ヤクルト(☆2対1★)DeNA =リーグ戦11回戦(2022.07.02)・明治神宮野球場=
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DeNA
00000010001601
ヤクルト
0000000101X2900
勝利投手:清水 昇(5勝1敗0S)
敗戦投手:伊勢 大夢(1勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】大田 泰示(5号・7回表ソロ)

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◆ヤクルトが劇的なサヨナラ勝利。ヤクルトは1点を追う8回裏、塩見の適時打で同点とする。そのまま迎えた延長10回には、1死満塁から塩見が再び適時打を放ち、試合を決めた。投げては、4番手・清水が今季5勝目。敗れたDeNAは、3番手・伊勢が振るわなかった。

◆花火で試合が中断となった。ヤクルト4回1死の攻撃中、午後6時58分頃に隣接する国立競技場で開催されるJリーグ、清水-横浜の試合前セレモニーで花火が打ち上がった。花火が終わると、試合が即再開となった。

◆DeNA大田泰示外野手(32)が5号ソロで投手戦の均衡を破った。互いに無得点で迎えた7回先頭の第3打席、ヤクルト・サイスニードのスライダーを左翼席へ運んだ。「うまく反応して捉えることができました。とにかく出塁すること、そしてチームの勝利のため食らいついていきました!」と興奮気味に振り返った。自身3試合連続打点となった。

◆ヤクルトがDeNAをサヨナラで下し、2リーグ制後最速となる優勝マジック「53」を点灯させた。1点を追う8回2死一、二塁、塩見の中前適時打で追いつくと、10回裏1死満塁から再び塩見が値千金の三塁への内野安打を放ち、熱戦に終止符を打った。先発サイスニードの力投も逆転につながった。2回無死一、二塁のピンチを招いたが、ソトを空振り三振、続く大和を投直併殺に仕留めて乗り切った。3回1死一塁では桑原を遊ゴロ併殺、4回1死一塁では4番牧を遊ゴロ併殺。3イニング連続の併殺打で粘り強くピンチをしのいだ。5回、6回とリズム良く3者凡退。7回先頭の大田に右越えに5号ソロを被弾し先制点を許したが、7回を93球、5安打1失点。終盤までゲームメークした。

◆ヤクルトがDeNAをサヨナラで下し、2リーグ制後最速となる優勝マジック「53」を点灯させた。1点を追う8回2死一、二塁、塩見の中前適時打で同点に追いつくと、延長10回1死満塁、最後も塩見がサヨナラ打を放った。先発サイスニードが7回に浴びた大田のソロによる1失点で踏ん張り、終盤までゲームメークした。劇的な逆転勝利につなげた。

◆ヤクルトがDeNAをサヨナラで下し、2リーグ制後最速となる優勝マジック「53」を点灯させた。延長10回1死満塁から塩見泰隆外野手(29)が、プロ初のサヨナラ打となる三塁への内野安打を放った。得点圏打率はリーグ1位。1点を追う8回2死一、二塁からも中前に同点適時打を放ち、全2打点。お立ち台に立つと「最高にうれしいです」と喜んだ。「得点圏打率はたまたまです。1アウト満塁だったので何とか外野まで飛ばそうという気持ちで入りました」と言った。結果、内野安打で「プロの舞台でサヨナラヒットはなかったので、カウント有利になって力みが結構あった。次、ああいう場面があったら、もうちょっと楽に入れると思う」と笑いを誘った。これで優勝マジックが2リーグ制後、最速で点灯。チームの雰囲気については「本当に家族のようなチーム。毎日毎日、クラブハウスに来るのが楽しみ。本当に素晴らしいチーム。雰囲気もよくて、本当にいいチームだと思います」と強さの秘訣(ひけつ)を語った。優勝については「ここから何があるか分からないので。目先の1試合。まずは明日全力で、チーム全員で向かっていく気持ちでやります」と誓った。ファンへのメッセージは「次にああいう場面が回ってきたら、もっとしっかりとしたヒットを打てるように頑張りたい」と言って、最後まで笑いを誘った。

◆DeNAは、ヤクルトを除くセ5球団で唯一残っていた自力優勝の可能性が消滅した。延長戦の末にサヨナラ負けした。1-0の8回、それまで無失点で踏ん張っていた浜口が塩見に同点打を許して降板。延長10回に3番手伊勢が1死満塁から、またも塩見に決勝打を打たれた。連勝は4で止まったが、締まった試合を見せた。三浦監督は「全員が最後まで粘ってよく頑張った。この粘りは今後に生きてくる。生かしていかないといけない。必ず、生きてきます」と前を向いた。▽DeNA浜口(100球目をヤクルト塩見に同点打とされて7回2/3で降板)「全打者と勝負することを意識して臨みました。腕が振れ、戸柱さんともコミュニケーションが取れ、打者の読みを外せていただけに粘れず悔しいです」

◆ヤクルトがDeNAをサヨナラで下し、2リーグ制後最速となる優勝マジック「53」を点灯させた。1点を追う8回2死一、二塁、塩見の中前適時打で追いつくと、10回裏1死満塁から再び塩見が値千金の三塁への内野安打を放ち、熱戦に終止符を打った。▼ヤクルトがDeNAに勝ち、優勝マジック53が点灯した。2位以下で唯一自力Vが残っていたDeNAは残り全勝で104勝39敗、勝率7割2分7厘。ヤクルトは残り67試合のうちDeNA戦に敗れても他カードで53勝すれば104勝38敗1分け、勝率7割3分2厘で上回る。これで2位以下の5球団に自力Vがなくなり、マジックが点灯した。残り全勝の広島を上回るにも53勝が必要で、M対象は広島とDeNA。65年南海が開幕58試合目、残り82試合の7月6日にM62を点灯させたが、ヤクルトの7月2日は点灯日としては65年南海を抜いて2リーグ制後最速となった。現日程での最短Vは8月12日。最速M点灯の次は、90年巨人の9月8日を抜く2リーグ制後の最速V決定に挑戦する。なお、1リーグ時代には37年春の巨人が7月1日にM点灯している。

◆来日2年目のヤクルト・サイスニード投手が、7回5安打1失点と試合をつくった。2回から4回まで3つの併殺を奪う内容に「守備にも助けられ全体的に良かったが、ホームランの1球が悔やまれます」と振り返った。7回にDeNA大田に先制ソロを浴びたが、価値のある粘投。高津監督も「よくスニードも粘ってくれました」と評価した。

◆ヤクルト高津臣吾監督の執念も勝利につながった。同点の9回2死一塁の守備では、DeNA牧の打球のファウル判定について審判へ入念に確認。10回1死一塁の攻撃では、バントの構えの丸山和に対する内角球にリクエストを要求。死球判定に覆り、その後のサヨナラにつながった。試合後は「ちょっとこっちも熱くなってしまいました。あまり詳しくいうとあれなんで」と詳細は明かさなかったが、指揮官の姿勢も選手に伝わったようだ。

◆M53ヤ!! ヤクルトが延長サヨナラ勝ちで、2リーグ制後最速となる優勝マジック「53」を点灯させた。同点の延長10回1死満塁、塩見泰隆外野手(29)がプロ初のサヨナラ打となる三塁への内野安打を放ち、熱戦に終止符を打った。塩見は8回にも同点の適時打を放ち、この日の全得点をたたき出した。リーグ1位の得点圏打率を誇るリードオフマンに導かれ、このまま優勝まで突っ走る。「燕ファミリー」のけん引役・塩見が底力を発揮した。10回1死満塁、カウント3-1からの伊勢の5球目、真ん中低め150キロ直球をたたきつけた。大きく弾んだ打球は三塁への内野安打に。勝利を決め、仲間から歓喜のウオーターシャワーを浴びると、山田、マクガフらと抱擁。村上ともグータッチを交わした。チームをけん引する不動の1番打者は、1点を追う8回2死一、二塁では浜口から同点適時打を放っていた。この日の全2得点を挙げたヒーローは、お立ち台で素直に喜んだ。「最っ高にうれしいです。もう本当に家族のようなチームで、毎日毎日クラブハウスにくるのが楽しみで。雰囲気もとてもよくて、本当にいいチームだと思います」プロ初のサヨナラ打の前には1学年上の"山田兄さん"からパワーを授かっていた。打席に行く前に「『僕サヨナラしたことないんです』って言ったら『じゃあ俺がパワーあげる』って握手しました」。見事に勝負を決めると「『ほら、俺がパワーあげたおかげだ』って言ってもらいました」と笑った。クラブハウスではプライベートから野球の話まで、先輩、後輩関係なく打ち解けているが、いざグラウンドに入れば真剣な声が飛び交う。グラウンド内外での雰囲気の良さも、ヤクルトの強さの一因だ。2位巨人が敗れ、リーグの貯金を独占。13・5ゲーム差の1強状態だが、油断はない。お立ち台で「優勝」について水を向けられても、「それはまだ分かんないんですけど。これから本当に何があるか分からないんで。目先の1試合、また明日、全力でチーム全員で向かっていく気持ちでやっていきます」と引き締めた。リーグトップ20盗塁を誇るリードオフマンは「次ああいう場面が回ってきたら、もうちょっとしっかりしたヒットを打てるように頑張りたいと思います」。この日の活躍で、こちらもリーグトップの得点圏打率は、3割5分5厘から3割7分5厘まで上昇した。これからも勝負強く「燕ファミリー」の先陣を切り開く。【鈴木正章】▽ヤクルト高津監督(マジック53点灯に)「ほんとにピンとこないですね。53か...。いい戦いが出来ていると。投打共に粘って、つないで、我慢して。歯を食いしばってという野球が出来ていると思います」

◆6月26日に支配下登録されたヤクルト・小沢(こざわ)怜史投手(24)が、3日のDeNA戦で7年目で初先発する。試合前の神宮外苑でキャッチボールなどで調整した。昇格した当日の巨人戦で2番手として4回3安打2失点の力投でチャンスをつかみ取った。今季の2軍戦では救援登板のみだが、右横手投げの24歳は「一人一人集中してアウトを積み重ねることだけを意識して投げていきたい」と力を込めた。

◆DeNAの大田が6月18日以来の5号ソロを放ち、試合の均衡を破った。七回に先頭打者で、1ボール2ストライクからサイスニードの浮いた変化球をきっちり捉え、低い弾道の打球を左翼席へ突き刺した。「うまく反応して捉えることができた」と振り返った。5月に右太もも裏の肉離れを起こし、戦列を離れた。6月の1軍復帰後も出番は多くなかったが、ここに来て調子を上げ、3試合続けて先発出場して全試合で打点をマークした。日本ハムから移籍して1年目で、すっかりチームに溶け込んでいる。先発を外れても大声を上げて仲間を鼓舞し、三浦監督が「試合に出なくてもベンチで盛り上げて戦ってくれている」と褒める姿勢は欠かせぬ戦力となっている。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(29)が1点を先制された直後の八回2死一、二塁で同点の中前適時打。DeNA先発の浜口が投じた143キロの直球を捉えた。攻撃陣は好投のサイスニードを援護できなったが、終盤で反撃。球団を通じ、「気持ち! 気持ち! 気持ちで打ちました」と興奮気味にコメントした。1―1で迎えた延長十回1死満塁でも打席には塩見。高いバウンドの三塁ゴロで三走が本塁に生還した(記録は三塁内野安打)。サヨナラ勝ちで優勝へのマジックナンバー「53」が点灯した。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(29)が1―1で迎えた延長十回1死満塁で打席に入り、高いバウンドの三塁ゴロで三走が本塁に生還した(記録は三塁内野安打)。チームはサヨナラ勝ちで優勝へのマジックナンバー「53」が点灯した。お立ち台に上がった塩見の一問一答は以下のとおり。--プロに入って、何度目のサヨナラ安打?「初めてです」--今の気持ちは「もう最高にうれしいです!」--1ー1の場面でも同点打。得点圏打率も1位「いや、もう得点圏打率はもうたまたまなので...。はい、たまたまです」--得点圏で打てる秘訣は「特にないんですけど、もうタイミングを取ることですね」--サヨナラの場面、どんな気持ちで打席へ?「1死満塁だったので、なんとか外野まで飛ばそうっていう気持ちで入りました」--ですが、内野ゴロ(記録は三塁内野安打)「プロの舞台でサヨナラヒットっていうのがなかったので、それでカウントも有利になって。ちょっと力みが結構あって。それは次ああいう場面が来たら、もうちょっと楽に入れるのかなと思います」--これで最速でマジックが点灯、チームの雰囲気は「本当にもう家族のようなチーム。もう毎日毎日クラブハウスに来るのが楽しみで。本当に、素晴らしいチームで雰囲気もとても良くて。本当にいいチームだと思います」--このまま突っ走って優勝してくれますか?「いや、それはまだわかんないんですけど。頑張ってこのまま、これから何があるかわからないんで、そこは目先の一試合、全力でチーム全員で向かっていくっていう気持ちでやっていきます」--ファンへメッセージを「次ああいう場面が回ってきたら、もうちょっとしっかりしたヒットを打てるように頑張りたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします。ありがとうございました」

◆DeNAは5連勝を狙ったが、延長十回にサヨナラ負け。それでもセ・リーグ首位のヤクルトを接戦に持ち込み、三浦大輔監督(48)は「みんなよく頑張ってくれました」とナインの奮闘をたたえた。先発の浜口が八回途中1失点、7奪三振と好投。しかし、その後の救援陣は登板過多の勝ちパターンをつぎ込んだがしのぎ切れなかった。八回途中からはセ・リーグ2位の36試合目となったエスコバーが回またぎで1回?を無失点。しかし、延長十回は伊勢がセ・リーグ最多37試合目となった登板で、1死満塁のピンチを背負い塩見に三塁へのサヨナラ内野安打を許した。2位以下のチームで唯一自力優勝の可能性があったが、この日の敗戦で消滅。「最後まで全員が粘ってよく頑張ったと思いますし、この粘りは今後に生きてくると思いますし、今後に生かさないといけないと思います。必ず生きてきます」と力強く言い切った指揮官。3日のヤクルト戦で首位相手に一矢報いたい。(横山尚杜)

◆【データBOX】?ヤクルトがDeNAに勝ち、2位以下の球団の自力優勝の可能性が全て消滅。ヤクルトに優勝へのマジックナンバー53が点灯した。マジック対象球団は、2位以下で全勝時の勝率が最も高い広島(・729)。13試合を残す広島との直接対決に負けても、他の53試合に勝てば勝率・732で上回る。現日程での最短優勝決定日は8月12日。?7月2日での優勝マジック点灯は、1965年・南海の7月6日を抜き2リーグ(50年)以降最速(パの前後期制だった73-82年は除く)。セのこれまでの最速は03年・阪神の7月8日。ヤクルトが優勝マジックを点灯させたのは昨年に続き通算8度目で、過去7度は全てリーグ優勝している。

◆セ・リーグは2日、ヤクルトがDeNAに2―1でサヨナラ勝ち、広島も巨人に2―0でサヨナラ勝ちした。阪神は中日に5―2で快勝した。これで首位・ヤクルト(51勝24敗1分)を除く2位以下全ての球団の貯金がなくなった。70試合以上を消化して、貯金のある球団がリーグの首位球団だけになったのは、2019年7月20日(巨人が貯金16)以来3年ぶり。ヤクルトが首位のケースは15年7月25日(貯金2)以来7年ぶり。巨人は4月28日に最大11あった貯金がなくなった。巨人が2桁貯金から貯金0になったのは、06年(最大14、最終順位は4位)、昨年(最大15、同3位)に次いで3度目。

◆四回のヤクルトの攻撃中に、近隣の国立競技場で花火が打ち上げられ、試合が1分ほど中断する珍事があった。サッカーJ1の清水が「クラブ創設30周年記念マッチ」として横浜M戦を開催し、その演出だった。2020年10月にも、人気アイドルグループ「嵐」のライブ収録の演出で打ち上げられた花火の煙と風船の影響で、試合が2度中断したことがある。

◆神宮に詰めかけた燕党は総立ちになった。試合を決めたのはヤクルト・塩見泰隆外野手(29)だ。1―1の延長十回1死満塁で、三塁へサヨナラの内野安打。歓喜のウオーターシャワーを浴びたヒーローは満面の笑みで、お立ち台に立った。「もう、最高にうれしいです。何とか外野まで飛ばそうという気持ちで(打席に)入りました」先輩にもらったパワーをバットに込めた。打席に向かう前、1歳上の山田に「僕、サヨナラ打を打ったことがないんです」と打ち明けると、「じゃあ、俺がパワーをあげる。お前、打てるよ」と手を握られた。不思議な力を手に宿し、伊勢の150キロの速球を強振。打球は高く弾み、三走・内山壮がヘッドスライディングで生還した。流れを呼び戻したのも塩見だった。八回に同点の中前適時打。「しっかりセンター返しという気持ちでした」と試合を振り出しに戻した。得点圏打率・375はリーグトップ。かつては精神的に強くなく、崩れやすい〝豆腐メンタル〟だった男が、いまや無類の勝負強さでチームを支える。5月以降、連敗知らずの燕軍団。優勝へのマジックナンバー点灯に大きく貢献した塩見は「勝っても、また明日が来る。切り替えて目の前の一戦一戦を勝っていくというのが、いい方向に向いている」とうなずいた。

◆ヤクルトは2日、自力優勝の可能性が残っていたDeNAとの11回戦(神宮)に2―1でサヨナラ勝ちし、リーグ2連覇へのマジックナンバー「53」が初点灯した。1965年の南海(現ソフトバンク)の7月6日を上回り、セ、パ両リーグ(1950年の2リーグ制以降)を通じて史上最速。延長十回、塩見泰隆外野手(29)の適時内野安打で試合を決めた。高津臣吾監督(53)は球団初の2年連続日本一へ向け、第一関門を突破した。神宮の夜空の下、心地よいウオーターシャワーが降り注いだ。延長十回1死満塁。塩見の打球は三塁前で高く弾む。代走の内山壮がヘッドスライディングで生還。セ、パ両リーグを通じて史上最速となる優勝マジック点灯を、今季5度目のサヨナラ勝ちで決めた。「我慢の投球と、みんなの頑張りの結果。なかなか二塁にも走者が行けない状態が続いていて、本当にワンチャンスだったのかもしれない。よく打ってくれました」ナインから手荒い祝福を受ける塩見の姿に、高津監督は?を緩ませた。勝利への執念が選手の闘志に火をつけた。十回無死一塁。送りバントの構えからバットを引いた丸山和が、左腕に投球が当たったことをアピール。判定がボールとなると高津監督はすぐにリクエストをし、死球に覆った。ここから好機が広がり、劇的な白星につながった。九回にも行動していた。2死一塁で、牧の一塁線の打球を荒木が処理し、チェンジとなるはずが判定はファウルに。指揮官は納得がいかず、西本球審に抗議。判定は変わらなかったがマクガフが三振に仕留め、勝ち越し点を許さなかった。高津監督は延長戦に入る前にも球審のもとへ。「質問をしたり、向こうの答えを聞いたり。意見交換しました」。先頭に立って白星に貪欲な姿勢を示したことで、ナインも奮い立った。恩師の野村克也さんと不思議な縁がある。7月6日にマジック62で記録した1965年の南海を上回るスピード点灯。このシーズンは南海の中心打者、野村さんが打率・320、42本塁打、110打点で戦後初の三冠王に。高津監督はチームを率いる立場として〝恩師超え〟を果たした。 今季は、監督としての野村さんがなし得なかった記録に挑む。野村さんは1990-98年のヤクルト監督時代にリーグV4度、日本一3度を達成。それでも2年連続日本一は達成できなかった。その記録を超えるためにも、昨季のシーズン終了後に恩師の墓前に手を合わせて日本一を報告し、さらなる飛躍を誓った。「勝つ」―。これこそが最大の恩返しだ。野村イズムを受け継ぐ高津監督がまとめるチームは雰囲気もいい。殊勲の塩見が「家族のようで本当にいいチーム。毎日、クラブハウスに行くのが楽しい」と目を輝かせるように一体感がある。〝ワンチーム〟となったスワローズの強さは数字に表れ、貯金は今季最多の27。セ・リーグの勝ち越しを独り占めし、2位・巨人に13・5ゲーム差をつける。マジック点灯は通算8度目で、過去7度は全て優勝。V率は100%だ。「投打ともに粘って、歯を食いしばってという野球ができている」と指揮官。球史に名を刻んだスワローズが、令和の常勝軍団への道を歩き出した。(森祥太郎)■データBOX?ヤクルトがDeNAに勝ち、2位以下の球団の自力優勝の可能性が全て消滅。ヤクルトに優勝へのマジックナンバー53が点灯した。マジック対象球団は、2位以下で全勝時の勝率が最も高い広島(・729)。13試合を残す広島との直接対決に負けても、他の53試合に勝てば勝率・732で上回る。現日程での最短優勝決定日は8月12日。?7月2日での優勝マジック点灯は、1965年・南海の7月6日を抜き2リーグ(50年)以降最速(パの前後期制だった73-82年は除く)。セのこれまでの最速は03年・阪神の7月8日。ヤクルトがマジックを点灯させたのは昨年に続き通算8度目で、過去7度は全て優勝(92年はマジックが点灯せずに優勝、過去の優勝回数は8度)。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
51241 0.680
(↑0.004)
M53
(-)
67344
(+2)
260
(+1)
91
(-)
52
(-)
0.256
(-)
3.000
(↑0.03)
2
(-)
巨人
40400 0.500
(↓0.006)
13.5
(↓1)
63315
(-)
339
(+2)
85
(-)
37
(-)
0.247
(↓0.001)
3.830
(↑0.02)
3
(-)
広島
37383 0.493
(↑0.007)
14
(-)
65289
(+2)
291
(-)
39
(+1)
14
(-)
0.256
(-)
3.420
(↑0.04)
4
(-)
DeNA
33390 0.458
(↓0.007)
16.5
(↓1)
71255
(+1)
300
(+2)
56
(+1)
25
(-)
0.250
(↓0.001)
3.740
(↑0.03)
5
(-)
阪神
35422 0.455
(↑0.008)
17
(-)
64268
(+5)
241
(+2)
51
(-)
63
(+2)
0.238
(↓0.001)
2.860
(↑0.01)
6
(-)
中日
32430 0.427
(↓0.005)
19
(↓1)
68221
(+2)
298
(+5)
40
(-)
24
(-)
0.248
(-)
3.810
(↓0.01)