阪神(☆2対1★)中日 =リーグ戦15回戦(2022.07.15)・阪神甲子園球場=
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中日
1000000001910
阪神
02000000X2311
勝利投手:青柳 晃洋(10勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝3敗18S))
敗戦投手:上田 洸太朗(0勝3敗0S)

本塁打
【阪神】北條 史也(1号・2回裏2ラン)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は1点を追う2回裏、北條の2ランが飛び出し、逆転に成功する。投げては、先発・青柳が6回1失点の好投。その後は3投手の継投でリードを守り、青柳は今季10勝目を挙げた。敗れた中日は、打線が相手を上回る9安打を放つも、つながりを欠いた。

◆阪神青柳晃洋投手(28)が、2年連続2桁勝利を目指す。昨年の青柳はセ・リーグ10勝一番乗りだったが、今年は今日勝てば両リーグ最速で到達。阪神投手が両リーグ10勝一番乗りすれば93年湯舟以来、29年ぶりとなる。

◆阪神北條史也内野手(27)が2回に逆転の今季1号2ランを放った。7番一塁で今季6度目のスタメン。一塁は昨年も守ったが、先発ではプロ初。1点を追う2回1死二塁。1ボール2ストライクから中日先発左腕上田の内角高め140キロ直球をうまく振り抜くと、打球は左翼ポール際へ飛び込んだ。一塁を回って、北條はガッツポーズ。「久しぶりのスタメン起用なので、試合前から絶対に爪痕を残してやろうと思っていました。つないでチャンスをつくってくれた先輩方に感謝です」と球団を通じコメントした。7月7日広島戦(甲子園)以来8日ぶりのスタメン、今季34打席目で、プロ10年目の1号が飛び出した。甲子園のビジョンでは打球速度152キロ、打球角度34度、飛距離110メートルと表示。大山、マルテが離脱中の中、北條が少ないチャンスで、その存在感を大きくアピールした。

◆4日目を迎えた「ウル虎の夏2022」のイベントの一環で、お笑いコンビの「ニッポンの社長」が試合前に登場し、辻(35)とケツ(32)が選手紹介などで盛り上げた。ともに野球ファン。とりわけ辻は筋金入りの阪神ファンだ。取材では「物心ついた時にオトンがずっと見ていて、吉田監督の2回目の監督の時からでして。めっちゃ調子悪い時とか...、勝ったら、『ヨシッ、やった!』みたいな...。基本負けてました(笑い)」と苦笑い。元中日の辻孟彦氏が実弟ということもあり、記者から話題を振られると「マジ、言わんといてください。阪神ファンに怒られますよ(笑い)」と頭をかいた。ケツは近大を中退しており「大学の後輩のテル(佐藤輝)には僕はおおいに...」と語ろうとした瞬間、辻から「違う違う、偉そうや」と鋭いツッコミが入った。「タイガースが勝てば、大阪、関西が盛り上がってみんな元気になると思う。優勝してもらって、一緒に大阪が明るくなればいいかなと思います」とメッセージを送ると、またも辻が「飛び込むなよ、お前!」とボケツッコミ。「道頓堀行かんて、俺! 優勝した時だけ! いちゲームであんまり行かんて!」とすぐさま返し、笑いを誘った。16日以降もタイガースファン芸人がスタメン選手呼び出しやヒーローインタビューのお出迎えなど、スペシャルな演出に登場する。16日以降参戦する芸人は以下の通り。16日 蛙亭17日ZAZY

◆阪神青柳晃洋投手(28)が、両リーグ最速となる10勝の権利を持ちマウンドを降りた。6回6安打1失点。初回に先制点を献上したものの、その後は粘りの投球。今季4度目の対戦となった中日打線に的を絞らせなかった。6回での降板は今季最短タイで、球数は96球。試合をつくり、1点のリードを保った。4三振を奪い、今季90奪三振に到達。これで中日柳を抜いて再びリーグトップに立った。防御率も1・37でリーグ1位をキープ。このままチームが逃げ切れば、03年井川、ムーア以来、19年ぶりに球宴前に2ケタ星に到達する。

◆中日根尾昂投手(22)が大阪桐蔭時代に慣れ親しんだ聖地で自己最速を更新した。1点を追う7回に2番手で聖地2度目の登板。2回に2ランを放っていた先頭糸原の初球に、これまでを1キロ上回る153キロを計測。最後は152キロの直球で三ゴロに打ち取り、続く山本も151キロ直球で二飛。北條は2ボール1ストライクから渾身(こんしん)の153キロの直球で二ゴロに。阪神がリクエストしたが、リプレー検証で判定は覆らず。今季9度目の登板は1回14球、3者凡退と完璧な救援だった。根尾は「球速は気にしていないです。次も自分のピッチングができるように頑張ります」と淡々と振り返った。先発した2年目の上田洸太朗投手(19)は6回2安打2失点と好投していた。根尾は1点ビハインドを保って打線の反攻を待つ役目をきっちりこなした。チームは連敗となったが、立浪和義監督(52)は「負けている展開だったが、結果でどんどん自信つけてもらいたい」と今後に期待を寄せた。根尾はここまで9試合に投げ、0勝0敗1ホールド、防御率2・35と、安定した投球を続けている。【伊東大介】

◆阪神青柳晃洋投手(28)が両リーグ最速で10勝に到達し、チームを6月19日以来となる3位に導いた。球宴前の2ケタ勝利到達は、球団では03年井川、ムーア以来19年ぶりの快速記録。青柳自身は初の2年連続2桁星だ。6回6安打1失点。初回に先制点を献上したものの、その後は粘りの投球。今季4度目の対戦となった中日打線に的を絞らせなかった。6回での降板は今季最短タイで、球数は96球。試合を作り、1点のリードを保った。4三振を奪い、90奪三振に到達。これで中日柳を抜いて再びリーグトップだ。勝利数、勝率、防御率と合わせ4部門でトップを独占した。チームは2回、北條史也内野手(27)の今季1号2ランで逆転に成功。リリーフ陣が逃げ切り勝ちを演出し、3連勝となった。開幕直後以来となる借金3とし、当面の目標である球宴までの完済へ前進した。

◆阪神青柳晃洋投手(28)が6回6安打1失点両リーグ最速で10勝に到達し、チームを6月19日以来となる3位浮上に貢献した。球宴前の2ケタ勝利到達は、球団では03年井川、ムーア以来19年ぶりの快速記録。2年連続2桁勝利を挙げた。打撃では北條史也内野手(27)が1点を追う2回に復活弾となる今季1号2ランで逆転に成功した。リリーフ陣の0封リレーでリードを守り、開幕直後以来となる借金3まで減らし、球宴までの完済へ1歩前進した。ヒーローとなった青柳と北條の一問一答は以下の通り。--2年連続10勝青柳「普通にうれしいですし、甲子園で10勝目を挙げられたことがうれしいです」--今日の投球は青柳「全然良くなかったんですけど、梅野さんに助けられましたし、何より北條のホームランのおかげでここに立つことができました」--北條のホームランの瞬間は青柳「打った瞬間あんまり見てなかったんですけど、入ってからは、ほんとにすごい喜びました」--ピンチでは青柳「ピンチばっかりだったので梅野さんを信じて、梅野さんのミットに投げることに集中しました」--リリーフ頼もしい青柳「うちのリリーフなら大丈夫と思っていましたし、いつも助けられっぱなしなので、次の試合はリリーフを使わないで勝てるくらい頑張りたいです」--12球団一番乗りの10勝青柳「一番はうれしいことですけど、何よりも僕が投げた試合にチームが1勝でも多く勝てるようにと思っているので、チームが勝てたのがうれしく思います」--見事な逆転2ラン北條「打った自分が一番びっくりしているかなと思います」--久しぶりのスタメンでチャンスで回ってきた気持ち北條「忘れたんですけど、思い出します。あっそうです、近本にまた『7番はチャンスで回ってくるからその1本でいい』と言われたので、そのままヒットを狙った結果が最高の形になってよかったと思います」--打った感触北條「感触...そうですね。全然覚えていないです(笑い)」--ファンの盛り上がりは北條「盛り上がりは、めっちゃしました!」--昨季のけがから復帰してからどんな気持ちで臨んでいるか北條「トレーナーの方が手術してから本当にお世話になっているので、今日ホームランを1本打つことができてもっと活躍してこれからもどんどん恩返しをしていきたいなと思います」--ファンに一言北條「ウルトラあと2試合なので、全部勝てるように応援よろしくお願いします!」

◆先発青柳の後を継いだ阪神の「勝利の方程式」が、久々のそろい踏みで中日打線を制圧した。1点リードの7回、中7日で登板したアルカンタラが3者凡退で無失点。8回には中8日で湯浅が登板。1死一塁で代打A・マルティネスを空振り三振、2死一、二塁ではビシエドを左飛に仕留め、リーグトップの24ホールド目を挙げた。「外国人で1発もあるバッターでしたけど、気持ちで絶対負けないつもりで投げた」。夏の恒例イベント「ウル虎の夏」では初登板で「ファンのみなさんの熱も感じたし、その熱を力に変えて投げることができた」と力強かった。9回は岩崎。中日の代打攻勢を退け、18セーブ目を挙げた。こちらも中8日の登板となったが、「いつも通りだった」と冷静。「ある程度、コントロールが思ったところに行く確率は上がっている」。4試合連続無失点&セーブで、手応えもつかんだ様子だった。3投手がそろっての登板は6月23日広島戦以来。勝利となれば同1日西武戦以来、44日ぶりだ。青柳を6回で降板させ、継投に踏み切った矢野監督は「ドキドキしながら見ていましたけど、今日は二遊間もよく守ってくれた。しっかり全員で戦えた」と喜んだ。【中野椋】▽矢野監督(ロドリゲスについて)「いい感じで打っていたね。三振も内容的にはそんなに悪い三振ではなかった。マルテがああいう状態になってしまったんで、良ければこっち(1軍)に呼んでみたいのはあるけど、調子と体調を加味しながら。またこっちの状況もあるんで。実戦から離れたズレを感じさせる状態ではなかったので、そこはひとまず安心かなと思います」▽アルカンタラ(7回に登板し無失点)「久しぶりの登板だけど、いい感覚で投げることができたよ。1点差という難しい場面で仕事を果たすことができてうれしい」

◆阪神北條史也内野手(27)が復活の今季1号2ランを放った。1点を追う2回1死二塁。「久しぶりのスタメン起用なので、試合前から絶対に爪痕を残してやろうと思っていました」。中日上田の内角高め直球に腕をたたんで振り抜いた。打球は左翼席へ届き、会心のガッツポーズ。16年9月22日の広島戦以来、2122日ぶりに決勝V弾を決めた。今季2度目のお立ち台では北條節をさく裂させた。「打った自分が一番びっくりしているかなと思います。感触...。全然覚えていないです(笑い)」と会心の笑顔でファンの笑いを誘った。プロ10年目で一塁での先発出場は初。大山が、近親者の新型コロナウイルス陽性判定を受けて濃厚接触者となったため離脱。マルテも右足のコンディション不良が再発し、一塁手に離脱が相次いでいた。巡ってきた今季6度目のスタメン。同学年の近本から「チャンスやったら安打、2死走者なしなら、本塁打を狙って」と声をかけられたという。「チャンスで本塁打が一番最上級ですよね」と笑った。覚悟を固めて迎えたシーズンだ。昨季は33試合の出場にとどまり、打率2割、1本塁打。前半戦は左足首を負傷し、後半戦は左肩負傷とけがに悩まされた。昨秋には左肩手術に踏み切り、春季キャンプでは2軍の高知・安芸キャンプでリハビリ組として地道な時間を過ごした。今季もムードメーカー役としてベンチを盛り上げているが、先発でも大仕事を果たした。「何かしらやってやろうという気持ちでした。確かに、去年打ってない」。甲子園で2年ぶりのアーチは復活の証しだ。矢野監督は「もともと打撃もできる能力は持っている選手。盛り上げ役だけで終わるつもりはないと思うんで、存在感を出してくれたらなと」とさらなる活躍に期待を寄せた。大山不在の状況でも、勢いは止まらない。北條がチーム一丸を体現した。【三宅ひとみ】○...近本が今季17個目の盗塁を決め、リーグ単独2位に浮上した。6回に死球で出塁し、その後二盗に成功。22盗塁のヤクルト塩見まで5差に接近した。初回には左前打を放ち、相手のミスの間に一気に三塁へ。5試合連続安打と隙のない走塁で存在感を示すと、同学年北條の逆転2ランにはベンチで人一倍大喜びした。○...佐藤輝が2試合連続2三振に倒れた。初回2死三塁の好機で遊直。4回は空振り三振に倒れ、6回2死二塁の好機では再び空振り三振を喫した。大山、マルテが離脱している現状、長打力のある4番へのマークは厳しくなるばかり。甲子園では4月15日巨人戦でアーチを放ってから、33試合本塁打がなく、豪快アーチが待ち遠しい。

◆阪神青柳晃洋投手(28)が両リーグ最速で10勝に到達し、チームを6月19日以来となる3位に導いた。球宴前の2ケタ勝利到達は、球団では03年井川、ムーア以来19年ぶりの快速記録。青柳自身は初の2年連続2桁星だ。青柳が両リーグ10勝一番乗り。阪神投手の両リーグ10勝一番乗りは65年バッキー、66年村山実、72年江夏豊、93年湯舟敏郎に次いで29年ぶり5人目。青柳は昨年もセ・リーグ10勝一番乗りだった。2リーグ制後、リーグ10勝一番乗りを2年以上続けたのは54、55年大友工(巨人)57~60年金田正一(国鉄)67~69年鈴木啓示(近鉄)71、72年山田久志(阪急)76、77年小林繁(巨人)89、90年斎藤雅樹(巨人)に次ぎ32年ぶり7人目になり、阪神では初めて。

◆中日は今季甲子園で6戦6敗となった。先発の2年目上田洸太朗投手(19)が6回2安打2失点と粘投。打線は初回に1点を先制し、阪神を上回る9安打を放ったが、追加点を奪えず援護できなかった。立浪和義監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り-上田が粘投立浪監督 (2回の北條の逆転)2ランは非常に痛かったが、よく6回まで投げた。立ち上がり、序盤は、緊張があったと思うが。打線が何とか追いついて(あげないと)。チャンスもあったわけだから。-阪神先発青柳には初回に岡林も3ボールから打った立浪監督 (内野陣が)後ろ下がってくれていた。ゴロを打てば1点。1点を取るのが難しい投手。あそこは積極的にいったのがヒットになった。-青柳には球数も投げさせた立浪監督 粘りながら少ないチャンスだが作っている。6回で代わったので、追いつかないと。-ビシエドの凡退が痛かった立浪監督 1、2番の出塁率が良いわけですから。何とかまた明日(16日)取り返してもらいたい。-3回の大島が二塁打で2番高松がバントで送れなかった立浪監督 あそこで送れていれば、分からなかった。あそこのミスも含め、追いつく可能性があるチャンスだった。-北條の本塁打は内角直球をとらえられた立浪監督 もちろん厳しいボール。追い込まれてあそこを打てるということは、外(のチェンジアップ)という選択肢もあったと思います。でもこれは結果論。あれだけのコースを本塁打されてしまう。(上田は)そんなに球威のある投手でもないですし。-上田は成長の跡が見えた立浪監督 そう思う。3回以降はね。ストライク先行できれば不安はない。そういうところから支配下になった選手。勝ちはつかなかったが、次のステップにしてもらいたい。-根尾は2番手で3者凡退立浪監督 負けている展開ではありましたけど、結果でどんどん自信つけてもらいたい。-甲子園で全敗中立浪監督 明日(16日)何とかどんな形でもまず1つ勝たないと。落ち着いて野球できない。チーム全体で頑張っていきます。

◆阪神矢野燿大監督(53)の起用がズバリ的中した。1点を追う2回、7番北條史也内野手(27)が左翼へ逆転の1号2ランを放ち逆転。これが決勝点になった。北條の一塁は昨年もあったが、先発ではプロ初。今季6度目のスタメンで結果を残した。チームは3連勝で3位タイに浮上した。矢野監督の一問一答は以下の通り(テレビインタビュー)-北條が見事な逆転2ラン矢野監督 そうですね、映像を見るとね、結構難しいボールですけど、見事に打ってくれました-スタメン起用は早い段階で決めた矢野監督 まあ早い段階でもないですけどね、(大山)悠輔がいなかったり、チーム事情もありますけど。ジョー(北條)も今シーズン、率自体は上がっていないんですけど、内容自体は僕の中では悪くないなというふうに捉えていた。そういうところでは今日は、いってくれるんじゃないかなと。最高の形にしてくれました-普段から声も出ていて、常に準備も怠らない姿勢矢野監督 そうですね、よく野球の神様というようなことを言いますけど、本当にそういうような、日ごろからそういうチームのためとか、いろいろやってくれる選手なので。本当に神様からのプレゼントかもしれないですね-欲を言えば追加点がほしかった矢野監督 そうですね、やっぱりそれが取れないんでね。本当にこうハラハラドキドキしながら僕も見ていましたけど。やっぱり点が欲しかったですね-青柳の投球をどう見た矢野監督 今日は調子はヤギにしては悪いなという感じでしたし、どうかなと思ったんですけど。それでも1失点で行ってくれるというあたりがヤギの成長というかそういうのが見えた投球かなと思います-6回で交代の理由は矢野監督 ヤギの状態と中継ぎ陣も登板間隔がちょっと空いていたんで。総合的に考えて決めました-借金3まで減った。明日以降も1戦1戦矢野監督 もちろんそれしかできないですし、僕たちの野球というのは目の前に全力で戦うというのが僕たちの野球。今日の勢いというのは明日につなげていきたいですし、明日も全員で乗り切れるように。そういう野球をしていきたいです(囲み取材)-新外国人ロドリゲスが2軍戦に出場矢野監督 いい感じで打っていたね。三振も内容的にはそんなに悪い三振ではなかったし。マルテがああいう状態になってしまったんで、よければこっちに呼んでみたいなっていうのはあるけど、調子と体調を加味しながら。またこっちの状況もあるんで。きょうに関してはひとまず安心というか実戦から離れたずれを感じさせる状態ではなかったので、そこはひとまず安心かなと思います

◆阪神青柳晃洋投手(28)が中日打線を6回1失点に抑え、両リーグ最速となる10勝目を挙げた。阪神では93年湯舟以来29年ぶりで、リーグ2年連続最速は球団初の快挙だ。今季は新型コロナウイルス感染で、開幕から3週間出遅れたが、自身7連勝で2ケタ勝利に到達。3連勝で開幕直後以来の借金3。DeNAを抜き、3位タイに浮上した。青柳がその名を球史に残した。6回1失点で自身7連勝。2年連続での10勝を両リーグ一番乗りで決めた。球宴前10勝は球団では03年井川、ムーア以来19年ぶり。2年連続のリーグ最速での到達は球団初の快挙だ。「投げた試合は全部勝ちたいと思っている。甲子園で10勝目を挙げられたことがうれしい」と喜んだ。本調子ではなかったが、それで崩れる右腕ではない。「(調子は)全然よくなかった」と初回、いきなり先制点を奪われたが、1死一塁でビシエドを二ゴロ併殺で切り抜けた。3回2死二塁では再びビシエドを外角カットボールで空振り三振。この日の4奪三振で今季90個となりリーグトップに返り咲いた。「あそこは前に飛ばされたくなかった。(奪三振トップは)まったく意識してないですね。三振を取る投手じゃないので」と笑うが、今季はほしいところで三振を取れる。この日はアニメ製作会社「タツノコプロ」協賛のナイターで行われた。コラボとして青柳はSFアニメ「宇宙エース」と合体。主人公エースに投球フォームとやさしい笑顔が描かれた。「似てます。タツノコプロさんに描いてもらってすごい思い出になる。ガッチャマンだったりヤッターマンだったり作品もけっこうみているが、唯一分からないキャラだったのが、ちょっと悔しかったですね」。漫画、アニメ好きの青柳も65年にまだモノクロでアニメ化された57年前の作品は見る機会がなかった。防御率は6回1失点でも0・01悪化し1・37。勝利数、勝率、奪三振と4冠でまさに球界の「宇宙エース」だ。「それは今年だけの結果なので。引退した時に阪神のエースは青柳だと言ってもらえるくらい、宇宙エースと呼ばれるぐらいに頑張りたい」。チームは広島と並び6月20日以来の3位になり、2位巨人に0・5差と迫った。借金は3に減った。これからも青柳が虎党の頼れるヒーローとして白星を届ける。【石橋隆雄】▽矢野監督(青柳の投球に)「今日の調子は悪いなという感じだったが、それでも1失点。ヤギの成長が見えた。粘れたのは成長だと思う」青柳は開幕直前に新型コロナウイルス陽性となって出遅れ、初登板はチーム18試合目の4月15日巨人戦だった。開幕ローテーションに入っていなかった投手がセ・リーグの10勝一番乗りは、00年五十嵐(ヤクルト)以来。五十嵐は、すべて救援登板で10勝を挙げていた。最速10勝到達のセ投手の中で、過去に最も遅く先発登板したのは64年秋山(大洋)のチーム9試合目。秋山はそれまでに、救援で3試合に投げ1勝していた。セ10勝一番乗り投手のシーズン初登板が18試合目は、異例の遅さである。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】ウル虎の夏2022が始まり、甲子園で元気な阪神タイガース。近本光司、山本泰寛、中野拓夢、ロハス、アルカンタラ、湯浅京己、そして岩崎優。共通点は何でしょう?

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発する。今季は13試合に先発して9勝1敗、防御率1・36。対中日は3試合で1完投、クオリティースタート(6回以上、3失点以内)が2度、防御率2・38と好投を続けているが、5月6日(バンテリンD)に大野雄との投手戦を演じた際に今季唯一の黒星を喫し、白星は挙げられていない。自身にとって2年連続となる2ケタ勝利もかけて、右腕を振る。

◆16日の中日戦に先発する阪神・才木浩人投手(23)はキャッチボール、ダッシュなどで調整した。2020年の右肘手術から復帰後、1軍初登板だった3日の中日戦(バンテリンドーム)は5回無失点で、3年2カ月ぶりの白星を挙げた。今季2度目のマウンドは甲子園。1軍では19年5月以来となる右腕は「たくさんの方が来られると思うので、すごく楽しみですし、いいピッチングができたらなと思います」と胸を躍らせた。

◆「7番・一塁」でスタメン出場した阪神・北條史也内野手(27)が0-1の二回、今季初アーチとなる逆転2ランを放った。先頭の糸原が四球。山本の二ゴロで1死二塁から中日の先発左腕、上田の内角高めの140キロの直球を振りぬくと打球は左翼ポール際のスタンドに飛び込んだ。北條の本塁打は昨年4月22日の巨人戦(東京ドーム)以来。

◆「7番・一塁」でスタメン出場した阪神・北條史也内野手(27)が0-1の二回、今季初アーチとなる逆転2ランを放った。北條は「久しぶりのスタメン起用なので、試合前から爪痕を残してやろうと思っていました。つないでチャンスを作ってくれた先輩たちに感謝です」とコメントした。先頭の糸原が四球。山本の二ゴロで1死二塁から中日の先発左腕、上田の内角高めの140キロの直球を振りぬくと打球は左翼ポール際のスタンドに飛び込んだ。北條の本塁打は昨年4月22日の巨人戦(東京ドーム)以来。甲子園では20年7月21日の広島戦以来でプロ通算18本塁打となった。

◆「ウル虎の夏」のイベントの一環で、お笑い芸人のニッポンの社長が試合開始前に登場し、スタメン発表などでファンを楽しませた。大の阪神ファンだという辻(35)は天気だけが心配だと、雨男として知られる先発・青柳のグッズを購入。「だからコレ(雨柳さんタオル)も買ってね、テルテル坊主代わりに。よかったです、ちゃんと試合ができそうで。青柳さん今、絶好調なんで。一番の敵がもう雨やから」と好投を祈った。ケツ(32)は一回表の守備にナインを送り出す大役を担い「聞いたら、ここ十年ぐらい誰一人として噛まずにさっきのメンバー紹介をやってきはったって。そのプレッシャーがすごくあったんですけど。でも、すごい入ったら球場も広いし、お客さんもめっちゃおって気持ちがノッてできた」と胸を張ったが...。すかさず辻から「『ファースト』噛んでましたけどね、ファ、ファーストって...」と指摘され「違うちょっとホンマ...載るって? 噛んでないって。噛んでても言うたらアカンって」と顔をこわばらせた。辻の祈りが通じたのか、試合序盤の甲子園上空には雨雲は通らず。ケツの滑らかなメンバー紹介による効果か、二回に北條の逆転2ランが飛び出すなど、阪神は序盤からゲームの主導権を握った。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が6回96球を投げて6安打1失点の粘投。2-1とリードした展開で、両リーグ一番乗りとなる10勝の権利を持って降板した。変化球の切れ、制球とも本来の調子ではなかった。一回、先頭の大島に中前打。すかさず二盗を決められて1死三塁から岡林の二ゴロ内野安打の間に1点を先制された。二回も2死から連打を浴び、一、三塁のピンチを招くなど、三回まで65球を投げる苦しい投球が続いたが、最少失点で切り抜けた。四回、五回と三者凡退に封じたが、六回を投げ切って2-1とリードした展開で降板した。両リーグ最速10勝となれば球団では93年の湯舟敏郎以来。

◆阪神は中日に逆転勝ちして3連勝。先発した青柳は6回を6安打1失点にまとめて、球団では1993年の湯舟敏郎以来となる両リーグ最速で10勝に到達。球宴前の2桁勝利達成は、球団では2003年の井川、ムーア以来となった。この日の青柳は球の切れ、制球とも本調子ではなかった。一回、岡林の内野安打の間に先制されると二回、三回も得点圏に走者を許したが、最少失点で切り抜けた。打線は0-1の二回、北條が昨年4月以来の本塁打となる1号逆転2ランを放ったが、得点シーンはここだけ。2-1の七回からはアルカンタラ、湯浅とつなぎ、九回は岩崎が無失点に抑えて18セーブ目。9安打を放った中日に対して、阪神はわずか3安打で勝利した。阪神はこの日、試合が降雨中止となったDeNAに代わって、3位(ゲーム差なし)に浮上した。

◆プロ初勝利への〝3度目の正直〟を狙った舞台は甲子園。今年5月に育成から支配下へはい上がった上田洸太朗投手(19)が待望の1勝をつかむために、左腕を振った。1点の援護点をもらっが二回は1死一塁で迎えた北條との対戦で、内角高めに投げ込んだ140キロを肘をたたんでうまくとらえられ、放物線はそのまま左翼ポール際へ。ひと振りで試合をひっくり返された。愛知県の名門・享栄高から2021年育成ドラフト2位で入団。今季、支配下登録を勝ち取った左腕はプロ初登板だった5月12日のヤクルト戦(神宮)では5回4安打3失点。2度目となった6月1日の楽天戦(バンテリンドーム)は3回4安打2失点で、いずれも黒星を喫した。9連戦に入り、先発ローテの松葉が新型コロナウイルス陽性判定を受け、苦しい台所事情で巡ってきたチャンス。三回以降は緩急を生かした粘り強い投球で立て直し、自身初となる六回のマウンドにも上がっただけに、悔まれるアーチ献上となった。6回2失点と好投しながらも、3敗目を喫し、プロ初勝利はお預けとなった。

◆阪神が3連勝で6月19日以来の3位に浮上した。プロ初の一塁でのスタメン出場の北條史也内野手(27)が二回に今季1号2ラン。甲子園では20年7月21日の広島戦以来の本塁打で逆転し、青柳晃洋投手(28)は6回1失点で、球団では93年の湯舟敏郎以来の両リーグ最速の10勝(1敗)に到達した。またカイル・ケラー投手(29)、坂本誠志郎捕手(28)が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。借金「3」は開幕9連敗以降では初。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績41勝44敗2分、観衆3万7436人)。ーーまずは北條です「そうですね、映像見ると結構難しいボールですが、見事に打ってくれましたね」ーー早い段階でスタメンで北條起用「早い段階でもないですけど、悠輔がいないんで、チーム事情もありますけど、ジョーも今シーズン率自体は上がってないですが、内容は僕の中では悪くないなと捉えていたんで、最高の形にしてくれました」ーーベンチで声を出すなど普段の姿勢「そうですね。よく野球の神様が...と言いますが、本当にそのような日ごろからチームのために、やってくれる選手なんで、神様からのプレゼントかもしれませんね」ーー欲を言えば追加点「それが取れないんで、ハラハラドキドキしながら見ていましたけど、点はほしかったですね」ーー先発の青柳は「ヤギにしてみれば調子悪いなという感じでした。それでも1失点で行ってくれるのが、違うヤギの成長が見えた投球かなと思います」ーー6回96球で交代「ヤギの状態と中継ぎ陣も登板間隔があいていたんで、総合的に考えて、継投という形にしました」ーーアルカンタラ、湯浅、岩崎がつないだ「ドキドキして見ていましたけど、今日は二遊間がよく守ってくれましたから、打てませんでしたが、そういうところでは全員で戦えたかなと思います」ーー接戦をモノにして3連勝で借金は「3」。一戦一戦という思い「もちろん、それしかできないですし、目の前を全力で戦うのが僕たちの野球なんで、今日の勢いを明日につなげて行きたいですし、明日も全員で乗り切る野球をして行きます」

◆阪神が3連勝で6月19日以来の3位に浮上した。プロ初の一塁でのスタメン出場の北條史也内野手(27)が二回に今季1号2ラン。甲子園では20年7月21日の広島戦以来の本塁打で逆転し、青柳晃洋投手(28)は6回1失点で、球団では93年の湯舟敏郎以来の両リーグ最速の10勝(1敗)に到達した。またカイル・ケラー投手(29)、坂本誠志郎捕手(28)が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。借金「3」は開幕9連敗以降では初。巨人と0・5差となった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績41勝44敗2分、観衆3万7436人)。(テレビインタビュー)ーーまずは北條です「そうですね、映像見ると結構難しいボールですが、見事に打ってくれましたね」ーー早い段階でスタメンで北條起用「早い段階でもないですけど、悠輔がいないんで、チーム事情もありますけど、ジョーも今シーズン率自体は上がってないですが、内容は僕の中では悪くないなと捉えていたんで、最高の形にしてくれました」ーーベンチで声を出すなど普段の姿勢「そうですね。よく野球の神様が...と言いますが、本当にそのような日ごろからチームのために、やってくれる選手なんで、神様からのプレゼントかもしれませんね」ーー欲を言えば追加点「それが取れないんで、ハラハラドキドキしながら見ていましたけど、点はほしかったですね」ーー先発の青柳は「ヤギにしてみれば調子悪いなという感じでした。それでも1失点で行ってくれるのが、違うヤギの成長が見えた投球かなと思います」ーー6回96球で交代「ヤギの状態と中継ぎ陣も登板間隔があいていたんで、総合的に考えて、継投という形にしました」ーーアルカンタラ、湯浅、岩崎がつないだ「ドキドキして見ていましたけど、今日は二遊間がよく守ってくれましたから、打てませんでしたが、そういうところでは全員で戦えたかなと思います」ーー接戦をモノにして3連勝で借金は「3」。一戦一戦という思い「もちろん、それしかできないですし、目の前を全力で戦うのが僕たちの野球なんで、今日の勢いを明日につなげて行きたいですし、明日も全員で乗り切る野球をして行きます」(囲み)ーー青柳が最速10勝。勝てる投手に成長したか「数字見ても、1敗しかしてない。防御率も1・3...やし(試合終了時点で1・37)。もちろん成長してるからこそ、たまたま、そんな数字は付いてこない。自信にしてもらえばいいし、逆に今日はヤギ自身、納得いく投球じゃなかったけど、勝ちが付いたとか、粘れたとか、さっきも言った成長だと思う。自信にしていってもらえればいいんじゃないですか」ーー三回無死から大島に二塁打打たれた後とかも成長の部分か「ランナー出しても粘るのはヤギの中で意識してる投球だと思うんで、そういうところもやってくれてると思います」ーー北條は難しい球を打った「いや追い込まれてね、あこに打つのは、かなり難しいところやと思うんやけど、元々そういうバッティングもできる能力は持ってる選手なん。残りの試合の中でもね、ジョーのバットやプレーで、勝たしてくれる試合も出てくると思う。ジョー自身も盛り上げ役だけで終わるつもりはないと思うんで、存在感というのを出してくれたらなと思います」ーー山本は守備でも貢献「やっぱりありがたいよね。本当にどこにでもはめられるというか、複数のポジションをやってくれるし、作戦もいろいろ出来る。球際もしぶといし、僕の立場では、じゃあ、ヤスをどこにはめようという時にどこにでもはまる選手。本当にチームには欠かせない存在」ーー北條らカバーする選手がいる。チーム力も上がっている「チーム力...。もちろん、勝ち方が苦しかったから勝てば何でもいいという部分もあるし、でも、勝ち方という意味では本当に苦しかったんで、そういうところでは今日も、ケラーもってなってしまった状況の中で全員で粘れて、勝ちをしっかりつけられたところがチームとしての成長の部分だと思う。俺もいろんな理想を掲げているけど、そういう部分をしっかりやりながら、勝つところがプロに求められると思う。そういうのを結果として示してくれているというのはチーム力があると思っています」ーー2軍でロドリゲスが実戦デビュー「いい感じで打っていたね。内容的にはそんなに悪い三振ではなかった。マルテがああいう状態になってしまったんで、よければこっちに呼んでみたいなっていうのはあるけど、調子と体調を加味しながら。またこっちの状況もあるんで。今日に関してはひとまず安心というか実戦から離れた、ズレを感じさせる状態ではなかったので、ひとまず安心かなと思います」

◆阪神が3連勝で3位に浮上した。プロ初の一塁でのスタメン出場の北條史也内野手(27)が二回に今季1号2ラン。甲子園では20年7月21日の広島戦以来の本塁打で逆転し、青柳晃洋投手(28)は6回1失点で、球団では93年の湯舟敏郎以来の両リーグ最速の10勝(1敗)に到達した。2人のお立ち台インタビューは以下の通り。ーー今季10勝目。2年連続2桁勝利。今の気持ちは青柳 「普通にうれしいですし、甲子園で10勝を上げられたことがうれしいです」ーー6回1失点。投球を振り返って「全然よくなかったですけど、梅野さんに助けられましたし、何よりも北條のホームランのおかげで、ここに立つことができました」ーー北條のホームランの瞬間は「打った瞬間はあんま見てなかったですけど、入った瞬間からはすごい喜びました」ーー三回のピンチはどう切り抜けた「もう本当にピンチばっかだったので、梅野さんを信じて、梅野さんのミットに投げることだけに集中しました」ーー七回以降はリリーフが繋いだ「うちのリリーフなら大丈夫だと思っていましたし、いつも助けられっぱなしなので、次の試合はリリーフを使わないで、勝てるくらい頑張りたいと思います」ーー両リーグ一番乗りの10勝「一番はうれしいことですけど、何よりも僕が投げた試合にチームが1勝でも多く勝てるようにと思っているので、僕の勝ちよりもチームが勝てたのがうれしく思います」ーー決勝本塁打。今の気持ち北條 「打った自分が一番びっくりしてるかなと思います」ーー久しぶりのスタメン。第1打席、1死二塁での一発「えーそうですね、忘れたんですけど、思い出します。近本にまた『七番はチャンスで回ってくるから、その一本でいい』と言われたので、そのヒットを狙った結果が、最高の形になってよかったなと思います」ーー打った感触は「感触...そうですね...全然覚えていないです(笑)」ーー甲子園の盛り上がりは「盛り上がりは...えー、めっちゃしました(笑)」ーー肩のけがから復帰。日々どんな思い出プレーを「トレーナーの方とか、手術してから本当お世話になっているので、今日ホームラン一本打てたんですけど、もっともっと活躍して、恩返ししたいと思います」――ファンへメッセージ青柳 「明日からも連戦続きますけど、これだけ熱い応援があれば勝てると思いますので応援よろしくお願いします。」北條 「ウル虎(の夏)あと2試合なので、全部勝てるように応援よろしくお願いします!」

◆中日の根尾が七回に登板し、1回を三者凡退に抑えた。阪神戦はこれが4試合目。6月25日の甲子園での対戦では1失点しただけに好救援で雪辱し「自分の投球ができるように頑張る」と次回登板を見据えた。1点リードされた場面でのマウンド。脱力した投球フォームでも自己最速となる153キロを計測した。「球速は気にしてない」と本人は素っ気ないが球威は抜群。二回に2ランを打った北條を直球で押し切って二ゴロに仕留めた。

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は逆転2ランの北條史也内野手(27)と好守の山本泰寛内野手(28)を高く評価した。逆転本塁打の北條、好守備を繰り返した山本。チャンスをもらった選手たちが活躍すると、チームは勢いに乗れるし、この日のような圧倒的に押された試合でも勝ててしまう。今、振り返ってみても不思議な勝利だ。北條は私がコーチをしていた時期に入団してきた選手。一番鍛えた選手でもあり、思い入れは当然、強い。普段から、いつ巡ってくるか分からない出番へ準備ができるタイプ。ベンチにいても、誰よりも声を出して味方を勇気づけることができる選手。そんな努力が実ったのだろう。本塁打は失投ではない。というより、本塁打にできるようなコースの球ではなかった。しっかり芯で捉えると、まず間違いなくファウルになる。いい詰まり方をしたからこそだった。マグレと言ったら失礼だが、なかなかできる打ち方ではなかった。山本もビシエドの難しいハーフバウンドの打球を併殺にしたり、ヒット性の打球を止めたり。投手を助けた。ベンチからすれば、有難い選手だ。1番から3番まで足のある左打者を並べて、勢いを付けてきたが、下位で出番を与えられた右打者が頑張ると、戦力として分厚くなる。ただ打線全体を考えると、一時の好調さは失われている。この日も、相手先発の上田が非常に良かったとはいえ、わずか3安打。大山が不在で、しばらくは大量得点を望めない戦いが続く可能性もある。どの選手を起用し、どんな作戦で得点するか。ベンチの腕の見せ所であり、上位浮上への勝負所だ。

◆虎デビュー戦で快音! 阪神の新外国人、アデルリン・ロドリゲス内野手(30)が15日、ウエスタン・中日戦(鳴尾浜)に「3番・一塁」で先発出場。移籍後初の実戦で1打席目に右前打を放つなど2打数1安打1三振だった。井上一樹ヘッドコーチ(50)は、早ければ18日からの広島3連戦(マツダ)での1軍昇格の可能性を示唆した。試合は4―9で敗れた。虎デビューを飾ったロドリゲスは1打席目に強烈なライナーで初安打をマークし、鳴尾浜で充実の汗を流した。「最初の打席なので積極的にいこうと決めていた。良いボールにしっかり反応できたと思う」一回2死で先発・福谷の149キロの初球に反応。打球はすさまじい勢いで右翼の芝に弾んだ。三回の第2打席は空振り三振に倒れたが、一塁の守備もそつなくこなし、五回に途中交代した。パドレス3Aのエルパソに所属していた6月3日以来の実戦だったが、「体的には問題なく、久々の実戦で楽しかった」と声を弾ませた。平田2軍監督も「こっち(日本)に来て練習もしているし、状態は悪くない。あとはゲーム勘だけやね」とうなずいた。甲子園で結果を知った井上ヘッドコーチは「あした(16日)、あさって(17日)の鳴尾浜で緊急に上げることは可能性としては薄い」と話しながらも、「(広島戦からの昇格は)ないことはないかな」と、早ければ18日からの広島3連戦(マツダ)での昇格の可能性を示唆した。1軍は3位に浮上したものの、一塁手は苦しい台所事情だ。大山は13日に新型コロナの濃厚接触者となったことで登録抹消。代わったマルテは右足の張りのため翌14日に抹消された。ロドリゲスの一日も早い1軍昇格が待たれる。(織原祥平)★「日本食は好き」天丼でチャージ 日本食パワーがロドリゲスの初ヒットにつながったかもしれない。「日本食は好き」と本人が話す通り、試合前には施設内で天丼を食べてエネルギーチャージし、1打席目にいきなり快音を響かせた。平田2軍監督も「ちょっと日本語もしゃべれるし、環境も分かっている」と目を細めた。2020年に1年間、オリックスでプレーした経験があり、日本の環境や生活に苦しむことはなさそうだ。

◆虎党からの「あと1球」コールに背中を押されて試合を締めると、ポーカーフェースの岩崎も相好を崩した。頼れる守護神が最少リードを守る継投を完成させ、3連勝に貢献した。「いつもそうですけど、先頭はしっかり抑えたいという気持ちがあったので。良い当たりはされちゃいましたけど、アウトになったので、良かったと思います」7月6日の広島戦(甲子園)から中8日と間隔が空いたが、きっちり仕事を果たした。1死から代打・平田に外角の直球を中前へはじき返された。長打が出れば同点となりかねない緊迫した状況でも左腕は動じなかった。高橋周をスライダーで右飛、代打・三ツ俣に対しては真っすぐを3球続けて遊ゴロに斬り、今季18セーブ目を挙げた。先発の青柳、七回の男・アルカンタラ、セットアッパーの湯浅とつないできたバトンを勝利目前で落とすわけにはいかなかった。勝ちパターン3人がそろい踏みでの勝利は6月1日の西武戦(甲子園)以来。今季序盤から務めるクローザーのポジションは重責を伴うが、「(準備には)もう慣れています」と頼もしい。この日、ブルペンの一角として支えていたケラーが新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表され、登録抹消。そんな予期せぬ離脱があっても救援陣の中心に岩崎がいれば不安はない。チームはこれで六回終了時にリードしていると23連勝。投手陣が一丸となって戦っていることを数字も証明している。「コントロールが思ったところに行く確率は上がっているので、もっと精度を上げていきたい」夏場の9連戦も鉄壁のブルペンが支える。九回にマウンドに立つ背番号13が勝利の象徴だ。(織原祥平)

◆虎のエースから球界のエースだ! 青柳が6回を1失点にまとめて自身7連勝。球団では1993年の湯舟敏郎以来となる両リーグ最速で10勝に到達した。球宴前に10勝するのは、球団では2003年の井川慶、ムーア以来のハイペースだ。「甲子園で10勝を挙げられたことがうれしい。スピードは、あまり意識はしてなかったが、投げた試合は全部勝ちたいと思っています」試合後の勝利のお立ち台に打のヒーロー北條と並び、虎党からの拍手に「きょうは調子は全然でした」と頭を下げた。一回、先頭の大島に中前に運ばれたのを機に岡林の二塁内野安打の間に先制されたが、そこから粘った。二回は2死から連打と佐藤輝の失策もからんで一、三塁のピンチ。三回は先頭の大島に右翼線に二塁打を浴びた。「梅野さんがいいリードをしてくれたので、最少失点でいけたかなと」。調子が悪くても試合を崩さない。これが最多勝に輝いた昨年よりも成長したところだ。両リーグ最速の10勝なんて誰が予想しただろうか。初の開幕投手に指名されながら新型コロナウイルスの陽性判定を受けてチームからの離脱を余儀なくされた。投げたくても投げられない日々。1軍復帰を目指し、鳴尾浜でつぶやいていた。「いろんな思いがありましたが、あのとき自宅にいて、元気で野球をやることの幸せを感じました」今季初登板は開幕から18試合目の4月15日の巨人戦(甲子園)。悔しい思いをぶつける白星でどん底状態だったチームに勢いをつけると、いまや10勝(1敗)、防御率1・37、90奪三振、勝率・909はいずれもリーグトップだ。矢野監督は「数字を見ても1敗しかしてない。防御率も1点台やし...。きょうは調子が悪いなという感じで1失点。ヤギ(青柳)の成長が見えた投球だった」と大絶賛した。チームは3連勝で3位に浮上。最大16あった借金も3に。ここから奇跡を起こすべく、絶対的エースへの期待は膨らむばかりだ。「引退したときに、『阪神のエースは青柳だ』と言ってもらえるように頑張りたい」。青柳神話は、これからが本番だ。(三木建次)★「呼ばれるぐらい(になりたい)」 大の漫画好きでも知られる青柳は「タツノコプロナイター」と銘打たれた試合での勝利を心底喜んだ。「ガッチャマンだったり、ヤッターマンだったり、いろいろ見ました」。青柳は「宇宙エース」にキャラクター化された自身のイラストを見て感動。「似ていましたし、僕のいいところが出ているのかなと。『宇宙エース』と呼ばれるぐらい(になりたい)」と声を弾ませた。■データBOX?...青柳が今季10勝目。阪神の投手が両リーグ一番乗りで10勝を挙げたのは1993年の湯舟敏郎(最終12勝6敗)以来、29年ぶり。?...青柳は昨年もセ・リーグ一番乗りで10勝している。阪神の投手のリーグ10勝一番乗りは10人目、13度目。2度達成したのは村山実、井川慶に次いで3人目。?...阪神投手がオールスター前に10勝を挙げるのは2003年の井川慶(最終20勝5敗=最多勝)、トレイ・ムーア(最終10勝6敗)以来。

◆Aクラスに再浮上! 阪神は2-1で中日を下し、広島と同率で3位に上がった。5試合ぶりにスタメン入りした北條史也内野手(27)が二回に逆転の1号2ランを放ち、勝利に導いた。巨人にも0・5ゲーム差に接近。16日の結果次第では今季初めて2位に上がる!打ちあがった放物線は吸い込まれるように、左翼ポール際へ。試合をひっくり返す白球の終着点を見届け、北條は力強く右拳を握った。青柳に10勝目をプレゼントし、チームを3位に導いた。「久しぶりのスタメン起用なので、試合前から絶対に爪痕を残してやろうと思っていました。つないでチャンスを作ってくれた先輩方に感謝です」7日の広島戦(甲子園)以来5試合ぶり、今季6試合目のスタメンだった。1点を追う二回1死二塁。1ボール2ストライクからの4球目、インハイの140キロを振り抜いた。決して簡単ではないボールを肘をたたんで押し込む。昨年4月22日の巨人戦(東京D)以来の本塁打で、今季34打席目での1号。甲子園では2020年7月21日の広島戦以来2年ぶりと、待望のアーチだった。「少ないチャンスをしっかりとモノにしないと、試合にも出られないと思うんで...。無理やったら終わり」2年目(2016年)の122試合出場をピークに、けがと闘ってきた。昨年も9月の2軍戦で左肩を亜脱臼し、復帰直後のフェニックス・リーグ(10月、宮崎)でも同じ箇所を痛め、メスを入れた。直後の契約更改では悲壮感を胸に新シーズンへ飛び込む決意を明かしていた。今季が節目の10年目。虎に加わる前はこの甲子園で、田村(ロッテ)らとともに光星学院高(現八戸学院光星高)を春夏連続準優勝に導き、名をはせた。恩師・仲井宗基監督(52)の脳裏にある北條の印象は「ここ一番でしか声を出さないタイプ。寡黙な選手」だ。だが、今や虎のムードメーカー。張り上げる声で仲間を鼓舞する。プロの世界で崖っぷちに立たされ、「着飾っている立場ではなくなった。(そういう境遇が)彼を変えたんじゃないか」と、恩師は成長に目を細める。大山が新型コロナの濃厚接触者となり、13日に1軍昇格したマルテも右足の張りでわずか1日で抹消されるなど、一塁手は受難が続く。そんな中、「タツノコプロナイター」として行われ、ハクション大魔王が始球式に登場した一戦で巡ってきた、プロ初の一塁でのスタメン。少ないチャンスに「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」の大仕事だった。「トレーナーの方に手術してから本当にお世話になっているので、もっともっと活躍して恩返ししたい」6月20日以来のAクラスに再浮上。4月23日には13・5ゲーム差(首位巨人、6位阪神)をつけられていた巨人に0・5差と迫り、16日にも抜き去って2位に上がるチャンスまである。ウル虎快進撃へ機運は上々。北條が光輝ける、得意の夏がやってくる。(須藤佳裕)★高校時代・恩師 仲井監督感激「うれしい~」 北條の今季1号の報に、八戸学院光星高の仲井宗基監督は開口一番、「打ったの? うれしいなぁ~」と感激の声を漏らした。夏の青森大会の真っただ中でテレビ観戦はかなわなかったが「北條は『思い』がある選手。けがにも苦しんだけど、矢野監督に1軍に置いてもらって、少ないチャンスの中で結果を出して。こんな話をしているだけで泣きそうになる」と言葉に詰まった。この日は3回戦で弘前東に2-1で勝ち、8強に進んだ。「僕らは命からがら勝ったので、ここから北條のパワーにあやかってやっていきます!」と誓っていた。

◆北條ありがたやー!! 普段は「何度レギュラーのチャンス逃しとるんや!! 阪神が勝てんのは北條のせいも大いにあるでェ!!」と声を荒らげていた俺だけど、本日は北條さまとあがめ奉りさせていただきます!!試合前。「ムフフ...、虎のエース・青柳さまと育成出身で高卒2年目の上田、100%いただきました!!」と左ウチワ&扇風機&エアコン&南極くらいだったのだ...。ところが一回、青柳が1点を奪われたその裏を0点に抑えられた途端に超ネガティブ思考の虎党になったのだ。阪神と巨人はその昔から初モノに弱い。巨人がプロ初登板の中日・近藤真市にノーヒットノーランを食らった球史に残る試合もあったぞ...。ゲゲー!! 近藤と上田洸太朗って同じ享栄高校出身やんかー!! ヤバイヤバイ...と震えていたら、二回に北條の値千金の2ランが飛び出した!! 結局、上田に6回2安打に封じられたのだから、あの一発がどれだけ大きかったか、ホッ!!好継投で青柳も10勝を飾れたし...。わずか3安打で勝利した勝負強い虎の熱い夏が楽しみやー!!

◆鳴尾浜球場に響き渡ったすさまじい打球音に、トラ番の体も固まっていました。「ロドリゲスは、一塁に走り出さずに打席で打球の行方を見ていました。僕も同じように、スタンドで打球を目で追いかけました。飛距離は十分で、打った瞬間に『いった!!』『切れるかどうかだけ』と思いましたから」午後12時半開始のウエスタン・中日戦を取材に行った織原祥平です。新外国人のロドリゲスが「3番・一塁」で出場。一回に福谷の速球を右前打した後、三回の第2打席で、5球目、スライダーを捉えて左翼ポール際へ大ファウルを放ったときです。「試合前のフリー打撃もすごかったです。43スイングで柵越えは2連発を含む5本。日本選手だとめったに届かない防球ネットの上の方に軽々と当てていました」織原は「手と足が長いからタテジマのユニホームがすごく似合っています」と格好良さにも見とれています。ただ、ロドリゲスが大ファウルの後は8球目のカーブを空振りして三振に倒れたこともあり、今後については慎重に受け止めていました。「まだ2打席、三回まで守っただけです。守備機会も、ゴロを処理した内野手からの送球を受けた刺殺2つ(一回の福元の三ゴロと二回の桂の遊ゴロ併殺打)だけでしたから」これに異論を挟んだのが、ベテラン編集委員三木建次です。「2軍で3試合出て、打撃結果とか内容とかよりも、動きが良ければ、次の広島戦(18日から3連戦)から上げるんちゃうか」とビビッと反応。すぐに、甲子園球場で1軍の練習を指導中の井上ヘッドコーチを取材しています。「開幕のときのケラーは(合流を)急がせて結果的に失敗した。けど、打者は違う。スタメン野手8人のうちの1人で、比重は8分の1や。1軍で調整しながら試合に出るというやり方もできるんちゃうかなと思ったんや。残り試合も少ない。大山とマルテが戦列を離れて、ファーストはきのうが糸原で、きょうは相手の先発が左(上田)やから北條になった。併用していくこの2人が活躍すれば別やけど」井上ヘッドの反応は隣の記事にある通りです。広島戦からの昇格も「ないことはないかな」と可能性を示唆しましたが、織原が体が固まってから約6時間後、今度は甲子園球場の記者席でビヤ樽の体が固まりました。代役ファーストの2人が活躍すれば別やけど-と話していた北條が二回に逆転2ラン。しっかりと存在感を示しました。大山、マルテの離脱に続き、坂本とケラーがコロナウイルスの陽性判定を受ける窮地にも、今の阪神は動じません。「先発がずっといいので、中継ぎ陣は休めていますからね。きょうも青柳投手だし、期待しています。途中から雨が降るという予報も出ているので」トラ番キャップ長友孝輔も珍しく虫のいいことを言っています。終盤は少しハラハラしました。リードして試合途中で雨が降って...というおいしい展開にまではなりませんでしたが、青柳が粘り、アルカンタラ、湯浅、岩崎が踏ん張って3連勝。巨人が広島に敗れて、阪神は2位と0・5ゲーム差です。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
53291 0.646
(-)
-
(-)
60374
(-)
293
(-)
97
(-)
55
(-)
0.256
(-)
3.100
(-)
2
(-)
巨人
44461 0.489
(↓0.005)
13
(↓0.5)
52347
(+3)
394
(+6)
102
(+1)
40
(-)
0.245
(↑0.001)
3.850
(↓0.02)
3
(1↑)
阪神
41442 0.482
(↑0.006)
13.5
(↑0.5)
56300
(+2)
251
(+1)
57
(+1)
67
(+1)
0.239
(↓0.001)
2.700
(↑0.02)
3
(1↑)
広島
41443 0.482
(↑0.006)
13.5
(↑0.5)
55326
(+6)
327
(+3)
45
(+2)
16
(-)
0.252
(-)
3.360
(↑0.02)
5
(2↓)
DeNA
38412 0.481
(-)
13.5
(-)
62287
(-)
330
(-)
60
(-)
30
(-)
0.250
(-)
3.640
(-)
6
(-)
中日
36471 0.434
(↓0.005)
17.5
(↓0.5)
59244
(+1)
320
(+2)
42
(-)
27
(+1)
0.249
(↑0.001
3.630
(↑0.02)