広島(★2対4☆)ヤクルト =リーグ戦12回戦(2022.06.30)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:清水 昇(4勝1敗0S)
(セーブ:田口 麗斗(0勝0敗1S))
敗戦投手:中﨑 翔太(1勝5敗0S)

本塁打
【ヤクルト】長岡 秀樹(5号・3回表ソロ)
【広島】小園 海斗(3号・6回裏ソロ)

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◆延長戦を制したヤクルトが4連勝。ヤクルトは1-1で迎えた延長10回表、相手失策の間に1点を挙げ、勝ち越しに成功する。直後に同点とされるも、12回には丸山和の2点適時打でリードを奪った。投げては、5番手・清水が今季4勝目。敗れた広島は、守備の乱れから痛い敗戦を喫した。

◆マツダスタジアムで入団会見を行った広島の秋山翔吾外野手(34)が1軍の全体練習に参加した。アンダーソンとともにグラウンドに姿を見せると、野手だけでなく、投手も集まった円陣の中心でチームメートにあいさつした。「秋山です。よろしくお願いします」と切り出し、すぐさま菊池涼を指さして「そこ笑わない」。さらに「"アキ"と呼んでください。よろしくお願いします」と自ら愛称を口にして気さくなところをみせた。河田コーチとの話を終えると、ウオーミングアップを開始した。合流初日からフリー打撃の最終組に入って打撃練習も行う予定となっている。

◆ヤクルト石川雅規投手(42)は広島戦で通算32勝を挙げているが、マツダスタジアムは通算4勝11敗と苦手。同球場の白星は15年5月23日が最後で、現在7連敗中。石川がマツダスタジアムで7年ぶりの勝利を目指す。

◆「小さな大投手」が大きな節目に到達した。ヤクルト石川雅規投手(42)が広島戦に先発し、史上28人目となる3000投球回を達成した。大目標とする通算200勝と同じく、開幕前から意識していた数字。リーグ投手最年長の42歳で、167センチの小さな左腕。かねて「イニングというのはチームのためにそれだけ投げさせてもらっているということなので、自分の中ですごく大きな数字。しっかりとクリアしていけたらなと思います」と重視していた記録。球団では金田正一、松岡弘に次ぐ3人目となる。目標達成まで残り2回1/3で迎えたこの日は、立ち上がりから持ち味の丁寧に打たせて取る投球を披露。3回先頭の堂林を三ゴロに仕留めて記録に到達した。

◆ヤクルトが延長12回の接戦を制し、7月1日にも2リーグ制後最速の優勝マジックが点灯する。延長12回2死一、二塁から丸山和郁が決勝の2点適時二塁打を放った。1日のDeNA戦に勝利すれば、マジック54(ヤクルトが勝ち、巨人が敗れれば53)が点灯する。先発のベテラン、ヤクルト石川雅規投手(42)が史上28人目の3000投球回に到達するなど6回4安打1失点でゲームメーク。大ベテランの粘投に応えたい打線は3回、先頭の長岡が、広島アンダーソンから右越えに5号ソロを放ち1点を先制した。長岡は「先頭だったので出塁することを心がけて打席に入りました。しっかりと振り抜けましたし、良い角度で上がってくれました」と言った。6回に追いつかれたが、同点の延長10回に広島会沢の悪送球の間に勝ち越した。抑えのマクガフが10回に同点とされ、なお1死満塁とサヨナラのピンチを招いたが上本を一ゴロ併殺打に打ち取り、勝ち越しを許さなかった。広島3連戦に全勝し、4連勝で両リーグ最速の50勝に到達。1日にも優勝マジックが点灯する。▼マジックメモ ヤクルトは1日にも優勝マジックが点灯する。1日の点灯条件はヤクルトがDeNAに○でM54。巨人が広島に●の場合はM53となる。5日までに点灯すれば、2リーグ制後の最短M点灯日(65年南海の7月6日)を更新する。

◆広島がヤクルトに敗れ、対ヤクルト戦の連敗が9に伸びた(1分けをはさむ)。ヤクルト戦9連敗は球団ワーストタイ記録(93年)となった。先発ドリュー・アンダーソン投手(28)は6回1失点と試合をつくった。唯一の失点は0-0の3回、先頭長岡秀樹内野手(20)に浴びたソロのみ。6回8奪三振の好投で、ヤクルト打線を封じた。打線は6回に小園海斗内野手(22)の3号ソロで同点に追いついた。しかし以降は得点を奪えず、1-1のまま今季11度目の延長戦に入った。延長10回には守備のミスから1点を失い、リードを許した。だが直後の攻撃で1死満塁から松山竜平外野手(36)が右前適時打を放ち、再び同点に追いついた。決勝点を失ったのは延長12回。三塁矢野雅哉内野手(23)の失策で勝ち越しの走者を出した。その後2死一、二塁となり、丸山和郁外野手(23)が右中間を破る適時二塁打を放ち、2点を奪われた。この2点を取り返すことはできず、敗れた。今季7度目の同一カード3連敗。首位ヤクルトとのゲーム差は「15」に広がった。

◆広島が延長12回3時間59分の激闘に敗れ、ヤクルト戦の連敗が93年の球団ワーストタイ記録となる「9」に伸びた。2-2の延長12回2死一、二塁から7番手中崎が途中出場の丸山和に右中間への決勝2点打を浴びた。0-1の6回に小園のソロで追いつき、1-2の延長10回は代打松山の適時打で追いついた。だが、2点差を追う12回に三たび追いつく力は残っていなかった。延長に入ってからはミスが目立った。10回は先頭打者への死球からピンチを招き、捕手会沢の悪送球で失点。12回は途中出場の三塁矢野の失策で出した走者が決勝のホームを踏んだ。佐々岡監督は「こういう展開になっても、なかなか勝ちきれないということで、選手も悔しいと思っていると思う」と唇をかんだ。5連勝で勝率を5割に戻して臨んだ首位ヤクルトとの3連戦は、3連敗で借金だけを増やす結果に終わった。

◆M点灯王手ヤ! ヤクルト石川雅規投手(42)が、史上28人目となる3000投球回を達成し、チームの4連勝と両リーグ50勝一番乗りに貢献した。勝ち星こそつかなかったが6回4安打1失点でゲームメーク。1日にも2リーグ制後最速となる優勝マジックが点灯する。プロ21年目、身長167センチの「小さな大投手」が大きな節目に到達した。通算200勝と同じく開幕前から意識していた数字。3回先頭の堂林を三ゴロに仕留めて達成した。かねて「イニングというのはチームのためにそれだけ投げさせてもらっているということなので、自分の中ですごく大きな数字」と重視してきた。球団では金田正一、松岡弘に次ぐ3人目の大台。「1人では出来ないので。チームあっての3000イニング。本当に感謝したいです」と喜んだ。ベテランの力投にチームは奮起。延長12回の丸山和の決勝打につながった。▼通算3000投球回=石川(ヤクルト) 30日の広島12回戦(マツダスタジアム)の3回、堂林を三ゴロに仕留めて達成。プロ野球28人目。初投球回は02年4月4日の広島3回戦(神宮)。42歳5カ月での達成は、08年山本昌(中日)の42歳9カ月に次ぐ史上2位の年長記録。

◆ヤクルトが延長12回の接戦を制し、7月1日にも2リーグ制後最速の優勝マジックが点灯する。延長12回2死一、二塁から丸山和郁が決勝の2点適時二塁打を放った。広島3連戦に全勝し、4連勝で両リーグ最速の50勝に到達。1日のDeNA戦に勝利すれば、マジック54(ヤクルトが勝ち、巨人が敗れれば53)が点灯する。▼ヤクルトが両リーグ50勝一番乗り。セ・リーグで開幕から74試合以内に50勝到達は08年阪神以来9度目となり、ヤクルトでは95年の80試合を抜く最速50勝。セ・リーグで6月中に50勝は、6月29日に到達した03年阪神に次いで2度目だ。6月のヤクルトは19勝4敗で終了。月間19勝は02年8月(19勝5敗2分け)に並ぶ球団タイ記録で、月間貯金15は球団新記録。

◆広島がヤクルトに延長12回の激闘の末、敗れた。対ヤクルト戦の連敗は「9」となり、93年の球団ワースト記録に並んだ。佐々岡真司監督(54)は「選手も悔しいと思っている」とナインの言葉を代弁した。またこの日入団会見を行った秋山翔吾外野手(34)については、明日7月1日は1軍で練習。2日以降は2軍戦出場に向けて、2軍で調整させる計画であることも明かした。佐々岡監督の一問一答は以下の通り-延長に入ってからミスが出た佐々岡監督 必死でやっている。どうにかしようという思いがあったと思う。そういうものが前面に出て、ミスになってしまったのかもしれない。-ヤクルトに9連敗で、なかなか勝てない佐々岡監督 先発が頑張って試合をつくった中で、あと1本、あと1点というところ。こういう展開になってもなかなか勝ちきれないということで、選手も悔しいと思っていると思う。-村上対策は1試合だが、一定の成果(4三振と2敬遠)が出た佐々岡監督 そうですね。今日は村上君に打たせないという面は出たと思いますけどね。-遠藤の新型コロナウイルス陽性判定佐々岡監督 遠藤のところは誰を入れるかというのはファームに聞いてからになる。1週間あるけれど、痛いのは痛いですけど、コロナというのは対策している中でも誰がなるか分からない。そこはカバーするしかないと思います。-秋山選手は明日7月1日は1軍で練習。明後日2日から2軍で実戦出場ということでいいか佐々岡監督 秋山と話をして今日、明日(は1軍に同行して練習)。明後日から試合(2軍戦)の準備をしたいと。明日までの練習の中で明後日どういう形で入れるかというのは本人に任せている。(6月)3日以降、(試合に)出ていないということなのでね。実戦感覚を早く早く、といって、故障してもいけないので、それはしっかり調整した中で本人がゴーサイン出せばというところです。

◆M点灯王手ヤ! ヤクルトのドラフト2位ルーキー丸山和郁外野手(22)が、延長12回に決勝の2点適時二塁打を決めた。チームを4連勝&両リーグ50勝一番乗りに導き、広島戦9連勝で02年8月に並ぶ、球団最多タイの月間19勝目。1日にも2リーグ制後最速となる優勝マジックが点灯する。12回2死一、二塁。直前の同学年・村上の10回に続く2度目の申告敬遠に闘志を燃やした。「ムネが敬遠されるのは2打席とも分かってたんで。なにくそという気持ちで打席に入りました」。1度目は空振り三振。今度は中崎の2球目、チェンジアップをきっちり捉え、中越えの値千金の決勝打とした。「守備と足」を期待される新人が、土壇場でバットでも輝いた。村上の助言も効いた。申告敬遠される前に「『しっかりヘッドをかえさないで、引っかけないで打てば大丈夫』と言ってくれて。心強いです」と言った。今や"村神様"とも称される同期には「チームの柱。それでも自分もいつか、そういう中心選手になりたいと思うので。ムネの言動だったりを、いつも見習って生活してます」。主砲に負けず、勝利に貢献していく。【鈴木正章】

◆セ・リーグ首位のヤクルトが先制した。三回、8番の長岡秀樹内野手(20)が先頭で打席に立つと、相手先発のアンダーソンから右越え5号ソロを放った。長岡は「打ったのはストレート。先頭だったので出塁する事を心がけて打席に入りました。しっかりと振り抜けましたし、良い角度であがってくれました。先制できて良かったです」とコメントした。

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(20)が「8番・遊撃」で先発し、三回に右翼席へ先制の5号ソロを放った。広島の先発右腕・アンダーソンが投じた148キロの直球を捉え「先頭だったので、出塁することを心掛けて打席に入りました。しっかりと振り抜けましたし、良い角度で上がってくれました」とコメント。6月26日の巨人戦(神宮)以来、3戦ぶりの一発でチームに流れを呼び込んだ。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が史上28人目の通算3000投球回に到達した。大記録まで残り2回?として臨んだこの日、先発し三回先頭で堂林を三ゴロに抑えて達成した。プロ21年目、42歳で打ち立てた金字塔。29日には「イニングはチームのためにそれだけ投げさせてもらっているということ。自分の中ですごく大きな数字」と話していた。試合は五回を終えて、三回の長岡の先制ソロで1-0とリード。石川は2安打無失点で今季5勝目(3敗)に向けて好投している。

◆力強い打球が右翼席に着弾するとガッツポーズが飛び出した。0─1の六回無死走者なし。広島・小園海斗内野手(22)が3号ソロを放って試合を振り出しに戻した。「同点に追いつくことができて良かった。何とか塁に出ようと思って打ちにいった」チームは試合前時点でヤクルトにカード8連敗中(1勝9敗1分)。この日も打線は42歳の左腕、石川のコーナーを巧みに突く投球に五回まで散発2安打と苦しんでいたが、小園が初球スライダーを思い切りよく振りぬいた。自身5月20日の中日戦以来の一発は貴重な同点弾となり「最高の結果になって良かった」と胸を張った。チームは6月29日に敗れて自力優勝の可能性が消えたが、まだあきらめる時期ではない。この日、日米通算1476安打の秋山翔吾外野手(34)=前パドレス傘下3A=が入団会見を行った。ここから上昇気流に乗りたい。(柏村翔)

◆ヤクルトが延長戦を制し、4連勝。両リーグで50勝一番乗りを果たした。6月は2002年8月に並ぶ球団記録の月間19勝(4敗)で終え、試合がなかった2位・巨人とのゲーム差を今季最大の12・5とした。先発の石川雅規投手(42)は三回先頭で堂林を三ゴロに打ち取り、史上28人目の通算3000投球回に到達。勝ち星はつかなかったが、6回4安打1失点と先発の役目も果たした。熱戦となったマツダスタジアム。ヤクルトは三回、長岡が5号ソロを放って先制した。石川は六回、小園に3号ソロを許し試合は振り出しに戻されたが1─1で延長に入り、試合が動いた。ヤクルトは1死二、三塁の好機で山田の三ゴロで、三走・川端が走塁死となったが、捕手・会沢が二塁へ悪送球する間に二走・塩見が生還し、1点を勝ち越した。しかし、その裏、マクガフがリードを守れず、広島に追いつかれた。勝ち越し点を奪ったのはヤクルト。延長十二回、2死一、二塁でD2位・丸山(明大)が右中間への2点二塁打を放ち勝ち越し。その裏、田口が3者凡退に抑えた。

◆ヤクルトが延長戦を制し、4連勝で両リーグで50勝一番乗りを果たした。延長十二回、2死一、二塁の場面で勝ち越しとなる2点二塁打を放ったヤクルトD2位・丸山和郁外野手(22)=明大=がヒーローインタビューを受けた。一問一答は以下のとおり。--素晴らしいタイムリー「ありがとうございます」--いかがでした「2打席も凡退していて、前の回でもチャンスをつぶしているので。目の前で2回敬遠されて、ちょっと悔しいというか、そういう気持ちもあって、気持ちで打席入りました」--2球目の変化球を叩いた「そこらへんのボールを打っていこうっていう風に大雑把に決めて、打席入りました」--活躍をどう振り返るか「まだ全然なところの方が多いので、少しでも自分の特徴を活かして、なんとかチームに貢献したいと思います」--広島に9連勝「点を取られても雰囲気が良くて、逆転できるなっていう感じの雰囲気でやっていて頼もしいというか。先輩方も、若い人たちも声を出して、チームのために、という気持ちがあるので、そういう部分だと思います」--チームを代表して「代表...できないんですけど(笑)。一戦必勝でやっているので、これからも応援よろしくお願いします」

◆広島は競った展開で精彩を欠き、3連敗となった。2―2の延長十二回無死から途中出場の三塁手矢野がゴロをはじく失策。2死一、二塁から中崎が丸山和に2点二塁打を浴びた。1―1の十回1死二、三塁では、三ゴロからの挟殺プレーの末、会沢の悪送球で勝ち越しを許していた。延長戦に入って相次いだミスに佐々岡監督は「必死でやっている。どうにかしようという思いが前面に出て、そうなったのかもしれない」と責めることはなかった。

◆広島は延長戦で敗れて同一カード3連敗を喫した。ヤクルト戦の連敗は9に。佐々岡真司監督(54)の試合後の一問一答は次の通り。──延長十回は捕手・会沢の送球ミスで失点、延長十二回には先頭打者の打球を三塁・矢野が弾き、その後の失点につながった「必死でやっている。どうにかしようという思いがあったと思う。そういうものが前面に出て、ミスになってしまったのかもしれない」──ヤクルトに9連敗。1勝10敗1分となかなか勝てない「先発(アンダーソン)が(6回1失点と)頑張って試合をつくった中で、あと1本、あと1点というところ。こういう展開になっても、なかなか勝ちきれないということで、選手も悔しいと思っていると思う」──村上を4打数無安打に抑えた。対策の一定の成果が出たか「そうですね。今日は村上君に打たせないという面は出たと思いますけどね」──遠藤が新型コロナウイルスの検査で陽性反応。次回登板が濃厚だった7月6日の阪神2戦目の先発はどうする「遠藤のところに誰を入れるかというのはファームに聞いてからになる。1週間あるけれど、痛いのは痛いですけど。コロナというのは対策している中でも誰がなるかわからない。そこはカバーするしかないと思います」──入団会見した秋山(前パドレス傘下)は7月1日は1軍練習、2日から2軍に合流して実戦出場か「秋山と話をして今日明日で、明後日から試合の準備をしたいと。明日までの練習の中で、明後日どういう形で入れるかというのは本人に任せている。3日以降(実戦には)出ていないということなのでね。実戦感覚を早く早く、といって、故障してもいけないので、それはしっかり調整した中で、本人がゴーサインを出せばというところです」

◆ヤクルトOBで通算3240投球回、191勝を挙げた松岡弘氏(74)は節目の投球回に達した石川に「本当に立派だね。納得できるまで投げ続けてほしい。どんなときも自分のやるべきことをやってきたからここまでこれたんだと思う」と敬意を表した。石川が2年目だった2003年に2度目となる2軍投手コーチに就任した松岡氏。石川は1軍のローテーション投手だったが、2軍施設などで石川が熱心にトレーニングに励む姿を遠目に見ていたという。「プロ入った時点で自分のことをよく知っていたし、体に一番気を使っていた。それだけの節制を若い頃から続けてきたのが今につながっているんでしょう」と入団当初から変わらない姿勢を語った。「自分を奮い立たせるものがまだまだ残っているはず。精神力も体力も常に高いレベルで維持してほしい。まだまだ先まで彼はやりますよ」と松岡氏。22年目の左腕へ、1年でも長く現役でプレーすることを願っていた。

◆燕の粘り強さ、ここにあり!! ヤクルトは30日、広島12回戦(マツダ)に延長十二回、4―2で勝ち連勝を4に伸ばした。両リーグ最速で50勝に到達し、球団タイ記録の月間19勝(4敗)も達成。最後は2死一、二塁でドラフト2位・丸山和郁外野手(22)=明大=が決勝の中越え2点二塁打を放った。石川雅規投手(42)がプロ野球28人目となる通算3000投球回の大記録を達成した試合をチーム一丸の勝利で飾り、優勝へのマジックナンバー点灯に〝王手〟をかけた。) 燕ナインが、燕党が願った。大先輩の大記録に花を添えるためにも、負けるわけにはいかなかった。あと1アウトで勝利が消える2-2の延長十二回2死一、二塁。丸山和が放った打球は前進守備の中堅手の頭を越え、一走・村上まで生還する2点二塁打となった。「楽な展開ではなかったですが、投打ともに集中力を持ってグラウンドに立ってくれた。難しいゲームを最後の最後で勝てたので良しとします」最終盤に勝ち越して4連勝。高津監督は奮闘した選手たちをたたえた。投手6人、野手13人が出場した総力戦を制し、両リーグ最速で50勝に到達。2002年8月の球団記録に並ぶ月間最多の19勝も達成し〝無双の6月〟を劇的に終えた。殊勲の一打を放った途中出場のルーキー・丸山和は胸に秘めた思いをバットに乗せた。「目の前で2回敬遠されて悔しい気持ちがあった」。1点を勝ち越した十回2死二塁。4番・村上が申告敬遠されて打席が回ってきたが空振り三振。直後に追い付かれた。2死二塁から村上が敬遠されたのは、十二回も全く同じ。「ムネ(村上)が敬遠されるのは2打席とも分かっていた。なにくそという気持ちで打席に入った」。気合十分に見事、雪辱した。明大からドラフト2位で入団した新人外野手だが、村上とは同学年。既に球界を代表する打者になっていた若き4番の行動を日々、見習っている。「何を取ってもすごいので本当にチームの柱という感じ」と尊敬する一方で「自分も、いつか中心選手になりたい」と、ともにチームの未来を背負う覚悟も抱く。殊勲打を放つ前にも「しっかり(バットの)ヘッドをかえさないで引っ掛けないで打てば大丈夫」と助言され、実行した。 大先輩への思いも結実させた。この日は先発登板した石川が、三回に史上28人目となる通算3000投球回を達成。6回4安打1失点と好投し、勝利へのバトンをつないでいた。石川本人に白星は付かなかったが、節目の日にせめて勝利を-。誰もがそう願っていた。三回に先制ソロを放った長岡は20歳。決勝打の丸山は22歳。石川とバッテリーを組んだ内山壮は、この日が20歳の誕生日。いずれも、石川がプロ初登板した2002年前後に生まれた選手たちだ。大先輩が打ち立てた金字塔を、一丸となって勝利で彩った。貯金は今季最多の「27」。2位・巨人とのゲーム差を今季最大の12・5に広げた。1日のDeNA戦(神宮)に勝てば、2リーグ制(1950年)以降最速で優勝へのマジックナンバーが点灯する。若手も、ベテランも、全員でチームスワローズ。固い結束が生んだ、大きな1勝だった。(赤尾裕希)■データBOX?ヤクルトの優勝へのマジックナンバーが1日にも点灯する。自力優勝の可能性を残すのはヤクルト以外ではDeNAのみ。1日のDeNAとの直接対決に勝つことが条件で、広島-巨人で巨人が勝ちか引き分けの場合は「54」、広島が勝つと「53」が出る。2リーグ制(1950年)以降の最速点灯日は、65年の南海の7月6日。?ヤクルトの両リーグ50勝一番乗りはリーグ優勝した97年以来25年ぶり2度目。6月までの50勝到達は、2003年の阪神(6月29日、チーム72試合目、同年優勝)、05年のソフトバンク(6月25日、同75試合目、同年2位)に次いで17年ぶり3度目。?74試合での50勝到達は、95年の80試合を抜く球団最速。全体では08年の阪神(74試合、同年2位)以来14年ぶり24度目。過去23度のうち優勝が19度で、V確率は82・6%。?月間19勝は02年8月と並ぶ球団最多記録。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が30日、広島12回戦(マツダ)で史上28人目の通算3000投球回を達成した。三回先頭で堂林を三ゴロに打ち取り、2013年の三浦大輔(DeNA)以来、プロ野球28人目の到達。勝ち星はつかなかったが、先発で6回4安打1失点と好投し、チームの4-2での勝利に貢献した。プロ21年目の左腕は中10日前後の間隔を空けながら先発ローテーションを守っており、次は大目標の通算200勝を目指す。努力を積み重ね、大台に到達した。石川が史上28人目の通算3000投球回を達成。三回終了時に捕手の中村から記念ボードを受け取り、柔和な表情を浮かべた。「一人ではできない。チームがあっての3000イニングなので本当に感謝したいです。一人一人やっている積み重ねなので。積み重ねが大事だなと改めて感じました」いつもと変わらない石川らしい投球だった。抜群の制球力と緩急を使った投球術で、立ち上がりから広島打線に的を絞らせなかった。三回先頭で堂林を落ちる球で三ゴロに抑え、節目を迎えた。レジェンドたちの仲間入りを果たした。球団では通算400勝の金田正一(4920回)、同191勝の松岡弘(3240回)に次ぐ3人目の大記録だ。松岡氏には入団2年目の2003年から3年間、2軍投手コーチとして指導を受け「いつも『けがせず頑張れよ』と声を掛けてくれた。松岡さんの記録が僕ら(投手陣)の最高の指標になっている」と大先輩の背中を追ってきた。 決して一人で歩んできたわけではない。隣で、いつも夫人の聡子さんが支えてくれた。若い頃は「くよくよ考えていた自分もいた」と敗戦後に下を向くこともあった。愛妻は一緒に悔しがってくれたが、翌日には「さあ、ニューデイだし頑張ろう」と前向きな言葉で送り出してくれた。今季開幕後。聡子さんに掛けられた言葉に背中を押された。「一年でも長くという思いはあるけど、本当に苦しくてやめたいときはいつでもやめてね。好きな野球をやってくれるのはうれしいけど、しんどいとか、無理やり続けるというのは嫌だから、そういうときは明日にでもやめていい。その代わり、全力で頑張っている限り全力でサポートする」石川は「本当に救われました。思い切ってできるなと」と再び前を向いた。次に目指すのは大目標で「家族に見せたい」と意気込む通算200勝だ。あと19勝。史上24人しか達成していない偉業へ、また歩み始める。(赤尾裕希)★データBOX?ヤクルト・石川が史上28人目となる通算3000投球回を達成。初登板は2002年4月4日の広島戦(神宮)に先発し勝利投手となった。?ヤクルト(前身を含む)の投手で通算3000投球回以上は金田正一(4920回)、松岡弘(3240回)に次いで3人目。?42歳5カ月での到達は08年の中日・山本昌の42歳9カ月に次ぐ年長2番目。

◆史上28人目の通算3000投球回を達成したヤクルト・石川雅規投手(42)に、家族が祝福のメッセージを寄せた。二人三脚で歩んできた夫人の聡子さんは努力を積み重ねてきた夫への思いを語り、高校3年生の長男・大耀(だいや)君(17)と中学2年生の次男・栄寿(えいす)君(13)は父の素顔を明かした。おめでとう! そして、ありがとう!! プロ初登板の1球目を投げたときから、毎回一緒に戦ってきました。本当に、あっという間の21年。24時間365日野球のことを考え、練習を積み重ねて、試合で投げ続けてきた結果だと思います。学生時代からつらいことがあっても「やめる勇気があるくらいなら続けることができる。小さなことでも続けることが大事。投手としてマウンドに立ち続けられないことの方が怖い」と話していました。ふと「野球をやめたら毎日楽なのかな」と少し笑いながらつぶやくこともあり、彼が少し人間的に見える瞬間かもしれません。もちろん、次の日からまた黙々と汗を流しています。プロの道に導いてくださったヤクルト球団の皆さま、彼を起用してくれた歴代の監督、コーチの方々、必死に戦っている選手の皆さん、全力でサポートしてくれる裏方さん、そしてファンの皆さん。多くの人のおかげで達成できました。とても感謝しています。私は、彼がプロ野球選手になったときに「この人なら大丈夫」と信じて全力でサポートしようと誓いました。あと少しで200勝。恩返しのためにも、ぜひ見せてください。家族全員でエンジョイしながら応援します。最後に、高津監督の言葉をお借りします。絶対大丈夫―。(ヤクルト・石川雅規投手夫人)◆長男・大耀君 「長い間現役で投げ続けてこられて達成できた大記録なので、素直にすごいと思います。おめでとう。家では何でも気軽に話せて、いい意味で友達のような存在。オフシーズンにキャッチボールをすることが、すごく楽しいです。大きなけがをせず投げ続けているところは尊敬しますし、自分も野球をやっているので、コンディショニングの面や日々のケアなど学ぶことが多いです。通算200勝という大きな目標に向かって頑張ってほしい。これからも応援し続けます」◆次男・栄寿君 「なかなか達成することができないことなので、すごいなと思いますし、野球選手として尊敬しています。おめでとう!! 普段は面白いお父さんで、いろんな話をしてくれます。プロ野球という厳しい世界で、まだ第一線で頑張っているお父さんは本当に格好いい。42歳になってもこんなに活躍している選手は少ないと思うし、これからも応援するので頑張ってください」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
50231 0.685
(↑0.004)
-
(-)
69338
(+4)
253
(+2)
90
(+1)
52
(+1)
0.256
(↓0.001)
2.990
(↑0.04)
2
(-)
巨人
40380 0.513
(-)
12.5
(↓0.5)
65312
(-)
332
(-)
85
(-)
37
(-)
0.248
(-)
3.830
(-)
3
(-)
広島
35383 0.479
(↓0.007)
15
(↓1)
67282
(+2)
288
(+4)
37
(+1)
13
(-)
0.256
(↓0.001)
3.470
(↑0.05)
4
(1↑)
DeNA
32380 0.457
(↑0.008)
16.5
(-)
73248
(+6)
294
(+5)
53
(-)
25
(-)
0.250
(↑0.001)
3.760
(↑0.01)
5
(1↓)
阪神
34412 0.453
(↓0.006)
17
(↓1)
66262
(+5)
236
(+6)
51
(+1)
60
(-)
0.239
(↑0.001)
2.860
(↓0.04)
6
(-)
中日
31420 0.425
(-)
19
(↓0.5)
70216
(-)
292
(-)
38
(-)
24
(-)
0.248
(-)
3.840
(-)