◆広島は初回、坂倉の適時二塁打で2点を先制する。その後は、3回表に菊池涼の2ラン、4回には中村健のソロが飛び出すなど、着実に得点を重ねた。投げては、先発・大瀬良が9回無失点の快投。今季6勝目を完封で飾った。敗れたDeNAは、投打ともに振るわなかった。

◆DeNA今永昇太投手が5回5失点で2敗目を喫した。1回2死から3連打で2失点。3回には広島菊池涼に左翼ポール際へ2ラン、4回も中村健に左中間ソロを被弾。両手を腰に当てて立ちすくんだ。右中間方向に打者有利の強風が吹く中で、低く制球できなかった。「今まで抑えられていた球がはじき返された。内角の強い球を打ち返されたことが苦しい展開になった要因です」と反省。7日のノーヒットノーラン達成後、2戦連続黒星となった。

◆これぞ、エース。広島大瀬良大地投手（31）がDeNA10回戦（横浜）で今季2度目の無四球完封で6勝目を手にした。大量援護を背に、5回以降は得点圏に走者を進めず、8奪三振。2戦連続延長戦明けの移動試合でチームが苦しい中、9回まで1人で106球を投げ抜いた。自身3連敗から復調を感じさせる力投で、1カ月ぶりの3連勝に導いた。表情ひとつ変えず、最後までマウンドに立ち続けた。大瀬良は27個目のアウトをDeNAの4番牧から二飛で奪っても、白い歯を見せることはなかった。この日は立ち上がりから直球に本来のキレを感じさせた。宝刀カットボールではなく、フォークを効果的に使いながら相手打線を押し続けた。5回以降は得点圏に走者を進めなかった。今季2度目の無四球完封で自身の連敗を止め、チームの連勝を3に伸ばした。「あれだけふがいない投球が続いていたら、自分の中でいろんな思いがありました。何とかチームのためにという気持ちを持って投げられて、結果が出せて良かった」5月20日中日戦での5勝目を最後に白星から遠ざかった。交流戦途中にはコンディションへの不安もあり、出場選手登録を抹消して再調整に充てた。だが、復帰登板の前回ヤクルト戦は4回4失点。「こういう立場で恥ずかしさじゃないけど、しっかりとやらないといけないなと。一生懸命やっても結果がついてこないもどかしさもあった」。自身3連敗で迎えたマウンドに期するものがあった。2戦連続延長を戦ったチームは、この日広島から横浜へ移動したばかり。さらに2試合で計11投手の中継ぎが登板し、3連投の栗林はベンチ入りメンバーから外れた。「自分のことよりチームのために投げたいと思ってマウンドに立った。なんとか最後まで投げきれて良かった」。苦しい台所事情の中、最後まで1人で106球を投げ抜いた。苦しみながら得た6勝目で、チームを約1カ月ぶりの3連勝に導いた。だが、敵地でのヒーローインタビューでも"大瀬良スマイル"は封印したまま。「何としても勝ちたいと思っていた。明日以降も連勝を続けられるように、みんなで力を合わせて頑張りたい」。この1勝に満足することなく、次の登板に目を向ける。まだまだ借りは、返せていない。【前原淳】?○...菊池涼の左翼ポール際への打球は風に助けられ、3号2ランとなった。3回1死一塁から左翼線へ打ち上げた飛球は、風の影響で切れずに、そのまま左翼席に着弾した。「風のおかげで入ってくれて良かった。（22、23日と）延長戦を2試合やって粘りは出てきている。今日は初回に（坂倉の適時打で）2点入った流れと、（完封の大瀬良）大地に尽きる」。点差を4点に広げる2ランを放ったが、仲間への称賛を真っ先に述べた。○...坂倉が先制打＆6号ソロを含む猛打賞で大暴れした。1回2死一、二塁では今永から中堅フェンス直撃の先制2点適時二塁打。9回2死では三上の内角スライダーを完璧にとらえ、ライナーで右翼席へ6号ソロを運んだ。「チームも今週負けなしで、そういう波に乗れた。今週くらいからちょっと感覚が良くなってきたかなという感じ」。7回には中前打も放ち3安打。11戦連続安打と好調だ。○...中村健がDeNA今永から豪快な2号ソロを放った。4回先頭で左腕の直球を左中間へはじき返した。風にも乗り、スタンド中段まで飛んだ。「真っすぐが走っていたので振り負けないようにフルスイングした。ライナーを打ちにいった結果がいいスイングにつながった」。1号はヤクルト石川、2号はDeNA今永から。ドラフト3位ルーキーは好投手から本塁打を放っている。

◆ＤｅＮＡは２５日の広島戦に浜口遥大投手（２７）が先発する。試合前の練習で準備を整えた。前回登板となった１８日の阪神戦（甲子園）は五回途中４失点で黒星。「点を取ってもらった後の失点が多い。先頭打者を切って、ゼロでいけるように」と反省を口にした。公式戦では今季初対戦の広島打線に「調子はいいと思うので、しっかり自分優位のカウントで対戦していけるように」と警戒した。

◆本拠地ハマスタに詰めかけたベイスターズファンが、がっくりと肩を落とした。ＤｅＮＡのエース、今永昇太投手（２８）が５回８安打５失点でノックアウトされた。左前腕部の炎症で出遅れた今永にとって、今季初登板となった５月６日の広島戦（マツダ）以来の大瀬良とのエース対決。登板前日には「タフな投げ合いになりますが、投げ勝ちたい」と意気込んでいたが、望みはかなわなかった。一回は１、２番を打ち取るも、２死から中軸に痛恨の３連打。最後は一、二塁から坂倉の飛球が風に乗ってフェンスを直撃する中越えの２点二塁打となり、今季完封した２試合を除く全試合で失点している課題の初回に、またも失点した。悲劇は続く。三回先頭の上本に中前打を許すと、１死一塁から今度は菊池涼が高めを振り抜いた左翼ポール際への飛球が風に乗り、切れることなくそのままスタンドに突き刺さった。四回は先頭のルーキー、中村健に直球を狙い打たれ左翼席へソロ被弾。五回で代打を送られ、無念の降板となった。７日の日本ハム戦（札幌ドーム）でノーヒットノーランを達成したが、１７日の阪神戦（甲子園）での６回６失点に続き大量失点。相手エースを勢いづかせる最悪の結果で、今永がベンチへと下がった。（浜浦日向）

◆広島の坂倉が一回に先制の２点二塁打を放った。連続試合安打を１１に伸ばし「一回から援護できて良かった」と振り返った。マツダスタジアムで、２試合続けて延長戦を繰り広げてから横浜に乗り込んだ。２死から菊池涼、マクブルームの連打で一、二塁。無安打無得点試合達成から初の本拠地での登板となった今永に襲いかかる。坂倉の打球は風に乗ってぐんぐんと伸び、中堅フェンスを直撃した。好打の西川が離脱した打線を力強くけん引している。「数字として残っているのは精神安定剤。次に向かっていける一つの要因」と手応えを口にしていた。

◆広島の大瀬良は８三振を奪い、無四球の６安打で完封して６勝目を挙げた。打線は一回に坂倉の２点二塁打で先制。三回に菊池涼の２ラン、四回は中村健、九回は坂倉のソロで突き放した。ＤｅＮＡは投打に精彩を欠いた。

◆ＤｅＮＡは攻守にいいところなく完敗した。先発の今永は追い込んでからの精度が低く、序盤からつかまった。一回は２死からの３連打で２点を先制され、三回は菊池涼に２ラン。その後も立ち直れず、今季最短の５回を５失点で降板した。２敗目を喫し「今まで抑えられていたボールがはじき返された」と首をひねった。打線は淡泊な打撃を繰り返して苦手の大瀬良に抑え込まれ、４月３０日以来の零敗。これで今季の広島戦は１勝９敗となり、三浦監督は「やられっぱなし。対策を立ててやっているが、結果につなげないと」と顔をしかめた。

◆エースがまたも大量失点に沈んだ。ＤｅＮＡは先発の今永昇太投手（２８）が、５回５失点でノックアウトされ２敗目（３勝）。チームは今季の広島戦１勝９敗となり、５位に転落した。左腕は一回２死走者なしから３連打で２失点。三回は菊池涼、四回は中村健に本塁打を浴び「調子自体は悪くなかったが、今まで抑えられていた球がはじき返された。内角の強い球を打ち返されたことが苦しい展開になった要因」と首をかしげた。７日の日本ハム戦で無安打無得点試合を達成したが、６回６失点した１７日の阪神戦に続く連敗。２０日に父・孝司（こうじ）さん（享年７１）が死去したことを発表していた。打線も今季４度目の対戦の大瀬良に完封を許し、勝ちなしの３敗目。三浦監督は「やられっぱなしですから。結果につなげていかないといけない」と〝反撃〟を誓った。（浜浦日向）