ヤクルト(☆5対4★)広島 =リーグ戦19回戦(2022.08.23)・明治神宮野球場=
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広島
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ヤクルト
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勝利投手:木澤 尚文(7勝3敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝2敗31S))
敗戦投手:島内 颯太郎(0勝3敗0S)

本塁打
【広島】マクブルーム(14号・1回表3ラン)
【ヤクルト】村上 宗隆(45号・6回裏3ラン)

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◆ヤクルトが逆転勝利。ヤクルトは3点を追う4回裏、山崎の適時打で1点を返す。その後2-4となって迎えた6回には村上の3ランが飛び出し、試合をひっくり返した。投げては、2番手・木澤が今季7勝目。敗れた広島は、先発・森下が試合をつくるも、救援陣が踏ん張りきれなかった。

◆広島森下暢仁投手(24)は9日ヤクルト戦、16日中日戦と2試合続けて完封勝利。3試合連続完封は18年9~10月の菅野(巨人)が最後で、広島で達成した投手はいない。球団初の3試合連続完封を達成できるか。

◆広島秋山翔吾外野手(34)が特例2022の対象選手として出場選手登録を抹消された。発熱の症状があったためPCR検査を受け、検査結果を待っているという。広島は新型コロナウイルス陽性による離脱が相次ぐ。前回ヤクルトと対戦した9日のスタメンのうち5選手が離脱という状況だ。

◆小池百合子東京都知事(70)が始球式に登板した。神宮球場では17年の本拠地開幕戦以来5年ぶり2度目。「百合子グリーン」のグラブで登場し、ユニホームの背番号は「HTT」。思い切りよく投げたボールは手前で弾み、転がりながら打席になんとか届いた。前回の5年前は2バウンドでミットに収まっており、元ソフトボールの投手だった小池知事は「元ピッチャーのはずなんですが、直球で決めるところが決められず残念です。当日練習なしのぶっつけ本番で、肩慣らしはしてきたんですけど、ちょっと練習足りなかったと思います。次回は直球で決めたいと思います」とおちゃめに悔しがった。HTTの意味は「電力をへらす、つくる、ためると頭文字をとってHTT。この夏本当に暑いですけど、熱中症に気を付けながらもエアコンの使い方に工夫をしてもらう。ましてやコロナです。ときたま、おうちの換気をよくするということも省エネと同時に考えていきたい、そういうキーワードHTTです」と呼び掛けた。

◆ヤクルト石川雅規投手(42)が、史上7人目の通算500試合先発登板を白星で飾ることができなかった。新型コロナウイルス感染から復帰し、7月18日巨人戦以来約1カ月ぶりに先発。初回1死から中前打と四球で一、二塁のピンチを背負い、広島マクブルームの打席。3球連続ボールから、真ん中への直球をとらえられ、左翼席へ先制3ランを浴びた。米田哲也、小山正明、鈴木啓示、金田正一、東尾修、山本昌に続く大記録。21年目を迎え、達成したベテラン左腕は「先輩方の名前が偉大すぎて、自分の中でピンとこないですけど、それだけマウンドで先発に立てたというのは、すごくうれしい」。今季すでに5勝を挙げ、プロ通算182勝。2回以降は得点圏に走者を背負っても、5回まで追加点を与えない粘りの投球を披露した。打線は広島先発森下を攻めあぐねながらも、徐々にとらえだした。4回先頭から2者連続内野安打で一、二塁のチャンスをつくった。1死から石川は犠打を失敗するも、塩見が四球を選び満塁。2番山崎が左前へ運び1点返した。5回に再び1死満塁のチャンスで長岡が犠飛で1点差。なおも一、三塁で石川の打席で代打・青木が送られたが、空振り三振に終わった。石川は5回7安打3失点で初回の3点に泣き、リードを許したまま降板。今季6勝目には届かなかった。石川がプロ通算500試合先発登板を達成した。先発登板の最多記録は米田(近鉄)の626試合で、500試合以上は7人目。過去6人はすべて高校からプロ入りしており、大卒で先発500試合は初めてだ。石川は先発が500試合に対し、救援は16試合だけ。通算500試合以上登板している104人の中で、救援登板数は三浦(DeNA)の47試合を下回り、石川が最も少ない。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、ほえた!! 2点を追う6回1死一、二塁で45号逆転3ランを放った。逆転のチャンスに初球豪快な空振り。この試合、執拗(しつよう)な内角攻めを受けていた。2球目。わずかに中に入った153キロ高めの直球を見逃さず、右翼席上段へ運んだ。「打ったのはストレート。みんながつないでくれたので、なんとかしたかった。厳しいコースでしたが、うまく反応してシッカリ押し込むことが出来ました」バットを投げ、ベンチを指を差し、さけんでチームを鼓舞。この1発で、500試合先発登板の石川雅規投手(42)の黒星を消し去った。

◆日本人最速150号に王手ヤ! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が6回、45号逆転3ランを放った。球団日本人選手最多で並んでいた04年岩村の44本を塗り替える1発は、自身通算149本目。「清原超え」となる最速150号にあと1本と迫った。会心の一撃に感情を高ぶらせ、雄たけびをも見せた4番の1発で、チームは逆転勝利。史上7人目の500試合先発登板だった石川の黒星も消し去り、2位DeNAと4ゲーム差をキープした。村上が6回に逆転となる45号3ラン。39本打った昨年は6回以降に打った本塁打が10本しかなかったが、今季は1~5回が19本に対し、6回以降が26本と試合の後半でよく打つ。ヤクルトで45本以上打ったのは13年バレンティン60本以来2人目で、チームの日本人選手では04年岩村の44本を抜いて最多。チーム111試合目で45号は、85年バース(阪神)102試合、13年バレンティン(ヤクルト)107試合に次ぎ、64、67年王(巨人)に並ぶ3番目のスピード記録だ。これで村上は通算149本塁打。現在22歳6カ月の村上が、90年清原(西武)の22歳11カ月を抜く最年少150本塁打に王手をかけた。

◆プロ13年目の広島長野久義外野手(37)がプロ野球202人目の1500試合出場を達成した。1点を追う9回無死、代打で出場。マクガフの初球を中前にはじき返した。ヤクルトの球団マスコット、つば九郎から記念ボードを贈られ、中村健から記念球を渡された。初出場は巨人時代の10年3月26日のヤクルト1回戦(東京ドーム)。通算1500試合出場=長野(広島) 23日のヤクルト19回戦(神宮)の9回に代打で出場して達成。プロ野球202人目。初出場は巨人時代の10年3月26日のヤクルト1回戦(東京ドーム)。

◆広島は5連敗で5位に転落した。試合は先発森下暢仁投手(24)が、5回2失点で降板。勝ち負けはつかなかった。河田監督代行は「あいつ(森下)がいなくなると困る」と手にまめができていた右腕を早めに代えた。試合前に発熱があり、特例2022で出場選手登録を抹消された広島秋山翔吾外野手(34)はPCR検査で「陰性」が確認された。早ければ26日からの1軍合流が見込まれる。河田雄祐監督代行(54)の一問一答は以下の通り。-1点差の9回にあと1歩のところまではいったあそこ(6回)で、ケムナいってみたり島内いってみたりしたんだけど、結果負けてしまったので。初回の羽月のスチールにしろ、セカンドで仕掛ける感じにしろ。うまくいっているところもあり。あそこで(走者が)たまってしまったところでドカンだった。あそこは島内も思いきり投げて、真っ向勝負にいった中でやられた。今日はやられたけど、この次やりかえすという気持ちを忘れないでいてほしい。-島内の起用は相性が良かったからかうんそうだね。投手コーチからもそういう話があって。よしここでいこうかと。初球からいいボール投げていたが仕留められちゃって。今日は相手が上だった。-マクブルームの先制3ランで流れを呼び込んだいい感じになったし。森下があんな感じになったんだけど、ちょっと球数が増えて。あいつがいなくなるとやばいことになるんで(笑い)。100球手前だったし、今日は代えたほうがいいということで代えた。-森下の治療はアクシデントかアクシデントというか、マメがあるんじゃないか。ピッチャーはつきものでしょう。120、130投げていればそのくらいは。監督に(指揮を)渡す前に森下が投げられない、とさせちゃうと申し訳ないし。だから投手コーチと話して、あそこで交代になった-特例2022で出場選手登録を抹消された秋山は一応、熱が上がっちゃったということなので。いけても(26日の)広島なんじゃないか。いけても。陰性だったみたいなんだけど、PCRして。ただ、今日熱出ているから、まだ予断を許さない。今日陰性って出ても、明日数値が上がったりもあり得るだろうし。明後日もちょっと、やらせたら危ないんじゃない?-いるメンバーで頑張るなんとか、とにかくしのぐしかない。投手も頑張ってくれているしね。情けないという感じじゃないし。みんな必死こいて頑張っている。ゲームは勝敗がつくもの。負けたら力がないので。また頑張ってくれるでしょう。

◆"コロナショック"。広島がヤクルト19回戦(神宮)でリーグ最多28度目の逆転負けを喫した。投打の主力に新型コロナ禍による離脱が相次ぐ中、試合前に秋山が発熱のため特例2022で出場選手登録を抹消。4番マクブルームの先制3ラン、先発森下の粘投も報われなかった。5連敗で借金は今季最多7に膨らみ、5位転落となった。勝利で"コロナショック"を和らげることはできなかった。2点リードした6回。2番手ケムナが1死二塁から無安打だったキブレハンを歩かせ、リーグ3冠の村上を迎えた。3番手島内にスイッチするも、渾身(こんしん)の153キロを右翼席上段へ。悪い流れが逆転負けを招いた。監督代行を務める河田雄祐ヘッドコーチは敗戦投手となった島内を責めようとはしなかった。「今日はやられたけど、この次やりかえすという気持ちを忘れないでいてほしい」。投打ともに主力を欠くチーム状況に苦慮する。この日は打線をけん引していた秋山も発熱のため出場選手登録を外れた。前回3連勝した9日からのヤクルト3連戦のスタメンから5選手を欠く窮地だ。代役を務める若手も奮闘を見せているものの、2点差に迫られた5回は無死一塁で羽月がバント失敗(捕邪飛)。1点を追う9回は相手のミスから1死三塁に広げた直後、中村健が1ボールから捕邪飛に倒れた。中継ぎも離脱直前までセットアッパーを務めた矢崎不在が響いている。20日DeNA戦に続き、この日も継投が裏目となった。逆転負け28度はリーグ最多。4番マクブルームの先制3ランも、先発森下の粘投も、報われなかった。何より先発の大黒柱を立てての敗戦は、あまりにも痛い。秋山はPCR検査で新型コロナウイルスは陰性だったが、25日ヤクルト戦まで出場を見合わせる見込みとなった。菊池涼や野間らの合流も週末以降を予定する。河田監督代行は言葉に力を込める。「何とか、とにかく、しのぐしかない。投手も頑張ってくれているしね。情けないという感じじゃない。みんな必死こいて頑張っている。ゲームは勝敗がつくもの。負けたら力がないので。また頑張ってくれるでしょう」。上位争いにしがみつくためにも、総力戦で逆境を乗り越えていかなければいけない。【前原淳】○...島内が相手主砲村上に痛恨の逆転3ランを許した。2点リードの6回に2番手ケムナが1死一、二塁としたところで救援。内角高めの153キロは右翼席中段まで運ばれ、逆転された。「悪いコースではなかったがもっと厳しく投げないといけなかった。1ストライクでカウント有利だった分、勝負を急ぎすぎた」。3敗目を喫し、うつむいた。○...先発森下の11勝目はお預けになった。5回2失点と勝ち投手の権利を得て後続に託したが、逆転負け。2試合連続完封で迎えた今回は、4回2死満塁で山崎に左前適時打、5回1死満塁で長岡に中犠飛を許し「今日に関しては(状態は)全然ダメだった」。5回で98球を要して5回での降板に「カード頭で、後ろの投手に申し訳ない」と平身低頭だった。球団史上初の3戦連続完封と自身のキャリアハイ更新を逃した。○...マクブルームの豪快な2戦ぶり14号3ランは空砲に終わった。1回1死一、二塁で3ボールから石川の高め直球を左翼席へ。「シーズンが進むごとに対策をつくっている。以前対戦したことを振り返ってアプローチした」。6月19日にも石川から7号ソロを放っており、得意の相手。勝利にはつながらなかったが59打点と14本塁打でチーム2冠の主砲は存在感を見せた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)の逆転3ランに、実況ブースにいた元3冠王も驚きを隠せなかった。2点を追う6回1死一、二塁、逆転のチャンスに初球豪快な空振り。この試合、執拗(しつよう)な内角攻めを受け2球目。わずかに中に入った153キロ高めの直球を見逃さず、右翼席上段へ運んだ。内角高めをとらえたこの1発を、解説者として目の前で見ていた元ソフトバンク松中信彦氏は「今日はもう(投手が)勝負しないでしょう。もう投げるコースがない、ピッチャーからすると」。04年、平成唯一の3冠王がうなるほど。自身以来の3冠王の可能性が高まっている主砲の1発を激賞していた。

◆23日のヤクルト-広島戦(神宮)で、東京都の小池知事が始球式に登板した。神宮球場では17年の本拠地開幕戦以来5年ぶり2度目。「百合子グリーン」のグラブで登場。思い切りよく投げたボールは手前で弾み、転がりながら打席になんとか届いた。中学時代ソフトボールの投手だった小池知事は「元ピッチャーのはずなんですが、直球で決めるところが決められず残念です。次回は直球で決めたいと思います」と悔しがった。

◆日本人最速150号に王手ヤ!ヤクルト村上宗隆内野手(22)が6回、45号逆転3ランを放った。球団日本人選手最多で並んでいた04年岩村の44本を塗り替える1発は、自身通算149本目。「清原超え」となる最速150号にあと1本と迫った。会心の一撃に感情を高ぶらせ、雄たけびを上げた4番の1発で、チームは逆転勝利。史上7人目の500試合先発登板だった石川の黒星も消し去り、2位DeNAと4ゲーム差をキープした。会心の打感が残る手をたたき、ベンチに向かって指をさした。45号逆転3ランを放った村上が、ほえた。右翼席上段まで伸びた打球は、見届けるまでもなかった。2点を追う6回1死一、二塁の場面。初球を豪快に空振りし、わずかに中に入った2球目を捉えた。「空振りしてしまって、これじゃあもう1回空振りするなと思ったので、打席の中で少し微調整してスイングすることができました」という離れ業だった。153キロの直球を捉え、お立ち台ではその感触に「完璧です!」。神宮で勝利をもたらすダイヤモンド1周に「最高です!」。湧き出るアドレナリンに感情は最高潮。20日中日戦(バンテリンドーム)の2本で並んでいた岩村の球団日本人記録を塗り替えた。日本人最速の通算150号にもあと1本。この試合、通算500試合先発登板の石川から黒星を消し去る1発。大先輩が球史に名を刻んだ日に、黒星をつけるわけにはいかなかった。この日も、試合前の神宮球場には強い日が差していた。前カード、敵地で中日に負け越して仕切り直しの6連戦初戦の火曜日。昼下がりにグラウンドに姿を見せ、ティー打撃をバックネット裏に向かって打ち始めた。となりに寄り添う杉村打撃コーチがいう。「体力的に今が一番きついんじゃないかな。でもゲーム入るとね、目がギラギラしているのね、アイツ最近」。いつもと同じ準備をして、試合が始まると目の色が変える。この1発で、3冠王もキープした。チームは2試合ぶりの勝利で、猛追する2位DeNAと4ゲーム差を堅守。26日から敵地での直接対決、首位攻防3連戦を前に、負けられない戦いは続く。「自分たちの野球をして目の前の試合を勝つ。ここだけ。本当に苦しい試合がまだまだ続くと思いますけど、僕らは目の前の試合を全力で勝ちにいきます」。後ろは振り返らない。ぎらつかせた目で、ただ前を見てけん引するだけだ。【栗田成芳】

◆完璧な一発だった。4―2の六回1死一、二塁。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が右越えに逆転の45号3ランを放った。交代したばかりの広島・島内のカウント0―1から内角高め153キロ直球を一閃。打った瞬間に入ったとわかる一発に、いつものように〝確信歩き〟でベンチに向かって「よっしゃー」と雄たけびを上げてバットを放り投げた。これで22歳6カ月での史上最年少となる通算150本塁打達成に王手をかけた。

◆ロージンバッグを手に多めに付け、フッと息を吹きかける。ヤクルト・石川雅規投手(42)が、いつもと変わらぬ光景でまっさらな神宮のマウンドに上がり、プロ野球史上7人目となる通算500試合目の先発登板を果たした。「いい流れを持ってこられるように、いい形でチームが勝てるように。その中での役割というのは、先発は大きいと思うので、しっかりと試合を作れるように頑張っていきたい」記念すべき試合に向けて意気込んでいた42歳左腕。立ち上がりに捕まったが踏ん張った。一回に1死一、二塁のピンチで4番・マクブルームに甘く入った真ん中直球を左翼席に運ばれて3ランで先制点を献上。その後は毎回安打を許しながらも、シュートやシンカーなど変化球を低めに集めて要所は粘り、5回7安打3失点で降板した。これまで米田哲也、小山正明、鈴木啓示、金田正一、東尾修、山本昌の6人しか達成していない通算500先発登板。大卒投手では初の快挙で「出てくる先輩方の名前が偉大過ぎてピンと来ない。それだけチームの試合で先発でマウンドに立てていることはすごくうれしい」という。7月28日に新型コロナウイルス陽性判定を受けた影響で約1カ月ぶりとなった1軍登板。偉大な記録を打ち立てて大目標の200勝へ、身長167センチの小さな大投手が再び歩み始めた。試合は2―4の六回1死一、二塁から、村上が逆転の45号3ラン。石川の黒星を消し、記念すべき登板に花を添えた。

◆ヤクルトは2点を追う六回、村上宗隆内野手(22)が1死一、二塁から右翼スタンドへ45号3ランを放ち逆転勝ちを飾った。以下、村上のヒーローインタビュー。--逆転ホームランで勝利「今は最高の気分です。ありがとうございます」--2点を追いかける六回の打席は「絶対に打ってやるぞって気持ちで打席に立ちました。なんとか逆転したいなと思っていました」--投手が代わり、初球はストレートを空振り「空振りをしてしまったので、これじゃもう1回空振りするなって思ったので、打席の中で微調整してスイングすることが出来ました」--本塁打の手応えは「完璧です」--45号を打って「最高です」--残り32試合、今後の戦いに向けて「本当に苦しい試合が続きますが、僕たちは目の前の試合を全力で勝ちにいきます」

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が六回1死一、二塁から、右越えに逆転の45号3ランを放った。この日は3打数1安打3打点だった。?ヤクルト・村上が両リーグ最多の45号本塁打。シーズン45本は、2018年の西武・山川穂高(47本)以来4年ぶりで、セ・リーグでは2013年にプロ野球記録の60本を放ったヤクルト・バレンティン以来9年ぶり。ヤクルト(前身を含む)では同年のバレンティンに次いで2人目。?打率・327、45本塁打、110打点はいずれもリーグトップ。シーズン57本塁打、141打点ペースで、日本選手最多の55本塁打(1964年の巨人・王貞治)、球団記録の131打点(13年のバレンティン)を上回る勢い。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が、プロ野球史上7人目となる通算500試合目の先発登板を果たした。5回7安打3失点で勝ち負けには関係なかった。通算500試合先発登板は、2013年6月23日の山本昌以来9年ぶり7人目で、大卒選手では初めて。プロ野球最多は米田哲也(近鉄など)の626。現役2位は楽天・涌井の373。

◆また一つ偉業を成し遂げた。ヤクルト・石川雅規投手(42)が広島戦に先発し、プロ野球史上7人目となる500試合先発登板を達成。大卒投手では初の快挙に、高津臣吾監督(53)は賛辞を惜しまなかった。「大卒の中では、そこにいったことがないことなので、誰も何も語れない。本当に素晴らしい。500回、先発としてマウンドに上がれるというのは、心身含めて相当な強さがある」6月に史上28人目の3000投球回を達成したベテランの技は健在だった。新型コロナウイルスに感染し、7月18日以来の登板。一回、マクブルームに先制3ランを被弾した後は粘り、5回を3失点。逆転勝利への流れを呼び込んだ。過去の達成者は、金田正一や米田哲也ら通算200勝以上の投手ばかり。目標に掲げる大記録達成へ、次こそは183勝目を挙げる。(赤尾裕希)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは23日、広島19回戦(神宮)に5―4で逆転勝ち。村上宗隆内野手(22)が2点を追う六回に逆転の3ランを放ち、勝利に導いた。球団の日本選手最多を更新するシーズン45号は、通算150号に王手をかける一発。22歳6カ月の若き主砲が、清原和博(西武)の持つ22歳11カ月を抜く史上最年少記録に「1本」と迫った。2位・DeNAに追い上げられる中、チームは主砲の値千金のアーチで4ゲーム差をキープした。神宮球場に、村上の雄たけびがこだました。「よっしゃー!!」その声は、すぐ2万1507人の歓声にかき消された。2―4の六回1死一、二塁。代わったばかりの3番手・島内が投じた内角高め153キロの直球を捉え、右翼席上段に運んだ。「内角の難しい球が来るなというイメージでしたが、あそこまで完璧に打てるイメージはしていなかった。いい本塁打になりました」確信歩きからのドヤ顔、さらに一塁ベンチを指さすポーズ。もはや恒例の流れるような〝ルーティン〟で余韻に浸った4番打者は、起死回生の逆転弾を自賛した。2004年に岩村明憲が残した球団日本選手最多を塗り替えるシーズン45号の3ラン。驚異の読みと修正力が、それを生んだ。内角高め、151キロの直球を空振り。厳しい攻めに「もう一回来る」と嗅覚を働かせ、2球続けてきた同じコースの同じ球種を捉えた。〝村神様〟の活躍は、球史に残る域に達する。22歳6カ月で通算149本塁打目。清原和博(西武)の22歳11カ月を抜く史上最年少での通算150号に王手をかけた。DeNA・佐野と争う打率は・327でリーグトップを堅持。独走中の45本塁打、110打点と合わせて、令和初の三冠王も視界に捉える。188センチ、97キロの強靱(きょうじん)な肉体は生まれ育った熊本県で基盤をつくった。高校時代は熊本市の校舎から約6キロ離れた山沿いにあるグラウンドまで、急勾配の坂道を自転車で駆け上がる毎日。冬場や夏の大会前には「地獄のトレーニング」と呼ばれるクロスカントリー練習で足腰を強化した。両親には好物の餃子や唐揚げなど栄養満点でボリュームたっぷりなメニューをつくってもらい「早寝早起き」も徹底。東京で暮らす今でも故郷の味を好み、熊本の特産品で疲労回復や集中力の向上に効果があるとされる馬刺しをよく食べる。今夏は弟・慶太内野手(3年)が在籍する母校の九州学院高が、自身の1年夏以来7年ぶりの甲子園大会出場を果たし、最高成績の8強に進出した。「すごく感動しましたし、僕も頑張ろうという思いにさせてくれました」。弟、後輩の姿は大きな刺激となった。チームは逆転勝ちで2位・DeNAとの4ゲーム差を維持した。最大17・5ゲーム差から驚異のペースで追い上げてくる相手にも、村上は「自分たちの野球をして目の前の試合に勝つ。そこに集中してやっていきたい」と泰然自若。偉大な記録に迫る背番号55は、どこまでも頼もしい。(森祥太郎)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
64461 0.582
(↑0.004)
-
(-)
32479
(+5)
431
(+4)
133
(+1)
60
(-)
0.251
(↑0.001
3.490
(-)
2
(-)
DeNA
57472 0.548
(↑0.004)
4
(-)
37380
(+4)
391
(-)
86
(+1)
35
(-)
0.253
(↑0.001)
3.350
(↑0.04)
3
(-)
阪神
56582 0.491
(↓0.005)
10
(↓1)
27395
(-)
333
(+4)
73
(-)
88
(-)
0.241
(-)
2.540
(↓0.02)
4
(1↑)
巨人
54601 0.474
(↑0.005)
12
(-)
28438
(+6)
498
(-)
131
(+1)
50
(-)
0.243
(-)
3.940
(↑0.03)
5
(1↓)
広島
53603 0.469
(↓0.004)
12.5
(↓1)
27439
(+4)
439
(+5)
70
(+1)
23
(+1)
0.255
(-)
3.510
(↓0.02)
6
(-)
中日
49601 0.450
(↓0.004)
14.5
(↓1)
33321
(-)
397
(+6)
55
(-)
40
(-)
0.246
(↓0.002)
3.410
(↓0.02)