中日(☆3対1★)阪神 =リーグ戦12回戦(2022.07.01)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:ロドリゲス(4勝2敗0S)
(セーブ:R.マルティネス(2勝1敗17S))
敗戦投手:湯浅 京己(1勝3敗0S)

本塁打
【中日】山下 斐紹(1号・3回裏ソロ),A.マルティネス(7号・8回裏2ラン)

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◆中日は3回裏、代打・山下のソロで先制する。同点とされた直後の8回には、A.マルティネスの2ランが飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・藤嶋が3回無失点。その後は7投手の継投で相手打線を1点に抑えた。敗れた阪神は、打線が11残塁とつながりを欠いた。

◆3日の中日戦(バンテリンドーム)で先発を務める見込みの阪神才木浩人投手(23)が1日、1軍に合流した。この日のバンテリンドームでの試合前練習に姿を現し、投手陣の円陣であいさつ。仲間たちに笑顔で迎えられた。20年11月に右肘の内側側副靱帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)を受け、21年から育成契約を結んだ。リハビリを積み重ね、今年5月初旬に支配下選手に復帰。今季ウエスタン・リーグでは主に先発として11試合に登板し、4勝2敗、防御率1・46。6月28日の2軍ソフトバンク戦(タマスタ筑後)で先発で2イニング無失点に抑え、最終調整を終えていた。今季高卒6年目。1軍登板となれば、19年5月12日の中日戦以来、約3年ぶりとなる。

◆中日大野雄大投手(33)が先発登板を回避した。試合前練習には参加したが、試合直前に背中の張りを訴えたため。大野雄に代わり藤嶋健人投手(24)が先発する。藤嶋は18年6月17日、西武戦(メットライフドーム)で松坂が背中の張りから登板回避し、緊急先発登板し、6回2失点と好投し、プロ初勝利を手にしている。中日は主砲ビシエドが左肩痛で離脱中。開幕から三塁スタメンを務めてきた大砲候補の3年目石川昂もこの日、左膝前十字靱帯(じんたい)再建術の手術を受け、戦列復帰には8~10カ月かかるため今季絶望となった。今季から投手キャプテンに就任した沢村賞左腕エースの離脱は、最下位からの再浮上を目指す立浪竜に暗雲が垂れこめる形になった。

◆阪神近本光司外野手(27)が、27試合連続安打を達成した。64年広瀬叔功(南海)、08年ラミレス(巨人)、昨年の松原聖弥(巨人)らに並ぶ、プロ野球歴代10位タイ。球団では99年大豊泰昭を抜き、歴代単独3位に浮上した。1点ビハインドの4回無死一塁、1ボール2ストライクから左腕福の137キロを中前にはじき返した。一塁ベース上では、三塁ベンチに向かって右手でポーズを決め、わずかに頬を緩めた。その後、すぐさま筒井一塁コーチと会話し、戦闘態勢に戻った。連続試合安打のプロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33で、あと「6」。左打者最長は15年秋山翔吾(西武)の31試合で、あと「4」と迫った。5月28日ロッテ戦(ZOZOマリン)の第5打席で左前打を放ってから、快音は途切れない。全試合で3番を務めた6月は、無安打の試合が1度もなくフィニッシュ。月間37安打は自己記録まであと「1」に肉薄していた。打率3割6分6厘で、シーズン打率を3割前後まで押し上げた。記録はどこまで続くのか。まずはあと「3」に迫った、11年マートンの30試合連続安打の球団記録を見据える。◆阪神の連続試合安打上位1位=30試合 マートン(11年)2位=28試合 桧山進次郎(01年)3位=27試合 近本光司(22年)4位=26試合 大豊泰昭(99年)5位=25試合 バース(83年)◆プロ野球の連続試合安打上位1位=33試合 高橋慶彦(広島、79年)2位=32試合 長池徳二(阪急、71年)3位=31試合 秋山翔吾(西武、15年)4位=30試合 張本勲(巨人、76年)、福本豊(阪急、77年)、マートン(阪神、11年)

◆中日根尾昂投手(22)が6度目のマウンドに上がった。これまでは大差で負けている場面限定だったが、1点リードの5回2死一、二塁での登板になった。近本と対戦した根尾は初球に149キロ直球を投じ(ボール)、2球目は137キロのスライダーで空振り。3球目151キロのストレートで、三ゴロに打ち取り、プロ入り初ホールドの権利を持ってベンチに戻った。

◆阪神打線が、中日根尾昂投手(22)に流れを止められた。中日4番手山本を攻め立て2死一、二塁とした5回。1点ビハインドの場面で3番近本光司外野手(27)が打席に立つ前に、バンテリンドームに「ピッチャー 根尾」のコールが響いた。前の打席で球団歴代単独3位となる27試合連続安打を決めていた近本は、1ボール1ストライクから内角高め151キロに詰まらされ、三ゴロ。三塁手高橋周の好捕もあり、同点のチャンスを逸した。阪神は6月25日に甲子園で1度、根尾と対戦している。6回に3番手で登板した右腕から小幡がタイムリーを放ち、根尾はこれが初失点となっていた。

◆阪神青柳晃洋投手(28)は惜しくも9勝目を逃した。3回に山下斐紹捕手(29)にソロを浴びた以外は得点を許さなかった。ただ援護がなく、0-1のまま6回1失点で降板した。「本塁打が悔やまれますが、その後はしっかり粘り強く投げることができたかなと思います」と、振り返った。8回に味方が追い付き、勝敗はつかなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、12球団トップとなる24本目の二塁打で同点劇を演出した。1点ビハインドの8回1死。右腕ロドリゲスから中堅フェンス直撃の二塁打。二塁打はこの日2本目で、シーズン44本ペース。シーズン二塁打の球団記録は10年新井貴浩の42本で、これを上回るペースだ。直前には内野安打で出塁した近本が盗塁死となっており、悪い流れを一掃した。その後、大山の中飛でタッチアップし三塁に進塁。糸原の適時打で同点のホームを踏んだ。

◆5位阪神がエース青柳晃洋投手(28)の登板試合で手痛い敗戦を喫した。4連敗で借金は8となり、6位中日に1ゲーム差。最下位逆戻りが近づいてきた。8回に糸原健斗内野手(29)の適時中前打でようやく1-1と振り出しに戻したが、8回にセットアッパー湯浅京己投手(22)が打たれた。湯浅は3敗目。勝たなければならない試合だった。中日は大野雄大投手(33)が試合直前に登板回避。5月にこのバンテリンドームで10回2死までパーフェクト投球をされた天敵のアクシデントだった。だが緊急先発した藤嶋健人投手(24)に3回を0封されると、その後も根尾昂投手(22)を含む小刻みな継投の前に沈黙した。頼みの青柳は6回1失点と踏ん張った。3回に山下斐紹捕手(29)に先制ソロを浴びたが、あとは粘りながら生還を許さなかった。援護がなく0-1のまま降板。9勝目を逃したが、負けもつかなかった。2三振を奪った右腕は、今季78奪三振でリーグ単独トップになった。8勝(1敗)のほか、防御率1・49、勝率8割8分9厘、78奪三振と主要部門トップを独占している。

◆阪神が4連敗を喫した。1-1の同点で迎えた8回にセットアッパー湯浅京己投手(22)が4番A・マルティネス捕手(26)に勝ち越し2ランを浴びた。中日は大野雄大投手(33)が試合直前に登板回避。中日の8人継投の前に打線は1得点しか奪えなかった。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り-7回までの得点機で1点とれないのが痛かった矢野監督 「まあ振り返ればそうなんだけど」-大野雄が先発回避し、相手の継投策でもチャンスはつくれていた矢野監督 「横浜(DeNA)戦でもそうやったけど、ちょっとかみ合わないというね。ランナー出てから返せないっていうところがちょっと続いている。積極的にはいけているんで、そこにプラスアルファ、何かこう、合わせていかないと。相手も得点圏にいけば絶対に打たせない、打たせないっていうようなボールを投げようと、またキャッチャーもそういう配球をしようとする。まずは積極的にいくっていう、そこにプラスアルファの何かは、やっぱり準備の段階で上げてこないと」-糸原のらしいヒットがあった矢野監督 「向こうはピッチャーをつぎ込んできていたので、追いつけば面白いっていうのはみんなわかっていたと思う。そういうところで価値ある1本やったと思います」-青柳は立て直した矢野監督 「ちょっと前半、ランナーが出たっていうのはもちろんあるんやけど、テンポがちょっといつもよりは、間延びじゃないけど、ちょっと長いんかなっていうところで、そこも修正して、1点でいってくれた。味方が点を取ってくれたら投げさせたいというところまで来てたんで、十分、仕事はしてくれたかなと思います」-湯浅は悔しい1球になった矢野監督 「経験の浅いピッチャーを使っているし、アイツが成長した証しとしてあそこで投げられているので、打たれたことは全然かまわないし、逃げたわけでもなんでもない。でも、あの場面であのボールを打たれるっていうことが、また次どうするか、あいつの中の経験値として肥やしにしていかないといけない」-近本が27試合連続安打矢野監督 「これだけ続くってなかなか難しいことやし、開幕前から高い目標を持って200本とか目指しているところもあると思う。そういうところは自分のモチベーションにしながら。でもまあ、今はかえすところにいるんで。チャンスメークだけじゃなくてね、かえす打撃もチカ(近本)はできると思うんで。そこらへんをやっていってくれたら」

◆中日根尾昂投手(22)がプロ初ホールドを手にした。これまでの5試合はすべて敗戦処理だったが、初めてリードした展開で5番手として登板し、打者1人を抑えた。異例のシーズン途中での投手登録変更から3度目の登板。大野雄大投手(33)が試合直前に背中の張りを訴え、先発回避する緊急事態の中で、チームの勝利に貢献した。5回2死一、二塁のピンチ。立浪監督が球審に交代を告げた。「ピッチャー根尾」。大きく手を広げバックスクリーンへ向かって深呼吸をする「投手」根尾のルーティンを終え、昨季リーグ最多安打の近本と対戦。初球149キロ直球は外れたが、、2球目は137キロのスライダーで近本のバットに空を切らせた。3球目は渾身(こんしん)の151キロストレート。高橋周の好守にも助けられ三ゴロに打ち取り、プロ初ホールドを手にした。根尾は「とにかく抑えようと思ってマウンドに上がりました。(高橋さんには)今日のプレーだけでなくいつも助けてもらっているので感謝しかありません。次も抑えます」と次戦をにらんだ。立浪監督は「あの場面でストライクが入らないとかがなかった。さすがだな、と思った」と感服。今後の起用法については「1軍の戦力として(今後の起用法は)考えてはいます」。登板6試合、防御率1・93。最下位に甘んじる竜のブルペンでの根尾の立ち位置が変わった。【伊東大介】?○...山下の3回に先制代打1号ソロを放った。阪神先発青柳の変化球を捉えると打球はバックスクリーン左へ。楽天時代の19年6月以来3年ぶり、育成契約を経ての中日移籍後初アーチをかけた。「今日ベンチ裏で石川昂のバットを見つけました。石川昂も今日の手術を成功したので、思いを込めて打ちました」。左膝手術で今季絶望になった3年目の大砲候補生の宝刀で勝利に貢献した。○...大野雄の登板回避に伴い先発マウンドに上がった藤嶋が3回1安打無失点と好投した。先発を告げられたのは試合開始約1時間前。「ブルペン陣は大野さんにいつも助けてもらっている。今日は大野さんを助けようと思って投げました」。プロ入り初先発は松坂が登板回避した18年6月17日西武戦(メットライフドーム)。6回2失点で初勝利を挙げている。18年9月25日ヤクルト戦以来、4年ぶりの先発できっちりと大役を果たした。○...A・マルティネスが同点の8回2死二塁で阪神3番手湯浅から7号勝ち越し2ランを放った。「リリーフが頑張ってくれた。100%打たないといけないと思った。昨日キューバの父から電話で『お前が本塁打を打つ夢を見た』と言われ、その通りになった」と、父の夢を正夢にしたことに笑顔。左肩痛でリタイア中の主砲ビシエドに並ぶチーム最多タイアーチで、代役から主役へ昇格した。▽中日立浪監督(大野雄登板回避で8人継投での勝利)「藤嶋が3イニングを投げてくれたことで試合の形にできた。今日は本塁打2本で勝てた。チームの勢い、力にしたい」▽中日R・マルティネス(24試合連続無失点で17セーブ)「いつもの気持ちでマウンドに上がって投げる事だけを心がけました」▽中日清水(6番手で2回無失点。16ホールド目を挙げ28日巨人戦3失点の汚名返上)「山形でああいう登板をして、またぎでもあり、とても思いのある2イニングでした」

◆阪神近本光司外野手(27)が大記録にまた1歩近づいた。4回に中前打を放ち、連続試合安打を「27」に伸ばした。球団単独3位に浮上し、プロ野球では歴代10位タイになった。4回無死一塁、左腕福の内角高めの直球をとらえた。福のグラブをかすめるお手本のようなセンター返し。痛烈な打球が中前に抜けた。5月28日のロッテ戦から1カ月以上続くヒットパレードが止まらない。先日、個人の記録について「ただ勝つために打ちますし、勝つために走ります。ただそれだけ」と話していた。だからまったく満足はできない。5回2死一、二塁で、代わった根尾に三ゴロに抑えられた。8回には2安打目を放ったが、次打者、佐藤輝の時に盗塁死。二盗を「決めた」がスライディングの勢いでオーバーランしてしまった。結果的にはその後、佐藤輝が二塁打、糸原の適時打で同点になった。盗塁で生きていれば、一気の逆転もあり得る局面だった。6月1日西武戦から慣れない3番打者に入り、ちょうど1カ月。以来、打率3割6分8厘とチームの進撃を支えてきた。井上ヘッドコーチも「ずっと1番を打ってきたけど3番の自覚を持って、マッチしている。近本の3番を外すのは考えられない」と評価する。矢野監督も3番として走者をかえす打撃を期待しながら「これだけ続くってなかなか難しいこと。高い目標の200安打を目指している。自分のモチベーションにしながらね」と個人記録を後押しする。2日もHランプをともせば、球団2位の01年桧山進次郎に並ぶ。最長は11年マートンの30だ。プロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33試合で、あと6。大記録が迫っても、近本はチームのためにバットを振る。【柏原誠】

◆岩崎に続いて...。阪神の若きセットアッパー湯浅京己投手が、痛恨のプロ初被弾で3敗目を喫した。同点に追いついた直後の8回に登板。岡林に二塁打を浴び2死二塁とされ、A・マルティネスへの初球だった。高め146キロを捉えられ、打球は左翼席へ着弾。2点を勝ち越され、マウンド手前でしゃがんだまま動けなかった。前日のDeNA戦では、5-4の9回に守護神岩崎が2失点し、逆転サヨナラ負け。6月に疲労を考慮され2軍調整期間を与えられた2人が連日打ち込まれた。湯浅は4月12日に1アウトしか取れず2失点し、プロ初黒星を喫していたバンテリンドームで再びの悪夢。ベンチでは悔しげな表情で試合を見つめた。矢野監督は「経験の浅いピッチャーを使っているし、アイツが成長した証しとしてあそこで投げられているので、打たれたことは全然かまわない」とした上で続けた。「でも、あの場面であのボールを打たれるっていうことが、次どうするか。あいつの中の肥やしにしていかないと。目いっぱい投げました、打たれた。それだけでは、プロで生きていくためのプラス材料にはしていけない」。高い授業料を無駄にはできない。【中野椋】

◆中日大野雄大投手(33)が1日の阪神12回戦(バンテリンドーム)の先発登板を回避した。試合直前に背中の張りを訴えたため。大野雄に代わり藤嶋健人投手(24)が先発した。立浪監督は試合後に「そんなにひどくない。無理すると長引く可能性もあった。次回登板にいけるように、明日、明後日の様子を見る」と、出場登録を抹消せず状況を見守ると説明した。

◆根尾にひねられた。阪神が中日ブルペン陣の8人継投を攻略できず、4連敗を喫した。相手エースの大野雄大投手(33)が先発回避したが、拙攻で1得点だけ。5回2死一、二塁の好機では、根尾昂投手(22)に封じられプロ初ホールドを献上。中日に1ゲーム差に迫られ、再び最下位転落の危機に直面した。阪神が再び得点力不足に苦しんだ。象徴的な場面は1点を追う5回2死一、二塁。3番近本を迎えると、中日は5番手で根尾を投入。バンテリンドームが騒然とする中、近本は3球目の高め151キロにバットを止めるようにして三遊間へゴロを飛ばした。抜ければ同点も三塁手高橋周が飛びつく好守に阻まれた。根尾は打者1人のワンポイント。投手に転向したばかりの元甲子園優勝右腕に、プロ初ホールドを献上した。最下位チームに敗れ、4連敗。矢野燿大監督は嘆いた。「ちょっとかみ合わないというかね、走者が出てからかえせないというところが続いている。積極的にはいけているけど」。先発予定だったエースの大野雄が背中の張りで先発回避。急きょ相手は「ブルペンデー」で臨まざるを得なくなり、有利になるかと思われたが、6安打、7四死球と走者は出しても、拙攻続きで残塁は「11」を数えた。5番大山が急降下が心配だ。4打席無安打。2度の得点機ではいずれも中飛に倒れた。6月は絶好調で、チーム浮上の原動力となったが、ここ4試合で15打数1安打と、快音が聞かれない。中野、島田の1、2番コンビも無安打。8回に糸原の適時打で一時は同点に追い付いたが、打線に勢いはなかった。9回には抑えのR・マルティネスが登板し、相手ブルペンは森だけ。矢野監督が「向こうは投手をすごくつぎ込んできていたので、追いつけばおもしろいっていうのは分かっていた」と話したが、後の祭りだ。今季12試合予定されているバンテリンドームで1勝6敗となり、早くも敵地での勝ち越しはなくなった。7試合で8得点。最下位中日に1差に迫られた。息を吹き返したかに見えた矢野阪神が、再び最下位転落の窮地に立たされた。【石橋隆雄】

◆中日アリエル・マルティネス捕手(26)が同点の8回2死二塁で阪神湯浅から起死回生の7号勝ち越し2ランを放った。「リリーフが頑張ってくれた。100%打たないといけないと思った。昨日キューバの父から電話で『お前が本塁打を打つ夢を見た』と言われ、その通りになった」と、父の夢を正夢にした。リタイア中の主砲ビシエドに並ぶチーム最多タイアーチで、主役へ昇格した。

◆根尾にひねられた。阪神が中日ブルペン陣の8人継投を攻略できず、4連敗を喫した。相手エースの大野雄大投手(33)が先発回避したが、拙攻で1得点だけ。5回2死一、二塁の好機では、根尾昂投手(22)に封じられプロ初ホールドを献上。中日に1ゲーム差に迫られ、再び最下位転落の危機に直面した。▼阪神は今季の中日戦で、バンテリンドームでの勝ち越しがなくなった。ここまで1勝6敗。残り5試合に全勝しない限り、18年以来5年連続の負け越しが決まる。▼阪神は今季バンテリンドームでのチーム打率1割5分9厘、1試合平均1・1得点はいずれもセ・リーグ本拠地球場別最低。97年の同球場開場以来、年度別チーム打率最低は06年の1割7分8厘、平均得点最少は12年の1・5点。今季ここまでいずれも下回っている。

◆阪神佐藤輝明が意地の二塁打で出塁し、一時同点となるホームを踏んだ。1点ビハインドの8回1死、ロドリゲスから中堅フェンス直撃の二塁打を放ち、糸原の適時打で生還した。「速い真っすぐを捉えられたので、そこはよかった」としつつ「チームとしても、あと1本というのが続いている。なんとかそこを自分が打てるように、頑張りたいっす」と反省し、前を向いた。2回にも二塁打を放っており、12球団トップの24二塁打でシーズン44本ペース。球団記録の10年新井貴浩の42本を上回るペースだ。55打席ぶり14号アーチを放った翌日、上昇ムードが漂ってきた。

◆阪神青柳晃洋投手(28)は0-1の7回のチャンスで代打を送られベンチで悔しがった。6回1失点で、まだ95球。「本塁打が悔やまれますが、その後は粘り強く投げることができた」。失点は3回に山下に浴びた先制ソロだけ。9勝目は逃したが個人成績は圧倒的だ。2三振を奪い、今季78奪三振でリーグ単独トップで、8勝のほか、防御率1・49、勝率8割8分9厘と主要部門トップを独占する。

◆中日・大野雄大投手(33)が先発を回避した。大野雄は試合前練習でグラウンドに姿を見せていたが、背中の張りを訴えた。代わって藤嶋健人投手(24)が先発する。藤嶋の先発は2018年9月25日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)以来、4年ぶりとなる。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が自身6連勝を目指し、先発する。前回登板した6月24日の中日戦(甲子園)は7回?で9安打4失点で勝ち負けつかずだったが、5月14日のDeNA戦(横浜)からの連勝は継続中だ。この日、相手先発が予定されていた大野雄が背中の張りを訴えて登板回避し、藤嶋との対決となった。今季9勝目を目指し、敵地で躍動する。

◆阪神・近本光司外野手(27)が四回に中前打を放ち、連続試合安打を「27」に更新した。無死一塁の第2打席で中日・福が内角高めに投じた137㌔をとらえ、中前に運んだ。27試合連続安打は2008年のラミレス(巨人)ら5人に並ぶ歴代7位。球団では「26」で並んでいた1999年の大豊泰昭を抜き、球団単独3位となった。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発し、6回4安打1失点で降板した。「ホームランが悔やまれますが、その後はしっかりと粘り強く投げることができたかなと思います」一、二回は走者を背負いながらゼロを並べた。右腕が悔やんだのは三回。先頭の代打・山下に高めに浮いた変化球をとらえられ、中堅右に運ばれた。だが、その後に招いた無死一、二塁は後続を断って最少失点でしのぐ。その後、六回までは四球で走者1人を出塁させたのみで、立ち直ってみせた。中日とは6月24日(甲子園)から2週連続の激突。前回は7回1/3を投げて9安打4失点を喫していたが、今回はエースらしく粘り切って接戦を演じ、打線が七回に同点に追いついて負けが消えた。

◆阪神・糸原健斗内野手(29)が執念の同点打を放った。0-1の八回1死走者なしから佐藤輝がフェンス直撃の中越え二塁打を放ち、その後、大山の中飛で三進。2死三塁からロドリゲスの変化球を捉え、中前適時打で試合を振り出しに戻した。三回にソロ本塁打を浴びながら粘り続け、6回4安打1失点で降板した青柳の負けを消す、価値あるタイムリーになった。

◆阪神は同点に追いついた直後の八回に湯浅京己投手(22)が痛恨のプロ初被弾を食らって試合終盤にリードを許すと、反撃できずに4連敗となった。試合前の時点でセ・リーグトップの21ホールドをあげていた若き右腕が1-1の八回2死二塁から、A・マルティネスへ投じた高め146キロを左翼席へ運ばれ、勝ち越し2ランを浴びた。先発の青柳は三回のソロ本塁打のみの失点で粘り続け、6回4安打1失点、95球で降板すると、0-1の八回に糸原が意地の同点打を放って一度は試合を振り出しに戻していた。一方、近本は四回に中前打をマークして連続試合安打を「27」に更新し、2008年のラミレス(巨人)ら5人に並ぶ歴代7位、球団では連続試合安打「26」で並んでいた1999年の大豊泰昭を抜いて、球団単独3位に浮上した。

◆中日が8投手の継投で競り勝った。八回、同点とされた直後の攻撃でA・マルティネスが勝ち越し2ランを放った。7番手のロドリゲスが4勝目。阪神は八回に糸原の適時打で追い付く粘りを見せたが、湯浅が痛打され4連敗となった。

◆中日は8投手をつぎ込み、同点の八回にはA・マルティネスが決勝2ランを放ち、接戦を制した。試合後の立浪和義監督(52)の主な一問一答は以下の通り。(TVインタビュー)――8投手の継投でしのいだ「きょうは大野雄に、試合前に緊急事態(背中の張り)がありましたので、そこから急きょ、藤嶋を先発に。2イニングぐらいと思っていたんですけど、3イニング投げてくれたことで何とか試合の形がスタートできたのかなと思います」――大野雄は練習には姿を見せていた。アクシデントは突然か「そうですね。練習が終わった後にそういう報告を受けました。そこからは中継ぎでつないでいくしかなかったので、順番的なものは投手コーチと決めながらやってはいたんですけども。1点は先に取れたんですけども、そのあとが非常に苦しい展開で、結果、追いつかれてしまったんですけども、きょうはホームラン2本で勝てたわけですから、またこういうチームの勢いとか力にしていきたいなと思っています」――藤嶋は3回無失点「彼のいいところをすべて(出してくれた)。3イニング目はさすがにちょっと、ボールも球速も落ちてはきたんですけども、何とか気持ちで3イニングを乗り切ってくれたかなと思います」(囲み取材)――大野雄の状態は「そんなにひどくはなかったんですけど、ただ、やっぱり無理をしてしまえば長引く可能性も十分あったと自分が判断したので、次の登板に何とかいけるように、というところで、試合前の緊急事態は仕方ないところですから。大野雄にもさっき会いましたけど、一番、本人がホッとしているといいましょうか」――登録抹消などの判断は「あした、あさってのようすを見てですね。次の登板がどれぐらいできるのか、判断はしたいと思います」 ――先発経験のある藤嶋に代役の白羽の矢を立てた「ここのところ、安定もしていましたし、度胸もある投手ですから、ゲームの初めというのは大事なので、藤嶋を投手コーチと決めました」――四回以降、小刻みな継投は勇気も必要だったと思うが「いや、もう今日は最初からある程度、開き直ってやっていましたし、投手コーチも非常にいい判断をしてくれて、何とか少ない点数を八回まで守れたというのは大きかったと思います」――根尾は初めてリード時に登板。今後は起用の幅も広がってくるか「いまは山本であったり、中継ぎで調子の悪い投手もいますから、いまは1軍での戦力としてこっちも考えてはいます」――清水は最近の試合で崩れる場面もあったが、六回から2イニングを任せた「きょうは誰かにしわ寄せがきて2イニングを投げないといけないといけないという状況の中で、清水が本当によく2イニングいってくれたと思いますし、前回はジャイアンツ戦で不本意なところを(見せていたので)、名誉挽回してくれました」

◆投手転向した中日・根尾が初めてリードした場面で登板し、プロ初ホールドを挙げた。1―0の五回2死一、二塁で起用され、好調の近本を151キロ直球で詰まらせて三ゴロに仕留めた。胸元をきっちり突き、打者1人を3球で片付けて「いつもと変わらず、とにかく抑えようと思ってマウンドに上がった」と息をついた。ブルペン総動員の一戦となり、ピンチでの起用に。立浪監督は「ストライクで勝負してくれる。簡単に四球を出さない。そこは買っている」と話した。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(74)は八回、湯浅京己投手(22)がアリエル・マルティネス捕手(26)に浴びた2ランについて言及。何故、初球、あのコースを要求したのか。坂本誠志郎捕手(28)のリードに疑問を呈した。湯浅がA・マルティネスに投じた1球がすべての試合になってしまった。考えられない失投だ。同点の八回2死二塁。ベンチから福原投手コーチがマウンドに向かった。勝負するのか、申告敬遠で次の阿部との勝負を選ぶのか。ベンチの指示なのか、バッテリーが主張したのか、詳細は分からないが、目の前の打者との勝負に決まった。それは、決して間違いではない。ただ初球、いきなり捕手・坂本は高めに構え、湯浅はストライクゾーンの高めに投げ込み、見事にスタンドに運ばれた。何をしているんや! と叫んでしまった。外国人選手は初球から振ってくるから気を付けろー昔から言われ続けている〝格言〟だ。勝負するにしても初球は絶対に「様子見」の配球でなければならない。私なら外角低めへ、ボール球を要求する。相手の考え方を察知するためであり、打ち気満々の打者の気持ちをかわす意味もある。ストライクゾーンの高めなど、ありえない。高めなら、胸元への完全なボール球なら許容範囲だが、それでも投げミスの可能性があるから、やはり「外」「低」への攻めがベストだった。若い投手に対して、経験のある坂本が何故、あの配球を選んだのか。理解に苦しむ。若い投手をうまくリードするのが先輩捕手の務め。あまりにも残念な1球だ。6月30日のDeNA戦(横浜)の岩崎、この夜の湯浅と、救援の切り札2枚が次々と打たれたのは残念だが、セットアッパー、抑えが打たれるケースは皆無ではない。次への切り替えさえしっかりできれば、大きな心配材料ではない。もしろ疑問なのは先発陣を次々と抹消していること。確かにガンケル、ウィルカーソンは何試合が続けて結果が出なかった。だからといって、順番に抹消していくのは反対だ。チーム内でも「ここまで支えてくれた先発陣が崩れてしまった」と動揺につながる。次回先発までの登板間隔というものがある。この間に、打たれた原因を究明したり、コーチや捕手と話したり、ちょっと調整法を変えてみたりして、次に備えるべき。私の経験でも助っ人投手は「打たれました、ハイ抹消します」では、モチベーションの維持が難しい。代わって昇格してくる投手が現在のメンバーを上回るハイレベルならいいが、そこまで層が厚い投手陣でもない。この先は、計算が立ちにくい先発陣になってしまいかねない。負けが込んだ開幕直後も厳しかったが、バッテリーを含めた投手陣が崩れた今回は、今季最大の正念場だ。

◆柱となって支えてほしかった男たちが、バタバタと倒れる。この夜は湯浅までもが特大弾に倒れた。同点に追いついた直後の八回を託されたが、A・マルティネスに残酷なまでの高弾道でバンテリンドームの天井をなぞられ、プロ初被弾の決勝2ランを浴びた。矢野監督に悔いはなかったが、痛恨にもほどがある4連敗だ。「まあまあ、経験の浅いピッチャーを使っているし。アイツが成長した証しとしてあそこ(八回)で投げられているので。打たれたことは全然かまわないし、逃げたわけでもなんでもない」逆転へと望みをつなぐため、今季リリーフエースに成長した22歳をマウンドへ送り出した。湯浅以外の選択肢などなかった。これが31試合目の登板。前日までリーグトップの21ホールド、プロ初勝利を含む1勝(2敗)を挙げ防御率1・61だった。1死から岡林に二塁打を浴び、2死二塁までは粘った。だが、次の1球ですべてを失った。着弾を見届けガックリとしゃがみ込んだ湯浅は、なかなか立ち上がることができなかった。 矢野監督は「疲れた(状態で)集中力が高い中心バッター、そういうところでどうするか。いい勉強だと思う」と続けた。まさに〝高い授業料〟となったが、チームとしてはもうこれ以上の借金は背負えない。頼みの湯浅がまた打たれては、いよいよ首が回らない。前日6月30日のDeNA戦(横浜)では、岩崎が1点リードの九回に逆転サヨナラ負けを喫したばかりだ。岩崎が抹消されていた期間に代役クローザーを担ったアルカンタラも、6月22日の広島戦(マツダ)で敗戦投手となり2軍調整中。逃げ切るための、頼れたはずの男たちが、そろって苦しい状況に陥ってしまった。虎のゲーム終盤は、このままでは開幕直後のようにまた真っ暗闇だ。「勝負にいけば打たれることもあるし、どんどん抑えられる投手になってもらいたい。打たれることに関しては受け止めています」矢野監督は何度でも背中を押す。それでも状況は苦しい。直近11戦は3勝7敗1分けだが、7敗のうち5試合が逆転負けで、アルカンタラ、湯浅、岩崎で4敗している。下位チームにも競り勝てず、逃げ切れず、上を追える状況ではなくなってきた。(長友孝輔)

◆白球が中前に抜けていった瞬間、近本の名がプロ野球史の新たなページに刻まれた。連続試合安打を「27」に伸ばし、球団歴代単独3位に浮上。すごいことを当たり前のようにこなすヒットメーカーに、矢野監督も声を弾ませた。「これだけ続くってなかなか難しいことやし、開幕前から高い目標を持って200本(安打)とか目指しているところもあると思う。そういうところは自分のモチベーションにしながら」0-1の四回無死一塁から、左腕・福にカウント1-2と追い込まれながら直球を捉え、Hランプを灯した。得点に結びつかなかったが、2008年のラミレス(巨人)ら5人に並ぶ歴代7位、球団では連続試合安打「26」で並んでいた1999年の大豊泰昭を抜き去った。上を見上げれば、虎で歴代1位のマートン(30試合)、同2位の桧山(28試合)しかいない領域まできた。だが、打線全体でみれば中日先発・大野雄の登板回避というアクシデントに乗じることができなかった。二回無死二塁では後続が凡退し、四回2死満塁は山本が中飛に終わった。近本自身も五回2死一、二塁で小刻みな継投策に出た中日の5番手・根尾の高め直球に詰まって三ゴロに倒れた。「ただ、勝つために打ちますし、勝つために走ります。ただそれだけ」と勝利のみを目指してきた背番号5だったが、〝落とし穴〟は八回だった。先頭で遊撃内野安打を放ち、続く佐藤輝の初球で二盗を試みた。タイミングはセーフ-。それでも、勢い余って二塁ベースを離れてしまい、アウトに...。リプレー検証でも判定は覆らず、直後に佐藤輝が長打を放っただけにかみ合わせの悪さが際立ってしまった。矢野監督は「今はかえすところにいるんで。チャンスメークだけじゃなくてね、かえす打撃もチカ(近本)はできると思うんで。そこらへんをやっていってくれたら」と期待を込めた。6月から3番に定着した近本が白星に貢献し、記録更新も同時に果たす。(新里公章)

◆40度に迫る猛暑より猛虎が俺を苦しめる~! ウソやろー、虎キラーの大野雄が先発回避したら150%虎の勝ちと違うんかいなア?虎の大エース青柳が6回1失点に抑えたら300%阪神の勝ちやろー? ウソやろー、よもやの大劣勢の中、八回に同点に追いついたら500%タイガースが勝利するやろ?あえて愛のムチをふるったるわ!! 1番悪いのは八回2死二塁でA・マルティネスに2ランを浴びた湯浅なのだ!! 決して打たれたとかではなく、捕手の坂本が中腰で高めのボールを要求しているのに、ストライクゾーンに放ってしまったコト!!勝利ネチネチ至上主義の俺に言わせたら、A・マルティネス、阿部を申告敬遠して満塁にしたらええやんなのだ!! 中日はそこまで7投手を使っていて、延長を考えたら投手のロドリゲスに代打を送れんやろー!! それはリスクが...? はあ? リスクをいくつ乗り越えるかで野球も人生も強くなるんとちゃうんかい!!

◆ジャマ者扱いの会社の「窓際」のほうが幸せな時もある。昨日がそうだったかもしれない。「横浜から名古屋に移動して、宿舎まで歩いている途中、あまりの暑さで死ぬかと思いました」トラ番キャップ・長友孝輔が、熱中症の警戒警報が発令されまくる日本全国を転々とする仕事の過酷さを伝えてきた。こちらは「熱中症が怖いから」冷房が効いた室内から一歩も出ることなく、冷たいジュースを飲みながらナイター観戦だ。でも、昨日は名古屋に行きたいと、願っていた。理由は、名勝負を見たかったから。長友が再び炎天下に〝死ぬ思い〟でバンテリンドームに辿り着いたら、まさかの情報。大野雄が先発を回避! 中日担当・須藤佳裕も大慌てだ。年がら年中、プロ野球を見るのが仕事なので、密かな楽しみまでプロ野球になってしまう。「自分の目で見た今年のベストゲーム」を何十年も、勝手に選んでいる。 今年の「ベスト」は現時点では文句なしに5月6日のバンテリンドーム、中日対阪神。虎のエース・青柳と竜のエース・大野雄が一歩も引かず投げ合った、あの試合だ。九回まで「完全」の大野雄が十回2死から初安打を浴びる。大記録を粉砕したのが佐藤輝だった。一方の青柳も「完全」に負けない快投も及ばず、力尽きてサヨナラ負け...。その2人が、今シーズン三たび交える。ひょっとしたら、今度こそ完全試合、いやノーヒットノーランがあるかもしれない、と思っていたから、行きたかったのだ、名古屋に。大野雄が投げないのなら、「窓際」で良かったと思うことにして、テレビの前に。だが、想定外の出来事が起きると、想定外の展開になるもの。中日は懸命の継投に。一方の青柳も竜打線に粘られて、球数が増える。あのベストゲームの夜のテンポの良さが夢のような、長~い展開に。「ノーノー」どころではない。7月1日。49年前のこの日に、「ノーヒットノーランまであと1人」に迫ったのが、本紙専属評論家としてもお馴染みのタイガースOB上田二朗氏だった。甲子園の巨人戦。4-0とリードして迎えた九回。ヒットを1本も許さない快投を演じたジローさんは2死まで漕ぎつけた。打席にはミスター長嶋茂雄。捕手・田淵幸一がマウンドに駆け寄る。「長嶋さんと勝負するかという話をしたけれど、歩かせるなんて考えもしなかった。長嶋さんと勝負して、打ち取ってこそのノーヒットノーランだと思ったから」なんと潔い。こん身のストレートを投げ込む。が、ミスターのバットが一閃。打球は三遊間を抜けていった瞬間、大記録は夢と消えた。ミスターが一塁ベース上から「ジロー、我慢しろ!」と言ったとか、言わなかったとか。伝統の一戦でも有名な名勝負を彩るエピソードして語り継がれている。ジローさんは「何か言ってたのかもしれないけれど、そんなもん、聞こえてない」と笑って振り返る。惜しかったけれど、歴史上の人の話は楽しい。さて令和の夜。湯浅はA・マルティネスに真っ向勝負して粉砕されてしまった。こちらは、49年前と違って、どうも後味が悪い。暑苦しい夜が、さらに...。名古屋より「窓際」が正解の夜だった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
50241 0.676
(↓0.009)
-
(-)
68342
(+4)
259
(+6)
91
(+1)
52
(-)
0.256
(-)
3.030
(↓0.04)
2
(-)
巨人
40390 0.506
(↓0.007)
12.5
(-)
64315
(+3)
337
(+5)
85
(-)
37
(-)
0.248
(-)
3.850
(↓0.02)
3
(-)
広島
36383 0.486
(↑0.007)
14
(↑1)
66287
(+5)
291
(+3)
38
(+1)
14
(+1)
0.256
(-)
3.460
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
33380 0.465
(↑0.008)
15.5
(↑1)
72254
(+6)
298
(+4)
55
(+2)
25
(-)
0.251
(↑0.001)
3.770
(↓0.01)
5
(-)
阪神
34422 0.447
(↓0.006)
17
(-)
65263
(+1)
239
(+3)
51
(-)
61
(+1)
0.239
(-)
2.870
(↓0.01)
6
(-)
中日
32420 0.432
(↑0.007)
18
(↑1)
69219
(+3)
293
(+1)
40
(+2)
24
(-)
0.248
(-)
3.800
(↑0.04)