阪神(☆6対0★)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2022.07.29)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ヤクルト
0000000000400
阪神
30010002X61212
勝利投手:西 勇輝(7勝6敗0S)
敗戦投手:小川 泰弘(5勝5敗0S)

本塁打
【阪神】ロドリゲス(1号・4回裏ソロ),大山 悠輔(21号・8回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 ヤクルト戦チケット予約

DAZN

◆阪神は初回、近本と大山の適時打などで3点を先制する。そのまま迎えた4回裏には、ロドリゲスの今季1号ソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・西勇が7回4安打無失点の力投で今季7勝目。敗れたヤクルトは、先発・小川が試合をつくれず、打線も振るわなかった。

◆勝率5割で後半戦スタートする阪神はヤクルト先発小川泰弘投手(32)とは今季4度目の対戦。3試合で1完封を含む2勝0敗、防御率1.89と苦手にしている。だが、開幕戦の3月25日(京セラドーム大阪)では、3回で11安打を浴びせ4点を奪いKOしている。4番の佐藤輝明内野手(23)は対小川は9打数3安打の打率3割3分3厘。後半戦開始に向け「今、一番手ごわい相手なので、何とか自分たちの野球で勝ちにいきます」と意気込んでいる。2軍で再調整を行っていたチーム最年長の糸井嘉男外野手(40)は、この日1軍出場選手登録された。ここぞの場面に向け、ベンチに控える。今季7勝目を狙う先発西勇輝投手(31)は、今季対ヤクルトは2試合で0勝1敗だが、防御率1.29と打ち込まれてはいない。

◆リーグ再開初戦、阪神の逆襲ドラマが始まった。初回、中野拓夢内野手(26)が右前打、島田海吏外野手(26)も右前打で続き無死一、二塁。3番近本光司外野手(27)が右前適時打を放ち、3連打で1点を先制した。近本は「打ったのはフォーク。前の2人がいい形でチャンスメークしてくれたので、いい流れの中で打席に立つことができました。まずは先制点を取ることができてよかったです」と振り返った。さらに攻撃の手を緩めず、4番佐藤輝明内野手(23)の打席でダブルスチールに成功。その後1死二、三塁となり、5番大山悠輔内野手(27)が中前適時打を放ち2点目を挙げた。大山は「打ったのはストレート。先制した後でしたが、次の1点がすごく重要だと思っていたので、会心の当たりではなかったですが、タイムリーになってよかったです」と安堵(あんど)。1死一、三塁からは6番糸原健斗内野手(29)の投ゴロ併殺崩れの間に、さらに1点を追加した。初回の一気3得点の先制劇を祝うかのように、甲子園左翼方面の上空には虹が出現した。勝率5割の阪神は、首位ヤクルトを11ゲーム差で追う立場。奇跡の大逆転Vへ、序盤の主導権をがっちりと握った。

◆29日からの阪神-ヤクルト3連戦は「夏休みこどもまつり」として開催され、スコアボードの選手名がひらがなで掲示された。「4番三塁」で先発の佐藤輝明内野手(23)は「さとうて」、「7番一塁」のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)は「ろどりげす」など子どもたちにも分かりやすい表示となった。ゴールデンウイークのこども向けイベントで好評だった企画で、選手が打席に入る際の演出も全てひらがな表記となった。また、期間中は小学生以下の子ども先着7000人に限定デザインの「KIDハッピ」がプレゼントされ、ファーストピッチセレモニーやスタジアムMC体験などもキッズを対象に行われる。

◆大逆転Vの使者や! 阪神の新外国人アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が、虎1号となるソロアーチを放った。「7番一塁」で先発し、3点リードの4回無死。1ボール2ストライクから、ヤクルト小川の真ん中付近の130キロを豪快に振り抜いた。スタンドインを確信した助っ人は、その場で約5秒、放物線を見届けた。左翼席中段への特大アーチ。打った瞬間の1発に、甲子園はお祭り騒ぎだ。「いい戦いをしてる中で、チームのために1本打ててうれしいね。これからも良い内容の打席を続けていけるように、そしてチームを勝利に導けるようなバッティングができるように頑張るよ」とコメント。ベンチでは黄色い南国風の花があしらわれた"ハワイアン虎メダル"を矢野監督から首にかけられ、笑顔、笑顔だ。直前のミスも挽回した。4回表1死一塁の守備で、ヤクルト村上の投ゴロに飛び出した。西勇からの送球を受け取るも、一塁への戻りが遅れた。1度はアウト判定も、リクエストでベースの踏み忘れが確認され、セーフに覆り「Eランプ」が点灯していた。虎初失策も帳消しにするフルスイングで、虎党の心をわしづかみにした。5点リードの8回には無死二塁では、今野から左翼への適時打を放った。来日最多タイの1試合2打点。4試合で12打数5安打、打率4割1分7厘、1本塁打、5打点と首位ヤクルトを追うチームをけん引している。

◆阪神先発の西勇輝投手(31)が7回を散発の4安打無失点に抑え、4点リードで勝ち投手の権利を持って交代した。このままチームが勝てば今季7勝目となる。初回に味方が3点の援護点をもらった。4回1死一塁では4番村上を投手へのゴロに打ち取ったが、一塁手ロドリゲスが戻りきれず、一塁ベースを踏みそこないセーフに。1死一、二塁とピンチ拡大も続くサンタナを低めチェンジアップで見逃し三振。中村を遊ゴロに仕留め、1点も許さなかった。今季対ヤクルトは3試合で21イニングを投げ、防御率0.86と抑えている。

◆和製大砲も負けじと豪快アーチだ。阪神大山悠輔内野手(27)が、4点リードの8回無死、ヤクルト今野から左翼へ21号ソロを放った。勝利をグッと引き寄せるダメ押し弾。甲子園の大きな拍手を背に、悠々とベースを回った。4回には新外国人のロドリゲスが移籍1号を放っていた。初のアベック弾で、リーグ戦再開となった一戦を彩った。

◆阪神が首位ヤクルトを下して4連勝を飾り、今季初の貯金生活に突入した。投打がかみ合った試合展開で、球宴明けの初戦では17年以来5年ぶりの白星をつかんだ。

◆阪神が首位ヤクルトを下して4連勝を飾り、今季初の貯金生活に突入した。投打がかみ合った試合展開で、球宴明けの初戦では17年以来5年ぶりの白星をつかんだ。初回に打線がたたみかけた。中野、島田、近本の3連続右前打で先制点を奪取。無死一、二塁で佐藤輝の打席では島田、近本がダブルスチールを成功させ、1死二、三塁から大山の中前適時打で2点目。一、三塁から糸原の内野ゴロで3点目をたたき出し、序盤で試合の主導権を握った。4回には新加入のロドリゲスが、先頭で左翼スタンドへの豪快な来日1号ソロで貴重な追加点を奪った。8回には先頭大山が左翼スタンドへの21号ソロ。無死二塁からロドリゲスが左前への適時打を放ち、さらにリードを広げた。投げては先発西勇が7回4安打無失点の快投で、今季7勝目を手にした。持ち味のテンポよく両コーナー、低めを丁寧に突く投球で、三塁を1度も踏ませなかった。リリーフ陣もリードを死守した。チームは前半戦最終戦で、最大16あった借金を完済。ヤクルトとの3連戦初戦を制し、単独2位に浮上。首位に10ゲーム差とした。

◆猛虎打線が爆発し、阪神は後半戦初戦を勝利。今季初めて貯金を「1」とした。初回無死一、三塁で近本光司外野手(27)の右前適時打で先制。また、阪神の新外国人アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が、3点リードの4回に虎1号となる特大ソロアーチを放った。さらに、8回では大山悠輔内野手(27)がダメ押しとなる21号ソロを放った。投げては先発西勇輝投手(31)が7回4安打無失点の好投でヤクルト打線を封じ、7勝目を挙げた。お立ち台に立った西勇、大山、ロドリゲスの一問一答は以下の通り。-7回4安打無失点西勇「序盤から集中して投げることができましたし、キャッチャーのリードの中で、自分と梅野の中での呼吸がうまく合いましたし、低めに投げることがずっとできてましたので、そこまで自分の中で不安なくずっと投げられました」-4回は1死一、二塁から抑えた西勇「サンタナ選手のフォークの三振というのは梅野のキャッチングが上手で、うまくかわすことができたのかなと思っていますし、その中でみんなにいい守備をしてもらって、何とかゼロに抑えることができたのでよかったです」-3連勝で7勝目西勇「僕の勝ちというよりはチームが勝てばいいと思っていますので、こうやってたくさんの方が応援してくださるのは、本当に僕にとってはありがたいですし、残り48試合なので、本当に1つ1つ大事な試合になると思いますので、ファンの方々とともに自分たちも精いっぱい頑張って行きたいと思います。よろしくお願いいたします」-打線の援護もありましたね西勇「ホームランというのはしびれますね。よかったです。ありがとうございます」-初回に適時打大山「当たりは良くなかたですけどヒットはヒットなので良かったと思います」-8回にはダメ押しのソロ大山「当たりもよかったですし、同級生の北條の誕生日なのでなんとか1本と思っていきました」-北條から声は大山「いつも通りですけど、いつもロッカーが隣でいろいろ話しをしてるので、なんとか打てればなと思いました」-北條のバスター成功大山「さすがだなと思いましたし、いつもそういう練習をみているので。ああいうのが北條らしいなと思いながら、なんとか自分もつなごうと思っていました」-その前のロドリゲスのアーチを見て大山「打った瞬間だったので、気持ちよかったですね」-加入後第1号ロドリゲス「前の打席で三振してしまったのでしっかり修正して。何よりも勝ちに貢献できてよかったですし、満足しています」-打った瞬間の気持ちロドリゲス「やっぱりもう1点と思っていましたし、ファンの前になにか良い思い出をと思っていたのでよかった」-ダイヤモンド1周の気持ちロドリゲス「みなさんのおかげで勝てましたし、こうして勝利を分かち合うことができてうれしいので、なんとか続けたい」-抱負西勇「なんとか勝ちにこだわっていきたいのでこれからもご声援よろしくお願いします」大山「まだまだシーズンは終わっていないので一緒に頑張りましょう! 」ロドリゲス「今日、北條選手が誕生日だったのでお祝いしたいなと思います! おめでとうございます!」

◆阪神が今季初めて貯金生活に突入した。首位ヤクルトを下して4連勝。単独2位となった。依然として首位ヤクルトとは10ゲーム差あるが、矢野燿大監督(53)は「みなさんもドラマを起こせると信じてもらって、僕たち自身も信じて明日からも戦っていきます」とファンに呼びかけた。(テレビインタビュー)-初回、1番からの3連打に足を絡めた鮮やかな攻撃矢野監督 「そうですね。それぞれが自分の仕事をね、しっかりして行って。追い込まれてからのヒットが多かったですけどね、しぶとく打ってくれました。その中でも島田が、しぶといヒットと走塁でね、盗塁で流れをつくれたかなと思います」-中盤にはロドリゲスに待望の虎1号矢野監督 「まあね、当たれば、あれぐらいは普通に飛ぶと思うんでね。まだまだ飛ばせると思います。そういう期待を持って来てもらった選手なのでね、ここからまだまだ、ロドリのバットで、チームを勝利に導いてもらいたいですね」-終盤なかなかチャンスを生かせない中、大山が鮮やかに本塁打矢野監督 「あれも(投手が)代わっての初球でね、見事に仕留めるというのは本当に見事なこと。悠輔のホームラン、打点っていうのはチームの勝利に直結するところの大きな、はい、追加点の素晴らしいホームランでした」-後半戦開幕を託した西勇の投球は矢野監督 「立ち上がりから飛ばして行って、リズムをつくるというような気持ちも十分伝わってくるような投球でした。途中から、点入ってからも丁寧に丁寧にという形で投げてくれた。本当に申し分ないスタートを切ってくれました」-初めての貯金1。明日以降に向けて矢野監督 「毎日勝ちたいですけど、今日は後半のスタートということで、ドラマを起こすというところでは本当に良いスタートを切れましたし。中身もしっかりした野球ができたんで。まずは僕たちがもちろん信じて戦っていきますし、ファンのみなさんもそこを信じてもらうことでそのパワーも大きく変わってきていると思うので、みなさんもドラマを起こせると信じてもらって、僕たち自身も信じて明日からも戦っていきます」(囲み取材)-初回は重盗もタイガースらしい野球。矢野監督 「もちろん走るっていうのもうちの持ち味だし、あこの盗塁っていうのはすごく価値のある、中身のある盗塁だったと思う。さっき名前挙げたのもそういう、相手にとってダメージのある、走塁を島田がしてくれたかなと思います」。-ロドリゲスは守備のミスもあったが、取り返した。矢野監督 「あのプレーはちゃんとしてくれよと思ったけどね、あれをすぐ取り返すような素晴らしいバッティングやったし、もう1本タイムリーも出たしね、もちろんホームランが一番持ち味の選手やけど、やっぱりあそこでああいう打点とか、長打っていうのがあると、相手にとっては気持ち悪いとか、嫌らしいとか、怖いとか。そういう打線になっていけると思うんで。チーム全体のバランスというのを考えたときにやっぱり大きいので。これからもベースはしっかり踏んで、打ってくれたら最高かなと思います」-ついに貯金1矢野監督 「追っかける立場でカードの頭を取るというのは、これは大きな意味があると思う。ましてや後半の開幕という所では、ヤクルトさんもまだ余裕があるというと何だけど、うちには1試合1試合が本当にドラマを起こすための大事な1勝1勝の積み重ねになる。そういうところでは、よし行くぞというところの最初を、しっかりした内容の試合で勝てたというのは、チーム全体として盛り上がる。さっき言ったように、みんながよしいけるぞというムードを出せるような試合をしてくれた。俺ら自身がドラマを起こすのもさっき言ったようにしながら、ファンの皆さんもどんどん入ってきてくれて、パワーを送ってくれたらやれると思う。そういう意味での1勝というのは大きいかな」

◆阪神近本光司が4年連続20盗塁に到達した。阪神では赤星憲広の01~09年の9年連続以来、5人目。このときの赤星の9年連続は、球団最長だ。球界では、福本豊(阪急)の70~86年にかけての17年が最長。セ・リーグでは柴田勲(巨人)の63~73年にかけての11年が最長。

◆首位ヤクルトが2位阪神に完封負けを喫し、優勝マジックが消滅した。エース小川が4回7安打4失点で5敗目。「後半戦の大事な初戦を任せてもらってチームに勢いをつけるような投球ができず、チームに申し訳ないです」と悔やんだ。打線も阪神西勇の前に7回まで散発4安打。リリーフ陣も崩せず、三塁も踏めぬ完敗。高津監督も「球が低いのでなかなか打球が上がらなくて。ゴロアウトを積み重ねられたのは、向こうの投球が上だったのかな」と振り返った。それでも光明もある。コロナ禍に苦しんだ7月だったが、この日から中継ぎの清水と田口が出場選手登録され、野手では青木も登録。指揮官は「メンバーがそろいつつあるのはいいことだと思いますけど、まだ万全ではないので。状態を見ながらの起用にはなると思います」。戦力の整いつつある燕ファミリーが、後半戦も底力を見せていく。

◆阪神西勇輝投手が7回4安打無失点の好投で7勝目を挙げた。初回は打者3人を6球で片付け、テンポのいい投球を見せた。7回まで三塁を1度も踏ませず、危なげない投球でヤクルトの強力打線を封じた。「チームが勝ったことが大きい。ベストなピッチングができたというのが結果として出た」と納得の表情だった。仲間へのケアも忘れなかった。ロドリゲスが、4回1死一塁の守備でもたつき、失策。一、二塁とピンチは広がったが、落ち着いていた。サンタナを空振り三振。中村を遊ゴロで仕留めてベンチへ戻った時だった。ロドリゲスに駆け寄り、ロドリゲスの頭をやさしくぽんぽんとたたいた。新助っ人に気持ちの切り替えを促し、直後の特大ソロを呼んだ。矢野監督も「点が入ってからも丁寧に丁寧に投げてくれたのでね。本当に申し分ないスタートを切ってくれました」と最敬礼だった。○...才木が30日のヤクルト戦(甲子園)に登板しする。中13日で今季初のヤクルトとの対戦。「クリーンアップの人たちの前にランナーをためずに、しっかり打者に集中できる状態で迎えられたら。気にしすぎず、いつも通りの感じで投げられたら特に問題はないかなと」と冷静に話した。20年オフの右肘のトミー・ジョン手術を経て、復帰3戦目で2勝目を狙う。○...渡辺が2/3回を無安打無失点で抑えた。8回1死から左打者対策でマウンドに立った。山崎をスライダーで空振り三振、続く代打内山壮も空振り三振に斬ってガッツポーズだ。「加治屋もしっかり1人抑えてくれたので、自分も0で後ろにつなぐ気持ちだけでした。また今日のような投球ができるように、しっかり準備します」。10試合連続無失点、防御率1・96と好リリーフを続けている。○...加治屋がワンポイントで仕事を果たした。4点リードの8回に2番手で登板。塩見を3球で追い込み、最後は低めのフォークで空振り三振。1死を取り、お役御免となった。「久しぶりのマウンドでしたし、打者1人だったので、ちにかく全力で腕を振ることを意識しました。しっかり自分のボールを投げることができました」と振り返った。○...梅野が攻守で光った。守ってはマスクをかぶって無失点リレーを演出。バットでは先頭の2回に小川から左前打を放ち、7回にも中前打とマルチ安打をマークした。チームは2試合連続の完封勝利。梅野は「みんなが『やってやるぞ』と向かっていった結果。完封リレーが出来たということは自分にとってもひそかに喜びたい」と充実感を漂わせた。阪神が球宴を挟んで4連勝。7月の阪神は13勝5敗となったが、13勝のうち半分以上の7勝を完封でマークし、今月のチーム防御率は1・17。月間7完封以上は13年4月に阪神が7完封して以来、9年ぶり。暑さが厳しい7月か8月に月間7完封以上は92年8月の巨人以来となり、暑さに加えて球宴があって試合数の少ない7月に記録するのは65年阪神以来、57年ぶりと珍しい。

◆阪神近本光司外野手(27)が電光石火の先制打でチームに流れを呼び込んだ。初回、先頭中野、島田が連続の右前打でチャンスメーク。無死一、三塁のカウント1-2からの4球目、甘く入った変化球をさばき、右前への適時打を決めた。これが決勝打となり「1、2番が出塁してチャンスをつくってくれたので、なんとか1点先制をというところを作りたいと思ったので、よかったです」と喜んだ。直後に佐藤輝の打席の2球目で、二塁走者の島田とともにダブルスチールを成功させ、4年連続となる20盗塁をマーク。糸原の内野ゴロの間に3点目のホームを踏んだ。近本は3回先頭でも右前打を記録。球宴では2試合連続マルチ安打を放ち、同通算打率7割3分3厘を誇るお祭り男が、勢いをチームにも運んだ。28日には母校の社(やしろ)が兵庫大会を制し、創部74年目で初めて夏の甲子園出場を決めた。「よかったですね。僕に『おめでとう』と言われるんですけど、僕におめでとうじゃなくて、僕も『おめでとう』(と言う方)なので。現役の子たちが頑張って初出場できたので、すごく刺激になっています」とほおを緩めた。後輩の活躍にも背中を押され、チームの大きな1勝に貢献した。【古財稜明】

◆歴史的逆転Vのドラマが始まった-。後半戦が開幕し、阪神が首位ヤクルトに快勝。ついに貯金生活に突入した。新助っ人アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が4回に特大の1号ソロを放つなど2安打2打点の活躍。1軍昇格後、チームは4連勝だ。開幕戦では大逆転負けを食らったが、今は違う。猛虎よ、奇跡を起こせ!走り始める必要もない。ロドリゲスは約5秒、本塁付近で白球を眺めた。真夏の夜空にかけた放物線は、確信通り左翼席中段へはずむ。「ファンに何かいい思い出を、と思っていたのでよかったよ」。甲子園の熱狂を味わうように、ゆっくりダイヤモンドを回った。3点リードの4回無死。1ボール2ストライクから小川の130キロスライダーにアジャストした。移籍1号は中押しの特大ソロアーチ。「打った瞬間だったので気持ちよかったね」。黄色い南国風の花があしらわれた"ハワイアン虎メダル"を矢野監督からかけられ、照れくさそうにベンチ前を歩いた。直前のミスも挽回した。4回表1死一塁、ヤクルト村上の投ゴロに飛び出した。西勇からの送球を受け取るもベースを踏めずセーフ。虎初失策を帳消しにするフルスイングに「これからもベースはしっかり踏んで打ってくれたら最高」と指揮官もニヤリだ。8回の適時打と合わせ計2打点。すっかり虎党の心をわしづかみにした。NPBでは、オリックス時代の20年9月24日以来、673日ぶりのアーチ。当時は家族とともに来日できず、グラウンド外の癒やしが少なかった。今回はファミリーと2度目の日本野球挑戦。「家族といろんな所に行きながら共有していきたい」と力に変える。3月25日開幕ヤクルト戦で最大7点のリードをひっくり返された。開幕9連敗、最大借金16...。あの頃の虎はいない。後半開幕戦で首位ヤクルトのマジックを消滅させ、今季95試合目で初の貯金生活に突入。ロドリゲスの1軍昇格後無傷の4連勝で、単独2位に浮上した。矢野監督 1試合1試合が、本当にドラマを起こすための大事な1勝1勝の積み重ねになる。ドラマを起こすというところでは本当にいいスタートを切れた。みんながよし、いけるぞ、というムードを出せるような試合をしてくれた。ミラクルを後押しするように、序盤に甲子園左翼後方上空に虹がかかった。悪夢のシーズン序盤を知らない助っ人が、大逆転Vへの使者になる。【中野椋】阪神が今季最大借金16から挽回し、ついに貯金を1とした。球団の最大借金完済は66年の19。同年のシーズン最終盤、10月7日広島戦ダブルヘッダー第1戦の白星で勝率5割に戻し、第2戦も勝って貯金を1とした。ところが、残る3試合に全敗。64勝66敗5分けの借金2で閉幕した。今季はどれだけ貯金を増やすことができるか。○...糸井が"放牧"を終え、1軍に再合流した。ベンチスタートも8回1死一塁から代打出場。見逃し三振に終わったが打席では大歓声を浴びた。糸井は18日に出場選手登録を抹消。井上ヘッドコーチが「『後半戦にはお前の力が必要だ』というような話をして放牧している」と説明すると、糸井も自身のツイッターで「放牧!! てこういうことですか?」と、馬の放牧写真を添付してツイートしていた。○...島田が持ち味を発揮した。2番で先発出場。初回先頭の中野に続いて右前打を放ちチャンス拡大。1点を先制した直後の無死一、二塁では、近本とともに重盗を成功させた。「バッティングでも盗塁でもチームに勢いをつけることができた」。矢野監督は「島田がしぶといヒットと盗塁で流れをつくってくれた。すごく価値のある、中身のある盗塁。相手にダメージのある走塁を島田がしてくれた」と褒めちぎった。

◆ヤクルトを粉砕する鮮やかな放物線だった。8回だ。阪神大山悠輔内野手(27)が代わったばかりの今野の初球、低めの直球を豪快にすくい上げた。衝撃音とともに白球は高々と舞い上がり、左翼席に吸い込まれた。「一発で仕留められてよかった。野球は一発逆転がある。何点あってもいい。そういう意味ではいい1本だった」とダメ押しの21号ソロを喜んだ。祝砲だった。「北條の誕生日なので、何とか1本と思っていきました」。同い年のチームメートは28歳になった。近本や藤浪らチームを背負う世代で、固い絆が勝利の原動力だ。初回には1点先制しなおも1死二、三塁の場面で、詰まりながらもしぶとく中前に落とす適時打で2点目を奪った。21本塁打、69打点はチーム2冠。矢野監督は「悠輔(大山)の本塁打、打点はチームに直結するところ。(8回は)素晴らしい本塁打だった」と頼れる主軸をほめた。新外国人ロドリゲスが一塁のスタメンに入り3戦目、一塁から左翼にまわった大山にも3戦目でようやく安打も本塁打も飛び出した。この日からの3連戦は「夏休みこどもまつり」として開催。スタンドにはたくさんの子どもの姿があり、21号ソロのホームランボールもグラブ持参の子どもがキャッチし大喜び。「僕が小さいときに見たプロ野球はキラキラしていた。そういうのを覚えているので、みんなに覚えてもらえるように」とやさしい顔になった。豪快なアーチ、白星、そしてお立ち台での「まだまだシーズンは終わっていないので、一緒に頑張りましょう」。残り48試合、大山の言葉に、虎党は夢を託す。【石橋隆雄】○...北條がいぶし銀のプレーで自らの誕生日を祝った。7回無死一塁で代打で登場。バントから一転、バスターでコールの直球を左前打とした。得点には結びつかなかったが、相手にプレッシャーをかけた。矢野監督は「北條は誕生日でしょ? 誕生日でバスターでヒットって忘れられないんじゃないかな。選手それぞれがいい攻撃をしてくれたと思います」と笑顔だった。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神シーズン途中加入の助っ人アデルリン・ロドリゲス、甲子園でついに1号本塁打。確信歩きならぬ確信眺めで本塁付近で白球を見てました。

◆阪神はきょう29日からヤクルトとの3連戦(甲子園)を迎える。勝負どころの大一番で一気に差を詰めるチャンス。梅野隆太郎捕手(31)が、サンスポ読者だけにシーズンを通して思いを伝える「梅ちゃんバズる!!」の第2回として、燕の主砲・村上宗隆内野手(22)の攻略を宣言。ファンと奏でる「あしたも勝つばい!」の決めせりふが奇跡のドラマを巻き起こす!苦しかった前半戦ですが、何とかいい形で折り返すことができました。正直、開幕当初は、これはどんなふうになってしまうんだろう、どうやって戦っていけばいいんだろうと不安材料ばかりでした。それでもいまは、この位置にいられることを常に前向きにとらえて、チーム全員でモチベーションも上がりつつ、ここぞというところで勝ち切ることができているのではないかと思っています。後半戦は、甲子園で首位・ヤクルトとの3連戦から始まります。ヤクルトのガツガツした感じ、野球に対する泥臭さ、その姿勢やチームの強みはすごく肌で感じます。そういうチームに自分たちはやっぱり、チャレンジャー精神を持ってぶつかっていかないといけない。追いかける立場として負けないくらいガツガツやっていくしかない。それに結果がついてくる。もちろんみんな、そういうつもりで戦っていくと思いますし、僕自身も気持ちで負けないように戦っていきたいです。捕手としては、やはり4番・村上をどう抑えていくかというのは考えます。ただ、野球は1対1の格闘技ではない。投手と一緒に、どうやってボール球を振らせていくか。どうやって誘っていくか。いろいろなことを考えながら、最悪、歩かせてでも次のバッターを抑えよう、と。勝負にいくべきところなのか、引くべきなのか、その駆け引きをとにかくうまくやることが重要です。ぶつかっていくよりも駆け引きをしていく、そこにミソがあると思います。たとえ4打数3安打されても、決勝タイムリーを打たせなければいい。その1打席を抑えればいい。それくらい割り切って戦っていきたいですね。村上だけでなく両外国人もいいし、(山田)哲人は長打もあるし、チャンスメークもできる。好打者がそろっているヤクルト打線とどう戦っていくか。ヤクルトのキーマンになる選手は日々、違ってくると思っています。ヒーローになる選手が日に日に変わるからこそ強い。振り返ったときに、勝負どころでなんとか粘り切れたといえるように、勝負どころは常にここかもしれないと思ってやる。極論、初回で勝負が決まるかもしれません。やはり最少失点で抑えて、守り勝って、勝ち星をあげていきたいです。僕たち野球人の活力は、ファンの人の応援です。どの球場に行ってもタイガースファンの人はたくさんいてくれて、忘れられない歓声と叱咤激励をもらってきました。ゲキを飛ばされたときに、クソッと思った悔しさや逆境を乗り越えたからこそ打てたこともあります。スタメン発表のときから沸いてくれて、そこで打てた喜びもあります。やはり後押ししてくれるのはファンの方々です。いいときも悪いときも甲子園のライトスタンドで最後までずっと応援してくださることに感謝しかありません。ファンのみなさんには日々の試合で何かを持ち帰ってほしい。楽しかったなと思ってほしい。後半戦はチームの上昇のために、自分はお立ち台に上がるような活躍を1試合でも多く、そして、「あしたも勝つばい! 」とみなさんと一緒になって喜びを分かちあっていきたいと思います。(阪神タイガース捕手)

◆球宴休みの4日間を挟んでも、阪神快進撃の余韻とワクワク感がまだ続いています。最大16あった借金を完済して勝率5割からの再スタート。逆転優勝の可能性をあらためてトラ番に聞いてみると、みんなも少し強気になってきていました。「できると思いますよ。マイナス16からゼロにしたんですから。ここからプラス16にもできるでしょう」普段から冷静で淡々と話すサブキャップ新里公章が、口調こそいつも通りですが、アツい言葉を口にしました。投手担当の織原祥平も「8月中旬までに大型連勝があれば。ロードで大きく勝ち越せば」。若手の平野佑治も「29日からのヤクルト3連戦次第です。3連勝したら8ゲーム差になりますから」とうなずいています。キャップ長友孝輔は、〝不気味〟という言葉を繰り返しました。「球宴前に5割にしたときも言いましたが、不気味です。すべてにおいてキレイすぎませんか。借金ゼロの勝率5割。2位タイ。不気味です。出来過ぎです。〝何か〟が起こる前兆では?」もちろん、現実的な意見もありました。打者担当の原田遼太郎は「なんとも言えないですね。ヤクルト3連戦後に方向が見えるんじゃないですか。イケるなのか、あ~ダメかなのか。イケるになってほしいですけど」。中日担当を兼務する須藤佳裕も「2位以下の団子状態が続いたら、ヤクルトがこのまま走ってしまうと思います。追いかけるチームが早く1つ出てこないと逆転は難しい。そのチームになる可能性は、阪神にも他の球団にもまだあると思います」と慎重でした。そうした中、いつも通りだったのがビヤ樽改め〝スーパードライ〟な編集委員・三木建次です。「5割にしたけど3カ月かかったからなあ。貯金16にも同じくらいかかる。ヤクルトは普通にいけば残り試合5割ではいくやろ。阪神が貯金16にしても、まだ6足りん。苦しいよ、まだまだ」いやいや、逃げる方だって大変なんです。思い出すのは1985年10月12日。首位を快走していた阪神が残り8試合でマジック5という状況で、2位・広島と2連戦。広島市民球場へ乗り込みました。ゲーム差は4・5。当時カープ担当だった虎ソナ班の私は完全に優勝をあきらめた状態でした。阪神は5-4で勝ち、マジックを3に減らします。その日の試合後、流川通りの店で飲んでいると、長崎啓二、永尾泰憲のふたりが、ふらっと入ってきたのです。「もうすぐですね。おめでとうございます」すると長崎さんがまずこう応えたんです。「ありがとうございます。きょう勝って、やっと『あ~優勝できるな』と思いました」また謙遜してぇ。カープファンが多い店だからって気をつかわなくていいですよ。マジックが点灯したの1カ月前だったじゃないですか(残り26試合でM22)。もっと早くから優勝できると思っていたでしょ。そう言うと、ヤクルト時代(78年)と近鉄時代(79、80年)に優勝経験がある永尾さんまでもが「いや、長崎が言う通りです。私もきょう初めて優勝できると思いました」。逃げるほうは、もう大丈夫なんて気持ちにはなかなかなれないものなんです。ましてや、今のヤクルトはマジック41が点灯していてもまだ残り52試合もある(阪神は49試合)。まだまだ何が起きるかわかりません。まずはきょうからの3連戦。3つ取りましょう。

◆阪神は首位・ヤクルトと11ゲーム差の2位で勝負の後半戦がスタート。3連戦初戦は西勇輝投手(31)が先発する。今季はここまで6勝6敗。ヤクルト戦には2試合登板して0勝1敗も、防御率は1・29と相性は悪くない。大事なカード頭を勝利に導き、幸先のいいスタートをきる。

◆阪神・近本光司外野手(27)が先制点をあげた。一回、先頭の中野、島田が連打で無死一、三塁の好機を作り、近本が打席へ。カウント2ー1から相手先発・小川の甘く入ったフォークを右前に運び、先制点をあげた。さらに、佐藤輝の打席で島田、近本がダブルスチールを決め、好機を広げると、一死後、大山が中前打を放ち追加点。続く糸原の投ゴロの間にも得点をあげ、この回一挙に3点を奪った。

◆阪神は新助っ人のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)の加入後初アーチで追加点をあげた。「打ったのはフォークかな。いい戦いをしてる中で、チームのために1本打てて嬉しいね。これからも良い内容の打席を続けていけるように、そしてチームを勝利に導けるようなバッティングができるように頑張るよ」3ー0の四回、先頭で打席に入り、カウント2ー1からの4球目。低めのスライダーを振り抜くと、打球は左翼席に吸い込まれ、聖地は総立ちとなった。阪神に入団後10打席目での初アーチは、打球速度・177キロ、角度・25度、飛距離・128メートルだった。

◆阪神の先発・西勇輝投手(30)が先発し、7回4安打無失点。今季7勝目の権利を持って降板した。序盤から丁寧にコーナーを突く投球で相手打線を封じ込めた。四回にロドリゲスのエラーなどで1死一、二塁とこの日初めて得点圏に走者を置くも、サンタナを見逃し三振、中村を遊ゴロに抑えて切り抜けた。その後も好投を続け、七回の攻撃時に代打が送られてお役御免となった。このまま勝利すれば、今季7勝目。さらにチームは今季初の貯金「1」となる。

◆リーグ連覇、球団初の2年連続日本一へ、勝負の後半戦が始まった。ヤクルトは前半戦終了時点で、2位・阪神と11ゲーム差をつけて首位を独走。後半戦の〝開幕投手〟を任せられたのは小川泰弘投手(32)だ。「後半戦スタートということで大事な一試合になると思うのですけど、普段通りしっかりと自分の力を出し切ることが一番大事。一球一球積み重ねてチームの勝利につなげたい」前半戦はエースとして役割を全うした。開幕早々はなかなか本調子とはいかなかったが、直球を見直して復調。5月から状態を上げ、6月は4試合に登板して3勝0敗、防御率1・55で月間MVPを受賞。7月は新型コロナウイルス感染者が多く出たチームの中で、粘りの投球を見せた。後半戦も最高のスタートを切って波に乗りたいところだったが、立ち上がりにつかまった。一回、先頭の中野から3連打を浴びると、5番・大山の中前適時打なども絡んで3失点。四回にはロドリゲスに左越えソロを浴びた。結果、4回7安打4失点で降板。6勝目とはならなかった。ただ、チームとしては朗報もある。コロナの陽性判定を受け、すでに2軍戦で実戦復帰を果たしていた清水、田口、青木が1軍に昇格。新たに石川らが感染してしまったが、山田らは戦列に戻ってきており戦力は再び整いつつある。打線も元気なく後半戦は黒星スタート。「41」が点灯していた優勝へのマジックナンバーも消滅した。2位の阪神とは10ゲーム差になった。

◆阪神が後半戦初戦を勝利し、今季初の貯金「1」となった。新助っ人のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)は四回先頭で打席に立つとカウント2ー1からの4球目。低めのスライダーを振り抜き、左翼席へ加入後初アーチを放った。また、八回には大山が今季21号ソロなどでさらに突き放した。投げては先発の西勇が序盤から丁寧にコーナー突く投球でヤクルト打線を封じ込め、7回4安打無失点。今季7勝目を手にした。チームは今季初の貯金生活に突入。ヤクルトの優勝マジックも消した。

◆阪神が首位ヤクルトに快勝し、今季初の貯金「1」とした。またヤクルトのマジックが消滅した。一回、近本光司外野手(27)の右前打などで3点を先取し、四回にはアデルリン・ロドリゲス内野手(30)=前パドレス3A=の移籍後初のソロ本塁打、八回には大山悠輔内野手(27)の21号ソロで加点した。7回無失点の西勇輝投手(31)は自身3連勝で7勝目(6敗)を挙げた。7月4日時点で最大「17」あったヤクルトとのゲーム差は、これで「10」。2試合連続完封で球宴前から4連勝とし、単独2位に浮上した矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績47勝46敗2分、観衆3万5426人)。(テレビインタビュー)ーー一回の攻撃は鮮やかだった「それぞれが、自分の仕事をしっかりしていって、追い込まれてからのヒットが多かったですね。しぶとく打ってくれましたし、その中でも島田がしぶといヒットと盗塁で流れを作ってくれたかなと思います」ーーロドリゲスに待望の本塁打「当たればあれくらいは普通に飛ぶと思いますし、まだまだ飛ばせると思いますし、期待を持って来てもらった選手ですし、ここから、まだまだロドリのバットでチームに勝利を導いてもらいたいですね」ーー八回の大山の一発も大きかった「代わっての初球を見事に仕留めるというのは、見事なことですし、悠輔のホームラン、打点というのはチームの勝利に直結しますんで、追加点の素晴らしいホームランでした」ーー西勇は「立ち上がりから飛ばして行ってリズムを作る気持ちも伝わって来た投球でしたし、点が入ってからも丁寧に投げてくれたんで、申し分のないスタートを切ってくれました」) ーー八回の細かい継投(加治屋から渡辺)も勝利への執念が伝わった「執念と言うか当たり前だと思っているんですけど、みんなで勝つというのが僕たちの野球のひとつなんで、加治屋もナベもサダも、どこでも行けるピッチャーなんで、ある意味当たり前の継投ができたかな思っています」ーーこれで初の貯金「1」「毎日勝ちたいですけどね。今日は後半のスタートというところで、ドラマを起こすというところでは、本当にいいスタートが切れましたし、中身もしっかりした野球ができた。まずは僕たちが信じて戦っていきますし、ファンのみなさんも信じてもらうことで、そのパワーが大きく変わっていけると思いますんで、みなさんにもドラマを起こせると信じてもらって、僕たち自身も信じて戦って行きます」 (囲み)ーー一回は島田の粘りが大きかった「まあ、誰かじゃないんだけどね。その中でも、と言えば、拓夢が出ての島田らしい、しぶといヒット。追い込まれてからのヒットもそうやし。誰か一人ということはないんだけど。立ち上がりにああやって、1点じゃなくて、2点じゃなくて、3点で行けたのは大きく流れを持ってこれた。いい攻撃をしてくれたかなと思います。ーーダブルスチールもタイガースらしい野球(一回無死一、二塁から二走島田、一走近本が重盗)「走るのもウチの持ち味だし、すごく価値のある、中身のある盗塁だった。相手にとってダメージのある、走塁を島田がしてくれたかなと思います」ーーロドリゲスは守備のミス(四回1死一塁で村上のゴロを捕球した西勇が一塁に送球したが、ベースに戻れず失策に)もあったが、取り返した「あのプレーはちゃんとしてくれよと思ったけどね。すぐ取り返す素晴らしいバッティングやったし、(八回に)もう一本タイムリーも出たしね。ホームランが一番持ち味の選手やけど、あそこで打点とか、長打があると、相手にとっては気持ち悪いとか、嫌らしいとか、怖いとか。そういう打線になっていけると思うんで。チーム全体のバランスを考えた時に大きい。これからもベースはしっかり踏んで打ってくれたら最高かなと思います」ーー七回無死一塁で北條がバスター「あそこは作戦はいろいろあるけど、作戦は決めてくれた選手がね。北條は誕生日でしょ? 誕生日でバスターでヒットって忘れられないんじゃないかな。島田も最初は作戦で行きながら、ああやって打ってくれたし、選手それぞれが、いい攻撃をしてくれたと思います」ーー貯金まで来た「追っかける俺らの立場でカードの頭を取るのは大きな意味があると思う。ましてや後半の開幕という所では、ヤクルトさんもまだ余裕があるというと何だけど、ウチには1試合1試合が本当にドラマを起こすための大事な1勝1勝の積み重ねになる。よし行くぞというところの最初を、しっかりした内容の試合で勝てたのは、チーム全体として盛り上がる。俺ら自身がドラマを起こすのもファンの皆さんも入ってきてくれて、パワーを送ってくれたらやれると思うので。そういう意味での1勝というのは大きいかな」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(56)は7回ゼロ封の西勇輝投手(31)を絶賛すると同時に、阪神とヤクルトの現状を鋭く分析した。絶対に1つも落とせない3連戦の初戦を快勝できたことは大きい。最大のヒーローは西勇だろう。ヤクルトのリクエストで2度も判定が覆る、非常に嫌なムードの中で投げ切るところは、さすがだ。ロドリゲスの失策もあり四回1死一、二塁から、前の打席でいい当たりを飛ばしていたサンタナ、中村を抑えたシーンは圧巻だった。無駄な力を入れずに、ここ一番では力の入れた投球術。さらに自慢のツーシームは139キロから速い143キロまで使い分けていた。攻撃面では一回の3点先取は鮮やかだったが、毎回のように先頭打者が安打を放って、ジワジワとヤクルトを追い詰めていったつながりは見事。最も評価したいのは、点にこそ結びつかなかったが七回の攻撃だ。無死一塁から北條がバスターを決め、その後も塁上を賑わせ、コールに想定以上の球数を投げさせた。その結果、おそらく八回も続投予定だったコールをこの回で交代せざるを得なくなった。そして、投入されたのは基本的には勝ちパターンでの登板が多い今野。その今野が阪神打線につかまってしまい2失点。2戦目以降の投手起用に大きく影響を及ぼした可能性は高い。あの場面で今野を出すしかない投手陣の層。攻撃面でも山田が2打席でベンチに下がってしまう体調。コロナの影響は、かなりヤクルトにダメージを与えているように感じた。この先は戦力を整えてくるだろうし、阪神にどんなアクシデントが起きるか、不透明な点は多い。とはいえ、現状の試合内容、勢いを見ると、ヤクルトとの差は、縮まることはあっても、開くことは考えにくい。今後の阪神に求められるのはミスをせず、勝てる試合は確実に拾っていくことだ。

◆ヤクルトは今季6度目の零封負けを喫し、優勝へのマジックナンバーが消滅した。先発の小川泰弘投手(32)が4回7安打4失点で5敗目。高津臣吾監督(53)も厳しい言葉を並べた。以下、高津監督のコメント。――先発の小川は立ち上がりにつかまった「もう少しガッと行ってくれるかなと思ったんだけど、キレもなかったね。油断と隙しかなかったね」――期待していた部分も大きかった「非常に期待していました」――打線も散発4安打で無得点「(阪神先発の西は)球が低かったので、打球がなかなか上がらなくて、そうやってゴロアウトをたくさん積み重ねられたというのは、向こうの投球が上だったのかなと。いろいろ対策はして、ゲームには挑んだんですけど、うまくいかなかったですね。三塁までもいけなかったので。また違った対策が必要だと思います」――青木、清水、田口を昇格させた。メンバーが戻ってきていることはプラス「そうですね。メンバーがそろいつつあるのはいいことだと思いますけど、まだ万全ではない。当分は苦しいというか、そういう感じにはなると思いますね。状態を見ながらの起用になると思います」――山田が五回の守備から途中交代。まだ状態を見て出場させている段階「その通りです」――トレードでロッテから左腕の山本を獲得。評価と期待は「ざっくりとしてなんですけど、非常に期待しています。勝つための大きな戦力だと思っているので、早くチームに合流してもらって勝つための一人になってほしいなと思います。坂本に関してはこれもチャンスだと思うので、両チームの期待に応えられるトレードであってほしいなと思います」――山本は中継ぎで起用「もちろんそうです」――赤羽が支配下登録された。期待は「生き残るためにいろいろなポジションであったり、必要なものはたくさんあって、彼にあったプレースタイルをこれからしっかり発揮して、1軍のメンバーに入ってくれることを望んでいます。育成から支配下になるのはすごく難しいことであり、それを達成できたので、ぜひ今度は1軍でプレーするのを楽しみにしています」

◆後半戦開幕に6勝目をかけたヤクルト・小川泰弘投手(32)は、4回7安打4失点で5敗目を喫した。「後半戦の大事な初戦を任せてもらって、チームに勢いをつけるような投球ができず申し訳ないです」とガックリ。高津監督も「もう少しガッと行ってくれるかなと思ったんだけど、キレもなかったね。油断と隙しかなかった。非常に期待していました」と眉間にしわを寄せた。打線も沈黙して今季6度目の零封負け。「41」が点灯していた優勝へのマジックナンバーも消滅した。

◆大山は勝負どころでの2打点で輝いた。一回は無死二、三塁から佐藤輝が浅い中飛で凡退した直後に、内角速球に詰まりながらも中前打。二塁手の頭上をしぶとく越える一打に「会心の当たりではなかったが、タイムリーになってよかった」と2点目をもたらした。八回先頭では今野の代わりばなを捉え、左越えの21号ソロで5-0とダメを押した。村上(ヤクルト)と並び両リーグトップとなる10度目のヒーローインタビューに招かれ、「きょうは同級生の北條の誕生日なので、なんとか一本をと思っていました」と舌もなめらか。虎党へ「まだまだシーズンは終わっていないので、一緒にがんばりましょう」と呼びかけた。頼りになる5番打者を、矢野監督も「悠輔のホームラン、打点はチームの勝利に直結するところ」とたたえた。

◆ピンチを切り抜けるたび、グラブをパンパンとたたいて喜びを表現した。後半戦の〝開幕投手〟を務めた阪神・西勇が燕打線をピシャリと封じ、お立ち台で気持ちよさそうに汗を拭った。「チームが勝ったことが大きい。気負い過ぎてもよくないのは分かっているので普通通りにいくことでベストなピッチングができるかなと思っていた。自分の投球ができたと思う」逆転Vを目指す〝第2の船出〟で迎えるは首位ヤクルト。重要な一戦であることが分かっているからこそ、右腕もあえていつも通りのプレーを心がけた。山場は3―0の四回だ。安打と一塁手・ロドリゲスの失策で1死一、二塁とされたが、涼しい顔は崩さなかった。サンタナを外角のフォークで見逃し三振、中村は遊ゴロに仕留め「うまくかわすことができた」と声を弾ませた。7回4安打無失点で7勝目(6敗)を挙げ、防御率もリーグ2位を維持する2・05。安定感抜群の右腕を、矢野監督も「点が入ってからも丁寧に丁寧に投げてくれた」とねぎらった。この日は「夏休みこどもまつり」として開催され、球場に訪れた子供たちにさまざまファンサービスが実施された。西勇も小さい頃はナゴヤドームに足を運び、中日・福留のホームランや川上憲伸の投球に魅せられ、プロを志した。そんな少年時代を思い出しながら、大勢のファンの前で好投。きっとその雄姿は小さな虎党の目にも焼き付いたに違いない。「僕ら(投手)だったら完封、完投というのは(小さい頃から)ずっとカッコイイと思っていた。分業制でなかなかできないけど、しっかり自分の役割を果たすことをやり続けていけばいい」背番号「16」のマウンドでの頑張りがチームにも子供たちにも勇気と活力を与えてくれるはずだ。(織原祥平)

◆プロ野球の後半戦が開幕し、阪神は6-0で首位ヤクルトに快勝。4連勝で今季初めて貯金1とし、燕との差を10ゲームに縮めた。新外国人アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が待望の1号ソロと適時打で計2打点と活躍。ヤクルトの優勝へのマジックナンバーも消滅した。猛虎の真夏の猛逆襲がアツい!逆襲の使者が来日4試合&10打席目で魅せた。甲子園の夜空に舞い上がった打球が左翼スタンドに着弾したのを見届けると、ロドリゲスはゆっくりと歩き出した。首位の燕軍団を打ち落とす一撃は虎初アーチだ。「前の打席(一回)で三振したので、修正したいなという思いでいきました。ファンの人は毎日応援に来てくださるので、その前でホームランを打てて、チームも勝ててうれしい」3-0の四回先頭での打席だった。カウント1-2からの4球目。今季3戦2敗と苦手にしていた燕のエース小川のスライダーを振り抜いた。日本ではオリックス時代の2020年9月24日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)以来の一発だ。直前の四回、西勇の送球を走りながらキャッチするも一塁ベースを踏みそこない、初エラーを記録。ミスをバットで取り返した。パワーだけでない。大山の一発が飛び出した八回、なおも無死二塁で5番手・今野のカットボールをすくいあげて左前へ。技ありの適時打だった。今月8日に来日。チームに溶け込むのは早かった。いじられるのはトレードマークの長く伸びたあごひげだ。「別に験担ぎとかじゃないけど、ひげがないとちょっとブサイクなんですよ(笑)」。20年にオリックスでプレーしていただけに、日本野球への順応性も抜群だった。22日のDeNA戦(甲子園)で代打出場し、2点二塁打を放って虎デビュー戦で勝利のお立ち台に。副賞のトラッキーのぬいぐるみを手にして「(子供が3人で)あと2個はゲットしないと平等にならないから」と笑わせた。出場4試合目で早くも2個目をゲットし、打率・417(12打数5安打)、1本塁打、5打点。7番に強打者ロドリゲスがいる。頼もしい限りだ。矢野監督は「当たればあれぐらいは普通に飛ぶと思うんでね。ここから、まだまだロドリ(ゲス)のバットで、チームを勝利に導いてもらいたいですね」と声を弾ませた。チームは球宴を挟んで4連勝で、95試合目にして今季初の貯金生活に突入。ロドリゲスが出場してから負けなしだ。セ・リーグワーストの開幕9連敗を喫し、4月21、23日に最大16あった借金を3カ月で完済した。後半戦開幕で首位ヤクルトとの直接対決を制し、ゲーム差は「10」に。優勝マジックも消滅させた。「もちろん、今、スワローズが1位なので。直接倒すのがすごく大事とは思いますけど。たぶん、どこのチームであろうと全力でやっていると思うので。そういう意味では、きょう一勝できたことがうれしい」喜ぶのは、まだまだ先と言わんばかり。夢物語ではない。残り48試合。Aロッドが虎に奇跡を呼び寄せる。(三木建次)■データBOX?...阪神が勝ち、47勝46敗2分けで貯金1。4月21、23日(23、25試合目)に最大16あった借金を今月24日に完済し、95試合目で今季初めて勝ち越した。借金16以上から貯金をつくったケースは1962年の南海(最多借金20、最終2位)、66年の阪神(19、3位)、91年のオリックス(16、3位)、2010年のヤクルト(19、4位)に次いで12年ぶり5度目。?...ロドリゲスが阪神加入後10打席目で初本塁打。オリックス時代の2020年に6本塁打を放っており、日本では通算7本目。米マイナーリーグでは通算215本塁打をマークしている。

◆まさに電光石火だった。わずか10球での「ジェットカー・トリオ」の先制劇。阪神の3番・近本は一塁ベース上で体を揺らして喜びを表現した。「1、2番が出塁してチャンスを作ってくれたので、なんとか1点先制をと思ったので、よかった」ヤクルト先発・小川の立ち上がりを捕まえた。一回、1番・中野が右前打で出塁し、吉兆ムードが高まる。2番・島田も右前打で無死一、三塁と好機を拡大し、「流れを後ろにつなげるいいバッティングができた」とうなずいた。続く近本がカウント2-1からの4球目、甘く入ったフォークを捉えると、打球はまたも右前に落ち、スタンドの虎党が大きく沸いた。阪神電車自慢の「ジェットカー」をほうふつさせる急加速での先制劇に、好調の3番打者も「ストライクがきたら積極的に手を出せていた。こっちのペースで試合を進められていたので、よかったんじゃないですかね」と満足げだった。これだけでは終わらない。先制後の無死一、二塁となった佐藤輝の打席。2球目で一走の近本と二走の島田がダブルスチールを実行。これまたジェットカーのように加速する足でもファンを魅了した。近本はこれで4年連続の20盗塁目でセ・リーグ単独2位。島田も今季12個目となり、成功率は驚異の・923だ。タイガースらしさが出た攻撃を、矢野監督も「走るのもうちの持ち味だし、あそこの盗塁はすごく価値のある、中身のある盗塁だった」と手放しにたたえた。「(残り試合数が)もう50試合切っているので、がむしゃらに頑張って、最後まで諦めずにやるしかない」近本が力強く誓った。チームは念願の貯金生活に入った。「優勝」という終着駅を目指し、ジェットカー・トリオの勢いは止まらない。(平野佑治)★母校聖地出場に刺激 近本は改めて28日に母校の兵庫・社(やしろ)高が夏の甲子園初出場を決めた喜びを語った。「僕に『おめでとう』と言われるんですけど、僕も『おめでとう』(と言う立場)なので。現役の子たちが頑張って初出場できたので、すごく刺激になっています」。OBとしては、お祝いをどうするか、うれしい悩みもあるようで...。「後輩の辰己(楽天)と『どうします? どうしようね?』っていう連絡はしました」と笑顔だった。■ジェットカー 阪神電鉄が1977年に導入した5000系の高加減速車両の愛称。「ジェット機に匹敵するぐらいの加速、減速の良さ」が売り。5001形の加速度は4・5km/h/sで一般の電車の1・5倍を誇る。阪神本線の駅間平均距離は約1キロと短いため、普通列車として重宝される。日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH?」でTOKIOと対決したことも。来年度までに新型車両5700系(ジェット・シルバー)へ置き換えとなる。

◆4点リードの八回に見せた、加治屋-渡辺の小刻みな継投に、矢野監督の勝負に懸ける思いがにじんだ。将は「執念というか、ある意味、当たり前」と振り返ったが、八回先頭で加治屋が塩見を空振り三振に斬ると、石橋をたたいて渡るように、続く左の山崎から左の渡辺をぶつけた。期待に応えて2者連続で三振を奪った渡辺も「加治屋もしっかり1人抑えてくれたので、自分もゼロでつなぐ気持ちだけでした」と胸を張った。

◆28歳になった北條が快音を響かせ、自ら誕生日を祝った。七回無死一塁で代打で登場すると、バントの構えからヒッティングに切り替え、4番手・コールの初球を左前に運んだ。得点にはつながらなかったが、矢野監督は「誕生日でバスターでヒットって忘れられないんじゃないかな」と目を細め、同級生の大山も「さすがだなと思う」とたたえた。

◆後半戦の一歩目でつまずいた。セ・リーグ首位のヤクルトは、三塁も踏めずに今季6度目の零封負け。DeNAに自力優勝の可能性が復活したため、優勝へのマジックナンバーが消えた。打線は散発4安打に終わり、高津臣吾監督(53)の表情は険しかった。「(阪神・西勇は)球が低かった。打球がなかなか上がらなくてゴロアウトを積み重ねたというのは、向こうの投球が上だったのかなと。対策はして挑んだんですけど、うまくいかなかった」3点を追う四回には、山田の中前打と村上の敵失で1死一、二塁の好機を演出。だが、サンタナが見逃し三振、中村が遊ゴロに倒れた。ただ、清水と田口、青木が出場選手登録されるなど、新型コロナウイルスに感染していた選手が戦列に復帰したことはプラス。30、31日の阪神戦に連勝し、DeNAが31日に巨人戦を行い、敗れればマジック「38」が再点灯する。まずは連敗阻止に全力を注ぐ。(赤尾裕希)

◆鮮やかバスターを決めた北條史也、中継ぎで好投を続ける石井大智、そしてトラ番・織原祥平。さて、共通点は何でしょう? 答えは、3人とも7月29日生まれ。織原は27歳の誕生日を、甲子園で汗だくになって働きながら迎えた。「ちなみに、岸田首相も一緒やで」キャップ長友孝輔がプチ情報を投入してきた。日本のトップと一緒とはメデタイ。「巨人にいたグライシンガーも一緒です」負けじと織原も知識をぶちこんできたが、返答に困る情報だ。「石井クンはチームメートからケーキ代わりにみたらし団子をもらったそうです。僕に関してはそっとしておいてください」ただ、後の世で「阪神が奇跡の大逆転を起こした後半開幕の日」として語り継がれるかもしれない「7・29」ではある。織原が応援する後半の開幕投手・西勇が緩急自在に好投だ。そんな中、大阪・難波の編集局で、運動部長・堀啓介が本音を漏らしていた。「奇跡の逆転ドラマには、このヤクルト3連戦は2勝1敗でも許されない。3連勝が最低条件。ならば、初戦は無理だとしても、この3連戦で青柳を先発させてほしいなとは思います。この先のローテのやりくりが難しくなるとしても...」うんうん、虎ソナ的にも賛成だ。2戦目の予告先発は才木。3戦目の予想はガンケル。ただ、首位を走るヤクルトが一番嫌な投手は? 答えは考えるまでもない、「青柳」。相性を考えても青柳だし、大エースなのだから、先発すれば勝利確率はすごく高い。オールスター第1戦(26日)に先発、2イニングを投げて...。仕方ないのか。この先続く6連戦の頭(火曜日)を青柳に託す作戦か。そう説明されても、「う~ん」だ。最近、スポーツニュースで解説者が盛んに「ヤクルト包囲網」を提唱している。みんなでヤクルトにエース級をぶつけましょう、という一致団結〝引きずり下ろし〟作戦。一見、有効に思えるけれど、これが実はすごく難しい。あれは1980年代後半から90年代前半にかけて。西武の黄金時代に「西武包囲網」を唱えたのが近鉄監督・仰木彬だった。西武戦にはローテーションを崩してでもエース阿波野秀幸、剛腕・野茂英雄、西武に相性のいい山崎慎太郎らをぶつけた。担当記者は熱くなったもんだ。賛同したライバル球団も、中4日でエース級を先発させたりした。ところが89年、開幕からオリックスが独走。すると、監督仰木はシーズン中に掟破りの大方向転換。なんと「オリックス包囲網」を呼びかけたのだ。怒ったのはオリックス監督・上田利治。「そんな勝手な話があるか!」ウエさんが怒るのは当然。でも、最終的には自分だけが勝ちたいのだから、仰木さんの気持ち、分からなくもない。つまり、包囲網作戦は理論上も絶対にうまくいくはずがないのだ。令和の時代。〝包囲〟はしなくていいけれど、直接対決は、少々無理をしても王者に挑んでくれれば、身震いするほどに熱くなれる-。そんな期待をするのは時代遅れの記者なのか。こちらの暑苦しい(?)思いをあざ笑うかのように、スイスイと阪神は勝った。いよいよ「奇跡」の始まりなのか。メデタイ日だった。阪神も岸田首相も織原も、おめでとうございます。

◆ヤクルトは後半戦、黒星スタート。戦力はそろったとはいえ、実戦から離れていた選手も多く、ことさらネガティブにとらえる必要はない。無得点に終わった打線にしても、阪神・西勇の好調さも重なり、しかたのない面がある。チーム状態はここから、間違いなく戻ってくるはずだ。あえて心配な点を挙げるとしたら、中継ぎ陣。今野は試合を決められる2失点を許し、無失点で終わったコールも2安打1四球と不安定だった。この日のような展開だと、清水と田口の調整登板もあるかと思ったが、まだまだ、あわてて投げさせる段階ではない、ということか。ヤクルトの強みの1つは、盤石な投手リレー。コロナ禍によるシワ寄せが、特定の選手に集中しないよう、バランスをとりながら、戦力を整えてもらいたい。(本紙専属評論家)

◆「チャリ~ン!!」。なに、なに? なんの音? 今シーズン初めての貯金『1』に決まっとるやろー(笑) わが阪神が勝った? 球宴前に奇跡の勝利5割復帰を成し遂げただけに...。きたか~ 裏切りの虎の本領発揮!!「よっしゃ! 大逆転Vに向けて後半戦ロケットスタートや!!」と、その気にさせといての前半同様の9連敗する気やろー!!と腹をくくっていたから、逆ドッキリの白星にシビレた~!! しかも首位・ヤクルト相手の勝利はまさに『逆転Vの完璧テキスト』だったのだ!!Vのためのテキスト①は『防御は最大の攻撃なり』。西勇-加治屋-渡辺-岩貞が本日完封リレーを完成させたように投手の踏んばりなくしてVはなし!!テキスト②は『仕掛けぬ虎は虎猫』。一回に1点を先制し、なお一、二塁で島田と近本が重盗!! そして七回、代打・北條がバントと思わせてバスター! テキスト③は『忘れた頃に大砲あり』。ときどき大山、ときどきロドリゲス、そしてたま~に佐藤輝の派手なアーチを待っているのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
56351 0.615
(↓0.007)
-
(-)
51408
(-)
349
(+6)
109
(-)
56
(-)
0.255
(↓0.001)
3.370
(↓0.03)
2
(-)
阪神
47462 0.505
(↑0.005)
10
(↑1)
48326
(+6)
264
(-)
61
(+2)
73
(+2)
0.240
(↑0.001
2.540
(↑0.03)
3
(1↓)
広島
46473 0.495
(↓0.005)
11
(-)
47374
(-)
360
(+9)
56
(-)
16
(-)
0.254
(↓0.002)
3.430
(↓0.06)
4
(-)
DeNA
42452 0.483
(-)
12
(↑0.5)
54314
(-)
352
(-)
68
(-)
31
(-)
0.250
(-)
3.570
(-)
5
(-)
巨人
45501 0.474
(-)
13
(↑0.5)
47371
(-)
436
(-)
110
(-)
45
(-)
0.246
(-)
4.090
(-)
6
(-)
中日
39501 0.438
(↑0.006)
16
(↑1)
53265
(+9)
334
(-)
49
(+3)
28
(-)
0.248
(↑0.001)
3.530
(↑0.04)