全セ(★1対2☆)全パ =オールスター2回戦(2022.07.27)・坊っちゃんスタジアム=
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全パ
0100010002911
全セ
10000000011000
勝利投手:小野 郁(1勝0敗0S)
(セーブ:益田 直也(0勝0敗1S))
敗戦投手:岩崎 優(0勝1敗0S)

本塁打
【全パ】柳田 悠岐(1号・6回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ

DAZN

◆全パがオールスター2連勝。全パは1点を先制された直後の2回表、松川の適時打で同点とする。そのまま迎えた6回には、柳田がソロを放ち、リードを奪った。投げては、2番手・本田以降の10投手が無失点リレー。敗れた全セは、最終回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆マイナビオールスターゲームの試合前にホームランダービーが行われ、決勝でロッテ・レアードがソフトバンク柳田を下し優勝した。セの出場者はDeNA牧秀悟、阪神大山悠輔、阪神佐藤輝明、ヤクルト村上宗隆。パの出場者はソフトバンク柳田悠岐、西武山川穂高、楽天浅村栄斗、ロッテ・レアード。

◆球宴の熱が松山でも高まっている。福岡・ペイペイドームでの初戦で劇的な試合を終えたオールスター戦士たちが、愛媛・松山に空路で移動した。松山空港には、全12球団のファンが約300人、スター選手を一目見ようと外まではみ出るほどに詰めかけた。しかし、選手たちはチャーター便で別の出口からバスに乗り込んだため、姿を見ることはできず。肩を落として空港を後にした。

◆愛媛・松山に終結した各チームのマスコットがパレードを行った。10年ぶりに愛媛・松山で球宴が開催されるこの日、愛媛県庁から松山市内を練り歩いた。トラックに乗せられて、手を振りながらファンの応援に応えた。当初は全12球団のマスコットが参加予定だったが、26日のPCR検査で新型コロナ陽性判定を受けたヤクルトのつば九郎は参加しなかった。球宴で盛り上がる松山は、23日から「えひめオールスターウイーク」としてさまざまなイベントを開催。マスコットパレードもその一環として行われた。

◆球宴に出場する全セのオールスター戦士たちが、MLBのような? レッドカーペットで第2戦が行われる松山・坊っちゃんスタジアム入りした。「レッドカーペットファンクション」として行われた同企画は、それぞれが各チームのユニホームを着用。両脇に陣取ったたくさんの野球少年から「村上ー!」「牧ー!」などという呼びかけに、手を振って笑顔で応えながらレッドカーペットを歩いた。監督陣の後、選手の先頭で引っ張ったのは同学年で仲良しの阪神佐藤輝とDeNA牧。佐藤輝は手にアクションカメラ「GoPro」を持って撮影しながら登場した。同じように、初出場のヤクルト長岡も「GoPro」を手に持ちながらレッドカーペットを歩いた。アンカーを飾ったのは巨人ウォーカー。ピンクのヘアバンドを巻いて、ファンの声援に手を振りながら丁寧に応えて球場入りした。

◆全セに続いて、全パの首脳陣、選手たちも午後3時10分頃、レッドカーペットを歩いて球場入りした。野球少年たちを最前列に、12球団のファンがカーペットをはさんだ。ロッテ佐々木朗希投手(20)には「朗希~」「まじデカい」など、ひときわ大きな歓声。佐々木朗は時折頭を下げながら応えた。西武山川穂高内野手(30)は前日26日にも全パベンチで大活躍した赤いピコピコハンマーを持参して入場。直接のハイタッチができない今、野球少年たちをピコピコしながら笑顔を交わしあっていた。

◆全セのDeNA佐野恵太外野手が、初球見逃しを宣言した。前夜の第1戦は「7番指名打者」でスタメン出場も、2打席連続初球打ちでいずれも凡打に終わった。「2球で終わったら寂しいんで、今日打席に立つことがあったら、1球は待とうかなと思います」と、初球打ちを回避する考えを明かした。子どもの頃は元阪神の藤川球児氏のファンで、「予告火の玉ストレート」が記憶に刻まれている。「しっかりとフルスイングして、まだヒットが打ててないので、そろそろ打ちたいなと思います」と気持ちを高めた。

◆全セの豪華メンバーが、試合前のアップ中にスラッガートークを繰り広げた。セのトップの33本塁打を放っているヤクルト村上を筆頭に、20本塁打の阪神大山、8本塁打の広島坂倉が円を作って豪華な話し合いが行われた。豪華なメンバーには豪華な選手が集まる。17本塁打のDeNA牧、15本塁打の阪神佐藤輝、8本塁打の中日ビシエドも加わり、大きな輪になって、打撃フォームの身ぶりも交えてコミュニケーションを取った。

◆全パの日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が劇的アーチから一夜明け、祝福の嵐に驚きを見せた。前夜の第1戦では9回2死からのサヨナラアーチで、有言実行のMVPに輝いた。「見たことないくらいライン入ってました。ちょっと返しながら(さらにラインが)きていたんで、(数は)正確には分からないですけど」。新庄監督から直接の連絡はなかったというが、数え切れないほどのメッセージにうれしい悲鳴を上げた。29本塁打でパ・リーグ本塁打キングを独走する西武山川と親交を深め「練習後に、たくさん話してもらいましたし、野球以外のたわいもない話も出来ているので、貴重な機会になってます」と喜んだ。同学年のヤクルト村上とは「アイツ、全然(コロナに)かからないんで、『お前しぶといな』って。『全然ならないじゃん』って話を」と笑った。試合前に行われるホームランダービー決勝では、ソフトバンク柳田の打撃投手を前日に続き務める予定。「軽く投げてくれって言われているんで、ちゃんとストライク入るように投げられればと思います」と気を引き締めた。

◆全セの若き俊足巧打の遊撃手トリオが語り合った。阪神中野拓夢、広島小園海斗、ヤクルト長岡秀樹が試合前のアップ中にコミュニケーションをとった。3選手はいずれも右投げ左打ち。打撃フォームのしぐさをしながら、笑顔で言葉を交わしていた。

◆試合前にアオダモ植樹セレモニーが行われた。全セはDeNA牧秀悟内野手(24)全パは日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が登場。鉢植えのアオダモにスコップで土を入れ、水をかけた。アオダモは貴重なバット材となるが、近年は資源として枯渇しつつある。

◆球宴に向けて集まった各チームのチアリーダーや選手、マスコットたちが、試合前やイニング間に、球界を席巻している日本ハムのファイターズガールの「きつねダンス」を披露。かぶり物をして踊る選手の姿はオールスターならでは。いろいろな"きつね"たちをまとめました。

◆全パのロッテ・ブランドン・レアード内野手(34)が、ホームランダービーを初制覇し、優勝賞金100万円を獲得した。初戦で今季33本塁打を放っているヤクルト村上を下し、楽天浅村に勝って決勝に進出。決勝では、前日26日のペイペイドームで勝ち上がったソフトバンク柳田の3本を上回る4本をスタンドに運んだ。この日は計10発の柵越え。優勝を決めると、帽子をとって盛り上がる松山のファンの声援に応えた。

◆全セの阪神佐藤輝明内野手(23)が、ホームランダービー1回戦で敗退した。バッティングピッチャーは同期入団の阪神中野が務めた。2球目で早速右翼スタンドに1発目を放り込んだが、その後大苦戦。「やばい」「あーもう」といら立ちを隠せず、あっという間に2分が経過。わずか1本に終わった。対戦相手の楽天浅村が1分以内に2発を決め、2年連続の初戦敗退に終わった。【ホームランダービー】球宴の試合前に2試合を通したトーナメント方式で行う。ルールは2分間、球数無制限で競い、同点の場合は1分間の延長戦を行う。延長でも同点の場合はホームランダービーの投票数上位に決定。決勝がホームラン0で並んだ場合は引き分け。優勝賞金100万円。全7試合を通じ打球の平均速度が最も速かった選手に日産サクラが贈られる。

◆テノール歌手の秋川雅史が試合前に君が代を独唱した。地元愛媛の西条市出身であることから実現。伸びやかな声で歌い上げ、スタンドから大きな拍手を受けた。

◆全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が、ホームランダービーで17年以来5年ぶりの優勝を逃した。前日26日に、1回戦でDeNA牧、準決勝で西武山川を破って決勝進出。この日も同じく、打撃投手日本ハム清宮とのコンビで臨んだ。決勝ではこの日、勝ち上がってきたロッテ・レアードと対戦。先攻で15スイング中3本をスタンドまで運んだ。だが、後攻のレアードが4本塁打を放ち逆転され、準優勝となった。「清宮という、新たな相棒とともに頑張りたいなと思います。けがなく、頑張ります」と意気込んでいたが、惜しくも届かなかった。

◆全パのロッテ佐々木朗希投手(20)が初の晴れ舞台で、大谷に並ぶ日本人球宴最速タイを記録した。先頭・塩見の打席、初球から158キロをマーク。3球で三ゴロに仕留めると、2番巨人ウオーカーへの4球目、162キロを記録した。これが、14年球宴で当時日本ハム大谷(現エンゼルス)が記録した日本人最速に並んだ。ボテボテの打球は中前へ転がり安打となった。続くヤクルト山田に右前打。さらに4番のヤクルト村上との対決では、160キロを中前へ運ばれ満塁をつくられた。5番阪神佐藤輝の打席まで16球連続直球勝負。左犠飛で失点を許し、1回限りで降板。打者6人に対し23球投げ込み、1回3安打1失点の結果以上に、鮮烈な印象を残した。

◆全パのロッテ佐々木朗希投手(20)が初の晴れ舞台で、大谷翔平に並ぶ日本人球宴最速タイを記録した。先頭・塩見の打席、初球から158キロをマーク。3球で三ゴロに仕留めると、2番巨人ウオーカーへの4球目、162キロを記録した。これが、14年球宴で当時日本ハム大谷(現エンゼルス)が記録した日本人最速に並んだ。

◆全セの「5番右翼」佐藤輝明内野手(23)が、全パの先発佐々木朗希投手(20)から先制犠飛を放った。初回1死満塁、フルカウントから左犠飛。これが球宴初出場初登板となった佐々木朗の初失点となった。 「佐々木投手の球が速すぎて全然前に飛ばなかったんですし、バットも折られましたけど、オールスターでの1打点、めちゃくちゃうれしいです!」。貴重な1点を心から喜んだ。見応えある勝負だった。初球を160キロで入ると、3球目までは全てストレート。4球目に今試合初めてフォークを投じられ、6球目にも128キロと緩急をつけられた。打ち返したのは9球目の157キロ。松山のファンは固唾(かたず)をのんで「令和の怪物」が対峙(たいじ)した9球を見守った。今季の交流戦では3打数無安打、2三振とひねられていたが、リベンジ成功。試合前に行われたホームランダービーで2年連続初戦敗退に終わった悔しさも晴らした。

◆全セのヤクルト村上宗隆内野手(22)が、球界屈指の右腕2人から2安打を放った。まずは1回1死一、二塁、全パ先発のロッテ佐々木朗に対し、カウント1-1からの3球目、高め160キロを中前にはじき返してチャンスメーク。続く阪神佐藤輝の先制犠飛につなげた。さらに3回1死一塁の第2打席では、オリックス山本の2球目を右前にクリーンヒットを放った。

◆全パのロッテ・レアードがホームランダービー優勝を果たした。1回戦はヤクルト村上を3-2、準決勝は楽天浅村を3-2で下し決勝進出。前日に勝ち上がったソフトバンク柳田との対戦となった。先攻の柳田は3本で終了。1度きりの登場で終えた相手に対し、この日だけで3度の登場となったレアードだが、疲れを見せることなく4本で上回った。「本当に楽しい雰囲気の中、優勝することが出来て本当にうれしいよ。出場しているメンバーもすごい打者ばかり。その中で勝つことが出来たという事は、とても価値があることだね」と胸を張った。打撃投手は、ロッテの前里用具担当が務めた。「振りやすいコースに、ちょうどいいスピードで投げてくれたよ」と感謝を忘れなかった。さらに「なかなか松山のファンの前でプレーを披露する機会がない中、こういうイベントでファンの皆さんに喜んでもらえてうれしいね」と言った後、もちろん、こう続けた。「松山スシさいGOだよ」お決まりのフレーズで喜びを表した。「まだ食べてないけどね」と言ってニヤリ。瀬戸内海のスシが待ち遠しそうだった。【古川真弥】

◆全パ 西武本田が、前日の第1戦に続きマウンドに上がった。2番手で2回から登板。ヤクルト長岡に二塁打を許したが、最後はヤクルト塩見を空振り三振に打ち取った。初回で23球と球数が増えたロッテ佐々木朗からバトンを受け、2日連続球宴の舞台を堪能。「2試合とも登板することができて、貴重な経験を積ませていただきました」と充実の2日間を振り返った。

◆全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が、初出場だった14年以来8年ぶりの球宴弾を放った。「3番DH」で出場。同点の6回1死で阪神岩崎から、逆方向の左翼スタンドへソロを運んだ。「本当に打ってないので。久々に打ちたい」と話していた、夢舞台での1発に満面の笑みを見せた。初回にも安打を放ち、マルチ安打も14年以来。松山のファンに、自慢のバットを惜しみなく披露した。5年ぶりの「王座」には届かなかった。前日26日に決勝進出を決めたホームランダービーでは、ロッテ・レアードと対戦。自主トレ仲間でもある日本ハム清宮が2試合連続で打撃投手を務めた。先攻の柳田は息ぴったりのコンビで、15スイングで3本をスタンドまで運んだ。レアードに逆転され17年以来の優勝とはならなかったが、晴れやかな様子で拍手を送っていた。

◆全セの「虎左腕リレー」は明暗が分かれた。1-1の同点の5回に登板した初出場の伊藤将司投手(26)は、先頭のロッテ松川を外角低めのチェンジアップで空振り三振。続く楽天小深田は二遊間への打球を二塁の広島小園が好プレーもあり二ゴロに料理。最後は日本ハム清宮を外角145キロ直球で左飛に仕留め、3人斬りで終えた。2年連続2度目の球宴出場で、6回に登板した岩崎優投手(31)は、オール直球勝負で挑んだ。先頭のソフトバンク・グラシアルを二ゴロに封じるも、続くソフトバンク柳田に初球を捉えられ、左翼ポール際への1発を被弾し、勝ち越しを許した。後続のロッテ・レアード、楽天島内はフライアウトに打ち取った。ともに他チームが新型コロナウイルスの陽性などで辞退者が続出したため、直前で決まった代替での球宴出場だった。

◆マイナビオールスターゲーム2022の第2戦が松山坊っちゃんスタジアムで行われ、4回裏の全セの攻撃開始前に、12球団チアによる「みかんかき氷早食い競争」が行われた。愛媛特産のみかんを使ったイベントで、金髪のソフトバンクのチアらが豪快に一気食い。パ・リーグチア軍団が勝った。"チアのオールスター"も球場を盛り上げた。

◆全セの巨人アダム・ウォーカー外野手(30)が、ズッキュンパワーで令和の怪物の風穴をこじあけた。1回1死、直球で押すロッテ佐々木朗に追い込まれながらも、162キロ直球をはじき返した。二遊間をゴロで抜く中前打でチャンスメーク。ヤクルト山田、村上の連打の後、阪神佐藤輝のレフトへの犠飛に快足を飛ばし、スライディングで先制のホームを踏んだ。ウォーカーは6月3日の交流戦ロッテ戦(東京ドーム)でも完全試合右腕から2安打を放っており、相性の良さを発揮。「NPBで最高の投手からヒットを打ててうれしい。きっかけにして後半戦も頑張っていきたい」。コロナ陽性者が続出するチームを勇気づける安打を決めた。

◆全パの西武山川穂高内野手が6回裏の守備から、シーズン中は見ない三塁についた。試合前には、ホームランダービー2日間を通して、打球の平均速度が一番速かった選手に贈呈される協賛社特別賞の「日産サクラ賞」を受賞。前日の敢闘選手賞に続く受賞に「まさか! とビックリしました。豪華メンバーの中で受賞できてうれしいです。今年のオールスターゲームではいろんな賞をいただくことができて、運がいいなと思います!」と喜んでいた。

◆ドアラがつば九郎不在の中、松山を盛り上げた。7回裏の全セの攻撃前、セの球団マスコットたちが登場。順番に球団の応援歌が流れ、スタンドと一緒にラッキーセブンの攻撃へと意気込んだ。最後はヤクルトの番。だが、この時、つば九郎の姿はなかった。この日、新型コロナウイルス陽性となったことを球団が発表。無念の離脱となったからだ。そこで、ドアラが一肌脱いだ。不在のつば九郎の代わりとばかり、つば九郎のぬいぐるみを持参。東京音頭が流れる中、頭上に掲げ、場を盛り上げた。

◆全パのロッテ松川虎生捕手(18)がオールスター初安打初打点をマークした。相棒の佐々木朗とのバッテリーでスタメン出場。2回1死二、三塁から広島床田の変化球をライト前へ流した。18歳9カ月での安打は球宴最年少タイ記録で、打点は最年少記録を更新した。「どんな意識で打席に入ったとかもなくて、ただただ無我夢中です。うれしいっス」と笑顔を見せた。高卒新人のロッテ松川が同点適時安打。安打を記録した高卒新人は13年2、3戦大谷(日本ハム)以来5人目となり、打点は86年2戦清原(西武)13年3戦大谷に次いで3人目だ。松川は現在18歳9カ月で、安打は66年3戦鈴木啓(近鉄)に並び最年少タイ、打点は86年2戦清原の18歳11カ月を抜く最年少記録となった。清原は同点本塁打、大谷は同点適時安打と、3人とも同点の殊勲安打だが、打点を挙げたのは清原が3打席目、大谷は7打席目(大谷は1戦が2打席無安打)。松川が2人より早い2打席目で打点を記録した。

◆前夜の第1戦でMVPを獲得した全パの日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が、「1番三塁」で先発出場した。1回の第1打席では広島床田の3球目、直球144キロをはじき返し、中前打を放った。1-1の2回2死一、三塁の第2打席では、勝ち越しチャンスで空振り三振に倒れた。5回2死走者なしの第3打席は左飛だった。守備位置は三塁→一塁を経て、7回からはファーストミットを手に左翼の守備へ。フェンス際の打球をジャンプして好捕し、観衆を沸かせた。試合前には「松山開催ということで、定期的にプロ野球をやるところじゃないので、初めて来る人もいると思う。これがプロ野球っていうプレーを少しでも見せられたらなと思います」と連日の活躍を誓っていた。

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)が27日、愛媛・松山での「マイナビオールスターゲーム2022」第2戦に先発し、初の球宴登板を1回3安打1失点で終えた。最速は162キロで、エンゼルス大谷翔平投手(14年=当時日本ハム)の持つ球宴日本人最速に並んだ。

◆全パのロッテ佐々木朗希投手(20)が、女房役に注文をつけた? 初の晴れ舞台で、初球から16球連続直球勝負で160キロ超えを連発したが、内心はというと「僕はもっと変化球を投げたかったんですけど、全然サインが出なくて...。松川のせいで打たれました」と、ロッテの同僚で、この試合もバッテリーを組んだ松川にチクリと言った。さらに「すごい真っすぐにこだわっていたので。『打ち取れない』ってなっちゃいました。変化球投げないと、危うく終わらないところでした」。3連打を浴び、1死満塁から阪神佐藤輝の左犠飛で先制点を献上した。途中から、フォークにカーブを交えて1失点で切り抜けた。それでも、2番の巨人ウオーカーへの4球目に162キロを記録。これが、14年球宴で当時日本ハムの大谷(現エンゼルス)が記録した日本人最速に並んだ。「160キロ、とりあえず出てくれて、ホッとしています」と胸をなで下ろした。ヤクルト村上との対決では、打席から雰囲気を感じ取った。カウント1-1から160キロの直球をライナーで打ち返され、中前へ運ばれた。「村上選手なんかは、ホームラン以外はちょっとアウトにしてほしかったなと思いました。雰囲気もすごいですし。ピッチャーライナー来たんですけど、すごい打球速かったです」。打者6人に対し23球、1回3安打1失点で終えた。ベンチでは、他チームの選手と交流。充実の2日間を過ごした令和の怪物は、後半戦に向け「1回も抹消せず、最後まで投げきれるように頑張ります」と言い切った。

◆剛球ショーが再び始まる。ロッテ佐々木朗希投手(20)が27日、愛媛・松山での「マイナビオールスターゲーム2022」第2戦に先発し、初の球宴登板を1回3安打1失点で終えた。最速は162キロで、エンゼルス大谷翔平投手(14年=当時日本ハム)の持つ球宴日本人最速に並んだ。7月1日に右手中指のマメがつぶれて以降、初のマウンド。三振0ながら短いイニングを投げ終え、29日からのペナントレース後半戦への期待を高めた。入場時も、出場メンバーのコールでも、マウンドへ向かう時も、他のどのスターよりもプロ野球ファンがわいた。佐々木朗希への拍手がどよめきに変わったのは、全セ1番塩見に投じた初球158キロ。初の球宴、初の球場。最速164キロ右腕の放つ白い直線が、球都松山の空気を裂いた。159、161と徐々に増速し、巨人ウォーカーに安打された162キロは、球宴での日本人最速記録になった。右手中指のマメをつぶしてから26日後の復帰マウンド。「160キロ、とりあえず出てくれてホッとしています」としつつ「走者を出さないように頑張ろうと思ったんですけど、2人目でセンター前打たれたので、悔しかったです」と負けん気の強さを出した。平均球速158・7キロとはいえ23球中21球、直球を投げ込んだ。「もっと変化球投げたかったんですけど、サイン出なくて。松川のせいで打たれました」「村上選手なんかは本塁打以外はアウトにしてほしいなと思いました」と、いじり付きの朗希節も絶好調。夢舞台を満喫した。「どうにか1イニング投げ切れたので良かったなと思います」。患部の状態が戻り、実戦で制球良く投げ込めたことが最大の収穫だ。どこが優勝してもおかしくない戦国パで、前半戦6勝1敗の右腕の今後の出来は、ロッテの命運を左右する。「後半戦、全試合投げられるように、1回も抹消せず最後まで投げきれるよう頑張ります」。どよめかせ、押し込む、希代のストレート。後半戦も佐々木朗希の名が列島にとどろく。【金子真仁】

◆全パ 最後はロッテ勢が持っていった。9回2死、佐々木朗投手コーチ(?)と松川バッテリーコーチ(?)がマウンドへ。楽天松井裕に交代を告げると、佐々木朗コーチは松井裕の尻をポーン。敬礼する守護神益田にはボールを託した。益田は秘技フラフラ投法をこの日も披露し、1点差を守り抜いた。中継ぎで連投した小野郁が勝利投手になった。第2戦は全パ11人、全セ7人の投手が登板。全パの11人は07年第1戦全セ、11年第1戦全セ、22年第1戦全パの9人を抜いて1試合の投手最多人数となり、両軍合計18人も07年第1戦、22年第1戦の15人を抜く最多記録。

◆中日大野雄大投手(33)が2回無安打無失点で全セ最年長の貫禄を見せた。3回から2番手で登板すると3回はストレート4球でグラシアル、柳田、レアードの強打者を3者凡退に料理。続く4回も3人で打ち取った。「完全投球ができたのは本当に良かったし、野手の皆がよく守ってくれて中村捕手がいいリードをしてくれて、1球も首を振らずに投げられた」。7年ぶり3度目の球宴出場を笑顔で振り返った。19年には史上81人目のノーヒットノーランを達成。5月6日の阪神戦では延長10回2死まで完全投球を続け、10回無失点完投したエース左腕の技術を四国で披露した。大野雄は、17年5月14日ヤクルト戦以来の松山での登板。当時は1-1の同点で9回からリリーフでマウンドに上がり2死満塁のピンチを作り、サヨナラ満塁弾を被弾した。「きょうのお客さんには、いいイメージが残るはずなので、いいこと」。5年ぶりに悪夢を払拭した。

◆全パは1点リードの9回守護神リレーが実現した。1人目、ソフトバンクのモイネロが登板し、巨人小林を見逃し三振。すると楽天松井裕が登板し阪神中野を空振り三振に仕留めた。最後はロッテ益田がバトンを受け、連打を浴びたものの、DeNA佐野を投ゴロに打ち取り、締めくくった。豪華な顔触れを演出したオリックス中嶋監督は「負担かけるわけにはいかないので、1人1殺ということでいってもらおうと思い快諾していただき、3人で順番を決めて投げてくれました」とうれしそうだった。

◆初の球宴に出場した全セの阪神湯浅京己投手が、充実の2日間を振り返った。26日の第1戦では1イニングを無失点デビュー。第2戦は登板がなかったが、広島栗林らと野球談議を交わした。「変化球の握り、ケアの方法とかも話しました。ありがたい機会をいただいた」。後半戦の逆襲に欠かせないセットアッパーは「もう切り替えて、貢献できるように準備したい」と戦闘態勢に戻っていた。

◆補充選手として初出場の全セのヤクルト長岡秀樹内野手が、初安打を放った。2回1死、西武本田の142キロ直球を捉えての二塁打に「真っすぐ一本と決めて仕留められて、よかったなと思います」と振り返った。高卒3年目でつかんだ大舞台で存在感をアピールし、「1人でも多く覚えてもらえたかなと思います」と喜んだ。

◆全セの広島栗林良吏投手(26)は7回を1回無失点に抑え、2年連続失点を免れた。先頭から連打で無死一、二塁のピンチを招いた。初出場で失点して負け投手となった昨年の登板がよぎったが、続くロッテ松川を二併殺。楽天小深田を一直に打ち取った「誠司さん(のサイン)に首を振って先頭に打たれちゃったので、そこから誠司さんを信じようと思って。誠司さんのおかげで抑えられました」。バッテリーを組んだ巨人小林に感謝した。

◆全セの阪神岩崎優投手(31)はまさかの「超焦らし投法」で審判まで幻惑した。6回表1死、4番レアードへの5球目だ。右足を上げたまま1秒、2秒、3秒...。球審岩下がたまらずタイムをかけた直後、投球動作を止められず内角足元付近にスローボールをショートバウンドさせた。不敵に笑うレアードに、照れ笑いで返答。「オールスターなので自分も何かと思いましたが、止められてしまいました」と笑わせた。代替選手としての2年連続2度目の出場。独自の世界観で野球ファンを楽しませた。6回に登板。バッテリーを組んだ巨人小林と話し合い、全14球ストレート勝負を選んだ。2番グラシアルはこの日最速143キロで二ゴロ。3番柳田には初球の外角低め141キロを左翼ポール際席に運ばれたが、4番レアートは焦らした直後に中飛。最後は5番島内を三邪飛に仕留めた。登板後は球宴初失点シーンを振り返り、「入るとは思いませんでした。入っちゃったって感じで悔しいですね」と苦笑いだ。お祭り舞台でリフレッシュし、後半戦初戦の29日ヤクルト戦からは虎の守護神に戻る。「1試合1試合しっかり勝てるように頑張ります」。打者のみを戸惑わせる日々に再び専念する。【佐井陽介】投手の遅延行為 公認野球規則5・07(c)で、投手の遅延行為に関して定めている。「塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する」。以前の規則での基準は20秒。梶本隆夫(阪急)が72年にプロ野球史上初めて適用され、ボールの宣告を受けている。01年の改正で12秒へと短縮された。

◆全パの初出場のソフトバンク東浜巨投手が、持ち味を発揮した。4回に4番手で登板。ヤクルトの中村、長岡と広島小園を3人斬り。わずか6球で1イニングを片付けた。先発ロッテ佐々木朗、3番手オリックス山本からバトンを受けて同じ「ノーヒッター」としてきっちり抑えた。「楽しめたマウンドだった。また出られるような活躍ができたらと思います」。10年目右腕が初舞台を楽しんだ。

◆全パの日本ハム清宮幸太郎内野手が、師匠にMVPパワーを注入した。第1戦では有言実行の最優秀選手賞を獲得。この日、合同トレを行うソフトバンク柳田が、清宮のバットで決勝弾を放ちMVPに輝いた。清宮は「1番三塁」で先発し、初回先頭で広島床田から中前打。守備では三塁→一塁→ファーストミットを手に左翼にも就き、フェンス際の飛球にジャンプして好捕し攻守で存在感を放った。「初めて来る人もいると思うので、これがプロ野球っていうプレーを少しでも見せられたら」との宣言通り、初出場のお祭り舞台で魅了した。

◆全パは第1戦、第2戦ともにロースコアの展開で接戦をものにし、2連勝を飾った。オリックス中嶋監督は「普段対戦している相手ですけれども味方にしたらこんなに心強いのかと思って、ちょっといろんな考えが浮かびました」と振り返った。日本ハム清宮のバットを借りたソフトバンク柳田が決勝弾を放ち「そんなことができる選手がいるのかと本当にびっくりしました」と驚いていた。

◆会心の0封デビューだ。全セの阪神伊藤将司投手(26)が、1回パーフェクトで球宴初登板を飾った。1-1の同点の5回に3番手でマウンドへ。本職の先発ではなく中継ぎで1イニング限定だったが、新人の昨季10勝、今季も7勝を挙げている抜群の安定感を憧れの舞台で発揮した。終始笑顔で登板を終え「いやー、ホッとしました。結構真っすぐが強く投げられていたので、よかったと思います。楽しかったです」と充実の表情で振り返った。持ち味の制球力と最速146キロの切れ味鋭い直球を武器に、全パの打者を手玉に取った。先頭のロッテ松川は外角低めのチェンジアップで空振り三振。続く楽天小深田は二塁の広島小園の好プレーもあり二ゴロに料理。最後は第1戦でサヨナラ本塁打を放ち、MVPを獲得した日本ハム清宮を外角145キロ直球で左飛に仕留め、3人斬りを完成させた。初めてのお祭りを堪能してベンチへ戻ると、全セのチームメートから好投をたたえられた。見慣れない景色に「いつもと違う顔ぶれなので、新鮮でした」と笑顔。「こういうすごい人たちとプレーできているんだなというのをかみしめながら、後半戦もしっかり投げていきたいと思います」。辞退者続出で巡ってきた代替出場の球宴。日本を代表する選手とともにプレーした2日間は、新たなモチベーションにつながった。この日は試合前にうれしいニュースが届いた。夏の甲子園切符をかけた神奈川大会で、母校の横浜が東海大相模を1-0サヨナラで下し、2年連続の優勝を決めた。左腕は「うれしいです。何か(陣中見舞いを)贈れたら」とにっこり。球宴初出場で好投し、母校も優勝と忘れられないダブルの記念日になった。後半戦は球宴から中6日で、8月3日巨人戦(東京ドーム)の先発に回る見込み。「いつも通り自分のピッチングができたらいいなと思います」。球宴での収穫を手に、後半戦も安定感抜群の投球で奇跡への道を切り開く。【古財稜明】

◆全パのソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が、初出場した14年以来、8年ぶりの球宴MVPを獲得した。決勝ソロを含む2安打1打点の活躍で「本当に、こんな日があるなんて信じられない気持ちです」。賞金300万円ゲットを喜んだ。同点の6回1死から、阪神岩崎の外角低め直球を逆方向の左翼ポール際に運んだ。「少し詰まったんですけど、清宮選手のバットがすばらしいバットやったんで。清宮フィーバーで、あやかりました」。なんと、第1戦でサヨナラ弾でMVPに選ばれた日本ハム清宮に借りたバットで8年ぶりオールスター弾をたたき込んだ。自主トレ仲間でもある清宮には「(本塁打の後に)すばらしいバットを使っておられるのですね、と言いました。その後もサード、レフトとすばらしい守備も見せてくださりました」とおどけ、「皆さんにいただいたMVP」と感謝した。この日は初回にも安打を放ち、マルチ安打も14年以来となった。「あのときは年上の方もたくさんおられて、勢いだけでやっていた。今は若い選手がガンガンやっているのを見て、それに負けじとやろうという感じ」と、全パの野手最年長で迎えた2日間を振り返った。17年以来の優勝を狙ったホームランダービーでは、その清宮を投手役に、2日連続のコンビで出場。15スイングで3本をスタンドに運んだが、惜しくも準優勝だった。MVPとのダブル受賞とはならなかったが、夢舞台で後半戦に弾みを付けた。【山本大地】○...全パのソフトバンク牧原大が、うれしい初安打を記録した。「6番二塁」で先発し、2回無死一塁で初球打ちの左前打。持ち前の積極性を見せ「初球からストライクを取りに来ると思っていた。ひるまずに行こうと思って、それができて良かった」。7回先頭で左前打を打ちマルチ安打とした。途中から左翼に就き、ユーティリティーぶりも発揮。初球宴で存在感を残した。

◆全パの大物ルーキー、ロッテ松川虎生捕手が敢闘選手賞を受賞し、賞金100万円をゲットした。「ビックリしました。何で僕か、ちょっと分からないですけど」と少し慌てた。2回1死二、三塁で広島床田から右前適時打。18歳9カ月での安打は球宴最年少タイ記録、打点は史上最年少記録。「どんな意識で打席に入ったとかもなくて、ただただ無我夢中です」という時間。「うれしいっス」と笑った。高卒新人捕手としてNPB史上3人目となる開幕スタメンマスクに起用され、佐々木朗の完全試合も経験しながら、前半戦を1軍で完走した。球宴では西武森をはじめ、多くの先輩と交流した。「球宴ならではというか、いつも対戦する人たちと話をしていただきましたし、これも自分の糧にしていかないといけないと思います」と多くの収穫を得た様子だった。高卒新人のロッテ松川が同点適時安打。安打を記録した高卒新人は13年2、3戦大谷(日本ハム)以来5人目となり、打点は86年2戦清原(西武)13年3戦大谷に次いで3人目だ。松川は現在18歳9カ月で、安打は66年3戦鈴木啓(近鉄)に並び最年少タイ、打点は86年2戦清原の18歳11カ月を抜く最年少記録となった。清原は同点本塁打、大谷は同点適時安打と、3人とも同点の殊勲安打だが、打点を挙げたのは清原が3打席目、大谷は7打席目(大谷は1戦が2打席無安打)。松川が2人より早い2打席目で打点を記録した。

◆虎のお祭り男がまた打った。全セの阪神近本光司外野手(27)が2戦連続のマルチとなる2打数2安打をマークした。2戦目はベンチスタートとなり6回守備から出場。7回の1打席目は2死走者なしの場面で楽天岸から三塁強襲の内野安打を放つと、9回には2死一塁からロッテ益田の直球をセンター前にはじき返した。「(9回は)ホームラン狙ったんですけどね。打球が上がらなくて。ここぞというホームラン打てるように練習します!」狙っていた放物線は描けなかったが、球宴でのヒットパレードは夏の風物詩だ。新人で出場した19年の2戦目で史上2人目となるサイクル安打をマークしてMVPに輝いた。21年には継続していた連続安打を伸ばし7打席連続ヒットのオールスター新記録を樹立。これで球宴は15打数11安打、打率はなんと7割3分3厘! 異次元の世界だ。目を輝かせた。熱望していたロッテ佐々木との対戦はかなわなかったが、剛速球を打ち返すセ界の強打者に心が躍った。前日26日の博多では盗塁数リーグトップのヤクルト塩見と盗塁談議に花を咲かせ、松山でも広島栗林、坂倉らと談笑。「新しくというか、『そう思うよね』というのはあった」と、2日間の収穫を語った。29日からの後半戦はいきなり首位ヤクルトを甲子園に迎える。「また、後半始まって暑い夏なんで体調をしっかりして、万全に迎えられるように最後まで乗り切れるようにしっかりとやりたい」。リーグ最多114安打を放つヒットメーカーが、後半戦もチームを引っ張る。【桝井聡】▽全セ巨人駒田3軍監督(新型コロナ陽性判定を受けて辞退した原監督の代行でベンチ入り)「正直借りてきた猫だろうなと。でも実際やってみたら、そんなこともないなと。(チームはコロナ禍に見舞われるが)ジャイアンツらしく、なんとかしてやっていきたい」▽全セ広島床田(球宴初先発で2回1失点)「平常心というよりは"無"な感じでいきました。(佐々木朗に)あんなん見せられたら、次の回、真っすぐ投げられないですよ。だからパームも多めに投げました」

◆全セDeNA牧秀悟内野手(24)初の球宴を楽しみ尽くした。第1戦は1打数無安打だったが、この日は9回2死、ロッテ益田から球宴初安打となる中前打を決めた。ホームランダービーでは、わずか1本塁打で敗退し「難しかったなと。次回チャンスがあれば頑張りたい」と不完全燃焼に終わった。それでも同学年の阪神佐藤輝、広島坂倉と交流し「2日ともに楽しめました」と満足げだった。▽全セDeNA佐野(7回にオールスター初安打となる右前打)「いや~1本打ててうれしいです! 2年かかりましたね。チェンジアップをうまく捉えることができました」▽全セ巨人駒田3軍監督(代行でベンチ入り)「正直借りてきた猫だろうなと。でも、実際やってみたら、そんなに借りてきた猫ってこともないなと自分では思いました。十分楽しませていただきました」

◆全パ全試合出場中のロッテ高部瑛斗は、球宴でも中堅手として2試合フルイニング出場した。前日は無安打も、この日は安打と盗塁をマーク。プロ3年目の成長株は球宴でも走攻守で出し切り「疲れましたけど、とてもいい経験になりました。素晴らしいスター選手の皆さまと一緒に2日間、2試合を過ごせたことを今後に生かしたいと思います」と振り返った。

◆全パ楽天島内宏明外野手(32)が、球宴で2試合連続安打を放った。前日は7回に右前打。「5番右翼」で先発した第2戦は2回に内野安打をもぎ取るなど4打数1安打。フル出場も果たした。ベンチでは、オリックス山本と野球や趣味の話で盛り上がった。山本は「島内さんが『趣味がない』と言っていたのが印象的でした。今回、島内さんをすごく大好きになったので、対戦がまた楽しみです」と話し、日本球界を代表する投手のハートを見事に射抜いた。ハッスルした2日間。島内は「これは完全に熱中症です。(後半戦初戦の)ハムの1戦目は勘弁してください。ガチで」と疲労困憊(こんぱい)? だった。

◆26日の球宴第1戦の6回に右足に死球を受け、負傷交代していた全パのオリックス吉田正尚外野手が、8回に代打で出場し、左中間二塁打を放った。中日R・マルティネスの158キロ直球を捉えると、打球は左中間を割った。全力疾走をすることはできなかったが、ファンに元気な姿を披露してみせた。

◆後半戦、い~よカーン! 阪神佐藤輝明内野手(23)が愛媛・松山での「マイナビオールスターゲーム2022」第2戦でロッテ佐々木朗撃ちの犠飛で2年連続打点を挙げた。令和の怪物対決となった1回1死満塁で157キロを左翼へ。この日大谷翔平に並ぶ球宴最速の162キロをマークした剛腕の剛球を仕留めた。後半戦開幕の29日からは11ゲーム差で追う首位ヤクルトと大事な甲子園3連戦。ミラクル大逆襲も頼んだぞ。静寂と興奮が入り交じっていた。ボールを見逃せば乾いたミット音、ファウルのたびにどよめきが響いた。佐藤輝の視線の先には、佐々木朗。令和の怪物同士のパワー対決に、360度から視線が降り注ぐ。「野球発祥の地」とも称される愛媛・松山の2万5230人のファンが、両雄の真っ向勝負に引き込まれた。初回1死満塁。初球160キロはボール。3球目まで全て真っすぐだった。4球目に今試合初のフォーク、6球目は128キロカーブで緩急をつけられた。5度のファウルに「なんとか前に飛んでくれ」。ついに打ち返したのは、9球目の157キロ。左犠飛で先制し、球宴初出場で本塁打を放った昨年に続く2年連続打点を挙げた。これが佐々木朗にとって球宴初失点。背番号8も勝負を堪能していた。佐藤輝 佐々木投手の球が速すぎて全然前に飛ばなかったですし、バットも折られましたけど、オールスターでの1打点、めちゃくちゃうれしいです!今季の交流戦は3打数無安打2三振とひねられたが、リベンジ成功。「前に飛ばせるように」と宣言していた通りの結果に「それは達成できたので満足です」と笑った。3回の第2打席で同学年のオリックス山本に空振り三振を喫するなど、3打数無安打1打点、3三振。ブンブン振って、らしさ全開で満喫した。忘れ物も、またできた。試合前のホームランダービーは2年連続で初戦敗退。同僚の中野を打撃投手に指名したが、2分間でわずか1本。楽天浅村に敗れた。佐藤輝 いや~、もう、力入りまくって、全然思うようにいかなかったですね。また出る機会があれば、この経験を生かして頑張りたいです。試合前にはヤクルトの主砲村上と談笑。同世代の広島坂倉、DeNA牧とも心を通わせた。球宴ならではの時間を楽しみ、収穫も大きかったに違いない。後半戦開幕の29日からは、11ゲーム差で追う首位ヤクルトと大事な3連戦。チームは5割ターンを決めて上り調子だが、昨季より5本少ない前半戦15発には、満足していないはずだ。福岡、松山と巡った真夏の祭典。一回り大きくなった背番号8が、猛打爆発で大逆襲を導く。【中野椋】○...全セ球宴初出場の阪神大山は2戦目も超一流との真っ向勝負を満喫した。「6番一塁」で先発。1回2死一、二塁ではロッテ佐々木朗の153キロをとらえるも、中堅左後方への飛球をキャッチされた。3回2死一、二塁ではオリックス山本の150キロを左飛。2日間で4打数無安打に終わったが、「しっかり自分のスイングができた。純粋に野球を楽しめた。あらためてやっぱり野球が好きだなということに気づけた時間でした」と笑顔だった。○...全セ阪神中野の球宴初ヒットは来年以降に持ち越しとなった。6回の守備から途中出場。2打席に立ったが、右飛と空振り三振に倒れた。9番遊撃でスタメン出場した前日も2の0で、初出場した昨年から7打席連続で無安打。それでも「今年もしっかり楽しみながらいい経験を積むことができました」と充実の表情だ。試合前のホームランダービーでは佐藤輝の打撃投手を務めたが、初戦敗退に「ちょっと悔しかった。テルをヒーローにさせたかったけど、経験できたことはよかったです」と振り返った。▽全セ巨人駒田3軍監督(代行でベンチ入り)「正直借りてきた猫だろうなと。でも、実際やってみたら、そんなに借りてきた猫ってこともないなと自分では思いました。十分楽しませていただきました」

◆全パの西武水上由伸投手(24)が大学(四国学院大)時代を過ごした四国で成長した姿を見せた。6回に登板すると、阪神佐藤輝から空振り三振を奪うなどして1回1安打無失点。球宴初出場の右腕は「楽しかったです。思い入れのある球場にオールスターで帰ってくることができて良かったです。チームは優勝を狙える位置にいますので後半戦も頑張ります」と元気よく話していた。

◆全セのヤクルト高津臣吾監督は、連敗も表情は明るかった。純粋に野球を楽しんだ。「正直言うと勝ちたかった」と悔しがったが、球界のスターたちのプレーに心が躍った。ロッテ佐々木朗の速球や、それを打ち返して先制点をもぎ取った全セの打者たちに感嘆。「個人的にはすごく野球の勉強ができた。どんどん高いレベルで面白い野球、プレーを見せないといけないのがプロ野球。どんどんそういう選手が出てほしい」と振り返った。

◆全パの日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が、師匠にMVPパワーを注入した。第1戦では有言実行の最優秀選手賞を獲得。この日は合同トレを行うソフトバンク柳田が、清宮のバットで決勝弾を放ち、MVPに輝いた。師弟コンビでのホームランダービー優勝は逃したが「めちゃくちゃうれしかったですね。ちょっと貢献できたかなと思います。あのバットはあげました、ギータさんに」と笑った。清宮は「1番三塁」で先発し、初回先頭で広島床田から中前打。守備では三塁→一塁→ファーストミットを手に左翼にも就き、フェンス際の飛球にジャンプして好捕と、攻守で存在感を放った。初出場のお祭り舞台で魅了した。

◆ソフトバンクは27日、森山良二1軍投手コーチ(59)、高谷裕亮2軍バッテリーコーチ(40)、中村亮太投手(24)、九鬼隆平捕手(23)、井上朋也内野手(19)、小林珠維内野手(21)とスタッフ1人の計7人がPCR検査で新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。それぞれ発熱や倦怠感などの症状があり、自主隔離とする。陽性のスタッフと濃厚接触者となる疑いのある育成アレクサンダー・アルメンタ投手(18)と育成ルイス・ロドリゲス投手(20)も自主隔離とする。

◆オールスターに初出場したDeNA牧秀悟内野手(24)が27日、球団公式ツイッター上でオールスター特別企画「牧が好きだと叫びたい」で、広島坂倉に直撃した。質問コーナーでは、坂倉が「同じチームで選抜されたあの選手のここが好き」の札を引き、森下を挙げた。同じ質問の札を引いた牧は佐野を挙げ「面白い。好き」と笑顔で話した。第1戦では佐野、伊勢に加え、同学年の阪神佐藤輝も登場。現地からホットな情報と選手の生の声を届け、ツイッターには「#牧が好きだと叫びたい」がトレンド入りした。

◆楽天渡辺佳明内野手(25)が、後半戦で爪痕を残す。今季1軍では打率2割0分8厘で6月18日に出場選手登録抹消された。2軍では雄平打撃コーチから熱烈な指導を受けた。逆方向へ打つ感覚や、追い込まれてからの打撃を課題に取り組んだ。6月18日からの2軍戦打率は3割1分6厘と好調。再昇格をつかんだ。ファンの間では"得点圏の鬼"と呼ばれるほどの勝負強さを持つ。逆転優勝へ向け「印象に残るプレーをしたい」と意気込んだ。

◆超遅~いボールで松山を盛り上げた。全パの日本ハム伊藤大海投手(24)が8回に登板。全セ先頭の広島坂倉への初球、山なりの球はあまりに遅くて計測不能だった。タイミングを合わされながらも右飛に打ち取り、観衆をどよめかせた。「いい角度で上がったので『あれっ』と思ったんですけど、なんとか味方してくれました」と、してやったりの顔を見せた。初球からいくと決めていた。シーズン中も投げたことがある80キロ台のスローカーブ。「ネットの反応もいい。今、自分のパフォーマンスでできること」と計画を温めていた。次打者の阪神佐藤輝は一転、全球直球勝負。この日最速150キロで見逃し三振に仕留めた。そして、3人目の中日ビシエドには再び遅球攻撃。初球は山なり過ぎて、中継のテレビ画面から消えたほど。「画面から1回、消えるくらいがいい」と話していたとおりになった。3球続け、左飛に打ち取った。初回にはロッテ佐々木朗が球宴日本人最速タイの162キロを出していた。「佐々木君の160キロ超えの時のあれ(歓声)には及ばないですけど、ちょっとは聞こえたので良かった」とニヤリ。伊藤らしく、お祭りを楽しんだ。【古川真弥】

◆オリックス山本由伸投手(23)が、佐々木朗に負けじと1回を1安打無失点に抑えた。4回連続4度目の球宴は3回に3番手で登板。ロッテ新人の松川とバッテリーを組み、ヤクルト村上に1安打されたが、阪神佐藤輝と大山を三振と左飛に仕留めるなど14球でまとめ、昨季MVP&沢村賞の貫禄をみせた。前日26日の球宴第1戦後、ロッテ佐々木朗とテレビに出演。親しみを込めて「ろーたん」と呼ぶ後輩右腕に「ファンの方と同じ気持ちで見たい。速いストレートに連続奪三振を期待したいなと思います」とエールを送った。その上で「佐々木投手に注目がすごく集まると思うので、負けないように頑張ります」と快投競演を誓っていた。1イニングだけの夢舞台。「真剣勝負なんですけど、いつもの100倍くらい楽しく投げました」と笑顔を見せた。順調なら、8月2日西武戦(ベルーナ)の先発を任される見込み。夢舞台での快投を弾みに、後半戦も大車輪で逆転連覇に貢献する。【真柴健】

◆全セの強打者たちが、ロッテ佐々木朗希投手(20)の直球を打ち返した。全パの先発右腕に対し、初回に3安打1犠飛で1点を先制。1死走者なしから、巨人アダム・ウォーカー内野手(30)、ヤクルト山田哲人内野手(30)、ヤクルト村上宗隆内野手(22)が3連打を放った。1死満塁からは、佐藤輝明外野手(23)が先制犠飛。ヤクルトにとって、松山は秋季キャンプや主催試合を行ってきたなじみの場所。地元ファンへ、昨季日本一の恩返しにもなった。全セ打線が令和の怪物に牙をむいた。直球勝負を続ける佐々木朗を打ち砕いた。まずは1死走者なしからウオーカーが162キロを中前打。続いて山田が158キロを右前打。さらに村上が160キロを中前に運び、塁を埋めた。仕上げは阪神佐藤輝。157キロを左翼への犠飛とし、剛速球をきっちりはじき返して、1点をもぎとった。さすがの完全試合右腕も直球だけでは、抑えられない。それでも村上は「いやもう、球めちゃめちゃ速くて。あれで変化球投げられたら、もうお手上げだなと思いました」。山田も「今回は真っすぐだけだったけど、シーズンだったら変化球も投げるでしょう。あらためて、すごい投手」と力勝負の中にも、若き右腕の力を感じ取った。主砲村上は、第1戦前日の25日、両リーグ代表としてイベントに佐々木朗と出席した。「佐々木君と対戦したいなと思っています」と意欲を見せつつも「たぶん打てないんで。思い切って振ります」と、謙遜とも自虐ともとれるコメントを残した。宣言通りの思い切ったスイングで、宣言とは違うクリーンヒット。「欲を言えば、ホームラン打ちたいなという思いもあった。そこは僕のミスショット」と3冠王を視界に入れるスラッガーの見据える先ははるかに高い。3回1死一塁の第2打席では、オリックス山本の149キロ直球を右前に運んだ。昨年の日本シリーズで7打数1安打4三振と封じられていた東京五輪の同僚右腕から、快音を残したが「真っすぐが来ると分かっていて、ちょっと差し込まれた。まだまだだなと」。球界屈指の右腕2人からの2安打にも満足する様子はない。松山は村上にとっても、ヤクルトナインにとって思い出深い地。例年、秋季キャンプを行ってきたが、直近2年は新型コロナウイルスなどの影響で実施できていない。初出場の長岡も安打を放ち、ヤクルト勢が"第2の故郷"で躍動。その中心に、村上がいる。【小早川宗一郎】

◆全パの楽天岸孝之投手(37)が、4年ぶりに球宴のマウンドに上がった。7回に7番手として登板。2死から阪神近本とDeNA佐野に連打を浴び、2死一、二塁のピンチを招いたが、代打中日木下を、カウント1-2から内角145キロ直球で空振り三振に仕留めた。1回を2安打無失点。「力みすぎ(笑い)。パの勝ちとギータのMVPを自分が消さなくてよかったです」と胸をなで下ろした。16年目のベテラン。球宴は5度目の出場だった。「若い時に何回か出させてもらって、今回5回目ですけど、そのときはやはり先輩方がたくさんいるという緊張感とか、このオールスターで抑えたいという緊張感がありました。今回は一番楽しかったです」と表情は明るかった。

◆ペナントレース後半戦にい~よかんが漂った。ロッテ佐々木朗希投手(20)が27日、愛媛・松山での「マイナビオールスターゲーム2022」第2戦に先発し、初の球宴登板を1回1失点で終えた。最速は162キロで、エンゼルス大谷翔平投手(28)が日本ハム時代の14年に出した球宴日本人最速に並んだ。7月1日に右手中指のマメをつぶして以降初の実戦を無事に終え、果実を得た。パの2勝で球宴も終わり、いよいよ29日から熱戦が再開する。佐々木朗希の瞳が鮮やかになった。赤、黄、黄緑、オレンジ...。スタンドを埋める12球団のユニホーム。「シーズン中に見たことない、たくさんのユニホームを着たファンの方々がいたのですごく新鮮でした」。空や雲の色も多彩に移ろいを見せる、夕暮れの球都松山。いきなり投げた158キロの白い筋で、スタジアム全色をどよめかせた。159、161と増速させ、2番ウォーカーに安打された球が、大谷の球宴記録に並ぶ162キロだった。「160キロ、とりあえず出てくれてホッとしています」。マメがつぶれ、約1カ月ぶりのマウンドが球宴の夢舞台。「どうにか1イニングしっかり投げ切れたので良かったなと」。球速更新、連続奪三振。周囲の期待はよそに、今できることをやり切った。直球をどんどん投げ、3連打を浴び「もっと変化球投げたかったんですけど、サイン出なくて。松川のせいで打たれました」と2歳下の相棒をいじった。「セ・リーグの打者は本当にみんな打ちますし、村上選手なんかは本塁打以外はアウトにしてほしかったなと思いました」。華やかな球宴で、ちゃめっ気ある朗希節も絶好調。小学生時代、岩手にやって来た球宴を観戦してから10年、スターたちにも一目置かれるスターに上り詰めた2日間だった。戦国の名にふさわしく、パ・リーグは首位から5位まで2・5ゲーム差に詰まる。前半戦6勝1敗、球史に残る完全試合も達成したとはいえ、まだまだ波もあるミカンの大器。本領発揮となれば、必ずや全球団の星取や戦略に影響する。「後半戦、全試合投げられるように、1回も抹消せず最後まで投げきれるように頑張ります」。どよめかせ、押し込む、希代のストレート。後半戦も佐々木朗希が主役だ。【金子真仁】

◆全パは1点リードの9回守護神リレーが実現した。1人目、ソフトバンクのモイネロが巨人小林を見逃し三振。続いて楽天松井裕樹が阪神中野を空振り三振に仕留めた。すると、佐々木朗希と松川が"コーチ"としてマウンドに登場。佐々木朗が「ご苦労さん」といわんばかりに松井裕のお尻をポンッとたたいた。代わったロッテ益田直也がふらつき投法で、連打を浴びるも最後はDeNA佐野を打ち取って締めくくった。豪華顔触れを演出したオリックス中嶋監督は「1人1殺ということでいってもらおうと快諾していただき、3人で順番を決めて投げてくれました」と負担を軽減した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)第1戦で劇的なサヨナラ本塁打でMVPを獲得した全パ・清宮幸太郎内野手(23)=日本ハム=は一夜明け、「見たことないくらいLINEがきました」と反響の大きさに驚いていた。届いた本数は不明だが、返信しては新着メッセージが届くような状態だったという。第2戦は全パの先発が佐々木朗(ロッテ)ということもあり、「いつも敵なので、安心して見られるのかなって。気楽に見られるので、そばから存分に特等席で楽しめればなと」とプレーボールを心待ちにしていた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セー全パ、松山)球宴初出場の全セ・大山悠輔内野手(27)=阪神=が試合開始前のテレビインタビューに応え、球宴初出場から一夜明けた感想を口にした。「楽しかったですね。本当に。普段のシーズンでは味わえないような試合もできましたし、他球団の選手の方と話す機会はなかなかないので、そういう意味では本当に、いい1日だったと思います」前日26日の第1戦(ペイペイドーム)は、六回に代打から出場し、2打数無安打に終わったが、普段は味わえない交流を楽しんだ様子。「話した選手、全員の方と話したことが、僕にとって勉強になりましたし、あと1日、きょうあるので。いい時間にしたい」と声を弾ませた。「どのピッチャーと対戦するかわからないので、そのとき戦うピッチャーとしっかりいい勝負ができればいい。しっかり自分の持っている力を出し切りたい」大舞台で初安打を刻むチャンスが来れば、虎の代表として結果を出す。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)試合前のホームランダービーで、全セ・村上宗隆内野手(22)=ヤクルト=が初戦で姿を消した。全パのブランドン・レアード内野手(34)=ロッテ=と対戦し、2本対3本で敗退。投手役は全セ・山田哲人内野手(30)=ヤクルト=が務めた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・清宮幸太郎内野手(23)=日本ハム=が試合前に行われたホームランダービーの決勝で全パ・柳田悠岐外野手(33)=ソフトバンク=の打撃投手を務めた。前日に行われた準々決勝、準決勝に続いての登板。2分間で17球を投げ、3本塁打をアシストした。後攻の全パ・レアード(ロッテ)が4本塁打を放ったため優勝とはいかなかったが〝好投〟で花を添えた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・浅村栄斗内野手(31)=楽天=がホームランダービーに出場した。1回戦は阪神・佐藤輝の1本に対して、後攻の浅村は初球で左翼ポール際に柵越えを放つと、その後は深い左中間席へ本塁打を描き、2本塁打で準決勝に進出した。しかし、準決勝では先攻で2本塁打をマークするも、後攻のロッテ・レアードに敗戦。オリックス・吉田正の辞退で回ってきた出場権だったが、見せ場をつくった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・ブランドン・レアード内野手(34)=ロッテ=が試合前に行われたホームランダービーで優勝を飾った。一回戦で全セ・村上(ヤクルト)、準決勝で全パ・浅村(楽天)を破って決勝で全パ・柳田(ソフトバンク)と対戦。先攻・柳田の3本塁打で終えると、後攻で4本塁打をマーク。見事優勝を飾って、賞金100万円を手にした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全パ-全セ、松山)ルーキーイヤーの昨季に続き、2年連続球宴出場の全セ・佐藤輝明内野手(24)=阪神=が、試合前に行われたホームランダービー2日目の1回戦に登場。全パ・浅村栄斗内野手(31)=楽天=と対戦した。投手は同期入団の中野拓夢内野手(26)が務め、まずは練習の3球の初球をいきなりライトスタンドに放り込み、球場のファンを沸かせると、本番では2球目を振り抜き、高々と舞い上がった打球は、再び右翼席に突き刺さった。しかしその後は力が入りすぎてアーチを描けず、スタンドインは18球で1球にとどまった。終わった直後は膝に手を当てへとへとだった。対する浅村に、残り時間を1分以上残して2本のアーチをかけられ、敗戦となった。その後行われた決勝では、全パ・柳田悠岐外野手(33)=ソフトバンク=と全パのブランドン・レアード内野手(34)=ロッテ=が対決。4本のアーチをかけたレアードが優勝し、賞金100万円を手にした。■ホームランダービー セ・パ両リーグから4選手ずつをファン投票で選出しトーナメント方式で対戦。2分間、球数無制限で本塁打数を競う。第1戦前に3試合、第2戦前に決勝を含む4試合を行う。同点の場合は1分間の延長戦。延長戦でも同点の場合は①ファン投票上位の選手②公式戦で本塁打数が多い選手③昨季公式戦で本塁打数が多い選手ーが勝者となる。決勝が本塁打0で並んだ場合は引き分け。優勝賞金100万円。7試合通して打球の平均速度が一番速かった選手には、日産サクラ賞として日産の電気自動車、サクラが贈られる。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・清宮幸太郎内野手(23)=日本ハム=が「1番・三塁」でスタメンに名を連ねた。この日の試合前のメンバー発表時には「きつねダンス」のパフォーマンスでおなじみのきつねの耳をつけて登場。両手できつねポーズをしながら姿を現し、ファンを喜ばせた。前日26日の第1戦では九回2死からサヨナラ弾。MVPを獲得した23歳が、さっそくパフォーマンスでも目立った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテが先発。完全試合右腕が大谷翔平(日本ハム)に並ぶオールスター日本選手最速の162キロを計測した。 1番・塩見(ヤクルト)に対し、1球目は158キロで見逃し。球場にどよめきが起こると、2球目は159キロで空振り。3球目は高めの159キロで三ゴロに打ち取った。2番・ウォーカー(巨人)には初球157キロで空振り、2球目は161キロで見逃し、3球目は161キロでボール、そして4球目、大谷翔平(日本ハム)に並ぶオールスター日本選手最速の162キロの速球を中前に運ばれた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテが先発。完全試合右腕は球宴初登板で、2014年の大谷翔平(日本ハム)に並ぶオールスター日本選手最速の162キロを計測したが、一回に3連打を許すなど1失点を喫した。1番・塩見(ヤクルト)に対し、1球目は158キロをマーク。球場にどよめきが起こると2球目は159キロで空振り。3球目は高めの159キロで三ゴロに打ち取った。2番・ウォーカー(巨人)には初球157キロの剛球で空振り、2球目は161キロで見逃し、3球目は161キロでボール、そして4球目、大谷翔平(日本ハム)に並ぶオールスター日本選手最速の162キロの剛球を中前に運ばれた。3番・山田(ヤクルト)には159キロ直球を2球続け、2ストライクから3球目の158キロの速球を右前打とされた。4番・村上(ヤクルト)にはカウント1―1からの160キロ直球を中前打とされ、3連打を許した。1死満塁で迎えた5番・佐藤輝(阪神)には、2球目は159キロでファウル、3球目、初めて投じた変化球、143キロのフォークはボール。4球目の160キロはファウル、5球目の128キロのカーブはボールとなり、フルカウントから6球目は155キロでファウル、7球目も160キロでファウル、8球目の157キロを左犠飛とされ、失点した。6番・大山(阪神)には初球の153キロを捉えられたが、中飛でチェンジとなった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)全セ・佐藤輝明内野手(23)=阪神=が一回、全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテ=から先制犠飛を放った。1死からウォーカー(巨人)、山田(ヤクルト)、村上(ヤクルト)の3連打で1死満塁の好機を作り、佐藤輝が打席に立った。先発の佐々木朗は4球目にこの日初めて変化球を投じると、虎の若き大砲もファウルで粘った。最後は9球目の157キロをバットに当て、左翼前方に飛球。三走・ウォーカーがタッチアップで生還し、先制の犠飛となった。今年の交流戦で佐藤輝は3打数無安打2三振。球宴の舞台で再戦し、快音を響かせることはできなかったが、きっちりと走者をかえした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・松川虎生捕手(18)=ロッテ=が「8番・捕手」で出場。二回の第1打席で右前適時打を放った。高卒1年目でオールスター初出場の松川は、完全試合を達成した佐々木朗希投手とのバッテリーで初スタメン。一回の守備では3連打で満塁とされ、佐藤輝の左犠飛で先制点を許した。迎えた二回、1死一、三塁で迎えた前日に続く球宴2打席目。高部(ロッテ)が二盗に成功し、二、三塁から床田(広島)の2球目、パームボールに食らいつき、しぶとく右前へ適時打。朗希先輩の失点を〝帳消し〟にする一打で、球宴初打点をマークした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・松川虎生捕手(18)=ロッテ=が「8番・捕手」で出場。二回の第1打席で右前の適時打を放ち、2013年の大谷翔平(日本ハム)以来となる高卒新人でのオールスター打点をマークした。「どんな意識で打席に入ったとかもなく、ただただ無我夢中でした。何とか反応して当てたら安打になった。うれしいっス」高卒1年目でオールスター初出場の松川は、完全試合を達成した佐々木朗希投手とのバッテリーで初スタメン。一回の守備では3連打で満塁とされ、佐藤輝の左犠飛で先制点を許した。迎えた二回、1死一、三塁で迎えた前日に続く球宴2打席目。高部(ロッテ)が二盗に成功し、二、三塁から床田(広島)の2球目、ツーシームに食らいつき、しぶとく右前へ適時打。大谷に並ぶ日本選手オールスター最速の162キロをマークした朗希先輩の失点を〝帳消し〟にする一打で、球宴初打点をマークした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全セの「5番・右翼」で出場した佐藤輝明内野手(23)=阪神=が一回1死満塁で全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテ=から先制の左犠飛を放った。1死からウォーカー(巨人)、山田、村上(いずれもヤクルト)の3連打で訪れた満塁の好機でフルカウントからの9球目の157キロの真っすぐをミートしたが「佐々木投手の球が速すぎて全然、前に飛ばなかったですし、バットも折られましたけど、オールスターでの1打点、めちゃくちゃ嬉しいです!」と語っていた。

◆ホームランダービーを通して打球の平均速度が最も速かった選手に贈られる「日産サクラ賞」に、山川穂高内野手(30)=西武=が輝いた。「(本塁打競争は)緊張するし、息も上がる。今年は(優勝を)取りたい」と意気込んでいた山川は優勝こそ逃したものの、もう一つの〝栄誉〟を手にした。26日の第1戦(ペイペイドーム)の試合前に行われた1回戦で大山(阪神)を撃破。準決勝で柳田(ソフトバンク)に敗れたが、計8発の平均速度は出場8選手中、最速の154キロを記録した。山川には日産自動車・日本マーケティング本部ディビジョンゼネラルマネジャーの増田泰久氏から、二酸化炭素(CO2)排出ゼロの100%電気自動車(EV)で、ワクワクする加速感が魅力の「日産サクラ」が贈呈された。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)やり返すチャンスはすぐにきた。全パ・柳田悠岐外野手(33)=ソフトバンク=が一回1死一塁、右前打。全セの床田(広島)からライナーで運んだ。さらに1-1で迎えた六回1死で岩崎(阪神)から勝ち越しのソロアーチ。今年の球宴でも快音を響かせた。26日のホームランダービーでは牧(DeNA)と山川(西武)を破り、決勝進出。松山に舞台を移すと「ちょっと広いですね。頑張ります」と、グラウンドを見渡していた。シーズン14本塁打のレアード(ロッテ)とぶつかった決勝戦。先攻で3本塁打を放ったが、相手が4本と上回った。敗れはしたが、レアードの優勝を両手を挙げて喜んだ。ファンが喜んでくれたら、それでよかった。準優勝に終わったぶん、試合の結果で応えるからソフトバンクの顔だ。三回1死では2021年の東京五輪でもチームメートだった同級生、大野雄(中日)と対戦。直球に詰まり、左飛に終わった。打った瞬間に苦笑いを浮かべたのも、球宴だからこそ。全力で野球を楽しんでいた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ?全パ、松山)全セ・伊藤将司投手(26)=阪神=が1回無安打無失点と好投した。「6番・一塁」で出場した全セ・大山悠輔内野手(27)=阪神=は2打数無安打だった。補充メンバーとして球宴初出場した伊藤将は五回に登板。先頭の全パ・松川(ロッテ)をチェンジアップで空振り三振に斬ると、小深田(小深田)、清宮(日本ハム)もテンポよく打ち取り、わずか11球で三者凡退に仕留めた。大山は一回2死一、二塁で佐々木朗(ロッテ)の初球、153キロに中飛、三回2死一、二塁で迎えた第2打席は山本(オリックス)の直球に反応したが、左飛に倒れた。六回の守備からベンチに下がり、26日の第1戦と合わせて4打数無安打で初球宴で快音を響かせることはできなかった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテが先発。完全試合右腕は球宴初登板で、2014年の大谷翔平(日本ハム)に並ぶオールスター日本選手最速の162キロを計測したが、一回に3連打を許すなど1失点を喫した。以下、佐々木の一問一答。--初めてのオールスター「緊張したんですけど、楽しかったです」--緊張感があった「実戦登板も一カ月なので緊張しました」--久々の登板「どうにか1イニングしっかり投げきれたのでよかったです」--真っすぐにこだわった「ランナー出さないように頑張ったんですけど、二人目でセンター前に打たれちゃったので悔しかったです」--162キロを計測「160キロ出てくれて、ほっとしています」--三振は狙わなかったのか「変化球を投げたかったんですけど、サインが出なくて、松川のせいで打たれました」--もっと変化球を投げたかった「セ・リーグは強いので、真っすぐだけじゃ無理です」--松山でのオールスター「すごいマウンドから見る景色もたくさんユニホームを着ているファンの方々もいてすごく新鮮でした」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全セの「6番・一塁」で出場した大山悠輔内野手(27)=阪神=は2打数無安打に終わり、初球宴は2試合で4打数無安打だった。一回2死一、二塁で佐々木朗希投手(20)=ロッテ=の前に中飛、三回2死一、二塁では山本由伸投手(23)=オリックス=に左飛で倒れた。大山の一問一答は以下の通り。ーー球宴振り返って「楽しかったです」ーー佐々木朗、山本と対戦「対戦したいなと思っていましたし、結果アウトでしたけど、自分のスイングで対戦できて良かった。本当に楽しい時間でした」ーー楽しんで野球をやれたのは久しぶり「シーズン中は、どうしても勝ち負けがあってチームのことがあるのでなかなか難しいですけど、この2日間のオールスターは本当に純粋に野球を楽しめた。本当に良かったです」ーー他球団の選手とのコミュニケーションで発見は「技術もそうですけど、改めて野球が好きだなと気づけた時間だったと思います」ーー29日から、いきなりヤクルト戦(甲子園)「あとはシーズンが始まったら勝つだけなんで。チームに戻ったら勝ちに貢献するだけなんで、また気持ちを切り替えて、しっかりやりたいなと思います」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ?全パ、松山)全セ・岩崎優投手(31)=阪神=が六回に登板し、全パ・柳田(ソフトバンク)に勝ち越しソロを浴び、1回1失点だった。補充メンバーとして2年連続で球宴出場となった左腕は先頭のグラシアル(ソフトバンク)を全球直球勝負でニゴロに仕留めたが、柳田に初球の141キロを左翼のポール際に運ばれて被弾。「(打球が入るか)どうかなとは思いましたが、入るとは思いませんでした。入っちゃったって感じで、悔しいですね」と振り返った。それでもレアード(ロッテ)、島内(楽天)を打ち取った。シーズン中の登板ではめったに表情を変えないポーカーフェースの岩崎だが、この日は投球中に時折笑顔を見せるなど夢の祭典を存分に楽しんだ。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全セの3番手で1ー1の五回に登板した伊藤将司投手(26)=阪神=は三者凡退で球宴デビューを飾った。松川(ロッテ)を空振り三振、小深田(楽天)を二ゴロ、清宮(日本ハム)を左飛で打ち取り「いやぁ~、ほっとしました」とコメント。「結構、真っすぐを強く投げられていたんで。良かったと思います。(マウンドでは)いやぁ~もう楽しかったです」と語った。2日間の収穫は「学べたというより、こういうすごい人たちとプレーできているんだなというのを噛み締めながら後半戦もしっかり投げていきたいなと思います」と意気込みを示した。また母校・横浜高が甲子園出場を決め「やっぱりうれしいですね。何か(プレゼントなどを)やれたらいいなと思います」と話していた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全パの先発を任されたロッテ・佐々木朗が試合中に中継局のインタビューに応じた。佐々木朗は1死からウォーカー(巨人)、山田、村上(ともにヤクルト)に3連続安打を浴び、佐藤輝(阪神)に左犠飛を許した。佐々木朗は「セ・リーグのバッターは、みんな本当に打ちますし、村上選手なんかは、ホームラン意外はアウトにしてほしいと思いました」とスラッガーへの〝村上ルール〟を提案した。村上には自身の近くをライナーで通過する中前打を浴びたが、「雰囲気もすごいですし、すごく打球が速かったです。危なかったです」と振り返った。また佐藤輝への4球目までオール直球だったことに「もっと変化球を投げたかったんですけど、全然サインが出なくて。(捕手の)松川のせいで打たれました」と笑わせた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)初めての球宴となった全セのアダム・ウォーカー外野手(30)=巨人=が〝課題〟の守備で魅せた。第1戦では途中出場だったが、この日は「2番・左翼」で先発。見せ場は四回の守備。2死から高部(ロッテ)の浅い飛球にダッシュし、滑り込んでキャッチ。強打が自慢で守備が発展途上という米独立リーグ出身の助っ人の好守に、観客も沸いた。春先から巨人・亀井善行外野守備兼走塁コーチ(39)の熱心な指導により、課題の守備は着実に上達。新型コロナウイルス陽性判定のために辞退したチームメートたちに代わる補充選手としての出場となったお祭り舞台で、成長の跡を示した。打っても、一回に佐々木朗(ロッテ)の162キロの直球を中前打を放ち、先制のホームを踏んだ。「NPBで最高のピッチャーからヒットを打ててとてもうれしい」とウォーカー。他球団の選手たちと笑顔で触れ合うシーンも多く、充実した球宴となったようだ。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が「4番・三塁」で先発出場し、2打数2安打。ロッテ・佐々木朗希(20)、オリックス・山本由伸(23)のパ・リーグを代表する剛腕2人から快音を響かせた。以下、村上の一問一答。--2打数2安打「普段ないような雰囲気で試合ができましたし、ホームランを打ちたかったですけど、打つことができなかったので、また来年がんばります」--佐々木朗希の印象「(佐々木は)球がめちゃくちゃ速くて、あれで変化球を投げられたらお手上げだな」--バッティング内容は「強い打球でセンターに弾き返せたのはよかったんですけど、ホームランを打ちたいなって思いもあったので、そこは僕のミスショットかな」--山本由伸からもヒット「真っすぐが来るのが分かって、差し込まれていのでまだまだだなと思いました」--悔しさもあった「ホームランが打ちたかったですね。まだ打ったことないので打ちたかった」--後半戦に向けて「(三冠王を)狙える位置に僕がいるってことはチャンスだと思うので、達成できるように集中してがんばります」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ―全パ、松山)全セの4番手で1ー1の六回に登板した岩崎優投手(31)=阪神=は柳田悠岐外野手(33)=ソフトバンク=に左越えへソロ本塁打を浴びて、1回1失点だった。第一声は「悔しいです」。今季は37試合に投げて、1勝3敗7Hで22S。〝初被弾〟とあって「入るとは思いませんでした。入っちゃったって感じで、悔しいですね」。29日のヤクルト戦(甲子園)からレギュラーシーズン再開とあって「1試合1試合、しっかり勝てるように頑張ります」と自分に言い聞かせるように語っていた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)全セ・長岡秀樹内野手(20)が「8番・遊撃」で球宴初スタメンを果たすと、二回に右越え二塁打を放ち、初安打をマークした。「本当にうれしいの一言です。初球カーブでストライクをとられたのでビックリしました。でも、真っすぐ一本と決めて仕留められてよかったです」カウント1―1から3球目、西武・本田の142キロの直球をはじき返した。補充選手で初選出されたときには「皆さんに覚えていただきたい」と話していたが、有言実行となる一打。高卒3年目の遊撃手は「(爪痕を)残せたかはわからないですけど、一人でも多くの人に覚えてもらえたかなと思います」と喜んだ。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)虎の怪物vs令和の怪物が松山の地で火花を散らした。9球すべてに、どよめきと拍手が送られる。全セ・佐藤輝明外野手(23)=阪神=は少しばかり悔しそうに、それでも手応えを感じつつ、左翼に飛んでいく白球を見つめた。「佐々木投手の球が速すぎて全然前に飛ばなかったですし、バットも折られましたけど、オールスターでの1打点、めちゃくちゃうれしいです!」試合前から熱望していた対戦は一回1死満塁の絶好機で実現した。全パの先発・佐々木朗(ロッテ)が投じた初球はいきなり160キロを計測。外角のボール球を冷静に見送り、佐藤輝は息を吐いた。160キロ前後の直球にファウルで食らいつく。カウント3-2から、9球目。157キロ直球に最後の一押しを込めた。先制の左犠飛。力と力の真っ向勝負にスタンドから割れんばかりの拍手が巻き起こった。「(対戦したいのは)佐々木朗希投手。(交流戦で)三振ばかりだったので前に飛ばせるように頑張ります」佐々木朗とは5月27日の交流戦(ZOZOマリン)で対戦し、3打数無安打2三振。今回は宣言通り、〝前に〟飛ばして、有言実行だ。試合前は2年連続でホームランダービーに出場。打撃投手には同期入団の全セ・中野(阪神)を指名し、「最初から飛ばしていきます」と意気込んで臨んだが、結果は2分間でわずか1本に終わり、楽天・浅村に敗れた。2年連続の1回戦敗退に両膝に手をついて崩れ落ちた虎の4番。その汚名返上と、球界一の剛速球に持ち前のパワーで対抗した結果の先制犠飛だった。三回1死一、二塁で迎えた第2打席は、同学年の山本(オリックス)の150キロ直球に空振り三振を喫し、悔しそうに天を仰いだ。六回はこちらも同学年の水上(西武)の143キロシュートにバットが空を切る。〝由伸〟に連続三振に抑えられたが、同世代の選手と、球宴で戦えることが何よりの刺激だ。「普段しゃべれない人たちとしゃべれるので、すごく楽しい。いろいろな人と話せたのが収穫ですね」ヤクルト・村上や広島・坂倉ら各球団の若き主砲から、ウォーカー(巨人)やビシエド(中日)といった外国人までいっしょに戦った。多くを吸収した佐藤輝が、後半戦で虎の〝ドラマ〟を完結させる。(原田遼太郎)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ-全パ、松山)全セ・村上宗隆内野手(22)=ヤクルト=が、全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテ=、山本由伸投手(23)=オリックス=から安打を放ちながらも、悔しさをにじませた。「ホームランを打ちたかったですね。まだ売ったことがなかったので、打ちたかった」「4番・三塁」で先発出場し、1回1死一、二塁で佐々木朗と対戦。160キロ直球を中前へはじき返したが「欲を言えばホームランを打ちたかった。僕のミスショットかなと思います」と厳しい表情。三回2死一塁では山本から右前打を放ったが「あれも真っすぐが来るとわかっていて差し込まれた。まだまだだなと思いました」と振り返った。今季は前半戦を終えてリーグトップの33本塁打、89打点、さらにトップと約2分差でリーグ5位の打率・312と三冠王を狙える位置につけている。後半戦へ「もちろん狙いたいと思いますし、達成できるように一試合一試合集中して頑張りたい」と気合を入れた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)全パ・伊藤大海投手(24)=日本ハム=が〝魔球〟で全セの打者を三者凡退で退けた。「オールスター最遅を狙おうと思います。スローボール」と宣言していた右腕。1点リードの八回に登板し、先頭の坂倉(広島)に初球からいきなり内角高めへスローカーブを投じ、場内をどよめかせた。1球で右飛に打ち取り笑顔を見せると、続く佐藤輝には5球全球直球勝負。最後は150キロで見逃し三振に仕留めた。2死で迎えたビシエド(中日)には3球連続スローカーブを投球。いずれも計測不能の遅球で、最後は左飛に打ち取った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1?2全パ、全パ2勝、松山)全セ・佐藤輝明内野手(23)=阪神=は一回に全パ・佐々木朗希投手(20)=ロッテ=から先制犠飛を放つも、その後は3打席3三振。三回の第2打席は、山本(オリックス)の直球に空振り三振、六回は水上(西武)の前に空振り三振、八回は伊藤(日本ハム)の150キロに見逃し三振に倒れ、球宴2試合で無安打だった。途中出場の近本光司外野手(27)=阪神=は七回に岸(楽天)から三塁強襲の内野安打を放ち、26日の第1戦に続き、「H」のランプを灯すと、九回にも益田(ロッテ)から鮮やかな中前打を放ち、球宴の通算打率・733(15打数11安打)とした。補充メンバーとして球宴初出場した伊藤将司投手(26)=阪神=は五回に登板し、1回無安打無失点。六回にマウンドに上がった岩崎優投手(31)=阪神=は柳田(ソフトバンク)にソロ本塁打を許すなど1回1失点だった。遊撃の守備で途中出場の中野拓夢内野手(26)=阪神=は2打数無安打で今球宴はノーヒットだった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1―2全パ、全パ2勝、松山)全セ・佐野恵太外野手(27)=DeNA=が六回の守備から途中出場。七回の第1打席で全パ・岸(楽天)から右前打を放ち、出場2年目で待望の球宴初安打をマークした。「いや~、一本打ててうれしいです! 2年かかりましたね。チェンジアップをうまく捉えることができました」前日は2打席続けて初球で凡退。この日の試合前には「寂しいので、打席に立つことがあれば1球は待とうかな」と語っていた通り、1ボールからの2球目にチェンジアップを見逃し、続く3球目のチェンジアップを右前に運んだ。試合前には円陣で一発ギャグを披露し、試合でも待望の一本。ここまではよかったが、1―2の九回2死一、二塁の絶好機で巡ってきた第2打席、またも初球、益田(ロッテ)のシンカーにボテボテの投ゴロに打ち取られ、最後の打者に終わった。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1―2全パ、全パ2勝、松山)全パが九回、オールスターならではの豪華守護神リレーで接戦を制し、2連勝を飾った。1点リードの九回、まずマウンドに上がったのはソフトバンク守護神リバン・モイネロ投手(26)。全セ・小林(巨人)を4球目のカーブで見逃し三振に仕留めて、松井裕樹投手(26)=楽天=にバトンタッチ。同左腕は全セ・中野(阪神)をフォークで空振り三振に斬った。2死からはロッテ・益田直也投手(32)が登場。2連打を浴びてピンチを背負ったが、最後は全セ・佐野(DeNA)を投ゴロに打ち取って試合を締めた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)全セ・大野雄大(33)=中日=は2番手で三回から登板し、2回を投げて一人も打者の出塁を許さない完全投球で敢闘選手賞に選ばれ、100万円をゲットした。「完全投球ができたのは本当に良かった。中村捕手(ヤクルト)がいいリードをしてくれて、1球も首を振らずに投げられました」と振り返った。また、全パの先発だった佐々木朗(ロッテ)の投球については「すごかったですね。その後に投げる投手は大変ですよ。単純に(球が)えげつないですね。それ以上に表現しようがないですね。彼は野球界を支えていく選手。日本の、世界の宝。みんなを魅了できるような活躍をこれからもしてほしいと思います」と脱帽していた。

◆全セ・山田哲人内野手(30)=ヤクルト=は「3番・DH」で先発出場し、第1打席で佐々木朗(ロッテ)の158キロの直球を右前打にするなど、3打数1安打だった。「(佐々木朗は)やっぱりすごく速いと感じたし、今回は真っすぐだけだったけど、これがシーズンだったら変化球も投げるだろうし、改めてすごいピッチャーだなと感じました」と対戦を振り返った。鮮やかな右前打だったが、「そんなことよりも、すごいピッチャーだなという印象の方が刻まれた感じです」と令和の怪物の迫力を実感していた。自主トレなどで慣れ親しんだ松山での球宴に「やっぱり自主トレといい、スワローズのキャンプ地ですごくお世話になっていますし、そういう人たちの前でプレーできたというのは僕もすごく楽しめました」と笑顔で振り返った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1―2全パ、全パ2勝、松山)全セ・牧秀悟内野手(24)=DeNA=は六回の守備から途中出場。九回に球宴初安打となる中前打を放った。七回1死で迎えた第1打席は岸(楽天)から、左翼へあと一歩で本塁打だった大飛球を放つも左翼手・清宮(日本ハム)がファーストミットで好捕し左飛に倒れた。九回2死走者なしで迎えた第2打席、代わった益田(ロッテ)が繰り出した〝フラフラ投法〟に惑わされず、4球目をしぶとく中前に運んだ。山田(ヤクルト)、菊池涼(広島)らが時代を築いてきた激戦区のセ・リーグ二塁手部門でファン投票、選手間投票の双方で選出された牧。2年目で初のオールスター出場で、前日の先制犠飛による初打点に続き初安打も放ち、しっかりと結果を残した。初の球宴を終えた牧は「2日間ともに非常に楽しめましたし、普段関われない選手たちともすごくコミュニケーションが取れたので、自分にとってすごくいい2日間だったと思います」と語った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1―2全パ、全パ2勝、松山)全セの「5番・右翼」で出場した佐藤輝明内野手(23)=阪神=は一回1死満塁で佐々木朗希投手(20)=ロッテ=から先制の左犠飛を放った後は、3三振に終わった。今球宴は2試合でスタメン出場したが、5打数無安打4三振で1打点。球宴の通算成績は13打数1安打2打点で、2021年7月17日の第2戦(楽天生命)の二回に宮城(オリックス)から本塁打を放った後は9打席連続無安打となった。佐藤輝の一問一答は以下の通り。ーー2日間振り返って「いろいろな人と話すことができたし、プレーも楽しめたのでよかったかなと思います」ーー今回は牧(DeNA)や坂倉(広島)の同世代と話していた「野球の話もしましたし、プライベートの話もいろいろできたので、充実した2日間でした」ーー村上(ヤクルト)やセ・リーグの強打者がそろっていたが、学びになったことは「いろいろな話ができたので、自分のものにできるようにこれからも頑張っていきます」ーー佐々木朗との対戦はバットを折りながら「何とか前に飛んでくれという感じだったので、結果的に1点入ってよかったです」ーー選ばれたときも、佐々木朗と対戦して前に飛ばしたいと「そうですね(笑)それは達成できたので、満足です」ーー山本(オリックス)と対戦(三回に空振り三振)「いい球だったので、まだまだだなと思いました」ーーホームランダービー(楽天・浅村に1ー2で敗戦)。〝投手中野〟は指名「そうですね。最初はイヤって言ってましたけど、投げてくれてすごく感謝しています」ーー感想は「いやぁ~もう力はいりまくって、全然思うようにいかなかったですね。また出る機会があれば、経験として頑張りたいと思います」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)全パの11投手による継投は球宴最多記録を更新した。先発の佐々木朗(ロッテ)から1回ずつを投げ、九回は1死ごとに交代。モイネロ(ソフトバンク)と松井裕(楽天)が三振を奪い、最後は益田(ロッテ)が2安打されながら踏ん張って1点リードを守り抜いた。第1戦でも9人が投げ、5人が連投。2試合でのべ20投手が登板する異例の球宴となった。中嶋監督は「負担をかけるわけにはいかないので。(九回は)3人で順番を決めて投げてくれた」と説明した。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1―2全パ、全パ2勝、松山)全セの近本光司外野手(27)=阪神=は六回の守備から中堅に就き、途中出場ながら、2打数2安打と存在感を示した。七回は岸(楽天)から三塁内野安打、九回には益田(ロッテ)から中前打を放ち、今球宴は第1戦の2安打を含めて、5打数4安打と快音を連発した。3度目の出場となった球宴の通算成績は15打数11安打で打率・733。虎の〝お祭り男〟の一問一答は以下の通り。ーー球宴を振り返って「すごい楽しい球宴だったと思います」ーー最後の打席はホームラン狙っていた「ホームラン狙ったんですけどね。打球が上がんなくて。まあホームラン打つ練習してないんで、ここぞっていう時にホームラン打てるように練習しておきます」ーー対戦は叶わなかった佐々木朗(ロッテ)をベンチから見ていて「すごかったですね、でもよく真っすぐ勝負と分かっていて、セリーグ選手も打ち返すのもすごいなと感じました」ーー2日間で他の選手から得たものは「そうですねぇ(長考)。新しくっていうよりも、こうだと自分が思ってたことが、そう思うよねみたいなのは、(ヤクルトの)塩見さんと喋っていてありました。盗塁のことだったり、バッティングのことだったり」ーー後半戦のヤクルトに向けて「また後半(戦)始まって、また暑い夏なんで体調、体力しっかり万全にして最後まで乗り切れるようにしっかりとやっていきます」ーー2日間は楽しかったか「楽しかったですよ」ーー楽しく野球するのは原点「楽しく、真っすぐ勝負だけじゃないですけど、そういったところの真剣勝負。真剣勝負してくれるか分からないですけど、楽しく、シーズン中も同じような気持ちでやれるようにやっていきたいなと思います」

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1―2全パ、全パ2勝、松山)新型コロナ陽性のためコーチとしての出場を辞退した巨人・原辰徳監督(64)の代役で全セのコーチを務めた巨人・駒田徳広3軍監督(59)が球宴を振り返った。「(来る前は)正直、借りたきた猫だろうなと(笑)。代行という形でありがたくやらせていただきました。実際にやってみたら、そんなに借りてきた猫ってこともないなと自分では思いました。十分、楽しませていただきましたし、二十何年前のプレーヤーだった頃をすごく思い出すことができました」コーチとしてヤクルト・高津監督、阪神・矢野監督とともにベンチで戦況を見守った。原監督からは「威風堂々としてください」と代役を頼まれたという。普段は3軍で育成選手ら若手を指導しているだけに「ずっと3軍の選手たちばかり見ていて、『いいよ、いいよ、それでいいよ』となりつつあったが、これで『まだまだこんなもんじゃ駄目なんだ、上(のレベル)はすごいんだよ』ということも伝えられる。原監督に、いい絵を見せてもらった。いい画家になるためにはいい絵を見てこないと、という話も聞いたことあるので。そういう経験をさせてもらえて感謝したい」と今後の指導への収穫を口にした。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)親譲りのパワーで、子どもの頃から本塁打ばかり打っている? 全パ・柳田(ソフトバンク)が夏目漱石もビックリの?決勝弾。最優秀選手賞(MVP)に輝いた。「こんな日があるなんて、信じられない気持ちです」1-1の六回1死、昨夏の東京五輪でもチームメートだった全セ・岩崎(阪神)と相対した。1球目の外角直球を振り切ると、柳田らしい力強い打球が、左翼ポール際へ。パ・リーグの2連勝をけん引した。お立ち台でも柳田らしさが全開だった。「狙ってはいなかったんですけど」と言いかけると、ファンから「狙っていたんでしょ!」とヤジが飛んだ。すぐさま「はい、狙っていました!」と言い切った。球宴らしいやり取りでファンを喜ばせた。「少し詰まったんですけど、清宮選手のバットが素晴らしいバットだったので」MVPも本塁打も、2014年の第2戦(甲子園)以来。26日の第1戦(ペイペイドーム)では自主トレをともにする清宮(日本ハム)が平成以降では初となる球宴サヨナラ弾を放ち、試合を決めた。「清宮フィーバーにあやかりました」とバットを借り、放った決勝弾。ベンチで弟分も、自分が劇弾を放ったとき以上の笑顔を見せていた。「皆さんにいただいたMVPだと思います。最高の一日を過ごすことができました。これから後半戦、始まりますが、混戦のパ・リーグを抜け出せるように頑張ります」29日からは0・5ゲーム差に迫られている2位西武と3連戦(ペイペイドーム)。ここからは、また真剣勝負だ。ホークスの顔として、全てを背負って後半戦に挑む。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)「6番・一塁」でスタメン出場した全セ・大山(阪神)は、一回に佐々木朗(ロッテ)、三回に山本(オリックス)と対決し、2打数無安打。2戦4打数無安打で初の球宴を終えた。日本を代表する投手たちとの勝負を「本当に楽しい時間でした」と満足げに振り返り、首位ヤクルトとの3連戦から始まる後半戦に向けて「チームに戻ったら勝ちに貢献するだけなんで、また気持ちを切り替えてしっかりやりたい」と意気込んだ。

◆全パの佐々木朗希投手(20)=ロッテ=が球宴で初先発。右手中指を裂傷した前回登板から26日ぶりの実戦登板は1回3安打1失点だったが、2014年の大谷翔平(日本ハム)に並び、球宴の日本投手最速となる162キロを計測した。高卒3年目で初出場の夢舞台を「緊張したけど、楽しかった。ファンもいろいろなチームのユニホームを着ていて新鮮でした」と満喫した。初出場の球宴で爪痕を残した。満員となった坊っちゃんスタジアムの観客は佐々木朗が腕を振るたびに、ざわめいた。「期待されたストレート勝負をみせられた。スピードとして、160キロを出せたのは良かった」先頭・塩見(ヤクルト)への初球で158キロを出すと、2人目のウォーカー(巨人)への4球目で162キロを計測した(中前打)。2021年に巨人のビエイラが記録した163キロには及ばなかったが、14年に大谷翔平(現エンゼルス)がマークした、日本投手の球宴最速記録に肩を並べた。直球狙いの相手打者に3安打を許すなど1失点。計23球中、変化球は2球のみだった。「僕は変化球を投げたかったけど、サインが出なかった。松川のせいで打たれました。強打者ばかりなので、直球だけは無理です」とジョークを交えて苦笑いした。4月に史上最年少で完全試合を達成。1日の楽天戦で右手中指のまめがつぶれて出場選手登録を抹消されて以降、初の実戦登板だった。ぶっつけ本番で再発が心配されたが、どこ吹く風だった。初の夢舞台は「いつも対戦している選手と、チームメートとして戦うので、うれしい気持ちと緊張感がある」と臨んだ。第1戦では三塁コーチとして〝球宴デビュー〟。山川(西武)にテレビ中継でいじられた。山本(オリックス)、則本(楽天)ら、スター選手と親交を深め、大きな経験を積んだ。2012年、岩手県営球場で開催されたオールスター第3戦を生観戦した。東日本大震災の復興支援で被災者3000人が招待され、当時10歳の佐々木朗はスター選手たちのプレーにくぎ付けとなった。スタンドで胸を熱くした日から10年。〝令和の剛腕〟が、憧れた夢舞台で躍動した。(広岡浩二)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)縁の深い松山で、ヤクルトは塩見、山田、村上、中村、長岡の野手5人がスタメンに名を連ねた。「8番・遊撃」で先発した20歳の長岡は、二回1死の第1打席で球宴初安打となる右翼線二塁打を放ち「真っすぐ一本と決めて仕留められて良かった」と笑顔。コロナ禍の影響で、自身は秋季キャンプで松山を訪れた経験はないが「スタンドを見ても、ヤクルトのユニホームを着たファンの方が多い。その前で打てたのは、すごくうれしい」と声を弾ませた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)虎でも打ちまくるのに、球宴だとさらにとんでもない安打製造機に進化する。全セ・近本(阪神)が2安打を放ち、球宴通算打率は・733(15打数11安打)に上昇した。「すごい楽しい球宴だった。(九回の最終打席は)ホームランを狙ったんですけどね、打球が上がんなくて。ホームランを打つ練習してないんで、ここぞっていうときにホームランを打てるように練習しておきます」大舞台を満喫し、舌も滑らかだった。1-2の九回2死一塁から益田(ロッテ)の145キロを中前へ運んだが、第1戦の清宮(日本ハム)のサヨナラ本塁打を〝やり返す〟気概は十分だった。六回の守備から途中出場し、七回の第1打席に三塁内野安打。塩見(ヤクルト)と打撃や盗塁の話に花を咲かせ、佐々木朗(ロッテ)の投球には胸を躍らせた。「また後半(戦)が始まって、暑い夏なんで体調、体力をしっかり万全にして、最後まで乗り切れるようにしっかりとやっていきます」夢舞台をへて、気分一新。近本が後半戦も虎を引っ張る。(新里公章)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)全セ・中野(阪神)は六回の守備から途中出場。七回先頭と九回1死に打席が回ってきたが、いずれも凡退。前日に引き続き2打数無安打で、球宴初安打は来季以降に持ち越しとなった。「セパともに素晴らしい選手が集まっていたので、今年も楽しみながらいい経験をすることができました」。29日からの後半戦に向け「いいスタートが切れるように、自分がチームに勢いを与えられるように頑張りたい」と力を込めた。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)代替選手として2年連続出場となった全セ・岩崎(阪神)は六回に登板。全球直球勝負を捕手の小林(巨人)に伝えて挑んだが、1死から柳田(ソフトバンク)に初球を捉えられ、ソロを被弾し「悔しい」と振り返った。続くレアード(ロッテ)との勝負では右足を上げたまま数秒間静止するパフォーマンスを試みたが、球審から止められ「オールスターなので自分も何か(しよう)と思いましたが、止められてしまったので」と笑った。

◆令和の名勝負や!! 「マイナビオールスターゲーム2022」の第2戦が27日に行われ、全パが2―1で全セに競り勝ち、昨年から3連勝で通算成績を88勝80敗11分けとした。全セ・佐藤輝明内野手(23)=阪神=が一回に全パ先発の佐々木朗希投手(20)=ロッテ=と9球におよぶ対決を繰り広げ、先制の犠飛を放った。最優秀選手(MVP)には勝ち越し本塁打の柳田悠岐外野手(33)=ソフトバンク=が選ばれた。虎の怪物vs令和の怪物が松山の地で火花を散らした。意地と意地がぶつかり合い、魂の9球で繰り広げた新時代の名勝負。全セ・佐藤輝(阪神)は少しばかり悔しそうに、それでも手応えを感じつつ、左翼に飛んでいく白球を見つめた。「何とか前に飛んでくれという感じだったので、結果的に1点入ってよかったです」待ち望んでいたリベンジマッチは一回1死満塁の絶好機で実現した。全パの先発・佐々木朗(ロッテ)が投じた初球はいきなり160キロを計測。外角のボール球を冷静に見送り、佐藤輝は息を吐いた。160キロ前後の真っすぐにファウルで食らいつく。カウント3-2からの9球目。157キロの直球に最後の一押しを込めた。執念で白球を外野まで運び、セ唯一の得点となる先制の左犠飛。力と力の真っ向勝負にスタンドから割れんばかりの拍手が巻き起こった。「(対戦したいのは)佐々木朗希投手。(交流戦で)三振ばかりだったので前に飛ばせるように頑張ります」佐々木朗とは5月27日の交流戦(ZOZOマリン)で対戦し、3打数無安打2三振。球宴出場決定後の会見でも真っ先に名前をあげたのが令和の怪物だった。今回は宣言通り、〝前に〟飛ばして、「それは達成できたので、満足です」と笑った。「いろいろな人と話すことができたし、プレーも楽しめたのでよかったかなと思います」三回の第2打席は、山本(オリックス)の150キロの直球に、六回は水上(西武)の143キロのシュートにバットが空を切った。同学年の2人の〝由伸〟に連続三振に抑えられ、八回はドラフト1位同期の伊藤(日本ハム)の150キロの直球に手が出なかった。「まだまだだなと思いました」。同世代のエース・山本から喫した三振をそう振り返り、気を引き締め直した。3三振も勉強だ。牧(DeNA)や坂倉(広島)の同学年野手とは、打撃談議から私生活の部分までしっかりと話し込むことができた。ほかにも、セ界を代表するスラッガー・村上(ヤクルト)とのスイングを仲間としてベンチから見て、刺激を受けた。同世代の、これからの球界を背負って立つナインと話し、学び、戦ったかけがえのない2日間の経験を生かす。「いろいろな話ができたので、自分のものにできるようにこれからも頑張っていきます」29日から再び頂点を目指す戦いが始まる。甲子園で迎える相手は首位ヤクルト。再開初戦から大一番だ。令和の怪物と繰り広げた名勝負を後半戦でも-。佐藤輝が奇跡の〝ドラマ〟を球史に刻む。(原田遼太郎)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)この日は出番がなかった全セ・湯浅(阪神)は「バッターもフルスイングで来ていますし。昨日は投げていて楽しかった」と球宴を振り返った。栗林(広島)と変化球の握り方やケアの方法などを語りあい、「普段なかなか交流できない方たちと交流させてもらえてすごい勉強になった」。この日は母校の聖光学院高の甲子園出場が決定。「まだ優勝したことないので、優勝を目指して頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)宣言通りの〝朗希&由伸撃ち〟だ!! 全セの「4番・三塁」で先発出場した村上宗隆内野手(22)=ヤクルト=が一回に佐々木朗希投手(20)=ロッテ=から中前打。三回には山本由伸投手(23)=オリックス=から右前打を放った。球宴前に対戦を熱望していた2人の剛腕からの安打で、敢闘賞とマイナビ賞をダブル受賞。ヤクルトが秋季キャンプを開催している松山で燕の主砲が輝いた。試合は全パが2―1で勝利。後半戦はセ、パ両リーグとも29日にスタートする。力と力のぶつかり合い。これが球宴の醍醐味(だいごみ)だ。一回1死一、二塁。燕の主砲、村上と佐々木朗の対決が実現した。「めちゃめちゃ速くて、あれで変化球を投げられたらお手上げだなと。強い打球をセンターにはじき返せたのは良かったけど、欲をいえばホームランを打ちたかった。そこはミスショットかなと思います」熱気を帯びた坊っちゃんスタジアム。2万5230人の観衆が「令和の名勝負」に息をのんだ。カウント1―1からの3球目、160キロの直球に力負けせず、中前へはじき返した。2番・ウォーカー(巨人)への4球目で球宴の日本投手最速タイとなる162キロを計測した〝令和の怪物〟からの一打で、先制機を演出した。昨年6月10日に交流戦で初対戦し、右翼席へアーチを放った〝令和の怪童〟が夢の祭典で、またも打った。これだけにとどまらない。三回1死一塁の第2打席では山本と相まみえた。空振り後の2球目に、149キロの直球を右前打。球宴初本塁打はお預けとなったが、2019年の第2戦(甲子園)以来となる複数安打をマークした。球宴前日に福岡でトークイベントに参加した村上。2人を対戦したい投手に挙げ、「2人とも素晴らしいピッチャーなので、僕も負けないようにフルスイングしたい」と誓っていた。目標のMVPは逃したが、敢闘賞(100万円)と協賛社特別表彰のマイナビ賞(100万円)をダブル受賞。有言実行の〝朗希&由伸撃ち〟で満員のファンを魅了した。特別な思いでグラウンドに立った。第2戦が行われた松山は、ヤクルトが例年の秋季キャンプを行う縁深い地。村上自身も高卒1年目の秋に4番への土台を築いた思い出の場所だ。20、21年は新型コロナウイルスの影響などで実施できていなかっただけに奮い立っていた。野球伝来150年の今年、草創期に英語の野球用語を日本語に訳した俳人、正岡子規の出身地で新時代を引っ張る22歳が躍動した。あふれる思いは、野球の未来にも至った。「本当に野球は素晴らしいスポーツですし、僕たちもその魅力をどんどん伝えたい。10年後、20年後、今は小さい子供たちが世代を引っ張っていく存在になっている。野球の素晴らしさをこれから先、一緒に作り上げていけたらと思う」ヤクルト、そして日本球界の未来を背負う覚悟がある。リーグ連覇と球団初の連続日本一を狙うシーズン後半戦は、29日に始まる。(赤尾裕希)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)一球ずつ噛み締めるようにして腕を振った。球宴初出場の全セ・伊藤将(阪神)が華麗な3人斬りでピシャリと抑え、マウンドで白い歯を見せた。「いやー、ほっとしました。結構、真っすぐを強く投げられていたので良かったと思います。もう楽しかったです」1―1の五回に登板すると、先頭の松川(ロッテ)に対して直球を3球続け、最後はチェンジアップで空を切らせた。小深田(楽天)はカットボールで二ゴロ、清宮(日本ハム)は145キロで左飛に料理し、わずか11球でテンポよく三者凡退に封じた。2年目でこれが初の球宴出場。昨季は同期入団の佐藤輝、中野が出場したなかで、左腕は選出されなかった。「悔しかった。(NPB新人特別賞の)表彰は(3人で)一緒に行けて、オールスターだけですかね、一緒に行けなかったのは。今年は選ばれて良かった」。今季は4月上旬に新型コロナウイルス陽性判定を受けた影響で1カ月以上の戦線離脱を強いられたが、ここまで7勝2敗、防御率1・87と活躍。好投が評価され、他球団で出場を辞退した選手の代替として球宴切符をつかんだ。この日の試合前には、母校の横浜高がサヨナラ勝利で2年連続20度目となる夏の甲子園出場を決めた。「やっぱりうれしい」。そんな後輩たちの吉報に加え、自身は初めての球宴で他球団の選手と交流し、充実した時間を過ごせたことが後半戦への活力になった。「(球宴で)学べたというより、こういうすごい人たちとプレーできているんだなというのを噛み締めながら、後半戦もしっかり投げていきたい」リーグ戦再開後は8月3日の巨人戦(東京ドーム)で先発する見込み。今回の刺激的な経験を生かし、虎をさらに勢いづける投球を続ける。(織原祥平)

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)ファン投票、選手間投票で選出され、オールスター戦初出場を果たした全セ・牧秀悟内野手(24)=DeNA=が、本紙に独占手記を寄せた。27日の第2戦で球宴初安打を放つなど見せ場をつくったプロ2年目の二塁手は、一流選手の集う球宴で野球を始めた頃の原風景を呼び起こされたという。仲の良い佐藤輝明外野手(23)=阪神=らと楽しんだ夢舞台。そこで再確認した思いを胸に、今後のプロ野球人生を歩むことを誓った。バットを担いでベンチから一歩踏み出すと、何だか懐かしい思いが胸の中で膨らみました。小学校に入学したばかりの自分は、長野・中野市の少年野球チーム「キングアニマルズ」に所属していた兄(智也さん)についていき、そこで野球の魅力に取りつかれました。苦しい時に仲間と助け合い、勝利を分かち合い、たたえ合う。打って、投げて、走る、あの高揚感。初々しく純粋な気持ち。「野球は楽しい」。原点が、そこにありました。初めてのオールスター。経験豊富なベテラン、実績ある中堅、伸び盛りな若手...。どの選手も一流で、どの選手も野球を楽しんでいるのを肌で感じ、表情も印象的でした。だからこそ、原風景が呼び起こされたのだと思います。少年野球チームに入ってからチームメートと野球をするのが楽しくて、楽しくて。プロ入り後も、その感覚を心に留めています。球宴に出ていた選手も同じような気持ちで野球と向き合っている気がして、これからさらに野球を楽しんでプレーできるのでは、と思える2日間でした。18年前。6歳だった当時に地元・長野でオールスターが開催されたことを知ったのは、少し時が過ぎてからだったように思います。日本ハム・新庄監督がホームスチールを決めた試合です。映像では何度も見ましたが、球宴に出場する選手がなじみのある球場でプレーしていたことに、信じられない思いと、いつか自分もという思いが交錯しました。今後、長野で開催されるときがあれば絶対に凱旋(がいせん)したいです。試合前練習や試合中のベンチでは、佐藤輝明選手(阪神)と談笑する時間がありました。輝明とは大学3年の日本代表候補合宿で仲を深めました。同学年で同じセ・リーグ。チームの中軸を任される者同士、負けたくない思いは強いです。あれだけ打球を遠くに飛ばす力はありませんが、打撃トータルでは負けたくない。互いを認め合い、切磋琢磨(せっさたくま)していきたいです。会話は『今の打球、ハマスタなら入っていたよ』『甲子園だったらフェンス直撃だな』とか他愛もない内容です。輝明は面白くて、話していると楽しくなる。ですが...自分と話すとき以外は、まだ猫をかぶっている節があります。もっと面白さを世間に広められるよう、引き出していきたいですね。DeNAの4番として前半戦は苦しい時期がありました。チームの成績が上がらず、自分の成績もついてこない。チームを勝たせたい気持ちと、沈んだメンタル面が空回りし、自分らしくない日々が続きました。そういったときこそ、思い出そうと思います。「野球を楽しくプレーする」。初めてバットを握り、白球を握ったあの時。野球を始めた日から心の奥底にある、透明で純粋な原風景を「野球人・牧秀悟」の脳裏に刻んでおきます。 (横浜DeNAベイスターズ内野手)★この日の牧 第2戦は六回の守備から登場。七回1死で岸(楽天)から大きな飛球を放ったが、フェンス際で左翼・清宮(日本ハム)に好捕された。九回2死の第2打席では益田(ロッテ)の内角直球に詰まりながらも中前へはじき返し、通算4打席目で球宴初安打をマークした。26日の第1戦では一回に左犠飛を放って先制点となる初打点も記録。「普段関われない選手たちともコミュニケーションが取れた。すごくいい2日間だった」と笑顔で振り返った。

◆マイナビオールスターゲーム第2戦(27日、全セ1-2全パ、全パ2勝、松山)準備万端でした。「睡眠は十分です。高速艇の中でぐっすり眠れました。忙しくなっても大丈夫です」球宴取材に出張しているトラ番原田遼太郎です。ペイペイドームでの第1戦後、福岡市内の宿舎に戻ったときには日付が変わっていました。「福岡-松山の飛行機が満席で取れなかったんです。キャンセル待ちで乗れた人もいましたが、ドタバタするのが嫌だったので、朝7時に起きて新幹線で広島に移動して、宇品港からの高速艇を利用しました。岡山経由で在来特急で松山に行くより時間も早いし、運賃も安いんです」さすが広島育ち。何より快適だったのが宇品港から松山観光港までの高速艇だったそうです。「乗り過ごしの心配がないし、座席も新幹線並みにゆったりしていたので爆睡しました」松山到着後、瀬戸内海の景色を見ながら朝ご飯をゆっくり食べる時間も持てたらしい。ただ、計算外だったのがホームラン競争です。「全セの練習開始の午後3時半が開門でした。佐藤輝がライトスタンドの上段にポンポン放り込むので拍手がわき起こっていました。この球場は広い(両翼99・1メートル、中堅122メートル)とみんな言うんですが、佐藤輝が打っていると狭く見えます。期待できますよ」残念ながらホームラン競争は1回戦で敗退しましたが、一回に佐々木朗(ロッテ)から先制犠飛。練習中から表情が明るかったそうです。「にぎやかでした。村上(ヤクルト)と話して、ウォーカー(巨人)やビシエド(中日)にも囲まれていました。阪神でもロハスとマルテから『テル、テル』といつも話しかけられています。本人は『しゃべれないけどしゃべれてます』と言っています。人が集まってくるタイプ、性格なんだと思います」サブキャップ新里公章と、織原祥平、平野佑治の3人は、甲子園での全体練習が終わると編集局にあがってきて球宴をリモート取材。投手担当の織原は、開幕9連敗したころを振り返った金村投手コーチの話を報告してくれました。「『防御率0点台、1点台を目指して、自分のために、家族のために腕を振ってくれ。それがチームのためになるから』とはっぱをかけたそうです」金村コーチは、26試合に登板して防御率1・77の加治屋投手らの名を挙げて、「ああいう(ビハインドでの)起用ばかりになっているのが申し訳ないくらいのピッチングをしてくれている」と評価していたそうです。「うれしい悩みを抱えているみたいでした。みんながそういう投球をしてくれてきたから、チームが今のこの位置にいるんだと思います」セ・リーグファンのSNSがにぎやかです。第1戦の高橋(ヤクルト)は中5日なのになぜ1イニングだけ? 青柳(阪神)は中3日で、森下(広島)も中2日でなぜ回またぎ? 代替選手になぜ伊藤将と岩崎(ともに阪神)を選んだ?オールスターではそうしたこともいろいろ詮索されますが、織原が「うれしい悩み」と表現するくらい先発も中継ぎも充実している阪神なら大丈夫。球宴明けもきっと、みんなで頑張ってくれます。

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