楽天(★3対6☆)西武 =リーグ戦13回戦(2022.07.09)・楽天生命パーク宮城=
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西武
00102003061101
楽天
2010000003900
勝利投手:水上 由伸(3勝1敗0S)
(セーブ:増田 達至(1勝1敗22S))
敗戦投手:鈴木 翔天(0勝3敗0S)

本塁打
【西武】ジャンセン・ウィティ(2号・5回表2ラン)

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◆西武が逆転勝利。西武は2点を追う5回表、ジャンセン・ウィティの2ランで同点とする。そのまま迎えた8回には、長谷川と源田の適時打で3点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・水上が今季3勝目。敗れた楽天は、打線が中盤以降の好機を生かせなかった。

◆西武がゲーム差0・5で迎えた"2位攻防戦"を制した。ヒーローは、2日に支配下登録されたばかりの20歳、長谷川信哉内野手だった。3-3の8回に決勝の右前適時打を決め、5回にはプロ初安打&初盗塁もマークした。チームに勢いをもたらしそうな新戦力が躍動し、貯金は今季最多5。3月30日以来の2位に浮上した。勢いに乗ってきそうなチームには、得てして新しい力の台頭があるもの。西武を2位浮上に導いたのは、支配下登録からたった1週間、スタメン3試合目の20歳、長谷川だった。終盤までもつれた"2位攻防戦"。3-3の8回1死一、二塁の勝ち越し機で、打席に向かった。楽天鈴木翔の2球目。外角高めの148キロ直球を芯で捉えた。打球は二塁手の頭上を越えてライト前で弾み、二走・熊代がホームに滑り込んだ。アウト判定に、ベンチはリクエストを要求。緊張の数分間も、長谷川は一塁ベース上で自信を持ってジャッジを待った。結果は覆ってセーフ。欲しかった勝ち越し点をもたらした若獅子は「バッティングで勝利に貢献できてよかった」と初々しく笑った。憧れの選手は「山田哲人」で、将来の夢は「トリプルスリー」。育成の時から、変わらず大きな目標を口にしてきた。そして同じ育成出身の高卒ルーキー滝沢の活躍が大きな刺激になった。「滝沢選手には先を越されましたけど、いいライバル。レベルアップしていきたい」。足元を見つめながら、この日の発揮した勝負強さには、大化けの可能性も漂う。試合前まで9打数0安打。2日に支配下登録され、即1軍登録も結果を出せずにいた。8回の打席。ベンチには森も中村も残っていた。それでも辻監督は、代打の選択肢は「1ミリも考えていなかった」と言った。5回に11打席目でプロ初安打を放ち、初盗塁も決めた男の勢いに託し、最高の結果となった。辻監督は今季、「競争意識」と繰り返す。森も中村も休養でスタメンを外れていた。打線の迫力のなさは否めない中、若い力の躍動で大事な1戦を取った。じわりと2位に浮上し、首位も視野に入ってきた。「そら、優勝目指してますから」と指揮官。勢いが生まれそうな1勝。真夏の反攻の予感が、漂ってきた。【上田悠太】

◆西武先発のバーチ・スミス投手(32)は右手指先の違和感を訴え、4回0/3を2安打3四球3失点で緊急降板となった。まさかのアクシデントに見舞われたが、ブルペンは変わらず頼もしかった。緊急登板の本田から水上、平良、増田とつなぎ、得点を許さず。辻監督は「後ろのピッチャーが0で抑えたから」とリリーフ陣も勝因に挙げて、たたえた。▽西武ジャンセン(5回に2号同点2ラン)「打撃練習から試していたことがあったんだ。本塁打は辻監督からもアドバイスをもらったことがうまくできた」▽西武源田(侍ジャパン栗山監督視察の前で三塁打2本を含む今季初の4安打)「いい形で打てた。侍ジャパンのメンバーに選出していただけるよう、しっかりと結果を残せるよう頑張る」

◆楽天は2試合続けて同点の終盤にリリーフ陣が勝ち越しを許し、西武と入れ替わって3位に後退した。石井一久GM兼監督は「あそこで何とかね。3点より2点だし、2点より1点。失点していくのは仕方ない。それを最少失点で抑えていくところが少し、うまくいかなかった」と8回を悔やんだ。3-3で迎え、5番手に鈴木翔が上がったが、2安打1四球で1点を失った。代わった福山も2死から源田に2点適時三塁打。負の連鎖が止まらなかった。安楽、宋家豪と勝ちパターンだった2人が再調整で戦列を離れている。眼下の敵を相手に課題の部分が出てしまった。この日は津留崎が昇格。リリーフ陣の立て直しは急務だ。鈴木翔は前日に続き決勝点を許した。石井GM兼監督は「『今日はやっつけてやる』という気持ちがなかったように見えた」とも指摘。4年目左腕は試練の時を、殻を破る好機にしないといけない。▽楽天辛島(5回6安打3失点。5回、ジャンセンに同点2ラン) リードしたままいきたかったんですけどね。なんとか粘ってきたんですけど、粘りきれませんでした。申し訳ないです。

◆"2位攻防戦"は西武が制し、2位に浮上した。試合前まで2位楽天と3位西武のゲーム差は0・5。勝てば順位が入れ替わる試合で、接戦をものにした。8回に3点を奪った。ヒーローになったのは2日に支配下登録されたばかりの19歳だった。1死一、二塁。9番長谷川信哉内野手が楽天鈴木翔の高め148キロ直球を捉え、右前適時打とした。2塁から代走の熊代が生還。1度は判定アウトだったが、リクエストで判定が覆った。5回にはプロ安打を放ち、そして8回には殊勲の勝ち越し打をマーク。もちろんプロ初のタイムリーだった。さらに8回は源田がこの日、4安打目となる右中間適時2点三塁打でリードを3点に広げた。プロ3試合目のスタメンだった長谷川だけでなく、ジャンセンの3番起用も見事に的中。2点を追う5回2死二塁での場面ではジャンセンの2号2ランで同点とした。来日1号も放った辛島から、再びアーチをかけた。"辛島キラー"ぶりを発揮し、3番起用にも応えた。ジャンセンは2回1死三塁の場面でも走者を生還させるショートゴロを放っていた。投手陣は先発スミスが5回途中で緊急降板のアクシデントがあった。しかし、リリーフ陣は楽天打線を押さえ込み、反撃を許さなかった。8回は平良が無死満塁のピンチを迎えた。

◆西武2年目の長谷川信哉内野手(20)がプロ入り初安打&初盗塁をマークした。「9番中堅」で2日連続のスタメン。5回無死。カウント1-2からの4球目。楽天辛島のチェンジアップをたたきつけた。打球はセンター前に転がっていった。11打席目で初ヒットが出た。一塁ベース上で白い歯がこぼれた。敦賀気比(福井)から20年育成ドラフト2位で入団。今季はキャンプからA班(1軍)でプレーしていた。今月2日に支配下登録されていた。その後、辛島の素早いけん制で、あわやアウトになりそうになるも、リクエストの結果は覆らず。ギリギリのセーフのままだった。うれしい後に冷や汗もかいたが、3番ジャンセンの1球目ではプロ入り初盗塁も決めた。そのジャンセンが同点2ランを放った。得点にもつながり、うれしい見事な初ヒット、初盗塁だった。

◆西武バーチ・スミス投手(32)が緊急降板した。5回無死。楽天太田への5球目、141キロ直球を投げた後だった。マウンドからベンチのスタッフを呼んだ。その後、通訳を介して、豊田投手コーチと話し合い、そのままマウンドを降りた。ここまで4回0/3を71球、2安打3四球3失点の内容だった。スミスは4月28日ソフトバンク戦でも2回途中で緊急降板していた。

◆ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が始球式を務めた。代表曲「女々しくて」が流れる中、楽天カラーの赤いポンチョを羽織って登場。マウンド近くまで来て脱ぐと、裸の上半身が現れた。しかも、お手製? の大リーグボール養成ギプスを装着。思わぬ姿に、スタンドからはどよめきのような、笑いのような声が起きた。鬼龍院はギプスを付けた上半身をピクピクと動かしながら、大きく振りかぶった。ボールは山なりになったが、ノーバウンドで捕手のミットへ届けた。大役を終えると「本番に集中するあまり養成ギプスを外すのを忘れてしまいました。自分の力をコントロールできなくて投球が上にそれてしまったのが今季の課題ですね。養成ギプスは外さないと力を発揮できないのに、外さずに投げてしまいました。外して投げれば、控えめに言って150キロど真ん中だと思うので、また機会を頂けましたら全力で投げたいです! 楽天イーグルスファンのみなさん、この後の試合もライブもぜひ楽しんでください!」とノリノリでコメントした。

◆西武のスミスが五回、太田の打席中に右手指先の不調を訴えて、緊急降板した。辻監督は軽症を強調し「ちょっと違和感があった」と説明した。4回0/3を2安打3失点。スミスは「早い回に3失点してしまったことが反省点。いい流れをつくれず申し訳ない」と話した。

◆西武の水上が好救援で3勝目を挙げた。3―3の七回から登板。1死からバント安打を許したが、西川を遊ゴロ、小深田を二ゴロに打ち取り、八回の味方の勝ち越しを呼び込んだ。四国学院大から育成ドラフト5位で入団して2年目。前日8日も七回に登板して点を与えず、直後に打線が得点。2日連続の白星で、チームの2位浮上に貢献した。

◆「2番・二塁」で出場の楽天・小深田大翔内野手(26)が一回、先制の適時三塁打を放った。「打ったのはストレート。ランナーを進める気持ちで打ちました」。無死二塁での第1打席。2ストライクから、西武先発・スミスの147キロの直球を上からかぶせるようにたたいた。打球は右中間を破り「タイムリーになってよかったです」とコメントした。

◆「4番・右翼」で出場の楽天・島内宏明外野手(32)が2-1の三回に追加点となる中前適時打。タイムリー談話でおなじみの〝島内節〟は炸裂(さくれつ)した。2死三塁で迎えた第2打席。1ボールから西武先発・スミスの145キロのツーシームをフルスイング。強烈な打球は遊撃・源田のグラブをはじき中前へ転がった。「打ったのはツーシームですかね。渋いべ、渋いべ」と真顔で振り返った。

◆西武が2位に浮上。1―3の五回にジャンセンの2号2ランで追い付き、八回に長谷川のプロ初打点となる勝ち越し適時打、源田の2点三塁打で計3点を挙げた。水上が1回無失点で3勝目、増田が22セーブ目。楽天は3位に転落した。

◆日本代表の栗山監督が視察に訪れ、遊撃手候補の源田(西武)の2三塁打を含む4安打の活躍に目を細めた。守りを中心にチーム編成を考えており「守備への信頼感が絶対的にある選手。源ちゃん(源田)が元気であることは、すごくいいこと」と笑顔だった。救援の有力候補の平良(西武)は1回無失点で、防御率は0・92に良化。「こんなにすごい数字でも、まだ精度を上げられる投手という印象が強い。注目して見ていきたい」と口にした。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
42331 0.560
(↓0.008)
-
(-)
67288
(+2)
234
(+7)
48
(-)
48
(+2)
0.259
(↓0.001)
2.820
(↓0.06)
2
(1↑)
西武
42371 0.532
(↑0.006)
2
(↑1)
63261
(+6)
231
(+3)
66
(+1)
37
(+1)
0.226
(↑0.002
2.440
(↓0.01)
3
(1↓)
楽天
40361 0.526
(↓0.007)
2.5
(-)
66264
(+3)
241
(+6)
47
(-)
57
(+3)
0.237
(↑0.001
3.060
(↓0.04)
4
(-)
ロッテ
40391 0.506
(↓0.007)
4
(-)
63254
(+1)
273
(+3)
45
(-)
82
(-)
0.219
(-)
2.920
(↓0.01)
5
(-)
ORIX
39430 0.476
(↑0.007)
6.5
(↑1)
61234
(+3)
254
(+1)
34
(-)
36
(+1)
0.237
(↑0.001)
2.750
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
32490 0.395
(↑0.007)
13
(↑1)
62268
(+7)
299
(+2)
66
(+3)
53
(+2)
0.236
(↑0.002)
3.540
(↑0.04)