阪神(★4対5☆)中日 =リーグ戦20回戦(2022.08.14)・京セラドーム大阪=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
中日
00202000151000
阪神
0000400004731
勝利投手:ロドリゲス(5勝2敗0S)
(セーブ:R.マルティネス(2勝3敗26S))
敗戦投手:岩崎 優(1勝5敗25S)

本塁打
【阪神】ロハス・ジュニア(7号・5回裏3ラン)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 中日戦チケット予約

DAZN

◆中日は3回表、岡林と阿部の適時打が飛び出し、2点を先制する。4-4で迎えた9回にはスクイズが空振りとなるも三塁走者・三好がホームスチールを成功させ、再びリードを奪った。投げては、4番手・ロドリゲスが今季5勝目。敗れた阪神は、5番手・岩崎が誤算だった。

◆阪神井上広大外野手(21)が、1軍試合前練習に合流した。佐藤輝明内野手(23)らとともに早出のフリー打撃に参加。京セラドーム大阪の左翼5階席へ特大アーチを放り込むなど、持ち前のパワーを練習から発揮した。全体練習でのフリー打撃でも快音を連発。その後は、ライトの守備位置でノックを受け、入念にクッションボール処理の確認を行った。そのまま1軍昇格なら今季初となる。プロ3年目の今季はウエスタン・リーグ83試合に出場し、打率2割1分8厘、6本塁打、52打点。7月は全16試合に4番として先発出場し、2本塁打、20打点、打率3割8厘で7月度の「スカパー! ファーム月間MVP賞」を受賞していた。1軍は2戦連続完封負けで5連敗中。26イニング無得点、43イニング連続適時打なしと打線が低調だ。19年夏の甲子園で、4番として履正社を全国制覇に導いた男が、起爆剤となれるか。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(30)は、中日戦で通算4試合に先発して4勝0敗、防御率0.33と抜群の相性。先発4試合での失点は内野ゴロと犠飛が1点ずつあるだけで、まだ本塁打や適時打を打たれていない。

◆日本野球機構(NPB)から公示が発表され、阪神井上広大外野手(21)が、2シーズンぶりに1軍昇格した。中日戦が行われる京セラドーム大阪で試合前練習に合流。練習後に「ファームでやってきたことをしっかり出せるように、思い切ってプレーしていきたいと思います。自分が来て、何かチームがプラスに変われば良いと思っているので、起爆剤になれるように頑張りたいと思います」とコメントした。この日は、佐藤輝明内野手(23)らとともに早出のフリー打撃に参加。左翼5階席へ特大アーチを放り込むなど、持ち前のパワーを練習から発揮した。全体練習でのフリー打撃でも快音を連発。その後は、ライトの守備位置でノックを受け、入念にクッションボール処理の確認を行った。プロ3年目の今季、ウエスタン・リーグ83試合に出場し、打率2割1分8厘、6本塁打、52打点。7月は全16試合に4番として先発出場し、2本塁打、20打点、打率3割8厘で7月度の「スカパー! ファーム月間MVP賞」を受賞していた。1軍は2戦連続完封負けで5連敗中。26イニング無得点、43イニング連続適時打なしと打線が低調だ。19年夏の甲子園で、4番として履正社を全国制覇に導いた男が、起爆剤となれるか。

◆2年ぶりに1軍昇格した阪神井上広大外野手(21)が、「7番右翼」でスタメン出場する。1軍でのスタメンは20年10月15日の中日戦以来、668日ぶりとなる。プロ3年目の井上は今季、ウエスタン・リーグに83試合出場し、チームトップの52打点。1軍は26イニング連続無得点、43イニング連続適時打なしで、2戦連続完封負け。この1週間の5試合でわずか3得点と貧打にあえぐチームを救えるか。また、得点力不足に悩む阪神は、3番メル・ロハス・ジュニア外野手(32)、4番佐藤輝明内野手(23)、5番アデルリン・ロドリゲス内野手(30)と今季初の並びとなるクリーンアップで臨む。中日は左腕橋本侑樹投手(24)がプロ初先発。2日のウエスタン・リーグの阪神戦(バンテリンドーム)では9回1失点と好投し、井上を4打数無安打3三振と抑え込んでいる。

◆「Family with Tigers Day supported by Joshin」の一環としてNMB48の小嶋花梨(23)が始球式に登場した。小嶋は笑顔で人生初のマウンドに上がると、左打者・岡林の外角へワンバウンド投球。「もうちょっと練習通りに真っすぐに投げたかったなという気持ちはあるんですけど、自分がなかなか見ることがない景色を見ることができて本当にすごく今、達成感と喜びと、いろんな感情でいっぱいです」と余韻に浸った。この日は、監督、選手らがオリジナルユニホームを身にまとってプレー。「平和」の象徴の青色と阪神のイメージカラーの黄色がベースで爽やかなブルーで記された胸のチーム名、背番号がポイントだ。右胸には「ファミリーデー」のロゴを入れ、「多くの家族がいつまでも平和で幸せに暮らせること」を願ったデザインとなっている。

◆阪神打撃が深刻だ。3回まで「0」が続き、連続無得点が今季最長を更新する29イニングになってしまった。初回1死、山本泰寛内野手(28)が中日橋本から左前打を放ち出塁。しかし、3番に座ったメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が遊併殺打で先制点とはならなかった。2回も佐藤輝明内野手(23)が四球を選んで出塁したが、続くアデルリン・ロドリゲス外野手(30)が三併殺打でチャンスを逃し2死に。続く糸原が死球で出塁したが、この日昇格した井上広大外野手(21)が空振り三振とし無得点に終わった。2点を追う3回には、1死からガンケルが中前打で出塁。続く島田も中前打を放ち、1死一、二塁と反撃のチャンスが巡ってきたが、山本がこの日チーム3本目となる併殺打(三ゴロ)で電光掲示板に「0」を並べた。チームは5連敗中。前試合で今季21度目の完封負けを喫しており、阪神先発のガンケルを早く援護したいところだ。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が7号同点3ランを放った。4点を追う5回、1死満塁から山本の犠飛で1点をかえした後の2死一、二塁。3番ロハスがカウント1-0から中日橋本の132キロのフォークを完璧に捉え、左翼席へ豪快に放り込んだ。会心アーチに助っ人はガッツポーズで喜びを爆発させた。「右打席に立つ機会はこれまで多くはなかったけど、自分なりにしっかり準備してきたつもりだった。とにかくチームが苦しいときに力になれて本当にうれしいよ。次の打席も貢献できるように頑張りたいね」チームは今季ワーストの30イニング連続無得点と苦しんでいたが、31イニング目でようやく目を覚ました。

◆阪神は今季2度目の6連敗となった。元気のなかった打線が0-4から追いつく意地を見せたが、同点の9回に守護神岩崎優投手(31)が重盗で勝ち越しを許した。9回は1死一、三塁から中日の両走者が走った。スクイズを見抜いて、高く外した岩崎の投球は捕手の梅野も捕れない"大暴投"。痛恨の決勝点になった。めずらしいプレーで決着。記録は重盗となった。野手の主力を軒並み欠くチーム事情は変わらない。この日は3年目の井上広大外野手(21)が今季初昇格し、さっそく「7番右翼」で2年ぶりの先発出場。チャンスをつかんだ大砲候補だったが、無安打で起爆剤にはなれなかった。不振にあえぐアデルリン・ロドリゲス内野手(30)も沈黙を続けた。先発のジョー・ガンケル投手(30)は5回4失点(自責2)。失策も絡んで先行を許した。8月17日の中日との前回対戦では8回1失点と好投していたが、6勝目はならなかった。阪神の1試合3失策は今季最多タイだった。ただ、打線は意地も見せた。11日DeNA戦(横浜)の初回以来、今季最長の30イニング連続無得点で迎えた5回に一挙4得点で同点に追いついた。山本泰寛内野手(28)の中犠飛で1点を返すと、メル・ロハス・ジュニア外野手(32)の左越え7号3ランが飛び出した。だが、追い越すまでの勢いはなかった。その後は中日の継投にかわされた。阪神の同一カード3連敗は8度目。7月20日以来の借金3となった。

◆阪神アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が、中日ジャリエル・ロドリゲス投手(30)との「同姓対決」に敗れた。4-4の8回2死二塁。136キロ変化球を外角いっぱいに決められ、見逃し三振に倒れた。これで7日広島戦の4打席目から22打席連続無安打。前日13日にはスタメン落ちし、5番に入ったこの日も4打数無安打と苦しい内容が続いている。今季は6月5日に阪神ラウル・アルカンタラ投手(29)と日本ハムのアリスメンディ・アルカンタラ内野手(30)が対戦。阪神アルカンタラが二ゴロに仕留め、「同姓対決」を制していた。

◆この日、今季初昇格した阪神井上広大外野手(21)は4打数無安打だった。2回の第1打席は中日橋本の136キロのフォークに空振り三振。5回の第2打席も橋本の147キロの直球に手が出ず、見逃し三振。6回には2番手祖父江の134キロのスライダーを捉えたが、投直となった。1点を追う9回に最終打席が回ってきたが、守護神R・マルティネスの直球に力負けし、右邪飛と快音は響かなかった。井上は20年10月15日中日戦(ナゴヤドーム)以来、668日ぶりのスタメン出場。安打を打てば、20年10月16日のヤクルト戦(甲子園)以来だったが、おあずけとなった。

◆中日が「棚ぼた決勝点」で3連勝を決めた。同点の9回1死一、三塁。代打木下はカウント1-2から3バントスクイズを仕掛けた。高めに外されて三振したが、捕手が捕れずにラッキーな勝ち越し(記録は重盗)となり、立浪監督は「空振り覚悟で1点を取らないと勝てない。相手のミスだけど結果が大事」とニヤリ。4戦4敗と苦にしてきたガンケルから4得点を引き出し「苦手投手も1人ずつでも攻略できれば」と続けた。03年以来の京セラドーム大阪での阪神3連戦3連勝で、対戦成績を10勝10敗に戻した。○...3年目で初先発した橋本侑樹投手が1発に泣いた。4-0の5回1死満塁から山本に犠飛、ロハスに同点3ランを打たれ、この回限りで降板。「4点をもらっていましたが、本塁打1発で追いつかれてしまいました。リードを守ってマウンドを降りたかったです」とがっくり。球界最多407セーブの岩瀬が00年10月8日広島戦で挙げて以来となる、背番号「13」の先発勝利はお預けとなった。▽中日後藤(5回2点二塁打) チャンスをことごとく潰してきたので、何とか打ちたかった。追加点が取れて良かった。

◆阪神は今季2度目の6連敗となった。0-4から追いついたが、同点の9回1死一、三塁で守護神岩崎優投手(31)が重盗を許して、勝ち越された。両走者がスタートを切り、打席の木下拓哉(30)はバントの構え。岩崎の投球は梅野隆太郎捕手(31)のジャンプも届かないほど高く外れる"暴投"で、三塁走者のホームインを許した。記録上は本盗(重盗)となった。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-最後の場面はスクイズを察して外したのか矢野監督 「それは俺にはちょっと分からんなあ。その可能性はあると思うけど」-岩崎は1週間ぶりの登板だった矢野監督 「悪くはないと思う。でも捉えられているということは、すごくいいということでもないのかな」-岩崎は2回失敗が続いてしまったが今後は矢野監督 「今終わったばっかりでそんな決められへん」-ロハスが1発(同点3ラン)で空気を変えた矢野監督 「本塁打しかないなというところで、しっかりした打撃をしてくれた。最近、いい形で打ってくれている」-右打席で打った矢野監督 「右でも左でも、打ってくれたらいい」-失策が続いているのも気になる矢野監督 「なんとかせなあかんね」-井上を抜てきした矢野監督 「もっと振っていってほしいね。俺も2軍に行ってそういう話をあいつにして、だいぶいい形になってきつつあるんだけど。やっぱりボールを見てボールを見て、というのではあいつの良さも出ないし、成長もないんで。そういう努力を本人もしているんだろうけど、1軍で何球も打てる球って来ないので、もっと打っていく姿勢というか、1球で仕留めるようにやっていかないと」-来週は順調なら大山が帰ってくる矢野監督 「帰って来たからって、10日間何もしてないのに、すぐに試合に復帰ってのはできひんやろ」-ヤクルト、巨人と遠征が続く矢野監督 「やるしかないよね、待ってくれないんで。頑張ります」

◆阪神が泥沼の6連敗でBクラス4位に転落した。14日の中日戦(京セラドーム大阪)は、5回に31イニングぶりとなる得点を奪って4-4の同点に。しかし、9回に守護神・岩崎優投手(31)が踏ん張れず、痛恨の勝ち越し点を奪われた。この日連敗を7で止めた首位ヤクルトとの差は10ゲームに開いた。岩崎の投げた球は、跳び上がって必死にミットを出す梅野のはるか上に噴き上がった。同点の9回1死一、三塁。中日は代打木下が1ボール2ストライクからスクイズの奇襲を仕掛けてきた。岩崎は外そうとしたのか、抜けてしまったのか、記録は重盗だが、とんでもない暴投で決勝点を与えた。矢野監督も「オレにはちょっと分からん。その(外そうとした)可能性はあると思うけど」と、話すしかなかった。今季3度目の6連敗で、借金は3に。巨人に抜かれ7月22日以来の4位に転落した。5回にロハスの7号3ランなどで一気に4点ビハインドを追いつき、6回から浜地を投入する継投策。だが、4失点でサヨナラ負けした6日広島戦から中7日と休養十分なはずの岩崎が2戦連続失点、2戦連続敗戦投手となった。矢野監督は「悪くないとは思う。でもとらえられているということは、すごくいいということでもないのかな」と、状態について話した。配置転換について問われると「いやいや、今終わったばかりで決められへん」と、含みを持たせた。初回から3イニング連続で併殺打の拙攻。守りでも5月19日ヤクルト戦以来の今季最多タイ3失策でリーグ最多の71失策となった。ガンケルのけん制悪送球と遊撃手山本の一塁悪送球は、いずれも失点につながった。「うーん、点を取るところも、もちろんそうやし、最後の向こうのビシエドの守備とか、球際とか」と、9回の相手一塁手の美技を引き合いに、失策だけでなく二塁手糸原のグラブをはじいた3回の阿部の適時打や三塁手佐藤輝のグラブをはじいた9回大野奨の内野安打など球際での差が出た。9試合連続失策に「何とかせな、あかんね、うん」と嘆いた。来週は再び神宮、東京ドームと遠征に出る。順調なら新型コロナウイルス陽性から大山が復帰できるが「帰ってきたからって、10日間何もしてないのに、すぐに試合復帰はできひんやろ」と、まだ時間がかかりそうだ。主力が離脱し急降下が続く。首位ヤクルトとは10差に広がった。「やるしかないよね。(試合は)待ってくれないんで。頑張ります」と自分に言い聞かせるように話した。【石橋隆雄】○...中日戦4戦負けなしだったガンケルがは5回7安打4失点(自責2)と踏ん張れなかった。3回に自らの失策も絡み2失点。5回には中日先頭土田のゴロを遊撃山本が一塁に悪送球。その後1死一、三塁で後藤に中越え二塁打を打たれた。「前回登板と同じく、低めに制球ができずに強い打球を打たれる場面が多かった。幸いにもチームが同点に追いついてくれて感謝しているよ」と振り返った。○...「7回の男」に定着している浜地が6回に登板した。直前の5回に一挙4点で同点。矢野監督は同点にもかかわらず、前倒しで勝ちパターン継投を選択した。5日ぶりの登板となった右腕は「追いついた直後だったので仕切り直して1からリズムを作るという気持ちでした。3人で抑えられてよかったです」。速球主体でわずか6球。ベンチの期待に応えた。○...湯浅が主力を圧倒した。阿部は150キロ台の直球で押し、フォークで空振り三振。ビシエドは直球3連投で右邪飛。平田も直球で一邪飛にしとめた。連敗中だったため浜地と同様に5日ぶりの登板。「久しぶりだったけど、テンポよく投げられた。またアツアツな投球ができるように準備したい」。名前の京己(あつき)にちなんだ定番コメントで振り返った。阪神の6連敗は今季3度目。3月25日ヤクルト戦~4月3日巨人戦の開幕9連敗、4月6日DeNA戦~同14日中日戦の6連敗(1分け挟む)以来。また同一カード3連戦3連敗は、前カード8月9~11日DeNA戦に続き今季8度目。夏の長期ロード期間中の京セラドーム大阪での同一カード3連戦3連敗は、11年8月16~18日広島戦以来、11年ぶり。阪神の1試合3併殺打は今季最多タイ。8月12日中日戦以来で、今季5度目となった。

◆泥沼の連敗の中、わずかな光が差し込んだ。阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が、一時同点となる3ランで希望を示した。チーム31イニングぶりの得点を生み出した山本の犠飛の直後。3点ビハインドの5回2死一、二塁、中日橋本の132キロフォークを左翼席に放り込んだ。「右打席に立つ機会は多くはなかったけど、自分なりに準備してきたつもり。とにかく、チームが苦しい時に力になれて本当にうれしいよ」今季7本塁打のうち、右打席では2発目。これまで左投手先発時はスタメンから外れる場面も多かった両打ち助っ人の感覚は鈍っていない。意図的に右打席での打撃練習を増やすなど、工夫を重ねる日々。「しっかりベース上に覆いかぶさって、真っすぐと変化球を両方打てるように」。打撃フォームの細部までこだわり、出番に備えてきた。2試合連続マルチ安打で3番起用に応えた。8月は打率4割2分9厘、3本塁打、6打点。とりわけ大山が離脱した5日以降は20打数9安打、打率4割5分とギアが上がった印象だ。「中野、近本、大山が抜けるっていうのはチームとしても大きい。少しでも大山選手たちが抜けた穴は、カバーできているんじゃないかなって思うんですけど。それでも、今いる選手たちで頑張って戦っているので。少しでもチームの勝利に貢献できるように頑張っていきます」。仲間のためにも打ち続けるしかない。奮闘する助っ人を矢野監督も「ホームランしかないというところで、しっかりしたバッティングをしてくれた。最近いい形で打ってくれている」とたたえた。この日、5番に入ったロドリゲスは22打席連続無安打と低調。2年目助っ人が意地を見せる日々は、まだまだ続きそうだ。【中野椋】ロハスは、大山が離脱した5日以降の7試合で、20打数9安打、3本塁打、6打点、打率4割5分と大当たり。主砲不在の穴を埋めている。これで今季の本塁打は7本。阪神のスイッチヒッターによる年間最多本塁打は、70年バレンタインの11本で、52年ぶり更新の可能性も出てきた。阪神が11日DeNA戦2回から続けていた連続イニング無得点は、30で止まった。これは、開幕戦の3月25日ヤクルト5回から同29日広島戦5回にかけての28イニングを超え、今季最長。なお球団最長は43イニングで、79年8月23日ヤクルト戦8回~同30日広島戦5回に記録。阪神は1回から3イニング連続で計3併殺打。1試合3併殺打は今季最多タイで、8月12日中日戦以来5度目となった。なお3イニング連続の併殺打は、21年5月4日ヤクルト戦の1回糸原二併、2回梅野遊併、3回サンズ遊併以来。○...山本がチーム31イニングぶりとなる得点を刻んだ。4点を追う5回だった。1死から梅野が中前打。代打陽川が死球、島田も右前打でつないだ1死満塁のチャンスで中堅に犠飛を打ち上げた。今季最長の連続イニング無得点を30で止めた直後にロハスが一時同点となる3ランを放つなど、打線を目覚めさせた。

◆今季初めて1軍に昇格した阪神井上広大外野手(21)は4打数無安打と悔しい結果に終わった。「7番・右翼」で668日ぶりのスタメン出場。得点不足に苦しむ打線のカンフル剤として抜てきされた。2回の第1打席は中日橋本の136キロのフォークに空振り三振。第2打席も橋本の147キロの直球に手が出ずに見逃し三振とし、6回には2番手祖父江の変化球を捉えたが、投直に倒れた。1点を追う9回に最終打席が回ったが、守護神R・マルティネスの直球に力負けし、右邪飛と快音は響かなかった。矢野監督も井上の打席内容に愛のムチを飛ばした。「もっと振っていってほしい。だいぶ良い形になりつつあるけど、やっぱりボールを見てでは、アイツの良さも出ないし、成長もないんで。本人も努力をしているけど、もっと打っていく姿勢や1球で仕留めることをやっていかないと」。指揮官のハッパはもちろん指揮官の期待の表れだ。7月の2軍公式戦では、全16試合に4番で出場して、2本塁打、20打点、打率3割8厘。ファーム月間MVPに輝いた。試合前には「ファームでやってきたことをしっかり出せるように、思い切ってプレーしていきたいと思います」意気込んでいた井上。次のチャンスでも必死に球に食らいつく。【三宅ひとみ】

◆中日が「棚ぼた決勝点」で3連勝を決めた。同点の9回1死一、三塁で、代打木下はカウント1-2から3バントスクイズを仕かけたが高めに外され失敗。しかし捕手が捕れずに勝ち越し(記録は重盗)、03年以来の京セラドーム大阪での阪神3連戦3連勝で、対戦成績を10勝10敗に戻した。試合後の立浪監督の一問一答は以下の通り-9回にスクイズ失敗も1点を勝ち取った「当たらんぐらいに高く投げてくれてね。いい風にいっていて、(5回に)一挙に3ランで追いつかれた。こうやって粘って勝てたのは非常に大きいのかなと思う」-3バントスクイズは珍しい「空振りも覚悟で1点をここで取らないと勝てないので。結果は相手のミスだが、結果が大事」-木下を代打に送った時点でスクイズも想定「打たすつもりでいった。何とか打ってほしかったが、2ストライク目のファウルが、だいぶ差し込まれていた。バントならストライク付近なら決めてくれるかな、という願いを込めて(サインを)出したんですけど」-スクイズ絡みで2試合連続決勝点「出ているメンバーからしても、クリーンアップが打てないと、点取れないという状況。苦しい時も何とかそういう形で、今年の残り試合も、来年以降もやっていかないといけない」-昨季から4戦4敗の苦手ガンケルを攻略「阪神のチーム状況もあるが、今日は4点も取れた。いつも手も足も出ない、苦手な投手を1人ずつでも克服できればと思う」-ガンケル攻略に徹底させたのは「基本は積極的にいった。立ち上がりは、低い球で走者を出してもゴロで打ち取れる投手で制球もいい。今回は真ん中付近、甘め球は積極的にいくしかないと思っていて。今日はうまくいったが、あんまりかもにされないように点取っていかないと」-初先発の橋本も4回までは好投「良かったが、勝ちの5回を意識したのかどうか。あそこ(5回)の本塁打だけがというところ。1つ課題として。ボールの力もあったし、変化球も良いものを持っている。またチャンスはあると思う」-阪神戦は10勝10敗の五分に持ち込んだ「甲子園で1個しか勝っていない。うちはビジターで強くならないとという課題がある。また頑張っていきたい」

◆中日が「棚ぼた決勝点」で3連勝を決めた。同点の9回1死一、三塁。代打木下はカウント1-2から3バントスクイズを仕掛けた。高めに外されて三振したが、捕手が捕れずにラッキーな勝ち越し(記録は重盗)となった中日の決勝点は三好大倫外野手の本盗。本盗が決勝点は今年4月22日中日戦で丸(巨人)が記録しているが、中日では66年6月18日サンケイ戦の中暁生以来56年ぶり。この試合は、初回に一走の江藤と重盗を決めて先制点を挙げた。また、三好はこれが初盗塁。初盗塁が本盗は今年5月15日ソフトバンク戦の水野(日本ハム)がいるが、球団では68年6月12日サンケイ戦で投手の門岡が決めて以来54年ぶり。

◆阪神・井上広大外野手(21)が今季初めて1軍に合流した。この後、出場選手登録される見込み。高卒3年目の井上はファームでは4番に座り、今季ここまで83試合で打率・218、6本塁打、リーグ2位の52打点。7月は同・308、2本塁打、20打点と結果を残し、「スカパー!ファーム月間MVP賞」を受賞した。将来の右の4番候補と期待される若虎に1軍のチャンスが巡ってきた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が試合前練習で矢野監督、藤井康1、2軍巡回打撃コーチと〝三者会談〟を行った。この日も、全体練習前の早出特打に参加した主砲は、打撃練習でケージを出るたびに携帯で撮影した自身のバッティング動画をチェック。藤井康コーチと話し込みながら打撃練習を終えると、三塁で守備練習を行った後に、今度は矢野監督も交えて約10分間、指揮官は身ぶり手ぶりを交えながら4番にアドバイスを行った。佐藤輝は8月の月間打率・111(36打数4安打)、0本塁打とスランプ気味。最後は矢野監督からポンッと肩をたたかれ、笑顔でベンチへと引き揚げていった。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神・井上広大外野手(21)が「7番・右翼」で昇格即スタメンを果たした。今季ウエスタン・リーグでは83試合に出場し、打率・218、6本塁打、リーグ2位の52打点。7月は同・308、2本塁打、20打点と結果を残し、「スカパー!ファーム月間MVP賞」を受賞した。スタメン出場は2020年10月15日の中日戦(バンテリンドーム)以来。43イニング連続タイムリーなしと貧打に苦しむチームの起爆剤になる。

◆試合開始前から京セラがわいた。阪神のスタメン発表時、この日1軍に昇格した井上広大外野手(21)が「7番・右翼」でコールされると、スタンドの虎党から大きな歓声と拍手。ここ最近、貧打に苦しむ打線で、長打力が魅力の若虎に大きな期待をよせた。井上は1軍公式戦では2020年10月15日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、668日ぶりのスタメン出場。1軍でヒットを放てば、プロ初安打&初打点をマークした2020年10月16日のヤクルト戦(甲子園)以来となる。

◆阪神が再び守備のミスから失点した。0-0で迎えた三回。先発のガンケルは1死二塁で岡林に中前適時打を浴び、先制を許すと、続く後藤の打席で一塁けん制を悪送球。後藤の中飛で1死三塁とされると、阿部の打球に二塁手・糸原が追いつきながらも捕球できず、0-2とリードを広げられた(記録は二塁強襲の内野安打)。二回には三塁手・佐藤輝が悪送球するなど、この試合で早くも2失策が記録。チームは5日の広島戦(マツダ)から、9試合連続失策と守備のミスが続いている。攻撃では一回1死一塁で3番に入ったロハスが遊ゴロ併殺、二回無死一塁では5番のロドリゲスが三ゴロ併殺に倒れた。

◆阪神打線がつながらない。一回1死から山本が左前打を放つも、続くロハスが遊ゴロ併殺。二回は先頭・佐藤輝が四球もロドリゲスが三ゴロ併殺であっという間に2死となった。0-2と2点を先行されて迎えた三回は1死からガンケル、島田が連打で一、二塁の好機。しかし、ここでも山本が三ゴロ併殺。三回でまさかの3併殺と深刻だ。

◆9試合連続失策の阪神の負の連鎖が止まらない。阪神は0-2で迎えた五回の守備。先頭の土田の打球を遊撃手・山本が悪送球。1死を奪ったが岡林に中前打を放たれ、一、三塁とピンチを背負うと、後藤に2点二塁打を浴びて0-4とリードを広げられた。五回の守備を終えた段階で、2021年6月6日のソフトバンク戦(甲子園)以来となる1試合3失策。守備でリズムを作ることができず、打線も無得点が続いている。

◆阪神の先発、ジョー・ガンケル投手(30)は5回7安打4失点(自責2)で降板した。三回1死二塁から、岡林に先制の中前適時打を浴びると、自身のけん制悪送球も絡んで再び2死三塁のピンチ。阿部に二塁強襲の適時内野安打を許し、2点を先行された。五回は先頭・土田の打球を遊撃手・山本が悪送球。1死一、三塁から後藤に左中間へ2点二塁打。右腕は五回の打席で代打を送られて降板した。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が値千金の7号3ランを放った。0-4で迎えた五回。1死から梅野が中前打、代打・陽川が死球、島田が右前打でつないで満塁の好機を作った。2番・山本が中犠飛で、チームとしては11日のDeNA戦(横浜)の一回以来、31イニングぶりに得点。なおも2死一、二塁でロハスが打席に向かった。カウント1-0から2球目、橋本の132㌔変化球を振り抜くと、打球は左翼スタンドに一直線。7日の広島戦(マツダ)以来の一発は窮地に立たされていた虎を救う同点の3ランとなった。

◆中日の3年目、岡林が三回1死二塁から中前へ先制打を放った。「何とか抜けて、タイムリーになって良かった。(先発の)橋本さんに先制点をプレゼントできた」と振り返った。ガンケルの甘い球を待っての一打だった。厳しいコースに決まった速球には手を出さず、4球目の高めの直球を逃さずに捉えた。投手の足元を鋭く抜ける当たりで、塁上では両手を上げて無邪気に喜んだ。13日はスクイズなどで2打点をマーク。8番に入っている2年目の土田が出塁して、1番岡林がかえした。一夜明けての先制点も同じ形。成長著しい両者が元気よく駆け回っている。

◆阪神が接戦を落として、今季3度目の6連敗を喫した。先発のガンケルは5回7安打4失点(自責2)。9試合連続失策など味方のミスも絡み試合を作れなかった。打線は0-4の五回1死満塁から山本が中犠飛を放ち、31イニングぶりに得点すると、続くロハスが左翼席へ起死回生の7号3ランで同点。しかし九回に守護神の岩崎が1死一、三塁のピンチを背負うと、カウント1-2からスクイズを仕掛けた代打・木下に対して、大きく外したボールを梅野が捕球できず。勝ち越しの1点を献上した(記録は木下は空振り三振、一走と三走の重盗)。阪神は2カード連続の3連敗。京セラでの中日戦で同一カード3連敗を喫するのは2003年以来、19年ぶりだった。借金は3となり、巨人に抜かれ4位に転落した。

◆阪神が6連敗で4位に転落した。同点の九回1死一、三塁で岩崎優投手(31)が、カウント1ー2からの代打木下拓哉捕手(30)のスクイズの構えに、まさかの〝暴投〟(記録は重盗)。これが決勝点となった。4点を追う五回に山本泰寛内野手(28)の犠飛で31イニングぶりに得点し、54イニングぶりの本塁打となるメル・ロハス・ジュニア外野手(32)の7号3ランで同点に追いついたが、競り負けた。1軍に昇格した井上広大外野手(21)は2020年10月15日の中日戦(ナゴヤドーム=当時)以来のスタメンで4打数無安打だった。1試合3エラーのチームは9試合連続失策となりシーズン「71」。7月22日以来のBクラスとなった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(52勝55敗2分、観衆3万89人)。ーー最後はスクイズが見えて外したのか「それは俺にはちょっと分からんなぁ。その可能性はあると思うけど」ーー岩崎は1週間ぶりの登板。内容は「悪くはないと思うけどね。まあまあでも捉えられているということは、それはまあまあ、すごく良いということでもないのかなと思うけど」ーー2回失敗が続いてしまったが今後は「いやいや、そんな今終わったばっかりで、そんな決められへん」ーーロハスの一発で空気を変えたが「いやまあね、ホームランしかないなというところで、しっかりしたバッティングをしてくれた。最近、いい形で打ってくれているので。いいバッティングでした」ーー右打席で打った「いやまあ、右でも左でも打ってくれたらいいんで」ーー序盤にもうひと押しがあれば「うーん、まあまあ1個じゃないよね、やっぱり。うーん。点を取ることももちろんそうやし、最後の向こうのビシエドの守備とか、球際とか。やっぱりそういうことも課題もあるし、うん」ーー失策が続いているのも気になる「いやぁ、ね。何とかせなアカンね、うん」ーー井上を抜てきした「もっと振っていってほしいね。何かこう、若さがね。2軍の時にも、俺も2軍に行ってそういう話をアイツにして、だいぶ良い形になってきつつあるんだけど、やっぱりボールを見て、ボールを見て、というのでは、アイツの良さも出ないし、成長もない。ファームでそういう形でちょっとやっていったらどうだ? という話をして、結構、努力をしているんだろうけど、1軍でそんなに何球も打てる球って来ないんで、そういうところで、もっと打っていく姿勢っていうか、気持ちっていうか、一球で仕留めることをやっていかないと」ーー16日から遠征が続く。順調なら大山が帰ってきて雰囲気を変えてくれる?「帰って来たからって、10日間何もしてないのに、すぐに試合に復帰ってのはできひんやろ」ーーヤクルト、巨人と6連戦「やるしかないよね、待ってくれないんで。がんばります」

◆中日は九回にダブルスチールで決勝点を挙げて勝利。2003年8月19―21日の阪神戦以来、19年ぶりとなる京セラ(当時大阪ドーム)での同一カード3連勝を決めた。試合後の立浪和義監督(52)の主な一問一答は以下の通り。――九回のダブルスチールが決勝点。結果的に木下が寝かせたバットに投球が当たらなくてよかった「(ボールが)当たらないぐらい高くいきましたから、結果的に(よかった)」――1点を取れたことが大きかった「そうですね。嫌な形で、(相手にとっては)いいふうに一挙に追いつかれたので、こうやって粘って勝てたというのは非常に大きいのかなと思いますけど」――木下を代打に送った時点で状況に応じては考えていたのか「いや、もちろん打たせるつもりでいましたよ。何とか打ってほしかったんですけど、2ストライク目のファウルを見た時にだいぶ差し込まれていたので。バントならストライク付近は決めてくれるかな、と願いを込めたんですけどね」――先頭の大野奨が出塁し、つないだ「そうですね、土田がまさか打つとは思わなかったですけど。意外性の男ですね」――土田は今日も活躍「そうですね。何かつかんでくれたらいいなと思います」――苦手のガンケルから得点した「そうですね。阪神のチーム状況もあるでしょうけど、きょうは4点は取れたので。(これまでは)全く手も足も出なかったですけど。4連敗ですか。苦手な投手を一人ずつ、今年で克服していけるように、またやっていきたいと思います」――徹底したりうまくいったところは「基本的に、積極的にいったというのは。立ち上がりはやっぱり低いボールで、走者を出してもゴロが打ち取れる投手なので、制球もいいですし。真ん中付近、ちょっと甘めの球を積極的にいくしかないので。点を取られてからは向こうもイライラしていたので。きょうはうまくいきましたけど。カモにされないように点を取っていかないと」――連日、小技を絡めて得点。勝つためにはなりふり構わず「いや、そういう、そんな出ているメンバーからしてもクリーンアップが打てないとなかなか点を取れないという状況でもあるので」――橋本がプロ初先発で5回7安打4失点「良かったんですけどね。勝ちの(投手の権利を手にする)五回を意識したのかどうか。多少は意識はあるんでしょうけど、あそこ(五回2死でロハス)のホームランだけはというところでホームランを打たれてしまったので、一つ課題として、いいものも出してくれたので、ボールの力もありましたし、変化球もいいものがあるので、またチャンスはあると思うので次につなげてもらいたいなと思います」――阪神戦10勝10敗で星を戻した「甲子園で1個ぐらいしか勝てていないので。ウチはビジターで強くなるという課題もあるので、また頑張っていきたいと思います」

◆通算45試合目の登板で初先発した中日の橋本は5回4失点。四回まで辛抱強く無得点に抑えたが、4―0の五回に山本の犠飛とロハスの3ランで追い付かれ「リードを守ってマウンドを降りたかった」と悔いた。一回から3イニング続けて併殺打でピンチの芽を摘むなど、持ち味の粘りを随所で発揮。立浪監督は3年目のサウスポーについて「(勝利投手の権利を得る)五回を意識したか。またチャンスはあると思う」と話した。

◆中日・後藤駿太外野手(29)が「2番・中堅」で出場し、オリックスからの移籍後、初打点をマークした。「なかなか得点圏で、チャンスで打てていなかったので、犠牲フライでも何でも追加点と思い、打席に立ちました」2―0の五回1死一、三塁だった。高めのツーシームをとらえると、打球は左中間へ。2人の走者をホームへ迎え入れ、点差を4点に広げた。結果的にタッチアウトにはなったが、相手の守備にも視線を送り、一気に三塁を陥れようという果敢な走塁も見せた。7月にオリックスからトレード移籍で加入。「いい人たちばっかりで、やりやすい環境を最初から作ってくれているので、のびのびやらせてもらっている」とすでにチームに溶け込んでいる。大島が新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱し、巡っているスタメンのチャンス。この3連戦の舞台は約1カ月前まではホームグラウンドだった京セラだ。試合前も試合中も、左翼上段や内野席で自らのタオルを掲げたり、ユニホームを着てくれているファンの姿は目に映っていた。変わらず応援してくれているナニワの駿太ファンの応援も力に変えれば、3試合連続でHランプを灯して感謝の思いを届けた。これまで、この京セラでは一塁ベンチからグラウンドを見つめることが当たり前だったが、思うような結果が残せなかったこともあり「一塁ベンチから、というのは最近、最近あまりいいイメージがなかった」と心境も吐露。だからこそ、三塁ベンチから見つめるグラウンドは「すごく新鮮で、いいなと思いながら(見ていた)」。新しいプロ野球人生を歩み始めたことを一層、実感する3連戦にもなった。

◆阪神は中日に4―5と競り負け、2カード連続で3連戦3連敗で連敗は「6」に伸びた。九回に登板した岩崎優投手(31)が1死一、三塁のピンチを招いて重盗を許し、勝ち越された。コロナ禍で主力を欠き、1つも勝てなかった1週間を象徴するかのように拙攻拙守のオンパレードで借金「3」に逆戻りし、単独4位に転落。矢野燿大監督(53)は「やるしかない」と絞り出すしかなかった。捕手と打者が飛び上がる。歓声とどよめき。バックネットに投球が直撃する衝撃音。拙攻拙守が混ざり合い、1週間は6連敗で幕を閉じた。言葉を絞り出した矢野監督も、登板2戦連続で黒星を喫した岩崎に今後も守護神を託し続けるとは、即答できなかった。「いやいや、そんな今終わったばっかりでそんな決められへん」6日の広島戦(マツダ)で5-2の九回に悪夢の「4x」を刻まれ、逆転サヨナラ負け。9日の火曜日もベンチ入りメンバーから外れ、中7日と十分に間隔を取ったはずだった。だが、4-4の九回。2安打で1死一、三塁のピンチを招き、木下がスクイズを試みた瞬間、岩崎の左手を離れたボールはショッキングな軌道を描いた。構えが見えて本能的にそうしたのか、梅野がジャンプしても届かないほど高く外れた。投球が後方へ突き抜ける間に、スタートしていた一走と三走が進塁。三振と重盗が記録され、虎は決勝点を献上した。首位ヤクルトが連敗を止めたため、また10ゲーム差になった。勝利した巨人にも抜かれ、4位に転落。中野、近本、大山の不在は痛恨だとしても連日連夜、攻守両面においてまともに戦えずに、投手が悲鳴を上げる展開を繰り返した。この日のゲームに、すべてが凝縮されていた。4番の佐藤輝は14打席連続無安打。2試合ぶりに先発出場し、5番に入ったロドリゲスは22打席連続無安打。五回に31イニングぶり得点が生まれ、ロハスの同点3ランも出たものの、一回から三回まで連続で併殺打。拙攻だけでなく、もはや見慣れつつある拙守も繰り返した。三塁・佐藤輝の悪送球にガンケルのけん制悪送球、そして遊撃・山本にも悪送球が出て、五回までに3失策。5日の広島戦(マツダ)からチーム9試合連続失策で、リーグワーストの失策数は「71」まで伸びた。踏ん張りどころで、ズルズル引き下がる地獄のような1週間になった。矢野監督も「点を取ることももちろんそうやし。最後(九回)のビシエドの守備とか(のような)、球際(への強さ)とか。やっぱりそういうことも課題もある」と受け止めるしかない。16日からはヤクルト、巨人とビジター6連戦。将は「やるしかない」。長期ロードはまだまだ続く。このままでは順位も地獄の底からも、もっともっと下に落ちてしまう。(長友孝輔)

◆繰り出す立浪采配がズバズバ決まり、中日は京セラドームで19年ぶりとなる同一カード3連勝。指揮官の勝負勘が光った。「もちろん(木下には)打たせるつもりでいましたよ。何とか打ってほしかったんですけど、2ストライク目のファウルを見たときに、だいぶ差し込まれていたので」4-4の九回1死一、三塁で代打・木下を起用。2日前には2ランを放っていたが、岩崎に対するスイングを見るや、追い込まれてからでもサインをスクイズに変えた。ここで左腕が投じた一球は大暴投。木下は飛びあがりながら当てにいくも当てられず空振り三振となったが、この間に重盗が決まり、決勝点となった。2―0で制した13日も、セーフティースクイズと内野ゴロでのギャンブルスタート(記録はともに野選)で得点。貧打に悩むなかで積極的に仕掛け、5位広島に3ゲーム差と迫ってきた。「嫌な形で一挙に追いつかれたので、こうやって粘って勝てたというのは非常に大きい」と竜将。次につながる1勝だ。(須藤佳裕)プロ初先発で5回4失点だった中日・橋本 「(援護の)4点をもらっていたが(五回にロハスの)ホームラン一発で追いつかれてしまった。リードを守ってマウンドを降りたかった」五回、左中間2点二塁打でオリックスから移籍後初打点を挙げた中日・後藤 「オリックス時代のユニホームとか、タオルとかを持って応援してくれている人たちも多かったので、とてもうれしかった」

◆勝てないチームにふさわしい(?)衝撃的な決勝点の奪われ方だった。スクイズ! ウエスト! 〝暴投〟となり、三塁走者が生還!隣の席でトラ番キャップ・長友孝輔がつぶやいていた。「大きく外すのではなく、逆にワンバウンドを投げていたら、梅野だったらホームベースの前で止めて、ひょっとしたらアウトにできていたかも...。そんなことを考えたくなりますね」なるほどなぁ。その手があったかも? と思ったりもするが、まずはあの状況でスリーバントスクイズのサインを出す勇気を持っている中日・立浪監督をホメよう。以前にも、苦手・青柳から簡単に点は奪えないと思って、一回から本盗を試みてきたこともあった(結果は失敗だったが)。選手任せにすることなく「自分が責任を負う采配」を貫いている。岡林や土田という、あの監督が好みそうな選手を使い続けて、順調に成長している。「虎だけを愛するファン」には申し訳ないが、敵ながらあっぱれ、と思い続けた3連戦3連敗だった。野球は難しい。あれだけ点が取れない、連続イニング無得点が伸びた、と大騒ぎしていたのに、五回にロハスがドカンと3ランを打って、スタンドも、記者席のわがトラ番部隊も大喜び。「きょうは勝てる」そう油断したら、六回から九回まで1本のヒットも打てなくなった。プロではない、素人軍団のトラ番は嘆き、祈り、ボヤくしかない。試合前のこと。トラ番たちと一緒に高校野球を眺めていた。決して仕事をさぼっていたわけではない。「うらやましいなぁ」「なんで、あんなに簡単に点が入るんだろう」「阪神に少しぐらい分けてくれてもいいのになぁ」阪神の練習に熱視線を送りながら、同時に見ていたパソコン画面に映っていたのは、大阪桐蔭の猛爆だった。聖望学園だって、あのタテジマのレジェンド・鳥谷敬氏を生んだ、野球が強い高校だ。激戦の埼玉県を勝ち抜いてきた。甲子園に出てきたら優勝候補の一角に挙げられていただろう、浦和学院を破ってきている。そんな強豪を木っ端みじんに粉砕した大阪桐蔭の実力が半端ないのは、重々承知している。が、それにしても、簡単に点が入る。あきれるばかりだ。阪神が敗れると、試合後の記者席も一気に重苦しくなる。そんな中、笑顔で「お先に失礼します」と家路に就くヤツがいた。トラ番・織原祥平だった。この男、この夜の記事は始球式のみだったのだ。スーパーアイドル、NMB48の小嶋花梨さんを代表取材。「やっぱりアイドルの取材は緊張しますねぇ。あれだけかわいい女性と至近距離になることはないですから。ただ、野球は詳しくないようで、キャッチしてくれた人、と話していたので、あれが梅野さんです、と僕が教えてあげました」能天気に自慢話をしていた。でも、その記事だけで終わるなんて許されるのか。キャップ長友がニヤリと笑った。「楽させるのはきょうだけ。彼には明日以降、地獄が待っていますよ」阪神には、これ以上の地獄が来ませんように。

◆グェ~ッ! ヘドが出るほど阪神にも、そして自分にも嫌気がさす6連敗だったのだ!!大山、中野、近本の虎の頼れる三本の矢がコロナで折れてんだから、そういうときこそ、仕事をしなきゃいけないのが助っ人、外国人やろー!!それが、一回はロハス、二回はロドリゲスとともにゲッツーで中日の助っ人になっとるやんかー(怒)。もう、今季は2度と助っ人は使わんでエエわ!! と絶叫したら五回にロハスがよもやよもやの同点3ラン。「よっしゃあ! やっぱりビックリ箱でも助っ人は必要や!!」と手のひらをあっさりと返す俺...。ところが九回に岩崎がやっぱり万全でなく、決勝点を許して、ジ・エンド...。う~ん、頼むよ(涙)...。阪神ファンの中には岩崎を信用していない者が実は多くて。俺は今季最初はストッパー構想ではなかったんだから、徐々に完璧に近付くからもう少し待ったってー!! と豪語していたのに...、シュン。てか、コロナで得点が取れないのとエラーが増えるのは全く別物だから、真剣にやれや。虎の1軍半軍団!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
60431 0.583
(↑0.005)
-
(-)
39451
(+4)
401
(+1)
127
(+2)
58
(-)
0.252
(-)
3.440
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
50472 0.515
(↓0.006)
7
(↓1)
44345
(+1)
376
(+4)
72
(-)
34
(+1)
0.250
(↓0.001)
3.440
(↓0.01)
3
(-)
巨人
53541 0.495
(↑0.004)
9
(-)
35423
(+3)
469
(+2)
127
(+1)
50
(+1)
0.245
(↑0.001)
3.930
(↑0.02)
4
(1↓)
阪神
52552 0.486
(↓0.005)
10
(↓1)
34365
(+4)
316
(+5)
68
(+1)
81
(+1)
0.238
(-)
2.550
(↓0.01)
5
(-)
広島
51553 0.481
(↓0.005)
10.5
(↓1)
34420
(+2)
411
(+3)
64
(-)
21
(-)
0.255
(-)
3.470
(-)
6
(-)
中日
46561 0.451
(↑0.005)
13.5
(-)
40304
(+5)
372
(+4)
53
(-)
39
(+3)
0.247
(-)
3.450
(-)