巨人(★0対4☆)阪神 =リーグ戦19回戦(2022.08.19)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:西 勇輝(9勝7敗0S)
敗戦投手:山﨑 伊織(4勝4敗0S)
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◆阪神は両軍無得点で迎えた7回表、無死二塁の好機から佐藤輝が適時打を放ち、試合の均衡を破る。続く8回には、佐藤輝の2点適時三塁打などで3点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・西勇が9回無失点の快投。今季2度目の完封で9勝目をマークした。敗れた巨人は、打線が沈黙した。

◆巨人山崎伊織投手(23)は打撃も好調。今季の打撃成績は16打数6安打、5打点、打率3割7分5厘で、4日阪神戦から2試合連続で打点を記録中。巨人投手が3試合連続で打点を記録すれば02年8、9月の上原以来、球団20年ぶり。

◆新型コロナウイルスに感染していた阪神大山悠輔内野手(27)が、東京ドームで行われる巨人戦の試合前練習から1軍に合流し、出場選手登録された。前日18日のヤクルト戦(神宮)後、矢野監督は「明日はスタメンで行く」と明言。1軍復帰即スタメン出場で、4位で並ぶ巨人との「伝統の一戦」に臨む。大山は今月5日に陽性判定を受けて離脱し、その後は関東で自主隔離。16日に神宮球場での1軍練習に合流していた。17日は甲子園室内練習場で調整。18日は2軍鳴尾浜球場で二保、秋山を相手にシート打撃を行い、当初の予定通りこの日、4日巨人戦以来、15日ぶりに1軍に戻ってきた。前日18日には、9日に陽性判定を受けていた中野拓夢内野手(26)が、ひと足早く1軍復帰。「1番遊撃」でスタメン出場し2安打2得点、1盗塁で勝利に貢献していた。チームの連敗も8でストップ。今季22本塁打、71打点でチーム2冠の主砲の復帰で、さらなる追い風を吹かせたい。また、板山祐太郎外野手(28)が出場選手登録を抹消された。

◆巨人は19日、アダム・ウォーカー外野手(30)とクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(28)の出場選手登録を再調整のため抹消した。ウォーカーは来日後、初の抹消となった。代わって鍵谷陽平投手(31)とゼラス・ウィーラー内野手(35)が出場選手登録された。

◆新型コロナウイルス感染から復帰した阪神大山悠輔内野手(27)が、1軍合流後即「5番一塁」でスタメン出場する。大山は5日に陽性判定を受け離脱。4日の巨人戦以来、15日ぶりの実戦となる。大山離脱の間、チームは3勝8敗と低調。前日18日ヤクルト戦でで連敗を「8」で止めたチームを、本塁打&打点でチーム2冠の主砲がさらに加速させる。また、8月は打率3割6分7厘、4本塁打、9打点と絶好調のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)は2試合連続3番でスタメン。4番佐藤輝明内野手(23)、大山と続くクリーンアップで「伝統の一戦」に臨む。阪神先発は西勇輝投手(31)。巨人とは今季2度目の対戦で、前回7月13日は8回無失点で勝利投手となっている。4位で並ぶ宿敵相手に連勝なるか。

◆ハンドボール男子で東京五輪の日本代表主将を務めた土井レミイ杏利(32)が始球式を行った。日本リーグのジークスター東京に所属。動画投稿アプリ・TikTokでは「レミたん」の名で600万人以上のフォロワーがいる。始球式で着用したユニホームの背番号は「031」。ハンドボール選手らしい豪快なノーバン投球で球場を沸かせた。土井は「『球速120キロ』という目標は残念ながら達成できませんでしたが、実際にマウンドから投げて野球選手のすごさを改めて感じました。同じアスリートとしてさらにリスペクトの気持ちが高まりました」と語った。

◆巨人山崎伊織投手(23)がアクシデントに見舞われた。7回無死二塁、阪神佐藤輝に1ストライクから2球目を投げた直後、捕手大城がベンチに異変を訴えた。山崎伊は一塁側ベンチに下がり、そのまま交代となった。自身初の3連勝が懸かったマウンドでは、阪神打線を降板まで3安打に抑える好投。阪神西勇との投手戦を演じていたが、84球でまさかの降板となった。カウント1-1から2番手で登板した今村だが、佐藤輝に先制の左前適時打を浴び、なお1死一、二塁としたところで3番手平内にスイッチ。平内は代打原口を右飛、坂本を投直に抑えた。

◆プロダンスリーグ「Dリーグ」に所属するFULLCAST RAISERZ(フルキャストレイザーズ)が、試合前にグラウンドでド迫力パフォーマンスを披露した。巨人のユニホームに袖を通し、ダンスを披露。最後にはユニホームを脱いで、上半身裸に。"ムキムキボディ"姿でグラウンドを後にした。フルキャストレイザーズは「『ストリートとメジャースポーツをクロスオーバーさせ、自分達が新たな扉を開く!』という気持ちで、沢山のお客さんを盛り上げるべくパフォーマンスをさせていただきました。この広い球場に僕たちのエナジーが少しでも伝わり、お客さんが盛り上がってくれたようであればうれしいです。ありがとうございました」とコメントした。

◆阪神が同率4位対決の巨人に競り勝った。先発の西勇輝投手(31)と巨人先発の山崎伊織投手(23)のテンポのよい投手戦が繰り広げられた。7回にアクシデントから試合が動いた。先頭のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が左翼線への二塁打でチャンスをつくると、続く4番佐藤輝明内野手(23)に2球目の高めボールを投げた時にアクシデントがあり山崎伊が降板。1ボール1ストライクから緊急登板した左腕今村信貴投手(28)のフォークを中前へしぶとく落とし決勝打となる適時打を放った。「途中で投手が代わったので、しっかり落ち着いて集中することができた。いいところに落ちてよかった」とコメントした。続く8回にも佐藤輝は2死一、三塁から中堅フェンス直撃の2点適時三塁打を放った。さらに巨人のバッテリーミスで1点を追加した。投げては西勇が丁寧に低めに集める投球で巨人打線に的を絞らせず、9回を3安打に封じ完封、9勝目を挙げた。前日18日ヤクルト戦から中野拓夢内野手(26)、この日から大山悠輔内野手(27)が新型コロナウイルス陽性から復帰。メンバーがそろってきた阪神は8連敗後の2連勝となった。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、2打席連続適時打で4番の仕事をした。まずは、0-0の7回。先頭のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が左翼への二塁打でチャンスメーク。無死二塁で巨人先発山崎伊織投手(23)は佐藤輝に1ボール1ストライクとした直後、ベンチへ下がりそのまま降板。2番手今村信貴投手(28)が急きょマウンドに上がった。佐藤輝は2ボール2ストライクから134キロをセンター方向へはじき返し、ロハスが生還。緊急登板した左腕から自身4試合連続安打となる適時打で、先制点を呼び込んだ。「途中で投手が変わったので、しっかり落ち着いて集中することができました。いいところに落ちてくれてよかったです」と振り返った。1点リードの8回2死一、三塁では、4番手イアン・クロール投手(31)から中越え2点適時三塁打。今季6本目となる三塁打でリードを3点に広げると、その後、バッテリーエラーの間に4点目のホームを踏んだ。

◆巨人が投打で及ばず、今季9度目の完封負けで1カ月ぶりの4連敗を喫した。巨人山崎伊、阪神西勇の両先発が好投を続け、6回まで両軍無得点のハイテンポで迎えた7回に山崎伊がアクシデントに見舞われた。無死二塁、阪神佐藤輝に1ストライクから2球目を投げた直後、捕手大城がベンチに異変を訴えた。山崎伊は一塁側ベンチに下がり、そのまま7回途中3安打1失点で降板となった。2番手今村が緊急登板も佐藤輝に先制の左前適時打を浴びた。8回にはクロールが2死一、三塁から佐藤輝に中越えの2点適時三塁打を打たれた。さらに2死一、三塁からワイルドピッチでこの回3失点目を献上した。打っては阪神西勇のテンポの良い投球を前に3安打完封負け。8回には大城の二塁打と代打ウィーラーの四球で1死一、二塁とこの日最大のチャンスを作るも、吉川が左飛、坂本が二飛に倒れた。これで勝率で並んでいた4位阪神に突き放され、5位に転落。連敗が始まった16日DeNA戦(横浜)から4試合で7得点となった。

◆阪神西勇輝投手(31)が9回3安打無失点と今季2度目の完封勝利で9勝目を挙げた。初回からテンポの良い投球で5回までに許した安打は大城に打たれた右前打のみ。最後は岡本和を三ゴロに仕留め、試合を締めた。ヒーローになった西勇の一問一答は以下の通り。-9回を投げ抜いた「本当、先週からチームの状態が厳しかったので。昨日のね、純矢が勝ったので、しかも良い顔をして朝会って『今日お願いします』って言ってきたので、しっかり僕も投げようとと思って投げました」-どんな思いでマウンドに「本当に昼から(坂本)誠志郎と入念に打ち合わせをして来ましたし、自分の状態もそこまで悪くないなというのも感じていたので。誠志郎が配球したところに自分が応えるだけかなと思いました」-3安打に抑えた「ありがとうございます。3安打なんですけど、本当にいつ大量得点をとられるか分からないので、最後まで気を引き締めて投げまいした」-先発両投手の好投が続いた「本当にいい投手で良いテンポで投げていて、コントロールも良かったので、僕も一緒にいいテンポで投げることができていましたし、守備も素晴らしかったので心強かったです」-ファンに一言「残り試合少ないですし、すべてが大事な試合になってくると思います。チーム全体でもう1度、連勝を続けていけるように全員で必死に頑張っていきたいなと思います。今日はありがとうございました」

◆巨人山崎伊織投手は無念の緊急降板となった。テンポのいい投球で無失点投を続けていたが、7回無死二塁、阪神佐藤輝に2球目を投げた直後に異変を訴えた。右手中指の爪にヒビが入って投球が困難となり、直後に2番手今村が先制適時打を浴びた。山崎伊は6回0/3を3安打1失点で4敗目。「良い流れで投げられていたのですが、あそこで降板してしまい中継ぎの方に申し訳ない」と振り返った。○...桑田投手チーフコーチは山崎伊のケガについて「直球も変化も良かったので(ボールが)指に引っかかり、中指の爪にひびが入った」と説明した。降板した7回の投球練習時、山崎伊が指を気にし、顔をしかめていたことに気がついたといい「もう少し早めにタイムを取って(マウンドに)行けば良かった」と語った。次回登板は20日の状態を見て決める方針。

◆新型コロナウイルスに感染していた阪神大山悠輔内野手は、15日ぶりの実戦復帰で痛烈なライナーを放った。今月5日に陽性判定を受けて離脱していたが、この日は「5番一塁」で1軍復帰即スタメン出場。3打数無安打に終わったが、2回の1打席目には投手強襲のライナー(記録は二ゴロ)も放った。矢野監督は「悠輔がいるということで相手にもプレッシャーかかる」と主砲の復帰に安堵(あんど)。今後もクリーンアップ起用が続きそうだ。

◆阪神が6日ぶりに3位に浮上した。西勇輝投手(31)が9回3安打無失点と今季2度目の完封勝利で9勝目。4番佐藤輝明内野手(23)が先制タイムリーを含む3打点と投打の主役が活躍した。この日からコロナ陽性判定を受けていた大山悠輔内野手(27)が、15日ぶりに復帰。矢野燿大監督(53)もその効果を語った。(テレビインタビュー)-カード初戦を取って連勝「その前に大きな連敗をして苦しい形できていますけど、今日勝ったのでね、またいい勢いをつけていきたいです」-序盤は緊迫した投手戦。完封した西勇の立ち上がりはどう見ていたか「いつも通りコースを丁寧に、この球場は投手にとっては有利とはいえないような球場ですけど、きょうはコントロール、球の切れ、プラスアルファ集中力というか、そういうのがものすごいなという感じで見ていました」-7回まで得点圏に走者を進めなかった「まぁそこはキャッチャーの坂本もいいリードをしてくれたと思いますし、攻める気持ち、そういうようなものもしっかりとこの球場で、持って投げてくれたと思います」-8回にピンチもあったが9回にマウンドに送った心境は「いけるのであれば(西)勇輝で行ってしまった方がいいんじゃないかというところでしたし、今日の試合をつくってくれた、貢献してくれる選手だったのでそこは、いっていいと思いました」-4番佐藤輝が2安打3打点「この連敗中ね、(佐藤)輝も本当に苦しいもしていましたし、コロナで選手がいない中で輝に対する負担というのはかかっていたんですけど、そういうところでは気持ちを晴らす、そういうヒットになったと思うので、ここから乗っていってほしいですね」-昨日に中野、今日は大山が戻ってきて、少しずつチームのリズムを取り戻しているか「本人たちの体調もまだ万全ではないですし、実戦からちょっと離れたのでね。でも、帰ってきてくれるというのはね、やっぱりチームにとって大きい安心感というか、そういうものににつながっているかなと思います」-明日に向けて「本当にいま、苦しい状況ですけど、僕たちの野球っていうのは何も変わらないですし、いろんな状況はあると思いますけど、前向いて積極的な、そういう野球をしていきます」(囲み)-並びとしても大山が戻ってきたのも大きい「今日は1本出なかったけど、もちろん悠輔がいるっていう...やっぱり、うちは誰か1人で勝てるような打線ではないと思うので。全員行くなかのそういうところに悠輔がいるということが相手にもプレッシャーかかったりだとか。今日も健斗がね。あんまり状態良くなかった健斗に今日も2本出たんで。そういうところでは打線というところで攻撃していくというのがうちの野球。そういうところで悠輔が帰ってきてくれるというのは大きいかなと思います」-巨人戦の勝ち越しに王手「ここまで(シーズンが)経過していけば、いろんなことが言われることにもなっていくし、そういうプラスのものはプラスの材料としてやっていければいい。阪神ファンの方にとっても巨人に勝つというのはいつも現役時代もそうだったけど、監督やってからもみんな巨人に対する意識は強いんで。俺たちだって先輩たちが作ってくれた阪神-巨人戦っていう伝統を受け継いで、意識して戦っていくチームなんで。明日、勝ち越しを決められるように頑張ります」

◆阪神糸原健斗内野手(29)は2安打で指揮官を喜ばせた。2戦連続ノーヒットだったが、5回に右翼線二塁打を放つと、7回にも遊撃内野安打。矢野監督は「今日も健斗がね。あまり状態が良くなかった健斗に今日、2本出たんで。打線(全体)で攻撃していくというのがうちの野球」とつなぎ役の復調気配にホッとした表情を見せた。

◆阪神4番の佐藤輝明内野手(23)が完全復活の3打点で2連勝&6日ぶりの3位再浮上を導いた。巨人との同率4位対決で、0-0の7回に均衡を破る先制のタイムリー。8回にも2点三塁打を放ち勝利を決定づけた。不振ともおさらば、3試合連続打点はプロ最長タイだ。コロナ陽性判定を受けていた阪神大山悠輔内野手(27)が、15日ぶりに復帰即5番で出場。頼れる先輩主砲とのコンビ再結成で反撃態勢が整ってきた。佐藤輝はその時をじっと待った。7回無死二塁。カウント1-1となった時点で、3安打に封じられていた山崎伊が緊急降板。2番手左腕今村の投球練習に、にらみを利かせた。「途中でピッチャーが代わって集中力もアレなところですけど、切り替えてしっかり集中して、なんとか良い結果になってよかったです」追い込まれてから左中間へ、しぶとく先制適時打。勝負の潮目が変わる瞬間を逃さなかった。「変化球に食らいついて、なんとか(遊撃の)頭を越えた」。開始約70分で5回を終えていた高速ゲームを動かした。5日に大山がコロナ感染で離脱後、今試合前までチームは3勝9敗。自身も2度の15打席連続無安打を経験し4番から外れた。「コロナで選手がいない中、輝に対する負担はかかっていた」と矢野監督。15日ぶりに1軍合流し、即5番に入った先輩の存在は、どん底を味わった4番にとって何よりの朗報だった。「後ろに大山さんがいるっていうのもすごい、気持ち的にも余裕を持って臨めるところもあります」8回2死一、三塁では左腕クロールから中堅フェンス直撃の2点三塁打。暴投の間に4点目のホームも踏み勝負を決定づけた。2本の適時打で自己最長タイの3試合連続打点。6番降格を味わった16日から直近4試合は打率3割5分3厘、7打点と完全復活モードだ。「今はどんどんいい調子になってきている。(大山さんが)戻ってきたので、またこっから勝っていきたい」。大山復帰による4、5番タッグ再結成を追い風に、逆襲宣言も飛び出した。全4得点を演出した主砲に導かれ、チームは8月2度目の連勝。連敗を8で止めた翌日、6日ぶりに3位に返り咲いた。指揮官は「気持ちを晴らすヒットになったと思うので、ここから乗っていってほしい」と期待。2年連続巨人戦勝ち越しに王手をかけ、「監督をやってからも巨人に対する意識は強い。伝統を受け継いで意識して戦っていくチームなんで、明日、勝ち越しを決められるように頑張ります」と必勝を誓った。ベスト布陣がそろいつつあり、4番も完全復活。虎が息を吹き返した。【中野椋】佐藤輝が3打点で3試合連続打点をマークした。3試合連続は自身最長タイで、通算8度目。佐藤輝が今季の巨人戦で12打点目。これは大山と並んでチームトップ。阪神が2年連続の巨人戦勝ち越しに王手をかけた。今季の対戦成績は12勝7敗で、巨人との残り6戦中あと1勝で勝ち越しが決まる。巨人戦では2リーグ分立後11度しか勝ち越しはなく、負け越しが56度で相星が5度。昨年は13勝9敗3分けで勝ち越した。阪神は今季16度目の完封勝ち。巨人戦は4度目で、東京ドームでは今季初となった。阪神の3位浮上は8月13日以来。8連敗で2位から5位まで落ちたが、2連勝で6日ぶりにAクラスに入った。○...中野は絶妙なドラッグバントからダメ押し劇をお膳立てした。1点リードの8回無死一塁。投手と一塁の間に強めのセーフティーバントを転がし、二塁内野安打で好機を拡大。チームはここから3得点をあげた。新型コロナウイルス感染から復帰した前日18日ヤクルト戦は好守に2安打1打点。2戦連続の奮闘に、矢野監督も「チャレンジというか、しっかりやってくれた。(ドラッグバントも)引き出しにしていってくれたら」と納得顔だった。

◆1度は2軍落ちを命じられた助っ人が、神がかり的に打ちまくっている。阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が、難敵の巨人山崎伊から突破口を開いた。0-0の投手戦が続いた7回先頭。初球の外角カーブに崩されながらも、バットの先で拾って左翼線へ。「何とか強い打球をと思っていた。タイミングが外れたけど、何とか持ちこたえることができたよ」。激走で無死二塁のチャンスをつくった。続く佐藤輝の詰まり気味の左前安打で二塁からまたも激走して先制決勝のホームイン。一塁ベース上の佐藤輝に向かって笑顔で合図を送った。4回の第2打席でも中前安打を放ち、チームが苦戦した右腕相手にマルチ安打をマークした。前回チームが山崎伊に8回無得点で白星を献上した4日、ロハスは不調で試合前に出場登録を抹消された。帰阪していたが、翌日5日に新型コロナウイルス陽性となった大山の代替選手として、わずか中1日で1軍に再招集。「大山さんのカバーが何とかできればと思っていた」。5日広島戦以降は打率3割9分4厘、4本塁打、9打点と驚異の活躍で、4番も任された。「本当にいい感覚で試合に臨めている。今は本当にチームの勝利のためだけにプレーしたい。自分が頑張って日本シリーズ進出に力を出せれば」。推定2億6300万円の高年俸で2年契約の2年目。ここまでは期待外れだった。だがここにきて日本野球にようやく順応したのか、降格のショック療法が効いたのか、残留を猛アピール。当初の構想通り不動の3番になりそうな勢いだ。【石橋隆雄】

◆阪神先発の西勇輝投手(31)が巨人打線を圧倒した。散発3安打で今季2度目の完封ショー。22年の伝統の一戦は2戦17イニング0封のキラーぶりで、2年ぶり2桁勝利王手の9勝だ。「自分の投球、チームの雰囲気、流れ、大事なところをゼロで抑えることができたのは良かったなと思っています」最後まで集中力を研ぎ澄ました。7回に佐藤輝の先制打で援護を受けたその裏、中田に四球を与え、2死一塁で岡本和を迎えた。だが冷静に変化球で追い込むと、最後は116キロのカーブで空振り三振に斬ってガッツポーズ。9回は再び岡本和との対戦で三ゴロに打ち取って試合を締め、坂本と笑顔で抱き合った。「西&西リレー」も初めて決まった。遠縁にあたり、自主トレも一緒に行う西純が前日18日のヤクルト戦(神宮)で約1カ月半ぶりに1軍登板。気迫の5回2失点で4勝目を挙げた。西勇はヒーローインタビューで、この日の試合前練習の2人の会話を明かした。「(西純が)良い顔をして朝会って『今日お願いします!』って上から言ってきたので」。笑顔でかわいい弟分をいじりながらも「しっかり僕も投げようとと思って投げました」と刺激を受けての登板だった。西純と西勇が連続で先発するのは通算12度目だったが、ダブル白星は初めて。チームの8連敗後、2人で連勝軌道に乗せたのだから、東京で会心の西&西ナイトだ。矢野監督も投球術を絶賛した。「しっかり、コーナーを丁寧に突いたり、緩急を使ったり。素晴らしい、申し分ない投球でした」。通算300試合の節目マウンドを完封で決めたプロ14年目のベテランも会心の笑顔だ。「積み重ねが300登板で、しかも完封することができたし。これからもケガなく登板数を重ねていきたいなと思います」。満足することなく、さらに勝利を積み重ねる。【三宅ひとみ】▽阪神坂本(2試合連続スタメン出場。西勇を好リード) ボール自体はすごくいいわけではなかったですけど。テンポよく投げていたし、向こうは積極的に打ちにきていたので、早めに勝負球になるだろうと話をしながら。もともとコントロールがいい投手で、コースにもサイドにも低めにも緩急も使えるので、ランナーをためないようにやった結果がよかったんじゃないでしょうか。西勇が4月5日DeNA戦(甲子園)以来、今季2度目の完封勝ち。巨人戦では、20年9月17日に東京ドームで完封勝ちして以来、自身2度目。西純と西勇が続けて先発する「西西リレー」でともに白星がついたのは12度目にして初めて。西純→西勇は過去6度、西勇→西純は過去5度あったが、続けての勝利投手はなかった。

◆巨人のアダム・ウォーカー外野手(30)が初めて出場選手登録を抹消された。来日1年目のウォーカーは代打要員だった開幕当初から結果を出し、レギュラー格として定着。6月には月間打率・330、7本塁打をマークするなど、不安な外野守備を補って余りある活躍を続けていた。だが7月以降は打率・152、3本塁打と失速し、最近はスタメンを外れる試合も多かった。同時に先発左腕のメルセデスも抹消され、代わりに9日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(ロッテ浦和)で2本塁打6打点をマークしたウィーラー、中継ぎ右腕の鍵谷が出場選手登録された。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は新型コロナウイルス陽性判定から復帰した大山悠輔内野手(27)が「5番・一塁」で復帰即スタメンを果たした。大山は新型コロナウイルス陽性判定を受け、5日に出場選手登録を抹消。16日に神宮で1軍全体練習に合流し、17日からは甲子園室内などで調整を続けていた。ここまでチームトップの22本塁打、71打点と打線を牽引していた男が、チームを再び上昇させる。

◆阪神が五回の先制機を逃した。山崎伊に対し、三回まではパーフェクトに抑えられた。四回は2死からロハスがチームにとって初安打&初出塁となる中前打を放ったが、佐藤輝が二ゴロで無得点。五回は1死から糸原が右翼への二塁打を放って初めて得点圏に走者を置いたが、山本が三ゴロ、坂本は空振り三振に仕留められ、この好機を逸した。「5番・一塁」で復帰した大山は2打席終わって二ゴロ、一邪飛。山崎伊に対してチームは4日(東京D)の対戦でも五回から八回までをパーフェクトの8回3安打無失点に封じられ、苦戦していた。

◆先発した巨人・山崎伊織投手(23)が七回途中で緊急降板した。自身2連勝中の右腕は六回まで2安打無四球で無失点と好投。0-0のまま迎えた七回だった。山崎伊は先頭のロハスに二塁打を許した。そして4番・佐藤輝への2球目、この日84球目となる直球を投げたところでアクシデントが発生。捕手の大城がマウンドへ向かいながらベンチへ合図を送ると、桑田投手チーフコーチがベンチからマウンドへ。何らかの異変を訴えた山崎伊はトレーナーに連れられてベンチへ下がり、降板した。代わって2番手で登板した今村は佐藤輝に中前適時打を許し、先制点を許した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が「4番・右翼」で出場し、七回に先制打を放った。打線は山崎伊に六回まで無得点に封じ込められたが、七回は先頭のロハスが三塁線を破る二塁打で出塁。続く佐藤輝の打席の途中で山崎伊が治療のためにベンチに退いたまま続投せず、巨人ベンチは今村にスイッチした。虎の4番はその左腕から、詰まらされながら左前へ打球を運び、ロハスが生還して先制した。阪神先発の西勇が六回まで二塁すら踏ませない好投を続けていたなか、大きな援護点をプレゼントした。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が八回に2点打を放った。1―0の八回に、好投を続ける西勇が中前打を放って出塁。この一打をきっかけに2死一、三塁となり、七回に先制打を放っている4番が打席に入った。左腕・クロールが初球に投じた変化球をとらえると打球は中堅フェンスを直撃。三走・中野に続いて俊足の一走・島田も一気に生還してリードを3点差に広げ、佐藤輝は三塁まで進んだ。このあと、相手の暴投でさらに1点を追加した。

◆投打のかみ合った阪神が快勝した。先発の西勇は七回まで巨人打線をわずか1安打に抑え、二塁すら踏ませない投球で流れを作った。八回に1死一、二塁とピンチを背負ったが、吉川尚の打球を途中出場の左翼手・江越が好捕。坂本は二飛と無失点で切り抜ける。九回もマウンドに上がり、最後までゼロを並べた。9回3安打無失点、7奪三振、122球の熱投で4月5日のDeNA戦(甲子園)以来、今季2度目の完封勝利。9勝目を飾った。打線は七回無死二塁の好機で、4番・佐藤輝が中前適時打を放って先制。八回にも2死一、二塁から佐藤輝が中越えの2点三塁打を放ってリードを広げた。阪神は2年連続の巨人戦シーズン勝ち越しに王手。2連勝で借金を3に減らした。

◆巨人は今季9度目の零封負けで4連敗し、5位に転落した。原辰徳監督(64)は試合後、この日、初めて出場選手登録を抹消されたアダム・ウォーカー外野手(30)について言及した。「なかなか上で打席がなくてね。少し(2軍で)多く打席に立たせたいなと。ウィーラーも元気でしたしね」。来日1年目の右の大砲は打率・272、リーグ5位の19本塁打、44打点を記録しているが、7月以降は打率・152、3本塁打と失速し、最近はスタメンを外れていた。代わって9日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(ロッテ浦和)で2本塁打6打点をマークしていたウィーラーが昇格したが、この日は八回の代打で四球だった。

◆阪神がカード12勝目を挙げ、2年連続のG戦勝ち越しに〝王手〟をかけた。七、八回に佐藤輝明内野手(23)が2打席連続の適時打を放ち、6月22日の広島戦(マツダ)以来となる1試合3打点の活躍。9勝目(7敗)を挙げた西勇輝投手(31)の完封勝利は今季2度目。コロナ陽性を経て1軍に復帰した大山悠輔内野手(27)は3打数無安打1四球だった。またG戦6カード連続勝ち越しも、あと1勝となった。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績54勝57敗2分、観衆3万6043人)。(テレビインタビュー)ーー初戦を取って連勝「その前に大きな連敗をして苦しい形で来ていますけど、今日勝ったのでね、またいい勢いをつけていきたいです」ーー序盤は緊迫した投手戦。完封した西勇の立ち上がりは「いつも通りコースを丁寧に、この球場は投手にとっては有利とはいえないような球場ですけど、今日はコントロール、球の切れ、プラスアルファ集中力というか、そういうのが、ものすごいなという感じで見ていました」ーー七回まで得点圏に走者を進めなかった「そこはキャッチャーの坂本もいいリードをしてくれたと思いますし、攻める気持ちも、持って投げてくれたと思います」ーー八回にピンチもあったが九回にマウンドに送った心境は「行けるのであれば、勇輝で行ってしまった方がいいんじゃないかというところでしたし、今日の試合を作ってくれた貢献してくれる選手だったのでそこは、行っていいと思いました」ーー4番・佐藤輝が2安打3打点「この連敗中、輝も苦しい思いもしていましたし、コロナで選手がいない中で負担はかかっていたんですけど、気持ちを晴らすヒットになったと思うので、ここから乗っていってほしいですね」ーー中野に続いて大山が戻ってきて、チームのリズムを取り戻しているか「本人たちの体調もまだ万全ではないですし、実戦から離れたのでね。でも、帰ってきてくれるのはチームにとって大きい安心感につながっているかなと思います」ーー20日に向けて「本当に今、苦しい状況ですけど、僕たちの野球は何も変わらないですし、いろんな状況はあると思いますけど、前向いて積極的な野球をしていきます」(囲み)ーー西勇は気持ちも入っていた「状態も良かったのもあると思うけど。さっきも話したけど、この球場は投手にとっては有利とは言えないので。誰でもホームランを打てるような相手バッターなんで。コーナーを丁寧についたり、緩急を使ったり。素晴らしい、申し分ない投球でした」ーー坂本も連日の好リード「そういう部分が一番の持ち味のキャッチャー。勇輝の良いところを誠志郎が出したところはあったと思う。バッテリーでしっかりいけたというのはもちろんある」ーー佐藤輝が価値ある2本の適時打「少しずつ良くなりつつあるのかなっていうところが出始めているし、練習でも良くなってきてる部分が出てる。乗っていけるヒットが出始めている。点を取るところがチームの課題なんで。輝のところにチャンスが回ることが多いと思うので、今日みたいなバッティングをしてくれると、チームも勝つし、成長していけると思うんで」ーー大山が戻ってきたのも大きい「今日は一本出なかったけど、悠輔がいるっていう...やっぱり、ウチは誰か1人で勝てるような打線ではないので、全員行く中で悠輔がいることが相手にもプレッシャーかかったりだとか。今日も健斗がね。あんまり状態良くなかった健斗に今日も2本出たんで。打線というところで攻撃していくがウチの野球。悠輔が帰ってきてくれるのは大きいかなと思います」ーー中野のバントもいいアイデア(八回無死一塁で成功)「今年ドラッグ(バント)ってあまり決まった記憶がないんだけど、結構、うまくいってなかったところなんだけど、チャレンジというか、しっかりやってくれた。引き出しにしていってくれたら」ーー江越も代わってすぐ好捕(八回1死一、二塁で左飛を好捕)「うーん。まあ、ある意味、江越やったら高いレベルのところで言うとあれぐらい捕ってくれるだろうと。でも江越じゃなかったら落ちている打球だし、そこは足とか守備は一番のセールスポイント。尊敬の意味も込めて江越だったら普通なんじゃないかなと思っているけど」ーー巨人戦の勝ち越しに王手「ここまで(シーズンが)経過していけば、いろんなことが言われることにもなっていくし、そういうプラスのものはプラスの材料としてやっていければいい。阪神ファンの方にとっても巨人に勝つのは、現役時代もそうだったけど、監督やってからも、みんな巨人に対する意識は強いんで。俺たちだって先輩たちが作ってくれた阪神ー巨人戦の伝統を受け継いで、意識して戦っていくチームなんで。明日、勝ち越しを決められるように頑張ります」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(56)は巨人の中田翔(33)、岡本和真(26)の両内野手への対照的な配球を見せた西勇輝投手(31)ー坂本誠志郎捕手(28)のバッテリーを高く評価し、絶賛した。西勇の投球はもちろん素晴らしかったのだが、バッテリーの共同作業による完ぺきな巨人封じが成功した、という印象だった。まず要注意の打者を中田、岡本和の2人に絞った。そして中田には徹底的に内角攻め。象徴的だったのは一回の1打席目。直前に丸に四球を与えて、4番打者に何球も続けて内角へ投げるのは考えにく状況だったがツーシームを4球連続で内角へ。鮮やかな見逃し三振だった。対照的に岡本和には徹底的に外角攻め。遠く、低くを貫いた。中でも見事だったのは七回の3打席目。追い込んで、最後はそれまでほとんど投げていなかったカーブを空を切らせた。キーマン2人を完全に封じることで、巨人の打線は機能しなかった。お手本になる投球だったのではないか。7月の月間MVPに輝き、8月も白星はつかないケースでも好投は続いていた。ただ、球数がかなり少ないケースでの交代があったから、ベンチの外からでは分からない張りなどがあるのでは? と心配したりもしたが122球完封を見ると、体調的にも全く問題はなさそうだ。味方の守備も安定していた。八回1死一、二塁からの吉川の打球を左翼・江越が好捕。もし抜けていたら、完封どころか、西勇が交代していたかもしれない。そういう意味でも、チーム全体のリズムも良かった。西勇の安定感は目を見張る。黒星が付いたが、青柳、伊藤将も調子が落ちているわけではない。優勝は難しくなってきているが、これだけ先発陣が充実するチームは短期決戦では有利に働く。3位以内に入れば、一気に視界も開ける。

◆巨人・山崎伊織投手(23)が先発し、七回途中3安打1失点で4敗目(4勝)を喫した。右中指の爪を負傷して降板した大卒2年目右腕は「いい流れで投げていたけど、あそこで降板してしまい中継ぎの方に申し訳ない」と反省した。三回まで一人の走者も許さない完全投球。丁寧に低めを突き、内野ゴロの山を築いた。アクシデントに見舞われたのは0-0で迎えた七回。先頭のロハスに二塁打を許し、続く佐藤輝への2球目を投じたときだった。西勇と投手戦を繰り広げていたが、84球で無念の降板となった。桑田投手チーフコーチは「今日は非常に調子が良かったので、指に(ボールが)かかっていたんでしょうね。それで爪が割れたというかヒビが入った」と説明。次回の登板については「明日の状態を見て考えたい」と慎重な姿勢を示した。

◆阪神がカード12勝目を挙げ、2年連続のG戦勝ち越しに〝王手〟をかけた。七、八回に2打席連続の適時打を放ち、6月22日の広島戦(マツダ)以来となる1試合3打点の活躍を見せた佐藤輝明内野手(23)の試合後の一問一答は以下の通り。ーー試合展開的にも価値のある2本の適時打「いやほんとにチャンスだったので、いい結果になってよかったです」ーー1本目は重苦しい中、追い込まれていたが心境は「しかも途中でピッチャー代わって(山崎伊から今村にスイッチ)、すごいなんか、集中力もあれなところですけど、まあでも、切り替えてしっかり集中して、なんとか良い結果になってよかったです」ーー狙いよりも来た球をという感じか「まあそこらへんは、いろいろ考えながらやっていますけど、まあでもほんとに、フォークですかね。変化球に食らいついて、なんとか頭越えたんでよかったです」ーー2本目はバントで送れずに2アウト。ゼロで終わりたくない場面「チャンスだったので、ランナーかえせるように、まあ長打になったのでよかったです」ーー18日は中野、19日は大山が帰ってきた。安心感は「まあそうですね、後ろに大山さんがいるっていうのもすごい、気持ち的にも余裕持って臨めるところもあります。戻ってきたんで、はい、またこっから勝っていきたいと思います」ーー神宮でレフトに本塁打(17日のヤクルト戦)。そこから感覚変わったことは「それで変わったわけじゃないですけど、神宮あたりから感覚は良くなっていると思います」ーーやっていることが出てきたということ「そうですね、はい。いろいろ修正しながら、最近打ててなかったので、はい。今はどんどんいい調子になってきているかなと思います」

◆ジャイアンツファンのため息が続いた。巨人は今季9度目の零封負けで4連敗となり、5位に転落。終盤に明暗が分かれた展開に、原辰徳監督(64)は嘆き節だ。「競り合いには持ち込んでいるんだけどね。競り合いに強くなっていかないといけませんね」六回まで2安打無失点に抑えた山崎伊が、七回無死二塁で右手中指の爪を負傷して緊急降板。これで流れが相手に渡った。代わった今村が佐藤輝に適時打を浴びて均衡が破れ、八回はクロールが3失点。指揮官は「(八回の)先頭の投手に簡単に打たれた。大城は大いに考えないといけない」と正捕手にも反省を促した。打線は西勇に散発3安打と最後まで攻略できず、今季2度の対戦で計17イニング無得点となった。レギュラーシーズンは残り31試合。終盤を前に、上昇ムードをつくりたいところだ。(谷川直之)

◆ヨッシャ~連勝だ~! 阪神は4―0で巨人に勝ち、敗れた広島をかわして3位に浮上した。先発した西勇輝投手(31)がわずか3安打に巨人打線を抑え、今季2度目の完封勝利。通算300試合登板も果たした頼もしい右腕が、8月2度目の2連勝に導いた。まだ借金は「3」で、首位ヤクルトと10ゲーム差。でも、ものすごい勢いのつきそうな快勝劇。大逆襲、いきまっせ~!!ピンチで笑い、強打者をねじ伏せて吠えた。感情を解き放った西勇がマウンドで仁王立ちし、27個目のアウトまで一人で突っ走った。主力の戻り始めた虎を勇気づける今季2度目の完封勝利でチームを2連勝に導き、3位に押し上げた。「昨日(18日のヤクルト戦で)、(西)純矢が勝ったので。いい顔をして朝に会って『きょう、お願いします』って上から言ってきたのでね。しっかりと僕も投げようと思って、頑張りました」遠戚にあたる背番号「15」が、9日のDeNA戦(横浜)からの連敗ストップに貢献。弟分からの激励? をヒーローインタビューで明かし、虎党をドッとわかせた。勝負どころでは、西勇が〝上から〟強打者たちを見下ろした。1点を先制した直後の七回2死一塁で、打席には岡本和。意表を突く116キロのカーブで空を斬らせ、力強く右拳を握った。変化球の選択理由は「そこは(坂本と)話し合った結果」と多くを語らなかったが、五回には徹底した外角低め攻めで、143キロ直球で見逃し三振。多彩な球種を駆使し、打席ごとに攻め方も変えて、ほんろうした。この日、唯一の長打で背負った八回1死一、二塁のピンチでは吉川、坂本を抑えた。「昼から(坂本)誠志郎と入念に打ち合わせをしましたし、自分の状態もそこまで悪くないなと感じていました」。終わってみればわずか被安打3。捕手・坂本との共同作業に胸を張り、打者としても1安打を放って奮闘し、9勝目(7敗)を挙げた。7月13日の巨人戦(甲子園)から同戦は17イニング無失点で、防御率は0・00だ。盤石を誇った先発陣に疲労の色が見え始めていただけに、経験豊富で進化を続ける31歳の存在は頼もしい。年齢を重ねて、食の趣味も変化してきた。「納豆にハマってますね。必ず食べる。毎日かな。朝と晩。納豆が好き。セロリは食感が好きだし。そういう食の変化は感じますね」。若い頃はあまり興味がなかった食物を、30歳を超えてよく口にするようになった。タンパク質が豊富で整腸作用など体にいいこと尽くしの発酵食品に、これまたビタミン、ミネラルたっぷりのセロリで体の内側から戦う準備を整えてきた。日々の積み重ねがプロ14年目での通算300試合登板にもつながり「これからも、けがなく登板数を重ねていきたい」と誓った。矢野監督も「この球場は投手には有利とは言えない。コーナーを丁寧に付いたり、緩急を使ったり。素晴らしい、申し分ない投球」と絶賛した。この日の勝利で今季巨人戦は12勝7敗となり、2年連続のシーズン勝ち越しにあと1勝。西勇は「8連敗して、負けがこんでいた。連勝を続けないといけない。昨日勝って今日も勝つことが大きかった」。勇ましい姿で白星を量産し、奇跡の大逆転Vを成し遂げる。(新里公章)■データBOX?...阪神は今季巨人戦で12勝7敗となり、同戦のシーズン勝ち越しにあと1勝とした。巨人戦に勝ち越せば、昨年(13勝9敗3分)に続き2年連続。巨人戦の2年連続勝ち越しとなれば、3年連続だった03(17勝10敗1分)、04(17勝10敗1分)、05(14勝8敗)年以来となる?...西勇の完封勝利は4月5日のDeNA戦(甲子園)以来。3安打での完封勝利は、オリックス時代の2015年8月15日のロッテ戦(京セラ)以来7年ぶり?...西勇はプロ14年目で通算300試合登板に到達。球団では29人目。最多は藤川球児(現球団SA)で782試合(NPBのみ。実働17年)。主に先発で活躍した投手では福原忍(595)や村山実(509)がいる

◆勝負強さを取り戻した佐藤輝が、けん引する。久々に放った2本の適時打は、東京ドームに歓喜の渦を巻き起こした。これぞ4番の仕事。勝利に直結する活躍に2度、右拳を突き上げた。「途中でピッチャーが代わって、集中力もアレ(途切れがち)なところですけど、切り替えてしっかり集中して、なんとかいい結果になってよかったです」ロハスの二塁打で作った七回無死二塁。カウント1-1でそれまで3被安打と好投していた巨人の先発・山崎伊が突然、ベンチ裏へと消えた(爪を負傷して交代)。代わって登板したのが左腕・今村。気合を入れ直した。甘く入った134キロフォークに食らいつく。左前に運ぶ一打で、喉から手が出るほどほしかった先制点をつかんだ。1-0の八回2死一、三塁では、左腕・クロールの125キロカーブを振り抜いた。中堅フェンス直撃の2点三塁打。1試合で適時打2本(本塁打除く)は6月22日の広島戦(マツダ)以来今季3度目。4点のうち3点をたたき出し、文句なしの打のヒーローとなった。「後ろに大山さんがいる。すごく気持ちに余裕を持って臨めるところもあります」この日、新型コロナウイルス陽性判定で離脱していた大山が1軍復帰。不在の間、マークを一身に受け、勝敗の重責を引き受けてきた。チーム2冠の22本塁打、71打点をマークする頼もしい先輩が後ろに控えてくれるだけで、心強かった。18日のヤクルト戦(神宮)では同期の中野が復帰し、連敗ストップ。役者が戻ってきてチームの雰囲気は変わった。そして、試練のときを耐え抜いた若き主砲にも復調の光-。矢野監督は「コロナで選手がいない中で輝(佐藤)に対して負担がかかっていた。気持ちを晴らす、そういうヒットになったと思う。ここから乗っていってほしい」と願った。もちろん佐藤輝だってそのつもりだ。「いろいろ修正しながら最近、打てていなかったので。今はドンドンいい調子になってきている。またここから勝っていきたいと思います」連敗ストップから2連勝。まだ小さい波だが、ビッグウェーブにしてみせる。もっともっと4番の仕事を果たしていく。(原田遼太郎)

◆汗を飛ばし、ヘルメットも飛ぶメル・ロハス。先制点への重たい扉を開こうと、決して広くはない三塁線をこじ開け、激走で一気に二塁も陥れた。本領を発揮し始めたR砲のハッスルから、またもゲームが動いた。「あの打席は『なんとか強い打球を』と思っていた。カーブがきて、タイミングが外れたけど、なんとか持ちこたえてレフト線に飛ばすことができました」阪神は三塁を、巨人は二塁も踏めないまま、七回に入った。西勇と山崎伊の息をのむ投げ合いが繰り広げられたが、そこを突き破ったのが七回先頭で打席に入ったロハスだった。初球の114キロ外角カーブに、タイミングを崩されながらもスイング。三塁線を抜き、痛烈な当たりでなかったことも幸いして、一塁を蹴った。猛烈なスライディングで二塁ベースへ到達。虎ベンチが一気に沸き立ち、直後の佐藤輝の先制打へとつながった。八回に守備固めの江越を送られたが、直後のイニング間には、土まみれのユニホームのまま江越のキャッチボール相手も務めた。この日、大山が帰ってきたが、不在の間に献身的な姿勢とプレーでもっとも輝いた。「大山さんのところをカバーできれば、なんとかできればと思っていた」。18日のヤクルト戦(神宮)でも決勝の8号3ラン。この試合も、チームが打ちあぐねていた山崎伊から1人だけマルチ安打を記録した。四回2死もロハスが凡退していれば、前回4日の対戦から数え山崎伊の前にチームで「27打者連続凡退」となってしまうところだったが、中前打で〝阻止〟した。「自分が頑張って、チームの日本シリーズ進出に少しでも手助けできるように、力を出せればと思っています」マルチ安打は6度目。6試合連続スタメンで、その間は打率・381(21打数8安打)と勢いが止まらない。戻ってくる男たちとタッグを組み、ロハスのハッスルが、ここからもう一度、虎をアツくする。(長友孝輔)

◆夏草やベースボールの人遠しこれは正岡子規の有名な一句。偉大なる俳人・子規は、こよなく野球を愛し、いくつもの野球用語を翻訳し、野球殿堂入りも果たしている。松山・坊っちゃんスタジアム内には、野球どころ・愛媛の球史を紹介しつつ、バッティングをする子規の人形も飾られているほど。野球と俳句。関係はすご~く深い。秋近しそろそろ本気出してみろ思いっきりヘタクソですみません。8月19日は俳句(819)の日。ということで、タイガースの勝利を願って一句詠みつつ、久しぶりに編集局をのぞいてみた(「虎のソナタ」は、めったに会社に行きません。そういう気楽な新聞記者も世の中には生息しています)。あれに見えるは、6月に就任したばかりの新編集局長・生頼秀基ではないか。いざ、ゴキゲン伺い! ゴマでもすろう! と近づいてみると、その背中の元気のなさといったら...。「阪神が8連敗もすりゃあ、そりゃ、元気もなくなりますよ。ようやく連敗は止まったとはいえ、この状態なら病気で倒れるかも。一緒に阪神の勝利を祈りましょう」大阪サンスポのニューリーダーに倒れられては困る。ナニワの街の片隅から、巨人戦の舞台・東京ドーム方面に向かって手を合わせた。因果な商売である。自分が仕事に失敗して、思い悩んで病気になるのは諦めがつく。でも、自分の力では絶対にどうすることもできない阪神の勝敗で病気になるなんて。熱烈虎党のみなさまにご満足いただくための新聞は、こうして心が折れたり喜んだりを繰り返して、作っております。ただ、阪神は半分ぐらいは負けるのだから、開き直りも必要でしょう。ですよね、局長サマ!「この3連戦の巨人のローテーションを見たら、3連勝してくれないかとひそかに思っています。そうしたら、少しは元気になるんですが」その東京ドームで、巨人との生き残り決戦の取材に臨んでいたのはトラ番キャップ長友孝輔だ。「子供のころ、学校の先生が俳句が好きだったので、遠足に行ったり、体育祭があると、五七五を考えて、よく作ってましたよ。『お~いお茶』の新俳句大賞にも応募させられていました。残念ながら入選はしませんでしたが。でも、いろいろ言葉を考えることで、今の仕事に少しは役立っているのかもしれません」意外なところに俳人がいたもんだ。ならば、一句詠んでみろ! と命じたら「えっ、すぐには...。いい原稿を書くので、それで許してください」。ムチャぶりは、辞めておこう。そんなこんなで始まった試合は、どこから見ても文句の付けようがない、素晴らしい試合になった。西勇の完封ショー、1面でご堪能下さい。佐藤輝の勝負強さ、3面でスカッとしてください。われらが局長の体調も、一気に良くなったもようです。こんな試合を見せられて、文句を言うヤツなんていない。再び駄作を一句。サトテルが西が輝く星月夜えっ、ドームで夜空は見えない? いえいえ、虎党には見えたんです。

◆六回までの締まった投手戦が、七回無死二塁で巨人・山崎伊が降板したのを機に一変した。アクシデントによる降板は仕方ないし、リリーフした今村と平内はよく最少失点にとどめた。しかし、八回に登板したクロールが先頭の投手・西勇に中前打を許したのをきっかけに3失点。これで勝負ありだ。とはいえ、敗戦の責任は散発3安打に終わった打線にある。あまりにも内容が悪い。西勇は内外角をいっぱいに使って丁寧な投球をしていたが、決して手も足も出ない投手ではない。それなのに巨人の打者からは、打席での粘りも、何とかして塁に出ようという工夫も感じられなかった。27アウトのうち、フライが11。二回と八回は3アウトがいずれもフライだった。転がせばイレギュラーやエラーの可能性がある。ポップフライではまずありえない。「ボールを上からたたく」という打撃の基本ができていないのではないか。選手ができないのであれば、担当コーチがしっかりと教育しないといけない。まだシーズンは終わっていないのだ。(本紙専属評論家)

◆さあさ! 前日復帰した中野さんと本日戻られた大山さん、上座の方へ...。「いやぁ~ チームに迷惑をかけたのに、こんな豪華な復帰の席を設けてもらって申し訳ないなぁ」何をおっしゃいます。お二人がいないからチームは8連敗...。戻った途端に連勝、とりあえず本日の巨人戦の勝利はお二人のオーラです!! 鯛のお頭つきに、うなぎ、松阪牛のステーキ、さらには中国の最高級料理『満漢全席』を用意させていただきました。さ、さ、どーぞ、こよいは料理に舌鼓を打って...。えっ? スミマセン手違いというか...その大山さん、中野さん申し訳な~い!! 今夜の祝いの席を2人じゃなくてですね...。西勇輝さん、3安打完封のお祝いの宴ということに変更させていただくということになりまして。それでは皆さ~ん、西勇輝、今季2度目の完封バンザーイ!! コロナから復帰した大山、中野両選手の姿は、虎党には頼もしい限りなんだけどスマンこれが現実なのだ~!!悪いけどお二人とも、復帰のお祝いは第2戦、自らのバットでお願いできますか...。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
62451 0.579
(↓0.006)
-
(-)
35465
(+3)
420
(+4)
130
(-)
59
(+1)
0.250
(↓0.001)
3.490
(-)
2
(-)
DeNA
54472 0.535
(↑0.005)
5
(↑1)
40367
(+8)
386
(+3)
80
(+3)
35
(+1)
0.251
(-)
3.400
(↑0.01)
3
(1↑)
阪神
54572 0.486
(↑0.004)
10
(↑1)
30384
(+4)
327
(-)
72
(-)
85
(-)
0.239
(-)
2.550
(↑0.02)
4
(1↓)
広島
53573 0.482
(↓0.004)
10.5
(-)
30430
(+3)
425
(+8)
68
(+1)
21
(-)
0.256
(↑0.001)
3.470
(↓0.05)
5
(1↓)
巨人
53581 0.477
(↓0.005)
11
(-)
31430
(-)
487
(+4)
128
(-)
50
(-)
0.243
(↓0.001)
3.950
(-)
6
(-)
中日
48581 0.453
(↑0.005)
13.5
(↑1)
36314
(+4)
382
(+3)
53
(-)
40
(+1)
0.247
(-)
3.380
(↑0.04)