巨人(★1対6☆)阪神 =リーグ戦21回戦(2022.08.21)・東京ドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
20010102061600
巨人
0000001001611
勝利投手:才木 浩人(3勝1敗0S)
敗戦投手:シューメーカー(4勝8敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(24号・7回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 巨人戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆阪神は初回、佐藤輝の適時打と糸原の犠飛で2点を挙げ、幸先良く先制する。そのまま迎えた4回表には、2死一二塁の好機から島田が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・才木が7回途中1失点で今季3勝目。敗れた巨人は先発・シューメーカーが精彩を欠き、打線も振るわなかった。

◆阪神島田海吏外野手(26)が好調。7月成績は61打数12安打、打率1割9分7厘だったが、8月成績は70打数25安打、打率3割5分7厘。今月17試合出場のうち9試合が2安打以上で、月間25安打は村上(ヤクルト)秋山(広島)ら20安打を抑えてリーグ最多。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)のバットがスタンドに飛び込んだ。1回1死一、三塁、巨人シューメーカーの1-1からの3球目をスイングすると手からバットがすっぽ抜けた。一塁側の巨人ベンチの上のネットを越えてスタンドの観客に直撃した。場内には「試合中、バットが飛んでくることがございます。ご注意ください」とアナウンスが流れた。

◆阪神の4番佐藤輝明内野手(23)がまさかの「バット投げ」から先制打を決めた。1回表1死一、三塁。1ボール1ストライクから巨人シューメーカーの低めスプリットを空振り。その際、手からバットがすっぽ抜けた。バットはそのまま一塁側巨人ベンチの上のネットを越えて、スタンドの観客に直撃。場内に「試合中、バットが飛んでくることがございます。ご注意ください」と珍しいアナウンスが流れると、球場全体がどよめいた。それでも直後の4球目、内角低めスプリットを詰まりながらも左翼ライン際にポトリ。「追い込まれていたので、なんとか食らいついていく気持ちでした。いいところに落ちてくれましたし、まずは先制することができて良かったです」。運も味方につけた左前適時打で先制点をもぎ取った。復活の4番は5戦連続で打点を記録した。打線はなおも1死満塁から6番糸原健斗内野手(29)の中犠飛で2点目をゲット。糸原は「(先発)才木を少しでも楽に投げさせるために、どんな形でもいいので、もう1点欲しいと思っていました。最低限ですが、仕事ができて良かったです」と振り返った。

◆巨人先発のマット・シューメーカー投手(35)が5回途中で降板し、5勝目はお預けとなった。4安打を浴びて2点を先制された初回から毎回安打を許し、4回2/3を10安打3失点(自責2)でKOされた。6月25日ヤクルト戦(神宮)で勝ってから、6試合連続で勝ち星から遠ざかっている。

◆巨人岡本和真内野手(26)に5試合ぶりの1発となる24号ソロが出た。0-4で迎えた7回先頭。ここまでチーム計3安打に抑えられていた阪神先発才木の146キロ直球を、バックスクリーン右へたたき込んだ。16日DeNA戦(横浜)の第1打席以来、22打席ぶりのアーチとなった。

◆阪神才木浩人投手(24)が6回1/3を4安打1失点で勝ち投手の権利を得て、交代した。2回は巨人先頭の中田に右前打、続く岡本和に四球と無死一、二塁のピンチを背負った。それでも、変化球を織り交ぜながらカウントをつくり、ウィーラー、大城をフォークで2者連続空振り三振。若林には四球を与え満塁としたが、最後はシューメーカーを一飛で抑えた。3回から3イニング連続で3者凡退の安定した投球を披露。しかし4点リードの7回に岡本和からソロを浴び1点を献上。87球投げたところで途中交代を告げられ、マウンドを降りた。「立ち上がりは少しバタバタとしてしまいましたが、3回以降はうまく修正しながら、落ち着いて投げることができたと思います。次回は、回を重ねても思ったところに投げ切れるように、今日の反省を生かしていきたいです」このままチームが勝てば右腕は、18年5月27日の同戦(甲子園)以来1547日ぶりの巨人戦勝利。前回登板の11日DeNA戦では、6回2/3 4失点(自責3)と今季初黒星を喫していたが、この日は持ち味を出しきり、中継ぎへとバトンをつないだ。

◆猛虎打線が活発だ。9回2死、1番中野拓夢内野手(26)が巨人大勢から左前打を放ち、6月2日西武戦以来、今季2度目のチーム毎回安打を決めた。7回には、糸原健斗内野手(29)が、平内から遊撃内野安打を放ち、今季8度目の先発野手全員安打を決めていた。4番佐藤輝明内野手(23)が初回に先制適時打を放ち、自身プロ最長をさらに更新する5試合連続打点をマーク。新型コロナ感染から復帰後3試合目の5番大山悠輔内野手(27)は4安打2打点と状態を上げてきた。16安打6得点で宿敵を圧倒した。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が約2年ぶりの1試合4安打を記録した。「5番一塁」で先発。1点リードの1回1死一、二塁では三塁内野安打で好機を拡大し、6番糸原健斗内野手(29)の犠飛をお膳立てした。3回はライナーで左前に運び、5回は三遊間を破った。3点リードで迎えた8回1死満塁では左腕高梨のカットボールをミートして中前2点打。20年10月16日ヤクルト戦以来、自身5度目の1試合4安打を決めた。大山はこれで今季満塁の場面で12打数7安打、打率5割8分3厘、17打点。「満塁男」を継続している。

◆投打がかみ合い、チームは4連勝で借金1と完済目前に迫った。新型コロナから復帰後、3試合連続でスタメンの大山悠輔内野手(27)が今季初の4安打2打点の活躍を見せた。3点リードの8回1死満塁の場面で4安打目となるダメ押しの適時中前打を放った。チームトップの本塁打、打点を稼ぐ大黒柱が好調ぶりを発揮した。打線は初回に中野拓夢内野手(26)が中前打で出塁。メル・ロハス・ジュニア外野手(32)も左前打でつないだ1死一、三塁で4番佐藤輝明内野手(23)が左前に落とす適時打で先制。背番号8はこれで5試合連続で適時打をマークした。大山も内野安打でつなぎ、1死満塁から糸原健斗内野手(29)の中犠飛で1点を追加した。4回2死一、二塁では島田海吏外野手(26)が内角の変化球を拾う技ありの中前適時打を放って3点目。今季8度目の先発野手全員安打で投手陣を援護した。投げては先発才木浩人投手(24)が6回1/3 4安打1失点で約4年ぶりに巨人戦で勝利を挙げた。長期ロード中の巨人戦3連戦3連勝は、82年8月13~15日(後楽園)以来40年ぶり。88年に開場した東京ドームでの長期ロード3連勝は初めて。伝統の一戦で再び勢いを取り戻した。

◆5位巨人が泥沼の今季ワースト6連敗に沈んだ。今季60敗目で最多タイの借金7に膨らんだ。【6連敗】DeNA3連戦=1●3、3●7、3●4 阪神3連戦=0●4、1●5、1●6先発のシューメーカーは、毎回の被安打で5回途中10安打3失点でリズムに乗れず、KOされた。リリーフ登板したデラロサ、高梨も失点を重ね、リードを広げられた。打線は、阪神先発の才木に翻弄(ほんろう)された。4点を追う7回、6番に打順を落としている岡本和真内野手(26)が5戦ぶりの24号ソロで一矢報いるも、6回1/3を4安打1失点に抑えられた。連敗中はいずれも3得点以下にとどまり、得点力低下が浮き彫りになっている。この日、勝利した最下位中日とは1・5ゲーム差となった。マット・シューメーカー 来日1年目。17試合に先発登板し、4勝8敗。防御率4・34。推定年俸は1億5000万円。35歳。

◆5位巨人が泥沼の今季ワースト6連敗に沈んだ。今季60敗目で、借金は最多タイの7に膨らんだ。前カードのDeNA3連戦は1●3、3●7、3●4。今カードの阪神3連戦は0●4、1●5、1●6。黒星が連なった。DeNA3連戦の初戦の先発を任されたエース菅野は6回3失点で「もっと粘らなければいけませんでした。(5回の本塁打の)1点で止められていれば、3点目を与えてしまったことに悔いが残ります」。同2戦目は先発メルセデスが5回3失点で「全体的に調子が良くアグレッシブにピッチングできた。5回はなんとか粘りたかったけれど粘り切れず悔しい。長いイニングを投げれるように次の登板は頑張りたいです」。同3戦目は先発戸郷が7回0/3を4失点で「点を取ってもらいながらも粘りきれませんでした。しっかり修正して次に挑みたい」。阪神3連戦の初戦の先発を任された山崎伊は6回0/3を1失点で「良い流れで投げれていたのですが、あそこで降板してしまい中継ぎの方に申し訳ないです」。同2戦目の先発堀田は3回3失点で「先発として長いイニングを投げれず申し訳ないです」この日の同3戦目の先発シューメーカーは「テンポよく長いイニングを投げられずに残念です」。6投手の悔しさがにじむコメントが連なった。この日、勝利した最下位中日とは1・5ゲーム差となった。

◆阪神才木浩人投手(24)が6回1/3を4安打1失点で4年ぶりに巨人戦で白星を挙げた。2回に無死一、二塁のピンチを背負った。それでも、変化球を織り交ぜながらウィーラー、大城をフォークで2者連続空振り三振。最後はシューメーカーを一飛で抑えた。7回には岡本和にソロを浴びたが、最少失点にとどめて3勝目をつかんだ。右腕の巨人戦勝利は、プロ初勝利となった18年5月27日(甲子園)以来。ヒーローになった才木の一問一答は以下の通り。-全体を振り返って「あの、一昨日、昨日と西さんと藤浪さんがいいピッチングをしてて、藤浪さんから今日『お前も続けよ』とハッパをかけられていたので、とりあえず抑えることができてよかったです」-いい流れを引き継ぎ素晴らしい投球「立ち上がりがすこしバタバタしてしまって、梅野さんや野手の方に助けられるピッチングになってしまった。3回からは、しっかり自分のリズムで投げることができたのでよかったかなと思います」-立ち上がりから直球で圧倒した「なんか今日は自分自身もバント2つ決まってすごくうれしかったので、乗れました(笑い)」-巨人戦は4年ぶり「伝統の一戦なので、特別な感じでしたけど、特に気負うことなく、いつも通りの感じで投げていこうという感じでしっかり投げることができてよかったです」-チームは4連勝「ここからしっかり流れに乗って勝てるように、チーム全体で頑張っていきたいです」-次回の意気込み「次は自分が藤浪さんにハッパをかけられるように頑張ります」

◆5位巨人が泥沼の今季ワースト6連敗に沈んだ。今季60敗目で、借金は最多タイの7に膨らんだ。【6連敗】DeNA3連戦=1●3、3●7、3●4 阪神3連戦=0●4、1●5、1●6先発のシューメーカーは、毎回の被安打で5回途中10安打3失点でリズムに乗れず、KOされた。リリーフ登板したデラロサ、高梨も失点を重ね、リードを広げられた。シューメーカーは試合後に2軍再調整が決まった。打線は、阪神先発の才木に翻弄(ほんろう)された。4点を追う7回、6番に打順を落としている岡本和真内野手(26)が5戦ぶりの24号ソロで一矢報いるも、6回1/3を4安打1失点に抑えられた。連敗中はいずれも3得点以下にとどまり、得点力低下が浮き彫りになっている。この日、勝利した最下位中日とは1・5ゲーム差となった。

◆巨人が泥沼だ。阪神に完敗し、DeNA戦に続いて2カード連続で3タテを食らった。「ワーストの6連敗」「ワーストタイの借金7」「60敗目」。目を覆いたくなる記録が並んだ。投打とも、どん底にある。先発シューメーカーは毎回の計10安打を浴びて5回途中3失点でKO。救援陣も中押し、ダメ押しを許して引き離された。打線は岡本和の5戦ぶりの24号ソロの1点のみ。阪神3連戦は計2得点、6連敗中は計9得点と長い沈黙が続く。23日から1・5ゲーム差に迫ってきた最下位中日を本拠地に迎える。この3連戦の結果次第で、最下位転落の危機に陥る。残り29試合。原監督は「もう今が頑張り時だしね、力の見せどころなわけでね。そこは選手たちも重々承知しているし、そこはまた明後日から期待するというところですね」と話した。巨人が正念場だ。○...桑田投手チーフコーチがシューメーカーの2軍再調整を明かした。「フォームや精神的なところをリフレッシュして次に備えてもらいたい」と話した。5回2死一、二塁から2番手で登板し、梅野を一ゴロに抑えた赤星については、先発に復帰させる意向。6月26日ヤクルト戦からブルペンに回っていたが「この数試合、ボールも元気になってきた。そろそろ先発にも戻してあげたい」とした。

◆新型コロナ感染で離脱していた阪神近本光司外野手(27)が、23日のDeNA戦(京セラドーム大阪)から合流することを矢野燿大監督(53)が明言した。巨人戦後、指揮官が「火曜日からは近本も帰ってくる予定です。そういうところではまた、全員で先発だけではなく、控えのメンバーもみんなやってくれると思う。近本が帰ってきてくることがさらなるプラスになるかなと思います」と明かした。近本は今月10日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱。20日に自身のSNSで自主隔離期間を終えたことを報告していた。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、まさかの「バット投げ」から先制打を決めた。初回1死一、三塁。1ボール1ストライクで"事件"は起きた。シューメーカーの低めスプリットを空振り。この時、手からバットがすっぽ抜けた。バットは一塁側巨人ベンチ上のネットを越え、スタンドの観客に直撃。場内に「試合中、バットが飛んでくることがございます。ご注意ください」と珍しいアナウンスが流れると、球場全体がどよめいた。直後の4球目だ。すでに気持ちを切り替えていた。「なんとかバットに当てようと」。内角低めスプリットを詰まりながら左翼ライン際に落とす適時打で1点先取。試合後は「すみません」と謝罪すると、「サインボールをプレゼントしました」と球団を通じて、おわびの品を贈ったことを明かした。自己最長をさらに更新する5試合連続打点。「いい感じできていると思っています」と納得顔だ。これで大山とアベック打点ならチームは16連勝。「いやもう、本当に束になって、(自分たちが)いいところで打てば勝てると思うので、これを続けていきたいです」とうなずく。今季70打点にも到達。73打点の大山とともに同一チームに70打点以上2人は12球団で阪神のみだ。23日からの2位DeNA戦に向け「いい勢いは長く続けられるようにやっていきたい。自分たちの野球をするだけなので、しっかり頑張ります」と力を込めた。【中野椋】○...梅野が猛打賞&好リードで勝利に貢献した。2回に左前打を放つと、4回には右前打。7回にはカーブをつかまえてしぶとく右前に落として今季3度目の1試合3安打をマークした。守っても最後までマスクをかぶり、先発才木らをリード。「(打撃は)自分の役割は出来たと思うし、結果が出るとチームも乗ってくるので、いい仕事が出来た」と充実感を漂わせた。○...2番島田が技ありのタイムリーを放った。2点リードの4回2死一、二塁。巨人シューメーカーの内角低め変化球をとらえ、中前に運んだ。「対応が難しかったんですけど、なんとか食らいつくという気持ちで1本出てよかったです」。6回には右翼へ二塁打を放ち、今季18度目のマルチ安打。8月の打率は3割6分と好調だ。先発野手全員安打は7月13日巨人戦(甲子園)以来、今季8度目。巨人戦では7月12日にも記録しており、今季3度目。毎回安打は6月2日西武戦(甲子園)以来、今季2度目。阪神が巨人戦3連戦3連勝したのは、4月29日~5月1日(東京ドーム)以来、今季2度目。巨人戦で年間2度は07年以来、15年ぶり。長期ロード中の巨人戦3連戦3連勝は82年8月13~15日(後楽園)以来、40年ぶり。88年の東京ドーム開場以降では初めて。東京ドーム巨人戦で8勝目。これは04、07年に並ぶ最多勝利。今季は残り1試合東京ドームでの巨人戦が予定されており、更新の可能性がある。

◆4年ぶりのG斬りや! 阪神才木浩人投手(23)が6回1/3を4安打1失点の好投で、18年5月27日(甲子園)以来1547日ぶりの巨人戦勝利を飾った。敵地東京ドームでは初の白星だ。気迫の投球が光った。2回無死一、二塁のピンチでも、力強く腕を振った。ウィーラー、大城をフォークで2者連続空振り三振を奪うなど無失点で切り抜けた。「ああいう展開でもゼロで抑えられるということができた。反省するところもありますけど、いい勉強になったと思います。三振がほしい場面でしっかり低めにフォークを投げきることができた」と自信を深めた。先輩右腕のゲキに応えた。前日20日に今季初勝利を挙げた藤浪がヒーローインタビューで「明日はね、才木が投げるんですけども、しっかり投げてくれると思うので、みなさん期待しててください」とエールを送っていた。さらに試合前に「お前も続けよ」とハッパをかけられたという。相手打線を4安打に抑え、7奪三振を記録。この日の試合後は藤浪に続き、マイクを向けられ「次は自分が藤浪さんにハッパをかけられるように頑張ります」と笑顔で返した。気配りの男だ。7月10日に母校・須磨翔風が兵庫大会2回戦で神戸国際大付に延長12回の死闘の末に敗戦。才木は試合後、恩師・中尾修監督(56)にLINEで「残念です」と送った後、「甲子園で投げる時に来てください!」とチケットを送った。指揮官は「僕の気持ちを切り替えてくれようとしてくれたんだと思います。お互いに頑張りましょう、と」と感謝。この日も中継ぎ陣がベンチに戻ると駆け寄る場面が印象的だった。矢野監督は「1軍に上がってから、ずっと試合をつくってくれていますし、才木らしく向かっていく投球をよくしてくれている」とたたえた。これで今季3勝目。「ここからしっかり流れに乗って勝てるように、チーム全体で頑張っていきたい」。右肘のトミー・ジョン手術を乗り越えた背番号35が、先発ローテーションに欠かせない存在になった。【三宅ひとみ】○...今季25セーブの岩崎が、セーブ機会ではない5点リードの9回に登板した。本塁打を放っている先頭岡本和を二飛に仕留めると、石川、北村も打ち取り3者凡退で試合を締めた。岩崎は14日中日戦で9回に勝ち越し点を許し、2戦連続で敗戦投手に。心身両面のコンディション回復を図るため、一時的にクローザーを外れる可能性が高まっていた。中6日での登板は危なげない内容だった。○...岩貞が0回2/3を2安打無失点で抑えた。3点リードの7回1死から先発才木に代わってマウンドへ。巨人大城をスライダーで空振り三振。若林、ポランコに連打を浴び、2死一、三塁のピンチを背負ったが、吉川を中飛に打ち取り追加点を許さなかった。左腕は3試合連続無失点、防御率1・59と安定している。○...湯浅が巨人打線を3人で片付け、15試合連続無失点に抑えた。5点リードの8回に3番手で登板。坂本を右飛、丸を二ゴロ、中田を右飛と上位打線を寄せ付けなかった。「才木さんがいい投球をしてくれていたので、いい雰囲気の中でマウンドに上がることができました」と先輩に感謝。「いつも通りバッターに向かっていく気持ちを持って投げられた」と中6日と登板間隔が空いたが、心配は無用だった。○...糸原が犠飛を放ち、先発才木を援護した。1点リードの1回1死満塁。巨人シューメーカーのスライダーを中堅に運び、追加点を挙げた。5試合ぶりの打点に「才木を少しでも楽に投げさせるために、どんな形でもいいので、もう1点欲しいと思っていました。最低限ですが、仕事ができてよかったです」とホッとした様子だった。

◆頼れる主砲が完全復活や! 阪神大山悠輔内野手(27)が1試合4安打の大暴れで、長期ロード期間中では40年ぶりとなる巨人3連戦3連勝に貢献した。8回1死満塁で中前にダメ押しの2点適時打を放ち、満塁男ぶりを発揮。新型コロナウイルス感染から復帰3戦目で復調をアピールした。チームは4連勝で、借金完済に王手をかけた。視線の先で、二塁走者江越がホームベースを駆け抜ける。大山は一塁ベース付近で走者2人の生還を見届けると、控えめに拍手を繰り返した。「その前の満塁でゲッツーを打ってしまっていた。あそこで点を取れていれば、もっと楽な展開に持っていけた。それでも才木が粘ってくれて、次も満塁でチャンスが来た。なんとしても、という気持ちでした」4点リードの6回表1死満塁では遊ゴロ併殺打に倒れていた。3点差に縮まって迎えた8回表1死満塁。今度は左腕高梨のカットボールを丁寧に振り抜き、ライナーで中前に弾ませた。ダメ押しの2点打は雪辱を果たす一打でもあった。今季は満塁の打席で12打数7安打、打率5割8分3厘、17打点。「満塁男」の面目躍如といったところだ。東京ドームは思い出の地でもある。幼少期は祖父に連れられ、何度となく地元茨城から通った。東京ドームシティのバッティングマシンを楽しみ、巨人戦を観戦。小学4年生だった04年8月17日には、41歳工藤公康の通算200勝達成にも立ち会った。「あの日、工藤さんはプロ初本塁打まで打った。本当にすごかった」。あれから18年、少年は憧れられる存在へと変貌を遂げている。1回1死一、二塁で三塁内野安打を放ち、6番糸原の中犠飛をお膳立て。3回は左前に運び、5回は三遊間を破った。20年10月16日ヤクルト戦以来、2年ぶり5度目の1試合4安打だ。まだ新型コロナウイルス感染から復帰3戦目。実戦勘のズレは「ないことはない」が、先発野手全員安打、毎回安打の16安打6得点を先導。チームを4連勝、さらには07年以来15年ぶりとなる年間2度目の巨人3連戦3連勝にけん引した。コロナ陽性判定を受けて、5日に離脱。発熱で3、4日間も寝込みながら、仲間が8連敗に苦しむ映像を目に焼きつけた。「チームを信じて、なんとか頑張ってくれと思って見ていました。結果はああいうふうに勝てなかったけど、みんながなんとかしようと頑張ってくれているのは分かっていた」今度は主砲が仲間を支え抜く番だ。【佐井陽介】大山が今季初めての4安打。4安打以上は、20年10月16日ヤクルト戦(甲子園)での4安打以来、5度目。巨人戦、東京ドームともに4安打は初めて。大山が8回に満塁から適時打。大山は今季満塁に強く、12打数7安打、17打点、打率5割8分3厘と塁状況別でもっとも高い打率をたたき出している。また、満塁での7安打は12球団トップ。2位村上(ヤクルト)の6安打を上回っている。大山がコロナで離脱した8月5日から復帰するまでの12試合は3勝9敗と大きく負け越した。一方、復帰後は3戦全勝と勢いをもたらしている。○...1番中野が今季12度目の猛打賞で、打線を活気づけた。初回に巨人シューメーカーから左前打で出塁。8回には左前打、9回は大勢の152キロ直球を左前へ打ち返した。「最初はボールの見え方も良くはなかったんですけど、自分の感覚も戻ってきました。体の状態としては非常に良い」。新型コロナ復帰戦だった18日ヤクルト戦から4試合連続安打と絶好調だ。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】21日、阪神佐藤輝明が豪快スイングもバットがすっぽ抜け!驚きのアクシデントも気持ちを切り替え先制打を放ちました。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が一回に先制打を放った。1死一、三塁の好機で打席に立った。3球目のスプリットを空振りした際には、フルスイングの勢い余ってバットがすっぽ抜けて客席に入るアクシデントがあり、一時ドームが騒然。それでも集中力を切らさず、4球目のスプリットを左前に落とし、自己最長を更新する5試合連続打点となった。さらに1死満塁から糸原の中犠飛で追加点を入れ、この回2点を奪った。

◆一回、阪神・佐藤輝明内野手(23)のバットが一塁ベンチ上の観客席に飛び込むハプニングがあった。1死一、三塁の先制機で、マット・シューメーカー投手(35)が投じたカウント1ー1からのスプリットを空振りした際にバットが手から離れて、観客席へ。直後に場内に流れたアナウンスが「試合中バットが飛んでくる事がございます。ご注意ください」だった。その後、佐藤輝は5試合連続打点となる適時打を左前に落として、チームは先制。「打ったのはフォーク。追い込まれていたので、何とか食らいついていく気持ちでした。いい所に落ちてくれましたし、まずは先制することができてよかったです」と広報を通じてコメントした。

◆阪神・島田海吏外野手(26)が追加点を挙げた。「1打席目、2打席目としっかり仕事ができていなかったので、どんな形でもチームに貢献したいという気持ちだけでした。追い込まれてからの変化球をうまく打つことができたと思う」。四回2死一、二塁で打席に立つと、シューメーカーの低めのスライダーにうまくバットを合わせた。打球は中前に落ちて二走の梅野が一気に生還。欲しかった追加点を挙げ、2試合連続の打点となった。この試合前まで得点圏打率が.413の勝負強さを発揮した。

◆阪神が3-0の六回にさらに巨人を突き放した。1死から中野が四球、島田が右翼線を破る二塁打で二、三塁の好機を作った。続くロハスの打球は前進守備の二塁へ。二塁手・吉川が体勢を崩しながら捕球し、本塁へ送球するも中野がヘッドスライディングで生還(記録は吉川の野選)。駄目押しとなる追加点を奪い、先発の才木をさらに援護した。

◆巨人・岡本和真内野手(26)が24号ソロを放った。4点を追う七回。カウント1-1から才木の146キロの直球を捉え、バックスクリーン右に運んだ。16日のDeNA戦(横浜)以来、5試合ぶりの一発。本拠地では7月6日のヤクルト戦以来の本塁打となった。

◆阪神の先発・才木浩人投手(23)は七回途中4安打1失点。今季3勝目の権利を持って降板した。2018年8月8日以来、4年ぶりに巨人戦に登板。序盤から自慢の真っすぐを中心に投げ込み、二回2死のポランコから六回2死まで12人連続で抑えるなど巨人打線に仕事をさせなかった。七回先頭の岡本和に今季24号ソロを浴び、続く代打・広岡を空振り三振に仕留めたところで、中継ぎにバトンタッチ。チームの連勝に向けてしっかりと試合を作った。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が八回に今季初の1試合4本目の安打を放ち、追加点を挙げた。1死満塁の場面で打席に立つと、高梨の甘く入ったカットボールを中前にはじき返し、2点を追加した。

◆阪神は今季8度目の先発全員安打で巨人に快勝した。一回に佐藤輝が左前適時打と糸原の中犠飛で2点を先取すると、四回に島田が中前適時打、八回には大山が今季初の1試合4安打目となる2点中前打を放ち、得点を積み重ねた。投げては先発の才木が七回途中4安打1失点。プロ初勝利を挙げた2018年5月27日(甲子園)以来、1547日ぶりの巨人戦勝利を飾った。

◆セ・リーグ5位の巨人は今週の6連戦に全敗し、今季ワーストの6連敗。借金も今季ワーストタイの「7」にふくらんだ。この日勝利した最下位・中日との差は1・5ゲーム差に接近された。この日は先発のシューメーカーが五回途中10安打3失点。打線は七回に岡本和の24号ソロによる1得点に終わり、連敗中は平均1・5得点と貧打にあえいでいる。

◆2番手として登板した巨人のドラフト3位・赤星優志投手(23)=日大=が2試合連続で好リリーフを見せた。0-3の五回2死一、二塁で登板。これ以上リードを広げられたくない場面で、梅野を4球で一ゴロに仕留め、ピンチをしのいだ。前日20日も六回から登板し、2回無失点。連日にわたる好救援で役割を果たした。今季は新人ながら、開幕ローテーション入りを勝ち取ったが、調子が落ち始めた6月後半からリリーフに配置転換。桑田真澄投手チーフコーチは「いい勉強にもなるので一度、中継ぎをやってみようと。先発に戻るときに生かしていこうと話していた」とし、「ここ数試合ボールも元気になってきましたし、そろそろ先発に戻してあげたいと思っています」と先発復帰の可能性を示唆した。また、五回途中3失点で8敗目を喫し、6月25日から白星が遠ざかっているシューメーカー投手の2軍再調整も明言した。

◆阪神が8連敗後、4連勝を飾った。一回、佐藤輝明内野手(23)の5試合連続打点となる左前打で先制し、八回の大山悠輔内野手(27)の2点打など、効果的に加点した。大山の1試合4安打は2020年10月16日のヤクルト戦(甲子園)以来。6回?を投げて1失点の才木浩人投手(23)は、プロ初勝利を挙げた2018年5月27日(甲子園)以来、1547日ぶりの巨人戦白星を記録した。勝率5割復帰まで、あと1勝とした矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績56勝57敗2分、観衆4万268人)。(テレビインタビュー)ーー巨人戦3つ取って4連勝「8連敗という、本当に悔しい、苦しいときがありましたけど、チーム全体で、あきらめず、この4連勝というのは、これからの戦いにも大きいと思いますし、あきらめない野球を見せていきたいと思います」ーー才木の投球は「1軍に上がってからずっと試合を作ってくれていますし、向かっていく投球をしてくれている。助かっていますし、立ち上がりから配球を変えた部分もあったかなと思うんですけど、リュウも、いいリードをしてくれたと思います。初回の盗塁アウト(無死一塁から吉川の二盗阻止)でチームの流れも来た。バッテリーでよく抑えてくれました」ーー才木は頼もしい「元々、期待の大きい投手で、ポジティブなピッチャーなんですけど、投げれない悔しさを上がってきてから、出してくれていると思います」ーー登板間隔のあいていた湯浅、岩崎もマウンドに送ることができた「登板があきすぎても次、難しくなりますし、登板があいた中でも投げてくれたのは、火曜日(23日)からの京セラの試合にも、つながっていくかなと思います」ーー攻撃面では16安打。毎回安打で先発野手全員安打「ウチはホームラン、ホームランという打線ではないですけど、全員で線で攻撃できた手応えを感じていますし、連敗のとき、点を取れなかったので、みんな気持ちよくいける試合にしてくれました」ーー佐藤は5試合連続の打点。大山は4安打「打ってほしい選手。火曜日からは近本も帰ってくる予定ですし、全員で線で、先発だけではなく、控えのメンバーもやってくれると思うので、全員で戦っていきます」ーー3連戦、先発投手に勝ちが付いた。3つ取れた要因は「今、言っていただいたように先発ピッチャーがしっかり投げてくれたのが一番、大きな要因だったと思います。先に点が取れたのも大きな勝因だったかなと思います」ーー来週はDeNAと戦う「DeNAも今、すごく乗っているチームなのでね。僕たちは僕たちの戦い、相手を見るより、自分たちの野球をやると姿を見せて、あきらめない野球を火曜日からもやっていきます」(囲み)ーーテレビインタビューで、才木の配球面に言及していたが「何回も同じバッターと対戦して抑えていかないとダメだから、才木の一番の武器は真っすぐ。今までの対戦から振り返ると、真っすぐをとらえにいこうというのが相手のミーティングだと思う。意識的に変えようとしたんだけど、リュウの盗塁アウトと、すごい良かったところまではいけてないけど、何とかしのいだところが結果につながった」ーー佐藤輝の打点が続いている「みんな佐藤、佐藤って言うけど、それだけじゃないからね」ーー島田も得点機でいい働き「すごく成長しているし、相手にとっても嫌な選手になってきている。島田をスタメンから外すことは現状あんまり少ない。一方で初回のノーアウト二塁(左飛)とか、成長しているからこそ、高いレベルというか、本当のレギュラーだと思う。いい面はたくさん出ているし、課題とか、成長しないとダメな部分は、そういうあたりにもあるから。慢心せず欲持ってやってくれたらなと思います」ーー大山は4安打「実戦もどうかなという不安もあると思うし、こっち側もね。戻ってきたから結果までというのは難しいと思ったけど、落ち着ける材料の4本のヒットになったし、最後もいいタイムリーになった。悠輔にとっても大きいし、チームにとっても大きい締めくくりができたんじゃないかなと思います」ーー近本が戻って、いい形でつなげていく「今、後からいくメンバーもよく頑張ってくれているし、ずっと言っているけど、チーム全員で戦うというところは近本が帰ってきてもつながっていくと思う。安心感とかはあると思うんだけど、全員で戦うことにプラスして、近本が帰ってきてくることが、さらなるプラスになるかなと思います」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は才木浩人投手(23)の力投を呼んだ梅野隆太郎捕手(31)のリードに言及。「さすが経験豊富な梅野」と絶賛した。ヒーローはもちろん先発・才木だ。三回から七回途中までの快刀乱麻の投球はホメ言葉しか浮かばない。低めへ真っすぐ、フォークを集めて、巨人打線を完全に抑え込んだ。ストライク先行になれば相手は早打ちになる。結果、球数も少なくなる。岡本に一発を浴びたが、才木ペースに持ち込んでの投球は見事。坂本も見送り三振2つで、手も足も出なかった感じだ。ただし立ち上がりは球が浮き、ボール先行で心配しながら見ていたのは事実。そんな才木を立ち直らせたのは女房役の梅野だった。最大のポイントに挙げたいのは二回2死一、二塁から8番・若林を迎えた場面。この回は無死一、二塁のピンチを招き、そこからウィーラー、大城を連続三振。投手心理としては一気に次打者も三振を狙って投げたいところだ。おそらく才木もそう思いながら投げていたのではないか。この場面で梅野が無理に勝負にいかない冷静なリードをした。8番、9番の2人で1つのアウトを取る作戦。8番のカウントが悪くなれば、歩かせてもいいという判断だ。結果として若林を歩かせて満塁になったが、投手のシューメーカーを確実にアウトにして、ピンチをしのいだ。大正解だった。このリードだけではなく、立ち上がりの不安定な姿を見た梅野から才木に、ちょっとしたアドバイスがあったことは容易に想像できる。立ち上がり不安だった投手が、捕手の言葉で一気に立ち直るケースはよくある。三回以降は見事に本来の姿に戻った。さすが経験豊富な梅野。才木を救った。西勇、藤浪に続いて才木も好投し、先発陣の充実は驚異的。攻撃陣も、打つべき人が打ち、コロナで離脱していた選手も順番に戻って来ている。ヤクルトとのゲーム差はあるが、終盤に向けて楽しみが多い阪神の戦力充実だ。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が空振りした際にバットが手元から離れて、観客席に飛び込むアクシデントがあった。一回1死一、三塁の先制機で、マット・シューメーカー投手(35)が投じたカウント1ー1からのスプリットに空振り。バットが手元からすっぽ抜けて、そのまま、一塁ベンチ上の観客席へ。直後に場内に流れた「試合中バットが飛んでくる事がございます。ご注意ください」のアナウンスにどよめきが起こった。その直後に先制打を放った佐藤輝は試合後「すみませんて感じで、はい(笑)」と語り、バットが直撃した観客には「ボールをはい。サインボールをプレゼントしましたね」と語っていた。

◆中6日で九回のマウンドに上がった岩崎は三者凡退で試合を締めた。6日の広島戦(マツダ)、14日の中日戦(京セラ)と2試合連続で負け投手になり、ケラーとの〝Wストッパー〟も視野に、その後は登板がなかった。この日は5点リードでセーブ機会ではなかったが、先頭の岡本和を二飛に仕留めると、石川、北村もテンポよく料理。今季25セーブを挙げている左腕に、復調の兆しだ。

◆八回のマウンドに上がった湯浅は先頭の坂本を右飛、丸を二ゴロ、中田を右飛とわずか9球で三者凡退に抑えた。「才木さんが良い投球をしてくれていたので、良い雰囲気の中でマウンドに上がることができた」。14日の中日戦(京セラ)以来、6試合ぶりの登板だったが、安定感は変わらなかった。

◆糸原が1点を先制した直後の一回1死満塁で中犠飛を放ち、貴重な追加点を挙げた。「才木を少しでも楽に投げさせるために、どんな形でもいいので、もう1点欲しいと思っていた。最低限ですが、仕事ができてよかった」。七回には遊撃内野安打を放ち、7月13日の巨人戦(甲子園)以来、今季8度目の先発野手全員安打を達成。自身も3試合連続安打と状態を上げてきた。

◆梅野は今季4度目の猛打賞と好リードで勝利に貢献した。打では左前へ1安打、右前へ2安打と打ち分け「巨人に3連勝で勝ちたいという気持ちが(あった)。自分の役目をできた」と納得の表情だ。捕手としては、一回に二盗を狙った吉川を刺し、才木が本調子でないと見るや、変化球主体に切り替えて対応。「いつもよりは押せ押せな感じで行けなかったので、いろんな変化球を使いながらよく粘ってくれた」とねぎらった。

◆4年ぶりの〝伝統の一戦〟でも気負わなかった。才木が東京ドームで巨人打線を寄せ付けない気迫の投球をみせ、連勝中のチームの波に乗った。「一昨日と昨日と西(勇)さんと藤浪さんが先発でいい投球をしていて、藤浪さんに『お前も続けよ』とハッパかけられていたので、とりあえず抑えられてよかった」19日にG打線を完封した西勇、20日に6年ぶりの巨人戦勝利を挙げた藤浪。先輩たちの期待に応えるべく自慢の真っすぐを中心に投げ込んだ。二回は安打と2四球で2死満塁のピンチを招いたが、真っ向勝負の姿勢は変わらない。シューメーカーを148キロ直球で一飛に仕留めて「ああいう展開をつくってもゼロで抑えられることができたので、いい勉強になった」とうなずいた。七回には先頭の岡本和にソロ本塁打を浴びたが、続く代打・広岡を空振り三振に仕留め、降板。6回?を4安打1失点でまとめた。右肘の靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)から復帰した今季、7月に1軍昇格して早くも3勝目(1敗)。巨人戦では自身がプロ初勝利を挙げた2018年5月27日(甲子園)以来、1547日ぶりの勝利をつかんだ。「伝統の一戦という、ちょっと特別な感じでしたけど、特に気負うことなくいつも通りの感じで投げていこうと、しっかり投げられてよかったです」11日のDeNA戦(横浜)は七回途中4失点(自責点3)で今季初黒星を喫したが、中9日で見事な投球をみせた。高い修正力の背景にあるのが、普段のキャッチボールだ。「低い軌道で相手の胸元へ差し込んでいくイメージ」で投げ、意図する球が行かないと体の開きや腕の振りを確認。練習中から感覚を微調整する癖をつけ「こういうことができれば、修正力は上がってくる」と手応えを口にする。「次は自分が藤浪さんにハッパをかけられるように頑張ります!」期待に応えた才木は口もなめらか。これからもチームのために腕を振り、復活のシーズンを走り抜く。(平野佑治)

◆打撃好調の島田が2-0の四回2死一、二塁から中前適時打を放ち、貴重な追加点を挙げた。「なんとか食らいつくという気持ちで打ちました」。六回には右翼線二塁打を放って8月は18試合で10度目のマルチ安打。得点圏打率・400(50打数20安打)と勝負強さもウリだ。「チャンスになれば燃えるので。ランナーがいないときでもそういう気持ちで入らなければならないと思ってます」と笑わせた。

◆完全復活や! コロナ禍から復帰3試合目の阪神・大山が今季初となる4安打2打点の固め打ちで〝全快宣言〟だ。「打席に入って(必死に)やるだけ。そう思ってやっていました。なんとか勝ちに貢献できてよかった」一回の三塁内野安打を皮切りに、三回、五回と左前打で今季4度目の猛打賞。六回1死満塁の好機で遊ゴロ併殺に倒れたが、4-1の八回に再び訪れた1死満塁で汚名返上となる中前2点打。復帰後初打点を挙げ、満塁機では打率・583(12打数7安打)、17打点となった。「その前(六回)の満塁でゲッツーを打ってしまって。才木が粘ってくれていたのでなんとしても...という感じでした」やっと体が自然に動くようになった。新型コロナウイルス陽性判定を受けて5日に離脱。発熱もあって3日間ほど寝込んでいた。19日の巨人戦に「5番・一塁」で1軍復帰するも3打数無安打。実戦から遠ざかっていたことが不安視されたが、「復帰してからシートバッティングもやらせてもらい、そこで投手のボールを見れたのもプラスになった」と急ピッチで仕上げた。翌20日に復帰後初安打となる二塁打で感触をつかみ、一夜明けて4安打の大暴れだ。矢野監督は「戻ってきて、すぐ結果までというのは難しいかなと思ったけど。悠輔(大山)にとっても落ちつける材料となる4本のヒットになったし、チームにとっても大きい締めくくりができたんじゃないかな」と主砲の完全復活を喜んだ。「自分が戻ったときにどうやったらチームのプラスになれるかを考える時間もできました」と、療養期間も無駄にしなかった大山。その答えはチャンスで打つ-だ。(三木建次)

◆4連勝や! 阪神は6-1で巨人に快勝。宿敵に今季2度目、夏の長期ロード中では40年ぶりの3タテを食らわせた。一回、佐藤輝明内野手(23)が先制の左前打を放って勝機を演出。空振りしたバットがすっぽ抜けて観客席に飛び込むハプニングに動じず、5試合連続打点。これぞ4番の仕事だ!危ない! 鋭く振り抜かれた黒色のバットが一塁スタンドに向かって飛んでいく。どよめく東京ドーム。心配そうにバットの行方を見つめた佐藤輝だが、打席で集中力は切らさなかった。今度はしっかりボールを飛ばし、宿敵を撃った。「(観客に対して)すみません。なんとかバットに当てようとは思っていて、いいところに飛んでくれたので、よかったです」まさかのシーンは一回1死一、三塁の先制機だった。カウント1-1からシューメーカーの3球目を強振。あまりの勢いにバットが両手からすっぽ抜け、一塁ベンチ上のスタンドを強襲した。「試合中、バットが飛んでくることがございます」と珍しいアナウンスが流れたことが、騒然とする場内のようすを物語っていた。それでも、仕切り直して4球目。135キロフォークに食らいついた。今度はバットを離さない。あまりのパワーを警戒し(?)外野フェンス手前に陣取っていた左翼手・ウィーラーを翻弄するように、白球は左翼線ギリギリのフェアゾーンにポトリと落ちた。左前に運ぶ先制打。塁上では申し訳なさもあってか、控えめに喜びを表現した。幸いにもバットが当たった男性は大事には至らず。球場内の救護室で手当てを受け、客席に戻って再び伝統の一戦を楽しんだ。スタンドを襲ったバットは回収され、佐藤輝はおわびの印に直筆サインボールをプレゼント。さらにボールには「すみません」と一筆。改めて謝罪の言葉をしたためた。〝すみません〟と謝りっぱなしの若き主砲だったが、この先制打をきっかけに16安打6得点と猛虎打線が爆発し、巨人相手に同一カード3連勝。苦戦することが多かった夏の長期ロードでの巨人戦では40年ぶりで、しかも東京ドームでは初の〝快挙〟だ。自身は自己最長をさらに更新する5試合連続打点を挙げた。大山も復帰後初打点をマークし、そろって打点を挙げればこれで16連勝。佐藤輝は「(自分たちが)いいところで打てば勝てると思うので、これを続けていきたいですね」と手応えをにじませる。泥沼の8連敗から4連勝で借金は再び1に。首位ヤクルトと9ゲーム差になり、23日から京セラドームで5ゲーム差で2位のDeNAと3連戦を戦う。矢野監督は「あきらめない野球を火曜日からもやっていきます」と約束した。そんな指揮官の思いは、佐藤輝にもしっかりと届いている。「自分たちの野球をするだけなので、しっかり頑張ります」京セラでも豪快に振る。虎の勝利だけは絶対につかんで離さない。(原田遼太郎)■データBOX?...阪神は今季2度目の巨人戦同一カード3連勝。4月29日-5月1日(東京ドーム)以来。巨人戦シーズン14勝は2007年(14勝9敗1分け)以来15年ぶり?...阪神が夏の長期ロード中に巨人に同一カード3連勝するのは、1982年8月13―15日(後楽園)以来、40年ぶり。東京ドーム(88年開場)では初?...佐藤輝は17日ヤクルト戦から5試合連続で打点を挙げ、自己最長を更新。球団では2017年5月6-14日の鳥谷敬の6試合連続打点以来。球団記録はプロ野球記録でもあるバース(1986年6月18-7月4日)の13試合連続打点?...阪神の先発野手全員安打は7月13日の巨人戦(甲子園)以来で、今季12球団で最多の8度目

◆6年前の夏に、現ヤクルトの村上宗隆(当時九州学院高2年)よりも上の扱いを受けていた男が力投。6回?を岡本和の一発だけに抑え、4年ぶりの巨人戦勝利と今季3勝目をつかみました。「これ、見てください。すごいんですよ」春夏の甲子園大会の時期には、編集局内の本棚に、高校野球のデータ本や昔の特集雑誌が奥の方から引っ張り出されて前の棚に並べ替えられ-というか、乱雑に積み上げられていきます。そのうちの一冊を手に、編集局内でリモート勤務をしていたトラ番原田遼太郎が近寄ってきました。持っていたのは、2016年夏の地方大会の前に『甲子園を夢見る夏。』のタイトルで出版された高校野球特集です。表紙は早実高2年の清宮幸太郎。原田が広げていたのは、8ページにわたる清宮の特集記事の後から始まる『注目選手ギャラリー 夏の主役は俺たちだ』の企画でした。1ページ目は、その秋のドラフト会議でヤクルトから1位指名を受ける履正社高の左腕エース・寺島成輝。2ページ目は別の高校の選手2人。そして3ページ目で特集されていたのが「兵庫の公立に、ひときわ輝く原石がいる」の書き出しで扱われていた須磨翔風高の才木浩人だったのです。「次の次のページを開いたら、もっと驚きますよ」そう言われてめくった5ページ目が、村上だったんです。ちなみに、一人1ページだったのは、寺島、才木、村上と佐野日大高の韋駄天・五十幡亮汰(現日本ハム)の4人だけ。ほかのページは、2人のページが2枚、最後のページは5人でした。「すごいでしょ。村上より前なんですよ。こんなにすごいピッチャーだったんだなあと、あらためて思いました」東京ドームに出張していたトラ番キャップ長友孝輔も、矢野監督の談話でいつも、才木への期待の高さを感じると言います。「才木が投げた日は、毎回のように『まだまだこんなもんじゃない』という言葉が出ます。藤浪と同じくらいのポテンシャルがあると評価しているんだなと感じさせる口ぶりです」7月30日のヤクルト戦(甲子園)で6回を本塁打による2点に抑えて2勝目を挙げたときもそうでした。矢野監督は「しっかりした投球をしてくれた」とした上で、こう続けています。「成長というと、まだこれからだと思う。こんなもんで才木の能力とは思っていないんで。まだまだ、もっともっと上に行ってもらう能力のあるピッチャーなんでね。本人もそう思ってると思うし、満足せずやっていくんだろうなと思う」そんな話をしながら才木の好投を振り返っていたら、長友と一緒に東京ドームに出張している編集委員三木建次が、悔しそうな声で割り込んできました。「才木も良かったけど、巨人が助けてしまった。一回無死一塁の坂本の打席で、カウント2ボールからの盗塁失敗はないわ。立ち上がり苦しんでいたのに、あの盗塁失敗で助けてしまった」なぜそこまで悔しそうなのかと思ったら、「だって俺、昔から巨人ファンやもん」。だからアンタ、ときどき阪神に厳しいこと言うてくるのか。才木の好投が、この日はビヤ樽の〝正体〟も暴いてくれました。

◆太っ腹の巨人さんに大感謝!! 『真夏の虎祭り』に本拠地の東京ドームは貸してくださるわ、祭りを盛り上げる協力をしてくれるわ、ジャイアンツに拍手!! パチ、パチ、パチ!!いや~、コロナ禍で久しぶりにスカッとしましたァ!! 祭り第1部『西勇の3安打完封みこし』が高々と舞えば、第2部で『藤浪晋太郎、復活山車』が勢いよく引かれ、最終日の本日は『先発野手全員安打&毎回安打の仕掛け花火大会』だったのだ!!おっと、好投で3勝目を挙げた若虎、才木の金魚すくいならぬ、ウサギすくいも猛虎の縁日を彩ったのだ。セヤセヤ! ワッショイ、ワッショイ!! 虎祭りにウィ~、酔ったァ!!と大ハシャギしながらも、俺は撃沈された巨人、いや巨人の機関スポーツ紙、H新聞の『仙ペン』の筆者の秋風のような寂しさを思ってしまったのだった...。「何が東京ドームは花火(ホームラン)会場だ、バカ言うな。3試合で2本のみ、しかもそれが全得点の巨人です」という感じで...。ペンがダンベルのように重くて進まないんだろうなぁ...。ダメ虎を長く見てきただけに、その気持ち痛いほど分かるよー!! それで逆転Vの夢をつまみにグラスを傾けるしか俺たちにはないんです!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
63461 0.578
(↓0.005)
-
(-)
33474
(+2)
427
(+5)
132
(-)
60
(+1)
0.250
(↓0.001)
3.490
(↓0.02)
2
(-)
DeNA
56472 0.544
(↑0.005)
4
(↑1)
38376
(+3)
391
(-)
85
(+3)
35
(-)
0.252
(-)
3.390
(↑0.03)
3
(-)
阪神
56572 0.496
(↑0.005)
9
(↑1)
28395
(+6)
329
(+1)
73
(-)
88
(+3)
0.241
(↑0.002
2.520
(↑0.02)
4
(-)
広島
53593 0.473
(↓0.004)
11.5
(-)
28435
(-)
434
(+3)
69
(-)
22
(-)
0.255
(↓0.001)
3.490
(-)
5
(-)
巨人
53601 0.469
(↓0.004)
12
(-)
29432
(+1)
498
(+6)
130
(+1)
50
(-)
0.243
(-)
3.970
(↓0.01)
6
(-)
中日
49591 0.454
(↑0.005)
13.5
(↑1)
34321
(+5)
391
(+2)
55
(-)
40
(-)
0.248
(↑0.001)
3.390
(↑0.03)