DeNA(☆6対5★)阪神 =リーグ戦13回戦(2022.06.30)・横浜スタジアム=
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阪神
00002111051111
DeNA
400000002X61310
勝利投手:平田 真吾(1勝2敗0S)
敗戦投手:岩崎 優(1勝3敗14S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(14号・7回表ソロ)

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◆DeNAが劇的なサヨナラ勝利。DeNAは1点ビハインドで迎えた9回裏、大田の適時二塁打で同点とする。なおも続く好機で、嶺井の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、6番手・平田が今季1勝目。敗れた阪神は、4点差を逆転するも、6番手・岩崎が誤算だった。

◆DeNAは2連勝だが、2試合とも勝利打点(V打)を記録したのがネフタリ・ソト内野手(33)。3試合連続でV打をマークすれば球団では20年7月23~25日の佐野以来。外国人選手では90年8月4~7日のパチョレック以来になる。

◆阪神近本光司外野手(27)が、自己最長の連続試合安打を26に伸ばし、並んでいた「レジェンド助っ人バース」「世界の王」を抜いた。球団では99年大豊泰昭に並び、歴代3位に浮上した。4点ビハインドの3回2死の第2打席。DeNAの左腕東の外角132キロを華麗に中前にはじき返した。一塁ベース上では冷静な表情。この日も淡々と1本を積み重ねた。5月28日ロッテ戦(ZOZOマリン)の第5打席で左前打を放ってから、快音は途切れない。全試合で3番を務める6月は、無安打の試合が1度もなくフィニッシュすることになった。連続試合安打のプロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33で、あと「7」に迫った。左打者最長は15年秋山翔吾(西武)の31試合で、あと「5」と射程圏内に入った。

◆5月は月間MVPに輝いた阪神先発のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が、6月は4試合未勝利で終わった。初回にいきなり3連打を浴び先制されると、5番宮崎に左中間へ2点適時二塁打、7番森にも右前適時打を許すなど一挙4失点。2回も無失点に抑えながら2四球を与え30球を費やすなど、持ち味の制球力を発揮できなかった。この日は長坂ではなく、6試合ぶりに梅野とコンビを組んだ。前日29日にウィルカーソンは「(警戒するのは)全員。どの打者も打ってくるので気が抜けない」と話していたが、初回からつかまった。5回の打順で代打北條と交代した。4回74球で7安打、2四球で4失点。5月は3勝1敗、防御率1・04で5月度セ・リーグ投手部門MVPも6月は4試合で勝ちなし、防御率9・19と大きく成績を落とした。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、一振りで試合を振り出しに戻した。1点を追う7回2死、左腕エスコバーから14号同点ソロ。見逃せばボールゾーンと見られる高め154キロ速球を豪快に右翼席中段まで運んだ。6月17日DeNA戦の第1打席以来、55打席ぶりの本塁打。ここまで今季最長の54打席連続ノーアーチだった。横浜スタジアムでは今季球場別最多の4発目。大好きな舞台で息を吹き返した。

◆横浜F・マリノスFWマルコス・ジュニオール(29)が試合前のセレモニアル・ピッチに登場した。DeNAはベイスターズの球団名を冠して30周年。マリノスはクラブ創設30周年で、ともにタッグを組んだイベント「I☆YOKOHAMA SERIES」を開催している。マルコスはリフティングをしながら登場。セレモニアル・ピッチのはずが、流れた場内アナウンスは「キック・オフ!」。サッカーボールを右足で山なりに蹴り上げ、打者エスコバーはその場で1回転しながら空振りした。ピッチならぬセレモニアル・キックに「ナイスシュート!」の声がかかると、三浦大輔監督も笑顔で拍手を送った。マルコスは「横浜は第2のホーム。もっともっとこの街にいたい」と話し、「本当に楽しかった。いつもとは違う雰囲気の中でサッカーボールに触れたのは新鮮でした」と振り返った。

◆DeNA打線が阪神ウィルカーソンの立ち上がりをたたき、1回に4点を奪った。1回無死一、二塁、まずは佐野恵太外野手(27)がチェンジアップを拾って中前へ運んだ。「追い込まれていたので食らい付いていきました」と出ばなをくじいた。1死後に宮崎敏郎内野手(33)が浮いた直球を捉えて左中間を破った。「みんながつないでくれたので、自分も後ろにつなぐ意識で打席に入りました」と大粒の汗を流した。2点を追加すると、後続の森敬斗内野手(20)の右前打で生還した。ヤクルトが独走するセ・リーグにおいてDeNAは自力優勝の可能性を残しており、マジック点灯を1日でも先に延ばしたいところ。この日、横浜スタジアムの気温は午後6時のプレーボール時点でまだ30度あった。同2時の練習開始時刻には35度を超え、三浦大輔監督は「暑さ対策も兼ねて、今日は室内で早出。バッティングも室内でやります」と選手の体調を優先して調整していた。

◆先発のDeNA東克樹投手(26)は6回途中3失点で降板した。初回に4点の援護をもらい、4回までは毎回安打を許しながらも0点でこらえていた。5回に先頭から2連打を許すと、味方の失策や犠飛で2失点。6回に1点差に迫られ、2死一塁と走者を残して交代を告げられた。球数は104球に達していた。今季初勝利を挙げた23日の巨人戦も5回2/3を3失点だった。「前回登板同様、イニング途中で降板となり悔しいです。連戦で中継ぎ陣の方に負担をかけてしまったことが反省点です。次回登板は長いイニングを投げられるよう、球数を減らすことを考えてやっていきたいです」と話した。

◆阪神アーロン・ウィルカーソン投手(33)は5月の月間MVPから一転、6月は4試合未勝利に終わった。初回はいきなり3連打で先制されるなど5安打を集中され一挙、4失点。2回は無失点ながら2四球を与えて30球を費やし、この回までで59球。4回7安打4失点で交代となり「全体的にボールが甘くなってしまった。初回から失点してしまい、先発としての役割を果たせずチームに申し訳ない」と肩を落とした。長坂ではなく梅野との6試合ぶりのコンビも生きなかった。チームは今季初めて先発が4試合連続で4失点と試合をつくれなかった。味方が逆転して自身の黒星は消えたが、6月は4試合で0勝1敗、防御率9・19。月間MVPの5月は3勝1敗、防御率1・04だったが、大きく成績を落とした。○...2番手ケラーが5回に登板し、DeNAのクリーンアップを3者凡退に抑えた。4点差から2点差に味方が詰め寄った直後のマウンド。佐野を投ゴロに仕留め、4番牧は外角低めに156キロを決めて見逃し三振。宮崎からは得意のカーブで空振り三振を奪った。「ここをしっかり抑えればチームにいい流れを生み出せると思った。自分のボールにも手応えがあったし、抑えてよかった」と笑顔。これで6試合連続無失点とした。

◆セ・リーグ5位のDeNAが、4位の阪神と対戦。先発はDeNAが東克樹。阪神はウィルカーソン。

◆阪神は3連勝の後、3連敗を喫した。9回逆転サヨナラ負けで、DeNAと入れ替わって5位に後退した。同一カード3連敗は4月19~21日、同じ敵地のDeNA戦以来。横浜スタジアムでシーズン2度の3タテは22年ぶりだ。今月は成績を持ち直したが、月間14勝8敗1引き分けでフィニッシュした。借金7となった。1度は4点差を逆転した。初回にアーロン・ウィルカーソン投手(33)がいきなり4失点したが、5回に2点、6回に1点と追い上げ、7回に佐藤輝明内野手(23)が右翼席に14号ソロを運んで追いついた。佐藤輝は横浜では球場別最多の4本目のアーチ。反撃の手をゆるめず、4-4の8回、1死三塁から梅野隆太郎捕手(31)の二塁ゴロで勝ち越しの1点を奪った。しかし、ウィルカーソン降板後、無失点で踏ん張ってきたリリーフ陣が最後に崩れた。1点リードの9回、抑えの岩崎優投手(31)が嶺井博希捕手(31)にサヨナラ打を浴びた。

◆DeNAが9回裏の激走で、劇的な逆転サヨナラ勝ちを決めた。1点を追う9回裏。まずは無死一塁、大田泰示外野手(32)の左翼フェンス直撃の二塁打で、一塁走者の桑原将志外野手(28)が歯を食いしばっての大激走を見せた。一塁から長駆生還し、同点に。そして、2死一、二塁。嶺井博希捕手(31)がしぶとく一、二塁間を破ると、二塁走者の大田が敢然と本塁へ突っ込んだ。ヘッドスライディングで阪神捕手の梅野のタッチをかいくぐり、見事に生還。セーフ判定に阪神ベンチがリクエストを要求したが、判定は覆らなかった。お立ち台で嶺井が「(リクエストの間は)信じるだけでした」と笑顔を見せれば、大田は「(捕手のタッチは)よけるしかないと思って、長い腕伸ばして、頑張って(本塁に)タッチしました」。これでDeNAは阪神にカード3連勝。阪神に代わって4位に浮上した。

◆阪神がDeNAに逆転サヨナラ負けし、5位に転落した。7回に主砲の佐藤輝が14号ソロ。55打席ぶりのアーチで最大4点差を追い付いた。流れを変えたチームは8回に勝ち越したが、9回に抑えの岩崎がセーブ機会で2失点と誤算だった。DeNAにシーズン2度の同一カード3連戦3連敗は22年ぶりという屈辱となった。コンマ数秒、数センチの勝負に敗れた。9回に同点に追い付かれ、なお2死一、二塁。嶺井の一、二塁間を破るゴロは、右翼・佐藤輝の前に転がった。チャージをかけ本塁へワンバウンド送球。二塁走者の大田は捕手梅野のタッチをかいくぐり、左手でホームベースに触れた。判定は...セーフ。矢野監督はすかさずリクエストを要求したが覆らない。一塁側ベンチから飛び出してきたDeNAナインが、サヨナラ負けの証しだった。DeNAに今季2度目の3連戦3連敗。00年以来という屈辱を味わった。隙のない佐藤輝のプレーはわずかに及ばなかった。背番号8は最後までファイティングポーズを崩さなかった。1点を追う7回2死。左腕エスコバーの154キロ速球を右翼席中段まで運んだ。ボール気味の高めに負けず、力と力の勝負を制した。6月12日オリックス戦の第5打席以来、55打席ぶりの14号同点ソロ。今季最長だったノーアーチの壁を破った。昨季場外弾を放った横浜で今季4発目。矢野監督も「久しぶりに輝らしいバッティング。相手のセットアッパーっていうところではいいホームランだった」とたたえた。直後、右翼守備に向かう際には、スタンドのファンに「もっと盛り上がれ」と言わんばかりに、両手を上げてアピールした。4番の思いが乗り移ったかのように、チームは8回に勝ち越した。1死三塁から、梅野が二ゴロを転がし、その間に三塁ランナー植田が生還。しぶとく1点をもぎ取っていた。それでも、勝てなかった。守護神岩崎が2失点で今季7度目のサヨナラ負け。DeNAと入れ替わり5位に転落した。「3連敗しちゃったっていうことは受け止めながら前に進んでいくしかないと思う」。矢野監督の言葉通り、必死に切り替え、名古屋での7月反攻に挑む。【中野椋】▼阪神がDeNAに同一カード3連敗。4月19~21日にも3連敗を喫しており、DeNAにシーズン2度目は00年(3度)以来、22年ぶり。横浜スタジアムでも00年以来となるシーズン2度目の同一カード3連敗となった。?○...阪神山本が今季3度目の1試合3安打をマークした。2回、4回、6回と走者なしからチャンスメーク。6回は1死から中前にはじき返し、ロハスの適時打で生還した。8回の第4打席も犠打を決め、一時勝ち越し劇をお膳立て。「しっかり準備してきたことが試合で出せている。頭と体の準備をしています」。いぶし銀のユーティリティーが、存在感を増している。○...阪神ロハスが久しぶりの打点で貢献した。2点を追う6回2死二塁に代打で登場。東のチェンジアップを拾って中前に運んだ。「何とか走者をかえせるようにという気持ちだった。打点をあげることができてよかったよ」。5月8日中日戦以来の、今季10打点目。攻略に苦しんだ東を降板させる一打だった。○...3番手岩貞が粘りの投球で6回の1イニングを0点に抑え、7回の佐藤輝の同点14号ソロへと攻撃のリズムをつくった。先頭ソトを低めスライダーで空振り三振。左の森に5本のファウルで粘られたが、9球目のフォークで空振り三振。1安打は許したが、あわてず後続を断った。「リリーフ陣で守備から流れを持ってこようとブルペンで話してた。0でつなぐことができてよかった」と、言葉通りの仕事を果たした。○...湯浅は冷や冷やの無失点だった。直前に1点を勝ち越し、逃げ切り態勢に入った8回に登板したが、2安打に失策もからんでピンチを招いた。最後は2死一、三塁で大和を4連続直球で空振り三振。「走者は出してしまいましたが、粘って0点で抑えることができてよかったです」と振り返った。リーグトップのホールドを「21」とした。

◆DeNAが執念のサヨナラ勝ちで4位に浮上した。初回の4点のリードをひっくり返され、敗戦目前で迎えた9回。大田の二塁打で同点に追いつき、なおも2死一、二塁から嶺井が右前打を放った。「絶対かえってきてくれると信じて、バットに当てることに集中した」と、新人だった14年以来、自身8年ぶり2度目のサヨナラ打を喜んだ。阪神に3連勝し、最高の流れで首位ヤクルトとの敵地3連戦に乗り込む。最後、ヘッドスライディングで左手から滑り込む神走塁を見せた大田は「1つでも上の順位にいけるように頑張ります」。マジック点灯を阻止する。▽DeNA三浦監督(3時間59分の熱戦でサヨナラ勝ち。大田の生還に阪神側からリクエストがあり)「セーフだと信じて待ちましたね。最後まで誰1人あきらめることなく、食らい付いていったと思います」。▽DeNA東(104球、6回途中3失点で勝ち敗けつかず)「前回同様、イニング途中で降板となり悔しいです。連戦で中継ぎ陣の方に負担をかけてしまったことが反省点です」

◆阪神が9回に1点リードを守り切れず逆転サヨナラ負けで3連敗となった。3連戦3連敗となったDeNAと入れ替わり5位に転落した。9回は守護神岩崎優投手(31)がつかまった。サヨナラ負けは今季7度目。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。--9回、岩崎は紙一重のところでやられる形に「いや、もうそれは仕方がない。もちろんクローザーとして出しているんだから」--9回無死一塁から大田の左翼フェンス際の打球を、島田は何とか捕ってほしいところ「いや、こっち(三塁ベンチ)からは見えへんもん。捕れる状況なのかどうかっていうのは俺ら見えへんから。テレビで見ていたら見えるかもしれんけど。島田だって精いっぱいやっていることやしさ。責めるっていうのは。もちろん捕れればファインプレーなんだろうけど、俺らのところからそれが今ここで判断できるような、何か言えるようなことは何もないよ。精いっぱいやったプレーだと思ってるけど」--4点差を追いついて一時は勝ち越した「いや、いい試合できていると思うよ。もちろん勝たないかんし、勝ち切られへんかったっていうのは課題でもあるけど。早い回に点取りたかったなっていう、初回のね、攻防のところもこっちは1点でも少なくやっぱり行きたかったし。こっちゼロっていうことは、結果的にこうなってくるとっていうのは出てくると思うし。でも全体的には3連敗しちゃったっていうことはしっかり受け止めながら前に進んで行くしかないと思うし」--7回には佐藤輝も久しぶりの本塁打「そうやね。久しぶりにね、輝らしい感じのバッティング出来たと思うし、場面もね、相手のセットアッパー(エスコバー)っていうところではいい本塁打だったし、ここからそういう場面で本塁打を打てたら」--2番手のケラーが好投。役割が変わることも「まあまあ、それはこれから見ていかなあかんところもあるし。でもね、流れの中で、あそこの中心選手のところにいくことで流れを止めるっていう。打ち取り方もだいぶ内容のレベルも上がってきているんで。そういうところはもちろん評価は上がってくるし、それはおいおい考えながらいきます」--島田が左投手を相手に2試合連続で安打を放った「うーん、そうやね。みんなはすぐ左対左って言うけど、左でも苦手に...。今日の東なんて左の方が打ってるから。左対左だからそれイコール左がっていうことではない。でも島田の今のレベル、立場でいえばそういうところで成績っていうか、しっかりしたものを見せてくれるのは大事なことだし。こういうところでしっかり打てることで難しいそうな左が来た時も島田でいってみようかなというところにつながると思うから。すべてが今、しっかりレギュラーをとるところの勝負の位置にいると思う。いいものは出ていると思う」--中継ぎの登板が増えているが、ガンケルを抹消して、明日以降にこの枠は「ちょっとわからん。先発がちょっとね、我慢しきれてないんで、暑いし、投げてきたみんなやから、よく頑張ってくれていたところからこういう時期があると思うし。打線が点を取るとか、守備でカバーするとかっていう部分も含めてやっていかないと。乗り越えることは必要かなと思う」

◆DeNAが、6月最後の試合を劇的なサヨナラ勝利で飾って、今月を11勝12敗で終えた。チームは3連勝で、4位に浮上。3位広島に1・5差に迫った。三浦大輔監督は「まだまだ。借金が残っているんで。1つずつですね」と話した。今季のDeNAの月別成績は以下の通り。?◆月別成績【3月】3勝3敗?【4月】7勝12敗?【5月】11勝11敗?【6月】11勝12敗?【通算】32勝38敗

◆DeNAが執念のサヨナラ勝ちで4位に浮上した。初回の4点のリードをひっくり返され、敗戦目前で迎えた9回無死一塁。大田泰示外野手(32)の左中間フェンス直撃二塁打で同点に追いつくと、なお2死一、二塁から、嶺井博希捕手(31)が右前打を決めた。嶺井のサヨナラ打は、プロ初安打が逆転サヨナラ三塁打になったルーキーイヤー以来、自身8年ぶり2度目。「久々すぎて初めてみたいな感じ。(大田が)絶対かえってきてくれると信じて、バットに当てることに集中しました」と喜んだ。ヤクルトが独走するセ・リーグにおいて、DeNAは他5球団の中で唯一、自力優勝が消滅していない。阪神に3連勝と、最高の流れで敵地神宮に乗り込む。9回最後、ヘッドスライディングで左手から滑り込む神走塁を見せるなど、スタメン起用に応えた大田は「延長になったら疲れちゃうので、決められてよかった。やるしかない。1つでも上の順位にいけるように頑張ります」。直接対決で、ヤクルトのマジック点灯を阻止する。

◆阪神がDeNAに逆転サヨナラ負けし、5位に転落した。最大4点差をひっくり返したが、5-4の9回に守護神の岩崎が2失点と誤算だった。今季は被打率が3割を超え、リフレッシュ休養から復帰後の4試合で3人斬りはなく、全て得点圏に進めている。「勝利の方程式」の最後尾が揺らぎ、代役を立てる可能性もありそうだ。DeNAにシーズン2度の同一カード3連戦3連敗は22年ぶり。タイミングはアウトだった。梅野のタッチをDeNA大田にヘッドスライディングでかわされ、サヨナラのホームイン。矢野監督のリクエストも判定は変わらなかった。1点のリードを守護神岩崎が守れなかった。「仕方がない。もちろんクローザーとして出しているんだから」。指揮官は責めなかったが、リフレッシュ休養明けの岩崎に不安定な内容が続くのが気掛かりだ。登板した4試合すべてで安打を許し、得点圏に走者を背負っている。9回は先頭の桑原に安打で出塁を許し、続く大田には左翼フェンス直撃の適時二塁打。連打であっさり同点となった。大田の打球は左翼手の島田が目測を誤り、打球が来る前にフェンスにぶつかり体勢を崩した。倒れなければ捕球できた可能性もあり、不運だったが、その後も流れを止められない。2死一、二塁から嶺井にサヨナラ安打。セーブシチュエーションでは今季2度目の失敗となった。今年は7度目のサヨナラ負けで、逆転負けは3度目。DeNAに3連敗で5位に転落した。「もちろん勝たないかんし、勝ち切られへんかったのは課題でもある。3連敗したことはしっかり受け止めながら前に進んでいくしかない」。指揮官は切り替えたが、岩崎に変わらず抑えを任せるのか、配置転換となるのか...。5回に2番手として投げたケラーは最速156キロの直球を主体にDeNAのクリーンアップを3者凡退に仕留めた。矢野監督も「打ち取り方も内容のレベルも上がってきている。もちろん評価は上がってくるし、(役割は)追々考えながら」と高評価。6戦連続無失点で、この調子を続ければ開幕前の構想のようにケラーが抑えになる可能性も出てくる。岩崎不在時の代役で、現在リフレッシュ休養中のアルカンタラも早ければ5日広島戦から1軍に帰ってくる。また、8回の男としてリーグ最多21ホールドを挙げる湯浅も候補となる。6月は14勝8敗1分けで貯金6とした。反攻を強めるため、7月版「勝利の方程式」を見つけていく。【石橋隆雄】

◆DeNAが、阪神にサヨナラ勝ちし、同一カード3連勝で4位に浮上した。今回の阪神3連戦は、「I☆YOKOHAMA SERIES」と題し、サッカーJ1横浜とのコラボイベントが開催された。3連戦中のセレモニアルピッチには、水沼宏太、仲川輝人、マルコス・ジュニオールが登場した。横浜を象徴するれんが調の街並みにもなじみやすいネイビーを基調とした特別ユニホームを着用した。SNS上では「かっこいい」とデザインの良さを絶賛する声とともに、3連勝した験を担ぎ、再び着用を望む声も聞かれた。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレーバック】DeNA大田泰示のサヨナラを狙った本塁突入、捕手の阪神梅野隆太郎のタッチプレーは際どくセーフか? アウトか? リプレー検証の結果は...

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が4試合ぶりの白星をつかむため、先発マウンドに上がる。前回登板した23日の広島戦(マツダ)は5回5安打2失点で勝ち負けがつかず、3日の日本ハム戦(甲子園)から、自身が登板した3試合連続で勝利がない(1敗を挟む)。今季10試合の先発で4勝3敗、防御率3・11と来日1年目から先発ローテーションの一角に定着したが、先発陣はガンケル、西純が登録を抹消されるなど疲労の影響が見え始めている。助っ人右腕が投手陣を鼓舞するような好投で流れを変えたい。

◆阪神・近本光司外野手(27)が26試合連続安打をマーク。並んでいたバース(1983年)を抜いて、99年に大豊康昭が記録した球団歴代3位に並んだ。近本は0-4の三回、2死からDeNAの先発左腕、東の投じたスライダーを中前に運んだ。近本は5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)から丸1カ月、安打を打ち続けている。球団1位は11年にマートンが記録した30試合。近本は、同2位の桧山進次郎(01年)の28試合まで、あと2試合となった。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が4回4失点で降板となった。今季5勝目(3敗)はならなかった。立ち上がりからDeNA打線につかまった。先頭の桑原、大田の連打で一、二塁とされると、佐野に中前へはじき返されて先制点を献上。4番・牧は投ゴロに打ち取ったが、宮崎に左中間への2点二塁打、その後も森にタイムリーを浴びるなど4失点した。二回も安打と連続四球で2死満塁のピンチを招いたが、宮崎を左飛に仕留めてなんとか無失点で切り抜けた。今月は試合前時点で3試合に登板し、0勝1敗、防御率9・26。5月27日のロッテ戦(ZOZOマリン)を最後に白星から遠ざかっており、不安定な内容が続いている。

◆阪神が五回に佐藤輝明内野手(23)の犠飛などで2点を返した。0-4の五回、代打・北條と中野の連打で一、二塁。島田は見逃し三振に倒れたが、直後の近本が一二塁間への打球を放ち、二塁手・牧が捕球できずに適時失策で得点を挙げた。なおも一、三塁で4番・佐藤輝の中犠飛で追加点を挙げた。佐藤輝はこれで3試合連続打点を記録した。

◆DeNAの宮崎が2点二塁打を放ち、9試合ぶりに打点をマークした。一回に1点を先制し、なお1死一、三塁でウィルカーソンの速球を捉え、左中間へ運んだ。「みんながつないでくれたので、自分も後ろにつなぐ気持ちで打席に入った」と汗をぬぐった。中継プレーで本塁へ送球される間に三塁を陥れる好走塁も見せた。4月に左太もも裏を痛めて1カ月近く離脱するなど脚には不安を抱えるが、三浦監督が「頑張ってよく走ってくれている」と評価する必死の走塁で、森の適時打につなげた。昨年、国内フリーエージェント(FA)権を取得したが、生涯DeNAを決意して今季からの6年契約で残留した。安定した打撃で、球団からの大きな期待に応えている。

◆日が沈む前の速攻劇だった。DeNAは一回、先頭の桑原、大田が連続安打で一、二塁。好機をつくると佐野が中前へ先制打を放った。「追い込まれていたので食らいついていきました。先制することができて良かったです」横浜スタジアムの左翼ウイング席奥に見える夕焼けが、まだ熱を帯びる頃だった。1死一、三塁では「みんながつないでくれたので、自分も後ろにつなぐ意識だった」と宮崎が左中間へ2点二塁打を放ち、2死三塁からは森が右前適時打。20歳の若者は「みんな調子がいいと思うので、もっともっと点を取っていきたい」とうねりに乗った。一回に4得点。試合の主導権を握った。この日は最高気温が36・5度まで上昇。燦々と太陽が照り付けたグラウンドには、試合前練習の時間を過ぎても選手の姿はまばらだった。「暑さ対策を兼ねて、今日は早出を含めて(試合前の打撃練習は)室内でやります」と三浦監督。野手は室内で打撃練習をこなしてから、個別にグラウンドでノックを受けるなどして調整を終えた。連日の真夏日・猛暑日に指揮官は「その都度、対応していきたいと思います」と、今後も同様の調整プランがあることを示唆した。横浜市は午後7時1分に日の入り。夕闇となってもAクラス浮上を狙うナインの熱気は、グラウンドに充満していた。(横山尚杜)

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が5月8日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる打点を挙げた。2-4の六回1死から山本が、この日3本目の安打となる左翼線二塁打を放った。ロハスは2死二塁で代打出場。DeNAの左腕・東のチェンジアップを中前へ。序盤の4点ビハインドから1点差に追い上げた。ロハスは試合前の時点で41試合に出場し、打率・177、3本塁打、9打点。代打での出場が続いているが、久しぶりに存在感を示した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が七回に同点ソロを放った。3―4の七回2死走者なしで3番手・エスコバーの2球目、高めの154キロに反応した。白球は右中間席上段に突き刺さり、貴重な14号同点ソロとなった。佐藤輝の本塁打は6月12日のオリックス戦(京セラ)の第5打席以来、12試合&55打席ぶり。ベンチでは恒例となったタイガースメダルを首にかけられ、笑みを浮かべた。) DeNAに対しては今季5本目の一発。相性の良さをハマスタで見せつけた。

◆阪神は4-4の八回、1死三塁から梅野隆太郎捕手(31)の二ゴロの間に三走・植田が勝ち越しのホームを踏んだ。八回からDeNAは4番手の伊勢がマウンドへ。先頭の糸原が四球で出塁。伊勢の暴投で二進し、山本の投前犠打で1死三塁のチャンス。梅野が必死に転がした。阪神は序盤の4点ビハインドから七回、佐藤輝の一発で追いつき、八回に勝ち越した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が七回に起死回生の同点ソロを放ち、チームは一時逆転に成功したが、守護神・岩崎がリードを守れず今季7度目のサヨナラ負けを喫した。虎は競り負けて3連敗し、5位転落となった。虎の主砲は3ー4の七回2死走者なしで、DeNAの3番手・エスコバーの高めの154㌔直球を強振。打った瞬間、それと分かる打球は右中間席上段に突き刺さった。今季14号ソロで試合のムードをガラリと変えると、4ー4の八回1死三塁で梅野の二ゴロの間に勝ち越した。) しかし...。1点リードの九回に守護神・岩崎が大田に左翼フェンス直撃の同点打を食らうと、その後2死一、二塁で嶺井に右前適時打を浴びた。佐藤輝の本塁打は6月12日のオリックス戦(京セラ)の第5打席以来、12試合&55打席ぶりとなり、6月は月間2本目。若き4番の一撃を勝利に結び付けたかったが、敵地3連敗となった。

◆DeNAが逆転サヨナラ勝ちで、3連勝。4位に浮上した。4―5の九回に、大田の適時二塁打で追い付くと、嶺井の適時打で勝負を決めた。6番手の平田が今季初勝利。阪神は岩崎が誤算だった。5位に転落した。

◆阪神が逆転サヨナラ負けで、5位に転落した。九回、岩崎優投手(31)が長短打で同点とされ、さらに2死一、二塁から嶺井博希捕手(31)に右前打を浴びてサヨナラ負けを喫した。リプレー検証の結果、判定は変わらず、今季6度目の同一カード3連敗を喫した。七回、佐藤輝明内野手(23)の55打席&12試合ぶりの14号ソロ、三回には近本光司外野手(27)が球団歴代3位に並ぶ26試合連続安打を放つなど、4点差を逆転したが、勝利に結びつかなかった。大山悠輔内野手(27)は8試合連続ノーアーチで月間本塁打は「10」で終わった。6月を14勝8敗1分で終えた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績34勝41敗2分、観衆2万3604人)。ーー岩崎は紙一重でやられる形に「それは仕方がない、もちろんクローザーとして出しているんだから」 九回、DeNA・大田の打球を捕球できなかった阪神・島田) ーー島田は精いっぱいのプレーだがなんとか捕ってやってほしいところ(九回無死一塁で大田の左翼への飛球を捕球できず)「こっちからは見えへんもん。捕れる状況なのかは、俺ら見えへんから。テレビで見ていたら見えるかもしれんけど。島田だって精いっぱいやっていることやしさ。責めるのは、もちろん捕れれば、ファインプレーなんだろうけど、俺らのところから、それが今判断できるような、何か言えるようなことは何もないよ。精いっぱいやったプレーだと思ってるけど」ーー4点差を追いついて一時は勝ち越した「いい試合できていると思うよ。もちろん勝たなイカンし、勝ち切られへんかったのは課題でもあるけど。早い回に点取りたかったなっていう、(無死一、二塁で無得点に終わった)初回のね。攻防のところも、こっちは1点でも少なくやっぱり行きたかったし。こっちゼロは、結果的に、こうなるのは出てくると思う。でも全体的には3連敗は、しっかり受け止めながら前に進んで行くしかないと思うし」) ーー佐藤輝も久しぶりの本塁打「そうやね。久しぶりに輝らしい感じのバッティング出来たと思うし、場面もね、相手のセットアッパーっていうところでは、いいホームランだったし、こっからそういう場面でホームラン打てたら」ーーケラーが好投。役割が代わることも「それはこれから見ていかなアカンところもある。でもね、流れの中で、あそこの中心選手のところにいくことで流れを止めるっていう。打ち取り方もだいぶ内容のレベルも上がってきているんで。そういうところは評価は上がってくるし、追々考えながら行きます」ーー島田が左投手を相手に2試合連続で結果「うーん、そうやね。みんなはすぐ左対左って言うけど、左でも苦手に...。今日の東なんて左の方が打ってるから。でも島田の今のレベル、立場で言えば、しっかりしたものを見せてくれるのは大事なこと。しっかり打てることで難しそうな左が来た時も島田で行ってみようかなというところにつながると思う。今、レギュラーを取る勝負の位置にいると思う。いいものは出ていると思う」ーー中継ぎの登板が増えているが、ガンケルを抹消して、7月1日以降の枠は「ちょっとわからん。先発がちょっとね、我慢しきれてないんで、暑いし、投げてきたみんなやから、よく頑張ってくれていたところから、こういう時期があると思う。打線が点を取るとか、守備でカバーするとか、という部分も含めてやっていかないと。乗り越えることは必要かなと思う」ーーウィルカーソンは6月勝ちなしに終わったが次回は「うん」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は「7番・二塁」で出場し、3安打&1犠打の山本泰寛内野手(28)を高く評価。同時に守護神は岩崎優投手(31)の〝一択〟しかない状況が阪神の苦闘を物語っていると語った。悔しい敗戦になってしまった。ただ攻撃の形はできていたと思う。いろんなパターンで得点を重ね、ジワジワと追い上げて、一度は逆転した。中でも評価したいのは7番で起用した山本。非常にしつこい打撃ができるし、追い込まれても粘るし、難しい球も拾える。この選手がセカンドに入ることで、内野守備も安定する。左投手に対する打撃は、この日の3安打でも分かるように十分に通用するのだが、右投手でもしっかり対応できることを証明したのが八回無死二塁の送りバントだ。頭の付近に速球を投げられて、怖さを感じたはずだが、次の球をしっかり転がした。ベンチからすれば、非常にありがたい選手だ。必死の姿を見せられれば、右投手にもドンドン打席に立たせたくなるはず。現状は相手先発の左右で糸井との使い分けが続いているが、今の打撃内容なら、山本をスタメン固定しても面白い。糸井は代打の切り札だ。現状では代打の層の薄さも、阪神の大きな問題。登場する代打に「顔」「実績」がないから、ここ一番のピンチでも相手は怖がらない。糸井なら実績は十分にある。山本スタメンの場合、一発があるのは佐藤輝、大山だけの打線だが、1番から3番、さらには6、7番の脇役はしつこい打者が並ぶ。嫌らしい打線になっている。7月の戦いはしぶとく、しつこく、そして粘り強く。山本がその象徴だ。佐藤輝の一発も褒めておきたい。左腕・エスコバーのあれだけ速い球を高めに投げ込まれながら、完ぺきに弾き返した。将来へ向けて、自信にしていい一撃だ。どんな形で打で打てたのか、しっかり体で覚えて、大打者への一歩にしてもらいたい。最後に打たれた岩崎にも触れておきたい。守護神として頑張っているのは認めるが、ほぼ毎試合、ヒットを打たれて、ピンチを招いて、辛うじて抑える投球の繰り返しだった。表現は良くないが「結果オーライ」の抑えになってしまっていた。阪神が勢いに乗れない1つの理由が、「九回をピシャリと終われない」ことにあるような気がしている。とはいえ、湯浅の抑えは時期尚早だし、ケラーをプレッシャーのかかる場面で投げさせる勇気は誰にもないだろう。本来なら七、八回タイプの岩崎に踏ん張ってもらうしかない時点で、阪神の苦しさがにじみ出ている。

◆山本が今季3度目の猛打賞&勝負どころで犠打を決め、敗戦のなかで存在感を示した。4-4の八回無死一塁で、頭付近への投球(記録は暴投)を受けながらも投犠打を成功させて1死三塁とし、梅野の一時勝ち越しとなる二ゴロにつなげた。「決めなきゃいけない場面だったので、失敗するも成功するも全然流れが違う。ああいうところで決めたことは自分の自信につながる」と顔を上げた。

◆ロハスは2-4の六回2死二塁から代打で登場すると、中前適時打を放ち、5月8日の中日戦(バンテリン)以来の打点を挙げた。「打ったのはチェンジアップ。何とかランナーをかえせるようにという気持ちだった」。来日2年目の今季は打率・188とふるわず、代打中心の起用となっているがこの日は勝負強さを発揮。これをきっかけに浮上を目指す。

◆勝ち越した直後の八回にマウンドに上がった湯浅は2死一、三塁とされるも、代打・大和を空振り三振に仕留めてピンチを脱した。「ランナーは出してしまいましたが、粘ってゼロで抑えることができて良かった」。これでセ・リーグトップ独走の21ホールド。6月24日の中日戦(甲子園)でプロ初勝利を挙げるなど勢いに乗っている。

◆先発のウィルカーソンは4回7安打4失点と試合を作れなかった。一回に先頭から3連打を浴びるなど不安定な立ち上がりをみせ、いきなりの4失点。その後は無失点投球も「初回から失点してしまい先発投手としての役割を果たせずチームに申し訳ない」と肩を落とした。4試合連続で白星をつかめず、矢野監督は次回登板について「うん」と多くは語らなかった。抹消となれば先発ローテを支えてきた西純、ガンケルに続き、3人目の再調整となる。

◆この日もケラーが奪三振ショーだ。2-4の五回に登板し、2奪三振を含む三者凡退の快投で味方の反撃を呼び込んだ。「自分のボールに手応えもあったし、3人で抑えることができて良かった」。5試合連続で三振を奪っている〝KK〟に矢野監督は「打ち取り方もだいぶ内容のレベルも上がってきている」と評価した。ブルペンを支え、信頼をさらに勝ち取っていく。

◆まさか、まさかの連続で、信じがたい結末を迎えた。チームが得意としてきた横浜の地で、最大4点ビハインドを全員で逆転したというのに、まさかの同一カード3連敗だ。タイミング的にはアウトでもおかしくなかった本塁クロスプレーもかいくぐられ、最後のリクエストも実らずに守護神・岩崎でサヨナラ負け。矢野監督は、受け止めるしかなかった。「いやもうそれは仕方がない、もちろんクローザーとして出しているんだから」ビハインドで登板した救援陣が耐え、湯浅も踏ん張って、なんとか5-4で持ってきた九回に、いろんなことが起き過ぎた。岩崎が先頭の桑原に左前打を浴び、無死一塁から大田が放った大飛球は左翼上空へ上がった。下がってフェンスに張り付き、そのまま尻もちを着いてしまった島田は、落ちてきた白球を捕球できず-。まさかの形で一走が生還し同点。さらに無死二塁とサヨナラのピンチが残った。当然、指揮官は島田の守備を責めることはしない。「こっちからは見えへんもん。捕れる状況なのかどうかっていうのは俺ら見えへんから。精いっぱいやったプレーだと思っている」とかばった。これまで何度も、思い切った好守も見せてきた島田だけに、まさかの事態でしかなかった。一打サヨナラのピンチを、岩崎も2死までは耐えた。だが、広く空いた一、二塁間を、嶺井に引き裂かれる。佐藤輝が猛然と本塁へ好返球をし、ワンバウンドでつかんだ梅野が二走・大田にタッチしたかに思えた。だが球審の両手は広がり、矢野監督のリクエストもむなしく、サヨナラ負けは変わらなかった。矢野監督は「いや、いい試合できていると思うよ」と全員をたたえつつ「3連敗しちゃったっていうことはしっかり受け止めながら前に進んでいくしかないと思うし」と言葉に力を込めた。一丸でひっくり返した試合を、こんな形で失うのはまさかでしかない。チームも各打者も近年得意としてきた横浜で、4月に続き今季2度目の同一カード3連敗を喫するというのも、まさか以外の何物でもなかった。中日に3連勝し、借金4まで減らしてきたが、これで一気に借金7に逆戻り。快進撃を見せた6月の最後に、まさかの形で後退した。(長友孝輔)

◆目覚めの一発や!! 阪神はDeNAに5-6で逆転サヨナラ負けを喫し、3連敗で5位に転落した。6月を白星で締めくくれなかったが、佐藤輝明内野手(23)が七回に55打席ぶりの本塁打となる一時同点の14号ソロ。トンネルを抜け出した4番が、反攻の7月に大暴れする。横浜の虎党も待っていた。佐藤輝は打った瞬間、本塁打を確信して歩き出した。打球はハマスタの右翼席上段へ飛び込んだ。3-4の七回、一時同点となる14号ソロ。悪夢のサヨナラ負けのなか、6月12日のオリックス戦(京セラ)で13号アーチを放って以来、12試合ぶり&55打席ぶりとなるお目覚めの一発だった。「きもてぃ~! 勝ち越せるように頑張ります」試合中、すっかりおなじみになったG・G佐藤氏(元西武)のフレーズを使い、広報を通じて喜びのコメントを寄せた。1ボールからの2球目。エスコバーが投じた154キロの高めの速球を完璧にとらえた。見逃せばボール球。規格外のパワーで右翼席に運んだ。流れを引き寄せる一発で、チームは八回に梅野の二ゴロで5-4と勝ち越した。しかし、守護神の岩崎が九回につかまった。無死一塁で、大田に左翼フェンス直撃の同点二塁打。なおも2死一、二塁。佐藤輝は、嶺井の右前への打球をつかむと、本塁に矢のような送球を投げたが...。二走・大田が、梅野のタッチをかいくぐって「セーフ」の判定。矢野監督はリクエストを要求したが、判定は覆らず、サヨナラ負けとなった。 本塁打の感触について問われた佐藤輝は無言。負けたことへの感想を求められても「いや、なにも覚えていないです」と多くは語らなかった。これまで負け試合でも報道陣に対応してきた男だけに、よほど悔しかったのだろう。激動の6月は終わった。チームは14勝8敗1分けも最後は3連敗締めとなった。佐藤輝は23試合で打率・270、2本塁打、19打点。数字は決して悪くはないが、周囲が期待していたのは一発だ。対照的に5番・大山が10本塁打、29打点と驚異的なペースでアーチを量産した。佐藤輝自身、「僕も(ホームランを)打ちたいですね」と物足りなさを感じていたのは事実だ。「久しぶりに(佐藤)輝らしい感じのバッティングができたと思うし、場面もね。相手のセットアッパー(エスコバー)からいいところで、いいホームランだった。これからもそういう場面でホームランを打てたら」。矢野監督は久しぶりに〝らしい〟一発を披露した4番に期待を膨らませた。この日の直接対決で3連敗を喫し、DeNAと入れ替わって5位に転落した。佐藤輝にとっても不完全燃焼の1カ月だったが、6月最後のゲームを一発締め。若き大砲は7月に向けて気持ちを新たにした。「頑張ります」1日からは名古屋に移動して中日との3連戦。月も替わった。反攻の7月。この悔しさを晴らす。(三木建次)

◆DeNAは30日、阪神13回戦(横浜)に6―5でサヨナラ勝ち。同一カード3連戦3連勝で4位に浮上した。「2番・右翼」で10試合ぶりに先発出場した大田泰示外野手(32)が、4―5の九回無死一塁で同点の二塁打。さらに嶺井博希捕手(31)の放った右前打で、二塁から間一髪のヘッドスライディングを見せ生還した。チームは3位と1・5ゲーム差。勢いを加速させ、1日から優勝へのマジック点灯が懸かるヤクルトとの3連戦に臨む。) 土煙を上げ、頭からホームベースに飛び込んだ。5―5の九回2死一、二塁。嶺井が放った一、二塁間を破る打球の行方に目もくれず、二走・大田は迷いなく三塁ベースを蹴った。間一髪タッチをかわすと、球審の両手が横に広がった。「セーフになって良かった。延長までいくと疲れちゃうので試合を決められて良かったです」相手のリクエストでリプレー検証に突入したが、再び審判の手が横に広がり、ベンチからナインが飛び出した。サヨナラ打を放った嶺井と〝神走塁〟を見せた大田は、熱帯夜の横浜で気持ち良さそうにウオーターシャワーを浴びた。日本ハムを自由契約となり、降り立った新天地。「横浜最高!!」。入団1年目の32歳は、お立ち台で絶叫した。4月27日の巨人戦(横浜)では一塁にヘッドスライディングした際に、左太もも前部を痛めて途中交代。三浦監督は、故障リスクのあるプレーに注意を促しながらも「そこは気持ちの部分。ベースにたどり着きたい、セーフになりたいという思いですから、禁止にはしない」と大田のプレーを全否定はしなかった。10試合ぶりに先発した試合。同じヘッドスライディングの形で〝伏線〟が回収された。タイミングはアウト。左脇腹をひねってタッチをかわし、左手でベースに触れた。「避けるしかないなと。長い腕を伸ばして頑張りました」。大田はぬれた髪をかき上げ、笑った。 4―5で迎えた九回の打席で、まず値千金の一打を放った。左前打で出た先頭の桑原が続き打席に立つと、ベンチからは「打て」のサイン。併殺打の不安もよぎったが「いくしかない」と左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、直後の生還につなげた。チームは3連勝で4位に浮上。3位・広島に1・5ゲーム差と迫った。2位以下では自力優勝の可能性を残すセ唯一のチームとして、1日からは勝てば優勝へのマジックナンバーが点灯するヤクルトと激突する。「もうやるしかない。移籍して1年目。チームに貢献して順位も一つでも上にいけるように頑張りたい」と大田。ガッツあふれる背番号0が、勝利への執念をみなぎらせた。(横山尚杜)◆DeNA・三浦監督 「執念が結果につながった。みんなが救われたと思います。(大田は)期待に応えてくれた」★嶺井が8年ぶりサヨナラ打 九回のマスクをかぶった嶺井が新人だった2014年以来8年ぶりにサヨナラ打を放った。九回2死一、二塁。打球は強くなかったが広がっていた一、二塁間を破った。「抜けてくれと願いながら走っていました。勝てて良かった」と笑顔。勝ちパターンのエスコバーと伊勢が失点し、一度は逆転を許しており「打つことで、その2人が報われればなと思った」と胸を張った。この日が出場49試合目。今季最も先発マスクが多い扇の要が救援陣も救った。■データBOX?DeNAのサヨナラ勝ちは4月20日の阪神戦(○1-0、十回にソトの本塁打)に次いで今季2度目。1シーズンに同一球団からサヨナラ勝ちを複数回記録したのは、2020年の広島戦(3度=6月21日など)以来2年ぶり。阪神戦は15年(5月22日=九回に井手正太郎の単打、7月3日=九回に石川雄洋の二塁打)以来7年ぶり。?嶺井のサヨナラ安打は14年6月21日の西武戦以来8年ぶり2度目。6-7の十回に逆転サヨナラの2点三塁打。これが嶺井のプロ初安打&初打点だった。

◆よし、相手のバットは〝冷えて〟いるぞ-と、試合前は、都合良く解釈していました。横浜スタジアムのトラ番キャップ長友孝輔からこんな連絡が入ったからです。「今、36度です。DeNAは外でバッティング練習をしていません」ホームチームの練習が始まった午後2時、横浜の気温は36・5度。暑さを考慮して、DeNAの選手たちは空調の効いた室内練習場で調整しています。その後、阪神が練習を始める午後4時には気温は34・5度まで下がりました。「阪神ナインも、アップは短めでした。試合前のシートノックもやめています」それでも、打撃練習をグラウンドで行った阪神の方が打つ。そう期待したのですが...。一回の攻撃は相手の方がホットでした。逆転したけれど追いつかれて、最後はサヨナラ負け。DeNAのバットは冷えていませんでした。「6月の月間MVPもなあ。前半は、大山が受賞間違いなしの勢いやったのに」ビヤ樽編集委員三木建次も、私と同じようにボヤいています。大山は今季18号2ランを放った21日の広島戦(マツダ)まで、6月は15試合で10本塁打と絶好調でした。しかし、そこから一発が出ていません。通算100号本塁打にリーチをかけてから足踏みしている間の7試合で、ヤクルト・村上が8本塁打と大爆発してしまいました。 大山も打っているんです。6月は23試合で打率・318、10本塁打、29打点。だけど村上が打率は4割超え、14本塁打、35打点。月間MVPを確実にしています。そして大山以上にブランクが長かったのが、佐藤輝です。こちらは、交流戦明けから本塁打が出ていませんでした。七回にようやく出ましたが、これがなんと12試合、55打席ぶりの一発。中野や近本が好調で、佐藤輝と大山もヒットは打っていたから目立っていなかったけれど実は...だったんです。「近本の連続試合安打の記録は続いているけど、この時期に、個人記録ばかりが話題になるのは寂しいよなあ」ビヤ樽のボヤキが止まりませんが、ツキが変わる7月1日からの中日戦に期待しよう。バンテリンドームなら、冷房が効いた中で練習するし。近本も、連続試合安打を「26」に更新しました。40年以上破られていない日本記録、高橋慶彦(1979年、当時広島)の33試合連続まであと「7」です。『記録は、破られるためにはない!!』慶彦さんは〝建前〟などは口にしない、真っすぐな性格です。33試合連続の記録についても、自身のYouTubeでそのタイトルをつけて「抜かれたくない」思いを口にしています。古巣・広島の後輩になった秋山(当時西武)が2015年に31試合で止まったときも「テレビで見ていた。『嶋(対戦相手の楽天の捕手)、ありがとう』って思った」と明かしています。その正直な人が、並ばれたらどんな反応をするのか、楽しみにしています。首位とのゲーム差はまた広がったけれど、このまま日程が進んでいけば、7試合先はヤクルト3連戦の初戦(7月8日、神宮)です。そのときには、個人記録とチームの勝ち負けを一緒に話題にできるようになっていてほしい。

◆ギャア~、ドカ~ン!! なに? どーした? アクセルとブレーキを踏み間違えた事故発生やんかー!! 1点リードで九回のマウンドに上がった岩崎が逆転サヨナラ打を浴び、わが虎は涙、涙の3連敗となったのだ。いや、決して岩崎を責めることはしません!だって、昨年42セーブのクローザー、スアレスが退団。その代役として獲得したケラーが開幕早々、ボコボコにやられたことによる繰り上げ的な『クローザー仮免許』のまま投げてきた。一度はこういう〝事故〟は起こると覚悟していたのだ。で、矢野さん、どーします? 連日の猛暑か、ここまでの疲れか、西勇、ガンケル、ウィルカーソンと3試合連続で先発投手がKOを食らったのも気になりますが、それ以上に抑えを岩崎で貫くのか?開幕直後とは別人の投球を見せるケラーの起用に出るか? 若さと勢いに懸けて湯浅に託すのか? はたまた、あっと驚く藤浪晋太郎の〝大バクチ〟に打って出るのか? 9月まで猛暑予報だから、大汗は覚悟しているけど、冷や汗ビッショリの投手起用はやめたって~!!

◆DeNAがサヨナラ勝利を収め、同一カード3連勝。チームは4位に浮上した。SNS上では来場したJリーグ横浜Mのマスコット・マリンが話題を呼び、「マリンちゃん」「マリンプロ」「勝利の女神」という関連ワードがトレンド入りした。今回の3連戦では今年創立30周年を迎えた横浜MとDeNAが行っているコラボイベント「I☆YOKOHAMA SERIES」が実施され、マリンやマリノスケら横浜Mのマスコットたちが来場。話題となったマリンは今年2月に登場した新マスコットで、登場以降ホーム開催のリーグ9戦で7勝2分と未だ無敗を誇っているのだ。野球でもその強運ぶりを発揮したことについて、DeNAファンはツイッター上で「幸運の女神 マリンちゃん 毎試合来てちょうだい!」「お立ち台にマリンちゃんも呼んで!」「マリノスさん、残りのハマスタでの試合全部マリノスケくんとマリンちゃんを呼んでいいですか?」と感謝やラブコールを送る声も。さらにマリノスサポーターからも「マリンプロ無敗記録更新してるのほんとすげえ(笑)」「マリノスだけでなくベイスターズにも効果あるとは笑」と驚きの声が上がっていた。そんなマリンは7月2日に東京・国立競技場で行われるJリーグ第19節の清水-横浜Mに来場することが発表されている。無敗神話が続くのか注目だ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
50231 0.685
(↑0.004)
-
(-)
69338
(+4)
253
(+2)
90
(+1)
52
(+1)
0.256
(↓0.001)
2.990
(↑0.04)
2
(-)
巨人
40380 0.513
(-)
12.5
(↓0.5)
65312
(-)
332
(-)
85
(-)
37
(-)
0.248
(-)
3.830
(-)
3
(-)
広島
35383 0.479
(↓0.007)
15
(↓1)
67282
(+2)
288
(+4)
37
(+1)
13
(-)
0.256
(↓0.001)
3.470
(↑0.05)
4
(1↑)
DeNA
32380 0.457
(↑0.008)
16.5
(-)
73248
(+6)
294
(+5)
53
(-)
25
(-)
0.250
(↑0.001
3.760
(↑0.01)
5
(1↓)
阪神
34412 0.453
(↓0.006)
17
(↓1)
66262
(+5)
236
(+6)
51
(+1)
60
(-)
0.239
(↑0.001
2.860
(↓0.04)
6
(-)
中日
31420 0.425
(-)
19
(↓0.5)
70216
(-)
292
(-)
38
(-)
24
(-)
0.248
(-)
3.840
(-)