ソフトバンク(★0対2☆)阪神 =交流戦1回戦(2022.06.07)・福岡PayPayドーム=
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阪神
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ソフトバンク
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勝利投手:西 勇輝(4勝4敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝2敗12S))
敗戦投手:石川 柊太(2勝2敗0S)
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◆阪神が6連勝。阪神は0-0で迎えた6回表、2死二三塁から大山の適時二塁打が飛び出し、2点を先制する。投げては、先発・西勇が6回無失点7奪三振の好投で今季4勝目。敗れたソフトバンクは、先発・石川が好投を見せるも、打線が8安打無得点とつながりを欠いた。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、ソフトバンク先発石川柊太投手(30)と通算4度目のモノノフ(ももいろクローバーZファンの愛称)対決に臨む。これまでオープン戦、交流戦合わせ3試合で7打数4安打、2打点、1本塁打と圧倒している。◆阪神佐藤輝とソフトバンク石川のこれまでのモノノフ対決▼出会い 19年12月、近大3年生だった佐藤輝は大阪城ホールでのライブ会場で偶然、石川の姿を見つけあいさつ。当時、「ホークスの石川投手がいたので一緒に写真を撮ってもらいました。『近大で野球をしている佐藤です』と。石川投手は登場曲もつくってもらっているんですよね。育成からあそこまでなって」と、うれしそうに話していた。野球で実績を挙げ、ももクロメンバーに認知された石川の存在は、プロ入り後も大きな刺激となっている。▼推し 佐藤輝はイメージカラーが紫の高城れに。石川はピンクの佐々木彩夏。▼第1ラウンド 21年3月5日オープン戦(ペイペイドーム)2打数1安打(左本、二飛)、1本塁打、1打点。プロ初のオープン戦、初打席で本塁打を放つ。1回2死走者なし。佐藤輝が、ソフトバンク石川の145キロ外角直球を高々と打ち上げ左翼テラス席へ運んだ。「最初はレフトフライかなと思ったんですけど、意外と伸びてくれて。入ってよかった」。3回1死三塁での2打席目はスライダーにバットを折られ二飛。▼第2ラウンド 21年6月4日セ・パ交流戦(甲子園)3打数2安打(左2、二ゴロ、右安)、1打点。2回先頭の第1打席は2球目の内角スライダーを詰まりながらも左翼線へ二塁打。6回2死三塁では右前適時打。▼第3ラウンド 22年3月15日オープン戦(ペイペイドーム)2打数1安打(四球、見三振、右2)

◆阪神の梅野隆太郎捕手(30)とカイル・ケラー投手(29)が1軍に合流した。梅野は「右脇腹の筋挫傷」で治療に専念することを目的に5月18日に出場選手登録を抹消。同28日のウエスタン・リーグ中日戦で実戦復帰し、2軍戦4試合に出場して1軍に舞い戻った。梅野は「復帰するにあたりここまで治療をしてくれたトレーナーの方々や支えてくれた方々に感謝をしたいです。その中でまずは目の前の試合に対してしっかりチームに貢献していきたいですし、いつも応援してくれているファンの方々のためにも勝利を届けることができるように1試合、1試合戦っていきたいと思います」とコメントした。今季新加入したケラーは、開幕守護神を務めるも、2試合で2敗を喫し、2軍降格。2軍戦では17試合に登板し、2セーブを挙げるなど防御率1.69と安定した投球を続けていた。ケラーは「ここに戻ってくることができてうれしいし、みんなの顔をまた見ることができてうれしいよ。これからチームの力になれるように頑張りたいね」と巻き返しを誓った。

◆阪神は7日にも交流戦首位に立つ。阪神がソフトバンク戦○でヤクルトがオリックス戦●なら、ともに9勝4敗となり、勝率6割9分2厘で同率首位だ。また阪神は、7日にもセ・リーグ最下位脱出を果たす。阪神が○なら26勝33敗1分けで勝率4割4分1厘。DeNAが日本ハム戦●なら23勝30敗で4割3分4厘となり、阪神が上回る。開幕60試合目に、ようやくテールエンドから抜け出すことになる。もっとも、セ・リーグの自力優勝消滅の危機にも直面している。条件は、7日にヤクルト○で阪神△または●、ヤクルト△で阪神●。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、ソフトバンク先発石川柊太投手(30)と通算4度目のモノノフ(ももいろクローバーZファンの愛称)対決に臨み、プロ最長をさらに更新する10試合連続を決めた。4回1死の第2打席。外角139キロフォークを引っ張り、右前打とした。第1打席は2回。2球で追い込まれると、カウント2-2から148キロ直球で左飛に仕留められた。直球と石川の代名詞「パワーカーブ」の2球種を投げ込まれ、石川に軍配が上がっていた。2人は19年12月、近大3年生だった佐藤輝が大阪城ホールでのライブ会場で偶然石川の姿を見つけ、あいさつしたきっかけで交流が始まった。佐藤輝はイメージカラーが紫の高城れに、石川はピンクの佐々木彩夏が「推しメン」。初対戦となった21年3月5日オープン戦では佐藤輝が本塁打。昨季交流戦では2安打、今季オープン戦でも1安打と対戦全試合で佐藤輝が安打を放っている。今試合前までの対戦成績はオープン戦、交流戦合わせ3試合で7打数4安打、2打点、1本塁打と圧倒していた。

◆ソフトバンク周東佑京内野手(26)が通算100盗塁を記録した。1番・中堅でスタメン出場し、5回1死から右前打で出塁。3番柳田の打席で二盗に成功した。20年には世界新記録となる13試合連続盗塁を成し遂げ、同年は50盗塁でタイトルを獲得した。昨秋の右肩手術から復活した韋駄天(いだてん)が、今季4個目の盗塁でまずは3桁の大台に乗せた。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が絶好調だ。0-0の6回2死二、三塁。ソフトバンク先発石川柊太投手(30)の129キロパワーカーブを捉え、左中間を破る先制の2点適時二塁打。これで交流戦13試合で8試合で打点を挙げている。「西さんが粘りながら0点で抑えてくれていましたし、みんなでつないで作ったチャンスだったので、どんな形でもランナーをかえしたいと思っていました。しっかり仕事ができて良かったです」先発西勇が無失点に抑えている中、頼れる5番打者が援護している。

◆猛虎や! 阪神が今季2度目の6連勝を飾った。パ首位ソフトバンクとのロースコア戦を制し、借金を7まで減らした。交流戦成績は敗れたヤクルトとともに9勝4敗となり、首位で並んだ。試合を決めたのは、またも大山悠輔内野手(27)だった。0-0の6回2死二、三塁。ソフトバンク先発石川から左中間を破る2点適時二塁打を放った。試合前まで6月の5試合で打率5割6分3厘、5本塁打、10打点と乗っていた男が、6試合連続安打。この6連勝中は5試合で打点を挙げており、勝負強さを発揮している。先発西勇輝投手(31)は6安打を浴びながら6回無失点。右脇腹の筋挫傷から復帰した梅野隆太郎捕手(30)と今季初バッテリーを組み、粘りの投球で4勝目を挙げた。7試合連続クオリティースタート(6回以上、自責3以下)と安定感は抜群。防御率も1・50まで良化し、セ・リーグ2位をキープした。「8回の男」湯浅京己投手(22)が疲労を考慮されこの日から2軍に合流しており、7回には岩貞祐太投手(30)が登板。本来7回に投げるラウル・アルカンタラ投手(29)は8回に登板し、ともに無失点に抑えた。湯浅不在の穴を「新・勝利の方程式」がしっかりと埋めた。リーグ戦では5位DeNAが勝利したため開幕から続く最下位からの脱出はお預けとなったが、交流戦ラストウイークも虎の勢いは止まらない。

◆ソフトバンクは今季6度目の完封負けを喫し、3連敗となった。試合後の藤本博史監督(58)の一問一答は以下の通り。-序盤、中盤、終盤と再三好機をつくったが「2アウトからやね。先頭バッターが出て、なんらかの形で動ければよかったけど。なかなか西をね、ヒットは出るけどなかなか打てなかったね」-多彩な変化球に攻めあぐねた「まあそんな感じかな」-石川は6回2失点「今までの中では良かった方じゃないかなと。大山に打たれたところはもったいなかった。インコース真っすぐいって、甘いカーブ(を打たれた)。一塁ベースが空いていたので、指示的にはフォアボールでいいよというところで、失投やね。もったいないよね、せっかくいいピッチングしてたのにね。でも、投げることに関しては十分、今までの中では良かった。まあ、打つ方では完封では勝てないのでね...」-狙い球の見直し「狙い球はツーシームかスライダーかチェンジアップ、そこらへんやからね。ゾーンをあげてとバッティングコーチは言ってくれていた。(西勇は)コントロールが良かった。低め低めにきてましたよね」-柳田が好機で打てない「なんとかしようと、今はもがいてますよ。ランナーが出たときもフォアボール選んでいるし。誰もがずっと調子がいいわけではない。(打順の)真ん中を打つ人が状態が悪かったら、試合に出ながら状態を上げていくっていうね。状態が悪くても1発があるから嫌なはずですから。そこは試合に出ながら上げていかないとしょうがない」-柳田は試合前に王会長と監督からアドバイスを受けていた「振りすぎてバランス崩れてるから、もう少し当たるところをスムーズにと会長から言われているから、そこを意識してたんじゃないかな。今日はそんなに大振りしなかったからね。ヒット1本出て、フォアボールも出てるので、これから上がっていくんじゃないですか」-ガルビスは9回に右安打「開幕当初に比べたらコンタクトできるようになってきてるんじゃないかな。まだまだ絶好調とは言えないけど、好調になりつつあるんじゃないかなと思いますね」

◆阪神がソフトバンクに0封勝ちし6連勝。ヤクルトが敗れたため交流戦は9勝4敗で首位に並んだ。6回2死二、三塁で大山悠輔内野手(27)が左中間へ決勝の2点先制適時二塁打を放った。投げては西勇輝投手(31)が6回無失点で4勝目。この日1軍に復帰した梅野隆太郎捕手(30)と今季初バッテリーで、息の合ったところを見せた。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。?-西勇は援護がない試合が続いていたが、粘って勝ちがついたのは大きい「本当に勝ちにつながっていなかったんで。打者もそうやけどね、もちろん投手も防御率っていうのがあるからアレだけど、それでも勝ちが付かないとね、ノッていけない部分っていうのはあるんで。今日も走者を出しながらやけど、よう粘ってくれたっていうね。それで勝ちが付いたんで。交流戦明け以降もまたやってくれるんじゃないかなっていう形で行けたんで、うん」-西勇は足を気にしていたが「なんかちょっとつりかけていたというか、つっていたというか、うん、大丈夫」-打つ方ではまた大山「そうやね、まあちょっと嫌な、(佐藤)輝のところで入らなかったんで。あそこで悠輔が打ってくれて2点になったんでね。もう本当に、なにか今やってくれるんじゃないかなっていう雰囲気をすごく出して。もちろん、あの場面で打つというのは簡単なことじゃないし、相手は右投手なんでそれを仕留めてくれたのは大きいし。打点もチームトップになってくれているで、走者をかえす、もちろん本塁打もそうやけど、こうやって打点を挙げてチームを勝たせるという、そういうのが悠輔自身も思っているところだと思うんで。頼もしくなってきたなと思っています」-投打がかみ合ってきて、流れが変わった実感は「まあ、そりゃあ、結果的に勝てているのは、良い部分があるから勝ててるんで。でも、島田のバント(失敗)とか、やっぱり"勝ったからいいよ"では済ませられない。最近ちょっとバントが決まっていないんで。より上を目指すところではそういう反省点もあるし。もちろんいい部分もあるから勝てているわけで、ほんとに全体にいい流れを作れているっていうのはあるので。それを明日以降にもつなげたいと思います」-湯浅が抹消。岩貞が7回をきっちり抑えた「今はカジ(加治屋)が行っても、誰が行ってもっていうぐらいのレベルにみんな中継ぎ陣が頑張ってくれているんで。でも湯浅がポンと抜けた中で、サダの最初の登板でピシャッと行ってくれるっていうのはチームにとってもちょっと安定感が出てくるし、サダ自身も落ち着けるような登板になったと思うんで。誰かが抜けて、ああ、やっぱり湯浅が抜けてとなると明日以降にも影響することは出てくる可能性もあるんで。そこでよく投げてくれたと思います」-ケラーが昇格。久々で生で見た「生でって(笑い)。今日ピッチングなんか見ているわけないし、2軍の試合は俺も見られるやつは全部見てるんで。まあ、前よりは状態上がってきていると思うし、それは今後のこと」-1軍復帰の梅野も緊張感持ってゲームに臨んだ「緊張感というか、いったん落ちて上がってきてというのはみんな気持ちっていうのは変わって当然やと思うし、これでゼロで試合を終えられたというのはサダと一緒の部分もあると思うし、リュウもね、今シーズン今のところ思うようにいっていないところなので、そういう意味では抹消の後のいいスタートは切れたかなと思います」-前回(4月24日ヤクルト戦から5月1日巨人戦)の6連勝と手応えも違う「いや、そんな違うとか分からへんけど、バッター陣が何とか出来そうな感じが出てきたし、チーム全体で勝てているというか、後からいった選手が頑張ってくれたり、投手はずっと頑張ってくれてるけど、そういうところではいい形にはなってるなとは思うけど。前回との違いは俺にはよう分からんけど」

◆ソフトバンクが今季6度目、交流戦では2度目となる完封負けを喫した。阪神西勇から6安打を放ったが無得点。鷹が虎の前に沈黙し、今季4度目の3連敗となった。藤本博史監督(58)は「完封では勝てない」と嘆くしかなかった。5回のワンシーンが、重苦しさを表していた。0-0の2死二塁。主砲柳田が、フルカウントで西勇の外角カーブの前に見逃し三振に倒れた。柳田はバットを軽くたたきつけ、天を仰いだ。ベンチに帰る際も、2度バットを落とした。「穏やかな心」を信条とするキャプテンが、珍しく怒りをあらわに。柳田は直近5試合打点なしも、指揮官は「試合に出ながら状態を上げていくしかない。状態が悪くても1発があるから(相手は)嫌なはず」と、変わらぬ信頼を寄せた。交流戦は1位と2差の4位に転落。楽天が負けてパ・リーグ首位陥落は免れたが、打線が気がかりだ。5月はチーム打率2割8分8厘、107得点と打ちまくったが、6月は一転、打率2割3分6厘に降下。6試合でわずか17得点と、1試合平均3点以下という貧打に苦しむ。再昇格した助っ人大砲のガルビスも不発。指揮官は「先頭バッターが出て、なんらかの形で動ければよかったけど...」と悔やんだ。残る交流戦5試合は、阪神2試合にヤクルト3試合。7日時点の交流戦1位チームとの対戦しか残っていない。3年ぶりの勝率第1位へ、もう負けは許されない。【只松憲】○...周東が通算100盗塁を達成した。5回1死から右前打で出塁。3番柳田の打席で二盗に成功し、今季4個目の盗塁で3桁の大台に到達。記念ボードを掲げ「たくさんの方々の支えがあってのことだと思います。チームの勝ちに貢献できるように、この数字を200、300と伸ばしていけるように頑張っていきたいです」と今後に目を向けた。▽ソフトバンク石川(今季自身最多115球も7回2失点で2敗目)「(失点した)6回の投球は、タイムリーを打たれてしまった場面よりも先頭打者の出し方(記録は投安)に悔いが残ります。打ち取っていただけに悔しい」▽ソフトバンク椎野(約2カ月ぶりに1軍に昇格し、2回をパーフェクト)「2軍でフォームの見直しと、しっかりトレーニングができたことが良い結果につながったと思います」

◆阪神梅野隆太郎捕手(30)が、西勇と今季初バッテリーを組み、復帰戦を勝利で飾った。右脇腹の筋挫傷から復活し、1軍昇格即「9番捕手」で先発。ポイントに挙げたのは5回裏2死二塁、打者柳田の場面で要求したカーブだった。外角に118キロが決まり見逃し三振を奪った。「ピンと来るものがあった。西さんもカーブを待ってたって、握ってたって言っていた。勇気を持って投げられた球かな、緩い球なので」。昨年10月6日DeNA戦以来、244日ぶりのコンビ。久々にもかかわらず、「西梅バッテリー」は以心伝心で相手打線を封じた。3回先頭では石川の速球に詰まりながらも中前にはじき返した。5月5日ヤクルト戦以来の「Hランプ」を第1打席でともした。「どんな形でもああいうふうにヒットが出ていけば気持ちも変わる。足を引っ張っている分、なんとかしたいって常に思っている」と満足はしなかった。5月18日に出場選手登録を抹消され、同28日のウエスタン・リーグ中日戦で実戦復帰。そこから駆け足で1軍舞台に帰ってきた。「早い段階で戻れたことにトレーナーさん、2軍監督、コーチがサポートしてくれた。感謝の気持ちを持って臨みました」。思いをグラウンドで存分に表現した。【中野椋】

◆阪神佐藤輝明内野手が、ソフトバンク先発石川と通算4度目のモノノフ(ももいろクローバーZファンの愛称)対決に臨み、プロ最長をさらに更新する10試合連続安打を決めた。4回1死の第2打席。外角139キロフォークを引っ張り、右前打とした。この日の対石川は3打数1安打。通算ではオープン戦、交流戦合わせ全4試合で安打を放ち10打数5安打、2打点、1本塁打と圧倒している。2人は19年12月、近大3年生だった佐藤輝が大阪城ホールでのライブ会場で偶然石川の姿を見つけ、あいさつしたきっかけで交流が始まった。佐藤輝はイメージカラーが紫の高城れに、石川はピンクの佐々木彩夏が「推しメン」だ。「『近大で野球をしている佐藤です』と。石川投手は登場曲も作ってもらっているんですよね」。大学時代、うれしそうに話していた学生が今や石川キラーになった。▼阪神は1日の西武戦から交流戦6連勝。同一年の交流戦では、08年6月4日楽天戦~11日西武戦、21年6月8日日本ハム戦~13日楽天戦と並び最長となった。

◆阪神西勇輝投手(31)が6回6安打無失点と好投し、今季4勝目をつかみ取った。オリックス時代に通算42度対戦したソフトバンクを相手に、19年の阪神移籍後、公式戦では初登板。「何度も対戦のあるチームなので、丁寧に大事に投げていきました」。12年にノーヒットノーランを達成した地で、淡々とゼロを積み重ねた。故障から復活した梅野と今季初コンビを組み、好投につなげた。昨年10月6日DeNA戦以来のバッテリーだったが「何回も組んでいるので、投げたい球、タイミングを理解してくれている。安心してマウンドで投げることができました」。カーブをアクセントに緩急を自在に操り、4回以外は走者を背負う展開となったが、粘りの投球で強力打線を寄せ付けなかった。万全ではない中で踏ん張り、114球を投げきった。球数が100球近くなった6回には、マウンド上で下半身を気にする動きが目立ち、先頭のグラシアルの打席では投球動作に入るも投げられない場面もあった。それでも6回を最後まで投げきり、先発としての役目を果たし降板となった。 矢野監督は「なんかちょっと(足が)つりかけていたというか、つっていたというか...」と明かし、「大丈夫」と説明。投球については「ランナーを出しながらよう粘ってくれた。交流戦以降ももまたやってくれるんじゃないかなっていう形でいけた」とたたえた。交流戦初優勝をかけた大事な6連戦の頭を白星で飾り、チームを今季最長タイの6連勝に導いた。「流れがいい状況で僕も投げさせてもらった」。これで7試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責3以内)を達成し、防御率は青柳に次ぐリーグ2位の1・50。虎の柱の1人として、チームの躍動を支えている。【古財稜明】○...岩貞が7回に2番手として登板し、3者凡退に打ち取った。約2カ月ぶりとなる2ホールド目をマークした。「西(勇)さんがいい投球をしてくれていたので、自分もいい流れの中で投げることができた。これまで湯浅が頑張ってくれていたし、帰ってきたときに、よりよいチーム状態で迎えてあげたい」と、戦略的に休ませた湯浅の代役は、ブルペン陣が団結してカバーする。○...岩崎が1回を無失点に抑えて12セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板。ソフトバンクの先頭デスパイネを144キロの直球で見逃し三振。牧原大も変化球で二ゴロに仕留めた。ガルビスには右前打を許したが、最後は代打野村勇を捕邪飛に仕留めて試合を締めた。「勝つことができてよかったです」とおなじみのフレーズ。これで5試合連続のセーブとし、守護神として仕事を果たしている。▼阪神の完封勝利は今季7度目。交流戦では5月24日楽天戦、同27日ロッテ戦、6月4日日本ハムに続き、全9勝中4勝が完封勝ちだ。▼ソフトバンク戦の完封勝ちは、12年6月11日(甲子園)での1-0勝利以来10年ぶり4度目。ペイペイドームに限ると、福岡ヤフードーム時代の12年5月25日以来10年ぶり2度目。▼阪神は1日の西武戦から交流戦6連勝。同一年の交流戦では、08年6月4日楽天戦~11日西武戦、21年6月8日日本ハム戦~13日楽天戦と並び最長となった。▼今季の交流戦はこれで9勝4敗。5試合を残し、5割以上が確定した。

◆阪神がヤクルトに並び、交流戦首位に立った。「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で、6回に大山悠輔内野手(27)が決勝の2点適時二塁打を放った。本塁打と打点で交流戦2冠の活躍で、今季最多タイの6連勝に大きく貢献した。パ球団との対決も、残り5試合。交流戦初Vへ、このまま突っ走れ!またも勝利を決めたのは大山だった。0-0の6回2死二、三塁。大山はソフトバンク石川のパワーカーブをコンパクトにとらえると、遊撃手の頭上を越え、左中間を破った。「勝ってよかったなと思います。そこが一番なので」。敵地でのヒーローインタビューは先発で好投した西勇で、4日連続お立ち台とはならずとも、打のヒーローは間違いなく大山だった。同じ失敗はしなかった。4回1死一塁での2打席目では3球すべてパワーカーブを引っかけて三ゴロ併殺打に仕留められていた。「しっかり準備して入れていますし、結果打ったのはカーブでしたけど、打点がついて、チームが勝ってよかった」と即対応した。交流戦での飛躍が止まらない。6本塁打はトップ、打点も巨人岡本和と並んで1位タイの15打点と2冠。打率も全体3位の3割7分8厘で3冠も射程圏内の位置にある。6月に入り矢野監督から「打撃練習で中堅方向を意識しよう」とアドバイスを受けた。大山は「短期間でどうとかはないが、今やっていることは続けたい」と話すが、6月は20打数11安打、打率5割5分、5本塁打、12打点と効果が表れている。矢野監督も「やってくれるんじゃないかなという雰囲気をすごく出していた」とたたえた。大山のバットに乗せられるようにチームは6月負けなしで、今季2度目の6連勝。リーグ戦の低迷を抜け出し、一気に波に乗った。借金は7に減り、この日交流戦首位のヤクルトが敗れたため同率で並んだ。「まだ終わっていないので、明日もしっかり頑張ります」と大山は慎重だが、初の交流戦制覇へ虎党の期待は膨らむばかりだ。あと5試合、勢いに乗って一気に優勝へ突き進む。【三宅ひとみ】▼阪神は1日の西武戦から交流戦6連勝。同一年の交流戦では、08年6月4日楽天戦~11日西武戦、21年6月8日日本ハム戦~13日楽天戦と並び最長となった。▼今季の交流戦はこれで9勝4敗。5試合を残し、5割以上が確定した。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレーバック】6月7日、ソフトバンク周東佑京が通算100盗塁を記録。球界きっての韋駄天がついに盗塁数を3けたに乗せた。これからどこまで記録が伸びるのか。

◆阪神がヤクルトに並び、交流戦首位に立った。ソフトバンク戦は6回に大山悠輔内野手(27)が決勝の2点適時二塁打。本塁打と打点で交流戦2冠の活躍で、今季最多タイの6連勝に貢献。パ球団との対決も、残り5試合。交流戦初Vへ、このまま突っ走る!

◆ソフトバンクのフレディ・ガルビス内野手が1軍本隊に合流した。試合前に代表取材に応じた藤本博史監督(58)が期待した。「状態はいいと、好調の選手の1人だと。今のところ好調な選手はガルビス、正木、海野というところだったので。その中で柳町がこういう(登録抹消)形になったので。きょうは先発で使います」ガルビスは今季から加入した新戦力。右投げ両打ちで米大リーグ通算109本塁打と実績十分の助っ人として入団したが22試合に出場して打率・129、1本塁打で5月2日に登録抹消された。ウエスタン・リーグでは打率・224、3本塁打など、6日に抹消となった柳町に代わって1軍切符をつかんだ。起用法について藤本監督は「サードです。(遊撃の)今宮は絶好調でしょ」と三塁での起用を明言した。試合前はデスパイネや松田らとで笑顔で会話するなど、復帰戦に備えた。起爆剤となって、鷹を勢いづかせる。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は右脇腹の筋挫傷から回復し、7日に1軍昇格した梅野隆太郎捕手(30)が「9番・捕手」で昇格即スタメンとなった。ウエスタン・リーグでは打率・273。先発の西勇輝投手(31)と今季初バッテリーを組み、チームを6連勝に導く。

◆7日に1軍復帰した阪神・梅野隆太郎捕手(30)が第1打席でいきなり中前打を放った。三回先頭で打席に向かうと、カウント1-1から石川の144㌔の速球をとらえた。梅野は5月18日に右脇腹の筋挫傷で出場選手登録を抹消。2軍でリハビリを続け、この日は「9番・捕手」で昇格即スタメン出場していた。

◆ソフトバンク・周東佑京内野手(26)が通算100盗塁を達成した。五回1死に右前打で出塁。続く今宮が右飛に倒れたが、柳田への5球目でスタートだ。タッチをかいくぐり、これが今季4個目の盗塁で、プロ5年目で100盗塁を達成。柳田は見逃し三振に終わり先制にはつながらなかったが、その足で福岡のファンを喜ばせた。この試合が通算286試合目の出場で、スピード到達となった。今季「1番・二塁」の定位置をつかみつつあった三森をこの日はスタメンから外した。5月打率・204に終わるなど、藤本監督は「リフレッシュです」と説明。代わりに1番に入ったのが周東だ。2020年には50盗塁でタイトルに輝いたスピードスターが、試合前時点で今季打率・480と、パンチ力も身に着けてかつての〝仕事場〟に戻ってきた。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が先制の2点二塁打を放った。「西(勇輝)さんが粘りながら0点で抑えてくれていましたし、みんなでつないで作ったチャンスだったので、どんな形でもランナーをかえしたいと思っていました。しっかり仕事ができて良かったです」0-0で迎えた六回2死二、三塁。石川の129㌔カーブをとらえた。打球は左中間を破る2点二塁打だ。大山は試合前の時点で6月の月間打率・563、10打点、5本塁打。絶好調のバットがまた快音を響かせた。

◆先発した阪神・西勇輝投手(31)は6回6安打無失点と力投した。二回は2死一、三塁のピンチで甲斐を投ゴロ。三回も2死一、三塁としたが中村を三ゴロに仕留めた。抜群の制球力で強力ソフトバンク打線に決定打を与えず。114球の力投で、今季4勝目の権利を持って、七回から中継ぎにマウンドを譲った。

◆絶好調の阪神・大山悠輔内野手(27)が、またもチームを勝利に導き、6月負けなし6連勝を飾った。1ゲーム差で追っていたヤクルトがオリックスに敗れたため、阪神は交流戦首位タイに浮上した。0-0の六回2死二、三塁でソフトバンク先発・石川の129㌔カーブを弾き返し、左中間を破る2点二塁打で先制に成功すると、好調な投手陣が4人の継投による完封リレーで、2点のリードを守り切った。大山は6月の月間成績が打率・550(20打数11安打)、5本塁打、12打点となり、主軸として力強く虎を引っ張っている。先発した西勇は6回6安打無失点、114球の熱投で今季4勝目(4敗)を手にした。

◆ソフトバンクは接戦を落として3連敗。先発した石川柊太投手(30)は7回2失点と力投したが2敗目を喫した。打線も無得点に終わった。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--打線は無得点。チャンスは作っていた「2死からね。イニングの先頭打者が出て、何らかの形で動ける状態ならよかったんだけど。なかなか西(勇)をね。ヒットが出るけど。なかなか打てなかったですね」--変化球を攻めあぐねたか「そんな感じかな」--先発の石川は7回2失点「今までの中ではよかった方じゃないかな。あそこ、大山に打たれたところ(六回2死二、三塁で大山に左中間に2点二塁打)。もったいなかった。インコースに真っすぐいって、甘いカーブをね。一塁が空いているということで、指示的には『四球はいいよ』ということで。失投やね、もったいないよね。せっかくいいピッチングしていたのに。投げるところに関しては、十分、よかったんじゃないかな。打つ方はなかなかね。完封じゃ勝てないよね」--西勇の狙い球は「狙い球はとりあえず、ツーシームかスライダーか、チェンジアップ。そこやから。ゾーンをあげるというのは打撃コーチも言うてくれていたらしいけど。コントロールはよかったよね。低めに球がきていましたね」--安打こそ出たが、柳田の復調が必要か「何とかしようともがいていますよ。走者が出たときでも四球を選んでいるし。誰もがずっと調子がいいわけではない。(打線の)真ん中を打つ人が状態が悪くても、試合に出ながら状態をあげていくというのがね。相手も当然、状態が悪くても、一発あるから嫌なはず。試合に出ながら状態をどんどんあげてもらう形でやっていかな、仕方ないと思います」--試合前には王会長から指導を受けていた「振りすぎて、バランスが崩れているから。もう少し当たるところをスムーズにというのを会長からいわれているので。そこを意識していたんじゃないかと思います。ヒットは1本打って、四球も選んでいるので。これからあがっていくんじゃないですか」--ガルビスが九回2死に右前打「開幕の当初に比べたらコンタクトできるようになってきている、まだまだ絶好調とはいわないけど。好調になりつつあるんじゃないかな」

◆阪神が6連勝で、オリックスに敗れたヤクルトと9勝4敗で並び、交流戦首位タイに踊り出た。六回2死二、三塁、大山悠輔内野手(27)の6月12打点目となる2点二塁打で先制。6回無失点の西勇輝投手(31)から岩貞祐太投手(30)、ラウル・アルカンタラ投手(29)、岩崎優投手(30)の継投で今季7度目の完封勝利を飾った。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績26勝33敗1分、観衆2万9448人)。ーー西勇は援護がない試合が続いていたが、勝ちがついた(4勝4敗)「まあね、ホント勝ちにつながっていなかったんで。バッターもそうやけど、ピッチャーも防御率があるからアレだけど、それでも勝ちがつかないと、ノッていけない部分はあるんで。今日もランナーを出しながらやけど、よう粘ってくれた。それで勝ちがついたんで。交流戦明け以降もまたやってくれるんじゃないかなっていう形で行けたんで、うん」ーー足を気にしていたが(六回の投球中にバランスを崩す)「何か、ちょっとつりかけていたというか、つっていたというか、うん、大丈夫」) ーー打つ方はまた大山「そうやね、まあちょっと嫌な、輝のところで入らなかったんで。あそこで悠輔が打ってくれて2点になったんでね。もう本当に、何か今やってくれるんじゃないかなっていう雰囲気をすごく出して。もちろん、あの場面で打つのは簡単なことじゃない。相手は右投手なんで、それを仕留めてくれたのは大きい。打点もチームトップになってくれているで、走者をかえす。もちろん本塁打もそうやけど、こうやって打点を挙げてチームを勝たせるとのが悠輔自身も思っているところだと思うんで。頼もしくなってきたなと思っています」 ーー投打が噛み合って、流れが変わった実感は「まあ、そりゃあ、結果的に勝てているのは、良い部分があるから勝ててるんで。でも島田のバント(三回無死一塁でバントを試みたが捕邪飛)とか、勝ったからいいよでは済ませられない。最近ちょっとバントが決まっていないんで。より上を目指すところではそういう反省点もある。もちろん、いい部分もあるから勝てているわけで、本当に全体にいい流れを作れているっていうのはあるので。それを明日以降にもつなげたいと思います」ーー湯浅が抹消。岩貞が七回をきっちり抑えた「今はカジ(加治屋)が行っても、誰が行ってもっていうぐらいのレベルに中継ぎ陣が頑張ってくれている。でも湯浅がポンと抜けた中で、サダの最初の登板でピシャッと行ってくれるのはチームにとっても、ちょっと安定感が出てくる。サダ自身も落ち着けるような登板になったと思う。誰かが抜けて、あーやっぱり湯浅が抜けてってなると明日以降にも影響することは出てくる可能性もあるんで。そこでよく投げてくれたと思います」ーーケラーが昇格。久々で生で見た「生でって(笑い)。今日ピッチングなんか見ているわけないし、2軍の試合は俺も見られるやつは全部見てるんで。まあ、前よりは状態上がってきていると思うし、それは今後のこと」ーー梅野も緊張感持ってゲームに臨んだ(昇格即スタメン)「緊張感というか、いったん落ちて上がってきてというのは、みんな気持ちは変わって当然やと思うし、これでゼロで試合を終えられたとのはサダと一緒の部分もあると思うし、リュウも、今シーズン今のところ思うようにいっていないところなので、そういう意味では抹消の後の、いいスタートは切れたかなと思います」ーー前回の6連勝と手応えも違う「いやーそんな違うとかわからへんけど、バッター陣が何とか出来そうな感じが出てきたし、チーム全体で勝てているというか、後からいった選手が頑張ってくれたり、ピッチャーはずっと頑張ってくれてるけど、いい形にはなってるとは思うけど、前回との違いは俺にはようわからんけど」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は6月の12打点の阪神・大山悠輔内野手(27)の「5番固定」を首脳陣に求め、それが佐藤輝明内野手(23)の〝4番教育〟につながる、と力説した。大山の勢いが止まらない。六回2死二、三塁で大山とまともに勝負したソフトバンクもどうかと思うが、最近のチャンスでの集中力は見事だ。二回の1打席目は甘めのスライダーを捉えて左前打。併殺だった四回の2打席目の三ゴロも外寄りスライダーで、決して悪い当たりではなかった。そして決勝打はカーブを完ぺきに打ち返した。今の大山はどの球種でもタイミングがドンピシャで合っている。投手からすれば、こんな怖い打者はいない。対照的なのがソフトバンクの柳田。自分のポイントで振れず、完全に崩れている。両チームの主砲を見比べてみるのも面白い。阪神ベンチに注文するならば、大山にはこのまま5番を打たせ続けること。つまり4番に上げないこと。4番にすると、おそらくまた力んでしまう。同時に4番・佐藤輝を成長させる意味でも、大山は5番に固定してもらいたい。佐藤輝には六回1死一、三塁の好機で、何とか外野フライを打ってもらいたかった。やっぱり4番打者に決めてもらいたいのだ。打席での考え方1つで内容も変わってくるはず。それが中軸打者の仕事だ。) 二回の1打席目はボール球を振って左飛。八回の4打席目はボール球を振って三振。四回に右前打を放って、連続試合安打は「10」に伸ばしているのだから、あまり悪くは言いたくないが、ボール球を振らなければ、もっと成績は良くなる。どうせ打つなら、目立つ場面で打ってやろう! そういう気持ちで臨んでもらいたい。この日は「目立たない打席」で安打を放ち、「目立てる打席」で凡退してしまった。これをいかに逆転させていくか。佐藤輝以外に、今の阪神で4番を任せられる打者はいないと思っている。5番打者が絶好調な今、少々の不振でも目立たない今、いろんな勉強をして、4番打者にふさわしい存在へ、成長していってほしい。試合全般を振り返れば、三回の島田の送りバント失敗(捕邪飛)は指摘しておきたい。島田のようなタイプの選手は、このバントをしっかり決めなければいけない。バントする瞬間に、バットのヘッドが下がっていたのが気になった。バントする瞬間のヘッドは上げてボールに当てなければいけない。今、打撃好調でチャンスをもらっている。この手のミスを減らさないと、せっかくのチャンスを逃すことになる。

◆この男の勢いは、虎の勢いは、パ・リーグ首位のソフトバンクですら止められない。破竹の6連勝の中心に大山あり。絶好調のバットから放たれた白球は左中間を突き破り、チームを交流戦首位タイに押し上げた。「勝ってよかったなと思います。そこが一番なので。チームもいい流れで来ていましたし、勝てたことが一番よかった」0-0の六回2死二、三塁。直前には佐藤輝が一、三塁の好機で一ゴロに倒れ、嫌な空気が漂っていた。しかし、今の虎にはひと振りで勝利を呼び込む大山がいる。カウント0-1から石川の129キロカーブを振り抜いた。4試合連続打点となる決勝の2点二塁打。矢野監督も「なにか今、やってくれるんじゃないかなっていう雰囲気をすごく出して。頼もしくなってきた」と最敬礼だ。) これで阪神は6月負けなしの6連勝。ヤクルトと並んで、ついに交流戦首位に浮上した。連勝の間、大山はなんと打率・550(20打数11安打)、12打点、5本塁打! 交流戦で放った6本塁打は単独トップ、15打点は巨人・岡本和と並んで首位タイ、打率も3位(・378)と個人3冠を視野に入れた。いまや向かうところ敵なしだが、5月は打率・182と低迷。そんなどん底からの復活劇には、たゆまぬ努力を裏付ける新井1軍打撃コーチとのルーティーンがある。「新井コーチと一緒に練習前にバッティングをしているんですけど、そのときにいろいろ話し合いながらやっている。いつも見てもらっている方のアドバイスでもあるので、大事な時間としてやっていますね」最近は試合前のフリー打撃で、センター方向を意識した打球が目立つ。これも新井コーチの助言だ。「短期間でどうとかはないですけど、今やっていることは続けてやっていきたい」。謙虚に、ひたむきに、チームの勝利のために振り込む。そんな大山だからこそ、球団初の交流戦優勝が見えてきても冷静だった。「まだ終わっていないので、あしたもしっかり頑張ります」46打点、13本塁打はチームトップ。絶好調の大山がいる限り、勢いは止まらない。一歩ずつ着実に、頂点に向かって進んでいく。(原田遼太郎)

◆足がつりかけても、マウンドは降りない。西勇の勝利への強い思いが大山の一打につながり、今季4勝目(4敗)をつかんだ。6回6安打無失点、114球の熱投で虎を交流戦首位タイにグイッと引き上げた。「球数がだいぶかさんでしまったので配球、タイミングを変えながら。本当に何回も対戦があるソフトバンクなので。丁寧に大事に投げました」2019年の虎移籍後は初対戦だが、オリックス時代にはソフトバンク戦に42試合登板。12年にはこの球場でノーヒットノーランも記録した。豊富な経験値をフル活用して7三振を奪い、要所を締めた。0-0の五回2死二塁では柳田をカーブで見逃し三振に斬り、ほえた。「何回もピンチあったんですけど、守備のリズム、梅野の配球がうまくいった」と仲間に感謝。一度も先頭打者の出塁を許さず、六回途中、右足を伸ばすしぐさもみせたが、3アウト目までもぎとり、役目を終えた。防御率は1・50まで下がったものの、好投しながら勝利に恵まれない試合もあった。「負けない投球を続けることが大事。火曜日を任せられている。長いイニングを意識しながら投げている」。週のアタマからブルペン陣をフル回転させ、疲弊させるわけにはいかない。強い責任感を白球に込め、黙々とイニングを消化している。矢野監督も「よう粘ってくれた。それで勝ちが付いたんで。交流戦明け以降もまたやってくれる」とたたえ、気にする素振りをみせた足について「つりかけていたというか、つっていたというか。うん、大丈夫」と問題なしを強調した。殊勲打の大山について西勇は「頼もしいし、本当に心強い。守っていても、いつも声をかけてくれます。いい状態をキープしていただいて、常に打ってほしい」と目を細めた。投打の歯車がかみ合いだした。背番号16も勝利を積み重ねていく。(新里公章)

◆勝った! 首位タイや~!! 阪神はソフトバンクに2―0で勝ち、敗れたヤクルトと並んで交流戦首位に立った。6連勝と波に乗る中、新外国人候補として2020年にオリックスに所属したアデルリン・ロドリゲス内野手(30)=パドレス3A=をリストアップしていることが判明。大逆襲を加速すべく、課題の攻撃力アップを狙い、マイナー通算215本塁打の大砲の獲得を目指す。九回2死、梅野はファウルゾーンで飛球を捕ると、ガッツポーズ。今季2度目の6連勝だ。交流戦首位タイだ。タイガースがノリにノッてきた。セ・リーグではまだ最下位だが、大逆襲に向けて勢いがついてきた。シーズンはまだ残り83試合もある。昨季は5位で交流戦に突入したオリックスがセ・リーグ相手の戦いで優勝して、Vへと駆け上がった。阪神もさらに加速すべく、新助っ人獲得に動き出していることが分かった。〝恋人〟はマイナー通算215発のロドリゲス。海の向こうで、明らかな動きがあった。米大リーグ、パドレス3Aエルパソに所属するR砲は3日(日本時間4日)のソルトレイク戦に「4番・一塁」で出場し、4打数1安打。その後、欠場している。米代理人筋は「日本に行く準備をしている。交渉がまとまりつつあるのではないか」と明かした。 メジャー経験はないが今季は3Aで45試合に出場し、打率・272、12本塁打、46打点。自慢のパワーに加え、広角に打つ柔軟性を兼ね備える。2A時代の2018年オフにはロッテの入団テストを受験。積極的に活躍の場を求め、20年にオリックス入りした際は阪神もリストアップをしていた。オリックスでは7月下旬に左手首に死球を受けた影響で59試合の出場にとどまり、打率・218、6本塁打、25打点だったが、7月10日の日本ハム戦(京セラ)では逆転サヨナラ3ランを放つなど勝負強さを発揮。本職の一塁だけではなく三塁、外野も守れる。阪神・嶌村球団本部長は今季の外国人戦略について「8(人)というところを念頭に」と方針を掲げ、長期的な視野で調査を進めてきた。来日4年目のマルテは、また右足を痛めて離脱中。2年目のロハスはこの日も「8番・左翼」でスタメン出場しながら二回2死一、二塁の好機で空振り三振に倒れるなど3タコで打率・179と低迷。野手陣が機能せず、開幕から得点力不足に悩まされてきた。今もチーム打率はセ最下位の・232。その〝穴〟を埋めるピースとなる。他に元オリックス、楽天でNPB通算96発のステフェン・ロメロ外野手(33)=ドジャース3A=やメジャー通算11発のオースティン・ディーン外野手(28)=ジャイアンツ3A、マイナー通算113発のD・J・ピーターソン内野手(30)=ロッキーズ3A=ら右打ちの大砲をリストアップしているもよう。慎重に調査を進め、戦力を充実させる。打撃陣は一時の低迷を脱しつつあるとはいえ、この日も2点どまり。強力な投手陣を擁するだけに、大逆襲に必要なのはとにかく大砲。〝A・ロッド〟が虎をグイグイと加速させる。

◆感謝の思いを胸に刻んで、梅野が帰ってきた。久々の1軍、しかも故郷・福岡でのゲームで零封勝ちに貢献し、安打も放った。「復帰したことで、チームも勢いに乗っていたこともあるんですけど、まずは自分の治療とか(への)感謝の気持ちを持ちながら、ゲームに入るようにしました」右脇腹の筋挫傷で5月18日に登録抹消された。23日ぶりに昇格し、即「9番・捕手」でスタメン出場すると、「打」では三回先頭の第1打席で石川から中前打。5月5日のヤクルト戦(甲子園)以来、自身21打席ぶりの安打を放った。「守」では、今季初めてバッテリーを組んだ西勇と鷹打線を6回無失点で鮮やかに料理。チームにとっては今季7度目の零封勝ちでも、梅野にとっては青柳を完封に導いた4月22日のヤクルト戦(神宮)以来2度目だ。「みんな粘りのピッチングをしてくれたし、守りもしっかり守ってくれた。本当にいいゲームができたと思います」帰ってきたばい、勝ったばいと、ここで加わった梅野が勢いを〝倍々〟にしていく。(長友孝輔)

◆豪華な下位打線だなあ。これも強くなった証しか。スタメン発表のアナウンスを聞いて、わくわくしていました。♪7番・指名打者、糸井 ♪8番・レフト、ロハス ♪9番・キャッチャー、梅野世が世ならクリーンアップ-は言い過ぎですが、5番、6番、7番がこの3人でもおかしくありません。「本当ですよね。あらためて見ると、すごい並びです」トラ番原田遼太郎の声も弾んでいました。キャップ長友孝輔も「1番に定着した島田がよく打っているからですよね、こういう打順が組めるのも。7番・DHで糸井さんというのも、ぜいたくな話です」とうなっています。ただ、冷静なキャップは、注文したいことや心配な点も口にしました。「交流戦が始まる前の井上ヘッドコーチの話とは違う形になっています。好投手と当たる交流戦では『ミニミニタイガースで1点を取っていく野球が大事』と話していました。でも全然、スモールベースボールじゃない。打って打って勝つ、ど派手ベースボールになっています。ここからの1週間は本当にいいピッチャーが出てくる。それをはね返して、1点をもぎ取る野球で勝ってこそだと思います」 心配は的中しかけました。三回無死一塁で、好調の1番・島田が送りバントを失敗(捕邪飛)。六回1死一、三塁では佐藤輝が一ゴロ。ただ、〝ど派手ベースボール〟を支えてきたあの選手の好調な打撃は、ソフトバンクの好投手・石川が相手でも続きました。2死二、三塁となったあと、6月に入って絶好調の大山が左中間を破って2点先行です。よし、これでDeNAが負けたら5位浮上だ-と早々とその気になっていたら、今永が日本ハム戦でノーヒットノーランを達成し、5位浮上は先送り。それでも、原田は私以上の早さで〝その気〟になっています。「見えていますよね、Aクラスが。だって(3位・広島と)4ゲーム差じゃないですか。このままのいい流れでいったら、交流戦も優勝しちゃいますよ。すぐにAクラスですよ」トラ番が強気なのも阪神が好調だからこそです。鳴尾浜で広島に6-0で快勝した2軍の11連勝を見届け、リモートでナイター取材を手伝うために会社にあがってきた編集委員三木建次も鼻息が荒くなっています。「きょう5回を零封して通算16イニング無失点になった才木でも、まだ1軍に上がれない。もともと勝率5割を超えていないとおかしいくらいの戦力なんやから」梅野とともに、ケラーも1軍に戻ってきました。〝元守護神〟についても、キャップ長友は冷静な話しぶりでした。「すぐには出番はないでしょう。現状の評価の順番は藤浪の次くらいでしょうからね。まずは、大量リードされた試合か、大量リードしたときかな。また7点リードで打たれたりしたら大変ですけどね」梅野を9番で、開幕時は守護神だったケラーをモップアッパーで起用する余裕が、今の強い阪神にはあります。

◆やったー!! 最下位だけど、首位やー!!えっ、ダンカンついにボケたか? ちゃうわー! セ・リーグ最下位は変わらないけど、本日の勝利で、なんとヤクルトと並んで交流戦首位タイに躍り出たのだー!!しかもわが阪神、6月に入って6連勝といまだ負け知らず!! そーいえば、6月は一年で唯一祝日がないんです!! よって、ドラえもんに登場するのび太が『ぐうたら感謝の日』を制定したんです。しかし、それは漫画の世界の話...そこで現実社会のこととして、祝日を決める内閣府に提言!! もし、阪神が交流戦Vなら、その日を『虎軍奮闘の日』として祝日に制定しましょう(のび太と同じレベルやないかー!!)。ペナント争いは下位でも、交流戦は1位で「ナンバー1じゃなくてオンリー1も素晴らしきかな!!」。そんな月もあっていいやんかー!!先発の西勇をはじめ無失点でつないだ投手陣、六回に2点二塁打で決勝点を奪った主砲・大山。みんなサイコーのオンリー1や!! でも、最後は阪神タイガース、ナンバー1になってくれー!!

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
阪神
940 0.692
(↑0.025)
-
(↓1)
544
(+2)
29
(-)
8
(-)
16
(-)
0.262
(↓0.004)
2.090
(↑0.18)
1
(-)
ヤクルト
940 0.692
(↓0.058)
0
(-)
557
(+1)
42
(+6)
18
(-)
8
(-)
0.260
(↓0.005)
2.750
(↓0.3)
3
(-)
ORIX
850 0.615
(↑0.032)
1
(↑1)
545
(+6)
31
(+1)
6
(+1)
5
(+1)
0.271
(↑0.008)
2.370
(↑0.12)
4
(2↑)
DeNA
760 0.538
(↑0.038)
2
(↑1)
545
(+2)
41
(-)
11
(-)
6
(-)
0.252
(-)
2.500
(↑0.22)
4
(1↓)
中日
760 0.538
(↓0.045)
2
(-)
538
(+2)
44
(+6)
5
(-)
5
(-)
0.243
(↑0.009)
3.290
(↓0.18)
4
(1↓)
ソフトバンク
760 0.538
(↓0.045)
2
(-)
558
(-)
32
(+2)
9
(-)
12
(+1)
0.274
(↓0.003)
2.490
(↑0.04)
7
(1↑)
西武
670 0.462
(↑0.045)
3
(↑1)
547
(+9)
44
(+4)
12
(+2)
5
(+2)
0.232
(↑0.007)
2.840
(↓0.1)
7
(1↑)
ロッテ
670 0.462
(↑0.045)
3
(↑1)
547
(+6)
46
(+2)
15
(+1)
9
(+2)
0.219
(↑0.006)
3.210
(↑0.11)
7
(1↓)
巨人
670 0.462
(↓0.038)
3
(-)
550
(+4)
54
(+9)
16
(-)
16
(-)
0.233
(↑0.002)
3.790
(↓0.22)
10
(2↓)
楽天
580 0.385
(↓0.032)
4
(-)
527
(+1)
48
(+3)
5
(-)
7
(-)
0.210
(↓0.008)
3.780
(↑0.15)
11
(-)
日本ハム
490 0.308
(↓0.025)
5
(-)
548
(-)
58
(+2)
10
(-)
8
(-)
0.257
(↓0.016)
4.280
(↑0.19)
11
(1↑)
広島
490 0.308
(↑0.058)
5
(↑1)
525
(+3)
62
(+1)
0
(-)
2
(-)
0.217
(↓0.002)
4.420
(↑0.29)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
35211 0.625
(↓0.011)
-
(-)
86223
(+1)
186
(+6)
58
(-)
34
(-)
0.237
(↓0.001)
2.810
(↓0.06)
2
(-)
巨人
34280 0.548
(↓0.009)
4
(-)
81239
(+4)
248
(+9)
66
(-)
33
(-)
0.243
(-)
3.480
(↓0.05)
3
(-)
広島
29282 0.509
(↑0.009)
6.5
(↑1)
84227
(+3)
206
(+1)
24
(-)
10
(-)
0.252
(↓0.001)
3.250
(↑0.04)
4
(-)
中日
27300 0.474
(↓0.008)
8.5
(-)
86181
(+2)
211
(+6)
33
(-)
20
(-)
0.245
(↑0.001)
3.600
(↓0.04)
5
(-)
DeNA
24290 0.453
(↑0.011)
9.5
(↑1)
90184
(+2)
228
(-)
39
(-)
20
(-)
0.249
(-)
3.830
(↑0.07)
6
(-)
阪神
26331 0.441
(↑0.01)
10.5
(↑1)
83188
(+2)
176
(-)
43
(-)
45
(-)
0.232
(-)
2.740
(↑0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
32231 0.582
(↓0.011)
-
(-)
87230
(-)
174
(+2)
33
(-)
34
(+1)
0.266
(↓0.001)
2.790
(↑0.02)
2
(-)
楽天
31231 0.574
(↓0.011)
0.5
(-)
88185
(+1)
166
(+3)
33
(-)
44
(-)
0.232
(↓0.003)
2.910
(↑0.02)
3
(-)
ORIX
30290 0.508
(↑0.008)
4
(↑1)
84166
(+6)
181
(+1)
23
(+1)
32
(+1)
0.229
(↑0.003)
2.820
(↑0.03)
4
(-)
西武
27301 0.474
(↑0.01)
6
(↑1)
85181
(+9)
178
(+4)
40
(+2)
22
(+2)
0.225
(↑0.001)
2.560
(↓0.03)
5
(-)
ロッテ
25321 0.439
(↑0.01)
8
(↑1)
85183
(+6)
202
(+2)
36
(+1)
55
(+2)
0.216
(↑0.001)
2.870
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
22360 0.379
(↓0.007)
11.5
(-)
85196
(-)
227
(+2)
48
(-)
42
(-)
0.238
(↓0.004)
3.750
(↑0.03)