阪神(☆6対5★)広島 =リーグ戦20回戦(2022.08.31)・阪神甲子園球場=
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広島
0010400005801
阪神
00041010X61100
勝利投手:浜地 真澄(1勝2敗0S)
(セーブ:ケラー(0勝2敗3S))
敗戦投手:森浦 大輔(1勝5敗0S)

本塁打
【広島】菊池 涼介(6号・5回表3ラン)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は1点を追う4回裏に大山、木浪、梅野の適時打で4点を挙げ逆転する。その後5-5となって迎えた7回には、ロハス・ジュニアの犠飛で再びリードを奪った。投げては、3番手・浜地が今季初勝利。敗れた広島は、投手陣が振るわなかった。

◆今季の阪神伊藤将司投手(26)は甲子園で7試合先発して6勝0敗。甲子園の黒星は昨年7月10日が最後で、同年9月1日から9連勝中。この連勝中の防御率は1・19と、本拠地で抜群の投球が続いている。

◆3位阪神は4位広島に連勝を狙う。先発の伊藤将司投手(26)は8月2日巨人戦で8勝目を挙げて以降3連敗中だが、本拠地甲子園では昨年から9連勝中と得意としている。糸原健斗内野手(29)が「2番・三塁」で、8月26日の中日戦以来のスタメン復帰。広島先発の九里亜蓮投手(30)には6打数3安打の打率5割をマークしている。

◆この日は人気アニメ「終末のワルキューレ」とコラボし「終末のワルキューレナイター」として開催された。アニメ内でゼウス役の声優を務める高木渉さん(56)がファーストピッチセレモニーに登場。見事にノーバウンドでストライク投球を決めてみせた。「届いてよかったです。最高でした。幸せでした」と場内で感想を述べ、その後はアニメ内のゼウスになりきり、迫力満点の試合前選手呼び出しを行った。取材に応じた高木さんは「今日は阪神と広島のすごく大事な時期で、大事な試合。ガチのタイマン勝負をやっていると思いますが、ワルキューレの方も人類と神々のタイマン勝負をして、その中に友情だとか信頼だとか、そういう家族愛だとか、そういうものがアニメでも描いてますので、ぜひ、これからも皆さんに見ていただきたい。そして、今日はこの後、このタイマン勝負を、試合を見ながら、みんなと一緒に盛り上げたいと思います!」とPRした。この日から公式オンラインショップなどでコラボグッズが発売開始。また、来場者にはオリジナルクリアファイル、原作漫画の第1話試し読みができる小冊子がプレゼントされた。「終末のワルキューレ」は、神々と人類代表が、人類存亡をかけて戦いを繰り広げるバトル漫画。18年より連載が開始され、昨年アニメ化された。23年にはNetflixで第2期「終末のワルキューレ2」が放送開始予定。同作品の公式サイトには、青柳晃洋投手(28)が「先が気になるところでちょうど終わっているので、早くやってほしい」と期待のコメントを寄せている。

◆阪神才木浩人投手が9月1日の広島戦(甲子園)に4勝目をかけて先発する。甲子園では今季2試合に先発して1勝、防御率1・50。「甲子園は嫌いじゃない。やっぱり広いし、投げやすい印象がある。結構思い切り投げられると思うので、大胆に攻めながら投げていけたら」とプランを描いた。広島戦は右肘トミー・ジョン手術前の19年5月以来。その時は勝ち投手になっている。

◆主砲の「同点打2本」が勝利を引き寄せた。阪神大山悠輔内野手(27)が窮地をはね返す快打を連発だ。4点を奪われて3点リードを逆転された直後の5回、本領を発揮した。2死一塁で剛腕コルニエルと向き合った。2球目だ。一塁走者の佐藤輝が二盗に成功。大山は打席で冷静だった。「輝が盗塁してくれたのでタイムリーになった。得点圏になったのでそういう意味では、より集中できた。逆転されて、すぐに同点にできたことはよかった」昨季165キロを計測した助っ人の球威にも動じなかった。159キロをファウルで逃げた直後、スライダーを狙いすましてとらえた。技ありで二遊間を破った。ショックの残る4失点を帳消しにする同点打だ。矢野監督も「2死からタイムリー。逆転された後だったので『よし、もう1回いくぞ!』と。2死からでしたし、すごくいい1点」と最敬礼。ナインを鼓舞した。心に重しがあるから、窮地で踏ん張れる。前日8月30日広島戦は8回、決勝本塁打を放った。ヒーローは称賛される。だが、大山の胸中は違った。「チャンスは全部打とうと思ってますし、しっかり反省して試合に入った」。会心のアーチに満足せず、得点圏での2度の凡退を悔いた。毎日が新しい1日だ。この日の試合前練習。フリー打撃は前日と同じように右方向の軽打から始め、ミートポイントなど感触を確かめた。丁寧な作業を1つずつ重ねて試合に臨む。地に足がつくから大黒柱は揺るがない。思いをぶつけたのは1点を追う4回だ。1死一、二塁。九里の外角スライダーをバットの先端でとらえて左中間に落とした。渋い適時二塁打で同点に戻していた。新型コロナウイルス感染からスタメン復帰した8月19日巨人戦以降は打率4割。78打点はリーグ2位だ。主力らしく、堂々たる姿が頼もしい。【酒井俊作】

◆広島菊池涼介内野手(32)がスタメン復帰戦で先制打&逆転弾を放った。新型コロナウイルス感染により、8月14日巨人戦以来の先発出場。0-0の3回2死三塁では阪神伊藤将から左前に先制適時打を放った。2点を追う5回1死一、二塁では同じく伊藤将から左翼席へ逆転の6号3ラン。「いい風に乗ってくれた」。甲子園では19年9月21日以来、3年ぶりの1発をたたき込んだ。

◆阪神伊藤将司投手(26)の甲子園10連勝は、次戦以降にお預けとなった。3回に広島菊池涼に適時打を打たれ、先制を許すも、4回に味方打線が一挙4点を奪って逆転。だが4-1で迎えた5回、野間の適時打に続いて菊池涼に逆転3ランを打たれた。菊池涼には3月30日の今季初顔合わせで4打数2安打。この日もここまで3打数2安打と打ち込まれ、5回5失点で6回からマウンドを岩崎に譲った。降板後、伊藤将は「野手の方々に逆転してもらった次の回に、ああいった形ですぐに逆転を許してしまい、チームに申し訳ないです」と悔やんだ。

◆阪神が打ち合いを制した。2連勝で3カードぶりの勝ち越しを決めた。同点の7回、1死満塁からメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が右犠飛を放って勝ち越した。打線を引っ張ったのはこの日も大山悠輔内野手(27)だった。前日30日、決勝弾を放っている5番打者は、0-1の4回1死一、二塁から左中間を破る同点二塁打。木浪聖也内野手(28)の遊撃内野安打で1点勝ち越し、梅野隆太郎捕手(31)にも2点中前打が飛び出した。打者一巡で4点を奪って九里亜蓮投手(30)をKOした。直後の5回4失点で再逆転されたが、今度も大山の一打で追いついた。その裏2死から佐藤輝明内野手(23)が右前打で出塁。今季10個目の盗塁を決め、大山がこのチャンスで中前にしぶとくはじき返した。先発の伊藤将司投手(26)は5回5失点とピリッとしなかった。3回に先頭への四球から失点。打線が4-1と逆転に成功した直後の5回には3ランを浴びるなど4失点で再逆転を許した。打線がすぐに追いついたため勝敗はつかなかった。6回以降は岩崎優(31)、浜地真澄(24)、湯浅京己(23)、カイル・ケラー(29)と無失点でつないで逃げ切った。

◆阪神浜地真澄投手(24)に3年ぶりのプロ3勝目がついた。冷や汗の無失点だった。7回無死一塁から秋山、長野のベテラン勢を空振り三振にしとめたが菊池涼に右前打され一、二塁。最後の西川は鋭い打球の中飛。小さく右手を握って喜んだ右腕は「どんな場面、状況でもゼロは意識しているのでよかった。いい打者が並んでいる打線なので、打者を見ながら勝負していこうと思った」と胸をなで下ろした。

◆広島は今季30度目の逆転負けで借金は今季最多に並ぶ「8」に膨れた。同点の7回には近本光司外野手(27)、佐藤輝明内野手(23)と並ぶ場面で森浦大輔投手(24)を投入。森浦は対左打者の被打率が高く、結果的に2人に連打を許し、決勝点につながった。試合後の被打率は対右が2割5分3厘、対左は3割3分9厘となった。佐々岡真司監督(54)は試合後、森浦起用の意図、今後の秋山翔吾外野手(34)の見通し、一時逆転の3ランを放った菊池涼介内野手(32)についてコメントした。一問一答は以下の通り。-7回、相手に左打者が続くところで左打者の被打率が高い森浦を選択「その辺は流動的なのでね、勝ちの形は。矢崎は勝ち越したら8回のところであるだろうし、7回というところで流動的に考えていました」-左が続く場面だがターリーが前日に打たれたばかりとあって難しい選択を強いられた「(ターリーの選択肢も)ないことはなかったけど、昨日投げた中で。みんなで6、7回を流動的にいろんなパターンで考えていた」-7回の攻撃。磯村が出たところで代走を送らなかったが「考えたけれど、8、9回であれば(代走を)考えたが、7回というところで」-菊池涼はさすがだった「これだけ離脱などがあったが、引っ張っていってくれている。菊池はコロナ前からも本当に引っ張ってくれていたのでね」-秋山が途中出場。明日は先発か「明日から先発と考えていた中で今日は途中からね。打席、守備とどんどんと慣らしていって明日先発というところで。今日は5回からいって、1、2イニング早い起用になったがいろいろと考えて、仕掛けないといけなくなった」-明日が大事「明日だけでなく1つ1つ、毎日毎日が大事になる。2つ負けたので」

◆阪神が2連勝で3カードぶりの勝ち越しを決めた。同点の7回1死満塁からメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が右犠飛を放って勝ち越した。大山悠輔内野手(27)は2度の同点打で打線を引っ張った。先発の伊藤将司投手(26)は5回5失点だったが6回以降、4投手が無失点リレー。1点差をものにした。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-昨日とは違った展開で1点差の勝利「ドキドキしながら見ていた。よく粘ってくれた」-打線がつながった。ポイントは「点を取られたあと(5回に)テル(佐藤輝)が走って、2死からのタイムリーで同点。逆転された後だったので『よしもう1回行くぞ!』という、すごくいい1点だったと思います」-大山は頼もしい「今日はそれぞれがいろいろな形で絡むという、みんなが盛り上がるような点の取り方ができたので、そのあたりも大きいかな」-ロハスも犠飛や四死球と内容のある打席「いつも必死にやってくれている。最低限の仕事をしてくれました」-伊藤将の投球内容は「8番への四球が2回とも点につながった。点を取ったあと、あそこを抑えればチームも将司も勝てる展開。この悔しさを次にぶつけてくれると思います」-6回以降のリリーフ陣が流れを持ってきた「もちろん。信頼している投手陣が粘ってくれたので申し分ないです」-浜地に勝ちがついた「まあ中継ぎはタイミングがあるんでね。防御率とか試合数とかホールドとかが一番、浜地の価値を見られる数字だと思う。2軍監督をやっている時から能力があると思っていた。勝ちパターンの中に浜地が入り、この舞台でやれる面白さや悔しさを味わえて、しっかり成長してくれていると感じる」-佐藤輝はもともと走れる選手だが(5回の)二盗はいい場面で「隙があってああいう風にいく姿勢は自分たちの野球なんで。チャレンジしてくれた結果が同点に結びついたと思う。打撃でもいい役割を果たしてくれた」-大山は勝負強い「走者が出た場面でかえすとかホームランが悠輔に一番求められているところ。それを今しっかりできている。打率も上がってきているし、ホームランもまだまだ打ってもらいたい。チームを引っ張ってくれる、頼りになる存在」

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が足とバットで勝利を呼び込んだ。5回に右前打で出塁すると、今季10個目の盗塁に成功し、同点のホームを踏んだ。2ケタ盗塁はチーム4人目で、82年以来40年ぶりのカルテット誕生となった。7回にはつなぎの二塁打で、勝ち越し点を演出。長期ロード明けの甲子園2連勝に、4番が貢献した。自分のことのように喜んだ。視線の先にはベンチで歓喜あふれるロハスがいる。タッチアップで三塁に到達した佐藤輝も、強くうなずいた。先制され、逆転し、逆転され、追いついたシーソーゲーム。4番のつなぎが勝利に結びついた。4番が打線の潤滑油になった。5-5の7回1死一塁。左腕森浦から、左翼ライン際にライナーではじき返す二塁打を決めた。好機を拡大させ二、三塁。大山の申告敬遠で満塁となり、助っ人のV犠飛につなげた。「結果的に打線がつながるヒットになったことがよかったと思います」。1点ビハインドの5回もそうだ。右前打で出塁後、今季10個目となる二盗に成功。「狙っていましたし、思い切ってスタートを切ることができた」。近本、中野、島田とあわせチーム4人の2桁盗塁は球団40年ぶりの快挙だ。直後の5番大山の同点打を足でアシスト。チーム方針を貫き積み重ねた数字を誇りに思う。「走れる時は積極的に狙っていくのが矢野監督の野球のスタイル。1つ、自分の中で目標にしていた2桁盗塁ができたことはよかったですし、去年はできなかったので、めっちゃうれしいです!」ビッグな夢を託したくなる男だ。20年秋、ドラフト指名あいさつで近大を訪れた矢野監督から、驚くべき通達をされた。「トリプルスリーのさらに上、『40-40』も狙って欲しい。誰も追いつかないようなところまでいってもらえたら」-。187センチの巨体でも50メートル走は6秒フラット。規格外の目標を求めるのも納得できる。外野の間を破れば大きなストライドで次の塁を狙い、二塁打31本はリーグトップ。軽快な三塁&右翼守備も含め、足は随所で光る。4回は四球で出塁し木浪の適時打で生還。2安打1盗塁で得点に絡みまくり、指揮官も「隙があって、ああいう風にいく姿勢は自分たちの野球。チャレンジしてくれた結果が同点に結びついたと思う。打撃もいいつなぎ」とたたえた。8月連勝締め。走れる4番がスパートを加速させる。【中野椋】佐藤輝が今季10個目の盗塁を決め、阪神の2桁盗塁者は近本24、中野20、島田18とあわせ4人となった。球団では、82年の北村照文25、アレン22、真弓明信11、佐野仙好10、岡田彰布10の5人以来、40年ぶり。○...梅野が復帰2試合目で、2点適時打を放った。4回に2-1と勝ち越し、なお1死満塁で九里のスライダーを中前にはじき返した。「しっかり自分のスイングで打ち返すことができました」。会心の当たりで4-1とリードを広げた。8月28日に鼻づまりの症状を訴え、感染拡大防止の対象選手として出場選手登録を抹消されたが、検査で新型コロナウイルス陰性と判定された。同30日の広島戦で実戦復帰し、この日は同27日中日戦以来の先発出場だった。○...木浪が4回、一時勝ち越しとなる適時内野安打を放った。大山の適時打で1点差を追いつき、なおも1死満塁。広島九里のチェンジアップを捉えて遊撃への勝ち越し打に。「(カウント2ストライクと)追い込まれてしまい、当たりはよくなかったですが、いいところに転がってくれました」と、8月9日DeNA戦以来の打点にほっとした表情を見せた。○...新守護神ケラーは大拍手の中、登場した。すっかり信頼を得た右腕は最速155キロの速球で押して得意のカーブを決め球に3者凡退。2日連続の1点差ゲームを締めくくり、3セーブ目を挙げた。ブルペン陣の踏ん張りに「みんなすごくいい人で、仲良くしてくれるし大好きだよ。彼らと同じように僕もゼロを並べたかった。ブルペンの結束を大事にしたいし、その一部にいられてとても光栄だね」と喜んだ。○...湯浅は1点を勝ち越した直後の8回を、危なげなく乗り切った。1発が怖いマクブルーム、坂倉をともに空振り三振。1安打されたが小園を遊飛に打ち取った。「いい打順(4番)からでしたけど、いつも通り強気で攻められた。流れを渡さないような投球を心がけました」。18試合連続の無失点。「8回の男」は約2カ月間、ゼロ行進を続けている。○...岩崎が6回に登場し、試合を落ち着かせた。両先発が乱れて中盤は点の取り合いになった。追いついた後に2番手で登板し、3者凡退。直球、変化球ともほぼ梅野の要求通りに投げ分けた。3試合連続の無失点で、抑えの座を外れてから初のホールドもついた。「スグルらしく投げられていたとは思う」と矢野監督。シーズン正念場に欠かせない左腕の状態は上向きだ。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が7回に決勝の犠飛を放った。同点の7回、目の前で5番大山が申告敬遠され1死満塁。広島の左腕森浦の内角直球を右翼へ。三塁走者近本が勝ち越しの本塁を駆け抜けるのを確認するとロハスは手をたたきガッツポーズで喜んだ。「森浦はいいチェンジアップを持っているので、コンパクトにいった方がいい」と、確実性を重視した。森浦には前回5月11日に代打で対戦し空振り三振。翌日に2軍降格しただけに「そのリベンジをと思った。それよりも勝利に導けてうれしい」と笑った。もう1日早ければ父に活躍する姿を見せられた。父ロハスさんはメジャーのエクスポズ(現ナショナルズ)などで通算34勝を挙げた右腕。2週間ほど滞在し、この日帰国した。「来ている期間に本塁打を1本も打てなかったけど」と残念そうだったが、8月は21試合に出場し打率3割2分8厘、4本塁打、13打点と大活躍。大山ら多くの主力が新型コロナウイルスで離脱する中、穴を埋めた。2年契約の最終年も残り20試合。お立ち台で「カツデー!」と叫んだ。自身の残留アピールももちろんだが、何よりもチームの勝利に貢献する。【石橋隆雄】

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は伊藤将司投手(26)が先発する。最近3試合は粘りの投球をみせながらも3連敗。ただ、甲子園では登板9連勝中と相性のいい本拠地で久々の勝利をつかむ。打線は糸原が「2番・三塁」で26日の中日戦(バンテリンドーム)以来、4試合ぶりにスタメン復帰。広島先発の九里とは今季対戦打率・500(6打数3安打)と相性のよさを発揮し、チームを勝利に導く。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が四回に同点二塁打を放った。「同点のチャンスの打席だったので何とかしたい気持ちでした。スライダーを何とか打ち返すことができてよかったです」0-1で迎えた四回だった。1死から近本が中前打を放つと、佐藤輝が粘って四球でつなぎ、一、二塁の好機。カウント1-1から3球目、九里の126㌔変化球を振り切った。打球は左中間を破る適時二塁打。30日の同戦では、決勝の23号ソロを放った男が、2夜連続でチームを救った。打線はなおも1死満塁と好機を作ると、木浪が遊撃へしぶとく適時内野安打を放ち、勝ち越した。さらに梅野にも2点中前打が飛び出し、4-1と一気にリードを広げた。

◆先発した阪神・伊藤将司投手(26)が痛恨の一発を浴びた。打線が奮起し、4-1と逆転して迎えた五回のマウンド。先頭の小園に左前打を浴びると、磯村に四球で無死一、二塁。代打・秋山は空振り三振に仕留めたが、野間に中前適時打を許し、4-2と迫られた。なおも1死一、二塁で打席には2番・菊池。その初球だった。打った瞬間、スタンドインと分かる打球は、無情にも左翼ポール際に吸い込まれる逆転の6号3ラン。伊藤将は自身登板4試合ぶりの勝ち投手が目前で一転、痛恨の一球にがっくりとうなだれた。

◆阪神が再び同点に追いついた。4-5と逆転されて迎えた五回。広島の3番手・コルニエルに対し、2死から佐藤輝が右前打を放って出塁する。続く大山の2球目、スタートを切った佐藤輝が今季10個目の盗塁を決めてチャンスメーク。四回に同点打を放った大山に再び命運を託した。大山はカウント1-2から4球目、コルニエルの137㌔スライダーをしぶとく中前に。佐藤輝が二塁から一気に同点のホームを踏んだ。

◆阪神・岩崎優投手(31)が六回のマウンドへ。坂倉を二ゴロ、上本を二飛、小園を三ゴロに仕留め、三者凡退に抑えた。25日のDeNA戦(京セラ)以来、中5日での登板だった。今季25セーブをマークし、守護神を務めてきた左腕だが、最近数試合はケラーが九回を締めていた。矢野監督は、岩崎の起用法について、「優(岩崎)に関しては、どこでどうとかいうのは今決めていないような状態」と話していたが、役目は変わっても、しっかりと仕事を果たした。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が勝ち越しの右犠飛を放った。5-5で迎えた七回。1死から近本が中前打を放つと、佐藤輝が左翼線に二塁打を放ち、チャンスメーク。大山が申告敬遠で1死満塁の絶好機を作った。打席にはこの日、無安打のロハス。カウント2-0から森浦の144㌔直球をとらえた。飛距離十分の右犠飛で三走・近本が勝ち越しのホームへ。阪神が再びリードを奪った。

◆阪神がシーソーゲームを制した。0-1で迎えた四回1死一、二塁の好機で大山が左中間を破る同点打。なおも1死満塁で木浪が適時内野安打を放って勝ち越すと、梅野にも2点中前打が飛び出し、4-1と一気に逆転した。しかし、直後の五回、先発の伊藤将が崩れた。1死一、二塁から野間の適時打で2点差とされると、菊池に左翼ポール際へ逆転の3ランを被弾。4-5と試合をひっくり返された。それでも、この日の猛虎打線はあきらめない。五回2死から佐藤輝が安打と盗塁でチャンスメークすると、大山がこの日2本目の同点打を放って試合を振り出しに戻した。七回は近本、佐藤輝、大山のクリーンアップで満塁の好機を作ると、ロハスが決勝の右犠飛。七回からは浜地、湯浅、ケラーとつなぎ、逃げ切った。阪神は今季苦戦していた広島相手に連勝で借金を再び1とした。

◆阪神が競り勝った。4―5の五回に大山の適時打で追い付き、七回にロハスの犠飛で勝ち越した。3番手の浜地に3年ぶりの白星が付いた。広島は菊池涼が6号3ランを含む3安打で4打点を挙げたが、投手陣が踏ん張れなかった。

◆阪神は七回1死満塁からのメル・ロハス・ジュニア外野手(32)の右犠飛が決勝点となり、4位広島に3・5差とした。大山悠輔内野手(27)が四、五回と2打席連続の適時打。佐藤輝明内野手(23)はプロ2年目で初の2桁盗塁をマークした。伊藤将司投手(26)は五回に菊池涼介内野手(32)に3ランを浴びるなど、5回5失点で降板し、甲子園10連勝はお預けとなった。六回から岩崎優(31)、浜地真澄(24)、湯浅京己(23)、カイル・ケラー(29)の4投手が盤石の投球を見せた。勝ち投手の浜地は2019年8月11日の広島戦(京セラ)以来の白星。チームは18度目の1点差勝利を飾った。8月を12勝14敗で終え、勝負の9月に向かう矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り(チーム成績60勝61敗2分=残り20試合、観衆3万4685人)。(テレビインタビュー)ーー初戦と違った展開で1点差の勝利「毎日絶対勝ちたいですけどね。今日もそういう思いで戦っていたんで、ドキドキしながら見ていましたけど、よく粘ってくれました」ーーポイントになった選手、場面は「ちょっと難しいですけどね。点を取られた後に輝が走って、2アウトからのタイムリーで同点にね(五回2死から右前打で出塁後に二盗成功。大山の適時打で同点)。逆転された後だったんで、あの1点は『よしもう一回行くぞ!』っていうね、2アウトからでしたし、すごくいい1点だったかなと思います」ーー大山は頼もしい「ホームランという形でなく、いろんな形で絡むという、チーム全体で盛り上がるような点の取り方ができたので、大きいかなと思います」ーーロハスも犠飛や四死球と内容のある打席「いつも必死にやってくれています。ヒットとか長打が出たら良かったですけど、最低限の仕事をしてくれました。良かったと思います」ーー伊藤将の投球内容は「8番(磯村)に四球が2回(三、五回)とも点につながりましたし、点を取った後、抑えれば勝てる展開だったんで、悔しさをぶつけてくれると思います」ーー本拠地に帰ってきて連勝「残り試合も本当に少なくなっていますし、一つでも勝って上に行くために戦っている。甲子園で、たくさんお客さんに来てもらっていますし、相性のいい球場なんで本当に心強いです」ーーラストスパートの1カ月を迎えて「毎日必死で戦うだけですけど、今日みたいに全員で戦う野球を見せたいですし、あきらめない野球を続けていきます」(囲み)ーー六回以降のリリーフ陣が流れを持ってきた「もちろんもちろん。信頼している投手陣がランナーを出しながらも粘ってくれたんで申し分ないです」ーー岩崎の投球内容「う~ん、特別どうこうはないけど、まあまあ...うん、どうなんやろ。スグルらしくは投げられたとは思うんだけど」ーー浜地に勝ち星「中継ぎはそういうタイミングであったり、そういうのがあるんでね。勝ちが付くよりも、防御率とか試合数とかホールドとか、そういうところに一番、浜地の価値を見られる数字だと思う。能力があるピッチャーなんで。2軍監督をやっている時から、そう思っていた。今シーズン1軍でずっとね。1回離脱があったけど、それ以外はずっと1軍で投げてくれているのは、勝ちパターンの中に入っているのはアイツ自身も、プロに入って初めてというか、この舞台でやれる面白さや悔しさや、いろんなことを味わえていると思う。成長してくれてると感じています」ーー佐藤輝は走れる選手だが、二盗はいい場面「走れるというかね、拓夢やチカみたいにはいかないけど、隙があって、いく姿勢は自分たちの野球なん。チャレンジした結果が同点に結びついた。打撃もいいつなぎというか、役割を果たしてくれたので良かったです」ーー2度試合をひっくり返した「もちろん、簡単なことじゃないけど、どんなスポーツでも流れはあるけど、将司が4点取った後にもちろんゼロや1点で抑えてくれれば、流れがくると思うけど。流れが向こうに行ったり、こっちに来たり、シーソーになったけど、最後にみんなで流れを持ってこれたのは、全員が絡んだ試合ができたと思います」ーー大山は勝負強い「走者が出た場面で返すとかホームランが一番求められているとこやし今、できている。打率もまた上がってきているし、ホームランもまだまだ打ってもらいたい。チームを引っ張ってくれる頼りになる存在になってくれている。もっと打ってもらいたいですね」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(57)は5回5失点で降板し、4戦勝ち星ナシとなった伊藤将司投手(26)に言及。Aクラス死守、クライマックスシリーズ(CS)突破のためには、伊藤将の復調が不可欠だと力説した。前半戦は苦しんだ広島に対して、甲子園で2連勝。しかも逆転されて再逆転するという今季の阪神ではあまり見られなかった展開での勝利は、今後に向けて弾みがついたはずだ。気になるとすれば先発した伊藤将の疲れ。最近は好投しながら3連敗していたが、立ち上がりから明らかに状態が悪かった。本来ならストレートを生かすはずが、梅野は変化球の割合が非常に多いリード。本調子ではなかった証拠だろう。今後は、いかに疲労を回復しながら、調子を上げていくかがポイントになる。3位以内に入るのが至上命令の阪神。確率は決して高くないが2位になる可能性も秘めている。そのためには、自慢の先発投手陣の状態を維持することが重要になってくる。その中でも伊藤将の復調は最重要ポイント。幸いにして9月は他球団に比べると日程的に恵まれている。甲子園での試合が多いこともアドバンテージになる。これを生かして、ベンチが伊藤将をケアして、本調子に戻せるか。Aクラスへ、さらにはCSを勝ち抜いて日本一を目指すためにも必要不可欠だ。残り20試合。矢野監督にとって最後の戦いを少しでも長くするために、選手も一丸となって、ファンを楽しませてもらいたい。

◆広島の菊池涼は8月14日以来の先発出場で今季初の4打点をマークした。五回の6号3ランを含む3安打を放ち「コンディションはまだまだだが、起用されれば気持ちを入れてやる」と泰然と話した。1―4の五回に野間の適時打で1点を返してなお1死一、二塁。伊藤将の初球を捉え「いい風に乗ってくれた」と左翼ポール際に放り込んだ。三回は引っ張って左へ適時打、七回は追い込まれてから右前に軽打した。新型コロナウイルス感染から27日に復帰。投手陣が崩れて勝利には結びつかなかったが、存在感を示した。

◆広島の九里は三回まで単打1本に抑えていたが、1―0の四回につかまった。1死から2四球を挟んで4連打を浴びて4失点。3回?でKOされ「中継ぎに迷惑をかけてしまった」。降板時には帽子で太ももをたたき、悔しさをあらわにした。前回登板の24日のヤクルト戦は4回6安打、4四球で3失点。この日も計4四死球と制球が乱れた。四回に3番の近本に安打を許して佐藤輝を歩かせ、大山は適時二塁打。ロハスの四球の後、7、8番に連続適時打されて交代を告げられた。「しっかり練習して、一日たりとも無駄にすることなくやりたい」と巻き返しを期した。

◆阪神は伊藤将が5回5失点で降板した後、救援陣が無失点のリレーで勝利を呼び込んだ。岩崎に続く3番手で七回を抑えた浜地は直後に味方が勝ち越し、2019年8月11日以来の白星を手にした。「どんな場面でもゼロで抑えることを意識している。きょうもそれができてよかった」と納得の表情だった。八回は湯浅、九回はケラーが反撃を断った。矢野監督は「信頼している投手陣。走者を出しながらも粘ってくれたので、申し分ない」と目を細めた。

◆打つべき人が打てば勝つ!! 阪神は広島に6-5で競り勝ち2連勝。借金1とし、きょう1日にも勝率5割復帰だ。大山悠輔内野手(27)が2本のタイムリーを放ち、最後の打席は申告敬遠で歩かされるなど勝負強い姿をみせた。ラストスパートの9月にさらに調子を上げ、チームを最後まで引っ張る。快勝ムードから一転して追いかける展開となった五回だ。虎党から大きな拍手で〝後押し〟された大山がこの日、2度目となる同点打。相手に傾きかけた流れを再び引き寄せ、8月ラストゲームを逆転勝利で飾った。「輝(佐藤)が盗塁をしてくれたので、タイムリーになりました。逆転されて、すぐに同点にできたことはよかった」五回に菊池涼の3ランで4-5と逆転された直後。2死から佐藤輝が右前打の後、二盗成功。大山のハートがさらに熱くなった。1-2からの4球目。「ボールに食らいつくだけでした」。3番手・コルニエルの137キロスライダーをしぶとく中前へ運んだ。0-1の四回、1死一、二塁の好機では、九里の126キロスライダーを振り切ると、打球は左中間を真っ二つに抜ける同点二塁打。「同点のチャンスの打席だったので何とかしたい気持ちでした」。大山が打線に火をつけ、1死満塁から木浪が一時勝ち越しとなる遊撃内野安打、梅野も2点中前打で続いた。5-5で迎えた七回、1死二、三塁で再び巡ってきたチャンス。広島・佐々岡監督が申告敬遠を指示すると、スタンドからはブーイング。続くロハスが決勝となる右犠飛を放ったが、この日のヒーローは間違いなく大山だった。「チャンスは全部打とうと思ってます。(これまで)投手陣に助けられていますし、野手陣が頑張らないといけないと思っていた」2本の適時打で、得点圏打率は・299(107打数32安打)まで上昇。後半戦(球宴後)に限れば、驚異の同・538(13打数7安打)だ。昨年までは好機で打てずにヤジられた。4番から打順が下位に降格されても、なぜか大山の打席でチャンスが回ってくる。井上ヘッドコーチは「そういう星の下に生まれているんだよ。きっと」と不思議がったが、大山は「ホームランよりもチャンスで1本のヒットがほしい」と力を込めた。矢野監督は「悠輔(大山)は走者が出た場面で返すとかホームランを一番求められている。今、チームを引っ張ってくれる頼りになる存在になっている。もっともっと打ってもらいたい」とさらなる期待を寄せた。大山を筆頭に近本、中野らがコロナ感染で相次いで離脱した影響もあって8月は12勝14敗と負け越した。そんな中、大山は夏のロードから1カ月ぶりに甲子園に戻った前日は決勝アーチ。一夜明けて2本の適時打と8月ラスト2試合の勝利に貢献した。「8月はコロナ(感染)でチームに貢献できなかった。(9月は)なんとかしたいという気持ちはあります」と大山。残り20試合、すべてで打つつもりで打席に立つ。(三木建次)

◆打って、走って、見て、2度の同点劇をお膳立てだ。佐藤輝がチャンスメークに徹し、自身初の二桁盗塁も達成した。「1つ自分の中で目標にしていた二桁盗塁ができたことはよかったですし、去年はできなかったので、めっちゃうれしいです!」四回1死一塁の第2打席は四球をもぎ取り、好機拡大。大山の1本目の同点打につなげると、逆転された直後の五回はコルニエルの159キロを右前へはじき返した。続く大山の打席。2球目でスタートを切ると、今季10個目の盗塁をマーク。大山の中前打で2度目の同点のホームを踏んだ。矢野監督は「隙があってああいう風にいく姿勢は自分たちの野球なんで。チャレンジしてくれた結果が同点に結びついた」とたたえた。七回には左翼線に二塁打を放ち、ロハスの勝ち越し犠飛もお膳立て。今季二塁打数は31本でリーグ独走だ。「結果的に打線がつながるヒットになったことがよかった」打点は7試合連続であげていないが、5試合連続安打と好調を維持。次は、ポイントゲッターとして活躍してみせる。(原田遼太郎)

◆気迫が乗り移った打球は、なかなか夜空から落ちてこなかった。ロハスが、日本の投手にも、日本球界にも食らいつく決勝犠飛を打ち上げた。「実は森浦選手には前の対戦で三振して、一度抹消されたことがあったんですけど。そのリベンジをと思って、きょうは何とかランナーをかえしたいと必死で。かえすことができてよかった」お立ち台の上でも正直に〝過去の失敗〟を明かし、燃える思いがあったことを吐露した。5月11日にも同じ場所で同じ相手と向かい合い、1点を追う八回1死二、三塁で空振り三振に倒れた。翌12日に出場選手登録抹消された苦い記憶だった。3カ月以上のときをへて、この夜は同点の七回1死満塁。さらに重圧がかかる場面だったが〝今月のロハス〟ほど頼りになる男はいなかった。右翼へ高々と打ち上げ、三走・近本は滑り込むこともなく本塁を踏んだ。2四死球と1打数無安打1打点だった助っ人砲だったが打ち合いに決着をつける、値千金の犠飛になった。8月4日にも1日だけ抹消されたが、大山が新型コロナウイルスの陽性判定を受け翌5日に再登録された。この激動の8月に、見るものの評価も大きく変動させている。2年契約2年目で推定年俸は2億6000万円だけに、まだまだ数字は物足りないが、8月の成績は打率・328(61打数20安打)、13打点、4本塁打だ。中旬以降だけでも4度目の決勝打を放っているのも頼もしい。新体制となる来季の残留へは、ここからも猛烈に打ち続けるしかない。お立ち台の最後は、虎の助っ人恒例となっている「アノ~、エット~、アシタモカツゾ!」という日本語で締めた。その後の囲み取材では「ニホンゴ、ノーグット」と頭をかいたが、まだまだ日本語に親しむ時間はきっとある。この先のバットの輝きで、今季の残りとその先も、切りひらいていく。(長友孝輔)

◆ピンチの場面でも〝イキのいい〟直球をバンバン投げ込んで、カープ打線を封じ込めた。ブルペン陣の中心的存在に成長しつつある浜地が1回2安打無失点と粘り、直後にロハスの犠飛で勝ち越しに成功。3年ぶりのプロ3勝目をつかんだ。「本当にいい打者が並んでいる打線なので、点が取られないようにというか、いろいろ打線を見ながら勝負していこうとは思っていました」流れがどちらにいってもおかしくない展開でも、24歳は冷静だった。5-5の七回に先頭の磯村に中前打を許す。それでも、続く秋山はすべて直球勝負で3球三振、長野もストレートで追い込んでカットボールでバットに空を切らせた。その後2死一、二塁で西川も149キロ直球で中飛に片付けた。2021年シーズンまで通算26試合登板だった若虎が今季42試合目の登板で矢野虎を勝利に導く力投を披露した。〝ライバル〟の姿も成長の糧にしてきた。八回の男を任され、球宴にも出場した1つ下の湯浅について「ホントに刺激もらってます」と声を弾ませ、2017年ドラフトで同期入団の才木の復活星には、誰よりも喜んだ。「毎日、ずっと(リハビリを)やっているのを側で見ていた。復活してすごい投球をするだろうなと。それに負けないように」と奮起した。ルーキーイヤーのブルペンでの投球練習時。「カメラのシャッター音は、プロなので仕方ないんですが慣れないですね...」と初々しかった背番号36が、不動の地位を確立しつつある。防御率0・92、1勝2敗、17ホールドを記録し、勝利の方程式を務める若虎について、矢野監督も「もともと能力があるピッチャー。2軍監督をやっている時から、そう思っていた」と目を細め、さらなる飛躍に期待を込めた。「この舞台でやれる面白さや悔しさや、いろんなことを味わえていると思う。その中でしっかり成長してくれている」残り20試合。ヒリヒリするような場面での起用はさらに増えてくる。浜地は「どんな状況でもゼロで終われるというのは今年すごい意識していること。それができている」と力を込めた。白星でさらに自信を深め、鮮度抜群の投球で矢野虎の屋台骨を支えていく。(新里公章)

◆阪神タイガースというのは、なんちゅう野球チームやねん!?本日、見事な逆転勝利。前日は主砲・大山の一発に、守っては神リリーフ陣が鯉の反撃をピシャリとおさえ込む!! こんな強いチームあるかー!?のはずが...開幕9連敗するわ、つい先日も8連敗...。そして現在、勝率5割に届かない借金1。強いんか? 弱いんか? どっちなんやー!?でも、それが阪神なんです。今日強くても明日から地獄。もう白旗やー!と根を上げた途端に、あれよあれよの連勝街道。55年、虎党をやってきて正直、全く分からへ~ん!!そんな俺が唯一確信を持ったのは昨日の一振り勝利、本日の四、五回の同点打を放った大山は、絶対に「ミスターカープ」の山本浩二氏の虎版になるということなのだ!!実は大打者・山本浩二氏も新人から、やや年数を重ねて大変身したのだ!! 打席で余裕が出てきた感? あの時の山本浩二氏と大山がダブる!! ま、そのためにはチーム内のライバル、衣笠に佐藤輝明がならないとね!!

◆甲子園のバックネットに赤トンボが1匹。まだまだクソ暑いけれど、秋は確かに近づいている。最近では8月20日前後から2学期がスタートする小中学校も増えて、8・31が夏休み最後の日という感覚ではない子供も増えた。とはいえ、大人たちにとっての8・31は、何年経っても複雑な思い出が交錯する〝夏の特別な1日〟だ。「今でも8月31日って響きは、好きじゃないですね。夏休みの宿題を追い詰められた気分で必死でやって、という記憶です。まあ、プロ野球選手でいえば、1月31日の気分ですよね」トラ番キャップ・長友孝輔が記者席でしみじみとつぶやいた。そうなのだ。さすが、取材力抜群の長友キャップは選手心理を熟知している。プロ野球選手にとってキャンプインの2月1日は「1年の元日」「いよいよ戦いが始まる日」な~んて美しい表現をするが、その一方で「また始まるのかぁ」「ちょっぴり憂鬱」と本音を漏らす選手がいっぱい存在しているのを、「虎のソナタ」も知っている。だから長友の「8月31日と1月31日が似ている説」は、ある意味、正しい。「僕は、夏休みの宿題は速攻で片づけてしまって、ノビノビと遊びまわっていました。8月31日は、島根のおじいちゃん、おばあちゃんを訪ねて、夏祭りを楽しんでいましたね」要領の良さではトラ番史上屈指の優等生・原田遼太郎は、こちらの会話を不思議そうな顔をして(?)笑っていた。まあ、原田は一流の中心選手を目指す超前向きスター選手。長友と虎ソナ筆者は、ベンチ入り当落線上の〝もっと頑張らなくてはいけない〟選手ってことになるのかも。他愛もない8・31談義をしていたトラ番たちだが、最近の〝共通体験〟がある。それは、会う人会う人、100%近い確率で質問されるのだ。「阪神の次の監督って誰?」聞く方々の気持ちは察して余りある。そりゃあ知りたい。こちらも、お答えしたい。即答できずにすみません。答えられるように、日々、力を合わせて取材しています。もう少し、待っていてくださいな。長友キャップが冒頭で口にした「1月31日」。ことしの1・31は特別だった。矢野監督が「今季限りで辞めます」と言い出した日だったのだから。あの日から始まった次期監督問題。あれからちょうど7カ月目の31日-。監督問題も気になるが、少しはタイガースの戦いにも触れなくてはいけないか。なぜなら、すごくいい勝ち方をし始めている...と思うので。逆転、逆転、また逆転。ファンが一番、熱狂する試合展開だった。見ましたか! チャンスに強くなった大山を。見ましたか! 2死から二盗を決めて、次打者のタイムリーで生還した「足のサトテル」を。見ましたか! 大山が申告敬遠されて、怒りをバットにぶつけたロハスの犠牲フライを。すごく強いとは思わないが、何となく頼もしくなってきている。ひょっとすると、ひょっとする勝ち方なのだ。秋深まって、赤トンボが大量に飛び交うであろう9月の末には、タイガースはどうなっていることやら。8月31日は、夢膨らむいい夜だった。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
69472 0.595
(-)
-
(-)
25526
(+8)
457
(+8)
149
(+3)
62
(-)
0.254
(-)
3.490
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
60512 0.541
(↑0.005)
6.5
(↑0.5)
30404
(+3)
425
(+2)
95
(+2)
40
(+1)
0.253
(-)
3.430
(↑0.02)
3
(-)
阪神
60612 0.496
(↑0.004)
11.5
(↑0.5)
20415
(+6)
352
(+5)
74
(-)
94
(+1)
0.242
(↑0.001
2.550
(↓0.02)
4
(1↑)
巨人
56642 0.467
(-)
15
(-)
21463
(+8)
530
(+8)
134
(+1)
53
(+1)
0.242
(-)
3.910
(↓0.03)
4
(-)
広島
56643 0.467
(↓0.004)
15
(↓0.5)
20464
(+5)
466
(+6)
78
(+1)
24
(-)
0.254
(-)
3.530
(↓0.02)
6
(-)
中日
52641 0.448
(↓0.004)
17
(↓0.5)
26338
(+2)
417
(+3)
56
(+1)
48
(-)
0.246
(-)
3.380
(-)