巨人(★1対2☆)阪神 =リーグ戦17回戦(2022.08.03)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:伊藤 将司(8勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝3敗24S))
敗戦投手:戸郷 翔征(9勝5敗0S)

本塁打
【阪神】梅野 隆太郎(3号・5回表ソロ)
【巨人】吉川 尚輝(5号・6回裏ソロ)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は3回表、中野の適時打で先制する。そのまま迎えた5回には梅野がソロを放ち、リードを広げた。投げては、先発・伊藤将が6回4安打1失点の好投で今季8勝目。敗れた巨人は先発・戸郷が力投を見せるも、打線が1得点と援護できなかった。

◆阪神伊藤将司投手(26)が5月22日、7月14日に続いて巨人戦の完封勝ちを狙う。同一カードで3試合連続完封勝ちすれば10年日本ハム戦の杉内(ソフトバンク)以来で、巨人戦では95年ブロス(ヤクルト)以来となる。

◆「巨人キラー」阪神伊藤将司投手(26)が、球団初の偉業に挑む。今季登板した巨人戦2試合でいずれも完封。巨人戦で3試合連続完封となれば球団初だ。球界でも1リーグ時代を含め70年平松政次(大洋)、95年ブロス(ヤクルト)しか達成しておらず、左腕では史上初となる。伊藤将を援護したい打線は、前日とオーダーは変わらず。今季3度対戦し、17イニング無失点に抑えられている「虎キラー」の巨人先発戸郷翔征投手(22)を打ち崩せるか。

◆阪神が「虎キラー」の巨人先発戸郷翔征投手(22)から、今季20イニング目で初めて得点を奪った。0-0の3回2死二塁で、1番中野拓夢内野手(26)が中前適時打。1点を先制した。中野は「梅野さんが粘って、(伊藤)将司がしっかり送って、いい流れで回ってきた場面だったので、自分もその流れにうまく乗ることができました。先制することができてよかったです」と振り返った。戸郷には今季、5月20日は8回無失点に抑えられ、前回7月12日は9回無失点で完封勝利を献上していた。今季3度目の対戦で攻略の足がかりをつかんだ。

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)が、先発伊藤将を強力援護する3号ソロを放った。1点リードの5回、巨人先発戸郷の初球146キロを左翼スタンドに放り込んだ。ベンチ前ではナインとともに「ハートU2」ポーズを決めた。今季開幕前、日刊スポーツが梅野の本塁打パフォーマンスをファンから募集。2年連続の試みで選ばれたのが、体の前でハート形をつくる新ポーズだった。この日はナインも一緒になってポーズを披露。今季3本目のアーチ。徐々に新パフォーマンスも浸透しているようだった。守備では、球団初の巨人戦3試合連続完封を目指す伊藤将を好リードしている。

◆巨人キラーの阪神伊藤将司投手(26)が6回1失点と好投し、今季8勝目の権利を持って降板した。阪神投手では初の巨人戦3試合連続完封も期待されたマウンド。2点リードの6回1死で1番吉川に右越えソロを浴びた。この1失点は今季巨人戦24イニング目で初失点。巨人戦では昨年7月10日以来27イニングぶりの失点となった。それでも最少失点でゲームメーク。「ランナーを背負う場面が多かったですが、梅野さんがうまくリードしてくれたおかげで、全体的に粘り強く投げることができました。その中でもホームランを打たれた部分など反省点もあるので、次回登板までにしっかり改善していければと思います」と振り返った。

◆巨人の白星が遠い。後半戦再開戦から2連敗、前半戦から4連敗となり、借金7に膨らんだ。先発戸郷翔征が"2ケタ勝利チャレンジ"に挑んだ。昨季まで2年連続9勝をマークしている。あと1勝の壁を越えられず。3回に中野に先制適時打を許し、今季阪神戦は20イニング目にして初失点。5回には梅野にソロ弾を浴びた。8回4安打2失点の好投も勝利はつかめず。プロ初完封で今季9勝目を挙げた7月12日の阪神戦から2戦連続で足踏みとなった。主砲岡本和が"復活弾チャレンジ"に挑んだ。7月6日ヤクルト戦で今季21号を放つも、約1カ月も快音から遠ざかっている。2回無死から左前打で後半戦初安打を放つも得点、勝利には結びつかなかった。吉川が"天敵攻略チャレンジ"に挑んだ。2点を追う6回に右中間席に5号ソロを放った。今季は2試合連続完封勝利を献上していた阪神伊藤将から24イニング目でようやく得点を奪った。反撃は1点にとどまり、決定打を欠いた。巨人の苦境は続く。▽巨人戸郷(2ケタ勝利にリーチをかけた後は昨年から7試合連続で足踏み)「失点してしまったことは反省して、次の登板に向けてしっかり調整していきます」巨人が本拠地の東京ドームで7月7日ヤクルト戦から1分けを挟み8連敗。東京ドームで8連敗は17年5月17日~6月4日に次いで5年ぶり2度目。後楽園球場では7連敗が最多で、巨人にとって本拠地球場で8連敗は後楽園球場、東京ドームを通じて2度目のワーストタイ記録。

◆巨人が吉川尚輝内野手(27)の5号ソロで、"巨人キラー"の阪神伊藤将から24イニング目で今季初得点を記録した。2点を追う6回1死、2球目の134キロツーシームを捉えた。右中間席に運ぶ、7月8日DeNA戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりの1発でスコアボードに「1」を刻んだ。「必死に食らいついていった結果、最高の結果になって良かったです。戸郷が頑張っているので早く追いつきたいです」と振り返った。伊藤将には今季2試合連続で完封負けを喫し、1得点も挙げられていなかった。この日も5回まで散発3安打無失点に封じられていた。

◆阪神が巨人との接戦を制し、2連勝を飾った。3カード連続の勝ち越しで、今季初めて貯金を3まで伸ばした。先発した伊藤将司投手(26)が、巨人キラーぶりを発揮した。キレのある140キロ台中盤の直球を軸に、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、カーブで的を絞らせず、5回まで三塁を踏ませず無失点。2点リードの6回1死から吉川に右中間へのソロを浴び、球団史上初の巨人戦3試合連続完封は達成できなかったものの、今季自身7連勝で8勝目を手にした。打線が難敵を攻略した。相手先発は戸郷。両軍無得点の3回に2死二塁のチャンスで1番中野が中前へタイムリーを放ち、1点を先制。これが戸郷から今季20イニング目にして初めての得点となった。さらに5回1死からは梅野が左翼スタンドへの3号ソロを放ち、追加点をたたき出した。1点のリードを保ったまま、リリーフ陣にスイッチ。7回の浜地が難なく1回を無失点に抑えると、8回にはセットアッパー湯浅。1回を3人で片付け、両リーグ最速で30ホールドに到達した。最後は守護神岩崎がゲームを締めた。

◆阪神が珍しい形で追加点のチャンスを逃した。1点リードの7回1死一塁。8番梅野隆太郎捕手が遊撃へのゴロを放つと、これを巨人北村拓己内野手(26)が二塁へ転送し、きわどいタイミングでフォースアウトの判定となった。二塁吉川はすぐさま一塁へ転送し併殺を狙いたいところだったが、一塁走者熊谷敬宥内野手(26)の二塁へのスライディングの影響で、一塁送球できなかった。熊谷は勢い余ってベースを越え、吉川と接触するような形となっていた。これにまず、阪神矢野燿大監督(53)がリクエストを要求。その後、立て続けに巨人原辰徳監督(64)からもリクエストが要求され、1つのプレーで両軍から「ダブルリクエスト」される、珍しいシチュエーションになった。矢野監督は二塁フォースアウトの判定について、原監督は熊谷の走塁について、判定を問うものだった。木内球審は場内アナウンスで「はじめに矢野監督からリクエストがありました、セカンドのタイミングはアウト。その後、原監督からもセカンドのスライディングに対して、リクエストがありました。一塁走者の二塁でのスライディングを危険なスライディングとみなし、ボナファイドルールを適用し、打者走者もアウトとし、3アウトになります」と説明。当初の判定通り、熊谷は二塁フォースアウト。また、打者梅野は「ボナファイドルール」適用により、アウトとなった。梅野は遊ゴロの扱いで「併殺打」とは記録されず、守備側に「併殺」の記録がつくとアナウンスされた。ボナファイド 英語でbona fideとは「正しい」の意味。ボナファイド・スライディングは「正しいスラインディグ」。スライディングは終了後、本塁を除いて、ベース上にとどまろうとすることが求められる。

◆伝統の一戦で珍しいシーンがあった。"ダブルリクエスト"の末、巨人が併殺プレーをもぎ取り、ピンチを脱した。7回1死一塁。阪神梅野の遊ゴロで併殺プレー完成かに思われた。しかし、一塁走者の熊谷が二塁へ勢いよくスライディングしベースをオーバー。交錯した吉川は一塁へ送球できなかった。塁審は二塁は封殺と判定。ここで阪神矢野監督から1つめのリクエストが入る。これを見た巨人原監督がすかさず、守備妨害を訴えるリクエストを申請。両軍指揮官から出た"ダブルリクエスト"の審議に、球場内の注目が集まった。球審が出した結論は以下の2つ。(1)矢野監督のリクエスト 熊谷は当初判定通り、二塁封殺(2)原監督のリクエスト 熊谷のスライディングを危険走塁とみなし、「ボナファイドルール(正しいスライディングか否か)」を適用して打者走者もアウト併殺プレーとなり、本拠地の巨人ファンからは歓声が上がった。

◆阪神伊藤将司投手(26)が6回4安打1失点と好投し、今季8勝目を挙げた。失点は6回のソロ本塁打だけ。巨人戦3戦連続完封勝利は逃したが、宿敵相手に今季3戦3勝でキラーぶりを発揮した。伊藤将のヒーローインタビューは以下の通り。-登板前の意気込み「2試合連続、いい投球が続いていたので、その勢いで臨もうと思いました」-球団初の3試合連続完封の快挙がよぎった「完封したかったんですけど、残念でした(笑い)」-どんなところがよかったか「ランナーを出しても、丁寧に低めにしっかり投げることができていたので、そこがよかったなと思います」-リリーフも頑張った「浜地、湯浅、(岩崎)ザキさんのおかげで、自分もここに立てていると思うので、感謝しています」-自身7連勝と勝ち続けている「連勝が続いているので、次の登板もしっかり投げていきたいなと思います」-ファンに一言「チームも連勝が続いているので、応援よろしくお願いします」

◆阪神中野拓夢内野手(26)が「虎キラー」巨人戸郷のゼロ行進を止めた。3回2死二塁、2ボール1ストライクからの3球目。高めの147キロ直球を押し返し、ライナーで中前に先制打を弾ませた。「1打席目に高めの真っすぐでやられていた。真っすぐを1、2の3というよりは、ちょっと詰まってもいいかなぐらいの感覚でいきました。いい感じで詰まれたかなと思います」。1回は先頭で高め直球を3球空振りしての三振。2打席目で直球を仕留め、ナインの士気を高めた。今季、チームは戸郷と3度目の対戦。過去2試合は8回無失点、9回完封と完全に抑え込まれていた。今季20イニング目で初めて得点を奪い、嫌なイメージを軽減。「梅野さんが四球で粘って出塁してくれて、(伊藤)将司が1球で(犠打を決めて)つないでくれた。その流れに乗っていくことができた」と充実感を漂わせた。

◆巨人が勝てない。吉川の5号ソロの単発のみで5安打1得点。8回4安打2失点と好投した戸郷を援護できず。原監督は「まあ、もう少しバットを振れないといけないなというところはありますね」と指摘した。主砲が打てない。不動の4番岡本和が15試合連続ノーアーチと苦しんでいる。2回無死、左前打でチャンスメークするも得点には至らず。1点を追う9回2死では中堅への飛球はフェンス手前で失速し、4打数1安打だった。後半戦は連敗発進で、前半戦から4連敗。再開カードの負け越しが決まり、借金7に膨らんだ。中田が2安打で気を吐き、新外国人のクロールは9回を3者凡退で片付けた。原監督は「自分のできること、ベストを尽くして戦うということですね」と言った。▽巨人戸郷(2ケタ勝利にリーチをかけた後は昨年から7試合連続で足踏み)「失点してしまったことは反省して、次の登板に向けてしっかり調整していきます」

◆阪神が1点差を逃げ切り巨人に連勝した。3回に中野拓夢内野手(26)の中前適時打で先制。巨人先発戸郷からは今季20イニング目で奪った得点だった。5回には梅野隆太郎捕手(31)の3号ソロで追加点を奪った。先発伊藤将司投手は6回、87球で吉川のソロによる1点に抑え7連勝で今季8勝目を挙げた。試合後の阪神矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-1点差ゲームをものにした今の心境は「いやぁ、この球場なんでね、しびれますね、ハイ」-今日も先制。梅野の四球、中野の適時打「まあね、そこまで相手のリズムで、打ち取られていたんでね。なかなかそんなにチャンスが多くないかなというところで、よく拓夢(中野)が打ってくれました」-7試合連続での先制「それは選手がよくやってくれていることなんでね。やっぱり先制すると、自分たちのリズムで戦える。やっぱりそういう野球をどんどんしていきたい」-巨人先発戸郷の真っすぐがよかった中で梅野がとらえた「そうですね、初球でしたけどね。見事にとらえてくれたんで。あの本塁打、効果的だったんで。いい本塁打でした」-巨人戦3戦連続完封を目指して投げた伊藤将の内容は「今日も将司らしく、真っすぐでコーナーを突きながら、変化球を低く集めて、まだ行けそうな感じはあったんですけど。そういうところでは先発の責任というのは果たしてくれたかなと思います」-伊藤将に打席が回る前に7回からは浜地。信頼がある「そうですね、浜地もね、申し分ない投球内容もしっかり見せてくれますし。まあね、浜地でいきたいなっていう気持ちにさせてもらってるんで。あそこは浜地に任せました」-8回の湯浅、9回の岩崎も含めた活躍は「いやぁ、もう本当に頭が下がりますしね、これがうちの野球なんですけど。もうちょっと点を取ってね、それ以外の投手継投でもしっかり勝てるような、そういう点の取り方っていうのはしていきたいですね」-長期ロードに入って連勝。明日へ向けて「うちはね、ヤクルトを追いかける立場なんで。目の前の試合をどうやって勝っていくか。ずっと言っていますけど、ドラマとか奇跡を信じてね、僕たちは戦って行くっていうことが大事なことになると思うんでね。2つ取ったんでね、あした絶対取るっていう、そういう気持ちの試合をしていきます」-伊藤将は完封こそならなかったが大したもの「もちろん、そんな完封なんて簡単にできることじゃないし、特にね、東京ドームっていうのはピッチャーにはやっぱり不利な球場だから。それでもよく投げてくれたらなと思います」-2年目のジンクスどころか、あらゆる面で進化している「うーん、まあ真っすぐの質とコントロールっていうのは去年よりはいいのかなとは思うね。あとはタイミングとか、そういうところもいろいろ変えられるっていうのは将司の(特長)。同じ球種でもタイミングがちょっと、違うタイミングが投げるっていうことで、球種は1個なんだけど、バッターにとっては1個ではなくなるんで。そういうやっぱりね、特別球が速いとかそういうピッチャーじゃないで。そういうものをいろいろ駆使してっていうのは将司のいいところじゃないの」-あそこでの交代は決めていた「決めてはないけど、別にそんな。まあまあ、今のチーム状況を考えれば、浜地で行くことがいいのかなという判断で行きました」-7回表にリクエストが重なって、試合が止まったところで浜地が流れを引き戻した「なかなか鋭いところを見ているね(笑)。野球って、スポーツって何でも流れがあるから、ああいうところはやっぱりウチにとっては嫌な流れ。向こうにとっては追い掛ける立場でああいうダブルプレーだとやっぱり(こっちは)すごく嫌なものだから。でも、ここまでの経験の中でアイツも落ち着いて、『自分のボールを投げれば大丈夫』とか、自分の中でどうやってやっていくかという引き出しというか、そういうところも成長しているから。あまり動じずにいってくれたんかなと思います」-湯浅、岩崎も「一番しんどいパターンというか、そういう中でよく投げてくれている。中継ぎの1球って、先発も重いけど、中継ぎの1球はすごく重くなっちゃうんで。1球1球、間違わないようにという気持ちと、もう1個はその中でも攻めていくという強気の気持ちも投手は必要やから。攻めながら丁寧に、というのかな。そういうふうに(岩崎)優も湯浅もやっているし。優の何て言うのかな、投球や気持ち、マインドというのも、二人は参考にしているんかなと思う」-苦手の戸郷を攻略「東京ドームで1点じゃね。全然攻略したってなってないと思うし。あそこからも後半ポンポン抑えられてしまったので、やっぱりそこはうちの課題かなと思うし、もうちょっとなんとかしたいんだけどね」-その中で5回の梅野の本塁打は貴重「そうやね。ロドリゲスのところでホームランを警戒して打ち取ったところの次の初球って、エアポケットじじゃないけど。そうなったところをリュウ(梅野)が一発で仕留めたのは、相手にとっては1点でも、がくっとくるような1点になったと思うので。そういうところでは、なんていうかな。バッテリー心理を読んで打ったというのも、もしかしたらあるのかな」-ダブルリクエストは判定について説明を受けた「説明は聞いてないけど、もうね。覆ることはもうないし、逆の立場でも見ても(納得)。たかひろ(一塁走者の熊谷)も妨害しようと思ってないけど、今はベースが低くなっているから、あいつのスピードでいけば、やっぱりベース追い越しちゃうんで。今日はスライディングも近めのスライディングやったから余計に勢いでいっちゃうから。でも相手であれば、俺もコリジョンのリクエストするだろうし。まあ、ああいうふうになれば今は大概取られちゃうので。それは仕方ないかなと見ていたけど」

◆炎の4連投だ。阪神湯浅京己投手が1回無失点で30ホールド目を挙げた。「いつも通り、打者に向かっていくという気持ちで」。1点リードの8回に登板。巨人先頭の代打ウィーラーには、外角低めの直球で中飛に打ち取った。続く代打ポランコを2球で追い込むと、最後は138キロのフォークで空振り三振。吉川を左飛に仕留め、ミッション完了だ。これで開幕時に目標としていた30ホールドを早くも達成。開幕からフル稼働し、緊迫した場面でも強気の姿勢で勝負に挑んできた証しだ。「開幕前から立てていた1つの目標なので、達成できたことは素直にうれしいです。もっともっと残りの後半戦もチームの勝ちに貢献できる投球をできるように、これからにつなげていきたい」。大台到達はもはや通過点になった。7月30日のヤクルト戦からプロ初の4試合連続登板となった。この間、すべて無失点で許した安打は1本だけ。連投が続くも、表情は変えない。「疲れていようが関係ないと思うので、自分の仕事を全うできるように試合に臨むだけです」。ヤクルトを追う後半戦。「8回の男」がフル回転の覚悟だ。【三宅ひとみ】

◆さすがGキラー! 阪神伊藤将司投手(26)が6回1失点と好投し、今季伝統の一戦で3戦3勝、自身7連勝で8勝目を手にした。球団史上初の巨人戦3試合連続完封に臨んだ敵地での一戦。惜しくも達成ならず、ヒーローインタビューでは「完封したかったんですけど、残念でした。フフッ」。言葉とは裏腹に、チームの勝利に思わず笑みがこぼれた。持ち味の制球力がさえた。投球の間合いを変えながら、両サイドを鋭く突く直球にツーシーム、カットボールなど変化球を徹底して低めに集め、走者を出しながらも4回まで連続で3人で片付けた。2点リードの6回1死から吉川に巨人戦では昨年7月10日の4回以来、27イニングぶりの失点となる右中間への1発を被弾。1点差に迫られるも、後続をピシャリと封じて流れを渡さなかった。7月末に行われたオールスターに初出場し、他球団の選手と交流を重ねた。球宴前には「中日の大野(雄)さんに話を聞きたい」と目を輝かせ、お祭り当日は球界を代表する左腕に歩み寄り、技術論に耳を傾けた。「少し話せたのはいい経験になりました」。大野雄から「左バッターへのツーシームがいいね」と称賛された武器の1つを、この日の試合で何度も使用し、巨人打線を手玉に取った。球団初の快挙こそ逃したものの、巨人戦5カード連続の勝ち越しに導いた。矢野監督は「もちろん、そんな完封なんて簡単にできることじゃないし。特に東京ドームはピッチャーにはやっぱり不利な球場だから。それでもよく投げてくれた」と評価。今季の進化については「真っすぐの質とコントロールは去年よりはいいのかな。タイミングを変えるとか、いろいろ駆使してっていうは将司のいいところじゃないの」と目を細めた。「自分が打たせて取るという形は崩さずに、8月もしっかり投げてきたい」。虎の左腕エースに死角は見当たらない。【古財稜明】阪神は今季の巨人戦で5カード連続勝ち越し。同一シーズンでは、09年7月17日~19日の3連戦から、9月15~17日の3連戦にかけての5カード連続以来、13年ぶり。夏の長期ロード期間中に東京ドームでの巨人戦で2連勝したのは23年ぶり4度目。91年8月7~8日、92年8月22~23日、99年8月21~22日以来(複数年にまたがるケースを除く)。前回99年は野村克也監督時代で、8月21日は先発舩木ら4投手の継投で4-1の快勝。同22日は先発ミラーが8回に桑田から、自ら決勝本塁打を放ち2-1で勝った。阪神が長期ロードを○○発進は、17年7月28~29日中日戦(ナゴヤドーム)以来5年ぶり。○...ロハスが「天井凡打」で東京ドームをザワつかせた。1点リードの8回に先頭で代打登場。戸郷の143キロを高々と打ち上げた。打球は天井に当たって少し落下地点を変えるも二飛となった。直前の7回裏1死では巨人5番ウォーカーも遊飛を天井に当てていた。2イニング連続の「天井打」に観客は盛り上がった。○...原口が今季1号2ランを放った。ウエスタン・リーグ中日戦(バンテリンドーム)に「5番・一塁」で出場。4点を追う4回2死二塁で、中日先発の勝野の甘く入ったフォークを左翼席へ運んだ。6月13日にコロナ陽性が判明。同24日からチームに合流した際には「どんどん試合に出て結果を求めてやっていきたいと思います」と話しており、打撃でアピールした。

◆ロード連勝発進や! 阪神が巨人との接戦を制し、13年ぶりとなる5カード連続勝ち越しを飾った。1点リードの5回に、梅野隆太郎捕手(31)が天敵の巨人戸郷から3号ソロを放ち、貴重な追加点を挙げた。今季の本塁打はすべて巨人戦。先発伊藤将司投手(26)との「Gキラーバッテリー」が敵地で躍動した。マスクを外した梅野には、まだアドレナリンが残っているかのようだった。「本当にしびれる試合でした。終盤になればなるほど、何とか締めてゲームを終わらせたいという気持ちで。勝てて良かったです」。1点差ゲーム。攻守で輝いた男の汗はまぶしい。1点リードの5回1死。序盤から直球で押してきた戸郷の146キロを左翼席へかち上げた。ソロアーチで追加点。今試合前まで17イニング無失点と封じられてきた「虎キラー」に、気持ち良く投げさせるわけにはいかない。「すごくいい投手なんですけど、それをね、しっかりスタンドまで運べたのは自信にもなります。何とか、とにかくチームの勝利に貢献できてよかった」本塁打パフォーマンス「ハートU2」を決めベンチ前を歩くと、みんながまねしてくれた。今季3本塁打は全て巨人戦。宿敵相手に今季3戦3勝の伊藤将との「Gキラー」バッテリーで、09年以来の巨人戦5カード連続勝ち越しだ。プロ9年目。いい時も悪い時も、変化を恐れてこなかった。現状維持ではなく、全ては進化のため。打撃フォームもそうだ。「結局インパクトまでどうもっていくか。そのためにはフォームもいろいろ考えながら。こだわってやっているんで」テークバック、足の上げ方...。福岡大時代、大学日本代表で4番も務めた男が、なりふり構わず、その時々のベストを模索する。今季も微修正を繰り返し、日々打席に向かう。何より求めるのは、勝利に直結する一打。「キャッチャーとして、ここぞの1本を出したい。頼もしい選手でいたいなと」。だからこそ、この日の勝利は格別だった。長期ロード連勝発進に導き、貯金は今季最多の3。矢野監督も「(7番)ロドリゲスのホームランを警戒して打ち取った次の初球ってエアポケットじゃないけど、そうなったところを一発で仕留めたのは相手もがくっとくるような1点。効果的だった」とたたえた。14試合連続スタメンで、この間、打率3割1分8厘。扇の要がどっしり構えれば、虎の安定感は増すばかりだ。【中野椋】阪神は今季の巨人戦で5カード連続勝ち越し。同一シーズンでは、09年7月17日~19日の3連戦から、9月15~17日の3連戦にかけての5カード連続以来、13年ぶり。夏の長期ロード期間中に東京ドームでの巨人戦で2連勝したのは23年ぶり4度目。91年8月7~8日、92年8月22~23日、99年8月21~22日以来(複数年にまたがるケースを除く)。前回99年は野村克也監督時代で、8月21日は先発舩木ら4投手の継投で4-1の快勝。同22日は先発ミラーが8回に桑田から、自ら決勝本塁打を放ち2-1で勝った。阪神が長期ロードを○○発進は、17年7月28~29日中日戦(ナゴヤドーム)以来5年ぶり。○...ロハスが「天井凡打」で東京ドームをザワつかせた。1点リードの8回に先頭で代打登場。戸郷の143キロを高々と打ち上げた。打球は天井に当たって少し落下地点を変えるも二飛となった。直前の7回裏1死では巨人5番ウォーカーも遊飛を天井に当てていた。2イニング連続の「天井打」に観客は盛り上がった。○...7回の男・浜地が無失点に抑え13ホールド目を挙げた。直前の攻撃で矢野監督、巨人原監督のダブルリクエストで併殺となり追加点のチャンスを逃していただけに、矢野監督は「ウチにとっては嫌な流れ。でも、あまり動じずにいってくれた」と感謝した。2死から中田に安打を許したが大城を右飛に仕留めた。浜地は「0点で後ろにつなぐことができてよかった」と笑顔だった。○...守護神岩崎が2戦連続3人斬りで24セーブ目を挙げた。7月30日ヤクルト戦から4戦連続での登板。先頭の代打増田陸にはフェンスギリギリの中飛でヒヤリとしたが、3番丸を空振り三振、4番岡本和は中飛と主軸を料理した。矢野監督は「攻めながら丁寧にとやっている。優の投球や気持ち、マインドを、2人は参考にしているのかなと思う」と浜地、湯浅のよき手本になっていると絶賛した。○...原口が今季1号2ランを放った。ウエスタン・リーグ中日戦(バンテリンドーム)に「5番・一塁」で出場。4点を追う4回2死二塁で、中日先発の勝野の甘く入ったフォークを左翼席へ運んだ。6月13日にコロナ陽性が判明。同24日からチームに合流した際には「どんどん試合に出て結果を求めてやっていきたいと思います」と話しており、打撃でアピールした。

◆ひとつのプレーに両軍が"ダブルリクエスト"する珍事があった。7回1死一塁、阪神梅野の遊ゴロで一塁走者の熊谷が二塁へスライディング。勢い余ってベースカバーに入った二塁手吉川と交錯し送球できなかった。阪神矢野監督が二塁封殺の判定にリクエストすると、巨人原監督も守備妨害ではとリクエストした。リプレー検証で熊谷は判定通りアウト。さらに「ボナファイドルール(正しいスライディングか否か)」で危険とみなされ打者走者の梅野もアウトとなり併殺となった。矢野監督は「タカヒロ(熊谷)も妨害しようと思ってないけど、今はベースが低くなっているから、あいつのスピードでいけば、スライディングも近めだったから、ベースを追い越してしまう。仕方ないかな」と話した。梅野は遊ゴロの扱いで「併殺打」とは記録されず、守備側に「併殺」の記録がつく。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は伊藤将司投手(26)が先発する。左腕は5月22日、7月14日の巨人戦(いずれも甲子園)で2試合連続完封勝利。球団の日本人左腕による巨人戦2試合連続完封は1969年の江夏豊以来、53年ぶりの快挙だった。この試合で巨人戦3試合連続完封勝利となれば、球団初。偉業達成で、チームを連勝に導く。

◆阪神が先制。中野拓夢内野手(26)が中前適時打を放った。三回1死から梅野が四球で出塁すると、伊藤将が1球で犠打を決めて2死二塁の好機。1番・中野が打席に向かった。巨人先発の戸郷に対し、第1打席はオール直球で空振り三振。カウント2-1から4球目、その直球をとらえた。149㌔の速球をはじき返すと、打球は中前で弾む適時打。同期入団の伊藤将に、先制点をプレゼントした。中野が打点をあげれば、チームは11連勝中。19イニング連続無得点と抑えられていた戸郷から、今季初めて得点を奪い、阪神が先手を取った。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)が貴重な3号ソロを放った。「もう本当に(伊藤)将司が頑張ってくれているので、少しでも楽に投げさせてあげたいと思っていました。この後もしっかりリードして、将司の良さをどんどん引き出していきたいと思います」五回1死。戸郷が投じた初球、146㌔直球を一閃した。打球は左翼スタンドへ一直線。7月14日の巨人戦(甲子園)以来、13試合ぶりの一撃で2-0と点差を広げ、リードする伊藤将を援護した。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(26)の対巨人戦連続無失点がストップした。六回1死から吉川に134㌔変化球を右中間スタンドへ運ばれた。伊藤将は昨年10月13日の巨人戦(東京ドーム)から、対巨人戦の連続無失点を続け、この日の五回までで26イニング連続無失点だった。今季は5月22日、7月14日の巨人戦(いずれも甲子園)で2試合連続完封勝利。球団の日本人左腕による巨人戦2試合連続完封は1969年の江夏豊以来、53年ぶりの快挙だった。この試合で球団初の巨人戦3試合連続完封勝利を目指していたが、快挙達成とはならなかった。吉川にホームランを浴びた伊藤将だが、続く重信を二ゴロ、丸を空振り三振。2-1とリードは守った。

◆阪神のチャンスが一気になくなった。2-1で迎えた七回。先頭の糸原が投手強襲の内野安打を放つと、阪神ベンチはすかさず代走の切り札・熊谷を投入した。ロドリゲスは空振り三振で1死一塁。続く、梅野の打席だった。ボテボテの遊ゴロとなった打球に巨人の遊撃手・北村は二塁に送球。熊谷が勢いあまって、二塁手・吉川と交錯してしまう形となり、吉川は一塁へ投げられなかった。このプレーに対し、まずは矢野監督が二塁封殺の判定に対してリクエストを要求。続いて、巨人・原監督が熊谷の走塁が守備妨害ではないかとリプレー検証を要求した。検証を終えた球審の木内が判定について説明。まず、阪神サイドのリクエストについては、判定は覆らず、熊谷はアウト。そして、ボナファイドルールによって、熊谷のスライディングは、危険スライディングとなり、打者走者の梅野もアウト。ダブルプレーとなった。

◆伝統の一戦でワンプレーに対して両軍監督がリクエストを申し出る珍しい場面があった。2―1で阪神がリードして迎えた七回表1死一塁、阪神の攻撃。打者の梅野が遊ゴロを放ち、遊撃手・北村が二塁へ送球。阪神の一塁走者・熊谷が二塁へ滑り込み、アウトの判定。その際に勢い余ってベースカバーに入っていた吉川と交錯し、吉川は一塁へ送球できなかった。そこでプレーは止まり、まず阪神・矢野監督が二塁のアウト判定に対してリクエスト。続いて原監督もリクエストを申し出た。審判団は一度、下がって映像を確認。再びグラウンドへ現れると、マイクをつかんで場内アナウンスし、以下の内容を説明した。二塁の判定は覆らず、アウト。さらに、熊谷の二塁へのスライディングを危険なスライディングと判断し、「ボナファイド」が適用。これで打者走者もアウトとなり、3アウトでチェンジとなった。今回適用されたボナファイド・スライディング(正しいスライディング)のガイドラインでは、「スライディング終了後は(本塁を除き)ベース上にとどまろうとし」という部分があり、勢い余って吉川選手と接触した熊谷選手のスライディングには、この部分が該当した可能性がある。2020年7月13日の巨人―ヤクルト(ほっともっと神戸)で、パーラの二塁への危険なスライディングにボナファイドが適用された例がある。

◆阪神は接戦を制し、巨人戦は5カード連続勝ち越しとなった。打線は7月12日(甲子園)の対戦でプロ初完封を献上した戸郷に対し、三回2死二塁で1番・中野が高めの147㌔直球を中前にはじき返して先制。五回1死では梅野も高めの146㌔直球を完璧にとらえ、左翼席に運んだ。投げては今季の巨人戦は5月22日、7月14日(ともに甲子園)と2試合連続で完封していた伊藤将がコースを丁寧に突く投球で、五回まで無失点。六回こそ吉川に右中間ソロを浴びたが最少失点でしのぎ、6回4安打1失点で救援陣にバトンを託した。七回以降は浜地、湯浅、岩崎がいずれも1回無失点でリレー。伊藤将は7連勝の8勝目を手にし、湯浅はリーグトップのホールド数を節目の「30」とした。

◆球筋から気迫がほとばしった。高卒4年目で初の2桁勝利を懸けた先発のマウンド。巨人・戸郷は出だしから11球連続で直球を投げ込んだ。「後半戦の良いスタートを切れるように頑張る」と決意を込めていた。過去2年も9勝を挙げており、昨季は7月以降1勝と失速。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。〝10勝の壁〟を破るべく、昨年と合わせて7度目の挑戦に臨んだ。阪神戦の登板は今季3度目。7月12日の対戦(甲子園)では133球を投げ抜いてプロ初完封勝利を飾るなど、過去2試合で計17回無失点と上々の成績を残していた。難敵との投げ合いだった。相手先発は自身6連勝中の伊藤将で、巨人戦では2試合連続完封勝利。投手戦が予想された中、先制点を許したのは戸郷だった。下位打線から始まった三回に四球で出した走者を犠打で進められ、適時打を浴びた。0-1の五回には、梅野にソロを被弾。高めに浮いた初球を捉えられた。三回の適時打に続き、打たれたのは直球。狙い球を絞ってきた相手に、甘い球を仕留められた。チームは新型コロナウイルスの集団感染に苦しみ、救援陣は勝ちパターンの顔ぶれがそろわない。「長いイニングを投げて勝利につながる投球をできるように」。戸郷は自覚を胸に腕を振り続けたが、8回108球、2失点で降板。10勝目はお預けチームも4連敗を喫した。(鈴木智紘)

◆阪神が2009年以来、2度目の巨人戦5カード連続勝ち越しを決めた。三回の中野拓夢内野手(26)の先制打と五回の梅野隆太郎捕手(31)の3号ソロの2点を伊藤将司投手(26)、浜地真澄投手(24)、湯浅京己投手(23)、岩崎優投手(31)の継投で逃げ切った。左腕では史上初のG戦3連続完封の記録がかかった伊藤将は六回に吉川尚輝内野手(27)に本塁打を浴びて、偉業を逃したが、自身7連勝で8勝目(2敗)を挙げた。今季初の貯金「3」とした矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り(チーム成績50勝47敗2分、観衆3万2216人)。(テレビインタビュー)ーー1点差ゲームをものにした今の心境は「いやぁこの球場なんでね、しびれますね、ハイ」ーー7試合連続先制「選手がよくやってくれていることなんでね。先制すると、自分たちのリズムで戦えるのでね。そういう野球をどんどんしていきたいですね」ーー巨人戦3戦連続完封を目指して投げた伊藤将の内容は「将司らしく、真っすぐでコーナーを突きながら、変化球を低く集めて、まだ行けそうな感じはあったんですけど。先発の責任は果たしてくれたかなと思います」ーー伊藤将に打席が回る前に七回からは浜地。信頼がある「浜地も申し分ない投球内容も見せてくれます。浜地で行きたいなっていう気持ちにさせてもらってるんで。浜地に任せました」ーー八回の湯浅、九回の岩崎も含めた活躍は「本当に頭が下がります。これがウチの野球なんですけど。もうちょっと点を取ってね、それ以外の投手継投でも勝てる点の取り方はしていきたいですね」ーーロードに入って連勝。明日へ向けて「ヤクルトを追いかける立場なんで。目の前の試合をどうやって勝っていくか。ずっと言っていますけど、ドラマとか奇跡を信じてね、僕たちは戦って行くことが大事になると思うんでね。2つ取ったんでね、明日絶対取る気持ちの試合をしていきます」(囲み)ーー伊藤将は偉業こそならなかったが大したもの「完封なんて簡単にできることじゃない。特に東京ドームはピッチャーに不利な球場。それでもよく投げてくれたと思います」ーー2年目のジンクスどころか、あらゆる面で進化している「真っすぐの質とコントロールは去年よりはいいのかなとは思う。あとはタイミングとか、いろいろ変えられる。同じ球種でも違うタイミングで投げることで、球種は1個なんだけど、バッターにとっては1個ではなくなる。特別球が速いとかそういうピッチャーじゃないで。いろいろ駆使してっていうのは将司のいいところじゃないの」ーー交代は決めていた「決めてはないけど、別にそんな。今のチーム状況を考えれば、浜地で行くことがいいのかなという判断で行きました」ーー七回表にリクエストが重なって、試合が止まったところで浜地が流れを引き戻した(7回1死一塁で梅野のゴロを捕球した遊撃手・北村が二塁に転送し、アウトの判定。その後、一走・熊谷のスライディングで併殺を狙った二塁手・吉川の一塁送球ができなかった場面で、矢野監督が二塁判定についてリクエストを要求。同時に原監督がスライディングについてのリクエスト。結果、二塁アウトに加えて、危険なスライディングとして〝併殺〟となった)「なかなか鋭いところを見ているね(笑)。野球って、スポーツって何でも流れがあるから、ウチにとっては嫌な流れ。向こうにとっては追い掛ける立場でああいうダブルプレー。やっぱり(こっちは)すごく嫌なもの。ここまでの経験の中でアイツも落ち着いて、動じずに行ってくれたんかなと思います」ーーダブルリクエストは判定について説明を受けたのか「説明は聞いてないけど、覆ることはない。逆の立場でも見ても(納得)。タカヒロも妨害しようと思ってないけど、今ベースが低くなっているから、あいつのスピードで行けば追い越しちゃうんで。でも相手であれば、俺もコリジョンのリクエストする。今は大概取られちゃうので、仕方ないかなと見ていたけど」

◆自身初の2桁勝利を目指した巨人・戸郷翔征投手(22)が8回4安打2失点と好投したが、打線の援護に恵まれず5敗目を喫した。高卒4年目右腕は「失点してしまったことは反省して、次の登板に向けて調整していく」と視線を前に向けた。1巡目は直球で押し、2巡目からは変化球を交えてテンポ良く打ち取った。新型コロナウイルス禍で救援陣は勝ちパターンの顔ぶれがそろわない中、阪神先発の伊藤将と投手戦を繰り広げた。桑田投手チーフコーチは「ナイスピッチングだった。何とか10勝させてあげたかった。最後まで粘って投げてくれたので、本当に良い仕事をしてくれた」とねぎらった。

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は伊藤将司投手(26)から浜地ー湯浅ー岩崎の継投を絶賛すると同時に打線の奮起を促した。今から阪神の投手陣を絶賛するのだが、その前に「打線はもう少し奮起して点を取ってあげろよ」と言いたいね。戸郷の勢いのある真っすぐに押されて、わずか2得点だけ。またまた、しんどい試合になってしまった。それでも勝てるのは盤石の先発投手と、盤石の救援陣がいるおかげだ。東京ドームは本当に狭い。2日も「あの打球があそこまで飛ぶのか」というシーンが何度もあった。一歩間違えたら、空中戦になる。ほんのわずかの差で大量失点になりかねない。それを六回の吉川のソロだけに抑える4投手の継投は見事のひと言だ。伊藤将は最近の状態と特に大きく変わった投球をしたわけではない。いつものように、両サイドの低めに真っすぐと変化球を丁寧に投げ続けた。「けがの少ない投球」だ。球が浮くことがないから、安心して見ていられる。抜群の制球は1四球だけだったことでも分かる。伊藤将の素晴らしさを表現するなら、いつも変わらない投球ができる安定感だろう。何度も指摘してきたことだが、フォームの中でグラブをはめた右手を高く上げる。これが打者にとって目障りで仕方ないはず。他の投手とは違う動きで打者はほんのわずか、ズレるのだ。巨人打線も、ほとんどの打者が思い切ったスイングができていなかった。コロナ禍の影響はあるのだろうが。もったいなかったのは吉川に打たれた一発。ツーシームをうまく打たれているから、相手を褒めたいところだが、若干甘めに入ったのは事実。もう一つ言うなら東京ドームでなかったら、甲子園だったら、間違いなく入っていない。あの一発がなかったら、そのまま続投して、タイガース史上初の巨人戦3試合連続完封もできたのではないか、と思う。そういう意味でも、もったいない被弾だった。とはいえ七回から迷いなくつぎ込める救援陣がいることも、今の阪神の強さ。浜地、湯浅のコンビは、本当の怖さをまだ知らないから、迷いなく打者に向かって行って、打者と勝負している。今はそれでいい。「勢いのある自信」と表現したらいいだろうか。守護神・岩崎も、7月31日の試合で村上(ヤクルト)に一発を浴びたが、調子自体は一時の疲れを感じなくなっており、球威も戻っている。投手陣に関しては、文句のつけようがない頑張りだ。だから繰り返す。打線よ、もう少しだけ援護してあげてくれ。

◆巨人は先発の戸郷が8回2失点と粘ったが打線が散発の5安打と沈黙した。巨人の借金7は2018年9月22日以来4年ぶり。阪神戦は7月13日の14回戦(甲子園)から4連敗で、4月15-17日(甲子園)から5カード連続負け越し。フランチャイズ制が導入された1952年以降では最長タイで、2009年7-9月以来13年ぶり2度目。

◆浜地が七回に登板し1回1安打無失点。今季13ホールド目をマークした。「点を取られた次のイニングで相手の流れを切るという意味でも、0点で後ろにつなぐことができてよかった」。六回に1点差に迫られ、さらに七回の阪神の攻撃はリクエストが重なって試合がストップ。結局、判定はダブルプレーとなって相手に傾きかけた流れを直後に引き戻した。

◆〝令和の巨人キラー〟や! 阪神は2-1で巨人に競り勝ち、今季50勝目。2年目左腕の伊藤将司投手(26)が6回1失点で8勝目(2敗)を挙げ、巨人戦は今季3戦3勝で防御率0・37と快投が続く。猛虎は貯金を今季最多の3に増やし、10ゲーム差ながら首位ヤクルトを追う。東京ドームの虎党から送られる温かい拍手が鼓膜を刺激して心地良い。無数のフラッシュを浴びながらスタンドに一礼した伊藤将はひと仕事を終え、表情を緩めた。敵地で鮮やかな快投を見せ、巨人戦登板3連勝。〝令和の巨人キラー〟となった左腕はヒーローインタビューで声を弾ませた。「2試合連続でいい投球が続いていたので、そのまま勢いで臨もうと思いました!」序盤から相手を圧倒し、五回までは無失点。完投ペースで飛ばし、球団初となるG戦3試合連続完封のムードが高まった。六回1死から吉川に低めのツーシームを右中間席に運ばれ、今季24イニング目で初失点。快挙は逃して「うまくとらえられたなという感じ」と苦笑いだったが、6回87球、4安打1失点で8勝目をつかんだ。「イニングはもうちょい、いきたかったなというのはあったけど、チームが勝ってよかった」と喜ぶ左腕を、矢野監督は「完封なんて簡単にできることじゃない。特に東京ドームはピッチャーには不利な球場だから。それでもよく投げてくれた」とねぎらった。伊藤将は6月5日の日本ハム戦(甲子園)から自身7連勝と、勢いが止まらない。巨人戦の連続完封記録は止まったが、今季は3戦3勝とお得意さまだ。虎では過去に村山実や江夏豊、小林繁に、近年では能見(現オリックス)らが〝巨人キラー〟と呼ばれたが、この試合でその意志を受け継ぐ、新しいキラーが誕生した。平成のGキラーから授かった金言を生かしている。ルーキーイヤーの昨季は巨人戦5試合(救援で1試合)に登板し、1勝3敗、防御率4・67とセ5球団でワーストの成績に終わった。昨オフに初めて自主トレをともにしたオリックス・能見から直球の大切さを説かれ、自分のスタイルを見直した。「教えてもらったことが今でも使えている。右打者のインコースへの直球だったり、そういうところで攻めていけている」。夏場になっても切れを失わない直球がこの日も冴える。二回2死で見逃し三振に斬った中田への最初の2球は内角高めのストレート。江夏や能見らのように真っすぐで強気に攻めるスタイルこそがGキラーの系譜だ。チームは巨人戦のカード勝ち越しを球団最長タイの「5」に伸ばした。さらにシーズン50勝に到達し、貯金は今季最大の「3」まで積み上げた。「自分が打たせて取るという形は崩さずに、8月もしっかり投げていきたいなと思います」もっと勝つ。相手が巨人だろうが、ヤクルトだろうが、スタイルは崩さない。2年目で飛躍的な成長を遂げる背番号「27」が虎を上へと押し上げる。(織原祥平)...この夏の刺激的な〝初体験〟が後半戦の活力になっている。代替選手として初出場したオールスターは第2戦(松山)で登板し、1回無失点の好投。同級生の広島・栗林らとのマウンド外での交流も楽しんだ。同じくツーシームを武器とする先輩左腕の中日・大野雄とは野球談議に花を咲かせ、「『左バッターへのツーシームがいいね』と言ってもらった。いい経験になりました」と喜んだ。★データBOX?...伊藤将は今季巨人戦3戦3勝、計24回で自責1の防御率0・37。昨年7月10日の四回に1失点後、10月13日に救援で3回無失点、今年は2試合連続完封で、この日の五回まで26イニング連続無失点だった。

◆真っすぐ放たれた白球が外野で弾む。中野は塁上で右手を高く突き上げた。難敵からもぎ取った先制点。これが虎の勝利を決定的にした。「1打席目に高めの真っすぐでやられていましたし、個人的には真っすぐをちょっと詰まってもいいぐらいの感覚。イメージ通りではないですが、いい高さに来てくれて、いい感じで詰まれた」三回2死二塁の好機だった。戸郷の147キロ直球に詰まりながらも、中前に運んだ。これが戸郷から今季20イニング目にして初めて奪った得点だった。「初回、自分がああいう形で三振してしまって、少し流れ的にも嫌な部分があった」すっかりリードオフマンに定着した男は燃えていた。1番打者として、「チームに勢いを与えるために最も大事にしている」と話す一回の第1打席は戸郷のオール直球勝負に屈し、空振り三振。序盤で流れを引き寄せようと力勝負にきた相手の気迫にやられた。それでも、同期の伊藤将が抜群の投球で流れを渡さなかった。三回のチャンスは、梅野が粘って四球をもぎ取り、伊藤将が1球で送りバントを決め、いい流れを作ってくれた。「自分はその流れに乗っていくことができた」。プロとして同じ球にそう何度もやられるわけにはいかない。空振りした真っすぐを、今度はしっかりはじき返した。これで今季、中野が打点を挙げれば虎は開幕から負けなしの12連勝だ。東京ドームで難敵すらも飲み込み、リードオフマンの〝不敗神話〟が続く。(原田遼太郎)★データBOX?...阪神・中野は一回に適時打を放ち、今季20打点。中野が打点を挙げた試合は4月5日のDeNA戦(甲子園)から12戦全勝となっている。?...巨人戦は7月13日(甲子園)から4連勝で、4月15-17日(甲子園)から5カード連続勝ち越し。フランチャイズ制が導入された1952年以降では最長タイで、2009年7-9月以来13年ぶり2度目。

◆火の出るような真っすぐと鋭く落ちるフォークを駆使して積み重ねたホールドの数は、ついに大台の「30」に乗った。仕事を果たした阪神・湯浅は自信に満ちた笑みを浮かべた。「いつも通り、バッターに向かっていくという気持ちで。その結果が3人で抑えられたんじゃないかなと思う」すっかり自分の持ち場となった八回のマウンドに上がり、完璧な投球をみせた。まずは先頭の代打・ウィーラーを中飛に。「自分の中でもすごくいい感覚で投げられている」と自信を持っている真っすぐでねじ伏せる。続く代打・ポランコには三球勝負。フォークで空振り三振に仕留め、グラブをポンッとたたいて気迫をみせた。六回に本塁打を放って伊藤将の偉業を阻止していた吉川には、5球連続でフォーク勝負。左飛に仕留め、7月2日の中日戦から登板10試合連続無失点で、セ・リーグトップ独走の30ホールド目をマークした。これで開幕前に立てていた目標を達成。「達成できたことは素直にうれしいですし、少しでも自信にはなる」とうなずくと、リードした梅野も「しっかり低めに集め、相手にリズムを渡さない投球をしてくれた」とたたえた。プロ4年目で花を咲かせた。湯浅は前年まで1軍での投球回が3イニングなので新人王の資格を持っており、この大台到達で射程圏内に入った。候補には巨人の抑え・大勢らがいるが、このまま結果を積み重ねていけば、タイトル獲得の可能性は大いにある。「残りの後半戦もチームの勝ちに貢献できるようなピッチングをできるように、一つの区切りとしてこれからにつなげていきたい」勝利の方程式の一角を担う若き右腕。絶対的なセットアッパーとして君臨することを誓った。(平野佑治)★セ・リーグの新人王争い 湯浅は4年目で前年まで1軍での投球回が3イニングなので新人王の資格(投手の場合、支配下登録5年以内で前年まで1軍での投球回数30イニング以内)を有する。25セーブでリーグ2位と奮闘している巨人の新人右腕・大勢、野手ではヤクルトで遊撃のレギュラー格となり規定打席をクリアしている3年目の長岡らが候補に挙がるが、対抗馬は限られている状況。虎のセットアッパーが勲章を手にする可能性は大いにある。★データBOX?...湯浅は今季41試合の登板で30ホールド。エスコバー(DeNA)に5差をつけてセ・リーグトップ。ホールド数に救援勝利を足したホールドポイントも31でリーグトップ。シーズン最多は2021年にヤクルト・清水昇がマークした50ホールド(72試合)。球団最多は2005年の藤川球児の46ホールド(80試合)。

◆捕手として打ちたかった、捕手らしく打った一撃だ。梅野の迷いのないフルスイングが、ゲーム展開も、白球も豪快に持っていった。伊藤将をリードする上でもノドから出るほど欲しかった次の1点を、自らの3号ソロでたたき出した。「もう本当に(伊藤)将司が頑張ってくれているので、少しでも楽に投げさせてあげたいと」1-0の五回、先頭の7番・ロドリゲスが捕邪飛に倒れた直後。戸郷が投じた初球、高め146キロを左翼席中段までかっ飛ばした。投手を思う気持ちだけで振り、貴重な追加点をもたらした。坂本が7月15日に新型コロナウイルス陽性判定を受けた影響で、梅野が14試合連続で先発マスクをかぶる。疲れがたまる時期だが黙々とチームを引っ張り、先発投手は15試合連続で負けが付いておらず12連勝中だ。打でも6試合連続安打で、快進撃の要となっている。「本当に(伊藤将が)よく投げてくれたんで、こういうゲームを取れたのは大きいです」梅野が勝たせたと攻守の両面で言える、しびれる一戦だった。(長友孝輔)

◆巨人は、チーム内の新型コロナ感染拡大による6試合の延期を挟んで4連敗。借金は今季最多で、高橋由伸前監督が率いた2018年9月22日以来の7に膨らんだ。原辰徳監督(64)は「打線がもう一つ打てなかった。もう少し、やっぱりバットが振れないといけない」と険しい表情を浮かべた。後半戦初戦となった前日2日の4安打に続き、この日も散発5安打。得点は吉川の5号ソロのみと、好投した戸郷を援護できなかった。最下位・中日とは2ゲーム差。危機的な状況が続く。主力の多くが療養明けで万全とはいえない中、原監督は「とにかく自分たちのベストを尽くして戦う」と前を向いた。(谷川直之)■データBOX 巨人の借金7は2018年9月22日以来4年ぶり。阪神戦は7月13日の14回戦(甲子園)から4連敗で、4月15-17日(甲子園)から5カード連続負け越し。フランチャイズ制が導入された1952年以降では最長タイで、2009年7-9月以来13年ぶり2度目。

◆七回1死一塁で梅野が遊ゴロを打ち、矢野監督が二塁封殺に対してリクエストを要求したが判定は覆らなかった。この際に代走・熊谷が二塁へ滑り込み、二塁手の吉川が一塁へ送球できなかったため、巨人側が確認を要求した結果、審判団は危険なスライディングと認めて「ボナファイドルール」を適用。打者走者の梅野もアウトとなり、併殺でチェンジとなった。試合後、矢野監督は「敬宥(熊谷)も妨害しようと思っていないけど、あいつのスピードでいけば、やっぱりベースを追い越しちゃうんで」と話した。

◆中野の適時打で阪神が先制し、三回表の攻撃が終わったとき、そこまでの試合時間はわずか30分。このカードで抜群の相性の良さを誇る『ドクターO(オー)』同士の投げ合いは、投手担当のトラ番織原祥平の期待通りの展開で進んでいきました。「相手の戸郷も、前回の阪神戦で完封しています。伊藤将が巨人戦18イニング無失点なら、戸郷も阪神戦で17イニング連続零封中です。投手戦になると思います。でも、先に点を取ってくれたら、今年の伊藤将なら、きっと試合をつくっていってくれます」伊藤将は、六回に吉川にソロ本塁打を浴びてしまいました。1リーグ時代を含めて、平松政次(1970年、大洋)とブロス(95年、ヤクルト)の2人しかいない巨人戦3試合連続完封こそなりませんでしたが、6回1失点で巨人戦今季3戦3勝。今季8勝目をつかんでいます。「去年は巨人に良くなかったんです(5試合で1勝3敗)。『オフにデータや画像を見返しました。坂本さんを抑えられていない』と話していました。そこからのこの成績なので、すごいなと思います」伊藤将は4月6日(DeNA戦、1失点完投)から5月22日(巨人戦、完封)までの約1カ月半、登板がありません。「コロナの陽性判定を受けて戦列を離れていました。症状はなく、体はむちゃくちゃ元気だったそうです。『だからもう悔しくて悔しくて』と話していました。その悔しさも今ぶつけているんだと思います」トラ番キャップ長友孝輔は、見応えのある投手戦の中で、スタンドの〝異変〟に首をかしげていました。「きのうもきょうも東京ドームはあまり盛り上がっていないんです。空席が目立ちます。タオルを回す巨人ファンも少ない。甲子園球場と雰囲気が違います」2日の第1戦は3万1843人でした。この日も3万2216人。週末だったとはいえ7月16、17日の広島戦が4万人を超えていたのに比べると信じられない落ち込みです。そういえば、今回の3連戦は3試合とも地上波のテレビ中継がありません。昔は阪神以外のカードでも巨人戦は各テレビ局が〝争奪戦〟を展開していました。球団によっては、巨人戦の全国中継1試合につきBカード(巨人以外の球団との試合)3試合のローカル放送の放映権料をセットで販売して、その合計金額だけで選手の年俸総額を上回ったチームもあったくらいです。「(2日の第1戦が)13日ぶりの試合だったからですかね。それとも、巨人が5位に低迷しているからでしょうか」2-1勝利で打のヒーローは多く出ませんでしたが、気合が入っていたのが打者担当の原田遼太郎です。「あしたから僕、夏休みなんです。きのうは佐藤輝、その前は青柳さんで連続で1面を書かせてもらいました。きょうも1面を書いて、すっきりとした気持ちで休みに入りたいです」1面は織原に譲りましたが、「十分です。あとは休み明けまで勝っていてくれたら」。トラ番も気分良く順番に夏休みに入れそうです。ヤクルトがなかなか負けませんが、とりあえず勝って、勝って追いかけていきましょう。

◆ナイス連勝!! 前日は見事な逆転で勝利をつかみ、本日は僅差のゲームを先発の伊藤将から浜地、湯浅、岩崎が守り切っての白星だったのだ!! 先制タイムリーの中野も、アーチを放った梅野も渋い仕事ありがとう!!正直、6月以降ず~っと虎党ははしゃいでいるのだ!! そりゃそーでしょう? だって伊藤将は7連勝で8勝目! 青柳さんなんて9連勝でハーラーダントツの12勝...。なのに首位・ヤクルトと10ゲーム差って...。どんだけ燕は高く飛んでんだよー!! チーム防御率は圧倒的に阪神のほうが上。盗塁や犠打だって勝っとるやないか~!!ゲゲーッ!! その原因、見つけたー!! プロ野球記録5打席連続本塁打の〝村神様〟は39本塁打。39本って...わが阪神のクリーンアップの合計と同じじゃないか~、ガクン。だからといって本塁打を量産しろとは言いません。虎の三本の矢で打点を挙げて、自慢の投手力で逃げ切る...。こちらはチーム一丸の逆転Vの日本新や!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
59361 0.621
(↑0.004)
-
(-)
47429
(+9)
365
(+7)
118
(+2)
56
(-)
0.256
(↑0.002)
3.390
(↓0.03)
2
(-)
阪神
50472 0.515
(↑0.005)
10
(-)
44343
(+2)
275
(+1)
64
(+1)
75
(+1)
0.239
(↓0.001)
2.500
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
44452 0.494
(↑0.005)
12
(-)
52325
(+6)
359
(+5)
69
(-)
32
(+1)
0.252
(↑0.001)
3.560
(↓0.01)
4
(-)
広島
46513 0.474
(↓0.005)
14
(↓1)
43386
(+5)
380
(+6)
59
(+1)
19
(-)
0.255
(-)
3.480
(↓0.02)
5
(-)
巨人
45521 0.464
(↓0.005)
15
(↓1)
45375
(+1)
444
(+2)
111
(+1)
45
(-)
0.244
(↓0.001)
4.070
(↑0.03)
6
(-)
中日
41521 0.441
(↓0.005)
17
(↓1)
49281
(+7)
353
(+9)
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