広島(☆4対1★)ヤクルト =リーグ戦17回戦(2022.08.10)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:九里 亜蓮(5勝7敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝1敗21S))
敗戦投手:星 知弥(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】小園 海斗(6号・4回裏ソロ)

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◆広島は初回、西川の適時打などで2点を先制する。続く2回裏に野間の適時二塁打で1点を加えると、4回には小園のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・九里が6回無失点の好投で今季5勝目。敗れたヤクルトは先発・星が試合をつくれず、打線も1得点と振るわなかった。

◆広島野間峻祥外野手(29)が好調を維持している。8月の成績は6試合で27打数11安打、打率4割7厘。月間11安打は島田(阪神)と並んでリーグ最多タイで、3日DeNA戦から5試合続けて複数安打中。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手が、11試合ぶりにスタメンから外れた。7月23日広島戦(神宮)以来のベンチスタート。後半戦9試合では40打席でわずか3安打、打率は0割8分5厘と急降下。直近では10打席連続安打がなく、不調に陥っていた。チームは4連敗中とあって、打線組み替えで連敗脱出を図る。

◆令和初の3冠王を狙うヤクルト村上宗隆内野手(22)が、前夜の勢いのまま安打を積み上げた。3点を追う展開で2死一塁、カウント1-1から広島九里のカットボールをとらえ一塁強襲。一塁坂倉のミットをはじいてファウルゾーンへ転がった。前日には3安打猛打賞で打率が急上昇。2毛差で中日大島に肉薄し、3冠王が現実味を帯びていた。4番が着実にヒットを重ね、反撃の糸口を探った。4連敗中のチームは、連敗脱出に打線組み替えで臨んだ。リードオフマンを担う塩見が11試合ぶりにスタメンから外れた。後半戦9試合では40打席でわずか3安打、打率は0割8分5厘と急降下。直近では10打席連続安打がなく、不調に陥っていた。高津監督は前夜の敗戦後「ぜひ点を取れるようにしていきたいと思います」と、打開策を模索。1番に山崎を起用したが、劣勢の展開を強いられた。3年ぶりに先発した星は3回6安打3失点で降板。4回から登板した木沢が、先頭小園にソロアーチを浴び、リードを広げられた。同監督は「リリーフ陣もつないでつないでってやっていけばいい」とブルペンデーを覚悟して臨んでいた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、3回に一塁強襲の安打を放つも「3冠王」浮上とはならなかった。広島九里のカットボールをとらえ、一塁坂倉のミットをかすめファウルグラウンドに転がった。このとき、打率は3割2分4厘としたが、6回と8回の打席は凡退。結果的には3割2分2厘で、DeNA佐野の3割2分4厘に2厘及ばず。39本塁打、98打点は独走も打率は2位のままとなった。試合は敗れ、チームは今季2度目の5連敗を喫した。○...打線沈黙で今季2度目の5連敗を喫した。不調の塩見をリフレッシュのためスタメンから外し、組み替えた打線は7回までゼロ行進。8回に青木の犠飛による1点が22イニングぶりの得点で、この試合唯一となった。首位独走も7月以降は9勝18敗と苦戦しており、高津監督は「我慢するとか、乗り越えるとか、何か工夫していい状態に持って行かないといけない」と危機感を口にした。▽ヤクルト星(3年ぶりの先発も3回6安打3失点)「久しぶりの先発で良い緊張感の中マウンドにあがることはできましたが、試合のリズムをつくることが出来ず悔しいです」

◆広島の4番西川龍馬外野手(27)が3戦連続打点を挙げ、首位ヤクルト戦連勝に導いた。「特例2022」で出場選手登録抹消のマクブルームに代わり、2戦続けて4番起用された。1回1死一、二塁だ。内角球に狙いを定めながら、外角へ逃げるように落ちるフォークに反応した。一、二塁間を破る先制点に「初球(空振りしたフォーク)よりは多少浮いてきた。チャンスで打席が回ってきたら返したいというのはある」と胸を張った。下半身のコンディション不良で6月5日から戦列を離れた。佐々岡監督からの連絡を受け、当初の予定より数試合早く1軍に合流した。「ほぼ試合勘がないまま来たので、感覚がいいというのはないし、悪いというのもない」。復帰初戦から4試合連続安打と、ブランクを打撃センスでカバーする。佐々岡監督も「龍馬の場合はそれだけの実力がある」とその打力に厚い信頼を寄せている。○...九里が先発では6月2日の日本ハム戦以来の白星を手にした。3回まで63球を要した序盤を無失点で切り抜けると、尻上がりに調子を上げた。「(バッテリーを組んだ)磯村といろんな話をしながら、考えながら配球してくれたと思います。1、2回はちょっと自分の中で大胆にいけてない部分もあったと思う。その辺も含めて話し合いながらできたと思うので、良かった」。6回まで無失点で切り抜け、チームを連勝に導き、自身も5勝目を手にした。▽広島野間(6試合連続マルチ安打)「いい形でヒットが出ているので、悪くはないと思う。1戦1戦みんなで戦っていくだけだと思います」150万人突破 広島はヤクルト17回戦(マツダスタジアム)で今季主催試合の観客数が150万人を突破した(151万8482人)。19年以来3年ぶり。

◆広島の西川が2試合ぶりとなる複数安打をマークした。0―0の一回1死一、二塁から低めのフォークボールを引っ張って右前適時打。「いい先制点になって良かった」とうなずくと、3―0の三回無死一塁では、一塁へ高く弾んだゴロに全力疾走で駆け抜け、内野安打とした。下半身のコンディション不良で6月上旬に離脱し、約2カ月ぶりに復帰した今月6日から4試合連続安打として、起用に応えている。体調不良で戦列を離れた主軸のマクブルームに代わって前日9日から4番に座るが「4番とは思っていない。とりあえずチャンスで回ってきたら打たないと」と気負わず打席に向かい、好結果につなげている。

◆ヤクルト・星知弥投手(28)が2019年8月10日の巨人戦(東京ドーム)以来、3年ぶりの先発マウンドに上がったが、3回6安打3失点で降板した。新型コロナウイルスの影響で先発が不足しチャンスが回ってきたが、期待に応えられなかった。一回、先頭の野間に右前打とされ、1死から秋山に死球を与えると、西川の右前適時打で先制を許す。さらに、坂倉の一ゴロの間に1点を失った。二回も野間の右中間適時二塁打の間に1失点。三回はなんとか無失点に抑えたが、四回の打席で代打を送られた。

◆8日に2軍から1軍に合流し調整を続けている広島・野村が11日のヤクルト戦(マツダ)に先発する。野村は10日、マツダスタジアムで最終調整。「長打力がすごくあるチームで機動力もある。ランナーをためないことをしっかりしたい」とツバメ打線を警戒した。1軍では7月31日の中日戦(マツダ)で登板し4回?を5安打2失点。2年ぶりに対戦する相手を抑えて今季2勝目を狙う。

◆4連敗脱出に燃える首位のヤクルトに対し、早々と主導権を握った。広島が一回に2点先取。代役4番の西川がまだ明るいマツダスタジアムで快音を響かせた。「良い先制点になった」一回に先頭・野間が右前打、菊池涼の内野ゴロの間に二進し、秋山は死球を受けた。1死一、二塁で西川が星のフォークを右前にはじき返し、二走・野間を本塁に招き入れた。なお二、三塁で坂倉の内野ゴロの間に1点を追加した。チームは9日に今季チームトップの89試合で4番を務めていたマクブルームが発熱と体調不良により「特例2022」で出場選手登録抹消となった。西川は9日のヤクルト1戦目から代役で4番を務め、八回に適時打を放つなど1安打1打点で2─0の勝利に貢献。西川自身「4番と思っていない」と気負いはなく、この日も得点圏で勝負強さを発揮した。先発の九里は一回1死から中村に右前打、山田に四球で一、二塁を招いたが村上を一ゴロ、2死二、三塁でサンタナを中飛に打ち取り、無失点に切り抜けた。二回には先頭・青木とオスナに連続四球を与え、2イニング続けて得点圏に走者を置いたが、長岡を空振り三振、投手の星を二ゴロ併殺に仕留めた。勝てば4位浮上の可能性がある一戦。4番不在の苦しい状況を乗り越えるため、チーム一丸となって戦った。(柏村翔)

◆広島は一回に西川の適時打と坂倉の一ゴロで2点を先制し、二回に野間の適時二塁打、四回は小園のソロで加点した。九里は6回無失点で先発では6月2日以来の5勝目を挙げ、栗林が21セーブ目。ヤクルトは9残塁の拙攻で5連敗。

◆ヤクルトは終盤になんとか1点を返したものの、今季2度目の5連敗。高津臣吾監督(53)は連敗ストップへ、打線の奮起を期待した。――打線がつながりを見せていた「まあ、それがすべてではないとは思うんだけど、なかなか長打も出ないし、フォアボールで出塁とかあったんだけど、シングルで出塁とかはあったんだけど、得点圏にいってからの一本というのがなかなかね。序盤で2点、1点取られて、そこで1点でも取っておけばというのがいくつかあったんだけど、そこまでが難しかったかな」――打線を入れ替えた「狙いというか、とくにはなくて。明日、塩見は普通に戻しますので。きょう一日リフレッシュしてくれてね、きょう一日ベンチにいて感じてくれることもあっただろうし、なんかのきっかけになればと思っています」――「2番・中村」の起用「一つはノリ(青木)をどこに置くかというところもあったんだけど、ランナー置いてのノリも嫌だろうし、中村も作戦できるし、いろいろ考えた結果。そんなに深い意味はないです。意味はあるんだけど、たまには気分転換で、とは思いました」――青木が2安打「フォアボールも選んで出塁もしているので、やっぱりなんていうんかな。声を出して元気にするだけじゃなくて、プレーでね。全力で。うまくいくかは別にして、他の選手に示しているんじゃないかなというふうに僕は感じました」――星は早い回で降板「きょうはずっとつないでいこうと思っていたんで、星が降りるまでに何点取られてどういう状況かというところがすごく大事だったと思うので。そのあとよくリリーフがつないだと思うんですけど」――リリーフが抑えたところが光「もう100試合過ぎて本当にリリーフに頼りっぱなしで、疲労もすごく感じるし、できるだけ気は使ってあげたいなとは思うんですけど。これがうちの野球のスタイルなので、また明日スニードに頑張ってもらって、最後スコットが締めてというところの野球を目指したいなと思います」――打線が本来の姿ではない。突破するためには「チーム全体の疲れであったりとか、言い訳になるかもしれないけど、コロナの影響というのは確実にあると思うので。我慢するとか、乗り越えるとか、工夫をしていい状態にもっていかないといけないですね。のんびりもしてられないので、みんなで何がいい案なのかというのは知恵を出し合っているつもりですけど、そんな簡単にうまくいかないですけどね。みんな全力でよく頑張ってくれていると思います」――連敗ストップへ「それはもう打線に期待しています。もうやっぱり先に点取っていい状態で序盤からゲームをリードしていきたいなというのは常々思っています」――塩見は休暇「休みというか、ちょっと感じてくれたらいいなと思って。休みももちろんあるし、明日も1番で使うつもりだし、どこかけがしているわけではないので。明日元気にグラウンドに立ってくれたらそれでいいかなと思います」

◆広島が首位・ヤクルトに連勝を飾り、後半戦初のカード勝ち越し。5位のままだが4位・巨人を0・5、3位・阪神を2・5ゲーム差で追走。佐々岡真司監督(54)の主な一問一答は次の通り。──ヤクルトに連勝した。9日に完封した森下に続き九里が6回無失点と好投「ヤクルトに勝ててなかった。きのうは森下が完封して、きょうは九里が不安定な立ち上がりでしたが、三回以降は何とか粘ってくれたかなと」──序盤テンポ良く投げてほしかったか「二回は(打線に2)点を取ってもらった後の四球、四球と。極端に変化球が多くなって。紙一重で二回はやられても仕方ない投球で、何とかピッチャー(星)でダブルプレーで。その後は粘ってはくれましたが、もっとリズムよく九里の場合はね。ストライク先行でしょうね」──森浦が不振で出場選手登録抹消。この日の継投は矢崎、ターリー、栗林だった「七、八回は流動的になるとは思いますが、そこで矢崎、ターリーと。今のうちの必勝リレーかなと思います」──野間は2安打1打点と活躍「初回も(安打で出て)先制点につながってますし(二回には)タイムリーも打って、今は野間が1番として良い働きをしてくれている」──西川は一回に先制打。マクブルームの代役4番として仕事をしている「当然(西川)龍馬の場合はそれだけの実力がある。ライアン(マクブルーム)がいないですけど、みんなでカバーできている」──四回には小園がソロ。一発も大きかった「あの1点は大きかったですね。小園は内容的にも悪くないですしね」──発熱と体調不良で2試合欠場したマクブルームの復帰は「あす大丈夫と思いますけどね、今日は大事を取って。(熱は)もう下がっているので、明日来れるとは思いますけど。即ってのはないかもしれないけど、明後日からぐらいになるんじゃないかなと思います」──11日のヤクルト3戦目に向けて「一戦一戦うちらしい野球を続けていくだけだと思います」

◆セ・リーグの灯を消すわけにはいかない。広島が首位ヤクルトの独走に待ったをかける鮮やかな連勝劇。2安打1打点の活躍でお立ち台に呼ばれた野間は、本拠地を埋め尽くした3万人以上のファンに熱く呼びかけた。「チームが勝つために必死にやっているだけ。一戦一戦、一致団結して頑張っていきたい」「1番・右翼」で出場し、2点先取した一回先頭で星の内角146キロの直球を右前に運び、西川の適時打で生還した。2点リードの二回2死三塁では右中間適時二塁打。七回2死では四球を選び直後に今季7盗塁目を決めた。これで6試合連続のマルチ安打。球団記録は2010年の栗原の「9」、NPB記録は01年の小笠原(日本ハム)の「10」と可能性は広がるが、野間は「ムリっす...」と苦笑い。それでも、8月リーグトップ13安打の切り込み隊長を、佐々岡監督は「1番として良い働きをしてくれている」と信頼を寄せる。自身が理想とする左打者が〝生きた教材〟として目の前にいる。6月下旬、2011~19年の西武時代に最多安打4度の秋山が加入。練習や試合の合間に「バットの入れ方」や「(打席の)イメージ」を聞き、「しっかりいい形で打てている」。今季はここまで規定未満ながら打率・330の好成績を残している。チームは依然5位のままだが、後半戦10試合目で初の連勝を飾り、4位巨人を0・5、3位阪神を2・5ゲーム差で追走する。秋山効果でついに打撃を開花させた野手キャプテンが、逆襲の赤ヘルの先頭に立つ。(柏村翔)

◆ヤクルトは、7安打を放ちながら1得点に終わり、今季2度目の5連敗。高津臣吾監督(53)は「みんな全力でよく頑張ってくれている」とねぎらいつつ「打線に期待しています」と、勝利への道筋を示した。多くの主力が新型コロナウイルスに感染し、本調子には戻っていない。だからこそ、若き4番・村上に期待がかかる。村上はこの日、7月度の「大樹生命月間MVP賞」に選出された。2カ月連続の受賞は、球団では2015年7―9月度の山田哲人以来。リーグトップの8本塁打、長打率・742、出塁率・471、リーグ最多に並ぶ17打点を記録した7月には31日に3打席連続本塁打を放ち、今月2日のプロ野球史上初となる5打席連発につなげた。頼もしい主砲は「残りの試合数も少なくなってきて、優勝が目に見えだす。そこにとらわれすぎず、やるべきことをやっていきたい」と地に足を付ける。その言葉を信じ、今は戦い抜く。この日は三回に一塁強襲の安打を放って一時打率トップに立ったが、最終的にDeNA・佐野の・324に2厘及ばず。ただ、39本塁打、98打点は断トツだ。〝三冠王〟浮上の期待が高まる中、背番号55を中心に連敗ストップを目指す。(赤尾裕希)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
59411 0.590
(↓0.006)
-
(-)
42441
(+1)
390
(+4)
121
(-)
57
(-)
0.253
(-)
3.450
(↓0.01)
2
(1↑)
DeNA
48462 0.511
(↑0.006)
8
(↑1)
47336
(+3)
368
(-)
69
(-)
33
(-)
0.251
(-)
3.460
(↑0.04)
3
(1↓)
阪神
52512 0.505
(↓0.005)
8.5
(-)
38360
(-)
301
(+3)
67
(-)
79
(-)
0.239
(↓0.001)
2.540
(↑0.02)
4
(-)
巨人
50531 0.485
(↑0.005)
10.5
(↑1)
39405
(+2)
459
(+1)
122
(+1)
46
(-)
0.245
(-)
3.990
(↑0.03)
5
(-)
広島
49533 0.480
(↑0.005)
11
(↑1)
38405
(+4)
396
(+1)
62
(+1)
21
(+1)
0.256
(-)
3.470
(↑0.02)
6
(-)
中日
43551 0.439
(↓0.004)
15
(-)
44292
(+1)
362
(+2)
52
(-)
34
(-)
0.249
(↓0.001)
3.490
(↑0.02)