阪神(☆7対3★)ヤクルト =リーグ戦15回戦(2022.07.30)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:才木 浩人(2勝0敗0S)
敗戦投手:小澤 怜史(2勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(34号・6回表2ラン)
【阪神】佐藤 輝明(16号・5回裏ソロ)

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◆阪神が5連勝。阪神は両軍無得点で迎えた4回裏、4本の適時打で一挙5点を先制する。続く5回には佐藤輝のソロとロドリゲスの適時二塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・才木が6回2失点の好投で今季2勝目。敗れたヤクルトは、先発・小澤が中盤に崩れた。

◆両軍の1番打者に注目。阪神中野拓夢内野手(26)はヤクルト戦14試合で57打数20安打、打率3割5分1厘の好成績。対するヤクルト塩見泰隆外野手(29)はリーグ3位の打率3割1分3厘を残すも、阪神戦は12試合で49打数10安打、打率2割4厘といまひとつ。

◆阪神の2年目コンビが球団73年ぶりの快挙を成し遂げた。佐藤輝明内野手(23)が今季100安打目を本塁打で飾った。先頭で迎えた6回の3打席目にヤクルト大西の外角球を左翼席に運んだ。今季16号。これで2年連続で大台に到達した。すでに100安打を超えている中野拓夢内野手(26)と同一球団の選手2人が新人年から2年連続100安打以上となった。阪神では73年ぶり2度目。球界では4組目。2リーグ分立後のセ・リーグで初となる。過去の記録は以下の通り。阪神(48年、49年)後藤次男、別当薫南海(48年、49年)木塚忠助、笠原和夫阪急(55年、56年)岡本健一郎、渡辺清佐藤輝が16号ソロ本塁打を含む2安打で今季101安打とし、3桁の大台に乗せた。阪神では中野も114安打。この2人は新人だった昨季も、100安打以上していた。阪神の2選手が新人年から2年連続3桁安打は、1リーグ時代の48~49年後藤次男、別当薫以来73年ぶり2組目。球界全体では、55~56年の阪急(現オリックス)渡辺清、岡本健一郎以来66年ぶり4組目。セ・リーグでは初となった。なお、佐藤輝と中野の2人が来季も阪神に在籍し、100安打以上を記録すれば、プロ野球史上初の「新人年から3年連続3桁安打の同一球団コンビ」となる。過去の3組のうち、3年目も100安打以上したのは、後藤と別当ペアのみ。もっとも別当は3年目の50年には毎日(現ロッテ)に移籍したため、同一球団ではなくなっていた。佐藤輝は101安打でセ・リーグ5位に浮上。(1)近本116(2)中野114安打と合わせ、5傑に3人がランクインした。

◆4連勝中の阪神が一挙5点を先制した。両チーム無得点で迎えた4回2死一、二塁から、右腕小沢を相手に2四球を挟んで4者連続タイムリーを決めた。まずは2死一、二塁、6番糸原健斗内野手(29)がフォークを中前に落として先制。「(先発)才木が頑張って投げてくれていましたし、どんな形でもいいのでランナーをかえしたいと思って、初球から積極的に食らいつきました。先制点を取ることができて良かったです」と喜んだ。なおも2死満塁で今度は8番梅野隆太郎捕手(31)が二遊間を破り、2点を追加。「才木が何度もピンチをしのいでくれていたので、何としても援護したい気持ちでした。(糸原)健斗が渋いタイムリーで球場の雰囲気をつくってくれたので、自分もその流れに乗ることができました」と後輩に感謝した。さらに2死満塁から1番中野拓夢内野手(26)、再び2死満塁から2番島田海吏外野手(26)がともに左前適時打。ここで小沢を降板させ、首位ヤクルトを相手に優位にゲームを進めている。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が34号2ランを放った。7点を追う6回2死二塁、阪神才木に対し、カウント1-1からの3球目、外角146キロ直球を捉え、バックスクリーン左へ。「チャンスだったので1点ずつ返していく、後ろにつないでいく気持ちでした」と振り返った。23日広島戦(神宮)以来となるアーチで今季100安打に到達。打点は91となり、本塁打とともにリーグ2冠を独走する。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が「ヤッター弾」を放った。5点リードの5回、先頭で大西と対決し、2ボールから外角低め147キロツーシームを左翼席に運んだ。「バッティングカウントでしたし、狙い球を絞ってしっかりと自分のスイングができたと思います。才木のために打ちました! ヤッター!」今季16号ソロは7月22日DeNA戦以来、4試合ぶりの1発となった。

◆阪神が首位ヤクルトに快勝し、5連勝で貯金を2に伸ばした。これで2カード連続の勝ち越しを決め、首位に9ゲーム差まで迫った。今季右肘の中13日で先発した才木浩人投手(23)は6回2失点と力投し、今季2勝目を手にした。両軍無得点の4回に打線が爆発した。先頭島田が右中間を破る二塁打で出塁。2死を取られたが、大山が四球を選び、2死一、二塁から糸原が先制の中前適時打を放ち、試合の均衡を破った。チャンスは続き、2死満塁から梅野が中前への2点適時打で3点目。中野、島田も連続タイムリーを放つなど、打者一巡の猛攻でこの回一気に5点を奪った。さらに5回先頭の主砲佐藤輝が、4試合ぶりの1発となる左翼ポール際への16号ソロ。なおも1死二塁からは新助っ人ロドリゲスが左翼線への適時二塁打を放ち、7点目を刻んだ、ヤクルト戦では4年ぶりの先発を務めた才木は、最速150キロの直球を主体とした投球で、強力打線を翻弄(ほんろう)。6回2死二塁から村上に中越えの1発を浴びたが、先発として試合をつくった。中継ぎ陣もリードを守った。チームは29日同戦で後半戦白星発進を決め、今季初めての貯金生活に突入。このまま貯金を積み重ね、首位を猛追していく。

◆セ・リーグ2位の阪神が首位ヤクルトと対戦。阪神がヤクルトに快勝し、5連勝で貯金を2に伸ばした。両軍無得点の4回に打線が爆発、打者一巡の猛攻でこの回一気に5点を奪った。さらに5回先頭の主砲佐藤輝が、4試合ぶりの1発となる左翼ポール際への16号ソロ。なおも1死二塁からは新助っ人ロドリゲスが左翼線への適時二塁打を放ち、7点目。継投でリードを守り、2カード連続の勝ち越しを決め、首位に9ゲーム差まで迫った。後半戦白星発進を決め、今季初めての貯金生活に突入した。先発した才木浩人投手(23)は6回2失点と力投し、今季2勝目。敗れたヤクルトは投手陣が阪神打線を止められなかった。

◆ヤクルトは2位阪神に連敗を喫し、6月22日以来の1桁となる9ゲーム差とされた。6回に村上の34号2ランで反撃も、中盤までの7失点が響いた。コロナから復帰の大西、清水、田口が1回ずつを投げたが、高津監督は「やっぱりしんどいね。あれだけ休んでゲームに出るということはそんなに簡単じゃない」と険しい表情。「個人の力、チーム力は、明らかに7月の8日から変わっていると思います。踏ん張りどころだね」と危機感を強めた。○...プロ3度目の先発となった小沢怜史投手が、4回途中5安打5失点でプロ初黒星を喫した。3回まで無安打5奪三振も、4回に崩れて一挙5失点。「先発としての仕事を果たすことができず申し訳ないです」と振り返った。29日に母校の日大三島(静岡)が夏の甲子園出場を決めたばかり。「OBとしてして恥ずかしくないプレーをしたい」と臨んだ"聖地"で、悔しいマウンドとなった。

◆出ました、ヤッター弾! 阪神佐藤輝明内野手(23)が30日のヤクルト戦(甲子園)で今季16号ソロを放った。これが今季の100安打目。中野拓夢内野手(26)に続いての大台到達で、同一球団の2選手が1年目から2年連続100安打超えするのは、阪神では73年ぶり2度目の快挙だ。阪神は5連勝で首位ヤクルトとのゲーム差を「9」とした。ああ、キモティ~。この日一番の盛り上がりは4番打者の一振りだった。5点リードの5回、佐藤輝の第3打席。ヤクルト3番手大西の直球を振り抜き、浜風に乗せて左翼席へ。パワーで押し込んだダメ押し16号ソロで4万人越えの観衆が一気に沸いた。「狙い球を絞ってしっかりと自分のスイングができて、すごくいいホームランだったと思います。才木のために打ちました! ヤッター!」復帰3度目の登板で2勝目を狙っていた同学年の才木に最高の形で1点をプレゼントした。ダイヤモンドを1周すると、矢野監督からお好み焼き型の"粉もん虎メダル"をかけられ、ナインとハイタッチ。かっこいい4番打者は、「夏休みこどもまつり」期間中で詰めかけたこどもたちに「ホームランを見せられてよかった」と笑った。この本塁打で今季100安打に到達した。すでに100安打を超えている中野とともに、同一球団の2人が新人年から2年連続の100安打を記録した。阪神では48年、49年の後藤次男、別当薫以来、73年ぶり2度目の快挙。昨季は126試合で101安打だったが、この日は6回にも中前打を放ち、96試合目で早くも昨季の安打数に並んだ。後半戦初戦の29日の同戦では、4打数無安打2三振。野手では唯一打つことが出来なかった。それでも修正し、左方向の本塁打を放って見せた。逆方向のアーチは4月9日の広島戦以来。「状態は悪くはないので、いいところで打てるようにやっていきたい」と完全復調に手応えをつかんでいる。矢野監督も「久しぶりにあっちの方向にいい打球が飛んだんで、何かいいきっかけにして。ランナー置いたところでも、ああいうバッティングをどんどんしてくれたらうれしいです」とうなずいた。チームは5連勝で、ヤクルトにカード勝ち越し。今季初めて貯金を2とし、首位ヤクルトとのゲーム差も9と1桁にした。「目の前の試合を1試合1試合、全力で戦います」。背番号8が後半戦でも勝利に導く一打を打ちまくる。【三宅ひとみ】○...梅野は4回一挙5得点の中核を担った。1点先制してなおも2死満塁。小沢の直球を押し返し、中前2点打を決めた。「四球の後だったので、来た球をしっかり打ちにいこうと思った」。守っては先発才木と「引かないこと」を共有し、直球を押し続けて今季2勝目をプレゼント。チームは7月、すべて先発投手に白星をつけての14勝目。「僅差を勝っていくかどうかで連勝もかかってくる」と気を引き締め直した。佐藤輝が16号ソロ本塁打を含む2安打で今季101安打とし、3桁の大台に乗せた。阪神では中野も114安打。この2人は新人だった昨季も、100安打以上していた。阪神の2選手が新人年から2年連続3桁安打は、1リーグ時代の48~49年後藤次男、別当薫以来73年ぶり2組目。球界全体では、55~56年の阪急(現オリックス)渡辺清、岡本健一郎以来66年ぶり4組目。セ・リーグでは初となった。なお、佐藤輝と中野の2人が来季も阪神に在籍し、100安打以上を記録すれば、プロ野球史上初の「新人年から3年連続3桁安打の同一球団コンビ」となる。過去の3組のうち、3年目も100安打以上したのは、後藤と別当ペアのみ。もっとも別当は3年目の50年には毎日(現ロッテ)に移籍したため、同一球団ではなくなっていた。佐藤輝は101安打でセ・リーグ5位に浮上。(1)近本116(2)中野114安打と合わせ、5傑に3人がランクインした。阪神が首位ヤクルトに連勝し、ゲーム差を9とした。阪神が首位とのゲーム差を1桁としたのは、5月18日の9・5差以来、73日ぶり。

◆久しぶりの景色を、思う存分満喫した。阪神才木浩人投手(23)が、6回4安打2失点の力投で今季2勝目を手にした。中13日空け、4年ぶりのヤクルト戦での先発マウンド。強力打線相手にも強気で攻めた。20年の右肘トミー・ジョン手術から今季復活した右腕。甲子園では19年5月1日広島戦以来、1186日ぶりの勝ち星だ。復活星を挙げた3日の敵地中日戦ではヒーローインタビューで涙を流したが、久々の本拠地お立ち台では「最高です!」と笑みが弾けた。「360度ほとんど阪神ファンで埋め尽くされて投げやすくて、すごくいい。やっぱり阪神ファンは最高だなと思いました!」立ち上がりから角度のついた最速150キロの切れ味抜群の直球で押し込んだ。2回までパーフェクトに封じ、6つのアウトのうち5つがフライアウト。3回以降は変化球を交えながら再三のピンチを切り抜けた。6回2死二塁から「あの展開で一番やっちゃいけない」と、村上に許した中越えの2ランを反省。しかし、先発としてゲームメークし、役割を全うした。同期の援護射撃に奮い立った。両軍無得点の4回2死一、二塁。糸原が均衡を破る先制打を放った。「同期のイトさんがすごい良いバッティングをしてくれたので、しっかり投げないとなと思って」。入団から苦楽をともにしてきた糸原と並んでお立ち台に立ち、勝利の喜びを分かち合った。矢野監督は「今日も初回から全力で行くっていう気持ちもすごく感じましたし、ボールもすごく走ったいいボールがいっていた」と評価。その上で「まだまだもっともっと上にいってもらわないといけない能力のあるピッチャーなので」と話した。大事をとって1度登録抹消される見込みだが、指揮官は今後のさらなる進化に期待した。もちろん才木も先を見据える。「ここから勝ち上がって、逆転優勝して日本一になれるように頑張っていきたい」。甲子園に頼もしい右腕が帰ってきた。【古財稜明】○...湯浅が球宴明け初の登板で3者連続三振の好投を見せた。8回に登板し、ヤクルト代打の西田をフォークで空振り三振。続く山田は153キロ直球で空振り三振、最後は4番村上を143キロのフォークで空振り三振とし、中軸を完璧に抑えた。「本当に自分の中で感覚よく投げられています。ゼロで抑えられてよかった」。守護神岩崎も9回に登板し、1安打無失点と球宴組が躍動した。○...新型コロナに感染していたケラーが実戦復帰した。ウエスタン・リーグ広島戦(丸亀)に先発。2死から四球と連打を許したが、1回を無失点に封じた。最速は150キロを計測。甲子園でシート打撃に登板した28日には「早く(チームを)助けられるように、貢献できるように早く戻りたい」と話していた。29日の同戦でノーヒットノーランリレーを食らった打線は、14安打11得点と爆発し、大勝でリベンジした。▽阪神中野(4回に左前適時打)「才木が粘って(四球で)つないでくれましたし、自分も負けていられないという気持ちで打席に立ちました。追加点が取れて良かったです」▽阪神島田(4回に適時打を含む1イニング2安打)「才木とは同じ時期にケガをして、一緒にリハビリを頑張ったこともある仲ですし、普段からかわいい後輩なので、援護できてとてもうれしいです」

◆阪神が首位ヤクルトに快勝し、5連勝とした。中13日で先発した才木浩人投手(23)が6回2失点と力投し、今季2勝目を手にした。攻撃では4回先頭島田が右中間を破る二塁打で出塁。2死を取られたが、大山が四球を選び、2死一、二塁から糸原健斗内野手(29)が先制の中前適時打を放ち、一挙5得点の波を作った。お立ち第にたった才木、糸原の一問一答は以下の通り。-約3年ぶりの甲子園白星才木 「最高です!!」-どんな思いでマウンドに才木 「昨日西勇さんが好投していたので、続いてチームを勝たせれるように投げられたらいいかなと。同期のイトさん(糸原)がすごい良いバッティングをしてくれたので、しっかり投げないとなと思って投げました」-糸原の先制点をみて才木 「いや、もうしびれました!」-先制打を振り返って糸原 「才木が頑張っていたので、なんとか先に1点をと思って。しぶとく自分らしい渋いヒットをを打ててよかったです」-初球打ち糸原 「ちょっと展開的にも重い空気が流れていたので、なんとか先に点を取ることができて、バットの先でしたけど、良いところに落ちてくれてよかったかなと思います」-才木の投球を見て糸原 「同期で長い時間結構いるので、後ろから見ても頼もしかったですし、いろいろ悔しい思いをしてきたと思うので、今日は一緒にお立ち台に立ててすごくうれしいです」-甲子園のマウンド才木 「360度ほとんど阪神ファンで埋め尽くされて投げやすいし、その中で投げるのはすごくいいです。やっぱり阪神ファン、サイコーだなと思いました!」-復帰3戦で安定した投球才木 「しっかり間を開けて投げているなかで立たせてもらっているので。すごく良い調整ができている。しっかり打ってくれている試合は絶対勝たないといけないので、良いピッチングが続けてできてよかったです」-最後に一言糸原 「(チームの状態も)すごく良いので、明日も取れるように頑張ります! 」才木「ここから勝ち上がって、逆転して優勝して日本一になれるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします! 」

◆阪神が一挙5点を先制し、試合の主導権を握った。両チーム無得点で迎えた4回2死一、二塁から、右腕小沢を相手に糸原健斗内野手(29)が先制適時打を放った。外角低めにフォークが沈む。阪神糸原健斗内野手(29)は懸命に両腕を伸ばした。バットの先で拾い、中前に落とした。「才木がピンチをつくりながら頑張っていた。展開的にも重い空気が流れていた。なんとか先に点を取って助けてあげたかった」。期する感情が心の底に存在した。勝敗の行方を占う「流れの針」が両チームの間を行ったり来たりしていた。0-0の3回表、先発才木が1死二、三塁から無失点。ただ、3回裏に打線が3者凡退に終わり、針はヤクルト側に振れた。それでも才木が4回表2死三塁も無失点で耐える。これ以上、流れをフラフラさせるわけにはいかなかった。4回裏、先頭の2番島田が右腕小沢の直球をたたいた。右中間二塁打で無死二塁。ここから3番近本、4番佐藤輝が走者を進められないまま2者連続凡退に倒れた。仮にこの回もゼロが並べば、敵に流れが大きく傾いていた場面。チームリーダー格たちが次々に待ったをかけた。5番大山がどっしり四球をもぎ取り、空気を落ち着かせる。2死一、二塁。6番糸原は初球の先制打で流れを引き戻し、「僕らしく渋いヒット」に笑顔だ。さらに2死満塁をつくり、8番梅野が二遊間をしぶとく破る2点打。1番中野、2番島田にも適時打が飛び出した。2四球を挟んで4者連続タイムリー。「こうやってみんなでつなぐ攻撃が理想的」と矢野監督も納得の猛攻だった。1イニング打者11人5得点の立役者は、才木と16年秋ドラフトの同期でもある。「悔しい思いをしてきているし、手術も乗り越えてきている。特別な思いはやっぱりある。2人でお立ち台に立ててうれしい」と糸原。右肘手術明けの後輩に1186日ぶりの甲子園星を贈呈。野手陣の表情は皆、充実感であふれていた。【佐井陽介】

◆阪神の7番アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が2試合連続の打点を挙げた。5回1死二塁から大西の変化球を左翼線へ運ぶ適時二塁打をマーク。貴重な追加点にロドリゲスは「小さくコンパクトに打つことを意識したよ。甘いボールを一発で仕留めることが出来て良かったね」と自画自賛だ。1軍昇格後、5試合中4試合で打点を記録し、これが6打点目。7回の打席では手に死球を受けて代走を送られたが、矢野監督は「大丈夫だと思います」と説明。大事には至らなかった。

◆プロ3度目の先発となったヤクルト小沢怜史投手(24)が、4回途中5安打5失点でプロ初黒星を喫した。3回まで無安打5奪三振も、4回に崩れて一挙5失点。「先発としての仕事を果たすことができず申し訳ないです」と振り返った。29日に母校の日大三島(静岡)が夏の甲子園出場を決めたばかり。「OBとして恥ずかしくないプレーをしたい」と臨んだ"聖地"で、悔しいマウンドとなった。

◆2位阪神に連敗を喫し、2位とのゲーム差は、6月22日以来の1桁となる9ゲーム差とされた。先発小沢が4回途中5安打5失点でプロ初黒星。打線は6回に村上の34号2ランで反撃も、中盤までの7失点が響いた。コロナから復帰の大西、清水、田口が1回ずつを投げたが、敵地で痛いカード負け越しとなった。試合後の高津監督の主な一問一答は以下の通り。-先発小沢は立ち上がりは安定していたが良かったと思う。いろんな球で空振りも取れたし、ストライク先行で、立ち上がりに関しては良かったかなと思います。-4回に崩れたのは、暑さなどの要因もあるのかその辺がもうひとつスタミナ面であったり、先発とずっと2軍でリリーフやっていた違いかなと思います。60球、70球くらいで、ひと山来るのかなと。-昨日は小川が早く降板しただけに、交代のタイミングも難しかった確かに難しかったね。もう1点、もう2点、防げたかと思うと、僕自身もちょっと反省しています。-打線は3回、4回にチャンスも得点を奪えず得点圏のバッティングが、タイガースとちょっと違いがあったのかなと。もちろん打とうと思って頑張ってはいるんだけど。もっと積極的に振っていっていいのかなと思います。-抑えられていた中で、村上がホームランあれはよく押し込んだ、彼らしい当たりでしたね。いいバッティングだったと思います。-青木が守備に就いたり、大西、田口、清水もコロナから復帰したがやっぱり弱音を吐くわけじゃないけど、コロナ組はしんどいね。一生懸命頑張っているし。でも厳しいね。それは塩見にしても、(山田)哲人にしても、ムーチョ(中村)にしても。ピッチャーにしてもそんな簡単じゃないね。あれだけ休んでゲームに出ると言うことはね。よく頑張っていると思います。-1回休んで体を作り直す部分で、やはり落ちているなという感じかいやもう、間違いなく落ちていると思います。個人の力、チーム力というのは、明らかに7月の8日、9日から変わっていると思います。-監督にも難しさがあるシーズン中に、まったく10日間動けなかった人たちが、帰ってきて、さあ動けるかと言われたら、そんな簡単なもんじゃない。やっぱり時間かかるし、それが今だと思うし。踏ん張りどころだね。-明日はどんな展開に持ち込みたいかつないでつないでだね。決して(原)樹理に完投しろは言わないし。やっぱり試合をしっかり作って。打線も出塁して、送って、返して。そういうつないでいく野球はやっていかなきゃいけないね。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が16号ソロを放った。これが今季の100安打目。中野拓夢内野手(26)に続いての大台到達で、同一球団の2選手が1年目から2年連続100安打超えするのは、阪神では73年ぶり2度目の快挙だ。阪神は5連勝で首位ヤクルトとのゲーム差を「9」とした。2年目の佐藤輝は新たな相棒「スイカ」をグラウンドに持ち込んでいる。練習前、片手に収まるくらいの大きさで黄緑と黒色のスイカ模様のボールを手に取り、腰やお尻に何かを当ててストレッチしている。「あれは、振動するようになっていて、それを体に当てて筋肉をほぐすっていうのがスイカの正体です」。やれることは何でもやる。連戦で疲労がたまる中でも最高のパフォーマンスを発揮するために、トレーナーの意見も取り入れて今年から使い始めた。そんな貪欲な姿勢が2年連続100安打に到達したひとつの理由だと感じている。【阪神担当=三宅ひとみ】

◆出ました、ヤッター弾! 阪神佐藤輝明内野手(23)が30日のヤクルト戦(甲子園)で今季16号ソロを放った。これが今季の100安打目。中野拓夢内野手(26)に続いての大台到達で、同一球団の2選手が1年目から2年連続100安打超えするのは、阪神では73年ぶり2度目の快挙だ。阪神は5連勝で首位ヤクルトとのゲーム差を「9」とした。ああ、キモティ~。佐藤輝が16号ソロ本塁打を含む2安打で今季101安打とし、3桁の大台に乗せた。阪神では中野も114安打。この2人は新人だった昨季も、100安打以上していた。阪神の2選手が新人年から2年連続3桁安打は、1リーグ時代の48~49年後藤次男、別当薫以来73年ぶり2組目。球界全体では、55~56年の阪急(現オリックス)渡辺清、岡本健一郎以来66年ぶり4組目。セ・リーグでは初となった。

◆阪神は中13日で才木浩人投手(23)が先発する。20年オフに右肘のトミー・ジョン手術を受けてから1軍復帰後3試合目の登板で、今季2勝目&2019年5月1日の広島戦以来1186日ぶりの甲子園での勝ち星を目指す。チームは勝てば、今季4度目の5連勝。首位・ヤクルトとのゲーム差は1桁台の「9」になる。

◆阪神は糸原健斗内野手(29)の先制打など、打者一巡の猛攻でヤクルトから一気に5点を奪った。「打ったのはフォーク。才木が頑張って投げてくれていましたし、どんな形でもいいのでランナーをかえしたいと思って、初球から積極的に食らいつきました。先制点を取ることができてよかった」0-0の四回、先頭の島田が右中間を破る二塁打、2死後に大山が四球を選び、一、二塁の好機を作ると、ここで糸原が打席へ。相手先発・小沢の初球、甘く入ったフォークを振りぬき中前に打球を運ぶと、二走の島田が快足を飛ばして一気に生還。均衡を破った。これだけでは終わらない。続く阪神の新助っ人・ロドリゲスが四球を選び2死満塁とすると、梅野がまたも初球を中前にはじき返して2点を追加。さらに才木が四球で再び満塁とすると、中野、島田の連続適時打で追加点をあげ、この回一挙5点の猛攻だった。

◆阪神は佐藤輝明内野手(23)の今季16号ソロ本塁打などで、ヤクルトをさらに突き放した。「打ったのはツーシーム。バッティングカウントでしたし、狙い球を絞ってしっかりと自分のスイングができたと思います。才木のために打ちました!ヤッター!」5-0の五回、先頭で打席に立った佐藤輝は、カウント0-2からの3球目、外のツーシームを逆方向へ。打球は左翼席に吸い込まれ、スタンドの虎党は総立ちとなった。打球速度は166キロ、角度は23度、飛距離は113メートルだった。さらに続く大山が左翼線ギリギリに落ちる二塁打で出塁。1死後に新助っ人のロドリゲスが右翼線への適時二塁打で追加点をあげ、この回は2点を奪った。

◆阪神の先発・才木浩人投手(23)は、6回4安打2失点。今季2勝目の権利を持って降板した。中13日での登板だったが、序盤から強気の真っすぐ勝負でツバメ打線を抑えた。7-0の六回には2死一塁からヤクルトの主砲・村上に34号2ランを浴びたが、失点はそれのみだった。このまま勝利すれば、2019年5月1日の広島戦以来、1186日ぶりの甲子園星となる。

◆後輩たちより少し先に聖地のマウンドに立った。ヤクルト・小沢怜史投手(24)が阪神戦に先発。1軍戦初の甲子園での登板となったが平常心で臨んだ。「そこまで特別な思いはないですけど、応援がすごいと聞くので、しっかり自分の投球ができるように頑張りたい」母校の活躍が刺激となっている。静岡・日大三島が33年ぶり2度目となる夏の甲子園大会出場を決めた。小沢自身も鍛錬を積み、2016年ドラフト2位でソフトバンクに入団。プロへの土台を築いた高校3年間だった。「OBとして恥ずかしくないプレーをしたいなと思います」20年オフ、ソフトバンクを戦力外になったあとヤクルトと育成契約。そして今季、6月26日に支配下登録されたばかりで、重要な後半戦2戦目の先発を任された。立ち上がりは両サイドに制球する丁寧な投球を披露。1巡目で出塁を許したのは近本の死球のみだった。だが、四回につかまった。先頭・島田に右中間二塁打で出塁を許すと、打者一巡の猛攻を浴びて5失点。3回?で降板と先発の役割を果たせなかった。前日29日には清水、田口、青木が昇格し、この日も大西が出場選手登録された。新型コロナウイルス感染者の戦列復帰は好材料だが、高津監督は「メンバーがそろいつつあるのはいいことだと思いますけど、まだ万全ではない。当分は苦しい感じにはなると思う」と見通しを明かした。チーム一丸で何とか流れを変えるべく、我慢の日々は続く。

◆阪神が首位・ヤクルトに大勝。先発した才木浩人投手(23)は6回4安打2失点で試合を作り、2019年5月1日以来1186日ぶりとなる甲子園での勝利を飾った。序盤から真っすぐ勝負でツバメ打線を抑えた。7-0の六回2死一塁から、ヤクルト・村上に34号2ランを浴びるが、失点はそれのみだった。攻撃では猛虎打線が爆発。四回は先頭・島田の右中間を破る二塁打を皮切りに打者一巡。この回5点をあげると、続く五回には佐藤輝の16号ソロも飛び出し、先発・才木を大量援護した。チームは5連勝で貯金「2」。ヤクルトとのゲーム差も「9」となった。

◆阪神が首位ヤクルトに第1戦に続いて快勝し、連勝を「5」とした。糸原健斗内野手(29)の中前打で均衡を破った四回、梅野隆太郎捕手(31)、中野拓夢内野手(26)、島田海吏外野手(26)の適時打で一挙5点を奪った。五回には佐藤輝明内野手(23)が新人から2年連続年間100安打を左越えの16号ソロで飾るなど、効果的に加点した。6回2失点で2勝目の才木浩人投手(23)は甲子園では2019年5月1日の広島戦以来、1186日ぶりの勝利となった。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績48勝46敗2分、観衆4万653人)。ーー才木は一回からストレートで押していた「1軍に上がって来てからも、そのような投球をしてくれていますし、初回から全力でいくという気持ちもすごく感じましたし、ボールもすごく走っていましたし、いいボールがいっていましたね」ーー三回、四回はよく粘った「梅野とコミュニケーションを取りながら、ゼロで行ってくれたのが、その後の攻撃につながったかなと思います」ーー6回2失点「しっかりした投球してくれましたし、欲を言えば、ホームラン(六回の村上の2ラン)はもったいなかったなと思いますね」ーー交代は球数(72球)「両方ですね」ーー甲子園で3年ぶりの勝利。若い戦力が加わった「これから後半、また新しい戦力が出て来てくれたら嬉しいですね」ーー四回5得点「まあ島田が出て、粘る人が粘って出塁して、かえす人がしっかりかえして。まずはケントがしぶとくかえしてくれたんで、みんなが打線としてつながって、線で点が取れました」ーー五回に佐藤輝が逆方向にホームラン「久しぶりに、あっちの方向に、いい打球が飛んだんで、ランナー置いたところで、ああいうバッティングをどんどんしてほしいです」ーー内容も変わってくる「そう期待したいですね」ーーロドリゲスの七回の死球は「大丈夫だと思います」ーーロドリゲスが加入して5連勝「そういう意味ではラッキーボーイになってくれていますし、内容もしっかりしたバッティングしてくれていますし、ずっとラッキーボーイでいてくれると嬉しいです」ーー浜地、湯浅、岩崎が盤石「浜地もいいボールでしたし、湯浅も球が切れていましたし、スグルも丁寧にいきながら、球の力もあったんで、申し分ないと思います」ーー明日(31日)はガンケルで一気に「そのつもりしかないですし、後半の勢いをつけるために、全員で戦って、もう一度、ここに帰ってきます」

◆阪神が首位ヤクルトに第1戦に続いて快勝し、連勝を「5」とした。糸原健斗内野手(29)の中前打で均衡を破った四回、梅野隆太郎捕手(31)、中野拓夢内野手(26)、島田海吏外野手(26)の適時打で一挙5点を奪った。五回には佐藤輝明内野手(23)が新人から2年連続年間100安打を左越えの16号ソロで飾るなど、効果的に加点した。6回2失点で2勝目の才木浩人投手(23)は甲子園では2019年5月1日の広島戦以来、1186日ぶりの勝利となった。矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り(チーム成績48勝46敗2分、観衆4万653人)。(テレビインタビュー)ーー才木は一回からストレートで押していた「1軍に上がって来てからも、そのような投球をしてくれていますし、初回から全力でいくという気持ちもすごく感じましたし、ボールもすごく走っていましたし、いいボールがいっていましたね」ーー三回、四回はよく粘った「梅野とコミュニケーションを取りながら、ゼロで行ってくれたのが、その後の攻撃につながったかなと思います」ーー6回2失点「しっかりした投球してくれましたし、欲を言えば、ホームラン(六回の村上の2ラン)はもったいなかったなと思いますね」ーー交代は球数(72球)「両方ですね」ーー甲子園で3年ぶりの勝利。若い戦力が加わった「これから後半、また新しい戦力が出て来てくれたら嬉しいですね」ーー四回5得点「まあ島田が出て、粘る人が粘って出塁して、かえす人がしっかりかえして。まずはケントがしぶとくかえしてくれたんで、みんなが打線としてつながって、線で点が取れました」ーー五回に佐藤輝が逆方向にホームラン「久しぶりに、あっちの方向に、いい打球が飛んだんで、ランナー置いたところで、ああいうバッティングをどんどんしてほしいです」ーー内容も変わってくる「そう期待したいですね」ーーロドリゲスの七回の死球は「大丈夫だと思います」ーーロドリゲスが加入して5連勝「そういう意味ではラッキーボーイになってくれていますし、内容もしっかりしたバッティングしてくれていますし、ずっとラッキーボーイでいてくれると嬉しいです」ーー浜地、湯浅、岩崎が盤石「浜地もいいボールでしたし、湯浅も球が切れていましたし、スグルも丁寧にいきながら、球の力もあったんで、申し分ないと思います」ーー明日(31日)はガンケルで一気に「そのつもりしかないですし、後半の勢いをつけるために、全員で戦って、もう一度、ここに帰ってきます」(囲み)ーー才木は手術前と比べても成長を感じるか「成長というとね、まだこれからだと思うし、こんなもんで、こんなところで才木の能力があると思ってない。成長はしてるっていうか、気持ちの高ぶりをうまく利用しながらっていうかね、気持ちの高ぶりだけで行きすぎずに、コントロールしながらやってるのは成長だと思う」ーー次回以降は「まだちょっと分からん。けがのこともあるんで」ーー佐藤輝は嫌な打席が続いていたが「やっぱりレギュラーって4打席立てるなかで、どう修正していくかって大事な部分になっていくので。方向的にも良かった。きっかけになってくれたらね。なりそうな1本。まあ、もう1本出たし、良かったかな」ーーロドリゲスが7番にいることで前後のつながりがいい「いい感じで来ているし、そこまでつないでくれているケントのタイムリーがなかったらないし、悠輔の四球がなければない。そういうところでは、ホームランを打ってくれるに越したことないんだけど、みんなでつなぐことが理想的な攻撃だと思う。1点じゃなく2点、3点と入ってくれれば。ロドリゲスが入ったのは相手にとっては嫌な存在になってくれているのかなと思います」ーー追い上げられてもリリーフ陣の成長でしのいだ「成長というか、みんな経験のある投手たちなんで。そこは任せて大丈夫だという信頼関係もある」

◆セ・リーグ首位のヤクルトは後半戦連敗スタート。先発の小沢怜史投手(24)が四回途中5安打5失点でプロ初黒星を喫した。打線は、六回に村上宗隆内野手(22)の34号2ランが飛び出すなど反撃したが及ばず。新型コロナウイルス感染者がチームに復帰したが、いまだ本調子ではない選手が多く、高津臣吾監督(53)は「踏ん張りどころ」と言葉を絞り出した。--先発・小沢は立ち上がりはよかった「よかったと思う。いろんな球で空振りも取れたし、ストライク先行ですごい攻める姿勢があったし、立ち上がりに関してはすごくよかったかなと思います」--突如崩れた。暑さなど要因はいろいろある「その辺が一つスタミナの面であったり、先発とずっとリリーフをやっていたところの違いかなと思います。60球、70球ぐらいでひと山が来るのかなと思っています」--前日の小川も4回で降板。代えるタイミングは難しかった「ちょっと難しかったね。もう1点、もう2点防げたのかなと思うと、僕自身も少し反省しています」--打線は三、四回に好機を作ったがあと一本「得点圏のバッティングがタイガースと少し違いがあったかなと思います。もちろん、打とうと思って頑張ってはいるんだと思うけど、もっと積極的にどんどん振っていっていいのかなというふうに思いますけどね」--村上の一振り「よく押し込んだ彼らしい当たりでしたね。いいバッティングだったと思います」--青木、清水、田口の復帰戦となった「弱音を吐くわけじゃないけど、コロナ組はしんどいね。一生懸命頑張っている。でも、やっぱり難しいね。塩見にしても、(山田)哲人にしても、ムーチョ(中村)にしても。きょうノリ(青木)が出て、ピッチャーにしてもそんな簡単じゃないね。あれだけ休んでゲームに出るというのはね。よく頑張ったと思います」--もう一回体を作り直す。それほど落ちている「間違いなく落ちていると思います。個人の力、チーム力というのは明らかに7月の8日、9日から変わっていると思います」--正念場「当分我慢する時期は続くのかなと。しっかり選手の体調を見ながら、個々の状態を上げてもらうことと、僕はチームをどうやって勝たせるか、どうやってチーム状態をあげていくかというところはしっかり見ていかないと。しんどい中よく頑張っている。いろいろ考えながらまたやっていきたい」--怠慢やケガをしているわけではないからこその難しさ「やっぱりシーズン中に全く10日間動けなかった人たちがこうやって帰ってきて、いきなりできるかといったら、そんな簡単なものじゃない。時間もかかると思うし、それが今だと思う。踏ん張りどころだね。踏ん張りどころだし、これ以上頑張れとも言えないけど、なんとか状態が上がるようにいろいろ考えていきたいと思います」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は5点を挙げた四回に四球を選んだアデルリン・ロドリゲス内野手(30)=前パドレス3A=の姿勢を高く評価した。三回までは初顔合わせのヤクルト先発・小沢に無安打に抑え込まれ、苦戦の展開を予想したが、その思いを覆した四回の攻撃は見事だった。打順が2巡目に入った時点で、情報を共有し、各打者が狙い球を絞って打席に入り、ボールをしっかり見極めることができていた。そして、価値ある3つの四球(大山、ロドリゲス、才木)を絡ませての、つながりのある攻撃。特に小沢の「イニングの球数」の限界を超えさせた粘りの攻撃が一気攻略につながった。こういう攻撃ができるチームは強い。効果的な四球の1つを選んだのがロドリゲスだった。新外国人の場合、いいスタートを切れるかどうかが成績を左右する。そういう意味で、いい形でチームに貢献出来ており、阪神にとっては大きな戦力アップだ。対照的にヤクルトはコロナの影響もあるのだろうが、山田、塩見らに精彩がなく、打線を見渡しても村上さえ気を付ければ、怖さを全く感じない。さらに言えば、投手陣も万全にはほど遠い。首位チームとは思えない元気のなさだ。負けられない後半戦最初のヤクルト戦に連勝。数字の上では正直言って追いつくのは非常に難しいと思う。が、追いつけるのではと感じさせてしまう両チームの現在の力関係だ。この2試合で感じるのは、楽しみしかない。

◆自ら口火を切ったビッグイニングの最後を適時打で締めると、島田は一塁ベース上で右手を突き上げた。力投する才木を強力援護し、試合後も言葉が弾んだ。「迷って打席に入ってしまうことが最近あったけど、思い切りの良さを出せた。結果がどうなってもいいやくらいの気持ちでいけたことが、結果につながったと思う」初対戦の先発・小沢の前に三回まで無安打。四回先頭で、嫌なムードを打破した。初球の真っすぐを振り抜くと、打球は右中間へ。チーム初安打となる二塁打で、打線に火をつけた。2死となりながらも糸原の先制打などで打者一巡し、満塁で2度目の打席に。フォークを捉えて左前に運び、5点目をもぎ取った。矢野監督も四回の猛攻撃に「島田が出て、その後の粘る人が粘って出塁して、かえす人がしっかりしぶとくかえしてっていうね。みんなが打線としてつながって、線で点が取れた」と満足げな表情をみせた。先発・才木が力投しているからこそ、いつも以上に気合が入った。2軍で汗を流していた頃、右肘手術から復活を目指している才木や、湯浅がいた。早く1軍で活躍したい。焦りと我慢と戦う2人に、心が動かされた。「そのころから3人で仲良くなって。みんなでつながったというか、一緒にやってきた。より一層、きょう勝ってくれたのはうれしい」と才木の勝利を後押しできたことを喜んだ。この日は湯浅も八回に登板し、かつて鳴尾浜で1軍を夢見た3人がそろい踏み。「守っていて、それを思って。誰が抑えてもうれしいですけど、一緒にやってきたことに関しては強い思いはあった。ちょっと余計にうれしくなりました」。強い絆が、5連勝につながった。(平野佑治)

◆主砲の意地を見せた。7点を追う六回2死二塁、ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が才木の直球を捉え、バックスクリーン左へ34号2ラン。「チャンスだったので1点ずつ返していく、後ろにつないでいく気持ちでした」と振り返った一発は空砲となったが、後半戦初アーチを次戦の勝利につなげる。甲子園の夜空に、大きな放物線を描いた。8月6日開幕の甲子園大会に出場する熊本・九州学院高の弟・慶太内野手(3年)に〝お手本〟を示すかのような本塁打。シーズン52本塁打ペースで、2年連続100打点に早くもあと9に迫った。チームは七回に青木の左邪犠飛で1点を返したが、反撃もそこまでだった。後半戦は連敗スタートとなり、高津監督は「シーズン中に全く10日間動けなかった人たちが帰ってきて、いきなりできるかといったら、そんな簡単なものではない。踏ん張りどころ。何とか状態が上がるように、いろいろ考えていきたい」と本音を漏らした。この試合で新型コロナウイルス禍から青木、清水、田口、大西が復帰。山田、塩見、長岡ら主軸の多くもスタメンに名を連ねたが本調子でないのは否めない。ただ、2位・阪神に9ゲーム差とされたとはいえ、首位の座が揺らぐような状況ではない。残り50試合。今は我慢の時だ。(赤尾裕希)

◆どんどん行くで~! 2位阪神は首位ヤクルトに7―3で勝ち、球宴を挟んで5連勝。最大「17」あった首位とのゲーム差は、ついに1桁の「9」まで縮まった。「4番・三塁」でスタメン出場した佐藤輝明内野手(23)が、五回先頭で後半戦初アーチとなる16号ソロ。2年連続でシーズン100安打にも到達した主砲が、燕猛追の原動力だ。高々と上がった打球は浜風に乗って左翼席最前列に着弾した。佐藤輝が4試合ぶり、後半戦一発目となる16号ソロ。勝負の行方を決定づける6点目を奪い、球宴を挟んでの5連勝に貢献した。「すごくいいホームランだったと思います。狙い球を絞って、自分のスイングができました」四回に打者一巡の猛攻で5点。もう1点取れば一方的な流れになりそうな五回先頭だ。外角に逃げるツーシームを振り切った。「才木のために打ちました! ヤッター!」。ともに走者を置いた一、四回は空振り三振したが、先発した同じ兵庫県出身の同級生・才木をキッチリ援護した。左方向への一発は4月9日の広島戦(甲子園)で放った2号ソロ以来、今季2度目。球宴2試合では5打数無安打(1打点)、29日も4打数無安打と〝蚊帳の外〟だったが、矢野監督は「久しぶりにあっちの方向にいい打球が飛んだ。いいきっかけにして、走者を置いたところでも、ああいう打撃をしてくれたら」とV字回復を祈った。このアーチがシーズン100安打目。同期の中野はこの日、今季114安打に達した。中野も2年連続100安打を超えており、球団で複数の選手がプロ1年目から2年連続で100安打以上するのは大阪タイガース時代の1948、49年の別当薫と後藤次男以来、73年ぶり。藤村富美男や土井垣武、金田正泰らを擁した第1次ダイナマイト打線が令和の時代に復活? オールドファンが泣いて喜びそうな〝快挙〟となった。29日に続き、この日は「夏休みこどもまつり」として開催され、大型ビジョンに表示される名前がひらがな表記になるなど、子供向けの演出が数多く行われ、ちびっ子ファンも多く詰めかけた。「ホームランを見せられてよかったです」。ゲストには熱烈な虎党で知られるお笑いコンビ・ダイアンの津田が登場。取材後には「ゴイゴイスー(すごいという意味)ホームラン」と持ちネタで祝福され、記念撮影。自身の一発が周囲を盛り上げる、流れを変えると、改めて実感した。首位ヤクルトに連勝し、貯金は今季最多の2に。7月4日に最大「17」あったゲーム差は、1桁台の「9」まで縮んだ。ありえないと思われていた逆転Vが、現実味を帯び始めている。「状態は悪くはない。いいところで打てるようにやっていきたい」と佐藤輝。六回には中前打を放ち、4試合ぶりのマルチ安打で昨季に並ぶシーズン101安打とした。進化を披露し続ける2年目。その伸びしろで、チームを奇跡へと導く。「目の前の試合を1試合1試合、全力で戦います」。きょうも勝って燕に3連勝する。週明けからの夏のロードへ向けて、弾みをつける。(三木建次)■データBOX?...佐藤輝が今季101安打とし、昨年に続きシーズン100安打に到達。昨年は10月24日の広島戦(マツダ)、出場125試合目で到達。今年は96試合目で、143試合に換算すると150安打ペース?...同期の中野も1年目から127→114と2年連続で記録。阪神で複数の選手が1年目から2年連続で100安打以上したのは1948、49年の別当薫(114→184)と後藤次男(129→142)以来73年ぶり2度目?...本塁打は昨季の24本と合わせて通算40本に到達。阪神の選手がプロ1、2年目の合計本塁打数で40本以上は別当(52=48年13、49年39)、田淵幸一(43=69年22、70年21)に次いで52年ぶり3人目?...首位とのゲーム差が1桁になるのは5月18日のヤクルト戦(神宮、9・5差)以来。当時の首位もヤクルト?...5連勝は6月10日のオリックス戦(京セラ)から同18日のDeNA戦(甲子園)以来で今季4度目。今季最長連勝は6連勝で2度

◆大好きなものに関することであれば、難しい漢字も覚えられます。「夏休みこどもまつり」として開催されている今回のヤクルト戦では先着7000人の小学生以下の子供たちに「KIDSハッピ」がプレゼントされ、スコアボードの選手名もひらがなで表示されています。「いいですね。楽しい雰囲気です」「うん。いいんやけどな。子供は、好きな野球選手の名前で漢字を覚えたりもするからなあ。あんまり子供扱いしなくてもいいんちゃうか、とも思ってしまうわ」トラ番キャップ長友孝輔とベテラン編集委員上田雅昭の会話です。それを聞きながら、私は1986年の高知・安芸キャンプでのバースのことを思い出していました。JRAの競走馬ダイナキングダムの一口馬主になったくらい競馬好きのバースが、キャンプ休日に高知競馬に遊びに行くというので同行。そこで珍しい姿を目撃しました。来日4年目で、選手とは簡単な日本語も話していましたが、報道陣には日本語がわかるようなそぶりすら見せなかった男が、通訳に頼らず、競馬新聞に赤ペンで印を入れて、予想を次々と的中させていたからです。「ん? 俺、読める漢字がいくつかあるんだよ。『徳』とか『留』。あとは『武』とか『豊』。それに『松』に『永』に『幹』も読める。ほかにもあるよ」カンのいい方はおわかりですね。全部、騎手の名前の漢字です。徳と留は当時、高知競馬で活躍していた徳留康豊騎手。武と松に続く漢字は説明不要でしょう。「俺は、まず騎手で馬券の候補を決めるんだ。徳留はここのトップジョッキーだ。彼が乗る馬の成績をチェックして、彼から買っていけば固い。(JRAなら)武豊や松永幹もいい馬に乗る。もちろん他の馬の成績も見るが、まず騎手からチェックするんだ。そうしているうちに覚えた」そうです。バースは馬名ではなく、漢字表記の騎手の名前に赤丸をつけながら、狙いを絞って的中させていたんです。ちなみに、この日先発したヤクルトの小沢は、読み方は『おざわ』ではなく『こざわ』。これは、ひらがな表記で良かったなと思いました。子供たちも、阪神が四回に一気に攻略した投手の名前を、読み違えることなくしっかり記憶に刻めたでしょうから。わ~い、5れんしょうだ? しゅいと9げーむさだ?ただ、打者11人の猛攻の中で蚊帳の外だった4番打者・佐藤輝のことだけは気がかりでした。キャップ長友も「きのう(29日の第1戦)も無安打で、ほかの選手が打ったなかで〝空気〟みたいになってましたからね」と心配していたんです。「いま、表記が『さとうて』でしょう。どうせなら『る』まで出してあげたらいいのに」「だよな。『ろどりげす』って表示できるんだから、5文字でも何文字でも表示できるだろうに。それに、さと『うて(打て?)』だとプレッシャーがかかりそうだ。さと『うてる(打てる?)』の方が打てそうな気がする...」なんてアホなことを言い合っていたら『さとうて』にも五回、7月2本目、球宴明け一発目の本塁打が出ました。さあ、子供たち、勉強を始めましょう。少し字画が多いけど『ぎゃくてん(逆転)』と『ゆうしょう(優勝)』。秋に向けて覚えていきましょうね。

◆え~っ! 俺が変なの~? 五回が終わってわが阪神が大量7点のリード。そして迎えた六回に村上の2ランが飛び出した途端に、俺の心臓はバクバク、全身脂汗でビショビショとなったのだった...。なのにテレビの実況や解説者はなぜか勝利確定モードの中継をしているじゃないのさ!「えーっ、開幕戦7点差(8-1から)をひっくり返されたことから、始まったあの前半戦の地獄を忘れちまったかー? いや、現在の虎の力はあの時と段違い! よって俺の脂汗は取り越し苦労、年寄りの冷や水なんや...と口にチャックをしていたら、4点リードがあるのに八回に湯浅を、そして九回は守護神・岩崎をマウンドに送り出した矢野監督...。よっしゃぁ!! 俺と(そして同じ不安を抱えた全国の虎党)と心が一つにつながったー!!四回に一気に5点を奪った猛虎打線だが、四球の後の1球目を狙う野球の鉄則でキッチリタイムリーを打った糸原、梅野を見ても分かるように、阪神は『ちゃんとした野球』についにたどり着いたのだ!! ヤクルトさん、3連勝いただきまーす!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
56361 0.609
(↓0.006)
-
(-)
50411
(+3)
356
(+7)
110
(+1)
56
(-)
0.255
(-)
3.420
(↓0.05)
2
(-)
阪神
48462 0.511
(↑0.006)
9
(↑1)
47333
(+7)
267
(+3)
62
(+1)
73
(-)
0.240
(-)
2.540
(-)
3
(-)
広島
46483 0.489
(↓0.006)
11
(-)
46374
(-)
363
(+3)
56
(-)
16
(-)
0.253
(↓0.001)
3.430
(-)
4
(-)
DeNA
42452 0.483
(-)
11.5
(↑0.5)
54314
(-)
352
(-)
68
(-)
31
(-)
0.250
(-)
3.570
(-)
5
(-)
巨人
45501 0.474
(-)
12.5
(↑0.5)
47371
(-)
436
(-)
110
(-)
45
(-)
0.246
(-)
4.090
(-)
6
(-)
中日
40501 0.444
(↑0.006)
15
(↑1)
52268
(+3)
334
(-)
50
(+1)
31
(+3)
0.248
(-)
3.490
(↑0.04)