歩かせると、無死一塁から4番中田に左越え2ランを浴びた。それでも7回を83球でまとめ、5奪三振2安打3四球で2失点。とても責められる内容ではなかった。打線は3回2死一、三塁の好機を逃すと、反撃ムードを高められないままゲームセット。クライマックス・シリーズ出場へ、打線の状態が心配だ。阪神は今季24度目の完封負けで、球団ワーストを記録した63年に並んだ。プロ野球シーズン最多は31度で、56年に大洋(DeNA)と東映(日本ハム)が記録。巨人赤星に今季3敗目。赤星は先発、救援ともに阪神戦での登板があり、先発した3試合ではすべて白星を献上している。今季対戦投手別で3敗は、中日大野雄と広島床田と並んで最も多い。

◆甲子園での今季最後の伝統の一戦で、阪神相手に7カードぶりのカード勝ち越しを決めた。試合前時点では8勝14敗1分けと負け越していたが、今カードは2勝1分。3連勝した4月1日からの3連戦以来、5カ月ぶり今季2度目の勝ち越しを果たした。4番のひと振りが試合を決めた。両軍無得点の7回。先頭の丸が四球を選ぶと、ベンチは増田大を代走に送る。打席の4番・中田翔が阪神西純の初球フォークを強振し、左翼席へ先制の17号2ラン。1安打のみと抑え込まれていた右腕を捉え「甘く入ってきたボールを自分のスイングでしっかりと捉えることができました。赤星が頑張っていたので点を取ってあげたいと思っていました」と振り返った。先発のドラ3ルーキー赤星優志は、毎回走者を背負う展開も粘り、6回6安打無失点と好投。先発復帰2戦目で、3カ月ぶりの白星を手にし「ボールがシュートしたり、抜けたりしたところがありましたが、野手の皆さんの守備に助けていただきました」と感謝した。終盤は7回をクロール、8回を鍵谷と高梨が無安打投球を披露。9回は守護神大勢が締め、90年の与田剛(中日)に並ぶ新人歴代3位タイの31セーブを記録した。完封リレーで23日の中日戦(東京ドーム)以来、今季7度目の完封勝利を収めた。

◆巨人の守護神大勢が、90年の中日与田剛に並ぶ新人歴代3位の31セーブを記録した。2点リードの9回に登板。最速156キロ直球で押し、2死二塁から低めのフォークでロハスを一ゴロに仕留め、無失点に封じた。記録は知らなかった様子で「野手のみなさんが体を張って止めてくださって、守ってくれたおかげ」と感謝。原監督は「いつでもフラットであるというスタイルが素晴らしい」と称賛した。

◆阪神が63年以来となる球団ワーストタイの24度目の完封負けで巨人に連敗した。先発西純矢投手(20)は6回まで1安打無失点と好投も7回に先頭丸に四球を出し、4番中田へ左翼へ決勝の17号2ランを浴びた。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-先発西純は7回、巨人中田に初球のフォークを2ランされたが、どうみたか「いやいや、それよりも(先頭の丸への)四球でしょ。四球がやっぱりね。代走を出されて、クイックせなあかん、長打警戒せなあかんっていうところで。(中田に)本塁打を打たれたっていうのは、もちろんひとつだけど。四球がもったいない」-西純は立ち上がりからいい状態だった「そうやね、バランスもよく、いい球いっていたし。まあ若い投手なんで、そこは痛い1敗やけど。ああいうね、球数もまだ少なかったけど、投手も疲れてる、打者も目が慣れてくるっていうところの、あっこを乗り越えるような投手になっていってもらいたいし。こっちが点をとってやれなかったっていうのは、もちろん原因のひとつなんだけど、アイツの成長というのを考えるとね、やっぱあそこを乗り切れる、で、四球を先頭、ストレート(4球連続ボール)で出しちゃうっていうところが、結果的にもったいないんで、そういう投手になっていってくれたらと思います」-西純の次回以降は「それは今すぐは、わからん」-打線は7安打で走者が出てもつながらなかった「もちろん、どこかで長打が出てくれたらというのはある。低めに丁寧に投げられてゴロになっちゃったというところはあると思うけど。点を取れなければ勝ちはないんで」-近本が今季も最多安打争いと活躍「ケガなくやれるというのもそうだし。調子の波というのがあれば、なかなかそういうところには届かないと思う。毎年、どちらかと言えば春先がちょっと調子が上がらなくて、というところはあるけど、途中で連続試合安打とか、走りながら、安打も打ちながらということは、体もけっこう大変だと思うけど。体もしっかりケアしながら、技術にも貪欲に取り組んでいるという結果がそういうところに出ているんじゃないかな」-浜地も40試合以上で防御率0点台「うん、まあね、今年中継ぎで浜地と湯浅がしっかり出てきてくれたっていうのが、チームとしても大きいしね。浜地自身もね、『これでいける、自分の投球はこうなんだ』というのを確認しながら、まあ、でもね、研究されたり、対戦していけば打者はどうやって攻略しようかなとなってくるけど。まずは1年通して、1回離脱があったけど、これだけ投げられているのは本人の自信にもなっていると思います」-週明けから首位ヤクルト戦「まあ、もうやるしかないんでね。精いっぱい頑張ります」

◆巨人のドラ3ルーキー赤星優志投手(23)が一皮むけた。毎回走者を出しながらも、6回6安打無失点。テンポ良く、制球良く、阪神打線を封じて6月9日西武戦以来、3カ月ぶりの白星となる4勝目を手にした。「ふがいない投球を続けていたので、初回から全力でいけるところまでと思ってました。チームで勝ち取った勝利だと思います」と、チームメートに感謝した。先発復帰戦となった8月28日広島戦(マツダスタジアム)では3回4失点でKO。登板後に原監督から「自分の投げたい、意思のあるボールを投げろ」とアドバイスされた。厳しいコースを狙いすぎず、大まかなゾーンで勝負する意識にシフトチェンジ。「力で押す場面もあったので、それが生きたのかなと思います」と18試合のリリーフでの経験も脱皮の肥やしにした。原監督は「とても人柄の良い投手なんですけど、1つずつ階段は上ってくれている」と成長ぶりに目を細めた。

◆阪神先発の西純矢投手(20)が1球に泣いた。無失点ピッチを続けてきた7回。先頭丸にストレートの四球を与え、続く中田との勝負。初球に投じた140キロのフォークを完璧に捉えられ、左翼席に運ばれた。「ランナーをためてからのホームランを注意しながら」。そう警戒しただけに、中田のダイヤモンド1周に悔しさをにじませた。前回対戦は、今季初登板初先発した5月1日の敵地で、7回3安打1失点で初勝利。いいイメージで対峙(たいじ)し、この日も6回までに許した安打は吉川の右前打の1本のみ。中田に2ランを浴びるまで、ほぼ完璧な投球だった。「良くないなりに(坂本)誠志郎さんに引っ張ってもらって、先発として試合をまとめることはできたと思います。ただ、失点した場面は自分の四球からなので、展開的にも終盤で粘らなければいけない場面でした。しっかりと反省して、同じ失敗をしないようにしたいです」あの1球が...。たらればは禁物だが、被安打がわずか2本だけに悔やまれる。甲子園での伝統の一戦はプロ入り初だったが、7回2失点で無念の3敗目を喫した。矢野監督は「フォアボールがもったいない。バランスも良く、いい球がいっていた。痛い1敗やけど、打者も目が慣れるところを乗り越える投手になってもらいたい」と鼓舞。次回登板は「今すぐはわからん」と明言を避けた。だが、痛恨の1球こそ、成長の糧。背番号15の挽回を期待したい。【三宅ひとみ】阪神は今季24度目の完封負けで、球団ワーストを記録した63年に並んだ。プロ野球シーズン最多は31度で、56年に大洋(DeNA)と東映(日本ハム)が記録。巨人赤星に今季3敗目。赤星は先発、救援ともに阪神戦での登板があり、先発した3試合ではすべて白星を献上している。今季対戦投手別で3敗は、中日大野雄と広島床田と並んで最も多い。○...ケラーは中1日で巨人打線にリベンジを決めた。2点ビハインドの9回に登板。先頭の代打増田陸を153キロ直球で空振り三振に仕留めると、増田大も154キロで空振り三振に。最後は4番中田を154キロで右飛に打ち取った。2日巨人戦では2点リードの9回に2失点。「今日はマウンドに上がりたい気持ちが強かった。短い時間で終わらせて、攻撃へのリズムを作りたいと思っていた。結果的に3人で抑えることができて良かった」と振り返った。○...浜地は16試合連続無失点で防御率を0・88に下げた。8回に登板し、捕手坂本の二盗阻止にも助けられて1安打無失点。「どんな場面でもとにかく0点で帰ってくることを意識しているので、これからも続けていけるようにまた準備したいと思います」。ここまで年間50試合以上の救援登板で防御率0点台はプロ野球史上わずか12人。阪神では藤川球児、ジェフ・ウィリアムスに続く3人目の快挙も期待される。

◆阪神近本光司外野手(27)が、2年連続リーグ最多安打へ快音を響かせた。6回に赤星から右前打。6試合連続安打とし、この間打率4割8分と打ちまくる。今季141安打はヤクルト村上と並びリーグトップ。140安打以上はこの2人だけで、3冠王へ突き進むツバメの4番と一騎打ちの様相だ。矢野監督も「ケガなくやれるのもそうだし、調子の波があれば、なかなかそういうところには届かないと思う」と評価。8月は新型コロナ感染で11試合の離脱があったが、試合勘をすぐに取り戻し、故障なく戦っている。コンディションを考慮し、試合前練習を1人室内で行うこともある。指揮官は「しっかりケアしながら、技術にも貪欲に取り組む結果が出ているんじゃないかな」と、徹底した自己管理に目を細める。3回2死一、三塁の好機は二ゴロに倒れたが、残り16試合でスパートをかける。

◆巨人中田翔内野手(33)が、ひと振りで試合を決めた。両軍無得点の7回、チームが1安打に抑えられていた阪神西純の失投を逃さず、決勝の17号2ランを放った。自力CS進出の消滅と復活を繰り返す厳しい状況下で4番が値千金の一撃を見舞い、チームは2連勝。2勝1分けで伝統の一戦では7カードぶりの勝ち越しを決め、順位は変わらず5位ながらも3位阪神と2ゲーム差に接近した。「ストライクであれば初球から行く」。中田スタイルを貫き、甲子園の夜空に決勝アーチを描いた。巨人打線が1安打と沈黙する中、7回先頭の丸がストレートで四球を選び、ベンチは増田大を代走に送る。阪神先発の西純が盗塁を警戒したけん制後の初球だった。内角の140キロフォークをフルスイングし、左翼席へ17号2ラン。一塁ベースを回りながらクールに右拳を突き出した。西純は手ごわい。「すごい良いピッチャーだなと。打席中に配球をしっかり考えなければいけない」と1打席目で悟った。遊ゴロ、3球三振と抑え込まれて迎えた第3打席。「外の力ある真っすぐに目付けをしている中で、抜けたフォークに反応できた」。ファーストストライクは全て狙う。8月23日に通算1000打点を達成した際に真っ先に語った信念。その積極性を貫き、緊迫する試合を決めた。「0行進」を続けていたルーキーも援護した。「赤星がすごく良いピッチングをしていて、なんとかしてあげたかった」と柔らかい笑みを浮かべた。CS進出へ崖っぷちに立たされながら試合に臨む。3位阪神との3連戦で貴重な勝ち越しを決めたが「阪神戦というよりも1戦1戦の気持ちだった。自分たちのできることを精いっぱいやっていくだけ」と前だけを見据えた。【三須一紀】▽巨人原監督(中田の決勝本塁打に)「あそこの1発でよく仕留めてくれたなという感じがします」○...原監督が攻めの采配で試合を動かした。7回、四球で出塁した先頭丸に代走増田大を起用。1安打投球だった阪神西純に重圧をかけ、中田が初球を仕留めた。「気持ち良く投げてもらいたくないというか、1割でも2割でも3割でも一塁走者に気を取られてくれるようなね」と説明した。3位以下は混戦で正念場は続くが「これがプロ野球の醍醐味(だいごみ)。我々もそこをあえて望んでいくように戦っていきたい」と力を込めた。

◆阪神糸井嘉男外野手(41)が日付が変わった5日、自身のインスタグラムで意味深げな写真をアップした。ストーリー機能を使い、太陽の光が水面に輝く写真で、光の中に自身の背番号である「7」が浮かび上がっている。写真の左隅には筆記体で「thank you」と書かれた小さな文字が見える。SNS上では「糸井さん...ウソでしょ?」「糸井選手が引退したら間違いなく泣きます」「糸井さん引退? どういうこと?」など、進退に関する投稿ではないかと予想するコメントが相次いだ。

◆甲子園での今季最後の伝統の一戦で、阪神相手に7カードぶりのカード勝ち越しを決めた。先発のドラ3ルーキー赤星優志投手(23)は、毎回走者を背負う展開も粘り、6回6安打無失点と好投。先発復帰2戦目で、3カ月ぶりの白星を手にした。終盤は7回をクロール、8回を鍵谷と高梨が無安打投球を披露。9回は守護神大勢が締め、90年の与田剛(中日)に並ぶ新人歴代3位タイの31セーブを記録した。完封リレーで8月23日の中日戦(東京ドーム)以来、今季7度目の完封勝利を収めた。桑田真澄投手チーフコーチ(54)の一問一答は以下の通り■「安心して見ていられる」ー赤星の投球中継ぎで「いろいろ勉強しよう」と。「中継ぎをやることで学ぶこともたくさんあるから」ということでね。本人もずっと先発をしたがっていたんですけど、彼と話をして。チーム状況がこういうことなんで「中継ぎに入ってくれ」ということで。前回の先発(3回4失点でKOされた8月28日広島戦)はなかなかやっぱり...。中継ぎで1イニングか2イニング(が多かった)で、長いイニング投げる感覚が戻ってなかったみたいで。今日はそういう反省から、球数をたくさん投げて調整してきたので。非常に今日は安心して見ていられる内容でしたね。■中継ぎ経験がプラスにー具体的に中継ぎを経験したことで力になったことは?いろんなことを学ぶと思うんですけどね。1本のヒットも許すことはできないとかね。ランナー背負ってから行くということで、常にピンチの状態。そういったことも、すごく勉強になったと思うので。(3回に)二死から一、三塁になったりしても、途中から中継ぎで行くのがすごくプラスになってるんじゃないかと思いますけどね。粘れるようになりましたよね。■「クロールは苦労した」ー鍵谷、クロールと後ろが厚くなったクロールは最初良くて、ジョークじゃないですけど(笑い)苦労したんですけど、カーブをやめようかとかどうか。でも「カーブは良いから続けていこう」ということで、一生懸命カーブを練習したことによって、ストレートもチェンジアップもカットも全て良くなってきた。カーブをやめずに練習したことが、今のクロールの好調につながってるんじゃないかなと思います。鍵谷も足を故障して走れなかったんですけど、状態も良くなってランニングしてる姿もすごくいいので、それがまたピッチングの調子にも比例して、良くなってるんじゃないかなと思います。

◆巨人が接戦をものにした。両チーム無得点の7回、4番中田翔内野手(33)が決勝の17号2ラン。先発に復帰して2試合目の巨人赤星優志投手(23)は6回73球、6安打無失点の好投で3カ月ぶりとなる4勝目。救援陣は2試合連続で無失点リレー、守護神大勢投手(23)は新人歴代3位タイの31セーブを挙げた。チームは2連勝。2勝1分けで伝統の一戦では7カードぶりの勝ち越しを決め、順位は変わらず5位ながらも3位阪神と2ゲーム差に接近した。★試合後、原辰徳監督(64)の主な一問一答は以下の通り。■人柄◎のルーキー右腕、着実に成長中-先発赤星「とても人柄のいい、人のいい投手なんですけども、今日はいろんな意味で自分で主導権を持ちながら、自分で考えながらピッチングをしてくれたなと。成長過程の中でね、1つずつ階段は上ってくれているなと、そういう風に見ました」-球数的にも余裕があったがスパッと交代「やや1番、2番、3番、4番、あの辺の左バッターに工夫しながら、でもてこずっていたかなというところもあったんでね。6回を投げ切ったのが大きかった」-丁寧さと粘り強さ。中継ぎの経験が生きている「僕はそう思う。チーム事情の中でリリーフもやってもらいましたけどね。それも生かしてくれている」■こうちゃく状態だった試合を動かす、攻めの采配-7回は四球後に代走増田大、そして中田が本塁打「気持ち良くピッチャーに投げてもらいたくないというか、1割でも2割でも3割でもね、ファーストランナーに少し気を取られてくれるようなね。そういう意味では、あそこの1発でよく仕留めてくれたなという感じがします」■守備陣、ブルペン陣にも感謝-野手も守りましたね「そうですね、0点という形でなったわけですから、先発ピッチャーも守りも、リリーフもという中でね、よくしのいでくれたと思います」-救援陣も2日連続無失点「無駄な四球がないというのが大きいと思いますね。攻めるピッチングというか自分のピッチングができていると思いますね」-大勢が新人歴代3位タイの31セーブ。成長、すごさは「やっぱり勝っておごらず、高ぶらず、しかしいつでも荒ぶるというね。それが、非常にいつでもフラットであるという、そのスタイルが素晴らしいですね」■これぞプロ野球の醍醐味(だいごみ)-甲子園で2勝1分け。東京に戻るが大事な試合が続く「これがプロ野球の醍醐味(だいごみ)ですし、我々もそこをあえて望んでいくように戦っていきたいと思います」-阪神戦は久々のカード勝ち越し「そうですか!それは失礼しました(苦笑)」

◆阪神は球団ワースト記録に並ぶ今季24度目の完封負けを食らった。悲しすぎる伝統の一戦だ。今季甲子園ラストとなるTG戦。阪神は最後までスコアボードに得点を刻むことができなかった。63年の球団ワースト記録に並ぶシーズン24度目の0封負け。4万人超が詰めかけた本拠地で7安打を放つも、拙攻の連続で球団史に残るゼロ行進。3安打の巨人に決定力の差で敗れた矢野監督の言葉にも、力がなかった。「もちろん、どっかで長打が出てくれたらというのはある。低めに丁寧に投げられてゴロになっちゃったというところはあると思うけど。点を取れなければ勝ちはないんで」ルーキー右腕の投球術にはまった。右腕赤星を攻略できない。3回は2死から中野、糸原の連打で一、三塁の好機をつくるも近本が二ゴロ。4回は無死一塁から大山が遊ゴロ併殺でため息の連続。いずれも変化球を打たされた。6回無失点に抑えられ、阪神戦先発3戦3勝を献上。終盤に11試合連続となるヒットを放った大山も赤星に対しては今季9の1、佐藤輝も10の2と主軸が苦しんでいる。汗が噴き出すような蒸し暑さの中、ふがいないチームの姿を目の当たりにしたからだろうか。試合終盤にはフラストレーションがたまったファン同士が内野席でののしり合う騒ぎも起こった。2連敗で4位広島、5位巨人には2ゲーム差に迫られ、Bクラスがちらつく。週明けからは首位を走るヤクルトを甲子園に迎えての2連戦が待つ。厳しい状況に立たされた矢野監督は、必死に前を向いた。「まあ、もうやるしかないんでね。精いっぱい頑張ります」イライラする試合は見たくない。意地を結集した快勝が見たい。【桝井聡】

◆甲子園での今季最後の巨人戦で、阪神は西純矢投手(20)が先発する。巨人戦は今季初勝利となった5月1日(東京ドーム)以来。8月18日のヤクルト戦(神宮)、8月25日のDeNA戦(京セラ)と自身2連勝中の勢いそのままにチームを勝利に導く。また糸原健斗内野手(29)が「2番・三塁」、5番の大山悠輔内野手(27)は一塁に回り、「6番・左翼」にメル・ロハス・ジュニア外野手(32)。ジェフリー・マルテ内野手(31)がベンチスタートとなった。

◆セ・リーグ5位の巨人はアダム・ウォーカー外野手(30)が7月17日の広島戦(東京ドーム)以来の2番で先発する。4戦連続で1番に入った坂本との初めての1、2番コンビで臨む。

◆セントラル・リーグ6球団とユニバーサル・スタジオ・ジャパンによるイベント・パートナーシップの一環として、ファーストピッチセレモニーが行われた。グラウンドでは毒舌トークが人気の名物キャスト・綾小路麗華がMCを担当。「セサミストリート」の人気キャラも登場し、エルモがマウンドから投じたボールは左打席方向に逸れながら数回バウンドし、ホームベースで構えていたクッキーモンスターのもとに届いた。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは今年、「ストリート・ゾンビ」が史上最大級のスケールで開催されるほか、3年ぶりに4つのホラー・アトラクションがフルラインアップで登場するなど、「ハロウィーン・ホラー・ナイト」も9月9日のグランドオープンで完全復活する。セレモニー後は3体のゾンビも出現。一塁側ファウルゾーンを突き進み、逃げ惑うトラッキーを追いかけながらグラウンドから姿を消した。綾小路麗華は〝最恐ハロウィーン〟を体感できるイベントを呼びかけ、スタンドからは拍手が起こった。

◆巨人・中田翔内野手(33)が先制17号2ランを放った。0-0の七回無死一塁。1安打に封じ込まれていた阪神・西純が投じた初球、フォークボールを完璧に捉え、左翼席に突き刺した。8月27日の広島戦(マツダ)以来6試合ぶりの一発で試合の均衡を破った。六回まで粘りの投球で阪神打線を封じていた先発のD3位・赤星(日大)に援護点をプレゼントした。

◆阪神・西純矢投手(20)が先発し、7回2安打2失点で降板した。援護なく0―0で迎えた七回に悲劇が待っていた。先頭・丸をストレートの四球で歩かせると、続く4番・中田に投じた内角への初球のフォークを振り抜かれ、白球を左翼スタンドに運ばれた。被弾は5月25日の楽天戦(甲子園)以来、約3か月ぶり。3日には「一発のある打者が多いと思うので、ランナーを溜めてからのホームランを注意しながら」と話していたなかで描かれた放物線を目で追い、唇をかんだ。ただ、六回までは文句なしの投球を披露。一回は先頭を四球で歩かせるスタートだったが、1死後に二盗を阻止するなどして3人攻撃で終わらせると、勢いに乗った。三回は先頭・吉川に初安打となる右前打をきっかけに2死二塁と初めて得点圏に走者を背負ったが、ここも坂本をカーブで中飛に打ち取って脱出し、六回までに浴びたのはわずか1安打。完投ペースで投手戦を演じていただけに、まさしく1球に泣く形となってしまった。

◆阪神はホームが遠く、1963年の球団ワーストに並ぶシーズン24度目の零封負けを喫した。打線は7安打を浴びせながら決定打が出ず、八回まで得点圏に走者を進められたのは三回の一度のみ。九回は2死から大山が三塁内野安打で出塁し、代走・江越が二盗を決めてチャンスを演出したが、ロハスが一ゴロに倒れ、5投手の継投を最後まで打ち崩せなかった。先発した西純は援護がないなかで六回まで1安打投球だったが、七回に先頭・丸をストレートの四球で歩かせると、続く中田に初球のフォークを左翼席に運ばれ、これが決勝点。1球に泣く7回2安打2失点だった。1敗1分けで迎えたこの今カード第3戦は甲子園で今季最後となる伝統の一戦だったが、敗戦。巨人戦は4月1~3日(東京D)以来、7カードぶりとなる負け越しだった。

◆巨人のドラフト1位・大勢投手(23)=関西国際大=が新人歴代3位、1990年の与田剛(中日)に並ぶ31セーブ目をマークした。2―0の九回に登板したルーキー守護神は、最速156キロを計測した直球を主体に近本を空振り三振、佐藤輝を一ゴロ。大山には三塁強襲の内野安打を許したが、最後はロハスを一ゴロに打ち取った。8月26日の広島戦(マツダ)以来のセーブを挙げ、チームを2連勝に導いた。ルーキーのセーブ記録は2015年の山崎康晃(DeNA)、21年の栗林良吏(広島)の「37」が最多。大勢はレギュラーシーズン残り18試合で、両者の持つ記録に挑戦する。

◆巨人・中田翔内野手(33)が七回に先制17号2ランを放ち、これが決勝点となった。0-0の七回無死一塁。1安打に封じ込まれていた阪神・西純が投じた初球、フォークボールを完璧に捉え、左翼席に突き刺した。先発のD3位・赤星(日大)が6回6安打無失点で4勝目(5敗)を挙げた。甲子園に沸き起こった大歓声が悲鳴に変わった。0-0の三回2死一、三塁。巨人の二塁手、吉川が驚異的な守備で失点を防いだ。近本が二遊間へ放った強烈なゴロに力強い一歩目からダッシュ。左膝を地面につけるように滑り込んで打球をグラブに収めると、すぐに立ち上がって二塁へ送球し封殺。「持ち味は守備」と自負する背番号2が、代名詞の華麗な守りでマウンド上のルーキー・赤星を救った。「守備からいいリズムを作れたら、いい攻撃もできると思う」と語る吉川。三回の第1打席では西純から4試合連続安打となる右前打。今や攻守で欠かせない主力だ。吉川の好守備から先発の赤星もマウンドで躍動し、勝ち星を手にした。

◆巨人が0―0の七回に中田の17号2点本塁打で均衡を破り、5投手による無失点リレーで勝った。赤星は制球がさえ、六回まで投げて6月9日以来の4勝目。阪神は相手を上回る7安打でもつながりを欠き、西純の好投を生かせなかった。

◆阪神が今季最後の甲子園での巨人戦で24度目の完封負けを喫し、1963年の球団ワースト記録に並んだ。二回に木浪聖也内野手(28)、四回には大山悠輔内野手(27)が併殺で倒れるなど、巨人の「3」を上回る7安打を放ちながらも、9個のゼロを並べた。西純矢投手(20)は七回、四球後の初球を中田翔内野手(33)に左翼スタンドに運ばれ、自身の連勝は「2」で止まり、3敗目(5勝)。1安打の近本光司外野手(27)は141安打としたが三回2死一、三塁の先制機で二ゴロに倒れた。チームは7カードぶりのG戦負け越し。ゲーム差なしの4位広島、5位巨人に2差に迫られた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績61勝63敗3分=残り試合16、観衆4万785人)。ーー西純が浴びた本塁打は「いやいや、それよりも(先頭の丸への)フォアボールでしょ。フォアボールがやっぱりね。代走を出されて、クイックせなアカン、長打警戒せなアカンところで。ホームランを打たれたのは、もちろんひとつだけど、フォアボールがもったいない」ーー立ち上がりから、いい状態だった「そうやね、バランスもよく、いい球いっていた。若いピッチャーなんで痛い1敗やけど、ああいうね、球数もまだ少なかったけど、ピッチャーも疲れてる、バッターも目が慣れてくるところの、あっこを乗り越えるようなピッチャーになってもらいたい。こっちが点を取ってやれなかったのは、もちろん原因のひとつなんだけど、アイツの成長を考えると、あそこを乗り切れる...フォアボールを先頭、ストレートで出したのが結果的にもったいない。そういう投手になっていってくれたらと思います」ーー次回以降は「それは今すぐは、わからん」ーー走者が出てもつながらなかった「もちろん、どっかで長打が出てくれたらというのはある。低めに丁寧に投げられてゴロになったところはあると思うけど。点を取れなければ勝ちはないんで」ーー近本が今季も最多安打争「けがなくやれるのもそうだし。調子の波があれば、そういうところには届かないと思う。毎年、どちらかと言えば春先が調子が上がらなくて、というところはあるけど、途中で連続試合安打とか、走りながら、ヒットも打ちながらということは体も結構大変だと思うけど。しっかりケアしながら、技術にも貪欲に取り組んでいる結果が出ているんじゃないかな」ーー浜地も40試合以上で防御率0点台「うん、まあね、今年、中継ぎで浜地と湯浅が出てきてくれたのが、大きい。浜地自身も『これでいける、自分のピッチングはこうなんだ』を確認しながら、研究されたり、対戦していけばバッターは攻略しようとなってくるけど。まずは1年通して、一回離脱があったけど、これだけ投げられているのは自信にもなっていると思います」ーー週明けから首位ヤクルトと2連戦「まあ、もうやるしかないんでね。精いっぱいがんばります」

◆5位・巨人は2連勝。原辰徳監督(64)は2点リードの九回を締めたドラフト1位・大勢投手(23)=関西国際大=への厚い信頼を口にした。「(大勢は)勝って驕らず、高ぶらず、しかしいつでも荒ぶるというね。それ(精神状態)がいつでも非常にフラットである。そのスタイルが素晴らしいですね」。開幕からルーキーらしからぬ落ち着きで守護神を務める右腕は新人歴代3位、1990年の与田剛(中日)に並ぶ31セーブ目となった。また指揮官は6回無失点で4勝目を挙げたドラフト3位・赤星優志投手(23)=日大=も称賛。「とても人柄のいい投手なんですけども、今日はいろんな意味で自分で主導権を持ちながら、考えながら、投球してくれたなと。1つずつ階段は上ってくれている」と中継ぎ転向を経てたくましくなった赤星に目を細めた。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は七回無死一塁で西純矢投手(20)が〝孤投〟を続けたシーンに言及。何故ベンチから誰も行かないのかと指摘し、攻撃面では九回2死一塁の二盗にも疑問を呈した。原監督が仕掛けたオトリに阪神が見事にハマった。そんな印象を抱いた七回表だった。好投していた西純が丸にストレートの四球。代走は増田大。3日に三盗を決められた相手だから「また走ってくるかも」と若い西純が警戒しても不思議ではない。でも、このケースはまず走ってこない。走るぞと陽動して走らない。投手心理をかく乱して、4番打者に託す。そして4番打者は配球が絞りやすくなる。これが〝常識〟だ。長く4番を務めた原監督は、この状況を熟知しての代走起用。打点王3度の中田も最も読みを発揮できる場面設定。案の定、前の打席まで苦しんだ内角にヤマを張り、完ぺきに捉えた。勝敗を分ける最大のポイントだった。なぜ阪神ベンチはマウンドに行って「走ってこない」「ボールから入れ」などの指示をしなかったのか。ベテラン投手ならいざ知らず、経験不足の20歳を助けるのがベンチの仕事。抜群の投球を披露していた西純を勝たせてやれなかった阪神ベンチは残念としか言いようがない。攻撃面もチグハグさを感じた。走れる選手がスタメンに多く並ぶ阪神。序盤に盗塁でもいい、エンドランでもいい。動けるケースが何度あったのに気配がなかった。せっかくの武器を使わなかった、さい配も疑問だった。ここでも「もっと動け」と指摘したい。かと思えば九回2死、2点を追うケースで一塁走者が突然、スタート。成功したから良かったものの、アウトでゲームセットなら、考えられないプレーになっていた。走るべきケースで走らず、走ってはいけないケースで走る。どうなっているのだろうか。巨人の歩みを止めるはずの3連戦で完全に蘇らせてしまった。1試合1試合の重みが増す終盤は、ベンチの差が勝敗に直結する。動くべきところで「動く阪神ベンチ」を切に望みたい。

◆奮闘する西純を〝見殺し〟にしてしまった。今季、何度も目の当たりにしてきた光景がスコアボードに映し出される。球団ワースト記録に並ぶシーズン24度目の零封負け。点は点のまま、線となることなく散った打線を矢野監督は嘆いた。「どっかで長打が出てくれたら、というのはある。低めに丁寧に投げられてゴロになっちゃったというところはあると思うけど...点を取れなければ勝ちはないんで」4月3日の東京ドームでプロ初勝利を献上した巨人先発・赤星を前に、糸原、ロハスを2試合ぶりに先発に戻した。一回に、その糸原がチーム初安打の投手内野安打。三回にも右前打で2死一、三塁と好機を広げた。ただ、近本が二ゴロで先制とはならず。四回は先頭の佐藤輝が左前打。しかし、続く大山が遊ゴロ併殺であっという間にチャンスは消えた。七回から継投に入った巨人ベンチに対し、山本、陽川、島田と矢継ぎ早に代打で送り込んだが、突破口はつかめなかった。今季、甲子園での最後の巨人戦で残ったのは単打7本、つながりを欠き、9個のゼロを並べてしまった現実だ。今季24度目の零封負けで1963年に並んだ。「もうやるしかないんでね。精いっぱい頑張ります」6日からは首位ヤクルトと甲子園で2連戦がある。4位広島とは2ゲーム差に迫られ、クライマックスシリーズ進出もピンチ。もちろん、指揮官がいうように点を取らなくては勝てない。虎党に応援グッズを投げ込ませてはいけない。(原田遼太郎)★1963年の阪神 藤本定義監督の3年目。リーグ優勝した前年から一転、投打の歯車がかみ合わず、連勝と連敗を繰り返した。打線はけん引役の吉田義男が打率・262、10盗塁に終わり、先発陣の小山正明は14勝、村山実は11勝止まりだった。シーズン終盤に11連勝して巻き返したが、最終戦の10月22日の中日戦(甲子園)に0-6で敗れ、球団ワーストの24度目の零封負けを喫した。最終成績は69勝70敗1分で3位。

◆完投ペースの好投から一転、待っていたのは悪夢。左翼席へ消える放物線を見届けるしかなく、西純の表情には悔しさがにじんだ。「失点した場面は自分の四球からなので、展開的にも終盤で粘らなければいけない場面でしたし、しっかりと反省して、同じ失敗をしないようにしたい」緩急をコースに決め、六回まで72球でわずか1安打と巨人打線を圧倒し、投手戦を演じた。しかし、七回は先頭・丸をストレートの四球で歩かせ、打席に4番・中田。投じた初球のフォークが真ん中付近に甘く入ると、見逃してはくれなかった。被弾は5月25日の楽天戦(甲子園)から約3カ月にわたって防いできたが、勝負を決める一発をここで食らった。右腕の反省と同様に、矢野監督も丸への四球を指摘。「あそこを乗り越えるような投手になってもらいたい」と高いレベルでの修正を求めた。一球に泣いた7回2安打2失点。この経験を必ず糧にしてみせる。(須藤佳裕)

◆会心の一撃に、甲子園球場は歓声とため息が交錯した。巨人・中田翔内野手(33)が七回に17号2ラン。均衡を破る一発が決勝点となった。「外(角)の真っすぐに目付をしている中で、抜けたフォーク(ボール)にしっかりと反応できた」西純が投じた初球を捉え、6試合ぶりのアーチを左翼席に突き刺した。六回までチームが1安打と苦戦した右腕を打ち砕く一打に、ベンチは人さし指を立てる〝アゲアゲポーズ〟でお出迎え。原監督が一塁走者の丸に代走・増田大を起用し、勝負をかけた場面で大砲が一発回答を見せた。〝積極打法〟が最高の結果をもたらした。フルスイングが持ち味の中田は、ファーストストライクから打つのが打撃スタイルと自負する。ここまでの17本塁打のうち、初球を捉えたのは8本。この日も狙い球でははなかったが、初球の失投を逃さず仕留め、「自分のスタイルを出せた」と胸を張った。不調の岡本和に代わって4番を担う中田の豪快弾で、今季最後の甲子園で連勝締め。3位・阪神に7カードぶりの勝ち越しを決め、ゲーム差を2に縮めた。残り18試合。5位のチームは、クライマックスシリーズ(CS)進出へ、負けられない戦いが続く。「一戦一戦、自分たちのできることを精いっぱいやっていくだけ」と中田。泰然自若としている背番号10が、逆転でのCS進出に導く。(樋口航)

◆CS進出を懸けて、もう一つも負けられない! まるで高校野球最後の夏のような魂の采配を振った「巨人高校」(決してちゃかしているわけではない)の原辰徳監督に、虎党の俺だけど胸がジ~ンと痛くなったのだ!!0-0の七回、3番・丸が四球で出塁すると、すかさず代走に増田大。え、え~っ? まだ七回だよ! 1点勝負のこの試合に、一発のある丸にまだ打席がまわる可能性は十分あるし、丸を外しますか!!しかし、その采配がドンぴしゃり。俊足の増田大の足を気にしたのか、初球からストライクを取りにいって、試合を決められる痛恨の一発を西純矢が浴びてしまうのだった...。一方、わが阪神もこのまま試合を捨てられるかいな、と2点リードされているのに勝ちパターンの浜地、ケラーを投入するも実らず...。勝利への執念のぶつかり合いに見えたかもしれないが丸への四球の後、若い西純なのにベンチから誰も行かなかった矢野監督...。それじゃ、球団タイの年間24零封負けもくらうわ、と大きく肩を落としたのだ!!

◆あ、メールが返ってきた。『Good to hear from Abe-san.Hope you are doing well』3日深夜の読売テレビのスポーツ情報番組「Going! Sports&News」(土曜後11・55)をごらんになりましたか? 2010-15年に阪神で活躍したマートンが、米テネシー州ナッシュビルの自宅に同番組の訪問取材を受け、阪神在籍時にセ・パ交流戦やオールスターで対戦した大谷翔平(当時日本ハム、現エンゼルス)について語っていました。4日の当番デスク(CD)阿部祐亮も、3日夜にサブデスク勤務を終えたあと編集局内で番組を見ていたそうで、なつかしくなってメールを送ったのです。「テレビ画面をスマホで撮って、その画像と一緒に『見たよ。元気そうだね』と送りました」すると、すぐに冒頭のメールが返ってきたんです。阿部は、マートンが阪神時代に懇意にさせてもらっていました。「電話がかかってくるときもあります。きのうはメールだけで、かかってきていたら『あなたも健康的な体になったね(太ったね、の意味)』と言ってやろうと思ったんですが」4日は休みだったトラ番原田遼太郎も番組を見ていたそうです。「吉野家からプレゼントされた丼とかも保管しているんですね。野球を指導している高校生たちに、大谷からヒットを打った映像だけ見せて、抑えられた映像は見せていないという話もおもしろかったです」と笑っていました。阿部は「太ったなあ」と話していましたが、私は別のことを考えてしまっていました。マートンみたいな助っ人が今いたらなあ、と。すごかったですからね。1年目の214安打を含め最多安打が3度。6年間の通算打率が・310。14年には・338で首位打者。「ホームランも打てましたからね」と阿部が話す通り、通算77本塁打。打撃練習では左中間スタンドの中段通路の出入口にあるカップヌードルの看板にぶつけるなど、他の誰よりも飛ばしていました。あんな助っ人が今季の打線にいたら、阪神も今ごろ-と。ないものねだりをしても仕方ありませんが...。「佐藤輝も、なんとかしようといろいろやっていますから」原田です。「藤井1、2軍巡回コーチも『決して悪くはないんだよ』と言っています。ヒットは出ていて、チャンスメーカーにはなっているけど、ホームランが出ていないのでみんな心配するんでしょうけど。三木さんからも『テルが1面になっていないな!』って言われます」原田は打者担当です。佐藤輝がヒーローになれば当然、メイン原稿を書きますが、最近は紙面での出番が減っています。そのことをビヤ樽編集委員三木建次にツッコまれて、「だから自分(の仕事)が増えている、なんとかしろ、と。僕も書きたいですよ、と言っているんですけど」。2位のDeNAがデーゲームで広島に完敗していました。西純は踏ん張っていましたが、援護がないまま迎えた七回に2ランを浴びて...。2試合連続零封負けのDeNAに阪神も1-7、0-2の連敗でお付き合い。ないものねだりはやめようと思っていたのに、また、してしまいそうです。

◆寝心地の良い夜を過ごして、すっきりと目覚めてみたら、きれいな朝顔が咲いていた。巨人の勝利はこんな感じかな。先発・赤星が六回まで無失点。七回はクロールが3人でピシャリ。八回は鍵谷がワンポイントで投げて、高梨も2人を打ち取り、九回は大勢が締める。投手リレーに寸分の狂いもなかった。前日3日、先発のメルセデスを四回途中でスパッと代えて、その後をゼロで抑えきった自信も生きている。今、調子の良い者を、適性に応じて惜しみなく注ぎ込む。投手もそれに応える。やればできるじゃないか。また、終盤に4番・中田が均衡を破る2ランを放ったものだから、ますますリリーフの重みが増して、やりがいも出てくる。そこで抑えれば、充足感に浸れる。このサイクルを今後、そして来季へ、つなげることだ。負けるわけにはいかない状況で迎えた伝統の一戦で、巨人は大きな糧を得たと思うよ。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
70492 0.588
(↓0.005)
-
(-)
22535
(+3)
468
(+6)
151
(+1)
63
(-)
0.253
(↓0.001)
3.480
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
61542 0.530
(↓0.005)
7
(-)
26411
(-)
438
(+7)
96
(-)
41
(+1)
0.253
(-)
3.420
(↓0.03)
3
(-)
阪神
61633 0.492
(↓0.004)
11.5
(-)
16426
(-)
363
(+2)
76
(-)
97
(+1)
0.243
(-)
2.560
(-)
4
(-)
広島
59653 0.476
(↑0.004)
13.5
(↑1)
16477
(+7)
474
(-)
79
(+1)
25
(-)
0.254
(-)
3.460
(↑0.02)
5
(-)
巨人
58643 0.475
(↑0.004)
13.5
(↑1)
18474
(+2)
533
(-)
135
(+1)
54
(-)
0.242
(-)
3.820
(↑0.04)
6
(-)
中日
54661 0.450
(↑0.005)
16.5
(↑1)
22349
(+6)
433
(+3)
57
(-)
50
(+1)
0.246
(↑0.001)
3.400
(-)