阪神(☆1対0★)広島 =リーグ戦19回戦(2022.08.30)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
00000001X1701
勝利投手:湯浅 京己(2勝3敗0S)
(セーブ:ケラー(0勝2敗2S))
敗戦投手:ターリー(2勝3敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(23号・8回裏ソロ)

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◆阪神が投手戦を制した。阪神は両軍無得点で迎えた8回裏、大山のソロで試合の均衡を破る。投げては、先発・青柳が7回4安打無失点の好投。2番手・湯浅が今季2勝目を挙げた。敗れた広島は、先発・森下が6回無失点の好投を見せるも、打線が振るわなかった。

◆阪神は長期ロードが終わり、7月31日以来の本拠地甲子園での試合となる。注目は不敗神話が続く中野拓夢内野手(26)だ。今季はここまで23打点を挙げているが、中野が打点を挙げた試合では15戦全勝中。また、20年ドラフト同期の佐藤輝明内野手(23)とのアベック打点を挙げると、昨年から16戦全勝中。昨年は7戦全勝でフィニッシュすると、今年も9戦全勝と1度も負けていない。2つの不敗神話が存在しているが、30日から3連戦を予定している広島戦では今季打点は0。セ・リーグ対戦球団別では唯一打点を挙げていない。クライマックスシリーズ進出を争う相手に打点を挙げて、チームを勝利に導きたい。

◆右足のコンディション不良で2軍調整中の阪神ジェフリー・マルテ内野手(31)が1軍に合流した。助っ人は2軍交流戦の巨人戦で、ソロ本塁打を含む2安打、3打点で好調をアピール。8月の2軍成績は6試合で14打数6安打、2本塁打6打点で、守備も一塁についていた。井上ヘッドコーチは「最初はベンチで、いいところの代打要員みたいな。そんな感じでいこうかな」と昇格後の起用法についても話していた。また、感染拡大防止の対象選手として抹消され、新型コロナウイルス陰性と判定された梅野隆太郎捕手(31)も合流し、フリー打撃などで汗を流している。

◆阪神が夏の長期ロード明け初戦に臨む。先発は青柳晃洋投手(28)。今月2日の巨人戦での12勝目を最後に3試合勝ち星から遠ざかっている右腕は、今季広島戦初登板。今季本拠地では無傷の5連勝中で、チームも29勝17敗1分けと大きく勝ち越している。好条件のそろうホームで、自己最多タイ13勝目を目指す。また、右足のコンディション不良から復帰し、この日1軍昇格したジェフリー・マルテ内野手(31)がベンチ入り。井上ヘッドコーチは「いいところの代打要員」と説明しており、代打の切り札としての働きが期待される。ここぞの場面での起用があるか、注目だ。

◆「雨柳さん」の本領発揮?阪神広島19回戦は、試合開始前に雨が強くなり、開始をしばらく見合わせることになった。試合開始前の国歌斉唱が終わり、阪神先発の青柳晃洋投手(28)がベンチ前でキャッチボールを始めた瞬間、雨が降り始め、次第に雨脚が強くなった。1度はマウンドに上がりかけた青柳だったが、審判団が審議し、試合開始の見合わせが告げられた。青柳は「俺のせい?」というようなジェスチャーをとり、苦笑いしながら下がった。青柳は球界屈指の雨男として知られ、「雨柳」さんの愛称で親しまれている。

◆「雨柳さん」も「神整備」にはかなわない?午後6時開始予定だった阪神広島19回戦は、45分遅れで試合が始まった。試合開始前に雨脚が強まり、試合開始を見合わせていた。甲子園では約30分弱、強い雨が降り続けたが、雨が弱まったことが確認されると、同6時28分に阪神園芸のスタッフがグラウンドに登場。マウンドと本塁に敷いてあったシートを回収した。その後、マウンドと打席後方付近に土が入れられた。グラウンドに大きな水たまりはなく、プレーに問題のないグラウンド状態に仕上がった。阪神園芸がマウンドのシートを回収し、プレーボールに至るまで、約15分の「神整備」だった。この日の先発投手は球界屈指の雨男として、「雨柳さん」の愛称で親しまれる青柳晃洋投手(28)。試合開始前の君が代斉唱が終わり、右腕がベンチ前でキャッチボールを始めた瞬間、雨が降り始め、次第に雨脚が強くなった。1度はマウンドに上がりかけた青柳だったが、審判団が審議し、試合開始の見合わせが告げられた。青柳は「俺のせい?」というようなジェスチャーをとり、苦笑いしながらベンチへと下がっていた。

◆雨も力に変えた!?阪神青柳晃洋投手(28)が、プロ初のマルチ安打を決めた。広島森下から、3回にチーム初ヒットとなる二塁内野安打。5回2死では右前打を放った。これで今季6安打目。キャリアハイは21年の7本で、これにあと1に迫った。試合開始直前、青柳がグラウンドでキャッチボールを開始すると、甲子園に突然雨が降り始めた。開始を見合わせる事態となり、結局、45分遅れでプレーボール。直後、青柳は初回にいきなり3者連続三振を奪うなど、好発進を決めていた。球界屈指の雨男で、「雨柳さん」の愛称で親しまれる右腕。降雨をものともせず躍動している。

◆阪神園芸が、この日2度目の「神整備」で試合を続行させた。0-0のまま7回表の広島の攻撃が終わると、試合中盤から降り続いていた雨が、さらに強くなった。ここで審判団はすかさず試合の中断を発表。午後9時9分から同24分までの15分間、選手はベンチで待機した。阪神園芸のスタッフはこの間、マウンドと本塁付近にシートをかぶせ、雨が弱まったタイミングで土を入れた。素早い対応と雨が弱まると判断した的確な予測で、7回裏の阪神の攻撃が無事再開した。この日は午後6時前に雨が強まり、試合開始が遅れていた。この時もスムーズな整備を披露し、45分遅れで試合をスタートさせていた。

◆7月31日以来、1カ月ぶりに甲子園に戻った阪神が、雨中の接戦を制した。0-0の8回、大山悠輔内野手(27)が左翼席に23号の決勝ソロを打ち込んだ。午後6時、プレーボールがかかろうかというタイミングで突然雨が降り出し、開始が45分遅れた。1度マウンドに上がっていた先発の青柳晃洋投手(28)は気勢をそがれることもなく、初回を3者3三振と快調に抑えた。勢いそのままに7回まで四死球なしの4安打に封じ込めた。ここ3試合は安定感を欠き、勝ち星がなかった右腕。広島戦は今季初登板だったが、左打者を7人並べた相手に対し、緩急をつけた本来の投球で寄せ付けなかった。勝ち負けはつかなかったが勝負の9月戦線に向けてエースの復調は好材料だ。青柳は甲子園で8試合負けなしの5勝。ホーム不敗を継続した。チームはここまで広島には4勝12敗2分けと大きく負け越していた。この日は広島森下暢仁投手(25)に苦しめられた。0-0の6回の攻撃は雨脚が強くなる中、無死二塁の大チャンス。だが佐藤輝明内野手(23)、大山、この日から1軍復帰した代打のジェフリー・マルテ内野手(31)と主力3人が三振に倒れた。7回、阪神の攻撃前に雨脚が強まり試合が中断。15分間の中断をへて再開された。2番手の湯浅京己投手(23)がきっちりと8回を抑え、2勝目がついた。

◆雨にたたられることの多く「雨柳さん」とファンに呼ばれる阪神青柳晃洋投手(28)が、雨にも負けない快投を見せた。「ここのところ、自分自身、本当に悔しい登板結果に終わっていた。この登板がラストチャンスくらいの思いでマウンドに上がった。自分としては久しぶりにある程度納得のいく投球ができたかなと思います」。午後6時、プレーボールがかかろうかというタイミングで突然雨が降り出し、開始が45分遅れた。すでに投球練習していた右腕は苦笑い。45分後に再びマウンドに向かうと、気勢をそがれることもなく、初回を3者三振と快調に抑えた。勢いそのままに、7回まで四死球なしの4安打に封じ込めた。7回の攻撃前に雨脚が強まり、15分の中断があった。再開後、青柳は打席に立ったが、送りバントを失敗して、得点できなかった。次の8回からマウンドを譲った。青柳はここ3試合は安定感を欠き、勝ち星がなかった。広島戦は今季初登板。左打者を7人並べた相手に対し、緩急をつけた持ち前の投球術で寄せ付けなかった。勝ち負けはつかなかったが勝負の9月戦線に向けてエースの復調は好材料だ。今季は甲子園で8試合負けなしの5勝。ホーム不敗を継続した。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が、値千金の23号ソロを放った。0-0の8回。広島ターリーから左翼スタンドへ、今月2日の巨人戦以来の1発。雨天中断もはさみ、ずぶぬれになりながらも応援を続けるファン待望の先制点を呼び込んだ。これで6試合連続安打。長期ロード明け、30日ぶりの甲子園での一戦で主砲が意地を示した。

◆やっぱり甲子園は最高や! 阪神が大山悠輔内野手(27)のV弾で、広島との雨中の投手戦を制した。両軍無得点の8回に左翼席へ均衡を破る23号ソロ。長期ロードを終え、30日ぶりに戻ってきた本拠地で白星をもぎ取った。シーズンは残り21試合。猛虎よ、最後まで死力を尽くせ。雲1つない。雨上がりの甲子園の夜空に白球が映えた。大山の放物線は、ファンの抑え切れない歓喜に乗って左翼席へ着弾。みんなずぶぬれになっている。そんなのお構いなしに狂喜乱舞した。「もう、自分が決める気持ちで(打席に)入りました」覚悟を決めた。0-0の8回2死。時計の針は午後9時45分に迫っていた。雨で試合開始が45分遅れ、15分の中断もはさんだ。待ちに待った1点は主砲のバットから。「しっかり狙いを絞って自分のスイングで」。3ボールからターリーの155キロを振り切った。2日の巨人戦以来、28日ぶりの23号ソロ。「相手もランナーを出したくない。3ボールだからこそ、思い切りいけた部分がある」。心を整理し一振りで仕留めた。4回、6回といずれも得点圏に走者を置き凡退。雨の中、粘り続けた先発青柳には「すみません」とベンチでわびていた。「笑ってこたえてくれたので、ちょっと救われました」。エースに報いたい一心だった。9回表。一塁守備に就くと、拍手が響くスタンドへ頭を下げた。時には相手選手がグラウンドに置いたバットを優しく届け、退いた後のイニング間には外野手のキャッチボール相手を務めることもある男だ。プロ6年目。先輩たちから学んできたことを、今度は後輩に-。そんな使命感が、所作のいたるところに宿る。「今まで、先輩方の背中を見てやってきていますし、今度は自分が下の選手を引っ張っていくというか、僕の背中を見て学んでもらえることがあればうれしいので、そういう先輩になれるように」夏の長期ロードが明け、30日ぶりの甲子園でラストスパートへの号砲を鳴らした。残り21試合。雨と汗が染みこんだユニホームで額をぬぐい、誓った。「まだまだ試合は終わっていないですし、どうなるか分からない状況なので、しっかりやるだけ。全員が束になれば、もっともっといい試合ができると思うので、頑張っていきたい」。首位ヤクルトと12ゲーム差の今、背番号3が諦めない虎の象徴だ。【中野椋】大山が8回に決勝弾を打ち、阪神が1-0で勝利。大山の1-0V打は、5月24日楽天戦、7月24日DeNA戦に次いで今季3度目。シーズン3度の1-0V打は15年梶谷(DeNA)以来だが、阪神では71年に藤田平と田淵の2人がマークして以来51年ぶり。阪神は今季18度目の完封勝ち。広島戦では7月19日以来、今季2度目。1-0完封は今季4度目。そのうち3度が大山の打点による勝利だ。ソロ本塁打1本のみでの完封勝ちは今季2度目。前回は5月27日ロッテ戦(ZOZOマリン)で、佐藤輝が9回に抑えの益田からバックスクリーンに運んだ。長期ロード明け初戦の白星は2年ぶり。矢野監督就任後は、19年●、20年○、21年●、22年○となった。▽阪神矢野監督(3ボールから本塁打を決めた大山について)「振りにいくのはもう、当然。悠輔で振らないなんて、他のメンバーでも"待て"のサインなんて出すわけないんだから、振って当たり前。もうホームランしかないだろうというところで、見事に打ってくれた。悠輔らしい、いいホームランでした」○...梅野が1軍に復帰した。28日に鼻づまりの症状を訴え、感染拡大防止の対象選手として抹消。その後、検査を受けて新型コロナウイルス陰性と判定されていた。この日はフリー打撃など通常メニューをこなした。7回に代走で出場し、マスクもかぶり、元気な姿を見せていた。また、新型コロナに感染していた北川打撃コーチも復帰した。○...近本が盗塁数でリーグトップに立った。6回に四球で出塁し、二盗に成功。今季24個目の盗塁を決め、セ1位で並んでいたヤクルト塩見の「23」を抜いた。4回には2試合ぶりの安打となる中前打で出塁。2年ぶりの盗塁王へ向け、ラストスパートをかける。○...代打の切り札のマルテは不発だった。右足のコンディション不良で7月中旬に戦線離脱。この日、再昇格し、6回2死一、二塁で代打起用された。だが森下のチェンジアップに空振り三振。先制点を奪えなかった。試合前「いつも集中してやるだけ。監督やコーチから言われたポジションが、みんなの出て欲しいところ。100%を出せるよう、チームが勝てるようやりたい」と話したが、復帰戦で快音は響かなかった。

◆やっぱり甲子園は最高や! 阪神が大山悠輔内野手(27)のV弾で、広島との雨中の投手戦を制した。両軍無得点の8回に左翼席へ均衡を破る23号ソロ。長期ロードを終え、30日ぶりに戻ってきた本拠地で白星をもぎ取った。シーズンは残り21試合。猛虎よ、最後まで死力を尽くせ。緊迫の投手戦。先発青柳がつくった流れに、阪神ブルペン陣が乗った。8回、2番手で登板した湯浅京己(23)は打者3人を抑え込んだ。先頭の投ゴロを軽快にさばくと、1死から代打マクブルームの内角に直球を突き刺して見逃し三振。「ヤギさんがいい投球をしていたし、雨の中断もあったので何とかいい流れを持ってこられる投球をと思っていた。もっと貢献できるようなアツアツな投球ができるように頑張ります」。23歳のセットアッパーは17試合連続の無失点。2勝目がついた。ホールドポイントを36に伸ばし、リーグ単独トップに立った。1-0の9回を締めたのはカイル・ケラー(29)だった。勢いの戻った常時150キロ台の速球で押し込み、3人切り。8月7日の広島戦(マツダスタジアム)以来の2セーブ目。甲子園では5試合目の登板で初セーブだ。初めてお立ち台に呼ばれた右腕は「大山選手が大きいホームランを打ってくれてセーブがついた。大山選手に感謝したいです。持ち味はストライクゾーンをどんどん攻めること。それがいい結果につながっている。甲子園でのセーブは特別なので、もっと頑張りたい。タイガースファン、サイコーデス!」。開幕戦のセーブ失敗から辛酸をなめ続けてきた助っ人右腕が、頼もしく本拠地のマウンドに仁王立ちした。【柏原誠】

◆粘投実らず。広島森下暢仁投手(25)が阪神19回戦(甲子園)で6回5安打2四球も無失点に抑えた。試合前から雨が降り出す悪天候の中、阪神先発青柳と白熱した投手戦を演じた。ほぼ完璧な立ち上がりから中盤はピンチの連続。それでも要所を締めて、最後までチームの勝利のために右腕を振った。3番手ターリーが8回に決勝弾を浴びて、チームの連勝はストップ。3位阪神とのゲーム差が2.5に広がった。1イニング29球を要しても、耐えた。森下は雨が降り出した6回、球数がかさんだ。先頭近本の四球から二盗で無死二塁のピンチを招いた。それでも佐藤、大山を連続三振に切ると、2死一、二塁から代打マルテを高めチェンジアップで空を切らせた。阪神青柳との白熱した投手戦。6回104球を投げ抜き、無失点と1歩も引かなかった。「もう抑えるしかないと思っていたので、しっかりとアウトを取れて良かったです」序盤を少ない球数で滑り出したからこそ、6回に慎重を期す投球ができた。序盤3回までは1安打の立ち上がりも、中盤は得点圏に走者を進めた。4回は1死一、三塁。5回は2死一、二塁と、3イニング続いたピンチで踏ん張った。「アウトを取らないといけない打者でアウトを取れていない。投手に2本打たれている。ランナーためて、球数も増えている。もっと長いイニングを投げられるようにゲームを作れたら」。青柳より早い6回降板に思わず首をひねった。反省は投球だけではない。5回1死一、三塁での打席ではスクイズに失敗(捕ゴロ)。大きな得点機を逃し「自分がミスして流れというのも変わってしまうので1つ1つのプレーを大事にやりたいと思います」と、9番目の打者として反省を忘れなかった。6回5安打2四球で無失点に切り抜けるも、チームは敗れた。0-0の8回に3番手ターリーが大山に決勝弾を被弾。佐々岡監督は「1発は絶対に避けないといけない。慎重にいってほしかった」と振り返った。投手戦は1球の失投が試合を決めた。復帰したばかりのセットアッパー矢崎がウエスタン・リーグを含め連投だったことが響いた。連勝が止まり、3位阪神とは2・ゲーム差に広がった。【前原淳】○...1番から7番まで左打者を並べた青柳対策は奏功しなかった。3回までわずか1安打。5回は1死一、三塁からスクイズを失敗するなど、4、5回と先頭打者が安打で出塁した流れを生かせなかった。7回まで4安打。8回以降は中継ぎの前に無安打に終わり、今季12度目のゼロ封負けを喫した。佐々岡監督は「投手はよく頑張っていた。今日は打線でしょう。(青柳は)ここ何試合か、ちょっと球自体は荒れていたけど、今日は力もあった。なかなか攻略しづらい」とうなだれた。▽広島朝山打撃コーチ(左打者を並べた打線に)「今日の(青柳の)制球力は良かった。どうしても、右打者には食い込んでくるツーシームと曲がり幅がでかいスライダーは難しい。左打者が何とかするというのが、青柳に対しての鉄則。森下には点を取ってあげられなくて申し訳ない」。○...発熱で離脱していた秋山が1軍に復帰した。28日から練習を再開し、前日29日は休日返上で野間らとマツダスタジアムで調整。臨戦態勢を整えた。「自分なりに体のチェックをするところとか、動きの確認はできたので、そこは良かった」。3カードぶりの戦列復帰。1軍復帰即先発は見送られ、ベンチスタート。最後まで出場機会は訪れなかった。▽広島ターリー(8回2死から大山に決勝ソロを被弾)「3ボールと、カウントを悪くしてしまったのが問題。次の球は狙われるので厳しいところに投げないといけなかったが、振り抜かれてしまった」

◆阪神が8回に大山悠輔内野手(27)の23号ソロで苦手広島との接戦を制した。先発青柳晃洋投手(28)は雨で開始が45分遅れる中、7回4安打無失点と力投した。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-8回に待っていた大山の1発が出た「そうですね、2死になってね、カウントも3ボールになりましたし。僕も思っていましたし、ファンの皆さんもね、もうホームランしかないだろうというところで、見事に打ってくれました」-ベンチから見てどうだったか「角度は良かったんですけどね、いつもの浜風じゃなかったんで、どうかなと思いましたけど。悠輔はちょっといい感触があったんで、悠輔を見ていると行ったんかなと思いました」-本当にいいところでの1発「そうですね、もうホームランしかないというところで、はい。悠輔らしい、いいホームランでした」-雨の中、先発の青柳もよく粘って7回無失点「球の勢いもありましたしね、ここ最近球数が多いっていうところはもちろんあるんですけど。でもこの雨の中、難しい状況の中ね、競っている中で、あそこまで行ってくれたっていうのは本当にヤギの投球が素晴らしかったですし、だからこそね、勝ちを付けてあげたかったですね」-その後は鉄壁のリリーフ陣、9回はケラーに任せた「いやまあ、今のところね、一番後ろはケラーで行こうということになっているんで。そういうところでは落ち着いて投げてくれたかなと思います」-前回は岩崎を7回に登板させ「岩崎ー湯浅ーケラー」の並びも見えてきた「まあその、(岩崎)優に関してはちょっと、どこでどうかというのはちょっと今決めていないような状態なんで。今後、いろんな考えの中から選択していきます」-残り21試合、甲子園で15試合、激しい順位争いが続く「そうですね。残り試合を甲子園でたくさんできるというのは、僕らにとってプラスだと思いますし、今日もこんな雨の中、たくさんのお客さんが来てくれたんで。本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、勝ちで何とかスタートできたんで、明日以降も甲子園で勝つ試合をみなさんに届けていきます」(囲み取材)-カウント3-0からの1球を振りに行った「振りに行くのはもう、当然。悠輔で振らないなんて。他のメンバーでも"待て"のサインなんて出すわけないんだから、振って当たり前でしょ」-それを本塁打にした「それがすごいよね。振りに行くことはできてもね。もちろん、悠輔だって本塁打と思って打ちに行っているだろうし、力みとかいろんなことが出る中で、一発で仕留めたというのは、もちろん簡単じゃないというのは重々分かっているんで。見事な本塁打やったし。悠輔もその前のチャンスで打てなかったっていう思いもあったと思うのでね。そういうのもすべて含めてね、あそこで一発で仕留めたのは見事でした」-青柳は雨で45分開始遅れもありながら。何か声掛けは「まあヤギはもう慣れているし、どうこう言うことは別にないし。ブルペンに行って、また自分で調整っていうか、試合始まるっていう準備をしていたんで。もうそういうところも落ち着いてやれるピッチャーなんで。心配はしていなかったです」-この1戦に懸ける気持ちが出ていた「うんまあ、その気持ちはいつもヤギは出てるし。それとパフォーマンスを一致させるっていうところっていうのは、結果が出なかったときには力みすぎって言われちゃうだろうし。気負いすぎって言われちゃうだろうし。気持ちを入れながらパフォーマンスをしっかりしたものを出すっていうのがやっぱり、ヤギの成長とか経験というか、まあ、そういうものが気持ちを入れた中でもね。また、こんなイレギュラーな形での雨の中断がありながらでも、そういうことができるっていうのは、まあ、ヤギの成長とすばらしさだと思います」-最近は球数も多かったが、夏場での変化というものは「まあまあ、ここまで来たらみんな疲れているし、バッターだって目が慣れているし、どういう配球をしてきてというものを一通り見た中で対戦していくっていうのはやっぱり、普通に考えればそういうふうになっていく傾向にあると思うので、それはもう、ある程度仕方のないというか、そいううところも含めて。まあ、その中でもまた今日は三振っていう形がちょっとあったけど、それよりもその間にどうやって打たせていくかみたいな投球ができるようなったら球数は減るのかなと思うけど、まあ、簡単ではないけど」-7回無死一塁で青柳を打席に立たせてバントを決めたかった「ちょっと早めに勝負にいって選手がいなかったので、バントならヤギにいってもらおうかなと」-ケラーは「落ち着いて投げてるし、ボールもいいボールがいきだしているとだいぶ前からこっちも思っていて。優(岩崎)との関係のなかで現状はケラー1人で行くと思っていたので。なかなか1点差というところはしびれる登板になったけど、落ち着いて3人でいけたというところでは今後ね、チームが落ち着いていけると思うし、ケラー自身もまたいくぞという気持ちになってくれると思う。そういう意味でもいいゲームができたかなと思います」

◆広島はCSを争う阪神との3連戦初戦を今季12度目のゼロ封で落とした。森下、青柳の両先発による投手戦は終盤、中継ぎ勝負となった。8回2死走者なし。3番手ターリーが3ボールから大山に投じた真っすぐを左翼席に運ばれた。青柳対策に1番から7番まで左打者を並べた打線は、4安打無得点。3位阪神とのゲーム差は2・5に広がった。試合後の佐々岡真司監督(55)の談話は以下の通り-8回の決勝弾は大山選手に3ボールから浴びた佐々岡監督 1発を避けないといけないのは当然。3ボールにしたというところで、1発は絶対に避けないといけない。慎重にいってほしかった。-森下投手は6回無失点佐々岡監督 ピッチャーはよく頑張っていた。今日は打線でしょう。-青柳投手に左打者を並べた佐々岡監督 今年、本当に真っすぐが強い。なかなか右(打者)は厳しいという判断の中で、左を並べた。そういう策を取ったけど、さすがにというところ。ここ何試合かはちょっと球自体は荒れていたけど、今日は力もあった。なかなか攻略しづらい。-秋山選手に出番はなかった佐々岡監督 いいところで、とは考えていたけど、そういうところで回らなかった。準備はしっかりと(していた)。また明日。

◆広島は1番から7番まで左打者を並べる青柳対策は奏功しなかった。4、5回は先頭が出塁も生かせず、5回1死一、三塁では森下のスクイズが失敗に終わった。7回まで4安打。8回以降は中継ぎ陣の前に無安打に終わった。佐々岡監督は「投手はよく頑張っていた。今日は打線でしょう。(青柳は)ここ何試合かちょっと球は荒れていたけど、今日は力もあった。なかなか攻略しづらい」とうなだれた。今季12度目のゼロ封負けで3位阪神とのゲーム差は2・5に広がった。

◆「雨柳さん」こと阪神青柳晃洋投手(28)が、雨中のマウンドで復活の投球を見せた。8月直近3戦連続で勝てない状況が続き、この試合に覚悟を決めていた。「今回はダメならファーム落ちるだけという意識で投げた。気持ちの入った初回かなと思います」。立ち上がりに先頭の大盛、野間、西川を気迫の投球で3者連続空振り三振。青柳対策で1番から左打者7人並べた相手打線に7回を4安打無失点。「今日はある程度投げられてチームの勝利に貢献できたと思う」。復活への手応えをつかんだ114球だった。打撃ではプロ初のマルチ安打で上位打線につないだ。納得した投球を終え、ベンチで見守る中、8回の大山のV弾と勝利を誰よりもかみしめていた。「悠輔がホームラン打った後に『ヤギさんすみません』って言ってきたけど、そんなの気にせず、チームが勝ってくれたのでうれしかった」と会心の笑顔だった。この日は雨柳さんパワーがさく裂。試合直前に雨が降り、試合開始が見合わされた。雨男で知られる右腕は自らを指さし、苦笑い。「みんな僕のせいにしていたので、僕のせいじゃないでしょ! って(笑い)」。開始が45分遅れても慌てない投球で、勝利の流れをつくった。勝敗つかず自己最多タイの13勝目はお預けとなったが、今季は甲子園で8試合負けなしの5勝。本拠地不敗を継続した。7試合ぶりに無失点で投球を終え、防御率はリーグトップの1・61。苦戦続きの広島相手にスキを見せなかった。【三宅ひとみ】

◆俺が守護神!! 阪神カイル・ケラー投手(29)が鮮やかな快投で甲子園初セーブを挙げた。先制直後の9回にマウンドへ。150キロ超の速球で押して難なく2死を奪った。4番松山にも快速球を投げ込んだ。154、154...。最後は二ゴロ。背番号42が黒土のマウンドで仁王立ちした。「勝つための最後の3つのアウトはどんな状況でも簡単ではない。甲子園のセーブは特別なものだね」クローザーの岩崎が不振で、シーズン終盤に入って9回の大役を任される。8回は甲子園の一塁側ブルペンで準備。モニターで大山のアーチを見届けると武者震いした。「セーブがつく状況になった。自分の仕事をするだけ」。3者凡退で6月19日DeNA戦から16回無失点を継続。抜群の安定感で来日2セーブ目だ。開幕戦の屈辱を力に変えた。3月25日ヤクルト戦は1点リードの9回に登板。だが、アーチ2発を浴びて3失点。来日デビュー戦で地獄を見た。同29日広島戦も空振りを取れず、1死しか奪えずKO敗戦。防御率「33・75」の惨状だった。コロナ禍で来日が当初予定より遅れ、守護神筆頭候補として急ピッチで仕上げたが無理があった。わずか2戦で2軍降格も、前を向いた。「チームに申し訳ない。新しいスタート」。元大リーガーの誇りを捨て、見つめ直した。球種は速球とパワーカーブの2種類。打者に的を絞られやすかった。鳴尾浜では、寮生の湯浅らに教えを請い、新たにフォークを習得。2カ月超の2軍生活で、泥沼から抜け出そうと必死だった。本来の姿を示し、矢野監督も「いまのところ、一番後ろはケラーで行こうと。3人でいけて今後、チームが落ち着いていける」と単独守護神を明言。ケラーはお立ち台で日本語を披露した。「ソウデスネ。タイガースファン、サイコーデス」。春に傷ついた新助っ人が立派なサムライになった。【酒井俊作】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレーバック】「雨柳さん」こと阪神青柳晃洋の本領発揮!?30日ぶりの甲子園本拠地での試合で初回青柳がマウンドに上がったとたん、雨脚が強くなり開始が見合わせ、苦笑いも慣れたもの? の好投をみせました。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発する。今季はリーグトップの12勝(3敗)、防御率1・70、勝率・800と結果を残しているが、6試合連続で6回以内に降板し、今季自身初の連敗を含めて直近3試合は白星から遠ざかるなど、先発として悔しい結果が続いている。ロードを終え、約1カ月ぶりとなる甲子園での一戦で仕切り直したい。

◆降雨のため、試合開始を見合わせることが発表された。午後6時のプレーボールに向けて阪神・矢野、広島・佐々岡の両監督がメンバー表交換を済ませ、阪神ナインは一回の守備に向けて定位置に就いたものの、このタイミングで大粒の雨が降り始めた。スタンドの観客もレインコートを着用したり、コンコースに避難したりと大慌て。選手たちもベンチへ引き揚げ、マウンド付近、本塁付近にはシートがかぶせられた。阪神は高校野球の甲子園大会期間中にロードに出て、7月31日のヤクルト戦以来となる甲子園での一戦。阪神・青柳、広島・森下が先発する。

◆降雨のため、試合開始を見合わせていたが、開催に向けて準備が進められている。当初は午後6時試合開始予定で、阪神ナインは一回の守備のために定位置に就いたが、このタイミングで大粒の雨が降り始めた。選手たちはベンチへ引き揚げ、マウンド付近、本塁付近にはシートがかぶせられた。しばらくして雨が弱まり、午後6時28分に審判団とともに阪神園芸関係者がグラウンドに姿を見せると、スタンドの観客からは拍手。シートが取り除かれ、スポンジでの雨水の吸収や土が入れられるなど作業が行われ、両軍の選手もグラウンド上でキャッチボールやダッシュを行い始めた。今月22日まで高校野球の選手権大会が行われ、甲子園での阪神戦は7月31日のヤクルト戦以来、約1カ月ぶり。阪神・青柳、広島・森下が先発する。

◆阪神が四回の先制機を逃した。広島先発・森下に対して三回までは青柳の二塁内野安打のみに抑えられたなか、四回は1死から近本と佐藤輝の連打で一、三塁と初めて得点圏に走者を置いた。しかし、大山は真ん中高めの151キロ直球に詰まらされて一邪飛。その後に一塁走者・佐藤輝が二盗を決めて二、三塁とさらに好機を拡大させたが、ロハスは152キロ直球をとらえて快音を残したものの左飛となり、無得点に終わった。森下との対戦は今季2度目。4月9日(甲子園)では7安打1失点で完投勝利を許している。

◆阪神が五回のピンチでスクイズを阻止した。先発・青柳晃洋投手(28)は四回まで単打による2安打のみでゼロ行進と粘投していたなか、五回は先頭・小園に左前打と矢野の一前バント、会沢の中前打で1死一、三塁を招いた。ここで打席の森下はバントの構え。一塁走者のみを進塁させるバントの可能性もあるなか、初球のスライダーに食らいついて転がされた。だが、当たりが弱く、捕手・坂本が素早く処理し、スタートしていた三走・小園を三本間で挟殺し、2死。なおも一、二塁とピンチは続いたが1番・大盛を右飛に打ち取り、シャットアウトし、この回も無失点で切り抜けた。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(31)が六回に代打で登場したが、空振り三振に倒れた。スコアレスの六回は先頭・近本が四球で出塁し、二盗を決めて好機を演出。助っ人にとっては、佐藤輝と大山が連続で空振り三振に倒れ、ロハスが四球を選んで巡ってきた2死一、二塁での復帰打席だった。1ボールからのファーストスイングは三塁アルプス席の外野席寄りまで飛んでいく特大ファールで、一発の予感も漂わせた。しかし、カウント2―2からの5球目、チェンジアップにバットが空を切り、この先制機を生かせなかった。森下相手に打線は六回まで無得点に抑えられている。今季のマルテは右足のコンディション不良で長く2軍調整を続けてきたが、2軍での実戦出場を経てこの日に1軍に昇格した。

◆降雨により午後9時9分から中断したが、15分後に再開した。試合開始予定だった午後6時に大雨が降り始め、45分遅れでプレイボールがかかった一戦は、六回裏から霧雨が強まり、さらに雨脚が強まった七回表終了時点で試合が止められ、マウンド付近と本塁付近にシートがかけられた。広島はこのタイミングで先発・森下から継投したが、リリーフカーでグラウンドにやってきた松本は降車すると、そのまま三塁ベンチへと戻った。雨が弱まった約10分後に阪神園芸の関係者がグラウンド整備を開始し、試合再開。七回表までは阪神・青柳、広島・森下の両先発が粘り合い、0―0となっている。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発し、7回4安打無失点だった。試合開始予定の午後6時に大雨が降り、45分遅れでプレーボールがかかったが、その影響を全く感じさせず序盤から力強く投球した。1―7番まで左打者を並べられた中でも外角中心の配球で組み立て、一回は大盛、野間、西川を3者連続の空振り三振に斬る上々の立ち上がり。五回は1死一、三塁と初めて得点圏に走者を背負ったが、相手が試みたスクイズは捕手・坂本が素早く処理し、三塁走者・小園を挟殺して2死とし、続く一、二塁も切り抜けた。六、七回は三者凡退で難なく抑えた。打撃では三、五回に安打を放ち、迎えた七回無死一塁では送りバンを試みるも、痛恨の投飛で走者を進められず。この回を無得点で終えると、八回はセットアッパーの湯浅がコールされた。青柳は直近3試合で白星から遠ざかり、6試合連続で6回以内での降板となっていたが、7回以上を投げるのは3安打完封した7月8日のヤクルト戦(神宮)以来、7試合ぶり。13勝目(3敗)はならなかったが、先発としての役目はしっかりと全うした。試合は八回2死から大山の23号ソロが飛び出し、これが決勝点になった。

◆阪神はスコアレスで迎えた八回、大山悠輔内野手(27)が23号ソロを放ち、1-0で勝利した。2死走者無し、カウント3-0から、左腕・ターリーの155キロをフルスイングすると左翼席に突き刺した。先発した青柳は勝ち星こそつかめなかったが、雨の中、7回無失点と好投。2番手の湯浅が2勝目、ケラーが2セーブ目を挙げた。

◆阪神は長期ロード明けの1カ月ぶりの甲子園で、勝利をつかんだ。スコアレスで迎えた八回、大山悠輔内野手(27)が決勝の23号ソロを放った。「自分が決める気持ちで打席に入りました。なんとか打ってやろうと」お立ち台で力強く話した。2死走者無し、カウント3-0という状況で左腕・ターリーの155キロをフルスイング! 左翼席に突き刺した。先発の青柳が雨の中、7回無失点と好投。大山は「その前(四回1死一、三塁など)に打っていれば、青柳さんに勝ちをつけられたので、『すいません』と言いました」と謝ったが、エースの力投はチームの勝利という形で報われた。2番手の湯浅が2勝目、ケラーが2セーブ目を挙げた。

◆阪神は八回2死無走者から大山悠輔内野手(27)が均衡を破る23号ソロを放ち、30日ぶりの甲子園で勝利を飾った。大山の本塁打は2日の巨人戦(東京D)以来。九回はカイル・ケラー投手(29)が三者凡退に抑えて、2セーブ目を挙げた。右足コンディション不良で7月13日以来の1軍昇格のジェフリー・マルテ内野手(31)は六回2死満塁で代打で空振り三振。鼻づまりの症状で「特例2022」により、28日に抹消された梅野隆太郎捕手(31)も陰性判定を経て登録され、七回の代走から守備に就いた。青柳晃洋投手(28)は7試合ぶりに七回を投げ無失点に抑えたが4戦白星ナシ。チームは4度目の1ー0試合で今季18度目の完封勝ち。甲子園では30勝17敗1分の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績59勝61敗2分=残り試合21、観衆3万7274人)。(テレビインタビュー)ーー八回に大山の一発「2アウトになって、カウントも3ボールになりましたし、僕も思っていましたし、ファンの皆さんも、もうホームランしかないだろうというところで、見事に打ってくれました」ーーベンチから見て「角度は良かったんですけどね、いつもの浜風じゃなかったんで、どうかなと思いましたけど。悠輔はちょっといい感触があったんで、悠輔を見ていると行ったんかなと思いました」ーー雨の中、青柳も粘って7回無失点「球の勢いもありましたし、最近球数が多いところはもちろんあるんですけど。この雨の中、難しい状況、競っている中で、行ってくれたのは本当にヤギのピッチングが素晴らしかったですし、勝ちを付けてあげたかったですね」ーー九回はケラーに任せた「いや、まああの、今のところね、一番後ろはケラーで行こうということになっているんで。落ち着いて投げてくれたかなと思います」ーー岩崎ー湯浅ーケラーの並びも見えてきた「まあ、その優に関しては、どこでどうかは、ちょっと今決めていないような状態なんで。今後、いろんな考えの中から選択していきます」ーー残り21試合、甲子園で15試合、激しい順位争いが続く「残り試合を甲子園でたくさんできるのは、僕らにとってプラスだと思います。今日もこんな雨の中、たくさんのお客さんが来てくれたんで。本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、勝ちで何とかスタートできたんで、明日以降も甲子園で勝つ試合をみなさんに届けていきます」(囲み)ーー大山はカウント3ー0から「振りに行くのは当然。悠輔で振らないなんて。他のメンバーでも、待てのサインなんて出すわけないんだから、振って当たり前でしょ」ーーそれを本塁打にした「それがすごいよね。振りに行くことはできてもね。悠輔だってホームランと思って打ちに行っているだろうし、力みが出る中で、一発で仕留めたのは、簡単じゃないのは重々分かっている。見事なホームラン。悠輔もその前のチャンスで打てなかった思いもあったと思う。すべて含めて一発で仕留めたのは見事でした」ーー青柳は雨で45分開始遅れもあった「ヤギはもう慣れているし、どうこう言うことは別にない。ブルペンに行って、自分で調整っていうか、試合始まる準備をしていた。落ち着いてやれるピッチャーで、心配はしていなかったです」ーーこの一戦に懸ける気持ちが出ていた「その気持ちはいつもヤギは出てる。結果が出なかった時に力みすぎって言われちゃうだろうし。気負いすぎって言われちゃうだろうし。気持ちを入れながらパフォーマンスを出すのが、ヤギの成長とか経験というか、そういうものが気持ちを入れた中でもね。こんなイレギュラーな形での雨の中断がありながらでも、そういうことができるのは、ヤギの成長と素晴らしさだと思います」ーー最近は球数も多かったが、夏場の変化は「みんな疲れているし、バッターだって目が慣れている。どういう配球をしてきてというものを、ひと通り見た中で対戦していくのは、普通に考えれば、そういうふうになっていく傾向にあると思う。今日は三振っていう形があったけど、その間にどうやって打たせていくかみたいな投球ができるようになったら球数は減るのかなと思うけど、簡単ではないけど」ーー青柳を打席に立たせてバント(七回無死一塁でバントを試みたが投飛。八回にマウンドに上がらず、湯浅と交代)「ちょっと早めに勝負にいって選手がいなかったので、バントならヤギにいってもらおうかなと」ーーケラーは「落ち着いて投げてるし、いいボールがいきだしていると、だいぶ前からこっちも思っていて。優との関係のなかで現状はケラーで一人で行くと思っていたので。1点差はしびれる登板になったけど、落ち着いて3人でいけたのは今後、チームが落ち着いていけると思うし、ケラー自身も行くぞという気持ちになってくれると思う。そういう意味でもいいゲームができたかなと思います」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は七回のシーンに言及。無死一塁で青柳晃洋投手(28)がバントを失敗(投飛)。その後、マウンドに上がったのは湯浅京己投手(23)という不可解采配に疑問を呈した。勝ったからよかった。負けていれば、笑いモノになっていた試合だ。七回先頭の坂本が中前打で出塁した。次は青柳。スコアは0―0。最多勝のタイトルを取らせるために続投だと、みんな思ったはずだ。ところが八回のマウンドには湯浅。ならば、なぜ青柳にバントさせたのか? 青柳を交代させるなら、坂本の代走で出た梅野にバントさせてもよかったのではないか? そもそも、代走ならば植田というもっと足の速い選手もいたはずだ。両軍とも先発投手がよかった。青柳も森下も素晴らしい投球だった。雨が降る中、完璧な投球で、早々に「これは投手戦になるな」と思った。1点を争う試合になる見通しが立てやすい中、何から何まで七回は「エッ?」という感じだった。選手らもそう思ったはずだ。今季は、こういう、ワケのわからないゲームがしばしば見受けられる。残り21試合。優勝は厳しくなってきたが、まだクライマックスシリーズ(CS)がある。そこに進出するために、1つでも勝ち星もきちんと積み上げていかなければいけない。そのためにも、今後はより丁寧な、しっかりした野球をしてほしい。私はシーズンが始まる前、阪神を優勝候補の一角に挙げた。それだけの戦力が整っていると見たからだ。だが、こんな変な野球をされては...。それだけに、すべてを救ってくれた大山には感謝しなければいけない。八回のホームランは、剛速球を投げる投手相手に「イチ、ニ、サン」のタイミングで勝負にいった結果で、一発で仕留めたのはさすがだ。森下の投球がよかったので1点しか奪えなかったが、打線の状態は悪くない。左投手相手に苦戦しているのは相変わらずで、そこは首脳陣が頭をひねって対策を考えてもらわなければいけないが、右投手相手ならそこまで苦労していない。これからAクラス争いで、左投手をどんどん当ててくるだろう。どこかで打ち崩さないといけない。そうしなければ、CSへの道も切り開けない。

◆ぬれた、もがいた、一発で勝った! 阪神は広島に1-0で勝利。降雨で試合開始が45分遅れ、好機で決定打を欠く中、八回、大山悠輔内野手(27)の23号ソロで試合を決めた。新型コロナ感染から復帰1号が値千金弾。長期ロードを終え、1カ月ぶりの本拠地に駆けつけた虎党へ、感謝の思いを届けた。やっぱり甲子園は最高や!雨上がりの夜空に見事な放物線が描かれた。夏のロードを終え、1カ月ぶりの甲子園で試合を決めたのは大山だった。高く舞い上がった白球は勢いが落ちることなく、左翼席に吸い込まれる。不快指数100%だった試合を〝天国〟に導いた。「自分が決める気持ちで打席に入りました。前も2打席凡退していましたし、なんとか打ってやろうと思って打席に入りました」雨で試合開始が45分遅れ、七回攻撃前には15分の中断があった。阪神園芸の神整備のおかげもあって試合は進められ、0-0の八回2死だった。カウント3ボール。制球が定まらない左腕ターリー相手に大山自身もベンチも「待て」はなかった。155キロに力負けなし。5日の新型コロナウイルス感染から復帰10戦目、2日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発となる23号ソロを浴びせた。打線は森下の前に四、五、六回と得点圏に走者を進めながら得点できず。ナインと虎党の悔しさをバットに乗せた。「チャンスでなんとかしておけば、(先発の)青柳さんをもっと楽に投げさせることができたと思います。『すみません』と言いました。(青柳さんは)笑って応えてくれたので、ちょっと救われたなと思います」四回1死一、三塁で一邪飛に倒れ、六回1死二塁で空振り三振。特に四回は2ボールから内角のボール球に手を出してのものだった。「森下投手はそんな簡単ではなかったですが、ヒットではなくて、またなんか違う(事が)できたんじゃないかなというのはあります」。せめて転がせば、という思いがあったかもしれない。3万7274人の観衆が重圧にもなる中、積極性を失わないのが今季の大山。19日の巨人戦(東京ドーム)から1軍復帰し、3度の複数安打。それでも「きょうはきょう。ゼロからではないが、そういう気持ちでしっかりやろうと思っていた」と日々新たな気持ちで取り組んでいる。この日、4位広島に敗れると0・5ゲーム差に詰め寄られるところだった。矢野監督は「もうホームランしかないだろうというところで、見事に打ってくれました」とホッとした表情。4番佐藤輝が8試合連続アーチなしなど、打線は苦しい。経験のある大山でしかできない芸当だった。「(甲子園のファンに)勝ち試合を見せることができたというのがよかった。(ペナントレースは)どうなるかわからない状況。自分個人としてチームに貢献できるように、しっかり準備して頑張りたい」と誓った。残り21試合、貯金13の甲子園で15試合ある。雨が降ろうがヤリが降ろうが大山は白星を運ぶ。プロ6年目で頼もしい男に成長した。(三木建次)

◆怪しい雲が垂れ込めていた。一回、マウンドに上がった途端、土砂降りの雨に変わった。あわてて阪神園芸がグラウンドに駆けつける。プレーボールがかからない。ベンチに選手が下がる。青柳はナインにイジられた。「みんな僕のせいにしていたので、チカ(近本)とか。僕のせいじゃないでしょ! って(笑)。若干、中止かなって思ったんですけど、やるって聞いて気持ちを入れ直して、しっかり準備できたかなと思います」まさかの45分遅れで試合開始。「雨柳さん」としてグッズも販売されている球界屈指の雨男は動じることはなかった。矢野監督は「ブルペンに行って、また自分で調整っていうか、試合が始まるっていう準備をしていた」と右腕の様子を明かす。今季初対戦となった広島が左打者を7人並べても問題にしなかった。「自分としては久々にある程度、納得のいく投球ができた」一回、先頭の大盛を147キロで空振り三振に仕留めると野間、西川も空振り三振に。五回は1死一、三塁を招いたが、森下のスクイズに女房役の坂本が素早く反応し、三走・小園を三本間で挟殺。最大のピンチを乗り越えた。7回4安打無失点。2日の巨人戦(東京ドーム)以来の白星とはならなかったが「ある程度投げられて、チームの勝利に貢献できたと思うので、それは一番うれしい」と前を向いた。「今回はダメならファームに落ちるだけという感覚、意識で投げていたので、気持ちの入った初回だった」ここまで12勝も過去4試合で8四死球。最多勝争いで巨人・戸郷が1勝差に迫る中、2軍落ちとなれば風雲急を告げる形となっていた。それだけ覚悟をもって臨み、無四死球投球で応えた。「(大山)悠輔がホームラン打った後に『ヤギさんすみません』と言ってきたけど、そんなの気にせずチームが勝ってくれたのでうれしかった」本拠地に得意の雨と好投条件が重なった。エース青柳はもう大丈夫だ。(平野佑治)

◆熱気が冷める気配のないスタジアムのマウンドに向かう。1点リードの九回にバトンを受けたのはケラー。1カ月ぶりとなる虎の甲子園帰還を待った虎党に白星を届け、右拳を握ると誇らしくカクテル光線を浴びた。「最初、肩を作っていたときはまだ0―0の同点だったけど、大きいホームランを打ってくれた。セーブを取れる状況になったので、とにかく自分の仕事をするだったし、本当に大山選手に感謝したい」お立ち台で並んだ背番号3が値千金の先制弾を放って、与えてくれた出番。感謝の思いを右腕に込めると、2番から始まる相手の好打順も関係なかった。野間を左飛に打ち取ると、西川も152キロで二ゴロに抑えて2死。一発のあるこの日4番の松山には154キロなど力で押し、153キロで二ゴロに仕留めた。守護神候補として期待されながら、3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)から2戦連続でセーブに失敗するスタート。6月上旬の1軍復帰後は信頼を積み重ねてきたが、7月15日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱を余儀なくされた。8月2日に復帰したが、チームはすでに高校球児たちに聖地を明け渡しており、甲子園に戻るこの一戦を待ちわびていた。そして手にした本拠地での初S。「一番厳しい状況で、その中で三者凡退でセーブを取れたということは確かに自信につながる」と内容にも深くうなずいた。「ソウデスネー、タイガースファンズ、サイコーデース!!」お立ち台を〝初々しい〟日本語で締めくくったKKに春先のような姿はもう、ない。シーズンのラストスパートは頼もしく君臨する。(須藤佳裕)

◆試合開始直前の雨から始まって、数回の雨天中断となれば、もう完璧に雨に愛された男、雨天投手(相手打者が打てん!! の意味もあり)の雨柳さんこと青柳さんの独壇場でしょう!!ホラ、その証拠に雨で45分も試合開始が遅れたのにもかかわらず、一回のマウンドでいきなり3者連続三振のスタート!!ところが、猛虎打線がこよいも大型台風並にバットが荒れて援護はまるでなし...。そして、迎えた八回2死走者なしで打席は大山。カウントは3-0。は~あ(溜息)そりゃ、そーだよな。ここで一発のある大山と勝負しないよなあ...。次打者は才能はあるのになぜか、永久冬眠男の江越だし...。大山~!! どんなクソボールでも1発狙ったれー!! と俺が悲痛の叫びを上げたら、ホントに一振りで決勝の一発をスタンドに運んでくれたー!!惜しむらくは、この一発での勝利が7回わずか4安打無失点の青柳につかない野球のルールの理不尽さ...。野球も政界も納得のいくルールを考えるときじゃないの~!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
69471 0.595
(↑0.004)
-
(-)
26518
(+4)
449
(+2)
146
(+1)
62
(-)
0.254
(↓0.001)
3.460
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
59512 0.536
(↑0.004)
7
(-)
31401
(+6)
423
(-)
93
(+2)
39
(-)
0.253
(↑0.002)
3.450
(↑0.03)
3
(-)
阪神
59612 0.492
(↑0.005)
12
(-)
21409
(+1)
347
(-)
74
(+1)
93
(+2)
0.241
(-)
2.530
(↑0.02)
4
(-)
広島
56633 0.471
(↓0.004)
14.5
(↓1)
21459
(-)
460
(+1)
77
(-)
24
(-)
0.254
(↓0.001)
3.510
(↑0.02)
5
(-)
巨人
56641 0.467
(↓0.004)
15
(↓1)
22455
(+2)
522
(+4)
133
(-)
52
(+1)
0.242
(-)
3.880
(↑0.01)
6
(-)
中日
52631 0.452
(↓0.004)
16.5
(↓1)
27336
(-)
414
(+6)
55
(-)
48
(+1)
0.246
(↓0.001)
3.380
(↓0.02)