阪神(☆3対1★)中日 =リーグ戦17回戦(2022.07.17)・阪神甲子園球場=
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中日
1000000001420
阪神
30000000X3820
勝利投手:ガンケル(4勝5敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝3敗19S))
敗戦投手:柳 裕也(6勝7敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を追う1回裏、佐藤輝の適時打で2点を奪い逆転する。なおも続く好機ではダブルスチールを成功させ、近本が生還しリードを広げた。投げては、先発・ガンケルが8回3安打1失点の快投。最後は岩崎が締め、ガンケルは今季4勝目を挙げた。敗れた中日は、打線が沈黙した。

◆中日が7戦目で甲子園初白星を挙げた。1-0で迎えた9回に守護神ライデル・マルティネス投手(25)が同点を許したが、延長11回に途中出場の三ツ俣大樹内野手(30)が勝ち越し中犠飛、平田の1号ソロも出て逃げ切った。試合後の立浪監督の一問一答は以下の通り。-延長11回に勝ち越した「ビシエドがいい形で出てくれた。昨日はああいう形(4打数無安打)だったんで、今日は気合入っていた」-三ツ俣が犠飛を決めた「あのケースは三ツ俣に託した。バントがうまいのでスクイズも考えたが、カウントが良くなったので、三ツ俣にかけた。見事に期待に応えてくれた」-平田の1号ソロも「代打の切り札的な存在はいないし、非常に助かります」-守護神R・マルティネスが追いつかれた「先頭を取ればかなり有利になったと思うが、初球のフォークボールが落ちず、あのヒットが非常に痛かった。ここ(最近では)初めて点を取られたが、また次からやってくれると思う」-高橋周が途中交代した「このへんの脇腹が...。多分、抹消になるのかな。病院行って、ちょっと炎症がある」-A・マルティネスもスイングで左手が離れる「左手が離れるというのは相当、悪いんでしょう。ちょっとそこも考えないといけない」-3回の攻撃前に円陣で自ら話した「打てることもミスすることもあるけど、打つ時、守る時はしっかり切り替えてと。打てない時はしっかり守るとかね。打てなかった打席を守備にまで持っていくなと。1つ1つ切り替えて終わってから反省すりゃいいんだからと」-甲子園で初勝利「甲子園でずっと勝てていなかった。9回に追いつかれた時、先攻なんで後攻めが有利になる。嫌な予感はしたんですけど、全員が頑張った。まず一つ勝てた。良かったと思う」-大野雄も好投した「勝ちは消してしまったんですけど、1点では最後やっぱりこういう形になる。追加点をまた取れるように、明日からやっていきたい」-清水が1死二塁を背負ったときにマウンドに自ら行ったが「先頭の四球を出したんで、四球出すなら思いきって勝負いって、打たれる分には打たれて来いと。逃げて四球は良くないと、ゲキにはいった。ああいうところで自信にしてもらいたい」▽中日R・マルティネス(9回3番手登板で1失点し、連続無失点試合が28でストップ)「点を絶対取られたくなかった。その後は切り替えて、次の点を取られないようにと思って投げた」▽中日三ツ俣(途中出場で延長11回決勝中犠飛)「走者をかえすつもりで打席に立った。大野雄さんに勝ちをつけられなかったことが悔しいが、勝てたので良かった」▽中日平田(延長11回に2年ぶりの今季1号ソロ)「1打席1打席でアピールしないといけない。結果を残せるのはうれしい。祖父江が楽に投げられるように2点差にしたくて、狙って打ちに行った」―>

◆阪神が鮮やかな重盗で追加点を奪った。1点を追う初回の攻撃。無死満塁から4番佐藤輝の右前への2点適時打で逆転すると、その後、1死一、三塁の場面で足技を仕掛けた。ロハスの打席の2球目に一走・佐藤輝が二盗を試み、捕手木下が二塁へ送球したのを見て三走・近本がスタート。重盗を成功させて3点目のホームを踏んだ。

◆最終日を迎えた「ウル虎の夏2022」のイベントの一環として、お笑い芸人のZAZYが試合前に登場し、ド派手な衣装で盛り上げた。ウル虎のユニホームを身にまとい、ピンクの巨大な羽と厚底ヒールで登場。取材では「気持ちよかったですね。こんな人数の前に立つことなかなかないので、うれしかったですし、いつも使ってるやつですけど、3つくらいある中で一番大きいの持ってきました!」とドヤ顔だった。選手紹介では「かみ癖があるんですよ(笑い)」とかなり緊張した様子。先発のガンケルのフルネームが特に難しかったようで「ジョーをどこまで伸ばすか難しかった」と笑った。また、つけた羽に例えて虎ナインへ「羽をつけてるのは僕だけですけど、選手の皆さんは僕以上に羽ばたいて、球も飛ばして、頑張ってほしいです! なんそれ!!」と自ら突っ込みを入れながら笑い飛ばした。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が「早出特打」の成果を出した。1回表に自らの失策も絡み、先制を許した。その裏だ。無死満塁で打席に立つと、中日先発柳の内角低めカーブを崩されずにとらえ右前へ。逆転の2点適時打とした。「満塁のチャンスでしたし、とにかく逆転する気持ちだけで打ちました」。1死一、三塁では、三塁走者近本と重盗を決め、さらに追加点を奪った。3回に右前打、5回には右翼線二塁打を放ち、6月24日の中日戦以来、今季6度目の猛打賞をマークした。この試合前まで7月は打率1割7分5厘(40打数7安打)、0本塁打、2打点と低迷していた。この日、午後2時の全体練習前に行う早出特打に珍しく佐藤輝が姿を見せた。炎天下の中、ノースリーブシャツを着て黙々と打ち込んだ。2位以下が大混戦のセ・リーグで上位を進出するためにも、佐藤輝の復調は欠かせない。【石橋隆雄】

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が猛打賞で勝利に貢献した。無死満塁で中日先発柳の内角低めカーブを捉え逆転の右前2点適時打とした。投げては中17日で先発したジョー・ガンケル投手(30)が8回3安打1失点(自責0)の好投を見せた。8回には1死満塁と最大のピンチを迎えたが、2者連続三振で乗り越えた。ガンケルと佐藤輝のお立ち台は以下の通り。-1カ月ぶりの勝利ガンケル「本当に勝つことができてうれしかったです。初回ちょっと荒れてしまったけど、その後投げきることができました。昨日の中継ぎ陣を少しでも休めることができて本当によかった」-内容はガンケル「相手が速い球をどんどん振ってきたので、ストライクを積極的に攻めていこう、低めに投げてゴロを打たせて、いいリズムをつくることができてよかったです」-満塁の場面ガンケル「平田選手、大島選手ということであの場面1球1球集中してできた。しっかり抑える気持ちでいったのがああいう展開になったんだと思います」-パパ1勝ガンケル「特別な1勝になりました。まだ彼女は小さいので、何が起きたかは分からないですけど、娘が成長して見返した時に特別な1勝になればなと思います。帰って娘をしっかりかわいがって彼女にささげた勝利を楽しみたい」-最後にファンに一言「タイガースファン、イツモアリガトウ」-逆転のタイムリー佐藤輝「ここ最近打ててなかったので、満塁で回ってきたのでなんとしてでも打とうと言う気持ちで。いい結果につながってよかったです」-手応えは佐藤輝「点を入ってすごくうれしかったです」-練習前の特打の成果佐藤輝「練習してよかったです」-いつもどんな気持ちで試合に臨んでいる佐藤輝「野球は点をとるスポーツなので、そこを一番頭に置いてプレーしています」-ウル虎勝ち越し佐藤輝「このユニホームをファンの皆さんと一緒に着てプレーができてとても一体感があった。最後勝ちで締めくくれて最高です!」-明日への意気込み「いい流れできているので明日からも全部勝つつもりで頑張っていきたいなと思います!」

◆阪神が逆転勝ちで2カード連続の勝ち越しを決めた。初回に飛び出した佐藤輝明内野手(23)の2点適時打が決勝点になった。聖地甲子園に詰めかけた今季最多4万2601人の観客も大興奮。「ウル虎の夏」6連戦は4勝2敗で16年以来の勝ち越しだ。試合後、矢野燿大監督(53)は大山悠輔内野手(27)を18日からの広島遠征で1軍合流させると明言した。-久々の登板のガンケルの印象は「いやもう、申し分ないですね。初回はちょっと自分のミスがありましたけど、テンポもよく、球数も少なく、八回までいってくれたので。よかったです」-8回一死満塁のピンチも粘り強かった「最後の最後にね、より集中力を高めて、丁寧に、丁寧にね、投げるっていう姿がみえていたんで。嫌なバッターでしたけどね、最後の大島も嫌なバッターですけど、丁寧に投げてくれました」-3連投の岩崎も見事な内容「いつも落ち着いて、淡々とっていう風に見えるかもしれないですけど、気持ちのなかで向かっていくっていうのが優のいいところ。どんな状況でも冷静に、熱く投げてくれています」-佐藤輝明の逆転打「最近、チャンスで打てていなかったですし、本人も気持ち良く打席に立つ感じではなかったんで。そういうところでは、1打席目のチャンスで打てたというのが後の打席にもつながったと思います。明日以降もより気持ちが向かって行く、輝らしい打撃ができるんじゃないかと思います」-3点目はタイガースらしい重盗で「いけるところはいく野球をしていますし、そういう意識を高く持っていってくれればああいうチャンスも生まれてくると思う。チャンスがあれば行きます」-大山がファームで試合に出場。「悠輔としゃべって、出た感じで相談しようかと話していたんだけど、出て大丈夫ということなんで、明日から連れて行きます」

◆阪神ジョー・ガンケル投手(30)が「パパ1勝」を挙げた。中17日で登板。初回に味方の失策が重なり1点を失ったが、低めに球を集めてゴロアウトを積み重ねた。8回1死満塁のピンチも中日代打平田を146キロの外角直球で見逃し三振。大島も変化球で空振り三振し、女房役の梅野にサムズアップポーズ。8回3安打1失点(自責0)で約1カ月ぶりとなる4勝目。中日は昨季から4戦4勝の竜キラーぶりだ。「ファンの人たちが応援してくれている中で試合をすることは楽しい。マイナーリーグではああいう経験はないですし、コロナの関係でファンの前で試合をすることが少なかった。ほんと満員の中でやる試合っていうのは特別ですし、楽しい時間でした」助っ人は何事にもきちょうめんだ。トレーニング時にはノートを持参し、どの重りを上げたかを毎日記録。さらに、朝食のスタイルも崩さない。「ベーコンとオートミールを毎朝食べるのはルーティン」。オートミールには栄養価の高いピーナツバター、フルーツをのせてエネルギーに変えている。「オフシーズンは奥さんも一緒に食べてくれているよ。なるべく同じことをして同じコンディションを保つことを大事にしているね」と家族のサポートで体調管理もバッチリだ。そんな右腕も愛娘にはメロメロ。6月15日に長女・キンズリーちゃんが誕生し、ガンケルも立ち会った。「キョロキョロして、いろんなものを見ている中、自分のことを見つめてくれた時、目を見て笑ってくれるその瞬間というのは本当に最高」と笑う。「自分は寝かせる係なんです。たぶん自分の体のせいなのか、娘がすごくよく寝てくれる」と子育てにも手を抜かない。パパになって初勝利。「娘が成長して見返した時に特別な1勝になればなと思います。帰って娘をしっかりかわいがって彼女にささげた勝利を楽しみたい」。これからも家族のために腕を振る。【三宅ひとみ】▽矢野監督(先発ガンケルについて) 申し分ないですね。登板間隔が空いて投げるのは気持ちも含めて難しいと思う。8回までいってくれたのは大きい。いい意味でガンケルらしい投球をしてくれた。

◆中日根尾昂投手(22)が3番手で登板し役割を果たした。2点ビハインドの8回2死一塁でマウンドに上がり、陽川を中飛に打ち取った。走者を背負った場面で、慎重に3度のけん制球を挟み、クイックモーションから自己最速タイの153キロ直球も披露。「課題を修正して次も頑張ります」と引き締めた。10度目のリリーフ登板で3試合連続無失点、防御率2.25と安定感が光る。

◆4番復活や! 阪神佐藤輝明内野手(23)が初回の逆転タイムリーを含む3安打で勝利に貢献した。7月は月間打率1割台に本塁打ゼロと本調子を欠き、この日は試合前に早出特打を敢行。さっそく成果が表れ、復調の兆しを見せた。中日にカード勝ち越しで、巨人を抜き、4位に浮上。18日からマツダスタジアムで、2位広島との3連戦に臨む。愛のムチで、佐藤輝のバットが目覚めた。1回表に自らの失策も絡み、先制を許した。その裏だ。無死満塁で打席に立つと、中日先発柳の内角低めカーブを崩されずにとらえ右前へ。「ここ最近、打てていなかった。満塁で何としても打とうと」。16打席ぶりの安打は決勝の逆転2点適時打となった。3回に右前打、5回には右翼線二塁打を放ち、6月24日の中日戦以来、今季6度目の猛打賞をマークした。この日は午後2時の全体練習前に行う早出特打に珍しく佐藤輝が姿を見せた。炎天下の中、ノースリーブシャツを着て黙々と打ち込んだ。この試合前まで7月は打率1割7分5厘(40打数7安打)、0本塁打、2打点と低迷。実は井上ヘッドコーチから、ゲキを受けていた。「行動を起こせ。神頼みしても打てないよ。できない部分は自分で見つけないとダメだよ」。打てない原因を練習から見つけるよう、早出参加を促されていた。さっそく、成果となって表れた。佐藤輝は「いろいろ練習する中でつかんだものがあった。練習からいい打球が飛んでいた」と復調へのヒントをつかんだ。矢野監督は「あまり後ろの肩が出ずにというか、突っ込まずに練習でも打っていた」と、変化を感じていた。上からたたこうとするあまり左肩が突っ込んでいたのがなくなり、打球があがるようになった。近大時代から陰で努力するタイプで、普段はスマートな練習スタイルを好む。だが、井上ヘッドの「愛のムチ」は悩める4番の心に届いたようだ。井上ヘッドは「本当にスーパースターになる素質があっても普通の選手で終わってしまうよとコンコンと言った。練習はうそをつかないって信じてやれるか。輝明が気付くか気付かないか」と会話の内容を明かした。ウル虎の夏は4勝2敗で6年ぶり2度目の勝ち越し。佐藤輝はお立ち台で「一体感があった。最高です。いい流れで来ているので明日からも全部勝つつもりで頑張ります」と意気込んだ。借金は「3」となり、巨人を抜いて4位に浮上。18日の広島戦に勝てば、2位で並ぶ可能性がある。2位以下が大混戦のセ・リーグで抜け出すためにも、佐藤輝の復調は欠かせない。【石橋隆雄】○...岩崎が今季初の3連投で1回無失点で抑えた。2点リードの9回に登板。中日先頭の岡林に中前打を打たれたが、木下を変化球で投併殺で片づけると、最後はビシエドを二ゴロに仕留めた。19セーブ目を挙げた左腕に矢野監督も「淡々と、っていうふうにみえるかもしれないですけど、気持ちのなかで向かっていくのが優のいいところ。どんな状況でも冷静に、熱く投げてくれています」とたたえた。○...陽川は31歳の誕生日に守りで勝利に貢献した。7回の守備から出場して一塁に就き、8回無死一、二塁では石垣のバントに猛ダッシュ。素早くつかみ三塁へ送球し進塁を防いだ。9回無死一塁では投ゴロでの二塁からのワンバウンド送球を好捕し、併殺を完成させた。前日16日の中日戦では左翼でクッションボールを誤る適時失策をしていたが、すぐにミスを取り返した。

◆阪神の切り込み隊長がチームを乗せた。1番中野拓夢内野手が今季11度目の猛打賞をマークした。初回、追い込まれながらも中日柳の直球を捉えて左前打を放つと、2回にはスローカーブにバットを合わせて右前打。4回には2球目の変化球を三塁方向へセーフティーバント。快足を飛ばして内野安打をもぎ取った。3安打のうち最も値打ちのあるヒットを問われると「初回のヒットです」と即答。好投手の柳が相手ということもあり「立ち上がりに点を取らないとどんどん尻上がりによくなる」。中野のヒットから島田のバスター、近本の送りバントは柳がつかみ損ねて犠打失策に。無死満塁を演出し、佐藤輝の逆転打につなげた。「自分が初回に塁に出れば得点につながると思っているので、マツダで勝ててないところでチームに勢いつかせるためにも初回は塁に出て、いい形で攻撃できれば自分たちのペースに持っていけると思う」。今季未勝利のマツダスタジアムでも初回の出塁を狙う。

◆石岡との交換トレードでオリックスから移籍した中日後藤駿太外野手(29)がデビュー戦でヒットを奏でた。この日登録され「6番中堅」で出場。2打席凡退で迎えた8回無死一塁の第3打席で、先発ガンケルの初球変化球を右前に運んだ。「試合展開としてはもっと早く打たないといけませんが、個人的にはホッとしています」。"関西凱旋(がいせん)"試合で存在感を発揮した。

◆竜は助っ投を打てない。またもガンケルを攻略できず通算4戦4敗。特に今季は相手先発が外国人の13試合のうち、9試合で敗れた。特有の手元で動く球への対応がなかなかできない。この日、高橋周が右脇腹痛、A・マルティネスが左手首痛で抹消される非常事態。だが、代役のカンフル剤の投入も実らなかった。中日は同日、米国出身で来日2年目のルーク・ワカマツ内野手(25)と支配下契約を結んだと発表した。背番号は「96」で推定年俸は500万円。父はイチロー氏の現役時代に、マリナーズ監督を務めた日系人のドン・ワカマツ氏でその次男にあたる。190センチ、93キロの体格を誇る左打者だ。甲子園で会見し「オールラウンドプレーヤーなので二塁、遊撃、三塁を守れる。毎日、試合に出られる選手になっていきたい」と気合十分。そして登録即、「5番三塁」で出場。新背番号のユニホームは間に合わず、育成時代の210でプレーした。だが、ガンケルに苦戦し2打数無安打。2点を追う8回先頭では、四球出塁で反撃の機運を高めたが、後続が倒れてホロ苦いデビュー戦になった。「ちょっと緊張しました。ヒットは出なかったけど、いい打席もあったので明日また頑張ります」。三塁守備は無難にこなし、存在感は示した。甲子園は1勝7敗。立浪監督はガンケルに抑えられた打線について「少ない球数で、8回まで投げさせてしまった」と悔やんだが、ワカマツには期待を込めた。「今日はチャンスを作った四球もあるし。まだこれから伸びしろのある選手ですよ」。日系助っ人の躍動を期待した。【伊東大介】

◆中日柳裕也投手(28)が7回8安打3失点で7敗目を喫したが、奪三振は阪神青柳を抜いて再びトップに立った。2差で追っていたが、梅野やロハスらから6個を奪って逆転。94奪三振に増やした。試合は初回に佐藤輝に浴びた適時打など、3失点が重くのしかかった。「立ち上がりで試合の流れを重くしてしまったのが全て。2回以降は何とか粘ることができたと思うけど」と敗戦に笑顔はなかった。

◆阪神・ジョー・ガンケル投手(30)は17日の中日戦(甲子園)に先発する。16日に甲子園で調整した右腕は「カウント有利で低めの制球を心掛けて投げていきたい」と気合を入れた。竜とは今季初対戦で、昨季は3戦3勝、防御率0・46。6月29日のDeNA戦(横浜)以来となるマウンドに向けて「内容のある練習もしっかりと取り組めた。この期間、取り組んできたことを生かせるように頑張りたい」と話した。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(30)が再昇格し、先発する。今季ここまでは3勝5敗、防御率2・98。中日とは今季初対決だが、昨季は3度の対戦で3勝無敗、防御率0・46と好相性だった。支配下登録され昇格即スタメン出場するワカマツ、オリックスからトレードで加入した後藤が並ぶ新生竜打線相手に好投の期待がかかる。

◆阪神が佐藤輝明内野手(23)の逆転2点打などですぐに試合をひっくり返した。いきなり1点を追う展開となった一回、中日・柳の立ち上がりを襲った。中野と島田の1、2番コンビが連続左前打で出塁。近本の投前バントは柳がファンブルし、チャンスは無死満塁に広がった。ここで打席に佐藤輝。バッティングカウントの2―1から内角低めのスローカーブを引っ張り、右翼へと運んだ。中野、島田が相次いで生還し逆転。この一打が主砲にとって、13日の巨人戦(甲子園)の第1打席(三安)から実に16打席ぶりの快音となり、苦しんできた男は一塁ベース上で笑顔を見せた。さらに、1死一、三塁でのロハスの打席では、佐藤輝が一塁からスタートを切り、木下が二塁へ送球したのを見た三塁走者の近本が本塁へ突入し、ダブルスチールに成功。3得点で主導権を奪い返した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が13日の巨人戦(甲子園)の第1打席(三塁内野安打)以来、16打席ぶりのヒットを放った。「打ったのはカーブ。満塁のチャンスでしたし、とにかく逆転する気持ちだけで打ちました。打つことができてよかったです」いきなり1点を追う展開となった一回、中野と島田の1、2番コンビが連続左前打で出塁。近本の投前バントは犠打失策となり無死満塁に。ここで打席に佐藤輝が右翼へ逆転の2点打を放った。さらに1死一、三塁でのロハスの打席では、佐藤輝が一塁からスタートを切り、木下が二塁へ送球したのを見た三塁走者の近本が本塁へ突入し、ダブルスチールに成功。この回3得点で主導権を奪い返した。

◆阪神は逆転勝利でカード勝ち越しを決めた。1点を追う一回に無死満塁で、4番・佐藤輝が右翼2点打を放って逆転。1死一、三塁では一塁走者・佐藤輝と、三塁走者・近本が重盗を決め、3得点で主導権を奪い返した。先発のガンケルは一回1死一塁で、自らのけん制悪送球によって走者を三塁に進め、木下の右犠飛で先制点を与えたが、すぐさま援護をもらい、二回以降は立ち直った。積極的にバットを振ってくる竜打線を緩急でかわし、二回から七回までパーフェクト投球。先頭・ワカマツへのストレートの四球と後藤の右前打、1死後に土田の三塁線へのバント安打を決められて招いた八回の満塁の大ピンチも落ち着いていた。代打・平田は外角いっぱいの146㌔直球で見逃し三振に仕留め、巧打者の大島は低めへのスライダーで二ゴロ。昨季は3戦3勝と好相性を誇った中日相手に8回3安打1失点(自責0)と好投し、バトンを渡した岩崎が九回を抑えて今季4勝目を手にした。

◆阪神が逆転勝ちで、「ウル虎の夏」シリーズで2カード連続の勝ち越しを決めた。1点を追う一回無死満塁で佐藤輝明内野手(23)が16打席ぶりの安打を右前に放ち、逆転。さらに1死一、三塁からの重盗で三走の近本光司外野手(27)が生還し、加点した。今季8度目の満塁機で初の適時打を放った佐藤輝は今季6度目の猛打賞。7月初登板を8回1失点(自責0)で終えたジョー・ガンケル投手(30)は6月12日のオリックス戦(京セラ)以来の白星で4勝目(5敗)を挙げた。新型コロナウイルスの濃厚接触者となり、「特例2022」で13日に抹消された大山悠輔内野手(27)が中日との2軍戦(鳴尾浜)で途中出場から守備にも就き、2打数無安打1四球だった。観衆4万2601人は今季最多。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績42勝45敗2分、観衆4万2601人)。ーーガンケルは「申し分なしですね。初回は自分のミス(けん制悪送球)がありましたが、テンポよく、球数(92球)も少なく、八回まで行ってくれたんでよかったです」ーー八回1死満塁のピンチ「最後の最後に、より集中力を高めて丁寧に丁寧に投げる姿が見えていたんで、最後の大島もイヤなバッターですけど、丁寧に投げてくれました」ーー3連投の岩崎「いつも落ち着いて淡々と見えるかもしれませんが、気持ちの中で向かって行くというのは優のいいところなんで、どんな状況でも冷静に熱く投げてくれています」ーー一回無死満塁から逆転打「ここ最近、チャンスで打てていなかったですし、本人も気持ちよく打席に立つという感じじゃなかったんで、1打席目のチャンスで打てたのは、あとのヒットにもつながったことになる。明日(18日)以降、より気持ちも向かって行く輝らしいバッティングができるかなと思います」ーー3点目は足を絡めた「行けるところは行く野球をしていますし、そういう意識を高く持ってやってくれれば、チャンスが生まれて来ると思うんで、チャンスがあれば行きます」ーー大山不在の中、投手が粘り強く「ウチの持ち味は一番は投手陣。しっかり先発、中継ぎがやってくれています。エラーも出ているんですが、よく守ってくれている部分もあるかなと思います」ーーウル虎の夏シリーズで2カード連続勝ち越し。いい形でマツダスタジアムに向かえますね「たくさんのタイガースファンに喜んでもらいたいですし、勝つ試合は一番望んでくれていることなんで、このユニホームで勝てたし、これからも勝つという試合を見せて行きたいです」

◆阪神が逆転勝ちで4位に浮上。「ウル虎の夏」シリーズで2カード連続の勝ち越しを決めた。1点を追う一回無死満塁で佐藤輝明内野手(23)が16打席ぶりの安打を右前に放ち、逆転。さらに1死一、三塁からの重盗で三走の近本光司外野手(27)が生還し、加点した。今季8度目の満塁機で初の適時打を放った佐藤輝は今季6度目の猛打賞。7月初登板を8回1失点(自責0)で終えたジョー・ガンケル投手(30)は6月12日のオリックス戦(京セラ)以来の白星で4勝目(5敗)を挙げた。新型コロナウイルスの濃厚接触者となり、「特例2022」で13日に抹消された大山悠輔内野手(27)が中日との2軍戦(鳴尾浜)で途中出場から守備にも就き、2打数無安打1四球だった。試合後、18日の広島戦(マツダ)からの帯同が決まった。観衆4万2601人は今季最多。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績42勝45敗2分、観衆4万2601人)。(テレビインタビュー)ーーガンケルは「申し分なしですね。初回は自分のミス(けん制悪送球)がありましたが、テンポよく、球数(92球)も少なく、八回まで行ってくれたんでよかったです」ーー八回1死満塁のピンチ「最後の最後に、より集中力を高めて丁寧に丁寧に投げる姿が見えていたんで、最後の大島もイヤなバッターですけど、丁寧に投げてくれました」ーー3連投の岩崎「いつも落ち着いて淡々と見えるかもしれませんが、気持ちの中で向かっていくというのは優のいいところなんで、どんな状況でも冷静に熱く投げてくれています」ーー一回無死満塁から逆転打「ここ最近、チャンスで打てていなかったですし、本人も気持ちよく打席に立つという感じじゃなかったんで、1打席目のチャンスで打てたのは、あとのヒットにもつながったことになる。明日(18日)以降、より気持ちも向かって行く輝らしいバッティングができるかなと思います」ーー3点目は足を絡めた「行けるところは行く野球をしていますし、そういう意識を高く持ってやってくれれば、チャンスが生まれて来ると思うんで、チャンスがあれば行きます」ーー大山不在の中、投手が粘り強く「ウチの持ち味は一番は投手陣。しっかり先発、中継ぎがやってくれています。エラーも出ているんですが、よく守ってくれている部分もあるかなと思います」ーーウル虎の夏シリーズで2カード連続勝ち越し。いい形でマツダスタジアムに向かえますね「たくさんのタイガースファンに喜んでもらいたいですし、勝つ試合は一番望んでくれていることなんで、このユニホームで勝てたし、これからも勝つという試合を見せて行きたいです」(囲み)ーー嫌な形で先制されたが、中野、島田が連続安打で出た「もちろんもちろん。ランナー出ると向こうも嫌だと思うし、何かあるんじゃないかを警戒しながらの形になるのは、ウチの野球の特長だと思う。いろんな作戦ができていければいいし、島田も自信をつけて任せられるっていうか、そういう選手に成長していってくれたら、うれしいなと思います」ーー島田は16日は久々にスタメンを外れ気持ちも強かった「いや、それないとダメでしょ」ーー佐藤輝の状態は「今日は何かいい感じで。これは俺の見た感じだけど、後ろの方(左肩)が突っ込まないというか、どうしても上から叩きたい感じが、ずっとあったように思ったけど、今日はいい形で打球が上がりそうな。後ろの肩が出ずにというか、突っ込まずにっていう感じで、練習でもいい感じで打っていた。何か本人の中であったかもしれないし、まあ、そういう風には見ていました」ーー一回の攻撃は采配が当たった「でもね。采配ってね。結局、選手がやってくれるかやってくれないかなんよね。こっちがサイン出したって、近本がいいスタート切ってくれたり、島田がしっかりバスターを決めてくれたりというのがあって。俺のサインっていうのは後だから。結局は選手だから。選手がそうやって自分たちで意識高く、やらされる野球じゃなくて、これは俺も4年間ずっと言ってるけど、自分たちがどう動いていくか、どう動いたら嫌か。自分たちで考えて、自分たちでやっていって、そこの面白みとか、自分の価値を上げるとか。それは俺って言うよりは選手達がやってくれないと。作戦はそうならない。決まってもちろん、俺は気持ちいいというか気分はいいけど、本当に選手がやってくれたのが一番」ーー近本が三走で安心感があった「それはね、逆のこともあるんだよね。近本だから警戒されて行けないというのはあるから一概には言えない」ーーガンケルは勝ち星つかず、間隔もあいたが「いい意味でいつもと同じというか、そういう感じで行ってくれたし、登板間隔があいて投げるのはすごく難しいことなんで、気持ちもゲームに入っていくことも含めて難しいと思うんで、そういうところで、八回まで行ってくれたのは大きい。ガンケルらしさという投球をやってくれた。もう1回あるんで、しっかり投げてもらいたいなと思います」ーー大山がファームで試合に出場「悠輔としゃべっても、出た感じで相談しようかと話していたんだけど、出て大丈夫ということなんで、明日から連れて行きます」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は一回の3点以降無得点に終わった打線に苦言を呈した。勝った試合でアレコレ言いたくはないのだが、追加点を奪えない打線は、やはり気になる。この日は一回の3点だけだったが、「スミ1」「スミ2」「スミ3」の試合を何度見せられたことだろう。中軸を打つ大山、マルテを欠く打線だから贅沢は言えないのかもしれないが、一回の3点を奪ったあとや、三回の1死一、二塁で一本出ていたら全く違う、楽な試合になっていた。2度の好機で打てなかったロハスの物足りなさ。好機で通用しない助っ人は厳しい。とはいえ、現在のメンバーで矢野監督がやり繰りしている中から誕生した、1番からズラリと左打者が並ぶ打線は相手にとって嫌だろう。中野、島田、近本は揃って足があるから、常に次の塁を狙う。その中で生まれたのが、一回の重盗での3点目だった。最近では、どのチームも一目置く、嫌がる打線になってきている。4番の佐藤輝に当たりが出てきたのは朗報。先制打は「4番の仕事」だった。ただ、まだ微妙なズレがあるのか、打球が上がらない。早く一発長打の魅力を取り戻してもらいたい。一回に逆転して奪ったリードを守り切る展開は実は非常に厳しい。投げている投手も、最もしんどい投球になる。勝利に結びつけられたのは、ガンケルのおかげだろう。立ち上がり、いきなり自分のミス(けん制悪送球)も重なって1点を失ったが、すぐに味方の逆転で精神的に立ち直った。中日打線が元気がないことにも助けられたが、キレ、制球が抜群。特にここ一番での制球が見事だった。象徴的だったのが八回1死満塁。平田を外角一杯の速球で見逃し三振に仕留めたシーンだ。この試合のポイントだった。先発の充実ぶりは群を抜いており、投手同士の戦いなら絶対に負けない。だからこそ、追加点が奪える打線になってもらいたい。

◆中日のワカマツが支配下契約したその日に「5番・三塁」で初出場した。背番号96のユニホームが間に合わず変更前の210のまま。2打数無安打で1四球。左飛だった五回の打席は8球続けてファウルで粘り「緊張した。いい打席もあった」と振り返った。来日2年目の今季は2軍で打率3割2分8厘と好成績だった。前夜の試合で高橋周が脇腹を痛めたことで、1軍への合流が決定した。三塁のポジションは空いており「どこでも守れる。チームに貢献していきたい」と貪欲に話した。

◆中日の根尾が八回2死一塁で救援して陽川を中飛に仕留めた。俊足の熊谷が一塁走者で、素早いけん制で警戒。盗塁を許さず、危なげなく打者1人を打ち取って「課題を修正して次も頑張る」と力強かった。10試合目のマウンド。これで3試合続けて無失点となり、防御率2・25と安定している。自己最速に並ぶ153キロも計測した。

◆テル、お目覚め! 阪神は中日に3―1で勝ち、恒例のイベント「ウル虎の夏」最終戦を白星で飾った。「4番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(23)が一回に4試合ぶりの安打となる逆転2点打を放つなど、17試合ぶりの猛打賞で勝利に貢献。チームも4位に浮上した。球宴まであと6試合。借金「3」を完済するため、目覚めた主砲が打ちまくりまっせ~!トンネルを抜けた。一塁ベース上で、手をたたいて笑みを浮かべる。佐藤輝が0―1の一回無死満塁で逆転2点打。うっぷんを晴らすかのような強烈な打球を、右前へと持っていった。「最近、打てていなかったんで、なんとしても打とうという気持ちでした。点が入るなと思って、すごいうれしかったです」中野、島田がともに左前打。続く近本の投前犠打を中日の先発・柳がファンブルして無死満塁となった。カウント2―1からの4球目、内角寄りのカーブを振り抜いた。安打が4試合&16打席ぶりなら適時打は8日のヤクルト戦(神宮)以来6試合&25打席ぶりだ。直後に足でも魅せた。1死一、三塁のロハスの打席でスタートを切り、三走・近本と重盗を決めた。昨年を上回るシーズン7盗塁目もマークすると、もうもう止まらない。3-1の三回1死で右前に運び、五回2死では右翼線へ二塁打。6月24日の中日戦(甲子園)以来、今季6度目の猛打賞と大暴れした。「練習からいい打球が飛んでいたので」悩んでいた。この日は疲労回復より、体をいじめた。全体練習が始まる前の午後1時30分、グラウンドに姿を見せると、北條や島田、糸原らとともに早出特打ち。炎天下のグラウンドで約20分、バットを振った。「いろいろ練習する中で、つかんだものもあった。よかったです」効果はてきめん。井上ヘッドコーチは「行動を起こせ、アクションを起こせと(言った)。モヤモヤした感じで神頼みしても打てないよ、と。練習はウソをつかないと思ってやらないと。本当にスーパースターになる素質があっても、普通の選手で終わってしまうよとコンコンと言った」とハッパをかけたことを明かした。矢野監督も「練習から後ろの肩(左肩)が突っ込まず、いい感じて打てていた」と予感があったという。12日の巨人戦から始まった恒例の「ウル虎の夏2022」は4勝2敗と6年ぶりに勝ち越した。佐藤輝はお立ち台で、猛虎がデザインされたド派手な特別ユニホームを見ながら「ファンの皆さんと一緒に着て、とても一体感はありましたし、最後は(勝利で)締めくくれて最高です」と感謝した。4位に浮上し、借金も「3」に。球宴までの残り6試合を5勝1敗なら借金を完済して待望の貯金ターンとなる。18日からは今季5敗1分けと一度も勝っていない鬼門のマツダスタジアムに乗り込んでの広島3連戦。背番号8は「いい流れがきているので、明日からも全部勝つつもりでチーム一丸となって戦ってきます」とブチ上げた。まずは1ゲーム先にいるカープをつかまえる。きょうこそ13試合ぶりの〝お目覚め弾〟を放ち、虎をさらに加速させる。(三木建次)★近本「良い攻撃」 重盗成功のシーンの三走は近本。佐藤輝がスタートし、捕手・木下から一度は視線で〝けん制〟されたが、二塁送球と同時に快足を飛ばし、生還した。前夜も1点を追う九回に三塁から、遊撃野選を誘って同点のホームイン。連日の神走塁を「柳の立ち上がりにチームとして良い攻撃ができていたと思いますし、試合の中でも結果的に大きな1点になったと思うので、良かったです」と喜んだ。

◆今季初の3連投で、虎の白星を守り切った。岩崎が貫禄の無失点投球で19セーブ目。何度も勝利の喜びをファンへ届けてきた守護神に、矢野監督も最敬礼した。「いつも落ち着いて、淡々とっていうふうにみえるかもしれないけど、気持ちで向かっていくというのが、優(岩崎)のいいところなんで」3-1の九回。先頭の岡林に中前打を許したが、続く木下のゴロを素早く捕球し、二塁へ。山本から陽川へ渡り、投ゴロ併殺に打ち取った。中日・立浪監督がリプレー検証を要請したが、判定は変わらず。最後はビシエドを二ゴロに仕留め、ゲームセットを迎えた。3連投は中継ぎで登板した昨年6月1―3日のオリックス戦(甲子園)以来。今季34試合登板で防御率1・93と安定感は健在だ。試合前に湯浅や石井ら若手と甲子園の外野スタンドを駆け上がる光景は日常になった。ブルペン陣のリーダーとしても、チームを支える。指揮官は「どんな状況でも冷静に、熱く投げてくれています」と厚い信頼を口にした。背番号13が、シーズン前半戦での貯金生活に導く。(新里公章)

◆八回2死満塁。大島をスライダーで二ゴロに打ち取ると、ガンケルはグラブ越しに手をたたき、守ってくれた野手陣をたたえるように、右手の親指を突き上げた。「最初のイニングはちょっと荒れてしまったけど、その後、落ち着いて投げきることができた。きのう(16日)、延長で投げてくれた中継ぎ陣を少しでも休ませることができたので、よかった」試合が中止になった影響などで中17日のマウンド。間隔が空いたせいか乱れた。一回1死一塁で一走・岡林がスタートを切ると、珍しく一塁へ悪送球。三塁まで到達され、先制点につながるミスとなってしまった。だが、ベンチに戻ると「荒れた後にどのような投球ができるかな。試しておかないと」と切り替える余裕があった。二回から七回まで制球力と緩急を生かし、打たせて取る投球で一人の走者も許さなかった。8回1失点(自責0)で6月12日のオリックス戦(京セラ)以来となる4勝目。これで昨年から中日戦4連勝となった〝竜キラー〟について、矢野監督も「申し分ない。登板間隔が空いて投げるのはすごく難しい。そういうところで八回までいってくれた。もう1回(前半戦で登板が)あるので、しっかり投げてほしい」と厚い信頼を口にした。うれしいパパ初勝利となった。6月15日に第1子となる長女・キンズリーちゃんが誕生。マウンドでは頼もしい右腕も、家に帰れば慣れない育児にてんてこ舞いだ。「最初の数週間は寝かしたり、ミルクをあげたりで足が重くなってしまったこともあったよ」。だが、日に日にすくすく成長するまな娘は、何よりもパワーをくれた。「目を見て笑ってくれる瞬間は、本当に最高」。今ではメガン夫人よりも、寝かしつけるのが上手になった。「自分の体のサイズや体温のせいなのかな? 成長したときに、特別な1勝になれば」と幸せいっぱいだ。「九回に観客席を見たときに、本当に満員のお客さんが入っているのを確認して、すごく楽しいなと思いました」メジャー経験がなく、来日後もコロナ禍の入場制限があったガンケルにとって、満員のスタンドも力をくれる存在。愛する家族とファンをもっともっと笑顔にすべく、頼もしく腕を振る。(平野佑治)

◆きょう1軍合流! 新型コロナウイルス陽性判定を受けた近親者の濃厚接触者となり、登録抹消されていた阪神・大山悠輔内野手(27)が17日、ウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で実戦復帰。代打で途中出場し、2打数無安打1四球で一塁の守備にも就いた。18日からの広島3連戦(マツダ)に帯同し、早ければ同日から出場選手登録される可能性が浮上した。4日間のブランクを少しでも埋めたかった。大山が気温30度の鳴尾浜で実戦復帰し、はつらつとプレーした。「こうやって試合に出られている、野球できていることがまずは一番、良いことだと思う。しっかり準備していきたい」新型コロナウイルス陽性判定を受けた近親者の濃厚接触者となり、13日に特例2022で登録抹消。陰性が確認されたことでこの日、実戦復帰となった。四回無死走者なしで代打で登場し、ここは見逃し三振。六回も二ゴロと凡退したが、八回はファウルで粘り、左翼ポール際へ、もう少しでホームランという大飛球も放ちながら、最後は四球を選んだ。2打数無安打1四球。五回から一塁の守備にも就いた。「思うように動かないところもあるけど、こればっかりはしようがない。ここからの時間が大事。しっかりとやっていきたい」と力を込めた。矢野監督は「悠輔と出た感じで(復帰を)相談しようかと話していたんだけど〝大丈夫〟ということなんで、明日から連れて行きます」と18日の広島戦(マツダ)から1軍に合流させることを明言した。即選手登録されて出場する可能性もある。「体調面のことはもちろん一番ですけど、その中でも、戻ったときにどうしたらいいかというのを考えている。しっかり準備できたら」大山も早く1軍の力になりたくてうずうずしている。チームも虎党も待ち望んだ大砲が帰ってくる。夏の大山が、打線を活性化させる。(織原祥平)

◆朝から感動の一日だった。世界陸上でサニブラウンが男子100メートルで準決勝を勝ち抜き、決勝進出。お昼前のファイナリスト8人の戦いは7番目だったが、ついに「日の丸」を背負ったランナーが、決勝を走るシーンが見られる日が来たのだ。電話してきたトラ番・織原祥平に、興奮気味に「見たか?」と尋ねた。「見てません」えっ、見てないの? 意外そうに聞くと-。「その頃はもう鳴尾浜球場にいたので」スマン! 朝早くから仕事をしていた若きトラ番が、見ているはずがないのだ。前夜、ナイターで遅くまで球場にいても、翌朝は眠い目をこすりながら2軍のホームグラウンドへ。トラ番記者が歩む、過酷な道だ。そこには、合流が待たれる新助っ人、ロドリゲスがいる。さらには、コロナの濃厚接触者になってしまった大山も。2軍戦に出るの? 出ないの? 1軍昇格はあるの? 先送り?鳴尾浜の織原と甲子園にいるトラ番が連携して取材を開始。そして、大山が18日から1軍合流。朗報だ。「2軍戦でもう少しでホームランのようなファウルも打って、状態は良さそうです。報道陣への対応でも、意欲的だなぁと感じました」普段は投手担当の織原。大山をジックリ取材したのは、春季キャンプの打ち上げ日以来だった。何番を打ちたいかの質問を嫌がっていた大山に、ド直球に「打順は?」とぶち込んで、大山から「打順は何番でもいいんです。勝てれば何番でも。これ、絶対に書いてください」の名言(?)を引き出した実績の持ち主。日頃〝密着〟していない記者の目の方が正確なこともある。織原を含めて、わが社の優秀な若手記者たちは、一生懸命に「虎のソナタ」のネタ探しも協力してくれる。「先輩! きょうは『さすガっスナイター』らしいですよ」中日と阪神を掛け持ちで担当する須藤佳裕が報告してきた。思わず「えっ、上戸彩が来るの?」と叫びかけて、いい年してハシャいだら恥ずかしいので言葉を飲み込んだら、すぐ隣の席にいたサブキャップ・新里公章が重々しく発した。「そうか、上戸彩が来るのかぁ」須藤が失笑だ。「そうじゃないですよ。近本選手に決まってるじゃないですか! きっと、社会人時代に在籍した会社の後押しで活躍しますよ」関西地区以外ではなじみのない方もおられるだろうから、説明する。「さすガっス!」は大阪ガスのCM。かわいい上戸彩が、かわいく「さすガっス!」と叫ぶのだ。オジサンの期待もむなしく(?)、上戸彩は甲子園に現れることなく、その代わりに、近本本人が試合前、大阪ガスからの花束を受け取っていた。これだけの話なら「虎のソナタ」には無理かなぁと思っていたら、須藤の予感が的中だ。一回1死一、三塁から、三走・近本が本盗(重盗)を鮮やかに決めた。捕手・木下が近本を〝目で抑え〟ながらも、本塁突入でセーフ。天才的な走塁センスは「さすガっス」だ。活躍を読み切った須藤にも「さすガっス!」を贈ろう。そして、大山が打ちまくったら、織原にも「さすガっス!」と言ってあげたい。

◆よっしゃァ! 阪神が勝った!! ガンケル4勝目、佐藤輝は本日もホームランは出なかったけど...、決勝タイムリーを含む3安打アリガトウ!!さて、本日は勝ったけど逆転Vのために、あえて虎党の矢野党首に、野党となって質問するのだ!!「虎首! 虎首!! あなたは采配の〝疑惑のデパート〟といわれてますよ!!」一回、佐藤輝の満塁からの逆転タイムリーの後、さらに1死一、三塁。ロハスの打撃に任せず、ダブルスチールで、追加点を奪ったのは何なんですか? ファンの気持ちとかけ離れているのに、それでもロハスを起用しているのは、助っ人と信用する素人には分からない、プロの奥の奥があるんだろう? と俺はまだどこか思っていたのに(涙)。そこ、キチンと説明してください!!まさか、外国人打者の打席だから重盗はない? と隙をついた? 本日は音なしだったけど、はっきり言って(2つの好守備を見せてくれた)陽川に今季のロハスの打席数を与えていたら、2桁はホームラン打っとるわ! 日本一を狙ってくれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
53311 0.631
(↓0.008)
-
(-)
58378
(+2)
306
(+10)
98
(-)
55
(-)
0.255
(-)
3.180
(↓0.09)
2
(-)
広島
43443 0.494
(↑0.006)
11.5
(↑1)
53347
(+10)
336
(+5)
51
(+3)
16
(-)
0.253
(↓0.001)
3.390
(↓0.02)
3
(-)
DeNA
40412 0.494
(↑0.006)
11.5
(↑1)
60300
(+10)
334
(+2)
62
(+1)
30
(-)
0.252
(↑0.002)
3.600
(↑0.02)
4
(1↑)
阪神
42452 0.483
(↑0.006)
12.5
(↑1)
54304
(+3)
255
(+1)
57
(-)
70
(+2)
0.238
(-)
2.650
(↑0.03)
5
(1↓)
巨人
44481 0.478
(↓0.006)
13
(-)
50356
(+5)
415
(+10)
105
(+2)
41
(+1)
0.245
(↑0.001)
3.980
(↓0.05)
6
(-)
中日
37481 0.435
(↓0.005)
16.5
(-)
57248
(+1)
324
(+3)
43
(-)
28
(+1)
0.247
(↓0.001)
3.580
(↑0.01)