ロッテ(★4対5☆)西武 =リーグ戦20回戦(2022.08.23)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
20011100051200
ロッテ
0000030104800
勝利投手:髙橋 光成(8勝7敗0S)
(セーブ:増田 達至(2勝2敗26S))
敗戦投手:石川 歩(6勝5敗0S)
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◆西武は初回、呉の適時打で2点を先制する。その後は4回表に栗山の適時二塁打、続く5回には外崎の適時二塁打が飛び出すなど、小刻みに加点した。投げては、先発・高橋光成が6回3失点の好投で今季8勝目。敗れたロッテは、打線が中盤以降に追い上げを見せるも及ばなかった。

◆西武は小技を絡め、先制の2点をもぎ取った。初回、先頭外崎が四球を選び、続く源田が左前打でチャンスを拡大させた。無死一、二塁。打席には3番森が入った。その初球だった。天才的なバットコントロールを持つ男がバットを寝かせた。送りバント。外角高め129キロシンカーをうまく打球の勢いを殺した。捕手松川と投手石川の間に転がした。見事にバントを成功させて、走者を進めた。ベンチからの指示ではなかった。状況を見極め、自主的な判断だった。森は「サインではありませんでしたが、どうしても1点欲しかったのでバントをしました。その後、得点につながって良かったです」。犠打は今季292打席目で初。昨年4月22日以来、通算では5個目だった。1死二、三塁となり、山川は二飛に倒れたが、呉念庭が勝負強さを見せ、中前2点適時打を放った。森が自ら選んだバントはしっかり先取点につながった。1回裏の守備では四球と死球で無死一、二塁のピンチとなった。ロッテ3番中村奨はバントを試みたが、森が素早く処理し、併殺に仕留めた。同じ状況で、同じ攻め方だったが、結果は対照的だった。

◆ロッテは序盤の拙攻が響き、3連敗。借金が7まで膨らむのは6月7日以来、約2カ月半ぶりとなる。初回、制球難で連続四死球を出した西武高橋に対し、3番中村奨がバント失敗での併殺打。2回も凡飛の連続で四球の走者を進められず、4回には2四球などでの満塁機でマーティンがあっけなく見逃し三振。マーティンは6回、8回も好機で三振に倒れた。6回に3点、8回に1点を奪ったが、あと1点が届かなかった。一方で西武は中盤の4、5、6回にいずれも適時二塁打で加点。力量差を見せつけられ、ロッテファンのため息が続いた。イースタン・リーグではこの日、山本大斗外野手(20)が10号本塁打を放ち、西川僚祐外野手(20)も4安打と爆発。井口資仁監督(47)は2人について試合後に「ちょっと入れ替えもこれから考えていきます」と話すにとどめた。

◆ロッテのレオネス・マーティン外野手(34)が期待を裏切った。7番右翼でスタメンも3度のチャンスで3三振。井口監督は「これはもう、今シーズンずっとなんで。もう本当に、考えないといけないと思います」と言葉を選ぶように話した。助っ人の今季最高打率は1割9分1厘。指揮官は「オフ(の調整)がどうだろうがシーズンやるっていうのがプロ野球なんで。去年どうだったとか関係なく。現実がそういう結果なので」と険しかった。

◆チームのために-。天才的なバットコントロールを持つ男が、自らバットを寝かせた。西武森友哉捕手(27)は初回無死一、二塁で第1打席が巡ってきた。先頭外崎が四球、源田が左前打で先制の好機を演出してくれた。迷いはない。「どんなサインでもバントしよう」。心に決めた。その初球。いつものようにどっしり腰を落とす。ただフルスイングを封印し、左手をバットの中心に添えた。ここ7試合で3併殺。状況を見極め、サインではなく自主的に判断した。「ここ最近ゲッツーも多いですし、何とか先制点が欲しい場面だったので」。外角高め129キロシンカーに、うまく打球の勢いを殺した。見事にバントを成功させ、走者を進めた。犠打は今季292打席目で初。昨年4月22日以来、通算では5個目だった。金色だった髪も今は黒く短くなった。そのわけは「ほっといてくださいよ。気分転換で」と笑う。そんな男の献身プレーが効いた。1死二、三塁となり、山川は二飛に倒れるも、呉念庭が先制2点適時打を放った。試合前までZOZOマリンは1勝7敗と大きく負け越す鬼門だった。ただ初回の2点が大きく、1点差で逃げ切った。おのおのが最善の役割を考え、遂行できる。負ければ、陥落の危機だった首位をしっかりキープした。【上田悠太】○...高橋は制球に苦しみながらも、8勝目をマークした。4回までに5四死球も、粘りの投球。6回まで6安打の3失点に何とかまとめた。前橋育英で13年夏の甲子園を制した右腕は「うまく自分をコントロールできない中で、森さんがリードしてくれて、それに応えようと一生懸命、腕を振った。ただ悔しいマウンドでした」と語った。▽西武辻監督(苦手ZOZOマリンで勝利)「大きな1勝よ、もちろん。ここは相性が悪かったしね」▽西武呉念庭(1回に先制の2点適時打)「得点圏にランナーがいたし、僕が何とかしなければと思って打席に入った。先制点が取れて良かった」

◆残り29試合で、2位ソフトバンクに0・5ゲーム差の首位に立つ西武。ただ、辻監督にまだ〝ヒリヒリ感〟はない。「3連戦で1位から4位になる可能性もある。(本当の勝負は)残り10試合、15試合らへんでしょう。今はノビノビ、明るくやってほしい」と話した。それでも、各自がやるべきことを知っているのが西武の強み。一回無死一、二塁では3番・森が今季292打席目で今季初の送りバントを決めた。初球を捕手前に転がして、走者は二、三進。「サインではありませんでしたが、どうしても1点欲しかったのでバントをしました」と自らの判断であったことを明かした。続く山川は二飛に倒れたが、5番・呉念庭が「山川さんが凡退して、『僕が何とかしなければ!』と思って打席に入った」と、カウント2-1からロッテ・石川のシンカーを中前に運ぶ先制の2点打。結果として、森の今季初の送りバントが生きた。援護をもらった高橋は「負けられない試合が続く。一回一回丁寧に投げ、ゼロを積み重ねていきたい」との言葉通り、5四死球と制球に苦しみながらも五回まで2安打無失点。六回に井上に2点適時二塁打、代打・菅野に適時打を許し、このイニング3点を献上したが、6試合連続でクオリティスタート(QS=6回以上、自責点3以下)の安定感を誇示した。

◆西武は一回に呉念庭の2点打で先制し四回に栗山の適時二塁打、五回に外崎の適時二塁打、六回に栗山の適時二塁打で加点した。高橋が6回3失点で8勝目。増田が26セーブ目。ロッテは石川が5回4失点で追い上げも届かなかった。

◆ロッテは0―5の六回に井上の2点二塁打と代打菅野の適時打で3点を奪い、八回には安田の適時二塁打で1点差まで詰め寄ったが、あと一歩及ばなかった。前半の拙攻が響いてチームは3連敗を喫した。一回は無死一、二塁から中村奨が送りバントを失敗して捕ゴロ併殺打。四回は1死満塁からマーティン、茶谷が凡退に倒れた。16日以来の先発出場だったマーティンは4打数無安打で3三振。不調が続き、井口監督は「今シーズンずっとなので、もう本当に考えないといけない」と厳しい口調だった。(ZOZOマリン)

◆西武が主砲の犠打で首位を堅守した。一回無死一、二塁で、3番・森友哉捕手(27)が今季292打席目で初の送りバントを決めた。「迷いはなかった。打席に入る前から決めていた。ここ最近ゲッツー(併殺打)も多かったし、どうしても先制点が欲しい場面だったので」ベンチの作戦は強行策だったが、自身の打撃状態に加えて、ロッテ先発・石川がシンカーの連投で併殺狙いに来ることを予想。初球を捕前に転がして、走者を進めた。結果的に2死後に呉念庭が中前に先制2点打を運び、森の今季初犠打が生きた。逆に直後の一回無死一、二塁のピンチでは中村奨の捕前バントを素早い動きで2-5-4の併殺を完成させた。4月3日のロッテ戦で途中交代後にロッカーで捕手マスクを投げつけた際に右手人さし指を骨折。2カ月近く離脱し、以降はフォア・ザ・チームに徹している。約1週間前にはトレードマークの金髪から短い黒髪に変えた。本人は「気分転換」と照れたが、今夏の甲子園大会のテレビ中継を見て「やっぱり感動しますね。僕らは年間143試合あるけど、それでも球児の一生懸命にやってる姿は見習わないといけない」。大阪桐蔭高2年時の2012年に藤浪(阪神)とのバッテリーで春夏連覇を達成した頃の気持ちを喚起させたのだった。今季1勝7敗だったZOZOマリンでの初戦を制し、辻監督も「(送りバントは)チームのことを考えてやったんでしょ。大きな1勝」と目を細めた。(東山貴実)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
61513 0.545
(↑0.004)
-
(-)
28391
(+5)
342
(+4)
93
(-)
54
(-)
0.235
(↑0.002
2.560
(↓0.02)
2
(-)
ソフトバンク
58492 0.542
(↑0.004)
0.5
(-)
34423
(+15)
373
(+6)
78
(+1)
63
(-)
0.258
(↑0.003)
3.190
(↓0.03)
3
(-)
楽天
56522 0.519
(↓0.004)
3
(↓1)
33410
(+6)
382
(+15)
77
(-)
80
(-)
0.247
(↑0.001)
3.330
(↓0.11)
4
(-)
ORIX
59551 0.518
(-)
3
(↓0.5)
28375
(-)
352
(-)
63
(-)
54
(+2)
0.247
(-)
2.710
(↑0.02)
5
(-)
ロッテ
51581 0.468
(↓0.004)
8.5
(↓1)
33356
(+4)
409
(+5)
68
(-)
102
(-)
0.224
(↑0.001
3.300
(↓0.01)
6
(-)
日本ハム
44663 0.400
(-)
16
(↓0.5)
30358
(-)
418
(-)
82
(-)
75
(-)
0.233
(-)
3.460
(↑0.03)