1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 6 | 8 | 2 | 1 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 1 | 0 |
勝利投手:青柳 晃洋(12勝1敗0S) (セーブ:岩崎 優(1勝3敗23S)) 敗戦投手:メルセデス(5勝4敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は2-3の6回表、佐藤輝の適時打で同点とする。そのまま迎えた7回に代打・北條の犠飛で勝ち越すと、9回には梅野の2点適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・青柳が6回3失点の好投で今季12勝目。敗れた巨人は、5回以降2安打と打線が精彩を欠いた。
◆阪神青柳晃洋投手(28)が、自身初の9連勝を目指す。シーズン9連勝すれば昨季に15連勝した山本(オリックス)以来で、阪神では03年に12連勝の井川以来。球団19年ぶりの9連勝となるか。
◆"コロナショック"に揺れた巨人が13日ぶり、後半戦初の試合に向け、大量16人を出場選手登録した。NPBから公示が発表され、投手5人、野手11人が登録された。投手陣は新型コロナの陽性判定を受けていなかった5投手が昇格。平内や大勢、赤星、今村ら新型コロナの陽性判定を受けていた中継ぎ陣は東京ドームの1軍練習に参加したが、登録はされなかった。野手陣は岡本和や中田、丸ら新型コロナの陽性判定を受けていた主力が復帰。2年目の萩原は初昇格となった。巨人は7月19日から1日までに監督、コーチ、スタッフ、選手の合計84人が新型コロナの陽性判定を受けていた。療養期間を終えた一部の選手が調整を再開も、再開予定だった7月30日からのDeNA3連戦(横浜)は延期となっていた。【この日、出場選手登録された巨人の選手は以下の通り】投手井納翔一、桜井俊貴、戸根千明、高木京介、戸田懐生野手※岸田行倫、萩原哲、※湯浅大、※増田大輝、※中田翔、※岡本和真、※中山礼都、※ウィーラー、※北村拓己、※増田陸、※丸佳浩※は新型コロナ陽性判定を受けていた選手
◆阪神の長期ロードが東京ドームから幕を開ける。高校野球、夏の甲子園が6日から開幕するため、4週間、甲子園以外の球場を転戦する。先発は青柳晃洋投手(28)。今試合で勝利すれば、自身初の9連勝となる。シーズン9連勝すれば昨季に15連勝した山本(オリックス)以来で、阪神では03年に12連勝の井川以来。球団19年ぶりの9連勝なるか。 今季は東京ドームで1試合に登板。4月29日の巨人戦で9回1失点の完投勝利を挙げている。好相性の舞台で8月1番星なるか。また、打線は巨人先発左腕メルセデスに対し、1~4番まで左打者を並べた。
◆"コロナショック"に揺れた巨人が13日ぶり、後半戦初の試合に臨む。最後の試合となった7月20日のヤクルト戦(神宮)のスタメンから3人が変更。この日、大量16人を出場選手登録し、新型コロナの陽性判定を受けていた選手も岡本和、丸、北村の3選手が先発に名を連ねた。巨人は7月19日から1日までに監督、コーチ、スタッフ、選手の合計84人が新型コロナの陽性判定を受けた。再開予定だった7月30日からのDeNA3連戦(横浜)は延期となっていた。
◆巨人は2日、この日から20日までOBの高橋尚成氏(47)を臨時投手コーチとして登録すると発表した。高橋臨時投手コーチは取材に応じ「短い期間だが(選手たちに)楽しく分かりやすく、かみ砕きながら伝えたい」と意気込んだ。打診を受けたのは先月15日。野球解説の仕事で東京ドームを訪れた際、あいさつで訪れたベンチで原監督に打診を受けたという。米国に生活拠点があるため「家内と相談するために1度家に持ち帰った。2日後に結論を伝えた」と語った。主に2、3軍の投手を指導していく。久々に巨人のユニホームに袖を通した印象を聞かれ「やっぱり僕自身下町の人間で親の代から巨人ファンだった。なおかつ巨人の一員として入団させてもらって大好きな球団。人一倍、巨人愛がある。恩返ししたかったので、良かった。このユニホームは伝統があり、やはりしびれる」と感慨深げに話した。この日、ジャイアンツ球場で投手陣を指導。特に同じ左腕の高橋優貴投手(25)と約25分間、話をした。「名字も左投手というところも一緒で、とても気になっていた存在。昨年11勝して、このまま行くかと思ったが、今年苦しんでいるのでメンタルの持ち方、こういうマインドでやったらどうかという話をした」と語った。今シーズンの投手陣について「野球は投手が中心でゲームをつくっていかないとなかなか勝てない。この短い期間でどこまでできるか分からないが、頑張りたい」と意気込んだ。
◆阪神大山悠輔内野手(27)が、22号ソロアーチを放ち、先制に成功した。2回1死、左腕メルセデスの外寄り143キロ直球を押し込み、右翼席へと放り込んだ。大山は球団広報を通して「まずは出塁して、チームに流れを持ってきたいと思っていました。追い込まれていましたが、なんとかスタンドまで届いてくれてよかったです」とコメントした。8月初戦の第1打席で決め、7月22日DeNA戦(甲子園)、同29日ヤクルト戦(甲子園)に続き、3カード連続の本塁打。20年のキャリアハイ28本塁打にあと6本に迫った。
◆巨人が"足技"で試合をひっくり返した。1点を追う4回1死一、三塁、打者岡本和はフルカウントから見逃し三振。同時に一塁走者丸がスタートを切った。捕手梅野が二塁に送球し、丸が挟殺プレーで引き付け、三塁走者重信が本塁を伺う。一塁手ロドリゲスが三塁手佐藤輝に転送。佐藤輝と梅野隆で重信を挟むも、佐藤輝が痛恨のファンブル。左翼手大山がカバーに入るも本塁への悪送球となり、重信がヘッドスライディングで生還。さらにボールが一塁ベンチ前へと転がる間に、一塁走者丸も本塁を陥れた。この日は、巨人にとって13日ぶり公式戦で後半戦初戦だった。前半戦最終戦となった7月20日のヤクルト戦(神宮)のスタメンから3人が変更。チーム構成ができずに後半戦のオールスター期間をはさみ、2カードを延期した。この日、大量16人を出場選手登録。新型コロナの陽性判定を受けていた選手も岡本和、丸、北村の3選手も先発に名を連ねた。
◆阪神がまさかの守乱で逆転を許した。2点リードの4回、巨人丸にタイムリーを許し、1点差に迫られてからだった。無死一、三塁で、フルカウントから青柳晃洋投手(28)が、4番岡本を見逃し三振に仕留めたまではよかった。一塁走者丸がスタートを切っており、梅野隆太郎捕手(31)が二塁送球。二塁糸原健斗内野手(29)が一塁アデルリン・ロドリゲス内野手(30)に転送し、丸を一、二塁間で挟んだ。このプレーの間に三塁走者の重信が飛び出したため、ロドリゲスは三塁佐藤輝明内野手(23)に転送。三本間の挟殺プレーで重信をタッチアウトに仕留めようとしたが、梅野の送球を佐藤輝が捕球ミスした。左翼から三塁へカバーに入った大山悠輔内野手(27)が、必死の本塁送球も間に合わず、重信が同点のホームイン。さらにこの送球がそれたため、一塁走者の丸も一気に勝ち越しのホームを踏んだ。佐藤輝の捕球ミス、大山の送球ミスに失策がつき、まさかのダブルエラーで逆転を許した。
◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、汚名返上の同点適時打を放った。1点ビハインドの6回1死二塁。左腕メルセデスから左前へタイムリーを放った。島田海吏外野手(26)の無駄のないベースランニングも光り、二塁から迷わずホームに生還。試合を振り出しに戻した。佐藤輝は「同点のチャンスだったので、なんとしてもという思いで、食らいつきました。島田さんがよく走ってくれました。ありがとうなぎ」と先輩に感謝した。佐藤輝は4回裏、三本間での挟殺プレーで梅野隆太郎捕手(31)の送球を捕球できず、同点、さらには逆転に結びつく失策を犯していた。打席では3回表2死一、二塁の第2打席で空振り三振に倒れていた。攻守に精彩を欠いていたが、ここぞの場面で4番の仕事を果たした。
◆阪神矢野燿大監督(53)の采配がズバリ的中し、勝ち越しに成功した。3-3で同点の7回、先頭糸原健斗内野手(29)が左前打で出塁すると、すかさず代走熊谷敬宥内野手(26)を送り出した。その後、相手失策も絡み、1死二、三塁。ここで先発青柳晃洋投手(28)に代わり、北條史也内野手(28)を代打起用する。北條は、左腕メルセデスに追い込まれながらも中犠飛を放ち、1点を奪った。インパクトの瞬間に1度飛び出したものの素早く帰塁し、ヘッドスライディングで生還した三塁走者熊谷の走塁も光った。北條は「(先発の青柳)ヤギさんが粘ってくれていたので、『絶対に勝ちをつけたい』と思っていましたし、そのためには自分が打つしかないと思って打席に立ちました。追い込まれていましたが、なんとか『事を起こす』という気持ちで外野までもっていきました」と胸を張った。
◆"コロナショック"に揺れた巨人が13日ぶり公式戦で後半戦を再出発した。前半戦最終戦となった7月20日のヤクルト戦(神宮)のスタメンから3人が変更。チーム構成ができずに後半戦のオールスター期間を挟み、2カードを延期した。この日、大量16人を出場選手登録。新型コロナの陽性判定を受けていた選手も岡本和、丸、北村の3選手も先発に名を連ねた。序盤の3回までに2点を先制されるも、4回に丸の適時打で反撃に出た。なお、1死一、三塁で岡本和は見逃し三振に倒れるも、一塁走者丸と三塁走者重信の積極的な走塁で相手のミスを誘って一気に逆転に成功した。だが、6回に佐藤輝に同点適時打を許すと、7回には代打北條に犠飛を許し、再びリードを奪われた。先発メルセデスが7回途中4失点で降板。高梨、1点を追う9回は桜井をマウンドに送るも、失点を重ねて、後半戦は黒星発進となった。前半戦から3連敗で借金6にふくらんだ。
◆2位阪神が、コロナ禍で13日ぶりの試合だった巨人に競り勝った。長期ロードの初戦を粘り強くもぎ取り、貯金を今季最多タイの2に戻した。
◆2位阪神が、コロナ禍で13日ぶりの試合だった巨人に競り勝った。長期ロードの初戦を粘り強くもぎ取り、貯金を今季最多タイの2に戻した。3-3の7回。力投していた青柳晃洋投手(28)の代打、北條史也内野手(28)が中犠飛を放った。これが決勝点になった。勝利投手の権利を得た青柳は満面の笑みで北條を出迎えた。安定感抜群のエースは12勝目(1敗)で自身初の9連勝。阪神では03年に12連勝した井川慶以来の不敗マウンドだ。2回、大山悠輔内野手(27)が先制の22号アーチ。3回にも1点を加え、青柳をもり立てた。4回に1度は暗転した。1点を返され、なお無死一、三塁で二盗を仕掛けられると挟殺プレーの間に2つの失策が発生。2点を与え、2-3と逆転された。重いムードが流れたが1点を追う6回、佐藤輝明内野手(23)の左前打で再び同点。さらに7回に勝ち越し、青柳に白星をつけた。7回は浜地真澄(24)、8回湯浅京己(23)とつないで、9回はストッパー岩崎優(31)が23セーブ目で締めた。夏の甲子園が6日に開幕するため、阪神が本拠地に戻るのは30日の広島戦。京セラドーム大阪での主催2カードを含めて24試合を甲子園以外で戦う。
◆阪神北條史也内野手(28)が決勝となる勝ち越し犠飛を放ち、連敗を阻止した。3-3で迎えた7回1死二、三塁で代打で打席へ。巨人先発メルセデスの変化球を中犠飛とし、三走の熊谷が生還し、勝ち越しに成功した。北條のヒーローインタビューは以下の通り。-打席に立った気持ち「青柳さんの代打だったんで、僕が打たないと勝ちがつかないと思って、打つしかないと思って打席に立ちました」-今季初本塁打も青柳が先発「相性いいですね」-負けられない試合「それはいつも思っていることなのでだからいつも通りの気持ちで皆、臨んでいると思います。僕もそのつもりでいつも通りの気持ちで、いつも絶対勝つという気持ちで試合前から臨んでいる」-途中出場が多い中、どうやって気持ちをつくっているのか「ベンチで次回ってくるかなとか、投手のところで回ってくるかなと思いながら試合を見て。後はしっかりと準備をして適当にやっています」-長期遠征の初戦を勝ち抜いた「ビジターが続くので移動が大変ですけど、甲子園もやりやすいんですけど、ビジターもこんだけファンの方がいらっしゃるのでやりやすいです」-意気込み「全然、優勝を諦めていないですし、ヤクルトをつぶすために全部勝つ気持ちでやっています」
◆巨人メルセデス投手が6回2/3を4失点(自責3)と踏ん張りきれなかった。1回は2者連続三振で立ち上がるも、甘く入った球を捉えられて4失点。「調子は悪くなかったけど、要所で失投があって悔しかった。チームに申し訳ない」と反省したが、桑田投手チーフコーチは「テンポも良くて直球にも力があった」と一定の評価を与えた。また、練習に参加した大勢、平内ら隔離明けのリリーフ陣に関しては「着実に階段を上りながら復帰してほしい」と話した。
◆巨人の後半戦が始まった。コロナ禍の影響を受け、前半戦の最終カードから2カードが延期され、13日ぶりにペナントレースを再開させた。2点を追う4回に足を絡めた攻撃で相手のミスも誘い、一時は逆転するも、最後は阪神に押し切られて再逆転を許し、黒星を喫した。空白の12日間はチーム活動の停止を余儀なくされた期間もあった。主力を含む、首脳陣、スタッフの新型コロナウイルス感染が次々に発表され、7月19日からこの試合の前日の8月1日まで計84人に及んだ。療養期間を終えた選手から個別に調整を再開させるも、実戦からは離れた。2軍戦に出場した重信、岡田、石川、戸根、桜井以外の大半の主力野手は7月20日ヤクルト戦(神宮)が最後の実戦だった。定められている143試合のペナントレースを全力で進むことが使命となる。原監督は「ベストの選手たちでベストを尽くすということ。戦力が100という数字があるならば、毎日100というつもりで戦っていくというところですね」と言った。再開初戦を落とし、3連敗で18年10月以来4年ぶりの借金6。秋に向けた真夏の戦いが再開した。【為田聡史】▽巨人元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチ(コロナ感染の影響が残る中、スタメンをどう決めたか問われ)「ケガが一番怖いので、調子が良いうんぬんではなく元気そうな選手をスタメンに選んだ」▽コロナ禍の巨人7月18日 午後に2、3軍の選手とスタッフの計7人が発熱や倦怠(けんたい)感などを訴えた同19日 イースタン・リーグ、ロッテ戦の中止を決定。2、3軍の選手ら163人にPCR検査を実施し、高橋ら選手11人を含む17人が陽性判定を受けた同20日 ヤクルト戦前に大勢と菊地が陽性と判定。試合後には、出場していた岡本和、丸、中田に菅野ら選手20人に、元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチや阿部作戦兼ディフェンスチーフコーチら首脳陣の計38人の陽性判定を発表同21日 選手、監督・コーチ、スタッフら164人を検査し、山口ら選手8人を含む10人が陽性と判定。前半戦最終カードの22日からの中日3連戦(バンテリンドーム)延期が決定同22日 同85人を検査し原監督と4選手、1軍スタッフの6人が陽性に。コロナ感染により、オールスターに選出されていた大勢、菅野、中田、岡本和、丸の出場辞退を発表同23日 菊田ら選手2人と山口1軍投手コーチ陽性同25日 穴吹1軍トレーニングコーチが陽性判定。7日間で計77人となった同26日 2軍のDeNA戦に1軍から選手を派遣。21日から停止していたチームとしての活動を再開同27日 療養期間を終えた一部の選手が個別練習を実施した同28日 育成の勝俣を支配下登録したが、1軍で出場できる野手は10人で内野手は3人。チーム編成が不可として12球団の臨時実行委員会で29日と30日のDeNA戦(横浜)の延期を申し入れた同30日 療養期間を終えて個別練習を再開した支配下選手は計30人(内野手11人)もコンディションが戻らず、12球団による持ち回りの臨時実行委員会で31日のDeNA戦(横浜)も延期が決定。立岡、育成の田中、沼田、ファームスタッフ1人が陽性に8月1日 12球団と日本野球機構(NPB)による臨時12球団代表者会議が開かれ、2日の阪神戦から再開することが報告された。鍬原、太田、育成の与那原が陽性
◆阪神が同点の7回に代打北條史也内野手(28)の勝ち越し犠飛で巨人に競り勝った。2点リードの4回には守備の乱れもあり一気に3点を奪われ一度は逆転を許したが、適時失策をした佐藤輝明内野手(23)が6回に同点適時打。先発青柳晃洋投手(28)は6回まで踏ん張り9連勝で12勝目を挙げた。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-代わった選手が躍動「レギュラーだけじゃなくて、あとから行ったメンバーもいい仕事をしてくれましたし。途中ちょっとミスでね、嫌なムードになりましたけど、あのまま負けられないというところで。はい、よくやってくれました」-7回は代走熊谷がナイスラン、代打の北條が犠牲フライ「控えのメンバーもいつも出たくてウズウズしていますし。自分の仕事がどんなことかっていうのも理解してくれているんでね。そういったところで使う側もいつも思い切って使うことができています」-7回代走は勝負手で早い気もしたが「いやいや、ウチの野球はこういう野球なんで。いけるところでいきます」-ベンチの思惑と選手の活躍が一致「使われる側もどういう意味で使われているかっていうのをよく理解してくれているんでね。そういうところはチーム一丸で戦えていると思います」-7月はいい流れ。8月も長期ロード初戦をいい形で取れた「いやほんとね、ミスは改善していかないとだめですけど、そこを盛り返してなんとかアタマを取れたんでね。僕たちは追い掛ける立場なんで、ここからもどんどんいきます」-改めて8月の戦いを「もう僕らはいくしかないんでね。どんどん勝って、ドラマを起こす。そこを全員で信じて戦っていくっていうのは、もうみんな強く思ってくれているんでね。ファンの皆さんにも力をもらって、さらにいきます」-嫌な形で1度は逆転されたが再逆転した「あのミスで負けたくなかったんでね。それは選手もそう思ってくれたと思うし、誰が悪いって一人じゃないと思うけどね、ある意味取り返してくれたんでね。全体としてはいい、逆にその、ああいう悪い流れを盛り返すって、全員が勝利に貢献したっていうことを考えると、逆にムードが上がるような試合にできたのかなって」-日曜日(7月31日)にヤクルト村上に3発を浴び嫌な負け方で連勝が止まったが、大事な試合で青柳が5回、6回と締めてくれたのが大きかった「ヤギはね、いつもしっかり投げてくれているし。あっこもチャンスじゃなければね、ヤギを行かしたかったんだけど。いったんでね、ジョー(北條)も食らいついてよく打ってくれたし」-北條は試合を決める場面での起用は少なかったが「そうかなあ? 最近、俺は使っているつもりだけど」-それに応えた「もちろん、もちろん」-6回に同点打の佐藤輝は4回の守りのミスを取り返した「そうやね。打った時も何か、そういう悔しさを持って、打った時も塁上でそういう顔をしているんかなと思ったけど。ミスは減らさないとあかんし、ウチは追い掛ける立場だからしてほしくないけど、それよりもやっぱり取り返すとか次どうするかの方が大事なんで。そういう試合にしてくれたんで」-今日の青柳の投球は「うーん。まあ、誰でも(点を)取られる時には、そうなっちゃうけどね。ほんと、デッドボールから始まって、カウントを悪くして、もう1回取りにいったところからっていうところになってしまうような感じになってしまうんで。やっぱりここは丁寧に行きながらもまずは大胆に攻めてやっていかないと。そういうところではうまく抑えよう、うまく抑えようとして逆に自分を苦しめるっていうようなところになるんで。取られたところで言えば、やっぱり(相手の)どんどんチャンスが広がっていくとね。甘く入ったらダメだとか際どいところに投げなきゃっていうところとの気持ちの戦いっていうのが、バランスが難しいから。でもヤギは今、自信持って投げてくれていると思うんで、そこをうまくコントロールしながらやってくれたんじゃないの」-こういう形でゲームをつくってくれる「それは調子が悪い時もね、(相手が)左バッターを並べてもね。ヤギはこうやって抑えるってものを自分でつかんできてくれているんでね。まあ、そういうところは今は本当にまたシーズンで大きく成長してくれているんで、頼もしく思っています」-梅野が3バントと、ぎりぎりで犠打、熊谷の安打、みんながいいところで仕事「リュウ(梅野)もね、追い込まれるまでに決めるという気持ちでいってたと思うけど、最後は気持ちしかないと思うけどね。タカヒロ(熊谷)も一発でバスター決めてくれたり、まあまあうちは本塁打をガンガン打つっていうことよりも足を絡めながらいろんな作戦がより大事になっていくんで。それが俺らの特徴というセールスポイントになっていけるようにやっていかないと」-リリーフ陣は7、8、9回とパーフェクト。浜地、湯浅もどんどんたくましくなっている「浜地も自信を持って自分のリズムで、相手をしっかり見ながら、自分のボールを投げるだけじゃなくて客観的に打者も見ることができているし、湯浅ももちろんそうだし、優(岩崎)はもう経験がね、あれだけあるんで。優にはもう任せるだけなんで。若い投手も今シーズンの中で大きく成長してくれている。自分たちも楽しいというとなんだけど、自分自身の投球に対する手応えは感じ取っていると思う。まださらによくなれるんで」
◆阪神大山悠輔内野手(27)は先制アーチを架けた試合後、猛省の言葉を繰り返した。2回1死、1ボール2ストライクからメルセデスの外角143キロを右翼席へ押し返した。早くも昨季の21本塁打を上回る22号。「良い打ち方ができた。試合前にイメージしていた打球と近いところがあったので、それは良かったですけど...」と続ける表情は曇ったままだった。1点リードの4回、三本間の挟殺プレー中に本塁へ悪送球していた。「本当にミス。青柳さんを含め、チームに迷惑をかけてしまった。今日はホームランというよりもマイナス。しっかり反省したい。チームに助けられましたし、明日からは僕がチームに返していけるようにしないといけない」。9回には右腕桜井のチェンジアップを左脇腹に受けて途中交代。苦悶(くもん)の表情から状態が心配されたが、試合後は「大丈夫です!」と強調した。
◆阪神先発の青柳晃洋投手(28)が両リーグ独走の12勝で、5年ぶりに夏の長期ロード白星発進を導いた。巨人戦に先発し、味方のミスで1度は逆転されたが、耐え忍んで6回自責1の好投。7月ラストゲームで、ヤクルト村上に3打席連発を食らって敗れたショックを一掃した。阪神投手の9連勝は03年井川慶以来で、右腕なら85年中田良弘以来37年ぶり。両投手はその年優勝に大貢献しただけに、ミラクルVへの吉兆かも。青柳の勝利球は1度、ロドリゲスがスタンドに投げ入れていた。助っ人はサインバットをファンにプレゼントし無事回収。プロ7年目、116試合目で通算50勝に到達した右腕のもとに戻ると、笑みがはじけた。「今、100勝したらすごいピッチャー。半分の節目でうれしいけど、僕の試合で50回勝っているということなので、チームが勝っているのがうれしいです」巨人はコロナ禍で13日ぶりの試合だったが、3番丸、4番岡本和らほぼベスト布陣だった。それでも力強い投球で3回まで完全投球。4回先頭に死球を与え、佐藤輝、大山の失策が絡んだ3失点で逆転されたが慌てない。「先頭はもっと大事にしなきゃいけなかった」。反省を胸に6回自責1の好投。阪神では03年井川以来のシーズン9連勝で、両リーグ独走の12勝目だ。バクバクと心臓の鼓動を感じ、必死で耳を傾けた。7月27日、松山での球宴2日目。目の前には、小学6年で変則フォームに取り組んでから、憧れ続けたヤクルト高津監督がいた。「さすがに緊張しすぎで...」。球宴初日の前日はアタックできず。ラストチャンスの試合前、勇気を振り絞ってシンカーについて聞いた。「根本からして違った。僕のシンカーと...。高津さんのシンカーを投げられたら、もう1個成長できる」自身の求める"抜け感"のある球速の遅い宝刀。「高津さんは本当に縦に落とすイメージ」と目を丸くする。「右バッターに遅いシンカーがあれば、ツーシームも(生かして)いける」。この日もシンカーを交えたが「(高津シンカーは)すぐには投げられない」と苦笑い。「これからレベルアップする上で、シフトチェンジしていければ。成長の余地はある」。敵将との野球談義を力に変える。7月ラストゲームでヤクルト村上に3打席連発を食らった。だが逆転負けのショックをエースが振り払った。12勝、防御率1・38、勝率9割2分3厘で堂々の3冠をキープ。矢野監督も「(4回の)あのミスで負けたくなかったんでね。ああいう悪い流れを盛り返すって、逆にムードが上がる試合にできた」と青柳らナインをたたえた。4年連続勝ち越しのない長期ロード白星発進で、貯金は今季最多タイの2。真夏の猛虎ドラマが開演した。【中野椋】阪神は夏の長期ロードを5年ぶりに白星発進した。前回白星発進だった17年はロードで16勝10敗1分けと勝ち越したが、黒星発進だった過去4年はいずれも勝ち越した年はなかった。矢野監督も就任3年間で長期ロードで勝ち越しがない。矢野監督就任後、8月の東京ドーム巨人戦で7戦目にして初勝利を飾った。19、20年はともに3戦3敗。21年は東京ドームでの巨人戦はなかった。8月の東京ドーム巨人戦は通算で33勝85敗6分けで勝率2割8分と苦手にしている。○...浜地が直球勝負で巨人の反撃を食い止めた。勝ち越した直後の7回に登板して3者凡退。北村、小林は自慢の直球で押して三振に斬った。これで12試合、自責点なし。セットアッパーに定着した24歳右腕は「点を取ったあとでしたし、しっかり3人で(切る)というのは頭にあった。その試合、目の前の1球に集中した結果の積み重ねだと思います」と充実の表情だった。○...湯浅がホールドポイント(HP)を30の大台に乗せた。1点リードの8回に登板。150キロ前後の速球を軸に、フォークも低く制球し、吉川と重信から2三振を奪うなど、危なげなく3人で抑えた。29ホールド、30HPともリーグトップを快走。「いつも通り、強気で向かっていく気持ちでした。勝ち越し、浜地さんの投球といい流れでもらったバトンだった。自分も0点で後ろにつなげられてよかった」と振り返った。○...守護神岩崎が村上ショックを振り払った。3点リードの9回を3人で抑えて23セーブ目。丸、岡本和、代打石川を7球で片付けた。7月31日のヤクルト戦(甲子園)で1点リードの9回に村上に同点ソロを被弾。7回には渡辺がソロ、延長11回には石井が3本目となる決勝2ランを許し、投手陣には屈辱的な敗戦になった。出直しの一戦で、ブルペンが完璧な救援ぶり。矢野監督も「優(岩崎)は経験があれだけあるので、もう任せるだけ」と信頼が揺らぐことはなかった。
◆阪神佐藤輝明内野手(23)は痛恨のミスを引きずらなかった。1点を追う6回1死二塁。メルセデスに1ボール2ストライクと追い込まれた後、外寄り高めの147キロを逆らわずミートした。「もう、食らいついていっただけです。追いつくチャンスだったので、しっかり前を向いて」。同点打をライナーで左前に弾ませ、終盤の3得点を呼び込んだ。1点リードで迎えた4回無死一、三塁。目まぐるしい挟殺プレーの中で、適時失策を喫していた。4番岡本和が見逃し三振に倒れた1球。一塁走者の丸がスタートを切り、一、二塁間で挟まれた。捕手梅野が二塁ベース上の糸原へ送球。一塁手ロドリゲスにボールが移ると、今度は三塁走者の重信が飛び出した。三塁送球を受けた佐藤輝は1度本塁に送球した後、梅野からの返球を後逸。カバーした左翼手大山の悪送球も重なり、三塁走者どころか一塁走者の逆転生還も許した。送球が走者とかぶった難しいプレーではあったが、試合後は「しっかり話し合って、同じミスがないようにやるだけです」と反省。それでも即座にバットで取り返した精神力に価値がある。矢野監督も「ミスは減らさないといけないけど、それよりも取り返すとか次どうするかの方が大事」と納得の一打となった。今季は以前より重心を低くした猫背気味のフォームを取り入れ、2年目の進化を図る毎日。「まだまだ全然発展途上なので。いろいろ変えることを恐れずにやっていきます」。心も技術も、妥協することなく成長させていく。【佐井陽介】
◆左キラーさく裂! 阪神北條史也内野手(28)が決勝の勝ち越し犠飛を放ち、連敗阻止に貢献した。3-3で迎えた7回1死二、三塁。先発青柳に代わって、代打起用。この回無得点なら、青柳の12勝目がお預けになった場面で、しっかり結果を出した。「僕で点が入らなかったら、点が入る確率はだんだん減っていく。めっちゃいい場面で出してもらったんで、何とかしたいという気持ちは強かったです」巨人左腕のメルセデスに追い込まれながらも変化球に反応。犠飛を中堅に挙げ、勝ち越しの1点を奪った。「ヤギさんが粘ってくれていたので、絶対に勝ちをつけたいと思っていました」。笑顔でベンチに戻ると、青柳とも会心の笑顔でハイタッチを交わした。左投手にはめっぽう強い。今季初アーチの7月15日の中日戦(甲子園)では、「7番一塁」で出場。左腕の上田から決勝2ランを放つなど、7打点の中、6打点が左投手相手に挙げている。この日も代打で左投手との対決を制し、キラーぶりを発揮した。7回は先頭糸原が安打で出塁。矢野監督は代走熊谷を送り、敵失と犠打で三進していた。その熊谷は打った瞬間、1度飛び出したが、好判断で素早く帰塁。全速力でヘッドスライディングの生還を決めた。「めっちゃ中途半端なフライになってやばいって。だから熊谷に感謝しています。熊谷ありがとう」。背番号4への感謝も忘れなかった。今季3度目のお立ち台では、青柳が先発時に打つという問いに「相性いいですね」と笑顔。そしてネバーギブアップを宣言した。「全然、優勝を諦めていないですし、ヤクルトをつぶすために全部勝つ気持ちでやっていきます」。ヤクルトはこの日も勝って10ゲーム差は変わらないが、食らいつくのみ。ムードメーカー北條がチームの勢いを加速させる。【三宅ひとみ】北條が今季2度目の勝利打点を挙げた。7月15日中日戦(甲子園)で上田から逆転2ランを放って以来で、このときは「7番一塁」で先発出場し、代打でのV打点は今季初となった。今季青柳が登板した試合で、北條は4打数1安打、1本塁打、3打点と援護している。2度のV打点では、いずれも青柳に白星をプレゼント。7月15日は青柳が初回に失点したが、2回に北條が逆転2ラン。8月2日は青柳の代打で勝ち越しの中犠飛で援護した。北條は月別の通算成績で8月が最も成績が良い。打率2割9分3厘は、次いで高い7月の2割5分8厘を大きく上回る。安打数、本塁打数、打点でも月別でトップの数字をたたき出している。○...梅野が勝負を決定づける2点タイムリーを放った。1点リードの9回1死二、三塁で桜井から右前に2点タイムリー。「必死に食らいついて、最高にいいところに落ちてくれた」と会心だった。同点の7回にはスリーバントで犠打を成功させ、北條の決勝犠飛につなげた。無死一、二塁で2度失敗して追い込まれたが、高め直球を投手前へ転がした。「とにかく気持ちでやった。結果として決められたことが大きい」とホッとした表情だった。○...島田が苦手の左投手から適時打を含む2安打で勝利に貢献した。1点リードの3回2死三塁は、先発メルセデスから中前にタイムリー。1点ビハインドで迎えた6回は先頭でメルセデスの初球を右前へ。佐藤輝の左前安打で二塁から同点のホームを踏み「島田さんがよく走ってくれました。ありがとうなぎ」と「うなぎ」のニックネームを交えて好走塁を感謝された。1割台だった対左投手の打率は2割3厘まで上昇。左も克服して常時出場を狙う。
◆阪神先発の青柳晃洋投手(28)が両リーグ独走の12勝で、5年ぶりに夏の長期ロード白星発進を導いた。巨人戦に先発し、味方のミスで1度は逆転されたが、耐え忍んで6回自責1の好投。7月ラストゲームで、ヤクルト村上に3打席連発を食らって敗れたショックを一掃した。阪神投手の9連勝は03年井川慶以来で、右腕なら85年中田良弘以来37年ぶり。両投手はその年優勝に大貢献しただけに、ミラクルVへの吉兆かも。青柳が連勝を9に伸ばした。黒星は9回完全の中日大野雄と敵地で延長10回まで投げ合った5月6日に喫した1敗だけ。同14日DeNA戦(横浜)から12戦9勝と勝ち続けている。阪神でシーズン9連勝以上は、03年井川慶の4月30日巨人戦~8月2日中日戦の12連勝以来。右投手では、85年中田良弘が4月18日巨人戦~8月11日中日戦で開幕から9連勝して以来で、ともに阪神の優勝に大きく貢献した。
◆新型コロナウイルス感染拡大で6試合が延期となっていた巨人が13日ぶりとなる1軍戦のスタメンを発表。陽性判定を受け、療養を経た岡本和、丸、北村らも名を連ねた。
◆阪神・青柳晃洋投手(28)が今季16試合目の先発マウンドに上がる。阪神はこの日から4週間に及ぶ夏の長期ロードがスタート。セ・リーグトップの11勝(1敗)、防御率1・37と抜群の安定感を誇る虎のエースが、宿敵相手の勝利でチームを勢いづける。好調のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)はタテジマで巨人戦初出場。東京ドームでの豪快なアーチにも期待がかかる。
◆阪神・大山悠輔内野手(27)が先制の22号ソロを放った。「まずは出塁して、チームに流れを持ってきたいと思っていました。追い込まれていましたが、なんとかスタンドまで届いてくれてよかったです」。二回1死で先発のメルセデスの4球目、外角の143キロに反応。逆らわずにバットを出し、右翼席へと運んだ。7月29日のヤクルト戦(甲子園)以来、3試合ぶりの一発で先制点をもたらした。先発の青柳が投げる試合でチームが先制すると8連勝中だ。ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻ると、矢野監督から「トラにカケル」と書かれたタイガースメダルを首にかけられて笑顔を見せた。
◆巨人相手に連続完封中で3日に先発する阪神・伊藤将司投手(26)は試合前練習でマウンドの感触を確かめた。球団では58年・小山正明、68年・江夏豊(2度)、79年・小林繁らが巨人相手にシーズン2試合連続完封勝利を達成しているが、「3試合」となれば初。快挙に向けて「必死に投げたなかで、そうやって結果が出たらいい」と意気込んだ。昨季は8月の月間成績が2試合で1勝1敗、防御率5・73と低迷。それでも今季は7月で3戦3勝、1・17とハイパフォーマンスを見せており「今年はいい感じにバテずに、調子上がってきてるのでそれを継続していければ」と力を込めた。
◆阪神・島田海吏外野手(26)が追加点となるタイムリーを放った。1―0の三回、2死から中野が右翼線三塁打でチャンスメークし、島田が打席へ。メルセデスの4球目、低めの直球を華麗に中前へはじき返した。島田は今季の対左投手の成績が試合前時点で打率・185(54打数10安打)と苦戦していたが、意地の一打を放った。攻撃終了すると、ベンチに向かってお決まりとなった〝うなぎポーズ〟をして喜びを表現した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が2―3の六回に汚名返上の同点打を放った。島田の安打と近本の犠打で1死二塁とチャンスを作り、佐藤輝がメルセデスの高めの直球を左前へはじき返して試合を振り出しに戻した。適時打での打点は7月17日の中日戦(甲子園)以来、9試合ぶりだった。四回には三塁の守備では三本間で挟まれた走者のアウト狙ったが、捕手・梅野からの返球をファンブルしてしまい、逆転のきっかけを作っていた。そんな悔しさをバットに込めて快音を響かせた。
◆阪神・青柳晃洋投手(28)が三回まで完全投球を続けてきたが、四回に思わぬ守備のミスの連続で逆転を許した。2―0の四回、死球と安打で無死一、三塁とされ、丸に右前へ適時打を許した。なおも一、三塁で打席には岡本和。ここは6球目で見逃し三振に斬ったが、同時に二盗を試みた一走・丸が一、二塁間で挟まれた。その間に三走・重信が本塁を狙う素振りを見せたことで一塁手・ロドリゲスが三塁へ送球。今度は三本塁間で走者が挟まれ、捕球した三塁手・佐藤輝が捕手・梅野へ。梅野が再び佐藤輝に返球したが、捕球し損ない、白球は三塁線を転々。カバーに入った左翼手・大山が急いで本塁に送球したが、本塁をカバーしたロドリゲスも捕れないような悪送球となった。ボールはホームの後ろを転がり、その間に三走と一走が本塁に生還し、守備の連係ミスの連続で逆転された。捕手からの返球をファンブルした佐藤輝、本塁へ悪送球した大山にそれぞれ失策が記録された。
◆阪神・北條史也内野手(28)が勝ち越しの犠飛を放った。「打ったのはスライダー。(青柳)ヤギさんが粘ってくれていたので、絶対に勝ちをつけたいと思っていましたし、そのためには自分が打つしかないと思って打席に立ちました。追い込まれていましたが、なんとか事を起こすという気持ちで外野まで持っていきました」。3―3の七回だ。先頭の糸原が左前打で出塁し、代走に熊谷を送る。続くロドリゲスは二塁の失策で無死一、二塁。梅野が2ストライクと追い込まれながらも犠打を成功させて走者を進めると、投手・青柳の代打で北條が打席へ。メルセデスの外角のスライダーに食らいつき、中堅へ運ぶと、三走・熊谷がタッチアップ。ヘッドスライディングで勝ち越しのホームを踏み、再びリードした。
◆阪神が接戦を制した。二回1死から大山が3試合ぶりの一発となる22号ソロを放って先手を奪う。三回には2死から中野、島田の連打で2-0とリードを広げた。先発の青柳は三回までパーフェクト投球。しかし、四回先頭の吉川に死球を与え、この日初めて走者を背負うと、無死一、三塁とし丸に右前打を浴びて1点差。さらに、岡本和の見逃し三振の間に丸がスタート切ると、三走・重信を三本間で挟殺プレーに誘う。しかしこれを佐藤輝が落球し、同点。さらにカバーした大山の送球も逸れて、丸も生還し、逆転された。それでも六回に佐藤輝が汚名返上の同点打を放つと、七回1死二、三塁では代打・北條がしぶとく中堅へ外野フライ。やや浅めの飛球も三走・熊谷が激走で勝ち越しのホームを踏んだ。打線は九回にも1死二、三塁のチャンスを作り、梅野が右前へ2点打を放ってダメ押しした。先発の青柳は6回4安打3失点(自責1)でリーグ単独トップを独走する今季12勝目。七回からは浜地、湯浅、岩崎の勝利の方程式で占めた。阪神は本拠地・甲子園を離れ、1カ月に及ぶ長期ロードの初戦を白星で飾った。
◆このときを待ちわびていたG党が、帰ってきたナインを拍手で迎えた。実に13日ぶり。新型コロナウイルスに翻弄された巨人が、阪神との伝統の一戦で試合を再開した。後半戦の〝開幕投手〟を託されたメルセデスは「チームにいい流れを持ってこられるように」と責任感をにじませていた。7月19日からの5日間で支配下登録選手38人が感染。チーム編成が困難となり、球宴の前後で計6試合が延期となった。39度台の発熱が3日間続いた選手もいたという。陽性者は隔離生活を強いられ、自室での素振りや器具を使ったトレーニングで懸命に調整。活動停止期間を経て同27日から2軍施設で個人練習が始まり、段階を踏んで復帰への道を進んできた。試合の再開にはこぎつけたものの、ベストメンバーとはいかない。特にブルペンの台所事情は厳しく、陽性判定を受けていた守護神の大勢(関西国際大)らは出場選手登録を見送られた。チーム最多の42試合に登板している鍬原は、1日に感染して離脱。この日リリーフでベンチに入ったのは7人と限られた。メルセデスは1イニングでも長く投げたいところだったが、3-3の七回1死二、三塁で勝ち越しの犠飛を許して交代。唇をかんでマウンドを降りた。試合も五回以降はゼロ行進で敗れた。(鈴木智紘)
◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は阪神・熊谷敬宥内野手(26)の〝神走塁〟を高く評価した。熊谷の質の高い走塁に恐れ入った。七回、北條の飛球は浅かったが、一度本塁に向かっていた熊谷は三塁に戻ってからタッチアップ。打球判断力が素晴らしかった。最近、ライナーでも三走が本塁に突入するギャンブルスタートが称賛されるが、それは走塁の技術が高いとはいえない選手がやること。熊谷のような選手だとギャンブルスタートは必要ない。それだけベンチも助かるし、1点の取り方という点でも、熊谷は元広島の高橋慶彦に匹敵するぐらいの高いレベルにある。七回、糸原と入れ替わった直後、ロドリゲスの打球を吉川が弾き、一、二塁と好機を拡大させたが、もし一走が糸原のままだったら二塁は封殺されていた。前カードでヤクルト・村上に3連発を浴び、嫌な流れだった。それを払拭できたのは熊谷のおかげ。出場試合数以上に印象が強いという珍しい選手で、それだけ貴重な戦力といえる。四回、挟殺プレーで佐藤輝、大山のダブルエラーが記録された。三本間で三走・重信を挟んだとき、佐藤輝はあれだけ走者に近づいては投げる方も投げづらい。実戦勘のなさがモロに出てしまったのだが、佐藤輝だけを責めるのは酷だ。4番を務めながら三塁、右翼と複数のポジションを任されている。こんな主砲はあまり見たことがない。私はずっと佐藤輝を一つのポジションで固定するように訴えてきた。腰を据えてプレーしなければ感覚も当然、養えない。この日のプレーは佐藤輝だけじゃなく、首脳陣にも責任がある。梅野の起用法も同じだ。九回の2点打でダメを押した形だが、梅野はやっと右方向を意識して打つようになった。梅野は右打ちがうまい。これまでは坂本と併用されていたこともあり、大きい打球でアピールしなければ、という気持ちが強すぎたのか。連日のスタメンを任され、しっかりと自分と向き合えるからこそ、追い込まれても犠打を成功させ、勝負強さも戻った。打順に関してもこの形がベストだろう。この日の試合結果、内容次第では今後を大きく左右するとみていた。先制し、逆転されても、またひっくり返す。しかも熊谷という仕事人がダイヤモンドをかき回す。阪神の強さを改めて感じた試合だった。
◆新型コロナウイルスの陽性者が相次いだ5位・巨人は7月20日以来、13日ぶりの試合に敗れ、後半戦を黒星スタート。6試合の延期を挟んで3連敗を喫し、借金は6に膨らんだ。感染、療養を経て指揮を執った原辰徳監督(64)はリモートで報道陣に対応し、悔しさを口にした。「(チームへ)リスタートということで、一丸となって頑張っていこうと。あの(四)回に3点取れて、一応逆転したわけですからね」7月19日以降、スタッフも含めチーム内の計84人が感染。この日は陽性判定を受けなかった5投手を昇格させ、療養明けの岡本和、丸らを先発させるなど苦肉のメンバー編成で臨んだ。しかし、敵失に乗じて3得点した四回以外は、好機すらつくれなかった。「戦力に100という数字があるならば、毎日100なんだというつもりでベストを尽くす」と原監督。再起を図るチームにとって、白星が何よりの薬だ。(谷川直之)
◆巨人は終盤に突き放され、球宴を挟んで3連敗を喫した。先発のメルセデスが七回途中6安打4失点(自責点3)で4敗目。後半戦の初陣を託された左腕は「調子は悪くなかったけど、要所で失投があって悔しい」と唇をかんだ。7月19日からの5日間で支配下登録選手38人が感染。チーム編成が困難となり、球宴の前後で計6試合が延期となった。チームにとって同20日以来、13日ぶりの試合。ブルペンの台所事情は厳しく、陽性判定を受けていた守護神の大勢(関西国際大)らは出場選手登録を見送られただけに、メルセデスは「もっと長いイニングを投げたかった」と責任感をにじませた。桑田投手チーフコーチは「チーム的にはピンチだけど、今投げられるピッチャーにとってはチャンス」と投手陣の奮起に期待を寄せた。大勢らの状態については「順調に立ち上がってきている。慌てることなく、着実に階段を上りながら復帰してもらいたい」と語った。
◆阪神が夏の長期ロードで白星スタートを飾った。七回1死二、三塁で代打・北條史也内野手(28)の中犠飛で勝ち越し。九回には梅野隆太郎捕手(31)の2点打で試合を決めた。守備では四回の挟殺プレーで「三塁」佐藤輝明内野手(23)、「左翼」大山悠輔内野手(27)のダブルエラーで3点を奪われたが、逆転勝ちを収めた。6回3失点(自責1)で12勝目(1敗)を挙げた青柳晃洋投手(28)は球団では2003年の井川慶以来の9連勝をマークした。G戦3連勝を飾った矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績49勝47敗2分、観衆3万1843人)。(テレビインタビュー)ーー代わった選手が躍動「レギュラーだけじゃなくて、あとから行ったメンバーもいい仕事をしてくれましたし。途中ちょっとミスでね、嫌なムードになりましたけど、あのまま負けられないというところで。はい、よくやってくれました」ーー七回は代走熊谷がナイスラン、代打の北條が犠牲フライ「控えのメンバーもいつも出たくてウズウズしていますし。自分の仕事がどんなことかも理解してくれているんでね。そういったところで使う側もいつも思い切って使うことができています」ーー七回の代走は勝負手で早い気もしたが「いやいやウチの野球はこういう野球なんで。いけるところでいきます」ーーベンチの思惑と選手の活躍が一致「使われる側もどういう意味で使われているかをよく理解してくれているんでね。そういうところはチーム一丸で戦えていると思います」ーー7月はいい流れ。長期ロード初戦をいい形で取れた「いやほんとね、ミスは改善していかないとダメですけど、そこを盛り返して、何とかアタマを取れたんでね。僕たちは追い掛ける立場なんで、ここからもどんどんいきます」ーー改めて8月の戦いを「僕らは行くしかないんでね。どんどん勝って、ドラマを起こす。そこを全員で信じて戦っていくのは、みんな強く思ってくれているんでね。ファンの皆さんにも力をもらって、さらに行きます」(囲み)ーー嫌な形で逆転され、再逆転した「あのミスで負けたくなかったんでね。それは選手もそう思ってくれたと思うし、誰が悪いって一人じゃないと思うけどね、ある意味取り返してくれたんでね。全体としてはいい。逆に悪い流れを盛り返すって、全員が勝利に貢献したっていうことを考えると、逆にムードが上がるような試合にできたのかなって」ーー日曜日に嫌な負け方で連勝が止まったが、大事な試合で青柳が五回、六回締めてくれたのが大きかった「ヤギはね、いつもしっかり投げてくれている。チャンスじゃなければね、ヤギをいかしたかったんだけど。いったんでね、ジョーも食らいついてよく打ってくれたし」ーー北條は試合を決める場面での起用は少なかったが「そうかなあ? 最近、俺は使っているつもりだけど」ーーそれに応えた「もちろん、もちろん」ーー佐藤輝はミスを取り返した(六回の同点打)「打った時も悔しさを持って、打った時も塁上でそういう顔をしているんかなと思ったけど。ミスは減らさないとアカンし、ウチは追い掛ける立場だからしてほしくないけど、それよりもやっぱり取り返すとか次どうするかの方が大事なんで。そういう試合にしてくれたんで」ーー青柳の投球は「誰でも(点を)取られる時には、そうなっちゃうけどね。ほんと、デッドボールから始まって...。うまく抑えようとして逆に自分を苦しめるところになる。でもヤギは今、自信持って投げてくれていると思うんで、うまくコントロールしながらやってくれたんじゃないの。ーー梅野が犠打(七回)、熊谷の安打(九回)、みんながいいところで仕事「リュウもね、追い込まれるまでに決めるという気持ちでいってたと思うけど、最後は気持ちしかないと思うけどね。タカヒロも一発でバスター決めてくれたり、ウチは本塁打をガンガン打つことよりも、足を絡めながら、いろんな作戦がより大事。俺らのセールスポイントになっていけるようにやっていかないと」ーー浜地、湯浅もたくましくなっている「浜地も自信を持って自分のリズムで、相手をしっかり見ながら、自分のボールを投げるだけじゃなくて客観的に打者も見ることができているし、湯浅ももちろんそうだし、優はもう経験があれだけある。任せるだけなんで。若い投手も今シーズンの中で大きく成長してくれている。自分たちも楽しいというとなんだけど、自分自身の投球に対する手応えは感じ取っていると思う。まださらによくなれるんで」
◆阪神が夏の長期ロードで白星スタートを飾った。逆転勝利を収めたが、四回の挟殺プレーで「三塁」佐藤輝明内野手(23)と「左翼」大山悠輔内野手(27)によるダブル失策があった。1点差に迫られた四回無死一、三塁で岡本和が見逃し三振に倒れた際に、一走丸がスタート。捕手・梅野は二塁手・糸原に送球し、一、二塁間で挟殺プレーとなったが、三走重信のスタートに一塁手・ロドリゲスが三塁手・佐藤輝に送球。その後、梅野へと送球し、返球された佐藤輝が落球。カバーに入った大山の本塁悪送球も重なり、一気に2者が生還した。試合後のテレビインタビューで「嫌なムードになりましたけど」と語った矢野耀大監督(53)は囲み取材で「あのミスで負けたくなかったんでね。それは選手もそう思ってくれたと思う」とコメント。さらに「全員が勝利に貢献したことを考えると、逆にムードが上がるような試合にできた」と話した。失策後の六回1死二塁で左前に同点打を放った佐藤輝については「打った時も悔しさを持って、打った時も塁上でそういう顔をしているんかなと思ったけど。やっぱり取り返すとか次どうするかの方が大事なん。そういう試合にしてくれた」と振り返っていた。
◆阪神が夏の長期ロードで白星スタートを飾った。七回1死二、三塁で代打・北條史也内野手(28)の中犠飛で勝ち越し。九回には梅野隆太郎捕手(31)の2点打で試合を決めた。七回無死一、二塁でバントの構えで空振りーバントファウルーボールから犠打を決めた梅野の試合後の一問一答は以下の通り。ーー七回は2ストライクと追い込まれてのバント。緊迫の場面で決めたのは大きい「何とか気持ちだけで。チームも追加点をこういうところでほしいというのは自分自身を助ける意味でもあるし、チームも流れもあれなんで、とにかく気持ちでやったという感じですね。追い込まれていたんで」ーー曲芸みたいなバントだった「何とかやれるボールはと思って」ーー技術や自信があるからこそできた「今日に関しては自分の中でタイミングは、あまり取れなかったので、うまいこと合わなくて焦りもあったんですけど、結果として決められたことがチームにとって大きな追加点になったし、本当によかったです」ーー九回のタイムリーは大きい「大きいですね。みんながつないでくれたチャンスなので、本当にそういうバントと同じ追い込まれて、何とか事を起こしたいと思って、必死に食らいついた結果が、ああいう最高ないいところに落ちてくれて、すべては結果なので本当に結果が出てよかったです」ーーヤクルト・村上に3連発を食らった日曜日に嫌な負け方をして、今日もミスもあり、イヤな流れで勝てたのは大きい「後ろは振り返っても仕方ないし、嫌な負け方で休みを挟んでるし、そういう意味ではどういう形であれ勝たなきゃいけないし、課題は課題で持って、明日すっきりしてまた臨まないといけないので、そのへんはやるべきことを、起こった事をどうこう言っても仕方ないので。前を向いた結果なのでそれがよかったです。結果として」
◆阪神が夏の長期ロードで白星スタートを飾った。逆転勝利を収めたが、四回の挟殺プレーで「三塁」佐藤輝明内野手(23)と「左翼」大山悠輔内野手(27)によるダブル失策があった。1点差に迫られた四回無死一、三塁で岡本和が見逃し三振に倒れた際に、一走丸がスタート。捕手・梅野は二塁手・糸原に送球し、一、二塁間で挟殺プレーとなったが、三走重信のスタートに一塁手・ロドリゲスが三塁手・佐藤輝に送球。その後、梅野へと送球し、返球された佐藤輝が落球。カバーに入った大山の本塁悪送球も重なり、一気に2者が生還した。試合後、送球と走者と重なったか? と問われた佐藤輝は「そこら辺はしっかり話し合って、同じミスがないようにやるだけです」とコメント。大山は「本当にミスですし、青柳さんを含めチームに迷惑をかけましたし、しっかり投げれていたら1点で済むところだった。迷惑をかけてしまった。今日はホームランというよりもマイナスだと思う。チームに助けられましたし、明日からはこれを今度はチームに僕が返していけるようにしていかないといけない。しっかり反省していきたい」と自分に言い聞かせるように語っていた。
◆夏の長期ロード好発進!! 阪神は巨人に6-3で快勝。佐藤輝明内野手(23)は四回に失点につながる守備のミスもあったが、六回に同点タイムリーを放ってバットできっちり取り返した。貯金は今季最多タイの2。本拠地・甲子園を離れる長い戦いも、頼もしい4番の活躍で乗り切ってみせる!!終わったことは戻ってこない。ドタバタ劇の〝汚名〟はこの場面でこそ、返上するしかなかった。悔しさと自責の念を込めた白球は鋭く三遊間を抜ける。同点の瞬間を見届け、佐藤輝はようやく顔をほころばせた。「もう、食らいついていっただけです。しっかり前を向いて、追いつくチャンスだったのでいい結果になってよかった」2-3で迎えた六回1死二塁の好機。カウント1-2から、メルセデスの147キロ直球を押し込んだ。前進守備をかいくぐり、二走・島田が激走ホームイン。「島田さんがよく走ってくれました。ありがとうなぎ」。三塁ベンチを再び活気づける起死回生の左前適時打だった。打席に向かう虎の4番はいつにも増して鬼気迫っていた。四回の守備では、三本間での挟殺プレーで梅野からの返球をまさかの落球。自らの失策で同点とされると、カバーに入った大山が悪送球で逆転を許した。前カードのヤクルト3連戦(甲子園)は、カード勝ち越しを決めながらも、31日の同戦で燕の主砲・村上に3打席連発弾を浴び、逆転負け。さらに今回の相手・巨人は新型コロナウイルス感染で大量の離脱者を出し、実に13日ぶりの公式戦。ここで〝自滅〟したとなれば、奇跡の逆転Vドラマなど夢のまた夢で終わってしまう。矢野監督も「あのミスで負けたくなかった」と振り返る。そして、ミスを取り返した佐藤輝について「ミスは減らさないとあかんけど、やっぱり取り返すとか次どうするかの方が大事。そういう試合にしてくれた」とうなずいた。汚名返上となった佐藤輝の逆方向への同点打。最近は、重心を落とした構えが目立つ。藤井康1、2軍巡回打撃コーチは「テークバックのときに少し(体が)浮き上がっていた。足が上がっても、踏んでいるというイメージを持つことが大事だよ、と。そういうところから重心が下がってきたのかな」と説明した。7月30日のヤクルト戦(甲子園)で放った16号ソロ、そしてこの日の同点打のように逆方向への一打は、試行錯誤の末にたどり着いた一つの成果だった。チームの顔として、4番として、重責を担っているがまだプロ2年目。打撃も守備も発展途上の主砲は、痛恨の失策にも「しっかり話し合って、同じミスがないようにやるだけです」と猛省し、顔をあげた。チームも接戦を制して、1カ月に及ぶ長期ロード初戦を白星発進だ。「チーム全体でつないで勝てたので、いい形で1戦目を取れたんじゃないかなと思います」首位ヤクルトとは依然として10ゲーム差。険しい道のりだが、上を向いて戦っていく。失敗を取り返し、また一つ強くなった佐藤輝が真夏の長期ロードを連勝街道にする。(原田遼太郎)
◆苦しい時だからこそマウンドで懸命に歯を食いしばり、踏ん張った。青柳の力投がミスの連続で失いかけた流れを再び虎に呼び寄せた。粘って粘って最後は12勝目をつかんだ。「デッドボールからピンチが広がってああいう形で点を取られてしまったので、あそこの(四)回の先頭はもっと大事にしなきゃいけなかった」 反省が口をついて出たが、倒れかけた虎を支え続けた。2―0の四回に死球と安打で無死一、三塁とされ、丸に適時打。さらに一、三塁で岡本和を見逃し三振に斬ったが、直後の挟殺プレーから三塁の佐藤輝と左翼の大山のミスが重なり、走者2人が生還。逆転を許した。思わぬ形で相手側に流れが傾きかけたが、五、六回をきっちり零封。降板した直後にチームが勝ち越し、6回4安打3失点(自責1)でリーグトップを快走する12勝目を挙げた。これで右腕は5月14日のDeNA戦(横浜)から負けなしの先発9連勝。球団では2003年の井川慶、右腕では1968年の村山以来の快挙も成し遂げた。さらに記念すべき通算50勝目にも到達。試合後に記念のウイニングボールを受け取るはずだったが...。試合直後に一塁手・ロドリゲスがスタンドにボールを投げ入れてしまうアクシデントが発生。あとから気づいた助っ人はボールを受け取ったファンを探し出し、自分のサイン入りバットと交換して事なきを得た。そんなドタバタ劇もあったが、しっかり記念球は右腕の手元に届いた。「今は100勝したらすごいピッチャーってことですけど、半分の50勝は節目で嬉しく思います。僕の試合で(チームが)50回勝っているということなので、チームが勝っているのがうれしい」と感謝した青柳。目標の15勝も射程圏内の〝白柳さん〟がこれからも怒涛の勢いで白星を積み重ねる。(織原祥平)
◆ここしかないという場面で、チーム全員の思いを背負った北條が逆転劇の主役になった。浅く、低い弾道の中犠飛で勝ち越しに成功し、それぞれの役割を全うする重要性も際立たせた。ナインとベンチも一塊になって長期ロード初戦をとった。「青柳さんの代打ということで、僕が打たないと勝ちつかないなと思って、打つしかないと思って打席に立ちました」東京ドームに詰めかけた虎党も大きな拍手でヒーローインタビューを受ける背番号26を祝福した。3-3の七回1死二、三塁でメルセデスの外角低めのスライダーをしぶとく外野へ弾き返し、三走・熊谷をホームへ迎え入れた。さらに勢いづくため、エースに勝ちをつけたのも大きい。「絶対そこで勝つ計算じゃないですけど、青柳さんでは負けないという。みんなもそういうふうに染み付いてる。今日は不運な形で3点取られて、だから絶対打ちたかった」と胸を張った。今季32試合出場のうち、先発は8試合にとどまる。それでもベンチでは誰よりも前のめりに声を出し、常にムードを盛り上げてきた。チームへの献身を忘れない男の思いが、得点圏打率・385(13打数5安打)という数字に表れる。〝陰の主役〟たちも仕事を全うし続け、1勝につながった。先頭の糸原が左前打で出塁すると、矢野監督はすぐさま代走・熊谷をコール。続くロドリゲスの正面への打球を吉川がファンブルし、拾い直したが背番号4も快足を飛ばして二塁へ滑り込んだ。その後梅野が犠打に成功し、北條の一打につながった。指揮官も「使われる側もどういう意味で使われているかをよく理解してくれている。そういうところはチーム一丸で戦えている」と大きくうなずいた。期待に応えた背番号26は「優勝をまだまだ諦めてないですし、ヤクルトを潰すためには全部勝つつもりでやってます」と大逆襲を誓った。矢野虎がさらに結束を強め、誰も見たことがない波乱を起こす。(新里公章)
◆・274。これ、何だと思います?「なんでしょう...。8月2日の勝率ですか? すみません、まったく見当がつきません」虎番の原田遼太郎が首をかしげていた。サブキャップの新里公章は「8月の阪神の勝率ですかね?」と回答した。惜しい。正解は「阪神の8月、東京ドームでの巨人戦の勝率」。32勝85敗6分け(1日現在)。1988年に開場してからホンマのホンマのホンマに勝てなくなったんですぅ!(ヤケクソ気味に!)阪神が最後に勝ったのは金本監督時代の2018年8月26日(○9-8)。先発した飯田が3回4失点と崩れたが、5点を追う八回に猛攻。梅野が2ラン、俊介が2点打、さらに代打・伊藤隼の2点三塁打で大逆転!東京ドームに乗り込んでいたキャップ長友孝輔は「飯田が降板してから、ベンチでめちゃくちゃ声を出してチームを応援していました」と当時の様子を思い出し、「えっ? きょう勝ったら、矢野政権初勝利じゃないですか」と驚いていた。その通り。昨年は東京五輪の関係で8月の東京ドームはDeNA戦(○○●)。野手担当の原田は「佐藤輝が田淵幸一さんのもつ新人最多本塁打記録に並んで、すぐに抜きましたね」とピーンときていたが、やっぱり8月の東京ドームは〝鬼門〟というイメージしかない。「僕の〝鬼門〟はゴーヤです。沖縄出身なんですが、なぜかゴーヤが食べられなくて...。学校でもよく給食で出たのですが...。苦いのが嫌いなんです」と新里。虎の苦い思い出もよけてくれ...。朝からテレビをつければ「命にかかわる暑さです」と警戒を呼びかけるニュースばかりだった。長友は新幹線で東京駅を降りた瞬間、「インドにいるみたいだ」と感じたらしい。左手につけている時計を見れば、外気温は35度と示していた。インド・ニューデリーはこの日、最高気温31度。東京はインドよりも暑い。「インドにはいったことがないのですが、とにかく、東京は体にまとわりつくような暑さです」長友は東京駅で在来線に乗り換えて東京ドームの最寄りである水道橋駅で下車。後楽橋を渡り、東京ドーム関係者口まで歩けば5分もしないうちに到着するのだが、それも地獄だったという。「スーツケースをゴロゴロ引いていましたしね。心を無にしました。ドームは空調が効いていて本当に涼しいですよ」記者席に到着し、グラウンドを眺めると、巨人が打撃練習をしている。丸もいるぞ、岡本和も元気だ。新型コロナに感染していた原監督は一塁ベンチ前で座っている。〝いつもの〟巨人にゲゲッとし「19日からも東京ドームで3連戦がありますね」と心配そうだった。当番デスク(D)だった上阪正人はあわてなかった。「青柳が先発だからね。勝てるでしょう」。今季、上阪がチーフDを務めるときは9勝4敗(勝率・692)と阪神が勝ちまくっている(最下位は阿部祐亮Dの8勝13敗、勝率・381。いずれも1日現在)。上阪は「そんなときこそ脇を締めていこう」とつぶやいていた。オイオイ、勝率・274でもホンマに勝ってもうた。甲子園を高校球児たちに明け渡し、長期ロードへ。京セラドームを使うことで〝死のロード〟とは言わなくなったけど、〝インド〟での3連戦初戦を好発進! 暑い! 熱い! 戦力が厚い!
◆先発投手に、九回まで投げようという気持ちがみられない。これだと巨人は、毎度おなじみの負け方をするだけよ。メルセデスが七回途中、4失点で降板した。まあ試合はつくったかな...と本人は思っているかもしれない。あそこまでは頑張ってくれた...とベンチも評価するかもしれない。どちらも、大いに物足りないね。阪神をみたら、わかるだろう。開幕から泥沼にはまりながら、ここまで盛り返してきたのは、青柳が先発の柱として、チームの苦境をことごとく救ったから。完投も4度、マークしている。野球はどう考えても、先発投手が軸なんだ。結果的に、あるいは展開上、作戦上、完投できないことがあるにしても、まずはとにかく、最後まで投げ切るつもりで、いないといかん。まして巨人は、コロナ禍で手薄になる以前から、リリーフ陣が不安定で、特に中継ぎ陣が泣きどころだった。コロコロ交代させている場合ではない。投手の頭数が戻ったとしても、「途中まで頑張った」は〝禁句〟にすべきだよ。(本紙専属評論家)
◆「よっしゃ! 伝統の一戦、巨人に投打で力勝ちですわー!!」。そうやね...。「青柳が9連勝でハーラートップの12勝、サイコーですね!!」。う~ん、良かったね...。「ちょっとダンカンさん、愛する阪神が勝利したのに、つれなくありません?」。う~ん...。阪神が勝ったのはうれしいけど、どーせマスコミの報道は『ヤクルト・村上、プロ野球史上初の5打席連続ホームラン』で、阪神の勝ちなんて片隅に追いやられるんやろー!しかも、阪神の『神』が最近は『村神(本名は村上)』に使われ放題やんかー!! 村上の5連続アーチはたたえるけど何か面白くなーい!!よーし! こーなったら、わが阪神に世間の目を向けてもらうために阪神球団が『エンゼルス大谷と藤浪晋太郎のトレード決定!?』くらいのフェイクニュースを流したれー!!にしてもコロナ憎し!! 伝統の一戦なのに巨人は元気ないし...。4番・岡本和以降、ヒットを打ったのは投手のメルセデスの1本だけだし! 誰も言わないだろうから俺が言うわ!! 今年のペナントレースは(選手ではなく)つまらねー!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
58 | 36 | 1 | 0.617 (↑0.004) | - (-) |
48 | 420 (+5) | 358 (-) | 116 (+3) | 56 (-) |
0.254 (-) | 3.360 (↑0.03) |
2 (-) |
阪神 |
49 | 47 | 2 | 0.510 (↑0.005) | 10 (-) |
45 | 341 (+6) | 274 (+3) | 63 (+1) | 74 (-) |
0.240 (-) | 2.520 (↑0.01) |
3 (1↑) |
DeNA |
43 | 45 | 2 | 0.489 (↑0.006) | 12 (-) |
53 | 319 (+5) | 354 (+2) | 69 (+1) | 31 (-) |
0.251 (↑0.001) | 3.550 (↑0.02) |
4 (1↓) |
広島 |
46 | 50 | 3 | 0.479 (↓0.005) | 13 (↓1) |
44 | 381 (+2) | 374 (+5) | 58 (+1) | 19 (-) |
0.255 (↑0.001) | 3.460 (↓0.02) |
5 (-) |
巨人 |
45 | 51 | 1 | 0.469 (↓0.005) | 14 (↓1) |
46 | 374 (+3) | 442 (+6) | 110 (-) | 45 (-) |
0.245 (↓0.001) | 4.100 (↓0.01) |
6 (-) |
中日 |
41 | 51 | 1 | 0.446 (↓0.005) | 16 (↓1) |
50 | 274 (-) | 344 (+5) | 50 (-) | 32 (-) |
0.248 (↓0.001) | 3.530 (↓0.02) |
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