日本ハム(☆5対3★)西武 =リーグ戦17回戦(2022.08.09)・札幌ドーム=
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西武
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日本ハム
010000013X5901
勝利投手:ロドリゲス(1勝1敗0S)
敗戦投手:増田 達至(2勝2敗22S)

本塁打
【西武】中村 剛也(7号・5回表2ラン)
【日本ハム】近藤 健介(4号・9回裏3ラン)

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◆日本ハムが劇的なサヨナラ勝利。日本ハムは1-2で迎えた8回裏、代打・上川畑の適時打で同点とする。直後に勝ち越しを許すも、その裏に近藤の逆転3ランが飛び出し、試合を決めた。投げては、2番手・ロドリゲスが3年ぶりの白星。敗れた西武は、守護神・増田が痛恨の一発を浴びた。

◆日本ハム伊藤大海投手(24)が10勝目を目指す。伊藤はプロ1年目の昨季に10勝をマーク。日本ハム新人の2桁勝利は06年八木以来だったが、新人から2年連続2桁勝利を記録すれば、87、88年西崎以来、球団34年ぶり。

◆日本ハム新庄剛志監督(55)が、試合前の全体練習中、自身の来季去就について触れ「まだ(球団とは)話し合いも何もしていないです」と説明した。この日の午前中にインスタグラムを更新。「残り試合の選手の成長によっては来年監督続投はまだ未定です」(原文まま)と投稿していた。これまでに来季続投への意欲を、たびたび口にしてきたBIGBOSS。1チームだけ、優勝争いから取り残された形だが「いきなり今年、優勝でもしようものなら、オレ、全く面白くない。(監督を)辞めると思う。誰がしても一緒じゃない?これぐらいの感じが面白い」と、前向きだ。「ある程度(選手を)成長はさせていると思う。ここからメンバーを固めていって、そこで手応えがつかめるというか...」と先を見据えた上で「成功させたい、個人個人を。成長させて(監督を)卒業したい」と、話した。

◆日本ハム古川裕大捕手(24)が先制打を放った。「7番捕手」で先発し、2回2死三塁、130キロのスライダーを中前に運んで先制点をもたらした。2年目でプロ初の適時打&打点をマークした。「この前の(札幌ドームでの)ホークス戦で、チャンスで打てていなくて、なんとしても先制点が欲しかったので、食らいつきました」とコメントした。4日ソフトバンク戦で延長10回2死満塁で代打で送られるも、二ゴロだった悔しさをぶつける一打となった。

◆広くて、フェンスの高い札幌ドームも関係ない。西武中村剛也内野手(38)が弾丸ライナーでぶち込んだ。4試合ぶりの7号2ラン。通算449号だった。1点を追う5回1死一塁、カウント2-0からの3球目。日本ハム伊藤の真ん中付近の137キロフォークを引っ張った。うまく体を回転させ、タイミングを合わせた。白球は低い弾道で一直線に伸びていく。全然落ちてこない。そのまま左翼スタンドに突き刺さった。逆転の2ラン。悠然とダイヤモンドを1周した。「打った瞬間の手応えは良かったです。打てて良かったです」。ここまでチームは伊藤の前に二塁も踏めていなかったが、これぞ本塁打の力。一振りでひっくり返した。8月に入り、一気にギアが入る。7月は49打数8安打の打率1割6分3厘。しかし8月は、この打席までに3本目のアーチだった。試合前まで通算448本塁打。開幕前は簡単に到達すると思われていた450号到達は思いのほか"難産"となった。2発を放った4日には「いまさらですよね。早く打てるように頑張ります」と話していた。もう心配などいらない。不調を脱し、完全に量産モードに入った。【上田悠太】

◆西武中村剛也内野手(38)が通算450本塁打と1000得点の偉業にダブルリーチをかけた。1点を追う5回1死一塁。7号2ランを弾丸ライナーで左翼席にぶち込んだ。これで通算449本塁打とし、史上14人目の偉業に残り1本と迫った。「打った瞬間の手応えは良かった。打てて良かった」。伊藤の真ん中付近の137キロフォークを引っ張った。低い弾道だったが、打球は落ちてこない。広く、フェンスの高い札幌ドームも関係なかった。4試合ぶりの1発で8月は3本目。不調を脱し、量産モードの気配がある。「早く打てるように頑張ります」と節目にもなる次の1本を見据えた。ゆっくりダイヤモンドを1周してホームベースを踏んだ。これは通算999得点目。史上45人目となる1000得点にも王手となった。ちなみにNPBだけで、通算2000安打は過去54人で、それより希少になる。一気にダブル達成も可能な状況であるが、中村は「特にないかなぁ。意識し過ぎずという感じです」と泰然自若だった。

◆西武増田達至投手がサヨナラ3ランを浴びた。9回に1点を勝ち越し、その裏のマウンドに。杉谷、清宮と連打を許し、近藤に右翼スタンドに運ばれた。新型コロナウイルスが完治し、5日に登録。復帰2試合目で、初のセーブ機会だったが、粘れなかった。辻監督は「結果だからね」。試合前まで失点は4しかなかった守護神を責めなかった。

◆日本ハム伊藤大海投手(24)の2年連続2ケタ勝利は、お預けとなった。味方が追いついた直後の9回は、志願のマウンドに立った。「負けていても勝っていても9回までいくのが、今のチーム状況でアピールできるところ」。加藤、上沢の左右の軸を欠く現状、先発陣の一角としての役目を自覚していた。9回2死から逆転打を許したが、先発として試合をつくった。「志願して行ったからには、抑えて帰ってきたかった」と悔やんだが、8回2/3を投げ5安打3失点。その裏に「バースデーアーチで援護してもらって。お願いします」と予言していた近藤からサヨナラアーチが飛び出し、黒星も吹き飛ばしてくれた。「言ってみるものですね。チームが負けなかったことは良かったです」と笑った。新人から2年連続2ケタ勝利を記録すれば87、88年の西崎以来、球団では34年ぶりも、次戦以降へ持ち越しとなった。「今日、勝つ予定だったんですけど...」と苦笑いを浮かべ、「負けて楽しい試合はないので、いつでも僕はチームがどうであれ勝つことしか考えていない。負け戦はしない」と力強かった。4回2死で迎えた山川には、球宴以来となる球速計測不能の超スローカーブで揺さぶった。遊び心ある投球を披露。「やられているので、僕は結局。長く投げる手応えはあったので、次は勝ち切れるようなピッチングをしていきたい」。今度は節目の勝利で沸かせる。【田中彩友美】○...日本ハム上川畑が復帰戦で適時打を放った。7月20日に新型コロナ陽性判定を受け、この日1軍に復帰。1点を追う8回1死一、三塁で代打で登場。スクイズを仕かけたがファウルとなるも、2ボール2ストライクから左前に一時同点となる打球を運んだ。療養中は39度以上の高熱にも苦しんだが回復し、「ストレートにも食らいついていけたので良かったと思う」と喜んでいた。

◆日本ハム近藤健介外野手(29)が、プロ11年目で初の逆転サヨナラ弾を放った。1点を勝ち越された直後の9回無死一、二塁から、146キロを右翼ポール際へ運んだ。母校の横浜(神奈川)も夏の甲子園大会初戦を突破し「最高の誕生日になった」。「ヤ(8)キュウ(9)の日」に生まれた"打撃の申し子"の活躍で、今季4度目のサヨナラ勝ち。BIGBOSSも大興奮の展開に、本拠地が揺れた。「まぐれでしょ」。劇的勝利のヒーローは、興奮に顔を赤らめ、照れた。2-3の9回無死一、二塁。西武増田から逆転サヨナラとなる4号3ランをライナーで右翼席へ運んだ近藤は「気持ちいいっすね。足が震えて、手が震えて...。頭が真っ白になりました。もう一生、出来ないと思うので、かみしめて走りました」。侍ジャパンの一員として昨年の東京五輪で金メダルも獲得した、百戦錬磨のチームリーダーが、我を忘れた。球界を代表するアベレージヒッターにも、人知れず迷いがあるらしい。BIGBOSSの「打て」のサインに、吹っ切れた。「いつもチャンスで自分で追い込んだり、最悪のことを考えちゃう。ボスが信頼して打てのサインを出してくれた。久々に消極的にならずに打てた」。新庄監督も「いや~、素晴らしかった。打球が素晴らしかった」と大興奮で「スクイズとバスターエンドランの失敗。僕の今日2つのミスを、帳消しにしてくれました」と、最敬礼だ。「ヤキュウの日」に生まれた。20代最後の誕生日は、最高の1日になった。この日は、朝から夏の甲子園大会に出場している母校、横浜の試合を「しっかり朝8時に起きて見てました」と、テレビでチェック。初戦突破した後輩たちの姿に「刺激になるし、誕生日に試合をしてくれた。何かの縁なのかな」と、背中を押された。選手会長としても、若いチームを引っ張る。新庄監督は「やっぱり、安定感がある。何かしてくれそうな雰囲気がある。若い選手を集めて、どうやったら選球眼が良くなるかを教えて欲しい」と期待した。試合終了後、ベンチの前で選手、スタッフが輪となり、恒例の"勝利の一本締め"。「これから、どんどん連勝していこう!」。背番号8の絶叫に、総立ちのスタンドも手締めで応えた。【中島宙恵】近藤の誕生日(8月9日)打撃成績 過去、4シーズンで出場。プロ3年目の14年に初めて出場し、4打数無安打。15年の楽天戦(札幌ドーム)には5番DHで出場し、6回に川井から7号のバースデーアーチを放ち3打数1安打1打点。20年の西武戦(札幌ドーム)でも1安打を放ち、今年も含め通算17打数4安打4打点2本塁打、打率2割3分5厘。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が試合前に来季去就について言及。1年契約で来季続投が基本線も「まだ(球団とは)話し合いも何もしていないです」と説明した。これまでに監督2年目への意欲を、たびたび口にしてきた。優勝争いからは取り残された形だが「いきなり今年、優勝でもしようものなら、全く面白くない。(監督を)辞めると思う。誰がしても一緒じゃない? これぐらいの感じが面白い」。先を見据えた上で「(選手を)成功させたい。成長させて(監督を)卒業したい」と話した。

◆日本ハム近藤健介外野手(29)が、プロ11年目で初の逆転サヨナラ弾を放った。1点を勝ち越された直後の9回無死一、二塁から、146キロを右翼ポール際へ運んだ。母校の横浜(神奈川)も夏の甲子園大会初戦を突破し「最高の誕生日になった」。「ヤ(8)キュウ(9)の日」に生まれた"打撃の申し子"の活躍で、今季4度目のサヨナラ勝ち。BIGBOSSも大興奮の展開に、本拠地が揺れた。近藤が逆転サヨナラ3ラン。日本ハム選手のサヨナラ本塁打は19年3月29日、開幕戦で打った中田以来で、近藤はプロ入り初めて。中田が打ったのはまだ「平成」で、「令和」になった19年5月1日以降では球団初のサヨナラ本塁打だ。近藤の1発は令和でプロ野球通算47本目のサヨナラ弾だったが、12球団で日本ハムだけが令和になってからサヨナラ本塁打を打っていなかった。なお、近藤は8月9日が誕生日で、誕生日にサヨナラ本塁打を打ったのは54年7月1日土井垣(東映)以来史上2人目。

◆日本ハムは、バースデー男の近藤健介外野手(29)の3ランで今季4度目のサヨナラ勝利を飾った。チームは2連勝。先発の伊藤大海投手(24)は、9回途中3失点と先発の役目を果たした。新庄剛志監督(50)の試合後の主な一問一答は以下の通り。-新型コロナウイルス陽性判定を受けていた選手が奮闘新庄監督 野村君も上川畑君も、今まで開幕してからの経験で、打席の中でどっしり感あるしね。なんかやってくれそうな雰囲気ありますよね。-上川畑は代打で新庄監督 あれは(代打を送られた)中島君の、上川畑君が帰ってきても僕がショートでやったろうって気持ちを見たくて。明日はショート上川畑君かな。こういうところなんすよ!こういうところで打てばゲームに出れるんですよ。今日は中島君が2本いいプレーしてたら、中島くん出てたし。それか上川畑君をセカンドしようと思ってたんですけど。こういう争いが僕は見てて楽しいし、チームが、もっともっと強くなるポイントだと思うから。-伊藤の投球新庄監督 8回かな。「もう1回行かせてください」って言われて。どうしようかな~とも思ったんですけど、行ってもらって。でも良かったんじゃないですか、これで負けが消えて。1つの反省点になったと思うし。あれだけ投げてたら、思い切り腕振って疲れてますよね。でも(9回も)行きたい気持ちが伝わったので。こういうチームを作っていきたいとずっと思ってたから。素晴らしかったですね。-理想の勝ち方新庄監督 これがピッチャーとバッターがかみ合ったっていうゲームだし、チームになってきていると思うので。あと何試合だっけ?じゃあ41連勝。いや不可能はないでしょう、ね。気持ちはね。-古川裕大がプロ初打点新庄監督 彼、いいバッティングしていますよね。セーフティーもうまいこと決めたし。小技もできる選手。あとは(二盗を刺そうとした場面で)セカンドにツーバウンド(笑い)ワンバウンドの練習をさせたんですけど、試合になるとツーバウンドになりますよということを(バッテリーコーチの)山田さんと話していたら、案の定ツーバウンドでした。だったらノーバウンドで練習させてワンバウンド。危ないよね、伊藤君もね。見ておかないと。-スカッとする勝ち方新庄監督 スカッとする勝ち方というより、こういうゲームをものに出来る選手たちが、すっげーうれしいですね。勝ち負けというよりも。諦めていないというかね。そういうところで勝ち負け関係なく、杉谷君が自分の打席、ここでヒットを打ったらアピールできるという、ただただ、それだけでも集中力を持って、あのヒットが生まれて。初球、また清宮君がセンターに打って。簡単やね!3点取るの!まじで。こう思えば、ね(笑い)めちゃめちゃ簡単。ヒットヒットホームラン。これやってくれないかな、みんな。めちゃくちゃ強くない!? ピッチャーも7点までOKよって(笑い)甘えてしまうね、ピッチャーも。-上川畑は相手が嫌がることを新庄監督 むちゃくちゃムカつくでしょうね。あのポテンヒット。でもね。欲を言えば、あのセーフティースクイズ。一発で決めていたら、うーわ、さすがっていうか、頼りになるなっていうプレーヤー。本人もね、一発で決めて同点、ヒットは打ちましたけどヒット打てなかった時に、やっぱりセーフティースクイズ決めてくれていたらという気持ちになるのでね。-近藤。今季あまり目立っていなかった新庄監督 そう? それは今までが良かったからじゃないの? そんなことない? まあでも、やっぱり安定感あるしね。何かしてくれそうな雰囲気はあるんですけど、確かにこの今までの活躍はちょっとわからないけど、みんなが言う近藤君では、今年はちょっと、ないという話もちょっと聞いたんですけど。でも選球眼がいいから。近藤君に若い選手を集めて、選球眼ってどうやって良くなるんですかっていうのを選手に教えてもいいかなって。際どいところ、めちゃくちゃ見逃すでしょう。あの辺がやっぱ、いいバッター。ボール球は難しいしね、打つのが。見逃し方、俺があまり得意じゃなかったから。早めにタイミングを取って、自分のストライクゾーンがここにあるんでしょうね。ここに入ってこなかったら、打ちに行って止まる。止まらないバッターが多いから。その辺は練習して、教えて出来るものなのか...。ちょっと近藤君と話してみたいなと思います。

◆日本ハム近藤健介外野手(29)が、プロ11年目で初の逆転サヨナラ弾を放った。1点を勝ち越された直後の9回無死一、二塁から、146キロを右翼ポール際へ運んだ。母校の横浜(神奈川)も夏の甲子園大会初戦を突破し「最高の誕生日になった」。「ヤ(8)キュウ(9)の日」に生まれた"打撃の申し子"の活躍で、今季4度目のサヨナラ勝ち。BIGBOSSも大興奮の展開に、本拠地が揺れた。近藤が逆転サヨナラ3ラン。日本ハム選手のサヨナラ本塁打は19年3月29日、開幕戦で打った中田以来で、近藤はプロ入り初。中田が打ったのはまだ「平成」で、「令和」になった19年5月1日以降では球団初のサヨナラ本塁打だ。近藤の1発は令和でプロ野球通算47本目のサヨナラ弾だったが、12球団で日本ハムだけが令和になってからサヨナラ本塁打を打っていなかった。なお、近藤は8月9日が誕生日で、誕生日にサヨナラ本塁打を打ったのは54年7月1日土井垣(東映)以来史上2人目。近藤の誕生日(8月9日)打撃成績 過去、4シーズンで出場。プロ3年目の14年に初めて出場し、4打数無安打。15年の楽天戦(札幌ドーム)には5番DHで出場し、6回に川井から7号のバースデーアーチを放ち3打数1安打1打点。20年の西武戦(札幌ドーム)でも1安打を放ち、今年も含め通算17打数4安打4打点2本塁打、打率2割3分5厘。

◆新型コロナウイルスの陽性判定を受けていた日本ハム・野村佑希内野手(22)が1軍に復帰し、2本の二塁打を放って好機を演出した。野村は7月21日に行われたPCR検査で陽性判定を受け、離脱。発熱の症状があったが、隔離期間を経て、この日1軍に昇格。「6番・三塁」でさっそくスタメン出場し、結果を残した。1―2の五回先頭では左中間へ二塁打。さらに八回先頭でも左翼線へ二塁打を放ち、一打同点のチャンスをつくった。続く古川裕の犠打と相手失策で三塁へ進むと、その後1死一、三塁から代打上川畑の左前適時打で同点のホームを踏んだ。

◆売り出し中の2年目捕手が、バットで存在感を示した。日本ハム・古川裕が二回に先制打を放ち、プロ初打点をマーク。女房役が先発の伊藤を援護した。「この前、チャンスで打てていなくて、何としても先制点が欲しかったので食らいつきました」0―0の二回2死三塁で迎えた第1打席。初球130キロのスライダーを鋭く振り抜き、中前へ。プロ通算3安打目で初の打点を記録した。福岡・久留米商高から上武大を経て、2021年にドラフト3位で入団。右投げ左打ちの強打の捕手として期待を寄せられたが、昨季は1軍出場がなかった。今季は4月9日の楽天戦(札幌ドーム)で初出場を果たし、7月30日の楽天戦(楽天生命パーク)で初安打をマーク。「やっと出たなという思い。これからどんどん安打を積み重ねていきたい」と力を込めていた。新庄監督は「初ヒットでプロの世界のスタートを切っている。ここからは本人次第」とエールを送る。捕手は宇佐見と石川亮が新型コロナウイルスに感染。梅林、清水らとともに、日替わりでのスタメン起用が続いている。チームのピンチをチャンスに変えて、攻守に結果を残してアピールを続けていく。試合は1点を負う九回。無死一、二塁から近藤が右翼席に劇的な逆転サヨナラ3ランを放った。(箭内桃子)

◆節目に、あと1本と迫った。西武・中村が、過去に13人しか到達していない通算450本塁打へ〝王手〟をかける7号2ランを放った。「打った瞬間の手応えは良かったです。打ててよかったです」五回1死一塁。38歳のベテランは、それまで2安打無失点と好投していた伊藤が、2ボールからストライクを取りに行った137キロのフォークボールを見逃さなかった。打球は左翼席で弾む逆転の一発となった。過去6度の本塁打王を誇る屈指のホームランアーティストも、2020年は9本、21年は18本、今季もこの日で7本目と納得のいく数字を残していない。ただ、8月はこの一発を含めて3本目と上昇気配を漂わせている。首位を走るチームにとって、なんとも頼もしい存在だ。だが、試合は痛恨のサヨナラ負けを喫した。

◆西武は抑えの増田が崩れ、逆転サヨナラ負けを喫した。3―2の九回に代打杉谷、清宮に連打を許して無死一、二塁のピンチを背負うと、近藤にはフルカウントからの真っすぐを捉えられ、右翼席に運ばれた。痛恨の一発を浴び、辻監督は「(球が)甘かった。きっちり外にいけばよかった」と悔しそうに話した。打線は追い付かれた直後の九回に山川の適時打で一時勝ち越すなど、少ないチャンスで得点して粘った。監督は「こういう日もある。10日からまた必死で勝てるように頑張ります」と前を向いた。

◆日本ハムの上川畑が新型コロナ感染から復帰し、さっそく活躍した。1点を追う八回1死一、三塁で代打で登場し、詰まりながらも左前へ適時打。セーフティースクイズを失敗した後に気持ちを切り替え「変化球をケアしながら、直球にも食らいついていけた」と胸を張った。対決した高橋は同学年で夏の甲子園大会の優勝投手。「高校のときは全然足元にも及ばない存在だったけど、こうしてプロの舞台で(対戦)できているのでいいかな」とほほえんだ。

◆〝本日の主役〟が一振りで劇的勝利を呼び込んだ。日本ハム・近藤健介外野手(29)が九回に逆転サヨナラ弾。チームを今季4度目のサヨナラ勝ちに導いた。「あそこで打たなかったら最悪の誕生日になると思った。最高の結果になってよかった」九回に1点を勝ち越されたが、その裏に代打・杉谷と清宮の連打で無死一、二塁。西武・増田の6球目、146キロの直球をたたくと、打球は瞬く間に右翼席へ届いた。プロ11年目で初のサヨナラ弾に「気持ちいい。興奮して頭が真っ白になりました」と笑顔を見せた。29歳の誕生日は、いいことずくめの一日になった。午前8時に起床し、母校・横浜高を応援。大会前はOB同士で相談して、バットと手袋を差し入れた。「刺激になるし、誕生日に試合をしてくれたので何かの縁だなと」。後輩たちの活躍に奮起し、ナイターでは自身にも母校にも〝祝砲〟となる一撃を放った。日本ハムのサヨナラ本塁打での勝利は、2019年3月29日のオリックス戦(札幌ドーム)で中田(現巨人)が放って以来。新庄監督は「ベンチで、わくわくさせてくれるチームになってきている」と手応えを口にした。(箭内桃子)★データBOX 日本ハム・近藤が九回に自身初のサヨナラ本塁打となる逆転3ラン。日本ハムのサヨナラ弾は2019年3月29日の中田翔(対オリックス、3-3の延長十回に満塁弾)以来3年ぶりとなった。逆転サヨナラ弾は16年6月10日のレアード(対阪神、3-4の九回に2ラン)以来6年ぶり、日本選手では1998年6月21日の田中幸雄(対ロッテ、9-10の九回に2ラン)以来24年ぶり。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
55462 0.545
(↓0.005)
-
(-)
40349
(+3)
303
(+5)
86
(+1)
50
(+1)
0.229
(↓0.001)
2.500
(↓0.01)
2
(-)
ソフトバンク
50452 0.526
(↑0.005)
2
(↑1)
46359
(+3)
322
(-)
67
(-)
56
(+1)
0.255
(-)
3.060
(↑0.03)
3
(1↑)
ORIX
54510 0.514
(↑0.004)
3
(↑1)
38337
(+5)
329
(+1)
54
(-)
47
(-)
0.245
(↑0.001)
2.780
(↑0.01)
4
(1↓)
楽天
49472 0.510
(↓0.006)
3.5
(-)
45369
(+1)
334
(+5)
68
(-)
71
(+1)
0.249
(↓0.001)
3.270
(-)
5
(-)
ロッテ
48521 0.480
(↓0.005)
6.5
(-)
42328
(-)
375
(+3)
62
(-)
93
(-)
0.224
(↓0.001)
3.290
(-)
6
(-)
日本ハム
42591 0.416
(↑0.006)
13
(↑1)
41333
(+5)
375
(+3)
79
(+1)
68
(-)
0.234
(↑0.001
3.470
(-)