西武(★2対9☆)楽天 =リーグ戦17回戦(2022.07.24)・ベルーナドーム=
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楽天
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西武
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勝利投手:辛島 航(3勝2敗0S)
敗戦投手:平井 克典(5勝5敗0S)

本塁打
【楽天】辰己 涼介(7号・6回表ソロ)
【西武】外崎 修汰(6号・3回裏2ラン)

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◆楽天は3回表、辰己の適時打などで幸先良く4点を先制する。その後は、5回に浅村と島内の連続適時打、6回には辰己のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・辛島が5回2失点と試合をつくり今季3勝目。敗れた西武は、投打ともに振るわなかった。

◆楽天が快勝し、3位に浮上した。打線が序盤からつながった。3回2死から武藤が右中間へ三塁打。辰己が中堅への先制適時打を放って先手を取ると、この回6連打で一気に4点を奪った。5回には浅村と島内が適時打。6回には辰己が7号ソロ。8回にも2点を追加し、攻撃の手を緩めず、リードを広げ続けた。先発辛島は5回6安打2失点で3勝目。6回からは、宋家豪、ブセニッツ、西口、西垣とつないだ。負ければ貯金0となる1戦。前半戦を勝利で締めくくった。最大18あった貯金が2となったものの、首位ソフトバンクとは2差。首位から5位まで2・5差の"混パ"で後半戦を迎える。

◆楽天辛島航投手(31)が、6月1日中日戦(バンテリンドーム)以来となる3勝目を挙げた。今季9試合目の先発マウンド。1回1死一、三塁といきなりピンチを招いた。山川をカウント3-1から外角低め124キロチェンジアップで三塁併殺打に打ち取り、無失点で切り抜けた。「初回の山川選手のゲッツーが大きかったですね」と波に乗れた。以降はストライク先行の投球。3回1死二塁で外崎に2ランを浴びたが、試合をまとめた。5回6安打2失点で降板。待望の勝ちがついたが、「自分のことよりも野手のおかげでチームが勝てたことが1番良かったです」とチームの勝利を喜んだ。

◆西武は勝てば4年ぶりの首位ターンだったが、今季最多の9失点で完敗を喫した。先発平井が4回1/3を10安打6失点(自責5)と試合を作れず。リリーフ陣も追加点を奪われ、流れをつかめなかった。辻監督は「1点、2点で抑えてくれればよかったんだけどね。いつも通りだったら、耐えて攻撃に結び付ける試合運びができたと思うのだけど」と悔やんだ。チーム防御率2・51の投手力で、首位ソフトバンクとゲーム差0・5の2位ターン。前半戦の締めこそ9失点と乱れたが、勝負の夏へ、青写真以上の位置に付けた。昨季は42年ぶりの最下位という屈辱にまみれた。「前半戦が終わったと言っても、残りは約50試合。勝つために、1試合1試合を大事に戦っていこう」。指揮官は試合後、ベンチ裏で選手、スタッフを集め、そう呼びかけた。▽西武平井(3、5回に連打を浴び、5敗目)「勝負どころでの投げミスが多かった。それが全て。テンポが悪くなってしまい、修正ができなかった。いったん、冷静になることができれば、また違ったかな」▽西武外崎(3回に6号2ラン)「感触はめっちゃ良かったです。(夏限定のカーキ色)ユニホームは気に入っているので、ファンの皆さんと一緒に着ることができてうれしいです」

◆耐えて、苦しんだ前半戦だった。楽天は辰己涼介外野手(25)が先制打と1発で打線に火を付け、西武に快勝。3位に浮上して前半戦を締めた。最大18あった貯金は2まで減少。それでも首位ソフトバンクとは2差と逆転優勝は射程圏内にいる。首位から5位オリックスまで2・5ゲーム差にひしめいて前半戦が終わるのは史上初。歴史的な"混パ"を勝ち抜くために、弾みのつく最終戦となった。1番辰己が流れを呼び込んだ。3回2死三塁で迎えた第2打席。カウント2-2から平井の外角低め140キロフォークを捉えた。先制となる中前適時打。後続も続き、2死から6連打で4得点。試合の流れをも呼び込んだ。6回2死走者なしでは、右翼席上段へ7号ソロ。3安打2打点と貢献した。「3安打もそうですけど、1打席目の凡退(遊飛)が今日いけるかなという感じがした。打ち取られたことを引きずらずに自信に変えて打てたことが良かった」とうなずいた。チームはジェットコースターのような浮き沈みだった。首位を独走した時期もあったが、他球団の追い上げにのまれた。この日、敗れていれば最大貯金18が底をつきゼロとなる史上初の屈辱の可能性もあった。辰己自身もチームとシンクロするように好不調の激しい前半戦だった。6月12日巨人戦では球団史上初の1イニング2本塁打を放つ一方で、35打席無安打を経験。「山あり谷ありの前半戦でした」。前日23日も先発落ち。悔しさを心の底に秘めながら、ベンチで戦況を見守った。課題はメンタル面。結果がほしいという思いが強すぎて、空回りしていた。無欲に立ち返り、直近5戦では打率4割3分8厘。再浮上のきっかけをつかみつつある。「前半戦の終盤あたりから盛り返せたことが、後半につながっていくのかな。なんとか前半持ちこたえられることができたので、しっかりと後半の最初から飛ばしていきたい」と意気込んだ。後半戦の巻き返しへ。考えることは石井GM兼監督も同じだ。「最後に勝って終えたのは後半戦にもつながりますし、全体を見ればチームは5割以上でしっかりと来ている。これからはよりチーム一丸となって戦っていくことが大事。ここからしびれる戦いをしたい」と力を込める。より目の前の試合に貪欲に立ち向かい、他球団をまとめて差し切る。【湯本勝大】

◆楽天浅村栄斗内野手(31)が、キングに立った。前半戦最終戦で、2安打2打点。西武山川を1点上回り、打点リーグトップに躍り出た。不動の3番打者として、チームを支えてきているが、自身の成績には満足していない。逆転優勝へ向け、さらに状態を上げていく。浅村は淡々とバットを振り続ける。1点を先制した直後の3回2死一、二塁。カウント2-1から、平井の真ん中に入った145キロ直球を捉え、左前適時打を放った。5回無死一、二塁で迎えた第3打席は、カウント2-2から外角132キロスライダーを中前適時打。2打席連続で適時打を放ったが、「甘い球をしっかり仕留めることができました。打てて良かったです」と淡々と振り返った。18年以来3度目の打点王獲得も視野に入る。それでも理想とする打撃はまだ先。「打点に関してはまだ納得はいっていないですが、全体的にこれからという感じです」と高みを見据える。持っているのは3番としての責任感。「自分が(走者を)返さないと勝てないと思って毎試合やっている」。試合前の練習では、誰よりも早く打撃を始める。たゆまぬ努力は惜しまない。みんなのためになにができるか。打撃と真摯(しんし)に向き合い、今季59打点を積み上げてきた。この日もバットで貢献。チームにとって西武戦9試合ぶりの勝利となった。「なかなか勝てない相手だったので、前半戦ラストの試合で勝てて終わることができたことは良かった」とうなずいた。シーズンはまだまだ中間地点。逆転優勝も射程圏内にいる。シーズン最後を笑って終えられるように-。浅村が打点を1つ1つ稼いでいく。【湯本勝大】

◆西武・外崎修汰内野手(29)が6号2ランを放った。4点を先制された直後の三回1死で迎えた第2打席。カウント2-1から楽天先発・辛島の変化球を捉えて左中間席に運んだ。チームメートにハイタッチで迎えられ「打ったのはスライダー。感触はめっちゃ良かったです。このユニホームは気に入っているのでファンの皆さんと一緒に着ることができてうれしいです」と笑顔で振り返った。

◆「3番・二塁」で出場の楽天・浅村が1-0の三回に追加点となる左前適時打。五回にも2打席連続で適時打を放った。打点を「59」とし、西武・山川を抜いてリーグトップに躍り出た。三回2死三塁で辰己が先制の中前適時打を放ち、続く小深田が右前打。なおも一、二塁で迎えた第2打席。カウント2-1から先発・平井の145キロの直球をたたいた。左前へ強烈にはじき返し「打ったのはストレート。打ててよかったです」。リーグトップタイの58打点とし西武・山川に並ぶと五回無死一、二塁でもきっちりと中前に適時打を運び、トップの座に立った。3、4月は打率・310、22打点の好成績を残したが7月は試合前時点で同・222、10打点。それでも20日のソフトバンク戦(北九州)では2発を含む5打点を挙げるなど徐々に本来の打撃を取り戻しつつある。5月10日に今季最多「18」もあった貯金は試合前時点で「1」までに減少し、リーグ4位と下降。チームのV字復活には主砲のバットは欠かせない。(加藤次郎)

◆前半戦最後の登板は悔しいマウンドとなった。西武・平井は五回途中10安打6失点(自責点5)で降板した。「調子自体は悪くなかった。勝負どころでの投げミスが多かった。今日はそれが全てです」一、二回は3者凡退で切り抜けたが三回に捕まった。2死から武藤に中越え三塁打を浴びると、辰己に中前に運ばれ先制を許した。なおも一、二塁から浅村の左前打で2点目を失うと、満塁のピンチを招いて茂木に右前2点打を許し、この回一挙4点を失った。五回にも2点を献上し、89球でマウンドを降りた。先発ローテ入りした昨季は開幕3連勝も、その後は中継ぎに回って4勝4敗、防御率4・22。今季は中継ぎでスタートしたが、5月28日のDeNA戦(ベルーナ)で初先発し5回2失点で白星を挙げた。そこからローテ入りすると安定した投球で期待に応え、前回17日の日本ハム戦では5回2失点で5勝目をマークした。チームは開幕から山川、森ら主力にけが人が相次ぎ一時は低迷したが、そこから巻き返して試合前まで貯金を6まで積み上げた。辻監督は「1番は投手力」と投手陣を評価したが、この日は指揮官の期待に応えられなかった。(石井孝尚)

◆楽天が3位に浮上。三回に辰己、浅村の適時打と茂木の2点打で4点を先制。五回は浅村、島内の連続適時打で2点を挙げその後も加点した。辛島が5回2失点で3勝目。西武は平井ら投手陣が崩れ今季ワーストの9失点を喫した。

◆楽天の辛島は5回を6安打2失点にまとめ、6月1日以来の3勝目。「自分のことよりも野手のおかげでチームが勝てたことが一番良かった」と殊勝に言った。相手主砲の山川を好機で封じた。0―0の一回1死一、三塁は外角低めのチェンジアップで三ゴロ併殺、4―2の三回1死一、三塁では内角高めのスライダーで三邪飛に仕留めた。「初回の山川選手のゲッツーが大きかった。(三回は)引かないようにしようと思った」と緊張感のある対戦に手応えを口にした。

◆楽天・辰己涼介外野手(25)が7号ソロを含む3安打2打点の活躍。前半戦最終戦で勝利に貢献し、チームを3位に押し上げた。「区切りのある試合。前半戦最後ということで結果として(打てて)よかった」三回2死三塁で平井のフォークを中前にはじき返し、先制点を奪った。五回先頭では右前打で出塁し、5点目のホームを踏んだ。極めつけは六回。宮川の150キロの直球を右中間席上段まで運び、勝利を決定付けた。22日は5打数無安打に終わり、23日はスタメン落ち。「あの5打席凡退が今日につながった。取り返したろうという気持ちで頑張りました」と気合を入れ直し、好結果につなげた。西川、銀次らが新型コロナウイルス感染で戦列を離れる中、前半戦最終戦を白星で締め、チームは3位浮上。1分けを挟んだ西武戦の連敗を7で止め、首位・ソフトバンクまで2ゲーム差に迫った。「シーズンが終わったときにしっかりといい成績で終えられるように。後半戦の最初から飛ばしていきたい」と辰己。9年ぶりの日本一には背番号8が欠かせない。(加藤次郎)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
46401 0.535
(↓0.006)
-
(-)
56323
(+4)
284
(+7)
60
(+2)
50
(-)
0.255
(-)
2.980
(↓0.05)
2
(-)
西武
48432 0.527
(↓0.006)
0.5
(-)
50308
(+2)
278
(+9)
74
(+1)
44
(-)
0.226
(-)
2.510
(↓0.06)
3
(1↑)
楽天
44422 0.512
(↑0.006)
2
(↑1)
55320
(+9)
293
(+2)
58
(+1)
67
(-)
0.246
(↑0.002
3.220
(↑0.01)
4
(1↓)
ロッテ
46441 0.511
(↓0.006)
2
(-)
52294
(+4)
318
(+5)
53
(+1)
89
(+1)
0.225
(↑0.002)
3.050
(↓0.03)
5
(-)
ORIX
48470 0.505
(↑0.005)
2.5
(↑1)
48296
(+7)
296
(+4)
45
(+1)
43
(+1)
0.241
(↑0.001)
2.780
(↓0.02)
6
(-)
日本ハム
37550 0.402
(↑0.006)
12
(↑1)
51299
(+5)
334
(+4)
71
(+1)
61
(-)
0.235
(-)
3.450
(↓0.01)