ソフトバンク(☆9対1★)楽天 =リーグ戦14回戦(2022.08.06)・福岡PayPayドーム=
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楽天
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ソフトバンク
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勝利投手:武田 翔太(1勝0敗0S)
敗戦投手:田中 将大(6勝8敗0S)
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◆ソフトバンクは同点で迎えた5回裏、川瀬の犠飛と牧原大、柳田の適時打で3点を奪い、勝ち越しに成功する。その後7回には2本の適時打などで3点を挙げ、相手を突き放した。投げては、先発・武田が7回途中1失点の好投で今季初勝利。敗れた楽天は、投打ともに振るわなかった。

◆楽天石井一久GM兼監督(48)が6日、現場復帰した。7月29日に新型コロナウイルス陽性判定があった球団職員と接触があったため、翌30日に自主隔離。同日、スクリーニング検査で陽性が判明した。感染当初は発熱があったが、陰性が複数回出たため、復帰となった。ソフトバンク戦前に取材に対応。「選手がなるより、僕がなって良かった。選手まで迷惑がかからなくて良かった」と選手を思った。早めに自主隔離を行ったことで、チームで大規模な感染拡大とはならなかった。指揮官は「うちは毎日PCRはやっている。CT値も確認できるし、そこは早め早めにできた。物事起こってから検査しても遅いというところもあるし、毎日やっているからどうなんだというところもあるかもしれないけど、ただ未然には防げないけど、本当に最小限にとどめることはできるかな」と話した。

◆楽天は、石井一久GM兼監督(48)の復帰戦を飾れなかった。先発田中将が踏ん張れず。3回2死二塁から川瀬に左翼へ適時二塁打を放たれ、先制を許した。直後の4回に島内の適時打で同点となったが、5回1死満塁から川瀬の犠飛で勝ち越しを許すと、牧原大、柳田にも連続で適時打を浴び、3点を失った。6回9安打4失点で今季8敗目を喫した。石井GM兼監督は7月29日に新型コロナウイルス陽性判定があった球団職員と接触があったため、翌30日に自主隔離。同日、スクリーニング検査で陽性が判明した。感染当初は発熱があったが、陰性が複数回出たため、復帰となった。"快気祝い"とはならず、チームは痛い連敗となった。

◆ソフトバンク-楽天戦が「アイドルマスター シンデレラガールズ」とのコラボマッチとして開催された。この日は出演声優の3人、神崎蘭子役の内田真礼、鷹富士茄子役の森下来奈、姫川友紀役の杜野まこが来場。試合前には先発メンバー発表のアナウンスを務めた。野球ファンとして知られる杜野は「選手1人1人の名前には、これまでの努力とファンのみなさんの期待が詰まっていると感じて、その責任の重みにしびれました。選手のみなさんがケガなく活躍できるように祈りを込めました」と、熱い思いを語った。その後は3人並んで、セレモニアルピッチも実施。「気合入れてヘアゴムもリストバンドも着けてきました」と意気込んでいた森下は美しいノーバウンド投球を披露。「プロデューサーさんたちと全力で応援しながら、楽しみたいと思います」と笑顔を見せた。大のソフトバンクファンとして知られる内田は18年、19年にイベント来場があるが、アイドルマスターコラボでは初。「神崎蘭子というキャラクターと一緒に来られたのがうれしい。愛をここにたくさんたくさん置いていきたいと思います。愛とともにホークス勝つぞ」と、感激の様子で語った。楽天ファンを公言する杜野は「昨日に引き続き、ホークスにいい流れがきますように、白星が付きますように、今日は精いっぱい応援したいと思います」と、若干、苦悶(くもん)の表情を浮かべたように見えたが、仕事に徹していた。

◆ソフトバンク武田翔太投手(29)が7回途中まで3安打1失点で、今季初勝利を挙げた。「武田先生」が生徒にお手本を見せた。今季序盤は「広背筋付着部炎」でリハビリ生活。2軍本拠地のタマスタ筑後では、ドラフト1位新人の風間や同5位の大竹風に手取り足取りアドバイスを送っていた。思わず声をかけると「僕は強制することは絶対にしない。彼らの引き出しが増えたらそれでいいんじゃないですかね」と、この日と同じ笑顔を見せていた。風間や大竹風にとっても、武田の好投は勇気をもらえるだろう。風間は武田の伝家の宝刀、カーブの握り方を教わっていた。今春にトミー・ジョン手術を受けた大竹風は、投球フォームを細かく聞き「本当にありがたいです。リハビリの時間が無駄ではなくなりました」と感謝していた。チームの2連勝を導いた、まさに"模範快投"だった。【ソフトバンク担当=只松憲】

◆楽天田中将大投手(33)が、6回9安打4失点で8敗目を喫した。四球とミスが響いた。3回2死で四球を与えると、二盗を許し、川瀬の適時二塁打で先制点を献上。同点の5回は四球と左前打で無死一、二塁のピンチを招くと、甲斐の投前に転がった犠打を一塁手の鈴木大と見合い、安打に。1死満塁から川瀬に犠飛、牧原大、柳田に連続適時打を浴び、3点を失った。「取られるべくして取られてしまったなと思います。しっかりとボールをコントロールできなかった部分もあった。非常にもったいなかった」と悔やんだ。バント処理については、すぐに鈴木大と再確認した。「お互いミスコミュニケーションだったところはあった。結果的にあのミスがすごく今日のゲームにとって痛かったですし、あそこでアウトを取れていればというところ、たらればになりますが。でも今後シーズンは続いていくし、ああいうシチュエーションも出てくると思う。同じミスをしないように、次はしっかりコミュニケーション取ってやっていこうということ」と前を向いた。

◆楽天はリリーフが打ち込まれ、大量リードを許した。先発田中将が6回9安打4失点で降板。この時点では3点を追う状況だった。7回に2番手で登板した石橋が1回4安打3失点、8回は津留崎が2安打2失点とともに複数失点を重ね、一気に引き離された。打線は7月から状態が上向きで、リーグトップの得点数を誇る。反撃への流れを救援陣が断ち切る形となり、石井GM兼監督は「ビハインドで出てくるピッチャーというのは、勝ちゲームに出てくるピッチャーと一緒ですごく大事。余計に逆転の演出というのはできづらくなってしまう。点を取れなかったことはそれはそれで反省していかないといけないですけど、それ以上に、反撃の態勢を作らせてあげられなかったというところの部分もすごく大事になってくる」と、投手陣に奮起を促した。

◆ソフトバンク中村晃外野手が今季4度目の猛打賞に2打点の活躍を見せた。6回の3打席目に右前打を放つと、7回1死満塁から左前タイムリー。「チャンスで何とかランナーをかえそうと打席に入りました。終盤の大事な場面で追加点を取ることができて良かったです」。8回にも右前へ適時打を放ってしぶとい打撃を披露。初戦の3号弾などこの2戦で8打数5安打、3打点。打撃職人のバットが上昇カーブを描いて来た。

◆ソフトバンクが、後半戦初の連勝を決めた。今季初先発の武田翔太投手(29)が、7回途中1失点の好投で今季初勝利。今年初のお立ち台で「チームの力になれてない時期が多かったので、今日は絶対にどうにかしたいという思いで投げていました」と頬を緩めた。代名詞のカーブに加え、新たな武器を駆使した。「今日からチェンジアップを新球で投げていた。ぶっつけ本番だった。投げてみたら、めっちゃ効いた」。最近、和田に投げ方を教わった新球で楽天打線を牛耳った。最後は慣れないボールの多投が影響し、右手指がつるアクシデントで降板したが、デビューした12年から11年連続勝利となった。昨年末に年俸9000万円増の4年総額6億円という大型契約を結んだ。だが今季はキャンプ中に広背筋を痛めた影響などで出遅れ、初昇格は7月だった。今季ブレークした左腕の大関が、精巣がん疑いで手術。エース千賀も新型コロナウイルス陽性で離脱という、先発投手陣にとって苦しい状況での今季初先発だった。実績ある右腕の復活に、藤本監督は「試合をしっかりとつくってくれましたよね。いいリズムで投げてくれたので、打線の方もいい流れになった」とうなずいた。これで約1カ月、9カードぶりの勝ち越し。後半戦は初の連勝だ。藤本監督は「ほんまに? 全然知らんかった。良かったね」。手負いの鷹が、じわじわと上昇気配を見せてきた。【山本大地】ソフトバンク嘉弥真(3連投も7回無死一塁から3人で抑え)「0点で抑えることができて良かったです。チームのみんなが頑張っている中で、勝ちに貢献することができて良かったです」ソフトバンク柳田(5回の中前タイムリーに)「いい流れに続くことができました。大きい追加点となって良かったです」ソフトバンク牧原大(5回2死一、二塁から中前適時打)「気持ち1本! いい流れの中のチャンスだったので、思い切ってスイングを仕掛けることができました」

◆楽天島内宏明外野手(32)が、"QBD"打法で逆転勝利に導いた。1点を追う6回1死満塁で迎えた第3打席。カウント1ストライクから和田の外角142キロスライダーを払うようにスイング。左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放った。「急にバットをパンっと出した打ち方だったので」。無意識に体が反応した。この日3安打2打点で、一気にリーグ最多安打に浮上。打点王に輝いた昨季から、2年連続タイトル獲得も視野に入ってきた。昨年は石井GM兼監督からスニーカーをご褒美にもらった。今年は「契約年数を延ばしてくれますかね。高級スーツと」とおねだりしていた。7月は打率3割5分。8月に入っても6試合で打率4割2分3厘、3本塁打、10打点と絶好調だ。その要因はバット。34インチから33・5インチに短くした。「操作はしやすいですね」。より鋭くバットを振り抜けるようになった。前日6日に適時打を放ち、「高校野球が始まりましたね。明日、母校の星稜高校の試合があるので、休んで全力で応援したいと思います」とコメント。休みはもらえなかったが、後輩たちの戦況の序盤までは追っていた。「僕は本当は遊学館に入りたくて。ずっと遊学館でって言っていたんですけど、親が星稜に行ってほしいという感じで。人間力野球と、人としても成長してほしいということで、星稜に行きました」と説明。それでも「やっぱり母校なので、テレビつけたら応援していますね」と星稜愛を語った。5日に本塁打を放ったときは「高校通算0本なのにようやっとるわぁ」とコメント。だが、それは独自のカウント基準だった。「僕は練習試合はカウントしないので。公式戦の甲子園しかカウントしないので。甲子園だけなのでゼロです」と明かした。独特な表現の"島内語録"で、楽天ファンだけではなく、他球団ファンにも注目されるようになってきた。適時打や本塁打を打てば、語録が飛び出る。主砲の打席から、目が離せない。▽楽天石井GM兼監督(タイトル獲得のご褒美にスーツをねだっている島内が、安打数リーグトップに浮上)「まずいね(笑い)。仕立屋さん、呼んでおかないと」

◆楽天岡島豪郎外野手(32)が、3安打5打点と暴れまくった。1点リードの6回無死二、三塁で右前に適時打。7回2死満塁では、左翼へ走者一掃の3点適時二塁打。9回2死二塁も中前適時打。3打席連続適時打の大活躍にも「毎日、今日みたいな活躍ができればそれに越したことはないですけど、そんなことはできない。自分の役割というのはランナーがいなかったら出たり、ランナーがいたらかえしたり、次につないだり、打席、打席で変わってくると思う。そういうところを意識して戦っていきたいです」と表情を引き締めたままだった。

◆楽天宮森智志投手(24)が、プロで初勝利を挙げた。1点を追う5回に2番手として登板した。「難しい場面ではあったんですけど、自分が投げることには変わりないと思うので、全力を尽くそうということだけ考えていきました」と全力投球。先頭周東を中飛、今宮を右飛。牧原大に左前打を浴びたが、柳田を左飛で1回1安打無失点。打線が直後に逆転して、白星を手にした。ヒーローインタビューには緊張した面持ちで登場し「ああいう場は得意ではないですけど。とりあえず全力ではやりました」と苦笑い。かみながら、こちらも"全力投球"で沸かせた。昨年育成ドラフト1位で入団し、7月30日に支配下登録。プロ3戦目で念願の1勝となった。「自分の想定していたより本当に早くて、チームにもらったという感じ。感謝の気持ちでいっぱいですけど、実感はできていない」。ウイニングボールは両親に贈る予定だ。ルーキー宮森がプロ初勝利。宮森は育成ドラフト1位で入団し、7月30日に支配下登録。育成出身の新人で白星を挙げたのは、13年宮川(楽天=2勝)14年万谷(DeNA=1勝)18年大竹(ソフトバンク=3勝)に次いで4人目。▽楽天藤井(先発して4回1失点)「とにかく腕を振りました。4回はランナーを出してから厳しくいこうとしすぎてしまいました。ランナーを出しても変えずに、序盤のようなピッチングができれば良かったと思います」

◆ソフトバンクが試合前のウオーミングアップ中、グラウンドに「ラジオ体操第1」が流れた。4日の日本ハム戦(札幌ドーム)では今季最長の4時間57分を戦い、引き分け。5日の楽天戦(ペイペイドーム)は札幌からの移動ゲームで、この日はナイター明けのデーゲームだ。ペナントレースも終盤に入り、厳しい日程とも戦う中、誰もが聞いたことがあるメロディーとともに体をほぐした。甲斐や牧原大、中村晃も参加。少し遅れて柳田も加わった。体操が終わると松田が「(ラジオ体操)第2は?」と大きな声を飛ばしていた。2020年まで現役だった西田哲朗広報に「誰が流したんですか?」と問うと「みんなの意見です」と笑顔で明かした。グラウンドではあくびを封じ、真剣な表情で野球を楽しむ。

◆ソフトバンク・武田翔太投手(29)が今季初先発し、6回0/3を投げ1失点。今季1勝目の権利を持って降板した。三回を終えて無安打。四回1死二塁から島内に右前適時打を浴びて同点とされたが、五回に打線が3点を勝ち越した。安打を許した回は四回と、六回2死から浅村の中前打だけ。最速は152キロを計測。持ち味のカーブと、130キロ台中盤のチェンジアップが光った。七回もマウンドへ。先頭の岡島に四球を与えたところで、トレーナーがマウンドへ。右手の指を気にするような仕草を見せ、手当のためにベンチへ。そのまま交代となり、2番手・嘉弥真がマウンドに上がった。嘉弥真は鈴木、茂木、代打・内田を打ち取って火消し。武田もベンチで見守っていた。

◆ソフトバンクが9カードぶりに勝ち越し。1―1の五回に川瀬の勝ち越し犠飛、牧原大と柳田の連続適時打で3点を挙げ、終盤も得点を重ねた。今季初先発の武田が七回途中1失点で白星。楽天は田中将が五回に粘れず4位に転落した。

◆ソフトバンクが連勝した。今季初先発の武田翔太投手(29)が6回0/3を投げ1失点で今季初勝利。打線は田中将大投手(33)から4点を奪うなど活発だった。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--武田の内容には「真っすぐも力があったし、チェンジアップも有効に使っていたので、緩急をうまく使えたと思います」--七回無死で四球を与えて降板したが「今、全然問題ないです。チェンジアップの投げすぎで指をつったらしいです。それでコントロールできなくなって。最後は板東で終わって、他の中継ぎはあしたまたいける。よかったです」--立ち上がりから安定していた「話を聞いたら、チェンジアップを多めに投げて、六回くらいから指先がおかしかったといっていたので。七回までいってもらいたかったけど、あの投球を見たら代えざるを得なかったね。嘉弥真がよくしのいでくれました」--監督にとっても安心する内容だった「次回ね。きょういい投球できたので、2回続かないとね」--左精巣がんの疑いで大関が、新型コロナウイルス陽性で千賀が離脱した。武田を選んだのは「中継ぎで力強い球を投げていたので。中で頑張ってもらおうと思っていたけど。大関がこういう形になったので。すぐに武田と、松本の名前が挙がったので。松本は今リリーフで、一番しんどい仕事をしてもらっている。外したら代わりがいなくなるので。イニングの途中からでもいける投手。松本は今は中に入ってもらってもらわないと困ると、武田が選ばれた形ですね」--今後はフル回転「あとは体力面ですね。何とかローテーションに入ってくれたら」--2番の川瀬の役割「ここ最近ずっと状態いいので。2番に入れているんですけど。きょうは特にいい場面で適時打、犠飛が出たと思います。どこかで休めないと。みんなボロボロなんですよ。五体満足で野球できている選手はいないので。きょうはできるだけ全員使おうと」--川瀬の打撃の成長「力強くなってきましたね。当てて左前、左前という感じの打者でしたけど、外野の間も抜けるようになってきました。それだけ練習しているということですね」--五回には4安打を集めた。センター返しの打撃が目立った「田中も甘くなってきていましたね。柳田も『全然甘いところこない』といっていたけど。80球、90球になったらどんな投手でもビシバシはないと思うし、球数を投げさせると。前回に続いて攻略できたのは自信にしてもらえたら」

◆楽天の田中将は6回9安打4失点とぴりっとせず、6月24日以来の8敗目を喫した。1―1の五回無死一、二塁でバントでの投前ゴロを、チャージした一塁手の鈴木大とお見合いして単打となり、塁を埋めてしまい「あのミスがすごく痛かった」。1死満塁からは川瀬の犠飛、牧原大と柳田の連続適時打で3点を勝ち越された。三、五回は四球も絡んだ失点で「四球、ミス、取られるべくして取られてしまった」と悔やんだ。チームは今季ペイペイドームで6戦全敗となり、4位に転落した。

◆ソフトバンク・武田翔太投手(29)が今季初先発し、6回0/3を投げ1失点。今季初勝利を挙げた。「(白星は)うれしいですけど、それ以上に疲れました」三回を終えて無安打。四回1死二塁から島内に右前適時打を浴びて同点とされたが、五回に打線が3点を勝ち越した。安打を許した回は四回と、六回2死から浅村の中前打だけ。最速は152キロを計測。持ち味のカーブと、130キロ台中盤のチェンジアップが光った。七回もマウンドへ。先頭の岡島に四球を与えたところで、トレーナーがマウンドへ。右手の指が「つった」といいそのまま交代。チームは大勝して白星をつかんだ。試合後、チェンジアップは「ブルペンでも試しましたけど(試合で使ったのは)ぶっつけ本番です」。練習を始めたのは先週だという。武田の口から出たのは偉大な2人の左腕だ。「真っすぐとカーブだけでは(相手打者に)張られるので。間の球がほしいと。和田さんに聞いて、握りとか投げる感覚とか。和田さんだから知っている杉内さんのチェンジアップとか。『こんな感じって言っていたよ』って教えてもらいました。やっと見つけたかなと思います」日米通算151勝の和田と、NPB通算142勝の杉内。ともにチェンジアップとキレのある直球で勝負してきた先輩左腕だ。「感覚と握りを足したらいいんじゃないかと思って、そしたら自分の中でもよかった」と、集めた情報を自分なりにアウトプットして結果を残してみせた。

◆ソフトバンクの川瀬が田中将から2打点を挙げ、勝利に貢献した。三回は2死二塁から高めの速球に振り負けず、左翼線への二塁打で先制点を奪う。五回には犠飛もマークした。「いい投手ほど腹をくくっていかないと。思い切っていけた」と声を弾ませた。先頭で迎えた七回には代わったばかりの石橋から中前打を放ち、その後の3得点につなげた。昨年結婚し「嫁さんがご飯をつくってくれるのがでかい。食事量が増えた」と、体が大きくなり力が付いてきたという。今宮のコンディション不良もあって5試合連続で先発出場し、守備だけでなく打撃でも評価を高めている。

◆4―1の七回途中から継投に入ったソフトバンクは、ともに今季初の3連投となった嘉弥真と甲斐野が無失点リレーでつないだ。右手指がつって緊急降板した武田の後を継いだ嘉弥真は、無死一塁から鈴木大と茂木を右飛に、内田は空振り三振に仕留めて役割を全うし「みんなが頑張ってる中で勝ちに貢献できて良かった」と笑顔。八回の甲斐野は疲れからか2四球を与えたが、最後は島内を一ゴロに打ち取った。前半戦はチームとして基本的に避けていた3連投。後半戦へ向け解禁を予告していた藤本監督は「よくしのいでくれた」とねぎらった。

◆期待されるから。愛されるから、頑張れる。ソフトバンク・武田翔太投手(29)が6回0/3を投げ1失点で今季初勝利。お立ち台の上で、ようやく心から笑った。「うれしいです。それ以上に疲れました」被安打は3本。失点は四回1死二塁から島内に右前適時打を浴びた1点のみだ。七回無死一塁で「右手の指がつった」と109球で降板。2月には背中を痛め、4月にはコロナに感染。待望の初先発だった。6勝の大関が左精巣がんの疑いで手術、8勝の千賀が新型コロナ陽性で離脱など、厳しい状況に「チームが勝てる投球がしたい」。結果は満点回答だ。信じてくれる人がいる。親交が深い男性6人組ロックバンド「UVERworld」は2017年から5年連続で12月31日、福岡マリンメッセでライブを開催。20年末は「コロナになると、今やっていることがゼロになる」と諦めたが、世界が少し落ち着いた昨年末は参戦。ボーカルのTAKUYA∞との再会も2年ぶりだった。左肩に手を置かれ、真っすぐ瞳を見て、こう言われた。「翔太、俺は信じているからな」たった一言。胸が熱くなった。5歳上の姉の影響で好きになったUVERworld。デビュー当時から追いかけてきた憧れの6人だ。16年を最後に2桁勝利から遠ざかるが、今季から4年契約を結んだ。「コツコツやってきたのを(球団が)見てくれていたのかな」。まだ武田翔太は終わっていないと、信じる人がこんなにもいる。だから、つかめた1勝だ。「期待に応えられるように投げていきたいです」自分の人生は、自分のためのもの。これが武田翔太の全てだ。(竹村岳)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
54452 0.545
(↓0.006)
-
(-)
42336
(+1)
294
(+2)
84
(+1)
49
(-)
0.228
(-)
2.470
(-)
2
(-)
ソフトバンク
49442 0.527
(↑0.005)
2
(↑1)
48354
(+9)
315
(+1)
67
(-)
55
(+2)
0.255
(↑0.002
3.050
(↑0.02)
3
(1↑)
ORIX
53500 0.515
(↑0.005)
3
(↑1)
40329
(+3)
323
(+1)
53
(+1)
47
(+1)
0.244
(↑0.001)
2.780
(↑0.02)
4
(1↓)
楽天
48462 0.511
(↓0.005)
3.5
(-)
47361
(+1)
327
(+9)
68
(-)
70
(+1)
0.249
(↓0.001)
3.290
(↓0.07)
5
(-)
ロッテ
48501 0.490
(↑0.005)
5.5
(↑1)
44324
(+2)
362
(+1)
61
(+1)
93
(-)
0.224
(↓0.002)
3.220
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
40591 0.404
(↓0.004)
14
(-)
43323
(+1)
369
(+3)
78
(-)
67
(+1)
0.232
(-)
3.470
(↑0.01)