DeNA(☆4対2★)阪神 =リーグ戦12回戦(2022.06.29)・横浜スタジアム=
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阪神
11000000021021
DeNA
20020000X4521
勝利投手:石田 健大(2勝1敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(0勝2敗15S))
敗戦投手:ガンケル(3勝5敗0S)

本塁打
【阪神】山本 泰寛(2号・2回表ソロ)
【DeNA】佐野 恵太(9号・1回裏2ラン)

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◆DeNAは1点を追う1回裏、佐野が2ランを放ち、逆転に成功する。その後同点とされるも、4回にソトと嶺井の犠飛で2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・石田が6回途中2失点と試合をつくり今季2勝目。敗れた阪神は、打線が相手を上回る10安打を放つも、好機を生かしきれなかった。

◆サッカーJ1横浜F・マリノスの仲川輝人(29)が、DeNA-阪神12回戦(横浜)でセレモニアルピッチを務めた。横浜のチームメートもバックネット裏から見守る中、打席に立った山崎を相手に、ワンバウンド投球を披露。スタンドから大きな拍手を浴び、山崎とがっちり握手した。仲川は「めちゃくちゃ緊張しました。マウンドは思った以上に高くて、力んでしまい、ワンバウンドになってしまったので反省してます...。今回のようなコラボでセレモニアルピッチをさせていただいたことは非常にうれしい経験だと感じているので、今後も両チームが一緒になった取り組みをしていければと思います!」とコメントした。今回の阪神3連戦は、「I☆YOKOHAMA SERIES」と題し、J1横浜とのコラボイベントが開催される。

◆また「ハマスタ右翼席最前列弾」が飛び出した。阪神山本泰寛内野手(28)が1点ビハインドの2回、左腕石田から右翼へ同点2号ソロを放った。山本は球団広報を通じ「打ったのはストレート。しっかり狙い球を絞って、積極的にスイングしていこうと思っていました。逆転された直後でしたし、まずは同点にできて良かったです」とコメントした。前日にはDeNAソトが決勝の6号ソロ。この日はDeNA佐野が初回に逆転2ランを放っていた。2試合で飛び出した3本塁打は、全て右翼席最前列へのもの。この日もレフトからライトへ強い「フォロー」の風が吹いており、右翼への飛球が試合を動かす1つの鍵になりそうだ。

◆阪神近本光司外野手(27)が、自己最長をさらに更新する25試合連続安打をマークし、球団歴代4位となる83年バースの記録に並んだ。他球団では68年王貞治(巨人)、67年土井正博(近鉄)、99年駒田徳広(横浜)ら、球界を代表するレジェンドにも並んだ。2-2で同点の3回1死一塁の第2打席。DeNA左腕石田の外角140キロを打ち返し、中前にポトリと落とした。会心の当たりではなかったが、チャンスを拡大させ一塁ベース上では笑顔。その後、今季14個目の盗塁を決めた。5月28日ロッテ戦(ZOZO)の第5打席で左前打を放ってから、快音は途切れない。全試合で3番を務める6月は、無安打の試合が1度もなし。「全然気にしていません」と記録は眼中にないが、淡々と着実に日々の1本を積み重ねている。連続試合安打のプロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33で、あと「8」に迫った。左打者最長は15年秋山翔吾(西武)の31試合。どこまで迫ることができるか。▼阪神近本が5月28日ロッテ戦から25試合連続安打。阪神の25試合以上連続安打はマートン(30試合=11年)桧山進次郎(28試合=01年)大豊泰昭(26試合=99年)に次ぎ、バース(25試合=83年)に並ぶ球団4位。プロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33試合。

◆阪神近本光司外野手(27)が、自己最長をさらに更新する25試合連続安打をマークし、球団歴代4位となる83年バースの記録に並んだ。他球団では68年王貞治(巨人)、67年土井正博(近鉄)、99年駒田徳広(横浜)ら、球界を代表するレジェンドにも並んだ。▼阪神近本が5月28日ロッテ戦から25試合連続安打。阪神の25試合以上連続安打はマートン(30試合=11年)桧山進次郎(28試合=01年)大豊泰昭(26試合=99年)に次ぎ、バース(25試合=83年)に並ぶ球団4位。プロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33試合。

◆西武、巨人、オリックスで通算525本塁打の清原和博氏(54)がカンテレの生中継で、4月20日以来の解説を務めた。「あの時はタイムリーも出ないネコ状態でしたが、ちゃんと虎になってきましたね」と、阪神のチーム状態のよさをネコと虎で例えた。6月はこの試合前時点で14勝6敗1分けと8個も貯金を作っている。「これはすごい逆襲ですよね」と驚いたように話した。午後7時に中継がスタートした時点では2-2の同点。「(関西地方向けの放送で)思い切り阪神びいきでいきたい。今日は安心して(試合を)見られる。バッター陣がすごく状態がよくなっている」と、佐藤輝明内野手(23)ら猛虎打線の爆発を楽しみにしていた。

◆阪神は先発のジョー・ガンケル投手(30)が4回4失点で降板した。1点先制直後の1回裏1死一塁で佐野に右翼へ逆転2ランを浴びた。この日は持ち前の制球力が影を潜め、高く浮く球も目立ち、相手につけいるスキを与えた。同点の4回は3連打を浴びて満塁のピンチを招き、ソトと嶺井に連続の中犠飛で2点を勝ち越された。「今日はすべての球種にキレがなかったよ。点を取られたあと、すぐに取り返してくれたから、何とか守り抜きたかったけど、打たれてしまって悔しいね。次回の登板までにしっかり修正していきたい」と猛省していた。

◆DeNAが無死満塁からの2者連続の初球犠飛で2点を奪った。同点の4回、先頭の4番牧、宮崎、大和の3者連続安打で好機を演出。7番ソトが初球を中犠飛で勝ち越し、8番嶺井も初球を中犠飛で追加点を挙げた。最大のチャンスである一方、得点を逃せば試合の流れが相手に傾く可能性のある無死満塁で、わずか2球で2点を奪い取った。ソトの一振りが、大きかった。アウトを取られれば、後ろの打者に重圧がかかるが、好球必打で中犠飛。二塁走者の宮崎も三塁に進塁し、嶺井の中犠飛で生還した。1点を先制された直後の1回には、佐野が逆転の9号2ラン。「自分のスイングを心掛け、打席に入りました。うまく風に乗ってくれて、良かったデスターシャ!」とベンチ前で本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を決めた。

◆DeNA楠本泰史外野手(26)が、代打で起用され、見逃し三振に倒れた。2点リードの7回2死で登場し、フルカウントから2球ファウルで粘った後、外角いっぱいの153キロの速球を見逃した。前日28日の同戦では、1回、3回と右翼の守備で失策を犯し、2点を追いかける3回2死二、三塁の場面で代打桑原を送られた。この日、練習前に楠本と会話した三浦監督は試合前取材で「今日から動きを見ていくしかないので。今日からの楠本の動きを見てもらえればなと思います」と説明。三振に終わったが、追い込まれてもボールに食らいつく姿を見せた。

◆阪神は「魔の水曜日」になってしまった。先発ガンケルが誤算だった。4回4失点で降板。2点を追う展開で打線も盛り返せない。3、6、7、8回は得点圏に走者を置いたが、得点できず。特に同点だった3回は1死一、三塁から佐藤輝が遊飛、大山が一邪飛に倒れ、中軸が振るわなかった。DeNAに3連敗で、今季の水曜日は3勝にとどまり、10敗目は曜日別のワーストだ。

◆DeNAが、継投で逃げ切って、4位の阪神に連勝し、0・5ゲーム差に迫った。1点を先制された直後の1回、キャプテン佐野が逆転の9号2ラン。2回に同点に追いつかれたが、4回無死満塁から、ソト、嶺井の連続犠飛で2点を勝ち越した。先発石田は、6回途中2失点の粘りの投球で、今季初先発だった3月30日の中日戦以来となる今季2勝目を挙げた。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、得意の横浜での連敗に悔しさをあらわにした。 連日の逆転負け。試合後に「カーッ、クッソー! 悔しいです! ...って感じです」と心境を吐露した。初回2死二塁では、左腕石田に追い込まれてから内角143キロ直球を右前にはじき返し、先制のタイムリー。直後に二盗を決め、プロ1年目の昨季に並ぶ6盗塁。送球が乱れる間に三塁まで陥れた。幸先のいいスタートを切っていただけに、悔しさも増したはずだ。「もっともっと打点挙げていきたいなと。頑張ります!」と気丈に振る舞った。

◆DeNA佐野恵太外野手が一時逆転の9号2ランを放ち、試合の流れをたぐり寄せた。1点を先制された直後の1回1死一塁、阪神ガンケルのファーストストライクを右翼席に運んだ。「うまく風に乗ってくれて、良かったデスターシャ!」とベンチ前で本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を決めた。打率3割2分1厘でヤクルト村上と1厘差でリーグトップをキープした。

◆阪神は打線が振るわず、DeNAに連敗した。再三のチャンスを逃した。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-ガンケルはいつもの感じではなかったちょっとね、調子は良くなかったんで。ゴロを打たすピッチャーだと思うんだけど、コントロールが甘かったし、ゴロ打たすことがちょっとできにくかったかなという感じやった。-本人も全体的にキレがなかったと言っていたみんな疲れが出る頃というのはもちろん、暑くもなってくるし、状態がずっといいというのはなかなか難しいけど。そこをなんとかしていくっていうのが、コントロールなり、丁寧に丁寧にというところが、まあ、ほしいなと思うけど。-先発陣が青柳、伊藤将以外、6回まで持たないことが続いている理想的には先発が長く行ってくれるに越したことはないけど、ピッチャー9人も入れているし、まずは5回をしっかり投げてくれたらいいなと思うけど。理想を言えばそうなっちゃうけど。-リリーフが今日みたいに試合をつくる側面があるあのままでは流れが変わりにくそうな感じやったし、流れを変えるというところでは、代えて代打で、というところがチャンスがあるのかなと。-3回の攻撃、佐藤輝が初球、しっかり振れる球を振っていったそりゃ、みんなそう思うよ。輝もそういうバッターになっていかなあかんしさ、簡単なものじゃないっていうのはもちろんあるし、一方で輝はそこで(走者を)かえすバッティング、相手はかえさないようにどういうピッチングをしてくるか考えるわけだから、そこは輝自身もやっていかないとダメだと思うんで、両方あるけどね。俺も監督になって横で見てたら簡単なんだけど、打席に入ったら考えながらやらないと、すべてがそれとはいいにくい。-近本が3番でいい形になってるだけにかえすところよね。今日も10本ヒット打って、向こうは5本で4点っていうのは効率的にね、そこでしっかりかえすというのができてないかなっていうのがあるけど、流れとかがどうしてもあるんで。踏ん張るしかないよね。-流れもあるが、長坂のけん制死だったりでリズムが悪くなったそれは絶対あると思うよ。気を抜いたってことはないと思うけど、結果的にああなってしまったら、そう見られてしまうし、現状少ないチャンスからもぎ取っていかなきゃいけない選手としては寂しいプレーだなと。-明日も切り替えていいところもあるし、足も絡められてるし、島田なんかも左から打ったりとかそういういい部分もある。でも勝てないというのは、ね、いつも言うけど、いろいろな原因があるわけやし、エラーも含めて。それが仕方がないってことだけでは済ませないようしていかないと。改善して成長していけるように。

◆DeNAが阪神に連勝し、首位を独走するヤクルトの6月中のマジック点灯を阻止した。10安打の阪神を下回る5安打で4得点を挙げ、リリーフ陣がリードを守って、守護神山崎が15セーブ目で締めた。この日、ヤクルトに連敗した広島の自力優勝が消滅。残るはDeNAのみの現状に、三浦監督は「自力優勝どうこうってよりも、まだまだ借金が減ってないんでね、1個ずつ減らしていくということは変わらずです。そこを目標にね、減らすしかないんで、やっていくしかないんでそこからです」と話した。▼マジックメモ 広島の自力Vが消滅。セ・リーグでヤクルト以外に自力Vの可能性を残すのは、DeNAだけとなった。DeNAが阪神に勝ったため、ヤクルトの優勝マジック点灯は最短7月1日に延びた。史上初となる6月中のマジック点灯はならなかったが、2リーグ制後の最短M点灯日(65年南海の7月6日)を更新する可能性を残す。1日の点灯条件はヤクルトが30日広島戦、1日DeNA戦に○○か△○で無条件。DeNAの30日阪神戦の結果によっては別の条件も発生する。

◆阪神山本泰寛内野手(28)が気を吐いた。7番二塁で先発。逆転された直後の2回に1死から左腕石田の速球を強振した。打球は右翼席最前列へ。今季2号の同点ソロに「しっかり狙い球を絞って積極的にスイングしていこうと思っていました」と振り返った。24日の中日戦以来のスタメンで仕事を果たした。試合中は「逆転された直後でしたし、まずは同点にできてよかった」とコメント。4月30日に古巣巨人を相手に放って以来のアーチ。左腕を打ち砕き、存在感を示した。シーズン2発は巨人時代の19年以来だった。堅守巧打のリードオフマンタイプとして欠かせない存在になっている。5月には自打球による右目付近の負傷で離脱したが、同下旬に1軍復帰。堅実で覇気あふれるプレーでもり立ててきた。敗戦のなか、東京出身のシティーボーイが、「隣町」の横浜で躍動した。

◆虎のレジェンド助っ人に並んだ! 阪神近本光司外野手(27)が、自己最長をさらに更新する25試合連続安打をマークした。これで球団歴代4位の83年ランディ・バースの記録に肩を並べた。「狙いとか状況とかいろいろ考えた上で、まあ打つボールではなかったとは思っているんですけど...」。2-2の同点の3回1死一塁。DeNA左腕石田の甘く入った初球、134キロを強振。詰まりながらも中前へ落ちるポテンヒットとなった。その後2死一、三塁から大山の打席の初球に二盗に成功。盗塁数を「14」まで伸ばした。ヒットも盗塁も、すべては「勝利」のため。個人記録は意に介さない。盗塁へのこだわりを問われた近本は「いや~全然(ない)。勝てばいい。試合のためにやっているだけなので。盗塁のためとか数のためとか試合のためとかは全然考えてない。ただ勝つために打ちますし、勝つために走る。ただそれだけだと思います」と言い切った。くしくもバースと同じ「3番」として、打線をもり立てている。6月は全試合で3番に座り、最下位脱出と交流戦2位の快進撃へ導いた。22日からは1番中野、2番島田の打順が固定され、2人が盗塁を量産。足を絡めた攻撃が機能しているが、近本が2人に「気を使うな」と伝えているという。後輩に伸び伸びプレーさせていることが、相乗効果を生み出している。5月28日ロッテ戦(ZOZOマリン)から積み重ねてきた連続安打は、他球団では68年王貞治(巨人)、67年土井正博(近鉄)、99年駒田徳広(横浜)ら球界を代表するレジェンドにも並んだ。連続試合安打のプロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の「33」で、あと8試合。左打者最長は15年秋山翔吾(西武)の「31」。球団記録の11年マット・マートンの「30」が、いよいよ視界に入った。【古財稜明】

◆阪神島田海吏外野手(26)が今季3度目の猛打賞をマークした。先発石田から2安打、7回には2死走者なしから剛腕エスコバー相手にセーフティーバントを決めた。3安打はすべて左腕から。試合前までは対左腕は打率1割(30打数3安打)と結果が出ていなかった。「きっかけは少しずつ、つかみつつある。満足せずに、明日(30日)も左。いろんなタイプの左腕から成績を残せるように準備したい」と左腕東攻略へ意気込んだ。7回には今季10個目の盗塁となる二盗を決めた。近本が3番に入った6月1日西武戦から上位打線に定着し、10個のうち9個を6月に決めた。相手投手の動画やデータを頭にたたき込み「自分の感覚でスタートを切れる根拠をしっかり見つけて、思い切ったスタートが切れていることが成功につながっている」と、自信を持って仕掛けている。今月は失敗0、成功率100%だ。

◆阪神が5位DeNAに痛恨の連敗を喫した。4番佐藤輝明内野手(23)は初回に先制打を放ったが、3回に好機で凡退。「カーッ、クッソー! 悔しいです」と感情をあらわにした。これで今季最長タイとなる51打席ノーアーチ。昨季は場外弾を放った横浜スタジアムで、豪快なアーチが見たい。とにかく勝利を欲していた。連夜の逆転負けを喫した直後だ。佐藤輝は報道陣を前に言葉を並べ始めると、ふつふつと沸き上がる悔しさを抑えられなかった。「カーッ、クッソー! 悔しいです、...って感じです」声が裏返る場面もあった。連敗の責任を感じ、ありのままの言葉が口を突いた。10安打を浴びせながら2得点とたたみかけられず、自身は今季最長タイの51打席連続ノーアーチ。この日も左翼から右翼へ強烈な「フォロー」の風が吹く中、チームの風向きを変えられなかった。2日連続で主導権は握っていた。初回2死二塁。左腕石田の内角143キロを右前にはじき返した。「ランナーをかえせるように頑張りました」と気合の先制適時打。2試合連続で打点を挙げた直後に二盗を決め、プロ1年目の昨季に並ぶ6盗塁。送球が乱れる間に三塁まで陥れた。イケイケの立ち上がりだったからこそ、歯がゆさは残る。「そうっすね...、はい...、出したかったッス」。声のトーンを上げ反省したのは、2-2で同点の3回。1死一、三塁で初球からバットを出したが力ない遊飛に倒れた。「輝もそういうバッターになっていかなあかんしさ。そこで(ランナーを)かえすバッティング。相手はかえさないように考えるわけだから、輝自身もやっていかないとダメ。打席に入ったら考えながらやらないと」。簡単にアウトを献上し、勝負強さに欠けた主砲に矢野監督も手厳しかった。横浜スタジアムでは4試合連続安打で、今季打率4割5分8厘。得意舞台であと1本が出ない。「もっともっと打点挙げていきたいなと。頑張ります」。最後は前を向き、帰りのバスへと向かった。首位ヤクルトには今季最大の16ゲーム差。30日DeNA戦を落とすと、5位に転落する危機だ。昨季場外弾を放った球場で、チームを救う豪快アーチを打ってくれ。【中野椋】▼佐藤輝の51打席本塁打なしは今季最長タイ。6月17日DeNA戦第1打席からアーチがない。今季では4月29日巨人戦第3打席~5月15日DeNA戦第1打席、5月31日西武戦第1打席~6月12日オリックス戦第4打席に並んだ。なおプロ最長は91打席で、21年8月20日中日戦第1打席~10月23日広島戦第3打席に記録。○...大山が6月ラストゲームで球団記録に臨む。通算100本塁打に王手をかけ、田淵幸一、真弓明信が持つ球団日本人選手の月間11本塁打まであと1。さらに今岡誠の月間33打点の球団記録まで4としている。この日は8回に左翼線へ二塁打を放ったが、チームは敗れ、自身も3回の好機で一邪飛と悔しさが残る。今季は横浜で打率1割2分5厘、0本塁打と苦しむが、本来の姿を取り戻せばダブル達成もある。○...長坂が痛恨の凡ミスを犯した。2回に山本の2号ソロで同点に追いついた直後、右前打で出塁。9番ガンケルの打席で、DeNA石田の一塁けん制に、立ったまま帰塁し、タッチアウト。攻撃のリズムが途切れた。矢野監督は「気を抜いたことはないと思うけど、結果的に、そう見られてしまう。寂しいプレー」と厳しかった。4回4失点のガンケルとともに5回の守りから交代となった。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)は細かい制球を欠き、4回4失点で降板した。1点先制直後の1回裏1死一塁。佐野に浮いた直球を打たれ、逆転2ランを右翼に被弾した。同点の4回は3連打を浴びて満塁のピンチを背負い、犠飛2本で2点を失った。今季5敗目に「今日はすべての球種にキレがなかったよ」と猛省した。夏場に入り、調整は難しくなる。矢野監督も「調子は良くなかった。みんな疲れが出るころ。暑くなり、状態がずっといいのは難しいけど、なんとかしていく制球なり、丁寧にというのがほしい」と話した。6月15日に第1子の長女が生まれてから2度目の先発も、「パパ1勝」はお預けとなった。○...ケラーが1回3人斬りと好投した。7回に4番手で登板。ソトを外角低めのカーブで空振り三振。嶺井を152キロ直球で三ゴロに料理し、最後は代打楠本を外角いっぱいの153キロ直球で見逃し三振に仕留めた。5試合連続無失点とした助っ人右腕は「ここ数試合しっかり投げることができているね」。奪三振率は18・00まで上昇。「三振率が高くなってきていることはいいことだから、引き続きやっていけたらいいね」と手応え十分だ。

◆DeNAが、10安打の阪神に5安打で守り勝っての連勝で、首位ヤクルトの6月中のマジック点灯を阻止した。先発石田健大投手が6回途中2失点と粘りの投球。5回以降は打線が無安打の中、6回1死一、二塁のピンチはクリスキーが断ち、7回からはエスコバー→伊勢→山崎の「勝利の方程式」で守った。三浦監督は「リリーフ陣が踏ん張ってくれたし、中盤以降はしっかり守れた」と評価した。石田は8安打を浴びながら、3回以降は要所を締めた。4回に初の3者凡退で流れを引き寄せ、その裏のソト、嶺井の連続犠飛を呼び込んだ。4月中旬に新型コロナに感染。1軍復帰後、4試合目で3月30日中日戦以来の2勝目を挙げた。お立ち台に上がり「コロナにかかって、苦しい時期もありましたけど、こういう光景を見るとすごく元気になる」とかみしめた。これで4位阪神に0・5差に迫るとともに、自力優勝の可能性を残すのはDeNAのみとなった。それでも、三浦監督は「自力優勝どうこうってよりも、借金が減ってないんで、1個ずつ減らしていくということは変わらずです」とコメント。7月1日からは敵地でヤクルト3連戦。直接対決で2リーグ制後最短のマジック点灯を阻止する。【久保賢吾】

◆DeNAが、阪神に競り勝ち、観戦に訪れたサッカーJ1横浜F・マリノスの選手たちに勝利を届けた。今回の阪神3連戦は、「I☆YOKOHAMA SERIES」と題し、J1横浜とのコラボイベントを開催。この日のセレモニアルピッチには仲川輝人(29)が登場した。今季初のお立ち台に上がった守護神山崎は「今日はマリノスの選手が横浜スタジアムに駆けつけてくれて、最後まで応援してくれたので、いいところを見せられてよかったなと思います」と笑顔で話した。三浦大輔監督(48)は「喜んでいる姿も飛び込んできましたし、同じプロチームとして、一緒に盛り上げていきたいと思います」と共闘を呼びかけた。

◆150キロには満たない。それでも、セ首位打者が振り遅れるほどの直球に目を奪われた。29日のDeNA戦(横浜)。8回から登板した阪神石井大智投手(24)が、2死フルカウントから佐野に投じた148キロ直球のことだ。「150キロ、あんまり超えてないですよね?」。2月の沖縄・宜野座キャンプ。実戦を重ねていた石井に、そう問いかけたことがある。1年前、ルーキーイヤーで1軍キャンプに抜てきされた時は、紅白戦から150キロ超を連発。そのイメージがあったから、調整期間とはいえ140キロ台半ばにとどまっていた直球が気になった。「今はもう、球速は求めてないんです。理想は秋山さんや岩崎さん。分かっていても、打者が差し込まれるようなストレートです」答えは明確だった。スピードより質。プロで長く生き抜いてきた先輩たちを近くで見てきたからこそ、思考を切り替えられていた。チーム屈指の筋トレ好き。鍛え上げた肉体の成果を反映させるのは、いつしかスピードガンではなくなっていた。佐野の直前には、前日に代打で同点2点打を放っている桑原を空振り三振に仕留めていた。捕手梅野に高めの「つり球」を要求され、そこに146キロを投げ込んだ。佐野には低めから伸びてくるような直球。いずれも150キロは超えていない。圧倒されたような打者の反応で、数字以上の威力があることが分かった。前夜に1回1/3を無失点。イニングまたぎの翌日の登板で対したのは、1番から始まる好打順だった。当たり前のように3者凡退でゼロを並べたが、簡単ではないシチュエーションだったはずだ。これで12試合連続無失点。防御率は1・08まで下がった。場面問わず仕事を果たす男の存在感は、日に日に高まっている。【阪神担当 中野椋】

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神・大山悠輔内野手(27)が「5番・一塁」で先発する。今季はここまで打率・260、18本塁打、56打点。6月は月間10本塁打を放ち、通算100号に王手をかけている。21日の広島戦(マツダ)で通算99号を放ってからから6試合連続ノーアーチだが、節目の一発でチームを勝利に導く。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が右前適時打を放った。一回先頭の中野が左前打を放つと、島田は二ゴロ。併殺かと思われたが、中野が二塁手・牧と交錯し、走塁妨害で1死二塁とした。好調の近本は空振り三振で2死二塁。4番・佐藤輝が打席へと向かった。カウント2-2から5球目、石田の143㌔をとらえると、痛烈な打球が右前へ。二走・中野がヘッドスライディングで先制のホームに生還した。4番の一打で幸先よく先制した阪神だったが、直後の一回。先発のガンケルが1死一塁から佐野に逆転の9号2ランを被弾。一気に試合をひっくり返された。

◆阪神・山本泰寛内野手(28)が同点の2号ソロを放った。「しっかり狙い球を絞って、積極的にスイングしていこうと思っていました。逆転された直後でしたし、まずは同点にできて良かったです」1-2の二回1死。カウント0-1から石田の144㌔の直球を振り抜いた。打球は〝ハマ風〟に押され、右翼スタンド最前列に着弾。4月30日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発で試合を振り出しに戻した。) 山本は24日の中日戦(甲子園)以来、4試合ぶりのスタメン起用。チームとしては、佐藤輝&大山以外の選手が放ったホームランは、5月18日のヤクルト戦(神宮)で西純がマークして以来となった。

◆DeNA・佐野恵太外野手(27)が第1打席で自身5試合ぶりとなる9号2ランを放った。1点を先制された直後の一回の攻撃で1死から桑原が死球で出塁すると、3番の佐野はガンケルの143キロを右翼席に運ぶ逆転弾とした。佐野は打率・322で首位打者(28日時点)に立っており、2位はヤクルト・村上の・315(同)。村上は本塁打と打点の2冠を走っており、佐野が村上の打撃部門三冠を阻止している状況だ。

◆阪神・近本光司外野手(27)が三回の第2打席で中前打を放ち、自己最長をさらに更新する「25」試合連続安打とした。三回1死一塁で打席へ。石田が投じた初球にバットを合わせた。フラフラッと舞い上がった打球は中堅手・桑原の前にポトリと落ちるヒット。球団では1983年のバースと並び、歴代4位の25試合連続安打となった。

◆阪神の先発、ジョー・ガンケル投手(30)は4回4失点で降板となった。1-0と先制点をもらった一回。1死一塁から佐野に2ランを浴び、いきなり逆転を許す。二回、三回と無失点でしのいだ右腕だったが、2-2の四回。3連打で無死満塁のピンチを背負うと、ソトに中犠飛を浴びて勝ち越し点を献上。なおも1死一、三塁から嶺井にも中犠飛を許した。ガンケルは五回の打席で代打を送られ降板。悔しさの残る投球となった。

◆阪神はDeNAに逆転負け。一回に佐藤輝の右前適時打で先制するも、直後に先発のガンケルが佐野に2ランを被弾。あっという間に逆転された。それでも二回に4試合ぶりにスタメン起用された山本が2号ソロを放って同点。試合を振り出しに戻したが、四回にガンケルが3連打で無死満塁のピンチを背負うと、2本の中犠飛で勝ち越された。打線は六回、七回、八回といずれも得点圏まで走者を進めたがあと一本が出ず。先発野手全員安打で10安打を浴びせながら、わずか2得点しか奪えなかった。連敗を喫し、5位・DeNAに0・5ゲーム差に迫られた。

◆目の覚めるような打球が右前で弾んだ。ハマスタ大好き男、阪神・佐藤輝が一回、口火を切る先制打。前日の逆転負けのうっぷんを晴らす一振りでチームを鼓舞した。「先制することができてよかった」一回、先頭の中野が三塁線を破る安打。続く島田の二ゴロで併殺か、と思われたが、一走・中野が牧と交錯して走塁妨害となり、1死二塁に。近本は空振り三振に倒れたが、相手のミスからもらったチャンスを逃さなかった。2死二塁。2-2からの5球目。DeNAの先発左腕・石田の143キロの直球を一閃。中野はヘッドスライディングで生還した。試合前の時点で横浜スタジアムの6試合で打率・476(21打数10安打)、3本塁打、5打点。この一打で驚異の打率5割だ。伏兵が続いた。直後の一回、ガンケルが佐野に2ランを浴びた直後の二回だ。4試合ぶりにスタメン出場した山本が右翼ポール際に同点の2号ソロ。4月30日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発に「しっかりと狙い球を絞って積極的にスイングをしていこうと。逆転された直後、同点にできてよかった」と笑顔。2-2の三回には近本が、伝説の助っ人、バースに並ぶ球団歴代4位の25試合連続安打となる一打でチャンスを拡大した。1死一塁で虎党に大きな拍手を受けて打席へ。近本は中前にポトリと落ちる安打で一、三塁としたが、期待の佐藤輝、大山が打ち取られて無得点に。中日に甲子園で3連勝。最大16あった借金を「4」まで減らした。26日の3戦目は終盤に追いつき、延長十一回サヨナラ勝ち。矢野監督は「超積極的、全員一丸、ピンチはチャンス。本当に諦めない野球が(勝利に)今日につながった。それが僕たちの野球。火曜日からもしっかりやっていきたい」と意気込んでいた。初戦を落とした。まずは勝率5割へ。DeNAに取りこぼすわけにはいかない。だが、先発したガンケルが4回4失点で降板。2-4の六回1死一、二塁の好機で得点できず。一回、佐藤輝が火をつけた打線は尻すぼみとなった。

◆DeNAが競り勝ち、2連勝。一回に佐野の2ランで逆転。二回に追い付かれたが、四回にソトと嶺井の連続犠飛で2点を勝ち越した。石田は六回途中2失点で2勝目(1敗)を挙げた。横浜スタジアムのバックスクリーン上部に掲げられた球団旗は、右翼方面へ大きくはためいていた。DeNA・佐野の放った飛球は、その〝恩恵〟を受けた。「自分のスイングを心掛けて打席に入りました。うまく風に乗ってくれてよかったデスターシャ!」一回に1点を先制された直後の攻撃で、1死二塁で打席へ。ガンケルの143キロの直球をとらえると打球は右翼フェンスをギリギリ越えた。自身5試合ぶりの一発となる9号2ラン。人気兄弟ユーチューバー、サワヤンのおなじみコメントで喜びを表現した。二回に同点に追いつかれたが四回に牧、宮崎、大和の3連打で無死満塁の好機を作ると、ソト、嶺井が連続犠飛を放ち2点を勝ち越した。先発、石田は、新型コロナウイルス感染からの復帰後は3試合で勝ち星がなく、もっとも長く投げても5回?だった。この日は走者を背負いながらも五回を投げ終えて77球。余力のある状態で六回を迎えたが、先頭打者への四球でリズムを崩し、1死一、二塁とピンチを広げたところでマウンドを降りた。それでも投手陣は石田からマウンドを引き継いだクリスキー、エスコバー、伊勢、抑えの山崎が無失点リレーでリードを守り切り2連勝。石田は3月30日の中日戦以来となる2勝目を挙げた。5位のDeNAは4位・阪神に連勝で0・5差に迫った。

◆2016年入団のDeNA・石田健大投手、山崎康晃投手がそろってお立ち台に上がった。六回途中を2失点で、3月30日以来となる2勝目を挙げた石田は、新型コロナウイルス感染による離脱もあり、復帰後も3試合で勝ち星がなかった。それだけに「コロナにかかってしまって、すごい苦しい時期もありましたけど、こういう光景をみると、すごく元気になりますし、また次も勝てるように、しっかり調整してがんばります」と笑顔をみせた。2点リードの九回を三者凡退で締めくくった山崎は石田の白星を死守した。「長い間、本当に苦しい思いをしていましたし、健大の投げている姿をみて、きょうは一生懸命投げないといけないと(捕手の)嶺井さんと話していた」とニッコリ。自身も今季初のお立ち台となり「ここ2年、本当に悔しい時期を送ったんですけど、またこうして、こういう景色をみられて、またクローザーに戻れて本当によかったと思っています」と喜びに浸り、大きな拍手を浴びていた。

◆阪神は一回、佐藤輝明内野手(23)の右前打で先制したものの、ジョー・ガンケル投手(30)が4回4失点で降板し、打線も好機を生かせず、連夜の逆転負けを喫した。近本光司外野手(27)は三回の中前打で5月28日のロッテ戦(ゾゾマリン)からの連続試合安打を「25」とし、83年のバースに並ぶ球団歴代4位に浮上した。チームはカード負け越しで、5位DeNAとは0・5差。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績34勝40敗2分、観衆2万4210人)。ーーガンケルはいつもの感じではなかった「ちょっとね、調子は良くなかったんで。ゴロを打たすピッチャーだと思うんだけど、コントロールが甘かったし、ゴロ打たすところもね、ちょっとできにくかったかなという感じやった」ーー本人も全体的にキレがなかったと言っていた「みんな疲れが出る頃というのはもちろん、暑くもなってくるし、状態がずっといいというのは難しいけど、そこを何とかしていくのが、コントロールなり、丁寧に丁寧にというところが、まあ、ほしいなと思うけど」ーー先発陣が青柳、伊藤将以外、六回まで持たないことが続いている「理想的には先発が長く行ってくれるに越したことはないけど、ピッチャー9人も入れているし、まずは五回をしっかり投げてくれたらいいなと思うけど。理想を言えばそうなっちゃうけど」ーーリリーフが試合をつくる側面がある「あのままでは流れが変わりにくそうな感じやったし、変えるというところでは、代打で、というところがチャンスがあるのかなと」) ーー三回の攻撃、佐藤輝は初球しっかり振れる球を振って(三回1死一、三塁で遊飛)「そりゃ、みんなそう思うよ。輝もそういうバッターになっていかなアカンしさ、簡単なものじゃないのは、もちろんあるし、一方で輝はそこでかえすバッティング、相手は返さないようにどういうピッチングをしてくるか考えるわけだから、そこは輝自身もやっていかないとダメだと思うんで、両方あるけどね。俺も監督になって横で見てたら簡単なんだけど、打席に入ったら考えながらやらないと、全てがそれとはいいにくい」ーー近本が3番でいい形になっているだけに「かえすところよね。今日も10本ヒット打って、向こうは5本で4点っていうのは、効率的にね。しっかりかえすのが、できてないかなっていうのがあるけど、流れとかがどうしてもあるんで。踏ん張るしかないよね」) ーー流れもあるが、長坂の牽制死だったりでリズムが悪くなった(二回1死一塁で投手からの牽制死)「それは絶対あると思うよ。気を抜いたことはないと思うけど、結果的にああなってしまったらそう見られてしまうし、現状少ないチャンスからもぎ取って行かなきゃいけない選手としては寂しいプレーだなと」ーー30日も切り替えて「いいところもあるし、足も絡められてるし、島田なんかも左から打ったりとか、いい部分もある。でも勝てないというのは、ね。いつも言うけど、色々な原因があるわけやし、エラーも含めて。それが仕方がないってことだけでは済ませないようして行かないと。改善して成長していけるように」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(74)は4回4失点で降板したジョー・ガンケル投手(30)に言及。28日に5回?を投げて6失点だった西勇に続く先発陣の乱調に警鐘を鳴らした。24日からの中日、DeNA、中日と続く9試合は一気に借金を返済するチャンスだと勝手に思い描いていた。中日は今、調子を落としているし、DeNAもハマスタが舞台なら、阪神は圧倒的な相性の良さを誇ってきた。いきなり中日に3連勝できたので「さあ、この勢いで」と楽しみにしていたら、DeNAに連敗。上位を狙いたい阪神にとっては、かなり痛い。気になる点は2つ。まずは先発陣だ。先発・ガンケルの投球内容を見ると、かなり不安だ。ストライク先行で追い込んで、低めの球でゴロに打ち取る投球パターンの投手だが、球のキレが悪すぎる。球が上ずってヒットゾーンに投げて痛打されていた。前回登板(22日のマツダでの広島戦で5回3失点。勝敗付かず)も内容が悪かっただけに、ベンチも心配だろう。ガンケルだけが不調なら、心配の度合いは大したことがないのだが28日先発の西勇も2試合連続で打ち込まれてしまった。さらに若い西純も結果を残せない投球が重なって、とうとう2軍での再調整に。開幕から黒星先行で苦しんできた阪神ではあるが、先発陣だけはずっと好調を維持してきた。前述の3人に加えて青柳、伊藤将、ウィルカーソンの6人で組むローテは12球団でもトップクラスの布陣で、ほぼ盤石だった。ところが、ここにきて3人が不調。フルシーズン好調を維持する投手などいないので、やむを得ないことだが、一気に3人の不振は、心配度でいえばMAXに近い。気になるもう1点は攻撃の軸となる佐藤輝、大山。振り返ってみれば、6月に一気に浮上できたのはこの2人の一発を含めた長打だ。打つべき人の一発が、チームを活気づけてきた。そして佐藤輝、大山が最も相性がいいのが、ハマスタ。ということで周囲も一発を期待したし、おそらく本人たちも〝その気〟になったはずだ。が、この2試合で一発は生まれていない。投手目線で言わせてもらえれば「打ってやろう」の気持ちが、微妙に力みを生んでいる気がする。ほんの少しの狂いが生じているように思える。決して油断はしていないが、力みから甘い球を打ち損じていた。投打に不安材料が浮き彫りになってDeNA戦まさかの連敗。踏ん張りどころ、正念場と言っていいだろう。

◆DeNAは29日、阪神12回戦(横浜)に4-2で競り勝ち、2連勝した。先発の石田健大投手(29)が5回?を8安打2失点で、3月30日の中日戦以来の白星となる2勝目を手にした。2点リードの九回は守護神の山崎康晃投手(29)が三者凡退で締めくくり、15セーブ目をマーク。2015年の同期入団コンビが、ともに今季初めて本拠地のお立ち台に上がり、万感の表情を浮かべた。) まとわりつくような熱風すら心地良かった。2015年ドラフト2位の石田(法大)が、同1位の山崎(亜大)と一緒に上がったお立ち台で絶景をかみしめた。「苦しい時期もありましたけど、こういう光景をみると、すごく元気になります」先発の石田は一回に先制され、味方が逆転した直後の二回にも同点弾を浴びたが、そこから耐えた。走者を背負うも致命打は避ける粘りの投球。8安打を浴びたが六回途中まで投げ、救援陣の無失点リレーにも助けられて3月30日の中日戦(バンテリンドーム)以来の2勝目を挙げた。 チームは4月上旬から新型コロナウイルス感染者が続出。石田も17日に感染が判明。6月5日の楽天戦まで復帰へ日数を要した。「隔離される側もきついけど、その状況で試合をするのもすごくきつい。戦ってくれている選手がいたから、勝ち星は積み重なった」。仲間のありがたみを痛感したからこそ、復帰後3試合は結果が出なかったが下を向かずに全力で腕を振り続けた。2点リードの九回を任された山崎は「本当に苦しい思いをしていましたし、健大(石田)の投げている姿を見て、一生懸命投げないといけないと(捕手の)嶺井さんと話した」とギアを上げて三者凡退。好救援で同期左腕に勝利を届けた。「こうして、こういう景色を見ることができて、またクローザーに戻れてよかったなと思っています」。山崎自身もまた20、21年と結果を残せず、2軍落ちや配置転換を経験。石田とそろっての今季初のお立ち台で万感の思いに浸った。照明が落とされ、ファンが掲げるライトが揺れるスタンドを2人は見渡した。「すごくいい球場だなと改めて思いました。もっといい投球をして、信頼を勝ち取らないといけない」。石田が決意を語った。チームは5位だが、2位・巨人まで4・5ゲーム差と2位以下は混戦模様だ。サッカーの横浜Mとの合同企画で2戦2勝。上昇へと流れが変わる予感が漂ってきた。(湯浅大)

◆輝に激熱エール! 西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放った清原和博氏(54)が29日、カンテレの解説者としてDeNA-阪神を観戦。11試合連続ノーアーチとなった阪神・佐藤輝明内野手(23)を「走攻守、そろったメジャー級の選手」と絶賛しつつ「もうちょっと荒々しくいってほしい」と注文した。自分のデビュー当時を思い出していた。最高気温27度。ハマスタの放送ブースもうだるような暑さだったはずだ。清原氏が熱いまなざしを向けたのは、やはり佐藤輝。虎の4番に座るスラッガーに新たな注文をつけた。「今年はバッティングが安定しているが、自分としては、もうちょっと荒々しくいってほしい」入団2年目の佐藤輝は確率を高めるべく打撃フォームを微調整し、パワーよりもテクニックが目立つようになった。一回、2死二塁。左腕、石田の投じた初球。143キロ直球を振りぬくと、強烈なライナーで右前へ。2試合連続打点となる先制打で口火をきったが、清原氏が〝らしくない〟と指摘したのは2-2の三回、1死一、三塁で迎えた次の打席だった。「ソフトバンクの柳田みたいに、崩されようが何していようがホームランにするようなパワーが佐藤選手にはある」そんな思いとは裏腹に初球の外角低めの直球をバットに当てにいっての遊飛。空振りを恐れて、フルスイングをしないと映ったのだろう。続く大山も凡退。ここで1点でも入っていれば、試合展開は変わったはずだ。「そうっすね。はい。(もう一本)出したかったッス!」と佐藤輝は唇をかんだ。一回の適時打の後に今季6個目となる盗塁を決め、捕手の悪送球で三塁にヘッドスライディング。「はい...カーッ、クッソー! 悔しいです」。好走塁よりも三回の好機で中途半端なスイングをして打ち取られたことを悔やんだ。これで12日のオリックス戦(京セラ)で13号アーチを放って以来、11試合連続ノーアーチとなった。清原氏は「走攻守そろったメジャー級の選手」と絶賛する。昨年7月10日の巨人戦で同じくカンテレのゲスト解説として甲子園を訪れた際も「佐藤選手は確実に僕の記録(新人最多本塁打記録の31本塁打)を抜くと思う」と予言していた。DeNAに連敗しても「春先は猫だったが、ちゃんと虎になってきた」とチーム状態を評価しているからこそ主砲のさらなる上昇に期待したわけだ。清原氏も虎党も-。みんながサトテルの一発を待っている!(三木建次)

◆次こそ、打って勝つ! 阪神は29日、5位DeNAに連夜の逆転負けを喫し、0・5ゲーム差に迫られた。近本光司外野手(27)は三回の中前打で連続試合安打を「25」とし、1983年のランディ・バースに並ぶ球団歴代4位に浮上。同1位のマット・マートン氏から本紙を通じて、エールを送られた。現役最強の安打製造機が、じり貧の虎を立て直す!和田豊を超えた。バースに並んだ。偉大な記録への道はつながった。それでも、近本の心にあるのは敗戦の悔しさ。ただ、それだけ。個人記録は二の次でいい。あくなき勝利への飢えが、体全身からにじみ出ていた。「勝つために打ちますし、勝つために走ります。ただ、それだけだと思っています」三回1死一塁で迎えた第2打席。石田のカットボールに反応した。詰まった当たりも、ふらっと舞い上がった白球は、風に乗り、中前にポトリ。好機を拡大すると、2死から大山の打席の初球でスタートを切り、今季14盗塁目を決めた。5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)からの連続試合安打は「25」に伸びた。1983年のバースと並び球団歴代4位。タテジマの頂点どころか、高橋慶彦(広島)の日本記録(33本)の更新も見えてきた男の活躍は、米国にいるヒットマンの耳にも届いていた。2010年から6年間タテジマに在籍し、球団1位の30試合連続安打の記録を持つマートン氏。試合前にサンスポの取材に応じると「すごいことだ」と手放しで喜んだ。「近本は最多安打のタイトルを争っているんだよね? 連続安打のうち、チームは16勝8敗ぐらいか?」この25試合、チームは15勝9敗1分。マートン氏が気にしていたのは連続安打がもたらす、勝利への貢献だった。近本自身、記録のことを聞かれても常に「それはいいじゃないですか」と意識することはない。記録のため、じゃない。チームを勝たせるために打つ。時代が変わっても、安打製造機の合言葉は一つだ。 2年連続最多安打のタイトルを手に入れれば球団では2010、11年のマートン以来となる。この偉業も、勝利に貢献するからこそより一層、価値が出る。マートン氏は「近本もタイガースも頑張ってほしい」と締めた。先輩に並び、そして超えるためにも、自らのバットでもっと打って勝っていくしかない。チームは先発野手全員で10安打を浴びせながら、わずか2得点。連敗で5位DeNAとは0・5ゲーム差、首位ヤクルトとは今季最大の16ゲーム差となった。矢野監督は「流れとかがどうしてもある。踏ん張るしかないよね」と歯を食いしばった。ここが勝負どころ。負の連鎖に飲み込まれるわけにはいかない。「盗塁のためとか、数のためとか記録のためとかは全然、考えてはない。勝てばいいかなという感じです」近本の目は勝利しか見ていない。きょうこそ、打って勝つ。そのために、ひたすらヒットを積み重ねていくだけだ。(原田遼太郎)■データBOX?...阪神・近本が5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)から25試合連続安打。1983年のバースに並び、球団4位。プロ野球記録は高橋慶彦(広島)の33試合。高橋は両打ちで、左打者の最長は2015年秋山翔吾(西武)の31試合?...阪神は6月23日の広島戦(マツダ)から6試合連続で先制に成功。その間、3勝2敗1分け■マット・マートンという男 米大リーグ、カブスなどを経て、2010年に阪神入団。いきなりイチロー(オリックス)超えとなるシーズン214安打で当時の日本記録を更新するなど、安打製造機として活躍。15年までのNPB6年間で通算1020安打を残した。18年1月に現役引退を表明。その後はカブスのベースボール・オペレーション補佐に就任するなど、幅広い分野で野球に携わっている。

◆走ってほしい選手でも場面でもなかった。ただ戻ってくれたらよかったが、長坂の足は届かず。一塁塁審に固く握った拳を何度も突き立てられ、まさかのけん制アウトを告げられた。リズムが悪くなるプレーだったかと問われた矢野監督は、認めざるを得なかった。「それは絶対あると思うよ。気を抜いたってことはないと思うけど、結果的にああなってしまったらそう見られてしまうし、現状少ないチャンスからもぎ取っていかなきゃいけない選手としては寂しいプレーだなと」逆転された直後に山本の本塁打で追いつき、流れが虎に傾きかけていた二回1死だった。ただでさえ週に2度ほどに限られているスタメンマスクで、6月3日の日本ハム戦(甲子園)以来となる久々の安打を放って一塁に到達した長坂が、まさかの失態を演じた。初球を前にガンケルがバントの構えを見せ、DeNAバッテリーが〝探り〟のけん制を入れた。本来なら何事もなく過ぎていく場面だが、頭ではなく足から帰塁しようとした長坂は、ここでタッチアウトになった。差し出そうとした足が、一塁手のソトの右足に引っかかったようにも見えた。たしかに不運だったかもしれない。それでも、梅野や坂本と競い、勝ちをもたらすことで出番を勝ち取るしかない男にしては、スキがあり過ぎた。長坂だけのせいではなくても、流れは確かに変わった。三回にはガンケルと大山が続けて一塁へ悪送球をし、失点にこそつながらなかったものの1イニング2失策。リズムだけでなく、勝ちもみすみす逃した。矢野監督も「勝てないというのは、いつもいうけど、いろいろな原因がある。エラーも含めて。仕方がないということだけでは済ませないようしていかないと。改善して成長していけるように」と受け止める。全員がほんの少しのスキも見せず、一つずつ勝ちを拾っていくしか、上位へ食い込んでいく方法はない。(長友孝輔)

◆2人の元バスケ少年が、映画の話で盛り上がっていました。「見ましたか?」「見たよ。いい映画だったな」トラ番織原祥平とガンケルの、27日に甲子園球場で投手指名練習が行われたときの会話です。織原は中学、高校でバスケット部に所属。ガンケルも高校まで野球とともにバスケットとアメフトをやっていました。そんな2人が「面白かった」とそろって評価していたのは、ネットフリックスで配信中の映画「HUSTLE/ハッスル」。米プロバスケットNBAのフィラデルフィア・76ersが物語の舞台で、仕事から干されていたスカウトが、スペインで見つけた逸材とともにNBAに挑戦していくスポ根ストーリーです。「ガンケルは、バスケットは76ers。野球もフィリーズのファンなんです。だから絶対に見ているだろうなと思いました」はて、ガンケルはフロリダ州出身。それがなぜ、東海岸の南と北に離れたフィラデルフィア(ペンシルベニア州)のチームのファンなのだろう?「お父さんがフィラデルフィア生まれです。それでガンケルも76ersのファンになったそうです。ただ、『最近はチームが弱くてプレーオフに出ていないから、(NBAの)シーズン中はテレビを見ているけど、ポストシーズンはまったく見ていない』と言っていました」観戦の仕方も筋金入りです。日本で言えば、関西出身の阪神ファンのお父さんが別の地域に転勤したあともそのまま熱烈なファンで、子どもも父親の影響で猛虎党になったパターンでしょうか。 「ガンケルもお父さんになりました。パパになってからまだ勝っていないので、きょうは勝ってほしいです」15日に神戸市内の病院で長女・キンズリーちゃんが誕生し、出産に立ち会っていました。そうした事情も考慮されて、前回登板は中9日と間隔を空けて22日の広島戦(マツダ)に登板。しかし、力みが出たのか、前回は5回3失点。織原は、大好きな76ersが舞台になっている映画でリフレッシュした右腕に期待をかけていたのですが、残念ながら中6日に戻った今回も「HUSTLE/-」のようなサクセスストーリーとはならず、パパ初勝利はまたお預けになりました。「いいパパということなら、僕もそうですよ」当番デスク阿部祐亮がそう言ってスマホを差し出してきました。見ると『6・50』と表示された目覚ましの時刻が記録されています。仕事は夜なのに、そんなに早く起きて何してるん?「息子の朝ご飯をつくっているんです。長男の遥斗(小5)が8時に登校して、次男の楓真(3歳)が8時半に幼稚園に行くので。今朝は、みそ汁とご飯と卵。仕事が夜なので、朝しか会えないですからね」休みの日は、午前中で幼稚園が終わる楓真クンを迎えにいくことも多いらしい。頑張っているなあ。ただ楓真クンは、朝食を食べながらよく聞いてくるそうです。「きょうはカイシャ?」「いや休みだよ」と阿部が答えると、ちょっと残念そうな表情になるらしい。なぜと尋ねると「お仕事、がんばっているパパが好き」と返ってきたそうな。いいパパになる道は険しい。ガンケルも阿部も、さらにがんばりましょう。

◆前カードは中日に3連勝。しかも最後は延長十一回に伏兵、熊谷のサヨナラヒットで勢いに乗ってのDeNA戦に連敗するかー? 毎度毎度の詰めの甘さなのだ!!山本の同点アーチが飛び出した直後に8番・長坂がヒットで出塁。しかし、牽制アウト。スライディングもしないで立ったまま帰塁するなんて、とてもプロとは思えない幼稚園児野球! その走塁に対して矢野さん、ベンチ裏に呼んでボコボコにしました? 失礼、これは懐かしき闘将こと星野仙一さんの時代で...。とにかく厳しい指導をしました? えっ、試合中の指摘はプレーを萎縮させる逆効果? だったら交代させたらえーやん!! 鉄は熱いうちに打て。若い選手はその場で教えないと忘れるし...。その試合、同じポ~ッとしたバイオリズムで行動するんだよねェ...。それが四回、5打者で宮崎を抜かしたら、わずか5球での2失点につながったと俺は思うのだ!! 気温40度に迫る日本列島で矢野さんがいかにクールに頭脳をフル回転させられるかが、勝負の別れ道やでェ!!

◆「7番・二塁」で出場した阪神の山本が、二回1死で石田の直球を右翼席最前列に運ぶ一時同点の2号ソロ。「しっかり狙い球を絞って、積極的にスイングしていこうと思っていました」。4月30日の巨人戦(東京ドーム)以来、プロ通算5発目。左腕対策として4試合ぶりにスタメン起用された男がバットで応えた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
49231 0.681
(↑0.005)
-
(-)
70334
(+9)
251
(+2)
89
(+3)
51
(+2)
0.257
(↑0.003)
3.030
(↑0.01)
2
(-)
巨人
40380 0.513
(↓0.006)
12
(↓1)
65312
(+2)
332
(+3)
85
(-)
37
(-)
0.248
(↓0.001)
3.830
(↑0.01)
3
(-)
広島
35373 0.486
(↓0.007)
14
(↓1)
68280
(+2)
284
(+9)
36
(+1)
13
(-)
0.257
(↑0.001)
3.520
(↓0.08)
4
(-)
阪神
34402 0.459
(↓0.007)
16
(↓1)
67257
(+2)
230
(+4)
50
(+1)
60
(+3)
0.238
(-)
2.820
(↓0.02)
5
(-)
DeNA
31380 0.449
(↑0.008)
16.5
(-)
74242
(+4)
289
(+2)
53
(+1)
25
(-)
0.249
(-)
3.770
(↑0.04)
6
(-)
中日
31420 0.425
(↑0.008)
18.5
(-)
70216
(+3)
292
(+2)
38
(-)
24
(+1)
0.248
(↑0.001)
3.840
(↑0.03)