ロッテ(★3対8☆)日本ハム =リーグ戦16回戦(2022.08.14)・ZOZOマリンスタジアム=
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日本ハム
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ロッテ
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勝利投手:加藤 貴之(5勝4敗0S)
敗戦投手:小島 和哉(2勝8敗0S)

本塁打
【ロッテ】荻野 貴司(4号・1回裏ソロ)

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◆日本ハムは初回、2死一三塁からダブルスチールで近藤が生還し、1点を先制する。直後に同点とされるも、3回表には今川と万波の適時二塁打で3点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、先発・加藤が6回2失点で今季5勝目。敗れたロッテは、投打ともに精彩を欠いた。

◆日本ハムが初回に重盗で先制点を挙げた。1回2死一、三塁の場面。一塁走者の野村佑希内野手(22)が二盗のスタートを切ると、ロッテの佐藤都志也捕手(24)は二塁へ送球。その瞬間に三塁走者の近藤健介外野手(29)は本塁へスタート。佐藤都からの送球を受けた二塁手の中村奨吾内野手(30)がすぐに本塁送球も、わずかに近藤のスライディングした足が早くホームベースに到達した。大好きな一、三塁の場面で仕掛けた作戦が成功したBIGBOSSこと新庄剛志監督(50)も拍手しながら笑顔を見せた。しかし、その裏にロッテの1番荻野貴司外野手(36)が4球目を捉えて先頭打者本塁打を放って、すぐに同点とされた。

◆日本ハム万波中正外野手(22)がプロ初犠打を決めた。1-1で迎えた2回無死一塁の場面。初球をセーフティーバントで、投手と捕手の間へ転がし、完璧な形で一塁走者を二塁へ進めた。惜しくも得点にはつながらなかったが、4年目で初めて犠打を成功させた万波が三塁側ベンチへ戻って来た時には、BIGBOSSこと新庄剛志監督(50)も拍手で出迎えた。

◆日本ハム今川優馬外野手(25)が3回、勝ち越し打を放った直後に三塁側の自軍ベンチへ向かって"謝罪"した。2死二、三塁の場面で中越え適時二塁打を放ったが、二塁ベースに到達しても渋い表情。三塁側ベンチを向いて目をつむりながら両手を合わせる謝罪ポーズを見せた。理由は適時二塁打を打つ直前の攻撃。1死満塁の状況で打席が回った今川がカウント2-1となると、4球目に新庄剛志監督(50)はエンドランのサイン。投球と同時に3人の走者が一斉にスタートを切ったが、今川は空振り。三塁走者が盗塁死でアウトとなった。痛恨の空振り直後の5球目に、失敗を取り返すタイムリーとなってBIGBOSSは拍手を送ったが、今川は反省しきり。「執念とか言ってられません。ごめんなさい...」としつつも「執念」と絞り出していた。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が5回の守備から「2番二塁」でスタメン出場していた中島卓也内野手(31)を途中交代させた。遊撃が本職の中島は3回と4回に一塁への悪送球による失策を記録。3回は失点に結び付いていた。5回表終了時点で4-2と2点リードの状況。中島は攻撃では初回に犠打を決めて先制点をお膳立てし、3回と4回には二盗を成功させるなどしていたが、シビアに交代を決断した。中島の代わりに谷内亮太内野手(31)が二塁守備に就いた。

◆ロッテ荻野貴司外野手(36)が自身15本目となる初回先頭打者本塁打を放った。1点を先制されて迎えた初回。チームが苦手としている日本ハム加藤のカウント1-2からの4球目、内角寄りの直球をすくい上げ、左翼席へ運んだ。球団広報を通じ「とにかく塁に出ることだけを考えていった結果が、良い形になってくれました」とコメントを寄せた。この試合は「心躍る、夏のボールパーク」をコンセプトにした夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEKEND2022」として行われ、選手たちも黒を基調にライトパープルを差し色にしたユニホームで戦う。荻野は7月29、31日のオリックス戦に続き、同イベント試合で3本目の初回先頭打者弾をマーク。日没前ではあったものの、右中間の場外からは花火が打ち上げられた。

◆ロッテ小島和哉投手(26)が3回途中7安打4失点でKOされた。前日13日が雨天中止でスライド登板となったこの日、初回に2安打に重盗を絡められ先制された。3回は相手のエンドラン失敗がありながら、直後に今川に2点適時打二塁打を浴び、さらに万波にも適時二塁打。4失点となったところで、首脳陣がベンチ内で協議に入り、走者を2人残して2番手広畑に交代となった。試合開始から1時間たたない中での降板。試合中、球団広報を通じ「イニングの先頭をアウトに取ることを心がけていましたが、それができなくて、自分の投げる球を操ることができませんでした」とコメントした。昨季は10勝を挙げたものの、今季はここまで2勝7敗と黒星が大きく先行している。この日は直球、変化球ともに制球が安定せず、61球を投じてストライク率は約52%にとどまった。

◆日本ハム梅林優貴捕手(24)が好判断でピンチを切り抜けた。2点リードの5回1死一、二塁の守備。一塁走者は中村奨、二塁走者は高部という状況でロッテは重盗を仕掛けてきたが、梅林は三塁ではなく二塁へ送球して中村奨の二盗を阻止した。この判断にBIGBOSSこと新庄剛志監督(50)も思わず拍手。2死三塁と1発を打たれても同点止まりという状況に変わり、打席の4番山口は先発加藤貴之投手(30)が投ゴロに抑えて無失点で切り抜けた。強肩が売りの梅林が、ピンチの場面で冷静な判断と正確な送球を見せてチームを救った。

◆ロッテが終始流れをつかめず敗れた中で、ドラフト3位ルーキーの広畑敦也投手(24=三菱自動車倉敷オーシャンズ)が、試合中盤を引き締めた。先発小島が乱れ、3回2死二、三塁で2番手として登板。四球は出したものの、さらなる追加点は防いだ。4回、5回も走者は出しつつ、140キロ台後半の直球にカットボールやカーブを混ぜ、攻め込んだ。際どい判定もありながらの無失点リリーフに井口資仁監督(47)も「いい球がいっていたんじゃないですか」と好投を評価した。4回には中堅高部の三塁への悪送球をカバーリングし、ミスでの失点を防ぐ場面もあった。即戦力右腕として期待された今季は、4月からリリーフ登板を重ねるも失点も目立つようになり、4月下旬には防御率が9点台まで膨れあがったことも。一時期は2軍で登板を重ね、この日の無失点リリーフで防御率は4点台にまで改善してきた。【金子真仁】

◆"左のエース"が、新型コロナからの完全復活をアピールした。日本ハム先発の加藤貴之投手(30)が、1カ月ぶりに実戦復帰。スライド登板も意に介さず、6回2失点で5勝目を挙げた。「1カ月間、不安だったけど、無事に投げられて良かった」と、ホッとした表情。「出遅れたぶん、最後までいられるように頑張っていきます」と、表情を引き締めた。

◆ロッテは5位の現状を象徴するような試合だった。先発小島が序盤に失点。井口監督も「相手の作戦ミスでこっちに流れが来たところでまた打たれたりと。今年のリズムの悪いそのままが今日出ていたので」と3回途中で降板させた。打線は残塁量産で追いつけず、ビハインド登板の救援陣がミス絡みで点差を拡大。今季の課題が随所に出た。「守り勝ててないというところが今年はずっとありますので。このままずるずるいくわけにはいかない」と表情を険しくした。最下位日本ハムとは5ゲーム差あるものの、今季は辛勝または完敗の傾向がやや強く、チーム得点、失点ともリーグワーストになっている。

◆日本ハム万波中正外野手(22)がプロ初犠打を決めた。2回無死一塁で、セーフティーバントをきっちり捕手前に転がした。新庄監督は「練習させたんですよ。本人が一番喜んでいた。快感だったんじゃないですか?」とニンマリ。3回2死一、二塁の追加点機では、今度は「打て」のサインに左翼線への適時二塁打で応えた。万波は「意気に感じていきました」と、興奮気味だった。

◆日本ハムが序盤から、あらゆる作戦を仕掛けて打ち勝った。1回は重盗で先制点を奪い、3回にはエンドランを失敗した今川優馬外野手(25)が決勝打。2回には万波中正外野手(22)がプロ初犠打を決め、8回には近藤健介外野手(29)がエンドランを成功させるなど8点を奪った。投げては新型コロウイルス陽性判定から復帰先発となった加藤貴之投手(30)が6回2失点(自責1)と好投して5勝目。BIGBOSSこと新庄剛志監督(50)の主な一問一答は以下の通り。新庄監督 久々、決まったって感じ。ダブルスチール。-1回の重盗の前に一塁走者の近藤がけん制で飛び出した時のサインは?新庄監督 あれは、グリーンライト。スチール(盗塁)を行けるタイミングを計って、行ってくれっていうサイン。-誘い出されてしまった新庄監督 そうそうそう。ああいう、行こうっていう気持ちが大事なので。ああいうこともある。-3回1死満塁で空振りした今川選手は...新庄監督 (質問に食い気味に)エンドラン。エンドランでガチンと外野の間を抜けて2点のイメージ。(空振りしたのは)ストライクだったでしょ? でも、あの空振りがあったから(その後の2死二、三塁で)もっと集中して左中間に打てた...って思うようにしました(笑い)。-失敗は、取り返したらいい?新庄監督 ダメです。あそこはやっぱり決めて1点でも。2点入るとは思っていないからね。1点ずつ。で、近藤くんは(8回に)しっかりエンドラン、ライト線。あの辺ですかねぇ。-加藤は粘りの投球新庄監督 ね。体力的にどうだったかなって。表情はまだいける感じでしたけど。でもね、久々に投げたから精神的にも疲れただろうし。まあ、勝って疲れも半減しただろうし。復帰して勝ちが付いたのは、すごいよかったと思います。-2回の攻撃で万波に送りバント新庄監督 練習させたんですよ。本人が一番喜んでいた。「決まったー」って。ヒット打ったような気持ち、快感だったんじゃないですか? 相手にもね、万波くんでもバントあるよ、清宮くんでもあるよって分からせてあげたら、ああいうケースで(内野手が)前に来てヒットゾーンが広がる。まあ、たぶん誰でも(バントが)あるって思うでしょう。(自ら1回の重盗について)良かった、今日はセカンドに投げてくれて。でも、危なかったですよ。いいタイミングのスタートは切りましたね。ウチのチームくらいじゃない? あんな序盤に考えさせて。セカンドに送球する? サードにする? 投げない? これ、駆け引き。3パターンくらいの駆け引きを僕が楽しんでいる。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が5回の守備から「2番二塁」でスタメン出場していた中島卓也内野手(31)を途中交代させた。代わりに谷内亮太内野手(31)が二塁守備に就いた。遊撃が本職の中島は、3回1死一、二塁の守備で遊ゴロを捕球した上川畑からの送球を二塁で受けた後の一塁へ悪送球し、二塁走者が生還(記録は失策)。4回には二ゴロを処理も、再び一塁送球がそれて、この日2個目の失策を記録していた。試合後に中島を交代させた理由を問われた新庄剛志監督(50)は「あれは2つともね、プロだったらしっかりアウトを取らないといけないし、ピッチャーがガクンとなる。(失策)3つ目となる前に。そういうシーズンにしているから。本人も分かっている。その前に2本ホームラン打っていようが、ああいうプレーをしたら代えます」と、毅然(きぜん)と説明した。BIGBOSSは7月30日楽天戦(楽天生命パーク)でも、中堅守備で適時失策した万波中正外野手(22)を、失策直後に交代させていた。今回も方針をぶらさず、交代を決断した。

◆日本ハム梅林優貴捕手(24)の冷静な判断がロッテの反撃の芽を摘んだ。2点リードの5回1死一、二塁。打者山口の2球目に二走の高部と一走の中村奨がスタートを切った。重盗を仕掛けられた梅林は三塁ではなく二塁へ送球して二盗を阻止した。「高部のスタートを見た瞬間に、これはセカンド(スロー)だなと思った」。2死三塁と、本塁打以外では同点とならない状況として最後は山口を投ゴロ。試合の流れを、渡さなかった。瞬時に最良の選択が出来た伏線は3回の守備にあった。「その時も高部がセカンドに行って三盗を狙う動きがあった」。マスク越しで見たリードを大きく取る残像は5回も同じだった。走ってくる気配を感じながら状況も整理した。「右打者で無理に三塁へ投げるよりも二塁で1アウト。打者を打ち取るイメージもあった」。三塁送球の際に右打者の山口は"障壁"となる。ならば、二走を見てからスタートする一走を二塁で刺す-。高部の好スタートも"ダメ押し"となり、イメージを体現した。強肩が売りの大卒3年目捕手は今季1軍デビューしたばかりだが、横一線の競争をさせている新庄監督の下でレギュラー争いの渦中にいる。山田バッテリーコーチから「取材? まだ早いって。全然早いから(笑い)」といじられた梅林は「(同コーチからは)ほめられは、してないです」と苦笑い。それでもBIGBOSSからは「あれはいいプレー。サードに投げていたらセーフっぽかった。いい判断」と、ほめられた。チームを勝利へ導いたワンプレーは、正捕手取りへ大きなアピールにもなった。【木下大輔】

◆日本ハム今川優馬外野手(25)が"謝罪決勝打"を放った。ロッテ16回戦(ZOZOマリン)の3回に試合を決める2点中越え適時二塁打をマークした。直前にエンドランのサインで空振りした失敗を一振りで取り返してみせたが、二塁塁上では両手を合わせて"ごめんなさい"。ヒーローは試合後も反省に明け暮れたが、チームを勝利に導く一打を放ったのは気落ちせずに名誉挽回した今川だった。今川は殺気立っていた。「本当に死ぬ気で打ちにいきました」。3回2死二、三塁の場面。ロッテ小島が投じたスライダーに食らい付いた。打球は前進守備だった中堅手の頭を越えた。決勝2点適時二塁打。それでも、二塁塁上で笑顔はなかった。三塁側の日本ハムベンチへ向かって、両手を合わせて"ごめんなさいポーズ"。「本当にすみませんでしたという思いでした」。理由は直前で作戦遂行を失敗していたからだ。打席に入った時は3回1死満塁の場面だった。カウント2-1からの4球目。サインはエンドラン。満塁の場面では超異例の作戦だが、BIGBOSSなら「なんか出そうな雰囲気はあったので、準備はしていました」。134キロのカットボールが内角へ。バットを出したが、空振り。「僕の技術不足です」と、三塁走者の中島が盗塁死となってしまった。少しだけ打席から外れて、反省しながら心を落ち着かせた。「いつもだったら引きずって三振とか、あまり良くない結果が続くことが今まであった。引きずらないのは100%無理でしたけど、何とかって感じでした」。もう1度、心を奮い立たせて次の5球目を仕留めた。新庄監督も「あの空振りがあったから、もっと集中して左中間に打てた...って思うようにしました」と苦笑いで振り返った。だから、試合後も"謝罪"は続いた。「本当たくさん申し訳ないなと。本当ごめんなさいという感じでした」。1度は納得しかけたBIGBOSSも、8回にエンドランを決めた近藤を引き合いに「ダメです。あそこは、やっぱり決めて1点でも。近藤くんはしっかりエンドラン、ライト線。あの辺ですかねぇ」と、注文した。もちろん今川も分かっている。「ああいう緊迫した場面でボスのサインを実行できないと、レギュラーは取れない。信頼もつかめない」と自分に言い聞かせて、球場を後にした。【木下大輔】

◆ロッテ・荻野貴司外野手(36)が「1番・左翼」で先発出場し、通算15本目の先頭打者本塁打となる同点4号ソロを放った。0-1、一回先頭で相手先発、加藤の4球目を左中間スタンドに運んだ。球団広報を通じて「打ったのはストレートかシュートです。とにかく塁に出ることだけを考えていった結果が、良い形になってくれました。なかなか(味方先発の)小島を援護できている試合が少ないので、今日はしっかり、次の打席も打てるように頑張ります」とコメントした。

◆新型コロナウイルスに感染し離脱していた日本ハム・加藤が、約1カ月ぶりに先発で復帰登板。6回8安打2失点(自責点1)と力投した。「初回から全力で頑張ります。いつも通り投げられたら」と意気込んでいた左腕は、一回先頭の荻野に同点ソロを浴びたが、以降は落ち着いてアウトを重ねた。三回に4―1と勝ち越した直後にも味方の失策から1点を失ったが、最少失点で切り抜けた。7月16日に受けたPCR検査で陽性が判明。40度近くまで発熱し、療養中に体重が約5キロ減ってしまった。7月下旬にようやく外での練習を再開し、実戦形式は8月7日に2軍でシート打撃に1度登板しただけで、この日を迎えた。前半戦はプロ初完投完封を『マダックス』(100球以内での完封)で達成するなど、15試合で4勝4敗、防御率1・79と安定した投球を続けてきた。自己最多はルーキーイヤーの2016年に挙げた7勝(3敗)。ようやく自身の後半戦が開幕し、「ここから最後まで、しっかりとチームに貢献できるように頑張ります」と巻き返しを誓った。(箭内桃子)

◆日本ハム・新庄剛志監督(50)が2失策を喫した中島卓也内野手(31)を懲罰交代させる場面があった。中島は「2番・二塁」で先発出場。三回1死一、二塁で高部(ロッテ)の遊ゴロで「6―4―3」の併殺を取りたいところで、一塁への送球が逸れて二走が生還する適時失策を犯してしまった。さらに四回1死では岡のゴロを処理したが一塁悪送球。2失策を喫し、五回の守備からベンチへ下げられた。五回からは代わって谷内が二塁に就いた。新庄監督は中島の交代について「2つともプロだったらしっかりアウトを取らないといけない。ピッチャーがガクっとくる。3つ目いく前にちょっと(交代を)ね。そういうシーズンにしているから本人もわかっていると思う。その前に2本ホームランを打っていようが、ああいうプレーをしたら代えます」と厳しい表情だった。

◆10月に37歳を迎えるロッテ・荻野が、通算15本目となる先頭打者弾となる4号ソロを放った。「とにかく塁に出ることだけを考えていった結果が、良い形になってくれました」1点を先制された直後の一回の先頭で、加藤の4球目をはじき返し、左中間席へほうり込んだ。ロッテの先発は、好投しながらもまだ2勝の小島。頼れる切り込み隊長は「なかなか援護できている試合が少ないので、今日はしっかり次の打席も打てるように頑張ります」と、三回の第2打席は死球で出塁した。しかし、その左腕が誤算だった。三回途中までに7安打を許し、3四球も絡んで4失点。「先頭をアウトに取ることを心掛けていましたが、自分の投げる球を操ることができませんでした」と、試合の流れを引き寄せられなかった。チームは試合前の時点で、49勝54敗1分けの5位。3位・オリックスとは4ゲーム差に開いた。16日からはオリックス、楽天、西武と上位との対戦が続く。Aクラス入りのためには攻守に一枚岩となり、食らいつくしかない。

◆日本ハムの今川が汚名返上となる勝ち越しの2点二塁打を放った。1―1の三回1死満塁で2ボール1ストライクから、新庄監督のヒットエンドランのサインで空振り。三塁走者が挟まれてアウトになり、2死二、三塁と好機がしぼみかけたが、直後の低めのスライダーに食らい付き、左中間へ運んだ。ただ、ミスの後だけに「本当にすみませんという思い。何とか取り返せるようにと必死にバットを振った」と喜びは控えめ。二塁到達後はベンチに向かって手を合わせ、頭を下げた。

◆日本ハム・松本剛外野手(29)が16日の楽天戦(札幌ドーム)から1軍に復帰する見通しとなった。松本は7月19日のオリックス戦(京セラ)で左膝に自打球を受け、負傷。左膝蓋骨下極骨折と診断され、リハビリを続けていた。この日、イースタン・DeNA戦(平塚)で「5番・DH」で先発出場し、実戦復帰。1打数1安打としていた。プロ11年目の今季は開幕から安打を量産し、打率・355はリーグトップに立つ。首位打者のタイトルを獲得するべく、規定打席に到達するためには残り37試合で110打席が必要となる。新庄監督は「骨折って今の時代、そんなに早く治るんだ」と驚きながらも「本人が大丈夫って言えば、大丈夫」と笑顔。さらに打率を維持したまま打席数を増やす作戦として「1番バッターが出て、(2番・松本に)バントを多めにさせようかな」と〝奇策〟を披露していた。

◆新型コロナウイルス感染から復帰登板した日本ハム・加藤貴之投手(30)が、6回8安打2失点(自責点1)で5勝目をつかんだ。「不安だったんですけど、無事に投げられてよかった」登板は7月14日の楽天戦(静岡)以来、1カ月ぶり。一回先頭の荻野に同点ソロを浴びたが、左腕は「切り替えて投げられた」と慌てなかった。同16日に受けたPCR検査で陽性が判明。40度近くまで発熱し、体重は5キロほど減った。チーム内に感染が広がった影響で2軍戦は中止が続き、実戦形式は8月7日にシート打撃に登板しただけで、この日を迎えた。自己最多は2016年の7勝。「出遅れた分、最後までいられるように頑張っていきます」と力を込め、プロ7年目でキャリアハイも見えてきた。(箭内桃子)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
57483 0.543
(↓0.005)
-
(-)
35367
(+3)
317
(+4)
91
(+1)
53
(-)
0.232
(-)
2.500
(↓0.01)
2
(-)
ソフトバンク
53472 0.530
(↓0.005)
1.5
(-)
41377
(+2)
348
(+10)
72
(+1)
60
(-)
0.254
(↓0.001)
3.160
(↓0.07)
3
(-)
ORIX
57530 0.518
(↑0.004)
2.5
(↑1)
33364
(+10)
342
(+2)
59
(-)
49
(+2)
0.248
(↑0.002)
2.740
(↑0.01)
4
(-)
楽天
51502 0.505
(↑0.005)
4
(↑1)
40381
(+4)
355
(+3)
73
(+2)
74
(-)
0.246
(-)
3.310
(↑0.01)
5
(-)
ロッテ
49551 0.471
(↓0.005)
7.5
(-)
38340
(+3)
393
(+8)
66
(+1)
98
(-)
0.225
(↑0.001
3.300
(↓0.02)
6
(-)
日本ハム
44602 0.423
(↑0.006)
12.5
(↑1)
37348
(+8)
385
(+3)
81
(-)
72
(+4)
0.234
(↑0.001
3.400
(↑0.01)