阪神(☆3対0★)巨人 =リーグ戦15回戦(2022.07.14)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
10010010X3802
勝利投手:伊藤 将司(6勝2敗0S)
敗戦投手:シューメーカー(4勝7敗0S)

本塁打
【阪神】梅野 隆太郎(2号・4回裏ソロ),ロハス・ジュニア(4号・7回裏ソロ)

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◆阪神は初回、近本の適時打で先制する。その後は4回裏に梅野のソロで加点すると、7回にはロハス・ジュニアがソロを放ち、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・伊藤将が9回4安打無失点の快投。今季2度目の完封で6勝目をマークした。敗れた巨人は、打線が沈黙した。

◆阪神伊藤将司投手(26)が中11日空け、14日巨人戦に先発する。当初先発予定だった9、10日の敵地ヤクルト戦が、相手チームに新型コロナの感染者が多数出た影響で中止となり、登板間隔が空いた。「こんなに飛ぶのもあんまりなかったので、難しいところもありますけど、しっかり合わせていけたら」。甲子園で先発した試合は昨季から7連勝中の左腕が、今季6勝目を目指す。

◆阪神園芸の"神整備"が始動した。昼すぎには雨が降っていた甲子園。午後3時過ぎに降りやむと、同4時には通常通り開門し、観客がスタンドに入って来た。同4時過ぎ、阪神園芸はあらかじめ内野黒土部分に敷いていたシートの撤去を開始。約10人のスタッフでスムーズに撤去を終えると、水たまり1つない、きれいなグラウンドが姿を現した。引き続き雨雲は甲子園上空に停滞し、試合中に雨が降り始める可能性もある。阪神園芸の職人芸も注目される。

◆阪神糸原健斗内野手(29)が、プロ6年目で初の一塁でスタメン起用された。前日巨人戦の8回表からプロ初の一塁守備に就いていたが、スタメンはプロ618試合目で初。打順は大山、マルテが務めてきた5番に入る。井上ヘッドコーチは試合前、「(大山)悠輔がいない、マルテがいない。できる選手誰か、ってなった時に、1軍で練習させてるのは北條、山本ヤス、板山の3人くらい。山本ヤスはファーストよりセカンドで使いたいって考えた時に、昨日のうちに(糸原)健斗は(ファーストを)やっといたほうがいいと。健斗はファーストなんてやったことがない。これは健斗にも言ってるけど、使ってるこっちの責任だから。そこはね、エラーしたからどうしよってなるより、ある意味、楽しんで守りなさいって(言っている)」と説明していた。マルテが前日13日の試合中、右脚に張りを感じたため、この日再抹消。大山も離脱中のチームを救えるか。

◆阪神が連日の主砲離脱にもくじけず、1回先頭打者から3者連続安打で先制した。1回裏、前日4安打の1番中野拓夢内野手(26)が二塁内野安打。2番島田海吏外野手(26)も中前打で続き、無死一、二塁から3番近本光司外野手(27)の三遊間を抜く適時打であっさり先制した。前日13日は大山悠輔内野手(27)が近親者の新型コロナウイルス陽性判定で濃厚接触者となり、特例2022の対象選手として出場選手登録を抹消された。この日は坂本誠志郎捕手(28)も近親者の新型コロナ陽性の濃厚接触者となり、出場選手登録を抹消。さらに前夜49日ぶりの1軍戦で2打席連続タイムリーを放ったばかりのジェフリー・マルテ内野手(31)が、右脚の張りのため再抹消されていた。

◆阪神が連日の主砲離脱にもくじけず、チーム今季12度目の完封勝ちで2位巨人に1・5ゲーム差まで迫った。先発の伊藤将司投手(26)が5月22日巨人戦以来となる今季2度目の完封勝利を飾り、自身5連勝で6勝目(2敗)を手にした。阪神投手の巨人戦2試合連続完封は85年ゲイル以来、37年ぶり。左投手では69年江夏豊以来、実に53年ぶりの快挙となった。1回裏、先頭打者からいきなり3者連続安打で先制した。前日4安打の1番中野拓夢内野手(26)が二塁内野安打。2番島田海吏外野手(26)も中前打で続いた。無死一、二塁となり、今度は3番近本光司外野手(27)が三遊間を抜く適時打。重苦しくなりそうな雰囲気を一気に明るくした。4回には三振ゲッツーで2死無走者となった直後、8番梅野隆太郎捕手(31)が右翼ポール際に2号ソロを運んだ。4月3日巨人戦以来102日ぶりの1発を決め、試合の流れをさらにグッと引き寄せた。2点リードの7回には7番メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が4号右越えソロ。終始ゲームを優位に進めた。チームは苦境に立たされていた。前日13日、大山悠輔内野手(27)が近親者の新型コロナウイルス陽性判定で濃厚接触者となり、特例2022の対象選手として出場選手登録を抹消。この日は前夜49日ぶりに1軍戦出場したばかりのジェフリー・マルテ内野手(31)が、右脚の張りで出場選手登録を再抹消されていた。さらに前夜先発マスクで2点二塁打を放った坂本誠志郎捕手(28)も、近親者の新型コロナ陽性の濃厚接触者となって出場選手登録を抹消。前日プロ617試合目で初めて一塁守備に就いた糸原健斗内野手(29)が、618試合目で初めて一塁スタメン出場した一戦だった。それでも投打がガッチリかみ合って2連勝。上位浮上が見えてきた。阪神が2位巨人に勝ってゲーム差を1・5に縮めた。今季2位とのゲーム差1・5は開幕直後を除いて最小。最大は5月26日に2位巨人とついた10・5差。阪神は15日にもAクラス浮上の可能性がある。Aクラスに入れば6月20日の3位以来となる。伊藤将がプロ初完封だった5月22日に続いて巨人相手に完封勝ち。これで今季の巨人戦は2試合に登板して2完封だ。巨人戦で2試合連続完封勝ちは02年8月1日、9月10日川上(中日)以来となり、阪神では85年5月18日、6月6日ゲイル以来、37年ぶり。今回のように巨人戦でシーズン初登板から2戦2完封は73年4月29日、5月6日渋谷(中日)以来、49年ぶり。

◆巨人が阪神に2連敗を喫してカード負け越しとなり、今季初の借金生活に突入した。阪神先発の伊藤将を攻略できず、今季初となる2試合連続の無得点負け。4番岡本和真内野手が15打席ぶりの安打を放ったものの、今季最長の23イニング連続無得点と打線が沈黙したままだった。先発のマット・シューメーカー投手は初回に3連打で1点を先制されたが、以降は粘りの投球を見せた。4回に梅野、7回にロハスにソロ本塁打を浴びて7回途中3失点で降板。7敗目を喫した。

◆阪神が巨人を12年以来となる2試合連続完封で破ってカード勝ち越しを決め、2位巨人とのゲーム差を1・5とした。主役は伊藤将司投手(26)だ。左腕からキレのあるボールを繰り出し、巨人打線を4安打に抑え、自己最多の9奪三振で、2度目の完封勝ち。自身5連勝を飾った。プロ初完封だった5月22日も、甲子園での巨人戦だった。宿命のライバルを、またも抑え込み、3万8032人の観衆を沸かせた。伊藤将は「最高です! 」と笑顔。自己最多の9奪三振には「自分は三振を取るピッチャーじゃないので、丁寧に投げていこうというなかで三振が取れたのでよかったと思います」と振り返った。左腕を援護したのは女房役の梅野隆太郎捕手(31)と助っ人メル・ロハス・ジュニア外野手(32)だった。梅野は1-0の4回に貴重な追加点となる2号ソロ。「ポール際だったんですけど、ファンのみなさんの声援で入ったと思って。本当にうれしかったです」と喜んだ。ロハスは7回にダメ押しの4号ソロ。「昨日、岩崎と梅野にビデオ見ながらアドバイスをもらって、そのスイングをすればホームランになるよと言ってもらって。ホームラン打とうと思って打席に入ったので、打ててよかったです」と4月22日ヤクルト戦以来の1発に満面の笑みだった。

◆巨人が見せ場なく阪神に完敗し、借金生活に突入した。2連敗でカード負け越し、今季初の借金1、阪神伊藤将に今季2度目の完封負け、今季初の2試合連続の無得点負け、今季最長の23イニング連続無得点...。ゼロ行進の代償として、厳しい現実の数々を突きつけられた。原辰徳監督(63)は「まずはやっぱり攻撃陣がつながりも含めて、つながってこないとね」と振り返った。先制され、逃げ切られる-。そんな悪循環から抜けられない。この試合も先発シューメーカーが初回に3連打で1点を献上。4回、7回とソロ本塁打で加点された。7月は12試合中10試合で先制され、2勝7敗1分け。これで先制された試合は、引き分けを挟んで5連敗となった。打線が本来の力を発揮できずに沈黙する今、先制されると戦いはさらに厳しくなってくるが、原監督は「そうなんですと言ったら精神力的に弱いという感じに認めてしまうことになるから、なかなか認めたくはないね」とチームの底力を信じている。ただ、借金1という現状は直視した。「みんなでしっかり、それは受け止めないとね。原因はあるはずですからね。それを修正していくというところですね」と顔を上げた。大黒柱のキャプテン坂本が腰痛のため離脱中で、2位の座も脅かされてきた。巨人が踏ん張りどころを迎えている。【浜本卓也】

◆阪神が連日の主砲離脱にもくじけず、チーム今季12度目の完封勝ちで2位巨人に1・5ゲーム差まで迫った。先発の伊藤将司投手(26)が5月22日巨人戦以来となる今季2度目の完封勝利を飾り、自身5連勝となる6勝目(2敗)を手にした。阪神投手の巨人戦2試合連続完封は85年ゲイル以来、37年ぶり。左投手では69年江夏豊以来、実に53年ぶりの快挙となった。矢野監督一問一答-伊藤将が完封勝利矢野監督 「いや、もうコントロールも球のキレも申し分なかったですし、丁寧にね。リュウ(梅野)も良いリードをしてくれましたし。ちょっと登板間隔も空いたんでね。そういうところで簡単じゃないと思うんですけど、最後まで完封で完璧な投球をしてくれました」-8、9回も任せる気持ちだった矢野監督 「そうですね。今の状態であればいけるんじゃないかな、というところでいってもらいました」-自身5連勝で安定感矢野監督 「はい! 出だしはちょっと遅れたところがありましたけど、戻ってきてからも本当にずっと長いイニングをしっかり投げてくれている。本当に助かっています」-伊藤将の良さは矢野監督 「コントロールはもちろん将司の良いところなんですけど、やっぱり球の力というか、キレというのがそこに伴ってあるんでね。バッターもなかなか崩せないボールの力が今、良い形でピッチングにつながっているんじゃないかなと思います」-打線は先制攻撃で1回に1点を奪った矢野監督 「うーん、まああそこは1点じゃなく2点、3点といきたいところだったんで、逆にちょっと嫌なムードだったんですけど。そこを将司がしっかりいってくれました。ちょっと初回はいきたかったですね」-本塁打で追加点。4回は梅野に4月3日以来の1発が出た矢野監督 「あそこもダブルプレー(三振ゲッツー)でこのままいくと、という流れのところでの1本でしたし。リュウもちょっと打つ方では自分のバッティングがなかなかできていないところが今シーズンある。そういうところではいいきっかけの1本になってくれればな、と思います」-後半はロハスにも1発が出た矢野監督 「そうですね。ロハスにも打ってほしい、打ってほしいと、いつも思いながら使っているんですけど。いいところで、2点でも3点でもというところで貴重なホームランでした」-2位巨人と1・5差矢野監督 「2位までは本当に届くところにあるんで、オールスターまでの期間で詰められるところは詰めて、追い越せるところは追い越して。まあ、いろんな状況が考えられますけど、チーム全員で自分たちの野球をやっていきます」-球宴まで残り3カード9戦。7勝2敗で5割の計算になる矢野監督 「もちろん星勘定も気持ちのどこかでやってしまうところはありますけど、目の前の試合を全力で戦うというのが僕たちの野球なので、まずは目の前を全力で戦っていきます」-伊藤将はいつもと比べて三振が多かった矢野監督 「もちろん、コントロールというのが将司の特徴であるけど、やっぱりさっき言ったように、低め、またコースにその球の力というのが非常に出ていると思う。両サイド、しっかりコーナーを使えているというところが、そういう三振にもつながっている。特に見逃し三振とかを将司は取れるんで。そういうところでは本当に手が出ない、ベストピッチというのがやれている証拠かなと思います」-安定感がある矢野監督 「いや、もう、将司ならやってくれるだろうというピッチングをずっと見せてくれている。さっきも言った通り、雨で流れた後の登板はちょっとリズム的にも難しいものはあったと思うけど。そういうところでもこういうピッチングをしてくれるというのはね。もちろん、信頼というのはあるし。うちが巻き返していくというところでは、ピッチャー陣がよく頑張ってくれている。将司もそこに入っていってくれるようなピッチャーになってくれると思う。ここから頑張っていってもらいたいなと思います」-多少カウントが悪くなっても崩れない矢野監督 「まあ、そんなにカウントが悪くなるのも少ないピッチャーやと思うし。コントロールっていうのは将司の武器。あとはタイミングを変えられるとか、そういうものが将司の武器なので。剛速球があるわけじゃないけど、ピッチングっていうのはコントロールだったり、タイミングを外すことだったり、リズムだったり、コーナーワークであったり。そういうのがあってのピッチングなんで。将司に関してはコントロールで苦しむっていうのは基本的には少ないと思うんだけど」-マルテが1日で離脱した中、チーム一丸となっての勝利矢野監督 「そうやね。今、世の中はコロナも増えている。今日も坂本がね。そういうことになっていくと、どうなるか見えない部分があるんで。ずっとそうなっちゃうけど、全員で乗り切るしかない。その気持ちはみんな持ってくれているので。ある意味、全員に出られるチャンスはあると思う。そういうところは意気に感じながらやっていってもらえたらと思います」-今日は糸原を一塁起用矢野監督 「こちらもキャンプからオープン戦でいろいろ準備してきたつもりやったけど、シーズンに入ると、こういう予期せぬことがいろいろ起こるんでね。そういうところでは、昨日の終盤でちょっとファーストをやれたっていうことも、ないよりは良かったと思う。これからもいろんなことが起こりうると思うけど、なるべく準備できる環境を作りながら選手を送り出していくことは必要かなと思います」-9連戦の最初のカードでリリーフ陣をあまり使わずに済んだ矢野監督 「やっぱり休めるのは大きいし、リリーフも調子が良いので。行く時は一気に行くというのにもつながると思うので」

◆巨人桑田真澄投手チーフコーチ(54)が「ワンチーム」で再浮上を目指す。7月は中日に次ぐリーグワースト2位の32得点、リーグワーストの56失点。12試合中10試合で先取点を奪われており、4勝7敗1分けと苦しむチームの課題となっている。打線は今季初の2戦連続完封負けで、同最長の23イニング無得点中。阪神伊藤将に5月22日に続き2試合連続で完封負けを食らった。桑田コーチは「今日は伊藤君が素晴らしいピッチングをしましたね。やっぱりアウトローに確率良く決めてくる、本当に素晴らしいコントロールでしたよね。また梅野君にホームランを打たれたというところで、リードもさえてました。見逃し三振も多かったし、三振が多いっていうのはキャッチャーのリードが良くて、そこにピッチャーが投げきっているということ。今日は相手のバッテリーが素晴らしかったですよね」と敵ながら、脱帽した。先制点を得るために、打線の奮起と、先発陣の粘りが必要になる。この日先発のシューメーカーは、1回に3連打で先制されるも、以降は粘り、7回途中6安打3失点にまとめた。桑田コーチはシューメーカーの粘りを評価しつつ「我々は、1つのチームですから。打てないときもあるし、打って助けてもらうときもある。打てないときはなんとか最少失点で踏ん張っていきたいと思ってみんなやっている。今日はそれがうまくいかなかったというところ」と助け合いの精神を強調した。【小早川宗一郎】

◆打ち疲れなんてありません! 阪神打線が電光石火、初回6球で先取点を奪った。先頭の中野拓夢内野手(26)が巨人先発シューメーカーの初球をとらえて二塁内野安打。続く島田海吏外野手(26)も初球を中前へ運んで無死一、二塁。ここで3番近本光司外野手(27)がカウント1-2からのストレートを逆方向へ打ち返し、左前に運んだ。中野が二塁からホームイン。わずか数分、鮮やかな3連打で巨人の出ばなをくじいた。2年連続最多安打へ、リーグトップの106安打を放つヒットメーカーも充実の表情だ。近本 僕はそのときに回ってきたら仕事をするだけなんで。それがヒットになったのでよかったかなと思います。先制って大事ですよね。前日13日は19安打13得点で大勝した。阪神が13得点以上した試合の次戦は、直近10試合で3勝7敗。19安打以上の次戦では4連敗中と打ち疲れが心配されていた。そんな「大勝、猛打の次戦は打てない」という球界のジンクスを吹き飛ばし、チームを元気づける3連打だった。4回には梅野に、7回にはロハスに久々のアーチも飛び出した。先制、中押し、ダメ押しの理想的な展開で、伊藤将の完封劇をアシストした。13日に大山が、この日は坂本が新型コロナの濃厚接触者として離脱。マルテも故障でわずか1日で抹消された。厳しい状況だが、勝負の9連戦でまずは巨人に勝ち越した。近本 いつ誰がどうなるかわからないんで、そのときに選手が、その時の役割を果たすだけだと思う。頼れる3番が真夏もヒットを量産して反攻を引っ張る。【高垣誠】○...矢野監督はナインにハッパをかけた。マルテがわずか1日で再離脱。前日の大山に続き、この日は坂本も特例2022の対象選手として出場選手登録を抹消された。指揮官は「全員で乗り切るしかない。ある意味、全員が出られるチャンスはあると思う。そういうところは意気に感じながらやっていってもらったら」。ピンチをチャンスに変えろと号令を掛けた。○...佐藤輝が軽快な三塁守備で先発伊藤将をもり立てた。2点リードの7回表1死一塁。大城の三遊間への当たりに腕を伸ばし好捕。二塁送球でピンチの芽を摘んだ。一方、打撃では先発野手唯一の無安打。甲子園では4月15日巨人戦でアーチを放ってから、32試合本塁打が出ていない。大山、マルテを欠く現状、4番として持ち前の長打力を発揮したい。○...ロハスは仲間の優しさをダメ押し弾につなげた。4回無死一塁では三振ゲッツーに倒れたが、2点リードの7回に4号右越えソロ。4月22日ヤクルト戦以来となる久々の1発に、お立ち台で「スミマセン!」と日本語で謝って笑わせた。前日13日に岩崎から韓国リーグ時代の本塁打集を見せてもらい、岩崎と梅野の2人から「このイメージで」とアドバイスを受けたという。糸井からも「絶対に打てる」と背中を押されていたそうで「チームメートのためにも打ててうれしい」と喜んだ。○...6年目の糸原が通算618試合目で初めて一塁でスタメン出場した。前日13日に大山が新型コロナの濃厚接触者となって離脱。この日はマルテが右脚の張りで再離脱し、前夜の巨人戦の途中出場で初体験したばかりの一塁で先発した。ゴロをさばく機会はなかったが、8回裏に代走を送られるまで無難に送球を捕球。矢野監督は「シーズンに入ると、予期しないことがいろいろ起こる。なるべく準備できる環境を作りながら選手を送り出すことが必要」と先を見据えた。

◆出ましたハートU2! 阪神梅野隆太郎捕手(31)が、102日ぶりの2号ソロで伊藤将の完封を後押しした。1点リードの4回。ロハスが見逃し三振、山本が盗塁死で一気に2死となった直後、シューメーカーの146キロを右翼ポール際に運んだ。ベンチ前ではナインとともに「ハートU2」ポーズ。カメラの前でウインクまで決めた。梅野 ポール際だったんですけど、ファンの皆さんの声援で入ったと思って、本当にうれしかった。今季開幕前、日刊スポーツが梅野の本塁打パフォーマンスをファンから募集。2年連続の試みで選ばれたのが、体の前でハート形をつくる新ポーズ。根底にあるのはファンへの思いだ。「ハートっていうのは気持ちの面で大事。ファンの方とも心を1つにして、みんなで喜び合えたらなと」今季1号を放った4月3日の敵地巨人戦は、敗戦ムードで控えめなポーズだった。だが「ウル虎の夏」を盛り上げ、勝利を呼ぶ本塁打なら全開でいい。今季初の甲子園アーチでファンにお披露目。お立ち台は恒例の「明日も勝つば~い」で締めた。プレーで言葉で、虎党の心をわしづかみだ。今季は坂本、長坂との併用が続き、スタメンマスクは39試合目。チーム試合数の半分にも満たない。「ファンの期待をどれぐらい裏切ってきたか...」と漏らしたこともある。坂本が新型コロナの濃厚接触者となり出場選手登録を抹消されたこの日、2年目の栄枝が合流。チームの窮地で、31歳はまだまだ負けられない。梅野 失敗しても次に生かす。そういうのを繰り返して、経験して戦っていくのがレギュラー。基本的にはピッチャーが一生懸命頑張ってくれたら、支えになれればいいだけなので。矢野監督は「いいきっかけの1本になってくれれば」と願う。梅野は「将司さまさまですよ、将司さまさま!」と、共同作業で完封劇を演出した相棒をたたえた。打って守って「ハートU2」を真夏の風物詩にしたい。【中野椋】り!さん(ハートU2を考案)「昨年、梅野選手とファンで作り上げたホームランパフォーマンス『U2』をアレンジすることで、ファンとの絆を深めることができたらという思いを込めました。私が考えた案を実際に梅野選手がされているの見て感動しました! 梅野選手がどでかいアーチを打ち、ハートU2している姿をたくさん見られること、楽しみにしています!」ハートU2 昨年、ホームラン後に行っていた「U2ポーズ」は開幕前に、日刊スポーツがファンから募集したアイデアの中から梅野が採用したもの。今季も同様の企画を実施し、公式ツイッターアカウントの「極トラ・プレミアム」で募集。数十通の応募の中からU2ポーズをひっくり返しハート形に見える新ポーズに決まった。

◆阪神が2位巨人を連倒し今季最小の1・5ゲーム差まで最接近した。ヒーローは完封で6勝目をマークした伊藤将司投手(26)。球団左腕で巨人戦の2試合連続完封は、1969年(昭44)江夏豊以来53年ぶりの快挙だ。自己最多9奪三振のおまけもつけ、甲子園では1年間負けなしの8連勝。江夏の再来を思わせる安定感抜群の左腕が、ネバーギブアップのシンボルだ。伝統の一戦のマウンドを、また最後まで堪能した。3点リードの9回2死。伊藤将は重信を低めのカットボールで二ゴロに沈めた。梅野と爽やかな笑顔でハイタッチ。昨季4試合に先発し、1勝3敗と苦しんだ宿敵に、球団左腕では69年江夏豊以来、53年ぶりとなる巨人戦での2試合連続完封を決めた。「江夏さんですか? うれしいです」と会心の笑みがはじけた。「まさか巨人に2回も完封できるなんて思ってもいなかった。伝統ある試合でこういういいピッチングが出来たので良かったです」中11日。テンポよく両サイド低めに徹底してボールを集めた。140キロ台中盤の直球とツーシームを軸とした投球で、巨人打線に的を絞らせない。連打で2死二、三塁とされた4回のピンチを1球で脱し、5回以降は二塁を踏ませなかった。本来の打たせて取るピッチングに三振も重ね、自己最多を3つも上回る9奪三振の量産ぶり。「梅野さんの配球通りに投げて、あとはストレートを両サイドに投げきることができたのがよかった」と充実の汗だ。「3秒」の意識改革が、2年目の進化をもたらしている。今年1月、憧れだった阪神OBのオリックス能見に弟子入り。真っすぐの大切さや新球フォークを学んだ他に、長いイニングを投げる秘訣(ひけつ)を吸収した。「三振をバンバン取るというより、アウトとの取り方だったりを工夫すれば、野手とのリズム感をつかみやすい」と助言をもらったという。投球間隔のテンポを昨季と比べて平均で「3秒くらい」縮め、持ち味の打たせて取る投球に磨きをかけた。「能見さんから『自分の投球スタイルを継続できるように』と助言をいただけた。1人で淡々と投げるより、野手と一緒に守っていった方が、流れもつかみやすいし、野手も守りやすい」。バックを信じ、全員野球で勝利をつかみ取った。甲子園での先発は1年負けなしの8連勝。チームを4位タイに浮上させ、2位巨人にも1・5差まで最接近させた。次戦は22日からのDeNA3連戦(甲子園)の先発に回る見込み。江夏再来を思わせる安定感抜群の左腕は、猛虎の逆襲に欠かせない。【古財稜明】○...青柳が15日の中日戦(甲子園)で2年連続の2桁勝利を目指す。相手は最下位で今季3度目の対戦となるが、まだ勝ち星がない。直近2試合で2安打ずつされている大島の名前を挙げ、「ミート力がある大島さんに対して、どう攻めるのかがポイントになる」と引き締めた。勝てば両リーグ最速の10勝一番乗り。「あくまで目標は15勝と掲げているので、通過点だと思っています」と冷静だった。○...新外国人のアデルリン・ロドリゲス内野手(30=パドレス3A)が、15日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で初実戦に臨む。期待の大砲は「久しぶりの実戦になるので、試合勘や打撃のリズムを確認したい」と腕まくり。井上ヘッドコーチは「そこでいい形でアジャストしてくれれば『じゃあ(1軍で)いこうよ』となるかもしれない」と説明した。この日マルテが右脚の故障で3度目の離脱となっており、内容次第で早期の1軍昇格もありそうだ。

◆巨人は2試合連続の完封負けで今季初の借金生活に突入した。先発シューメーカーは初回に先制を許し、打線は阪神伊藤将に今季2度目の完封負け。連続無得点は今季最長の23イニングになった。7月は12試合中10試合で先制されて2勝7敗1分けで、引き分けを挟んで5連敗。投打がかみ合わず借金1を抱えた原監督は「みんなでしっかり受け止めないと。原因はあるはずですからね。修正していくというところですね。やっぱり攻撃陣がつながってこないとね」と話した。

◆阪神が2位巨人を連倒し今季最小の1・5ゲーム差まで最接近した。ヒーローは完封で6勝目をマークした伊藤将司投手(26)。球団左腕で巨人戦の2試合連続完封は、1969年(昭44)江夏豊以来53年ぶりの快挙だ。自己最多9奪三振のおまけもつけ、甲子園では1年間負けなしの8連勝。江夏の再来を思わせる安定感抜群の左腕が、ネバーギブアップのシンボルだ。阪神で巨人相手に2試合連続完封勝ちした投手は85年5月18日、6月6日のリッチ・ゲイル以来37年ぶり。日本人投手では71年7月15日、同30日の伊藤幸男以来で、左投手に限ると69年4月23日、5月10日の江夏豊以来、53年ぶり。伊藤将は甲子園で8連勝。21年7月10日の巨人戦に先発し、4回6失点(自責5)で負け投手になって以降、1年間黒星を喫していない。通算でも16試合で10勝3敗、防御率1・82と本拠地では好投が多い。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は糸原健斗内野手(29)が「5番・一塁」でスタメン出場する。13日に1軍に昇格したばかりのマルテは試合中に右足の張りを感じたため、14日に登録を抹消された。糸原は同戦の八回に、通算617試合目で初めてファーストの守備に就いていた。先発の伊藤将司投手(26)は6月5日の日本ハム戦(甲子園)から負けなしの4連勝中。巨人との前回対戦の5月22日(同)ではプロ初完封勝利を挙げており、5連勝を懸けてマウンドに上がる。

◆阪神・近本光司外野手(27)が電光石火の先制打を見舞った。0-0の一回、先頭で中野が二塁内野安打、2番・島田が中前打で続き、無死一、二塁から巨人先発・シューメーカーの146キロの速球を左前へ弾き返し、3者連続ヒットでスコアボードに「1」を刻んだ。7日の広島戦(甲子園)で連続試合安打が「30」でストップしたが、8日のヤクルト戦(神宮)から4試合連続安打。虎のヒットメーカーが再び勢いに乗り始めた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)の一撃で、G倒への流れを加速させた。1-0の四回2死走者なしから、シューメーカーの146キロをはじき返すと打球は右翼ポール際に吸い込まれる飛距離107メートルの今季2号ソロになり、大声援を浴びながらガッツポーズを繰り出した。直前でロハスが三振ゲッツー(ロハスは見逃し三振する間に一走・山本が二盗失敗)といやなムードが高まっていただけに、背番号2の4月3日の巨人戦(東京ドーム)以来となる一発に甲子園の虎党もどっと沸いた。この日の試合前にはライバルでもある坂本誠志郎捕手(28)が、近親者の新型コロナウイルス陽性判定を受け、濃厚接触者となったことで出場選手登録を抹消された。仲間の無念も晴らすアーチを描き、チームを勝利へ導く。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)の一撃で、G倒への流れを加速させた。1-0の四回2死走者なしから、シューメーカーの146キロを弾き返すと打球は右翼ポール際に吸い込まれる飛距離107メートルの今季2号ソロになり、大声援を浴びながらガッツポーズを繰り出した。「直前のプレーで、少し流れが傾きかけていた場面でしたし、打席の中でしっかり自分のスイングをしようと心がけました」と胸を張った。直前でロハスが三振ゲッツー(ロハスは見逃し三振する間に一走・山本が二盗失敗)といやなムードが高まっていただけに、背番号2の4月3日の巨人戦(東京ドーム)以来となる一発に甲子園の虎党もどっと沸いた。この日の試合前にはライバルでもある坂本誠志郎捕手(28)が、近親者の新型コロナウイルス陽性判定を受け、濃厚接触者となったことで出場選手登録を抹消された。仲間の無念も晴らすアーチを描き、チームを勝利へ導く。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)がどでかいアーチを描き、虎の勝利をぐっと近づけた。2-0の七回先頭で巨人先発・シューメーカーの124キロを捉え、打球は右翼席へ飛び込んだ。四回は梅野の本塁打が飛び出し、七回はR砲が4月22日のヤクルト戦(神宮)以来となる132メートル弾をマーク。虎が一発攻勢で得点を積み上げ、宿敵を追い詰めている。

◆阪神・伊藤将司投手(26)が9回4安打無失点で巨人打線を封じ込め、今季2度目の完封勝利をあげた。自身の甲子園での連勝も「8」に伸ばした。コースを正確に突き、巨人打線に的を絞らせない。プロ入り後自己最多を更新する9奪三振も記録し、虎を2連勝に導いだ。打線は一回に近本の左前適時打で先制し、その後梅野、ロハスのソロで追加点をあげた。マルテが右足の張りで出場選手登録を抹消され、大山もコロナ禍でチームを離脱しているなか、投打の歯車がかみ合って苦境をはね返した。

◆巨人は2試合連続の零封負けを喫し、今季初の借金生活に突入した。前日13日に西勇の前に完璧に封じ込まれた打線は、この日も阪神先発左腕・伊藤将の前に4安打と沈黙。7日のヤクルト戦(東京ドーム)から67イニング連続適時打なしで、12日の阪神戦の五回から23イニング連続無得点となった。

◆粘りの投球こそ見せたが、打線の援護がなかった。先発した巨人・シューメーカーの力投もむなしく、チームは2戦連続零封負けを喫した。前夜は、19安打13得点を喫して大敗。勢いに乗る阪神打線に立ち上がりにつかまった。一回先頭の中野に二塁への内野安打で出塁されると、続く島田、近本にも安打を許し、3連打で先制点を献上した。二回以降は立て直し、140キロ後半の直球にスライダー、フォークボールなど多彩な変化球で翻弄。四回に梅野にソロを被弾したが、三塁すら踏ませない投球で凡打の山を築いた。一球の失投を悔やんだ。2-0のまま迎えた七回。先頭のロハスに痛恨のソロを被弾。続く梅野に四球を与えたところで原監督が交代を決断。悔しさをあらわにしながらマウンドを降りた。前日13日には「長いイニングを投げて、チームの勝利につながる投球ができるように精いっぱい頑張ります」と意気込みを語った右腕。テンポのいい投球で試合こそつくったが、チームに勢いをもたらすことはできなかった。試合前までで14イニング無得点の打線は、この日も元気がなかった。阪神先発左腕の伊藤将の前に4安打と封じ込まれ、スコアボードに得点を刻むことができなかった。(樋口航)

◆巨人・原辰徳監督(63)が出場選手登録を抹消された中島宏之内野手(39)について言及。「チーム事情ですね。ピッチャー陣が、ということころで」と明かした。チーム最年長のベテランにコンディション不良などはなく、12日からの9連戦が組み込まれていることから、投手陣の負担などを考慮した入れ替えだという。指揮官は「(中島は)フォア・ザ・チームも持ってくれている人。いい形でまた戻ってきてくれると思います」と話した。中島に代わってルーキーの菊地が昇格し、この日は八回に3番手として登板。1回を無失点に抑えた。

◆阪神が2試合連続完封で巨人に連勝した。四回に梅野隆太郎捕手(31)が4月3日の巨人戦(東京ドーム)以来の2号ソロ、七回にはメル・ロハス・ジュニア外野手(32)の4月22日のヤクルト戦(神宮)以来の4号ソロで加点した。4安打&9三振完封の伊藤将司投手(26)は自身5連勝で6勝目(2敗)を挙げた。伊藤将は5月22日(甲子園)に続くG戦完封勝利。右足の張りを再び訴えて抹消されたジェフリー・マルテ内野手(31)に代わって、糸原健斗内野手(29)が「5番・一塁」で出場した。陽性と判定された近親者の濃厚接触者となった坂本誠志郎捕手(28)が新型コロナウイルスの「感染拡大防止特例」の対象選手として抹消された。4カード連続の巨人戦勝ち越しで1・5差に迫った矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績40勝44敗2分、観衆3万8032人)。(テレビインタビュー)ーー伊藤将が完封勝利「コントロールも、球のキレも申し分なかったですし、丁寧に、リュもいいリードしてくれましたし、登板間隔があいたので(中11日)、簡単じゃないと思うんですけど、最後まで完封で完璧な投球してくれました」ーー5連勝中、どこがいいと「コントロールはもちろん将司のいいところですが、球の力とキレがそこに伴ってあるんで、バッターはなかなか崩せない。ボールの力がいい形でピッチングにつながっているんじゃないかと思います」ーー一回に先制(近本の左前適時打)「あそこは1点じゃなくて、2点3点と行きたいところだったんで、逆にイヤなムードだったんですが、将司がしっかり行ってくれましたし...。初回は、もうちょっと行きたかったですね」ーー追加点は本塁打。四回は梅野「あそこはダブルプレー(四回無死一塁でロハス三振ー山本二盗失敗の併殺)で、このまま行くと...という流れの中での一本でしたし、ちょっとリュウも打つ方では、自分のバッティングがなかなか出来ないところが今シーズンあるんで、いいきっかけの一本になってくれたらと思います」ーーロハスにも一発「ロハスにも打ってほしい、打ってほしいといつも思いながら使ってはいるんですが、いいところで、2点よりも3点という貴重なホームランでした」ーー2位巨人とは1・5差「2位までは届く所にあるんで、オールスターまでの期間で詰められるところは詰めて、追い越せるところは追い越して、いろんな状況が考えられますが、チーム全員で自分たちの野球、俺たちの野球をやって行きます」ーーオールスターまで3カード9戦。7勝2敗なら勝率5割を超える「星勘定も気持ちのどこかでやってしまうところがありますが、目の前の試合を全力で戦うのが僕たちの野球なんで、まずは目の前を全力でやって行きます」(囲み)ーー伊藤将はいつもと比べて三振が多かった「両サイド、コーナーを使えているところが、三振にもつながっている。特に見逃し三振とか取れる。本当に手が出ない、ベストピッチがやれている証拠かなと思います」ーー多少カウントが悪くなっても崩れない「剛速球があるわけじゃないけど、コントロールだったり、タイミング外すだったり、リズムだったり、コーナーワークがあってのピッチング。将司に関してはコントロールで苦しむのは基本的には少ないと思うんだけど」ーーマルテが離脱する中、みんなで勝利「そうやね。いま世の中はコロナも増えているし、今日も坂本が。そういうことになっていくと、どうなるか見えない部分があるんで。ずっとそうなっちゃうけど、全員で乗り切るしかないしね。その気持ちはみんな持ってくれているので。ある意味、全員が出られるチャンスはあると思う。意気に感じながらやっていってもらったらと思います」ーー糸原の一塁も「まあね、こちらもキャンプからオープン戦でいろいろ準備してきたつもりやったけど、シーズンに入ると、予期せぬことがいろいろ起こるんでね。そういうところでは、昨日(13日)の終盤でファーストをやれたことも、ないよりは良かったと思う。これからもいろんなことが起こりうると思うけど、なるべく俺らも準備というところでは、できる環境をつくりながら選手を送り出していくことは必要かなと思います」ーー9連戦の最初のカードでリリーフをあまり使わなかった「やっぱり休めるのは大きいし、リリーフも調子いいので。行く時は一気に行くというのにもつながると思うので」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は伊藤将司投手(26)、梅野隆太郎捕手(31)のバッテリーの〝あうんの呼吸〟について言及し、配球の妙味を絶賛した。伊藤将の素晴らしい投球に尽きる試合だった。彼にとっても、今季最高の投球だったのではないか。一番良かったのは、右打者にも左打者にも、内角へしっかり投げ込めていたこと。味方の援護点が多ければ、できる投手もいるが、立ち上がりからこの投球をできる投手は、そうはいない。投げろというのは簡単だが正確な制球がなければ、死球になったり、甘く入って痛打されたりする。伊藤将を見ていると、その心配は全くなかった。試合はテレビ解説をしながら、自分が打席に立っていたら、次は何を狙うか予想した。ご覧になった方もいたかもしれないが、これが、ことごとく外れた。私は4打数ノーヒットだっただろう。逆に言えば、それだけ、伊藤将-梅野のバッテリーが打者の読みを外していた証拠。巨人唯一のチャンスだった四回2死二、三塁も打ち気にはやる増田陸に対して、初球チェンジアップでタイミングを外して打ち取った。見事な配球だ。13日の西勇に伊藤将、さらに青柳もいる。阪神の先発陣は間違いなくリーグ屈指だし、さらに、救援陣の充実も目を見張る。攻撃でも大山不在の打線だが、佐藤輝、ロハス以外は全員が小技を使える。〝小回りの効く〟打線で、ベンチもいろんなサインを出せる。最近、佐藤輝が目立っていない点に不満を感じるが、面白い攻撃ができる布陣になっている。ヤクルトとの差はまだまだ大きいとはいえ、追いかける5チームでは阪神がNO・1の戦力だ。相性の悪い広島との戦いをうまく運べば、かなりの位置までヤクルトに迫るのではないか。

◆伝統の一戦で53年ぶりの快挙! 阪神は14日、巨人に3-0で快勝。伊藤将司投手(26)が4安打9奪三振の完封で6勝目を挙げた。阪神の左投手のG戦2試合連続完封勝利は、実に1969年の江夏豊以来だ。自身の甲子園8連勝を決めた左腕の快投で、チームも4位タイに浮上。さらに上昇気流に乗っていく!!最後の打者を打ち取ると、左拳を強く握った。伊藤将が巨人戦2試合連続完封で今季6勝目。2年目左腕が夏場の9連戦中、伝統の一戦で〝ウル虎〟な大仕事をやってのけた。「自分でもまさか巨人に2回も完封できるなんて思ってもいなかったので、できて良かったです」自慢の制球力が光った。三回、先頭の中山から圧巻の4者連続三振。四回2死から連打で2死二、三塁のピンチを迎えたが、増田陸を冷静に遊ゴロに料理した。六回以降は安打すら許さず、9回を113球で投げ切り、自己最多の9奪三振で4安打無失点。甲子園では昨季10月1日の中日戦から自身8連勝となった。中11日の難しい調整を乗り越えた。当初は9日に先発する予定だったが、相手のヤクルトに新型コロナウイルス感染者が続出した影響で試合中止。10日のスライド登板が決まってもさらに中止となった。「ブルペンに入って感触を確かめながらやってきた」と万全に仕上げた。球団の日本選手左腕による巨人戦2試合連続完封勝利は1969年の江夏豊以来、53年ぶり。快挙達成に本人は「うれしいです」と頬を緩めた。68年に日本記録のシーズン401奪三振を達成するなど阪神のエースとして君臨したレジェンド左腕は、巨人に強烈な対抗心を燃やした。剛速球で相手の主砲・王貞治から三振を奪うことにこだわり抜く姿が虎党の胸を熱くさせた。この日の伊藤将も、捕手がミットを構えたとおりにキレの良い球を投げ込み、巨人の各打者から三振の山を築いてスタンドを沸かせた。「多くのファンの方が阪神対巨人戦を見るので、その伝統ある試合でこういういいピッチングが出来たので良かった」と胸を張る頼もしい姿が、往年の左腕と重なった。この日、ゲストとしてお笑いコンビのミルクボーイが登場して球場を盛り上げたが、伊藤将は、いわば虎の〝ミルクボーイ〟。父・正宏さんは千葉で牛乳店を経営し、左腕も牛乳を飲んで、強く、たくましく〝骨太〟に育った。チームは2連勝し、4位タイに浮上。首位・ヤクルトとは14ゲーム差、2位・巨人とは1・5差に縮めた。矢野監督は「2位までは届くところにあるんで、オールスターまでの期間で追い越せるところは追い越して。チーム全員で自分たちの野球をやっていきます」と逆襲に燃えた。「自分自身も連続勝利できるように頑張ります!」とお立ち台で誓った伊藤将。白星はなんぼあっても良いですからね~。そんな本家ミルクボーイの声が聞こえてきそうな活躍をこれからも続ける。(織原祥平)

◆梅野は打球が右翼ポール際のスタンドに届くと走りながら右拳を突き上げた。1-0の四回、4月3日の巨人戦(東京ドーム)以来となる今季2号ソロ。甲子園では昨年9月4日の巨人戦以来だった。勝利のお立ち台で「甲子園でのホームランが久々だったので。歓声の中でグラウンドを一周回れたことを本当にうれしく思いますし、最高だなと改めて感じました」と虎党に感謝した。値千金の一発だった。四回、先頭の山本が中前打で出塁したがロハスが見逃し三振。スタートした山本が二盗失敗して併殺に。いやな流れを梅野が一撃で払拭した。「少し流れが(相手に)傾きかけていた場面で、球場の雰囲気を一変できた」と自画自賛した。奮闘する伊藤将をサポートする一発でもあった。「きょうは(伊藤)将司らしいピッチングを引き出すためにどうやろうかと。コース、高さも丁寧に(サイン通りに)しっかり投げてくれたし、本当に、イメージ通りになった」。捕手として、今季2度目の完封勝利を挙げた2年目左腕を絶賛することも忘れなかった。前日の大山に続き、坂本も近親者の陽性判定を受けて濃厚接触者となり、出場選手登録を抹消。今季スタメンマスクは梅野が39試合、坂本が34試合。投手との相性や打撃の状態などが考慮され、開幕から併用が続いてきたが、坂本の離脱で、梅野にこれまで以上に攻守両面での期待がかかってくる。矢野監督も「(今年は)自分のバッティングがなかなかできていないところがあった。(復調の)いいきっかけとなる1本になってくれれば...」と打撃の上昇に願いを込めた。5月中旬に右脇腹の筋挫傷で2軍調整。ケガも完治し、広角に鋭い打球を飛ばす姿に、平田2軍監督は「1軍で打てないのが不思議。そのバッティングでいいんや」とハッパをかけた。梅野に求められるのは、この日のような相手投手にダメージを与える豪快な一発だ。大山は不在。マルテも一日でチームを離れ、坂本も離脱した。チームが苦しいときこそ、梅野が攻守で引っ張る。(三木建次)

◆尻に火がついている分だけ、白球の勢いもこれまでとは違っていた。ロハスのアーチは自身も虎党も出場30試合ぶり。お立ち台では潔く謝った。「ワオ、ロングタイムアゴー。(日本語で)スイマセン、スイマセン、メッチャスミマセン(笑) きょうは打ててよかった」勝利に貢献し、舌も滑らかだった。2-0の七回。先頭でシューメーカーのスライダーを捉えて右翼席へ運んだ。4月22日のヤクルト戦(神宮)以来となる132メートルの今季4号ソロで伊藤将の背中を押した。打率はようやく2割を超え、今季の二塁打は3本のみ。新助っ人の加入で外国人枠の競争が激しさを増すなか、失いかけた自信を仲間に取り戻してもらった。前日13日。岩崎がロッカーで韓国時代のホームラン集の映像を流した。「それを梅野選手も見ていて、『これをイメージして』と。それがいい結果になったので、感謝したい」2020年は韓国KTで打率・349、47本塁打、135打点を記録。本塁打と打点で2冠に輝いた打撃を体に思い出させた。同じく13日の巨人戦(甲子園)前には糸井と言葉を交わした。ロドリゲスをほめると糸井に「お前もいいバッターでいいパワーがある。絶対打てるから」とエールをもらった。試合前練習では韓国時代に1試合出場した一塁の守備練習を行った。マルテが抹消され、ポジション争いに加わりたい。「監督に言われたらどこでも準備をできたらという気持ちがある。いろんな場所でチャンスを見つけてやりたい」。試合後には小さなロハス〝ジュニア〟とベンチ前で戯れ、パワーを充電。結果でサバイバルを勝ち抜く。(新里公章)

◆決定打が出ない。2位・巨人は2戦連続で零封負けで2連敗。原辰徳監督(63)は今季初めて借金1となった現状に向き合った。「それはみんなで受け止めないとね。原因はあるはずですから、それを修正していくというところですね」連夜の零封負けに加え、左腕・伊藤将には5月22日に続く2戦連続の零封負けを食らった。打線低迷が深刻だ。この日の3打席を含め、最近10試合の得点圏は50打数6安打の打率・113。効果的な適時打が出ない。「まずはやっぱり攻撃陣がつながってこないとね」と原監督。4月28日には最大貯金11あったが、ついに借金生活に突入。振り向けば3位・DeNAとのゲーム差も「1」。悪い流れを払拭できない。(谷川直之)

◆ジワ~ッ、長い長い巨人との伝統の一戦、これほどまでに静かな完封劇があったであろうか?元気のない巨人打線が相手とはいえ、3番・丸を3三振に封じるなど、右左に関係なく打者の外角低めいっぱいにストレートを制球して9奪三振。そして、対巨人2度目の完封を粛々とやってのけた伊藤将って派手じゃないだけに(失礼)、怖えー投手の誕生なのだ!!巨人ファンの人、何か言いました? 「主将の坂本がいたらジャイアンツが勝っていた!!」。アラ残念、阪神も主将の坂本不在で勝ちましたからー!! さらに8番・梅野、そして助っ人なのにまだ4本目のロハスの一発で勝ったというのも地味。いやいや、味わい深い静寂勝利でした(フォローになっていますかー?)惜しかったのは3試合連続で先発野手全員安打を達成できそうだったのに、4番・佐藤輝がノーヒット。ブレーキとなっとるやんけ!! 野球はみんなでやるもんなんやー!! さ、これだけ厳しく言っとけば、次の中日戦は自分のバットで3連勝させるはずなのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
53291 0.646
(↓0.008)
-
(-)
60374
(+1)
293
(+4)
97
(-)
55
(+1)
0.256
(↓0.001)
3.100
(↓0.01)
2
(-)
巨人
44451 0.494
(↓0.006)
12.5
(-)
53344
(-)
388
(+3)
101
(-)
40
(-)
0.244
(↓0.002)
3.830
(↑0.01)
3
(1↑)
DeNA
38412 0.481
(↑0.007)
13.5
(↑1)
62287
(+4)
330
(+3)
60
(+1)
30
(+1)
0.250
(↓0.001)
3.640
(↑0.01)
4
(1↑)
阪神
40442 0.476
(↑0.006)
14
(↑1)
57298
(+3)
250
(-)
56
(+2)
66
(+1)
0.240
(-)
2.720
(↑0.03)
4
(1↓)
広島
40443 0.476
(↓0.006)
14
(-)
56320
(+3)
324
(+4)
43
(-)
16
(-)
0.252
(-)
3.380
(↑0.01)
6
(-)
中日
36461 0.439
(↑0.007)
17
(↑1)
60243
(+4)
318
(+1)
42
(+1)
26
(+1)
0.248
(↑0.001)
3.650
(↑0.03)