中日(★0対3☆)阪神 =リーグ戦14回戦(2022.07.03)・バンテリンドーム=
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阪神
0210000003502
中日
0000000000800
勝利投手:才木 浩人(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝3敗16S))
敗戦投手:柳 裕也(5勝6敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(19号・2回表2ラン),中野 拓夢(4号・3回表ソロ)

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◆阪神は2回表、大山の通算100本塁打となる2ランで先制に成功する。続く3回には、中野のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・才木が5回無失点の好投で支配下復帰後初勝利。敗れた中日は、先発・柳が力投を見せるも、打線がつながりを欠いた。

◆中日はリーグ戦再開以降5勝8敗だが、この間先発投手の勝利は6月17日巨人戦(大野雄)の1勝だけ。リーグ戦再開後に先発勝利1勝は12球団最少で、6月18日巨人戦から12試合連続で先発勝利がない。今日先発する柳は勝てるか。

◆トミー・ジョン手術から再起を期す阪神才木浩人投手(23)が、先発マウンドに上がる。19年5月12日の中日戦以来、1148日ぶりの1軍登板で、同年5月1日広島戦以来の勝利をつかめるか。打線は近本光司外野手(27)が、球団歴代単独2位となる29試合連続安打に挑む。球団最長は11年マートンの30試合で、王手をかけられるか。また、大山悠輔内野手(27)は通算100本塁打に王手をかけてから10試合足踏みが続いている。久々のアーチで才木を援護できるか。中日先発は柳裕也投手(28)。今季の阪神戦は3試合に登板し、2勝1敗、防御率0・39と好相性を誇る。

◆才木のために!阪神中野拓夢内野手(26)が、4号ソロで約3年ぶりの1軍登板となった先発才木を強力援護した。大山の2ランで2点リードの3回1死。中日柳の122キロを捉え、右翼スタンドに放り込んだ。「才木のために打ちました! しっかり振り切った結果がホームランになってくれて良かったです。次の打席が大事なので、また集中して頑張ります」と球団広報を通じコメント。先輩たちの1発攻勢で後輩の勝利を引き寄せている。

◆球団記録まで「M1」だ。阪神近本光司外野手(27)が、29試合連続安打を達成した。93年ブラッグス(横浜)に並びプロ野球歴代8位。球団では歴代単独2位に浮上し、11年マートンの球団記録まで、ついにあと1に迫った。球団日本人では01年桧山進次郎(現日刊スポーツ評論家)の28試合を超え、単独トップとなった。3点リードの6回2死。この日3打席目で柳から右前打を放った。一塁ベース上では表情を変えることなく、ベンチに向けてポーズを決めた。連続試合安打のプロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33で、あと「4」。左打者最長は15年秋山翔吾(西武)の31試合で、あと「2」。順調にいけば、8日のヤクルト戦が日本記録に並ぶ「Xデー」となる。

◆阪神才木浩人投手(23)が19年5月12日の中日戦(甲子園)以来1148日ぶりの1軍マウンドで5回、76球、5安打、無失点と好投し、19年5月1日広島戦(甲子園)以来、通算9勝目の勝利となった。トミー・ジョン手術、育成契約での苦しいリハビリを乗り越えて帰ってきた。先頭岡林の初球には151キロ直球を投げ込んだ。1番岡林、2番溝脇と2者連続で空振り三振を奪う好スタート。3点リードした5回は1死満塁のピンチをつくったが、9番柳をフォークで空振り三振。続く岡林には高め直球で押し込み、三邪飛に仕留めた。登板前日の2日には「今はめちゃくちゃ楽しみ。思い切って腕を振る姿をいろんな人に見てもらえるとうれしい。しっかりゲームをつくる投球がしたい」と話していたが、しっかり先発の役割を果たした。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が、100号メモリアル弾を放った。11試合ぶりの今季19号。658試合目での達成は、球団日本人では田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布に続いて4番目のスピード到達となった。阪神在籍時のみの本塁打数としては、鳥谷敬が12年9月15日巨人戦で達成して以来、19人目の大台だ。大山は球団広報を通じ「打ったのはストレート。才木のためにも早く先制したかったので打つことができてよかったです。ここからをスタートとして、これまで支えてもらった方々に感謝をして、これからも1本、1本積み重ねていけるように頑張ります」とコメントした。0-0の2回無死一塁だ。中日柳の143キロを振り抜き、中堅右に放り込んだ。ベースランニング中、表情は一切変わらない。ベンチに戻り記念ボードを掲げ、ようやく表情を緩めた。約3年ぶりの1軍登板となった先発才木に、先輩から大きなプレゼントとなった。直後、一塁守備に就く際には、左翼スタンドの阪神ファンへ深くお辞儀した。大山は6月10本塁打と量産したが、同21日広島戦(マツダスタジアム)で通算99号を放ってから10試合足踏みが続いていた。7月最初の本塁打で3年連続20号にも王手をかけた。6年目の今季は佐藤輝明内野手(23)に4番を譲り、開幕は「7番三塁」でスタート。4月24日のヤクルト戦(神宮)で走塁の際に左足を痛め、5月は打率1割8分2厘と苦しんだが、6月に入りV字回復。チームも最大16あった借金を一時4まで減らすなど、主砲の復活とともに右肩上がりの成績を残してきた。プロ1年目の17年7月1日のヤクルト戦(甲子園)で原から放ったプロ初安打が初本塁打だった。これからもチームのための1本を積み重ねる。▼通算100本塁打=大山(阪神) 3日の中日14回戦(バンテリンドーム)の2回、柳から今季19号を放って達成。プロ野球305人目。初本塁打は17年7月1日のヤクルト11回戦(甲子園)で原樹から。

◆阪神先発の才木浩人投手(23)が5回無失点で、19年5月1日広島戦(甲子園)以来1159日ぶりの白星を挙げた。トミー・ジョン手術、育成契約での苦しいリハビリを乗り越えての1勝。試合後は涙のヒーローインタビューとなった。「本当に3年間リハビリで、手術もあって、とてもしんどかったんですけど...」と話し始めると、涙が止まらなかった。17秒後、「本当にずっと支えてくれていた人たちのおかげで、今、またここに戻ってくることができた。本当に感謝の気持ちしかないです」と、球団関係者だけでなく、リハビリ期間を支えてくれたトレーナーや理学療法士らにも感謝した。2回には大山悠輔内野手(27)が通算100号となる19号2ラン、3回には中野拓夢内野手(26)が4号ソロと2発で3点を援護。試合中に球団を通じて出すコメントにどちらも「才木のために」とあったことを聞き「大山さんも中野さんも、ひそかに僕のことが好きだと思うんで、すごくうれしいです」と笑顔が弾けた。左翼、三塁側で見守る多くの虎党に向かって「ファンのみなさん、すごく長い間、ずっと応援してくれていたファンの方もたくさんいるので、これからリハビリで休んでいた分、しっかり巻き返していきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」とこれからのさらなる活躍を誓うと、敵地とは思えない大きな拍手に包まれた。◆トミー・ジョン手術 損傷した肘の靱帯(じんたい)を切除し、他の部位から正常な腱(けん)を移植する手術。74年に故フランク・ジョーブ博士が、左肘の腱を断裂した通算288勝のトミー・ジョン投手に初めて施術したことから通称でこう呼ばれる。日本では、古くは村田兆治(ロッテ)桑田真澄(巨人)らも受けた。13年にはカブス藤川球児も受け、16年に阪神復帰後も活躍した。かつては最低2年とされていた治療期間も大幅に短縮。「球速が5~6キロ速くなった」と感じる投手も多い。米紙ワシントン・ポスト電子版によると、レンジャーズ在籍中のダルビッシュ有が15年に手術を受けたところ、球速がアップ。直球の平均が術前の14年には148~151・3キロだったのが、16年の復帰直後には155・6キロに向上。平均4・8キロも速くなったと伝えている。エンゼルス大谷翔平も18年10月に同手術を受け、21年に9勝を挙げた。

◆中日は今季15度目の完封負けで借金が再び最多「12」となった。先発柳が序盤、大山、中野に被弾し3失点。3年ぶり1軍マウンドの才木に対して5回に1死満塁まで攻めたが柳、岡林が倒れた。立浪監督は「きょう試合前にチャンスで打てないことはいったん頭から消そうと(選手に)言ったが、結果が出なかった。(5回、柳を打席に立たせた策は)ミスと言えばミスかもしれない」と反省。試合後、休日予定だった4日の野手組(一部除く)が急きょ、練習に変更された。▽中日柳(7回3安打も2発を浴び3失点で6敗目) 絶対勝つ気持ちでマウンドに上がりましたが、先に点を取られ流れを悪くしてしまいました。またしっかり準備します。

◆阪神がカード勝ち越しを決めた。先発才木浩人投手(23)が5回5安打無失点、5奪三振と好投。19年5月12日中日戦以来、1159日ぶりとなる勝利を飾った。矢野燿大監督(53)はトミー・ジョン手術、育成契約を経て1軍の舞台に帰ってきた右腕をねぎらった。試合後の一問一答は以下の通り-才木がよく頑張った矢野監督 「久しぶりの登板やし、アイツとも話している中でね、いろんな思いがあるやろうし。気持ちが高ぶるところを、うまく逆にコントロールしながら。もうちょっと荒れるかな、と思ったけど。その気持ちをうまくボールに伝えるというか。今までけがで投げられなかった悔しさや、ここで投げられる幸せを。イニング途中にも『どうや?』って言うたら『楽しいです!』って言っていたし。やっぱりこういう気持ちをね、また新たなスタートとしてやっていけばいいと思う。それをまあ、最後5回もギリギリやったけど、あそこを踏ん張れたことで勝ちにつながった。アイツにとってはいいスタートになったと思う。もちろん勝った中での、次に対する課題っていうのはもちろんあるけど、今日は勝ちに浸って。いろんな人から連絡も来るだろうし。でもまた次に向かってやっていくいいスタートになったと思います」-先発陣が疲れて来ている中で、こういう存在が出て来るのも大きい矢野監督 「まあ1年間戦う中でもちろん全員で、全員が戦力になってくれるに越したことはないんで。才木だけじゃなくまだまだ頑張ってもらうピッチャーいっぱいいる。野手もまだまだ頑張ってもらわないとダメだし。それは全員でやります」-故障明けだが、この後は矢野監督 「うん。いったん抹消する」-チーム全体に才木を勝たせたいという雰囲気矢野監督 「もちろんそれはあったと思うし、ピッチャーも小刻みな感じでつないでくれて才木に勝ちをプレゼントしてくれた。まあ、それはチーム全体にあったと思うし、それは才木の投げてる姿からそういうモノも感じ取っていたと思うし、そういうものを持ってみんなやってくれた」-大山が通算100号矢野監督 「いいピッチャーからいい場面で打ったというのも俺は通過点やけど、思い出というか一生に残るホームランになったし、記念のホームランが勝ちにしっかりつながったということも悠輔の中での思い出の1本になったと思う。これからまだまだ打ってもらわないと困るバッターなんで。150、200といってもらったらなと思います」-ちょっと本塁打が出てなかった矢野監督 「いや、ホームランなんてずっと打てるわけじゃないし。向こうだって崩そうとしてくるわけだから。まあ、でもそれを乗り越えていかないとダメなんで。そういう波を小さくしていくようなことは成長としては必要なこと」-近本がまた打った矢野監督 「悠輔(大山)と同じで、これもチカにとっては通過点のところ。1日1本、まずは打っていくというところから、またチームに価値ある安打もあれば、チームに価値ある凡打もある。チームを引っ張ってくれる選手に、もっともっとなっていってくれたらと思う」

◆阪神先発の才木浩人投手(23)が5回無失点で、19年5月1日広島戦(甲子園)以来1159日ぶりの白星を挙げた。トミー・ジョン手術、育成契約での苦しいリハビリを乗り越えての1勝。阪神大山悠輔内野手(27)が、100号メモリアル弾を放った。11試合ぶりの今季19号。658試合目での達成は、球団日本人では田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布に続いて4番目のスピード到達となった。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が、100号メモリアル弾を放った。11試合ぶりの今季19号。658試合目での達成は、球団日本人では田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布に続いて4番目のスピード到達となった。阪神在籍時のみの本塁打数としては、鳥谷敬が12年9月15日巨人戦で達成して以来、19人目の大台だ。▼大山が100本塁打を達成した。阪神生え抜きの100号は、鳥谷敬が12年9月15日の巨人戦で達成して以来。▼通算658試合目での到達は、阪神の生え抜きでは田淵424試合、掛布553試合、岡田624試合に次いで4番目に速い。▼この日は「先制」のアーチ。100号のうち、「逆転」などの肩書付き本塁打は42本あり、そのうち先制アーチが27本と最多で、試合を動かす1発が多い。▼外国人、移籍選手も含めて阪神在籍中に100本塁打を記録した選手は、大山で19人目。これはセ・リーグ球団最少。最多は巨人の31人で、以下(2)中日28人(3)DeNA27人(4)広島25人(5)ヤクルト22人。

◆阪神近本光司外野手(27)が連続試合安打を「29」に伸ばし、11年にマートンがマークした球団記録の「30」に王手をかけた。6回、近本の打球が右前へ抜けると、記録更新を期待する左翼の虎党が湧き上がった。「今日はダメだなと思っていた」。1打席目は縦のスライダーで遊ゴロ、2打席目はチェンジアップで三ゴロ。変化球も多彩な相手先発の柳に抑えられていた。「柳がどうかというよりも、自分の問題。しっかり打ちにいってのタイミングに変えました」と、試合中に修正。第3打席は相手に合わせず、自分のスイングのタイミングを優先し4球目のカットボールをしっかりとらえた。29試合連続安打は01年桧山進次郎(現日刊スポーツ評論家)を抜き、球団では単独2位、日本人最長。プロ野球歴代でも8位タイとなった。79年高橋慶彦(広島)の日本記録「33」も見えてきた。今季放った安打は99本となり入団以来4年連続100安打にもあと1本と迫った。この日のウイニングボールをつかんだのは中堅手の近本だった。ベンチ前で出迎えた先発の才木に笑顔で手渡した。「同じ兵庫出身で、よくしゃべってくれる。これを機にケガなく頑張ってくれたらいいなと思います」。近本は社、才木は須磨翔風と同じ兵庫県の公立校出身。右肘手術を乗り越え再び1軍に帰ってきた後輩の頑張りをたたえた。5日からは本拠地甲子園に戻っての広島連戦。記録更新がかかる近本のバットに、さらに注目が集まる。【石橋隆雄】

◆涙の復活祭だ。阪神先発の才木浩人投手(23)が5回を無失点に抑える快投で3年ぶりの勝利を挙げ、チームの2連勝を導いた。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、育成契約を経て今年5月に支配下選手に復帰。ヒーローインタビューではスタンドで両親が見守る中、苦しいリハビリを乗り越えてつかんだ1勝に感極まった。帰ってきた不屈の右腕が、7月反攻のシンボルになる。我慢していたものが、一気にあふれ出た。19年5月1日、甲子園での広島戦以来の白星。才木が泣いた。「本当に3年間リハビリで手術もあって、とてもしんどかったんですけど...」 そこまで言うと、左手で顔をおおった。約17秒の沈黙。無数のフラッシュも、万雷の拍手も、才木のためにだけある。「ずっと支えてくれていた人たちのおかげで、またここに戻ってくることができたので、本当に感謝の気持ちしかないです」5回を5安打、5奪三振で無失点。涙のヒーローインタビューが約3年、日数にして1159日ぶりの勝利の重みを物語っていた。20年11月、トミー・ジョン手術を終え全身麻酔が解けた瞬間から、生まれ変わった。「もうやるしかない。ここからは、上がっていくだけだって」。ガチガチの右肘は動かない。それでも心は動きだしていた。右肘に血流がいくように、慎重に可動域を広げる日々。ズキズキする患部とひたすら向き合った。「頑張って動かしても痛みで『うああああ!!』ってなる。これ以上動かしたら、骨ごと腕がバキンって折れるんじゃね? みたいな感覚なんです」。トレーナー、理学療法士。数え切れない人に支えられ、苦しく地道なリハビリを乗り越えてきた。「これ? 男の勲章ですよ!」右肘の手術痕を見て、今はそう笑い飛ばせる。健康で、何不自由なく野球ができるありがたみが身に染みる。「傷を見たら、ああ、俺、手術したよなって。歳取って、野球やめたら『やったよな、こんなの』って思い出に残りますよね」。かけがえのない1勝が、全てを濃密なストーリーに変えていく。帰ってきた1軍マウンドでは、感謝を込めて腕を振った。最速153キロ。76球のうち51球が真っすぐ。中日打線に真っ向勝負を挑み、飛ばしまくった。5回2死満塁、1番岡林に2ボールから選んだのもストレート。「2回くらいからすんごいバテてました」とおどけたが、149キロで三邪飛に仕留めた。手術明けの負担も考慮し、いったん登録を抹消される。「リハビリで休んでいた分、しっかり巻き返していきたい」。エネルギーを再び蓄え、厳しい夏場の先発陣を支える救世主になる。【中野椋】▽阪神矢野監督(才木について)「イニング途中にも『どうや?』って言うたら『楽しいです!』って言うてたし、やっぱりこういう気持ちをね、また新たなスタートとしてやっていけばいい。今日は勝ちに浸って、また次に向かってやっていくいいスタートになったと思います」○...バンテリンドームで復活勝利を見届けた才木の両親も感無量だった。父の昭義さんは「ファームから調子が良かったので、安心して見ていました。スタートラインに戻ってきたと同時に、今からさらにもっと上を目指していってほしいです」と笑顔。母の久子さんは「ホッとしました。(お立ち台での涙は)次男で泣き虫なので。私も、うるっときました。これをきっかけに調子のいい先輩たちに混ざって、一緒になって頑張ってほしいです」と感無量だった。○...中野が4号ソロで才木を援護した。2点リードの3回1死。柳のスライダーを右翼ポール際へ。5月14日のDeNA戦以来、40試合ぶりの1発でリードを3点に広げた。才木がヒーローインタビューで感謝の気持ちも込め、「中野さんは僕のことが好き」と話していたことを聞くと、「寮でずっと話していた仲なので、何とかアイツのためにもと頑張りました」と笑顔。8回には左前打も放つマルチ安打で、後輩の復活勝利をアシストした。○...5人の中継ぎ陣がゼロのバトンをつないだ。先発才木を受けて6回以降は岩貞、加治屋、浜地、ケラーと継投。最終回は守護神岩崎が無失点で締め、16セーブ目を挙げた。セットアッパー湯浅は、疲労を考慮して休養を与えたもよう。矢野監督は「ピッチャーも小刻みな感じでつないでくれて才木に勝ちをプレゼントしてくれた。(才木に勝たせたい思いが)チーム全体にあったと思う」とブルペンの奮闘をたたえた。○...16年ドラフト4位の浜地が同期で同い年の才木の復活勝利を喜んだ。3点リードの7回から4番手で登板し、1回無失点。7ホールドをマークした。「入団時からずっと一歩先を行っていましたし、そのおかけで僕も頑張れた。こういう日に一緒に投げられてうれしい」と笑顔。終盤のベンチでは並んで試合の行方を見守り「(才木は)9回の1アウトぐらいから泣きそうになっていました」と一緒に感動していた。○...5番手ケラーは"うなぎパワー"で3人斬りだ。3点リードの8回に登板し、先頭岡林を151キロで三ゴロ。続く溝脇も直球で空振り三振に仕留め、最後は大島をカーブを引っかけさせて遊ゴロ。7試合連続無失点と安定感が増している。「調子的にはそんなによくなかった」というが、「昨日の晩、岩貞クンが特上のうなぎをご馳走してくれて。その"うなぎパワー"で僕は助かったと思います」。夏本番もうなぎ登りといきたい。◆トミー・ジョン手術 損傷した肘の靱帯(じんたい)を切除し、他の部位から正常な腱(けん)を移植する手術。74年に故フランク・ジョーブ博士が、左肘の腱を断裂した通算288勝のトミー・ジョン投手に初めて施術したことから通称でこう呼ばれる。日本では、古くは村田兆治(ロッテ)桑田真澄(巨人)らも受けた。13年にはカブス藤川球児も受け、16年に阪神復帰後も活躍した。かつては最低2年とされていた治療期間も大幅に短縮。「球速が5~6キロ速くなった」と感じる投手も多い。米紙ワシントン・ポスト電子版によると、レンジャーズ在籍中のダルビッシュ有が15年に手術を受けたところ、球速がアップ。直球の平均が術前の14年には148~151・3キロだったのが、16年の復帰直後には155・6キロに向上。平均4・8キロも速くなったと伝えている。エンゼルス大谷翔平も18年10月に同手術を受け、21年に9勝を挙げた。

◆涙の復活だ。阪神才木浩人投手(22)が、中日14回戦(バンテリンドーム)で19年5月21日以来の1軍マウンドに上がり、5回5安打、5奪三振無失点で1159日ぶりの勝利を挙げた。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、育成契約を経て今年5月に支配下選手に復帰。ヒーローインタビューでは両親が見守る中、苦しいリハビリを乗り越えての1勝に感涙した。◆才木の主な一問一答-涙がこみ上げたのはいつぐらいから才木 試合が終わってハイタッチした時ぐらいからウルウルきました。-勝利を誰に伝えたい才木 トレーナーの方とか理学療法士の方とか、いろんな方にお世話になった。そういった方々のおかげで5回まで0を並べられたので、本当に誇りに思う。-お世話になった人の顔が浮かんでの涙才木 なかなか良くならない肘とずっと過ごしていたので、今こうやって痛みもなく、思い切って楽しんで野球ができるというのがすごくありがたい。-大山、中野がホームラン。2人とも「才木のために打った」と才木 大山さんも中野さんも、ひそかに僕のことが好きだと思うんで、すごくうれしい。-6回以降はベンチで才木 ゲーム前から中継ぎの先輩たちが「思い切って最初から行けよ」っていう話をしてくれていた。頼りになる中継ぎの方がたくさんいるので、思い切って投げて、結果につながってくれた。-ファンの声援受けるのも久しぶり才木 ファームはお客さんはバックネットだけとか暗いけど、360度ずっとファンの方がいて、あの大きな声援の中で投げるのは、すごく楽しめた要因。-登録抹消となる才木 様子を見ながら休ませる時は休ませて、投げる時はしっかり投げてという形ができたら全然問題ない。次に向けてしっかり調整できたら。

◆阪神が投打でメモリアルなヒーローに導かれ、渾身(こんしん)の2連勝を飾った。打っては10戦連続ノーアーチだった5番大山悠輔内野手(27)が2回、先制&決勝2ランをたたき込み、球団日本人4番目のスピードで通算100号に到達。16年ドラフト同期入団で右肘手術を乗り越えた才木浩人投手(23)の1159日ぶり白星をアシストした。大山はペコペコと頭を下げ終えると、両手で掲げた100号パネルをわずか5秒で下ろした。2回無死一塁。中日柳の外角143キロ直球を強振し、右中間席まで持っていった。11戦ぶりの1発は「今年目標にしていた」という通算100号。それなのに、16年ドラフト同期の後輩への感情が先に来るところが背番号3ならでは、だ。「才木は同期で入ったかわいいかわいい後輩。先に点を取ってあげたいと思っていました。初めて会った(才木が)高校生だった時の感じを思い出しながら守っていました。なんとか手助けできて良かったです」右肘手術を乗り越えた4歳下の1159日ぶり白星を、19号決勝2ランでアシスト。「勝ったことですべてが報われる」と胸をなで下ろす姿は、もう誰の目にも主砲そのものだ。わずか数秒の間に天国と地獄を味わった1日から、6年近くが経過した。悔しさは晴らせたか? そう問われると「いや、まだまだです」と否定する。「あれがあったから頑張れている部分もある。あそこで悲鳴をあげた人全員を後悔させてやるんだという感情は今も持っています」白鴎大4年生だった16年秋、阪神からドラフト1位指名を受けた。他に目玉候補もいた中、本人も驚いたサプライズ指名。その瞬間に会場内の観客から響き渡った後ろ向きな反応は「一生、忘れることはできない」という。「プロ野球選手になるという夢がついにかなったのに、頂点からどん底に落ちてしまって...。誰が悪い訳でもないことは分かっています。でも、あの時の悔しさは、僕が野球を引退するまで常に持ち続けていたい気持ちの1つなので」658試合目での100号は田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布に続いて球団日本人4番目のスピード。ただ、大台到達はあくまで長いプロ野球生活の通過点に過ぎない。大山には今、新たな夢がある。「あの時に悲鳴が上がって良かった、ありがとうございましたと感謝できる野球人生にしたい」まだまだ道半ば、ということだ。「また1つのスタート。1本1本、積み重ねていければ。たくさんの人の支えがあっての100本。そういった気持ちを忘れずに、また明日から頑張っていきたい」満足感に浸っている暇はない。【佐井陽介】

◆阪神先発の才木浩人投手(23)が5回無失点で、19年5月1日広島戦(甲子園)以来1159日ぶりの白星を挙げた。トミー・ジョン手術、育成契約での苦しいリハビリを乗り越えての1勝となった。才木にはもともと、両手首に腱(けん)がない。トミー・ジョン手術では左足の腱を右肘に移植した。「多分成長過程のあれで、赤ちゃんの時にハイハイの時期が少なかったから」と笑う。母の久子さんは「手首の腱がない人は、ハイハイ関係なしにいるみたい」と息子の説を否定したが、「確かにハイハイは、ほとんどしてなかった。立てるようになって動きだすのが、びっくりするぐらい早かった」と回想する。「その頃はハイハイしないと足腰が強くならないって言われていたんです。でも、その心配がないくらい、小さいころから体が強かった」。久子さんも大体大4年時に、ハンドボールで全国2位になったことがあるアスリート。けがのつらさを知っているからこそ、「浩人がどっか痛いって言っても、あ~もう大丈夫、生きてる生きてるって」と前向きに励ましてきた。たくましい体とメンタルも引き継いだ息子は、やっぱり強かった。【阪神担当=中野椋】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】1148日ぶりの1軍マウンドにあがった阪神才木浩人、中日打線を相手に5回無失点に抑え勝利投手に!ヒーローインタビューでは男泣き。

◆阪神・才木浩人投手(23)が出場選手登録され、1148日ぶりに1軍の先発マウンドに上がる。右腕は高卒2年目の2019年に6勝(10敗)をマークし、ブレーク。しかし、20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、21年は育成契約となっていた。長いリハビリを終え、実戦に復帰した今季はウエスタン・リーグで11試合に登板し、4勝2敗、防御率1・46とアピール。5月6日に支配下に再登録され、1軍登板のチャンスをつかんだ。1軍マウンドは19年5月12日の中日戦(甲子園、5回5失点)以来。白星を挙げれば、同年の同1日の広島戦(甲子園、5回2失点)以来となる。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が通算100号となる2ランで先制点を挙げた。「才木のためにも早く先制したかったので打つことができてよかったです」二回無死一塁で先発・柳の4球目、外角の直球に反応した。打球はぐんぐんと伸び、右中間席に着弾。推定飛距離130メートルの一発で、3年ぶりの1軍先発となった同期入団の才木を援護した。大山は6月21日の広島戦(マツダ)以来、11試合ぶりに本塁打を記録。これで自身通算100号となり、出場658試合での達成は阪神の生え抜き選手では4番目のスピードとなった。メモリアルアーチについて球団広報を通じ「ここからをスタートとしてこれまで支えてもらった方々に感謝をしてこれからも1本、1本積み重ねていけるように頑張ります」とコメントした。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が4号ソロを放ち、追加点を挙げた。「才木のために打ちました!しっかり振り切った結果がホームランになってくれて良かったです。次の打席が大事なので、また集中して頑張ります」2-0の三回1死走者なしで先発・柳の2球目、内角の変化球を引っ張り、右翼席に運んだ。5月14日のDeNA戦(横浜)以来となる一発。試合前時点でセ・リーグの5球場の中で打率・258でワーストだったバンテリンドームで結果を残し、リードを広げた。

◆阪神・才木浩人投手(23)が3年ぶりに1軍で先発し、5回無失点と好投した。立ち上がりからアクセル全開だった。一回、先頭の岡林に対しては全5球で直球勝負。152キロの直球で空振り三振を奪うと、続く溝脇もストレートで空を切らせた。四回までは二塁すら踏ませない安定した投球で試合を作ると、五回に山場を迎えた。3本の安打で1死満塁のピンチを迎えるも、相手先発の柳を空振り三振、岡林も直球で三邪飛に仕留めて無失点で切り抜けると、満面の笑みを浮かべた。5回を投げ切り、勝利投手の権利を手にして降板。白星を挙げれば1159日ぶりとなる。

◆阪神・近本光司外野手(27)が六回に右前打を放ち、球団歴代単独2位となる29試合連続安打とした。3―0の六回2死走者なしで快音を響かせた。先発・柳の4球目、内角のカットボールに反応し、白球は一、二塁を抜けて「H」のランプが点滅した。近本はこれで29試合連続安打とし、球団では並んでいた2001年の桧山進次郎を抜いて単独2位に立った。あと1試合で1位の11年のマートンに並ぶ。プロ野球記録となる33試合の高橋慶彦(1979年、広島)まではあと「4」となった。

◆阪神は完封勝利し、試合前時点で2勝6敗だった敵地・バンテリンドームで今季初のカード勝ち越しを決めた。また、虎にとってはメモリアルな記録ずくめの一戦となった。右肘手術から復帰登板した先発の才木は最速153キロの直球を軸に、5回無失点の好投を見せ、1159日ぶりに1軍で白星。右腕と同期入団の大山は三回に通算100号となる2ランで先制点を挙げた。その流れに乗るかのように、近本は六回に右前打を放ち、球団歴代単独2位となる29試合連続安打と記録を伸ばした。阪神が勝利したことで借金は6に。ナイターゲームのヤクルトーDeNA戦(神宮)でDeNAが敗れれば、阪神が4位浮上となる。

◆阪神・才木浩人投手(23)が2019年5月1日の広島戦(甲子園)以来、1159日ぶりの白星を5回無失点で飾った。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、1148日ぶりの1軍登板で復活勝利を挙げた右腕はヒーローインタビューで涙を流した。ーー3年ぶりの白星。今の気持ちは「本当に3年間リハビリで手術もあって本当にすごくしんどかったですけど...(涙を流す)本当にずっと支えてくれた人たちのおかげで今ここにまた戻って来れたので本当に感謝の気持ちしかないです」ーー1148日ぶりマウンドはどんな気持ちで「思い切り楽しんで、お世話になった人たちのためにというか、その人たちの思いを一緒に持って来れたらいいなと思って思い切って腕を振って投げました」ーー150キロを連発。ボールはどうだったか「二回くらいから、すんごいバテてましたけど、何とか粘って投げれたので。梅野さんのリードとかのおかげですごく抑えられましたし、良かったかなと思います」ーー五回のピンチの場面は(1死満塁で柳を空振り三振、岡林を三邪飛)「もう思い切って自分のいつものピッチングというか、強気の姿勢で攻めて行こうという気持ちで投げました」ーー大山と中野のホームランの談話が「才木のために」とあった「大山さんも中野さんも密かに僕のことを好きだと思うのですごくうれしいです」ーー六回以降はベンチでどう見守っていたか「ゲーム前から中継ぎの先輩たちが『思い切って最初から行けよ』っていう話をしてくれていて。本当に頼りになる中継ぎの方たちがたくさんいるので、思い切って投げて、ああいう結果につながってくれたと思いますし、六回以降も先輩たちのおかげでゼロに抑えてくれたのですごく頼りになるなと思いました」ーー誰に感謝の思いを伝えたいか「やっぱりリハビリ期間はすごいトレーナーの方とか理学療法士の方とか、いろんな人にお世話になったので、その人たちに僕だけではないですけど、これでちょっと肩の力を抜いてくれたら、すごくありがたいなと思いますし、そういった方々のおけげで五回までゼロを並べられたので、本当に誇りに思うなというか、あとでしっかり感謝の気持ちを伝えられたらと思います」ーー最後にファンへ一言「ファンみなさん、すごく長い間、ずっと応援してくれたファンの方もいるので、これからリハビリで休んでいた分、しっかり巻き返していきたいと思うので応援よろしくお願いします!」

◆阪神・才木浩人投手(23)が2019年5月1日の広島戦(甲子園)以来、1159日ぶりの白星を5回無失点で飾った。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、1148日ぶりの1軍登板右腕を、大山悠輔内野手(27)が通算100本塁打の19号2ラン、中野拓夢内野手(26)が4号ソロで援護した。近本光司外野手(27)は六回の右前打で球団単独2位の29試合連続安打。チームは今季、バンテリンDで初のカード勝ち越しとなった。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績36勝42敗2分、観衆3万929人)。ーー才木が頑張った「久しぶりの登板で、アイツとも話している中で、いろんな思いがあるやろうし、気持ちが高ぶるところを逆にコントロールしながら。もうちょっと荒れるかな、と思ったけど。その気持ちをうまくボールに伝えるというか。今までけがで投げられなかった悔しさや、ここで投げられる幸せを...」(さらに続けて)「イニング途中にも『どうや!?』って言うたら『楽しいです!』って言うてたし。やっぱりこういう気持ちをね、また新たなスタートとしてやっていけばいいと思う。最後の五回もギリギリやったけど、あそこを踏ん張れたことで勝ちにつながった。いいスタートになったと思うんで。もちろん勝った中での、次に対する課題はあるけど。今日は勝ちに浸って。いろんな人から連絡も来るやろうし。でもまた次に向かってやっていくいいスタートになったと思います」ーー先発陣が疲れて来ている中で、こういう存在が出て来るのも大きい「1年間戦う中でね、もちろん全員が戦力になってくれるに越したことはないんで。才木だけじゃなく、まだまだ頑張ってもらうピッチャーいっぱいいる。野手もまだまだ頑張ってもらわないとダメ。それは全員でやります」ーー故障明けだが、この後は「うん。いったん抹消する」ーーチーム全体に才木を勝たせたい雰囲気「もちろんそれはあったと思う。ピッチャーも小刻みな感じでつないでくれて、才木に勝ちをプレゼントしてくれた。それはチーム全体にあったと思うし、才木の投げてる姿から、そういうモノも感じ取っていたと思うし、そういうものを持ってみんなやってくれた」) ーー大山は100号「そうやね。いいピッチャーから、いい場面で打ったというのも俺は通過点やけど、思い出というか一生に残るホームランになったし、記念のホームランが勝ちにつながったことも、悠輔の中での思い出の一本になったと思う。これからまだまだ打ってもらわないと困るバッターなんで。150、200と行ってもらったらなと思います」ーーちょっと本塁打が出てなかった「ホームランなんて、ずっと打てるわけじゃない。向こうだって崩そうとしてくるわけだから。それを乗り越えていかないとダメ。波を小さくしていくようなことは成長としては必要なこと」ーー近本がまた打った「悠輔と同じで、これもチカにとっては通過点。一日一本、まずは打っていくというところから、またチームに価値ある安打もあれば、チームに価値ある凡打もある。チームを引っ張ってくれる選手に、もっともっとなっていってくれたらと思う」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(74)は才木浩人投手(23)に言及。「大型投手」として復活ロードを歩ませてほしい、と首脳陣にリクエストを出した。才木の3年ぶりの勝利に胸が熱くなった。私自身、投手コーチ、フロントとして何人も故障を乗り越えようと努力する選手を見てきた。くじけそうになる選手に間近で接してきた。口にはできない苦労もあったと思う。本人の努力が一番だろうが多くの支えがあって、ここまで来れたのだ。気持ちが折れることなく、復活した姿は、何よりもうれしい。立ち上がりの一回に、一番自信のある真っすぐを試したのだろう。ポンポンと投げ込んで連続三振。1軍でも通用する手応えを感じたように映った。150キロ超のキレのある真っすぐが素晴らしく、さらにフォーク、チェンジアップなどの変化球も冴えていた。特にチェンジアップは打者にとってジャマになる球で、そのおかげでますます真っすぐが生きた。五回はちょっと疲れたのだろう。76球は普通の投手ならどうってことのない球数だが、3年ぶりの1軍登板。2軍戦とは比較にならない。MAXの緊張感、MAXの疲労度だったと思う。あの時点での交代は正解だ。先発陣が苦しくなってきたタイミングで孝行息子が現れた感じ。ただし、いきなりローテに組み入れての起用は避けた方がいいし、おそらく首脳陣もそうはしないと思う。阪神の中では藤浪と双璧の「大エースになる素質の持ち主」。期待度はもともと高かった。大型投手には大型投手ならでは育て方、調整法がある。しっかり間隔をあけて、大事に復活ロードを歩ませてもらいたい。

◆八回を無失点で切り抜けたケラーが来日初ホールドをマーク。「調子的にはそんなによくなかったけど、それでもゼロをつけられた」と1番・岡林から溝脇、大島と続く好打順を、緩急を生かして三者凡退で乗り切った。2日夜には岩貞から特上うなぎを振る舞われ「その〝うなぎパワー〟で僕は助かった」と活力を与えてくれた左腕に感謝した。

◆才木と2017年同期入団の浜地は七回を1回無失点でしのいで白星を届け「(才木が)入団時からずっと一歩先を行っていたし、そのおかげで僕も頑張れたというのがある。こういう日に一緒に投げられてうれしい」と感慨に浸った。頭に浮かぶのは故障からの復帰に向けて奮闘する姿。3年ぶりの復活を祝福し「お互い高めあっていければ」と言いつつ「(才木が)九回の1アウトぐらいから泣きそうになっていました」と内幕を暴露していた。

◆描いた大きな放物線は、そのまま右翼スタンドに入った。大山に続き中野も4号ソロで奮投する才木を強力援護した。「初回から気持ちが伝わるような、強気に攻めていくような投球をしていた。何とか才木のためにもという、早いうちに1点をあげたいという気持ちがあった」2点リードの三回1死で、柳のスライダーをとらえた。「塁に出ることだけを考えていたので、本当にビックリした」と本人も驚くアーチ。一発が出た試合はプロ1号を放った昨年5月4日のヤクルト戦(神宮)から4戦全勝となった。愛知県は三菱自動車岡崎時代にお膝元だった土地。「社会人時代の先輩が観に来てくださっていた。その前でしっかりとホームランを打つことができてよかった」。八回には左前打も放ち、思い出の地で成長を示した。(須藤佳裕)

◆同期の復活星を節目の一撃でサポートした。見上げてきた99個のアーチより、この日の放物線は一層輝いてみえたに違いない。大山がプロ通算100号となる先制2ランで、才木に3年ぶりの勝利をプレゼントした。「入った瞬間はうれしかった。けが明けの才木、同期で入ったかわいいかわいい後輩なので、先に点を取ってあげたいと思っていました」勝った後も表情を緩めないことが多い背番号3が、笑みを浮かべた。0-0の二回無死一塁。柳の143キロ直球を捉えると、中堅右へ。「手助けできてよかった」。自身はドラフト1位、才木は3位。19号2ランで2017年同期入団の弟分を援護した。6月21日の広島戦(マツダ)以来11試合ぶりの一発。ベンチ前で記念のボードを掲げたが、照れ臭そうに早々に下ろした。その真意は「試合の序盤。すぐに気持ちを切り替えようと」。集中力を研ぎ澄まし、才木も虎も歓喜の瞬間に導いた。) 大山にしかわからないプレッシャーを糧に本塁打を積み上げてきた。昨季はシーズン中に腰背部の張りを抱え、抹消やスタメン落ちも経験。オフには母校・白?大の藤倉監督に〝今年は(酒を)飲みました〟とこぼした。「あいつは(普段)あまり飲まないらしいんですよ。だけど、酒の量が増えたって」。17年から出場機会を増やし続け、主力として周囲の期待も高くなる。思いに応えるため、今季は左膝の負傷を押して出場した時期もあった。そんなときも「絶好調」と言い、弱音は吐かなかった。責任感の塊のような主砲について、矢野監督は「記念のホームランが勝ちにつながった。思い出の1本になったと思う。まだまだ打ってもらわないと困る。150、200本といってもらったら」と期待した。「100号はうれしいですけど、勝つことがうれしい。個人的には一つのまたスタートというか、一本一本積み重ねていければ。たくさんの人の支えがあっての100本。そういった気持ちを忘れずに、また明日から頑張っていきたい」次の目標は勝利につながる101号。大山が7月も阪神を引っ張る。(新里公章)

◆おかえり、ヒロト! 阪神は中日に3―0で勝利し、4位に浮上した。2020年の右肘手術から復活し、19年5月12日の中日戦(甲子園)以来1148日ぶりに1軍マウンドに上がった才木浩人投手(23)が先発で5回無失点と力投し、同1日の広島戦(同)以来1159日ぶりの白星を挙げた。ヒーローインタビューでは感極まって涙。素質抜群の右腕が復活だ。3年間の思いがこみ上げ、涙があふれた。才木はヒーローインタビューで「本当にすごくしんどかったですけど...」と言葉に詰まり、左手で顔を覆った。右肘の手術を乗り越えてつかんだ1159日ぶりの勝利は、格別だった。「ずっと支えてくれた人たちのおかげで戻ってこられた。本当に感謝の気持ちしかないです」) 持ち味の直球で攻めに攻めた。一回は最速153キロで2者連続三振を含む三者凡退。3―0の五回に連打などで1死満塁と初めてピンチを招いたが、柳を空振り三振、岡林も三邪飛に料理した。5回76球、5安打無失点。3年ぶりの白星に「痛みもなく、思い切って楽しんで野球ができるというのがすごくありがたい。またこうやって1軍で勝てた」と笑顔がはじけた。矢野監督も「いろんな思いがあるやろうし。イニング途中にも『どうや?』って聞いたら『楽しいです!』って言うてたし。また次に向かって、いいスタートになった」と目を細めた。 高卒2年目の2018年に1軍で6勝を挙げてブレーク。未来のエース登場と騒がれたが、19年に右肘痛に襲われた。2020年10月末に側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けるまで毎朝、肘の状態を確認することが日課だった。ドアノブを触ったり頭を洗ったり、何気ない動作で痛みが走った。同年12月に育成契約となり、長い復活への旅が始まった。リハビリ期間中は昼間に鳴尾浜で運動し、夕食後に治療院へ足を運んだ。一日でも早い回復を目指し、10人以上のトレーナーや理学療法士のもとを訪れ、門限ギリギリまで治療した日もあった。「部屋にこもって他のことをしていると『ヤバい、ヤバい』みたいな。ずっと部屋にいたら死にそうになった」。不安と焦燥感にかられ、居ても立ってもいられなくなる日もあった。だが、多くの治療を受けて体への知識が深まるにつれ、腹も決まった。「やってもらっている自分が『もうダメだ』みたいなメンタルになったら申し訳ない。しょげている時間があったらトレーニングしよう」。自分自身に集中するため、昨年はテレビなどで1軍の試合をあえて見なかった。復活ロードをイメージし、地道な鍛錬に取り組んだ。そして今年5月4日、支配下に復帰。道は再び開けた。ガンケルやウィルカーソンが抹消され、夏バテ気味の先発陣の救世主にもなった。故障明けとあって今後は一度、抹消される予定だが、回復期間を十分に取って、パワーアップして帰ってくる。「どこで投げるかわからないけど、次に向けてしっかり調整できたら」試合終了後、近本からウイニングボールを受け取った。チームの4位浮上に貢献した背番号「35」の第2章が始まる。恩返しの思いを込め、全力で腕を振る。(織原祥平)

◆今、この男が絞り出す1安打は、ただの安打ではない。一、二塁間を破った瞬間、まるで決勝打を放ったかのようなウワーッ! という歓声がバンテリンドームの〝左半分〟から湧き上がった。近本が球団単独2位となる29試合連続安打だ。「(修正したのは)しっかり打ちに行ってのタイミングの取り方かな。柳がどういくかというより、自分の問題だった」前日までは7試合連続で2打席目までにHランプをともしたが、この日は2打席凡退。3-0で試合後半に入り、もう勝利を確信していた大半の虎党の関心事は、近本が打つのか打たないのかへ移っていた。六回2死、カウント2-1から柳の134キロ変化球を捉え、右前へ。見事に「自分の問題」を解決し、見つめた全員の願いをまたかなえた。最後に無安打だった試合は、佐々木朗に無安打に封じられるなど4打数無安打だった5月27日のロッテ戦(ZOZOマリン)。以降は8球団との対戦を股にかけ、どこにも止められずに記録を伸ばす。「28」で並んでいた2001年の桧山進次郎を交わし、11年にマートンが刻んだ球団記録の30試合連続安打へ、ついにあと「1」。1979年に高橋慶彦(広島)が打ち立てたプロ野球記録の「33」も、次の6連戦中に届く数字だ。今季12球団で唯一続ける全試合フルイニング出場も80試合に乗せた。勝利だけを追い求め日々身を粉にするが、かわいい後輩の才木の話となると柔らかい表情になった。「本当にいいボールを投げる。同じ兵庫県出身(淡路市と神戸市)でもあるし、よくしゃべってくれるので。何とか頑張ってくれたし、これを機にけがなく頑張ってくれたら」仲間やファン、勝利のために突っ走る。大記録は後からついてくる。(長友孝輔)

◆もらい泣きしそうになるヒーローインタビューでした。お帰り? 才木浩人。3年ぶりの勝利、そしてプロ通算9勝目、おめでとう?「1面、才木でいきましょう。2面にも関連原稿を展開します」大山の通算100号本塁打もありました。近本は連続試合安打を「29」に伸ばしました。が、当番デスク野下俊晴は迷わず、才木1面を提案。紙面会議も満場一致です。虎ソナが気にしていた「名古屋の大明神パワー」も、右肘手術から復活した23歳の力投が吹き飛ばしました。3年ぶりに先発した才木が5回を零封。2017年ドラフト同期の大山、中野の援護弾を呼んで快勝です。試合前、中日担当の須藤佳裕から、ヨシヨシと思う話と気になる報告の両方が入っていました。「ビシエドはフリー打撃もして元気に動いているんですが、出場は週明けからになります」中日の助っ人主砲は左肩を痛めて6月21日に抹消になり、治療と2軍での実戦調整を経て、2日の試合前から1軍の練習に合流していました。「万全を期してということだと思います。それと、登録の話で言うと、中継ぎ右腕の山本がきょう抹消になりました」 第1戦で大野雄が背中の張りを訴えて先発登板できなくなり、中日は救援陣をフル動員して3-1で勝っています。山本も、あの試合で中継ぎ登板していました。しかし、代わりに誰かが上がってきたわけではなく、この日は一人減のまま。この2つが試合前の「ヨシヨシ」です。ただ、須藤はこう続けたんです。「だからこそ、柳投手には長いイニングを投げてほしいと期待していると思います。直近の登板3試合、約1カ月勝てていません。でも、逆に言えばそろそろ勝つころですし」さらに続けたのが「大明神」の話です。「きょうは、名古屋のCBCラジオで、僕と同学年の光山雄一朗アナが実況します。彼、すごいんですよ。昨年実況デビューして、中継した試合は6戦6勝です。楽天の田中将投手がここで投げたとき(5月31日)も、彼が実況して中日が2-0で勝っています」昨年は5位、今季も最下位の中日で6戦6勝は確かにすごい。28歳のアナウンサーは、名古屋で「光山大明神」と呼ばれているらしい。「ファンも『きょうは光山アナだから勝てる。期待しよう』と盛り上がっていました。ビシエドの復帰はまだですが、名古屋はきょう、そういうムードなんです」須藤の話を聞いていたトラ番キャップ長友孝輔も、気になる報告をしてきました。「選手の起用にどこも苦労していますね。阪神も、きょうは湯浅を使わないみたいです。試合前、外野をランニングしただけでボールを握っていません。きのうまで3連投しています。先週も3連投がありました。ベンチ入りメンバーに名前はありますが、実質〝あがり〟だと思います」八回にケラーがコールされたとき、え? と思ったファンもいるかもしれませんが、そういう事情です。それでも勝ちました。才木が昨年の防御率1位投手に投げ勝ち、湯浅を休ませても岩貞、加治屋、浜地がつなぎ、ケラーも開幕時とは別人のように八回を抑え、岩崎が締めくくって。さあ、先発も救援陣もまた分厚くなるぞ。

◆阪神・才木浩人投手(23)が、3日の中日戦(バンテリンドーム)で1159日ぶりの勝利。母・久子さんが、サンスポに喜びの手記を寄せた。2020年の右肘手術からの復活を目指すなか、1軍昇格前に若き右腕が母に明かしていた複雑な胸中や決意、息子の手術成功を願って人知れず厄払いにいったエピソードなどを語った。やった! というより中継ぎの方や大山さん、中野さんも『才木のために』といっていただいて感謝しかありません。周囲から〝そろそろ出番がくるで〟といわれていましたが、まだ早いかなと思っていました。でも、本人は投げたくてムズムズしているのが伝わってきていましたね。5月にファームで球団選定の最優秀選手に選んでいただいたとき『おめでとう』とLINEすると『ファームでとってもしゃあない』『1軍で勝って、いろんな賞をもらわないと、野球選手としてあかん』みたいな返事がきました。それはちゃうやろって。直接1軍というのはあり得ないわけやから。ファームで投げて、結果がよくて賞がついてきたことを素直に喜ばないと、1軍もないんちゃうかと返しました。すると『感謝せなあかんな』と。本当にそう思ったのか適当なのかはわからないけど(笑)、本人は1軍を知っているので、お世話になった方に早く1軍で投げる姿をみてもらいたい一心だったのだろうと思います。痛みが出て、手術が決まるまでの期間はコロナ禍で会うことはできませんでしたが、手術が決まった後の方が明るかったです。手術を受けて、先が見えた感じです。手術明けの写真もにこやかで楽しそうでした。島本(浩也、同時期に手術)さんと一緒だったのも、大きかったと思います。浩人は知らないですけど、手術前に初めて厄払いにいきました。長田神社がいいと聞いて。お祓いをしてくださった方が阪神ファンで『ひょっとして才木選手ですか? 応援しています』といわれて。けがをしたけど、これからうまくいくようにしていただいた。手術後もお礼参りにいきました。お札は自宅の部屋に立てかけてあります。ここまでくるのに周りの方に一生懸命助けていただきました。恵まれた子です。感謝しきりです。また1軍でローテーションで回してもらえたらうれしいですが、投げる度に心臓が飛び出しそうになるので、お母ちゃん、身がもちませんって感じです(笑)。私へのお祝いのLINEも300件以上いただいて感謝感激です。これからも、無理せず投げてくれたらうれしいです。

◆よっしゃァ!! 前日ここで予告した通りサイコーに気持ち良くオヤジギャグを叫ばせてもらいまっせえええ!! 「サイキサイキ(才木再起)おめでとう!!」涙から始まったヒーローインタビュー、才木浩人の胸の中を手術、育成降格、支配下への復帰、そしてそれを応援してくれた周囲の人たちの顔が次々に巡ってきたのだろう。俺の目頭をジ~ンと熱くしたのはその後「(ホームランを打ってくれた)大山さんも中野さんも僕のコトが好きだと思うんで!」とスタンドの笑いを誘ったあの言葉だったのだ!!それでいいんだよ!! ここまで苦しんできた日々は決して忘れてはいけないが、この先に目を向けるその明るさと勇気がわが阪神の伝統には欠けていたのだ!! 悲壮感は村山実さんの永久欠番(11)と一緒に永久に封印したれー!!そして、本日の猛虎打線は江戸っ子だったぜ、べらんめえ!! 『宵越しのヒットは打たねえ』で5安中2本がホームラン、しかも大山の通算100号に近本の球団記録にあと1本と迫る29試合連続安打ってんだから、いなせだねェ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
52241 0.684
(↑0.004)
M51
(↑2)
66355
(+11)
264
(+4)
95
(+4)
54
(+2)
0.258
(↑0.002)
3.010
(↓0.01)
2
(-)
巨人
41400 0.506
(↑0.006)
13.5
(-)
62322
(+7)
344
(+5)
89
(+4)
37
(-)
0.249
(↑0.002)
3.820
(↑0.01)
3
(-)
広島
37393 0.487
(↓0.006)
15
(↓1)
64294
(+5)
298
(+7)
39
(-)
14
(-)
0.256
(-)
3.460
(↓0.04)
4
(1↑)
阪神
36422 0.462
(↑0.007)
17
(-)
63271
(+3)
241
(-)
53
(+2)
63
(-)
0.237
(↓0.001)
2.820
(↑0.04)
5
(1↓)
DeNA
33400 0.452
(↓0.006)
17.5
(↓1)
70259
(+4)
311
(+11)
56
(-)
26
(+1)
0.252
(↑0.002)
3.850
(↓0.11)
6
(-)
中日
32440 0.421
(↓0.006)
20
(↓1)
67221
(-)
301
(+3)
40
(-)
24
(-)
0.247
(↓0.001)
3.800
(↑0.01)