ソフトバンク(☆4対0★)阪神 =交流戦3回戦(2022.06.09)・福岡PayPayドーム=
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阪神
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ソフトバンク
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勝利投手:レイ(4勝3敗0S)
敗戦投手:ウィルカーソン(4勝3敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】デスパイネ(2号・5回裏ソロ)

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◆ソフトバンクは初回、中村晃の内野ゴロの間に1点を先制する。その後は、3回裏にグラシアルの適時打、4回には牧原大の適時打が飛び出すなど、小刻みに得点を重ねた。投げては、先発・レイが9回5安打無失点の快投。今季4勝目を完封で飾った。敗れた阪神は、打線が沈黙した。

◆阪神の高寺望夢内野手(19)が、掛布以来のチーム10代左打者アーチを目指す。8日のソフトバンク戦で1軍公式戦初出場を果たした2年目の左打者。今年10月16日までに本塁打を放てば、阪神の10代左打ち選手としては75年の掛布雅之以来、47年ぶりとなる。掛布は74年に高卒1年目の18歳で1軍デビューし、同年早くも3本塁打し頭角を現す。翌75年5月4日広島戦で10代最後のアーチとなる、通算4号を記録した。ドラフト入団し、10代のうちに本塁打を記録した阪神の左打ちはほかに2人。66年入団の藤田平は同年1本、2年目の67年に16本。10代に計17本塁打を放ち、遊撃の定位置を固めた。もう1人は、投手の江夏豊だ。1年目の67年4月23日中日戦で救援に立ち、自らプロ1号を放った。高寺が10代で本塁打を放てば、阪神のドラフト入団左打者ではこの3人以来となる。いずれも球史に残る名選手だ。デビュー戦では3打席ノーヒットに終わった若武者は、後に続くことができるか。なお右打者も含めた10代選手の本塁打となると、直近は95年に2人。ともに19歳の平尾博司と高波文一が、それぞれ1本塁打を放っている。【記録室 高野勲】(スカイA「虎ヲタ」出演中。今年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」で準優勝)

◆阪神近本光司外野手(27)が、好守で立ち上がりに苦しむ先発ウィルカーソンを助けた。2回先頭の今宮を四球で出塁させ、無死一塁で打者三森の場面。中堅への浅いフライを近本が猛ダッシュでスライディングキャッチし、素早く一塁へ送球した。スタートを切っていた今宮は帰塁できずダブルプレーとなった。安打なら一気に無死一、三塁となっていた可能性もあった。昨季ゴールデングラブ賞の近本が、2回まで3四球と制球に苦しむ助っ人を超ファインプレーで盛り立てた。

◆阪神長坂拳弥捕手(28)の"シビレーザー"が発動した。4回2死一塁、打者柳田の場面。今季8盗塁を決めている一塁走者牧原大の二盗を素早い送球で阻止した。初回には周東に二盗を許していたが、2度目は許さなかった。ここまで相手の盗塁10企図を7度阻止し、盗塁阻止率は7割を誇る。2日の試合前に本紙記者が長坂を突撃。強肩が武器の長坂の異名として、拳弥の名前から連想した「長坂パンチ」、5月21日のお立ち台で「シビれました!」と連呼したことから「シビレーザー」の2択を提案。長坂は「じゃあ、シビレーザーで!」と公認し、異名が決定していた。

◆ソフトバンク戦で阪神の"ソフトバンクリレー"が実現した。渡辺雄大投手(30)が4回裏2死一塁から登板。打者柳田の場面で牧原大の二盗を長坂が阻止し、この回を切り抜けた。仕切り直しとなった5回。先頭柳田から127キロスライダーで空振り三振を奪った。だが、直後のデスパイネに左中間へのソロアーチを被弾。リードを4点に広げられた。渡辺はソフトバンクを戦力外となり、今季から阪神に加入。「柳田さんはどこに投げてもホームラン打つようなすごいバッター。楽しみな対戦」と心待ちにしていた。ギータ斬りは果たしたものの、デスパイネには豪快アーチを許した。2死となり3番手には、こちらもソフトバンクを戦力外となり21年から阪神に加入した加治屋蓮投手(30)が登場。内野安打で2死一塁とされたが、91年生まれで同学年の今宮を投ゴロに仕留め切り抜けた。

◆阪神の自力優勝の可能性が再消滅した。ソフトバンクに2試合連続完封負けで、今季62試合目で早くも15度目の完封負け。これは球団最多の63年24度どころか、プロ野球最多の56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)の31度を超えるペースだ。今季35敗のうち、約43%が完封負けと貧打が目立つ。3回までソフトバンク先発のレイに対し無安打。5回2死一、二塁で代打起用されたメル・ロハス・ジュニア外野手(32)は空振り三振に倒れ、不発に終わった。阪神先発アーロン・ウィルカーソン投手(33)は、来日最多の4四球と制球が定まらず、3回2/3を6安打3失点で降板した。この日、阪神の外国人投手では球団初となる来日1年目の月間MVP受賞が発表されていたが、6月は2試合連続で5回もたず。2番手渡辺雄大投手(30)もデスパイネにソロ被弾し、古巣相手に追加点を許した。阪神は5月31日に西武に敗れ、自力優勝の可能性が消滅していた。翌6月1日には勝利し、一夜にして自力優勝の可能性を復活させていたが、この日ヤクルトが勝利したため、再びの消滅となった。4カード連続勝ち越しならず、交流戦首位のヤクルトには2差に広げられた。10日からは京セラドーム大阪で、交流戦ラストカードとなるオリックスとの「関西ダービー」に臨む。▼阪神の自力優勝が再び消滅した。阪神は残りの81試合に全勝すると、最終成績は107勝35敗1分けで勝率7割5分4厘となる。一方のヤクルトは、阪神戦13試合に全敗しても他球団との残り71試合に全勝すれば108勝34敗1分けで勝率7割6分1厘となり、阪神を上回るため。5月31日に21世紀最速で消滅したが、翌6月1日に復活。6連勝するなど、粘っていたが連敗で再び消滅となった。なお、10日にも自力優勝が復活する可能性がある。条件は阪神○ヤクルト●の場合のみ。

◆ソフトバンクは投打がかみ合い、阪神に快勝。大幅に組み合えた打線が的中した。藤本博史監督(58)の、試合後の一問一答は以下の通り。-安心してみられる試合運び「レイがいい投球してくれたんでね。ゆっくり見られました」-4番デスパイネが活躍「今年初めて4番に入って、いい活躍してくれた。こういう点の取り方を1年続けてできたら楽なんですけどね。明日も4番で行きます」-6番グラシアルも適時打「下げたと言うより、4番を打つのは今デスパイネかグラシアルしかいない。今日は楽なところでと考えて6番にしただけで。また4番に戻ることもある。そこは状態を見ながら決めていきたい」-8番三森にも安打「三森も状態悪い中でずっと試合に出ながら葛藤しているんですけど、今日1本出て気持ちがホッとしてるんじゃないかなと思います」-レイは完封「今日は本当にすばらしい投球。前半は低め低めで、後半はちょっと高めに来たんですけど甲斐がうまくリードしてくれました」-佐藤輝、大山を抑えた「その2人がポイント。そこをしっかり抑えられたのが良かったと思います」-先発陣が好調「先発がゲームをほとんど作ってくれている。あとは打線のつながり。今日みたいに泥臭い形で点を取っていけばなんとか勝てると思います」-ヤクルト戦「もう3つ勝つつもりで戦っていきたいと思います」-デスパイネがチーム久々の本塁打「すばらしいホームランを打ってくれましたね。今年は特に、うちの打線はホームランが少ないんで、ああいう1本はすごくベンチが盛り上がりますよね」-レイは9回も続投「本人が9回行きたいということだったんでね、津森を用意してたんですけどね。じゃあ行ってくれと」-初回は内野ゴロで1点「三振だったら1点も入らないですからね。(中村)晃がああやってバットに当てる、当てたらああやって1点取れるわけですから。きれいな得点、きれいなタイムリーも打って得点したいですけど、ボールに食らいつくそういう姿勢も大事かなと思います」-打順を下げたグラシアル、三森に安打「狙いはそういうところですよね。どうしても状態が上がってきてない選手のところにチャンスが回ってくるんですよね。その中でなんとか食らいついていってくれている。柳田も状態悪いですけど、四球を取るとか。葛藤してると思いますよ。その中で出塁率が3割5分あるわけですから。貢献してくれてますよ」-交流戦首位のヤクルトと3連戦「明日うちはエースが投げるんでね、今日のレイを刺激にいい投球してくれると思います。明日は小川やったかな。なんとか小川から点を取るというところでね、今日みたいに1点1点取っていきましょう」

◆ソフトバンクは打線組み替えがはまり、阪神に快勝した。藤本博史監督(58)は「こういう点の取り方を1年続けてできたら楽なんですけどね。ゆっくり見られました」とほくほく顔で振り返った。開幕58試合目で、初めて大きく打順を動かした。ここまで全試合で4番を打っていたグラシアルを6番に下げ、デスパイネを4番DHで起用。出場した試合はすべて1番だった三森も、今季初の8番に変更した。藤本監督は「グラシアルがちょっと打点が少ないところもある。ちょっとここ最近打線になってないからね。三森は8番で状態を上げて、また1番に入ってくれたら」。7日阪神戦では完封負け。前日8日も、内野ゴロによる1点のみだった。復調を期待する主軸の打順を入れ替えて、打開を図った。効果はてきめん。初回は1番周東が四球と盗塁でチャンスメーク。1死満塁から中村晃の三ゴロで先制した。3回は6番に下がったグラシアルが適時打。4回は無死から8番三森に自身21打席ぶりとなる安打が出て、牧原大の適時打を呼び込んだ。5回は4番デスパイネがチーム5試合ぶりの2号ソロ。新打線がぴたりとはまった。交流戦は残り3試合。2差の首位ヤクルトをペイペイドームに迎える。藤本監督は「もう、3つ勝つつもりで戦っていきたいと思います」。直接対決でたたき、逆転での3年ぶり優勝を狙う。【山本大地】○...デスパイネが今季初の4番起用に応えた。初回は1死一、二塁で右前打を放ち、好機を広げて先制点を呼び込んだ。5回1死では左越えに2号ソロ。自身にとってもチームにとっても5試合ぶりの1発で、勝利をたぐり寄せた。「完璧な当たりでした。最高の気分です。4番というのは最初の打席だけ。後は回ってきたところで、自分の仕事をするだけです」と胸を張った。

◆ソフトバンクのレイが今季初完封で4勝目を手にした。キレのあるチェンジアップを軸に、阪神打線を5安打無失点。「(チェンジアップは)中盤から後半に多めに使ったので、自分の真っすぐを投げる感覚が戻ったよ。すごくいい感じに混ぜてくれた」と、捕手の甲斐に感謝した。最後にして最大のピンチは、ベンチに頭を下げた。9回2死一、三塁で6番糸原。初めて三塁に走者を背負い、森山投手コーチがマウンドに駆け付けた。「気合を入れてもらったんだ。しっかり考え直して、全部つぎ込んでこの打者で終わらせようと。いいタイミングで来てくれたね」。最終124球目にこん身の150キロを投げ込み、糸原を左飛に仕留めた。今季、ペイペイドームでは中継ぎ登板も含めて6戦4勝。防御率も1.89と本拠地で強い。レイは「ホームの雰囲気やファンの皆様、マウンド全てが自分に合っていると思うよ」と笑みを浮かべ、お立ち台で力強いガッツポーズを見せた。

◆阪神が今季62試合目で早くも15度目の完封負けを喫した。これは球団最多の63年24度どころか、プロ野球最多の56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)の31度を超えるペースだ。今季35敗のうち、約43%が完封負けと貧打が目立つ。矢野監督の試合後の一問一答は以下の通り。-ウィルカーソンは先頭を出す苦しい投球「それはフォアボールとかカウントを不利にしての投球なので、なかなかこっちにリズムが来ることもなかったし。前回も良くなかったので、ちょっと2回続いたのでね。ちょっと次までに間が空くと思うんだけど、しっかり調整していくしかないよね」-疲れも出てくる時期「まあまあ、そりゃみんな何回も投げていけばね、そらそうなってくるし。でも、ウィルカーソン自体も経験のあるピッチャーなので、そういうのは乗り切ったり次回に向けてまた調整してくれるんじゃないかなと思うけど。パワーピッチャーとかそういうピッチャーじゃないんで。コントロールとかキレで勝負するピッチャーなので。まずゾーンに投げ切れる球種が増えてこないとね」-ケラーは真っすぐで空振りを取れていた「もちろん、本来空振りを結構取れるピッチャーだということでとっていたので、そういうところでは本来の力というのはこれくらいのものがあるんじゃないかなと思ってとったんだけど。まあまあ、それに近づいてきている。そういう力が出たんじゃないかなと思います」-フォーク系の球も効果的に「アレが日本に来てね、ちょっと練習して。昔、メッセンジャーとかね、あのへんも日本に来て最初苦労したけど。落ちるボールを覚えたらどうだっていうところから変われたんで。そういうところでは、そういうボールもゲームの中で使っていっていけば、まだまだね、自分のものにできるチャンスは十分にあると思うし、ピッチングの幅も広がると思うんでね。そういうところもトライしていってもらえれば」-攻撃では4回は2度続けて二塁走者が挟まれてしまった「それは、仕方がないんじゃないの。あれはもう。もちろん飛び出して全部がOKというわけじゃないけど、ある程度。カーンっといったやつは(ホームに)かえってもいいんじゃないのっていう、指導というか、チーム方針でやってるんで。まぁ粘ってセカンドまで行くっていうことが大事だから」-試合前には佐藤輝と話を「今日のスイング自体はそんな悪いって感じしなかったけどね。いいポイントでは振れてる感じではあったんで。結果的にヒットは打ててないけど、今日は自分のスイングに近いような、ポイントでは振れてた感じはあったので。ちょっと良くなりつつというか、微調整というか」-明日からは交流戦最後のカード。切り替えていく「オリックスはピッチャーいいんでね。まぁまぁ、そんなに多く点を取れるっていう感じになればいいんだけど、競った試合になると思うんで。きょうもノーアウト二塁でも(中野)拓夢がね、なんとか進めるというか、やっぱりそういう野球をしていかないとダメだなと。残り3つなんで、ピッチャー陣みんな頑張ってくれると思うんで、野手がなんとかやっていきます」

◆4番手で登板した石井大智投手(24)が、2回無失点と好投した。2イニングに入った7回先頭、柳田からは低め147キロ直球で見逃し三振を奪うなど、無安打でソフトバンク打線を封じた。今季初登板となった3月26日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)では2失点したが、その後は8試合11イニング連続無失点。「四球もありましたが、結果的に0点で抑えられた部分については良かった。次回はもう1つ内容の濃い投球ができるように準備していきたい」。納得せず次回登板を見据えた。

◆御礼快投はならなかった。阪神の先発アーロン・ウィルカーソン投手が、4回途中3失点で3敗目を喫した。立ち上がりから不安定な投球が続き、来日最多4四球を与えるなど乱調。4回2死三塁から牧原大に左前適時打を浴び、3点目を許したところで降板した。「良い所に投げようと慎重になりすぎて、ボール先行の苦しい投球になってしまったよ」と反省。自身3度目の中5日の登板。過去2度はともに快投で2勝を挙げていたが、"不敗神話"が崩れた。この日は5月度の「大樹生命月間MVP賞」の受賞日。5月は4試合に登板しリーグトップタイの3勝、防御率1・04と抜群の安定感で、来日1年目の新外国人投手としては球団で初受賞の快挙だった。「このままいい状態を継続して、自分の仕事ができれば、チームに勝つチャンスを与えられる」と気合十分だったが、6月は自身2戦勝ちなし。5月の快投連発がうそのように、苦戦を強いられている。○...阪神渡辺と加治屋の"元ソフトバンクリレー"が古巣相手に実現した。2番手渡辺は5回、柳田を空振り三振に仕留めたが直後にデスパイネにソロを被弾。リードを4点に広げられた。その後、3番手で加治屋が登板。2死一塁から、91年生まれで同学年の今宮を投ゴロに仕留めた。ともにソフトバンクを戦力外となり、加治屋は昨季、渡辺は今季から阪神に加入。加治屋は「久しぶりのペイペイドームのマウンドだったので、楽しみながら投げることができた」と汗をぬぐった。▽阪神石井(4番手で2回無失点。8試合11イニング連続無失点)「四球もありましたが、結果的に0点で抑えられた部分については良かった。次回はもう1つ内容の濃い投球ができるように準備していきたい」

◆6連勝の勢いはどこへ? 阪神打線が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で先発レイに5安打で完封され、今季3度目の2試合連続0封負けを喫した。9回2死二塁から大山の遊撃への内野安打で一、三塁とし、ようやく三塁を踏んだ。だが、続く糸原は左飛に倒れ、またも左翼を埋めた博多の虎党に得点シーンを見せられなかった。矢野監督は「無死二塁でも(中野)拓夢が何とか(走者を)進めるというか、そういう野球をしないとダメだな」と厳しい表情。4回無死二塁から中野、近本が連続の投ゴロで二塁走者が挟まれ、三塁へ進められなかった拙攻を悔やんだ。今季62試合で早くも15度目の0封負け。6連勝中は絶好調だった5番大山が9回に9打席ぶりに安打を放ったが、4番佐藤輝は2試合無安打。得点源の4、5番がブレーキとなった。試合前練習で身ぶりを交えて佐藤輝に熱心に打撃指導した矢野監督は「いいポイントで振れている感じはあった。ちょっとよくなりつつというか、微調整というか」と懸命に出口を探した。ヤクルトが勝ち、再びセ・リーグでの自力優勝が消滅した。4カード連続勝ち越しならず、交流戦でも首位のヤクルトには2差に広げられた。だが、まだソフトバンクと並び2位タイだ。10日からは京セラドーム大阪でオリックスと交流戦最後の3連戦。条件は厳しいが、初優勝の可能性がある限り「関西ダービー」は意地の見せどころだ。優勝は争いはヤクルト、阪神、ソフトバンクの3球団に絞られた。矢野監督は「オリックスは投手がいいんで。競った試合になると思う。残り3つ。投手陣みんなが頑張ってくれると思うんで、野手が何とかやっていきます」と必勝を宣言。山崎福、山本、そして宮城と難敵が来るオリックスを倒し、浮上のきっかけにしたい。【石橋隆雄】▼阪神は今季15度目の完封負け。年間34度のペースで、プロ野球最多の56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)31度を超える可能性がある。▼2試合連続完封負けは今季3度目で、球団では11年の4度以来となった。62試合目までに3度記録したことはなく、球団ワーストの速さになった。▼阪神はソフトバンクに1勝2敗で負け越し。12年以来4度目の勝ち越しはならなかった。ソフトバンクには通算26勝35敗4分けで、勝率4割2分6厘は交流戦対戦別で最も勝率が低い。▼他力ながら、阪神は交流戦優勝の可能性を残す。条件は、10日から阪神がオリックス3連戦○○○のとき、(1)ソフトバンクがヤクルトに○○△なら無条件(2)ソフトバンクがヤクルトに○○●なら、阪神とヤクルトが12勝6敗で並ぶ。このときは交流戦の優勝決定規定に基づき、両チームの成績を比較して優勝球団を決める。▼10日から阪神とソフトバンクがともに○○△の場合は、阪神、ヤクルト、ソフトバンクが11勝6敗1分けで並ぶ。このときも規定に従って3球団の成績を比較し、順位を決める。▼阪神の自力優勝が再び消滅した。阪神は残りの81試合に全勝すると、最終成績は107勝35敗1分けで勝率7割5分4厘となる。一方のヤクルトは、阪神戦13試合に全敗しても他球団との残り71試合に全勝すれば108勝34敗1分けで勝率7割6分1厘となり、阪神を上回るため。なお、10日にも自力優勝が復活する可能性がある。条件は阪神○ヤクルト●の場合のみ。○...青柳が今季2度目の中5日で10日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に先発し、リーグ単独トップの7勝を狙う。同戦の先発は新人の16年6月15日以来、6年ぶり。勝ち負けはつかなかったが、5回無失点と好投した。ここまで6勝、防御率0・98、勝率8割5分7厘はいずれもリーグトップ。前回4日の日本ハム戦後に、「毎試合いい感じで試合をつくることができているので、継続したい」と話していた。逆転での交流戦初優勝へ関西ダービーの初陣も白星に導く。

◆ソフトバンク・藤本博史監督(58)が試合前に代表取材に応じた。柳田悠岐外野手(33)について、不変の信頼を寄せた。「3番の柳田は絶対、1年間代えないつもりでいますから」ここまで柳田は打率・256、7本塁打、32打点。誰よりも柳田自身がきっかけを探しているが、3番は柳田なんだと藤本監督はきっぱりと強調した。この日は今季全試合で4番を託されてきたグラシアルではなく、デスパイネを4番に据えることも明言。打線が「線」になるように工夫を重ねる中、柳田だけは動かさない覚悟だ。「(柳田が不調とはいえ)相手は柳田を一番警戒して投げているんじゃないですか? いい打者にはね。うちでもそうですよ。きのうの佐藤輝とか大山、その2人は本当に警戒ですよと。各チームにそういう選手はいますよ。今、柳田は大胆な攻められ方をしているということですね」試合前、柳田が打撃練習を終えると藤本監督は直接助言を送った。監督と主将が手を取り合って、必ずチームを勝たせる。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が先発する。前回登板した3日の日本ハム戦(甲子園)では、ともに来日ワーストとなる3回7失点と乱れただけに、悔しい思いをぶつけるマウンドになる。また、今回の登板日には4試合に先発して3勝1敗、防御率1・04と好成績を残した5月度の活躍をたたえられ「大樹生命月間MVP」が発表された。仕切り直しの一戦で、御礼ピッチを見せられるか。

◆ソフトバンク・長谷川勇也打撃コーチ(37)が試合前に代表取材に応じた。柳田悠岐外野手(33)に身振り手振りで助言を送るシーンがあった。「おじちゃんバッティングの見本を(伝えていました)。年相応のバッティングを見せただけです。なんというのかな、本質というか、シンプルに考えてもらえるように。そんなに力まなくても飛びせる力はあるし、タイミングが合えばしっかり振り切れると思うので」柳田は試合前時点で打率・256、7本塁打、32打点。8日には王球団会長からも指導を受けるなど、きっかけを探している。長谷川打撃コーチは、王会長とのやり取りについても「たぶん、似ていると思います。言い回しは違うかもしれないですけど。王会長が言うこともシンプルなので」と代弁した。何度も「シンプル」という言葉を使って、長谷川打撃コーチなりに表現した。「これまでたくさんバットを振ってきたわけですから。体にしみついてきたものがあるので。あとはそれを使って、投手と勝負してもらえればいいかなと。これ以上、上積みをするというよりもいろんなものを省いて省いて省いて、シンプルにしていく感じですかね」長谷川打撃コーチは現役時代に通算1108安打を放つなど、その打棒で何度もチームを救った。今季からは打撃コーチに就任したが、その経験を伝え続けている。

◆ソフトバンク・千賀滉大投手(29)が10日の本拠地でのヤクルト戦の先発に向けて、ランニングなどで調整した。「(ヤクルト打線は)すごい打力があるチーム。ピッチャーが頑張らないといけないと思うので。しっかり投げることが一番」今季は10試合に先発して4勝2敗、防御率1・60。前回登板は3日の中日戦(バンテリンドーム)では5回?を投げて無失点で4勝目を挙げたが、体がつって途中降板した。「投げる方は大丈夫。しっかり投げたいと思います」と強調した。ヤクルトから白星を挙げれば11球団勝利となる。山田や村上ら強力な打者がいるが「対戦が少ないですし。中軸にチャンスで回さないためにもと思ったら全員になってくるので。しっかり集中してマウンドに上がりたいと思います」と意気込んだ。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が先発したが、四回途中6安打3失点で降板した。立ち上がりから制球に苦しんだ。一回は俊足を武器とする先頭・周東にいきなり四球を与えるスタート。すぐさま二盗を決められると、1死後には柳田にも四球を与え、デスパイネに右前打を浴びて満塁となり、中村晃の併殺崩れの三ゴロの間に先制点を献上した。最少失点でしのいで立て直したかったが、二回も先頭の今宮に四球を与え、流れを作れない。安打と四球で1死一、三塁を招いた三回はグラシアルに高めボールゾーンの143㌔直球を中前にはじき返されて2点目を与え、四回は2死三塁で牧原大に詰まりながら左前に落とされて追加点を与えたところで、交代が告げられた。4イニングすべてで先頭打者を出塁させると同時に、得点圏に走者を背負う、苦しい状況が続いた。前回登板した3日の日本ハム戦(甲子園)では、ともに来日ワーストとなる3回7失点。5月度の「大樹生命月間MVP」セ・リーグ投手部門の受賞が発表された日に迎えた仕切り直しの一戦だったが、またしても悔しい結果になってしまった。

◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(35)が五回1死から、左中間スタンドに特大の2号ソロを放った。「甘く入った真っすぐを完璧にとらえることができたよ。いい形で追加点を取ることができてよかった。やっぱり本拠地であるペイペイドームのホークスファンの前で打つホームランは最高だね」マウンドには元鷹戦士でもある左腕・渡辺。141キロの直球を振り抜くと、打った瞬間に歩き出す確信弾だ。6月に入って、チーム本塁打は2本目。3日の中日戦(バンテリンドーム)でデスパイネが放った1号以来だった。試合中は球団広報からメールで選手のコメントが送られてくる。前述のコメントのさらに下部に(松田宣浩通訳)と記され「スタンドの27ゲートまで飛ばすことができて満足だよ」と、松田が訳したと思われるコメントまで報道陣に送付されていた。

◆阪神は相手先発・レイに5安打完封に封じられた。零封負けは今季15度目。ウィルカーソンが四回途中までに失った3点が重くのしかかった。打線は三回までノーヒット。四回は先頭・島田が投前バント安打で出塁し、さらに二盗を決めて初めて得点圏に走者が進んだが、後続が内野ゴロ3つで無得点。五回も安打と四球で2死一、二塁の好機をつくったが、代打・ロハスが空振り三振に倒れて逸した。最後の意地を見せたい九回は2安打で2死一、三塁を演出するも糸原が左飛に倒れ、最後までホームが遠かった。

◆ソフトバンクはレイが5安打に抑え、昨年7月以来の完封で4勝目。コースを突き、変化球を絡めて的を絞らせなかった。一回に中村晃の三ゴロで先制し、三回はグラシアル、四回には牧原大が適時打。阪神は2試合連続15度目の零敗。

◆ソフトバンクは連勝で今カード勝ち越し。コリン・レイ投手(31)が今季初完封をマークした。打線では今季初めて4番に座ったアルフレド・デスパイネ外野手(35)が2号ソロを放つなど4得点を奪った。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。ーー8日は「どきどき」と話していたが、安心できる試合展開だったのでは「レイがいい投球をしてくれたので。ゆっくり見られました」ーー4番のデスパイネが2号ソロ「今日4番に今年初めて入って、本当にいい活躍してくれた。こういう点の取り方を1年間できればいいんですけど。あしたも4番でいきます」ーー距離も出たホームランだった「素晴らしいホームランでしたね。今年は特にうちのチームはホームランが少ないですからね。ああいう一本はベンチも盛り上がりますよね」ーー6番に下げたグラシアルも三回2死一、三塁で適時打を「下げたというより、4番を打つのはうちのチームでは今のところ、デスパイネかグラシアルしかいないので。デスパイネがDHで使えるということで、グラシアルは楽なところで。また4番に戻ることもあると思いますから。そのへんは状態を見て決めていきたいと思います」ーー不調気味だった三森も2安打「三森も試合に出ながら葛藤しているんですけど。今日1本出て気持ちがほっとしているんじゃないかなと思います」) ーー先発・レイが完封勝利。内容はどう見た「素晴らしいピッチング。前半は低め低め、後半はちょっと高めにきたんですけど、うまく甲斐がリードしてくれました」ーー佐藤輝、大山を計1安打に抑えたのも大きかった「ポイントはもうそこなので。あの2人に打たれれば、流れは阪神にいってしまう。しっかりあの2人を抑えてくれたのが大きかったと思います」ーー先発陣の頑張りが目立つ「先発はほとんどゲームを作ってくれている。あとは打線のつながりというところ。泥臭い1点でも取っていく形で、やっていけば何とかゲームは勝てるんじゃないかと思います」ーー交流戦優勝の可能性を残して、10日から交流戦首位のヤクルト戦「3つ勝つつもりで戦っていきたいと思います」

◆阪神の自力優勝の可能性が再び、消滅した。先発のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が3回?を投げて、3失点で降板。打線は2試合連続完封負けを喫し、21イニング連続の無得点となった。今季15度目の完封負けとなった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績26勝35敗1分、観衆2万9675人)。ーーウィルカーソンは先頭を出す苦しい投球「フォアボールとかカウントを不利にしての投球なので、こっちにリズムが来ることもなかった。前回(3日の日本ハム戦で3回7失点)も良くなかったので、ちょっと2回続いたのでね。次までに間があくと思うんだけど、しっかり調整していくしかないよね」ーー疲れも出る時期「そりゃ、みんな何回も投げていけばね、そうなってくるし。でもウィルカーソン自体も経験のあるピッチャーなので、乗り切ったり、次回に向けて調整してくれるんじゃないかなと思うけど。何と言うんかな、パワーピッチャーじゃないんで。コントロールとかキレで勝負するピッチャーなので。まずゾーンに投げきれる球種が増えてこないとね」ーーケラーは真っすぐに球速あったり、空振りを取れていた(3月29日の広島戦以来の登板で、1回無失点)「空振りを結構取れるピッチャーだということで、本来の力は、これくらいのモノがあるんじゃないかなと思って獲ったんだけど、それに近づいてきている。そういう力が出たんじゃないかなと思います」ーーフォーク系の球も効果的に「アレが日本に来てね、ちょっと練習して。昔、メッセンジャーとかね、あのへんも日本に来て最初苦労したけど。落ちるボール覚えたらどうだっていうところから変われたんで、ゲームの中で使っていっていけば、まだまだね、自分のものにできるチャンスは十分にあると思う。ピッチングの幅も広がると思うんでね。トライしていってもらえれば」ーー攻撃では四回は2度続けて二塁走者が挟まれてしまった「それは、仕方がないんじゃないの。あれはもう。もちろん飛び出して全部がOKというわけじゃないけど、ある程度...えー、カーンっといったやつは(ホームに)かえってもいいんじゃないのっていう指導というか、チーム方針でやってるんで。まぁ粘ってセカンドまで行くっていうことが大事だから」) ーー試合前には佐藤輝と話を「今日のスイング自体はそんな悪いって感じしなかったけどね。いいポイントでは振れてる感じではあったんで。結果的にヒットは打ててないけど、今日は自分のスイングに近いような、ポイントでは振れてた感じはあったので。ちょっと良くなりつつというか、微調整というか」ーー10日からは交流戦最後のカード。切り替えていく「オリックスはピッチャーいいんでね。まぁまぁ、多く点取れる感じになればいいんだけど、競った試合になると思うんで。今日もノーアウト二塁でも拓夢がね、なんとか進めるというか、やっぱりそういう野球をしていかないとダメだなと。残り3つなんで、ピッチャー陣みんな頑張ってくれると思うんで、野手が何とかやっていきます」

◆阪神のカイル・ケラー投手(29)が八回に登場。逆転サヨナラ負けを喫した3月29日の広島戦(マツダ)以来の登板で1回を無失点に抑えた。内容は打者4人に17球を投げ、1安打3三振だった。「まずは無事投げることができて良かったよ。今日はフォークの感覚も良かったし、これまで取り組んできたことをしっかり出すことができたと思う。また今日のような投球ができるように頑張るよ」とコメント。防御率は33・75から、19・29となった。

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は、ここ2試合無安打に終わった佐藤輝明内野手(23)に言及し、メカニック部分の修正を課題に挙げた。またベンチには「試合前半の弱さ」の解消を求めた。最初に言ってきたいのは「シーズンは半分も消化していない。80試合以上残っている」という現実だ。信じて応援してくれているファンのためにも、ここから頑張る必要がある。先は長い。慌てなくていい。まず5割。5割に到達したら、次の目標を設定すればいい。いい波を作って、当面は5割を目指して戦うべきだ。そのために、どうすればいいか。この敗戦から問題点を指摘したい。今季の阪神は結局は佐藤輝、大山が打たなければ得点できない。2人がしっかり抑えられた結果、2試合連続完封負けを喫してしまった。特に佐藤輝の調子を上げていくことが重要だろう。今の佐藤輝は真っすぐには遅れ気味、変化球には泳ぎ気味。メカニックな部分をいかに修正するか。打撃コーチはもちろんだが、チーム全体で復調させなければいかない。チーム全体としては細かなミスが相当数、出てしまったことは反省点だ。例えば四回無死二塁から、二走・島田が投ゴロで飛び出してしまい挟殺された。さらに1死二塁から投ゴロで再び二走・中野が飛び出して挟殺。結果的には打者走者が二塁まで進塁して同じ状況が続いたが、もし相手の挟殺プレーがうまかったら、打者走者は一塁ストップになるところ。打球に対して素早くチャージしていればアウトにできた守備のプレーもあったし、投手のベースカバーが遅れたケースもあった。1つ1つのプレーを確実にこなしてもらいたい。作戦面では「試合前半の弱さ」を感じる。序盤に得点を奪えず、逆に相手に先制され、そのまま押し切られる展開が目立つのだ。選手個々には、試合前半に照準を合わせて、しっかり準備することが大事になる。ベンチにも「より確実に得点する采配」が求められる。なかなか得点力がアップしない今は、より手堅い作戦が必要なのではないか。1点を追う三回無死一塁。序盤はあまり送りバントを採用しないチームだが、今は送ってもいいのではないか(結果は高寺が左飛)。少しでも得点する確率を上げることが、今の阪神には求められる。各球団の七回以降に出てくる投手は、そう簡単には打ち崩せない。後半の逆転が極めて難しいのが現代野球。だからこそ前半型の戦い方が大事になる。その積み重ねで、慌てず、地道に、まずは5割を目指してもらいたい。

◆ソフトバンクは今季初めて4番からグラシアルを外し、代わりに好調のデスパイネに託した組み替えが機能した。デスパイネは一回は安打、三回は四球で好機を広げて得点につなげ、圧巻は五回。渡辺の速球を完璧に捉え、左中間席中段にソロ本塁打を放り込んだ。今季はけがで出遅れ、まだ2号のスラッガーは「監督に任されたことをしっかりやろうと。最高の気分」と笑った。6番降格のグラシアルも三回に意地の適時打。藤本監督は「こういう点の取り方を続けられれば楽だね」とご満悦だった。

◆五回2死走者なしで古巣のマウンドに移籍後初登板した加治屋は無失点に抑えた。「久しぶりのペイペイドームのマウンドだったので、楽しみながら投げることができた」。グラシアルに三塁内野安打を許したが、カード前に対戦を熱望していた同級生の今宮をカットボールで投ゴロに仕留めた。これで16試合連続無失点とし「きょうのような投球を継続できるようにしっかり準備したい」と話した。

◆石井が六回から4番手で登板。1死から甲斐に四球を許すも、後続を断った。七回もマウンドに向かい、今季3度目の回またぎ。2回無安打無失点と好投した。「四球もありましたが、結果的に0点で抑えられた部分は良かった。次回はもう一つ内容の濃い投球ができるように、準備していきたい」。5月17日に1軍再昇格してからこれで4試合連続無失点。コツコツと信頼を積み重ねていく。

◆絶好調だった5月の姿は見る影もない。ウィルカーソンは3回?を投げ、6安打3失点で3敗目。また試合を作れなかった。「慎重になりすぎて、ボール先行の苦しい投球になった。カウント有利の安定した投球ができるように、フォームのズレを調整していきたい」一回1死満塁から中村晃の三ゴロの間に先制点を献上。すべての回で先頭に出塁を許し、四回に3点目を失ったところで降板した。5月は3勝で「大樹生命月間MVP」を初受賞した。しかし、前回登板の3日・日本ハム戦(甲子園)は3回7失点と6月は絶不調。矢野監督は「次までに間が空くと思うんだけど、しっかり調整していくしかない」と10日に出場選手登録を抹消される見込み。2軍では才木やD3位・桐敷(新潟医療福祉大)ら、先発陣が充実しており、最短での再昇格に暗雲が立ち込める形となった。(原田遼太郎)

◆ソフトバンク・藤本監督の起用がズバッと的中して4得点を奪い、快勝した。「4番に今年初めて入って、いい活躍してくれた。あしたも4番でいきます」今季全試合で4番だったグラシアルを6番に据え、デスパイネに4番を託した。1-0の三回2死一、三塁ではグラシアルが中前適時打。五回1死ではデスパイネが2号ソロ。打順の組み替えが効果的に生きた。D砲は「4番というのは最初(の打席)だけですね。回っていくと、4番とか関係なく自分の仕事をするだけ」と強調した。交流戦は9勝6敗で、10日からは首位ヤクルトと3連戦。逆転優勝を飾るには2勝1分け以上が必要だが、指揮官はきっぱりと言い切った。「3つ勝つつもりで戦っていきます。あしたはうちのエースが投げますから」千賀と小川の投げ合いは午後6時に始まる。2019年以来9度目の栄冠を目指し、昨年日本一のスワローズと激突する。(竹村岳)

◆阪神はソフトバンクに0-4で敗れ、2試合連続の零封負け。自力優勝の可能性が再び消滅した。佐藤輝明内野手(23)は2度の得点圏で倒れるなど4打数無安打。試合前練習では矢野燿大監督(53)らと〝4者会談〟を行ったが、結果を残せなかった。交流戦最後のカードとなる10日からのオリックス3連戦(京セラ)で、4番の仕事を果たす。得点力も希望も、佐藤輝がこのままでは消えたままだ。もがく4番と矢野監督らで話し込む〝4者会談〟を行って臨んだ一戦だったが、結果は4タコ-。2戦連続零封負けで自力Vの可能性は再び消滅した。虎将は佐藤輝の復調を、何とかたぐり寄せたい一心だった。「きょうのスイング自体はそんな悪いって感じしなかったけどね。いいポイントでは振れている感じではあったんで。結果的にヒットは打てていないけど、きょうは自分のスイングに近いような、ポイントでは振れていた感じはあったので。ちょっと良くなりつつというか、微調整というか」試合前練習から、大きな動きがあった。くすぶる大砲の打撃を見つめながら、まずは矢野監督、藤井1、2軍巡回打撃コーチ、北川打撃コーチの3人が打撃ケージ裏で語り合っていた。そこへ、打ち終わった佐藤輝が加わり〝会談〟が始まる。矢野監督も左打ちでスイングする動きを見せ、4人それぞれが身ぶり手ぶりを交えて議論しているかのようだった。前夜、0-1零封負けでチームの6連勝が止まった。この一戦こそが、佐藤輝によみがえってもらいたいタイミングだったが、兆しが見えただけで、結果にはつながらなかった。0-2の四回2死二塁では遊ゴロ。右腕レイの完封を阻止することもできた0-4の九回1死二塁でも左飛に倒れた。2試合&10打席連続無安打で、9試合連続長打なしも今季自己ワーストを更新。大砲が大きな当たりを失い、交流戦前までの貧打に逆戻りしてしまった。 5月31日に消えた自力優勝の可能性を、6月1日に一夜で復活してみせ、そこから6連勝があった。だが、ヤクルトの勢いは一向に衰えない。10日も燕が勝利し、虎が引き分け以下なら交流戦優勝も完全に消滅する。佐藤輝も元気がない今、虎に残ったものは何もなくなってしまう。矢野監督は「オリックスは投手が良いんでね。そんなに多く点取れるっていう感じになればいいんだけど。競った試合になると思うんで」と、ロースコアは覚悟している。球団は貧打解消に向け、米マイナー通算215本塁打で元オリックスのA・ロドリゲス(パドレス3A)を獲得調査しているが、こんな苦境でこそ一発が欲しい。佐藤輝の一発が...。(長友孝輔)

◆相手打者のバットが次々と空を切った。これがケラーの実力だ。2カ月間の調整期間を終えて帰ってきた〝KK〟が、華麗に「K」を3個も奪ってみせた。「前回登板から間隔が空いてしまったけど、無事投げることができて良かったよ。フォークの感覚も良かったし、これまで取り組んできたことをしっかり出すことができたと思う」) 0―4の八回に5番手で72日ぶりの1軍登板。先頭のグラシアルを内角高めの154キロ、川瀬は外角の直球で2者連続の空振り三振に斬ると、三森に内野安打を許したが、甲斐を直球勝負で三球三振に料理した。切れのあるカーブにこの日最速154キロの真っすぐ。何より効果的だったのが新球のフォークだ。〝変身〟した助っ人がペイペイドームのマウンドにいた。) 1年目の今季は3月上旬に来日し、守護神として開幕を迎えたが、3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)では3失点して初黒星。29日の広島戦(マツダ)でも救援失敗し、抹消された。鳴尾浜ではフォーク習得を目指して周りにアドバイスを求めた。人さし指と中指の可動域を広げるためにソフトボールを使って投げる練習をするなど試行錯誤。日本野球に適応するために努力し続け、2軍では17試合の登板で防御率1・69と結果を残し、昇格をつかんだ。) かつて虎に10年間在籍していたメッセンジャーも、メジャー時代に使っていたカーブを解禁したことがきっかけで活躍した前例もあり、矢野監督も「メッセンジャーとか日本に来て最初苦労したけど、落ちるボール覚えたらどうだっていうところから変われたんで。(ケラーもフォークを)ものにできるチャンスは十分にあると思うし、投球の幅も広がると思うんでね」と挑戦する姿勢を評価した。「またきょうのような投球ができるように頑張るよ」とケラー。強く、たくましくなった右腕がこれからブルペンを支えていく。

◆ガーン!! 6連勝でその気にさせておいて、2試合連続15度目の零封負けはないやろー(涙)!!でも全国の虎党の皆さん、ご安心あれ! 心の傷を埋めてくれる『持続給付白星』があるのを知ってます? 全くわからない? 大丈夫、大丈夫。そんなあなたのために、この俺が申請の指南をさせていただきます。どんどん申し込んでくださ~い! じゃ俺はインドネシアへ行ってきますので、ヨロシクでーす!! 虎のふがいなさに、白星詐欺(詐欺は犯罪だから、絶対に駄目ですよー!!)をしたくなるくらいの試合だったのだ!!絶好調ではないレイを打ちそこねる打線も打線だけど...五回までに許した失点の内容がヒド過ぎるー!!①一回1死満塁で先制点を奪われた三ゴロは併殺にできた②三回のグラシアルのタイムリーは捕手・長坂が中腰でボール球を要求していたのに、ストライクを投げた③三回の牧原大のタイムリーは左翼手の島田が捕球してくれー!!④五回のデスパイネの本塁打は、左の渡辺から右投手に交代していれば...。後悔に給付なしか...はーあ。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
1140 0.733
(↑0.019)
-
(-)
365
(+2)
46
(+1)
19
(-)
12
(+1)
0.266
(↓0.002)
2.650
(↑0.11)
2
(-)
阪神
960 0.600
(↓0.043)
2
(↓1)
344
(-)
34
(+4)
8
(-)
18
(+2)
0.253
(↓0.006)
2.180
(↓0.15)
2
(1↑)
ソフトバンク
960 0.600
(↑0.029)
2
(-)
363
(+4)
32
(-)
10
(+1)
13
(+1)
0.273
(↑0.002
2.150
(↑0.16)
4
(1↓)
ORIX
870 0.533
(↓0.038)
3
(↓1)
349
(+1)
39
(+2)
6
(-)
5
(-)
0.269
(↓0.003)
2.590
(↑0.04)
4
(1↑)
DeNA
870 0.533
(↑0.033)
3
(-)
352
(+4)
48
(+2)
12
(+1)
6
(-)
0.265
(↑0.008)
2.660
(↑0.05)
4
(1↑)
ロッテ
870 0.533
(↑0.033)
3
(-)
358
(+2)
52
(-)
16
(+1)
11
(-)
0.232
(↓0.001)
3.180
(↑0.24)
7
(2↓)
中日
780 0.467
(↓0.033)
4
(↓1)
344
(-)
55
(+2)
7
(-)
5
(-)
0.242
(↓0.005)
3.500
(↑0.09)
7
(2↑)
楽天
780 0.467
(↑0.038)
4
(-)
332
(+4)
49
(+1)
5
(-)
8
(+1)
0.222
(↑0.009)
3.300
(↑0.17)
7
(2↓)
西武
780 0.467
(↓0.033)
4
(↓1)
353
(+3)
48
(+4)
14
(+2)
8
(+1)
0.228
(-)
2.720
(↓0.09)
7
(2↑)
巨人
780 0.467
(↑0.038)
4
(-)
354
(+4)
60
(+3)
16
(-)
16
(-)
0.230
(↑0.009)
3.640
(↑0.12)
11
(-)
日本ハム
5100 0.333
(↓0.024)
6
(↓1)
355
(+2)
65
(+4)
11
(-)
10
(+1)
0.254
(↓0.003)
4.170
(↑0.01)
12
(-)
広島
4110 0.267
(↓0.019)
7
(↓1)
326
(+1)
67
(+4)
0
(-)
2
(-)
0.216
(↑0.005)
4.180
(↓0.02)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
37211 0.638
(↑0.006)
-
(-)
84231
(+2)
190
(+1)
59
(-)
38
(+1)
0.240
(-)
2.790
(↑0.03)
2
(-)
巨人
35290 0.547
(↑0.007)
5
(-)
79243
(+4)
254
(+3)
66
(-)
33
(-)
0.242
(↑0.002)
3.450
(↑0.02)
3
(-)
広島
29302 0.492
(↓0.008)
8.5
(↓1)
82228
(+1)
211
(+4)
24
(-)
10
(-)
0.250
(-)
3.230
(↓0.02)
4
(-)
中日
27320 0.458
(↓0.008)
10.5
(↓1)
84187
(-)
222
(+2)
35
(-)
20
(-)
0.245
(↓0.001)
3.640
(↑0.02)
5
(-)
DeNA
25300 0.455
(↑0.011)
10.5
(-)
88191
(+4)
235
(+2)
40
(+1)
20
(-)
0.252
(↑0.002)
3.830
(↑0.03)
6
(-)
阪神
26351 0.426
(↓0.007)
12.5
(↓1)
81188
(-)
181
(+4)
43
(-)
47
(+2)
0.231
(↓0.001)
2.740
(↓0.03)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
34231 0.596
(↑0.007)
-
(-)
85235
(+4)
174
(-)
34
(+1)
35
(+1)
0.266
(↑0.001
2.690
(↑0.05)
2
(-)
楽天
33231 0.589
(↑0.007)
0.5
(-)
86190
(+4)
167
(+1)
33
(-)
45
(+1)
0.235
(↑0.002)
2.820
(↑0.03)
3
(-)
ORIX
30310 0.492
(↓0.008)
6
(↓1)
82170
(+1)
189
(+2)
23
(-)
32
(-)
0.229
(↓0.001)
2.860
(↑0.01)
4
(-)
西武
28311 0.475
(↓0.008)
7
(↓1)
83187
(+3)
182
(+4)
42
(+2)
25
(+1)
0.224
(-)
2.540
(↓0.03)
5
(-)
ロッテ
27321 0.458
(↑0.01)
8
(-)
83194
(+2)
208
(-)
37
(+1)
57
(-)
0.219
(-)
2.880
(↑0.05)
6
(-)
日本ハム
23370 0.383
(↓0.007)
12.5
(↓1)
83203
(+2)
234
(+4)
49
(-)
44
(+1)
0.238
(↓0.001)
3.740
(-)