DeNA(☆3対2★)阪神 =リーグ戦17回戦(2022.08.09)・横浜スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0200000002410
DeNA
000101001X3600
勝利投手:今永 昇太(6勝3敗0S)
敗戦投手:加治屋 蓮(0勝2敗0S)
  DAZN
チケットぴあ DeNA戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆DeNAがサヨナラ勝利。DeNAは1点ビハインドの6回裏、代打・オースティンの内野ゴロの間に同点とする。そのまま迎えた9回には、2死一三塁から代打・大田の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、先発・今永が9回2失点の完投で今季6勝目。敗れた阪神は、4番手・加治屋が踏ん張れなかった。

◆首位ヤクルトを8・5ゲーム差で追う2位阪神は、コロナ離脱者が発生している影響で緊急オーダーを組んだ。今季全103試合で遊撃スタメン出場し、この日陽性判定を受けたと発表された中野拓夢内野手(26)に代わり、木浪聖也内野手(28)が「8番遊撃」で先発。4月13日の中日戦以来、約4カ月ぶりのスタメン起用。遊撃でのスタメンに限れば、昨年4月28日以来、468日ぶりだ。木浪は5日に1軍再昇格すると、6日の広島戦では代打で途中出場し、2打数2安打と上昇ムードを見せている。開幕1番を務めていた近本光司外野手(27)が、中野に代わり1番に入った。新外国人のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)が来日初の3番に入り、得点源となれるか。阪神の先発は自身9連勝中の青柳晃洋投手(28)。虎で同一シーズン10連勝以上となれば68年村山実、03年井川慶に続いて3人目(2リーグ分立後)となる。今季DeNA戦は3戦3勝で防御率3・00。勝てば早くも、昨季キャリアハイの13勝に並ぶ。

◆DeNAが、天敵の阪神青柳対策として、投手の今永を含む左打者7人をスタメンに並べた。1番には緊急昇格した森を起用し、5番には楠本を抜てき。6番以降は戸柱、宮本、柴田を入れた。対青柳は、試合前時点で今季3戦3敗と苦戦を強いられ、攻略に向け、大幅にスタメンを変更した。

◆DeNA佐野恵太外野手(27)が試合前に、BS-TBSの7月度の「月間グッドプレイヤー賞」の贈呈式に出席した。プレゼンターは、お笑い芸人のサンシャイン池崎が務め、贈呈前にはギャグを披露し、ベンチ、スタンドを沸かせた。

◆阪神陽川尚将内野手(31)と木浪聖也内野手(28)が適時打を放ち、スタメン起用に応えた。2回1死から糸原健斗内野手(29)が左越え二塁打で出塁。1死二塁の場面でDeNA今永のカットボールを詰まりながらも中前に先制適時打を放った。さらに、8番に入った木浪も奮闘した。2死二塁から今永のカットボールにうまく合わせ、中前へ落とす技あり打で2点目を挙げた。陽川は今季6度目のスタメン出場。木浪は4月13日の中日戦以来、約4カ月ぶりのスタメン起用。大山悠輔内野手(27)、中野拓夢内野手(26)ら主力を欠く中、下位打線がきっちりと走者をかえした。

◆DeNAが、レアな併殺を完成させた。1点ビハインドの5回1死一塁、阪神の青柳がバントの構えからバスター。一塁の佐野はバントに備えて、ダッシュする中、打球は一、二塁間に飛んだが、一塁ベースカバーに向かった牧秀悟内野手(24)が捕球し、素早く二塁に送球。そのまま一塁のベースカバーに入った牧に遊撃の森からボールが送られ、ピンチを脱した。

◆阪神青柳晃洋投手(28)が6回2失点(自責1)の力投も、キャリアハイに並ぶ13勝目と、2リーグ分立後の阪神では68年村山実、03年井川慶しか達成していない同一シーズン10連勝はお預けとなった。初回は2四球を与えるなどして得点圏に走者を許すも無失点。2、3回と連続で3者凡退に片付け、2点リードの4回は1死から連打を浴び、2死一、二塁から宮本に二ゴロを打たせたが、二塁糸原の悪送球による適時失策で1点差に迫られた。6回は先頭牧に左前への二塁打を許し、犠打で1死三塁。ここで代打オースティンを迎え、内野ゴロの間に同点に追いつかれた。今季ワースト3四球を与えるなど、本調子ではない中でも、先発としてしっかり試合をつくった。

◆阪神山本泰寛内野手(28)と木浪聖也内野手(28)が守備で好プレーを見せた。2-2の7回。DeNA先頭の柴田の打球は二塁・山本の右へ転がったが、ダイビングキャッチ。すかさず一塁へ送球しアウトに。山本は7月27日に新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱。8月4日に2軍に合流し、この日の2軍オリックス戦(京セラドーム大阪)にスタメンで出場後、1軍に昇格していた。ブランクを感じさせないプレーで躍動し、観客も拍手を送った。続く今永の打席では、三遊間へ飛んだ打球を遊撃・木浪がダイビングキャッチ。送球はバウンドしたものの、一塁・ロドリゲスががっちりつかんでアウトの判定となった。このプレーにDeNA三浦監督がリクエストが要求したが、判定は覆らずアウト。7回から登板した浜地真澄投手(24)を守備でもり立てた。

◆2位阪神が今季9度目のサヨナラ負けを喫した。9回2死一、三塁で、4番手の加治屋蓮投手(30)が代打大田に左前にサヨナラ打を浴びた。試練をはね返せなかった。不動の1番打者、中野拓夢内野手(26)がこの日、新型コロナウイルスの陽性判定で出場選手登録を抹消された。同じく陽性の大山悠輔内野手(27)に続く主力の離脱となった。即席でオーダーを組み替え、代替の選手たちが踏ん張った。今季6度目のスタメンに入った陽川尚将内野手(31)が2回、先制の中前打。中野が守ってきた遊撃で先発した8番木浪聖也内野手(28)も適時中前打で続いた。陽川は約4カ月ぶりの先発起用に応えた。打順には大きな変化があった。3番に固定され、打線をけん引していた近本光司外野手(27)が1番に入った。それにともない、新途中加入のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)が来日初の3番に。新打線で幸先よく先制したが、DeNA今永昇太投手(28)が尻上がりに調子を上げ、終盤は阪神ブルペン陣とのしのぎ合いになった。先発はハーラートップ12勝の青柳晃洋投手(28)だった。6回に2点目を失って同点とされた。球数が116球になっていたことで7回からマウンドを譲った。守備のミスがからんだため自責点は1。昨季から7連勝中と得意のDeNAに対し、粘って試合を作ったが、昨季のキャリアハイに並ぶ13勝目は逃した。

◆DeNAが、今季5度目のサヨナラ勝利を飾った。同点の9回2死一、三塁、代打の大田泰示外野手(32)が、左前にはじき返した。先発の今永は9回2失点の完投で、今季6勝目を挙げた。

◆2位阪神がサヨナラ負けを喫した。2-2で同点の9回2死一、三塁で、4番手の加治屋蓮投手(30)が代打大田にサヨナラ打を浴びた。不動の1番打者、中野拓夢内野手(26)がこの日、新型コロナウイルスの陽性判定で出場選手登録を抹消された。同じく陽性の大山悠輔内野手(27)に続く主力の離脱。今季6度目のスタメンに入った陽川尚将内野手(31)が先制打、中野が守ってきた遊撃で先発した8番木浪聖也内野手(28)も適時中前打など、代役選手が奮闘したが勝利には結びつかなかった。先発青柳晃洋投手(28)は6回2失点。球数が116球になっていたことで7回からマウンドを譲った。この日ベンチ外となった守護神岩崎優投手(31)について、矢野燿大監督(53)は疲労を考慮した積極的休養だと認めた。試合後の矢野監督の一問一答は以下の通り。-サヨナラの場面は勝負にいった結果「いやいやそれはもう、勝負にいって。まあまあ、もちろん、抑えようと思って投げてくれて、と思うけど。結果はもう、はい、受け止めてます」-先発の青柳は粘りながら「うーん、まあちょっと、球数増えちゃったしね。まあまあ、調子自体は球の走りも良いのかなと思ったけど。ちょっと球数が増えちゃって、というところはあったけど。まあまあ、うん、全体的にはその中では粘ってくれたのかなと思います」-苦しい場面もありながら自責1に収めた「いやもう。うん、うん」-岩崎がベンチから外れた「いやまあまあ、ずっと投げてもらっているし。(月曜に加え)もう1日ぐらい休んだ方がいいんじゃないかというところで」-積極的休養「もちろん」-打つ方で木浪、陽川がチャンスを生かした「そうやね。チームも戦力的にちょっと苦しい状況になっている中で、聖也(木浪)も、バットでも守備でも良いプレーをしていた。尚将(陽川)も1回いいところで打ったし。ヤス(山本)も帰ってきて、いいプレーしてくれたし。今は全員で補って、全員でやるしかないんで。そういうところをしっかり見せてくれた。出ている本人は(主力が)帰ってきても自分が出るんだというぐらいの気持ちでやっていると思うんで」-中野らの離脱は痛いが、陽川や木浪のようにピンチをチャンスに変えてくれたらチームのムードは上がる「いや、ムードを上げるというか、本人たちは必死だからね。チームのためにっていうのは結果論であって、もう、自分のためにやればいいわけだから。自己アピールして、自分がどうやったら試合に出られるかって、そういう思いでやってくれたら。現状の聖也でいえば、自分がどう出るかを必死にチャレンジしていけばいいから。そういう風にやってくれたらいいかな」-DeNA今永に中盤以降は苦戦した「まあね。そんなにホームランとか、そんなのが出ないと、なかなか連打連打とか、そういう崩し方ができるタイプでは(ない)。そういうのはなかなか難しいんでね。まあ、悠輔(離脱中の大山)とかが、やっぱり相性がいいし、そういうのもあるし。しっかり投げられたかなという感じです」阪神のサヨナラ負けは今季9度目で、これは2位のヤクルト、DeNA各5度を引き離し12球団最多。2リーグ分立後のサヨナラ負け球団ワーストは10度で、54、94年に記録。今季は更新のおそれが出てきた。なお2リーグ分立後のサヨナラ負けシーズン試合数プロ野球最多は14度で、88年広島、93年中日、09年西武がそれぞれ記録している。○...湯浅が8回1イニングを3者凡退に抑え、リーグトップ独走の33ホールド目を挙げた。2-2の8回に登板。先頭の桑原を三ゴロに仕留めると、佐野を中飛、最後は牧を140キロのフォークで三ゴロとし、中軸をきっちりと抑えた。「上位打線でしたが、いつも通り集中して、1人1人に対して強気で向かっていくことができたと思います。今日のような投球を続けられるように、また頑張ります」と話した。

◆守護神岩崎優投手(31)は、「積極的休養」でベンチ外となった。試合後、矢野燿大監督(53)は「ずっと投げてもらっているし。もう1日ぐらい休んだ方がいいんじゃないかというところで」とゲームのなかった月曜日に続く"連休"を設けたと説明した。岩崎は今季、チーム2位の43試合に登板。6日の広島戦では9回に4失点し、3点リードを守れず、サヨナラ負け。翌7日の同戦では、セーブシチュエーションの9回にカイル・ケラー投手(29)が登板し、来日初セーブを挙げていた。この日は2-2で同点の9回、加治屋蓮投手(30)が登板し、DeNA大田にサヨナラ打を許した。

◆阪神矢野燿大監督はサヨナラ打をじっと見つめていた。チームを襲ったコロナ禍の状況では「善戦」と言えるのかもしれない。「チームも戦力的に苦しい状況になっている中で(木浪)聖也がバットでも守備でもいいプレーをした。(陽川)尚将も1回いいところで打った。(山本)ヤスも帰ってきて、いいプレーしてくれた」。代替で送り出した選手たちの活躍を次々と挙げた。試練だった。球団は中野とウィルカーソンの新型コロナウイルス陽性判定を発表した。糸井も感染疑いのため特例抹消。8日には貴重なサブの熊谷も陽性となり、この日特例抹消された。今月に入って離脱者が続出。とくに5番で打線をけん引してきた大山が不在という窮地に、全103試合に先発していた遊撃手中野も欠くことになった。矢野監督は「今は全員で補って、全員でやるしかない。そういうところをしっかり見せてくれた」。試合には敗れたが、プラス面を強調した。

◆DeNA今永昇太投手(28)が、9回2失点の完投で今季6勝目を挙げた。前回対戦で投げ負け「日本一のピッチャー」と評する阪神青柳との同学年対決。2回に2点を先制されながら、3回以降は1安打無失点と沈黙させ、サヨナラ勝利を呼び込んだ。チームでは自身がノーヒットノーランを達成した6月7日の日本ハム戦以来の完投。113球にも「あと2回くらい、いけた気がします」と頼もしかった。心をコントロールし、3回以降の安定した投球に結び付けた。「自分を窮屈にしないようなマインドで投げられた」。この日は捕手が嶺井から戸柱に変わって、また違った配球を駆使しながら、今季2戦2敗だった阪神にリベンジした。大田と上がったお立ち台では「左の内転筋に素晴らしいオーラを感じた」とニヤリ。大田から「僕の打撃フォーム、クセが強すぎるんで」と絶妙な返しを受け、スタンドを沸かせた。

◆阪神が今季9度目のサヨナラ負けを喫した。9回、4番手の加治屋蓮投手(30)が代打大田にサヨナラ打を浴びた。この日、不動の1番打者・中野拓夢内野手(26)が新型コロナウイルスの陽性判定で出場選手登録を抹消された。それでも陽川尚将内野手(31)、木浪聖也内野手(28)ら代役陣が奮起のタイムリーを放ったが、最後は力尽きた。2リーグ分立後、阪神の最多サヨナラ負けは10度。ワースト記録まであと1つとなってしまった。7回浜地、8回湯浅と同点でバトンをつないだが、9回の加治屋がつかまった。先頭に四球を与え、2死一、二塁から代打大田の初球に暴投し、三塁進塁。2球目カットボールを左前へはじき返され、今季9度目のサヨナラ負けを喫した。矢野監督は「抑えようと思って投げてくれたと思う。結果は、はい。受け止めています」と悔しそうに振り返った。25セーブの守護神岩崎はベンチから外していた。「ずっと投げてもらっているし、もう1日くらい休んだ方がいい」と、今後を見据え、6日広島戦で3点リードを守れず4失点した登板から3日間休養させた。ベンチには岩崎不在時のストッパー的存在のケラーも岩貞もいたが、延長に持ち込む前に加治屋が力尽きた。今月に入り渡辺、石井と中継ぎ陣に新型コロナウイルス陽性者が出ている。島本、及川、小林と2軍から新戦力を加えるが、猛暑と疲れでブルペンは疲弊している。打線も2回に2点を先制したが、3回以降は今永の前に無得点。1安打しか打てなかった。近本を5月31日西武戦以来50試合ぶりに1番に起用し、3番には新外国人ロドリゲスを初めて抜てきしたが1番から4番までが全員無安打。矢野監督は「本塁打とか出ないと、なかなか連打連打という崩し方ができるタイプでは。悠輔(大山)とかがやっぱり相性がいいし...」と、嘆いた。新型コロナウイルス陽性で離脱している大山は今季今永から3打数2安打2本塁打を放っている。その穴は言うまでもなく大きい。さらに不動の正遊撃手中野も陽性となり離脱。糸井も感染疑いで特例抹消されるなど、コロナ禍の終わりは見えない。「今は全員で補って、全員でやるしかない」と、残されたメンバーで必死に戦うしかない。2リーグ分立後、球団ワーストの年間10度のサヨナラ負けにあと1つと迫った。首位ヤクルトは敗れ8・5差は変わらない。だが、振り向けば3位DeNAとは0・5差に迫られ、負ければ順位が入れ替わる。奇跡のドラマを起こすためにも連敗するわけにはいかない。【石橋隆雄】阪神のサヨナラ負けは今季9度目で、これは2位のヤクルト、DeNA各5度を引き離し12球団最多。2リーグ分立後のサヨナラ負け球団ワーストは10度で、54、94年に記録。今季は更新のおそれが出てきた。なお2リーグ分立後のサヨナラ負けシーズン試合数プロ野球最多は14度で、88年広島、93年中日、09年西武がそれぞれ記録している。

◆阪神木浪聖也内野手(28)ら代役組が攻守で躍動した。1番に定着している中野がこの日新型コロナウイルス陽性の緊急事態。代役として木浪にチャンスが巡った。昨年4月28日の中日戦以来の遊撃でスタメンで存在感を見せつけた。打撃では2回にDeNA今永から点差を2点に広げる適時打を放つと、7回の守備では今永の当たりに飛び込んでキャッチし、好送球。球場を沸かせた。「回ってきたチャンスなので、自分のモノにできるように。毎日準備してチームに貢献するのが自分の仕事だと思う。そのことだけ考えてやっていきたい」と気持ちを込めたプレーを振り返った。今季6度目の先発起用された陽川も意地を見せた。2回1死二塁で詰まりながら中前に落とす先制タイムリー。また、特例代替で急きょ昇格した山本も7回から就いた二塁の守備で奮闘した。先頭柴田の打球に飛び込み捕球。すぐに一塁に送球し、勝ち越し走者の出塁を阻止した。この日午前10時30分からの2軍オリックス戦(京セラドーム大阪)で新型コロナウイルスでの離脱から実戦復帰した山本。3打席立ち、その足で横浜に駆け付けた。矢野監督も「自分がどうやったら試合に出られるか、そういう思いでやってくれたら」と鼓舞。チームがコロナ禍にあえぐ中、代役陣のプレーが頼もしかった。【三宅ひとみ】

◆「ヨコハマサイコー!」。DeNA大田泰示外野手(32)が、移籍後初のサヨナラ打を放ち、今季5度目のサヨナラ勝利を飾った。同点の9回2死一、三塁、阪神加治屋から左前にはじき返した。チームは15年に11連勝(4月22~5月22日)を達成した以来となる横浜スタジアム9連勝を達成。貯金を1とし、2位阪神に0・5ゲーム差に迫った。お立ち台に上がった大田は、恒例のフレーズでスタンドを沸かせた。「心からの気持ちを表します」と前振りした後、横浜の夜空に向かって「ヨコハマ、サイコー!」と叫んだ。移籍1年目ながら、タオルも販売され、ファンにも浸透する決めぜりふで今季5度目となる劇的なサヨナラ勝利を最高潮に盛り上げた。「緊張しかなかったですね」。プロ14年目の32歳は、包み隠さず、ユーモアも交えながら、サヨナラの場面を振り返った。その直前、代打宮崎が申告敬遠された後の同点の9回2死一、二塁、「代打大田」がコールされた。「ザキさん(宮崎)が、申告敬遠されるのは分かっていたので、なお緊張した」。その初球、暴投で嶺井が三塁に進塁した。「気持ち的にはさらに緊張した」。高まる緊張感の中、2球目のカットボールを左前にはじき返し、移籍後初となる歓喜の一打を放った。「いつも勝負弱くて、なかなか打てていなかったので、今日打てて良かった」と安堵(あんど)しながら、「あっという間の出来事すぎて、まだよく分かってないです」とぶっちゃけた。チームは劇的な勝利を飾って、2位阪神に0・5差に迫るとともに、11連勝した15年以来の横浜スタジアム9連勝を達成した。「球場一体となって、仲間が応援してくれて。みんなで1つの勝ちに対して、あれだけ一体になれる瞬間って、気持ちのいいものですし、ああいうのが野球の素晴らしさだなと感じます」とかみしめた。【久保賢吾】

◆「ヨコハマサイコー!」。DeNA大田泰示外野手(32)が、移籍後初のサヨナラ打を放ち、今季5度目のサヨナラ勝利を飾った。同点の9回2死一、三塁、阪神加治屋から左前にはじき返した。チームは15年に11連勝(4月22~5月22日)を達成した以来となる横浜スタジアム9連勝を達成。貯金を1とし、2位阪神に0・5ゲーム差に迫った。大田は、お立ち台でもファンの期待に応えた。「心からの気持ちを表します」と前振りした後、横浜の夜空に向かって「ヨコハマ、サイコー!」と叫んだ。移籍1年目ながら、タオルも販売され、ファンにも浸透する決めぜりふで今季5度目のサヨナラ勝利を最高潮に盛り上げた。「緊張しかなかったですね」。プロ14年目の32歳は包み隠さず、ユーモアも交えながら、サヨナラの場面を振り返った。代打宮崎が申告敬遠された後の同点の9回2死一、二塁。「代打大田」がコールされた。「ザキさん(宮崎)が申告敬遠されるのは分かっていたので、なお緊張した」。初球、暴投で嶺井が三塁に進塁した。「気持ち的にはさらに緊張した」。高まる緊張感の中、2球目を左前にはじき返し、移籍後初のサヨナラ打を放った。直後は「あっという間の出来事すぎて、まだよく分かってないです」と興奮したが、ベンチ裏では歓喜の瞬間を思い出し、喜びをかみしめた。「球場一体となって、また仲間が応援してくれて。みんなで1つの勝ちに対して、あれだけ一体になれる瞬間って、気持ちのいいものですし、ああいうのが野球の素晴らしさだなと感じます」チームは劇的な勝利を飾り、2位阪神に0・5差に迫るとともに、11連勝した15年以来の横浜スタジアム9連勝を達成した。昨オフ、日本ハムを自由契約となって、飛び込んだ横浜の地。「アイ、ラブ、ヨコハマ!」。思いはグラウンドで体現する。【久保賢吾】○...DeNAは阪神青柳対策で、左打者7人をスタメンに並べた。通算で4勝14敗と苦手とする天敵に対し、1番に緊急昇格した森を起用。この日から合流したソト、宮崎もベンチに置き、5番には楠本を入れた。三浦監督は「何か違うことをやり続けていくしかないというところ」と説明した。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は「8番・遊撃」で木浪聖也内野手(28)が出場する。スタメン出場は4月13日の中日戦(バンテリンドーム)以来。遊撃での先発出場は昨年4月28日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる。この日、中野拓夢内野手(26)が新型コロナウイルス陽性判定を受け、離脱した。チームのピンチを、木浪が救う。中野に代わって1番は近本光司外野手(27)。5月31日の西武戦(甲子園)以来となるリードオフマンの打順で虎に勢いをもたらす。近本に代わって、3番には新外国人のロドリゲスが入り、来日初のクリーンアップに座ることとなった。

◆DeNAは今季3戦3敗を喫している阪神の変則右腕・青柳に対し、宮崎、ソト、オースティン、大田ら右の強打者をベンチスタートで、スタメン9人中7人を左打者で固めるオーダーで勝負に出た。試合前、取材に応じた三浦監督は「打つ打たないというよりも勝てていないので、勝つために。勝たないといけないので。打てなくても勝てばいいし、打っても勝たないといけないので、そこは投打ともに」と語っていた。

◆阪神・陽川尚将内野手(31)が先制の中前打を放った。二回1死。糸原のライナー性の打球を、DeNAの左翼手・宮本が目測を誤り、グラブに当てながらも落球(記録は安打)。1死二塁のチャンスで、7月22日のDeNA戦(甲子園)以来のスタメン起用となった陽川が打席に向かった。カウント1-2から5球目、今永の134㌔変化球に食らいつくと、打球は中前に弾む先制適時打。陽川の今季初打点で阪神が先制した。打線はさらに二回2死二塁。この日、新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱した中野に代わって、「8番・遊撃」で4月13日の中日戦(バンテリンドーム)以来の先発出場となった木浪が、中前適時打を放った。陽川、木浪が矢野監督の起用に応え、コロナ離脱者で揺れるチームを救った。

◆大のベイスターズファンで知られる人気声優の森川智之(55)が始球式を務めた。背番号「111」のスターナイトユニホームを着用し、憧れのハマスタのマウンドに立つと、セットポジションから見事なノーバウンド投球を披露した。森川は球団を通じて「無事に戸柱選手のミットにおさまったので、ホッとしています。土がつかなかったので」とコメント。同じくベイスターズファンで同席した人気声優・速水奨(64)は「森川君より緊張したと思う。ドキドキしました」とねぎらった。

◆阪神に痛い守備のミスが出た。2-0で迎えた四回。1死から青柳が連打で一、二塁のピンチを招いた。戸柱は捕邪飛に仕留めて2死一、二塁。7番・宮本に投じた6球目だった。ボテボテの二ゴロも、二塁手・糸原が一塁悪送球。1点差に迫られ、なおも2死一、三塁のピンチとなったが、青柳が柴田に粘られながらも、三ゴロに仕留めて踏ん張った。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(28)は6回5安打2失点(自責1)で降板した。一回2死一、二塁のピンチを背負うも、楠本を一直に仕留め、立ち上がりを無失点で切り抜けた。2-0の四回2死一、二塁では、宮本を二ゴロに仕留めるも糸原が悪送球。1点差に迫られたが、柴田を三ゴロでリードを守った。粘るDeNA打線に対し、五回終了時で擁した球数は100球。六回もマウンドに上がった右腕だったが、先頭の牧に二塁打、楠本は一犠打で1死三塁のピンチを背負う。代打・オースティンに対して4球目、痛烈な打球に反応するも、白球は青柳のグラブを弾いて、二塁へ。二ゴロの間に三走・牧が生還し、同点とされると、悔しそうにグラブをたたいた。青柳は6回116球の力投も今季13勝目はならず、自身10連勝もお預けとなった。

◆ハマの4番が守備で魅せた!! DeNAは1―2の五回、二塁手・牧が好守備を連発し、先発のエース・今永をもり立てた。まずは先頭の梅野が放った、ドン詰まりの一塁線への小飛球に猛ダッシュ。ギリギリのタイミングで最後は見事なスライディングキャッチを見せ、相手の攻撃の芽を摘んだ。見せ場は続く。続く木浪が右前打を放ち、1死一塁で9番の投手・青柳を迎えた場面。1球目のバントがファウルとなり2球目、DeNAは一、三塁手が猛チャージをかけるシフトを取った。これに対し、青柳は意表を突くバスターを敢行。この打球に、一塁ベースカバーへ走っていた牧が好反応を見せ、素早い切り返しで二塁へ送球し封殺。さらに、すぐさまがら空きになっていた一塁へ入り、遊撃・森からの送球を受け併殺を完成させた。2年目の今季、開幕から「4番・二塁」で出場を続ける。オールスター前に「左足関節骨棘(こつきょく)障害」の診断を受け欠場したが、その影響を感じさせないプレーで後半戦もチームを引っ張っている。全ては勝利のため。1年目からチームのために献身的なプレーを続ける24歳が、自慢の打撃だけでなくチームに貢献した。(浜浦日向)

◆阪神は九回サヨナラ負け。DeNA戦の連勝は「3」でストップした。打線は二回に陽川の左前先制打、この日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱した中野に代わって遊撃でスタメン出場した木浪の中前打で2点を先取。しかし、その後は相手先発・今永に対してチャンスをつくれず、三回以降は二塁すら踏ませてもらえなかった。先発した9連勝中の青柳は制球に苦しみながら序盤3回は無失点だったが、四回2死一、二塁で二塁・糸原の一塁への悪送球し、その間に1点差。六回は1死三塁で代打・オースティンの二ゴロの間に同点に追いつかれ、116球を投げ抜いたこの回をもって5安打2失点(自責1)で降板した。七回を浜地、八回を湯浅がともに1回無失点でしのいだが、九回を任された加治屋が先頭への四球をきっかけに犠打、暴投などで2死一、三塁となり、最後は代打・大田に左前打を許し、接戦を落とした。

◆DeNA・今永昇太投手(28)が先発し、9回113球を投げて4安打2失点の力投を見せた。二回に1死から左翼手・宮本が左直を後逸し、そこから陽川、木浪に適時打を浴びて2点を先行された。しかし、その後は粘りの投球で許した走者は四回の木浪の安打のみ。それも続く青柳を併殺で切り抜け、三回以降は打者21人で封じ込めた。〝有言実行〟の熱投だった。2位・阪神、1位・ヤクルトとの6連戦初戦。「火曜日というのは特別な曜日。何点取られようが、必ず長いイニングを投げる意識でマウンドに上がりたい」と意気込んでいた。投げ合った阪神・青柳が6回116球で降板する中、丁寧な投球で9回を投げた。九回、大田泰示のサヨナラ打を呼び、9月に30日間で27試合を戦う〝超過密日程〟も控える中で、エースが大きな仕事を果たした。

◆阪神が2点リードを守れず、今季9度目のサヨナラ負けを喫した。同点の九回、4番手の加治屋蓮投手(30)が先頭打者に与えた四球を機に2死一、三塁の窮地を招いて、代打大田泰示外野手(32)に左前打を浴びて、逆転負け。6回2失点(自責1)で自身10連勝はお預けとなった青柳晃洋投手(28)は試合後、慎重になっていたのか? と問われて「DeNAが粘ったというのもありますし、際どいところで判定がどうこうというところもありますけど、そこに投げている自分が悪いかなと思うので。DeNAの作戦勝ちなんじゃないですかね」とコメント。さらに4試合連続の六回降板となり「ここ3試合、4試合くらい、どのチームもそうですし、追い込まれたらファウルで粘るのが続いている。それで毎回、六回までしか投げれていないので、どうにかしなきゃなと思います」と語っていた。

◆DeNAがサヨナラ勝ち。2―2の九回2死から代打大田が左前に殊勲打を放った。0―2の四回に失策に乗じて1点返し、六回に代打オースティンが二ゴロで同点とした。今永が2失点で完投して6勝目。阪神は追加点が遠かった。

◆阪神が2点リードを守れず、今季9度目のサヨナラ負けを喫した。同点の九回、4番手の加治屋蓮投手(30)が先頭打者に与えた四球を機に2死一、三塁の窮地を招いて、代打大田泰示外野手(32)に左前打を浴びて、逆転負け。青柳晃洋投手(28)は6回2失点(自責1)で自身10連勝はお預け。チームは熊谷敬宥内野手(26)に加え、中野拓夢内野手(26)もコロナ陽性、糸井嘉男外野手(41)が陽性の疑いで抹消となり、「特例2022」の代替選手として原口文仁内野手(30)、山本泰寛内野手(28)、江越大賀外野手(29)が昇格した。3位DeNAに0・5差に迫られた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績52勝50敗2分、観衆2万3530人)。ーーサヨナラの場面は仕方がない「それはもう、勝負行って。抑えようと思って投げてくれていると思うけど。結果はもう、はい、受け止めてます」ーー青柳は粘りながら「球数増えちゃったしね(116球)。調子自体は球の走りも良いのかなと思ったけど。球数が増えちゃって、というところはあったけど。まあまあ、うん、全体的には、その中では粘ってくれたのかなと思います」ーー苦しい場面もありながら自責1「いやもう。うん、うん」ーー岩崎がベンチから外れた「いや、まあまあ、ずっと投げてもらっているし。(8日の月曜に加え)もう1日ぐらい休んだ方がいいんじゃないかというところで」ーー積極的休養「もちろん」ーー木浪、陽川がチャンス生かした(揃って二回に適時打)「戦力的に苦しい状況で、聖也もバットでも守備でも良いプレーをしていた。尚将も1回いいところで打ったし。ヤスも帰ってきていいプレーしてくれた。今は全員で補って、全員でやるしかないんで。そういうところをしっかり見せてくれた。出ている本人は(主力が)帰ってきても自分が出るんだというぐらいの気持ちでやっていると思うんで」ーー中野らの離脱は痛いが、陽川や木浪のようにピンチをチャンスに変えてくれたらチームのムードは上がる「ムードを上げるというか、本人たちは必死だからね。チームのために、は結果論であって、自分のためにやればいい。自己アピールして、どうやったら試合に出られるかって、そういう思いでやってくれたら。立ち位置によってはチームのことも考える選手もいてもらわないと困れば、現状の聖也でいえば、自分がどう出るかを必死にチャレンジしていけばいい。そういう風にやってくれたらいいかな」ーー今永に中盤以降は苦戦したが「ホームランとか、そんなのが出ないと、なかなか連打連打とか、そういう崩し方ができるタイプでは(ない)。そういうのはなかなか難しいんでね。悠輔とかがやっぱり相性がいいし、そういうのもある。しっかり投げられたかなという感じです」

◆DeNA・今永昇太投手(28)が阪神戦(横浜)に先発。9回113球、4安打2失点の熱投で大田のサヨナラ打を呼び込んで6勝(3敗)目を挙げ、2人でお立ち台に上がった。「青柳投手は日本一の投手。何とか投げ負けないように、絶対に逆転してくれると信じて投げた。野手の皆さんに感謝しています」二回に陽川、木浪に適時打を許して2点を先行されたが「自分を窮屈にしないマインド」で切り替え、三回以降は許した走者は安打の1人のみ。それも併殺で切り抜け、打者21人で封じ込めた。9月に27試合の過密日程が控える中、阪神、ヤクルトと続く6連戦の初戦で大きな完投。「長い回を投げたいという中で一試合を投げさせてもらって、心地いい疲れがくると思う」と勝利に浸った。

◆阪神が2点リードを守れず、今季9度目のサヨナラ負けを喫した。コロナ陽性で抹消となった中野拓夢内野手(26)に代わって「8番・遊撃手」で4月13日の中日戦(バンテリン)以来のスタメンとなった木浪聖也内野手(28)が二回2死二塁で中前に適時打を放った。試合後は二回の場面を振り返って「回ってきたチャンスだったので、この試合にすごいかけていた、というのもありますし、今永さんというのをイメージして、昨日から、ずっといたので。それがその通りできたのかなと思います」とコメント。「とりあえず自分の仕事を1試合1試合やるだけなので。それが結果になってチームが勢いづけばなと思います」と自分に言い聞かせるように語っていた。

◆DeNAは三浦大輔監督(48)の采配が的中し、今季5度目のサヨナラ勝ちで本拠地9連勝。後半戦は5勝1敗と好調で、貯金を1とし、2位阪神に0・5ゲーム差に迫った。この日は、今季3戦3敗を喫している阪神・青柳に対し、宮崎、ソト、オースティン、大田ら右の強打者をベンチスタートで、スタメン9人中7人を比較的苦手とする左打者で固めるオーダーで勝負に出た。三浦監督は試合後、その狙いについて「難しい投手ですから、何か違うことを常にやり続けていくしかない。きょうはスタメンが何とか粘って、ベンチに普段出ている選手がいますから、常にいろんな代打陣でバリエーションで、段階で構えていけたのが大きかった」と語った。指揮官の思惑通り、青柳に6回で116球を投げさせ降板に追い込むと、1点を追う六回の好機はオースティンを送り込み同点に追い付き、投手が代わった九回のチャンスは宮崎、大田を惜しげもなく送り込みサヨナラ勝ちを収めた。

◆虎を襲ったピンチも、木浪にとってはチャンスだった。一晩かけて頭に刷り込ませた今永の球筋。自信を持って振り抜き、快音を響かせた。「今永さんをイメージして、きのう(8日)からずっといたので、その通りできたのかなと思います」二回、陽川が先制打を放ち、なお2死二塁の好機。外角低め133キロカットボールに泳ぎながらも食らいついた。二遊間を抜ける追撃の中前適時打。五回にも右前打を放ち、途中出場だった6日の広島戦(マツダ)から4打席連続安打。2試合連続の複数安打と気を吐いた。今季全試合で遊撃のスタメンを任されていた中野が、新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱した。代わって昨年4月28日の中日戦(バンテリンドーム)以来の遊撃先発。途中出場を含めても、1軍で遊撃守備につくのは今季初だ。それでも「回ってきたチャンス。この試合にすごくかけていたというのもあります」。二回には鮮やかなランニングスロー、七回も深いところへの打球をダイビングキャッチして、沸かせた。矢野監督は「現状の聖也(木浪)でいえば、自分がどう(試合に)出るかを必死にチャレンジしていけばいい」と背中を押した。もちろん、木浪だってそのつもりだ。「毎日、準備して結果を残すのと、チームに貢献するのが自分の仕事。そのことだけ考えてやっていきたい」チャンスをモノにする-。強い覚悟を胸に、内野の要を守り抜く。(原田遼太郎)

◆青柳は粘りの投球を見せたが、自身10連勝とはならなかった。「判定がどうこうというところもありますけど、そこに投げている自分が悪いのかなと思う。DeNAの作戦勝ちなんじゃないですかね」2―1の六回1死三塁で代打・オースティンにツーシームをとらえられた。必死にグラブを差し出して打球の方向を変えて二ゴロにしたが、同点のホームを踏まれた。6回116球、5安打2失点(自責1)で勝ち負けはつかず。2003年の井川慶、1968年の村山実以来の10連勝はお預けに。矢野監督は「球数が増えちゃったところはあったけど、その中で粘ってくれた」とねぎらった。球宴を挟んだ公式戦4試合連続で6回で降板。現状打破へ「(狙って)三振も取らなきゃいけないと思う。それをバッテリーで考えなきゃ」と課題を口にした。(織原祥平)

◆千両役者が決めた!! DeNAは9日、阪神17回戦(横浜)に3―2で今季5度目のサヨナラ勝利。日本ハムから今季加入した大田泰示外野手(32)が自身5年ぶり、移籍後初のサヨナラ安打を放った。後半戦で5勝1敗と絶好調のチームは本拠地9連勝を飾り、2位・阪神に0・5ゲーム差と肉薄。上位進出へ、一気に突き進む。新たな本拠地で、歓喜のウオーターシャワーを全身に浴びた。2―2の九回に大田が移籍後初のサヨナラ打。打った瞬間に右手を一塁ベンチに突き上げ、駆け寄ってきた仲間に囲まれながら、最後は三浦監督と熱い抱擁を交わした。「みんなで一つの勝ちに対して、あれだけ一体になれる。やっていて気持ちいいし、野球の素晴らしさだなと思います」同点の九回2死二塁。前打者の宮崎が申告敬遠され「敬遠されるのは分かっていた」と覚悟を決めて、代打で打席に立った。1球目、暴投で二走の嶺井が三塁を陥れ、好機が広がり「さらに緊張した」。それでも「自分が打てる球を仕留めるだけ」と阪神4番手、加治屋が投じたカットボールを振り抜き、三遊間を破った。9カ月前は人生最大の岐路に立っていた。2017年から主力として5年間過ごした日本ハムから「ノンテンダー」として、自由契約を告げられた。「初めての経験で、正直びっくりした」と不安な日々を過ごした。複数の球団からオファーがあった中、三浦監督の電話がDeNA入りを後押しした。「来季は最下位から優勝を目指す。優勝してみんなで喜びを共有したい」。指揮官の真っすぐな言葉に「監督の熱い思いが心に響いた。一緒に野球をさせてもらいたい、優勝したいと思った」と、東海大相模高時代に汗と涙を流した横浜スタジアムでのプレーを決断した。指揮官の期待に応えるために-。オフは体づくりから変革した。切れを取り戻すため、「無駄な筋肉や脂肪はつけないように」と、牛肉など脂の多い肉を控え、魚介類中心の食生活に変えた。「必然的に体脂肪が落ちて、筋量もしっかり維持された」と体の成分分析装置「インボディー」で人生初の満点を記録するなど、過去最高の状態で新天地に乗り込んだ。この日は青柳にとって比較的被打率が高い左打者をスタメンに7人並べ、オースティン、宮崎ら右の強打者を勝負どころの代打で起用した三浦采配が的中した。最後に決めた新戦力の一振りを「日頃からしっかり準備しているからこそ、ああいうところでいけるんだと思う」とたたえた。大田は脚の張りなどで7月に2度目の出場選手登録抹消となっていた。戻ってきた舞台で大仕事を果たし「横浜最高!!」と絶叫した。チームは2位・阪神との直接対決第1ラウンドを制し、0・5ゲーム差と肉薄した。6月28日の阪神戦から本拠地9連勝で再び貯金「1」。後半戦は5勝1敗だ。〝ハマのお祭り男〟とともに、DeNAが勢いづいてきた。(浜浦日向)★大田の高校時代 故郷の広島を出て、2006年に神奈川の東海大相模高に入学。1年夏からベンチ入りすると、高校通算65本塁打をマークし、大型遊撃手として注目を集めた。夏の大会は3年連続で決勝に進出するも、甲子園出場は果たせず。3年夏の北神奈川大会決勝では、慶応高と対戦し、延長十三回の激闘の末に敗戦。大田は最後に投手としてマウンドに上がったが、3点を失い、横浜スタジアムで涙にくれた。

◆また緊急事態や! 阪神はDeNAに2―3で今季9度目のサヨナラ負け。試合前に中野拓夢内野手(26)らの新型コロナウイルス陽性が発表された。開幕から遊撃のスタメンでチームに貢献してきた韋駄天の離脱が影響したのか、この日は1~4番が15タコと打線が機能せず。主砲・大山悠輔内野手(27)らも離脱中。虎よ、踏ん張りどころやでぇ~!欠けたところに深くしみる1敗だ。正遊撃手で1番打者の中野も不在となる緊急事態を、はね返せなかった。三遊間を破られた今季9度目のサヨナラ負けの幕切れの場面より、今永の前に動くに動けない展開となり、打開できる男が誰もいないという現実が、矢野監督には嘆かわしかった。「ホームランとかが出ないと、なかなか連打とか、そういう崩し方ができるタイプでは(ない)。(大山)悠輔とかが相性がいいし、そういうのもある。しっかり投げられたかなという感じ」今季ノーヒットノーランも達成した左腕から二回に2点を先制したものの、三回以降は1安打。大山は今季、今永に打率・667(3打数2安打)、2本塁打3四球と好相性だった。しかし、新型コロナウイルス陽性判定を受け5日に離脱。打線全体の流れに目を移せば、この日同じく陽性判定を受けて離脱した「1番・中野」を失ったことが、大きく響いた。中野は今季全103試合に先発出場し、打率・272、4本塁打、20打点。近本に次ぎリーグ2位の117安打を放ち、同3位の17盗塁。今永とも今季打率・500(6打数3安打)、通算でも同・455(11打数5安打)と好相性だった。しかし、離脱...。ここまで34試合連続で「1番・遊撃」を務めてきたが、近本が5月31日の西武戦(甲子園)以来の「1番・中堅」に戻らざるを得なくなった。2番に島田、3番にロドリゲスを組み込むも、機能しなかった。こんな日に限って1番から攻撃が始まるイニングが一、三、六、九回と4度もあり、どの回も三者凡退。4番の佐藤輝を含めた1~4番が、今永の前に計15タコに終わった。1~4番が全員無安打に終わる試合は、4番・佐藤輝が大野雄から延長十回にチーム初安打を放った5月6日の中日戦(バンテリンドーム)以外、延長なしのゲームに限れば今季初。これで逃げ切ろうというのは、甘かった。どの球団も同様の条件とはいえ、虎の試練の日々も過酷さを増している。今月4日の渡辺から5日には大山と北條、7日には石井、8日には熊谷が陽性判定を受けた。この日は中野とウィルカーソンも陽性となり、糸井も検査の結果、感染の疑いがあるとして抹消された。長期ロードはまだ折り返してもいないというのに、あすはどう力をそがれるのか、検査結果に震える日々だ。3位DeNAがジワリと0・5ゲーム差に迫ってきた。矢野監督は「今は全員で補って、全員でやるしかない」と歯を食いしばる。ただ、首位ヤクルトと8・5ゲーム差が変わっていないことは救いだ。挑めるか、引き下がるのか。踏ん張りどころの夏になる。(長友孝輔)

◆2点を先制したのに終わってみればサヨナラ負けって...。悔し~い!! 悔しいけど、こうなる結果をどこか予想していた俺がいたのだ...。本日のDeNA先発の今永はめちゃくちゃ良かったからねー!! スピード、コントロール、緩急の使い方と、敵ながらパーフェクト!! それでも大山、中野がいないなか、陽川がどん詰まりの先制打。そして木浪が低めの難しい球をイチローばりに拾っての2点目をたたき出す。マウンド上はハーラートップ12勝の青柳さんだから、もしかしたらこのまま虎の逃げ切り...なんて甘い夢を見たけど...。やはり『野球は数学』。計算通りにわが阪神、敗れたり。グスン!!糸原ちゃん、タイムリーエラーはイカンよ~! てか大山、中野が抜けた打線は、相手投手がキチンと投げたら近本以外コワイ打者がいないんだから、つれぇ~!!嘆きついでにバラしてしまうと、大エースの青柳さんも実はそこまでじゃなくてさ...。その証拠に、ここ4試合は六回で降板してんのよ...。逆に考えたら顔で勝ってるんだからスゲーんだけど!! 少ない得点でどー勝つか!? さあ、矢野さん、最後の知恵をしぼってくれー!!

◆二回までは、「きょうも勝ったなぁ」ムードだったのになぁ。途中から、ミスが出始めて、追いつかれて、攻撃では誰も出塁しないし...。最後は、案の定だった。ついにリードオフマン中野も抹消。開幕前のエース青柳の離脱は痛恨だったけれど、攻守に大活躍の中野の不在は相当な戦力ダウンだ。しばらく我慢するしかない。とはいえ、各球団、「特例2022対象選手」が続出して、どこが得した、どこが損した、な~んて低次元な話をしている状況ではなくなっている。甲子園の高校野球も大変だ。第4試合では県岐阜商が大幅にメンバーを入れ替えて戦っていた。いくら名門、選手層が厚いと言っても、甲子園を勝ち取ったレギュラーがゴッソリいなくなっては、ミス続出の悲しい試合展開もやむなし。そんな中、岐阜大会ではベンチ入りしながら、甲子園メンバーは惜しくも外れて、このアクシデントで再び復活出場という選手も。数奇な運命をたどった選手は、何となく応援したくなる。阪神も「現時点で昇格する予定ではなかった選手」が続々と1軍に合流した。2軍戦が行われていた京セラドームをまずは山本がタクシーで出発し、ほどなくして原口も。ハマスタ目指して超ドタバタの緊急移動!特に原口は数奇なストーリーだ。トラ番キャップ長友孝輔がハマスタの記者席から伝えてきた。「本人は決して口にはしませんが、ある意味、彼が一番コロナに翻弄されたのでは。首脳陣から『力量は分かっているから』と信頼されての2軍キャンプでしたが、2軍でコロナが発生して、選手の帰阪が遅れてしまった。さらに1、2軍の入れ替えができなくなり、オープン戦でのアピールの場がなくなったんです。6月には本人も感染。このタイミングで、2軍戦とはいえ2発を放ったのは、彼にとってはいい兆しかも。今度こそ爆発してほしいです」たまたま、偶然だが、県岐阜商の試合をテレビ解説していたのが、原口の恩師でもある帝京高・前田三夫名誉監督。熱い人だ。1989年、全国制覇して高校日本選抜の監督に就任。選手を率いて韓国に渡った。初戦の試合後。突然、怒りだした。後に何人もプロ入りするスター集団を集めて大説教。その後に何と、延々、キャッチボールをさせたのだ。日本のマスコミもいる。国際試合だから韓国も、米国も見ている。その前で。周囲の目などお構いなしだった。「気に入らないねぇ。あぁ、気に入らない。基本でしょう、キャッチボールは。一生懸命にやらないとダメ」高校野球の指導者は、こうあるべきと教えていただいた方だ。名将が、30年以上経過してもテレビで「基本を何度も繰り返させました」と話していた。何十年経っても変わらないのはうれしいし、原口もそんな教えを受けたはず。先日、ネット記事で前田名誉監督の対談を読んだら、歴代帝京ベストナインの捕手には、しっかり「原口」の名前を挙げていた。「虎のソナタ」的には応援したくなる選手の筆頭です。昨夜は出番がなかったけれど、近いうちに、打ってほしいなぁ。コロナで苦労した選手が、コロナに苦しむ全国のファンのために...。そういうドラマ、嫌いじゃない。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
59401 0.596
(↓0.006)
-
(-)
43440
(-)
386
(+2)
121
(-)
57
(+1)
0.253
(↓0.001)
3.440
(↑0.02)
2
(-)
阪神
52502 0.510
(↓0.005)
8.5
(-)
39360
(+2)
298
(+3)
67
(-)
79
(-)
0.240
(↓0.001)
2.560
(-)
3
(-)
DeNA
47462 0.505
(↑0.005)
9
(↑1)
48333
(+3)
368
(+2)
69
(-)
33
(-)
0.251
(-)
3.500
(↑0.01)
4
(-)
巨人
49531 0.480
(↓0.005)
11.5
(-)
40403
(+2)
458
(+3)
121
(-)
46
(-)
0.245
(↓0.001)
4.020
(-)
5
(-)
広島
48533 0.475
(↑0.005)
12
(↑1)
39401
(+2)
395
(-)
61
(-)
20
(-)
0.256
(-)
3.490
(↑0.04)
6
(-)
中日
43541 0.443
(↑0.005)
15
(↑1)
45291
(+3)
360
(+2)
52
(-)
34
(-)
0.250
(↑0.001)
3.510
(↑0.01)