阪神(☆1対0★)DeNA =リーグ戦16回戦(2022.07.24)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
00010000X1600
勝利投手:ガンケル(5勝5敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝3敗22S))
敗戦投手:濵口 遥大(4勝4敗0S)
  DAZN
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◆阪神は0-0で迎えた4回裏、大山の犠飛で1点を先制する。投げては、先発・ガンケルが6回無失点の好投。その後は3投手の継投でリードを守り、ガンケルは今季5勝目を挙げた。敗れたDeNAは、先発・濱口が試合をつくるも、打線が7安打無得点とつながりを欠いた。

◆DeNA浜口遥大投手(27)が、チームの前半戦ラストゲームとなる24日の阪神戦の先発マウンドに上がる。チームは現在、借金2で、三浦監督がチームの目標に掲げた前半戦までの「勝率5割以上」は逃したが、後半戦に向け、重要な一戦となる。勝てば、Aクラス入りがかかる一戦に向け、浜口は「いつもと変わらず、1人1人気持ちを込めて、自分のピッチングをしていきます」と決意を込めた。

◆阪神矢野燿大監督(53)が試合前に前半戦を総括した。春季キャンプ前日の1月31日に今季限りでの退任を表明して臨んだ就任4年目は、いきなり開幕9連敗するなど、どん底からのスタートとなった。開幕投手を任せた青柳晃洋投手(28)が新型コロナウイルス陽性となり回避。その開幕戦はヤクルトに7点差逆転負け。4月14日に中日戦に敗れ1勝15敗1分け。勝率6分3厘で、開幕17試合目で1勝はプロ野球初の屈辱だった。矢野監督は「めちゃくちゃ苦しい開幕のスタートから、よくここまで全員で持ってこられたなと思います」。最大借金16は前半戦1試合を残した時点で1まで減らした。「やっぱりあきらめないで挑戦して、チーム全員で戦って、ピンチをチャンスに変えて戦ってきた結果かなと思います」と、ナインをほめた。前半戦の投打のMVPを問われると「野手は近本と中野かな」と2人の名前を挙げた。「この2人が当たり前のように試合に出て、その中で機能してくれて。中野が1番にいって思い切りが出るようになったし、近本も3番でもしっかりやってくれているので非常に助かっています」と話した。投手では「ヤギ(青柳)とスグル(岩崎)かな」と、3週間出遅れながら11勝1敗と10個の貯金をチームにもたらした青柳とスアレス退団で守護神となった岩崎をMVPに挙げた。

◆阪神が5割ターン&自力V可能性の復活をかけ、前半戦ラストゲームに挑む。阪神デビュー戦から2試合連続タイムリーを放っている新外国人のアデルリン・ロドリゲス内野手(30=パドレス3A)が、「7番一塁」で2試合連続スタメン出場する。3試合連続安打で勝利に導けるか。阪神先発はジョー・ガンケル投手(30)。前回17日の中日戦は8回1失点の好投で4勝目を挙げており、チームを3連勝に導く好投に期待がかかる。この日、阪神が勝利、もしくは引き分けなら、首位ヤクルトの結果次第で自力優勝の可能性が復活する。最大16あった借金は1にまで減っており、今季初の5割到達なるか。

◆DeNA細川成也外野手(23)が、「7番左翼」でスタメン出場した。前夜の阪神戦の6回に代打で起用され、阪神伊藤将から今季初安打となる1号ソロを放った。三浦監督は「本人もヒットが出ず、モヤモヤしてたと思いますけど、今日の1本で明日以降変わってくるかなと思います」と期待していたが、早速チャンスを与えられた。

◆DeNA戸柱恭孝捕手(32)が、阪神バッテリーの意表を突くセーフティーバントで出塁した。0-0の3回無死、初球の142キロを三塁前に絶妙に転がし、一塁へ全力疾走した。浜口の犠打で二塁に進塁。蝦名の右飛の間に三塁を陥れた。得点にはつながらなかったが、阪神バッテリーに重圧をかけた。5回の2打席目には2ストライクから、詰まりながらも右前に落とし、マルチ安打とした。

◆阪神浜地真澄投手(24)が3者連続三振の投球を見せた。1点リードの7回に2番手で登板。細川を149キロの直球で空振り三振に斬ると、戸柱には直球を外角へと投じて見逃し三振。代打山下との対決では、カウント1-2から4球ファウルで粘られたが、最後まで集中し、137キロの変化球で見逃し三振。16球にも及んだ勝負は浜地に軍配が上がった。球場に駆けつけたファンも右腕の好投に大きな拍手を送った。

◆阪神がDeNAとの接戦を制し、ついに前半最終戦で今季初めて借金を完済した。4回に奪った虎の子の1点を守り抜き、今季13度目のゼロ封勝ち。同一カード3連勝で勝率5割&Aクラスターンを決めた。両軍無得点の4回、先頭山本、近本が連打でチャンスメーク。佐藤輝が進塁打となる一ゴロで1死二、三塁とすると、大山がDeNA浜口の高め143キロ直球を捉え、ライナー性の打球はセンターへ。中犠飛で貴重な先制点を奪取した。投げては先発ガンケルが6回6安打無失点と好投し、今季5勝目をもぎ取った。3、4、5回と得点圏に走者を進めながらも、要所を切り抜けホームを死守。7回からは浜地、湯浅、岩崎と勝利の方程式が無失点リレーでつなぎ、勝利に大きく貢献した。阪神は開幕9連敗スタートが尾を引き、借金は最大16まで膨らんだ。どん底からはい上がり、最高の形で前半戦を締めくくった。

◆DeNA山下幸輝内野手(29)が、スタンドが異様な雰囲気に包まれる中、16球粘った末に見逃し三振に倒れた。1点ビハインドの7回2死から代打で登場。3球でカウント1-2と追い込まれた後、懸命にファウルで粘ったが、最後は変化球に手が出なかった。10日の巨人-DeNA戦では、重信がエスコバーから16球粘った末に左前打。息詰まる勝負にスタンドから大きな拍手が起こった。

◆DeNAが、阪神に無失点リレーを喫し、同一カード3連敗で前半戦を終了した。打線は再三、阪神先発のガンケルを攻めながら、6回を無得点。7回以降は浜地、湯浅、岩崎の継投の前に沈黙した。先発浜口が6回1失点と好投したが、打線の援護に恵まれず、今季4敗目を喫した。ヤクルトが勝ち、自力優勝も消滅。借金3、4位で前半戦を折り返した。▽DeNA浜口(6回1失点の好投も4敗目)「全体的には悪くなかったのですが、連敗している中で先制点を与えてしまったところは何とかしたかったです」

◆阪神がDeNAとの接戦を制し、ついに前半最終戦で今季初めて借金を完済した。4回に奪った虎の子の1点を守り抜き、今季13度目のゼロ封勝ち。同一カード3連勝で勝率5割&Aクラスターンを決めた。阪神が、今季最大16あった借金を完済した。4月21日DeNA戦に敗れ、3勝19敗1分けで借金16に到達。ここから43勝27敗1分け、勝率6割1分4厘の快進撃でついに勝率5割へと押し戻した。借金16以上から勝率5割に戻したのは10年ヤクルト(最大借金19)以来5例目で、阪神は66年(最大借金19)に次いで2度目。借金16以上を2度も完済したのは阪神が初めてだ。4月23日に再び借金16となって迎えた同24日以降の阪神は、投手陣が健闘。69試合のうち半分以上の38試合を2失点以下に抑え、この間のチーム防御率が2・10。圧倒的な投手力がチームを押し上げた。阪神が借金16以上を抱えたシーズンは過去19度。前回返済に成功した66年は、8月14日広島戦に負け、34勝53敗2分けで借金は19にまで膨らんだ。次戦から29勝10敗3分けの勝率7割4分4厘と突っ走り、完済に成功。10月7日広島戦ダブルヘッダー第2試合に勝ち、ついに貯金1とした。もっともこの後3連敗し、最後は借金2で閉幕した。

◆DeNAが、阪神の前に0封負けを喫し、3試合合計でわずか4得点と沈黙した。初戦は青柳に6回まで楠本のソロのみの1点、2戦目は伊藤将に7回まで代打細川のソロのみの1点で、この日は無得点。3試合ともに適時打は1本も出なかった。7月は打率3割6厘、3本塁打と好調だったソトが新型コロナウイルスに感染でチームを離脱。佐野を一塁に入れ、左翼には日替わりで楠本、関根、細川を入れたが、厳しい戦いを強いられた。三浦大輔監督(48)は「形は何とか作りながらもね...。クリーンアップの前にランナーを置きたかったんですけど...」と悔しさをにじませた。

◆投手陣の0封リレーで前半戦で最大「16」あった借金をすべて完済した。先発ジョー・ガンケル投手(30)が6回6安打無失点でリリーフ陣にバトンを渡した。2番手浜地真澄投手(24)は3者連続三振で7回1イニングを無安打無失点。3番手湯浅も8回を難なく抑えて、最後は岩崎優投手(31)が登板。試合を締めて22セーブ目を挙げた。今季14度目の0封勝ちでDeNAに3連勝した。お立ち台に立った、ガンケル、浜地、岩崎の一問一答は以下の通り。-大事な一戦だったガンケル「3連勝に向けてチームの勝利に貢献できるような投球をしたいと思ってマウンドに立ちました。3連勝がかかった大事な試合でしたし、オールスター前最後の投球だったので、しっかりと良い投球ができてよかった」-粘投だったガンケル「1球1球集中して投げました。なんとか粘り強く投げることができて、梅野選手のいい配球と後ろの守備もあって粘ることができた」-うしろには信頼できる中継ぎ陣ガンケル「自分たちの後ろには良い中継ぎ陣がいるのは分かっていたので、しっかり6回を投げ切って、こういう風に勝って本当にうれしいです」-今季初のお立ち台浜地「最高です! 」-どんな思いでマウンドへ浜地「ガンケルが最後に良い投球をしていたので、僕も鮮度の良いピッチングをしようと思いました」-圧巻3K浜地「鮮度が落ちる前に投げ抑えたいと思っていたので、なんとか粘れました」-浜地だけに鮮度大事浜地「はい! 鮮度を保つように意識しています」-7回の勝ちパターンを担っている浜地「大事な所をまかしてもらっているので、本当に責任をもって投げています」-最後しっかり締めた。今どんな気持ちですか岩崎「勝つことができてよかったです」-今季は守護神として前半戦を駆け抜けてきた。振り返って岩崎「ランナーをよく出すので、みなさん不安な気持ちで見ていると思いますが、何とかホームは踏ませないようにと思って頑張ってます」-今日もしっかり0点。今季はリリーフ陣が非常にいい働きをしている岩崎「どの投手が出ても抑えられるというくらい、みんないい状態でやっているので、負けないようにと思って、みんないいピッチングができていると思います」-これで勝率5割です岩崎「まだまだ試合ありますし、ここからがまたスタートだと思って、1戦1戦頑張っていかないといけないと思います」-後半戦へ向けて岩崎「浜地選手のように、たくさん三振を取れるように頑張っていきます」

◆DeNAが、阪神に同一カード3連敗を喫し、再び自力優勝が消滅した。2日にヤクルトに敗れ、自力優勝が消滅。しかし14日の広島戦に勝利し、自力優勝が復活していたが、この日の敗戦で再び消滅し、ヤクルトにマジック41が再点灯した。三浦大輔監督(48)は「それはなくなったり、また出てきたりしますから。借金3で前半戦を終えた事実がありますから、そこを返していかないと」と話した。

◆阪神が1点を守り切り、今季14度目の0封勝ちで3連勝。46勝46敗2分けで勝率5割とし、広島と2位タイで前半戦を終えた。開幕9連敗など開幕から歴史的低迷を続け、最大16あった借金を完済した。矢野燿大監督(53)は試合後、「後半ドラマを起こす舞台が整った」と話した。一問一答は以下の通り。(テレビ)-見事な3連勝矢野監督 「いや、もう最高です」-DeNA先発浜口の好投が続く中、きょうも5番の大山が4回に先制の中犠飛と、いい仕事を矢野監督 「そうですね、なんとかかえそうというね、そういう気持ちに徹した素晴らしいバッティングだったと思います」-先発のガンケルは6回無失点矢野監督 「いやもう、コントロールもよかったですし、前半から飛ばしていくっていう気持ちがしっかり出て、チームのリズムというのをしっかり作ってくれたんでね。一番の勝因はガンケルかなと思います」-きょうも浜地、湯浅、岩崎と勝利の方程式がしっかりと仕事を矢野監督 「あしたからオールスターブレークにも入りますし、この試合絶対取るんだというところでね。ガンケルもまだ余裕あったんですけど、浜地で行こうということで、はい、勝負に出ました」-借金16あった前半戦だが、前半戦のうちに5割に戻した矢野監督 「いやまあ本当にね、3月、4月から考えたらここまで来られるというのはね、簡単に想像できるわけではなかったですし。3月、4月苦しかったのでね、そういうところでは、そういう時期でもファンのみなさんが応援に来て下さいましたし。そのおかげもあって後半ドラマを起こす舞台が整ったと思うので。ここから本当のドラマを起こすにはまだまだみなさんがドラマを信じてくれて、そして僕たちがそのドラマを起こすんだという気持ちをさらに高めた後半にしていかないとダメなんでね。そういうところでは本当に、絶対に5割にしたい試合でこうやって勝ちきってくれたというのはうれしいですし、タイガースファンのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」--5割で後半戦スタート。首位ヤクルトとは11ゲーム差があるがどう戦う矢野監督 「首位のヤクルトとの差を考えるというよりも、これは常々言っていますけど僕たちの戦いをどれだけできるか。そのドラマを信じた中で貫けるか。そういうことが1番大事だと思っているんで。是非、ドラマを起こしたいと思います」(囲み)-山本が3連戦でいい仕事矢野監督 「そうやね。ラッキーボーイ的な存在にはなってくれたかなと思います」-3つ取ると決めて、みんなで3連勝を決めた矢野監督 「勝負どころっていうのは今まででも、もちろんやしこれからもあるし。まあでも前半戦の絶対取りたいっていう勝負どころで、こうやって結果として残せたっていうのは、チームとしてもさらなる自信にしていけると思うしね。もっと言えば、さっき話したように苦しいときからあきらめずにこうやってみんなで戦った結果が、ここに出たんでね。それを自信に戦える、後半戦につながる3連戦にできたかなと思います」-ガンケルにまだ余力がある状況でも、浜地に任せた矢野監督 「いやあ、もちろんね。経験は浅いけど、そういうところで浜地でいきたいと思わせてくれるような投球をしてくれているし。そこにいってふさわしい投手だと俺も判断しているんでね。そういうところでは多少の迷いはあったけど、7回からは浜地でいこうと思っていました」-2死からあれだけ粘られても三振に斬った。そのあたりも成長矢野監督 「うん、まあね。投げていく中で技術的にもそうやし、気持ちの部分でも、もちろん成長しているし。ほんとにまだまだ一気に成長できるところにいると思うんでね。まだ成長の過程なんで。でも頼もしく思っています」-守りでは近本が前日に続き美技矢野監督 「いやあ、ねえ、先頭であれが(中前に)ポテンって落ちると全然違うんでね。まあ、球際っていうところでしっかりあれを捕ってくれたっていうのは、チームを救ってくれたと思います」-ああいうプレーも前に前にというところがいい方向に矢野監督 「迷って、いったプレーは次に絶対につながるけど、迷っていかないプレーは成長がないので、それはチームでも、ずっと4年間言い続けてきているし、まあ、時にはというのもミスした時にあれがよかったよとはオレも言いにくいけど。でも、心の中では、次取り返してくれたらいいと思っているし。挑戦した結果のミスっていうのは、それは俺は受け止めて、でまた背中を押して、またチャレンジしていこうっていう野球をしていかないと。みんなの成長ないんで。そういうところではみんながそういう意識、シーズンの中で何回かそういうものが出るけど、そのたびにみんなで確認して、そういう話を俺もしているし、コーチもみんな背中を押してくれているので、みんな意識の中での確認はしてくれているとは思います」-5割に戻して何日間かの過ごす気分も変わる矢野監督 「オールスターもたくさん呼んでもらっているんで。俺も野球を楽しむことにも挑戦しているけど、実際になかなか目の前の結果やプレッシャーもあるし、楽しむって簡単なことじゃないけど、オールスターはそういう部分では本当に子どもの頃に戻ったように目の前の投手、打者に勝負したい、自分のセールスポイントをアピールできるような場所だから。オールスターに行くやつはね、そういう意味では思い切り、自分のために楽しんでくれたら。残っているメンバーはまだまだずっと言っているけど、全員で戦うのがタイガースの野球なんで。そういうところでは1人でも2人でも今よりもっとよくなるような過ごし方のブレークにしてくれたら」

◆阪神が勝率5割ターンを決めた! 前半最終戦のDeNA戦(甲子園)は、大山悠輔内野手(27)の犠飛で挙げた1点を4投手の継投で守り切った。開幕9連敗など借金は最大「16」まで膨らんだが、奇跡ともいえる前半戦での借金完済。広島と同率2位に浮上した。今季限りでの退任を公表している矢野燿大監督(53)は「後半、ドラマを起こす舞台が整ったと思う」と球宴後の熱い戦いをにらんだ。3万4085人の大拍手が心地いい。ナインをベンチ前で出迎えた矢野監督が、喝采を全身に浴びる。3連勝で最大16あった借金をついに完済。奇跡の5割ターンに甲子園のボルテージもマックスだ。矢野監督 3月、4月から考えたらここまで来られるというのはね、簡単に想像できるわけではなかった。後半、ドラマを起こす舞台が整ったと思う。主演は大山だ。4回1死二、三塁。浜口の143キロを芯で捉え、中犠飛で1点を先取した。「なんとか先制点を、と思っていた。最低限ですが仕事ができてよかった」。5回2死二塁では桑原の左前打を素早く処理し、二塁走者の生還を許さず。ロドリゲスの加入で左翼に回る背番号3は「試合が始まったらしっかりやるだけ。練習から準備はしている」。セリフは謙虚で、力強い。悪夢の開幕9連敗。台本通りにいかなかった日々はもう、過去のことだ。6月以降は26勝13敗1分け。「誰1人諦めている選手はいない。これからもっともっと上を目指して頑張りたい」。6月10本塁打で逆襲の先頭を走ってきた男が、チームの総意を代弁した。今シーズン限りで退任を表明している矢野監督のラストシーズン。ひと山もふた山も乗り越え、2位タイに浮上。首位ヤクルトに11ゲーム差も、虎の目は死んでいない。矢野監督 ここから本当のドラマを起こすには、(ファンの)みなさんがドラマを信じてくれて、僕たちが「ドラマを起こすんだ」という気持ちをさらに高めた後半にしていかないとダメ。ヤクルトとの差を考えるというより、僕たちの戦いをどれだけできるか。ドラマを信じた中で貫けるか。ぜひ、ドラマを起こしたいと思います。残り49試合。筋書きのないドラマを連発し、奇跡のストーリーを完結させる。【中野椋】阪神が、今季最大16あった借金を完済した。4月21日DeNA戦に敗れ、3勝19敗1分けで借金16に到達。ここから43勝27敗1分け、勝率6割1分4厘の快進撃でついに勝率5割へと押し戻した。借金16以上から勝率5割に戻したのは10年ヤクルト(最大借金19)以来5例目で、阪神は66年(最大借金19)に次いで2度目。借金16以上を2度も完済したのは阪神が初めてだ。4月23日に再び借金16となって迎えた同24日以降の阪神は、投手陣が健闘。69試合のうち半分以上の38試合を2失点以下に抑え、この間のチーム防御率が2・10。圧倒的な投手力がチームを押し上げた。阪神が借金16以上を抱えたシーズンは過去19度。前回返済に成功した66年は、8月14日広島戦に負け、34勝53敗2分けで借金は19にまで膨らんだ。次戦から29勝10敗3分けの勝率7割4分4厘と突っ走り、完済に成功。10月7日広島戦ダブルヘッダー第2試合に勝ち、ついに貯金1とした。もっともこの後3連敗し、最後は借金2で閉幕した。阪神が46勝46敗2分けの勝率5割で前半戦を終えた。球宴前を5割以上で終えたのは、昨年の5割9分3厘に続き2年連続。またAクラスでのターンは、17年以来5シーズン連続だ(20年は球宴の開催なし)。阪神の完封勝利は今季14度目。年間21度に達するペースで、70年22度以来52年ぶりの20度超えも狙える。なお2リーグ分立後の阪神のシーズン最多完封勝利は32度。○...佐藤輝がリーグトップ28本目の二塁打で前半戦を締めくくった。2回にDeNA先発浜口の143キロ直球を左中間へ飛ばし、2位のヤクルト山田と5本差とした。背番号8は17日から早出特打に参加し、その日の中日戦から全試合で安打を放っている。「しっかり練習してもっと打てるように頑張りたいと思います」と話していた主砲が後半戦でも安打を量産していく。○...近本がまたも美技を見せた。1点リードの6回。DeNA牧の中堅への浅いフライに猛ダッシュし、最後はスライディングキャッチ。前日23日も嶺井の打球を頭から飛び込みこむスーパープレーを披露していた。試合前、矢野監督は中野とともに前半戦の野手MVPに近本を選び「全試合フルイニングで出てくれていますし。3番でもしっかり近本らしくやってくれている。非常に助かっています」と称賛した。

◆阪神が「勝利の方程式」で虎の子の1点を守り抜った。最後を締めたのは守護神岩崎優投手(31)だ。1死から宮崎に右前打を許すも、大和、代打嶺井をフライアウトに打ち取り、今季14度目のゼロ封勝利を決めた。お立ち台では開口一番「勝つことができてよかったです」とおなじみのフレーズを言い放ち、虎党を湧かせた。岩崎はこれでリーグ単独3位となる22セーブ目。開幕守護神ケラーが不調で、シーズン途中からクローザーに指名された。前半戦を振り返り「ランナーをよく出すので、みなさん不安な気持ちで見ていると思いますが、何とかホームは踏ませないようにと思って頑張ってます」と自虐を挟んで笑いを誘った。7回を託された浜地は圧巻の投球をみせた。先頭細川を低めの149キロ直球で空振り三振。戸柱を見逃し三振に斬ると、代打山下にファウルで粘られながらも16球目、外角低めに変化球を決め見逃し三振。3者連続三振で流れを渡さなかった。名前が「ハマチ」だけに「"鮮度"が落ちる前に抑えたいと思っていた。こういう名字なので、いじってもらえたらうれしいです」と笑顔をみせた。ガンケル続投の可能性もあった中、首脳陣は7回から継投策に踏み切った。矢野監督は「『この試合、絶対取るんだ』というところで、浜地で行こうと。勝負に出ました」と説明。「技術面、気持ちの部分でも成長している。まだ経験は浅いけど、頼もしく思っています」と目を細めた。「8回の男」湯浅は上位打線を注文通りの3人斬りで9回に流れをつないだ。27ホールド、28ホールドポイントはともにリーグ単独トップ。後半戦に向けて「もっともっと全員で力を合わせて断トツのヤクルトを大逆転できるように頑張っていきたい」と力強く宣言した。チーム防御率12球団トップの2・57を誇る鉄壁の投手陣が、後半戦も逆襲を支えていく。【古財稜明】○...ガンケルが6回6安打無失点で5勝目を挙げた。初回3者凡退でテンポよく立ち上がると、1点リードの5回2死一、二塁では佐野を直球で右飛。1点を守って中継ぎにバトンタッチした。「6回中4回が先頭を出してしまった中、1球1球丁寧に投げる気持ちだった。自分の課題としていた2ストライク後の制球がしっかりできていたことが大きかったと思います」。この日は母も来日して観戦。ヒーローのぬいぐるみを贈るなど、家族にとってもかけがえのない1日となった。○...梅野がDeNA3連戦すべてにフル出場し、投手陣をけん引した。「ピンチでも自分のイメージどおりに配球できたので、それが成功という結果になった」と納得顔。後半戦に向けて「5割に持って来られたのはうれしく思うし、これからのスタートという気持ちで後半の開幕を迎えたいです」と笑顔だった。

◆DeNAは無失点リレーで阪神に同一カード3連敗を喫し、再び自力優勝が消滅した。先発浜口は6回1失点と好投したが、打線の援護がなく、今季4敗目。3試合合計で4得点で、適時打は1本もなかった。借金3、4位で前半戦が終了。三浦監督は「結果としてしっかり受け止めて、後半戦みんなで気持ちを1つにしてやっていきます」と前を向いた。

◆阪神・矢野燿大監督(53)が試合前に前半戦総括会見を行った。開幕からまさかの9連敗を喫し、17試合消化時点で「1勝15敗1分け」という歴史的低迷を味わったが、7月23日時点では45勝46敗2分けの3位と巻き返し、勝率5割ターンも目前としている。率直な現在の心境を明かした。「いやもうめちゃくちゃ苦しいね、開幕のスタートから、よくここまで全員で持って来られたな、というのが正直なところです。あきらめないで挑戦して、チーム全員でピンチをチャンスに変えて戦ってきた。みんなが苦しくて苦しくてね、あきらめそうになったところでもそうやってやってくれた結果かなと思っています」今季限りでの退任をキャンプイン前日の1月31日に明言し、集大成と位置付けて臨んだシーズン。その前半だけで壮絶なジェットコースターのような日々を味わった。前半戦の投打のMVPを問われると、野手では近本と中野の名を即答し「この2人が当たり前のように試合に出て、その中で機能してくれて、というのがやっぱり僕たちの野球」と胸を張った。投手では、結果だけでなく姿勢でも若手の手本となっている青柳と岩崎の名前を挙げた。首位ヤクルトまではまだ11ゲーム差あるが、自信を深めて後半戦へ挑む。「ミスは絶対起こるんでね。でもそのミスを取り返すような選手たちを、やっぱりこれからも背中を押していきたい。やっぱり奇跡を信じながら、ドラマを作れるよう自分たちを信じながら戦っていくというのは、後半戦、必要になっていく」矢野虎が戦うのは、泣いても笑ってもレギュラーシーズン残り50試合。ドラマを起こす、イメージはできている。

◆阪神・矢野耀大監督(53)が試合前、前半戦を総括した。4月23日のヤクルト戦(神宮)で敗れた際に背負った最大借金「16」も「1」に減少。後半戦に向けて、熱く意気込みを語った指揮官の一問一答は以下の通り。ーーまだ試合を残しているが、前半戦の総括を「いやもうめちゃくちゃ苦しいね、開幕のスタートから、よくここまで全員で持って来られたな、というのが正直なところです」ーー要因は「この4年間ずっと『やり方よりあり方、という部分が大事じゃないか』って。今の野球生活をよくするためにも、これからの野球人生をよくするためにも、ずっと必要なことは、やっぱりあきらめないとか、挑戦するとか、失敗から学ぶとか、そういうモノが僕ら野球人にとっても大事なところ。苦しい開幕のスタートになっても、あきらめないで挑戦して、チーム全員で戦って、ピンチをチャンスに変えて戦ってきた。そういうものが、みんなが苦しくて苦しくてね、あきらめそうになったところでも、そうやってやってくれた結果かなと思っています」ーー投打でMVPを挙げるなら、まず野手は「近本と中野かなと思っています。(近本は)全試合フルイニングで出てくれていますし。目立つとなると打点を挙げたり、ホームランを打ったりという選手が目立つ試合が多いかもしれないですけど、この2人が当たり前のように試合に出て、その中で機能してくれて、というのがやっぱり僕たちの野球なので。野手はその2人かなと思います」ーー投手は「数字からいってヤギが、開幕ちょっとスタートが遅れましたけど、数字的にも1人で貯金10個ですから、ヤギになると思います。もう1人は岩崎を。若いピッチャーも増えたんで」ーー前半戦のブルペン陣は「浜地、湯浅を勝ちパターンにも入って来られるような能力は高いものは持っている評価をしていました。経験から学んでいくという、成長してきてくれるという感じはします」ーー後半戦の課題「負ければエラーやミスだったり、打てなかったり、いろいろあると思うんですけど、欠点を見るよりは、自分たちの野球を見つめていきながら、挑戦していきながら。ミスは絶対起こる。そのミスを取り返す選手たちを、これからも背中を押して行きたいです。あれはだめ、これはだめって言うんじゃなくてね。こうやったら良くなるよとか、こうやったら面白いプレーになるよっていう、その域まで行ってくれたらね」(さらに続けて)「奇跡を信じながら、ドラマを作れるよう自分たちを信じながら戦っていくのは後半戦必要になっていくと思う。選手の背中を押すことをコーチ、みんなを含めてやっていけるのは後半には必要かなと」ーー後半戦でドラマを作るためのキーマンを挙げるなら「まあキーマンについてはよく言われるんですけど、一人でキーマン、結果的にキーマンといっても、なかなかそういうふうにはならないので、ある意味、僕はファンのみなさんを巻き込んでいくことかなと。本当にみなさんが僕らのドラマを信じてくれて、奇跡を信じてくれて、それを僕たちもパワーにかえて。僕たちもそこから上げていく。そういう期間が作られた時に、最終的に誰かがあいつキーだったと思うんですけど、僕たちがこっから上がっていくためには、誰か一人では勝てるチームではないので、チーム全員で戦うところが僕ら目指すところ、到達できるところだと思っているので。今ね12球団一のファンのみなさんに球場で応援してもらってますし、すごい応援していただいてますけど、ここからさらにみなさんの応援が僕たちのパワーに変わっていけるので、そのあたりをまたお願いしたいと」

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神の新外国人、アデルリン・ロドリゲス内野手(30)=前パドレス3A=が「7番・一塁」で2試合連続のスタメン出場となった。1軍昇格から2試合連続安打&打点と救世主となるべくやってきた助っ人が、前半戦最後の一戦で、チームを勝率5割に導く。

◆阪神が大山悠輔内野手(27)のバットで先制した。「打ったのはストレート。ガンケルが粘り強く投げてくれていましたし、何とか先制点をと思っていたので、最低限ですが、仕事ができてよかった」。0-0の四回、先頭の山本が左前打、近本が三塁強襲の内野安打、佐藤輝の一ゴロで二、三塁となった後、大山が中犠飛を放ち、先制した。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)は6回無失点。今季5勝目の権利を持って降板した。序盤から丁寧にコーナーを突く投球で二回には先頭の牧に左前打を放たれ、この日初めて出塁を許すが、続く宮崎、大和を連続三振。細川も三ゴロに抑え切り抜けた。以降も走者を出しながらも粘り、先発の役割を果たした。「ランナーを出す機会が多くなってしまったけど、全体を通して低めに集めることができたし、うまく打たせて取ることができた。梅野選手も自分の良さを十分に引き出すような配球をしてくれたので、感謝したい」とコメントした。

◆阪神は四回に大山の中犠飛であげた1点を守り切り勝利した。先発のガンケルは序盤から丁寧にコーナーを突く投球で6回無失点。今季5勝目を手にした。バトンを受けた中継ぎ陣も、浜地-湯浅-岩崎の盤石リレーで相手を寄せ付けなかった。最大「16」あった借金を前半戦最後の試合でついに完済。目標にかかげていた勝率5割ターンを決めた。

◆阪神が同一カード3連勝で勝率5割ターンを決めた。四回、大山悠輔内野手(27)の中犠飛で挙げた1点を6回無失点で降板したジョー・ガンケル投手(30)から浜地真澄投手(24)、湯浅京己投手(23)、岩崎優投手(31)の無四球継投で守り抜いた。4月23日のヤクルト戦(神宮)で敗れて背負った最大借金「16」(4勝20敗1分)を完済した。ヤクルトに再び優勝マジックが点灯したが、チームは2位タイに浮上した。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績46勝46敗2分、観衆3万4085人)。ーー見事な3連勝「最高です」ーー5番の大山がいい仕事「何とかかえそうという気持ちに徹した素晴らしいバッティングだったと思います」ーーガンケルは「コントロールもよかったですし、前半から飛ばして行く気持ちがしっかり出て、チームのリズムを作ってくれたんで、一番の勝因はガンケルだと思います」ーー浜地、湯浅、岩崎とつないだ「明日(25日)からオールスターブレークに入りますし、この試合を絶対に取るんだ、というところで、ガンケルにまだ余裕はあったんですが、浜地で行こうということで、勝負に行きました」ーー前半戦は負け越しが「16」あったが、勝率5割「本当に3月、4月のことを考えれば、ここまで来れるというのは簡単に想像できたことではなかったですし、3月、4月は苦しかったんで、そういう時期でも、ファンのみなさんが球場に応援に来てもらいましたし、そういうお陰もあってね。後半、ドラマを起こす舞台が整ったと思う。ここから本当のドラマを起こすには、まだまだ、皆さんがドラマを信じてくれて、そして僕たちがドラマを起こすんだという気持ちをさらに高めた後半にして行かないとダメなんで、絶対に5割にしたい試合で勝ち切ってくれたのは本当に嬉しいですし、タイガースファンのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」ーーヤクルトとは、まだ差がある「首位ヤクルトとの差を考えるということよりも、常々言っていますが、僕たちの野球をどうやって出来るか。ドラマを信じた中で、貫けるか。そういうことが一番大事だと思っているんで、全員でドラマを起こしに行きます」

◆阪神が同一カード3連勝で勝率5割ターンを決めた。四回、大山悠輔内野手(27)の中犠飛で挙げた1点を6回無失点で降板したジョー・ガンケル投手(30)から浜地真澄投手(24)、湯浅京己投手(23)、岩崎優投手(31)の無四球継投で守り抜いた。4月23日のヤクルト戦(神宮)で敗れて背負った最大借金「16」(4勝20敗1分)を完済した。ヤクルトに再び優勝マジックが点灯したが、チームは2位タイに浮上した。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績46勝46敗2分、観衆3万4085人)。(テレビインタビュー)ーー見事な3連勝「最高です」ーー5番の大山がいい仕事「何とか、かえそうという気持ちに徹した素晴らしいバッティングだったと思います」ーーガンケルは「コントロールもよかったですし、前半から飛ばして行く気持ちがしっかり出て、チームのリズムを作ってくれたんで、一番の勝因はガンケルだと思います」ーー浜地、湯浅、岩崎とつないだ「明日(25日)からオールスターブレークに入りますし、この試合を絶対に取るんだ、というところで、ガンケルにまだ余裕はあったんですが、浜地で行こうということで、勝負に行きました」ーー前半戦は負け越しが「16」あったが勝率5割「本当に3月、4月のことを考えれば、ここまで来れるというのは簡単に想像できたことではなかったですし、3月、4月は苦しかったんで、そういう時期でも、ファンのみなさんが球場に応援に来てもらいましたし、そういうお陰もあってね。後半、ドラマを起こす舞台が整ったと思う。ここから本当のドラマを起こすには、まだまだ、皆さんがドラマを信じてくれて、そして僕たちがドラマを起こすんだという気持ちを、さらに高めた後半にして行かないとダメなんで、絶対に5割にしたい試合で勝ち切ってくれたのは本当に嬉しいですし、タイガースファンのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」ーーヤクルトとは、まだ差がある「首位ヤクルトとの差を考えるということよりも、常々言っていますが、僕たちの野球をどうやって出来るか。ドラマを信じた中で、貫けるか。そういうことが一番大事だと思っているんで、全員でドラマを起こしに行きます」(囲み)ーー山本が3連戦でいい仕事「そうやね。ラッキーボーイ的な存在にはなってくれたかなと思います」ーー3つ取ると決めて3連勝「勝負どころは今まででも、もちろんやし、これからもある。でも前半戦の絶対取りたい勝負どころで、結果として残せたのは、チームとしてもさらなる自信にしていけると思う。もっと言えば、さっき話したように苦しい時から、あきらめずに戦った結果が出たんでね。自信にして戦える。後半戦につながる3連戦にできたかなと思います」ーーガンケルにまだ余力がある中で浜地に任せた「経験は浅いけど、浜地で行きたいと思わせてくれる投球をしてくれている。そこに行ってふさわしい投手だと俺も判断している。多少の迷いはあったけど、七回からは浜地で行こうと思っていました」ーー2死から粘られても三振に斬った(代打山下から16球の末に三振を奪う)「投げて行く中で技術的にも気持ちの部分でも成長している。本当に一気に成長できるところにいると思う。成長の過程。でも頼もしく思っています」ーー守りでは近本が23日に続き美技(六回、牧の打球を好捕)「先頭で、あれが(中前に)ポテンって落ちると全然違うんでね。球際でしっかり捕ってくれたのは、チームを救ってくれたと思います」ーー前にという部分がいい方向に「迷って行ったプレーは次に絶対につながるけど、迷って行かないプレーは成長がないので、それはチームでも、ずっと4年間言い続けてきているし、ミスした時に、あれがよかったよとは俺も言いにくいけど。でも、心の中では、次取り返してくれたらいいと思っている。挑戦した結果のミスは俺は受け止めて、また背中を押して、またチャレンジする野球をしていかないと。みんなの成長ないんで。みんながそういう意識、シーズンの中で何回かそういうものが出るけど、そのたびにみんなで確認して、そういう話を俺もしているし、コーチもみんな背中を押してくれているので、意識の中での確認はしてくれているとは思います」ーー勝率5割で何日間かの過ごすが気分も変わる「オールスターもたくさん呼んでもらっているんで。俺も野球を楽しむことにも挑戦しているけど、実際になかなか目の前の結果やプレッシャーもあるし、楽しむって簡単なことじゃないけど、オールスターはそういう部分では本当に子どもの頃に戻ったように目の前の投手、打者に勝負したい、自分のセールスポイントをアピールできるような場所。オールスターに行くヤツは思い切り、自分のために楽しんでくれたら。残っているメンバーはずっと言っているけど、全員で戦うのがタイガースの野球なんで。1人でも2人でも、今よりよくなる過ごし方のブレークにしてくれたら」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(74)は七回を三者三振に抑えた2番手の浜地真澄投手(24)を高く評価した。阪神投手陣の充実ぶりを証明する完封リレーだった。特に2番手で七回を任された浜地の急成長は目を見張る。元々真っすぐだけで1イニングを乗り切る球威はある。そこに投げ間違わない制球が加わった。先頭の細川に対して、外角3球で三振。僅少差の終盤で一番怖いのは長打力のある打者に対し、甘く内側に入って痛打されること。今の浜地は微妙な高さはズレることはあっても、絶対にコースは間違えない。原点(外角低め)へ原点から少し高く入っても球威があるから、当たってもファウルにしかならない。さらに成長を感じたのは3人目の代打・山下に対して。ファウルで粘られたが、四球を出しそうな不安を感じさせない投球だった。粘る打者以上に粘れる投球。結果は16球を投げて見逃し三振。いつの間にか七回を託せる投手になった。最初はアルカンタラがへばっているための代役だったかもしれないが、球の力はアルカンタラ以上。この先も浜地を軸に継投を考えていいと思う。守護神・岩崎につなぐ湯浅と浜地が意識し合って、相乗効果が生まれているのでは。互いに負けられない思いが勝利の方程式を支えている。得点だけ見れば1-0は辛勝に見えるが、危なげのない完勝だ。5割での折り返し。よくここまで成績を持ち直した。前半の投手陣のMVPは青柳だろう。1人で10の貯金。3連戦の頭を任され、白星を重ねた貢献度は大。伊藤将との先発コンビが安定しているからこその5割復帰だ。攻撃面では1番・中野、3番・近本の固定、そして佐藤輝、大山が続くクリーンアップを挙げたい。特に1、3番の足はライバル球団は抑えきることができなかった。2番・島田も頑張ったが山本、北條ら右打者を組み込む矢野監督の采配も冴えた。今の勢いなら後半も相当数の貯金を上積みできるのではないか。ヤクルトをどこまで追い上げ、ポストシーズンに向かうか。楽しみだ。

◆ヨッシャ、よくここまで盛り返した!! 阪神は虎の子の1点を守り切ってDeNAに1-0で勝って3連勝。開幕からの借金をついに完済し、今季初の2位に浮上して前半戦を締めた。矢野燿大監督(53)も「奇跡を信じながら、ドラマを作れるよう」と、言葉に力がこもる。後半戦がますます楽しみになってきた!!テレビカメラを真っすぐ見つめ、胸を張って誓った。信じ抜きたい選手たち、信じてくれるファンがいた。だから、こんな日が来ることも信じ続けられた。悪夢のような歴史的低迷から、シナリオでもあるかのような前半戦最後の3連戦3連勝での勝率5割ターン。最後まで見るに値するドラマを描くと、矢野監督が堂々宣言した。「首位のヤクルトとの差を考えるというより、僕たちの戦いをどれだけできるか。そのドラマを信じた中で貫けるか。ぜひ、ドラマを起こしたいと思います」ジャスト4カ月に及んだ借金生活に終止符を打った。今季初めて2位(タイ)にも浮上。たとえ11ゲーム差あっても、もう誰にも邪魔されず、一番上を目指すんだと言い切れる。思えば、このドラマは予告編から壮大だった。「1・31」。キャンプイン前日に今季限りで退任する考えを明かし、チーム内外を揺るがした。自身の思いが選手らに深く浸透し、何を告げたとしても変わらず戦ってくれると信じたからこその決断だった。だが指揮官自身も予想していた通り、キャンプ中の「予祝胴上げ」も一緒くたにされ賛否を呼んだ。さらに、滑り出しでズッコケた。「3・25」の開幕、ヤクルト戦(京セラ)。7点リードからひっくり返されて逆転負けを喫し、あれよあれよとセ・リーグワースト記録を更新する9連敗。世間からの風当たりは強烈だった。翌日「4・4」には藤原オーナーが急きょ取材に応じ、シーズン最後まで託すことを「それは当然です」と語ったほど。4月14日時点では1勝15敗1分けの勝率・063。同23日まで今季ワーストの借金16を抱える惨状だった。打線がここぞでの一本を欠き続け、5月末までに13度の完封負けと苦しい時期が続いた。そのなか、何とかチームを前へ向かせようと、矢野監督自身が動きに動いた。本塁打を放った選手に自らメダルを授与するようになった「4・24」から6連勝。試合前の声出し役を務めた日も、試合中の円陣でハッパをかけた日もあった。信じ続けた選手たちが躍動し、成長著しい浜地、湯浅がこの夜のような安定した投球を続けたことで勝率5割が実現した。この日、前半戦総括で取材に応じた藤原オーナーも「そういうチーム、矢野さんをバックアップして最後までやっていきたい」と厚い信頼を口にし、「上へ上へという気持ちは当然みんな持っているはず。いい戦いができるように、そして上へ上へです!」と鼓舞した。矢野監督は「ここから本当のドラマを起こすには、まだまだみなさんがドラマを信じてくれて、そして僕たちがそのドラマを起こすんだという気持ちをさらに高めた後半にしていかないと」とまなじりを決する。ともに一度は絶望を味わった選手と、ファンと本気で歓喜を目指す。球宴以降もドラマがまだ〝つづく〟と言えるようになったこの奇跡を、次の奇跡へとつなぐ。(長友孝輔)

◆ファウルで粘りに粘られた16球目。外角低めにカットボールを決めて代打・山下を見逃し三振に打ち取ると、阪神・浜地は小さく右のこぶしを握った。3者連続三振で、1点を守り切る流れを作った。「〝鮮度〟が落ちる前に抑えたいと思っていたんですけど、なんとか粘れました」お立ち台では自身の〝ハマチ〟という名字にかけて、ちゃめっ気たっぷりに表現した。七回に2番手で登板。細川、戸柱を直球で三振として代打・山下を迎えた。パームやカーブをファウルされると、直球攻め。「焦りはなかった。どっちが先に、粘り勝ちできるようにというところですかね」。球種は変えても攻める姿勢は変わらない。最後はカットボールで仕留めた。今季は虎が誇る最強救援陣の一角に成長。八回の湯浅、九回の岩崎とともに5割ターン実現に貢献した。前半戦だけで自己最多の30試合に登板し、0勝2敗10ホールド、防御率1・27。躍進著しい浜地も、ヘコんだ一戦があった。20日の広島戦(マツダ)は七回に登板するも、1回もたずに3失点で敗戦投手。六回終了時にリードしていたときの連勝を「25」で止めてしまった。だが、背番号36に矢野監督はすぐにリベンジの機会を与えた。22日のDeNA戦(甲子園)で七回を任されると、三者凡退。「負けた後だったので緊張というか、心理的にすごく揺らいでいたところはあった」。汚名返上のマウンドを経て、頼もしさを取り戻した。その姿を指揮官は見ていた。6回無失点と好投していたガンケルを降ろした将は「この試合、絶対に取るんだと勝負に出ました」。期待に応えた24歳を「浜地でいきたいと思わせてくれるような投球をしてくれている。成長の過程だけど、頼もしい」と絶賛した。黒星を積み重ねた序盤戦でも投手陣、特に救援陣は盤石だった。浜地や湯浅、岩崎らが踏ん張り続けた。お立ち台での〝鮮度発言〟について振られると「こういう名字なので、イジってもらえたらうれしい」と笑いつつ「これからも〝鮮度〟を保って頑張ります!」。勝負の後半戦へ。伸びしろいっぱいのハマチが、ブリになる日は近い。(平野佑治)

◆ヒヤヒヤしない「1-0」も珍しい。負ける気せんね! と言ったら言い過ぎか。でも、大山は犠飛ぐらい打つと思ったし、七回の「浜地の22球」も楽しく眺めた。普通に勝って、ハイ5割。前半戦が終わった。長かったような、アッという間だったような。0勝9敗、1勝15敗、3勝19敗...。開幕直後に借金が雪だるま式に増えていった時期を思えば、夢のような5割ターンだ。いやいや、ことしの阪神の充実した戦力で、なぜ、あんな事態に陥ったのか。今も不思議でならない。指揮官が「ことしで辞める」と言っただけで〝開幕逆噴射〟にはならないだろう。いろんな要素が...。検証の必要アリだ。トラ番は試合前から大忙し。藤原オーナー、矢野監督の前半総括をキャップ長友孝輔とサブキャップ新里公章が分担して取材していた。長友に現状分析をしてもらった。「なんだか、すべてにおいてキレイすぎませんか。数字を見ても、借金ゼロの勝率5割。まさかの2位タイ。首位ヤクルトが勝ったので、自力優勝の可能性は復活しませんでしたが、夢のような前半フィニッシュ。不気味です。〝何か〟が起こる前兆では?」何か? 何だろう? 総括した矢野監督の言葉を借りれば「奇跡」か。長友が言うには、ヤクルトが後半戦5割でも、阪神は驚異的ハイペースで勝たなければならないから、これを逆転したら確かに「奇跡」に近い。奇跡を起こすには、とんでもない活躍をする、誰もが注目するスーパーヒーローの登場が待たれるわけで。注目すべきは誰なんだろう?救世主のように現れたアデルリン・ロドリゲスか? 前半だけで11勝をマークした青柳か? それとも後半大爆発の予感の佐藤輝か?甲子園に行く前に立ち寄った京セラドームで、阪神の勝敗に興味なさそうなオリックス担当・西垣戸理大が、偶然にも(?)今の「注目選手」を教えてくれた。「いま、世界で一番注目されている野球選手を知っていますか?」タテジマ戦士しか思いつかないのは、悲しき〝職業病〟だ。えっ、阪神の選手じゃない?「違います。この動画を見てください!」そこには、長い野球記者生活でも、かつて見たことのない、不思議な野球選手が映っていた。右打席のクラウティングスタイルの打者が、1球見送ると、スタスタ左打席へ。また1球見送ると、審判の後ろをグルリ経由して右打席へ。1球ごとに打席を変える、究極のスイッチヒッターがそこにいた。しかも、よく見ると、1球ごとに打撃フォームが違っているではないか。聞けば、佐賀・有田工業高校の背番号4、山口洸生という選手だという。この仰天動画が、日本だけでなく、海を渡ってMLBでも驚異の眼差しで注目されているとか。国内では、NPBのスターたちが興味津々、続々リツイート。妙な選手が現れたものだ。有田工業は佐賀大会を勝ち進み、25日に決勝戦。甲子園出場を決めたら、規格外の注目選手になること必至だ。あっ、勘違いしないでください。阪神の選手に1球1球打席を変えろなんて言っているわけではないので。普通にプレーして、度肝を抜いていただければ。

◆わが阪神タイガース開幕9連敗、最大借金16から球宴前奇跡の5割に戻したでェ!!これスゴくねェ~!? 特例2022のルールがあるんだし、この虎のあきらめない姿を芸術点と考慮してNPBさん、これも特例で球宴明けヤクルトと阪神はゲーム差『0』でスタートさせたれー!!しかし、本日は地獄からはい上がった前半戦を象徴するような『投手王国』だったのだ!! 先発のガンケルが絶妙な制球力で6回を無失点に抑えれば、その後の3回を頼れるリリーフ陣の浜地-湯浅-岩崎がピシャリ!!圧巻は七回を三者三振に封じた浜地。3人目の代打・山下に対し、16球粘られたのに根負けすることなく、最後三振に仕留めたそのタフな心の強さなのだ!!虎戦士よ、球宴前の最後の夜に素晴らしい夢をアリガトウ!! 球宴に出場する選手は思い切り楽しんで暴れてくれー!! そして、後半戦最初のカード、首位ヤクルト3本一気飲み(3連勝)したれー!!

◆阪神の近本は四回無死一塁で三塁強襲の内野安打を放ち、好機を広げた。六回の守備では、先頭・牧の浅いフライをスライディングキャッチで好捕。連日のファインプレーで投手陣を助けた。近本を前半戦の野手MVPに選出した矢野監督も「先頭であれが(中前に)ポテンって落ちると全然違う。球際というところでしっかり捕ってくれたっていうのは、チームを救ってくれた」と最敬礼した。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
56341 0.622
(↑0.004)
M41
(-)
52408
(+4)
343
(+2)
109
(+4)
56
(-)
0.256
(-)
3.340
(↑0.03)
2
(1↑)
阪神
46462 0.500
(↑0.005)
11
(-)
49320
(+1)
264
(-)
59
(-)
71
(-)
0.239
(-)
2.570
(↑0.02)
2
(-)
広島
46463 0.500
(↓0.005)
11
(↓1)
48374
(+2)
351
(+4)
56
(-)
16
(-)
0.256
(↓0.001)
3.370
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
42452 0.483
(↓0.005)
12.5
(↓1)
54314
(-)
352
(+1)
68
(-)
31
(-)
0.250
(↓0.001)
3.570
(↑0.02)
5
(-)
巨人
45501 0.474
(-)
13.5
(↓0.5)
47371
(-)
436
(-)
110
(-)
45
(-)
0.246
(-)
4.090
(-)
6
(-)
中日
38501 0.432
(-)
17
(↓0.5)
54256
(-)
334
(-)
46
(-)
28
(-)
0.247
(-)
3.570
(-)