阪神(☆6対4★)中日 =リーグ戦9回戦(2022.06.24)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:湯浅 京己(1勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝2敗14S))
敗戦投手:清水 達也(3勝2敗0S)
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◆阪神は2-2で迎えた6回裏、糸原の適時打で2点を奪い、勝ち越しに成功する。その後同点とされるも、8回には2死満塁から代打・梅野の2点適時打が飛び出し、リードを奪った。投げては、2番手・湯浅がプロ初勝利。敗れた中日は、投手陣が振るわなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が甲子園球場で通算100本塁打目を打てるか。甲子園球場で通算100本塁打を達成した選手は09年4月7日の栗原(広島)が最後。阪神の選手に限れば05年9月11日の今岡までさかのぼる。

◆今季対戦防御率0・96の阪神先発青柳対策で、中日は大幅にオーダーを変えた。左肩痛で出場登録抹消中の主砲ビシエドに代わり、木下がプロ入り初の「4番捕手」。またこの日、出場選手登録された石岡を一塁、山下を左翼で起用し、木下以外の先発大野雄を含み左打者を8人そろえた。先発4番に捕手が起用されるのは、中日では02年10月6日横浜(現DeNA)戦(横浜)での谷繁以来。

◆中日大島洋平外野手(36)がホームスチールを敢行した。1回先頭で右前打で出塁すると、2死三塁で4番木下の打席で、カウント3-1から阪神先発青柳が5球目を投じるとスタート。球は低めに外れたが、捕球した捕手坂本とクロスプレーでアウト判定になった。立浪監督がリクエストを要求したが覆らなかった。

◆阪神青柳晃洋投手(28)が自らのバットで値千金の2点をたたき出した。相手先発は大野雄。前回投げ合った5月6日のバンテリンドームでは大野雄が10回表2死まで完全投球し、一方の青柳は0-0の10回裏にサヨナラ打を浴びていた。今回も投手戦が予想される中、2回2死満塁、9番打者として二遊間を破る先制2点打。自分自身を楽にした。

◆プレーが中断して、阪神園芸が登場するめずらしいシーンがあった。2回、マウンドの阪神青柳晃洋投手(28)が2人目の溝脇隼人内野手(28)に4球目を投げ終えたところで、グラウンドを指さして土山球審に何かをアピールした。踏み出した左足付近の土が、数十センチ四方のプレート状にはがれていた。阪神園芸のスタッフがすかさず土のかたまりを撤去した。状態確認のため投球練習をした青柳の要望で、左足の踏み出し位置に通常の黒土を入れ、入念に固め直して応急処置した。甲子園では、メジャーでも主流の掘れにくい粘土質の土をマウンドに入れている。その上から黒土をかぶせ、押し固めるなどして、なじませている。

◆阪神糸原健斗内野手(29)が大野雄から勝ち越しの2点打を決めた。2-2の同点で迎えた6回裏1死満塁。5番大山悠輔内野手(27)が3ボールから申告敬遠された直後、1ボール1ストライクから外角147キロをとらえ、遊撃頭上にライナーを放った。「ヤギ(青柳)が粘り強く投げてくれていましたし、チームでつないで作ったチャンスだったので、とにかく必死に食らいつきました。ランナーをかえすことができて良かったです」大野雄は5月6日のナゴヤドームでは10回表2死まで完全投球を食らった相手。チーム全体の悔しさをボールにぶつけた。

◆阪神がシーソーゲームを制して連敗を3でストップ。4位に浮上した。同点の8回2死満塁から代打梅野隆太郎捕手(31)が左前に決勝の2点打を放った。5月に「完全未遂」を食らった難敵の中日大野雄大投手(33)から4点を奪った。まず2回、先発の青柳晃洋投手(28)の中前打で2点を先制した。2-2の6回は1死満塁から糸原健斗内野手(29)が左前打。2者を迎え入れた。待望の勝ち越しで天敵左腕をこの回限りで降板させた。逃げ切りを図った青柳だが、8回に再び追いつかれ、計4失点で途中降板。惜しくも大野雄に投げ勝つことはできなかった。青柳-大野雄のマッチアップは5月6日ナゴヤドームの再戦だった。そのとき青柳は9回まで無失点と本来なら「完封」の好投だったが、大野雄に10回2死まで1人も走者を出せない完全投球をされた。結局0-0の10回に青柳が打たれてサヨナラ負け。まれに見るハイレベルな投手戦と話題になった。

◆阪神がシーソーゲームを制して連敗を3でストップ。4位に浮上した。同点の8回2死満塁から代打梅野隆太郎捕手(31)が左前に決勝の2点打を放った。

◆つなぎの輝だ! 阪神佐藤輝明内野手がいずれも得点につながる3安打で大きく貢献した。「(大野雄は)いい投手なので積極的にどんどん振っていこうと。ミーティングでも言われていた。チームで束になって、つないで点を取れたので、リベンジできたかなと思います」と胸を張った。まずは2回の先頭で中前打。2得点の足場となった。ライナーは大野雄の頭のすぐ横をかすめた。前回対戦で「完全試合未遂」された左腕にリベンジ宣言するような強烈な打球だった。6回は1死一塁から右中間への二塁打でチャンス拡大。糸原の一時勝ち越し2点打につなげた。この回限りで左腕をKOした。5月の対戦では延長10回2死からチーム初走者となる右中間二塁打を放ち、完全試合の屈辱を回避した。この日の2本で大野雄に対しては今季14打数6安打、打率4割2分9厘。キラーぶりが際立つ。再び追いつかれて迎えた8回。この勝ち越し劇も佐藤輝が号砲を鳴らした。先頭で左前にクリーンヒット。梅野の左前打で決勝のホームを踏んだ。右に左に打ち分けて打線の起点になった。4番打者のアシスト3連発が5試合ぶりの勝利を呼び込んだ。【柏原誠】

◆阪神がシーソーゲームを制して連敗を3でストップ。4位に浮上した。同点の8回2死満塁から代打梅野隆太郎捕手(31)が左前に決勝の2点打を放った。阪神青柳晃洋投手(28)は今季11試合目で初めてクオリティースタート(6回以上、自責3点以内)を逃した。2点リードの8回1死二、三塁で代打三ツ俣に同点の中前2点打を浴び、8回途中を4失点(自責4)で降板。左打者8人をスタメンに並べた中日の執念に苦しめられ、「自分の技術不足です。(2番手の)湯浅が粘ってゼロで抑えてくれて、チームが勝ってくれて本当に良かったです」と後輩に感謝した。相手先発は大野雄。前回投げ合った5月6日のバンテリンドームでは大野雄が10回表2死まで完全投球し、一方の青柳は0-0のその裏にサヨナラ打を浴びていた。今回も投手戦が予想された中、9番打者としては2回2死満塁で二遊間を破る先制2点打を放った。ただ、直後の3回表に2者連続適時打で試合を振り出しに戻され、最後も2点リードを守り切れなかった。大黒柱として反省が残った。

◆梅ちゃん、待ってたで! 阪神梅野隆太郎捕手(31)が3連敗で止める決勝打を放った。同点に追いつかれた直後の8回2死満塁に代打で登場。三遊間を破る2点タイムリーで、接戦に終止符を打った。打撃不振や右脇腹筋挫傷による戦線離脱など苦しいシーズンを過ごしているが、復調の兆しを見せた。チームは4位に浮上した。打球はしぶとく三遊間を抜けた。梅野の執念が乗り移ったかのようだった。同点に追い付かれた直後の8回2死満塁。代打で登場し、中日清水のスプリットが少し浮いたのを逃さなかった。3万4757人の甲子園が大歓声に包まれ、ヒーローは二塁ベース上で、ベンチへ両手を突き上げた。「ファーストストライクを思い切りいけたというのはよかった。ボール先行だったので、甘い球はと思って。狙った球が三遊間にいったのでホッとしている」。今季代打5打席目で初打点。次打者席で待つ中、先に代打で出た高山が合わなかったスプリットの軌道を頭にインプット。矢野監督も「あの流れの中でよく打ったよ」と称賛。初球スプリット、2球目スライダーとボール球に手を出さず、3球目のファーストストライクを仕留めた。昨季はチャンスに強くリーグ2位の得点圏打率3割2分1厘を誇った梅野だが、今季は得点圏どころか極度の打撃不振で打率1割台が続く。「ファンのみなさんの期待をどれぐらい裏切ってきたかというくらい、裏切っていた。それでも、信じて応援してくれているので、応えたいという毎日を送っていた。本当にうれしいです」とお立ち台で正直な思いを口にした。右脇腹痛で5月18日には2軍で再調整。7日に復帰後も坂本、長坂と3捕手併用が続いている。「めちゃくちゃしんどいですね。(シーズン)半分が終わった。なかなか出る機会も減っている中、プロである以上、ああいうところで結果を出していくことがね」。前日23日広島戦でも代打で安打。3打席連続安打と数字も残ってきた。マスクをかぶった9回表には守護神岩崎がいきなり無死一、三塁のピンチをつくるが、1つずつアウトを重ね無失点で締めた。チームの連敗は3でストップ。負ければ再び最下位転落の危機で踏ん張った。6月は12勝5敗で今季初めて月間で勝ち越した。梅野は「負けたり、引き分けたりとしんどかった。チームとしてこの1勝は大きい」と声を弾ませた。久しぶりにお立ち台で「明日も勝つバイ」とファンとともに右手を突き上げた。やはり梅野の復調は、後半戦の巻き返しに欠かせない。【石橋隆雄】○...近本が連続試合安打を21に伸ばした。球団史上単独9位に浮上。その1本が貴重なところで出た。2-2の6回1死で大野雄から中前にはじき返した。その後、満塁にチャンスが広がり、糸原の一時勝ち越し打へと続いた。前日23日の広島戦も土壇場9回に同点打。3番打者の奮闘が、6月の戦いを支えている。「全然気にしていない」という打率も3割をキープした。○...守護神岩崎がドキドキの展開も無失点で今季14セーブ目を記録した。2点リードの最終回に登板。先頭の代打郡司、続く大島に連打を浴びて無死一、三塁のピンチを招いたが、後続を断った。リフレッシュ期間を経て23日広島戦から1軍復帰。延長12回に登場し、無失点も2死満塁の状況をつくっていた。矢野監督は「優の名前があるってことでベンチの落ち着きがある。これからまた上げていってくれると思う」と信頼は揺るがない。○...伊藤将が省エネで今季初の中日戦に臨む。25日に先発予定。前回のDeNA戦(甲子園)は低めへの制球がよく94球で完投勝利。同じように積極的に打ってくる中日に対して「まずは自分の仕事。なるべく球数は少なくいきたい。少なければ少ないほどいいと思う。ドラゴンズも仕掛けが早いので、ヒットエンドランとかも警戒しながら」とイメージを描いた。○...矢野監督は坂本の8回守備に複雑な表情を浮かべた。4-2の8回1死一、二塁から代打三ツ俣が中前打を放ち、中堅近本が本塁送球。ところが捕手坂本は本塁付近で捕球しきれず一時は同点となる走者2人の生還を許した。同監督は「(本塁で激しい接触を禁じる)コリジョンがあってなかなか(難しい)」としながらも、「あれを捕ってアウトにしてこそ、誠志郎だって言われると思う」と高いレベルを求めた。

◆中日の借金が今季最多の「9」になった。阪神青柳対策でこの日1軍に上げた石岡、山下をスタメン起用。左打者8人を並べるオーダーも、右腕から4点を奪い8回途中で降板させるのが精いっぱいだった。初回に大島が本盗を仕かける奇策も不発。9回無死一、三塁からも得点できず3連敗を喫した。試合後の立浪和義監督(52)の一問一答は下記の通り。-左打者を並べるオーダー「青柳投手はなかなか右(打者での)攻略が難しい。防御率1点台の投手から4点を取れたわけですから、そのへんは非常に良かった」-スタメン起用の石岡がプロ初打点含む2安打「ずっと(2軍で)調子いいと聞いていた。しぶとい打撃ができるので、そういうところから今日、昇格だった。よく働いてくれた」-8回代打同点打の三ツ俣も調子がいい「前回、青柳から打っているので。一気に同点にしてくれたので良かった」-初回大島の本盗は「チャンスがあればということで。木下もバットを振ってくれたら、もしかしたらセーフやったかもしれません」-青柳攻略へ年に1、2度あるかないかのプレーも使う「なかなか青柳投手から点が取れないので、焦ったわけではないが。結果、アウトになったのでこっちのミスです」-先発大野雄は2回、6回の失点が「ポンポンとやられる時に連打でね。前回の甲子園の時にもそうだが、(阪神の)4番(佐藤輝)、5番(大山)が調子がいい。全体的に阪神打線は開幕当初より1、2、3番も当たってきている」-4番に木下を初起用した「木下は去年を含め(青柳から)5割ぐらい打っている。相性もあって(選んだ)」-阿部、A・マルティネスも青柳を考慮して外したか「阿部も(青柳から昨年含め)1本もヒット打っていないというのもあった。アリエル(マルティネス)はあまり手の状態が良くないので。明日はちょっと分からないですが」-清水が8回につかまった「もちろん打たれることはあるが、高山選手のところは非常にいいフォークを投げて、2死までいった。あそこ(代打梅野の打席)でもうひとつ開き直っていって欲しかった。やっぱり2ボールにすると、変化球にしても真っすぐにしても置きにいったような感じで、打たれた。配球も含めて、真っすぐから攻めて、カウントを早く整えたいところ。2ボールにしたのが結果的にやられてしまった」-8回4番佐藤輝からの打順で清水を選んだのは信頼から「もちろんそう。勝ちパターンの7回の投手。何とかしのいで、追い越せるようにとは思っていた」-佐藤輝に先頭安打を許した2イニングで失点「そうですね。先頭で出られると、点取られる可能性が高い。まあ、今日は久しぶりにタイムリーも出たしね。ミスも出る悪いところもあったが、前向きにとらえて明日(25日)頑張るしかない」

◆阪神湯浅京己投手(22)がプロ4年目で待望の初勝利をつかんだ。お立ち台でウイニングボールを持参。ぎゅっと握りしめて、気持ちをストレートに表現した。「素直にうれしいですし、リハビリが長かったので。本当にすべての人に感謝したいなと思います」ビッグプレーで8回の勝ち越し劇の流れをつくった。先発青柳が同点となる4点目を献上。ピンチは続く。1死二塁でリリーフを託された。溝脇への5球目は、一塁側への痛烈な当たり。反転してキャッチすると、二走加藤翔の飛び出しに反応。三塁糸原に送球し、アウトにした。続く高橋周には糸原の失策があったが、無失点で踏ん張った。反骨心が原点だ。聖光学院高3年夏。夏の甲子園のグラウンドに湯浅はいなかった。県大会では背番号18を背負い、自己最速を更新する145キロをマーク。しかし入学直後から腰の成長痛に苦しみ、本格的に選手として復帰したのは2年秋。経験不足が原因だった。「見返してやろうと思ってやっていました。僕をベンチに入れなかったことを甲子園期間中に後悔させてやろうって」鳴尾浜の選手寮「虎風荘」から道路を挟んで向かいにある臨海公園野球場では、チームのために腕を振る「打撃投手」としてテレビ番組に取り上げられたこともある。甲子園期間のシート打撃では、大会メンバーを相手に簡単にはバットに当てさせなかった。プロ入り後も、腰椎の疲労骨折など故障に苦しんだ。それでも17歳の夏があったからこそ、乗り越えられた。矢野監督は「自分の中で向上心を持ってしっかり投げていてくれている。どこで出しても湯浅の成長につながるかなというところまで来てくれている」とうなずいた。ウイニングボールの贈り先を問われると、「やっぱり両親かな」と右腕は言った。反骨心を胸に、湯浅の快進撃は続く。【三宅ひとみ】?▽阪神湯浅の父栄一さん(50、法大野球部出身。幼少期から練習に付き合う)「昔から負けず嫌いでしたから、それは今でも変わってないと思います。2人で小学校、中学校と毎日練習。納得いくまで終わりませんでしたよ。うれしいです。それしかない。初勝利、おめでとう」▽阪神湯浅の母衣子さん(50、初勝利を三重・尾鷲市の実家でテレビ観戦で見届け)「ヒーローインタビューで話しているのを見たら、リハビリ期間のことが頭によぎって...。本当にうれしいです。普段は人前で泣かない子だから、我慢してたんじゃないかな。ここからが始まりだと思うので、これからもチームのために頑張ってほしいです」

◆阪神湯浅京己投手(22)の両親が、息子の初勝利に涙し、喜んだ。三重・尾鷲市で精肉店を営む父栄一さん(50)、母衣子さん(50)は実家でテレビ観戦。記念の1日を画面越しに見届け、「本当にうれしい。おめでとう!」と口をそろえた。栄一さんは法大野球部出身。幼少期から息子の練習に付き合ってきた。「昔から負けず嫌い。納得いくまで練習は終わりませんでしたから。今もその気持ちは持っていると思う」。チームの勝敗を背負うセットアッパーのポジション。父との特訓の日々が、強いハートの原点だ。衣子さんはウイニングボールの到着を心待ちにした。独立リーグBC富山時代の初勝利の記念球は実家にある。18年5月20日。偶然にも衣子さんの誕生日に観戦に訪れ、息子は勝った。試合後に直接手渡された記念球以来の、思い出の1球がまた増える。「ヒーローインタビューで話しているのを見たら、リハビリ期間のことが頭によぎって...」と涙で言葉に詰まり、「普段は人前で泣かない子だから、我慢してたんじゃないかな」と息子を思った。実は、両親は今季4度、甲子園に観戦に訪れている。ただ、19日DeNA戦(甲子園)では3失点を喫し、両親の前で負け投手になっていた。それ以来の甲子園のマウンドでリベンジ成功。最高の親孝行を果たした。

◆中日は競り負けて、借金は今季最多の「9」になった。阪神青柳対策でこの日1軍に上げた石岡、山下をスタメン起用し左打者8人を並べるオーダーも、4点を奪い8回途中で降板させるのが精いっぱい。初回に大島が本盗を仕かける奇策も不発。9回無死一、三塁からも得点できず3連敗を喫した。立浪監督は「青柳は右打者での攻略が難しい。防御率1点台の投手から4点を取れたのは良かった。今日は適時打も出た。前向きに捉えて明日頑張るしかない」と振り返った。?▽中日大野雄(6回7安打4失点で降板)「(6回の)糸原選手の打席(2点適時打)は、悔いの残る結果になった。次も阪神戦(7月1日予定)で投げると思うので、今度はやり返したい」▽中日石岡(今季初スタメン起用。3回にプロ初打点の左前適時打)「走者をかえそうと、思い切って打ちました」▽中日藤嶋(7回2番手で通算150試合登板)「コツコツと積み重ねた結果。これからもしっかり頑張りたい」

◆阪神湯浅京己投手(22)がプロ4年目で待望の初勝利をつかんだ。湯浅には忘れられない夜がある。2年目の20年6月。プロに入り3度目の腰椎疲労骨折と診断された直後、三重・尾鷲市の両親に電話を入れた。「3度目はないだろうって思っていたのに...」。寮の自室にはおえつが響いた。これでもかと泣いた。母衣子さん(50)もはっきりと覚えている。「『骨が折れたままでもやる』って言ってたくらいでしたから。つらい、悔しいの言葉では片付けられなかったです」。一緒になって涙することしかできない、もどかしさもあった。それでも、右腕のポテンシャルを信じる球団の方針で「しっかり治るまで待つ」ということも伝えられていた。「育成に落とさずに支配下で置いておいてくれたのは感謝しかないし、結果で示すしない」。枯れるまで流した涙には、前を向くための決意も込められていた。初勝利の夜、お立ち台でこみ上げてきたものはぐっとこらえた。背番号65には、笑顔がよく似合っていた。【阪神担当=中野椋】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】24日の中日戦。同点に追いつかれた8回、ピンチを救った阪神湯浅京己。その裏、梅野隆太郎が勝ち越し打を放ち、嬉しいプロ初勝利。最高の笑顔をどうぞ。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は青柳晃洋投手(28)が先発する。相手先発は大野雄。5月6日に投げ合い10回途中1失点で今季唯一の黒星を喫した。打線は大野雄に対し、同戦で10回2死まで一人の走者を出すことができず完敗。難敵左腕を攻略し、リーグトップの9勝目を狙う右腕を援護する。

◆試合開始直後から甲子園がどよめいた。一回、阪神の先発・青柳は中日の先頭・大島に中前打を許す。犠打と内野ゴロで2死三塁のピンチ。4番・木下拓に投じた5球目だった。三走・大島が単独ホームスチールを敢行。判定はアウト。中日・立浪監督がリプレー検証を要求し、甲子園はどよめきに包まれた。固唾をのんで見守るファンの前に現れた責任審判の眞鍋は改めて、アウトを宣告。スタンドの虎党から大きな拍手が巻き起こった。まさかのプレーで度肝を抜かれたが、青柳は一回を無失点で切り抜けた。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先制の2点中前打を放った。二回先頭の佐藤輝がチーム初安打となる中前打を放つと、1死から糸原が右前打でつないで一、二塁。山本が二ゴロで2死一、三塁となったが、坂本が四球を選び満塁で青柳につないだ。打席に立った右腕は、カウント0-1から2球目、大野雄の146㌔直球をはじき返す中前打。走者2人が生還し、自らを援護した。青柳は今季初打点。打点をあげるのは2021年10月19日のヤクルト戦(甲子園)以来だった。

◆阪神・近本光司外野手(27)が自己最長をさらに更新する21試合連続安打を放った。六回1死の第3打席。大野雄の133㌔変化球をとらえると、打球は二遊間を抜ける中前打。5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)から続く連続試合安打を「21」に伸ばした。打線は続く佐藤輝が右中間へ二塁打、大山はカウント3-0から申告敬遠で1死満塁と好機を作る。打席には6番・糸原。カウント1-1から3球目だった。147㌔直球をはじき返すと、打球は左前に弾む勝ち越しの2点打。塁上でグッと拳を握りしめた。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(28)は7回?を投げ9安打4失点。八回途中に無念の降板となった。二回に自ら先制の2点中前打を放つも、直後の三回に岡林、石岡に連続タイムリーを許して同点に追いつかれた。4-2と再びリードを奪って迎えた七回は2死一、二塁から大島を見逃し三振でピンチを切り抜ける。しかし八回。1死二、三塁のピンチを背負うと、代打・三ツ俣に中前打。1点をかえされ、さらに二走・石岡もホームへ突入した。中堅手・近本から好返球でタイミングはアウトも、この送球を捕手・坂本がファンブルしてしまう痛恨のミス。同点に追いつかれたところで、2番手・湯浅にマウンドを託した。1死二塁でマウンドに上がった湯浅は続く溝脇を投ゴロ。二走を挟殺プレーでアウトとし、2死一塁とした。高橋周は三失とまたも守備のミスで一、三塁としたが、京田を左飛に仕留め、勝ち越しは許さなかった。

◆阪神が終盤に勝ち越し、1分挟む連敗を3で止めた。4-4で迎えた八回。2死満塁から代打・梅野が2点左前打を放ち、2度追いついてきた中日を振り切った。先発の青柳は先制の2点打を放つなど、自らを援護するも、7回?を投げ9安打4失点。リードを守り切ることができなかった。4-4の八回1死二塁でマウンドを託された2番手・湯浅が、後続を断ち流れを渡さない。九回は岩崎が無死一、三塁のピンチを背負うも、無失点で切り抜けて逃げ切った。阪神は連敗を3で止め、再び4位に浮上。湯浅はプロ4年目でうれしい初勝利をあげた。

◆前夜23日に零敗を喫した中日が青柳対策として打線を大幅に組み替えた。4番の木下以外、投手の大野雄を含めて左打ちが8人。2点を先制された直後の三回に2得点して追い付いた。中軸を打っていた右打者の阿部、A・マルティネスを先発から外した。代わりに石岡を3番、山下を5番とそろって昇格即先発で起用した。三回は死球と犠打などで2死三塁とし、岡林が内角スライダーを引っ張って右翼線へ適時二塁打。石岡は変化球を左前へ流し打っての同点打で、7年目でうれしいプロ初打点。「走者を返そうと思い切って打った」と塁上で派手なガッツポーズを見せた。

◆阪神が1分を挟む連敗を「3」で止め、4位に浮上した。同点に追いつかれた直後の八回2死満塁で代打の梅野隆太郎捕手(31)が左前に2点打を放って、勝ち越した。八回途中に登板した湯浅京己投手(22)がプロ初勝利。近本光司外野手(27)が球団歴代9位の21試合連続安打をマークした。今月を12勝5敗1分とし、今季初の月間勝ち越しを決めた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績32勝38敗2分、衆3万4757人)。(テレビインタビュー)ーー最後までもつれた試合、今の心境は「(笑) そうですね、一番はホッとしていますけど。はい」ーー前回抑えられた大野雄から4点をとった打線について「もうちょっと行けるかなというところは、もちろんありましたけど、早い回で点を取れたんで。流れが作れたかなと思いますけど。うん、もっと行きたいなと思います」ーー2度追いつかれて、3回勝ち越した。粘り強さについては「一時は本当にこう、打線がね、つながらないところがありましたけど、今は本当に1人1人がつなぐ意識もありますし、そういうところが、取られた後に、取ってというところになっているのかなと思います」ーー青柳の評価「ヤギはいつもどんな時でもヤギらしく投げてくれていますし。最後の回も踏ん張って欲しかったですけど、ヤギらしくは投げてくれているかなと思います」ーー中継ぎ陣も登板が増えている中、継投のタイミングはどう考えた「そうですね。みんなここに来て疲れは出ているんですけど、湯浅が本当に締めてくれましたし、優もピンチをつくりましたけど、しっかり切り抜けてくれたんで、昨日(23日)の引き分けを、意味ある引き分けにつなげてくれたかなと思います」ーー岩崎の状態は「本来の優というところにはまだ来れていない感じはしますけど、優の名前があることで、ベンチの落ち着きがある。ここからまた上げて行ってくれると思います」ーー25日に向けて「湯浅もね、プロ野球選手としての第一歩の1勝をしましたし、連日試合は長くなって、疲れてますけど、勝ち切れたんでね、明日、明後日いつも通り全員で自分たちの野球をやっていきます」 (囲み)ーーー梅野は意地を見せてくれた「まあそやね、逆に流れがホントに向こうに行ってるところで、リュウも開き直ってくれたんかなというところはあったし、ボールを2球見逃したところが、落ち着きっていうか、ヒットに繋がったと思うんで、あの流れの中でね、よく打ってくれたよ」ーー湯浅はフィールデングを含めて良かった「まあ、経験を積むたびにね、こうすればいいとか、次こうしたほうがいいとか、自分の中で向上心を持ってしっかり投げていてくれている。今まで、けがとかで投げられない悔しさを含めて、野球をやる喜びとか、価値とか、感じ取っている。経験を積んだんで、どこで出しても、打たれたとしても湯浅の成長につながるところまで来てくれているので」ーー八回は坂本であったり悪送球もあって守備の面で少し流れがわるいところも「うん? 坂本」ーー坂本のプレーは捕手としては(八回1死二、三塁で中前打で、近本が本塁に好返球したが、坂本が捕球できずに、同点許す)「簡単ではないけど、今、コリジョンがあってなかなかね。俺らの時代がというと、自分らがやってたように言うのはなんだけど、みんがなね、今日はチカが1人で投げてきたけど、あそこは1点の重みっていうのはね。あれを捕ってアウトにしてこそ、誠志郎だって言われると思う。簡単じゃないのは俺もわかる。ショートバウンドするかどうかというところで。でもあれを捕ってこそ。そういうところで、坂本の価値を上げるプレーになる。あれでいいとは言えないね」ーーマツダで湯浅に声をかけていた「さっき言ったように、どんなことでも今のお前にとってプラスにできるし、ずーっとゼロに抑えてずーっと打たれないピッチャーなんていないから。その中で勝負にいった中でミスも出てくるけど、それを確実に減らしていくっていうか、自分の気持ちと意図を合わせていけるようなピッチャーになっていければいいんだから。あれを引きずるっていうよりも、次の登板がお前にとって大事な登板になると思うよ、そういうところでまた向かって攻めていく気持ちを持って、打たれた悔しさをつなげていけば、成長につながるものになるから、っていうようなことを」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は代打の順番など矢野耀大監督(53)の采配に疑問を呈した。勝つには勝ったが、阪神の采配は結果オーライが多すぎる。もっとキッチリした野球をしていかないと勝ち切るのは難しいし、追い上げるどころではない。選手任せの象徴は八回。糸井が申告敬遠で満塁となった場面は梅野を代打に送って勝負を掛けなければいけない。勝負強く、外野フライも打てる打者は誰か? と考えれば、選択肢は1つしかなかったはず。2死満塁で打者に託すのは最も酷。1死満塁で絶対に勝ち越す作戦が求められる場面だった。ところが、まさかの高山が一番手。すべてボール球を振った末に三振した姿を見せられて、改めて代打の順番が逆だと感じた。選手任せの采配は長続きしない。二回に青柳が適時打を放った直後に、一走・坂本が二塁ベースを飛び出してしまい憤死。これぞ凡ミスだ。青柳は打ってすぐ、マウンドに行くことになってしまった。三回1死三塁の近本の中飛で飛び出してしまい、タッチアップ態勢を取れなかった三走・中野の走塁ミスも痛かった。ライナー性ならすぐ戻るのが三塁走者に求められる基本だ。得点できる時に取っていかないから、追い上げられて苦しい試合になってしまった。守備でもミスはあった。八回に同点された際のバックホーム返球で、完全にアウトのタイミングなのに、捕手・坂本はタッチに行けなかった。あのケースは、もっと前で捕球態勢に入らなければいけない。後ろで捕ってタッチに行くより、前で捕ってそのままタッチに行った方が、圧倒的に速いのは誰にも分かること。外野手の気持ちを代弁すれば、あの返球でアウトにしてもらえなかったら、どうすればいいんだ、という気持ちだ。これだけミス続出で勝てたのは、すべて梅野のおかげだ。敗れたとはいえ、中日・立浪監督の采配は矢野監督とは対照的に、選手任せにしない、攻める野球だった。結果的には失敗だったが一回の本盗。点が取れないと想定しての奇襲だろう。八回には4番打者に迷いなくバント指示。監督が責任を取るさい配は、見習う点が多かった。

◆甲子園のお立ち台に立ち、スポットライトを一身に浴びると、これまでの日々が蘇り、いろんな思いがこみ上げてきた。喜び、感謝、挫折、苦悩...。幾多の試練を乗り越え、プロ初勝利をつかんだ湯浅は時折、声を震わせながら胸の内を語った。湯浅の母・衣子さん(50)は、三重・尾鷲市の自宅で父・栄一さん(50)と自宅のテレビで観戦した。「うれしいという気持ちが一番。けがで投げられない時間が長かったので、マウンドに立って、投げて、抑えて...。そういう一つ一つの姿を見れることが本当にうれしいです」と涙ながらに喜んだ。度重なる腰のけがを乗り越えてつかんだ初勝利。愛息のヒーローインタビューに「けがをしていたときのことを思い出すと私も今でも泣けてくる。ここまで本当によく頑張ってくれたなと思います」と目を細めた。残り71試合に向けて「投げて、抑えて、しっかりチームに貢献することがチームへの恩返しと本人もよく言っているのでそれを体現してほしい。私は投げている姿を見られるだけで幸せ。このまま続けてもらえたら」とエールを送った。

◆甲子園のお立ち台に立ち、スポットライトを一身に浴びると、これまでの日々が蘇り、いろんな思いがこみ上げてきた。喜び、感謝、挫折、苦悩...。幾多の試練を乗り越え、プロ初勝利をつかんだ湯浅は時折、声を震わせながら胸の内を語った。「素直にうれしいですし、やっぱりリハビリが長かったので、たくさんの方にお世話になって、たくさんの方に感謝したいなと思います」先発の青柳が打たれ、同点に追いつかれた直後の八回1死二塁でマウンドへ。「チームの勝ちにつなげられるような投球ができるように」。まずは溝脇をフォークで投ゴロに打ち取り、飛び出していた二走を冷静に二、三塁間で挟殺に仕留めた。続く高橋周は三失で一、三塁とされたが、京田を左飛に料理した。) 直後にチームが勝ち越し、今季28試合目でプロ初勝利。セットアッパーとして力投を続ける右腕の節目に矢野監督も「今まで、けがとかで投げられない悔しさとかそういうものを含めて、ここで野球をやるという喜びとか、価値とかを感じ取っている」と目を細めた。「今までたくさんの方に支えていただいて、ここまでこられた」と右腕が話すように、何度も壁にぶち当たり、前を向くことができたのは周りの支えがあったからだ。1年目の2019年に2度、腰椎を骨折。翌20年も患部の状態が芳しくなく、長い間、リハビリが続いた。回復したと思えば、また再発...。球団からは「まずはけがを直して頑張ってくれ。待っているから」と言われても「もう休みたくない!」と両親に弱音を吐いたことも。母・衣子さんとの電話越しに涙を流したこともあった。そんな息子に家族は言葉だけでなく、果物などの食べ物を送り、サポートしてくれた。支えがあったからどんなときでも歯を食いしばり、前に進めた。「これからもっとチームの勝ちに貢献できるように自分自身しっかり準備してやっていきたいと思います」今度は湯浅が恩返しする番だ。すべての人への感謝の思いを胸に、マウンドで戦い続ける。(織原祥平)

◆さすが、梅ちゃんや! 阪神は中日に6-4で勝利。八回2死満塁で代打・梅野隆太郎捕手(31)が勝ち越しの2点打を放ち、連敗を3で止めた。負ければ最下位転落だった一戦を救い、4位に浮上。6月の勝ち越しを決めて、ここからもう一度、はい上がる!甲子園に充満していたため息が、歓声へと変わる。勝負強い梅ちゃんが帰ってきた! ミスの連鎖を断ち切り、虎を救った! まばゆい演出に照らされながら、今季初のお立ち台へと駆け上がる。「明日も勝つばい!」。背中を押してくれた虎党に、梅野が感謝のメッセージをつむいだ。「ファンの皆さんの期待をどれくらい裏切ってきたか、というくらい裏切ってきた。それでも自分の名前が入ったタオルを掲げて、自分を信じて応援してくれている。それに応えたい毎日を送っていたので、本当にうれしい」4-4の八回2死満塁。代打・梅野がコールされる。スタンドを彩ったピンクのタオルと大歓声。重苦しい空気が変わった。2ボールから3球目。右腕・清水の142キロを振り切り、三遊間を破った。勝ち越しの2点打。ベンチを思わず飛び出して祝福するナインに、送球間に二塁へと到達したヒーローは、両手を高く挙げて応えた。負ければ最下位転落という一戦で〝ミス〟が続出した。青柳の2点打で先制しながら、二塁に到達した坂本が飛び出して走塁死。4-2と勝ち越して迎えた八回1死二、三塁では中堅手・近本の好返球を坂本がうまく走者にタッチできず、同点を許した。梅野の打席の直前にも1死満塁で代打・高山が空振り三振。もし、負けていたら悔やんでも悔やみきれないプレーばかり。代打登場で打点をたたき出したのは2014年5月6日の中日戦(ナゴヤドーム)以来。起死回生の一打だった。「プレーもそうですけど、なかなか出る機会も減っている中で、どうやったら自分にできることがあるか」20年まで球団史上初の3年連続ゴールデングラブ賞も捕手併用の方針により、出番は激減。それでもチームに献身的なサポートを続けている。6月19日のDeNA戦(甲子園)。敗戦投手となった湯浅が降板すると真っ先に駆けつけ、声をかけた。 「俺が失敗したときに感じた考えを伝えた。ベンチにいても、伝えることは大切にしようと思っている」翌日は月曜日。週初めに気持ちを切り替える右腕に水を差してはいけないと、振り返りはその日のうちに行う気遣いがあった。梅野の言葉に救われた湯浅はこの日、梅野の勝ち越し打でプロ初勝利。培った経験を若虎に伝え、成長に導く。目には見えないところでも、梅野は虎を救っている。チームは連敗を3で止め、4位に浮上。6月の勝ち越しも決めた。「自分がやるべきことをコツコツやっていきたい。それだけですね」首位・ヤクルトとは15ゲーム差で変わらないが、シーズンは折り返し地点。絶体絶命の状況を梅野が救ってくれるに違いない。(原田遼太郎)■データBOX?...阪神・梅野の代打安打は2020年9月2日のヤクルト戦(甲子園、遊安)以来。打点つきは14年5月6日の中日戦(ナゴヤドーム、延長十二回に勝ち越し2ラン)以来、8年ぶり?...阪神は6月を12勝5敗1分とし、5試合を残して今季初の勝ち越しを決めた?...中日・大野雄から4得点したのは20年7月17日(6回?を4失点)、自責4以上をつけるのは17年4月28日(7回6失点)以来(いずれも甲子園)

◆もう大野雄の名前に、ビビらなくて済む。この男が虎にいる限り、突破口はいくらでも見いだせる。佐藤輝が竜のエースから2安打を放ち、通算打率・421(19打数8安打)。いずれのヒットも得点につなげた。「自分なりに(配球を)読みながらは立っていました。いい投手なので『どんどん振っていって、追い込まれる前に』とミーティングでも言われていました」昨季から対戦全6試合で安打を放つ〝大野雄キラー〟が胸を張った。0-0の二回先頭はファーストストライクのツーシームを中前へ弾き返し、青柳の適時打で先制のホームを踏んだ。2-2の六回1死一塁では内角高めの141キロ直球を捉えた右中間への二塁打で二、三塁とし、その後、糸原の適時打が飛び出した。勢いに乗りそうな左腕のリズムを、自慢の打撃で何度も崩した。「チームで束になって、つないで点が取れたので。前回のリベンジができたと思います」前回対戦した5月6日のバンテリンドームは延長十回2死まで完全投球され、青柳がサヨナラ打を食らったが、チーム初安打を放ったのも背番号8だった。八回先頭では清水から左前打を放つと、その後、梅野の勝ち越し打で生還。3安打3得点で今季5度目の猛打賞も記録し、〝つなぎの4番〟で存在感を発揮し続けた。「きょう勝ったので。甲子園ですし、勢いに乗っていけるように頑張っていきます。疲れとかいっていられないので。精いっぱい頑張ります」佐藤輝の夏バテ対策は「日陰で休む」。疲れ知らずの4番がグングン上がる気温とともに状態を上げ、矢野阪神を上位へ引っ張り上げる。(新里公章)

◆ひい~、最後まで大ピンチで冷や汗タラタラだったけど、阪神にとってこの1勝は大きいー!!もし、もしもですよ。5月6日にあわやパーフェクトを食らうところだった(延長十回にヒットは出たがサヨナラ負けした)虎キラーの大野雄に本日もひねられていたら...。しかも、ハーラートップの8勝を挙げる虎の大黒柱でエースの青柳で負けていたら、交流戦でつかみかけたいい流れも元のもくあみで、一気に借金2桁に逆戻りになっていたであろう!!本日の大ヒーローは久しぶりに梅ちゃーん(梅野)や!! 梅ちゃんが青柳の『魂』を救ったのだ!! 5月6日の試合で最後に大野雄に投げ負けたことに加え、自分が止めなくて誰がこの連敗を止めるんや!! と、本来の投球ではないのにマウンドに立ち続けた青柳。しかし、その気力も八回に同点とされ無念の降板に...。それを救った代打梅ちゃんの決勝打は男やねェ!! 数年前までノーコンの青柳の球をゴールキーパーのように捕球して、大投手に育てた上げたのも梅ちゃんなんだよねェ...。いいバッテリー物語じゃないの(涙)。最後に湯浅くん、プロ初勝利オメデトウ!!

◆内輪の話から始めます。6月24日をもって、わがサンケイスポーツは新体制がスタート。これまで編集局長を務めていた畑恵一郎が、執行役員サンケイスポーツ代表に就任。また一段エラくなって、東京本社へ。新たに大阪本社の編集局長に就任したのは生頼(おおらい)秀基。局次長として時折、このコーナーにも登場していた実直な男が、新たな大阪サンスポの指揮官です。長く整理部で活躍し、楽しい見出し、鋭い見出しで読者を楽しませ、読みやすいレイアウトで読者を和ませて、大阪サンスポを支えてきた。1992年にはトラ番も経験。今は北の大地で大暴れしているBIGBOSSが、虎のプリンス・新庄剛志として大ブレークした年に、トラ番の3番手(といっても、当時は一番年下)ではいずり回った過去も持つ。「デジタルの時代に対応していくのは当然ですが、個人的には昔懐かしい『11PM』のような新聞を作りたいと思っているんです」われらが指揮官、いきなりビックリするような例えで、施政方針を示した。若い読者は意味、分かりましたか?「11PM」は1965年から四半世紀にわたって放送された深夜番組。♪シャバダバシャバダバ~のテーマソングが耳から離れない方も多いのでは。エンタメとお色気が詰め込まれた、まさに〝大人の番組〟が新局長が目指す世界という。サンスポがどう進化していくか、どうぞお楽しみに。甲子園球場からは、これまた新しい顔が報告を入れてきた。6月から運動部に配属された平野佑治が始球式を取材。甲子園のマウンドに登場したのは、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの川村壱馬さん。人気者の登場に、甲子園は沸き上がった。 環境問題に意識を持ちましょう!分別回収に努めましょう!地球環境にやさしいモノづくりを考えましょう!甲子園球場オフィシャルエコアドバイザーである帝人フロンティア株式会社とタッグを組んで行われた「THINK ECODAY supported by 帝人フロンティア株式会社」。球場外周でもECOのイベントが開催され、一環として始球式に指名されたのが川村さんだった。1月7日生まれということで「17番」を背負い、力を込めた一投は高めに浮いたが、剛速球を披露。実は関西出身でバリバリの阪神ファンだった。「夢の場所ですし、感動ですね。ヤバいです。赤星さん、新井さん、金本さん、矢野さん、鳥谷さんがいた、その皆さんがスタメンだった頃がめっちゃ好きでした」超有名人の虎投の声援も受け、タイガースは難攻不落の竜のエース・大野雄と対戦。5月6日の対戦では、延長十回2死まで完全試合というすさまじい投球をされてしまった。何度も抑えられたらプロじゃない。佐藤輝が、糸原が、まさかの青柳が、屈指のサウスポーに向かっていった。いろんなミスも飛び出したが、最後は梅ちゃんが決勝打。われらが新局長の門出、どうか飾らせてやってください! サンスポが一丸となって祈った「6・24」はハッピーエンドに。勝てばいい。贅沢は言いません。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
46221 0.676
(↑0.004)
-
(-)
74303
(+16)
217
(+6)
80
(+5)
48
(-)
0.252
(↑0.003)
2.760
(↓0.05)
2
(-)
巨人
38360 0.514
(↓0.007)
11
(↓1)
69275
(+6)
311
(+16)
76
(+1)
37
(+2)
0.244
(↑0.001)
3.770
(↓0.16)
3
(-)
広島
33353 0.485
(↑0.007)
13
(-)
72266
(+7)
262
(-)
35
(+3)
13
(-)
0.254
(↑0.001)
3.420
(↑0.05)
4
(1↑)
阪神
32382 0.457
(↑0.008)
15
(-)
71237
(+6)
215
(+4)
49
(-)
52
(+1)
0.234
(↑0.001
2.780
(↓0.02)
5
(1↓)
DeNA
29360 0.446
(↓0.007)
15.5
(↓1)
78225
(-)
276
(+7)
51
(-)
24
(-)
0.249
(↓0.001)
3.860
(↓0.05)
6
(-)
中日
30390 0.435
(↓0.006)
16.5
(↓1)
74206
(+4)
268
(+6)
37
(-)
23
(-)
0.243
(↑0.001
3.770
(↓0.04)