広島(☆6対5★)阪神 =リーグ戦17回戦(2022.08.06)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:一岡 竜司(1勝0敗0S)
敗戦投手:岩崎 優(1勝4敗25S)
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◆広島は2-5で迎えた9回裏、相手の失策に乗じて3点を挙げ、同点とする。なおも1死二塁の好機で秋山が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。投げては、5番手・一岡が4年ぶりに白星をマーク。敗れた阪神は、最終回に守備のミスが重なり、痛い逆転負けを喫した。

◆下半身コンディション不良で離脱していた西川龍馬外野手(27)が、阪神戦(マツダスタジアム)の試合前練習に合流した。そのまま出場選手登録される予定。午後6時からの試合は先発が右腕藤浪晋太郎投手(28)ということもあり、スタメンが見込まれる。西川は6月5日に下半身コンディション不良で出場選手登録を抹消された。実戦復帰は7月29日のウエスタン・リーグ阪神戦(倉敷)。そこから2軍戦計4試合に出場し、10打席9打数3安打だった。5日にはナゴヤでウエスタン・リーグ中日戦に出場していたが、チームが今季ワーストの7連敗と苦しんでいることもあり、前倒しで昇格が決まった。広島は今季最大借金「6」。後半戦は6戦6敗と苦しい。チームの窮地を救うべく、西川に期待が寄せられる。

◆阪神先発は今季開幕投手を務めた藤浪晋太郎投手(28)。4月8日広島戦(マツダスタジアム)以来、約4カ月ぶりの先発マウンドとなる。藤浪は4月中旬に新型コロナウイルス陽性となり離脱。中継ぎで1軍復帰も、6月中旬から2軍で再び先発調整を続けてきた。2軍戦では5試合に先発し3勝1敗。今季1軍ではまだ勝利がないだけに、白星でチームに勢いをつける。勝てば昨年6月13日楽天戦(楽天生命パーク)以来。先発での白星となれば昨年4月16日ヤクルト戦(甲子園)以来となる。前日5日に5号2ランを放ったメル・ロハス・ジュニア外野手(32)は2日続けて「7番・左翼」でスタメン起用となった。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が、7回途中5安打2失点と力投し、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。約4カ月ぶりの先発マウンド。最速157キロの直球を軸に、カットボール、スプリットを効果的に使い、今季最多タイの7三振を奪うなど力を示した。まずまずの立ち上がりをみせた。初回先頭の野間に内野安打を許し、犠打でいきなり得点圏に走者を背負った。しかし秋山を低め154キロ直球で中飛に打ち取り、マクブルームを外角低めのスプリットで空振り三振にねじ伏せ、無失点。2回は坂倉、小園から空振り三振を奪うなど、3者凡退に片付けた。3回は死球、単打でピンチを背負うも無失点。4回も先頭打者を死球で出塁させ、坂倉に左中間へのヒットを許し、無死一、三塁。西川の内野ゴロの間に1点を返されたが、最少失点にとどめた。5、6回と無失点で切り抜け、7回は先頭西川に中前打を許し、1死一塁から会沢に四球を与えたところで降板。イニング途中での交代に、悔しさをにじませながらベンチへと下がっていった。打線の援護にも恵まれ、今季初勝利とともに21年4月16日のヤクルト戦以来、477日ぶりの先発勝ち星が見えてきた。

◆広島に原爆が投下されてから77年がたったこの日の阪神戦(マツダスタジアム)は「ピースナイター2022」として開催された。球場では半旗を掲げ、広島の選手らは右肩に特別ワッペンを着けた。5回裏終了時には、配布された緑色のポスターを観客が掲げ、平和を祈念。両チーム応援団は太鼓を自粛し、電子笛だけで音頭をとった。広島にとって大切な1日となる「原爆の日」。3万超のファンが本拠地に詰めかけ、逆転サヨナラ勝ちに沸いた。

◆悪夢の敗戦だった。阪神が9回に4得点を許し、今季8度目のサヨナラ負けを喫した。5-2とリードした9回の場面で守護神の岩崎優投手(31)が登板した。広島先頭の小園が左前打で出塁。続く会沢も左前打と無死一、二塁の場面で上本の内野安打で1点を返された。野間を空振り三振としたが、1死二、三塁での菊池涼の打席。遊撃前のゴロを中野が捕球ミスして一気に2者が生還し、同点とされた。さらに、1死二塁で秋山にサヨナラの右前打を浴びてゲームセット。一気に4点を奪われ、勝利がこぼれ落ちた。首位ヤクルトが負けたため、勝てば8・5ゲーム差まで迫れたが...。マツダスタジアムでのサヨナラは今季3度目。鬼門にまたものみ込まれた。

◆阪神がまさかの大逆転負けを食らった。5-2と3点リードの9回に登板した守護神岩崎優投手(31)が4安打4失点で敗戦投手になった。遊撃手の中野拓夢内野手(26)がイレギュラーバウンドの打球を取り損ねるなど守備のミスも重なった。4カ月ぶりの1軍先発マウンドとなった藤浪晋太郎投手(28)は7回途中5安打1失点と踏ん張った。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り-最後はイレギュラーもあった「まあまあ、もちろん、ちょっと跳ねたかなっていう感じはあった。この球場は難しいからね。タクム(中野)も、あいつの守備に助けられることもいっぱいあるし。まあ、もちろんあれも捕ったらね。跳ねたとはいえ、タクムなら捕ってやらなアカンっていうのはもちろんあるけど。それを責めるっていうよりは、あいつがまたスグルの時に取り返すとかさ。チームのために頑張るとか、そっちの方が大事だと思う」-岩崎もいつもいつも助けてくれている「もちろん」-いつもと球の違いは「うーん、どうしても3点差って難しいから。そういうところで立ち上がりでコンって打たれちゃって、まあ、相手のぺースになっちゃったかな」-小幡は攻めたプレーの結果「攻めてのプレーというか、まあまあそれはね、アウトになるためには、ある程度速いボール投げないとあかんし、俺は責めることはできないと思うけどね。アウトにしにいった中のプレーで、もちろん竜平(小幡)だってあれをアウトにできるようになっていかなあかん」-藤浪は久々の先発「そうやね、まっすぐは力があって、前半はスプリット系がね、うまくいっていたんで。そういうところで、7回途中までいけた。まあ、いい内容だったと思います」-次回も「まあまあ、ちょっと考える」-ランナー出しても落ち着いていた「まあそうやね、うん」

◆阪神がまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。6日の広島戦(マツダスタジアム)は8回まで3点リード。先発藤浪晋太郎投手(28)の待望の今季初勝利まで目前に迫っていたが、守護神岩崎優投手(31)が誤算だった。4安打に2失策が絡んで4失点。今季8度目のサヨナラ負けとなった。まさか、まさかの敗戦となった。守護神岩崎が3点のリードを守れず、今季ワーストの4失点。最後は秋山に右前へサヨナラ打を許した。原爆投下の8月6日「ピースナイター」を劇的に勝利したカープナインの歓喜の輪ができる中、岩崎やナインはぼうぜんとベンチへ引き揚げた。矢野監督は「どうしても3点差って難しいから。そういうところで立ち上がりでコンって打たれちゃって、まあ相手のペースになっちゃったかな」といきなり下位打線に連打を許し、相手に大きな流れをつくったことを敗因に挙げた。無死一、二塁から上本の一、二塁間のゴロに二塁手小幡は必死に追いつき、一塁へ送球したが悪送球となり適時失策。2点差に迫られ、なおも1死二、三塁の場面では菊池涼の遊撃への正面のゴロを中野が捕れず後逸する間に2人が生還し同点となった。「ちょっと(打球が)跳ねた感じはあったし。この球場は難しいからね。拓夢(中野)なら捕ってやらなあかんっていうのはもちろんあるけど。それを責めるっていうよりは、またスグル(岩崎)の時に取り返すとかさ。チームのために頑張るとかの方が大事だと思う」と、悔しさを押し殺し2年目の正遊撃手に、今後の糧にすることを望んだ。悪送球した小幡についても「(一塁で)アウトになるためには、ある程度速いボールを投げなあかんし。もちろん竜平(小幡)だって、あれをアウトにできるようになっていかないとあかんし」と、攻めた失敗は責めないという矢野野球の姿勢を貫いた。首位ヤクルトが敗れ、開幕投手で今季未勝利の藤浪が7回途中2失点と好投し、勝てばさらに勢いがつく試合を落としたことは大きい。この黒星で4年ぶりとなる広島戦のシーズン負け越しも決定した。首位とのゲーム差は9・5差のまま。この日の悔しさ、1球の怖さを胸に残り41試合、失敗を恐れずプレーを続ける。【石橋隆雄】阪神の今季サヨナラ負けは、6月30日DeNA戦(横浜)以来8度目。広島戦では3月29日、6月22日に次いで今季3度目(いずれもマツダスタジアム)。今季対戦カード別でも単独最多で、中日戦、DeNA戦の2度を上回った。阪神 ケラーが1回無失点で2ホールド目を挙げた。登板がかさんでいる湯浅の代役とみられる起用で、3点リードの8回に登板。最速152キロを主体とした投球で、秋山を中飛、マクブルームには死球で出塁を許すも、続く坂倉を遊飛に料理。最後は西川に粘られるも、10球目の外角高め150キロ直球で空振り三振にねじ伏せ、ガッツポーズを決めた。これで連続無失点試合を11に伸ばした。阪神 佐藤輝が2試合連続打点で4番の役割を全うした。3点リードの4回2死から島田が三塁打。続く近本が死球から二盗を決めた。二、三塁から藤井の内角フォークを捉え、右翼線への2点適時二塁打を放った。試合中の談話で「うなぎさん(島田の愛称)が3安打してくれたので、そのうなぎさんをかえすことができてよかったです。ありがとうなぎ!!」とコメント。佐藤輝が打点を挙げた試合で連勝が続いていたが、7でストップした。阪神 島田が3試合連続マルチ安打となる猛打賞で存在感を示した。初回に右前打を放ち、3回は左前打を記録。4回は2死から右翼線への三塁打を放ち、佐藤輝の適時二塁打で生還した。島田は「自分の形でバッティングができるようになってきたと思う。これを継続できるかが僕の課題。明日からも切り替えて、また自分のバッティングをできるように準備していきたい」と力を込めた。

◆広島秋山翔吾外野手(34)が、阪神17回戦(マツダスタジアム)でサヨナラ打を放ち、チームを後半戦初勝利に導いた。序盤から劣勢の展開が続くも、3点差で迎えた9回に同点に追いつき、一気にひっくり返した。この日4打席無安打だった3番が試合を決め、新天地のお立ち台に初めて上がった。総力戦でチームの連敗を7で止めた広島にとって特別な1日に、広島の窮地を救い、秋山は広島のヒーローとなった。3点を奪い同点とした9回。なお1死二塁から阪神岩崎のスライダーを振り抜いた。ライナーで右翼左に運ぶと、二塁走者菊池涼が三塁を蹴ってサヨナラのホームを駆け抜けた。後半戦初勝利に沸き立つマツダスタジアムで、同学年の会沢を筆頭に駆け寄ったチームメートの手荒い祝福を受けた。「(8月6日は)広島の皆さんにとっては大切な日というか、忘れられない日だと思います。僕も外から来た人間ですけど、こういう野球ができていること、応援してもらえることをこれからも心に秘めて、皆さんとともにこの日を忘れずにやっていきたいと思います」初めて上がった新天地のお立ち台で喜びを語った。生みの苦しみを味わう日々だった。球宴明けチームは勝ち星なく、7連敗。首位ヤクルトだけでなく、上位を争う阪神やDeNAにも離されていた。悪い流れの中でも前日まで5戦連続安打を記録するなど、バットでチームを鼓舞してきた。10時間以上、車を走らせてやってきた新天地での生活も1カ月以上が過ぎた。初日は当然のようにお好み焼き店に足を運び、広島の味を味わった。西武、日本代表、米大リーグでの実績があっても、謙虚に広島流を取り入れてきた。若手とともにベンチでも声を出し、練習にも精力的に取り組む。試合になれば中堅手として両翼に指示を出す。移籍後初出場の7月8日中日戦終盤には「点差は開いているけど、守備からでも攻撃的にいかないと」と両翼にポジションを前進させる指示。リーダーシップも発揮する。最大5点差をひっくり返し、佐々岡体制下ワースト8連敗を阻止した。総力戦で後半戦初星を手にした。佐々岡監督は「野手陣がそろってきた中でのこういう勝ち方っていうのはいい勝ち方だったと思います」。シーズン序盤の快進撃を支えた先発陣に疲れが見える中、野手陣がカバーした。指揮官が開幕前に掲げた"結束"は補い合ってこそ。この1勝を浮上のきっかけとしたい。【前原淳】○...下半身コンディション不良から復帰した西川は4打数1安打で安心させた。2打席凡退した7回先頭で阪神藤浪の内角152キロを中前にはじき返した。「下(2軍)と上(1軍)では力の入り具合も違う。多少力が入ったが、(1安打出て)楽になった」。前日5日までのチーム連敗の余波で昇格が前倒しになった。緊急昇格にも動じず、6月2日以来の1軍戦で同日以来の安打を決めた。○...先発アンダーソンは3回3失点で降板した。2回1死一、二塁で梅野に先制中前適時打を放たれた。3回にも無死満塁から二ゴロと犠飛でさらに2失点。佐々岡監督は「なんらかのアクシデントがあった」と話し、3回の打席で代打を送った。右腕は「思うような投球ができず、フラストレーションがたまった。ただ、打線が頑張ってくれて感謝している」。試合後には2軍で再調整が決まった。○...一岡が18年9月21日以来1415日ぶり勝利を挙げた。3点ビハインドの9回を無失点で抑え、その裏にチームが点差をひっくり返し、サヨナラ勝利。久々の白星を手にした。「去年ファームで一番投げさせてもらえたのに、1軍に上がれなかった。使ってくれた方々に申し訳ない気持ちがある。そういう人たちに恩返ししたい」。17、18年には59試合に登板した投手がブルペンを支える。

◆阪神がまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。6日の広島戦(マツダスタジアム)は8回まで3点リード。先発藤浪晋太郎投手(28)の待望の今季初勝利まで目前に迫っていたが、守護神岩崎優投手(31)が誤算だった。4安打に2失策が絡んで4失点。今季8度目のサヨナラ負けとなった。その瞬間、安堵(あんど)感よりも悔しさが勝っていた。4点リードの7回1死一、二塁。阪神藤浪晋太郎投手(28)は交代を告げられると、唇をかみしめながら両膝に両手を置いた。「中継ぎに負担をかけないようにしたかった。できれば自分が投げ切りたかった。投げ切らないといけないところだった」7回途中を7奪三振5安打3四死球で2失点。降板時、もう103球を投じていた。それでもバトンを託さざるを得なくなった自分に満足できない。堂々たる立ち振る舞いから復調気配が漂った。4月8日広島戦以来120日ぶりの先発登板。鳴尾浜で増やした引き出しを存分に印象づけた。最速157キロの直球、140キロ台後半のスプリット、カットボールにツーシーム、スライダー。「今日はワンパターンになりがちだった」と自己採点したが、序盤から的を絞らせなかった。3、4回は先頭打者を死球で出した後、大崩れせずに計1失点。「ポロポロと行かなかったのは良かった」。矢野監督も「良い内容」と認める投球で、復活ロードに一筋の光が差した。2年連続で開幕投手を任された今季。4月中旬の新型コロナウイルス感染以降は難しい調整が続いた。一時は中継ぎで1軍復帰。6月中旬からは2軍で先発再調整。結果を出す度、分厚い1軍ローテ陣容に阻まれた。今回は満を持しての1軍先発マウンドだった。勝てば自身419日ぶり、先発時に限れば実に477日ぶりの白星だった。それでも9回逆転サヨナラ負けの直後、最後まで気丈に振る舞い続けた。「もう少し力みなく投げられたら良かったですけど、久しぶりで力みは想定内というか、なんとか粘れた。次につながる投球だったかなと思います」重苦しいムードに包まれたマツダスタジアムの三塁ベンチ。明るい材料も忘れたくない。【佐井陽介】阪神の今季サヨナラ負けは、6月30日DeNA戦(横浜)以来8度目。広島戦では3月29日、6月22日に次いで今季3度目(いずれもマツダスタジアム)。今季対戦カード別でも単独最多で、中日戦、DeNA戦の2度を上回った。阪神が最終回に3点差以上を逆転されて負けたのは、14年6月3日楽天戦(コボスタ宮城)で3-0から4点を取られて以来。守護神の呉昇桓が9回途中から救援したが失敗した。広島戦では、97年9月11日に6-2から5点を取られて以来。9回から登板した葛西稔が緒方孝市に逆転サヨナラ満塁本塁打を浴びて敗れた。○...梅野が先制適時打を放ちマツダスタジアムでの勝負強さを発揮した。2回に糸原、ロハスの連打で1死一、二塁の場面。先発アンダーソンの125キロのスライダーを振り抜き、中前に運んで藤浪に先制点をプレゼントした。「晋太郎が久しぶりの先発マウンドなので、先制点を挙げることができてよかった」。敵地広島では打率4割で、好相性ぶりを発揮した。○...佐藤輝が2試合連続打点で4番の役割を全うした。3点リードの4回2死から島田が三塁打。続く近本が死球から二盗を決めた。二、三塁から藤井の内角フォークを捉え、右翼線への2点適時二塁打を放った。試合中の談話で「うなぎさん(島田の愛称)が3安打してくれたので、そのうなぎさんをかえすことができてよかったです。ありがとうなぎ!!」とコメント。佐藤輝が打点を挙げた試合で連勝が続いていたが、7でストップした。○...島田が3試合連続マルチ安打となる猛打賞で存在感を示した。初回に右前打を放ち、3回は左前打を記録。4回は2死から右翼線への三塁打を放ち、佐藤輝の適時二塁打で生還した。島田は「自分の形でバッティングができるようになってきたと思う。これを継続できるかが僕の課題。明日からも切り替えて、また自分のバッティングをできるように準備していきたい」と力を込めた。○...ケラーが1回無失点で2ホールド目を挙げた。登板がかさんでいる湯浅の代役とみられる起用で、3点リードの8回に登板。最速152キロを主体とした投球で、秋山を中飛、マクブルームには死球で出塁を許すも、続く坂倉を遊飛に料理。最後は西川に粘られるも、10球目の外角高め150キロ直球で空振り三振にねじ伏せ、ガッツポーズを決めた。これで連続無失点試合を11に伸ばした。○...新外国人ロドリゲスが3回に中犠飛を放ち、6戦ぶりの打点を挙げた。糸原の二ゴロの間に2点目を奪い、なおも1死一、三塁で、追い込まれながらも低めカットボールを打ち上げた。「できれば安打か本塁打で走者をかえしたかった。最低限だけど打点を挙げることができてよかった」。今季7打点目は貴重な追加点となった。

◆広島が9回に3点差を逆転し、サヨナラ勝利を収めた。チームの連敗は「7」で止まり、佐々岡真司監督(54)は「大きな勝ち方だと思う」と称賛した。また3回3失点の先発ドリュー・アンダーソン投手(28)は2軍調整が決まった。佐々岡監督の一問一答は以下の通り。-連敗が止まった今まで連敗中もチーム内の雰囲気も良かった。ベンチ内の雰囲気も声が出てる中でも、そういう中でも、連敗はしてた。こういう勝ち方は、大きな勝ち方だと思います。-ピースナイターでこういう勝ち方は大きい今日という日(8月6日)は、広島にとって特別な日。いろんな思いを持って臨んだゲームだと思いますし、チームも連敗しているというところでね。明日以降の、またアキ(秋山)が打ったということがね、ほんとに雰囲気良く、龍馬(西川)が帰ってきて、ライアン(マクブルーム)が帰ってきて。野手陣がそろってきた中でいい勝ち方だったと思います。-アンダーソンは3回で交代。内容を見て良くなかったはい。見ての通りで。明日もう抹消する。何らかのアクシデントがあったということで話はします。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(28)が1軍に昇格し、先発する。1軍での先発登板は4月8日の広島戦(甲子園)以来4カ月ぶりで、今季は中継ぎ登板も含めて8試合に登板して0勝1敗、防御率4・29。青柳が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた影響もあって2年連続となる開幕投手も任された男が、今季初勝利を狙う。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)が「8番・捕手」で出場し、二回に先制打を放った。「(藤浪)晋太郎が久しぶりの先発マウンドなので先制点をあげることができてよかったです」この回先頭の5番・糸原が中前打で出塁すると、1死後には前夜に右中間2ランを放ち、2試合連続のスタメンを勝ち取ったロハスも中前へのテキサスヒットで出塁し、一、二塁。梅野はカウント2―2から外角のスライダーをとらえて中前に運び、糸原が二塁から生還を果たした。基本に忠実なセンター返しを続けてもぎ取った1点だった。この日は1軍昇格した藤浪が4カ月ぶりに先発。女房役でもある梅野がバットでも後押しし「何とか勝ち星を付けてあげられるように頑張ります」と弾みをつけた。

◆マツダスタジアムの虎党から大きな拍手を受けた。阪神・藤浪晋太郎投手(28)が4月8日の広島戦(甲子園)以来、4カ月ぶりに1軍の先発マウンドに立った。「久しぶりだからといって、特別な感情はないですね。やれることをやるだけです」前日5日、チームは湯浅らリリーフ陣が奮闘し、3-2で競り勝った。この日は夏のロード開幕から3カード連続勝ち越しを目指した。「特別な意識を持つことなく、1人でも多く、1イニングでも長く投げられるように頑張りたい」。藤浪は自分の勝ち星よりも、チームの勝利だけを考えて投げることを誓っていた。一回、先頭の野間のボテボテの一ゴロが内野安打となって出塁を許し、菊池涼が送りバント。続く秋山の中飛で2死三塁とされたが、マクブルームを147キロのフォークで空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けた。直後の二回、女房役からバットで援護を受けた。2本の安打で1死一、二塁とし、梅野が先制の中前適時打を放って、今季初勝利を目指す藤浪を後押しした。この試合まで、藤浪は8試合に登板して0勝1敗、防御率4・29。新型コロナウイルスの陽性判定を受けた青柳に代わって2年連続となる開幕投手を務めたが、自身も感染して4月中旬に離脱。5月末に中継ぎで1軍復帰したが、6月13日に再び2軍生活となった。待ちに待った1軍マウンドだった。7月6日の広島戦(甲子園)で先発する予定だったが降雨中止。今回は先発が有力だったルーキー左腕・桐敷が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた影響で、ウエスタン9試合に登板して4勝1敗、防御率1・77と結果を残している右腕に〝代役先発〟の白羽の矢が立った。ウィルカーソンが8月4日の巨人戦(東京ドーム)で自己最短の1回0/3で5失点KOとなり、出場選手登録を抹消された。「いろんな球種をバランス良く使えているので、投球の幅は広がっていると思います」。藤浪が先発ローテ復帰をかけて右腕を振った。(三木建次)

◆阪神は二回に梅野の中前打で先制すると、三回も広島先発・アンダーソンを攻め、2点を追加した。三回は島田&近本の連打、佐藤輝の四球で満塁を作り、糸原の二ゴロの間に2点目。1死一、三塁となり、ロドリゲスは中犠飛と最低限の仕事をし、少しずつ差を広げた。アンダーソンは三回に巡った打席で代打を送られ、交代となった。アンダーソンに対しては、7月7日(甲子園)に来日最長の8回を4安打無失点と好投を許したが、同20日(マツダ)では5回で6安打を浴びせて3得点と攻略していた。

◆広島・会沢翼(34)が背中に阪神・藤浪晋太郎投手(28)の剛速球を受けた。0─3の三回先頭で152キロの抜け球が直撃。ドンッという鈍い音とともに場内は悲鳴に包まれた。会沢はその場に倒れ込み、一塁ベンチからトレーナーが駆け付けたが、自力で立ち上がり一塁に歩いて向かった。会沢は内に踏み込んでバットを振るスタイルのため死球が多い選手として知られる。今季はチームトップの坂倉の8死球には及ばないものの5死球を数える。頭部死球や顔面死球で骨折した経験もあるが、会沢自身は過去に「死球を怖がっていてはメシは食べることはできない」と頼もしく語っている。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が「4番・三塁」で出場し、四回に2点打を放った。「打ったのはフォーク。うなぎさん(島田)が3安打してくれているので、そのうなぎさんを還すことができてよかったです。ありがとうなぎ!!」3点リードの四回に、この回から登板した2番手・藤井を攻めた。2死から2番・島田がこの日3安打目となる、一塁線を破る三塁打で出塁。死球で出塁した近本が二盗を決めて二、三塁とすると、4番が快音を響かせた。内角高めに抜けた落ちる球を振り抜き、打球は右翼へ。2者が生還し、リードを5点に広げた。前夜は一回に先制左犠飛を放っていたが、4日の巨人戦(東京D)から3試合連続で無安打。苦しんでいたなかで12打席ぶりに放った久々の安打は、効果的な一打となった。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(28)が先発し、七回途中回5安打2失点だった。この日に1軍登録され、4月8日の広島戦(甲子園)以来4カ月ぶりの先発。三回までに3点の援護をもらうと、150キロ後半の直球にスプリット、カットボールなどを織り交ぜ、制球に苦しむこともなく投げ続けた。三、四回は先頭に死球を与えたが、ここも崩れない。四回はその死球と安打で無死一、三塁とされたが、西川を二ゴロ併殺に斬り、この間の1点にしのいだ。六回も2死からマクブルームに二塁打を浴びてピンチを背負ったが、坂倉を右飛に抑え込んだ。4点リードの七回は1死一塁でこの試合初めてとなる四球を与え、ここで交代。代わった岩貞が2死後に遊撃への適時内野安打を許したが、さらにバトンをつないだ浜地が菊池涼を左飛に抑えて1点止まり。藤浪は勝利投手の権利を手にした。藤浪は勝てば、昨年6月13日の楽天戦(楽天生命)以来で、先発に限ると同年4月16日のヤクルト戦(甲子園)以来となる今季初勝利を手にする。

◆阪神は九回の3点リードを守り切れず、まさかのサヨナラ負けを喫した。四回までに5点を取り、九回表まで5―2とリードしていた。しかし、落とし穴だったのはその裏だった。守護神の岩崎が登板したが、3連打に小幡の送球エラーが絡んで1点を返され、さらに1死二、三塁では菊池涼の遊撃のゴロを中野が後逸し、2者が生還して同点。菊池涼は二塁まで進み、最後は秋山に右前に運ばれ、大どんでん返しを決められた。この日は1軍登録された藤浪が4カ月ぶりに先発。6回1/3で5安打2失点7奪三振で勝ち投手の権利を手にしていたが、今季初勝利は幻となった。

◆広島がサヨナラ勝ちで連敗を7で止めた。2―5の九回に上本の内野安打に失策が重なり1点返し、1死二、三塁から遊ゴロ失策で2走者がかえって追い付き、秋山が右前打で試合を決めた。一岡が4年ぶりの勝ち星。阪神は岩崎が誤算。

◆阪神が逆転サヨナラ負けを喫した。3点リードの九回に登板した岩崎優投手(31)が2安打と小幡竜平内野手(21)、中野拓夢内野手(26)の失策などで追いつかれ、最後は1死二塁から秋山翔吾外野手(34)に右前打を浴びた。藤浪晋太郎投手(28)は6回?を投げて、勝利投手の権利を持って降板したが、今季初白星はならなかった。チームは広島戦で4年ぶりの負け越し。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績51勝49敗2分、観衆3万504人)。ーー最後はイレギュラーもあった(九回1死二、三塁で菊地涼の打球を中野がファンブルし、同点に)「もちろん、ちょっと跳ねたかなっていう感じはあった。この球場は難しいからね。タクムも、アイツの守備に助けられることもいっぱいある。まあ、もちろんあれも捕ったらね。跳ねたとはとはいえ、タクムなら捕ってやらなアカンのはもちろんある。それを責めるよりは、アイツがまたスグルの時に取り返すとかさ。チームのために頑張るとか、そっちの方が大事だと思う」ーー岩﨑もいつも助けてくれている「もちろん」ーーいつもと球の違いは「3点差って難しいから。そういうところで立ち上がりでコンって打たれちゃって、まあ、相手のぺ―スになっちゃったかな」ーー小幡は攻めたプレーの結果(九回無死一、二塁で上本の打球を捕球したが、一塁悪送球で2点差に。記録は安打と失策)「攻めてのプレーというか、まあまあそれはね、アウトになるためには、ある程度速いボール投げなアカンし、俺は責めることはできないと思うけどね。アウトにしにいった中のプレーで、竜平だってアウトにできるようになっていかなアカンし」ーー―藤浪は久々の先発「そうやね、真っすぐは力があって、前半はスプリット系がうまくいっていた。まそういうところで、六回途中まで行けた。いい内容だったと思います」ーー次回も「まあまあ、ちょっと考える」ーーランナー出しても落ち着いていた「んー、まあそうやね、うん」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は試合後半の拙攻が呼んだ逆転サヨナラ劇だと指摘。打線に岩崎優投手(31)を「守れ」と厳命した。この1敗は痛い。ただ最近の戦い方、この日の試合展開を見ていたら、不思議ではない敗戦でもある。要するに試合の中盤以降に「あと1点」を追加できなかったことが、悪夢の大逆転負けに結びついたのだ。最近の阪神は充実した投手陣が踏ん張って白星を重ねていたが、追加点が奪えないから、しんどい試合が続いていた。この日も四回までに5点を奪った後、再三チャンスがありながら、試合を決めてしまう、相手が諦めてくれる追加点が奪えないまま、終盤を迎えてしまった。そして3点差では、今の阪神なら連投の岩崎に託すしかない。そこで一番心配になるのが岩崎の疲労だ。ずっと守護神の大役をこなしているが、シーズンを通しては初めての経験で、疲労が蓄積するのは当然。だから以前の評論でも「ケラーとのダブルストッパー」を提案したこともあった。その後、ケラーが新型コロナ陽性で戦列を離れてしまったのだが。9月下旬までの残り41試合。岩崎をベストに近い状態で登板させられるか、が大きなポイントになる。言い換えれば岩崎を〝守れるか〟がタイガースの命運を握っている。ケラーとのダブルストッパーも1つの方法だと思うし、別の候補がいるのなら、はめ込んでもいい。岩崎一人に負担がかからない投手起用が阪神ベンチには求められる。打線が爆発すれば、岩崎の登板も減り、負担を軽減できる。チーム全体で岩崎を守ってもらいたい。ショックな敗戦だが、明るい材料は藤浪。これまで何度も死球から崩れていくシーンを見てきたが2つの死球の直後、大きく崩れることはなかった。先発として次のチャンスがあるだろうし、ウィルカーソンの抜けた穴をすぐに埋める可能性も感じさせる好投だった。最後に各球団ともコロナ陽性による離脱者が後を絶たない。阪神も離脱者はいるがDeNA、巨人、ヤクルトのような大量離脱には至っていない。でも、いつ襲ってくるか分からない。レギュラーがごっそりいなくない危険性だってある。他球団がどんな対応をしているのか。どんな苦労をしているのか。しっかり学び、参考にして、いざという時の準備だけはしてもらいたい。

◆ロドリゲスは三回1死一、三塁で中犠飛。きっちりと仕事を果たした。「できればヒットかホームランでランナーをかえしたかったけど、最低限ではあるけど打点を挙げることができたのはよかった」。これが来日7打点目となったが、その後もHランプを灯せず、3打数無安打1打点。七回の守備からベンチに下がった。

◆佐藤輝は四回に右翼へ2点二塁打。2死から右翼三塁打で出塁した島田が起点となり「うなぎさん(島田)が3安打してくれているので、そのうなぎさんをかえすことができてよかったです。ありがとうなぎ!!」と感謝した。勝利にはつながらなかったが、これが3日の巨人戦(東京ドーム)以来12打席ぶりの安打で、2日の同戦以来15打席ぶりの適時打となった。

◆島田は四回の三塁打を含む3安打で多くの好機を演出し、得点につなげた。「自分のバッティングができるようになってきたと思うので、これを継続できるかというのが僕の課題でもあるので、これで満足せずに。負けてしまいましたけど切り替えて、自分のバッティングがしっかりできるように準備していきたい」。チームは痛恨のサヨナラ負けを喫したが、これからも打線を引っ張る。

◆藤浪の今季初勝利は幻となったが、女房役の梅野は攻守で奮闘した。二回1死一、二塁で中前への先制打を放ち、「(藤浪)晋太郎が久しぶりの先発マウンドなので、先制点を挙げることができてよかった」と右腕を強力援護。マスクをかぶっても息を合わせて7奪三振を導き出すなど、2失点にまとめる好リードだった。

◆今回で15回目を迎えた「ピースナイター」で奇跡を起こした。広島が九回に4得点で逆転のサヨナラ勝ち。殊勲打でチームの連敗を「7」で止めた秋山(前パドレス3A)が移籍後初のお立ち台で胸をなでおろした。「(サヨナラ機で打席が)回ってきてラッキーだった。この打席だけは凡退できないなと。(後半戦初勝利に)大変長らくお待たせしました」2─5の九回に虎の守護神・岩崎を攻め立てた。敵失で追い付き、なお1死二塁で秋山がスライダーを右前に運び、チームを今季6度目のサヨナラ勝利へ導いた。アンダーソンが3回3失点で降板するなど序盤に5点のビハインドを背負ったが、はね返した。今季最大の逆転劇に佐々岡監督は「今日は広島にとって特別な日。大きな勝ち方」と喜んだ。チームは今季の阪神戦を12勝3敗2分けとし、8試合を残して2018年以来のシーズン勝ち越し決定。秋山の加入にマクブルーム、西川が戻ってきたカープが5位から巻き返しを図る。(柏村翔)

◆七回2死一、二塁で岩貞の後を受けた浜地は、菊池涼を左飛に打ち取り、火消しに成功した。「ここで抑えて流れを切るという思いでマウンドに上がりましたし、しっかりそれができて良かった」。この日は「ピースナイター2022」として開催。「こういう緊張感のあるマウンドに立てる、野球ができる幸せを感じながら、これからもやっていきたいと思う」と気持ちを引き締めた。

◆阪神は広島に5-6で逆転サヨナラ負けを喫した。4カ月ぶりの先発となった藤浪晋太郎投手(28)は6回?を投げ、5安打2失点で7奪三振。今季初勝利はならなかったが、しっかりと試合をつくった。次こそ復活の白星を挙げる。藤浪は歓喜の広島ナインを三塁側ベンチから呆然と眺めるしかなかった。5-2の九回。守護神の岩崎が3点リードを守り切れず、まさかの逆転サヨナラ負け。救援で挙げた昨年6月13日の楽天戦(楽天生命パーク)以来となる今季初勝利はお預けとなったが、しっかりと試合をつくった。「もう少し力みなく投げられたらよかったですけど。久しぶりですし、力むのは想定内というか、なんとか粘れたかなと思います」4月8日の広島戦(甲子園)以来、120日ぶりの先発マウンドで6回?を投げて5安打2失点。チームは敗れたが、自身の投球には納得の表情だった。5-0の四回、この日2個目の死球を会沢に与え、続く坂倉に左前に運ばれて無死一、三塁。ピンチを背負ったが、西川の二ゴロ併殺の間に許した1点だけに食い止めると「ポロポロ(大量失点)といかなかったのはよかった」と手応えを強調した。七回1死一、二塁で降板。「中継ぎに負担をかけないようにっていうのは、ありますし、できれば自分が投げ切りたかった」と猛省したが、先発として合格点だ。新型コロナウイルスの陽性判定を受けた青柳に代わり、3月25日のヤクルト戦(京セラ)で2年連続となる開幕投手を務めた。7回3失点で勝ち投手の権利を持ったまま降板したが、最大7点リードを守れず、最後はケラーが打ち込まれて逆転負け。この日も白星がつかず、12球団の開幕投手で唯一勝ち星がないのは藤浪だけだが、先発ローテーション復帰をアピールするには十分な内容だった。矢野監督も「まっすぐは力があって、前半はスプリット系もうまくいっていた(落ちていた)。いい内容だったと思います」と評価。次回登板ついては「ちょっと考える」と即答は避けたが、ウィルカーソンが4日の巨人戦(東京ドーム)で2回を持たず5失点KOで即2軍降格しただけに、登板機会はありそうだ。「全体的に悪くなかったですし、よかったとも言い難いですけど、次につながるような投球だったかなと思います」と藤浪。奇跡のVへ導くピースとなる。(三木建次)

◆真夏の悪夢...。阪神は広島に5-6で逆転サヨナラ負けを喫した。3点リードの九回に2つのエラーが重なり、守護神・岩崎優投手(31)がまさかの4失点。勝てば今季初の貯金4で、首位ヤクルトが巨人に敗れたため8・5ゲーム差に迫れるところだったが、目前での大暗転となった。3点リードで守護神を投入して必勝態勢を敷いたはずだったのに、九回にまさかの大暗転だ。ミスに次ぐミスで、奇跡のような大逆転を目指すために手放してはいけない1勝はあっという間に霧散した。勝負どころの守備の綻びに、矢野監督も苦言を呈した。「ちょっと(打球が)跳ねたかなっていう感じはあった。この球場は難しいから。拓夢(中野)の守備に助けられることもいっぱいある。跳ねたとはいえ、拓夢なら捕ってやらなアカンっていうのはもちろんあるけど」1点を返されて迎えた1死二、三塁。岩崎のチェンジアップを菊池涼が遊撃の守備位置へ弾き返した。何でもないようにみえた打球は、捕球前に跳ねるように軌道が変わり、背番号51の体に当たって白球は外野を転々。その間に2者が生還して追いつかれた。虎の守護神でも勢いは止めらず、その後1死二塁から秋山にサヨナラ打を浴び、今季初の4失点(自責0)を喫した。「それを責めるっていうよりはあいつ(中野)がまたスグル(岩崎)の時に取り返すとかさ。チームのために頑張るとか、そっちの方が大事」指揮官は中野の反骨心に期待したが、この回は小幡も無死一、二塁で上本の一、二塁間を抜けそうな打球に追いつきながら、一塁に悪送球して痛恨の適時失策を犯してしまった。野手陣が負の連鎖の〝きっかけ〟になり続けた。「アウトになるためには、ある程度速いボールを投げなあかんし、俺は責めることはできないと思う。アウトにしにいった中のプレーで、もちろん竜平(小幡)だってあれをアウトにできるようになっていかなあかんし」矢野監督は21歳の若虎にも失策を成長への糧にすることを願ったが、試合数は確実に消化していく。首位ヤクルトが敗れたため、虎が勝てば8・5ゲーム差に縮めるチャンスだった。今季初の貯金「4」にも届かなかった。シーズンは残り41試合。〝まさか〟を取り返す時間は限られている。(新里公章)

◆虎の未完エース、藤浪晋太郎はついに野球の神様にも見放されてしまったのか...。今季初勝利を狙ったマウンドで6回?を5安打2失点。7奪三振、2死球とちょいと悪いクセが顔をのぞかせたものの、リードを守り、先発の役目を果たしての降板だった。復活ドラマの一歩は3点リードで九回のマウンドに上がった守護神・岩崎から贈られる完璧な台本となっていたのだ。しかし、その岩崎が乱調で2点差に詰め寄られ、なお1死二、三塁で菊池涼の打球は遊撃への平凡なゴロ。「よっしゃ、1点差は仕方ないけどあと一人で勝ちやー!!」と叫んだ次の瞬間に中野の前でボールがポーンとイレギュラーして捕球できず、信じられない同点に(記録エラーはないよ~!!)。そして、藤浪の白星は消えたのだった...。藤浪よ、これが現実や!! もう君は甲子園の申し子でも、怪物でもないってこっちゃ!! だけど、普通の投手が大逆転劇を演じちゃいけない法律はないんやでェ!!

◆ヤクルトが神宮で巨人に負けていました。中継モニターでそれを見届けたとき、マツダスタジアムは阪神が5-2リードで九回裏。そこからのまさかの逆転サヨナラ負けにショックは2倍です。「8・5ゲーム差や!!」「夏の甲子園大会開幕の日に、藤浪が帰ってきたぞ!!」とヒートアップしていた編集局内のムードも一変し、悲鳴に包まれました。リードを守っていれば、ヤクルトとのゲーム差は8・5に縮まり、〝あと2つずつ〟の勝ち負けで自力優勝の可能性が復活していたんです。最短で9日でした。それが...9・5差のまま。ヤクルトが負けた日に一緒に負けてしまい、〝あと3つずつ〟に伸びてしまいました。最短で10日に先送りです。「厳しいよ。何回も言うてるけど、ヤクルトは残りを勝率5割近くの23勝22敗でいっても82勝60敗1分け。そこまで失速したときでも、阪神は残りを31勝10敗(82勝59敗2分け)でいかなあかんのやから。きょうの負けは痛い」相変わらず〝スーパードライ〟な計算をするビヤ樽編集委員三木建次は「藤浪も一緒。ようやく先発の順番が回ってきて力投したけど、まだまだチームと同じ崖っぷちの立場や」とマツダスタジアムから伝えてきました。「ウィルカーソン(4日の巨人戦で2回5失点で降板し、登録抹消)はしばらく戻って来られないような打たれ方やった。先発が1枠空いた。才木は間隔を空けながらの起用になるけど内容がいい。青柳、西勇、伊藤将、ガンケルに続く投手。その才木の次を誰が取るかの競争になる」広島は、ベストメンバーの顔ぶれが並んでいました。「コロナの陽性判定を受けていたマクブルームがきのう(5日)から復帰して、きょうは下半身のコンディション不良で離脱していた西川が戻ってきました。ようやく全員がそろいます。藤浪のときにはスタメンを外れることが多かった菊池涼選手も出ます」カープ番柏村翔の声が弾んでいました。なにもこんなタイミングで全員そろわなくても...。トラ番サブキャップ新里公章も「藤浪のときはいつも左打者を並べていたのに」と驚いています。そのベストメンバーが並んだ打線に最後に粘られ、守備のミスもからんでやられた格好です。鳴尾浜で行われたソフトバンクとの2軍戦は、若手のトラ番平野佑治が取材。2ランを含む3安打で1軍昇格をアピールしたドラフト6位新人・豊田の原稿をまとめると、こんな報告をしてきました。「山本選手が打撃練習を再開しました。練習には3日前から合流しています。きょうはベンチ外でしたが、9日のオリックス戦(京セラ)で実戦復帰の見通しです」山本がコロナの陽性判定を受けたのは7月27日。阪神も徐々に戦力が戻ってきます。そうした状況だからこそ、ビヤ樽は、藤浪には今後も結果が求められると力説しました。「きょうも落とせない。あしたも落とせない。これからもそういう試合が続く。中継ぎはそろっている。5回でいいからぴしっと抑えないかん。他の投手も戻ってくる。勝つ計算ができるピッチングを誰ができるか、その競争や」ベストメンバーの広島を相手に好投した藤浪。次こそは、勝ち星という結果にもつながってほしい。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
59381 0.608
(↓0.007)
-
(-)
45436
(+2)
377
(+3)
120
(-)
56
(-)
0.254
(↓0.002)
3.440
(-)
2
(-)
阪神
51492 0.510
(↓0.005)
9.5
(-)
41351
(+5)
290
(+6)
65
(-)
79
(+3)
0.239
(↑0.001
2.540
(-)
3
(-)
DeNA
46452 0.505
(↑0.005)
10
(↑1)
50330
(+1)
361
(-)
69
(-)
33
(-)
0.252
(-)
3.500
(↑0.04)
4
(-)
巨人
48521 0.480
(↑0.005)
12.5
(↑1)
42394
(+3)
451
(+2)
118
(+1)
46
(+1)
0.246
(-)
4.020
(↑0.02)
5
(-)
広島
47523 0.475
(↑0.006)
13
(↑1)
41394
(+6)
388
(+5)
59
(-)
19
(-)
0.255
(↑0.001
3.490
(↓0.01)
6
(-)
中日
41541 0.432
(↓0.004)
17
(-)
47283
(-)
358
(+1)
51
(-)
34
(+1)
0.249
(-)
3.560
(↑0.03)