ヤクルト(☆4対2★)阪神 =リーグ戦18回戦(2022.08.17)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:高橋 奎二(8勝2敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝2敗30S))
敗戦投手:伊藤 将司(8勝4敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(17号・6回表2ラン)
【ヤクルト】村上 宗隆(42号・3回裏3ラン),山田 哲人(19号・8回裏ソロ)

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◆ヤクルトが3連勝。ヤクルトは3回裏、村上の3ランで先制する。その後1点差とされて迎えた8回には、山田のソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・高橋が6回2失点の好投で今季8勝目。敗れた阪神は、打線が序盤の好機を生かせなかった。

◆ヤクルト守護神のスコット・マクガフ投手(32)は両リーグ最多の29セーブ。ヤクルト投手が両リーグ30セーブ一番乗りすれば04年五十嵐亮以来、18年ぶり。また、マクガフは昨季31セーブで、2年連続30セーブだと10、11年林昌勇以来、11年ぶり。

◆首位ヤクルトに11ゲーム差、7連敗中の阪神は、2試合連続で佐藤輝明内野手(23)が4番から外れた。2安打を放った前日に続き、6番で起用された。4番には2試合連続でメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が入った。また、アデルリン・ロドリゲス内野手(30)がスタメンから外れ、原口文仁内野手(30)が「5番一塁」で今季2度目の先発。植田海内野手(26)が、今季初めて「8番二塁」でスタメン出場する。先発は伊藤将司投手(26)。ヤクルトに勝利すればプロ初で、自チーム以外のセ5球団制覇となる。

◆首位ヤクルトが、また打順を組み替えて阪神戦に臨む。前日16日の同戦では相手先発青柳に対し、山田、塩見、オスナらの右打者をスタメンから外して、先発に左打者6人を並べて攻略に成功した。この日の相手先発は左腕の伊藤将。山田が20年8月29日DeNA戦以来の2番で先発に名を連ねた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、先制の42号3ランを放った。3回2死一、三塁、阪神伊藤将に対し、1ボールからの2球目、内角ツーシーム捉え、右翼席上段に放り込んだ。打った瞬間それと分かる当たりにバットを放り投げ、ベンチを指さしながら悠然とダイヤモンドを周回。12日DeNA戦以来となるアーチで、先制点をもたらすと「(先発の高橋)奎二さんが粘って投げてくれていますし、チームとしても先制点をとりたかったのでそれにつながるバッティングができました。先制できて良かったです」と振り返った。04年岩村の球団日本人最多44本塁打まであと2本、NPB通算150本塁打まで、あと4本に迫った。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、6番降格後初本塁打を放った。3点ビハインドの6回無死一塁、ヤクルト高橋から左翼スタンド最前列へ17号2ラン。1点差に迫り、7連敗中のチームに勇気を与えた。「打ったのはストレート。良いピッチャーですし、ストレートも力強いので、タイミングを早めにとって、とにかく強く自分のスイングをするように意識しました。前の打席で悔しい思いをしていたので、打つことができてよかったです」と納得の一打だった。佐藤輝の本塁打は8月初で、7月30日ヤクルト戦(甲子園)以来、15試合61打席ぶり。60打席ノーアーチは今季最長だった。打点は7日広島戦(マツダスタジマム)以来、8試合ぶりとなった。前日16日に4番から外れ、2試合連続で6番起用されているが、意地のアーチで存在感を示した。

◆あ~、いったと思ったのに...。阪神佐藤輝明内野手(23)が、1点ビハインドの8回、特大の右飛に倒れ2打席連発を逃した。2死走者なしで、ヤクルト清水の内角球を引っ張り上げ、打球は角度十分だった。ベンチ前でキャッチボールする先発伊藤将司投手(26)も思わず両手を突き上げガッツポーズしたが、惜しくも"フライング"に終わった。右翼のヤクルト丸山がフェンス手前でキャッチした。佐藤輝は3点ビハインドの6回無死一塁、左腕高橋から左翼スタンド最前列へ17号2ラン。今季自身最長となる61打席ぶりアーチで1点差に迫っていた。直後の8回裏には、伊藤将がヤクルト山田にソロアーチを浴び、2点差に広げられた。

◆阪神が泥沼の8連敗で借金が「5」まで膨らんだ。先発伊藤将司投手(26)が3回、4番村上に右越え3ランを浴びて序盤からリードを許す厳しい展開。8回に山田にトドメの19号ソロを被弾した。攻撃は序盤からこの日も伊藤将を援護できない歯がゆい場面の連続。6回には6番降格後、2試合目となる佐藤輝明内野手(23)が左越えの17号2ランを放ったが、得点シーンはこれだけだった。この日は2試合連続で4番にロハスを据え、5番原口、8番植田がスタメンで出場。大山、近本、中野らコロナ禍で主力選手を欠く苦渋のオーダーを組んだが、勝利にはつながらなかった。チームはこれで3カード連続の負け越し。8連敗は開幕以来、今季2度目。8連敗以上をシーズン2度は87、88、91、99、07年に次いで6度目となった。阪神は8月9日DeNA戦から8連敗。今季は開幕9連敗を喫しており、8連敗以上はシーズン2度目となった。これは、07年の9連敗と8連敗各1度以来、6度目。なお、18日も負けると同一シーズン9連敗以上が2度目となり、99年(9連敗、12連敗)以来。

◆ヤクルトが3連勝。3回に村上の42号3ランで先制し、3-2の8回は山田のソロで突き放した。高橋は球威で押し、6回2失点で8勝目。マクガフは昨季に続いて30セーブ到達。阪神は伊藤将が力投したが、序盤の逸機が響いて8連敗。

◆阪神矢野燿大監督(53)が悔しさをにじませた。先発伊藤将司投手(26)が3回、4番村上に右越え3ランを浴びて序盤からリードを許す展開。結果的にこの1発が決勝点になった。7月31日のヤクルト戦(甲子園)でも3連発を浴びた相手。指揮官は「粘ってほしかった」と語った。-3回伊藤将は村上相手に攻めた結果「攻めにいった...、うーん。まあね、もちろん一発で仕留めるっていうね、技術も、力もあるバッターやから、バッテリーは攻めるっていうことはできにくいけど、粘ってほしかったよね」-投球全体をみれば、山田の本塁打も痛かったが、本塁打以外は「この球場がね。まあまあ、でも今日は状態的にもそんなにいいっていう感じではなかったけどね。そのなかで粘ってくれたし。やっぱりホームランっていうのは、もちろん防ごうと思っていっていると思うけど、結果的に痛いね」-佐藤輝は逆方向へいい当たりが出た「ちょっとずつは良くなってきてるんかなって感じはするけど」-京セラドーム大阪で話をして、昨日、今日と6番起用で内容が変わってきた「それが打順を変えたからどうかは俺にはわからんけど、いい方向にいってくれたら。残りもまだあるんでね」-原口を5番で起用「まあまあね、もう一番気持ちのある選手ではあるしね、何かこう変えてくれるものがあるんじゃないかなという期待も、普段の練習から思わしてくれる選手なんで。そういうところでは状態もいいし、いっていいんじゃないかというところでいきました」-勝利が遠い。苦しい状況が続く「う~ん...頑張ります」

◆泥沼8連敗もあきらめん! 阪神佐藤輝明内野手(23)が復活のアーチを放った。6回にヤクルト高橋から左翼に17号2ラン。8月初アーチで、7月30日ヤクルト戦(甲子園)以来、61打席ぶり。前日16日に打撃不振のため、4番から6番に降格。同日のマルチ安打に続く1発で、復調をアピールした。黄色に染まる神宮左翼スタンドが揺れた。低弾道の白球が最前列に飛び込み、大きくはずむ。佐藤輝は何度もうなずき、ベンチ前で迎えられた。自身今季最長60打席連続ノーアーチから脱出。久々の感触が復調の証しだ。「いや~もう、いいピッチャーだったんで、タイミングを早めにとって、とにかく強く自分のスイングをするように意識しました」3点ビハインドの6回無死一塁、17号2ランで1点差。左腕高橋から通算9打席目での初安打が本塁打となった。8月初アーチは、7月30日ヤクルト戦(甲子園)以来、15試合ぶりの1発。連敗中の重苦しいムードが一瞬、晴れた。前日16日に4番から6番に降格し、マルチ安打を決めていた。クリーンアップを組んでいた大山、近本がコロナ禍で離脱する中、4番に集まる重圧も快音を遠ざけた要因の1つだろう。「最近、全然打ててないんで、毎打席どうやったら打てるか考えてやっている。久しぶりに打てたので、すごいうれしかったです」。強く、鋭い逆方向弾でまたも上昇ムードを示し、矢野監督も「良くなってきてる感じはする」とうなずいた。やられっぱなしで終われない。3回2死満塁では遊飛に倒れ、バットをたたきつけた。直後の3回裏、村上が先制3ラン。相手主砲に、その差をまざまざと見せつけられていた。「点取っていかないとズルズルいっちゃうところ。そういう意味ではホームランで点取れたのはよかったと思いますけど...」。そこまで言うと、1点ビハインドの8回、清水から放ったフェンス手前の右飛を悔やんだ。「その後、続かなかった。そこを打てるように頑張ります」。1本では満足せず、前を向いた。チームは泥沼の8連敗。プロ最多12奪三振の同期入団伊藤将の力投にも応えられなかった。「頑張って投げてくれたので追いついて逆転したかったですけど、う~ん、悔しいですね」。シーズン2度の9連敗となれば、「暗黒時代」99年以来、球団2度目の悪夢となる。「いる選手でしっかり力を合わせてやるしかないので、はい。頑張ります」。トンネルを抜けた背番号8が、チームも暗闇から脱出させる。【中野椋】▽井上ヘッドコーチ(佐藤輝の本塁打に)「追いつけるんちゃうか、というような意味のある1本ではあったけど、他の打席で反省しなきゃいけない打席もある。そういったところで、これから下ばっかり向いているわけにはいかないので上を向く、光のある打席にしてもらえたらいい。それを材料にして、こっちはどんどん『おらあ、輝、昨日みたいな感じでいけ』というような感じで尻をたたいていく、そういう感じですね」▽阪神井上ヘッドコーチ(佐藤輝の本塁打に)「追いつけるんちゃうか、というような意味のある1本ではあったけど、他の打席で反省しなきゃいけない打席もある。そういったところで、これから下ばっかり向いているわけにはいかないので上を向く、光のある打席にしてもらえたらいい。それを材料にして、こっちはどんどん『おらあ、輝、昨日みたいな感じでいけ』というような感じで尻をたたいていく、そういう感じですね」佐藤輝が7月30日ヤクルト戦以来、61打席ぶりの本塁打を放った。60打席ノーアーチは今季最長ブランク。50打席以上の本塁打なしは今季5度目となった。なおプロ最長は91打席で、21年8月20日中日戦第1打席から10月23日広島戦第3打席にかけて不発だった。阪神は8月9日DeNA戦から8連敗。今季は開幕9連敗を喫しており、8連敗以上はシーズン2度目となった。これは、07年の9連敗と8連敗各1度以来、6度目。なお、18日も負けると同一シーズン9連敗以上が2度目となり、99年(9連敗、12連敗)以来。○...2試合連続「4番左翼」でスタメン出場したロハスが攻守で貢献した。得点にはならなかったが、初回2死一塁でヤクルト高橋の直球にうまく合わせて左前打。左翼の守備では、2回1死二塁で、浜田のフェンスぎりぎりの当たりをジャンプしながらキャッチ。主力の離脱で苦しい中、助っ人が奮闘している。○...山本が初回1死でヤクルト高橋の直球に強振。全力疾走で遊撃への内野安打とした。今季42安打目で、巨人時代の19年を超え、シーズン自己最多を更新した。7月26日に新型コロナに感染。一時チームから離脱していたが、今月9日に1軍復帰。遊撃中野らが不在の中、代役として二遊間の守備に就き、チームを支えている。○...18日ヤクルト戦に先発する西純が、相性のいい敵地で今季4勝目を狙う。神宮では5月18日にプロ初完投と豪快な初アーチを放った。「いいイメージはある。でも、首位のチームなのでしっかりと集中しながら、自分の投球できるように頑張りたい」。打撃にも期待がかかるが「メインはピッチング。でも自分のできることは一生懸命やりたいなと思います」。この日はキャッチボールなどで登板に備えた。

◆またしても"村神様"に打ち砕かれた。両軍無得点の3回2死一、三塁のピンチで打席にはヤクルト4番村上。阪神伊藤将司投手(26)は初球を外角へのボール球から入り、2球目だった。内角へやや甘めに入ったツーシームを捉えられ、右翼席上段まで運ばれた。痛恨の先制3ランを被弾した左腕はマウンド上で立ち尽くし、首をかしげた。「ランナーをためて、一番、村上に1発はダメだというところで打たれてしまった」攻めた結果だった。村上には7月末の前カードで3打席連発を含む4発を浴びた相手。細心の注意を払い、意図して内角を突いた球を完璧に仕留められた。左腕は「ラインだけ意識してやった。コースもいいところだったと思うので、うまく打たれたなと」と脱帽した。矢野監督は「一発で仕留める技術も、力もあるバッターやから、バッテリーは攻めるっていうことはできにくいけど、粘ってほしかったよね」と嘆いた。ただ、伊藤将はスイッチを入れ替えたのか4回以降はヤクルト打線を圧倒した。「粘って投げようと思っていた」と、キレのある直球を軸にカットボール、チェンジアップ、ツーシームを両サイド低めに集めた。5回から5者連続で三振を奪うなど、15者連続で打者を粉砕。チームに流れを呼び込んだ。しかし8回2死で山田に左越えのソロを浴び、今季初の1試合2被弾を食らった。「最後に1点取られてしまったのは、ちょっと流れをかえてしまったんじゃないかなと。自分の反省です」と悔やんだ。8回4失点で今季4敗目を喫したが、1人で最後まで投げ抜き、両リーグ単独トップの5完投をマーク。また自身初の2桁奪三振で、これまでの自己最多を3つも上回る12奪三振を記録するなど力を示した。「ストレートもしっかりコースにいっていた」と、7つが見逃し三振だった。課題とともに、収穫を得たゲームになった。【古財稜明】伊藤将が自身最多の12奪三振。これまでの最多は22年7月14日巨人戦(甲子園)9奪三振で、2桁奪三振は今回が初めて。伊藤将は8月10日DeNA戦(横浜)に続き、今季2度目の完投負け。シーズン2度の完投負けは、15年藤浪晋太郎の2度以来。阪神は8月9日DeNA戦から8連敗。今季は開幕9連敗を喫しており、8連敗以上はシーズン2度目となった。これは、07年の9連敗と8連敗各1度以来、6度目。なお、18日も負けると同一シーズン9連敗以上が2度目となり、99年(9連敗、12連敗)以来。○...18日ヤクルト戦に先発する西純が、相性のいい敵地で今季4勝目を狙う。神宮では5月18日にプロ初完投と豪快な初アーチを放った。「いいイメージはある。でも、首位のチームなのでしっかりと集中しながら、自分の投球できるように頑張りたい」。打撃にも期待がかかるが「メインはピッチング。でも自分のできることは一生懸命やりたいなと思います」。この日はキャッチボールなどで登板に備えた。

◆100人斬りヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が42号先制3ランで、チームを3連勝に導いた。両軍無得点の3回2死一、三塁、阪神伊藤将の2球目を右翼席上段へ。入団5年目。通算100人目からの1発で、04年岩村の球団日本人最多44本塁打まであと2本、NPB通算150本塁打まであと4本に接近した。打率でも一時はDeNA佐野、中日大島を抜き、瞬間的に「3冠」に到達した。"村神様"の勢いが止まらない。打った瞬間、それと分かる当たりにドヤ顔でバットを放り投げると、ベンチを指さしながら悠然と一塁へ走り出した。3回2死一、三塁、村上が伊藤将の内角ツーシームを捉え、均衡を破った。「ちょっと詰まったくらいですけど、良い角度で、良い押し込みが出来ました」。相手左腕とは今季初対決だったが「今は映像もありますし、前にやったこともあるので。その記憶をたどりながら、今日の試合でどうすればいいか感じながらやってます」と、初アーチをかけた。6月、7月と2カ月連続で月間MVPに輝いた主砲は、8月に入っても11試合で打率3割6分1厘、5本塁打、9打点と、勢いが止まらない。慣れっこの本拠お立ち台では「サンタナが(3回1死一、三塁で三振に倒れ)泣きそうな顔でベンチに帰ってきたので、何とか打ってやろうと思って打席に立ちました」とジョークで笑いを誘う余裕も見せた。来日2年目の助っ人に「キアイハイッテル」など、日本語を教える"先生"となっているが、「最近は英語で話しかけられることが多いので。サンタナが英語の先生です」と良好な関係を明かした。最年少のシーズン40発に続き、史上最年少の通算150号が迫る状況にも「記録、記録と言われますけど、自分のパフォーマンスをすれば必ず達成できる数字。そこを目標にすることはないですけど、1つの記録として達成できればうれしいですし、必ず達成できる記録かなと思ってます」と冷静に向き合っている。この日、一時はDeNA佐野を打率で上回り、瞬間的に「3冠」を手中に収めた。その後の打席で凡退したため、最終的に打率は試合前と同じ3位のままだが、首位打者の佐野とも2厘差をキープする。周囲の打順が目まぐるしく変わる中でも、不動の4番が、ドッシリと存在感を示していく。【鈴木正章】▽ヤクルト高津監督(村上の3ランに)「ランナーためて、ひと振りで3点取れたわけですから。すごく大きなひと振りだったと思います」○...高橋が6回5安打2失点で、チームトップの8勝目を挙げた。3日に近親者がコロナ陽性判定を受けたため濃厚接触者疑いで自主隔離。中14日の先発で結果を示し「間隔が空いてしまったので、ちょっと緊張感はあったんですけど、思い切って腕を振りました」と振り返った。前回登板の2日中日戦では、村上が5打席連続本塁打を達成。この日も援護の1発を放った主砲に「もう神様です」と感謝した。○...2年ぶりに「2番」に座った山田が、19号ソロを放った。1点リードの8回2死、阪神伊藤将の2球目、外角143キロ直球をはじき返し、左翼席中段へ運んだ。終盤でリードを広げる貴重な1発に「追加点が欲しい場面でしたので、打てて良かったです」と振り返った。▽ヤクルト・マクガフ(両リーグ最速で30セーブ)「2年連続30セーブを挙げられて、とてもうれしいです。今年もチームが強いのでやりがいがあります。今年も優勝したいので、チームのために引き続き頑張ろうと思います」

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】17日のヤクルト戦。劣勢の6回に佐藤輝明が61打席ぶりとなる2ラン。久々の1発はチームに活気を呼び込みました。

◆阪神は伊藤将司投手(26)が先発する。2年目の今季はここまで8勝3敗、防御率1.69と安定感のある投球を続けている。この試合で白星を挙げれば、セ・リーグ5球団制覇となり、2013、14年の藤浪以来となるルーキーイヤーから2年連続2桁勝利にも王手となる。9日のDeNA戦(横浜)から7連敗中のチームを救えるか。また植田海内野手(26)が今季初のスタメン出場する。

◆阪神は先制の好機をいかせなかった。三回、先頭の島田が二塁への内野安打で出塁すると、山本の犠打と糸原の二ゴロの間に三塁まで進塁。続くロハス、原口が連続で四球を選び2死満塁の好機を作った。だが、ここで打席に入った佐藤輝が2球目の真っすぐを打ち上げ、結果は遊飛。打った瞬間バットを地面に叩きつけて悔しさをあらわにした。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が0―0の三回2死一、三塁で先制の42号3ランを放った。打った瞬間に入ったと確信する一発にベンチに向かってドヤ顔でバットを放り投げた。カウント1―0から阪神先発・伊藤将の内角ツーシームを一閃。一瞬にして右翼席上段に運び込まれた。12日のDeNA戦(神宮)以来3試合ぶりとなる本塁打。これで2004年の岩村明憲が持つ球団日本選手のシーズン最多本塁打まで2本とした。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が0―0の三回2死一、三塁で先制の42号3ランを放った。打った瞬間に入ったと確信する一発にベンチに向かってドヤ顔でバットを放り投げた。カウント1―0から阪神先発・伊藤将の内角ツーシームを一閃。一瞬にして右翼席上段に運び込まれた。村上はこれで通算146号で、100人目の投手からのアーチとなった。村上は「(高橋)奎二さんが粘って投げてくれていますし、チームとしても先制点をとりたかったので、それにつながるバッティングができました。先制できてよかった」とコメントした。

◆阪神・佐藤輝が7月30日のヤクルト戦(甲子園)以来となる17号2ランを放った。「良いピッチャーですし、ストレートも力強いので、タイミングを早めにとって、とにかく強く自分のスイングをするように意識しました。前の打席で悔しい思いをしていたので、打つことができてよかった」0-3の六回。先頭の原口が右前打で出塁し、佐藤輝が打席へ。カウント2-2からの外の真っすぐを一閃。虎党の待つ左翼スタンドへ打球を運んだ。三回の2死満塁の好機では、遊飛に倒れてバットを地面に叩きつけるなど悔しさをあらわにしていたが、すぐに汚名返上した。

◆村神様降臨だ。0―0の三回2死一、三塁。ヤクルト・村上が右翼席上段に42号3ラン。手応え抜群の当たりにドヤ顔で確信歩きをみせた。「チームとしても先制点をとりたかったので、それにつながるバッティングができました。先制できて良かったです」一瞬の出来事だった。カウント1―0から内角ツーシームを一閃。打球がスタンドに吸い込まれると、気持ちよくバットを放り投げた。阪神先発・伊藤将から初めてアーチを描き、プロで本塁打を放った100人目の投手となった。12日のDeNA戦(神宮)以来3試合ぶりとなる本塁打。2004年の岩村明憲が持つ球団日本選手のシーズン最多本塁打まで2本とし、史上最年少での通算150号まで4本とした。不動の4番を除いては日替わり打線だ。前日16日の阪神戦から投手を除いて5人が先発起用や打順を入れ替え。2番には山田が2020年8月29日ののDeNA戦(横浜)以来2年ぶりに登用。1番は塩見が11日の広島戦(マツダ)以来4試合ぶりに復帰し、3番は2試合連続でサンタナ、5番には捕手の中村が入った。〝新打線〟が主砲につなげていった。三回は1死から塩見が中越えの三塁打で好機を作り、山田が四球。その後2死一、三塁で、頼りになる背番号55が雨上がりの夜空にきれいな弧を描いた。八回には山田が左翼スタンドへ19号ソロ。村上&山田のアベック弾で追いすがる阪神を突き放した。(森祥太郎)

◆悔しさのあまりにバットをたたきつけた。0-0の三回2死満塁。6番に降格して2試合目の佐藤輝は、ヤクルトの左腕・高橋の投じた高めの直球をたたいたが、打球は夜空に高々と舞い上がり、遊撃・長岡のグラブに収まった。その瞬間、神宮の虎党から大きなため息が漏れた。この日も4番は2試合連続でロハス。前日16日、佐藤輝は75試合ぶりに4番を外れたが、4試合&16打席ぶりの安打を含む2安打をマーク。久しぶりに存在感を示すと「チームが勝てるように、目の前の一打席をガムシャラにやっていくだけです」と前向きに話していた。前日、チームは首位ヤクルトとの直接対決に敗れ、開幕9連敗以来となる今季2度目の7連敗。ヤクルトとは11ゲーム差。広島に抜かれて5位に転落した。矢野監督は「今は、すごい打線が活発で点が取れるかというと、そんな状況じゃないんで。なんとか最少失点で乗り切ることを、チーム全体でやっていかないと」と必死に声を絞り出したが...。投手陣は頑張っている。現状を打破するには、佐藤輝ら打撃陣の奮起が必要だ。7連敗中の間、虎打線が苦手にしている左腕が相手先発だったのは6試合。この日も左腕・高橋が相手となった。高橋は今季15試合に登板して7勝2敗、防御率2・58。阪神戦に限れば2試合で1勝1敗、防御率3・60。前回対戦の5月18日(神宮)では3回6失点(自責4)で阪神が黒星をつけており、完ぺきにやられている投手ではない。阪神打線は序盤、塁上をにぎわした。一回は山本、ロハスの安打で2死一、二塁の先制機を作ったが、今季初めて5番でスタメン起用された原口は遊ゴロに倒れて無得点。三回は先頭の島田がボテボテの二塁へのゴロを足で稼いで内野安打に。2死二塁からロハス、原口が四球で歩いて満塁としたが、佐藤輝は走者をかえせなかった。ヤクルトは直後の三回、村上が先制の3ラン。虎と燕の若き大砲は対照的な結果に終わった。それでも、佐藤輝は六回無死一塁で左翼席に反撃の17号2ラン。15試合&61打席ぶりの一発を放った。「打ったのはストレート。良いピッチャー(高橋)し、ストレートも力強いので、タイミングを早めにとって、とにかく強く自分のスイングをするように意識しました。前の打席で悔しい思いをしていたので、打つことができてよかったです」八回も大きな当たりだったが、右飛だった。佐藤輝が復調気配を感じさせたが、得点はこの一発だけ。ドロ沼の8連敗で借金は5まで膨らんだ。(三木建次)

◆阪神は今季2度目の8連敗となった。先発の伊藤将は8回5安打4失点。自己最多の12奪三振を奪うも、手痛い一発を浴びた。悔やまれるのは三回2死一、三塁から村上に42号3ランを浴びた。2-3の八回も2死から山田にソロを被弾して今季4敗目を喫した。打線は佐藤輝が六回無死一塁から7月30日のヤクルト戦(甲子園)以来となる今季17号2ランを放ったが、得点はこれだけ。粘る伊藤将を援護できなかった。

◆村神様降臨だ。0―0の三回2死一、三塁。ヤクルト・村上が右翼席上段に42号3ラン。手応え抜群の当たりにドヤ顔で確信歩きをみせた。以下、お立ち台に上がった村上の一問一答。--今の気持ちは「もう率直にうれしいです。ありがとうございました」--ファウルボールは大丈夫でしたか。(八回、ネクストバッターサークルで、内山のファウルボールが当たりそうになった)「いや、もう危なかったです。死ぬかと思いました(笑)」--42号3ランは三回のチャンスの場面「(高橋)奎二さんがすごくいい球を投げてましたし。なんとか先制点取れれば、この試合優位に進むなと思って、待ってました。(前の打者の)サンタナが(三振して)泣きそうな顔でベンチに帰ってきたので、なんとかってやろうと思って打席に立ちました」--打った感触は「コースもよかったんで、多少の詰まりはあったんですけど、しっかり振り抜くことができました」--前回、高橋の登板で2発。相性がいい?「そうですね、なにかあるんじゃないですか」--八回に山田のホームラン「もうホッとしました。1点入ったんで、よかったです」--チーム3連勝「長い連敗が続いたんですけど、なんとか1試合1試合と思ってやってましたし、今こうしてまだ3連勝ですけど、もっともっと連勝を伸ばせるように頑張りたいと思います」--明日に向けて、意気込みを「明日もなんとか勝てるように頑張ります。応援よろしくお願いします」

◆開幕9連敗スタートの阪神が今季2度目の8連敗を喫した。2試合連続「6番」の佐藤輝明内野手(23)が六回、高橋奎二投手(25)から7月30日のヤクルト戦(甲子園)以来、15試合&61打席ぶりの17号2ランを放ったものの2点止まり。伊藤将司投手(26)が三回、村上宗隆内野手(22)に42号3ラン、八回には山田哲人内野手(30)に19号ソロを浴び、自身2連敗で4敗目(8勝)。原口文仁内野手(30)が「5番・一塁」、植田海内野手(26)が「8番・二塁」でスタメンに入った。またジョー・ガンケル投手(30)が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表された。3カード連続負け越しで7月13日以来の「借金5」となった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績52勝57敗2分、観衆2万1543人)。ーー伊藤将は村上相手に攻めた結果「攻めに行った...う~ん、まあね、もちろん1発で仕留める技術も力もあるバッターやから、バッテリーは攻めることはできにくいけど、粘ってほしかったよね」ーー投球全体をみれば山田の本塁打も痛かったが、本塁打以外は「この球場がね。まあまあ、でも今日は状態的にもそんなに良い感じではなかったけどね。そのなかで粘ってくれた。やっぱりホームランは、もちろん防ごうと思っていっていると思うけど、結果的に痛いね」ーー佐藤輝は逆方向へいい当たりが出た「ちょっとずつは、良くなってきてるんかなって感じはするけど」ーー京セラで話をして、16、17日と6番起用で内容が変わってきた「打順を変えたからどうかは、俺にはわからんけど、いい方向にいってくれたら。残りもまだあるんでね」ーー原口を5番で起用「まあまあね、一番気持ちのある選手ではあるしね。何かこう変えてくれるものがあるんじゃないかなという期待も普段の練習から思わしてくれる選手。そういうところでは状態もいいし、行っていいんじゃないかというところで行きました」ーー勝利が遠い。苦しい状況が続く「う~ん...頑張ります」

◆ヤクルトが3連勝。三回に村上の3ランで先制し、3―2の八回は山田のソロで突き放した。高橋は球威で押し、6回2失点で8勝目を挙げた。お立ち台に上がった高橋の一問一答は以下のとおり。--久しぶりのマウンドだった「ちょっと感覚があいてしまったので、ちょっと緊張感あったんですけど、思い切って腕を振りました」--阪神打線を相手に6回2失点「ちょっと前になるんですけど、前回ここで投手にホームランを打たれたりしてたので、真っすぐで押していこうと思って、強気でいきました」--三回2死満塁のピンチで一発のある阪神・佐藤輝「あんまり僕に合ってない感じはあったので。もう一度ギアを上げて思いっきり投げました」--打ち取ったボールは得意の直球「アウトなってくれと思って投げました」--直後に村上の3ラン「もう最高です」--前の自身の登板時にも、村上が2発だった「そうですね、5打席連続の時ですかね、もう神様です!」--今後に向けての意気込み「まだまだ10勝目指して頑張ってるので、これからも熱いご声援よろしくお願いします」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は阪神・伊藤将司投手(26)が三回2死一、三塁でヤクルト・村上宗隆内野手(22)に3ランを浴びた場面に言及。勝負するか。歩かせるか。最低でも低めにー。冷静な判断を求めた。伊藤将の投球を誰も責めることはできない。狭い神宮でヤクルト打線相手に三回、一発を浴びた以降は八回2死まで打者の出塁を許さなかった。とにかく素晴らしかった。ただ勝敗を分けた三回の村上との勝負には言及せざるを得ない。2死一、三塁。今、最も勢いに乗っている打者が打席。7月31日の一戦でも甲子園でチームは1試合3発を浴びている。伊藤将にはさらに、もう1つの条件が加わった。阪神打線が3点取るのが精一杯という現状だ。そう考えると、あの場面で最も防がなければいけないのは本塁打。3点先行されるのは序盤とはいえ致命傷になる。村上と勝負なのか。本塁打を打つ力だけを考えれば次の5番・中村は村上よりも一気に落ちる。私は村上へは「絶対に本塁打を打たれないコース」へ投げ、最終的に四球でも構わないと思って見ていた。1打席目から外角を要求し続け、あの打席のカウント1-0から1球、内角を攻めるリードをした梅野は決して間違いではない。ツーシームを選んだのも悪くはない。ただ伊藤将が投じた球は落ち切らずに甘く、村上がバットを振りきれるコースにいってしまった。極端な言い方だが、あの場面はワンバウンドになっていいぐらいの低さで良かった。捕手が後逸して1点を失い、村上を歩かせることになっても私は責めない。1点なら仕方がない。それぐらい本塁打だけは許されない状況だった。この先も阪神投手が勢いのある村上と、本塁打だけは避けなければいけない状況で対戦することもあるだろう。ポイントは先にも指摘したように次打者との比較。思い切って歩かせる選択肢は常に頭に入れるべきだ。私が現役時代、長嶋茂雄、王貞治という球史に残る大打者が並ぶ巨人と対戦した。その日の内容や感じた印象で、長嶋さんとの対戦を選んだこともあれば、右下手投げだったにもかかわらず王さんと勝負したこともある。傷を小さくするために、どちらとの勝負を避け、どちらとの勝負を選択するべきか。冷静に判断することは大事だ。痛恨の一発を振り返ったが、伊藤将が投じた121球の中の、たった1球。何度も言うが、責めるつもりはない。むしろ打線だ。佐藤輝の一発は見事だが、三回2死満塁で先制できていれば、試合展開は全く違ったものになっていた。好投を続ける先発陣のために、打線が何としても先手を取って、チームに勢いを付けてもらいたい。

◆ヤクルトのスコット・マクガフ投手(32)が九回を三者凡退に抑え、両リーグ最速で30セーブに到達。球団では日米通算313セーブを誇る高津臣吾監督を抜き、球団最速の106試合目で達成した。データBOXは以下の通り。?ヤクルト・マクガフが両リーグ最速の30セーブ(S)。ヤクルトの投手では2004年の五十嵐亮太(最終37S)以来18年ぶり2人目で、外国人投手では初めて。チーム106試合目以内での30S到達は、昨年のロッテ・益田直也(102試合)がいるが、ヤクルトでは01年の高津臣吾の108試合を抜く最速。?昨年の31Sに続く30S。ヤクルトで2度以上記録したのは高津(4度)、林昌勇(3度)、バーネット(2度)に次いで4人目。2年以上続けたのは、01-03年の高津、10、11年の林昌勇に次いで11年ぶり3人目。

◆村神様が100人斬り!! セ・リーグ首位のヤクルトは17日、阪神18回戦(神宮)に4―2で3連勝を飾り、4カードぶりの勝ち越しを決めた。村上宗隆内野手(22)が三回に先制の42号3ランを放った。阪神・伊藤将司投手(26)から初本塁打を打ち、本塁打を放った投手の人数が100人に到達。2004年に岩村明憲がマークした球団日本選手最多の44本塁打も視界に捉えた。威圧感のある目を大きく見開いた。次の瞬間、雨上がりの夜空へ、白球が花火のように舞った。0―0の三回2死一、三塁。村上が右翼席上段に42号3ランを放った。「いい角度で、いい押し込みができた。チームが勝てたので、すごくいい本塁打だったかなと思います」カウント1―0から内角の浮いたツーシームを一閃。バットをほうり投げ、本塁打を確信して歩き始めると、ドヤ顔で一塁ベンチを指さした。阪神先発・伊藤将から初アーチを描き、本塁打を放った投手が100人目に達した。伊藤将とは今季はこれが初対戦。一回は4球全てを見逃し、三振に倒れていたが、一振りで仕留めた。対戦経験が少ない相手でも関係なしにスタンドへ運ぶ対応力。その裏には動画で相手投手の研究を重ね、1度でも対戦経験があれば、球筋を頭の中でよみがえらせる抜群の記憶力がある。その上で「今日の試合はどういう入りをすればいいのか」をイメージトレーニングして試合に臨む。試合中の準備にも秘密が隠されている。打席に立つ前にベンチで、目の体操である「ビジョントレーニング」をルーティンとして行う。両手の親指を立て、左右を素早く交互に見るトレーニングなどで眼球を動かす筋肉「眼筋」を鍛える。日米通算4367安打を放ったイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)も現役中に行った練習法。動体視力を高め、集中力を養うだけでなく、目の緊張感を和らげる効果も期待できる。150キロ超の白球を最後まで目で追うだけでなく、この日は甘く入った高めの変化球を見逃さなかった。5戦3発とペースを上げ、記録更新が近づいてきた。2004年に岩村明憲がマークした球団日本選手最多の44本塁打まで「2」。現在22歳6カ月で通算146本塁打とし、清原和博(西武)の22歳11カ月を抜く史上最年少での通算150号達成まで「4」とした。「一つの記録として達成できればうれしい。必ず達成できる記録と思っています」と頼もしく言い切った。主砲の一発でチームは7連敗後に3連勝を飾り、4カードぶりの勝ち越し。「もっともっと連勝を伸ばせるように頑張りたい」と村上。弟・慶太が4番を打つ母校・九州学院高の夏の甲子園での8強入りも大きな刺激。目線を鋭くして、明日への一歩を踏み出した。(森祥太郎)★今季8度目アベック 2020年以来、2年ぶりの2番に入った山田が3―2の八回に左越えへ19号ソロ。外角143キロの直球を完璧に捉え、村上と今季8度目のアベック弾。終盤に貴重な1点を刻み「追加点が欲しい場面だったので、打ててよかった」と喜んだ。チームは16日から投手を除いて5人が打順を入れ替え。日替わり打線が的中した高津監督は「きょう、どう戦うかという打順。(山田の)あの本塁打は大きかった。すごく重い雰囲気だったベンチが『よし勝つぞ』という雰囲気になった」と称賛した。■データBOX?ヤクルト・村上が今季42号3ラン。ヤクルト(前身を含む)でシーズン42本以上を放ったのは、プロ野球記録の60本をマークした2013年のバレンティンを筆頭に6人目で1977年のマニエル、89年のパリッシュと並ぶ球団歴代4位。04年の岩村明憲の持つ球団の日本選手最多本塁打(44本)まであと2。?阪神・伊藤将から初本塁打を打ち、本塁打を放った投手の人数が100人目となった。最も多く打った投手は中日・柳の8本、2位が阪神・青柳とDeNA・大貫の6本、4位がDeNA・上茶谷と広島・九里の5本。球団で最も多くの投手から本塁打を放ったのは山田哲人の159人。プロ野球最多は西武・中村剛也の256人。

◆島田は三回の守備で悔しさが残った。1死後に塩見が放った打球が右中間へ。懸命に追いかけて一度は落下点に入ったもののつかみ切れず、そのまま三塁打を許した。打撃では三回に二塁への内野安打を放ち、10日のDeNA戦(横浜)で「1番・中堅」を任せられるようになってから7試合連続安打となったが、守備面で課題が残った。

◆前日に続き、4番を任されたロハスは一回2死一塁で打席が回ってくると、高橋の真っすぐを捉えて4番での初安打となる左前打を放った。左翼の守備では、二回1死二塁で浜田が放った打球をフェンスにぶつかりながらジャンピングキャッチ。抜けていれば先制点を献上する場面をハッスルプレーで救い、攻守で奮闘した。

◆積み重ねた12個の「K」よりも、2本の「HR」が展開に大きく響いた。伊藤将は厳戒したうえで村上との勝負に挑んだが、やられてしまった。スタンドへ軽々と運ばれ、マウンドで悔しそうに両ひざに手をついた。「ランナーをためて、一番、村上に一発はダメだというところで打たれてしまった。でも、そこからのピッチングはよかったんじゃないかなとは思う」手痛い一発を浴びたのは三回だ。三塁打と四球で1死一、三塁。サンタナをチェンジアップで空振り三振に仕留めて2死までこぎつけたが、4番・村上に2球目のツーシームを振りぬかれた。右翼席へと消える先制3ランに「コースもいいところだったと思うので。うまく打たれたなと」と白旗を上げるしかなかった。その後、四回から5者連続三振を含む15人連続アウトも、2―3の八回2死で山田にソロを食らい、息の根を止められた。8回121球を投げ、4失点で4敗目を喫したが、プロ初の2桁となる12奪三振をマーク。ただ、1試合複数被本塁打は今季初で、昨年10月1日の中日戦(甲子園)以来、自身4度目となった。チームも村上に対し、最近の対戦4試合で5本塁打を許している。矢野監督は「(村上は)一発で仕留める技術も、力もあるバッターやから、バッテリーは攻めるっていうことはできにくいけど、粘ってほしかったよね」ともうひと踏ん張りを求めつつ「ホームランは、もちろん防ごうと思っていっていると思うけど、結果的に痛いね」と表情をひきつらせた。「最後に1点取られてしまったのは、ちょっと流れをかえてしまったんじゃないかなと思う。自分の反省です」と伊藤将。先発した14試合中11度のクオリティースタート(6回以上、自責3以内)を達成している安定感抜群の左腕でも、チームの連敗を止められなかった。次のチャンスでは必ずやり返し、もう一度、虎に勢いをもたらす投球をしてみせる。(織原祥平)

◆チャンスで打ってくれ~!! 阪神はヤクルトに2-4で敗れ、8連敗となった。佐藤輝明内野手(23)は0-3の六回に15試合&61打席ぶりとなる意地の17号2ランも、三回2死満塁の先制機で凡退。ヤクルト・村上がその裏に先制3ランを放っており、悔やまれる打席となった。次こそ勝利に導く一発が見たい!!久々の本塁打も素直に喜べなかった。できることなら1打席前で打ちたかった。0-3の六回無死一塁、佐藤輝が左翼席最前列へ意地の17号2ラン。7月30日のヤクルト戦(甲子園)以来、15試合&61打席ぶりの一発となったが、勝利に導くには遅かった。「(先発の伊藤将が)頑張って投げてくれていたのでなんとか追いついて逆転したかったですけど、できなかったので悔しい」ヤクルトの左腕・高橋の外角直球をパワーで運んだ。前日16日に74試合連続で務めていた4番をロハスに譲り、6番に降格してから2試合目。待望の一発に「最近、全然打てていないので、毎打席どうやったら打てるのかを考えながら。久しぶりに打てたので、うれしかったです」と振り返った。「前の打席で悔しい思いをしていたので、打つことができてよかった」0-0の三回2死満塁だ。佐藤輝は直球を強振したが、打球は高く舞い上がり、遊撃・長岡のグラブに収まると、バットをたたきつけて悔しがった。次の打席でトンネルを抜け出したからこそ、先制機で結果が出したかった。これで今季満塁での打率は・091(11打数1安打)まで低下した。そして、その裏の2死一、三塁、ヤクルト・村上が先制の42号3ラン。右翼の佐藤輝は一歩も動けなかった。頭上を大きく越えていく打球を呆然と見送るしかなかった。「勝負強いなというのはすごく思いますし、本当に今は日本で一番のバッターだと思います」以前、佐藤輝は村上についてこう語っていた。プロでのキャリアは村上が3年上だが、年齢では1学年下の若き大砲には尊敬のまなざし。打撃3部門の数字もさることながら得点圏打率・216の佐藤輝に対して村上は同・348。得点圏に走者を置くと、さらにパワーアップするところにも差がある。矢野監督は佐藤輝について「ちょっとずつはよくなってきているんかなって感じはするけど。打順を(6番に)変えたからどうかは俺にはわからんけど、いい方向にいってくれたら。残り(試合)もまだあるんでね」と期待を込めた。チームは2007年以来、15年ぶりとなるシーズン2度目の8連敗。最大3あった貯金を吐き出し、借金は5に膨らんだ。新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱していた大山、中野が19日の巨人戦(東京ドーム)から復帰する見込みだが、首位ヤクルトとの12ゲーム差はあまりにも大きい。「チャンスで回ってくる(打順)。しっかり集中して打てるようにやっていきたい」と佐藤輝。次こそチームを勝たせる一打を-。村上のようにチャンスで打ってくれ!!(三木建次)

◆「5番・一塁」で5月29日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、今季2度目の先発出場となった原口は3打数1安打1四球。六回には先頭で左前打を放ち、佐藤輝の本塁打を呼び込んだ。矢野監督はスタメン起用について「一番気持ちのある選手ではあるし、何かこう変えてくれるものがあるんじゃないかなという期待も普段の練習から思わしてくれる選手なんで」と説明した。

◆0-0の三回2死一、三塁。打席には燕の大砲、村神様です。初球、外角の球がボールとなった2球目。キャッチャー梅野のミットはインコースへ...。「あー!! ダメ、ダメ!! 40ホーマーを打っている村上に、そこはいけませ~ん!!」と目をつぶった次の瞬間、ボールはライトスタンド上段に飛び込んでたわ!! なんで? なんで? 甘く入ったらスタンドインがある村上にインコースの要求??? 信じられまへ~ん!!でもペナントレースはまだ続く。そこで梅野に俺からスペシャルアドバイスや!! 『梅野よ、山倉和博になれ!!』。かつて巨人のホームベースを守った山倉のリードは外角が多く、弱気過ぎると批判されたのだ。しかし、山倉いわく「やられても最小限の被害のリードです!!」とキッパリ!! そして1987年にはシーズンMVPに輝いているのだ!!もちろん、一生、山倉をやっていろとは言わないが、大山、近本、中野が不在で得点力が下がっている今は、とにかく山倉リード(インコースはボール球)に徹するべきである!!

◆ヒステリックな声でした。「なんとかせえ?」誤解を招くといけないので校名は書きません。都道府県名も控えます。30年以上前の夏。強豪がひしめくその地区から創部間もない高校が甲子園に初出場し、ベスト8に勝ち上がりました。お立ち台に呼ばれたヒーロー選手と監督は先輩の記者が取材。通路の反対側に待機している他の選手たちの話を聞くのが、当時ピヨピヨ記者だった私の役目でした。そのとき、冒頭の怒声とともに、すごい光景が目に入ってきたんです。「どうして全力疾走しないんだ? この前も注意したじゃないか? 全力疾走させろ?」部長の教諭が肩をつかまれ、ゆさぶられていました。つかんでいたのはその学校がある都道府県の関係者です。たしかに、甲子園でそれが話題になるほどの学校のような全力疾走までは、するチームではありませんでした。ただ、怒るほどの怠慢な動きがあったわけではないんです。「なに? あれ」通路に控えていた選手に尋ねると、「僕ら、ニラまれてるんですよ」。〝新興勢力〟ですから、と苦笑いしています。横にいた捕手も同じ表情で続けました。「審判にもよく怒られます。ピンチになって、投手に声をかけようとすると止められるんです。『プロみたいに何回もマウンドに行くんじゃない?』と。きょうはベルトをつかまれました」グイっと引き戻されて試合続行。「でも、負けませんよ。逆に燃えています」。うなずき合って話す2人に、思わず「ガンバレよ」と声をかけていました。「白石、なんとかせえよ」怒声ではありません。編集局長生頼秀基が静かな口調で語りかけていた相手は、当番デスク白石大地です。「それ以上の話はとくにありませんでした。僕が頑張ったら阪神が勝つわけじゃありませんが、まずは、勝たせろよということだと思います。そして、負けたときも、なんとかせえよ、という意味だろうと」うん、誰でもわかる。阪神が連敗していると大変だなあ...と白石に〝同情〟していて、30年ちょっと前に聞いたあの「なんとかせえ?」を思い出したのです。神宮球場は、阪神の練習中に、突然の激しい雨に見舞われるドタバタがありました。「また中止になってしまうのかと心配しました。伊藤将はヤクルトと今季初対戦なんです。登板予定だった7月8日からの3連戦の2戦目がヤクルトの選手の集団コロナ感染で中止・延期になって、10日にスライド先発するはずだったんですが、それも中止になっていました。勝てばセ・リーグ5球団すべてから勝ち星を挙げることになりますから」そう話していた投手担当のトラ番織原祥平の期待通り、伊藤将は、村上と山田に痛い一発を浴びたものの奮投しました。佐藤輝も久々に豪快な2ランを放ちました。あの学校は、初出場初優勝を成し遂げました。今でも強い。そして、決してチンタラした、いわゆる高校野球らしからぬプレーをする学校でもありません。誰もが知る強豪校になっています。阪神もまだまだ、ファンにヒステリックな声はあげさせられません。まだ32試合残っているんですから。

◆ヤクルト・村上には改めて、一振りで仕留めるすごさを感じた。三回に放った42号3ランは、ここという場面での集中力が生み出したものだ。阪神バッテリーは村上の長打を警戒し、第2打席の初球まで外角へ5球続けた。しかも、コースいっぱいの際どい球ばかりで、第1打席は見逃し三振。それほど、この日の伊藤将の外角球には切れがあり、うまくコントロールされていた。打者は意識していないと打てないので、どうしても外角に意識がいってしまう。それが分かっていた捕手・梅野は今なら大丈夫と思って、外角球をより生かすため、内角に1球挟んだのではないだろうか。不意を突かれた村上は見逃し、球はそのまま自分のミットに収まると信じていただろう。初めて投げさせた内角球をものの見事に捉えられた瞬間の、とんでもなく驚いた表情が印象的だった。決して甘く入ってきたわけではない球を、この日最初のスイングで捉えたのもすごいし、この状況で「そろそろ内角にくるのでは」と読んでいたのなら、さらにすごい。長距離打者・村上はとにかく成長が早い。末恐ろしい22歳だ。(本紙専属評論家)

◆いつものように最終回を締めた。ヤクルトのスコット・マクガフ投手(32)が九回を三者凡退に抑え、両リーグ最速で30セーブに到達。球団では日米通算313セーブを誇る高津臣吾監督を抜き、球団最速の106試合目で達成した。「とてもうれしい。今年もチームが強いのでやりがいがある」7番・梅野を二飛に仕留めると、ともに代打の陽川を三直、ロドリゲスを中飛。昨季も31セーブを挙げており、2年連続で記録したのは球団では10、11年の林昌勇以来だ。来日4年目の今季は家族とともに来日。9月で2歳を迎える長女・ダコタちゃんは日本語を覚え始めたといい、最近は家族でお台場の海を見に行くことが楽しみだ。「どんな時も心強いし、安心する」と家族の存在を力に変えている。「今年も優勝したいので、引き続き頑張りたい」とマクガフ。最高の助っ人がチームを支えている。(赤尾裕希)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
62431 0.590
(↑0.003)
-
(-)
37460
(+4)
406
(+2)
130
(+2)
58
(-)
0.251
(↓0.001)
3.430
(↑0.01)
2
(-)
DeNA
52472 0.525
(↑0.005)
7
(-)
42355
(+7)
380
(+3)
75
(+2)
34
(-)
0.250
(-)
3.410
(↑0.01)
3
(1↑)
広島
53553 0.491
(↑0.005)
10.5
(-)
32426
(+1)
411
(-)
67
(-)
21
(-)
0.255
(↓0.001)
3.400
(↑0.04)
4
(1↓)
巨人
53561 0.486
(↓0.005)
11
(↓1)
33427
(+3)
479
(+7)
128
(-)
50
(-)
0.244
(↓0.001)
3.950
(↓0.02)
5
(-)
阪神
52572 0.477
(↓0.004)
12
(↓1)
32370
(+2)
325
(+4)
70
(+1)
82
(-)
0.238
(↓0.001)
2.580
(↓0.02)
6
(-)
中日
46581 0.442
(↓0.005)
15.5
(↓1)
38304
(-)
378
(+1)
53
(-)
39
(-)
0.246
(↓0.001)
3.440
(↑0.03)