阪神(☆5対0★)DeNA =リーグ戦22回戦(2022.08.25)・京セラドーム大阪=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:西 純矢(5勝2敗0S)
敗戦投手:ロメロ(4勝7敗0S)
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◆阪神は1点リードで迎えた3回裏、大山と糸原の適時打などで3点を挙げ、リードを広げる。7回には、坂本の適時打が飛び出し、貴重な追加点を奪った。投げては、先発・西純が6回無失点の好投で今季5勝目。敗れたDeNAは、先発・ロメロが試合をつくれなかった。

◆DeNAは16日巨人戦から8連勝中で、21日広島戦から3試合続けて完封勝利中。DeNAが9連勝すれば01年7月15日~8月2日以来。4試合連続完封勝利となれば60年8月7日~11日以来、62年ぶり球団3度目のタイ記録になる。

◆今季、京セラドーム大阪での最終戦の先発は西純矢投手(20)が務める。今季4勝を挙げ、前回18日は首位ヤクルトを相手に敵地神宮で5回2失点と好投し、チームの連敗を8でストップさせた。今季、京セラドーム大阪での主催ゲームは8戦全敗中で、チームも2連敗中。再び連敗ストッパーとして期待される。相手先発の右腕ロメロに対し6番・左翼でメル・ロハス・ジュニア外野手(32)を3試合ぶりにスタメン起用した。

◆上新電機による「Joshinプレゼントナイター」として開催され、ジョーシンCMキャラクターを務めるNMB48の渋谷凪咲(26)が始球式に登場した。この日誕生日を迎えた渋谷は、25日にちなんだ背番号25のユニホームを身にまとい、阪神マスコットキャラクターのラッキーと手をつないでマウンドへ向かった。深呼吸を挟んで大きく振りかぶり、上体をひねるトルネード投法に挑戦。ボールは大きく高めに外れたが、見事にノーバウンドスローで捕手坂本のミットに収まった。マウンド上で跳びはねて喜んだ渋谷は「去年はワンバウンドしてしまって、悔しくて1年間夜も眠れなくて...」と冗談を挟みつつ、「今回は(阪神OBの)下柳選手(さん)とYouTubeでコラボさせていただいて、投げ方を教えていただいて、トルネードも身につけて投げられたのでよかったです」と笑った。昨年の誕生日も京セラドーム大阪で始球式に参戦し、トルネード投法を試みたが理想通りに投げられず、惜しくもワンバウンド投球に。誕生日にちなんで自己採点は25点だった。今回は「んー、80点です」と不満顔。「ストライクでバチーンっていうのをやりたかったけど、上(に投げるの)を意識しすぎて山なりになってしまって。(捕手を)上に飛ばせてしまって、それが申し訳なかったなって」と残念がった。来年の目標は「ストライクですね。あと、ちゃんとノーバンでできたら、『シモさーん(下柳氏)』って言うつもりだったんですけど、シモさんのこと全く忘れてて、『やったー』って自分だけで喜んでしまったんで、シモさんも心に入れて次からやりたいなと思って、80点です」と話した。

◆DeNAが、4試合ぶりに失点し、60年8月7~11日以来となる球団タイ記録の4試合連続完封勝利の可能性が消えた。1回2死満塁、先発フェルナンド・ロメロ投手(27)が、フルカウントから阪神ロハスに押し出し四球を与え、先制点を許した。それでも、後続の糸原は中飛に抑え、1失点で踏ん張った。

◆もはや誰も驚かない。阪神先発の西純矢投手(20)が、6回4安打無失点で勝ち投手の権利を持って交代した。さらに、プロ初のマルチ安打も決めた。「全体的にテンポ良く投げることができなかったことは反省しなければいけませんが、その中でも粘って、先発としてゲームをつくるという仕事はできたかなと思います。序盤から援護していただいた野手のみなさんに感謝します」と振り返った。投手ながら今季6度目の8番起用に応え、2回先頭でDeNAロメロの153キロを右前打。3回2死一塁では遊撃内野安打でチャンスを拡大させると、直後、9番坂本の三塁へのゴロがエラーを誘い、チームは4点目を挙げた。この日3打数2安打。今季は20打数6安打、打率3割、4打点と野手顔負けの打撃成績。創志学園(岡山)時代は2年時から中軸を任され、3年時はエースで4番。高校通算25本塁打で、高校侍ジャパンの19年W杯では5番を任された試合もあった。今季は5月18日のヤクルト戦でプロ1号2ラン&プロ初完投の離れ業を披露。抜群の打撃センスで2試合連続完封負けを喫していた打線を活気づけた。阪神投手のマルチ安打は、6月2日西武戦でガンケルが3安打して以来。日本人では21年8月27日広島戦で、西勇が2安打して以来となった。

◆阪神岩崎優投手(31)が、今季初めて7回に登板し、1イニング無失点に抑えた。今季25セーブも8月はセーブシチュエーション1回、同点の場面1回で失敗。配置転換について、矢野監督は「一番ね、後ろでやっていたんですけど、まあいろいろ考えながら、優のいいところで使っていきながらというふうに考えて、7回に使いました」と説明した。4点リードの場面で、2番手で登板。先頭のDeNA柴田に右前打を許したものの、その後は伊藤光、代打嶺井を2者連続空振り三振に仕留めた。2死一塁とすると、1番桑原が放った遊撃へのゴロを中野がはじき(記録は内野安打)、2死一、二塁。続く2番楠本の遊撃へのゴロを中野が捕球し二塁フォースアウトを狙ったが、これが間に合わず(記録は遊撃内野安打)、2死満塁となった。ここで迎えるは、リーグ最多安打の佐野。好打者が相手も、2ボール1ストライクから捕邪飛に仕留めた。ホームランが出れば同点となるヒヤヒヤの展開だったが、なんとかゼロで踏ん張った。岩崎は9年目の今季、本格的にクローザーを任され、試合前時点でリーグ5位の25セーブを挙げている。ただ、今月6日の広島戦で4失点を喫し、3点リードを守れずサヨナラ負け。同14日の中日戦では同点の9回に登板。2試合連続で勝ち越し点を献上し、敗戦投手となっていた。その後、金村投手コーチは「2試合連続というのは、クローザーとしてこたえるのもある」と配置転換を示唆。21日の巨人戦では5点リードの9回に登板し、1回無失点に抑えていた。

◆2戦連続完封負けを喫していた阪神が序盤から主導権を握り、連敗をストップ。借金を2に減らした。先発西純矢投手(20)が6回4安打無失点の好投とマルチ安打と投打の活躍で5勝目を挙げた。立ち上がりに1死一、二塁と先制のピンチを招いたが、4番牧を一邪飛、最後は宮崎を三ゴロで仕留めた。1点リードの3回には2死から楠本に左中間二塁打、佐野に四球を与え一、二塁としたが牧をスライダーで空振り三振を奪い、気迫の投球を見せた。バットではプロ初のマルチ安打を記録し、チームに貢献した。中継ぎでは、ここまで守護神として支えてきた岩崎優投手(31)が今季初の7回に登板。2死満塁と最大のピンチを背負ったが、佐野を捕邪飛とし、0点で抑えた。打線は初回に20イニングぶりに得点を奪った。中野拓夢内野手(26)と近本光司外野手(27)が内野安打で出塁。2死二、三塁から大山悠輔内野手(27)が四球を選び2死満塁でメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が2球で追い込まれながらも粘って押しだし四球を選び、1点を先制した。3回無死一塁で大山悠輔内野手(27)が左越え適時二塁打で2点目を追加。糸原健斗内野手(29)も適時打を決めるなど、一気に3点を奪った。この日は3年ぶりに公式戦入場者数が200万人を突破。節目の試合で勝ち星をつかみ、26日からバンテリンドームで中日との3連戦に臨む。

◆DeNAが、阪神に敗れ、連勝が8で止まった。1回にロメロが押し出し四球で先制を許し、チーム4試合ぶりに失点。60年8月7~11日以来となる球団タイ記録の4試合連続完封勝利が消えた。3回にも大山の適時二塁打、糸原の適時打、三塁宮崎の適時失策で3点を追加され、3回4失点でKO。7回には三上が坂本の適時打でダメ押しされた。9連勝を達成すれば、01年7月15~8月2日以来だったが、仕切り直しで26日からの首位ヤクルト戦(横浜)に臨む。

◆阪神西純矢投手(20)が6回4安打無失点、打ってはプロ初のマルチ安打の活躍で5勝目を挙げた。また、スタメンマスクをかぶった坂本誠志郎捕手(28)も4投手を好リードし完封リレーに貢献。打撃でも7回にダメ押しの適時打を放った。ヒーローインタビューのお立ち台に立った西純と坂本の一問一答は以下の通り。-今季5勝目西純「すごくうれしいです」-8連勝と勢いに乗るDeNA打線西純「ベイスターズはすごい勢いがあったんですけど、(坂本)誠志郎さんのリードを信じて投げるだけでした」-初回、3回、5回のピンチを迎えたが中軸を抑えた西純「ちょっと甘いところからいったりしたんですけど、本当にいい結果になってよかったです」-6回無失点については西純「ピンチは多かったですけど、ゼロで切り抜けられたのはすごいよかったかなと思ってます」-今日は自身も2安打。打線も援護した。隣の坂本もタイムリー西純「初回から援護をもらってすごく投げやすかったですし、頼もしい先輩方だなと思ってベンチから見ていました」-前回に続き連敗を止めて自身2連勝西純「1回ファームでまたやるという感じなったんですけど、戻ってきてから2試合勝つことができているので、シーズンも終盤になってきてますけど、最後までしっかり投げられるように頑張っていきたいと思います」-最後にファンに向けて西純「シーズンも終盤になってきてますけど、自分の登板も1試合1試合集中して投げていきたいと思っています。応援よろしくお願いします」-今季初めてのヒーロー坂本「全然チームの力に慣れていないので、悔しい気持ちがこみ上げてきました」-西純をどうリードしたか坂本「気持ちが強い投手なので、気持ちで押し切って冷静にコントロールしてというのは考えていました。でも強いボールを投げるのでなんとか連敗中で難しい状況でマウンドに上がることになってしまったけど、そんなことを感じさせないくらいいい球を投げてくれたかなと思います」-リリーフも無失点坂本「自慢のリリーフ陣がいるから先発投手も投げられると思いますし、なんとか後半に1点でも勝っていればチームが勝てるというのはみんな思っていると思う、ファンの方々も思っていると思うので。残り少ない試合をみんなでやっていきたいなと思います」-7回に貴重なタイムリー坂本「8番でお手本のようなバッティングをしてくれるので、しっかり見習って結果がでてよかったなと思います」-12球団最速で公式戦入場者数200万人突破坂本「なによりも12球団で一番の力になっていると思いますし、声援の中で野球ができるというのは本当に幸せだと思います」-ファンに一言坂本「チームとしては目の前の試合をとにかく勝ち続けて、1つでも上に行って、まだまだ勝っていきたいです。個人的には、純矢の試合で8番で出られるように頑張ります」

◆2位DeNAの連勝が8で止まった。3試合連続無失点を続けていたが、先発ロメロが3回4失点(自責3)でKO。打線も阪神先発の西純を攻略できなかった。26日から17連勝を続ける本拠地・横浜スタジアムに戻り、首位ヤクルトとの3連戦に臨む。セ・リーグの灯を消さないためにも、負けられない戦いとなる。DeNAが先発ロメロの乱調が響き、連勝が8で止まった。1回2死満塁から押し出し四球で先制を許し、チーム4試合ぶりの失点。3回にも大山の適時二塁打、糸原の適時打、宮崎の適時失策で3点を奪われ、3回4失点でKOされた。ロメロは「不運な打球もありましたが、それも野球の一部だと思います」と唇をかんだ。序盤のビハインドが、打線にも重くのしかかった。再三、走者を出しながら、好機で1本が出ず。今季8度目の0封負けを喫した。今季、4勝無敗だった木曜日のビジターで初黒星を喫し、連勝がストップ。三浦監督は「いつか止まりますけどね。もう1本出れば流れが変わるところで、毎回毎回うまくいかないです」と冷静に受け止めた。9連勝を達成すれば、01年7月15~8月2日以来だったが、仕切り直して、26日から4ゲーム差の首位ヤクルトとの3連戦に臨む。三浦監督は「大事なのはこの後ですから。ズルズルいかないように。やってきたことを変えずにやっていくだけです。切り替えて、全員で明日臨んでいきたいと思います」と、球団記録を更新する17連勝中のハマスタで迎え撃つ。【久保賢吾】

◆また止めた! 阪神が25日のDeNA戦(京セラドーム大阪)に快勝した。2試合連続で完封負けを喫していたが、6回無失点の先発西純矢投手(20)からの完封リレーでやり返した。前回登板ではチームの連敗を8で止めた若トラが、今度は京セラドーム大阪での連敗、8連勝中の2位DeNAを止めた。西純の熱投が、チームに活気をもたらした。ピンチを乗り越える度にガッツポーズを決め、そしてほえた。8連勝と波に乗るDeNA打線を6回4安打無失点。自身初の登板2戦連続勝利で、今季5勝目。今季京セラドーム大阪の主催試合9戦全敗を阻止し、8連敗を止めた前回18日ヤクルト戦に続き、今季3度目の連敗ストッパーとなった。「すごくうれしいです。ベイスターズはすごい勢いがあったんですけど、(坂本)誠志郎さんのリードを信じて投げるだけでした」 再三訪れたピンチでも一切動じなかった。初回にいきなり得点圏に走者を背負うも、牧、宮崎を抑え込んだ。3回は2死一、二塁では牧を、低めのスライダーで空振り三振。5回は2死一、二塁から佐野を外角フォークで中飛に仕留め、右拳を突き上げた。ピンチで迎えたのはいずれも中軸だったが、気迫でねじ伏せ流れを渡さなかった。「8番打者」として持ち味の打撃力も存分に発揮した。2回先頭では「速かったです」と、DeNAロメロの内角153キロ直球を詰まりながらも右前へ。3回2死一塁からは「全力で走りました」と、遊撃へのボテボテのゴロで内野安打をマークし、追加点につなげた。プロ初のマルチ安打を記録し、20打数6安打で打率は驚異の3割だ。「メジャー仕込み」の一流の道具が、若き右腕の快投を支えている。アシックス社の用具を提供されている西純のグラブは、エンゼルス大谷が以前使っていた小型で縦型のモデル。また、スパイクは同社とパドレス・ダルビッシュが共同開発した投手専用のソールを使用したもの。通常縦に装着されている親指の付け根の金具が、斜めに取り付けられている。同社の担当者は「左足で踏み込んでも体重が流れない。なおかつ、軸足は蹴りやすくなってます」と説明。海の向こうで活躍する剛腕の"エキス"が注がれた相棒とともに、成長を遂げている。チーム連敗への意識は「全くなかった。いい雰囲気で試合ができたらいいなと思っているので」と笑顔。「最後までしっかり投げられるように頑張っていきたい」。3年ぶりに主催試合入場者数が200万を突破した節目の試合で、頼もしい若き連敗ストッパーが、またしても救世主となった。【古財稜明】西純が2安打。阪神投手の1試合複数安打は、ガンケルが6月2日西武戦で3安打して以来。日本人では、西勇の21年8月27日広島戦での2安打以来。西純は今季通算6安打となり、阪神投手陣ではガンケル7安打に続き2位だ。異例の先発8番で起用された6試合では、13打数4安打、1本塁打、4打点、打率3割8厘と期待に応えている。▽阪神矢野監督(西純について)「自分の中でもしっかりボールを操ってバッターに向かっていっているという感じがあった。タイガースの投手陣、先発を引っ張るっていうようなそういう素材だと思うんで。大きく育ってもらいたいです」○...岩崎が今季初めて7回に登板し、1イニングを無失点に抑えた。4点リードの場面で、2番手で登板。3安打を浴び2死満塁のピンチを招いたものの、佐野を捕邪飛に仕留め切り抜けた。リーグ5位の25セーブを挙げているが、8月はセーブシチュエーション1回と、同点の場面1回で失敗し配置転換。矢野監督は「一番後ろでやっていたんですけど、いろいろ考えながら、優のいいところで使っていきながらというふうに考えて、7回に使いました」と説明した。○...攻守に活躍の捕手坂本が「8番奪還」を誓った。マスクをかぶっては先発西純から岩崎、アルカンタラ、小林の無失点リレーを演出。バットを握っても7回2死一、二塁から三遊間を破るタイムリーを放った。西純とともにお立ち台に上がった坂本は「連敗中で難しい状況でマウンドに上がることになってしまったけど、そんなことを感じさせないくらいいい球を投げてくれた」と後輩右腕を絶賛。最後は「個人的には、純矢の試合で8番で出られるように頑張ります」とファンを笑わせた。▽阪神小林(9回に登板して1イニングを1安打無失点)「自分としては一昨日の試合で点を取られてしまっていたので、今日しっかりやり返すことができて良かったです」

◆もう安心だ。阪神近本光司外野手(27)は試合後、ホッと息をついた。「(離脱は)申し訳ないな、というのは感じていたので。これから連勝できるようにやっていきたいですね」。新型コロナ感染から復帰3戦目でようやくの勝利。猛打賞も決め、言葉には安堵(あんど)感がにじみ出た。初回1死二塁、DeNAロメロから二塁内野安打。好機を拡大させ、すかさずリーグトップタイ23個目となる二盗を成功。その後、ロハスの押し出し四球で先制。チーム20イニングぶりの得点を呼ぶ貴重なつなぎだった。3回には左翼へクリーンヒットで出塁。この回一挙3得点の火をつけた。4回は再び快足で遊撃内野安打をもぎ取り、今季12度目の猛打賞を決めた。兵庫・淡路島で生まれ育った男は、島での時間がシーズンの原点となっている。オフに2年連続で鹿児島・沖永良部島で自主トレを敢行。14日間のトレーニングで心身を仕上げる一方、野球教室を行い恩返しも忘れない。前夜はそんな同地の子どもたちを球場に招待。「いい経験になってもらえたら」と願い、続けた。「島特有の閉ざされた所で生活してる。僕もそうでしたけど、外に出て感じることは多いと思う。関西ってこういうところだったんだよっていうのを、子供たち同士で話してもらえたらすごくいいなと思います」。この日は甲子園歴史館を訪問した子どもたちも、1日遅れの白星を喜んでくれているに違いない。2試合連続完封負けからトンネルを抜け、11安打5得点で快勝。矢野監督は「毎日これぐらい打ちたい」としながらも、完全復活した3番について「1本より2本、2本より3本と出ることで乗っていける。近本が帰ってきたのが大きな、チームの形というのができることになる」とうなずいた。虎の柱は戻った。あとは、とことん連勝を伸ばすだけだ。【中野椋】○...糸原が貴重な追加点となるタイムリーを放った。大山のタイムリーの後、なおも続く3回2死三塁のチャンス。カウント1-1からDeNAロメロの153キロの直球を捉え、右前に運んだ。「タイムリーも出て、いい流れで自分も続くことができました。複数点取ることができて良かったです」とほっとした様子だった。○...3試合ぶりスタメン出場の6番ロハスが先制点をもぎ取った。初回、2死満塁で打席に立ち、フルカウントからDeNAロメロの8球目を見切って押し出し四球。「結果的にどんな形であれ、1点というのは考えていたので、それができて良かった」と振り返った。7回には右翼フェンス上部直撃のヒットに「No Power!!」と苦笑い。8月は打率3割4分8厘と好調をキープしている。

◆阪神大山悠輔内野手(27)がコロナ感染から復帰後、絶好調だ。1点リードの3回1死一塁の第2打席。「初球からいく準備はしてました」とDeNA先発ロメロの初球を強振。左翼・佐野の頭を越える適時二塁打で打線の勢いを加速させた。「追加点が欲しいところでしたし、良い1点だったのかなと思います。こうやって打って試合に勝つっていうのはうれしいですね」と勝利の味をかみしめた。新型コロナに感染し、5日から離脱。2軍でのシート打撃をへて、19日の巨人戦(東京ドーム)から1軍スタメン復帰。そこから6試合で打率4割9厘と打ちまくり、5番として打線をけん引している。「試合に出てる以上、調整できていないっていうのは言い訳にしかならない。しっかり試合に出たら自分のやるべきことをやるだけだと思います。しっかりランナーをかえすっていうところが自分の役割だと思っているので、1点でも多く打点を挙げられるようにやっていきたいなと思います」。残りの試合でも、勝利につながる一打を打ちまくる。【三宅ひとみ】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神西純矢がチームの連敗ストッパーになる!! 6回無失点の好投に打撃でもマルチ安打。投打に活躍し京セラドーム大阪での連敗も止めました!

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は西純矢投手(20)が今季10度目の先発マウンドに上がる。前回、DeNAと対戦した6月19日(甲子園)は四回途中3失点で降板。「リベンジできるようにしたい」と意気込んでいる。18日のヤクルト戦(神宮)では5回2失点でチームの連敗を8で止めた。この日もチームの連敗を止める快投で今季5勝目を狙う。

◆阪神が一回に先制した。一回に先発・西純が内野安打2本で1死一、二塁のピンチを招いたが、牧&宮崎を打ち取って脱出。先制劇はその直後だった。中野が二塁内野安打で出塁し、島田の一ゴロの間に二進。さらに近本も二塁内野安打で出塁し、二盗を決めて二、三塁。2死後に大山が四球で歩いて満塁とするとロハスも四球を選び、押し出しで先制した。相手がつぶした内野安打でのチャンスを、阪神はしっかりと得点に結びつけた。今カードは1、2戦目ともに阪神の零封負け。21日の巨人戦(東京D)の八回以来、20イニングぶりの得点だった。

◆阪神が追加点。大山悠輔内野手(27)が左中間を破る適時二塁打を放った。1-0で迎えた三回。先頭・近本が左前打で出塁する。続く4番・佐藤輝は右翼へ大飛球もフェンス手前で失速し右飛。球場がため息に包まれる中、5番・大山が初球をたたいた。ロメロの145㌔を振り切ると、打球は左中間を突き破る。一走・近本が快足を飛ばし、悠々とホームに生還した。チームとしても、タイムリーは21日の巨人戦(東京ドーム)の八回に大山が放って以来、22イニングぶりだった。大山は続くロハスの中飛で三進。糸原が153㌔をはじき返し、右前打を放つと、3点目のホームを踏んだ。目覚めた猛虎打線は、さらにつながる。「8番・投手」で起用された西純がこの日2安打目となる遊撃内野安打を放ち、2死一、二塁と再び好機を作ると、坂本の打球が三塁手・宮崎の適時失策を誘って追加点。4-0とリードを広げた。

◆先発した阪神・西純矢投手(21)は6回4安打無失点。今季5勝目の権利を持ってマウンドを降りた。一回、先頭の桑原にいきなり三塁内野安打を許した。1死一、二塁とピンチを招いたが、4番・牧は148㌔直球で押し込み一邪飛。宮崎を三ゴロで無失点で切り抜けた。三回も2死一、二塁としたが、牧を136㌔スライダーで空振り三振。五回2死一、二塁では佐野を中飛に仕留め、決定打を与えなかった。西純は得意の打撃でも活躍。二回の第1打席で右前打、三回は遊撃内野安打を放ち、プロ初の複数安打をマークした。

◆前夜24日に8連勝を飾ったDeNAだが、この日は立ち上がりから苦しい展開となった。先発のフェルナンド・ロメロ投手(27)は一回に押し出し四球で先制を許すと、三回にも3失点。この回限りで降板となった。「ミート力が高いチームですが、積極的に攻めてゾーン内で勝負し、アウトを積み重ねていきたい」と話してマウンドに上がったが。言葉通りにはならなかった。一回は先頭の中野に二塁への内野安打、1死からも近本に二塁内野安打を浴びて1死一、三塁。佐藤輝を三飛として2死としたが、大山には2球で追い込んでから四球、続くロハスにも2球で追い込んでから押し出し四球。決め球を欠き、自身を苦しめた。三回は先頭の近本に左前打を浴びると、1死からは大山に左中間を破られる適時二塁打。2死三塁からは糸原に右前適時打を浴び、2死一、二塁からは三失で痛恨の4点目を失った。「メンタルは変えないように。自分の役割を果たしたい」とうなずいたロメロだったが、3回7安打2四球4失点(自責3)で降板。5勝目はならず。連勝中は先発が試合をつくり続けてきたが波に乗れなかった。

◆阪神・岩崎優投手(31)が2番手として七回に登板した。先頭の柴田に右前打を許した後に伊藤を140㌔直球、代打・嶺井を145㌔の速球で続けて空振り三振に斬り、2死。ここから桑原、楠本の連続の遊撃内野安打で満塁のピンチを背負ったが、佐野をスライダーで捕邪飛に打ち取り、この回を無失点でしのいだ。今季は主に守護神として九回以降を任されてきた。八回以前の登板は3月29日の広島戦(マツダ、八回)以来で、七回の登板は今季初だった。

◆阪神は25日のDeNA戦(京セラ)で2022年度公式戦入場者が200万人を達成したことを発表した。京セラドームで行われたこの日の一戦は、2万2039人の観客を動員。今季の入場人員は202万173人(甲子園:175万4880人、地方:26万5293人)となった。今季のホームゲーム56試合目(甲子園47試合、地方9試合)での達成となった。

◆阪神が快勝。先発した西純が投打で活躍し、連敗を2で止めた。西純は再三のピンチを招きながらも、6回4安打無失点で今季5勝目(2敗)をあげた。打ってはプロ初の2安打の活躍とバットでも貢献した。打線は一回にロハスが押し出し四球を選んで先制すると、三回には大山がチーム22イニングぶりのタイムリーとなる適時二塁打を放って追加点。七回には坂本がとどめの適時打を放つなど、11安打5得点とつながった。連敗を2で止め、借金は2。2位・DeNAとは6ゲーム差とした。

◆阪神が連敗を「2」で止め、京セラ主催9戦目で初勝利。一回に押し出し四球で先制し、三回に大山悠輔内野手(27)、糸原健斗内野手(29)の適時打で加点するなど、序盤で効果的に得点を重ねた。「8番」で2安打を放った西純矢投手(20)は6回無失点で、チームの連敗を「8」で止めた18日のヤクルト戦(神宮)に続く白星で5勝目(2敗)を挙げた。七回に登板した岩崎優投手(31)は野手の拙守もあり、2死満塁のピンチを招いたが、しのいだ。チームは主催56試合(甲子園47試合)で観客動員が202万173人となり、12球団最速で200万人に到達した。今季17度目の完封勝利を収めた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績57勝59敗2分、観衆2万2039人)。(テレビインタビュー)ーー完封リレー。西純は6回4安打無失点「ボールをしっかり操っている感じはあった。投球内容にも余裕とまではいかないかもしれないですけど、自分の中でもボールを操って、バッターに向かってる感じがありましたね」ーー前回の連敗も西純が止めている「そうですね。一旦、2軍に行くことになりましたけど、上がってきてから、いい投球を見せてくれているんでね。残り試合でも、今日みたいな投球をやっていってくれたらうれしいです」ーー3年目の西純が8月末で5勝目「シーズン通してというのは今シーズンもできなかったですけど。今後を含めてタイガースの投手陣、先発を引っ張る素材だと思うんで。大きく育ってもらいたいです」ーー七回から岩崎を持ってきた「まあそうですね、一番後ろでやっていたんですけど。まあ、いろいろ考えながら、スグルのいいところで使っていきながらというふうに考えて、七回に使いました」ーー打線が2桁安打「毎日これぐらい打ちたいですよね、はい」ーー初回の先制のあと、三回はつながった「ホームランはなかったですけど、つないでいくのがウチの野球。いい攻撃ができました」ーー1番中野、3番近本、5番大山。それぞれが持ち味を出した「そうですね、その中でテルが打ち損じであったり、結果が出なかったんでね。バッティング練習の状態はだいぶ良くなってるんでね。その中に他のメンバーも入っていってくれたらうれしいです」ーー佐藤輝に当たりが出始めると打線が完全につながる「もちろん相手のあることなんで、そんな簡単ではないと思いますけど、でも点を取るのがウチの課題なんで、打線がちょっとでも状態が上がるようにがんばっていきます」ーー京セラで勝利。今日は少年のファンも多く来ていた「この京セラで、なかなか勝つ試合ができなかったんで。最後になりましたけど、ひとつ勝てて、明日(26日)から名古屋で戦ってきます」ーー中日は大野雄大が先発「点を取らないと勝てないんでね。ピッチングの方はユウキに頑張ってもらって、どう点を取っていくか、そこをしっかりやっていきたいと思います」(囲み)ーー西純に成長の跡「まあまあ成長ってね、う~んまあ、期待値というか、もうちょっと高く持っちゃうんで。でも自分のピッチングはこうなんだっていうのが今年の中で出来上がっていきそうな感じがある。いつもは真っすぐ、フォークの感じかなと思うけど、今日は結構スライダー系をうまく使えた。幅は広くなる感じでいけた。いい形にはなってきているかなと感じます」ーー2軍調整前との変化「カウントが追い込めるというか、稼げる球種が増えてこないと単調になっちゃう。今日はスライダーでカウント取れたり、勝負できたり。それを意識することで真っすぐ、フォークも使える。カウント球が増えてるというか、操れている。そこらへんかなと思います」ーー近本に当たりが戻ってきた(3安打)「戻ってきたって、帰ってきて、そんなに経っていないので。1本より2本、2本より3本と出ることで本人も乗っていけると思う。俺、あんまりチームのキーとかポイントって言ってこなかったと思うんだけど。でもテレビでもずっと出てきていたタクムと近本はうちのチームのポイントにはなる。そのあたりが出るとチャンスが増えるの。今日の試合もできているんでね。やっぱ近本が帰ってきたのが大きな、チームの形というのができることになるので」ーー完封リレー「そりゃ取られるよりゼロでいけた方がいい。勝ちパターンのピッチャーが行って抑えることはもちろん、今日みたいに、タラちゃんもコバもしっかりいってくれた。スグルも嫌な流れになりそうなところを粘ってくれた。それぞれがしっかりやってくれたかなと思います」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(57)は5打数無安打に終わった佐藤輝明内野手(23)に言及し、下降線気配と指摘した。中野、近本、大山が戻った打線が機能した勝利だった。特に大山は三回の適時二塁打が象徴的でタイミングが取れている。本当に休んでいたのかと思うほど、ブランクを感じさせない打撃を見せている。一回の四球も価値がある。1死二、三塁で佐藤輝が凡退し、また点が取れないのでは、という嫌な空気が流れ始めた打席で見極めてつないだ。ロハスも押し出し四球を選んで、先制できたことで試合の流れを引き寄せた。コロナで離脱した3人が力を出してくれれば、チームとしては助かる。あとは佐藤輝だ。またまた下降線気配。一回の三飛、三回のカウント3-0からボール気味の難しいコースを打って右飛。この試合は全くダメだった。ヒットが一番いいが、状況によっては四球、内野ゴロ、外野フライでも貢献できるのが野球。頭を整理し、気持ちを整理して、勉強して、調子を取り戻してもらいたい。打線に触れてきたが、この試合に関しての勝因は西純の好投だろう。不運な打球が重なって1死一、二塁のピンチを迎えた一回を落ち着いてしのいだことが大きかった。好調なDeNA打線は一発を食らうことだけは避けなければいけない。坂本の配球も光った。青柳、伊藤将で連敗した空気を断ち切った。終盤に向けて、信頼できる投手が投手が出てきたことは明るい材料だ。

◆天才ジュンヤだ! 阪神はDeNAに5-0で快勝。先発した西純矢投手(20)が6回4安打無失点で5勝目を挙げ、チームの連敗を2で止めた。前回登板では8連敗で止め、そこから虎を4連勝に導いた。首位ヤクルトとは10ゲーム差。借金は2つあるが、残り25試合、勝負はここからだ! これでいいのだ! これでいいのだ!〝鬼門〟と化した京セラドームも、4連勝した勢いがピタリと止まった悪い流れも、マウンドに立つこの男には関係なかった。虎の苦境に西純あり―。92球の奮投と持ち前の打撃力が勝利につながると、ハイタッチの列で笑顔を輝かせた。「注意していた主軸のところを、走者をためて回してしまっていたんですけど、ピンチの場面で切れたのがよかったところかなと思います」難所は一回にいきなり訪れた。先頭・桑原の三遊間へのゴロを三塁・佐藤輝が捕球しながら持ち替えきれず、出塁。1死後には佐野も、西純自身が高いバウンドにグラブを伸ばしながら取り損ねた。内野安打2本で一、二塁と嫌な流れの中で、警戒する中軸との対戦。ここで心がけたのは攻めの気持ちだった。牧を148キロで押し切って一邪飛に打ち取ると、宮崎はカーブで三ゴロに仕留めて脱出。任された6回で得点圏には3度、走者を背負ったがスライダーを低めに投げ切るなどして踏ん張り、6回4安打無失点。三塁を踏ませなかった。8番打者としての活躍も光った。二回先頭では「速かったっすね!!」と振り返るロメロの153キロに詰まりながらも右前へ。三回には内野安打をもぎとり、今季は20打数6安打(打率・300)、4打点と野手顔負けの働きをしている。西純は前回登板した18日のヤクルト戦(神宮)でも5回2失点で白星を挙げ、ドロ沼8連敗を見事にシャットアウト。「僕は1週間に1回。自分の投げるところでしっかりと、いい雰囲気で試合ができたらいい」と気負わず自身の投球に集中できていることが、チームの危機も救っている。5、6月に先発ローテの一角を任されたが、ここでの経験で見えた課題がある。覚えているのは4回1/3で4失点(自責3)を喫した6月26日の中日戦(甲子園)でのマウンドで、バッテリーを組んだ梅野からかけられた言葉だ。「何か、お前、背負い過ぎていないか?」マウンドに立てば抑えないといけない、空振りを取らないと、と完璧を求めすぎ、自分を追い込んでしまっていた。指先にも自然と力が入り、日ごろから心がける「7割の力での投球」にも狂いが生じた。鳴尾浜で過ごす期間では理想の力加減でていねいに投げることを意識。1軍に戻り、自身初となる登板2試合連続白星にもつながった。「最後までしっかりと投げられるように頑張りたいと思います」前回はチームの8連敗を止め、4連勝をもたらした。首位ヤクルトとは10ゲーム差。26日からは中日3連戦(バンテリンドーム)に臨む。ここから仕切り直し。逆襲のワンピースとして、最後まで戦い抜く。(須藤佳裕)★2戦連続勝利 西純はプロ12戦目で初の登板2試合連続勝利となった。今季も○→●→○→●と貯金を積み重ねられない時期があり「割と、一回勝つと満足しちゃったところもあったりした」と反省。その中で遠縁にあたる西勇からは「勝ったときこそ淡々と、次の登板に向けて準備しろ」と金言をもらい、日々の過ごし方も見つめ直した。前回登板にも慢心することはなく、今回の粘投につなげた。西勇に再び「今日お願いします!」とバトンを渡して〝西西リレー〟を完成させる?★阪神・西純の前回登板VTR 8月18日のヤクルト戦(神宮)に先発登板。五回、2点差に詰め寄られ無死一、三塁を招いたが、代打・宮本を遊飛。塩見には内角を攻め、見逃し三振。山田を右飛に仕留めるなど、150キロ台の直球を連投。5回6安打2失点で4勝目を挙げ、チームの連敗を8でストップ。4連勝への道を作った。■データBOX?...阪神は今季の夏のロードを9勝12敗とした。4年連続の勝ち越しなしは決定している?...阪神はDeNA戦の連敗を5で止めた。また、今季京セラドームでの主催試合は9戦目で初勝利(通算1勝8敗)

◆また、打った。コロナ禍によるブランクも、どこへやらだ。大山のバットが元気いっぱいだ。「追加点が欲しいところでしたし、そういう意味で、いい1点だったのかなと思います」1-0の三回1死一塁。ロメロが投じた初球の外角高めのカットボールを振り抜くと、力強い打球が左中間を抜けた。「自分の中で、何パターンか(配球を)頭に入れながら(打席に)入れて、一発で仕留められた」と自画自賛だ。一回、ロハスが押し出しの四球。これが21日の巨人戦(東京ドーム)の八回に大山が適時打を放って以来、チームにとっては20イニングぶりの得点だった。大山の一打は、自身が放って以来、22イニングぶりの適時打だ。新型コロナウイルス陽性判定を受けて5日に離脱し、19日の巨人戦(同)に「5番・一塁」で復帰してから6試合で打率・409(22打数9安打)、3打点。2軍での実戦を経ずにぶっつけ本番とは思えない数字だ。「試合に出ている以上は調整できていないっていうのは言い訳にしかならないので。しっかり試合に出たら自分のやるべきことをやるだけ」試合前の打撃練習の内容も復帰初日はサッパリだったが、体調が戻ると飛距離がアップ。この日は軽々と京セラドームの外野席上段に打球を飛ばした。本人も予感はあった。「先のことよりもまずは次の試合に、勝つためにどうしたらいいかというところだと思う。(自分が)こうやって打って、試合に勝つというのはうれしいですね」74打点は佐藤輝(70打点)を上回り、チームトップ。残り25試合、大山がチャンスで打ちまくって、虎を再浮上させる。(三木建次)

◆ポーカーフェースの裏側は不安と重圧でいっぱいだった。それでも、〝18日ぶり〟の勝利がすべてをかき消してくれた。近本が連敗ストップに貢献。ホッと息を吐いた。「連勝している中で帰ってきて、プレッシャー、申し訳ないなというのは感じていた。これから連勝できるようにやっていきたいですね」一回1死二塁でロメロの153キロに食らいついた。ボテボテの当たりも快足を飛ばした。リプレー検証も判定は変わらず。二塁内野安打で好機を拡大すると、三回は追加点の口火を切る左前打。四回にも自慢の足で遊撃内野安打をもぎ取った。7日の広島戦(マツダ)以来、今季12度目の猛打賞。10日に新型コロナウイルス陽性疑いで離脱した近本にとって、勝利自体が同戦以来、18日ぶりだった。「僕が見ていたときは連敗中やったので。申し訳ないなというのは思っていましたね」自主隔離期間中、チームは泥沼の8連敗。避けようのない離脱とはいえ、迷惑をかけてしまったという自責の念が口をつく。追い打ちをかけるように、チームが4連勝と勢いに乗る中で臨んだ自身の復帰戦(23日、対DeNA、京セラ)から、再びまさかの連敗。冷静な表情で隠しながら人一倍、責任を感じていた。ただ、それも、この1勝が吹き飛ばした。24日は自主トレを行う鹿児島・沖永良部島の子どもたちを京セラドームに招待した。自身も淡路島出身。「島独特というか、社会経験だったり、外に出ないと分からない。いい経験になってもらえたら良かった」。同じ島民として、野球観戦だけでなく、多くのことを感じてほしかった。沖永良部島の子どもたちから近本もパワーをもらい、感謝の気持ちで届けた勝利。矢野監督は「(中野)拓夢と近本っていうのはうちのチームのポイント。近本が帰ってきたので、大きな、チームの形というのができる」と改めて存在の大きさを語る。やはり、猛虎打線の中心は近本だ。「勝つためにしっかり準備して、皆で戦っていきたいと思います」その背中で虎を牽引(けんいん)する。頼もしい背番号5が帰ってきた。(原田遼太郎)

◆セ・リーグ2位のDeNAは零封負けを喫し、連勝が8でストップ。それでも三浦大輔監督(48)は悲観しなかった。「(連勝は)いつかは止まりますからね。毎回うまいことはいかないですけど、もう一本が出れば流れもガラッと変わるところだった」先発のロメロが誤算だった。一回に押し出し四球を与えて先制を許すと三回に3失点。3回4失点(自責点3)で降板した。打線も三回2死一、二塁で牧が空振り三振。五回は2死一、二塁で佐野が中飛、七回2死満塁でも佐野が捕邪飛に倒れ、無得点に終わった。この日は投打ともに振るわなかったが、チームは球宴以降の後半戦で16勝3敗。7カード続けて負け越しがない。26日には17連勝中の本拠地・横浜スタジアムで首位ヤクルトを迎え撃つ。先発する大貫は12日の同カード(神宮)で6回を2失点にまとめて勝利投手。白星の再現を狙う。首位と4ゲーム差で迎える3連戦。指揮官は「大事なのはこの後。ズルズルといかないように」と気を引き締めた。(横山尚杜)

◆よっしゃあ! 若虎、西純矢よ、でかしたァ!! 阪神が勝てない〝京セラドームトンネル〟を脱出する6回無失点の5勝目、しびれたね~!! 前日までの2試合はイライラがつのる連続零封負けだっただけに、完封返しにスカッとしたのだ。打線も新型コロナウイルスから復帰した近本が、やっと本来の安打製造機に戻っての3安打。もう心配ご無用ときたもんだ!!ところが、心配ごとがつきないのが世の常というもので...。七回に虎の守護神クローザー、岩崎を起用したってのは矢野監督どーして? どーして? いや、最近調子を落としているので気分転換というのならいいんだけど...。まさか、大逆転Vを諦めてCS進出狙いにシフトチェンジしたんやないやろーね!? 残り25試合、首位の燕は、はるか上空を舞っていて状況的に厳しいどころじゃないのは重々分かっているけど、『諦めたら終わり』。それだけは肝に銘じて、奇跡のVを信じて日々必死に働いたり生活している全国の虎党を裏切らんでくれよー!!

◆想定外が起こるのが野球だ。あれだけ点が取れずに苦しんでいた阪神がやっと先制。救世主は誰だろうかと思っていたら、なんと押し出しで。まさか相手のプレゼントでゼロ行進が止まるとは夢にも思わなかった。コロナ禍から生還の大山の快打は想定外ではない。投手・西純の快打も今では想定内だ。ただ、七回に登場した岩崎がまだ本調子ではないのは個人的には想定外かなぁ。今から41年前のきょう8月26日は、衝撃の想定外が西で東で起きた日だった。巨人の本拠地・後楽園球場で〝演じられた〟のは永遠の珍プレー大賞。中日・宇野勝(現解説者)が遊撃後方への飛球を追い、捕球体勢に入った。が、取り損ねる。打球がおでこを直撃。大きく跳ねて左翼線方向へ転々...。伝説の「宇野のヘディング事件」だ。この珍プレーの面白さがより増幅されたのは、その時の状況も影響している。あの前日まで、巨人は158試合連続試合得点を継続中。要するに1年以上、完封されたことがないチームだったのだ。ちなみに、日本記録は近鉄が1979-80年に樹立した215試合。1年間に23試合も完封されるどこかのタテジマ球団は猛省してほしい。話を戻す。そんな巨人に闘志をみなぎらせ、「記録は俺が止める」とマウンドに立ったのが中日のエース星野仙一。鬼気迫る快投で七回2死二塁までゼロを並べた。そこで生まれた、あの珍プレー。二走は当然ながら生還だ。打者走者もダイヤモンドを一周してホームへスライディング。これは間一髪でアウトになった。その瞬間、ホームベースすぐ横にいた仙さんが鬼の形相で地面にグラブをたたきつけるシーンはあまりに有名。巨人がアウトになったのに、なぜ?! いやいや、それよりも、まさかの失策で巨人に1点が入った怒りで大爆発したのだ。完封ならず。それでも、星野投手は1失点完投勝利(自責ゼロ)。さすがと言うほかない。宇野のヘディング。仙さんのグラブたたきつけ。巨人の記録が辛くも継続...。すべてが絡み合って語り継がれている。「僕が生まれるずっとずっと前の事件ですが、毎年毎年繰り返しテレビで流れているから、よくよく知ってますよ」令和になっても有名すぎて、トラ番・原田遼太郎も〝現場で見たような気になる〟事件なのだ。41年前の8・26は、もう一つ、とんでもない大事件が起きている。「ベンチがアホやから」の日だ。舞台は甲子園。好投を続けていた江本孟紀(本紙専属評論家)は八回、突如、打ち込まれ同点に。この事件を詳しく書いていたら、スペースがいくらあっても足りない。ピンチになってもベンチから明確が指示がなく、投げ続けたエモやんが打たれ、降板後にグラブを投げつけた。そして、怒りに任せて不満を口にしたのだ。断片的な言葉を集めると「ベンチがアホやから...」になってしまったという。プロ野球史をひもといても、これ以上の想定外コメントはないだろう。エモやんはその後、阪神を退団し、ベストセラー作家になり、参院議員になり、数奇な運命をたどって大活躍されている。タイガースの終盤の戦いにも、うれしい想定外がありますように!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
65471 0.580
(↓0.006)
-
(-)
30487
(+2)
436
(+3)
133
(-)
61
(-)
0.251
(-)
3.470
(↑0.01)
2
(-)
DeNA
58482 0.547
(↓0.005)
4
(-)
35384
(-)
396
(+5)
87
(-)
36
(-)
0.252
(-)
3.330
(↓0.01)
3
(-)
阪神
57592 0.491
(↑0.004)
10
(↑1)
25400
(+5)
337
(-)
73
(-)
89
(+1)
0.241
(↑0.001
2.530
(↑0.02)
4
(-)
巨人
55611 0.474
(↑0.004)
12
(↑1)
26441
(+2)
503
(+1)
131
(-)
50
(-)
0.242
(↓0.001)
3.890
(↑0.02)
5
(-)
広島
54613 0.470
(↑0.005)
12.5
(↑1)
25444
(+3)
447
(+2)
72
(-)
24
(+1)
0.254
(↓0.001)
3.520
(↑0.01)
6
(-)
中日
50611 0.450
(↓0.005)
14.5
(-)
31326
(+1)
400
(+2)
55
(-)
42
(-)
0.246
(↓0.001)
3.370
(↑0.01)