1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | X | 3 | 9 | 0 | 0 |
勝利投手:青柳 晃洋(6勝1敗0S) (セーブ:岩崎 優(1勝2敗11S)) 敗戦投手:杉浦 稔大(2勝5敗0S) |
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◆阪神は0-0で迎えた4回裏、大山の適時打で1点を先制する。続く5回には、中野と近本の連続適時打で2点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・青柳が8回無失点の快投で今季6勝目。敗れた日本ハムは、先発・杉浦が試合をつくるも、打線が援護できなかった。
◆阪神大山悠輔内野手(27)と佐藤輝明内野手(23)は青柳先発試合でよく打つ。同投手の先発試合で大山は26打数10安打、3本塁打、7打点、打率3割8分5厘。佐藤輝は28打数11安打、2本塁打、8打点、打率3割9分3厘とともに高打率。
◆BIGBOSSから古巣阪神ファンへ、粋なプレゼントだ。試合前に阪神矢野燿大監督(53)とメンバー表交換後に、3日に続いてややマウンド方向に1歩2歩と向かって、帽子を高々と突き上げて右翼、左翼のファンへあいさつ。そのまま三塁側ベンチへは戻らず、三塁側のカメラマン席方向に向かい、装着していた右のリストバンドを外すと、内野席のファンへポンっと投げ入れた。ファンからは「おー!!」と歓声が漏れ、さらに左のリストバンドも外してまた投げ入れた。試合前の場内アナウンスも、BIGBOSSパフォーマンスを静かに見守った後に、始まった。
◆5日阪神戦の予告先発が発表され、日本ハムは吉田輝星投手(21)と発表された。この日の試合前練習でキャッチボールなどで最終調整した吉田は「とりあえず、いけるところまで全力でいきたいなと思っています」と意気込んだ。吉田の甲子園での登板は金足農(秋田)のエースとして臨んだ18年夏の甲子園決勝以来、1384日ぶり。当時はマウンド上で行っていた「侍ポーズ」についても「あれ、やろうかなぁ」とニヤリ。「やるなら、最初にマウンド上がった時ですね。せっかく甲子園で満員なので、精いっぱい、それを楽しんでいきたい」と、聖地での先発登板を楽しみにした。
◆阪神が4番佐藤輝明内野手(23)、大山悠輔内野手(27)の"青柳さん大好きコンビ"で先制点を挙げた。0-0の4回2死一塁で、まずは佐藤輝がバットを折りながら自己プロ最長の8試合連続安打となる中前安打で一、三塁とチャンスを拡大。続いて前日3日の同戦で1試合3発を放った大山が、先発杉浦の外角スライダーを大振りせずコンパクトに左前へ運ぶ先制適時打を放った。チームトップ34打点目となる先制の1点を先発の青柳晃洋投手(28)にプレゼントした。青柳の先発試合では、試合前時点で佐藤輝が打率3割9分3厘(28打数11安打)、2本塁打、8打点。大山も打率3割8分5厘(26打数10安打)、3本塁打、7打点とよく打っている。
◆日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が聖地で2試合連続安打だ。「3番一塁」でスタメン出場し、4回に阪神青柳晃洋投手(28)から右中間を破る二塁打を放った。1ボールからの2球目、甘く入った143キロのツーシームを捉えた。甲子園に響いた乾いた打球音と鋭い打球に、場内のファンも大きくどよめいた。3日阪神戦では「4番一塁」でフル出場し、4打数2安打1打点。2日広島戦(マツダスタジアム)に続いて複数安打をマークし、打撃の状態は上向きだ。2打席連続本塁打を放った5月28日巨人戦(札幌ドーム)から継続して結果が出始めている。同戦以降は、この日の第2打席まで23打数10安打(2本塁打)、3打点、打率4割3分5厘、出塁率4割6分2厘。プロ入り後初の甲子園での本塁打にも期待が高まってきた。
◆日本ハムが4球連続ウエストの妙策で阪神のスクイズを封じた。6回1死一、三塁の守備。古川侑利投手(26)と宇佐見真吾捕手(28)のバッテリーは8番坂本誠志郎捕手(28)に対して、初球から外角へ大きく外す投球を続けた。初球は見送られ、2球目はバントの構えを見せられたが、バットを引かれて2ボール。3球目は走者もスタートを切ってスクイズも外角に大きく外したことで坂本もファウルに逃れるのが精いっぱい。4球目も大きく外したが見送られてボール、一塁走者が二盗を決めた。ここで、日本ハム新庄剛志監督(50)は坂本を申告敬遠した。1死満塁で9番青柳晃洋投手(28)は見逃し三振、1番島田海吏外野手(26)は投ゴロに抑えて、この回は無失点。4球連続ウエストが成功して、大ピンチをしのいだ。
◆阪神が投打の主役の活躍で、2度目の4連勝を飾った。借金は9まで減り、4月8日以来の1桁だ。リーグ戦では変わらず最下位だが、交流戦は7勝4敗となり、初優勝も射程圏内に入っている。日本ハム新庄剛志監督(50)の甲子園凱旋(がいせん)カードで勝ち越しを決めた。前日、甲子園での今季最多観衆を更新したが、さらに上回る4万2594人。連日の好ゲームで大勢のファンを喜ばせた。初戦とは違い、序盤は投手戦になった。青柳晃洋投手(28)は低めをつく本来の投球。走者を出しながらも要所で失投がなかった。8回無失点とエースの投球で、トップタイの6勝目を挙げた。登板8試合はすべて2失点以内で、6回以上を投げている。再び規定投球回に乗り、防御率0・98で同僚の西勇輝(31)を抜いてトップに立った。前日3本塁打で6点差逆転勝ちの立役者になった大山悠輔内野手(27)が、打線を引っ張った。序盤パーフェクトに封じられた日本ハム杉浦稔大投手(30)から4回にチャンスを作った。安打2本で2死一、三塁とし、大山が左前に運んで先制の1点を奪った。これが決勝点になった。5回は中野拓夢内野手(25)が左前打、近本光司外野手(27)が右前打で2点追加し、青柳を援護した。▼阪神、ヤクルトがともに勝ったため、阪神の自力優勝消滅は前日と変わらず、最短で5日となった。条件はヤクルト○のときは阪神△か●。ヤクルト△なら阪神●。▼阪神が日本ハムに連勝し、3カード連続勝ち越しを決めた。前カードの西武戦から4連勝で、これは4月24日~5月1日にかけて6連勝して以来、今季2度目。借金も4月8日以来の1桁「9」となった。
◆阪神の青柳が低めへ丁寧に集める投球で、8回4安打無失点で6勝目を挙げた。打線は4回に大山が先制打を放ち、5回に中野と近本の連続適時打で2点を加えた。チームは4連勝。日本ハムは5安打に抑え込まれ3連敗。
◆阪神が日本ハムに連勝し、3カード連続勝ち越しを決めた。チームは今季2度目の4連勝で6月は負けなしだ。お立ち台には、リーグトップタイ6勝目を挙げた青柳晃洋投手(28)と、2日連続の猛打賞をマークした大山悠輔内野手(27)が上がった。青柳は8回を散発の4安打無失点に抑え、三塁も踏ませなかった。「何でもやってくると思って準備はしていたんですけど、意外と何もなかったですね」と、BIGBOSSに作戦を仕掛ける隙を与えなかった。投げるたびに規定投球回数に達し、防御率0・98で再びトップ。「すごいですね。数字にされたら、やっぱりすごいなと思いますね」と自分の成績に驚いた。大山は3発を放った前日3日から2日連続のヒーローインタビュー。4回に先制&決勝の適時打を決め、「昨日の勢いのままに、青柳さんが投げているので、まずは1点、先制点を取ろうと思っていたので、取れてよかった」と喜んだ。2試合連続の猛打賞で状態が上がってきたかと問われると「はい。そうですね。1本でも多くと思って(打席に)立ってますけど、しっかり油断しないように頑張ります」と自分に言い聞かせるように話した。交流戦は7勝4敗と3つの貯金をつくった。青柳は「セ・リーグの順位は最下位ですけど、1勝1勝積み上げて、上にいけるように頑張っていくので、明日からも応援よろしくお願いします」と今季最多4万2594人が入った甲子園のファンやテレビなどの向こうで応援するファンに向けて、巻き返しを誓った。▼阪神が日本ハムに連勝し、3カード連続勝ち越しを決めた。前カードの西武戦から4連勝で、これは4月24日~5月1日にかけて6連勝して以来、今季2度目。借金も4月8日以来の1桁「9」となった。
◆阪神が新庄BIGBOSS率いる日本ハムとの第2ラウンドを制した。青柳晃洋投手(28)は8回4安打無失点でリーグトップの6勝目。4回には大山悠輔内野手(27)が先制打を放ち、5回にも2点を加えた。借金を約2カ月ぶりに1桁の「9」とした。矢野燿大監督(53)も好投を続ける青柳に最敬礼だった。(テレビインタビュー)-昨日の勢いを引き継ぎたい試合で、また違った形で快勝矢野監督 「まずは青柳がやっぱりしっかり投げてくれたということが大きかったです。本当に昨日の勝ちを今日にね、どうしてもつなげたかったんで。そういうところでは昨日とは違う展開でしたけど、ある意味うちらしく戦えたかなと思います」-青柳は8回無失点、低めに集めて素晴らしい投球矢野監督 「はい、もう最後もね、行きたそうな気持ちで、最後まで投げ切りたいという気持ちもある、それもうれしいことですし。まあ次の登板とかね、いろいろ考えてあそこで代えることになりました。本当にいつも攻める気持ちっていうのを持ってくれているピッチャーなんで。なおかつそこに丁寧にっていうね、青柳らしいピッチングでした」-申し分ない投球をずっと続けている矢野監督 「開幕ちょっと出遅れた分、その悔しさというのを本人もぶつけてくれていると思いますし、本当に常に自分がチームを引っ張ってやるんだという。そういう気持ちを投球にしっかり表してくれて、本当に助かっています」-打つ方では、今日も大山が先制のタイムリー矢野監督 「いやあもう、悠輔(大山)は本当に言うことないですし、最後もいいヒットを打っていますし、内容もしっかりしていますしね。数字も上がって来ているんでね。本人も気持ちも状態も上がってきている状態なんで。ここからウチが浮上するためにはね、もちろん悠輔のバッティングっていうのは大きなポイントになると思うんで。これからもどんどん打ってもらいたいです」-5回は青柳のバント失敗で嫌な流れにならず得点へつなげた矢野監督 「そうですね、いい点の取り方というかね、いろんなパターンの取り方っていうのがちょっとずつ増えてきている感じがある。そういうところでは全員の状態が上がってきているところも大きなことだと思いますけど、ああいうところで追加点を1点、2点取ったというのは相手に与えるダメージも大きいですし、こっちのムードも上がるような得点でした」-2死からの得点でつながりや粘りも出てきている矢野監督 「大きくホームランをガンガン打つっていうバッターがたくさんいるチームじゃないんでね。やっぱりこうつなげる、1個のアウトでも塁を進めながら、そして足を絡めてというのがウチのゲームだと思う。島田もいい味を出してくれていますし、タクム(中野)もチカ(近本)もいい働きをしてくれているかなと思います」-6回はビッグボスとスクイズのサインで攻防矢野監督 「そうですね、もう1点もちろん欲しいですし。向こうも満塁はある程度仕方がないというところで。(坂本)誠志郎が何とかバットに当ててくれたおかげなんで、そういう意味では誠志郎に助けてもらえたかなと思います」-6月無敗の4連勝矢野監督 「この流れはもちろんどんどんつなげていきたいですし。そういう6月だったと後から言えるように、まずは今日勝ったので、この勢いを明日につなげたいですね」-スタンドを埋めたファンにひと言矢野監督 「新庄監督に会いたい、見たいというタイガースファンの方はたくさんおられると思いますけど、そういう中で僕たちが皆さんに勝つ試合、また選手が躍動する試合を見せられたというのは本当にうれしいですし、俺たちの野球は超積極的、諦めない、チーム全員でそういう野球をこれからもしていきます」(囲み取材)-青柳が素晴らしい投球矢野監督 「いやあもう、頭が下がるよね」-今年は三振の数が増えている矢野監督 「やっぱりどこのチームも青柳の時は右でスタメンで出てる選手が下がって、左をスタメンで出してくるっていうところの左対策っていうところで、シンカー系のボールとインコースへの速いボールと、また外からも入るスライダーとか。いろんなものを全部、勝負球にできているっていうところが、そういう三振にもつながってると思う」-防御率も0点台に突入矢野監督 「自分の励みになるしね。先発ピッチャーもどのピッチャーも防御率は大事だけど、常々言っているように、自分の数字を追えばそれが直結してチームのためになるんでね。そういうところでは防御率も意識して、どんどんやっていけばいいと思うし。勝ちだけじゃなくてね、打席での何とかもう1点取ってやるというああいう姿勢も、チームにいろんな意味の影響を及ぼしてくれてると思う。あそこでスタンドから拍手が起こるってことは、ヤギのそういう打ってやろうという姿勢のファンの人からの拍手なんかなと思った。そういったところもピッチングにあいつがつながってる。そういうのがヤギらしさかなと思う」-借金も1桁矢野監督 「まあまあ、一気に2つ減ることないので1個ずつ頑張っていきます」
◆阪神が6回1死一、三塁、打者坂本の場面で、警戒し続けるBIGBOSSを相手にスクイズを仕掛けた。「もう1点もちろん欲しい。向こうも満塁はある程度仕方ないというところで」と矢野監督。日本ハム古川侑-宇佐見バッテリーが初球から2球続けて、立ち上がり外角へ大きく外しウエストする姿を見て、3球目にスクイズを敢行した。三塁走者大山がスタートしたが、またも大きく外され坂本が必死に食らいつきファウル。矢野監督は「誠志郎(坂本)が何とかバットに当ててくれた。助けてもらえた」と、空振りでチャンスをつぶさなかったことを褒めた。続く4球目も外される中、一塁走者熊谷が二盗を決め二、三塁。ここで新庄監督は坂本を申告敬遠し満塁策を取った。結果は後続が倒れて無得点。4球連続ウエストの新庄監督にしてやられたが、両監督の意地のぶつかり合いで甲子園を沸かせた。前日3日は両軍とも満塁からスクイズを応酬した。
◆3連敗でカード負け越しが決まったのに、日本ハム新庄監督は冗舌だった。チームは阪神青柳を捉えきれず、散発5安打で今季10度目の完封負け。試合後のBIGBOSSは、開口一番、阪神OBで野球解説者の掛布雅之氏の口調をまねて「今日の青柳君はですね、素晴らしかったですねえ」と、おどけた。下手投げの投球術に翻弄(ほんろう)されて、1度も三塁を踏めず。「開幕初日から今日までで、一番手足が出なかった。自分がバッターボックスに入った感覚でも『うわ~、これはタイミング合わせづらいだろうな』って思います」と、脱帽だった。甲子園は連日の満員御礼。試合前には身に着けていた手袋でボールを包み、三塁側の内野スタンドへ投げ入れるファンサービスで場内を沸かせた。一転、試合では見せ場なく敗れ「面白くなかったね。これだけファンのみんなに見に来てもらったのに、塁に出られないんだもん。面白い作戦をすることなく、あっさり終わりました」。悔しそうな表情も、一瞬で気持ちを切り替えるのは、さすが。「ハラハラドキドキする試合が出来て、うちが勝つ。甲子園は1勝2敗で『ありがとうございました!』って終われたら最高」。いつもの笑顔で、5日の"甲子園凱旋(がいせん)勝利"を予告した。【中島宙恵】○...先発の杉浦は、5回7安打3失点で5敗目。甲子園初勝利は、おあずけとなった。3回まで完全投球も、球威が落ちた4回以降につかまった。「しぶとくつながれた。あそこで、しっかり粘りきる投球が出来ないと、なかなか勝ちにつながらない」と猛省。中盤に突然、崩れる傾向にあり、代え時について新庄監督は「難しいっすね。こっちも勉強していかないと」と、悩ましげだった。○...福田が7回に3番手で今季初登板し、阪神の上位打線を3者凡退に抑えた。「逃げの投球じゃなくて、攻めて攻めてという投球を意識した」と胸を張った。3日に今季1軍初昇格。不調から再調整となった左のセットアッパー、宮西に代わる活躍が期待される。「(新庄)監督の下でやる初めての公式戦。第一印象は大事だと思って投げたので良かった」と、ホッとしていた。
◆阪神佐藤輝明内野手(23)はプロ最長の8戦連続安打とした。4回2死一塁でバットを折りながらもしぶとく中前へ運び、続く大山の決勝打につなげた。青柳の先発試合では32打数12安打の打率3割り7分5厘、2本塁打、8打点と強力援護する。ただ、5回は2点を加え、なお2死一、三塁で空振り三振。矢野監督は「欲を言い出したらキリがないけど、輝がもういっちょいってくれたら」と得点源として期待した。
◆主役は俺だ。阪神青柳晃洋投手(28)が「日本生命セ・パ交流戦」でBIGBOSS率いる日本ハムを手玉にとった。8回無失点の快投でリーグトップに並ぶ6勝目。規定投球回に再び乗り、防御率0・98はダントツ。勝率と合わせて「投手3冠」の無双投球ぶりに、阪神OBの新庄監督は奇策を打ち出せず、虎党なら誰もが知るアノ人のものまねで脱帽。阪神は2度目の4連勝で3カード連続の勝ち越し。交流戦首位も見えてきた。試合後、矢野監督は感染対策で全員と「空タッチ」をしていたが、ラストの青柳だけは特別だった。がっちりと右手を握りしめた。最大級の敬意だった。「本当に調子が良くなかったんですけど(坂本)誠志郎のおかげで、内野ゴロや打ち損じが多かったと思う。要所でいいところに投げられました」不調でも昨季最多勝のサイド右腕は勘どころを知っていた。2人以上の走者は背負わず、三塁も踏ませなかった。左打者5人の打線に、今年磨きをかけたシンカーが効いた。初回は清宮を、2回は宇佐見を。完全にタイミングを外し、波に乗った。対照的に地をはうような140キロ台の速球を投げ込み、惑わせた。BIGBOSSもジョークで脱帽するしかない。「今日の青柳君はですね、素晴らしかったですね~」。開口一番、阪神のレジェンド掛布雅之氏のものまねで表現した。甲子園凱旋(がいせん)カード。「手足が出なかった。面白い作戦をすることなく終わりました」と白旗だ。警戒していたという青柳は「細かい動きがなかったので打者と勝負しました」と胸を張った。新型コロナ感染で初の開幕投手がなくなり、3週間も出遅れながらトップに並ぶ6勝目。1敗も完全試合未遂の中日大野雄に投げ負けた試合だ。防御率0・98と驚異の安定感。「数字はすごいですけど実感はない。いい感じで試合を作れているので継続したい」。好きな言葉は「やればできる」。中学の軟式野球部で3番手。川崎工科高ではドラフト漏れ。誰よりも練習した自負はあった。「人生はうまくいかないことばかり。でも毎日つらくても、ずっと続けていくうちにできるようになる」-。矢野監督も野球への真っすぐな姿勢を評価する。「頭が下がる。打席での何とかもう1点取ってやるという姿勢も、チームにいろいろな影響を及ぼしてくれている」。6回1死満塁の打席で5連続ファウルしたシーンを自ら挙げた。今季最多を更新した超満員の甲子園。青柳はファンに何度も手を振った。「『絶景』と言っていいのか分からないけど、やっぱり阪神ファンは素晴らしいと思いました」。エースの働きで2度目の4連勝。借金は4月8日以来となる1桁になった。リーグ戦は最下位のままでも、交流戦は7勝4敗で2位タイに浮上した。開幕からどん底を見た阪神が、逆襲モードに入った。【柏原誠】○...近本が5回に2戦連続となる適時打を放った。中野の適時打で2点差に広げ、なお2死二、三塁。杉浦の低めチェンジアップを右前へ。「試合状況的にもいい1本だったかなと思います」。7戦連続安打で、交流戦の打率は3割2厘。4回は中堅正面へのライナーでアウトとなり「内容自体はいい打球だったので『ああっ!』って心の声がつい出てしまった」と珍しく悔しさを表に出す場面もあった。○...「2番遊撃」の中野が攻守で安定感を見せいる。5回2死一、二塁で杉浦の直球を左前打に運び追加点。「何とか塁に出て、揺さぶりたいと考えていたので、得点につなげて良かった」とホッとした表情。守備では2回1死一塁、浅間の二遊間へのゴロを糸原に鮮やかにバックトスし二塁封殺を決めるなど軽快だった。○...守護神岩崎がリーグ4位タイの11セーブ目を挙げた。8回無失点と快投の青柳からバトンを受けて登板。1死から清宮に中前打を許したが、続く野村をチェンジアップで遊撃併殺に仕留めた。スコアボードに最後のゼロを刻んだ頼れる左腕は「勝つことが出来て良かったです」と、ファンにも浸透している「定型文」の決めぜりふを口にした。
◆阪神大山悠輔内野手(27)が、先制打を含む今季3度目猛打賞で4連勝を呼び込んだ。4回2死一、三塁。1ボールから杉浦の甘く入ったスライダーを捉えて左前に先制打。「しっかり集中して(打席に)入れました。チャンスだったので、しっかり結果を出せて良かった」。6回には古川侑から左翼線に二塁打、8回も望月から中前打と、4年ぶりに1試合3発を放った前夜の勢いを持ち込んだ。青柳の先発試合で大山はめっぽう強い。今季はこれで30打数13安打で打率4割3分3厘、3本塁打、8打点。練習前には青柳から「昨日3本打ったんで、今日も1本お願いします!」とねだられていた。豪快なアーチとはいかなかったが、2試合連続の3安打。「青柳さんが投げているんで、とにかく点数を。まずは1点、先制点を取ろうと」と今回も援護した。6月の打撃が絶好調だ。4試合で13打数8安打の打率6割1分5厘、4本塁打、7打点。交流戦の打率は全体5位の3割6分8厘、5本塁打はDeNA牧と並びトップだ。4月に左脚を痛めベンチを温めた時期もあったが、交流戦でめきめき調子を上げている。理由を聞かれ「トレーナーさんや、いろいろな方にケアしてもらっているので」と周りのサポートに感謝する言葉を残した。前夜を上回る今季最多4万2594人のファンが甲子園に駆けつけた一戦。「コロナといういろいろ大変な時期に、こうやって集まってもらえるのは幸せなことだと思います。その中で試合をやれていることを、しっかり感じて、当たり前じゃないと心に刻みながら1試合1試合、戦っていきたいと思います」。諦めない気持ちで日々、打席に立ち続けていく。【三宅ひとみ】
◆阪神青柳晃洋投手(28)が8回を無失点。防御率は0・98と0点台に突入した。90年以降、6月19日開幕の20年を除き、6月以降に防御率0点台(規定投球回以上)は93年伊藤(ヤクルト)09年大竹(広島)田中(楽天)12年杉内(巨人)16年菅野(巨人)岩貞(阪神)に次いで7人目。2リーグ制後、最終的に防御率0点台を記録したのは70年村山(阪神=0・98)しかいないが、青柳はどこまで0点台を続けられるか。なお、青柳は今季交流戦で16回2/3を自責点0。交流戦史上、15年メッセンジャー(阪神)しかいない防御率0・00の可能性を残している。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は青柳晃洋投手(28)が先発する。前回登板した5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)は8回?を投げ、8安打2失点(自責0)で今季5勝目をあげた。安定感抜群の右腕は、積極的な日本ハム打線について「ホームランも多いし攻撃的なチーム。ノーヒットでも1点をとるような野球をやっている。警戒しないといけないことが多い」と話す。それでも、「1個1個大事にアウトをとっていきたい」とゴロの山を築き、リーグトップタイの6勝目を狙う。
◆日本ハム・新庄剛志監督(50)が試合前のメンバー表交換を終え、自身がつけていた赤いリストバンドにボールを包んで三塁側スタンドに投げ入れた。両腕につけていたリストバンドを片方ずつ外し、ボールを包んだ。片方を投げ入れると、もう片方もスタンドへ。今カードは現役引退した2006年以来、16年ぶりの甲子園凱旋(がいせん)。敵地でもファンサービスを実行し、「ビッグボス~」と黄色い声援が飛び交う三塁側スタンドを沸かせた。
◆阪神・大山悠輔内野手(27)が四回に先制打を放ち、勝負強さを発揮した。前日3日に1試合3本塁打を記録した勢いそのままに、この日もバットが火を噴いた。三回まで日本ハム先発の杉浦を前に完全投球を許していたが、四回1死で中野が中前打を放ち、嫌な流れを打開した。近本は中飛に倒れるも4番・佐藤輝も中前へはじき返して2死一、三塁。ここで大山が打席に立ち、2球目の高めのスライダーを引っ張り、三遊間を抜ける適時打とした。試合前の時点で得点圏打率・211(57打数12安打)の男がチャンスを逃さず、好投する先発の青柳に援護点をもたらした。
◆阪神打線がビッグウエーブに乗った。1―0の五回に中野拓夢内野手(25)と近本光司外野手(27)の連続タイムリーでリードを広げた。五回1死で坂本が中前打で出塁。青柳はバント失敗の空振り三振に倒れたが、上位打線が奮起した。島田が左前打で2死一、二塁とチャンスを広げ、中野は左翼手の手前にポトリと落とす適時打で追加点を挙げた。さらに近本も右前への適時打で続いて3点差とした。) 中野はこれで8試合連続、近本は7試合連続安打とし、2、3番の快足コンビが打線をさらに活気づけた。
◆阪神が今季2度目の4連勝を飾った。先発した青柳晃洋投手(28)が8回4安打無失点の好投でセ・リーグトップタイとなる6勝目をマーク。積極的にバットを振ってくる日本ハム打線に対し、持ち味の打たせて取る投球で翻弄する。ピンチは四回1死二塁の場面のみ。4番・野村を中飛に仕留めると、万波は遊直で危なげなく乗り越えた。九回は岩崎がマウンドへ。無失点に抑えて今季11セーブ目をあげた。打線は四回2死一、三塁で大山悠輔内野手(27)が左前打を放って先制。3日の同戦で1試合3本塁打をマークし、最大6点差の逆転劇を巻き起こした5番が、連日の活躍でチームに勢いをもたらした。五回には中野、近本の2&3番コンビがタイムリーを放って追加点をあげた。阪神は4連勝で、3カード連続のカード勝ち越しが決定。最大16まで膨らんでいた借金は、4月8日以来となる一桁の「9」となった。
◆阪神が4連勝で3カード連続の勝ち越しを決めた。借金「9」は4月8日(1勝10敗1分)以来。3日の試合で3本塁打をマークした大山悠輔内野手(27)が四回に先制打を放ち、五回には2死から3連打で2点を追加した。8回無失点の青柳晃洋投手(28)はリーグトップタイの6勝目(1敗)を挙げ、防御率は0・98となった。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績24勝33敗1分、観衆4万2594人=今季最多)。ーー3日とは違う形での快勝でした「そうですね、まずは青柳がしっかりと投げてくれた事が大きかったですけど、昨日(3日)の勝ちを今日にどうしてもつなげかったんで、そういうところでは、昨日とは違う展開でしたけども、ある意味、ウチらしく戦えたかなと思います」ーー青柳は8回無失点「最後もね、行きたそうな気持ちで、最後まで投げ切りたいという気持ちもある。それも嬉しい事ですし、次の登板とか考えて、あそこで代えることになりましたけど、いつも攻めるという気持ちで持ってくれているピッチャーなんで。そこに丁寧という青柳らしいピッチングでした」ーー好調が続いている「開幕がちょっと遅れた分、悔しさを本人がぶつけてくれていると思いますし、本人が常にチームを引っ張ってやるんだという気持ちを投球に表してくれて、本当に助かっています」ーー大山の先制打「ホント、悠輔には言うことないですし、最後もヒット打っていますし、内容もしっかりしていますし、数字も上がってきているし、本人も気持ちも状態も上がって来ているんで、ここからウチが浮上するためにはもちろん、悠輔のバッティングは大きなポイントになると思うんで、これからもどんどん打ってもらいたいです」ーー五回は連打「いい点の取り方って言うか、いろんなパターンの取り方が、ちょっとずつ増えて来ている。全員の状態が上がって来ているところも大きな事だと思う。ああいうところで追加点、1点、2点取れたというところでは、相手に与えるダメージも大きいですし、こっちのムードも上がる得点でした」ーーつながりや粘りが出て来た「大きくガンガン、ホームラン打つバッターがたくさんいるチームじゃないんで、つなげる。一個のアウトでもランナーを進めながら、足を絡めてというのが、ウチのゲームだと思う。島田もいい味を出してくれていますし、拓夢もチカもいい働きをしてくれているかなと思います」ーー6月負けなし「この流れをどんどんつなげて行きたいですし、それが6月だったと後から言えるように、まずは今日勝ったんで、この勢いを明日につなげたいですね」ーーファンに一言「新庄監督に会いたい。見たいというタイガースファンの方はたくさんおられると思いますけど、そういう中で、僕たちはみなさんに勝つ試合、選手が躍動する試合を見せられたのは本当に嬉しいですし、俺たちの野球、超積極的、諦めない、チーム全員で...そういう野球をこれからも見せて行きます」
◆阪神が4連勝で3カード連続の勝ち越しを決めた。借金「9」は4月8日(1勝10敗1分)以来。3日の試合で3本塁打をマークした大山悠輔内野手(27)が四回に先制打を放ち、五回には2死から3連打で2点を追加した。8回無失点の青柳晃洋投手(28)はリーグトップタイの6勝目(1敗)を挙げ、防御率は0・98となった。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績24勝33敗1分、観衆4万2594人=今季最多)。(テレビインタビュー)ーー3日とは違う形での快勝でした「そうですね、まずは青柳がしっかりと投げてくれた事が大きかったですけど、昨日(3日)の勝ちを今日にどうしてもつなげかったんで、そういうところでは、昨日とは違う展開でしたけども、ある意味、ウチらしく戦えたかなと思います」) ーー青柳は8回無失点「最後もね、行きたそうな気持ちで、最後まで投げ切りたいという気持ちもある。それも嬉しい事ですし、次の登板とか考えて、あそこで代えることになりましたけど、いつも攻めるという気持ちで持ってくれているピッチャーなんで。そこに丁寧という青柳らしいピッチングでした」ーー好調が続いている「開幕がちょっと遅れた分、悔しさを本人がぶつけてくれていると思いますし、本人が常にチームを引っ張ってやるんだという気持ちを投球に表してくれて、本当に助かっています」ーー大山の先制打「ホント、悠輔には言うことないですし、最後もヒット打っていますし、内容もしっかりしていますし、数字も上がってきているし、本人も気持ちも状態も上がって来ているんで、ここからウチが浮上するためにはもちろん、悠輔のバッティングは大きなポイントになると思うんで、これからもどんどん打ってもらいたいです」ーー五回は連打「いい点の取り方って言うか、いろんなパターンの取り方が、ちょっとずつ増えて来ている。全員の状態が上がって来ているところも大きな事だと思う。ああいうところで追加点、1点、2点取れたというところでは、相手に与えるダメージも大きいですし、こっちのムードも上がる得点でした」ーーつながりや粘りが出て来た「大きくガンガン、ホームラン打つバッターがたくさんいるチームじゃないんで、つなげる。一個のアウトでもランナーを進めながら、足を絡めてというのが、ウチのゲームだと思う。島田もいい味を出してくれていますし、拓夢もチカもいい働きをしてくれているかなと思います」ーー6回はビッグボスとスクイズのサインで攻防「そうですね、もう1点もちろんほしいですし。向こうも満塁はある程度仕方がないというところで。誠志郎が何とかバットに当ててくれたおかげなんで(六回1死一、三塁からのスクイズで、日本ハムバッテリーが外してファウル)、そういう意味では誠志郎に助けてもらえたかなと思います」ーー6月負けなし「この流れをどんどんつなげて行きたいですし、それが6月だったと後から言えるように、まずは今日勝ったんで、この勢いを明日につなげたいですね」ーーファンに一言「新庄監督に会いたい。見たいというタイガースファンの方はたくさんおられると思いますけど、そういう中で、僕たちはみなさんに勝つ試合、選手が躍動する試合を見せられたのは本当に嬉しいですし、俺たちの野球、超積極的、諦めない、チーム全員で...そういう野球をこれからも見せて行きます」 (囲み)ーー青柳が素晴らしい投球「いやあもう、頭が下がるよね」ーー今年は三振の数が増えている「どこのチームも青柳の時は右の選手が下がって、左を出してくる左対策でシンカー系のボールとインコースへの速いボールと、また外からも入るスライダーとか。いろんなものを全部、勝負球に出来るところが、三振にもつながってると思う。左バッターでも苦にしないというか、逆に去年ぐらいから、そうやって左を並べられることをヤギがプラスにしていけた。左をこうやって抑えるんだっていうものをつかみ出しているんでね。そういった理由かなと思います」ーー防御率も0点台に突入「自分の励みになるしね。先発ピッチャーもどのピッチャーも防御率は大事だけど、常々言っているように、自分の数字を追えば、それが直結してチームのためになる。防御率も意識して、どんどんやって行けばいいと思う。勝ちだけじゃなくてね。打席での何とかもう1点取ってやる姿勢も、チームにいろんな意味の影響を及ぼしてくれてる。あそこでスタンドから拍手が起こることはヤギの打ってやろうという姿勢の拍手なんかなと思った。そういったところもピッチングにつながってる。そういうのがヤギらしさかなと思う」ーー打線は2死から得点も「まあね。欲を言い出したらキリがないけど、もっと言えばテルがもう一丁行ってくれたらというのはもちろんある。それは勝負の中で打てることも打てないこともあるし、テルはその悔しさを明日以降ぶつけてくれたらいいし。島田も塁に出たり、打順がちょっと落ち着いてくるとね。さっき言ったいろんな攻撃のパターンが出来てくる可能性が上がる。そういうところでは健斗も上がっているし、悠輔も内容もしっかりしているし。全体の状態も上がっている。いろんなことが関係しているかなと思う」ーー借金も1桁「まあまあ、一気に2つ減ることないので1個ずつ頑張っていきます」ーー1つずつ「しかできひんやん」
◆日本ハムは今季10度目の零封負け。日本ハム・新庄剛志監督(50)は、かねてから「タイミングをずらすのがすげえうまい」と絶賛していた阪神・青柳にやられ、お手上げのようすだった。「開幕初日から今日まで、一番手足が出なかった。前から言っていた青柳君の投球術。素晴らしかった。どうしようもなかった」独特の角度からの投球フォームや、タイミングを外す投球術、巧みなクイックに翻弄された。散発4安打で、走者を得点圏に置いたのは四回1死で清宮が右中間二塁打を放ったこの1回だけ。前日3日にはスクイズやエンドランなどを仕掛けて得点したが「塁に出られないんだもん。することなく、あっさりと終わりました」とお手上げ...。「自分がバッターボックスに入ったとしてもこれは合わせづらい」と脱帽した。自身が現役を引退した2006年以来16年ぶりに甲子園に凱旋しての対戦。5日は4年前に金足農高を夏の甲子園準優勝に導いた吉田輝星投手(21)が先発する。〝聖地の申し子〟で逆襲へ。「うちらが勝って2勝1敗(実際は1勝2敗)で甲子園は『ありがとうございました!』で終われたら最高」と〝新庄節〟で締めた。
◆日本ハムは5日の阪神戦に吉田輝星投手(21)が先発する。2018年夏の甲子園大会で秋田・金足農高を準優勝に導いた右腕が、プロ入り後初めて公式戦で聖地のマウンドに立つ。試合前の練習でキャッチボールなどで準備を整えた。「特別な球場。いけるところまで全力でいきたい」と気合を入れた。先発勝利となれば、プロ初勝利を挙げた2019年6月12日の広島戦(札幌ドーム)以来。「甲子園で満員なので、精いっぱい楽しんでいきたい」と声を弾ませた。
◆めったにガッツポーズをしない男が、一塁ベース上で右拳を控えめに突き上げた。前夜に3発を放って大逆転勝ちのヒーローになった大山が連日の大暴れ。先制タイムリーを含む3安打猛打賞で、虎を今季2度目の4連勝へと導いた。「きのうの勢いそのままに、青柳さんが投げていたので、まずは1点。先制点を取ろうと思っていた」三回まで日本ハムの先発・杉浦に完全に抑えられていたが、四回は中野と佐藤輝の安打で2死一、三塁のチャンス。燃えないわけがなかった。1ボールからの2球目、外角高めのスライダーを左前に運んだ。「きのうは真っすぐを3本打っているので、(相手の)配球面で難しかったですけど。しっかり集中して(打席に)入れました」3日は3本塁打を放ち、16年ぶりに甲子園に凱旋した日本ハム・新庄監督の度肝を抜いた。一夜明けて、勝負球で直球は投げてこない-。その読みがズバリ的中した先制打だった。「1本で終わるよりも2本、3本出たほうがいい」。六回には2番手・古川のフォークを左翼線に運ぶ二塁打。八回には制球に苦しんでいた4番手・望月の144キロの直球を中前へはじき返し、2試合連続の猛打賞。青柳が先発した8試合は打率・433、3本塁打、8打点の大当たりで、決勝打は3回目。試合前練習中、青柳からは「きょうも1本お願いします」とおねだりされたが、見事に応えた。矢野監督も「気持ちも状態も上がってきている。これからもドンドン打ってもらいたい」と目尻を下げた。チームは3カード連続で勝ち越しを決め、最大16あった借金を9に減らして4月8日以来の1桁台に。大山も交流戦11試合は打率・368、5本塁打、10打点。6月の4試合に限れば打率・615(13打数8安打)、4本塁打、3打点と驚異的な数字。まさに絶好調だ。「油断したらすぐに落ちますし、先のことよりも、あしたの試合をどう戦うかということを考えながら準備したい」いつものように慎重な口ぶりだったが、目は笑っていた。(三木建次)■データBOX ?...交流戦11試合を終え、大山は打率が5位の・368、本塁打はDeNA・牧と並ぶトップの5本、打点は10で3位タイと、3部門すべてで上位につけている。
◆阪神・岩崎は青柳から直接バトンを受け3点リードの九回を〝3人斬り〟だ。1死から清宮に中前打を浴びたが、続く野村を遊ゴロ併殺に斬り、11セーブ目。いつも通りの「勝つことができてよかったです」というコメントを残した。交流戦11試合目で早くも6度目の登板となり5セーブ。5月26日の楽天戦(甲子園)では同点の九回に勝ち越しを許して黒星を喫したが、頼もしさを取り戻している。
◆今季10度目の零封負け。日本ハム・新庄剛志監督(50)は「開幕から今日まで一番、手も足も出なかった。青柳君の投球術、素晴らしかった。塁に出られないんだもん。面白い作戦をすることなく、あっさり終わりました」と、阪神先発の青柳に白旗を揚げた。エンドランやスクイズなど代名詞の積極采配で三回までに7点を奪った前日とは一転、得点圏に走者を置いたのは清宮の二塁打での一度だけ。奇策への糸口すらつかめなかった。) ロッテ戦が雨天中止となった4月29日、指揮官は巨人-阪神をテレビ観戦。2失点完投勝利の青柳に「打者のタイミングをずらすテクニック、すげぇうまい」と舌を巻いた。くしくも交流戦で対戦し「自分が打席に入っても、これは合わせづらい」と脱帽した。阪神時代に慣れ親しんだ甲子園。この日は着けていたリストバンドを外し、ボールを包んで内野席に投げ入れるなどして盛り上げた。ファンの視線を一身に集めたが、聖地で2連敗。やはり見せたいのは勝つ姿だ。「勝って〝2勝1敗〟で、甲子園に『ありがとうございました!』で終われたら最高」。実際は勝っても1勝2敗だが、勝ち越したと思わせるほど印象的な勝利を目指す。新庄節に、強い思いがにじんでいた。(箭内桃子)
◆佐藤輝は四回2死一塁の第2打席で、杉浦の151キロを中前にはじき返し、大山の先制打をアシストした。これで8試合連続安打。ただ、そのほかの3打席はすべて三振に倒れ、今季3度目の1試合3三振を喫した。矢野監督は「テル(佐藤輝)がもういっちょ、いってくれたらというのはもちろんある。テルはその悔しさをあす以降ぶつけてくれたらいい」と奮起を願った。
◆♪ア~父さん、母さんベテラン編集委員三木建次が、体を揺すって鼻歌を歌い始めました。阪神の打撃練習中に、甲子園球場のBGMでモーニング娘。の「ハッピーサマーウェディング」が流れたからです。ビヤ樽は57歳ですが、アイドル好きでAKB48の大ファン。「ヘビーローテーション」や「365日の紙飛行機」などをカラオケの持ち歌にしていて、モー娘。の曲も「守備範囲」なのです。「ノリのいい曲やけど、モー娘。がかかるのは珍しいな。なんできょうはこの曲なんやろ。もしかして、杉浦を動揺させるためか? 奥さん、『こんこん』だし」はい。みなさんご存じの通り、4日に先発した日本ハム・杉浦の奥さまは元モーニング娘。で現在はフリーアナの紺野あさ美さんです。「どうせなら、試合でも登場曲をみんなモー娘。にしたら、おもしろいですけどね」トラ番キャップ長友孝輔も悪ノリしています。ただ、おじさん2人のこの会話に、近くにいた20代前半の他紙の若い女性記者はキョトンとしていたそうです。「え? この歌、知らんの?」20代〝後半〟の元トラ番で現在は日本ハム担当の箭内桃子が「リアルタイムで聴いていた年代は私でギリギリですよ」と笑いながら、パソコンを開いて発売年度を確認していました。 「この歌がリリースされたのは、2000年5月です。私が小学校に入る前です」22年前。「ハピサマ」ももう懐メロなのか...とショックを受けたビヤ樽に、桃子姫がさらに追い打ちをかけました。「それに、5期メンバーの紺野さんはこの後の加入ですから、この曲、歌っていません」じゃあ、動揺させるための作戦じゃなかったんだ。ただね、試合前のトラ番の会話がずいぶん変わってきたなと思います。3日の第1戦で二回表に0-3になったとき、長友はその日の当番デスクとこんな打ち合わせをしていたんです。「こうなると、勝つのは難しいです。先制されると9連敗中です。今年は3点以上のビハインドから逆転したことがありません。先発が5回を投げられずに降板すると0勝9敗1分けです」まだ阪神の攻撃が8回残っていたのに、早々と負けを覚悟した会話でした。「第1戦の逆転勝ちはそういう負のデータを全部まとめて払拭しましたからね。きょう勝ったら、本当に勢いに乗ると思います」キャップがそう言うと、ビヤ樽も呼応しました。「今年は開幕戦で8-1から逆転負けしてそのまま9連敗した。きのう1-7からひっくり返して、それを取り返したとまでは言わんけど、きょう勝ったら3カード連続の勝ち越しになる。借金も1桁になる。一気に減っていくかもしれん」勝ちました。青柳が8回を零封し、大山が四回に先制打。大逆転勝ちの翌日に3-0の快勝です。♪ア~オヤギさん、オ~ヤマさん ア~感謝してますぅ4連勝です。交流戦は7勝4敗でソフトバンクと並んで2位です。借金はまだ9あるけれど、今の阪神の勝ち方を見ていると、ビヤ樽が言う通り「一気に」の期待もできそうな気がしてきました。
◆「汝の敵を愛せよ」。やっぱりBIGBOSSは、でかかったー!!古巣阪神が借金を抱えて苦しむ姿を見てられなかったんでしょう...。そんなわけはないのに、新庄監督だけにそう思っちゃうから、すてき(?)だぜー!!雲一つない快晴の空の下、8回をわずか4安打無失点でハーラートップに並ぶ6勝目を挙げ、すっかり〝雨ヤギさん〟を返上する〝晴れヤギさん〟、アリガトウ。わが阪神も6月に入って○○○○。天気図の快晴マークと同じ白星が4つ並んだ!! これで借金は「9」。開幕9連敗となったあの日に戻り、今度こそ大逆襲劇のスタートなのだ!! 6月に不敗伝説、やったろやないかー!!そのとき、はたと気付いたのでした。北海道ではサンスポは道新スポーツで読まれていることに...。日本ハムファンの皆さ~ん、清宮、野村、万波の高校時代甲子園を沸かせたクリーンアップなんて、この先は夢だらけで、もう、この幸せ者!!第3戦の先発は甲子園の星、あの吉田輝星だって。シビレちゃう!! オレ、日本ハムファンにくら替えしようかな~と〝コウモリ男〟になる俺だったのだ...。でも、ホントにうらやましいじゃねーか!!
<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
8 | 3 | 0 | 0.727 (↑0.027) | - (-) |
7 | 51 (+3) | 33 (+2) | 18 (+1) | 7 (-) |
0.264 (↓0.01) | 2.410 (↑0.04) |
2 (1↑) |
阪神 |
7 | 4 | 0 | 0.636 (↑0.036) | 1 (-) |
7 | 34 (+3) | 26 (-) | 7 (-) | 14 (+1) |
0.262 (↑0.001) | 2.200 (↑0.23) |
2 (1↓) |
ソフトバンク |
7 | 4 | 0 | 0.636 (↓0.064) | 1 (↓1) |
7 | 55 (+2) | 23 (+4) | 9 (-) | 11 (+1) |
0.280 (↓0.006) | 2.080 (↓0.22) |
4 (-) |
ORIX |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 2 (-) |
7 | 34 (+3) | 28 (+2) | 5 (+1) | 4 (+1) |
0.269 (↓0.001) | 2.530 (↑0.16) |
4 (-) |
DeNA |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 2 (-) |
7 | 38 (+6) | 35 (+1) | 11 (+1) | 5 (+2) |
0.241 (↑0.012) | 2.510 (↑0.15) |
4 (-) |
中日 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 2 (-) |
7 | 29 (+4) | 35 (+2) | 5 (+1) | 5 (-) |
0.227 (↑0.001) | 3.120 (↑0.12) |
4 (-) |
巨人 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 2 (-) |
7 | 42 (+2) | 35 (+1) | 13 (-) | 16 (+1) |
0.232 (↓0.003) | 2.970 (↑0.2) |
8 (4↓) |
西武 |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↓0.045) | 3 (↓1) |
7 | 35 (+2) | 35 (+3) | 8 (+1) | 3 (-) |
0.230 (↓0.005) | 2.590 (↑0.03) |
9 (-) |
楽天 |
4 | 7 | 0 | 0.364 (↓0.036) | 4 (↓1) |
7 | 20 (+1) | 40 (+6) | 3 (-) | 6 (+2) |
0.214 (↑0.001) | 3.830 (↓0.27) |
9 (-) |
ロッテ |
4 | 7 | 0 | 0.364 (↓0.036) | 4 (↓1) |
7 | 31 (+1) | 40 (+2) | 9 (-) | 7 (+1) |
0.206 (↑0.001) | 3.260 (↑0.09) |
9 (-) |
日本ハム |
4 | 7 | 0 | 0.364 (↓0.036) | 4 (↓1) |
7 | 45 (-) | 48 (+3) | 10 (-) | 7 (-) |
0.282 (↓0.01) | 4.100 (↑0.06) |
12 (-) |
広島 |
3 | 8 | 0 | 0.273 (↓0.027) | 5 (↓1) |
7 | 20 (+2) | 56 (+3) | 0 (-) | 2 (+1) |
0.219 (↓0.005) | 4.880 (↑0.19) |
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
34 | 20 | 1 | 0.630 (↑0.007) | - (-) |
88 | 217 (+3) | 177 (+2) | 58 (+1) | 33 (-) |
0.237 (↓0.002) | 2.750 (↑0.01) |
2 (-) |
巨人 |
34 | 26 | 0 | 0.567 (↑0.008) | 3 (-) |
83 | 231 (+2) | 229 (+1) | 63 (-) | 33 (+1) |
0.243 (↓0.001) | 3.320 (↑0.04) |
3 (-) |
広島 |
28 | 27 | 2 | 0.509 (↓0.01) | 6.5 (↓1) |
86 | 222 (+2) | 200 (+3) | 24 (-) | 10 (+1) |
0.253 (↓0.002) | 3.290 (↑0.01) |
4 (-) |
中日 |
26 | 29 | 0 | 0.473 (↑0.01) | 8.5 (-) |
88 | 172 (+4) | 202 (+2) | 33 (+1) | 20 (-) |
0.242 (↓0.001) | 3.570 (↑0.03) |
5 (-) |
DeNA |
23 | 28 | 0 | 0.451 (↑0.011) | 9.5 (-) |
92 | 177 (+6) | 222 (+1) | 39 (+1) | 19 (+2) |
0.246 (↑0.002) | 3.880 (↑0.06) |
6 (-) |
阪神 |
24 | 33 | 1 | 0.421 (↑0.01) | 11.5 (-) |
85 | 178 (+3) | 173 (-) | 42 (-) | 43 (+1) |
0.231 (↑0.001) | 2.780 (↑0.05) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
32 | 21 | 1 | 0.604 (↓0.011) | - (-) |
89 | 227 (+2) | 165 (+4) | 33 (-) | 33 (+1) |
0.267 (↓0.001) | 2.720 (↓0.03) |
2 (-) |
楽天 |
30 | 22 | 1 | 0.577 (↓0.011) | 1.5 (-) |
90 | 178 (+1) | 158 (+6) | 31 (-) | 43 (+2) |
0.234 (-) | 2.890 (↓0.07) |
3 (-) |
ORIX |
28 | 29 | 0 | 0.491 (↑0.009) | 6 (↑1) |
86 | 155 (+3) | 178 (+2) | 22 (+1) | 31 (+1) |
0.227 (↑0.001) | 2.860 (↑0.04) |
4 (-) |
西武 |
26 | 29 | 1 | 0.473 (↓0.008) | 7 (-) |
87 | 169 (+2) | 169 (+3) | 36 (+1) | 20 (-) |
0.225 (↓0.001) | 2.500 (-) |
5 (-) |
ロッテ |
23 | 32 | 1 | 0.418 (↓0.008) | 10 (-) |
87 | 167 (+1) | 196 (+2) | 30 (-) | 53 (+1) |
0.214 (-) | 2.870 (↑0.01) |
6 (-) |
日本ハム |
22 | 34 | 0 | 0.393 (↓0.007) | 11.5 (-) |
87 | 193 (-) | 217 (+3) | 48 (-) | 41 (-) |
0.243 (↓0.001) | 3.700 (-) |
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