1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 4 | 0 | 0 | 7 | 10 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 1 |
勝利投手:鍬原 拓也(3勝2敗0S) 敗戦投手:藤浪 晋太郎(2勝3敗0S) 本塁打 |
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◆巨人は1-1で迎えた5回表、無死三塁から大城が適時打を放ち、勝ち越しに成功する。3-1となって迎えた7回には、坂本と中田の適時打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、2番手・鍬原が今季3勝目。敗れた阪神は、打線が4安打1得点と振るわなかった。
◆阪神島田海吏外野手(26)はここまで18盗塁。今季の阪神は近本が25盗塁、中野が20盗塁しており、阪神で3選手が20盗塁以上を記録すれば60年(三宅=29、並木=23、吉田義=20)以来、球団62年ぶり。
◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(31)が、7月13日以来、52日ぶりに「6番一塁」でスタメン復帰する。右足のコンディション不良から1軍復帰後、3試合連続で代打起用され3打数1安打。前日2日には延長10回に高梨から中前打を放っていた。この日は一塁でノックを受け、入念に準備を重ねた。マルテが一塁に入ったことにより、大山悠輔内野手(27)が、今季22度目の左翼でのスタメンとなった。阪神先発は自身3連勝を狙う藤浪晋太郎投手(28)。今季初の甲子園勝利に加え、残り10個となっている通算1000奪三振の達成にも期待がかかる。
◆巨人が中16日のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(28)を4回途中1失点で降板させ、早めの継投策に打って出た。4回1死、阪神近本に同点ソロを浴び、2死から大山に左前打を許したところで、原監督がベンチから登場。場内がざわつく中、2番手鍬原拓也投手(26)への交代を告げた。鍬原はマルテを中飛に抑えた。メルセデスは3回2/3、55球、4安打1奪三振の1失点。「良い状態で投げることが出来たと思う。1発は打たれてしまったけれど次の登板も頑張ります」とコメントした。
◆巨人坂本勇人内野手(33)が、2試合ぶりの適時打を放ち、一塁ベース上でガッツポーズを決めた。3回2死二塁、阪神藤浪から先制の右前適時打。二塁走者吉川が俊足をとばして本塁に滑り込んだ。坂本は「打ったのはストレート。詰まっていましたが飛んでくれた所が良かった。先制できて良かったです」とコメントした。3連敗の後で2試合連続引き分けと5戦勝ちなしで、前日にCSの自力進出が消滅したチームに、キャプテンが勢いを呼び込んだ。
◆阪神近本光司外野手(27)が、2試合ぶりの1発となる同点3号ソロを放った。1点を追う4回1死から巨人メルセデスの甘く入った130キロスライダーを強振。完璧に捉えた打球は右翼ポール際に吸い込まれた。「(藤浪)晋太郎が最少失点で踏ん張ってくれてくれていましたし、何とか早い段階で追いつきたいと思っていました。甘い変化球に対してしっかり自分のスイングをすることができました」初回には2死から右前打を放っており、4試合連続のマルチ安打を記録。直近5試合で19打数11安打と当たりまくっている。近本は1日の広島戦で今季甲子園1号となる本塁打を放ったばかり。力投を続ける先発藤浪を援護する1発で、試合を振り出しに戻した。しかし直後の5回守備で、先頭吉川の中堅後方への打球に目測を誤ったのか、一瞬前に出て急いで後ろに下がったが届かず、結果的に三塁打に。続く大城に左前への適時打を許し、あっさり勝ち越しを許してしまった。同点弾は一瞬で"帳消し"となった。
◆阪神藤浪晋太郎投手(28)は6回を5奪三振5安打2四球3失点で降板し、自身3連勝を逃した。1軍復帰後では5戦連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を達成。ただ、2点ビハインドの場面でマウンドを下り、今季3勝目はならなかった。2回までは完全投球。両チーム無得点で迎えた3回、不運な内野安打から2死二塁とされると、1番坂本に詰まりながら右前先制打を許した。1点ビハインドの5回には先頭7番吉川のライナーを中堅手近本光司外野手(27)が目測を誤って後逸(記録は三塁打)。無死三塁から7番大城に左前適時打を浴びた。6回は1四球1安打で1死一、三塁とされると、6番若林への2球目スライダーがすっぽ抜け、痛恨の暴投で3点目を失った。21年4月16日ヤクルト戦以来505日ぶりの甲子園星はならず。通算1000奪三振は残り5個の状態で次回以降に持ち越しとなった。
◆巨人大城卓三捕手(29)が貴重な勝ち越し打を放った。1-1の同点で迎えた5回無死三塁。阪神藤浪の外角直球を流して、前進守備の三遊間を抜いた。3試合ぶりの適時打に「追い込まれていたけれど、芯でとらえれば何とかなると思っていました。勝ち越すことができて良かったです」と語った。7回先頭でも中前打を放ち2試合ぶりのマルチ安打。その後、代走増田大を送られベンチに下がった。
◆阪神中野拓夢内野手(26)が、痛恨の「ポロリ」で巨人に追加点を許した。4点ビハインドの7回表2死一、二塁。岡本の遊撃後方への飛球に懸命にダッシュ。打球に追いついたものの、前進してきた中堅近本光司外野手(27)と一瞬「お見合い状態」になった。中野は捕球にいったが、ボールはグラブからこぼれ、その間に2人の走者が生還(記録は中二塁打)。痛い追加点を献上した。
◆巨人が1日で「CS自力進出」を復活させた。坂本勇人内野手(33)が先制適時打を含む2打点。大城卓三捕手(29)が同点の5回に左前に決勝適時打を放った。3連敗後に2引き分けと5戦勝ちなしだったが、白星で連敗を3で止めた。■早めの継投策。場内はざわついたが、結果は「吉」と出た4回2死、1死から阪神近本に同点ソロを浴びた先発メルセデスが阪神大山に左前打を許した直後、甲子園がざわついた。三塁側ベンチから原監督が姿を見せ、交代を告げた。チームは3試合連続で延長戦を戦っている中、メルセデスは中16日での先発、わずか55球で4安打1失点。それでも流れが相手に傾く前に手を打った。2番手鍬原拓也投手(26)がマルテを中飛に打ち取り、流れを断った。■積極的な走塁で打線も活性化攻撃面でも積極的な采配を打った。2点リードの7回。1死二塁、投手アルカンタラ、打者坂本。代走の二塁走者増田大輝内野手(29)が相手バッテリーの意表を突き、初球でスタートを切った。三塁へ頭から滑り込み、三盗に成功。坂本の適時打を呼び込むなど、一挙4得点を生んだ。■大量リードで主力は途中交代、守護神大勢も温存この試合前までは3試合連続で延長戦を戦い、投手を「6人」「9人」「5人」とつぎ込んでいた。野手も「11回」「12回」「12回」と総力戦を戦っていた。打線が7回表までに6点のリードを奪ったことで、その裏から主力野手をベンチに下げた。守護神大勢、高梨、平内をつぎ込むことなく白星を手にした。
◆阪神は数字に表れない守備のミスも響き、引き分けを挟んでの4連勝を逃した。先発の藤浪晋太郎投手(28)も6回3失点で自身3連勝を逃し、今季3敗目(2勝)。チームは4位広島、5位巨人とのゲーム差を3に縮められた。好調藤浪はこの日も2回まで完全投球。だが、3回に不運な内野安打から1番坂本の右前適時打で先制されると、雲行きが怪しくなった。1点ビハインドの5回は、先頭7番吉川のライナーを中堅手近本光司外野手(27)が目測を誤って後逸(記録は三塁打)。無死三塁から7番大城に左前適時打を浴びた。6回は無死一塁から4番中田の三ゴロを佐藤輝明内野手(23)がファンブルし、打者走者しかアウトにできず。ここから1死一、三塁とされると、藤浪の6番若林への2球目スライダーがすっぽ抜け、痛恨の暴投で3点目を失った。藤浪は1軍復帰後では5戦連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を達成。だが、21年4月16日ヤクルト戦以来505日ぶりの甲子園星はならなかった。7回は2番手のラウル・アルカンタラ投手(29)が2/3回を4安打4失点。2死一、二塁の場面では、5番岡本和の左中間前方への飛球に遊撃手中野拓夢内野手(26)が一瞬追うのをためらい、最後はグラブに当てながらも2点二塁打としてしまった。打線は1点を追う4回に3番近本が3号右越えソロを放ったが、5回以降は反発力を見せられなかった。
◆セ・リーグ3位の阪神が、4位巨人と対戦。巨人が1日で「CS自力進出」を復活させた。坂本が先制適時打を含む2打点。大城が同点の5回に左前に決勝適時打を放った。先発メルセデスを4回途中で交代させる早めの継投策も奏功し、連敗を3で止めた。阪神は数字に表れない守備のミスも響き、引き分けを挟んでの4連勝を逃した。
◆阪神が4連勝を逃した。先発の藤浪晋太郎投手(28)は6回3失点で自身3連勝を逃し、今季3敗目(2勝)を喫した。1点ビハインドの5回、先頭7番吉川のライナーを中堅手近本光司外野手(27)が目測を誤って後逸(記録は三塁打)。6回は無死一塁から4番中田の三ゴロを佐藤輝明内野手(23)がファンブルし、打者走者しかアウトにできず。7回2死一、二塁の場面では、5番岡本和の左中間前方への飛球に遊撃手中野拓夢内野手(26)が一瞬追うのをためらい、最後はグラブに当てながらも2点二塁打としてしまった。記録に残らないミスが、いずれも失点につながった。試合後の矢野監督の一問一答は以下の通り。-藤浪のピッチングはどう見たか「うーん、調子自体はね、最近のいい状態を保ってるような状態だったかなと思ってます」-アンラッキーな守備もあって、粘りきれなかった部分もあるか「うーん、あの1点はね、ちょっと責めることはできないけど、もう1点をね、四球だったり、暴投だったりになっちゃったんで、あの1点はちょっともったいなかったかな」-近本の三塁打にしてしまった打球は「うん、まあもちろん、近本やったら捕らなあかんよね」-佐藤輝の三塁守備でのゴロも「うん。もちろん。そこもそうやね」-その2点「うん、だから、それはね。まだまだ成長していかなあかんとこやし。まあ、今日やったから、しゃーないわというふうに済ませるつもりはもちろんないんで。それを輝自身も捕れるようになっていかないとだめだし。えー、まあ、チームの課題として球際っていうのはずっとあるんで。そこらへんはしっかりやっていきます」-アルカンタラは本来の投球ではなかった「まあ、本来というかね、最近ちょっとタラちゃんらしいボールはいってないんで、いったん抹消しようかなと思います」-マルテの一塁守備の動きは確認できた「守りを見られたというか上に上げる以上、守らせるつもりでいるんで」-明日の今季最後の甲子園での巨人戦は勝ちたい「それはね、もちろんそう思っているし、今日もこういう入ってもらったところでファンの人には残念な思いをさせてしまったので。明日、最後の巨人戦、甲子園ということで全員で戦います」
◆阪神藤浪晋太郎投手(28)は痛恨の3点目を失った直後、思わず右拳で右太ももをたたいた。「調子自体は悪くなかっただけに、要所でなんとか粘り切りたかった。余計な失点もしてしまいました」1点ビハインドの6回、先頭打者への四球から1死一、三塁のピンチを招いた。これ以上、点をやれない-。気合が力みにつながったのか、6番若林への2球目スライダーがすっぽ抜けた。飛びついた梅野のミットの先を白球が逃げる。3点目を献上すると、奥歯をかみしめ天を仰いだ。2回まで完全投球。矢野監督が「最近のいい状態を保っていた」と振り返った通り、上々の立ち上がりだった。ただ、この日はツキもなかった。0-0の3回。不運な内野安打から2死二塁とされ、1番坂本に詰まりながらも右前に落とされた。この先制劇から雲行きが怪しくなった。5回は中堅手近本が先頭7番吉川のライナーに目測を誤って後逸(記録は三塁打)。無死三塁から7番大城に左前適時打を浴びた。6回は三塁手佐藤輝のミスも失点につながった。とはいえ、最後は自身の暴投で失点。指揮官も「あの1点はちょっともったいなかった」と悔しがった。6回を5奪三振5安打2四球で3失点。7年ぶりとなる甲子園の巨人戦勝利はならず今季3敗目。5戦連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)をクリアしたが、505日ぶりの甲子園星を逃して満足できるはずがない。「反省すべき点をしっかり見つめ直して、今後に生かしていければ」通算1000奪三振まで残り5個。次回は大台到達を白星で飾りたい。【佐井陽介】○...アルカンタラが0回2/3を投げ4失点と炎上し、2軍降格が決まった。先発藤浪に代わり7回から登板。坂本、中田にタイムリーを許し追加点を献上。なおも2死一、二塁から岡本和に左中間手前への飛球を打たれ、味方守備のミス(記録は中前適時二塁打)もあってさらに2点を失った。2試合連続失点と課題を残した助っ人右腕について矢野監督は「最近ちょっとタラちゃんらしいボールはいってないんで、いったん抹消しようかなと思います」と話した。○...島本が1回1/3を完璧に封じた。6点ビハインドの7回2死二塁のピンチから登板。若林を二ゴロに斬って、今季初の回またぎで8回のマウンドへ。吉川、増田大を外野フライに打ち取り、最後は重信をフォークで空振り三振。「点差があったので、攻撃に流れを持ってこれるように、リズム良く投げることを意識しました」。これでプロ初登板から114試合連続で無敗を継続。桟原将司が持つ球団記録の116まで残り2試合に迫った。○...新型コロナ感染から復活した加治屋が8月18日以来、16日ぶりの1軍登板を無失点で終えた。9回に4番手で登板。2死から小林に左前打を浴びるも最後は増田陸を遊ゴロに仕留めた。万全の状態を示し、「また戻ってこうして投げられることができてよかったです。残りの試合も限られてきましたが、チームのために腕を振っていきたいと思っています」と語った。
◆今季最多観衆の甲子園で赤っ恥-。阪神が「守乱」で巨人に完敗した。4回に近本光司外野手(27)が同点の3号ソロを放ったが、直後の5回にセンターへの飛球の目測を誤り、三塁打として勝ち越しにつながるミスとなった。7回には近本と中野拓夢内野手(26)が「お見合い」で適時二塁打を許すなど、記録に残らない守備の乱れが相次いだ。勢いを失う痛い敗戦で、連勝(引き分けを含む)は「3」で止まった。今日もG倒や! 鮮やかな放物線に、誰もが勝利を信じていた。4回だ。近本が右翼へ同点の3号ソロ。「(藤浪)晋太郎が最少失点で踏ん張ってくれていたし、何とか早い段階で追いつきたいと思っていた。甘い変化球に対して、しっかり自分のスイングができた」。今季最多4万2620人の甲子園が沸きに沸いた。まさかこの1発から、最悪の展開が待っているとは...。直後の5回の守りだ。巨人の先頭吉川の中堅への打球をセンター近本が目測を誤った。1度前に出てきて、あわてて下がったが頭を越された。痛恨三塁打で、続く大城に決勝の勝ち越し適時打を許した。矢野監督は「もちろん、近本なら捕らなあかんよね」と嘆いた。続く6回には無死一塁で中田のゴロを三塁手佐藤輝が捕球できず、素手でつかもうとしてもなかなか手につかず、二塁をあきらめ一塁に送球。併殺を奪えず、残った二塁走者はその後3点目のホームを踏んだ。致命的なミスは三たび飛び出した。2番手アルカンタラがさらに2点を奪われた7回2死一、二塁。岡本和の遊撃後方の飛球を遊撃手中野が懸命に追いかけたが、前進してきた中堅近本と一瞬お見合い状態にもなり、あわてて中野がグラブを出したがポロリ。その間にダメ押しとなる2点が入った(記録は中二塁打)。岡本和の打席から雨が降り出し、通常の浜風とは逆の風が吹いていた。指揮官は「まだまだ成長していかなあかん。チームの課題として球際っていうのはずっとある。そこらへんはしっかりやっていく」と、言葉を振り絞った。この日は記録に残らないミスだったが、昨季まで4年連続リーグ最多失策で今季も最多の巨人に1個差の73失策で2位と失策を重ねている。長期ロード明けは、甲子園で3勝1分けと不敗だったが、守乱で黒星がついた。4日は今季甲子園で最後の伝統の一戦となる。矢野監督は「もちろん勝ちたいと思っているし、今日はファンの人に残念な思いをさせてしまった。甲子園最後の巨人戦、全員で戦います」と力を込めた。締まらない試合で、4位広島と3ゲーム差になった。【石橋隆雄】○...大山が10試合連続安打を決めた。2回、4回といずれも左腕メルセデスから左前打。新型コロナ感染から復帰後、14試合で打率4割1分2厘と好調をキープしている。守備でも8回、重信の左翼ファウルゾーンへのフライをフェンスに激突しながらキャッチを試みた。捕球できずファウルに終わったが、劣勢の中で諦めない姿勢を示した。○...マルテが「6番・一塁」で52日ぶりにスタメン復帰した。大山が左前打で出塁した2回無死一塁。巨人メルセデスの変化球を特大ファウルとしたが、最後は三塁への併殺打に倒れ、チャンスをつぶした。3打数無安打で沈黙。矢野監督は「上に上げる以上、守らせるつもりでいる」と話した。右足のコンディション不良から8月30日に再昇格。2日の同戦で代打で出場して中前打を放っていた。
◆CSへの扉を再びこじ開けたのはキャプテンのバットだった。1番スタメンで3試合目となる坂本勇人内野手(33)が、巨人打線をよみがえらせた。3回2死二塁、阪神藤浪の156キロ直球を捉え、右前適時打。「先制できて良かった」と塁上でガッツポーズを見せた。前回対戦の8月20日で敗れた右腕へ先制パンチを浴びせ、味方を奮い立たせた。勝負の行方を左右する一打も自ら放つ。7回1死二塁、リードはわずか2点。初球から代走増田大に三盗させてまで取りたかった追加点の期待に応えた。ファウル4つで粘り、カウント1-2からアルカンタラの142キロ外角スライダーを中前適時打。この回、一挙4得点の口火を切り「厳しいコースに来ていたけれど、最後は食らいついて打つことができた」と、貴重な一打を振り返った。6試合ぶりの勝利で連敗を3で止め、前夜に消滅したばかりのCS自力進出も復活した。3戦連続の延長で「11回」「12回」「12回」と計13時間12分の総力戦を戦ってきた主力野手も、6点リードを奪ったことで7回守備から下げることができた。投手陣も同様。守護神大勢、高梨、平内を温存。主将が意地を見せ、窮地を救った。【三須一紀】▽巨人増田大(7回に三盗成功)「相手投手の映像を何百回も見て勉強していたおかげかな。監督も行けたら行っていいと言ってくれていたので思い切ってスタートできた」▽巨人大城(5回無死三塁、阪神藤浪から左前に決勝適時打)「2ストライクと追い込まれていたので食らいつこう、バットに当てようと。これからは厳しいというか、接戦が多くなっていくと思うので勝ちきれるように頑張っていきます」
◆巨人原辰徳監督が動いた。同点に追いつかれた4回、2死から阪神大山の左前打を見るやベンチを出た。先発メルセデスはまだ55球、1失点。場内がざわつく中、交代を告げた。3戦連続の延長戦で計20人の投手を投入していた。だが、どうしても勝ちたい一戦だった。ウォーカーをベンチ外にし、ブルペンには通常より1人多い9投手。早めの継投策への布石は打っていた。結果は「吉」と出た。救援ら5投手が無失点リレー。原監督は「(メルセデスは)いい投手だが打たれるのも早いのがある。早めにつなぐ準備をしていたというかね。今頑張らなきゃいつ頑張るのということですよね」と説明した。攻撃でも動いた。7回1死二塁、代走増田大が坂本の初球にサイン通りに三盗に成功。ダメ押し点となる4点の連続攻撃につなげた。「打線が機能した。相手がちょっと隙を見せてくれたところにつけ込むことができた」とうなずいた。▽巨人大城(5回無死三塁、阪神藤浪から左前に決勝適時打)「2ストライクと追い込まれていたので食らいつこう、バットに当てようと。これからは厳しいというか、接戦が多くなっていくと思うので勝ちきれるように頑張っていきます」▽巨人増田大(7回に三盗成功)「相手投手の映像を何百回も見て勉強していたおかげかな。監督も行けたら行っていいと言ってくれていたので思い切ってスタートできた」
◆巨人・増田陸内野手(22)が出場選手登録をされた。この日から甲子園での1軍練習に合流。一塁でノックを受けるなど、汗を流した。支配下登録をつかんだ今季は、ここまで55試合に出場し、打率・250、5本塁打、16打点。22歳の若手らしく、気迫あふれるプレーでチームを鼓舞した。8月15日に登録を抹消されていたが、再び1軍に昇格した。
◆阪神は藤浪晋太郎投手(28)が先発する。8月27日の中日戦(バンテリンドーム)では7回5安打1失点で、8月6日に1軍再昇格後、先発した4試合すべてでクオリティー・スタート(6回以上投げて自責点3点以内)を達成。安定感が光っている。甲子園で勝利となれば昨年4月16日ヤクルト戦以来、505日ぶりとなる。ジェフリー・マルテ内野手(31)は7月13日の巨人戦(甲子園)以来、久々のスタメン出場。今季は右足のコンディショニング不良で22試合の出場にとどまっており、打率・222、1本塁打、5打点。打撃でチームを勝利に導けるか。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(28)が先発し、三回に先制点を献上した。一回は先頭・坂本を遊ゴロに仕留めると、ポランコを158㌔直球、丸をスプリットで連続の空振り三振に打ち取って無失点でスタート。二回も中田、岡本和、若林を凡打で退けた。しかし、三回は先頭・吉川の一塁への内野安打で初めて走者を背負い、1死後にメルセデスの捕前バントを決められて2死二塁。得点圏に走者を置いて坂本との対戦を迎えると、真ん中高めにやや甘く入った156㌔直球を右前に運ばれ、吉川に先制のホームへと滑り込まれた。藤浪は8月20日の巨人戦(東京D)、同27日の中日戦(バンテリンD)でともに7回1失点と好投し、2連勝中。甲子園で勝利となれば、昨年4月16日のヤクルト戦以来、505日ぶりとなる。
◆阪神・近本光司外野手(27)が「3番・中堅」で出場し、四回に同点ソロを放った。1点を追う四回の第2打席だった。1死走者なしで左腕・メルセデスの内角から入ってくるスライダーをコンパクトに振り抜くと、高々と舞い上がった打球はそのまま右翼席に飛び込んだ。1日の広島戦(甲子園)以来、2試合ぶりとなる3号。ベンチに戻ると「虎メダル」をかけられ、仲間からの祝福には笑顔で応えた。
◆阪神は記録に残らない〝ミス〟が絡み、五回に勝ち越しを許した。1点を追う四回に近本が右翼ソロを放って同点とした。しかし、直後の守備で、巨人の先頭・吉川の鋭い当たりが中堅へ。近本は目測を誤って前進し、背走に切り替えたが間に合わず、打球は自らの頭上を越えていった。吉川は快足を飛ばして一気に三塁に到達し、続く大城の三遊間を破る適時打で生還。近本にとっては価値あるアーチの直後の悔しいプレーだった。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(28)が先発し、6回5安打3失点で降板した。二回までパーフェクト投球を披露したが、三回は2死二塁で坂本に右前適時打を浴びて先制点を献上。近本の右翼ソロで同点に追いついてもらった直後の五回は、中堅・近本が目測を誤って頭上を越された三塁打をきっかけに、大城に三遊間を破られて勝ち越しを許した。さらに六回1死一、三塁では、投じた変化球がすっぽ抜けて大暴投となり、三塁走者に生還された。8月6日の1軍昇格から5試合連続でクオリティー・スタート(先発投手が6回以上を投げて自責点3点以内)をクリアしたが、勝ち投手の権利は得られなかった。
◆集中力を研ぎ澄まし、速球に食らいついた。巨人・坂本勇人内野手(33)が先制の右前適時打をマーク。塁上からベンチに向かって右拳を突き上げた。「詰まっていましたが、飛んでくれたところが良かった。先制できて良かった」0-0の三回2死二塁。カウント2-2から藤浪が投じた156キロの直球をバットの根っこではじき返した。三回先頭の吉川がチーム初安打となる一塁への内野安打で出塁。安打と犠打でつくった最初の好機を一振りでものにした。相性の良さを見せた。今季、試合前までで藤浪との対戦成績は2打数1安打。対戦打席が少ないものの1安打は本塁打。前日2日の試合で引き分け、チームは自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅。苦しい戦いが続く中、主将がバットで勢いを与えた。貴重な援護点をもらった先発のメルセデス。2軍再調整からの復帰登板で「今年一番の投球ができるよう気持ちを込めて臨みます」と気合を入れていたが、粘りきれなかった。1-0の四回1死で近本に同点の右越えソロを被弾。続く佐藤輝は遊ゴロに仕留めたが、大山に左前打を許したところで降板。2番手・鍬原にマウンドを譲った。6月4日以降、白星から遠ざかっていた左腕は、またしても白星を手にすることはできなかった。それでも、この日の巨人は頼もしかった。五回に大城の適時打で勝ち越すと、六回は暴投で加点した。さらに七回、坂本の2本目の適時打、中田、岡本和も続いて一挙4得点。ここ2試合連続で引き分けだったが、10安打で7得点で連敗を「3」で止めた。
◆阪神は巨人に大敗を喫し、連勝が「3」でストップした。先発・藤浪が三回に先制を許し、四回に近本の右翼ソロで同点に追いついたが、右腕が五、六回に1点ずつを失い、6回5安打3失点で降板。2点ビハインドで終盤に突入するも、七回からマウンドに上がった2番手・アルカンタラが2/3回で4安打4失点と崩れ、勝負を決められた。守備では四回に近本が飛球の目測を誤り、打球が頭上を越える間に三塁打とされるシーンがあり、さらに六回は2死一、二塁で右中間へ高々と打ちあがった飛球に対して、背走する遊撃・中野と中堅・近本がうまく連携できず、中野が落球(記録は中堅への2点二塁打)。ともに記録に残らない〝ミス〟で、失点に結びついた。打線も得点は近本の一発のみで、得点圏に一度も走者を置くことができず、6投手の継投の前に四回2死から打者16人がパーフェクトに封じ込められるなど、反撃の糸口すらつかめず。今季の主催試合では最多となる4万2620人が詰めかけた一戦で悔しい黒星となった。
◆阪神の巨人戦連続カード勝ち越しが「6」で止まった。四回、近本光司外野手(27)の3号ソロで追いつくが藤浪晋太郎投手(28)が直後に勝ち越しを許し、六回1死一、三塁では暴投で3点目を献上した。七回に登板したラウル・アルカンタラ投手(29)の4失点がダメ押しとなった。2015年以来の甲子園G倒が懸かった藤浪は6回5安打5三振2四球3失点で3敗目(2勝)。2安打の近本は今季140安打としたが、五回の守備で目測を誤り、三塁打にしてしまうシーンがあった。ジェフリー・マルテ内野手(31)は7月13日の巨人戦(甲子園)以来のスタメンで3打数無安打だった。観衆は今季最多の4万2620人。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績61勝62敗3分=残り試合17、観衆4万2620人)。ーー藤浪のピッチング「うーん、調子自体は、最近のいい状態を保ってるような状態だったかなと思ってます」ーーアンラッキーな守備もあって、粘りきれなかった部分もある「うーん、あの1点(五回、近本が目測を誤った後の適時打)は、ちょっと責めることはできないけど、もう1点をね、四球だったり、暴投だったりになっちゃったんで、あの1点はちょっともったいなかったかな」ーー近本の三塁打にしてしまった打球「うん、まあもちろん、近本やったら捕らなアカンよね」ーー佐藤輝の三塁守備でのゴロも(六回無死一塁での三ゴロをファンブルして併殺取れず)「うん。もちろん。そこもそうやね」ーーその2点ですよね「うん、だから、それはね。まだまだ成長していかなアカンとこ。まあ、今日やったから、しゃーないわと、いうふうに済ませるつもりはもちろんないんで。それを輝自身も捕れるようになっていかないとだめだし、えーまあ、チームの課題として、球際はずっとあるんで。そこらへんはしっかりやっていきます」ーーアルカンタラは本来の投球ではなかった「まあ、本来というかね、最近ちょっとタラちゃんらしいボールはいってないんで、一旦抹消しようかなと思います」ーーマルテの一塁守備の動きは確認できた「守りを見れたというか、上に上げる以上、守らせるつもりでいるんで」ーー4日は今季最後の甲子園での巨人戦だけに勝ちたい「それはね、もちろんそう思っている。今日も入ってもらったところでファンの人には残念な思いをさせてしまったので。明日、最後の巨人戦、甲子園ということで全員で戦います」
◆主将がチームに一筋の光を照らした。巨人・坂本勇人内野手(33)が先制打を含む2安打2打点。10安打7得点の快勝を導き、1日で自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性を復活させた。一振りで試合の均衡を破った。0-0の三回2死二塁で藤浪の156キロの直球をはじき返し、右前に運ぶ先制適時打をマーク。「詰まっていたが、飛んでくれた所が良かった」とうなずいた。さらに3-1の七回1死三塁では、アルカンタラのスライダーを中前適時打とし、「厳しいコースにきたけど、最後は食らいついて打つことができた」と胸を張った。主将の一打に打線も奮起。その後、中田、岡本和に適時打が飛び出すなどつながり、一挙4点を奪った。3試合連続で延長戦を戦っていたチームは、8月26日の広島戦(マツダ)以来、6試合ぶりの勝利。頼れるキャプテンが存在感が光った。
◆巨人の大城が攻守で勝利に貢献した。1―1と追い付かれた直後の五回、無死三塁で藤浪に追い込まれながらも「食らい付こう、バットに当てよう」と逆方向の三遊間を抜き、勝ち越し打。七回は先頭で中前打で出塁し、1死後の坂本の適時打につなげた。捕手としても投手陣を引っ張り、勝機をつないだ。Aクラス入りへ、正念場だけに「接戦が多くなっていくと思うので、その中で勝ちきれるように頑張っていく」と力を込めた。(甲子園)
◆中野が七回の守備で記録に残らないミスで相手に追加点を与えた。2死一、二塁から岡本和の打球は遊撃後方へ。中堅・近本と中野が駆け寄ったが、お見合いの形になり中野がグラブに当てたものの落球(記録上は岡本和の二塁打)。これで2点を追加され、リードをさらに広げられた。バットでも4打数無安打といいところがなかった。
◆今季最多の4万2620人で埋まったスタンドがどよめいた。阪神・藤浪が投じた変化球がすっぽ抜けてワンバウンドでバックネットに当たった。痛恨のタイムリー暴投-。3点目を失うと、天を仰いで悔しさをにじませた。「要所でなんとか粘り切りたかったなと思います」1-2の六回1死一、三塁。若林への1ストライクからの2球目だ。立ち上がった梅野のミットのはるか上をボールは通過。三走・丸の生還を許してしまった。「調子自体は悪くなかった」直球は最速158キロ。一回は2三振を含む三者凡退。三回、坂本に先制の右前打を許したが、四回は無失点で乗り切った。同点に追いついた直後の五回だ。先頭の吉川のライナーを中堅・近本が目測を誤って後逸(記録は三塁打)。直後に大城に勝ち越し打を浴びた。それでもまだ1点差だったが、六回の大暴投で一気に敗戦ムードにしてしまった。藤浪は1軍復帰後、5試合連続でクオリティースタート(6回以上投げて自責点3以内)を達成したが、連勝は2で止まり、今季3敗目(2勝)。昨年4月16日のヤクルト戦以来の甲子園勝利、さらに2015年9月28日(完封)以来となる甲子園での巨人戦勝利もならなかった。藤浪について、矢野監督は「調子自体は、最近のいい状態を保っていると思っています。四球だったり、暴投だったりになっちゃった、あの1点はちょっともったいなかった」と表情を曇らせた。先発3本柱の青柳、西勇、伊藤将らの輪の中に入っていかなければ、短期決戦のクライマックスシリーズ(CS)で先発のチャンスはない。藤浪は「余計な失点もしてしまいましたし、反省すべき点をしっかり見つめ直して、今後に生かしていければ」と猛省。信頼回復へ、次回登板が正念場になる。(三木建次)
◆お願いだから捕って~。3位阪神は1-7で巨人に完敗し、連勝は3で止まった。名手・近本光司外野手(27)らに、失策こそ記録されないものの拙守が相次ぎ、失点につながった。5位巨人のクライマックスシリーズ(CS)自力進出の可能性も復活。残り17試合、引き締めていきましょう。晴れ間が差したと思ったら、いきなり土砂降りに見舞われた。喜んだばかりだったから、まさかの拙守が余計にこたえる。近本が同点ソロを放った直後の守備で飛球の目測を誤り、頭を越されてピンチを招いて勝ち越し点を献上。矢野監督も主力らしからぬプレーに苦言を呈した。「うん、まあもちろん、近本やったら捕らなあかんよね」甲子園が悲鳴に包まれたのは、1-1の五回。先頭の吉川が藤浪の136キロを捉え、弾道は中堅方向へ伸びていった。背番号5は前に出かかり、あわてて後ろへ下がったものの、白球は伸ばしたグラブの上を越えて無情にも中堅フェンスまで転々...。記録は中越えの三塁打となり、続く大城の左前適時打で勝ち越しを許した。近本は四回に一時同点となる右越えの今季3号ソロをほうり込み、「自分のスイングをすることができました」と胸を張っていたが、手痛いミスで試合のリズムを狂わせた。守乱は続く。六回無死一塁で佐藤輝が三ゴロをはじき、併殺をとれずに走者を二進させ、その後1死一、三塁で藤浪の暴投で差をつけられた。七回には2番手・アルカンタラが炎上。岡本和が打ち上げた飛球を、近本と遊撃・中野が〝お見合い〟のような形で2点二塁打にしてしまった。いずれも失策はつかなったが、虎が自ら流れを手放していった。チーム失策数「73」は、セ・リーグワーストの巨人の「74」に次ぐ不名誉な数字だが、この日で〝上回ってしまった〟ような痛恨のシーンの連続。今季最多4万2620人の大観衆の前で完敗を喫した。連勝は3で止まり、巨人戦のカード勝ち越しも6でストップ。巨人の自力でのCS進出の可能性も復活させてしまった。残り17試合のうち、甲子園では11試合残っている。本拠地できっちり守れなくては、奇跡のような大逆転Vも、Aクラス入りも見えてこない。甲子園で今季ラストとなる4日の巨人戦に向けて、矢野監督は顔を上げた。「きょうもこういう(今季最多観客に)入ってもらったところでファンの人には残念な思いをさせてしまったので。明日(4日)、最後の巨人戦、甲子園ということで全員で戦います」近本もこの日のミスを取り返そうと燃えているはず。借金生活に逆戻りしたが、このままズルズルと後退はしない。(新里公章)■データBOX ?...セ・リーグのCS争いは首位ヤクルトが確実で、2位DeNAも有力。3位阪神は借金1ながら4位広島と5位巨人に3ゲーム差をつけており、広島と6位中日は自力でのCS進出の可能性が消えている。仮に阪神が残り17試合を9勝8敗で最終勝率を5割にした場合、広島が阪神を上回るには12勝5敗、巨人は14勝5敗が必要となる。
◆7月13日の巨人戦(甲子園)以来、41試合ぶりのスタメン出場だったマルテはバットで結果を残すことができなかった。二回無死一塁ではメルセデスのスライダーを引っ掛けて三ゴロ併殺、四、七回も凡退して3打数無安打。一方、昇格後初となる一塁守備をこなした助っ人に矢野監督は「上(1軍)に上げる以上、守らせるつもりでいるんで」と話し、不安を抱えていた右足の状態は問題なさそうだ。
◆佐藤輝は六回無死一塁で中田の鋭いゴロをグラブからこぼし、素手で拾い上げようとしたが手につかず。一塁へ送球して1死こそ奪ったが、併殺を取り切れなかったことでピンチは1死一、三塁に広がり、藤浪の暴投による3点目につながった。矢野監督は「輝自身も捕れるようになっていかないとだめ。チームの課題として球際っていうのはずっとあるので」と修正を望んだ。
◆阪神のラウル・アルカンタラ投手(29)が4日に登録抹消される見通しとなった。この日の巨人戦で七回に登板し、4安打1四球で0回2/3で4失点KO。登板機会2試合連続で失点し、矢野監督は「最近、タラちゃん(アルカンタラ)らしいボールがいってないんで、抹消しようかなと思います」と説明した。6月24日に疲労回復のために抹消されて以来の2軍降格。今季は主に中継ぎで39試合に登板し、1勝3敗17ホールド、防御率4・70だった。
◆攻めの采配で流れをつかんだ。5位・巨人は快勝し、引き分けを挟んだ連敗を3で止めた。原辰徳監督(64)は同点の四回2死一塁で、4安打1失点のメルセデスを交代。甲子園の観衆が驚きの声を上げた継投の意図を明かした。「(今年のメルセデスは)抑えるのも非常に早いけれども、打たれるのも早い。リリーフ陣に後は託したということ」6月4日以来白星のない左腕は四回、近本にソロを浴び、2死から大山に左前打を許した。ここで指揮官は〝兆候〟を察知し、決断。2番手・鍬原が後続を断つと、救援5投手は無安打無失点リレーで相手を封じ込めた。攻めては2点リードの七回1死二塁、二走・増田大に三盗を命じて成功。坂本の適時打で貴重な4点目をもぎ取った。8月26日の広島戦(マツダ)以来6試合ぶりの勝利で、2日に消滅していた自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が復活。3位・阪神とは3ゲーム差。残り19試合となる中、指揮官は「一戦一戦、ベストを尽くして戦い抜くことに尽きる。今頑張らなきゃ、いつ頑張るの」と気合を入れた。(谷川直之)
◆「守り勝つ野球」がことしの阪神のスタイル。「打ち勝つ野球」はほとんどできていない。その結果が23試合の零封負けに象徴されている。そんな阪神が守備でミスを重ねたら、勝てるはずがない。まずは五回の近本。真正面に飛んだ吉川の打球は、簡単に処理できるとは言い難く、責めたくはない。それでも超一流の守備力の持ち主・近本だから、捕球してほしかったという思いは強い。それでも、藤浪が懸命に踏ん張って、試合の流れを決定的に手放すことはなかった。一気に巨人に傾いたのは七回、増田大に三盗を決められた瞬間だ。アルカンタラ-梅野のバッテリーがあまりに無警戒。隙を見せたという点で、痛恨の守備のミスと言っていい。最後は同じ七回に岡本和の打球を遊撃・中野が追いすぎてポテンヒットにしたシーン。打球的には中堅・近本が処理すべき。近本が中野の深追いを制しきれなかった。連係が取れていればと悔やまれる。巨人にカード勝ち越しが最低条件と思っていた3連戦に1敗1分け。3戦目は守備を引き締め、必勝態勢で臨んでもらいたい。(本紙専属評論家)
◆高価な盆栽が枯れかけて、あわてて水をあげたら生き返った。ただし、たくさんあげると根が腐るから、水はちょっと。巨人はそんな感じかな。前日2日の引き分けに続き、せめてもの意地を見せた。もう一歩も譲れない伝統の一戦で、約1カ月ぶりに勝った。もっと早くこういう展開に持ち込めれば...と思うね。坂本が三、七回とタイムリー2本。つられて中田、岡本和もタイムリー。中心選手がいいところで打てば、スカッと勝てる。そんなシンプルなことが今まで、できていなかっただけだ。さらにポイントを挙げると、先発のメルセデス。四回、近本に本塁打を浴び、2死後、大山に安打されるとスパッと代えた。早すぎる? 当然だよ。なんなら打者一巡した三回終了時に代えても良かった。今のメルセデスは急に崩れる。信用できないからね。とにかく先発陣を立て直すこと。入れ代わり立ち代わり使うのではなく、踏ん張れる投手をそろえる。これは大きな宿題だよ。(本紙専属評論家)
◆なぜその話題になったのかは、2人とも思い出せずにいました。「なんとなく、ウナギの話になったんですよ。福島(大阪市福島区)に、でっかい卵焼きとウナギがのった鰻玉丼のおいしい『いづも』という店があるんです」トラ番サブキャップ新里公章です。するとその話をふられたビヤ樽編集委員三木建次が「福島区なら『菱東(ひしとう)』もうまいぞ」と、口がウナギになってしまったらしい。で、ウナギを食べにいくから付き合え-となって阪神の試合前練習を取材後に出かけたのが甲子園球場から近い吉野家でした。吉野家かい? と思いましたが、「何を言う。吉野家の鰻重、1000円するんでっせ」。ゲンをかつごうとしたのかもしれません。ビヤ樽は前日2日は、人気野球漫画のキャラクターがラッピングされている「ドカベン電車」に遭遇しています。「自宅の最寄り駅で甲子園に行く急行を待っていたら、梅田行きのドカベン電車が反対側から入ってきて、スマホで撮影した。周りの人たちも撮ってたわ。8月1日のお披露目式典は取材したけど、走っているのを見るのは初めてやった。『これはいいことがあるぞ』と思ったんやけど」2日はいいことは起きませんでした。2-0を追いつかれて、まさかの延長12回引き分けです。「きょうは雨の中断とか延長もなしに、3時間くらいで終わってほしい。藤浪やから大丈夫やろうけど」8月に先発ローテーションに復帰してからずっと好調の藤浪が先発。ビヤ樽の信頼も絶大でした。そして、奮発した鰻重を平らげて球場に戻ってきたビヤ樽の目には、頼もしい光景が飛び込んできていたんです。「チケット前売り完売や。今年最後の甲子園での巨人3連戦で、土曜日やからやろうな。今の時間(話していたのは午後5時ごろ)でもうスタンドの半分くらいお客さんが入っている。ファンの出足も早いわ」試合開始の1時間も前にスタンドの半分が埋まるのは最近では見かけなくなった光景で、須藤佳裕も驚いていました。「球場に来るときに、『本日の当日券はありません』という車内アナウンスが流れていました。夏休みも終わっているのにすごいなあ、やっぱり伝統の一戦なんだなあとあらためて思いました」今季最多の4万2620人が詰めかけていました。阪神の観客動員数は3日時点の主催61試合で220万4465人。200万人を超えているのは12球団で阪神だけ。2位が巨人の主催63試合で198万6430人ですから、ダントツです。ビヤ樽は「だからこそ2位を狙わないかん」と力説してこう続けました。「2位になって甲子園でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージをやれたら、4万人以上の応援があるから断然有利になる。収益も出るから、阪神電鉄にとっても大きい」サブキャップ新里もうなずいています。「残り試合は、阪神が17でDeNAは27。この10試合分がどっちにどう転ぶか。DeNAとの直接対決は3試合しか残っていないけど、何が起きるか、まだまだわからないですもんね」3日はDeNAとの差を縮めることはできませんでしたが、残り17試合のうち11試合を甲子園で戦えるタイガース。ファンの大声援がある。最後の踏ん張りどころです。
◆アハハハ...巨人の原さんがさ~、先発・メルセデスをまだ1失点の四回途中で交代させるってことはさ~、とてつもなく巨人軍は追い詰められていまーす!!って宣言しているってことでしょうが!それなのに、ああ、それなのに。ヒットを放ったのは近本と大山の2本と...え~と、え~と、この4本ポッキリやないかー!! 揚げ句、久々に出ました~。藤浪の得点を許すワイルドピッチならまだ持ち味として許せるけど、記録に表れないエラーがいくつあったんや!! もう怒る気も起こらんことに腹が立つー!!ちゅーか...。阪神一筋に見てると、秋の気配が始まるこの頃になると、アルカンタラの日本最後のマウンド姿を...マルテのもしかしたらこれが最後の打席...と、虎の助っ人の姿を心のカメラに焼き付けるのに俺は忙しいんです。なので試合のほうは矢野さん、テキトーに勝っといてやー!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
70 | 48 | 2 | 0.593 (↓0.005) | - (-) |
23 | 532 (+1) | 462 (+5) | 150 (-) | 63 (-) |
0.254 (↑0.001) | 3.470 (↓0.01) |
2 (-) |
DeNA |
61 | 53 | 2 | 0.535 (↓0.005) | 7 (-) |
27 | 411 (-) | 431 (+4) | 96 (-) | 40 (-) |
0.253 (↓0.001) | 3.390 (-) |
3 (-) |
阪神 |
61 | 62 | 3 | 0.496 (↓0.004) | 11.5 (-) |
17 | 426 (+1) | 361 (+7) | 76 (+1) | 96 (-) |
0.243 (↓0.001) | 2.560 (↓0.03) |
4 (-) |
広島 |
58 | 65 | 3 | 0.472 (↑0.005) | 14.5 (↑1) |
17 | 470 (+4) | 474 (-) | 78 (-) | 25 (+1) |
0.254 (↑0.001) | 3.480 (↑0.03) |
5 (-) |
巨人 |
57 | 64 | 3 | 0.471 (↑0.004) | 14.5 (↑1) |
19 | 472 (+7) | 533 (+1) | 134 (-) | 54 (+1) |
0.242 (-) | 3.860 (↑0.02) |
6 (-) |
中日 |
53 | 66 | 1 | 0.445 (↑0.004) | 17.5 (↑1) |
23 | 343 (+5) | 430 (+1) | 57 (+1) | 49 (+1) |
0.245 (-) | 3.400 (↑0.02) |
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