巨人(★1対5☆)阪神 =リーグ戦20回戦(2022.08.20)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:藤浪 晋太郎(1勝2敗0S)
敗戦投手:堀田 賢慎(2勝3敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(18号・3回表2ラン)
【巨人】丸 佳浩(23号・6回裏ソロ)

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◆阪神が3連勝。阪神は2回表、2死一二塁の好機から梅野が適時打を放ち、先制に成功する。続く3回には佐藤輝の2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・藤浪が7回1失点で今季初勝利。敗れた巨人は先発・堀田が試合をつくれず、打線も8安打1得点とつながりを欠いた。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が巨人戦先発。藤浪の巨人戦勝利は16年4月5日が最後で、同年4月26日から7連敗中。阪神投手が巨人戦8連敗すると89~91年野田以来、31年ぶりの記録となる。連敗を止める白星を挙げられるか。

◆阪神は2年連続巨人戦勝ち越しを目指し、藤浪晋太郎投手(28)が先発する。前回13日の中日戦は7回10奪三振1失点も、今季初勝利とはならず。1軍先発復帰した8月は2試合13回1/3を投げ3失点、防御率2・03と安定した投球を続けており、今季2度目の巨人戦先発で勝利を目指す。新型コロナ感染から復帰2戦目に臨む大山悠輔内野手(27)は、2試合連続「5番一塁」で先発。今季カード別最多タイ4本塁打の巨人を相手に、快音を響かせられるか。

◆巨人坂本勇人内野手(33)がスタメンを外れた。腰痛(仙腸関節炎)による離脱から16日DeNA戦(横浜)で1軍に復帰。4試合連続でスタメン出場し、15打数2安打1打点だった。4打数無安打2三振だった19日の試合後、元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチは「本調子じゃないよね、やっぱり。良いときの勇人とは違うし、休んでて急にスタメンで出続けると疲れも出てくるし、休み休みも必要かなと思う。腰をケガしていたわけだから」と話しており、この日の試合前練習ではグラウンドでの打撃練習に姿を見せなかった。代わって若林晃弘内野手(28)が遊撃手で先発する。また、大城卓三捕手(29)に代わり、喜多隆介捕手(24)が2年目で初めてスタメンマスクを被る。

◆日本テレビ系で27日から2日間放送される「24時間テレビ45」で総合司会を務めるフリーアナウンサー羽鳥慎一(51)が、始球式に登場した。番組の黄色いTシャツに白パンツでマウンドに上がると、四方八方に一礼した。今年で45回目を迎える「24時間テレビ45」のテーマが「会いたい!」ということから、羽鳥アナが「会いたい!」という元木大介ヘッド兼オフェンスチーフコーチが打者として姿を見せた。羽鳥アナは緊張の表情で、ワンバウンド投球。元木コーチからボールを手渡されて握手をすると、ほっとしたように表情を緩めた。羽鳥アナは球団を通じ、以下のコメントを発表した。「ドームは人がいっぱいで、ここ数年で久しぶりに緊張しました。24時間テレビより緊張しましたね。ただ、打席に入って頂いたのが『会いたい!』元木さんだったので助けられました。ブルペン練習では3球連続でストライクが入っていたのですが、緊張と『元木さんにあてちゃいけない』という思いで、本番はワンバウンドしちゃいました。マウンドにあがって大型スクリーンを見たら24時間テレビの映像が流れていて、Tシャツもアピールできましたし、いよいよ来週に迫ってきた24時間テレビも頑張ります!」

◆プロ2年目で初スタメンマスクの巨人喜多隆介捕手(24)が、まずは「肩」でアピールを決めた。1回1死一塁、打者ロハス。カウント1-1からの3球目でスタートを切った一塁走者島田を、二塁ベース上への好送球でタッチアウト。今季17盗塁の快足の二盗を阻止し、ピンチの芽を摘んだ。喜多は20年に育成ドラフト2位で入団。昨年8月に支配下登録され、今年6月26日のヤクルト戦(神宮)で代走としてプロ初出場していた。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、先発藤浪を強力援護する18号2ランを放った。1点リードの3回2死一塁。巨人堀田の145キロを捉え、17日ヤクルト戦(神宮)以来、3試合ぶりの1発を中堅左に放り込んだ。佐藤輝は球団を通じて「2アウトからロハスが出塁してくれたので、なんとか自分も続きたいと思っていました。しっかり自分のスイングができましたし、最高の結果になってうれしいです。よっしゃー!」とコメントした。これでプロ最長となる4試合連続打点。8月は2度の15打席連続無安打もあり一時は6番降格も経た主砲が、完全復活で快音を響かせた。

◆巨人の若林晃弘内野手(28)が手術明け初となる安打を放った。5点を追う5回先頭で、阪神藤浪の134キロカットボールを右中間へ二塁打。4月29日阪神戦(東京ドーム)以来の安打となった。若林は5月1日に出場選手登録を抹消。6月3日に右手血行障害改善のための手術を受け、故障班でリハビリを続けていた。今月17日、午前中に3軍戦で約3カ月ぶりの実戦復帰をした後、ナイターのDeNA戦(横浜)で1軍に"ウルトラ昇格"していた。

◆阪神才木浩人投手は4年ぶりの巨人戦で自分を貫く。中9日で21日巨人戦に先発予定。18年8月8日の東京ドーム以来となる「伝統の一戦」にも冷静だ。「すごく対応力のある打者ばかりなので、相手どうこうより自分の調子がどうかというところが一番。自分の投球をしっかりできるようにしたい。真っすぐを生かすために、どう変化球を使っていくかをしっかりやっていきたい」とイメージした。

◆阪神大山悠輔内野手(27)がコロナ感染から復帰後初安打を放ち、復調を見せた。2試合連続で「5番一塁」で先発。5点リードの5回1死で、高木の外角直球を右翼線に運び、二塁打で出塁。「試合に出ている以上はやれることがあると思う。自分自身1本出たのはよかったですし、チーム自体も勝ってますし、うれしいです」。同学年の藤浪を打撃でもり立てた。5日に陽性判定を受けて離脱。「最初は症状があってしんどくてずっと寝てました。落ち着いてからも場所は限られてました」と隔離期間中の日々を明かした。チームは8連敗と苦境に立たされていた。「がんばってくれとしか思えなかった。何もできなかったので。とにかく時間が早く過ぎてくれと思って見てました」。前日19日の復帰から続けて白星を手にし、自らの快音で悔しさを晴らした。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が7回を6安打5奪三振無四死球で1失点と好投し、今季初勝利の権利を持って降板した。立ち上がりから制球が安定。2回1死一、二塁、4回無死二塁、5回無死二塁のピンチを落ち着いてしのいだ。5点リードの6回に3番丸の右中間ソロで失点したが、丁寧にゲームを作った。2戦連続の無四死球で、7回を108球でまとめた。「調子自体はそこまで良くなかったのですが、なんとか1イニングずつ粘りながら投げることができました。序盤から点を取って、楽に投げさせてくれた野手陣に感謝したいです」今季は2年連続で開幕投手を任されながら、新型コロナウイルス感染の影響もあって白星から遠ざかっていた。1軍先発復帰戦となった6日広島戦は7回途中2失点。前回13日中日戦は7回10奪三振1失点。ともに快投しながら今季初勝利を逃していた。白星をあげれば433日ぶり、先発時に限れば491日ぶり。巨人戦での白星は16年4月5日以来、6シーズンぶりとなる。

◆巨人が今季3度目の5連敗を喫した。対阪神は2年連続の負け越しが決定。2年連続の負け越しは、3年連続で負け越した03~05年以来となった。先発の堀田賢慎投手(21)が、阪神佐藤輝に18号2ランを浴びるなど、3回5安打3失点でKOされた。「先発として長いイニングを投げられず申し訳ないです」と肩を落とした。2番手の高木京介投手(32)も2回4安打2失点と打たれ、試合の主導権を握れなかった。スタメンから坂本勇人主将を外し、若手の奮起に期待した打線も、終わってみれば丸佳浩外野手(33)が放った23号ソロの1点のみ。今季ワーストタイとなる5連敗は7月17日以来で、借金は「6」に膨らんだ。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(28)が7回6安打無四球1失点と好投し、今季6度目の先発で初勝利を挙げた。失点は6回に丸に許したソロ本塁打のみにとどめ、昨年6月13日以来433日ぶり、先発では同4月16日以来491日ぶりに勝ち星を挙げた。藤浪の巨人戦白星は16年4月5日以来、実に6年4カ月ぶりとなった。8月に1軍先発復帰後は3試合で20回1/3を投げ4失点、防御率1・77と安定感抜群。チームを3連勝に導き、試合後は場内でヒーローインタビューに答えた。開幕投手を務めた投手がチーム114試合目でのシーズン初勝利は、球団最遅の記録となった。藤浪のヒーローインタビューでの一問一答は以下の通り。-ファンも待ち望んでいた今季初勝利「率直に勝てて良かったですし、そうですね、野手にも点数取ってもらって楽に投げさせてもらったんで。え~、とにかく1つ、なかなかつかなかったので、1つ(勝利が)ついてよかったです」-前日西勇がいい流れをつくった「昨日、西さんがね、ピシャッと抑えてくれたので、チームもいい流れでしたし勢いに乗って、あまり深く考えずに投げようと思っていました」-前回もいい内容。今回も無四球「まあそうですね、安定しているといえば安定しているので、調子自体はよくなかったんですけどね、なんとか粘って、梅野さんのリードにも助けられながら、うまく投げられたと思います」-序盤から頼もしい打線の援護もあった「やっぱりね、点数とってもらって楽な展開で投げさせてもらえたので、それがいい結果につながったんじゃないかなと思います」-自身は巨人戦は16年以来、6年ぶり勝利「あまり数字、そのへんは気にしてなかったけど、ジャイアンツには前回打たれていましたし、なんとか抑えることができてよかったと思います」-チームは2年連続巨人戦勝ち越しが決定「今知ったんですけど、やっぱりね、ジャイアンツっていう強いチームに勝ってってこそだと思うので、タイガースファンの方は喜んでくれると思いますし、ジャイアンツに勝てば。え~、もっともっと自分自身、しっかり勝てるように頑張りたいなと思います」-チームは3連勝。あすへのひとこと「明日はね、才木が投げるんですけども、しっかり投げてくれると思うので、みなさん期待しててください。明日もチーム勝ってくれると思います。応援よろしくお願いします!」(以下はヒーローインタビュー後の囲み取材での一問一答)-感情はホッした感じか「そうですね。勝ちがついて良かったかなと思います(照れ笑い)」-今年もコロナ感染だったり、好投しても勝ちがつかなかったり、我慢の時期が続いた。平常心でいられたか「そうですね。メンタル的に波があることもなく、いいシーズン、ファームでも自分のやるべきことをと思って、いいモチベーションでやれていた。いいシーズンを過ごせているのかなと個人的には思います」-メカニックもキャンプからいいモノをキープ「安定感があると自分でも思います。そのあたりの不安が、ないことはないですけど少ないので。常にいい状態でマウンドに上がれていますし、練習も含めていい準備ができているのかなと思います」-巨人に全然勝てていなかった「そうですね。意外というか、そんなに勝っていないんだと思いました。全然知らなかったです。全然気にしていなかったんで、今日知ったぐらいなんですけど、久しぶりに勝ちがつくかつかないかで全然違うんで。相手の印象も違うと思うので」-2戦連続無四死球「安定していると見てもらえると思う。ファンの方にも首脳陣にも。1つ自分がよく評価されがちなところではある。いい数字かなと思います」-先発での白星「やっぱりいいですね。先発で勝つのが自分の中で一番いいし、心地いいというか。その瞬間が本当に久々だったので。いい1日、いい試合だったと思います」-好投を続けていきたい「そうですね。やっぱり継続することが大事。今日はもう試合が終わった。今日1日だけ余韻に浸って、明日から切り替えて来週の試合に備えられたらと思います」-登板前に上半身と下半身のタイミングがいいと「今日はゲームを通してタイミングはあまり、めちゃくちゃいいわけではなかったけど、その中で微修正を加えながら、なんとか試合をつくれた。そのへんは評価してもいいかなと思います」-開幕直後はタイミングに悩まれていた時期も。良くなったきっかけは「専門的な話をすると、いろいろあるんですけど。一番これっていうのはないですけど、複合して、ですかね」

◆阪神は投打の主役が輝き3連勝を決め、球団初となる巨人戦6カード連続勝ち越しを決めた。今季巨人戦は13勝7敗とし、2年連続での同戦勝ち越しも決めた。20回戦での勝ち越し決定は05年以来(当時は22回戦制)。25回戦制になった15年以降では、唯一勝ち越した昨季の23回戦よりも早い。先発藤浪晋太郎投手(28)は7回1失点。失点は6回に丸に浴びたソロ本塁打のみにとどめる好投で、今季6度目の先発で初勝利を挙げた。開幕投手を務めた投手がチーム114試合目でのシーズン初勝利は球団最遅の記録。昨年6月13日以来433日ぶり、先発では同4月16日以来491日ぶりに勝利投手となった。打っては2回に梅野隆太郎捕手(31)が先制打。3回には佐藤輝明内野手(23)が18号2ランでリードを広げた。4回には中野拓夢内野手(26)の適時打、島田海吏外野手(26)のバント安打で2点追加。長打だけでなく小技も織り交ぜ、宿敵を翻弄(ほんろう)した。コロナ感染による離脱者が続出した8月は、今季2度目の8連敗を喫するなど低迷したが、息を吹き返し借金を2に減らした。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が7回を6安打5奪三振無四死球で1失点と好投し、433日ぶり、先発時に限れば491日ぶりの勝利を挙げた。巨人戦での白星は16年4月5日以来、6シーズンぶりだ。阪神の開幕投手のシーズン初勝利がチーム114試合目になったのは球団史上最も遅い。これまでは01年星野伸之の99試合が最遅だった。立ち上がりから制球が安定。2回1死一、二塁、4回無死二塁、5回無死二塁のピンチを落ち着いてしのいだ。5点リードの6回に3番丸の右中間ソロで失点したが、丁寧にゲームを作った。2戦連続の無四死球で、7回を108球でまとめた。「調子自体はそこまで良くなかったのですが、なんとか1イニングずつ粘りながら投げることができました。序盤から点を取って、楽に投げさせてくれた野手陣に感謝したいです」今季は2年連続で開幕投手を任されながら、新型コロナウイルス感染の影響もあって白星から遠ざかっていた。1軍先発復帰戦となった6日広島戦は7回途中2失点。前回13日中日戦は7回10奪三振1失点。ともに快投しながら今季初勝利を逃していた。

◆荒療治をもってしても、巨人は連敗を止められなかった。前日スタメンの坂本、ポランコ、大城に代わり、若林とウィーラー、プロ初マスクの喜多を起用。阪神の先発藤浪から前回対戦で1発を放った3選手を外してまで打線の活性化を図ったが、丸の23号ソロのみで5連敗。原監督は「つながらないというところでしょうね」と振り返った。投手陣も踏ん張りが利かなかった。先発堀田は3回3失点KOで3敗目。2回と3回の失点はいずれも2死から。指揮官は「桑田コーチは、とにかく粘るんだというのがね、一つの投手に対する教訓、教え。彼にも分かってもらいたいね」と詰めの甘さを指摘した。長嶋茂雄終身名誉監督が観戦する中、阪神戦では3年連続で負け越した03~05年以来となる2年連続負け越しが決まった。「現実は現実ですから。まだ終わったわけじゃないんでね。受け止めながら、また戦っていくということですね」と原監督。残りは30試合だ。

◆巨人坂本勇人内野手が腰痛(仙腸関節炎)からの復帰5試合目で欠場した。1軍昇格した16日のDeNA戦から4試合連続でスタメン出場し、15打数2安打。この日は試合前のグラウンドでの打撃練習には参加しなかったが、9回には代打の準備をしていた。原監督は「全ていろんな状況の中での、というところですね」と説明した。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(28)が7回6安打無四球1失点と好投し、今季6度目の先発で初勝利を挙げた。昨年6月13日以来433日ぶり、先発では同4月16日以来491日ぶりに勝ち星を挙げた。大阪桐蔭の恩師、西谷浩一監督(52)も「いろいろうまくいったりいかなかったりですけど、なんとか勢いを持ってここから行ってくれたらいいなと思います」と、12年甲子園春夏連覇時のエースの復活勝利を喜んだ。卒業して何年たっても、藤浪は常に母校を気にかけ、後輩たちへの差し入れに足を運ぶ。今夏の甲子園大会中も、西谷監督らを通じて心づくしの差し入れ。「本当によくしてくれるので、子どもたちにとっても、身近な存在、っていうたらおかしいんですけど。お互い頑張りましょうと」と、後輩たちへの激励を恩師に託していた。順調に勝ち星を重ねていたときも、完全復活を目指してもがく今も、藤浪が大阪桐蔭の後輩にとってあこがれの先輩であることに変わりはない。「うまくいかないことはありますけど、どんなときでも前向きに一生懸命にやる子なので、子どもたちからすればいつまでもあこがれの先輩なので、その先輩が頑張ってくれることは刺激になると思います」と西谷監督は語る。前チームの主将だった星子天真内野手(3年)も12年の藤浪、森友哉(西武)らの活躍に心を奪われ、大阪桐蔭に希望進路を決めた。大阪桐蔭にあこがれ続けた主将に率いられ、チームは今春のセンバツを制覇。「今の子どもたちも大阪桐蔭にあこがれを持ってもらえたらありがたいなと。優勝だけじゃないですけど(子どもたちに)見てもらえるようにやらないといけないなと思っています」と監督が語るように、あこがれの連鎖が絶対王者の強さを支える。今夏大会で史上3度目の甲子園春夏連覇を目指した後輩たちは、18日の準々決勝で敗退。次のチームに夢を託した。新チームスタート時の藤浪の勝利は「励みになると思います」(西谷監督)とエールと受け止め、母校も来春センバツを目指していく。【堀まどか】

◆ドラ1先輩を強力援護だ。阪神佐藤輝明内野手(23)が、18号2ランで藤浪の今季初勝利をアシストした。1点リードの3回2死一塁。堀田の145キロを中堅左へ運び「最高の結果になってうれしい。よっしゃー!」と喜びを爆発させた。ベンチ前では矢野監督の似顔絵があしらわれた虎メダルを渡され、笑顔にならずにはいられなかった。1年目の春季キャンプで洗礼を浴びせられた。昨年2月7日、紅白戦で対戦した藤浪に対し、4球全て直球で空振り三振。「速いし、(球が)曲がっていた。それは初めて見ました」。剛球に目を丸くさせてから1年、今年2月5日には22年初実戦で右腕から本塁打を決めた。力と力の対決で沸かせた2人が、力を合わせれば怖いものはない。昨季も藤浪がシーズン1勝目を挙げた4月9日にソロアーチ。「ピッチャーも頑張ってくれているので、いい1勝になった」。またも先輩の力投に応えてみせた。8月は2度の15打席連続無安打と落ち込み6番降格も味わったが、直近5試合は打率3割3分3厘、2本塁打、9打点と全開だ。「いいホームランだった」と自画自賛した3試合ぶりの1発でプロ最長4試合連続打点。「打点がチームの勝ちにつながると思うので、これを続けていきたい」。4番の仕事に胸を張った。矢野監督は本塁打の内容に状態の良さを感じ取っていた。「ああいう方向に1年目はよく飛んでいた。今年は逆方向が減ってしまっているけど、ああいうふうに打ってくると相手にとっても嫌」。センターから逆方向への当たりを絶賛した。主砲の上昇とともにチームも3連勝。「良くなったり悪くなったりなので...、いい状態を長く続けられるように頑張ります」。シーズン残り29試合。ノーモア失速を宣言し、最後まで突っ走る。【中野椋】○...3試合ぶりにスタメンマスクをかぶった梅野が先制適時打を放ち、藤浪を援護した。2回2死一、二塁で巨人先発堀田の直球を右前打まで運んだ。「自分でなんとかしたいという感じで。結果、先制点を取れて良かった。晋太郎もそれで少し気持ち的にも楽やっただろうし、すごくいい攻撃ができたかな」と納得顔だった。○...1番中野が先輩の「つなぎ」に応えるタイムリーを放った。先発藤浪が犠打を決めた直後の4回2死二、三塁。高木から三塁への内野安打を放ち、リードを4点に広げた。「晋太郎さんがしっかり送ってくれたので、なんとしても1点をもぎ取るんだという気持ちで、無我夢中で走りました」。18日にコロナ感染から復帰後、全3試合で安打を放ち3連勝に貢献した。

◆ありがとうなぎ! 阪神島田海吏外野手(26)が絶妙スクイズで勝利の流れをグイッと引き寄せた。4回、1番中野の適時内野安打で1点を追加してなお、2死一、三塁の場面。初球を三塁線に転がした。慌てた左腕高木はどこにも投げることが出来ず。その背後を三塁走者・梅野が走り込み、本塁に滑り込む。宿敵を突き放すダメ押しの5点目だ。「チャンスがあると思ったので自分でやりました。ファウルでもいいからチャレンジしてみようかなと思って、それがいい結果になったので良かった」ベンチ前でキャッチボールをする藤浪も驚きの表情を浮かべるほど。巨人ナインの隙を見事に突いた"奇策"に矢野監督も「すばらしいセーフティー」と絶賛。「ある意味、スモールベースボールというのはタイガースの持ち味の部分でもある」とうなずいた。自身の愛称にちなんだ「うなぎポーズ」はすっかりチームに浸透している。夏本番の8月は打率3割5分7厘と活躍。この試合も今季17度目のマルチ安打を記録した。「明日もまた同じような結果を出せるように準備していきたい」。背番号53はチームに欠かせない存在になってきた。【桝井聡】

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(28)が7回6安打無四球1失点と好投し、今季6度目の先発で初勝利を挙げた。433日ぶりの勝利の陰に秘話があった。藤浪晋太郎から珍しく興奮気味のLINEが届いた。キャンプイン2日前、1月30日の夜のことだ。「鈴木忠平さんに伝えておいてもらえませんか? 今まで読んだノンフィクションの中で一番面白かったです、と」鈴木忠平氏とは、記者が日刊スポーツ虎番時代に苦楽をともにさせてもらった先輩のこと。同氏が中日監督時代の落合博満氏を描いた著作『嫌われた監督』を読み切り、えらく心を揺さぶられたのだという。取り急ぎ著者に伝言を渡し終えた後、いちプロ野球選手として琴線に触れたポイントを聞いてみた。「定点観測、ですね。自分がブレないためにも、正しい物差しを持っておくことは大事なのだと、再認識させてもらいました」間髪入れずの即答には力がこもっていた。『嫌われた監督』の中で、落合氏は当時ドラゴンズの番記者だった鈴木氏に定点観測の重要性を度々伝えている。〈同じ場所から、同じ人間を見るんだ〉〈俺は選手の動きを1枚の絵にするんだ〉毎日、同じ場所から眺めていれば、頭や手足が元々の位置からズレた時に気づくことができるのだと言った。「そのズレにさえ気づければ、調子が悪くなった時も、戻るべき場所に戻ることができるはずなので」藤浪は落合氏の言葉を脳内でかみ砕き、対象物を自分に置き換えた上でそう納得していた。今季は新型コロナウイルス感染の影響もあり、ようやく初勝利。とはいえ、フォームには「安定感がある。不安が少ない」と手応えがある。今まで以上に右足にパワーをため込んでから放出する。1月に巨人菅野に軸足の使い方を教わってから「いい感覚」をキープ。「今年は高い次元で悩めている。立ち返る場所がある」。春先の言葉を証明する時間はまだ残されている。今後は常々口にする「再現性」をいかに高められるか。感覚にズレが生まれた時、どれだけ早い段階で気づいて修正できるかが、完全復活のカギを握る。「やっぱり継続することが大事なので」写真に動画...教材には事欠かない。藤浪が藤浪を定点観測する日々はまだまだ続く。【遊軍=佐井陽介】

◆阪神浜地真澄投手(24)が12試合連続無失点で、防御率はついに0点台に突入した。先発藤浪の後を受け8回に登板。先頭の代打北村に安打を許したが、前の打席で本塁打の丸を空振り三振に仕留めるなど2奪三振で1回を0封。「晋太郎さんがしっかりゲームをつくってくれていたので、リードを守ってつなぐ気持ちでマウンドに上がりました」と気合が入っていた。防御率は0.97まで良化。40試合以上の登板で0点台はリーグ唯一で、抜群の安定感を誇っている。○...ケラーが試合を締めた。4点リードの9回に登板。無死一塁から岡本和を二塁併殺に仕留めるなど1イニングを無失点。14試合連続無失点と安定感抜群の右腕は「攻める投球が出来たので良かった」。守護神岩崎が2試合連続で敗戦投手となり、今後、抑えを任される可能性が高い。

◆阪神は投打の主役が輝き3連勝を決め、球団初となる巨人戦6カード連続勝ち越しを決めた。今季巨人戦は13勝7敗とし、2年連続での同戦勝ち越しも決めた。20回戦での勝ち越し決定は05年以来(当時は22回戦制)。25回戦制になった15年以降では、唯一勝ち越した昨季の23回戦よりも早い。阪神が今シーズンの巨人戦成績を13勝7敗とし、2年連続の勝ち越しを決めた。2リーグ分立後の勝ち越しは12度目。複数年連続で勝ち越したのは、84、85年の2年連続と03~05年の3年連続に次いで3度目。阪神が球団初の巨人戦6カード連続勝ち越しを決めた。4月15~17日の3連戦を○○●で勝ち越して以降連敗がなく、今季対戦カード別で唯一の貯金を作っている。

◆再浮上へ大きな1勝だ。阪神藤浪晋太郎投手(28)が巨人打線を7回1失点に抑え、先発では491日ぶりの勝利を飾った。2試合連続で無四球と制球も安定し、宿敵相手に6年ぶり白星。球団初の6カード連続勝ち越し&シーズン勝ち越しに貢献した。チームは3連勝で、勢いを取り戻した。先発星は実に491日ぶりだ。藤浪は照れくさそうに目尻を緩ませた。「やっぱりいいですね。先発で勝つのが一番心地よい。とにかく1つ勝ちがついて良かったです」7回1失点で433日ぶりの白星。先発で2戦連続無四死球は13年6月以来9年ぶりだ。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督も見守る中、16年4月5日以来2328日ぶりのG倒星。「伝統の一戦」での自身の連敗を7で止め、「久しぶりに勝ちがつくかつかないかでは全然違う」と納得した。「このまま投げ続けたら、ホンマにつぶれてしまうんちゃうかな...」人知れず恐怖を覚えたのは20年秋、初めて中継ぎに配置転換された頃だった。自身最速162キロを計測し、周囲を熱狂させていた時期。本人だけはひそかに危険信号を察知していた。「アドレナリンが出すぎて、振り切っちゃいけないところまで腕を振り切ってしまっている。越えたらいけない一線を越えてしまっている。この状態を1年間続けたら、あと数年で野球ができなくなるかも...」それは選手生命の危機さえも予感させるほどの感覚だったという。当時は無失点でバトンをつなぐと、必ずと言っていいほど安堵(あんど)の白い歯をこぼしていた。「人の勝ち星とか勝利打点を背負って投げる場面はそれだけ気持ちが入る。だから一瞬で体のたがが外れてしまうのでしょうね」極限を経験したことで、藤浪はまた1つステージを上がれたのかもしれない。「エゴ」と表現してまで先発一本にこだわった22年。道のりはまたも険しかった。新型コロナウイルス感染に中継ぎ再転向、長引いた2軍暮らし...。好投が報われない試合も目立った。開幕投手では球団最遅のシーズン初勝利。それでも「いいモチベーションでやれていた」と即答できる心の強さが、今は頼もしい。元気に投げられる喜びを、勝利に懸ける皆の苦心を、28歳はもう人一倍知っている。だから今季初勝利の直後も責任感が口をつく。「今日1日だけ余韻に浸って、明日からは切り替えて来週に備えられたら」チームは2年連続の巨人戦勝ち越しを決めた。宿敵に6カード連続勝ち越しは球団初の快挙だ。しかも、けん引役は誰もが復活を待ちわびた大器。虎はまだファイティングポーズを崩していない。【佐井陽介】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神藤浪晋太郎が巨人戦に先発し7回1失点で6年ぶりのG倒!先発勝利は491日ぶり。頼もしい選手が復活だ。

◆阪神は今季初勝利を目指す藤浪晋太郎投手(28)が登板する。13日の中日戦(京セラ)では7回4安打1失点。今季最多の10奪三振で試合を作るも、勝利には届かずいまだ勝ち星なし。今度こそ好投で今季初勝利を決め、チームの巨人に2年連続のシーズン勝ち越しも達成させる。

◆3試合ぶりのスタメンマスクをかぶった阪神・梅野隆太郎捕手(31)が先制打を放った。二回2死から糸原が中前打、木浪が四球を選んで一、二塁の好機を作った。ここで梅野が打席へ。堀田の146キロ直球を右翼にはじき返し、糸原が生還して先制した。今季初星を目指す藤浪を援護し、チームの巨人に2年連続勝ち越しへ幸先のいいスタートとなった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)がバックスクリーン左へ追加点となる18号2ランを放った。「2アウトからロハスが出塁してくれたので、なんとか自分も続きたいと思っていました。しっかり自分のスイングができましたし、最高の結果になって嬉しいです。よっしゃー!」三回2死一塁で迎えた第2打席。カウント1-0から堀田の145㌔直球を完璧にとらえた。17日のヤクルト戦(神宮)以来、3試合ぶりの一発はリードを広げる18号2ラン。ゆっくりとダイヤモンドを一周した主砲は、「矢野ガッツ」がモチーフの虎メダルをかけられ、ナインとハイタッチを交わした。8月は不振に苦しんでいた虎の4番だが、これで5試合連続安打、4試合連続打点。調子は上向きだ。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)と島田海吏外野手(26)の1、2番コンビが追加点を挙げ、さらに巨人を突き放した。四回2死二、三塁で中野が打席に立つと、高木の146キロ直球を捉え、打球は三塁へ。岡本にスライディングキャッチされるも、快足を飛ばして内野安打にし、その間に糸原が生還して追加点を挙げた。続く島田は初球に相手の不意を突くセーフティーバント。これを見事に成功させて三走の梅野も生還した。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が復帰後7打席目で安打を放った。五回1死に打席に立つと、高木の146キロ直球をはじき返し、右翼線を破る二塁打を放った。8月2日の巨人戦(東京ドーム)での22号本塁打以来の安打となった。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(28)は7回6安打5奪三振1失点。2試合連続の無四球でしっかりと試合を作った。二回には2死一、三塁のピンチを招くも喜多を遊ゴロに仕留めた。六回には1死から丸に今季23号ソロを打たれたが最少失点にとどめた。このままチームが勝利すれば今季初勝利となり、巨人戦は2016年4月5日以来、約6年ぶりの勝利となる。

◆阪神が快勝。2年連続の巨人戦シーズン勝ち越しを決めた。先発した藤浪は7回6安打1失点。六回に丸にソロを浴びたが、威力抜群の直球と切れ味鋭い変化球で巨人打線を翻弄した。開幕投手を務めた右腕は今季初勝利。先発としての白星は2021年4月16日のヤクルト戦(甲子園)以来、491日ぶり。巨人戦での勝ち星は、2016年4月5日の巨人戦(東京ドーム)以来、2328日ぶりだった。打線は二回に女房役の梅野が先制の右前適時打を放つと、三回は佐藤輝がバックスクリーン左へ18号2ラン。四回は中野、島田が快足を生かして2点を奪うなど効果的に追加点をあげた。阪神は3連勝で借金を2とした。

◆阪神が球団初の巨人戦6カード連続勝ち越しで、昨年に続くカード勝ち越しを決めた。1年4カ月ぶりの先発勝利を挙げた藤浪晋太郎投手(28)は2016年4月5日(東京ドーム)以来、2328日ぶりのG戦白星となった。打線は三回に佐藤輝明内野手(23)が自身初の4試合連続打点を18号2ランで記録するなど、効果的に加点し、快勝した。大山悠輔内野手(27)は復帰後2試合目で初安打。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績55勝57敗2分、観衆4万630人)。(テレビインタビュー)ーー投打が噛み合った3連勝。今の気持ちは「いやーもうめちゃめちゃうれしいです」ーー今季初勝利の藤浪投手の投球は「前回も素晴らしい投球で、勝たせてやることができなかったんですけど、今日もそれに近いような晋太郎らしいボールが行っていましたね」ーー2年連続開幕投手を託した藤浪投手が1勝を挙げた意味は「残りのシーズンも、晋太郎にはもちろん頑張ってもらいたいです。スケールの大きな投手なんでね。晋太郎自身のこれからのプロ野球人生を考えても、この1勝が何かにつながればうれしいなと思います」ーー早い回に梅野選手の先制タイムリーがあった(二回2死一、二塁で右前打)「そうですね。やっぱり先制できるかどうかはウチにとっても大きなことだったので、ああいうところでも、2アウトから先制できたというのは大きいかなと思います」ーーその後、佐藤輝の一発「ああいう方向(中堅)に1年目はよく打球が飛んでいたんですけど。今年は逆方向が減ってしまっているんですけど。ああいうふうに打ってくると、相手にとっても嫌なホームランだと思う。残りの試合、どれだけホームランを打ってくれるか、どれだけ打点を挙げてくれるかはウチにとって大きいんでね。いいホームランでした」ーータイガースらしい足を絡めた攻撃「そうですね。拓夢(四回2死二、三塁で三塁適時内野安打)と島田(直後の2死一、三塁でセーフティーバントで5点目を追加)ですかね。本当にしぶくやってくれましたし、タイガースらしい野球かなと思います」ーーこの3試合でタイガースらしい野球が投打ともに戻ってきている感覚はありますか「本当に苦しい状況で土壇場で、ぎりぎり踏ん張って、そこからまた盛り返してくれているところはチームにとっても大きいですし、2つ取れたんでね。何とか明日(21日)取って全員で帰る、そういう気持ちで臨みたいと思います」ーー今季の巨人戦勝ち越しが決まった。巨人にはどんな思いがあるか「あれだけの素晴らしい選手たちが揃ったチームで、伝統のあるチームでね。お互いやってきたライバルチームなのでね。勝ち越したのは本当に大きいですし、うれしいことをプラスにして、悔しいことも、自分らで力に変えて、頑張っていきます」ーー明日に向けて「いや、もう、絶対に全員でとりにいきます」(囲み)ーー藤浪は粘り強く「打ち取り方も、まあ前回もね、空振りもしっかり取るのがあったけど、真っすぐ、スプリットが今すごくいいんで、結果につながっているかなと思う。いいピッチングをしても勝たしてやることができなかったんで。(勝ち星が)イチ付ついたのが晋太郎にとっても大きいと思うし、チームにとっても大きい。自分なりの手応えがある投球になったと思うんで、素晴らしい投球でした」ーー2試合連続の四死球ゼロ「本来コントールで勝負するタイプではないかもしれないけれど、結果的にそうなればピッチングって絶対有利に運んでいける。一方で四死球出しても抑えてやるスケール感も晋太郎には持ち合わせてほしいなって思う。結果的に四球を減らせられたのは自信にしていけばいいんじゃないかと思います」ーー佐藤輝が4試合連続打点「そういうところで回ってくるケースが多い。打ってる形とか、昨日も言ってきたけど、良くなってきた感じがある。あの方向のホームランは素晴らしかったと思うし、ウチはみんながホームランという打線じゃない中で、流れを一気に持ってくる力がある。素晴らしいホームランでした」ーー四回は中野、島田が躍動「本当にしぶといというか。あそこで拓夢がセーフになるかならないかというところで、あの1点が島田の素晴らしいセーフティーにつながったのもある。そういう野球はずっとやってきたつもりなので。ある意味、スモールベースボールはタイガースの持ち味の部分でもあると思う。あの2人がよくやってくれたかなと思います」ーー大山も復帰後初安打「これも言ったんだけど、ウチはチーム全体の線として攻撃していかないと。誰か一人がという感じじゃない。悠輔も帰ってきて一本出たんで落ち着いてやれると思う。体調も良くなっていくと思うんで、いい安打が出て、勝ちにつながって、明日またいけるのは悠輔にとってもいいかなと思います」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は四回の攻撃に言及。2死一、三塁からセーフティバントを決めた島田海吏外野手(26)と素早い反応をした三走・梅野隆太郎捕手(31)の〝合わせ技〟に賛辞を送った。8連敗中はどうなることかと思っていたが、この3連勝は非常に強さを感じる勝ち方ができている。特にこの日は5得点すべてが2死から。阪神からすればソツがない攻撃、巨人からすればこれほど腹が立つ点の取られ方はない。いい点の取り方だった。ベンチの作戦というより、選手個々が持てる力をフルに発揮している証拠だ。中でもホメたいのは5点目。四回2死一、三塁から島田が三塁線にセーフティーバントを決めて挙げたものだった。最近の島田が得意としているプレーだが、あのシーンで敢行してくるとは思わなかった。巨人は完全に意表を突かれた。同時に三走・梅野の反応も素晴らしかった。一瞬でもスタートが遅れたら本塁で刺されてしまう。三走の好判断なしには成立しない。試合慣れしていない三走には難しいプレーを見事に決めた梅野はさすがだ。1点目に結びついた木浪の見極めての四球。4、5点目に直結した藤浪の送りバント。各自が仕事をして、つながりのある攻撃は見ていても楽しかった。もちろん藤浪の好投が最大の勝因。四球を出しそうにない安定感は驚くばかり。これまでも復活の予感と評価したこともあったが、今回は少しイメージが違って、安心して見ていられる投手になっている。青柳、伊藤将が勝ち運に恵まれない状況だが、西勇が万全だし、西純、才木もしっかり投げている。この豪華な先発陣を生かすためにも、何が何でもAクラスに入らなければいけない。今、セ・リーグの上位チームが短期決戦に向けて、最も嫌がる戦力を持っているのは阪神なのだから。

◆巨人・堀田賢慎投手(21)が3回5安打3失点で3敗目。本拠地初勝利とはならなかった。同点の二回2死一、二塁で梅野に右前適時打を許し、先取点を献上。三回2死一塁で佐藤輝に痛恨の2ランを被弾。直後の打席で代打を送られて降板となり、「先発として長い回を投げれず申し訳ない」と肩を落とした。許した失点はいずれも2死から奪われたもの。原監督は「2アウト、なおかつ2ストライク取ってからの得点。野球は技術だけでやるものではないというのは彼にも分かってもらいたい」と話した。

◆巨人は、投打がかみ合わず阪神に連敗を喫し、今季3度目の5連敗となった。これで今季の阪神との対戦成績が7勝13敗となり、2年連続の負け越しが決まった。原辰徳監督(64)が試合を振り返った。ーー打線を変更して臨んだ「いろんな総合的に考えてというところですけどね」ーー主将の坂本がベンチスタート「全ていろんな状況の中でというところですね」ーー喜多をスタメンで起用「雰囲気、全体的に視野も広い。経験こそありませんけど、非常に資質の高いキャッチャーだと思います」ーー打線が元気ない「そうね。つながらないというところでしょうね。ちょこちょこヒットが出たから、明日はいくでしょう」ーー堀田はいずれも2死から失点「そうですね。桑田コーチはとにかく粘るというのが一つのピッチャーに対する教訓、教え。僕らもよく聞くしね。そこが理解してくれていないのかなというね。2アウト、なおかつ2ストライク取ってからの得点というのは、野球というのは技術だけでやるもんではないんだろうなというのは彼にも分かってもらいたいね」-―阪神戦の2年連続負け越しが決定「現実は現実ですから。まだ終わったわけじゃないのでね。受け止めながら、また戦っていくということですね」

◆巨人の2年目捕手、喜多がプロ初先発した。一回1死から俊足島田の二盗を正確な送球で阻止。ベンチの仲間から、総立ちで帽子を取って敬礼され照れ笑い。打撃は無安打に終わったが、バットを短く持って藤浪に食らいつく姿にスタンドから拍手が送られた。石川・小松大谷高から京都先端科学大を経て育成ドラフト2位で入団。昨年8月に支配下登録となった。原監督は「全体的に視野も広い。経験はないが、非常に資質の高い捕手だと思う」と高く評価した。

◆打線が振るわない。巨人は8安打を放ちながら1点止まりで、今季3度目の5連敗を喫した。ここ6戦はいずれも3得点以下。原辰徳監督(64)は「つながらないというところ」と嘆いた。前夜に零敗を喫した打線は、藤浪の球威に押されてゼロ行進が続いた。得点は六回に挙げた丸のソロのみ。イニングの先頭打者が5度出塁したが、いずれも進塁させられなかった。腰痛から復帰して間もない坂本が休養し、大卒2年目捕手の喜多が初先発。6番での出場が続いていた岡本和が5番に入るなど打順を組み替えたが、結果に結びつかなかった。2年連続の阪神戦負け越しが決まり、借金は6に膨らんだ。指揮官は「現実は現実。まだ終わったわけじゃない。受け止めながら、また戦っていく」と努めて前を向いた。(鈴木智紘)

◆八回に登板した阪神・浜地は先頭の代打・北村に右前打を浴びるも、吉川を三振、重信を二ゴロ、丸を三振と後続をピシャリと抑えた。「(藤浪)晋太郎さんがしっかりゲームを作ってくれていたので、リードを守って後ろにつなぐという気持ちでマウンドに上がった」。これで12試合連続無失点。防御率は0・97と、ついに0点台に突入した。

◆阪神・島田が意表を突く2死からのセーフティースクイズを決め、追加点をもたらした。「ファウルでもいいからチャレンジしてみようかなと思って、いい結果になったのでよかった」。中野の適時内野安打で4-0とした直後の四回2死一、三塁で、初球を見事に三塁線へ。投前への適時打となり、一回の右前打と合わせて今季17度目のマルチ安打とした。前日の犠打失敗&無安打を乗り越え、直近6試合で4度の複数安打と、たくましくなってきた。

◆阪神・梅野は3試合ぶりの先発マスクで、好リード&決勝打と奮闘だ。藤浪を導いただけでなく、二回2死一、二塁から右前先制打で援護。「自分でなんとかしたい、と。晋太郎もそれで少し気持ち的にも楽だっただろうし、そういう意味ではすごいいい攻撃できた」と胸を張った。1球目や1アウト目といった「一を大事にしよう」と誓い合い、右腕の今季初勝利をつかんだ。6日の広島戦(マツダ)以来、出場10試合ぶりの打点が、今季4度目の決勝打になった。

◆19日に新型コロナウイルス陽性判定から1軍復帰した阪神・大山が、復帰後初安打だ。5-0の五回1死で右翼線二塁打を放ち「一本出たのはよかったですし、チーム自体も勝って、うれしい」と表情を崩した。隔離期間中は症状もあったといい「しんどくてずっと寝ていた。落ち着いてからも場所は限られていた」と、苦しいときを過ごした。2日の巨人戦(東京ドーム)で放った22号本塁打以来18日ぶりの快音だった。

◆九回のマウンドに上がったケラーが1回1安打で14試合連続無失点。「フジナミくんがあれだけいいピッチングをして、ハマチくんが良い流れでつないでくれたので。自分もボールを低く集めて、攻める投球ができた」。先頭・中田に左前打を許したが、岡本和は二ゴロ併殺打。最後は若林を153キロ直球で空振り三振に斬った。

◆痛快な打球音が東京ドームにこだました。手応え十分。白球はバックスクリーン左のカメラマン席、その最上段で弾む。完璧な当たりに、佐藤輝が、そして虎党が、心の中で雄たけびをあげた。「いい手応えだったので、長打になるかな、と思ったんですけど、入ってよかった。まあまあいいホームランだったのかな、と思います」自画自賛の一発は1-0の三回2死一塁。堀田の145キロを振り抜いた。大きな追加点をもたらす、3試合ぶりの18号2ラン。矢野監督から「矢野ガッツ」がモチーフの虎メダルをかけられると「しっかり自分のスイングができましたし、最高の結果になってうれしい。よっしゃー!」と喜びを爆発させた。これで17日のヤクルト戦(神宮)から自己最長の4試合連続打点。8月は序盤から極度の不振に陥った。大山ら相次ぐ主力選手の離脱で徹底マークを受けたことも、スランプに拍車がかかった。16日には74試合連続で任されてきた4番を離れ、6番降格も経験した。打開策を見いだそうと、打撃練習ではケージを出るたびに自身のフォームをスマホで撮影した動画をチェック。藤井康1、2軍巡回打撃コーチだけではなく矢野監督を交えて10分間にも及ぶ三者面談を行ったこともある。もがき苦しみながら、再びはい上がってきた若き主砲。指揮官は「ちょっと良くなってきたかなという感じがある。うちはなかなかみんながホームランという打線じゃない中で、流れを一気に持ってくるという力がある。素晴らしいホームランでした」とたたえた。今季69打点は巨人・岡本和を抜き去り、リーグ単独3位に浮上。やはり、佐藤輝が打点を挙げれば挙げるほど、虎の勝利はグッと近づいていく。「(調子は)よくなったり悪くなったりなので...。いい状態を長く続けられるように頑張ります。打点がチームの勝ちにつながると思うので、これを続けていきたい」打倒・ヤクルトへ、まだまだあきらめない。連続試合打点も、そしてチームの連勝も伸ばせるところまで伸ばすだけだ。(原田遼太郎)

◆うまく逆方向に流すと自慢の快足を飛ばして一塁を駆け抜けた。中野は右手を突き上げる。しぶとく、点をもぎ取った。「(藤浪)晋太郎さんがしっかり送ってくれたので、なんとしても1点をもぎ取るんだという気持ちで、無我夢中で走りました。追加点が取れてよかった」3-0の四回2死二、三塁。藤浪が三塁線ギリギリに転がす犠打で好機を広げてくれた。高木の146キロに反応。三塁手・岡本和にスライディングキャッチされるも走力が勝り、適時内野安打とした。新型コロナウイルス感染から復帰後2打点目で試合を決定づけた。安打はこの1本のみであとの4打席はいずれも凡退したが、矢野監督は「本当にしぶといというか。スモールベースボールというのはタイガースの持ち味」と目指すべき野球ができたことを語った。今季、中野が打点を挙げれば虎は開幕から負けなしの14連勝。同期入団の佐藤輝と一緒に打点を挙げると、昨年から16連勝と不敗神話がある。18日のヤクルト戦(神宮)から中野が1日前倒しで復帰し、大山もこの日、安打を放つなど、コロナ感染に苦しんだ組が続々と戻ってきた。3試合連続で安打を放ち、勝利に導いたリードオフマンは終盤に向けて重要になる。ここからはチームの先頭に立ち続け、残り29試合を走り抜ける。(平野佑治)

◆今季初勝利を挙げた阪神・藤浪晋太郎投手(28)は今年1月、巨人・菅野と沖縄・宮古島市内で合同自主トレを行った。鍛錬の日々を見守った「みゃーく筋トレ塾」の高橋恵介代表(49)が成長の過程を振り返った。藤浪が菅野に〝弟子入り〟-。球界に衝撃を与えた合同自主トレの内容を高橋代表が明かした。「あまりマシンは使わずに、バーベルとかを使ってやる。だから、ココの筋肉が肥大するというイメージではなくて、足から手に連動させる練習とか。菅野選手は、(体の)軸を作る練習が多かった」ケトルベルを片手で頭上に持ち上げて歩き、ブレない〝芯〟を作り上げる。体幹のひねりのパワーを鍛えるため、腹筋台の上で5~10キロのバーベルのプレートを使用し、黙々と汗を流した。メリットは「投球でいうと、体が横に流れたり、前につんのめったりしなくなる」と説明。沖縄に滞在中、藤浪の成長ぶりにも驚いたという。「一番変わったのは、重いものを持つときに、最初の時期は腹圧、簡単にいうと下っ腹の力が抜けていた。後半は腹圧が入ってきた。腰が丸まったままやっちゃうのが、整ってきた。わずかな時間で修正してきた」。敵のエースと過ごした濃密な時間が、この日の復活星につながった。

◆打線が振るわない。巨人は8安打を放ちながら1点止まりで、今季3度目の5連敗を喫した。ここ6戦はいずれも3得点以下。原辰徳監督(64)は「つながらないというところ」と嘆いた。前夜に零敗を喫した打線は、藤浪の球威に押されてゼロ行進が続いた。得点は六回に挙げた丸のソロのみ。イニングの先頭打者が5度出塁したが、いずれも進塁させられなかった。腰痛から復帰して間もない坂本が休養し、大卒2年目捕手の喜多が初先発。6番での出場が続いていた岡本和が5番に入るなど打順を組み替えたが、結果に結びつかなかった。2年連続の阪神戦負け越しが決まり、借金は6に膨らんだ。指揮官は「現実は現実。まだ終わったわけじゃない。受け止めながら、また戦っていく」と努めて前を向いた。(鈴木智紘)

◆勝ったぁ! 阪神は20日、巨人に5-1で快勝。3連勝で2年連続の同戦勝ち越しを決めた。同戦6カード連続勝ち越しは球団史上初の快挙。藤浪晋太郎投手(28)は7回1失点で今季初勝利を挙げ、2試合連続無四球と完全復活を裏づけた。2年連続で開幕投手を務めた右腕が、奇跡の逆転優勝へ、フル回転する!輝きを取り戻した。藤浪が気迫の投球で巨人打線を黙らせた。ピンチをしのぐと、右拳を突き上げた。産みの苦しみを味わった。あくまでも先発にこだわった。それだけに受けるヒーローインタビューは格別だった。「やっぱりいいですね。先発で勝つのが自分の中で一番いいし、心地良いというか。その瞬間が本当に久々だったので。いい一日、いい試合だったと思います」一回から150キロ台の直球とカットボールなどを織り交ぜ、力投した。四回は先頭の丸に二塁打を許したが、中田、岡本和らの後続を断った。最速156キロ。六回1死で丸にソロを浴びるも、7回6安打1失点。2試合連続で四死球を与えなかったことに胸を張った。「(制球が)安定していると見てもらえる。ファンの方にも首脳陣にも。自分がよく評価されがちなところではある。いい数字かなと思う」右腕をしならせるたびに表情は明るくなった。三回、佐藤輝が2ランを放つとベンチ横でキャッチボールをしていた藤浪は大喜び。マウンド上でも、ほえた。昨年6月13日の楽天戦(楽天生命パーク)以来の白星。先発としては同年4月16日のヤクルト戦(甲子園)以来491日ぶりだった。青柳が新型コロナウイルスに感染したことで2年連続開幕投手を任されたが、1勝が遠かった。4月中旬にはコロナに感染。ウエスタンで結果を残しても雨天中止などが重なり、1軍から呼ばれず、立場も先発、中継ぎと二転三転した。平田2軍監督は「気持ちが折れそうになってもいいぐらいの立場だったが、あいつは腐らなかった」と目を細める。課題の制球力が改善していることはすでに見せていた。それでも1軍で全国に証明できないもどかしさ-。「必ずチャンスはある」平田2軍監督から背中を押され続け、鳴尾浜では全体練習が終わった後も若手とキャッチボールを繰り返した。昨年12月、6年連続減となる年俸4900万円で契約更改した際には「やっぱり先発をやりたい」と訴え、オフは巨人のエース・菅野に弟子入り。軸足の使い方、リリースポイントの幅などを教わった自分を信じた。12球団の開幕投手で大トリの白星。球団史上初となる巨人戦6カード連続勝ち越しを呼び込んだ。「巨人という強いチームに勝ってこそだと思う。巨人に勝てば阪神ファンは喜んでくれると思うので、もっともっと自分自身勝てるように頑張ります」16年4月5日の東京ドーム以来、2328日ぶりの巨人戦勝利。小林繁も背負った19番をつけ、伝統の一戦で燃える男が完全復活し、2年連続の同戦勝ち越しも決めた。チームは泥沼の8連敗後、3連勝。勝負はこれからだ。青柳、西勇、伊藤将らの先発陣の中で藤浪が居場所をつかんだ。(三木建次)■今季の藤浪あらかると★開幕投手 内定していた青柳が新型コロナウイルス陽性判定を受け、2年連続の開幕投手を務めた。3月25日、ヤクルトとの開幕戦(京セラ)では7回6安打3失点も、九回にケラーが逆転を許し、敗戦した。★配置転換 4月13日に新型コロナウイルス陽性判定を受けて抹消。2軍で調整を続けていたが、5月31日に中継ぎとして再昇格した。登板5試合で計6回を投げ、1四球無失点と安定感のある投球をみせた。★再び先発へ 6月13日に再び抹消されてからは2軍で先発として調整。抹消後は2軍戦で5試合に先発し、3勝1敗、防御率2・36。8月6日の広島戦(マツダ)で昇格し、先発した。■データBOX?...阪神は巨人に4月15-17日(甲子園)から6カード連続勝ち越し。フランチャイズ制が導入された1952年以降では球団史上初。これまでは2009年7-9月の5カード連続だった?...東京ドームでの3カード連続勝ち越しは球団タイ(2009年7-9月、21年5-10月に続く)?...今季の巨人戦を13勝7敗とし、同戦のシーズン勝ち越しを決めた。昨季は13勝9敗3分。2年連続は3年連続だった2003年(17勝10敗1分)、04年(17勝10敗1分)、05年(14勝8敗)以来

◆今後に大きな楽しみが持てる日になりました。藤浪が好投して巨人に快勝。巨人戦勝ち越しを決めました。巨人に2年続けて勝ち越すのは、2003-05年に3年連続で勝ち越して以来です。「藤浪と東京ドームといえば、2014年のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを思い出します」試合前、当番デスクの阿部祐亮は8年前のシーズンを思い出していました。10月15日です。当時阿部はトラ番サブキャップでした。14年は2位だった和田阪神はCSファーストステージで3位広島を下し、優勝した巨人の本拠地・東京ドームへ乗り込みます。その第1戦で藤浪が好投。7回1失点で勝利に導くと、勢いに乗ったチームは4連勝で日本シリーズ進出を決めています。「七回に阿部にソロを浴びて、そのあと無死満塁になったんですが、そこをピシッと抑えました」その再現を期待しようと話していたら、トラ番キャップ長友孝輔が苦笑いするようなことを言ってきたんです。「僕は、東京ドームの藤浪といえば、開幕直後の打たれた試合を思い出してしまいます」今年の4月1日です。シーズン2度目の先発だった藤浪は立ち上がりから乱調で一回に坂本、ポランコ、二回に大城にソロを浴びるなどして4回6失点(自責4)で降板しています。「ただ、最近はいい投球が続いているし、きょうこそと思っています」デスクやトラ番だけではありません。大いなる才能と大いなる失望が同居してきた藤浪のことは、球界のレジェンドたちも気にかけ、期待をしてきています。「藤浪クンの球速がワシにあったら、コースを狙ったりなんかせんよ。腕を振って投げることだけ考えたらいい。腕を振って投げられたら、あのボールは打てやせん」制球力を武器に通算213勝を挙げた元広島の北別府学さんが、そう言ってエールを送ってくれたことがありました。元巨人の江川卓さんも同じです。「藤浪のボールは、ショートの守備位置くらいの角度から飛んで来る。あんな角度がつけられる投手はいない。あの角度は藤浪の武器。フォームを矯正することはない。腕を振って投げたらそれでいい」と話してくれていました。江川さんは、昨年の開幕戦(3月26日、ヤクルト-阪神)で藤浪が二回に坂口から空振り三振を奪ったシーンを、翌27日の夜、解説を務める番組で「開幕からの2試合の中でのベスト奪三振」に選出。「捕手が構えたところにはいかなかった。真ん中でした。だけど腕を振っていた。だから空振りさせられたんです」と絶賛しています。腕を振る藤浪が戻ってきました。今度こそ、本当に大丈夫です。「大きいわ」とうなっていたのは、ベテラン編集委員三木建次です。「阪神は先発もリリーフもいいから、もう一人先発で計算できる投手がいたら、短期決戦のCSは十分勝ち上がっていける。その、もう一人に藤浪がなってくれたら」勝ち上がっていける? 逆転優勝を前提にしていないのが、ちょっとアレですが、まあ現状ではしようがないか。藤浪の今季初勝利は、ポストシーズンへ楽しみをつないでくれるものにもなりました。おめでとう。これからも頼むで。

◆バンザーイ! バンザーイ!! 全国の虎党の皆さんオメデトウ!! わが阪神タイガースもう一つのペナントレース、対巨人シーズン勝ち越しを本日見事に決めました!! しかも、2年連続のV2やでェ!! リーグVじゃないからビールかけならぬ、発泡酒かけあたりでプシュ、シュワシュワシュワでサイコーや!!そして、本日のヒーローは眠れる虎のエース藤浪の晋ちゃんでーす!! 今季初勝利、対巨人戦は6年ぶりの白星だってんだから、どんだけグッスリ眠っとったんや~!! これからは不眠不休でええ仕事続けてもらうから、覚悟しとけってんだ!!にしても7回1失点の好投だけじゃなく、本日も前回の中日戦も7回放って2試合連続で藤浪の欠点である四球なしってのは、いい意味でビックリなのだ!!まさか、ジョーブ博士の弟子のダイジョーブ博士にコントロールが良くなる2022年型トミー・ジョン手術をこっそりと受けたのでは??? と疑うような快投にも発泡酒シュワシュワシュワじゃー!!(笑)

◆阪神は才木浩人投手(23)が先発登板する。巨人戦に登板するのは2018年8月8日以来、4年ぶり。11日のDeNA戦(横浜)では七回途中4失点(自責3)で今季初黒星を喫したが、試合を作り、3連勝中のチームの連勝をさらに伸ばす。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
63451 0.583
(↑0.004)
-
(-)
34472
(+7)
422
(+2)
132
(+2)
59
(-)
0.251
(↑0.001)
3.470
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
55472 0.539
(↑0.004)
5
(-)
39373
(+6)
391
(+5)
82
(+2)
35
(-)
0.252
(↑0.001)
3.420
(↓0.02)
3
(-)
阪神
55572 0.491
(↑0.005)
10
(-)
29389
(+5)
328
(+1)
73
(+1)
85
(-)
0.239
(-)
2.540
(↑0.01)
4
(-)
広島
53583 0.477
(↓0.005)
11.5
(↓1)
29435
(+5)
431
(+6)
69
(+1)
22
(+1)
0.256
(-)
3.490
(↓0.02)
5
(-)
巨人
53591 0.473
(↓0.004)
12
(↓1)
30431
(+1)
492
(+5)
129
(+1)
50
(-)
0.243
(-)
3.960
(↓0.01)
6
(-)
中日
48591 0.449
(↓0.004)
14.5
(↓1)
35316
(+2)
389
(+7)
55
(+2)
40
(-)
0.247
(-)
3.420
(↓0.04)