阪神(★1対3☆)中日 =リーグ戦16回戦(2022.07.16)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:藤嶋 健人(1勝0敗0S)
(セーブ:祖父江 大輔(2勝3敗1S))
敗戦投手:アルカンタラ(1勝3敗1S)

本塁打
【中日】平田 良介(1号・11回表ソロ)

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◆中日は2回表、高橋周の二塁打に相手失策が絡み、1点を先制する。その後同点とされるも、延長11回に三ツ俣の犠飛と平田のソロで2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、5番手・祖父江が今季初セーブ。敗れた阪神は、9回に追いつく粘りを見せるも及ばなかった。

◆阪神才木浩人投手が16日の中日戦で先発する。甲子園で先発するのは19年5月12日の中日戦以来、1161日ぶり。「甲子園は投げやすいイメージなので楽しみかなと思います。やっぱり本拠地なので、たくさんの方が来られると思う。そういった方たちの前でいいピッチングができたらなと思います」と意気込んだ。3日の中日戦で右肘のトミー・ジョン手術から3年ぶりの復活星を挙げた右腕が2勝目を狙う。

◆5日目を迎えた「ウル虎の夏2022」のイベントの一環で、お笑いコンビ「蛙亭」が試合前に登場し、中野周平(31)とイワクラ(32)が選手紹介などで盛り上げた。イワクラは、お笑いコンビ、オズワルドの伊藤俊介(32)との熱愛を出演ラジオなどで双方が認めている。甲子園には阪神の「伊藤」将司投手(26)のタオルを持って登場し、球場を沸かせた。「さっき、ファンの方に私たちが甲子園に来たのが初めてなので、『甲子園に初めて来た記念や』と言われて伊藤選手のタオルをもらいました」と笑顔。中野が「どういう意味か分からないですけどね、伊藤選手のタオルってね」と応じ、笑いを誘った。試合前のトークイベントでイワクラは、推しの選手に伊藤将を挙げており「もう、推すしかねえと思って(笑い)」と笑顔。どういう選手か知っているか、と問われると「伊藤選手...。ピッチャーでしたっけ...。さっきタオルくれた人とは別で、伊藤投手の写真を見せてくれた人が...」。すかさず中野から「あんまり名前から入る人おらんから」とツッコミが入った。伊藤愛全開で報道陣の笑いを誘った。同イベント最終日となる17日は、ピン芸人のZAZYが登場する。

◆中日高橋周平内野手(28)が途中交代した。「6番三塁」で出場し、2回1死一塁で阪神先発才木から左翼線二塁打を放ち、左翼手が失策する間に三進。三塁ベース上で、右脇腹を指さしベンチへアピール。立浪監督、トレーナーらが駆け寄ったが、プレーを続行した。しかし、2回守備から、三ツ俣が三塁につき、高橋周はベンチに下がった。高橋周は開幕直前の左足首捻挫で出遅れ。4月29日に出場選手登録され、今季からコンバートされた二塁を務めたが、石川昂の故障リタイアで三塁に戻っていた。この日まで61試合、2本塁打、15打点、打率2割4分6厘だった。

◆阪神才木浩人投手(23)が、1161日ぶりの甲子園の1軍マウンドで躍動した。トミー・ジョン手術から復活後、2試合目の登板で最長の6回を投げた。4安打、7奪三振、3四球、1失点。前回3日の中日戦(バンテリンドーム)では5回無失点の力投で、1159日ぶりの1軍勝利。そこから中12日、またも竜打線との対戦で進化を証明した。「梅野さんのリードのおかげで、なんとか6回まで粘りの投球ができたかなと思います。甲子園のマウンドは久しぶりでしたが、たくさんのお客さんが入ってくれて、声援もすごかったですし、楽しみながら投げることができました」岡林、木下を連続三振に仕留め初回を3者凡退。2回は味方の失策が絡み1点を失ったが、簡単には崩れない。2死一、三塁で大野雄を見逃し三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。甲子園での登板は19年5月12日中日戦に先発して以来。360度、大観衆の応援を力に変えた。この日は兵庫・須磨翔風の中尾修監督(56)が観戦に訪れていた。高校入学当初の球速は120キロにも満たず、スライダーの投げ方さえ知らなかった右腕。ただ、肩関節が柔らかく、キラリと光る才能を見抜いてくれた恩師だ。兵庫県の公立校で汗を流し、大きくなった。近くて遠かった甲子園が、今は本拠地。「たくさんの方が来られるので、いいピッチングができたら」。試合前の言葉を有言実行するかのようにアウトを積み重ねた。前回の試合後、ヒーローインタビューで男泣きした背番号35の表情は終始、崩れることはなかった。「次は先発として、もっと長いイニングを投げたい」と闘志を燃やし、6回2死一、二塁のピンチで平田を遊直に仕留めた。1点ビハインドのまま降板し2勝目とはならなかったが、また1つ、成長を示した。

◆阪神近本光司外野手(27)が"神走塁"で、難攻不落の中日R・マルティネスから同点に追いつく1点をもぎ取った。1点ビハインドの9回、先頭で中前打を放ち出塁。今季10度目の猛打賞でチャンスを作ると、すかさずに二盗にも成功した。その後、4番佐藤輝の遊ゴロの間に三進。1死三塁とすると、5番糸原の遊ゴロでスタートを切り、左足からスライディングして同点のホームを陥れた。前進守備を敷く中日遊撃手・土田の懸命なバックホームも、間一髪セーフ。中日立浪監督がリクエストを要求するも、セーフの判定は覆らなかった。R・マルティネスは今試合前まで28試合連続無失点を誇っていた。鉄壁の竜の守護神から土壇場で同点に追いついた。

◆中日ライデル・マルティネス投手(25)が4月1日広島戦から続けてきた連続無失点が28試合で止まった。1点リードの9回に3番手でマウンドに上がった同投手は、先頭近本に中前打を許すと、盗塁、内野ゴロで1死三塁のピンチに。続く糸原を遊ゴロも、遊撃野選で同点を許した。中日の連続試合無失点記録は05年高橋聡文、16年田島慎二の「31」で、R・マルティネスは単独3位。

◆阪神ラウル・アルカンタラ投手(29)が延長11回に登板し1本塁打を含む0回2/3 2安打2失点で無念の途中降板となった。9回に近本の"神走塁"で同点に追いつき、今季11度目の延長戦の11回にマウンドに上がった。中日先頭のビシエドに右翼フェンス直撃の二塁打を浴びると、石垣の犠飛で1死三塁で三ツ俣に犠飛を打たれて勝ち越しを許した。さらに、途中出場の平田に152キロの直球を完璧に捉えられ、痛恨のソロを浴び、矢野監督から交代を告げられた。右腕は15日の同戦で勝利の方程式の一角として7回に登板。無安打無死点で抑えていた。

◆阪神才木浩人投手(23)が、1161日ぶりの甲子園のマウンドで完全復活を証明した。360度、大観衆が後押しする中、鬼気迫る表情で6回87球を投げ終えた。「甲子園のマウンドは久しぶりでしたが、たくさんのお客さんが入ってくれて、声援もすごかったですし、楽しみながら投げることができました」トミー・ジョン手術から復活後、2試合目で最長イニング。4安打、7奪三振、1失点と上々の内容だ。前回3日の中日戦(バンテリンドーム)では5回無失点で1159日ぶりの勝利。中12日、またも竜打線と対し、今度は進化を証明した。休養十分、飛ばしまくった。岡林、木下を連続三振に仕留め、初回3者凡退。2回に味方の失策で1点を失ったが、簡単には崩れず最少失点で切り抜けた。19年5月12日中日戦以来の聖地登板。「先発としてもっと長いイニングを投げたい」と語っていた右腕は、6回2死一、二塁で代打平田を遊直に仕留めた。「先制点を取られてしまったのは悔しいですが、梅野さんのリードのおかげで、なんとか6回まで粘りの投球ができたかな」この日は兵庫・須磨翔風の中尾修監督(56)が観戦に訪れていた。高校入学当初の球速は120キロにも満たず、スライダーの投げ方さえ知らなかった右腕。ただ、肩関節が柔らかく、才能を見抜いてくれた恩師だ。兵庫県の公立校で汗を流し大きくなった。近くて遠かった甲子園が、今は本拠地。今季2勝目こそ逃したが、躍動する姿は何よりの恩返しとなったはずだ。前回、ヒーローインタビューで男泣きした背番号35は、たくましい表情でベンチで声をかけ続けた。復帰後2試合11イニングでわずか1失点。厳しい夏場、復活を遂げた若武者が救世主になる予感だ。【中野椋】才木の前回登板 7月3日の敵地中日戦で5回無失点と好投し、1159日ぶりの勝利を挙げた。チームの鬼門バンテリンドームで、5安打5奪三振。5回に3安打で2死満塁のピンチを背負ったが、岡林を三邪飛に仕留めて役割を果たした。最速153キロで、76球のうち51球が直球。ドラフト同期の大山の1発など打線の援護も受け、「才木のために」で結束した試合だった。観戦した両親の前でヒーローインタビューを「ずっと支えてくれていた人たちのおかげで、またここに戻ってくることができた。本当に感謝の気持ちしかないです」と涙を流した。○...加治屋が8回の1イニングを無失点に抑えた。7日の広島戦(甲子園)で2/3回を投げて2失点して以来のマウンドで先頭の岡林を三ゴロに料理。続く木下に四球を与えたが、4番ビシエドを捕邪飛、最後は石垣を空振り三振に仕留めた。「前回登板で失点してしまったので、やり返す気持ちでマウンドに上がりました。0点で抑えることができてよかった」と胸をなで下ろした。○...浜地も1回を無失点にまとめた。1点ビハインドの9回に4番手で登板し、先頭三ツ俣は二ゴロ、平田は中飛。土田には中前打を打たれたが、慌てることなく最後は代打山下を中飛に仕留めた。「調子があまり良くない中、なんとか0点に抑えられたことは、これから生かしていけるかなと思います。投手陣が踏ん張ってきたゲームでしたし、攻撃につながるような投球ができてよかった」と納得顔だった。

◆阪神が延長戦の末、勝ち越しを許して5位に転落した。連勝は3で止まり、勝てば初の2位浮上という絶好のチャンスを逃した。さらに、今季甲子園での中日戦は6戦全勝だったが初めて敗れた。右肘手術から復帰して2戦目の才木浩人投手(23)が6回1失点と好投した。2回の失点も失策が絡んだもの。自責点はなかった。復活星を挙げた3日の中日戦(ナゴヤドーム)も5回無失点。復帰以来、11イニング自責0を続ける。延長11回では阪神ラウル・アルカンタラ投手(29)が1本塁打を含む2安打2失点で1回を投げきれず途中降板。9回に近本の"神走塁"で同点に追いつき、今季11度目の延長戦。11回にマウンドへ上がったが中日先頭のビシエドに右翼フェンス直撃の二塁打を浴びると、石垣の犠打で1死三塁で三ツ俣に決勝犠飛を打たれて勝ち越しを許した。さらに、途中出場の平田に152キロの直球を完璧に捉えられ、痛恨のソロを浴び、矢野監督から交代を告げられた。右腕は15日の同戦で勝利の方程式の一角として7回に登板。無安打無死点で抑えていた。打線が若き右腕を援護できなかった。中日大野雄大(33)とは今季5度目の対戦だった。5月6日には延長10回2死までパーフェクト投球を許す天敵。7回のうち6イニングで安打を放ちながら、すべて単発。つながりを欠いた。11回の攻撃は2番から始まる好打順だったが、あっけなく3人で終わり球場にため息が響いた。阪神は前日15日の3位から、1日で5位まで後退した。巨人が敗れたため、勝てば今季初の2位に浮上できた試合だった。Bクラスは14日の4位以来。5位は13日以来3日ぶりとなった。阪神は5月14日DeNA戦から続けていた土曜日の連勝が8で止まった。この間7試合で先発に白星がつくなど安定した試合が続き、今回も才木が好投したが、勝利につながらなかった。阪神は今季の延長戦では2勝7敗2分けと、苦戦が続いている。

◆阪神近本光司外野手(27)が"神走塁連発"で勝利の夢を見させた。1点を追う9回先頭で安打出塁すると果敢に二盗を決め、三進後に糸原の遊ゴロで間一髪同点の生還を決めて延長戦に持ち込んだ。陽川の適時失策や糸原の凡走&憤死などもあり、0敗寸前で沈んでいた甲子園を1人で盛り上げた。勝てば2位に浮上できたが、11回にアルカンタラが打たれて5位まで後退。背番号5の大車輪が救いの甲子園ナイトだった。同点の11回、6番手アルカンタラが2点を奪われ、甲子園はため息に包まれた。連勝は3でストップ。矢野監督は「勝負にいったら打たれることもあるやん。それは受け止めないと」と責めなかったが、勝てば今季初の2位に浮上できただけに、悔しい敗戦だ。1点を追う9回には近本の「ウル虎神走塁」連発で、追いつき延長戦に持ち込んだ。28試合連続無失点だった中日守護神R・マルティネス登場で敗色感が強まる中、先頭で中前打。すかさず二盗も決め、一気に無死二塁をつくった。その後三進すると、中日内野陣が前進守備を敷いた。そして糸原が遊撃へゴロを放った瞬間、本塁へ突入。遊撃土田の握り返しがわずかに遅れたが、タイミングは完全にアウト。だが、近本の左足が捕手木下のタッチより先に同点ホームをはいた。中日ベンチのリクエストも判定は変わらず。審判が再び「セーフ」の判定で両手を広げると、満員4万2582人のスタンドから揺れるような大歓声が起きた。「行けると思ったから行きました。その時の僕の仕事をしただけ」。サラリと振り返ったが「チームが負けたのが一番大きい」と、白星に結びつかなかったことを悔しがった。振り返れば序盤のミスが痛かった。1点を先制された直後の2回、無死一、三塁で陽川の浅めの右翼への飛球で三塁走者糸原がタッチアップ。しかし無理だと判断したのか、半分の地点で引き返したが戻れずアウト。併殺で好機をつぶした。矢野監督は「正直、難しいプレーだと思う。でもオレらは前にチャレンジしていく野球だから、行ってほしかった」と苦言。許した先制点も左翼陽川がクッションボールを誤った適時失策で、6回1失点と粘った才木を援護できなかった。巨人が負け、勝てば2位に浮上できたが、反対に5位まで落ちた。2位以下は混戦ながら、首位ヤクルトが負けただけにもったいなかった。借金は4。矢野監督は「毎試合勝とうと思っている。(観客が)たくさん入ってくれているんで、応える野球をしたい」と厳しい表情。悔しさは1日で晴らしたい。【石橋隆雄】▽阪神矢野監督 (9回近本について)難しいけど、当たり前にやってくれる選手。あのスライディングもよかったし、チカが取ってくれた点。いろいろな点の取り方があって、打って点を取りたいけど簡単じゃない。その意味ではチカがいい攻撃、いい走塁をしてくれた。毎試合勝とうと思っている。やることは変わらない。お客さんがたくさん入ってくれているので、それに応える野球をしたい。

◆阪神が延長11回で中日に競り負けた。同点の11回に登板したラウル・アルカンタラ投手(29)が2点を奪われた。1点を追う9回1死三塁では糸原健斗内野手(29)の遊撃前へのゴロで三塁走者近本光司外野手(27)がギャンブルスタートで生還し延長に持ち込む神走塁を見せた。右肘手術後2度目の先発となった才木浩人投手(23)は6回1失点と粘りの投球だった。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-9回に追いついただけに、延長11回にアルカンタラが打たれたところはもう少し慎重にというところもあったのか矢野監督 慎重にってね、そりゃ慎重になってないことはないわけだから。それは俺ら後付けでどうとでも言えるけどさ。勝負行ったら打たれることもあるやん。それは受け止めてやらないと、そんなん言うたらボール投げられへんやん-9回の近本はあそこで本塁へ行けたのはいいプレー矢野監督 まあまあ、ある意味ね、難しいけど、当たり前になってくれている選手だと思うし。あの回も、チカが出て、チカが走って、チカでセーフになって、あのスライディングもよかったし。チカが取ってくれた、という点やったと思うんで-相手守護神からの点の取り方としても矢野監督 まあまあ、それはいろんな点の取り方があるから、もちろん打って点を取りたいけど、なかなか簡単なことじゃないんで。そういうところではチカ(近本)がいい攻撃、いい走塁をしてくれたと思います-2回、三塁走者の糸原の走塁は中途半端になった。矢野監督 結果的にそうなったよね。だからまあ、行くぞっていうところから、送球の高さとかを見た時に、ちょっとこれはアウトになるんじゃないかというところの判断で、健斗(糸原)は戻ったと思うんだけど。まあ、正直、難しいプレーだと思うんだけどね、でも俺らは前にチャレンジしていく野球だから、そういうところでは、どうかなと思うところはやっぱりチャレンジして、あれがアウトだとしても、それは俺は失敗から、失敗というかチャレンジから学んでいけることがあると思うし、そういうところでは行ってほしかったなっというのはあるけど。でも健斗は健斗で、そういう岡林の肩、送球の高さ、そういうのを考えるとムリだっていう判断になったと思う-スタメン起用の陽川は守りでミスがあったが、2安打と取り返した。矢野監督 まあね、少ないチャンスの中でどう自分のチャンスを増やしていくかっていうね、そういう立場にいるんで、そういうところでは毎打席必死やろうし、そういう気持ちがああいうヒットにつながったんじゃないかなって思います-先発の才木は6回1失点と良いピッチング。矢野監督 そうやね、前回も気持ちが前面に出ての投球やったと思うけど、今回はその気持ちっていうのはアイツの長所の部分やけど、そこを持ちながらもう1歩冷静にというか、投球できた感じがしたんで、前回よりも中身的には良かったかなと思ってます-完全復活という感じか。矢野監督 完全復活って別にそんな元々ね、そういう復活って、どこで復活か知らんけど、それは本人じゃないのー次回は矢野監督 それは分からん-ウル虎の夏も明日で終わり。明日勝てば勝ち越し。矢野監督 毎試合勝とうと思ってるんで、ウル虎の時も勝とうと思ってるし、ウル虎じゃない時も勝とうと思ってるんで、やることは変わらないんで。でも今日もたくさん入ってくれてるんで、それにはしっかり応える野球をしたいなと思います

◆中日高橋周平内野手(28)が17日に出場登録を抹消される。16日の阪神16回戦(甲子園)で2回に左翼線二塁打を放ち、失策の間に三進したが、その際に右脇腹を痛めた模様。2回守備から三ツ俣と交代し、病院で検査を受けた。立浪監督は「脇腹の炎症。明日、登録を抹消する」と明言。また、アリエル・マルティネス捕手(26)も6回守備から手首の違和感のため交代。17日の状態を確認して、今後を判断する。

◆阪神近本光司外野手(27)が神走塁を披露した。0-1の9回。先頭で中前打を放つと、次打者の初球に二盗を決め、内野ゴロで三塁に進んだ。ベンチからの指示は投球がバットに当たった瞬間に走るギャンブルスタート。糸原が、前進守備を敷いていた遊撃前に転がした。三塁走者の近本は迷わずGOだ。「そのときの僕の仕事をやっただけです」。遊撃土田の握り替えがわずかに遅れたがタイミングは完全にアウト。誰もがそう思った瞬間、近本の左足がベースに滑り込んだ。中日ベンチがリクエスト。再度「セーフ」の判定が出ると、甲子園に大拍手が沸いた。1-1と追いついた。サイン通りに動いただけと本人は言うが、スタートのタイミング、加速、そしてスライディング。近本の走塁能力あってのセーフ判定だった。バットでも今季10度目の猛打賞をマーク。同点劇に続いた9回の二盗も大きかった。「行けると思ったから行っただけ。別に無理していくようなところでもない」と冷静に振り返った。敗れて、笑顔はない。延長11回、最後の打席は粘りながら二ゴロに倒れた。「最後も打てなかった。チームが負けたのが一番大きいです」。活躍に浸ろうとはしなかった。【柏原誠】

◆中日が7戦目にして甲子園今季初白星をもぎ取った。1-0の9回に守護神R・マルティネスが同点に追いつかれた。延長11回に三ツ俣の決勝犠飛、平田の1号ソロで勝ち越し。5番手祖父江がリードを守り逃げ切った。立浪監督は、「9回に追いつかれた時は、後攻が有利でいやな予感はした。全員で頑張って1つ勝てて良かった」と、安堵(あんど)の表情を見せた。▽中日R・マルティネス(9回3番手登板で1失点し、連続無失点試合が28でストップ)「点を絶対取られたくなかった。その後は切り替えて、次の点を取られないようにと思って投げた」▽中日三ツ俣(途中出場で延長11回決勝中犠飛)「走者をかえすつもりで打席に立った。大野雄さんに勝ちをつけられなかったことが悔しいが、勝てたので良かった」

◆阪神は前日15日の3位から、1日で5位まで後退した。巨人が敗れたため、勝てば今季初の2位に浮上できた試合だった。Bクラスは14日の4位以来で、5位は13日以来3日ぶりとなった。阪神は甲子園での中日戦で今季7試合目で初黒星。4月27日の初対戦から全勝していた。敵地バンテリンドームでは3勝6敗と、今季も苦戦が続いている。阪神は5月14日DeNA戦から続けていた土曜日の連勝が8で止まった。この間7試合で先発に白星がつき、今回も才木が好投したが勝利はならなかった。阪神は今季の延長戦では2勝7敗2分けと、苦戦が続いている。

◆敗戦の光だ。阪神才木浩人投手(23)が完全復活を証明した。20年オフのトミー・ジョン手術を経て、復帰2戦目の中日戦で6回を1失点。涙の3年ぶり勝利を挙げた前回3日の同戦と合わせ、11イニングで自責0と抜群の安定感を示した。同点の延長11回にアルカンタラが打たれて連勝が3で止まり、2位浮上も逃した。だが、再起した若武者の勇姿こそ、上位浮上を目指す反攻のシンボルだ。その瞬間、才木は内に秘めていた闘志を解放した。4回2死一、二塁。土田を空振り三振に仕留めると、ほえた。19年5月以来、約3年ぶりの甲子園のマウンド。盛り上がるスタジアムを味方につけ、鬼気迫る表情で87球を投げ抜いた。「ライトもレフトも、お客さんがいっぱいいる中で投げるのは気持ちがいいし、すごく楽しかった」降板後のベンチでようやく、23歳の素の表情になった。360度囲んだファンと一緒になり、逆転勝利を信じて先輩たちに声援を送り続けた。「2点、3点取られると、すごくいい投手ですし、最少失点で、という気持ちで投げていた」。この日最速152キロの直球を軸に、相手エース大野雄に1歩も引かなかった。2回に味方の失策で1点を失ったが、簡単に崩れない。トミー・ジョン手術から再起した2戦目は前回より1イニング多い6回を1失点。2勝目こそ逃したが、計11回で自責0、防御率は0・00だ。189センチの大器が完全復活を証明した。「自分としては6回に代えられてしまうところで、まだまだ力不足を感じていますし、圧倒できるような投球をしていきたい」決して納得はしない。6回2死一、二塁では代打平田を遊直に仕留め「梅野さんのリードのおかげで粘りの投球ができたかな」。収穫も課題も肥やしにする。この日は兵庫・須磨翔風の中尾修監督(56)が観戦に訪れていた。高校入学当初の球速は120キロにも満たず、スライダーの投げ方さえ知らなかった。才能を見抜いてくれた恩師に、高校時代は近くて遠かった甲子園で恩返しの快投を見せた。「本当に元気で投げていたんで安心しました。なかなか2年間しんどかっただけに、マウンドに立った時はうれしかったですね」。恩師も心打たれた。背番号35が投げるたび、誰かの勇気に、励みになる。前回ヒーローインタビューで男泣きした23歳は、また1つたくましくなった。「球速も落ちて、最後は捉えられていた。自分の中ではそこらへんが悔しかったので、すぐにできることではないですけど、もっと上のレベルを目指していきたい」。この向上心があれば、もっともっと上にいける。【中野椋】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神近本光司が神走塁。土壇場の9回に味方の内野ゴロで三塁から一気に本塁を突いた近本、捕手のタッチをかいくぐり同点のホームインだ!

◆阪神は16日、才木浩人投手(23)と斎藤友貴哉投手(27)を出場選手登録した。才木はこの日の中日戦(甲子園)に先発するため登録された。15日にブルペンの一角として活躍していたケラーが新型コロナウイルス陽性判定を受けて抹消。斎藤は14日に抹消されていたが、ブルペン要因として特例2022により、出場選手登録抹消後10日間を経ずに登録となった。

◆両軍のオーダーが発表された。阪神・才木浩人投手(23)が先発する。右肘のトミー・ジョン手術から復帰登板となった3日の中日戦(バンテリンドーム)では5回無失点の力投で1148日ぶりに白星を挙げた。故障明けということもあり、登板間隔を空けるため、一度登録を抹消。中12日で本拠地のマウンドに上がる。甲子園で勝利を挙げれば、2019年5月1日の広島戦(甲子園)以来、1172日ぶりとなる。野手では、15日に決勝の1号2ランを放った北條史也内野手(27)が「2番・一塁」で今季7度目のスタメン出場する。

◆阪神が走塁ミスで二回のチャンスをつぶした。1点を先制された直後の攻撃だった。先頭・糸原が左前打で出塁し、続く山本の二塁へのゴロは中日・溝脇が捕り損ねて中堅方向へ。打球を見た糸原は好判断で一気に三塁へと進んだ。無死一、三塁の好機で打席に立った陽川が放った打球は右翼へ打ちあがり、捕球を確認した三塁走者・糸原は同点のホームインを試みてタッチアップした。しかし、ボールが中継される途中で生還は間に合わないと判断し、慌てて帰塁。右翼・岡林から返球を受けた二塁・溝脇は、糸原の向かう三塁へ素早く送球し、9―4―5とボールが送られて、タッチアウトとなった。好走ののちの走塁ミスに、虎党からは大きなため息が漏れた。チャンスは一気に2死一塁としぼみ、梅野も左飛に倒れ、この回は無得点に終わった。

◆阪神・才木浩人投手(23)が先発し、6回4安打7奪三振1失点(自責0)だった。150㌔超の直球にフォーク、カーブなどの変化球を織り交ぜ、虎打線に立ち向かった。一回は三者凡退。二回は1死一塁から高橋周に三塁線を破られ、左翼・陽川の、三塁ファウルゾーンのラバーフェンスに当たったクッションボールのトンネルも重なり、先制点を許した。だが、なおも1死三塁で、溝脇をフォークで空振り三振に抑え、8番・土田を申告敬遠で歩かせて選んだ大野雄との勝負も見逃し三振で制し、最少失点でしのいだ。その後も、安打と四球で招いた四回2死一、二塁では土田をフォークで空振り三振に斬り、先頭・木下とビシエドの連打で作られた六回無死一、二塁も、後続を打ち取って無失点。先発の役目をしっかりと全うした。2020年10月末に受けた右肘側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を乗り越え、今年7月3日の中日戦(バンテリンD)では1148日ぶりの1軍登板を果たし、5回無失点で1159日ぶりの白星も手にした。中12日で迎えた今回の登板は、19年5月12日の中日戦以来、1161日ぶりとなる1軍での甲子園登板。相手エース・大野雄との投手戦をしっかりと演じてみせた。

◆中日の高橋周が二回の守りから退いた。直前の攻撃で左翼線に二塁打を放ち、失策で三塁に進んだ後に右脇腹付近の違和感を訴えた。立浪監督は「炎症がある。たぶん(登録)抹消になる」と話した。

◆阪神が土壇場の九回に同点に追いついた。七回まで大野雄、八回を清水に抑えられ、0―1で迎えた九回に、中日は守護神・R・マルティネスを起用。それでも先頭の近本がこの日3安打目となる中前打で出塁すると、この試合でチームが2度失敗した二盗に成功。さらに、佐藤輝の遊ゴロで三塁に進んだ。続く糸原が0-1の九回1死三塁から放った打球は遊撃へのゴロ。近本は本塁へ突入し、間一髪のタイミングでスライディングすると吉本球審の両手は水平に広がった。中日・立浪監督のリクエスト要求によるリプレー検証の結果も判定は覆らず、同点(記録は遊撃の野選)となり、阪神ナインは感情を爆発させた。

◆阪神は延長十一回に失点し、そのまま競り負けた。連勝は「3」でストップし、セ・リーグ5位に後退。甲子園で、中日に今季初勝利も献上してしまった。土壇場で追いついた勢いをいかせなかった。0-1の九回1死三塁の好機で、糸原の遊ゴロの間に三走・近本が本塁へ突入し、間一髪のタイミングでスライディングするとセーフの判定。リプレー検証の結果も判定は覆らず、同点(記録は遊撃の野選)としたが...。1-1の延長十一回にアルカンタラが三ツ俣の中犠飛で勝ち越され、平田のソロで突き放された。

◆中日が競り勝った。同点の延長十一回にともに途中出場の三ツ俣の犠飛と平田のソロで勝ち越した。4番手の藤嶋が今季初勝利を挙げた。阪神は九回に追い付く粘りを見せたが延長戦で力尽き、連勝は3でストップ。5位に転落した。

◆阪神の連勝が「3」で止まり、3位タイから5位に転落した。延長十一回、6番手のラウル・アルカンタラ投手(29)が1死三塁から三ツ俣大樹内野手(30)に中犠飛を許し、さらに平田良介外野手(34)に1号ソロを浴びて、競り負けた。2019年5月12日の中日戦以来、1161日ぶりの甲子園登板の才木浩人投手(23)は6回1失点(自責0)だった。延長戦2勝7敗2分のチームは14日の巨人戦(甲子園)の二回以降、26回連続適時打ゼロ。また佐藤輝明内野手(23)は15打席連続無安打。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績41勝45敗2分、観衆4万2582人)。ーー九回追いついただけに、アルカンタラは、もう少し慎重に...「慎重にってね、そりゃ慎重になってないことはないわけだから。それは俺ら後付けでどうとでも言えるけどさ。勝負行ったら打たれることもあるやん。それは受け止めてやらないと、そんなん言うたらボール投げられへんやん」ーー九回の近本は(九回1死三塁で糸原の遊ゴロで生還)「まあまあ、ある意味ね、難しいけど、当たり前になってくれている選手だと思う。あの回も、チカが出て、チカが走って、チカでセーフになって、あのスライディングもよかった。チカが取ってくれた点やったと思うんで」ーー相手守護神からの点の取り方としても「まあまあ、それはいろんな点の取り方があるから、もちろん打って点を取りたいけど、なかなか簡単なことではないんで。チカが、いい攻撃、いい走塁してくれたと思います」ーー二回の糸原の走塁は中途半端になった(二回無死一、三塁で陽川の右飛に三走でスタートしながら、〝Uターン走塁〟で憤死)「結果的にそうなったよね。行くぞっていうところから、送球の高さを見た時に、ちょっとコレはアウトになるんじゃないかという判断で、健斗は戻ったと思うんだけど。まあ正直、その難しいプレーだと思うんだけど。でも、俺らは前にチャレンジしていく野球だから。そういうところでは、どうかなというところはやっぱりチャレンジして。あれがアウトだったとしても、それは俺らは失敗から、失敗というか、そのチャレンジから学んでいけることはあると思う。そういうところでは、まあ、行って欲しかったな、というのはあるけど。健斗は健斗で、岡林の肩、送球の高さを考えると無理だという判断で止まったと思う」ーー陽川は守備のミスはあったが、打つ方で取り返した部分も(二回1死一塁で左翼線への打球の処理を誤り、一走の生還を許す。打撃は3打数2安打)「まあ、少ないチャンスの中で、どうチャンスを増やしていくかというね、尚将も、そういう立場にいるんで。そういうところでは毎打席必死やろうし、そういう気持ちがヒットにつながったんじゃないかと思います」ーー才木は今回も好投「そうやね、前回は気持ちが前面に出ての投球やったと思うけど、今回は、その気持ちがアイツの一番長所の部分やけど、そこを持ちながら、もう一歩冷静にというか、何か投球できた感じはした。前回よりは中身的にはよかったかなと思ってます」ーー完全復活と「完全復活って別にその元々...ね、そういう、どこで復活か知らんけど、それは本人じゃないの」ーー次回は「それは分からん」ーーウル虎の夏は17日に勝てば勝ち越し「いやそりゃ毎試合勝とうと思ってるんで。ウル虎の時も勝とうと思ってるし、ウル虎じゃない時も勝とうと思ってるんで。俺らのやることは変わらないんで。でも今日もたくさん入ってくれてるんで。それにはしっかり応える野球をしたいなと思います」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は延長十一回のラウル・アルカンタラ投手(29)の投入に疑問を呈し、15打席連続無安打の佐藤輝明内野手(23)についても言及した。気になる、というより痛恨だったのは二回の糸原の走塁だ。無死一、三塁で外野へ飛球が飛ぶ。三塁ベースコーチはタッチアップ態勢の走者に指示を出す。今回はGOだったのだろう。スタート! そこから、なぜ引き返したのか。本人が送球を見て、戻る判断をしたのかもしれないが、あの地点まで行ったのなら、ホームへ突入するしかない。憤死は仕方ない。アウトのタイミングなら挟まれて、せめて一塁走者を二進させてほしかった。あの回に追いついていれば、大野雄は崩せていた可能性は高い。勝敗を分けた走塁ミスだった。糸原の走塁はグラウンド上なので明確に指摘できる。裏事情が分からないので首を傾げているのが、延長に入っての投手起用だ。ホームチームが九回に追いついて延長に突入した場合、一番いい投手から順番に投入するのがセオリー。十回の守護神・岩崎は当然だった。ならば十一回はセットアッパー・湯浅だったのではないか。湯浅のコンディションも分からない。とはいえアルカンタラが打たれたから、ではなく、不思議に感じている。よく追いついた試合だったが4番が打っていれば、という試合でもあった。佐藤輝に結果が出ない要因の1つに、150キロ台の真っすぐを、なかなか捉えられなくなっていることが挙げられる。佐藤輝が最後に放った本塁打(6月30日=横浜)は、DeNAのエスコバーの剛速球を完ぺきに打ち返した、文句なしの一撃だった。私も評論でホメた。大事なのは剛速球を打った場合、イチニサンで打ちに行って衝突したケースと、しっかり〝つかまえた〟ケースがあり、後者であれば一流への道を歩みだした証拠。私もそう願った。逆に前者なら、マグレとは言わないが「たまたま」打てたことになる。どちらなのかは、本人にしか分からないのだが、その後の打席内容で判明する。「たまたま」の場合は、その感触に酔いしれて、大振りになったり、同じようにイチニサンで打ちに行って凡退する。今の佐藤輝がまさにそうだ。この日もR・マルティネスの高めをフルスイングで空振りした光景を見て確信した(結果は遊ゴロ)。イチニサンは忘れなければいけない。いかに〝つかまえる〟か。その気持ちを打席で心がけること。会心の一打に酔いしれるのはその直後だけだ。

◆1161日ぶりの甲子園のマウンドを存分に楽しんだ。見渡せば360度、ファンで埋め尽くされた観客席。そんな最高の場所でプレーできる喜びをかみしめるようにして才木は腕を振った。「久々の1軍で甲子園ということで、ライトもレフトもお客さんがいっぱいいる中で投げるということは気持ちがいいですし、すごく楽しかった」待ち望んだ本拠地の登板で、投げ合うのは球界屈指の好投手・大野雄だ。これには才木も燃えた。一回から150キロ超の直球を連発し、ぐいぐい攻めた。二回に四球と味方の失策も絡んだ二塁打で先制点を献上。それでも三回以降は気迫の粘りを見せた。六回に連打で無死一、二塁のピンチを招いたが、A・マルティネスを内角の150キロで見逃し三振、続く三ツ俣、代打・平田も真っすぐで打ち取った。「ピンチも何回か作ってしまったけど、最少失点で抑えることができてよかった」6回4安打1失点(自責0)。白星こそつかなかったが、力投に矢野監督は「前回は気持ちが前面に出ての投球やったと思うけど、今回はそこを持ちながら、もう一歩冷静に投球できた感じはした」と評価した。前回3日の中日戦(バンテリンドーム)で1159日ぶりに白星。右肘の手術から復帰したばかりとあって間隔を空けて中12日で登板した。2019年5月12日の中日戦以来となる久しぶりの甲子園のマウンドは、やはり別格だ。観客席で見守る両親の前で躍動した。「自分としては六回に代えられてしまうところでまだまだ力不足を感じている。圧倒できるような投球をしていきたい」反省と悔しさを胸に次こそ勝つ。お立ち台から見える、あの最高の景色をもう一度見るまで、才木はあきらめない。(織原祥平)

◆白球が黒土を這うと、猛然と三塁からホームへと滑り込んだ。捕手からのタッチよりもわずかに早くベースに到達した、近本の神走塁。吉本球審の両手が水平に広がり、希望を見いだす同点劇の中心となった。「サインがギャンブル(スタート)だったので、そのときの僕の仕事をやっただけなので」九回、1点差での零封リレー完成を期し、相手は守護神のR・マルティネスを召喚。その牙城をバットで、足で崩した。高めに抜けた初球のスプリットを中前に運び、続く佐藤輝への初球では、すかさず二盗に成功。4番の遊ゴロで三塁へ進み、糸原の遊撃へのゴロでは自慢の快足を信じ、本塁へ突入した。リプレー検証の結果も判定は変わらず(記録は野選)。逆転勝利は夢と散ったが、意地は見せた。「最後(の打席)も打てなかったのですけど、それの方が悔しいですし、チームが負けたのが一番大きい」一回、六回もセンター返しでHランプを灯し、3試合ぶりの猛打賞も、重い2点を入れられた延長十一回は二ゴロに仕留められた。より大事な場面で突破口を開けなかった悔しさは力に変え、これからの勝利に結びつける。(須藤佳裕)

◆当番デスクの阿部祐亮は休みだった15日、プライベートで甲子園球場に観戦に行っていました。「入場者全員がもらえるウル虎のユニホームを僕も着て応援しましたよ。でも、(2-1で)勝ったのは良かったんですけど、3安打でしたからねえ」ぜいたくなことを言っています。ただ、試合中、ほっこりとした気持ちになれるシーンも目撃していました。「子どもたちが、動きをそろえてライトを守っている佐藤輝に手を振って応援していたんです。それに気付いた佐藤輝が子どもたちに大きく手を振ってあげていました。やさしい子やなあと思いましたわ。ああいうのを見ると、より打ってほしいなと思います。打って、もっと喜ばせたってくれ、と」その阿部が「きょうの試合、(開催が)危ないかもですよ」と心配していたんです。「(2軍の)鳴尾浜は中断なく試合ができていますけど、いま、淡路島で土砂降りです。インターネットで雲の動きを見ていたら、これがもうすぐ甲子園の上にも来そうで」心配になって、阪神の練習が終わるころ、甲子園球場のトラ番サブキャップ新里公章に電話をかけました。「グラウンドを覆っていたシートを外し始めています。午後7時ごろに少し降るようですけど、大丈夫じゃないですか」新里のその話を聞いても「いや、神戸で降り始めましたから」と繰り返した阿部でしたが、同時に、まあ中止でもなんとかなるかという口調でした。鳴尾浜の中日との2軍戦でロドリゲスが実戦初タイムリーとなる左中間二塁打を打っていたからです。「鋭い当たりでした。もうちょっと角度がついていたらホームランだったと思います。平田2軍監督も『紙一重だったな』と言っていました。守備で打球を処理する機会はありませんでしたが、試合前に田中コーチとけん制のときの動きとかをチェックしています。守備範囲は広くはなさそうだなと感じましたが、的がデカい(身長192センチ)し、内野手は投げやすいと思います」2軍戦を取材してから甲子園のナイター取材に合流した原田遼太郎です。ロドリゲスは本当に楽しみ。打者担当としての気がかりは、佐藤輝に本塁打が出ていないことかと聞いたのですが、これについては「いえ、全然」でした。「去年の後半、59打席(連続ノーヒット)を見ています。『おいおい、いつになったら打つんだ』と思いました。アレに比べたら。7月は本塁打が出ていないとか、打率が2割だとか、なんてことないですよ」本当に、なんてことなかったんだと思える打撃に早く戻ってほしい。守備のミスや走塁ミスもありましたが、それ以上に、前日は3安打、この日は1点どまりだった打線が気になる。当番デスクが試合開催を心配したほどの空模様の中でも4万2582人が詰めかけた甲子園に、ため息は似合いません。巨人がデーゲームで広島に大敗。阪神がナイターで勝っていれば、広島と並んで2位に浮上していたのですが、延長戦を落として、3位から5位に転落。巨人が急降下してきました。首位ヤクルトも苦しんでいます。打線がつながれば、2位はすぐそこ(1ゲーム差)。自力V復活(最短で20日)だって見えてくるんですから。

◆土壇場の九回1死三塁から、ショート正面のゴロでホームベースをすべり抜けた近本の『神走塁』で同点にして負けるかー?ちゅーか、中日先発の虎キラー・大野雄から始まって、あわや18度目の零封負けって...。こーいう試合こそ4番の一発で決めなきゃイカンのに、虎の4番・佐藤輝は45打席本塁打なしだってんだから、ブツブツブツ...。ヤクルトの村上が早くも31号だからボヤきたくもなるわー!! 開き直ったれー!! 2ストライクまで...、いや3ストライクまで直球か変化球の大バクチで、ヤマを張ってクルクルクルの大型扇風機でもええわ!! 日本列島は連日の猛暑だし、許したる!!というか、虎の4番は掛布さん以降、アニキ金本が大仕事してくれたくらいで、そこに座ると苦しむ『いけにえ』『人身御供』『人柱』の席なので、深刻に考えないで振ったらええんじゃー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
53301 0.639
(↓0.007)
-
(-)
59376
(+2)
296
(+3)
98
(+1)
55
(-)
0.255
(↓0.001)
3.090
(↑0.01)
2
(1↑)
広島
42443 0.488
(↑0.006)
12.5
(↑1)
54337
(+11)
331
(+4)
48
(+3)
16
(-)
0.254
(↑0.002)
3.370
(↓0.01)
3
(2↑)
DeNA
39412 0.488
(↑0.007)
12.5
(↑1)
61290
(+3)
332
(+2)
61
(+1)
30
(-)
0.250
(-)
3.620
(↑0.02)
4
(2↓)
巨人
44471 0.484
(↓0.005)
13
(-)
51351
(+4)
405
(+11)
103
(+1)
40
(-)
0.244
(↓0.001)
3.930
(↓0.08)
5
(2↓)
阪神
41452 0.477
(↓0.005)
13.5
(-)
55301
(+1)
254
(+3)
57
(-)
68
(+1)
0.238
(↓0.001)
2.680
(↑0.02)
6
(-)
中日
37471 0.440
(↑0.006)
16.5
(↑1)
58247
(+3)
321
(+1)
43
(+1)
27
(-)
0.248
(↓0.001)
3.590
(↑0.04)