阪神(☆9対7★)日本ハム =交流戦1回戦(2022.06.03)・阪神甲子園球場=
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日本ハム
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阪神
01011204X91303
勝利投手:渡邉 雄大(2勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝2敗10S))
敗戦投手:堀 瑞輝(0勝2敗0S)

本塁打
【日本ハム】万波 中正(10号・3回表ソロ)
【阪神】大山 悠輔(10号・2回裏ソロ),大山 悠輔(11号・4回裏ソロ),大山 悠輔(12号・8回裏ソロ)

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◆阪神は5-7で迎えた8回裏、大山がこの日3本目となるソロを放ち、1点差とする。その後も代打・山本の適時打が飛び出すなど、この回打者10人の攻撃で4点を奪い、試合をひっくり返した。投げては、5番手・渡邉が今季2勝目。敗れた日本ハムは、投手陣が最大6点のリードを守りきれなかった。

◆阪神は3日の日本ハム戦(甲子園)の入場券が完売し、当日券を販売しないと発表した。日本ハム新庄剛志監督(50)が就任後初めて聖地の土を踏む注目カード。BIGBOSS効果で超満員となるかもしれない。

◆阪神は2日、3日の日本ハム戦(甲子園)の入場券が完売し、当日券を販売しないと発表した。球場担当者によると4、5日の同戦のチケットもほぼ完売状態だという。今季甲子園での同一カード3連戦のチケット完売は、5月3日からのヤクルト3連戦があったが、これはいずれもデーゲーム。ナイター開催となる3日の試合の完売は異例といえる。今季甲子園の最多入場者数は5月3日の4万2483人。元阪神の新庄監督が就任後初めて甲子園に帰ってくる注目カード。BIGBOSS効果で今季最多更新があるかもしれない。

◆阪神で一時代を築いた日本ハム新庄剛志監督(50)が甲子園に帰ってくる。日本ハムの現役選手だった06年6月の交流戦以来、16年ぶり。何度もファンを沸かせたスターが、今度はどんなパフォーマンスを見せてくれるのかが注目される。【新庄と甲子園】◆入団発表(89年12月24日)西日本短大付からドラフト5位で阪神入り。大阪市内での入団会見の後、聖地に初めて足を踏み入れた。◆初見参は遊撃手(91年9月18日中日戦)プロ2年目での甲子園1軍デビューは「7番遊撃」で先発出場。2打数ノーヒットだった。◆衝撃の初球ホームラン(92年5月26日大洋戦)オマリーの故障を受け、急きょ1軍へ。7番三塁でスタメン出場。2回の初打席で有働から初球を左翼席に運んだ。◆初のサヨナラ弾(92年9月16日広島戦)0-0で迎えた9回裏1死一塁、抑えエース大野から左翼へサヨナラ2ラン。直前の9回表2死満塁では山崎隆の打球を好捕しており、攻守で魅せに魅せた。◆応援ボイコット(97年)主軸を任されたがシーズン打率2割3分8厘の不振にあえぎ、打席が回っても応援してもらえない事態に。人気者が試練に直面した。◆敬遠球を打ちサヨナラ(99年6月12日巨人戦)4-4で迎えた12回裏、槙原が投じた敬遠の球を強振。三遊間を割るサヨナラ打を放った。お立ち台では「明日も勝つ!」と絶叫した。◆20世紀最後のサヨナラ弾(00年9月30日広島戦)同点の9回裏2死一塁、紀藤から右翼へサヨナラ2ラン。これが阪神では20世紀最後のサヨナラ勝利となった。◆虎最終戦はノーヒット(00年10月1日)阪神の選手としては最後の聖地。4番・中堅でフル出場したが4打席無安打に終わった。オフにはFA宣言しメッツへ移籍した。◆久々の聖地凱旋(がいせん)(05年6月10日阪神戦)04年NPB復帰し日本ハム入団。初の交流戦は5番中堅で4打数1安打だった。◆衝撃のタテジマ姿(06年5月18日阪神戦)試合前の外野シートノックに、なんと阪神のユニホーム姿で登場。ファンに向かってポーズを決めるなど、ノリノリだった。◆惜別の2安打(06年6月19日阪神戦)現役最後の聖地は6番中堅でフル出場し。4打数2安打。最後の打席は久保田の前に三振だった。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が16年ぶりに甲子園へ帰ってきた。午後3時52分。三塁側ベンチに現れると聖地をじっくりと見渡して、ゆっくりと足をグラウンドへ踏み入れた。「今、入ってきた時、福岡から甲子園に出てきて『わぁ広かね、甲子園は。福岡から来た新庄剛志です』って言ったの思い出した」。西日本短大付(福岡)から阪神へ入団したプロ入り当時の思い出がフラッシュバックしたという。試合前練習ながら試合用のビジターユニホームを身にまとい、赤いマスク、黒基調のニット帽の上にサングラスを置く、いつものBIGBOSSスタイルで、古巣の甲子園に戻ってきた。猛虎ファンの度肝を抜くパフォーマンスはあるのだろうか。「いや、やらんなあ。期待されすぎてもね。でも、この球場に来るファンの圧というか、それだけでもパフォーマンスですよ。ファイターズ戦のチケットがものすごく売れているって聞いて、やっぱ(自分が)タイガースにいたからかな? そうかな? もう忘れられているんじゃないかなって」と、いたずらっぽく笑った。

◆BIGBOSSが古巣の本拠地で早速、粋な計らいだ。甲子園に詰めかけた子どもファンにボールをプレゼントした。試合前練習中に阪神ファンが集結する右翼スタンドの前へ移動した日本ハム新庄剛志監督(50)はスタンド側を向き、子どもへ狙いを定めて持っていたボールを投げ入れた。ただ、少し狙いがはずれて大人がキャッチしたのを見て、即座にジェスチャー付きで子どもへ渡してもらうようにお願い。無事に、ボールが子どもの手に渡るのを見届けたBIGBOSSは、大きな拍手をして喜んだ。

◆阪神金村暁投手コーチ(46)が、BIGBOSSの奇策を警戒した。現役時、日本ハムで同僚だった新庄監督と公式戦初対戦。試合前練習では投手陣に対し、準備の大切さを説いた。「準備をしておこう、ということしか言いようがない。どうしてもランナー三塁でエンドランとかされたら防ぎようない。防げない作戦っていうのがあるからね」。日本ハム打線のキーマンには、打率3割7分でパ・リーグ首位打者の松本剛を挙げた。「良いバッターは多い。とにかく振るね、スイングが強い」。阪神先発のウィルカーソンには「初球から積極的に真っすぐを振ってくるタイプのバッターが多い。とりあえず塁に出したら足を絡めてくる。何してくるか分からないから、準備だけしておいて。あとは自分のボールを投げてくれればいい」と平常心の投球を期待した。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)がスタメンの一部を事前公表した。「今日は2番かな、万波君。万波君、野村君、清宮君。2、3、4で、5番に松本君で(6番に)上川畑君だったかな。結果の出ている、シングルヒットを打っている子たちを後ろで、ちょっと点を取りにいってみようかなと」と、明かした。かねて、甲子園での阪神戦のスタメンは「甲子園組でそろえたろうかな。粋な計らい、好きじゃん」と、甲子園出場経験のある選手で固めるプランを明かしていたBIGBOSS。「(甲子園組で)並べたかったけどね、甲子園で。でも、そのこだわりより、いいゲームをね。今の調子のいい、今日のピッチャー(阪神ウィルカーソン)に合うバッターをそろえようと思って」と、打線を組んだ。ちなみに、各選手の経歴はしっかりと調査済みだった。「調べてもらったら、(スターティング)メンバーは組めた。甲子園メンバーで」と考えたそうだが、この日の先発は甲子園出場経験がない上沢直之投手(28)。「上沢君は甲子園メンバーじゃないから。ああ、じゃあもう、1人いなかったら駄目なんですよね。全員じゃないと、これが。だから、やめました」と、冗談交じりに話していた。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が試合前練習で、1軍定着のきっかけをつかんだ思い出のポジションである三塁を守った。グラブをはめて、おもむろにサードへ向かうと、飛んできたゴロ打球を華麗に捕球。ボールを右手で突きあげて、三塁側のスタンドのファンにアピールすると大きな拍手が送られた。3年目の92年に「オマリーという外国人がケガしたその隙にバンっとレギュラーを取った」。三塁手だったオマリーの代わりに急造三塁手としてスタメン出場した甲子園での試合でプロ初本塁打。新庄伝説が本格的にスタートしたポジションはサードだった。ちなみに、2日広島戦(マツダスタジアム)の試合前練習では遊撃のポジションでゴロ捕球しようとしたが、まさかのトンネルで"失策"。その姿にも広島ファンから歓声が上がっていたが、この日は古巣の甲子園で、かっこよく決めた。

◆2連勝中の阪神は16年ぶりに甲子園に帰ってきたBIGBOSS新庄剛志監督(50)率いる日本ハムと対戦する。2月の練習試合では1敗1分けだったが、本番の3連戦では勝ち越したい。阪神は前日2日の西武戦で今季最多17安打、6得点で快勝。2試合連続マルチ安打中の好調島田海吏外野手(26)が3試合連続で1番に起用された。3番近本光司外野手(27)は日本ハム先発の上沢から2安打を放っている。7番にはロハス・ジュニア外野手(32)が5月8日の中日戦以来26日ぶりのスタメンに起用された。

◆全員合わせて甲子園10度出場の日本ハムのスタメンが発表された。甲子園凱旋(がいせん)の新庄剛志監督(50)は、甲子園出場経験のある選手でメンバーを固めるプランも披露していたが、「上沢君は甲子園メンバーじゃないから。ああ、じゃあもう、1人いなかったら駄目なんですよね。全員じゃないと、これが。だから、やめました」と、冗談交じりに話していた。

◆ノーパフォーマンス宣言していたBIGBOSSが、やっぱり最高のパフォーマンスで甲子園を盛り上げた。日本ハム新庄剛志監督(50)が試合前に矢野燿大監督(53)とメンバー表を交換後に、1歩2歩とマウンド方向へ近づいて、帽子を取り、甲子園に詰めかけたファンに向かって右手を高々と掲げた。その瞬間、大きな拍手とどよめきが起きた。さらに、ガッツポーズも繰り返しながら、BIGBOSSは三塁側ベンチへ引き揚げた。試合前にはパフォーマンスについて「いや、やらんなあ。期待されすぎてもね」と話していたが、しっかりとファンの期待に応えた。

◆BIGBOSSもびっくりの3発だ! 阪神大山悠輔内野手(27)が、1試合3本塁打で猛虎の驚異の粘りを演出した。最大6点差から2点差に迫った8回1死。日本ハム左腕堀の145キロ直球を完璧に捉え、左翼スタンドに運んだ。この日3発目となる12号アーチに甲子園も沸きに沸いた。大山の1試合3本塁打は、18年9月16日DeNA戦以来。直近の阪神選手では21年5月28日西武戦での佐藤輝以来。甲子園となれば、10年6月29日中日戦のブラゼル以来の大爆発だ。BIGBOSSに負けない「大山劇場」は3点ビハインドの2回先頭から始まった。日本ハム先発上沢の初球144キロを捉え、左中間席へ運んだ。打球速度165キロ、打球角度32度、飛距離125メートルの10号ソロだった。「先頭打者としてまずは出塁することを考えて打席に立ちました。浮いてきた甘い球を一発で仕留めることができて良かったです」 5年連続2桁本塁打。阪神では福留孝介の5年連続(15~19年)以来。生え抜きでは鳥谷敬の5年連続(06~10年)以来で、生え抜き右打者に限ると岡田彰布の12年連続(80~91年)以来。球団レジェンドも達成した記録だ。6点差に広げられた4回1死では、上沢の初球146キロを中堅左へ運んだ。打球速度160キロ、打球角度24度、飛距離127メートル。本塁打はいずれも初球で、わずか2球で2点を奪った。大山の2打席連続アーチは21年8月14日の広島戦以来だった。大山は2月8日の練習試合日本ハム戦(宜野座)でも本塁打を放っている。またも新庄監督の前で快音を響かせ、劣勢のチームを勇気づけた。

◆日本ハムが1番浅間大基外野手(25)と2番万波中正外野手(22)の横浜高コンビで先取点を奪った。浅間が初球打ちで右前打で出塁。続く4学年後輩の万波が左中間フェンス直撃の適時二塁打で先制した。万波は「浅間さんが"ちょば"だったので"ちょ覇気"でかえしました」とコメント。「ちょば」とは横浜高野球部用語で「超バッティングがいい」という意味。同じく「ちょ覇気」の「ちょ」は「超」を意味する。つまり万波は、超バッティングが良かった先輩を本塁へかえすべく、超覇気を込めてスイングして結果を残した。さらに3番の花咲徳栄(埼玉)出身の野村佑希内野手(21)の二ゴロで1死三塁となり、4番の早実出身の清宮幸太郎内野手(23)が犠飛を放った。清宮は「ジェ(野村)がいい場面をつくってくれたので、最低限の仕事ができてよかったです。まだまだ序盤で、これからどんどんチャンスで回ってくると思うので、しっかり仕事をしたいです」とコメント。BIGBOSSこと新庄剛志監督(50)の甲子園凱旋(がいせん)勝利へ、幸先よく2点を先行した。

◆日本ハム万波中正外野手(22)がエグい弾道で自身初の2桁本塁打に到達した。3回先頭で、阪神アーロン・ウィルカーソン投手(33)が投じた低めへの145キロ直球を、バックスクリーン左側のスタンドへ突き刺す10号ソロ。豪快なアーチに甲子園の阪神ファンからもどよめきが起きた。1日広島戦(マツダスタジアム)で9号ソロを放った際にも残したコメントと同じように「行っちゃったばい!」。上機嫌の博多弁で10号到達を喜んだ。

◆甲子園でBIGBOSS野球が大暴れした。万波中正外野手(22)の10号ソロで始まった3回の攻撃。続く野村佑希内野手(21)、清宮幸太郎内野手(23)、松本剛外野手(28)の3連打で無死満塁の大チャンスを迎えた。ここで6番上川畑大悟内野手(25)は「BIGBOSSの野球では、絶対にあると思っていたので、気持ちの準備はできていました」と、初球スクイズを成功させた。満塁でのスクイズに甲子園も大きなどよめきが起きた。さらにBIGBOSS野球はさく裂した。1死満塁の場面で、宇佐見真吾捕手(28)の2球目に走者が全員スタート。宇佐見は打球を左前に運んで2点適時打。満塁の場面で次々と繰り出した、新庄監督の奇策の連続に選手たちも応えて、この回4得点。3回までに7得点を奪い、大きくリードした。

◆日本ハム万波中正外野手(22)が今季4度目のサイクル安打王手をかけた。初回に左中間フェンス直撃の先制適時二塁打、3回に10号ソロ、4回は2番手の阪神藤浪晋太郎投手(28)から詰まらされたが、二塁への内野安打をマーク。あと、三塁打が出れば自身初のサイクル安打達成となる。1日広島戦(マツダスタジアム)でもリーチをかけていたが、三塁打が出ずに快挙を逃すなど、今季はサイクル安打未遂が3度。4度目の正直なるか。

◆阪神先発のアーロン・ウィルカーソン投手(33)が来日最短の3回、ワーストの7失点でKOされた。ここまで4勝を挙げ、17イニング連続で無失点中だった。初回、1番浅間、2番万波に連打を許し、わずか4球で先制を許し、連続無失点がストップ。さらに4番清宮の中犠飛で1回に2点を失った。2回にも1点を失い、3回には先頭の万波に中堅左に10号ソロ。その後、無死満塁から上川畑にスクイズ、1死満塁から宇佐見にヒットエンドランで左前2点適時を許すなど、BIGBOSS新庄監督に大技、小技で4点を奪われた。悔しさを隠せずベンチへ戻ると、3回の打順で代打高山と交代。直球が高めに浮き、本来の制球力が発揮できなかった。来日最短3回、49球で8安打、2四球、7失点。これまで7試合は最低5回まで、前回5月27日ロッテ戦は自己最長8回を投げ無失点だったが、来日初めて先発の役割を果たせなかった。

◆日本ハム宇佐見真吾捕手(28)が、先発した上沢直之投手(28)をバットで強力に援護した。2回無死一、三塁では犠飛でチーム3点目をもたらして「上沢のために、はい」とコメント。3回1死満塁ではエンドランのサインをしっかりと決める2点左前適時打を放って「上沢のために、上沢のために、はい」とコメント。ともに千葉・松戸出身の同学年バッテリーとして、女房役が頼もしく躍動した。

◆本人公認"シビレーザー"発動! 今季7度目のスタメンマスクをかぶった長坂拳弥捕手(28)が、強肩を発揮した。5回表2死一塁でディレードスチールを試みた日本ハム上川畑を素早い送球でアウトにした。ここまで相手の盗塁7企図を6度阻止し、盗塁阻止率は8割5分7厘。スピード、コントロールともに抜群で投手陣を助けている。2日の試合前に本紙記者が長坂を突撃。強肩が武器の長坂の異名として、拳弥の名前から連想した「長坂パンチ」、5月21日のお立ち台で「シビれました!」と連呼したことから「シビレーザー」の2択を提案。長坂は「じゃあ、シビレーザーで!」と公認していた。守備で貢献した直後の5回裏先頭では、右中間へのプロ初三塁打で出塁。代打北條の適時内野安打で3点目のホームを踏んだ。ソフトバンク甲斐の「甲斐キャノン」、阪神梅野の「梅ちゃんバズーカ」に続き、"シビレーザー"を定着させるため、長坂がファンを魅了する。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)のリクエスト"要求"が実った。4点差に迫った直後の6回無死二塁。9番上沢の遊ゴロを捕球した中野が、三塁へ転送。三塁手佐藤輝は二塁走者宇佐見のタッチアウトを狙ったが"空タッチ"とみなされ、1度はセーフの判定を受けた。佐藤輝はグラブと走者が当たったことを示すようなジェスチャーを繰り返し、自軍ベンチにリクエストを要求するように体の前で四角を作った。その後、阪神ベンチからリクエストが要求され、判定はアウトに覆った。野選なら無死一、三塁で上位打線に回っていたところ。ナイスリクエストでピンチを回避した。

◆日本ハムのアリスメンディ・アルカンタラ内野手(30)が超ファインプレーで阪神ファンの悲鳴を誘った。6回2死三塁の二塁守備で、二塁ベース寄りの打球を前かがみで捕球。苦しい体勢から一塁へワンバウンド送球して代打小野寺暖外野手(24)を間一髪でアウトにした。即座に阪神矢野燿大監督(53)がアウト判定にリクエストを要求。ヘッドスライディングした小野寺のリプレー映像が何度も甲子園のビジョンに流され、セーフを信じた阪神ファンの歓声も起きていたが、結果は覆らず。アルカンタラや上沢ら日本ハムナインはガッツポーズで三塁側ベンチに引き揚げ、スタンドの大勢を占める阪神ファンの悲鳴が聖地に響いた。

◆日本ハムが最大6点リードを虎にひっくり返された。3回終了時で7-1とリードしたが、4回以降は防戦一方。4回から6回までに4点を返されて2点差まで詰め寄られ、8回は大山悠輔内野手(27)にこの日3本目となる12号ソロで1点差。さらに1死満塁とされて代打山本泰寛内野手(28)の右前適時打で同点。なおも1死満塁で島田海吏外野手(26)に押し出し四球を選ばれて、ついに逆転された。

◆阪神が6点差をはね返す大逆転劇で、BIGBOSSの甲子園帰還白星を阻止した。阪神OBの日本ハム新庄剛志監督(50)の監督就任後初の甲子園。平日にもかかわらず今季最多4万2574人の観衆を集めた注目の一戦を飾った。大山悠輔内野手(27)が主役だった。2回に10号ソロ、4回に11号のソロ。さらに8回にも12号ソロと左翼席に3本のアーチをかけた。大山の1試合3発は18年9月16日のDeNA戦(横浜)以来。甲子園では初めてだった。8回の1発で、最大6点あったビハインドを1点まで詰めた。押せ押せムードの中、さらにチャンスを作り、1死満塁から代打山本泰寛内野手(28)が右前に同点打。続く島田海吏外野手(26)が押し出し四球を選んで、ついにスコアをひっくり返した。近本光司外野手(27)の右前打も出て2点リードとした。序盤は新庄野球に押されっぱなしだった。先発のアーロン・ウィルカーソン(33)が炎上。立ち上がりから甘い球を次々と強打された。スクイズやヒットエンドランなど、日本ハムのベンチワークにもかき回され、ともに自身ワーストの8安打7失点と散々。3回でKOされた。初回の失点でウィルカーソンの連続無失点は17回でストップ。ローテ屈指の安定感を誇る右腕が、なすすべなかった。だが大山に引っ張られた打線がじりじりと差を詰め、終盤で逆転した。6点差の逆転勝ちは20年11月5日のヤクルト戦(甲子園)以来。虎が勢いづいてきた。

◆日本ハムのBIGBOSSこと新庄剛志監督(50)が、甲子園初采配で古巣から大逆転負けを食らった。新庄監督は試合後の第一声で「負けたのはウチの実力不足なんだけど、今日来てくれたファンのみんなは、ものすごい面白いゲームだったんじゃないかなと。その面ではうれしいですね。(プロ入りから)10年間育てられた、この球場で。いい試合はね、できたと思いますよ」と、振り返った。2番で起用した万波中正外野手(22)が初回に左中間フェンス直撃の先制適時二塁打。3回には自身初の2桁本塁打となる10号ソロを放つなど攻撃をけん引。その3回には無死満塁からスクイズ、1死満塁からエンドランで加点するなど、新庄監督の自由自在な采配も見事に決まって3回までに7-1と6点リードも、4回以降は防戦一方の展開となった。4回から6回までに4点を返されて2点リードとなり、8回は大山悠輔内野手(27)にこの日3本目となる12号ソロで1点差。さらに1死満塁とされて代打山本泰寛内野手(28)の右前適時打で同点。なおも1死満塁で島田海吏外野手(26)に押し出し四球を選ばれて、ついに逆転された。甲子園に詰めかけた今季最多4万2574人の観衆の前でハラハラドキドキのプロ野球の魅力あふれる試合を披露した新庄監督だったが、聖地凱旋(がいせん)初戦はほろ苦い結果に終わった。

◆かつて「虎のプリンス」と呼ばれた男が、監督として甲子園に凱旋(がいせん)した。試合開始直前、阪神矢野監督とのオーダー交換を終えると、本塁付近から真っさらなマウンドへ数歩、歩いた。敵将の思わぬ行動に、どよめく甲子園。ダイヤモンドの中心に立つと、帽子を取り、かつて何度も見上げたバックスクリーンへ向かって、深々と一礼した。試合前には「もう、忘れられているんじゃないかな」と心配もしていたが、ワッと沸いた甲子園のスタンドに向かって、力強く右拳を握って見せた。試合開始から1時間のうちに、BIGBOSS野球を存分に展開した。「ここの球場は本当に、もしかしたら福岡のペイペイドームよりレフトが狭いかも。風で」。ライトからレフトへ吹く甲子園特有の浜風を警戒し、左中間から中堅への意識を指示した。1回、浅間、万波の2連続長短打や清宮の中犠飛で2点を先行すると、2回も宇佐見の中犠飛、3回には万波の中堅左へ飛び込む10号ソロに上川畑のスクイズ、1死満塁からのエンドランと、怒濤(どとう)の攻めで一挙4点。3回までに6点のリードを奪った。阪神でプロ生活のスタートを切った。この日、甲子園に到着するなり、故郷の博多弁で「(入団時に)『わぁ、広かね。甲子園は。福岡から来た新庄剛志です』って言ったの思い出しました」と苦笑い。「監督室に入った時、俺がここに座っているのが、めちゃくちゃ変な感じがした。この球場だけは」。阪神時代は、自身の性格が「暗かった」というBIGBOSS。厳しいヤジには「球場に来るファンは、お金を払っている分、ストレス発散していい」と、ある時期から割り切った。「ファンの圧がものすごいし、それで鍛えられた。ある意味、感謝」。鋼のメンタルは、監督業で生きている。○...上沢が甲子園初勝利を逃した。序盤に打線の大量援護を受けたが、阪神大山に2本塁打を浴びるなど、中盤以降は失点を重ねた。チームも悪い流れにのまれて逆転負け。「序盤に点を取ってもらい、いい流れで来ていたにも関わらず、少しずつ点を返され、最終的には長いイニングも投げれずに降板する形になり申し訳ない気持ち」と、エースは自身の投球内容を反省した。○...ルーキー上川畑がトリッキーなBIGBOSS采配に食らいついた。3回無死満塁で出されたサインはスクイズ。「BIGBOSSの野球では、絶対に(スクイズが)あると思っていたので、気持ちの準備はできていました」。きっちりと成功させた裏には、新庄監督の脳内を先読みしたファインプレーもあった。

◆最大6点あったリードは、いつの間にか、なくなっていた。7-7の8回1死満塁。日本ハムの3番手堀が投げた31球目は大きくそれて、勝ち越しを許す押し出し四球に。たまらずベンチを飛び出した新庄監督が、投手交代を告げた。BIGBOSSは「負けたのは、うちの実力不足」と、今季最大の大逆転負けを冷静に受け止めた。89年ドラフト5位で阪神に入団。プロ生活をスタートし、甲子園で育った。試合前には「『わぁ、広かね。甲子園は。福岡から来た新庄剛志です』って言ったの思い出しました」と、故郷の博多弁を交えて、入団時を懐かしんだ。突然、暴れ出した猛虎を抑えきれず、悔しい逆転負け。「10年間、育てられた球場で、いい試合は出来た。今日やられたので、明日はこれの逆を。また面白いゲームをしたいですけど、心臓がやられちゃう」と笑いながら、リベンジを期した。

◆阪神大山悠輔内野手(27)がプロ2度目の1試合3発で奇跡の6点差大逆転勝ちを導いた。「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦で、終始劣勢の2回と4回に2打席連発、8回には試合をひっくりかえす口火の12号ソロを放った。試合は16年ぶりに甲子園に凱旋(がいせん)した新庄BIGBOSSペースだったが、今季最多観衆の熱気の中、虎の主砲がネバーギブアップを体現。負ければ再び自力Vが消えた危機を救った。その放物線を見れば、我慢できるわけがない。4万2574人の大歓声。大山の打球がスタンドに着弾する前から、もうみんな分かっていた。12号ソロでついに6-7。三塁側ベンチの新庄監督の前を悠然と通過し、破顔するナインが待つ一塁側ベンチに飛び込んだ。新庄BIGBOSSの16年ぶり甲子園凱旋試合で引き立て役になりかけていた試合。今季最多観衆が詰めかけた満員札止めの甲子園は揺れるように、沸きに沸いた。「いやもう、誰一人諦めている選手はいなかったですし、とにかく塁に出る、1点でも追いつく。その気持ちだけでした」最大6点差あったビハインドは8回、2点差になっていた。1死で迎えた第4打席。左腕堀に2球で追い込まれても微動だにしない。3球目。内角145キロをしばき上げ、ついに1点差に迫った。そこから4点を奪いついに逆転。4年ぶり2度目の1試合3発から、大どんでん返しを導いた。序盤からBIGBOSSペースだった。諦めない「大山劇場」の始まりは3点ビハインドの2回先頭。先発上沢の初球144キロを捉え、10号ソロを左中間席へ運んだ。5年連続2桁弾。6点差に広げられた4回1死では、上沢の初球146キロを中堅左へ飛ばした。「完全にあっちに行きかけた流れを少しは取り戻せたかなと思います」。どれを欠いても劇勝はなかった。2月のキャンプから何千、何万とバットを振る中で貫いてきたのは「一振りで仕留める」こと。プロ6年目。豪快な1発の裏で数え切れないほど苦汁をなめてきたからこそ、たどり着いた1つの答え。「相手も抑えようと必死。その中で1発で仕留めないと意味がない」。3発はいずれもファーストスイング。「一振入魂」だった。「1球を仕留めるというところはずっと課題。でも、こういう大事な試合でできたのはよかった。しっかり続けられるようにやっていきたい」交流戦10戦5発の量産には「スコアラーさんをはじめ感謝を忘れずに」と付け加えた。負ければ自力Vが再消滅した崖っぷち、新庄監督に主役は譲らなかった。「今日は今日で終わり。しっかり切り替えたい」。諦めない虎の先頭を大山が走り続ける。【中野椋】?▽阪神矢野監督(3本塁打の大山に)「センター方向に悠輔がホームランが出だすと、やっぱりいい状態だなという感じがある。悠輔らしいね、高い放物線を描いた素晴らしい3本。(8回の3発目は)あそこで1点差になることで相手も余計プレッシャーがかかったと思う。そういうところの流れを悠輔がつくってくれたのは大きかった」?○...4番の佐藤輝が連続試合安打を今季最長の7に伸ばした。6回先頭で、中前に痛烈なライナーを運びこれを足場に2得点。5-7と2点差まで詰めた。上沢をこの回限りで降板させる貴重な一打になった。2年目での現11球団制覇弾はお預けとなったが、今年2月の練習試合で新庄監督から「ナイスバッティング」と声をかけられ、「素晴らしい」と打撃を絶賛された主砲が成長を見せた。?○...藤浪が2番手で2回を0封し、逆転への流れを作った。3回7失点で炎上した先発ウィルカーソンに代わって4回から登板。1死から万波に内野安打を許したが、野村と清宮をともに二ゴロに料理。5回も上川畑に右前打を許したが後続を断った。5月31日に再昇格後、3試合5イニングを無失点。「任された仕事はまっとうできたかなと思います」と振り返った。?○...岩崎が10セーブをマークした。2点リードの9回。浅間と野村にヒットを浴びて1死一、二塁のピンチを招いたが、落ち着いていた。この日2安打の4番清宮を143キロ真っすぐで見逃し三振。最後は首位打者の5番松本剛をチェンジアップで二ゴロに泳がせて試合を締めた。阪神左腕の2桁セーブは04年のウィリアムス以来。生え抜き左腕では93年の「たむじい」こと田村勤の22セーブ以来、29年ぶりとなった。?○...青柳が17年以来、約5年ぶり2度目の日本ハム戦でハーラートップタイの6勝目を目指す。4日の同戦に先発予定。BIGBOSS軍団相手に「(17年とは)全く別のチーム。いろいろ仕掛けてくるのは分かっていますけど、塁に出さなければいいだけ」と引き締めた。球宴ファン投票の中間発表ではセ先発部門で堂々の1位。「まだ抜かれる可能性もあるので、自分のできることを頑張りたい」と白星を重ねていく。?○...北條が今季初打点を挙げた。5回無死三塁、藤浪の代打で登場し、しぶとく三遊間に適時内野安打。チャンスを確実に生かし、4点差とした。8打席目での1打点。「追い込まれていたので最低でもゴロを打って、どんな形でも走者をかえすことだけを考えていた。いいところに転がった」と振り返った。?▽阪神糸原(6回に3点差に迫る適時打)「追い込まれていたので、なんとか食らいついて次につなぐという気持ちだった」▽阪神山本(8回1死満塁の代打で右前に同点適時打)「なんとか次につなぐという気持ちだった。チーム全体で盛り上がってくれてすごくうれしいですし、こういうところで打てて自分の自信につながる」▽阪神島田(同点の8回1死満塁で決勝点を呼ぶ押し出し四球)「もう気合です。気合で見逃しました! 最高でした。ヤスさん(山本)が渋い一打を打ってくれたので、何とかみんながつないできたものを、絶対に僕もつなぐんだという気持ちで打席に立ちました」?▼阪神、ヤクルトがともに勝ったため、阪神の自力優勝消滅は前日と変わらず、最短は1日延びて4日となった。条件はヤクルト○のときは阪神△か●。ヤクルト△なら阪神●。▼阪神の6点差逆転勝ちは、20年11月5日ヤクルト戦(甲子園)以来。このときも1-7から逆転で、8-7で勝利した。また、今季は3点差以上からの逆転勝ちは初めて。2点ビハインドからの逆転勝ちが最大だった。▼阪神大山が18年9月16日DeNA戦(横浜)以来、4年ぶり2度目の1試合3本塁打。1試合3本塁打以上を2度以上記録した阪神の打者は、カークランド2度(68、70年)田淵幸一3度(73年2度、76年)金本知憲2度(09年2度)に次いで4人目。阪神の選手に限らず、甲子園球場で1試合3本塁打以上は11年7月30日阪神戦でスレッジ(横浜)が3本打って以来11年ぶり。

◆阪神がBIGBOSS相手に最大6点差をひっくり返し、逆転勝利した。阪神大山悠輔内野手(27)が、1試合3本塁打で反撃ムードを作った。最大6点差から2点差に迫った8回1死。日本ハム左腕堀の145キロ直球を完璧に捉え、左翼スタンドに運んだ。この日3発目となる12号アーチに甲子園のファン総立ちでして喜んだ。お立ち台に立った大山は「よかったです」と一言。1点差の8回1死満塁の場面で代打山本泰寛内野手(28)が同点となる右前適時打を放った。「ネクストから、絶対チャンスで回ってくると思っていたので、いい準備ができたと思います。これだけ多くのファンの方が見に来てくださったので、いいところを見せられよかった」と振り返った。さらに、島田海吏外野手(26)が四球を選び逆転に成功。「(山本)ヤスさんが、し~ぶい一打を打ってくれたので、何とかみんながつないでくれたものを、僕もつなぐんだという気持ちで打席に立ちました。最高の一言でした。ありがとうございました」と喜びを爆発。今季最多の42,574人の大観客が大逆転劇に沸き、最後は六甲おろしで勝利を分かち合った。

◆阪神大山悠輔内野手(27)がプロ2度目の1試合3本塁打で、奇跡の6点差逆転勝ちを導いた。「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦で、終始劣勢の2回と4回に2打席連発、8回には試合をひっくりかえす口火の12号ソロを放った。試合は16年ぶりに甲子園に凱旋(がいせん)した新庄BIGBOSSペースだったが、満員札止めの熱気の中で諦めない主砲の意地がさく裂。負ければ再び自力Vが消滅した危機を救った。▼阪神大山が18年9月16日DeNA戦(横浜)以来、4年ぶり2度目の1試合3本塁打。1試合3本塁打以上を2度以上記録した阪神の打者は、カークランド2度(68、70年)田淵幸一3度(73年2度、76年)金本知憲2度(09年2度)に次いで4人目。阪神の選手に限らず、甲子園球場で1試合3本塁打以上は11年7月30日阪神戦でスレッジ(横浜)が3本打って以来11年ぶり。

◆聖地凱旋(がいせん)した日本ハム新庄剛志監督(50)が、甲子園が持つパワーをあらためて感じた。序盤でつくった最大6点のリードをひっくり返され、痛恨の逆転負け。阪神の4番、大山悠輔内野手(27)に食らった3発が大きく響いた。「なんか...(スタンドまで)いくんじゃないかなって感じもあって。やっぱ、いったなあ」と、勝負強いアーチの連続に感嘆の声をあげた。セ・パの最下位同士の対戦となったが「ウチもタイガースもいい試合をしてきて、勝ちも出てきて。明日の試合っていうのは、またさらに面白いだろうし」と予想。現役時代に味わった歓声もヤジも飛び交う甲子園独特の雰囲気をカギに挙げた。「ああいうランナーたまっての、あの声援っていうのは集中力増すんですよ。不思議なパワーがある球場ですよね。タイガースは、これで乗っていけるんじゃないですか。でも止める」と次戦を見据えた。一方で「オレの時代の時は、全く(笑い)初回に2点取られたら、おしまいだったから。そういう時代を過ごしているから。今はそんなことないと思う」と笑った。

◆日本ハムのBIGBOSSこと新庄剛志監督(50)が、甲子園初采配で古巣から大逆転負けを食らった。試合後の主な一問一答は以下の通り。(自ら語りだし)新庄監督 ひやあ~(と壁によりかかる)。負けたのは、ウチの実力不足なんだけど。今日来てくれたファンのみんなは、ものすごい面白いゲームだったんじゃないかな。その面では、うれしいですね。10年間、育てられた球場で。いい試合はできたと思いますよ。(さらに自ら語りだし)新庄監督 3本。大山君、3本。3本目、なんか...いくんじゃないかなって感じも、この辺(頭の上)にあって。やっぱ、いったなあ。ウチのピッチャーで言ったら、フォアボールがちょっとね。勝負して打たれるんだったらいいんですけど、フォアボールで点を取られたというのは反省点でもあり、直さないとね、成長していけないと思うので。-満員の甲子園新庄監督 ね! 選手たちは、もう幸せでしょ。本当に、この真っ黄色のスタンドの中で(のプレーは)財産だなと思いますよ、選手たちは。-甲子園で指揮を執ってみて新庄監督 懐かしいなって。この大歓声の中で、ずっとやっていたんだなって。なんかジーンとくるものがありましたね。-2番万波がキーマンだった新庄監督 バントのない、点を取るゲームをしたいなと。この甲子園で。万波君を2番に入れました。そしたら初回から期待に応えてくれてハマった。いろんな打順を試しているんですけど、この打順も面白いかなっていうふうに思いましたね。日々ね、ウチのチームは上を目指す、成長している今シーズン。いろんな打順で、最終的には一番当てはまる打順に固定できたらいいなと思って。面白かったですけど。-明日は新庄監督 今日やられたので、明日はこれの逆(の結果に)。で、スタンドのみんなを盛り上げて、楽しませて、1勝1敗で3つ目、また面白いゲームをしたいんですけど、心臓がやられちゃう(笑い)-3回は満塁の場面でスクイズ、エンドランが決まった新庄監督 ね! なんかね、ノッてきているから早めにたくさん点をね、いろんな作戦で取ろうと思って。成功した、成功した。エンドランも決まるし、スクイズもね、一発で決めてくれたし、面白い試合だった。徐々に徐々に、点を取れてきて。(熱戦続きだった)ヤクルト戦が頭にめちゃくちゃ(フラッシュバックした)。最後に、また追いつくんじゃね?って期待は持てたけど。相手ピッチャーも良いピッチャーだし。-堀は雰囲気にのまれた?新庄監督 たぶんね。実力の問題じゃなく、気持ちの問題でしょ。でも、あそこで代えようかなって思ったんだけど、いやいや、この雰囲気を乗り越えさせようと思って。逆転されても同点されても、もうね、この雰囲気で投げたことあんまりないと思うから。-万波のホームランには驚きの表情だった新庄監督 言ったでしょ、(試合前に甲子園の左中間への打球は)飛ぶって。あそこの方向、飛ぶんですよ。そんなに会心っていう当たりではなかったんじゃないかなと思うんですけど。最後の方、変わっていた。風が。でも、素晴らしいです。-メンバー表交換後に、深く一礼新庄監督 もう「ありがとう、帰ってきました。監督として帰ってくることができて、今日は良い試合を見せます」っていう気持ちを込めて、あいさつをさせてもらった。それだけですよ。まさかね、こんな自分が監督として、ここに戻ってくるとは思っていなかったから。何百人かは僕の姿を見に、球場に来てくれている。若いときからの、僕のファンの方たちもいたと思うので。帰ってきたよって。-8回、阪神にスクイズを仕かけられたときの心境は新庄監督 オレ、その前(の場面)に来るかと思った。ああ、来るなって。(気持ち的に)刺されはしなかった。だいたい野球選手って、やられたらやり返すっていうのがある。オレもあるんだけど。あっちは成功しなかった。ウチは1発100パー。-戦ってみて、阪神の印象は?新庄監督 印象は、今ノッてきているしね。勝敗的には一緒くらいでしょ?ウチもタイガースも良い試合をしてきて、勝ちも出てきて。明日の試合っていうのは、またさらに面白いだろうし。やっぱりね、ああいうランナーたまっての、あの声援っていうのは集中力増すんですよー。打席に入って。普段、ああいう声援がなかったら、当たらないボールが。(8回は)外国人のロハスともう1人、ライト前(に安打)。あれが出来るんですよね。不思議なパワーがある球場ですよね。オレの時代の時は、全く(笑い)。初回に2点取られたら、おしまいだったから。そういう時代を過ごしているから。今はそんなことないと思うから。いい粘りをしたと思いますよ。タイガースは、これでノッていけるんじゃないですか。でも止める。OK?

◆阪神ナインが8回、矢野燿大監督(53)の執念采配に応え、一気に4点を奪う大逆転劇を演じた。大山のこの日3本目となる12号ソロで1点差に詰め寄ったのが合図だった。今季最多4万2574人の甲子園はイケイケムードになり、糸原、ロハスの連打で1死一、二塁の大チャンスをつくった。代打糸井が登場すると、ウグイス嬢が「長坂に代わりまして」とアナウンスするところを「ロハスに代わりまして」と間違い、あわてて訂正する中で打席へ。スタンドからのメガホンをたたく音は激しさを増すばかりの中、糸井はフルカウントから冷静に四球を選び満塁にした。続く代打山本が「ネクスト(次打者席)から絶対チャンスでまわってくるなと考えていたので、いい準備はできていた」と、日本ハム左腕堀ののチェンジアップに食らいつき一、二塁間を破り右前へ同点適時打。最大6点差を追いついた。序盤に日本ハムBIGBOSSにやりたい放題にやられたお返しとばかりに、島田の1ボールからの2球目にスクイズを仕掛けた。1死満塁で三塁走者がスタート。ファウルとなったが、まさに執念だった。マウンド上の堀にプレッシャーをかけ続け、フルカウントから内角高め直球を見送り勝ち越しの押し出し四球を選ぶとガッツポーズ。「もう気合です。気合で見逃しました! 最高でした」。大歓声で甲子園は揺れ、ベンチのナインも総立ちで喜んだ。「ヤスさん(山本)が渋い1打を打ってくれたので、何とかみんながつないできたものを、絶対に僕もつなぐんだという気持ちで打席に立った」と、3試合連続で1番起用され3連勝を導いたラッキーボーイはお立ち台で笑顔で振り返った。さらに3番近本がさらに突き放す右前適時打で2点リードにした。6月は3戦全勝。8回の大逆転の4点は、6月反抗の象徴となりそうだ。【石橋隆雄】

◆阪神矢野燿大監督(53)が積極的な代打&代走策で最大6点差をひっくり返した。8回にこの日3本目となる大山の12号ソロで1点差に迫ると、糸原、ロハスの連打で1死一、二塁。続く代打糸井が四球を選び満塁とすると、代打山本の右前打で同点に追いついた。そして島田が押し出し四球で勝ち越しに成功。糸原に熊谷、ロハスに植田、糸井には坂本と惜しみなく代走のカードを切った。矢野監督の一問一答は以下の通り?(テレビインタビュー)-すごいゲームでした矢野監督 「いやぁ、興奮しています」-終盤はとても6点差あったようには感じなかった矢野監督 「そうですね、本当にスタメンのメンバーもそうですけどね、特に後から行った嘉男(糸井)とかね、山本ヤスとか、北條もタイムリーを打ちましたし。全員でね、俺たちの野球ができたかなと思います」-大山の3本塁打は本当に価値があった矢野監督 「そうですね。センター方向にやっぱり悠輔がホームランが出だすと、やっぱりいい状態だなという感じがありますし、悠輔らしいね、高い放物線を描いた素晴らしい3本になりました」-8回は糸原、ロハス、糸井と、顔もある面々が四球を選んだ矢野監督 「本当にね、全員ヒーローの野球ができましたし。最後ベンチでね、片山しか残っていなかったですけど、行くしかないと思っていきました」-日本ハムが満塁でスクイズをやってきたが、こちらも8回に満塁でスクイズ矢野監督 「何が一番点を取れるかを考えると、それが一番かなというところで。決まらなかったですけど、思い切っていくしかないなと思いました」(囲み取材)-8回は延長もある中で片山以外の野手をつぎ込んだ矢野監督 「俺の中の反省も、この前(5月26日楽天戦)、拳弥(長坂)に代走を出さなかったのを、あそこはちょっと俺も『まだ行けるんじゃないか』『まだ代えどころがある』と思ったし。『拳弥でもかえれるんじゃないか』というのもあった。あそこは自分でも反省して、あのゲームから行くべきところは行くっていうところは、ここは行った中でどう考えるかっていうのが、いっぱいね、オレの責任でしちゃったけど、自分なりに反省して。次どうするかっていうのを考えたところではそういうふうにやっていかないとなというふうに考えさせられた試合だった。そういうところではいくしかないかなと」-積極性や攻める姿勢を矢野監督 「野手にもそういう話をしたので、それはさっき言ったように自分自身にもつながるし、監督やらせてもらってからずっと言い続けてる『超積極的』っていうのはオレたちの野球の中でも大事にしたいテーマなので。そういうところもそうだし、諦めないっていう試合をやってくれたし、全員野球をやってくれたし、ホントに『俺たちの野球』っていうのを、しっかりやってくれたなと」-新庄監督は満塁からエンドラン。彼らしい矢野監督 「俺も見ててそういうのをやってるのは知ってるし、新庄監督ならいろんなことをやるっていう。これが作戦ってこっちが出したとしても選手がやる。お互いがかみ合わないとなかなかその結果に結びつきにくいんで。そういうところでは新庄監督の思いっていうのが、選手がやり切ったっていうのがすごいというか。というふうには見てたけど」-メンバー表交換ではどのような言葉を矢野監督 「お互い楽しく、ね。楽しむっていうことを俺も大事にしているし、新庄監督はもちろんそういうことを大きなテーマにしてやっている。俺も1年間、いかに楽しむかっていう。それは毎日結果は気になるし、負けたらどうしよう、打てなかったらどうしようって、いろんなことを考えてなかなか楽しむってことは簡単じゃないって俺もこの4年間やっていても自分でも実感しているし、でも、お互いそういうテーマを持ってやっているし、お互い楽しくやろうと」-新庄監督が作ろうとしているチームをどのように見ている矢野監督 「まあ、やっぱり1年目って変わりやすい部分がやっぱりあると思うし。1年目は1年目の難しさはもちろんあるんだけど、新庄監督しかできない思い切った変革っていうのをやるとキャンプからオープン戦とやってきて。それがこういう野球をするんだというのは選手も理解し始めているような感じには見えた。新庄監督しかできないという部分にもチャレンジしていると思うし。それは、大きな、勇気ももちろんいると思うし、自分の野球はこういう野球なんだという中心があるからこそ、いろいろできるんだと思う」-今季最多の観衆。新庄監督の人気も矢野監督 「そりゃコマーシャルもあれだけ出てるんだから(笑い)。それはね、これだけ人を集めることができる監督だし。そういう魅力っていうのはね、もちろん観客動員とかそういうのにも、もちろんつながっているし。ましてやね、このタイガースでスタートして、プロ野球人生の多くをこの球場で歩んだ選手なので。タイガースファンの思い入れも、俺も一緒に戦った同僚でもあるんで。そういうところではファンの人も俺らもいろんな思いもあって、そういうファンの人が来てくれるんだと思う」

◆阪神が3日の日本ハム戦(甲子園)に9-7で逆転点勝ちしたことで、今季の総得点が175、総失点が173となり、総得点が今季初めてプラスに転じた。借金を背負うチームは得失点差がマイナスになることが多いが、最下位でプラスは異例だ。投手陣が奮闘しながらあと1本が出ない展開が多い今季の阪神の1点差試合は9勝16敗。この競り負けを減らしていけば、「最下位で総得点がプラス」の珍現象も解消され、順位も上がっていくだろう。ちなみに1950年(昭25)の2リーグ分立後、シーズンの得失点差がプラスのチームが最下位になったのは、94年の横浜(現DeNA)と98年のロッテの2チームしかない。

◆BIGBOSS返しだ。阪神矢野燿大監督(53)が執念の采配で、日本ハム新庄監督との公式戦初対決を制した。「いやぁ、興奮してます。全員ヒーローの野球ができた」。2点を追う8回、一気に4点を奪い逆転。大山のこの日3本目となる12号ソロで1点差。さらに1死満塁から代打山本の右前適時打で最大6点差を追いついた。続く島田の打席では、満塁の1ボールからの2球目にスクイズを仕掛けた。「それが点を取る一番かなと。思い切っていくしかない」。ファウルになったが、序盤に新庄監督が仕掛けた満塁でのスクイズ、エンドランに対抗。左腕堀にプレッシャーを与え、押し出し四球で勝ち越し。さらに近本の適時打で突き放した。セパの最下位対決だが、この日は今季最多4万2574人のファンが甲子園を埋め尽くした。16年ぶりに帰ってきた新庄監督人気も大きかった。「これだけ人を集めることができる監督。このタイガースでスタートして、プロ野球人生の多くをこの球場で歩んだ選手なので。一緒に戦った同僚でもあるんで」。敵ながら敬意を表し、試合前のメンバー表交換時には「お互い楽しく」と声をかけた。「新庄監督しかできない変革を、選手も理解し始めているような感じは見えた。自分の野球はこうなんだという中心があるから、いろいろできるんだと思う」。キャンプでの練習試合から新庄色が確実に根付いていることを肌で感じた。今季限りで退任を発表している矢野監督と新庄監督の対戦はあと2試合。この日のように、語り継がれる激戦にする。【石橋隆雄】

◆現役時代に阪神でプレーした日本ハム新庄剛志監督(50)は16年ぶりに帰った甲子園で、凱旋(がいせん)勝利を逃した。序盤から万波の先制二塁打&10号ソロなどで大量リードを奪ったが、今季最大6点差の逆転負け。それでも最初から最後まで、今季最多4万2574人のファンを楽しませる"BIGBOSS流"の野球を展開し、「明日はこれの逆を」と明るくリベンジを誓っていた。最大6点あったリードは、いつの間にか、なくなっていた。7-7の8回1死満塁。堀が勝ち越しを許す押し出し四球。新庄監督が、投手交代を告げた。試合後のBIGBOSSは「負けたのは、うちの実力不足なんだけど...。まあ、今日、来てくれたファンのみんなは、ものすごい面白いゲームだったんじゃないかな」と、今季最大の大逆転負けを冷静に受け止めた。89年ドラフト5位で阪神に入団。プロ生活をスタートし、甲子園で育った。最後の聖地は現役引退した06年の交流戦。阪神のユニホームで練習し、自らも満喫し、ファンも沸かせた。そして監督として16年ぶりに帰ってきた。試合前には「『わぁ、広かね。甲子園は。福岡から来た新庄剛志です』って言ったの思い出しました」と、故郷の博多弁を交えて、入団時を懐かしんだ。この日の甲子園の観衆は、今季最多4万2574人。BIGBOSSは試合開始直前、阪神矢野監督とのオーダー表交換を終えると、本塁付近から真っさらなマウンドへ向かって数歩、歩いた。甲子園のどよめきを背にダイヤモンドの中心に立つと、帽子を取り、かつて何度も見上げたバックスクリーンへ向かって、深々と一礼した。「ありがとう。帰って来ました。監督として帰って来ることが出来て、今日は良い試合を見せます」との思いを込めたという。「この大歓声の中で、ずっと(試合を)やっていたんだなって。じーんと来るものがありました」と、心を震わせた。凱旋(がいせん)試合の初戦は、突然、暴れ出した猛虎打線を抑えきれず、悔しい逆転負け。それでも「10年間、育てられた球場で、いい試合は出来た」と前を向き「今日やられたので、明日はこれの逆を。また面白いゲームをしたいですけど、心臓がやられちゃう」と、明るくリベンジを期した。【中島宙恵】

◆日本ハム万波中正外野手が、聖地で自身初の2桁本塁打に到達した。3回先頭で左中間へ推定130メートルの特大10号ソロ。「学生時代は、やっぱり甲子園でホームラン打って勝つことを目標にしてたので、それは素直にうれしいです」と、横浜高時代にもプレーした甲子園での節目の1発を振り返った。この日は、甲子園で犠打をせずに得点を奪う試合をしたいという新庄監督の戦略で今季2度目となる「2番」でスタメン出場。1回は先制二塁打を放って、BIGBOSSも「初回から期待に応えてくれて」と笑顔。3安打2打点と指揮官の狙い通りに打線の火付け役になった。今季4度目のサイクル安打王手も記録達成には至らず、「三塁打が最後に残っていたので厳しいだろうなと思ってました」と苦笑いした。試合も、まさかの大逆転負け。「最後まで分からない。そういう雰囲気がある球場だなと思った」と甲子園の"魔物"も実感したカード初戦。「明日はチームを勝たせられるように」と、前を向いた。

◆「シビレーザー」にシビれた。最大6点差からの大逆転を決めた3日の日本ハム戦(甲子園)。4点を奪い試合をひっくり返した8回の攻撃の直前、長坂拳弥捕手(28)のファインプレーがあったことを記しておきたい。8回表無死一塁。長坂は、犠打を試みた宇佐見の小フライをキャッチ。すぐさま一塁へ転送し、ダブルプレーを完成させた。ピンチの芽を摘み、この回無失点。直後の8回裏、逆転に成功した。長坂のプレーが、流れを引き寄せた1つの要因だと言ってもおかしくはないと思う。冒頭の「シビレーザー」とは何か。2日の試合前練習後にさかのぼる。取材エリアで長坂にぶつけた。「どっちがいいと思いますか?」。スコアブックに「シビレーザー」「長坂パンチ」と記し披露。「じゃあ、こっちで!」と選んでくれ、本人公認で、強肩の愛称が「シビレーザー」に決定した。5月21日のお立ち台で「シビれました!」と連呼したことから、連想させてもらったものだ。試合に戻ると、5回表2死一塁でディレードスチールを試みた日本ハム上川畑を素早い送球でアウトに。命名から1日、さっそく「シビレーザー」を発動させた。今季ここまで相手の盗塁7企図を6度阻止し、盗塁阻止率は8割5分7厘。スピード、コントロールともに抜群で投手陣を助けている。守備で貢献した直後の5回裏先頭では、右中間へのプロ初三塁打で出塁。代打北條の適時内野安打で3点目のホームを踏んだ。プロ6年目の28歳。この日本ハム戦で10試合目の出場となり、これはキャリアハイだ。ソフトバンク甲斐の「甲斐キャノン」、阪神梅野の「梅ちゃんバズーカ」に続き、"シビレーザー"も...。ファンに定着させるくらいの活躍が楽しみだ。【阪神担当=中野椋】

◆BIGBOSS率いる日本ハムは阪神に2連敗でカード負け越しが決まった。試合前まで3試合連続で2桁安打と好調だった打線が阪神青柳晃洋投手(28)に完璧に封じられて今季10度目の0封負け。新庄剛志監督(50)も青柳の好投に白旗を揚げた。5日は18年夏の甲子園でスターとなった吉田輝星投手(21)を先発で送り込み、甲子園初勝利を目指す。試合後の主な一問一答は以下の通り。(自ら語り出す)新庄監督 (元阪神掛布氏のモノマネで)『今日の青柳君はですね、素晴らしかったですねぇ』。(普通の話し方に戻して)開幕初日から今日まで一番、手足が出なかったですね。やっぱり前、言っていた青柳君の投球術が素晴らしかった。面白くなかったね。こんだけのファンのみんなに見に来てもらって、塁に出られないんだもん。面白い作戦をすることなく、あっさり終わりました。-青柳の良さとは?新庄監督 タイミングをずらすテクニックと、ずらしながらもボールの出し入れ。低めに集まっているところが、もう...。手を出したいけど、出せない。出すけど、低いっていう。で、浮いてきたボールはもう見せ球で。流れていったり、手前に落ちていったり...。もう、見てても、自分がバッターボックスに入った感覚でも「うわ~これはタイミング合わせづらいだろうな」って思います。-打線は自分のスイングをさせてもらえなかった新庄監督 させてくれない、出来ないね。野村君の真ん中からちょっとだけ落ちるシンカー。ああなるんですよ。あれ?当たらねえなって。軌道は分かっているんだけど、振りにいったら落ちてくるっていう。ああいうのを、うちの鈴木君が、ちょっと角度は違うけど勉強してもらったらうれしい。-3日に3本塁打を許した大山も警戒していたと思うが、先制打を打たれた新庄監督 もう、絶好調でしょ。ウチは意外とエンジンをかけさせるのがうまいから。あはははは(笑い)エンジン乗らせたっていう。いい形でタイミングも早く取って、自分のポイントまで引きつけて。ボールを打った後のヘッドを返さないというか、前が大きい...スイングに乗せていくっていうバッティングが出来ている。今のタイガースの中では一番調子のいいバッターだと思います。-先発した杉浦は1巡目は完璧だった新庄監督 難しいっすね~。1回ああなると結構点を取られるケースが多いから、それを克服させたいっていう思いもあるけど、代え時って、こっち側の勉強もしていかないといけないと思うし。もうちょっと見てみたい。-明日の先発は吉田新庄監督 ね。雨?降らない?-降らない予定です新庄監督 本人にも話したんだよね。「日曜日、雨らしいよ?」って。そしたら「嫌です。晴らしてください」って言われた。まあまあ、明日晴れてね、4年前の自分を思い出してもらって、元気はつらつとマウンドで踊るように。1回1回全力で先発ピッチャーだからってゲームをつくろうとするんじゃなくて、もう1球1球ガンガンいって、疲れたら代わるぐらいの気持ちで投げてくれたらうれしい。-ボスの頭の中では何イニングくらいと考えている?新庄監督 まあ、もちろん勝てる5回。5回は投げてほしいと思う。5回良かったら、6回。で、6回良かったら、7回は...ない!えへへへへ(笑い)。マックス6回。ノーヒットノーランしてても6回(笑い)。勝てばね。明日、あの~明日は向こう(の先発)は誰?-伊藤将です新庄監督 面白いね。先に点を取って、追い付かれて、また点を取って、追い付かれて...みたいなハラハラドキドキする試合が出来て、ウチが勝って。(阪神から見て)2勝1敗で甲子園は...「あっした!ありがとうございました!」って終われたら最高。OK?

◆日本ハム・新庄剛志監督(50)が、現役時代の交流戦で訪れた2006年以来、16年ぶりに甲子園に凱旋した。監督としてのカムバックに感慨深いようすだった。「なんか監督室に入った時、俺がここに座っているの、めちゃくちゃ変な感じした。この球場だけは」試合前練習中にはバックネット裏の客席に来場していた川藤幸三氏にあいさつに行く姿も。レギュラーとして台頭する前にコーチとしてお世話になった間柄だった。「川藤幸三さんというコーチが『クソガキ、ノックそこからわしが打つから、ライトのポールからレフトのポールまで走れ!』って言って。『俺の脚力見せたるわ』って俺がレフトから走って...。『俺がセンターのポジションを奪ったる』っていう気持ちで追いかけていた」と懐かしそうに振り返った。

◆阪神・アーロン・ウィルカーソン投手(33)が先発マウンドにあがり、自身4連勝を狙う。今季は7試合に登板して4勝2敗、防御率1・45と抜群の安定感を誇り、現在は17イニング連続で無失点を継続中だ。打線は2日の西武戦(甲子園)で今季最多の17安打を放ち、〝投高打低〟のチーム状況から抜け出しつつある。打線の援護をもらい、〝BIGBOSS〟新庄剛志監督(50)率いる日本ハム打線を抑え、チームを3連勝へ導く。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が二回に10号ソロを放った。「先頭打者としてまずは出塁することを考えて打席に立ちました。浮いてきた甘い球を一発で仕留めることができて良かったです。ここから逆転できるように頑張ります」0―3の二回先頭で打席に立つと、先発・上沢の初球、高めの144キロの直球を一閃。左中間席へと運んだ。2試合ぶりの一発で今季10号とし、これで5年連続で2桁本塁打を記録。球団の生え抜きでは、鳥谷敬(2006―2010年)以来となった。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(33)は3回8安打7失点で降板した。一回から制球に苦しみ、甘い球を痛打された。一回に1、2番に連打されてあっさりと先制点を献上し、自身18イニングぶりに失点を記録すると、その後も犠飛で追加点を許した。1―3の三回には先頭の万波にバックスクリーン左にソロを浴びると、直後に3連打で無死満塁とされてD9位・上川畑(NTT東日本)のスクイズでさらに1点を失った。さらに宇佐美にも2点打を浴びて来日ワーストとなる計7失点。その裏の攻撃で代打が送られて無念の降板となった。

◆意地の連発弾だ。阪神・大山悠輔内野手(27)が四回に2打席連続の11号ソロを放った。「前の打席と同じように、浮いてきた球をしっかりと一発で仕留めることができました」1死から上沢の投じた初球、146㌔直球を一閃。バックスクリーン左に白球をぶち込んだ。二回先頭の第1打席は左中間スタンドへ10号ソロ。2021年8月14日の広島戦(京セラ)以来、今季初の2打席連続アーチとなった。2-7と大差をつけられているものの、大山が意地をみせた。

◆阪神・北條史也内野手(27)が約1年ぶりに打点をあげた。2-7の五回無死三塁の場面で代打起用。フルカウントから上沢の149㌔直球にしぶとく食らいついた。打球は三遊間深くに転がる適時内野安打。北條は今季初打点。打点は昨年6月9日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、約1年ぶりだった。昨秋に左肩を手術。苦難を乗り越え帰ってきた男の一打で、阪神は3-7と差を縮めた。

◆阪神・糸原健斗内野手(29)が六回に適時打を放つなど粘りを見せ、2点差まで縮めた。3―7の六回、佐藤輝の中前打と大山の四球で無死一、二塁の好機を作り、ここまで2打席無安打の糸原が打席に立った。2球で2ストライクに追い込まれたが、3球目の甘く入ったフォークを右前にはじき返した。続くロハスは四球で無死満塁とし、長坂の遊ゴロ併殺の間に1点を返した。直後の代打・小野寺はボテボテゴロでヘッドスライディングで一塁に飛び込むもニゴロ。この判定に阪神ベンチは2回目のリクエストを要求したが、結果は変わらなかった。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)がこの試合、3発目となる12号ソロを放った。5-7の八回1死。日本ハムの3番手・堀の145㌔を振り切った。打球は左翼スタンドに弾むソロ。大山は二回の第1打席に左中間へ10号ソロ、四回の第2打席はバックスクリーン左へ11号ソロを放っており、これがこの日3発目のホームランとなった。大山の1試合3発は2018年9月16日のDeNA戦(横浜)以来。チームとしては昨年5月28日の西武戦(メットライフ)で佐藤輝がマークして以来となった。

◆阪神は八回、山本泰寛内野手(28)が同点打、島田海吏外野手(26)が押し出し四球を選んで試合をひっくり返した。) 八回、大山のソロでスコアを6―7とした後、連打と四球で1死満塁。ここで代打・山本が日本ハムの3番手・堀から一、二塁間を抜ける同点打。続く島田は押し出し四球を選んで勝ち越しに成功すると、球場の熱気が最高潮に達した。なおも1死満塁で中野は空振り三振に倒れたが、近本に右前適時打が飛び出し、リードを2点に広げた。

◆阪神は大山悠輔内野手(27)の1試合3本塁打の活躍などで最大6点差をひっくり返し、逆転勝利。チームは3連勝を飾った。先発のウィルカーソンが日本ハム打線につかまって3回7失点でKO。三回終了時点で1-7の6点差だったが、ドラマは終盤に待っていた。四回からじりじりと追い上げ、迎えた八回。1死で大山がこの日3本目となるソロで1点差とすると、糸原、ロハスの連打と代打・糸井の四球で満塁。この後、代打・山本が貴重な同点打を放つと、直後の島田は押し出し四球を選んで勝ち越しに成功。その後、近本にもタイムリーが飛び出してリードを広げた。九回は守護神・岩崎がピンチを招きながらも無失点で抑えて試合を締めた。今季は試合前時点で相手に先制されると9連敗中だったが、そんな負のデータも止めた。さらに3点以上のビハインドからの逆転勝利は今季初となった。

◆阪神は大山悠輔内野手(27)の2018年9月16日のDeNA戦(横浜)以来となる1試合3本塁打などで、1ー7から逆転勝利を収めた。大山の3本目の本塁打で1点差とした八回に1死満塁から代打・山本泰寛内野手(28)の右前打で追いつき、島田海吏外野手(26)の押し出し四球で勝ち越し。さらに近本光司外野手(27)の適時打で突き放した。3連勝を飾った矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績23勝33敗1分、観衆4万2574人=今季最多)。ーーすごいゲームでした「いやあ、興奮しています」ーー一時、6点差あったとは終盤は感じなかった「う~、スタメンのメンバーもそうですが、特に後から行った嘉男とかね。山本泰とか北條もタイムリーを打ちましたし、全員で僕たちの野球ができたと思います」ーー全員野球。打つ方、投げる方、どちらから聞きましょうか「う~ん、いろいろあったんで、ちょっと思い出せないこともありますけど、悠輔の素晴らしい3本のホームランもありますし、ウィルク(ウィルカーソン)があんな状態で点を取られることは(3回7失点)はなかったんで。まあ、その後のピッチャーが粘ってくれました」ーー大山の3本塁打は価値があった「センター方向にホームランが出だすと、いい状態だという感じがありますし、悠輔らしい高い放物線を描いた素晴らしい3本のホームランでした」ーーその後はつないだ「あそこで1点差になることで、相手は余計にプレッシャーがかかるんで、流れを悠輔が作ってくれたのが大きかった」ーー糸原、ロハス、糸井らがよくつないだ「そうですね。全員ヒーローの野球ができました。最後は片山しか残ってなかったですが、行くしかないと思って行きました」ーー山本らしい安打だった「そうですね。しぶとい山本らしいヒットでした。ベンチの監督としてすごく助かります」ーー島田にスクイズのサイン「何が一番点が取れるかというと、それが一番かなと、決まらなかったですが、思い切って行くしかないと思いました」ーー打線は「全体的に状態も上がってきていますし、健斗が大分、状態が上がってきているんで、打順の中でも大きいですし、もっともっと、まだまだ打てる選手たちなんで、ここから乗って行ってほしい」ーー2番手以降の投手がよかった「流れを変えてくれるのが晋太郎なんで、出ていくピッチャーが全力でやってくれた結果だと思います」ーーやり切った表情ですね「今シーズンの中でも一番うれしいゲーム。この流れを明日に持ち込みたい。勝てば、こっちのムード、勢いになると思うんで、序盤でどれだけ点を取れるか。しっかりやり切りたいと思います」

◆日本ハムは最大6点のリードをひっくり返され、痛恨の逆転負けを喫した。引退した2006年の交流戦以来、16年ぶりに甲子園に凱旋(がいせん)した新庄剛志監督(50)だったが、白星で飾ることはできなかった。「負けたのはうちらの実力不足。まあ、今日来てくれたファンのみんなはものすごい面白いゲームだったんじゃないかなと。その面ではうれしいですね。10年間育てられたこの球場でいい試合はできたと思います」三回までは日本ハムペース。スクイズ、エンドランなどを巧みに仕掛ける〝新庄野球〟で7―1とリードを奪った。ところが...。阪神投手陣の継投を前に四回以降は得点できず。じわじわと点差を詰められ、7―5と迫られた八回に4点を失って逆転された。大山には3打数3本塁打を献上し、やられっぱなしだった。) この日は甲子園に今季最多4万2574人が詰めかけた。パンパンに膨れ上がったスタンドのようすに「選手たちは幸せでしょ。財産になると思う。(自分としては)懐かしいなって。この大歓声の中でずっとやっていたんだなって。なんかジーンとくるものがありましたね」と感慨深げだった。雪辱を期す明日4日へ「今日やられたので明日はこれの逆。で、スタンドのみんなを盛り上げて楽しませて1勝1敗で3つ目、また面白いゲームをしたいですけど...心臓がやられちゃう」と笑顔で締めくくった。

◆阪神は大山悠輔内野手(27)の2018年9月16日のDeNA戦(横浜)以来となる1試合3本塁打などで、1ー7から逆転勝利を収めた。大山の3本目の本塁打で1点差とした八回に1死満塁から代打・山本泰寛内野手(28)の右前打で追いつき、島田海吏外野手(26)の押し出し四球で勝ち越し。さらに近本光司外野手(27)の適時打で突き放した。3連勝を飾った矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績23勝33敗1分、観衆4万2574人=今季最多)。(テレビインタビュー)ーーすごいゲームでした「いやあ、興奮しています」ーー一時、6点差あったとは終盤は感じなかった「う~、スタメンのメンバーもそうですが、特に後から行った嘉男(八回1死一、二塁で代打で四球)とかね。山本泰とか北條(五回無死三塁で遊撃へ適時内野安打)もタイムリーを打ちましたし、全員で僕たちの野球ができたと思います」ーー全員野球。打つ方、投げる方、どちらから聞きましょうか「う~ん、いろいろあったんで、ちょっと思い出せないこともありますけど、悠輔の素晴らしい3本のホームランもありますし、ウィルク(ウィルカーソン)があんな状態で点を取られることは(3回7失点)はなかったんで。まあ、その後のピッチャーが粘ってくれました」ーー大山の3本塁打は価値があった「センター方向にホームランが出だすと、いい状態だという感じがありますし、悠輔らしい高い放物線を描いた素晴らしい3本のホームランでした」ーーその後はつないだ「あそこで1点差になることで、相手は余計にプレッシャーがかかるんで、流れを悠輔が作ってくれたのが大きかった」ーー糸原、ロハス、糸井らがよくつないだ「そうですね。全員ヒーローの野球ができました。最後は片山しか残ってなかったですが、行くしかないと思って行きました」ーー山本らしい安打だった「そうですね。しぶとい山本らしいヒットでした。ベンチの監督としてすごく助かります」ーー島田にスクイズのサイン「何が一番点が取れるかというと、それが一番かなと、決まらなかったですが、思い切って行くしかないと思いました」ーー打線は「全体的に状態も上がってきていますし、健斗が大分、状態が上がってきているんで、打順の中でも大きいですし、もっともっと、まだまだ打てる選手たちなんで、ここから乗って行ってほしい」ーー2番手以降の投手がよかった「流れを変えてくれるのが晋太郎なんで、出ていくピッチャーが全力でやってくれた結果だと思います」ーーやり切った表情ですね「今シーズンの中でも一番うれしいゲーム。この流れを明日に持ち込みたい。勝てば、こっちのムード、勢いになると思うんで、序盤でどれだけ点を取れるか。しっかりやり切りたいと思います」 (囲み)ーー八回は延長戦もある中で片山以外の野手をつぎ込んだ「俺の中の反省も、この前、拳弥に代走を出さなかったのを、あそこは俺も『まだ行けるんじゃないか』『まだ代えどころがある』と思ったし。『拳弥でもかえれるんじゃないか』というのもあった。あそこは自分でも反省して、あのゲームから行くべきところは行くっていうところは、自分なりに反省して、次どうするかを考えたところでは、そういうふうにやって行かないとな、というふうに考えさせられた試合だったんで」ーー積極性や攻める姿勢を「野手にもそういう話をしたので、さっき言ったように自分自身にもつながるし、監督やらせてもらってからずっと言い続けてる『超積極的』は俺たちの野球の中でも大事にしたいテーマ。諦めない試合をやってくれたし、全員野球をやってくれたし、ホントに俺たちの野球をやってくれたなと」ーーピッチャーが崩れた日にバッターがカバーした「そうやね、ずっとね、いい投球をしてくれてたピッチャーがああいう形で流れ的には厳しいんやけど、また向こう的にいい流れで点を取られてたので、ひっくり返すのは簡単なことじゃなかったけど。みんなでつなげた結果かなと思います」ーーきっかけが欲しいと言ってきた「振り返った時に6月にこうやったなっていうね、そういう中で、この試合を取り上げてもらうような試合に間違いなくなると思う。自分たちで作ったきっかけなんで。これを明日以降つなげることも、自分たちでしかできないんで」ーー新庄監督は満塁からエンドラン(三回1死満塁からのエンドランが2点打)「俺も見てて、そういうのをやってるのは知ってるし、新庄監督なら、いろんなことをやる。これが作戦って出したとしても選手がやる。お互いが、噛み合わないと結果に結びつきにくい。新庄監督の思いを、選手がやり切ったのがすごい」ーーメンバー表交換では、どのような言葉を「お互い楽しく、ね。楽しむことを俺も大事にしているし、新庄監督は大きなテーマにしてやっている。俺も1年間、いかに楽しむかっていう。結果は気になるし、負けたらどうしよう、打てなかったらどうしようって、いろんなことを考えて、楽しむことは簡単じゃないことは、俺も4年間やっていても実感している。でも、お互いそういうテーマを持ってやっているし、お互い楽しくやろうと」ーー新庄監督が作ろうとしているチームをどのように見ている「1年目って変わりやすい部分があると思う。1年目は1年目の難しさはあるんだけど、新庄監督しか出来ない思い切った変革をやるとキャンプからオープン戦とやってきて。こういう野球をするんだというのは選手も理解し始めているような感じには見えた。新庄監督しかできない部分にもチャレンジしていると思う。勇気もいると思うし、自分の野球はこういう野球なんだという中心があるからこそ、いろいろできるんだと思う」ーー今季最多の観衆。新庄監督の人気も「そりゃコマーシャルもあれだけ出てるんだから(笑)。それはね、これだけ人を集めることができる監督だし。そういう魅力は観客動員にも、つながっている。ましてやね、このタイガースでスタートして、プロ野球人生の多くをこの球場で歩んだ選手なので。タイガースファンの思い入れも、俺も一緒に戦った同僚でもあるんで。ファンの人も俺らもいろんな思いもあって、そういうファンの人が来てくれるんだと思う」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は日本ハム打線の特長が呼んだ阪神・大山悠輔内野手(27)の1試合3発だと解説。「これぞプロ野球」と両軍を絶賛した。久しぶりに、みんなが楽しめる。両軍のファンが盛り上がることができる。「これぞプロ野球」といえる試合を見せてもらった。両チームに感謝したい。特に阪神にとっては、ことし一番の試合だったのではないか。来日以降、ずっと好調を維持してきたウィルカーソンがあれだけ打ち込まれる姿は初めて見た。三回までに7点を奪った日本ハム打線の破壊力はすごかった。積極的に振ってくる野球に新庄監督らしさを感じた。ただ追加点を奪えなかった四回以降の攻撃には「若さ」を感じる部分もあったが。その日本ハム野球のいい部分を勉強し、見習ったのがこの日の阪神といえる。ちょうど調子が上向きだった打線が日本ハムの攻め方を見て、各選手がいろいろ感じたのではないか。二回の1打席目、四回の2打席目ともに初球ストレートをホームランした大山の打撃などは、まさに日本ハム流。その流れで放った八回の3発目がこの試合を決定づけた。カウント0-2と追い込まれてからのストレートは、そう簡単には打てないはず。ひと振りで仕留めた大山はさすがだった。日本ハムから刺激を受けたからこその一撃。この時点でまだ1点のビハインドだったが、あまりにも完ぺきに打ったことで、相手投手(堀)も動揺。その後、一気に崩れて、阪神の大逆転につながった。相手チームを勉強してというのも変な話だが、この際だから新庄監督率いる日本ハムの流れを借りればいいのでは。積極性があり、いろいろ仕掛けてくる。それを吸収して、上手に、2戦目(4日)以降の試合につなげて欲しい。

◆阪神はウィルカーソンが来日最短の3回7失点で降板したが、残る6イニングは救援陣が無失点と踏ん張った。四、五回を封じて反撃ムードをつくった藤浪は「任された仕事は全うできた」と満足げだった。八回を抑えて2勝目がついた5番手、渡辺は「ずっと粘ってゼロでつないでくれていたし、自分も逆転につながるような投球ができて良かった」とにこり。矢野監督は「あそこで流れを変えてくれるのは(藤浪)晋太郎。みんなが目の前の打者をどう打ち取るかを全力でやってくれた結果」と奮闘をねぎらった。

◆虎党の祈りを、つなげてくれたナインの思いを、力に変えた。代打・山本が一発勝負の大一番で最高の大仕事だ。「ここでヒットを打って、いい流れを自分の中でも作りたいなと思っていきました」6-7の八回1死満塁で代打で登場。鋭く目を光らせた3球目、堀の129キロチェンジアップに食らいつくと白球は一、二塁間を抜けた。最大6点差を追いつく殊勲の同点打に、仲間全員がベンチから飛び出して祝福の声を上げた。「チーム全体で盛り上がってくれてうれしいですし、こういうところで打てたので、また自分の自信につながる」5月5日のヤクルト戦(甲子園)で今季初のサヨナラ勝ちを決めたのも山本の押し出し四球だった。〝持ってる〟スーパーサブが、再び奇跡を呼んだ。(原田遼太郎)

◆肩に手をかけ、声をかける。メンバー表交換で矢野監督が新庄監督に発したのは、自分自身への言葉でもあった。ファンを楽しませ、自分たちも楽しんで、〝俺たちの野球〟で先勝だ。「お互い楽しく、ね。楽しむっていうことを、俺も大事にしているし、新庄監督はもちろんそういうことを大きなテーマにしてやっている」本塁上で久々に向き合い、柔らかい表情で語りかけた。目指すものが近いと感じるから、伝えたいことでもあった。「なかなか楽しむってことは簡単じゃない。俺もこの4年間やって実感している。でも、お互いそういうテーマを持ってやっているし、お互い楽しくやろうと」。共感した後、試合では真っ向からぶつかり合った。三回無死満塁でのスクイズ、1死満塁でのヒットエンドランでBIGBOSS劇場に飲み込まれかけた。「俺も見てて、そういうのをやってるのは知っているし。新庄監督の思いっていうのが、選手がやり切ったっていうのがすごい」と率直に感心した。ならば、こちらも楽しむ! とばかりに次々と手を打った。7失点のウィルカーソンを3回で降ろし、2番手の藤浪から次々に継ぎ込んだ。1点差とした八回には代打を2人、代走も3人つぎ込んだ。5月26日の楽天戦(甲子園)で長坂へ代走出すことをためらい、本塁憤死したことも頭をよぎった。「自分でも反省して。あのゲームから行くべきところは行くって。考えさせられた試合だったんで」。延長の可能性もあったが、ベンチに残った野手は片山のみ。思い切って、勝ち切った。満員のファンも後押しした。矢野監督は「コマーシャル、あれだけ出てるんだから」と新庄効果にも笑みをこぼし「ファンの人も、俺らもいろんな思いもあって、そういう人が来てくれるんだと思う」とうなずいた。互いに楽しみながら、あと2勝いただくつもりだ。(長友孝輔)

◆どれだけかき回されても、虎にはこの男の一撃がある。白球の行方を見つめながら、大山は悠然と歩きだした。必ず勝つ。八回にこの試合3発目のアーチをかけてナインを鼓舞し、大逆転勝利へ。スタンドへ3度ほうり込み、新庄劇場をひっくり返した。) 「誰一人、諦めている選手はいなかったですし、とにかく塁に出る、1点でも追いつく、その気持ちだけでした」3時間43分の熱闘の末のお立ち台。最後まで勝利を信じた今季最多4万2574人の虎党へ、声を弾ませた。5-7の八回1死で執念をバットに込めた。堀に2球で2ストライクと追い込まれながら、内角への145キロ直球を迷いなく振り抜き、12号ソロを左翼席へ。逆転劇の最終章が始まった。「1球を仕留めるところはずっと課題。できていない部分がある。それでもこういう大事な試合でできたのはよかった」先発・ウィルカーソンの乱調につけこみ? 新庄監督はスクイズやエンドランでやりたい放題。序盤に7点を奪われ、最大6点差をつけられ、何度も三塁側ベンチで喜びを爆発させるビッグボスに主役をさらわれかけた。だが、大山が0―3の二回先頭で10号ソロ、1-7の四回1死では11号ソロを放ち、2018年9月16日のDeNA戦(横浜)以来4年ぶり2度目の1試合3発で進軍ラッパを吹いた。 左膝を負傷し、欠場や負担軽減のために左翼守備を務める試合も経験する今季。周囲のサポートを受けながら打席に立ってきた。「僕だけの力じゃない。たくさんの方の手助けがあっての結果。感謝を忘れずに」。交流戦5本塁打目で〝キング〟となったが、一人ではなし得ない結果とわかっている。打率は2割前半に沈み、得点圏打率・211という数字にも決して満足していないはず。ここから打ちまくる。注目度抜群の敵将への意識については「僕らは日本ハムファイターズのチームと戦っている」とそっけないが、今季の阪神は先制されると9連敗中で、最後の逆転勝ちは5月8日の中日戦(バンテリンドーム)と反発力を欠いていた。それだけに仲間を鼓舞し続けた3発は貴重だった。矢野監督も「流れを悠輔(大山)が作ってくれたのは大きかった」とうなずいた。「今まで投手に負担や援護できていない部分があった。今日は野手がしっかり助けられた部分もある。まだまだ試合は続く。援護できるように頑張りたい」と大山。投高打低のチーム状態は改善されつつある。この日、敗れれば再び自力Vの可能性が消滅の危機だったが、それも回避。大山のバットが、虎を6月負けなしの4連勝へ導く。甲子園で新庄劇場の幕は上げさせない。(新里公章)

◆16年ぶりの甲子園凱旋(がいせん)で手痛い逆転負けを喫した。日本ハム・新庄剛志監督(50)は「負けたのは実力不足」と悔しがりながら「10年間育てられた球場で、いい試合ができた。この大歓声の中でずっとやっていたんだなって、ジーンとくるものがあった」と感慨を口にした。三回には、本塁で封殺できるためサインを出しにくい満塁の場面でスクイズを上川畑の初球で仕掛け、スタンドをざわつかせた。さらにヒットエンドランで追加点も挙げるなど、代名詞の積極采配で見せ場をつくった。聖地での公式戦は、日本ハムで現役引退した2006年の交流戦以来。リーグ最下位同士の対戦だったが、チケットは完売し今季最多の4万2574人を集めた。元同僚、矢野監督とのメンバー表交換では「監督として帰ってこられて、ありがとうという気持ち」を込め、マウンドの方へ歩み出て一礼。万雷の拍手を浴びた。1999年には敬遠球をサヨナラ打にしたこともある甲子園。BIGBOSSとして戻ってきたスターは「明日はこれと逆(の結果)になるように。盛り上げて楽しませたい」と誓った。(箭内桃子)

◆ことしのベストゲームでしょう。〝あの人〟のおかげかも?朝からテレビでも、ラジオでも、繰り返し連呼されていた。「きょうはビッグボス甲子園凱旋試合です~」球場ではいろんな方から問われた。久々の甲子園で、久々の新庄サマ。どんな野球をみたいですか、と。たぶん、好き放題、楽しみ放題のサインを出してくるのは予想できる。知る限りで、プロ野球史上、類を見ない強運の持ち主だから。なぜか、最後は自分の都合のいい結末が待っているのだ、アイツは。そう思って見ていたら、三回までは案の定だった。でも序盤の猛攻は、ここまでうまく運ぶのか。改めて、恐るべき、新庄剛志!練習中のこと。バックネット裏のスタンドに阪神・川藤OB会長を発見すると猛ダッシュで歩み寄った。「ごぶさたしてます。お元気ですか? 北海道で暴れてます!」川藤会長が「楽しませてくれ」と声を掛けると、ニッコリ笑ってサムアップポーズ。何なんだ、この明るさは? ついつい「君のチームも最下位じゃないのか」と言いたくなる。さらに、同じくスタンドに陣取った元虎風荘寮長・梅本正之氏のところへ駆け寄ると、トレードマークの真っ赤なリストバントをプレゼント。ドラフト5位で阪神に入団して以来、プライベートで最もお世話になった恩人へのあいさつは忘れない。ああ見えて、律義なところも変わっていない。まあ、BIGBOSSの凱旋試合は、日本ハムの担当記者が山ほど書くだろうから、そちらに任せよう。 ちなみに現在の日本ハム担当は、熱心なサンスポ読者ならご記憶だろう。タテジマの戦いの日々を読者に届け続けた箭内桃子です。今は北の大地に日参して、ビッグボスの奇妙キテレツ(?)な戦いを、全国のファンにお知らせしている。ということで、本日は久しく虎を見ていなかった桃子姫に、感じたことを語ってもらおう。「エッ、何ですか、これは? コロナ前より大きな大歓声ですよ。声を出しての応援自粛というルールが全然守られていないじゃないですか」甲子園のファンは騒ぎまくっている。穏やかなファンが多く、ルールはしっかり守る方が多い北海道のファンに慣れてしまっている桃子姫には衝撃だったらしい。「エッと、高山さんはこんな場面で代打に出てくるんですか?」「エッ、藤浪クンはこの状況で登板ですか?」浦島太郎、ならぬ浦島モモコの衝撃は続いた。「天才・高山」を知る記者にとって、大量リードされた序盤の投手への代打が高山というのは信じられないのだろう。大量ビハインドでスーパースター藤浪がマウンドに立つなんて、想定を超えているのだろう。それが今のタイガースでもある。虎が勝ったら、LED照明を駆使して、虎が走るんやで!桃子姫にニュー甲子園の魅力を教えたが、試合終了直後の〝虎が走る〟瞬間は取材中。「見たかったです」どうしても見たければ、トラ番に戻ればいいよ。えっ、まだまだBIGBOSSを見ていたい? そりゃそうだろうな、こんな面白い試合をするんだから。

◆BIGBOSS、アリガトウ!! 新庄監督が現役時代にタテジマのユニホームで沸かせた甲子園に『熱風』を吹かせてくれたのだ!!試合前までは「よっ! 待ってました。プレ裏・日本シリーズ(最下位決定戦)」とか、現役時代敬遠のボール球をサヨナラ打にした新庄だから、それを超える「プロ野球史上初の申告敬遠をヒットにするでェ!!」(ど~やって?)とお茶らけていたけど...。試合が始まったら三回無死満塁でBIGBOSSの常識ではまずないスクイズを上川畑が成功させて、野球ファンを興奮させたと思ったら、いまひとつ殻を破れない虎の和製長距離砲・大山が、虎党もビックリの3ホームラン!! これも全て敵味方関係なく、BIGBOSSのエンターテインメント魂がもたらした効果だと素直に思ったのだ!!七回1死一、二塁のピンチで、上川畑のセンターへ抜けそうなゴロを捕球と同時にグラブトス。それを素手でつかみ一塁送球で、ゲッツーにした糸原のBIGプレーも、しかり。プロは見せてなんぼのBIGBOSSスピリッツが伝染したビューティフルゲームだったのだ!!

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
730 0.700
(↑0.033)
-
(-)
848
(+1)
31
(-)
17
(+1)
7
(+1)
0.274
(↓0.005)
2.450
(↑0.26)
1
(-)
ソフトバンク
730 0.700
(↑0.033)
0
(-)
853
(+6)
19
(-)
9
(+1)
10
(+1)
0.286
(↑0.005)
1.860
(↑0.22)
3
(-)
阪神
640 0.600
(↑0.044)
1
(-)
831
(+9)
26
(+7)
7
(+3)
13
(+1)
0.261
(↑0.013
2.430
(↓0.52)
4
(2↑)
ORIX
550 0.500
(↑0.056)
2
(-)
831
(+4)
26
(+1)
4
(+1)
3
(-)
0.270
(↑0.002)
2.690
(↑0.19)
4
(2↑)
DeNA
550 0.500
(↑0.056)
2
(-)
832
(+7)
34
(-)
10
(+2)
3
(-)
0.229
(↑0.013)
2.660
(↑0.3)
4
(1↓)
中日
550 0.500
(↓0.056)
2
(↓1)
825
(-)
33
(+6)
4
(-)
5
(-)
0.226
(↓0.006)
3.240
(↓0.31)
4
(1↓)
西武
550 0.500
(↓0.056)
2
(↓1)
833
(-)
32
(+1)
7
(-)
3
(-)
0.235
(↓0.012)
2.620
(↑0.15)
4
(2↑)
巨人
550 0.500
(↑0.056)
2
(-)
840
(+10)
34
(+3)
13
(+1)
15
(+6)
0.235
(↑0.019)
3.170
(↑0.02)
9
(3↓)
楽天
460 0.400
(↓0.044)
3
(↓1)
819
(-)
34
(+7)
3
(-)
4
(-)
0.213
(↓0.003)
3.560
(↓0.44)
9
(3↓)
ロッテ
460 0.400
(↓0.044)
3
(↓1)
830
(+3)
38
(+10)
9
(+1)
6
(-)
0.205
(↑0.001)
3.350
(↓0.35)
9
(3↓)
日本ハム
460 0.400
(↓0.044)
3
(↓1)
845
(+7)
45
(+9)
10
(+1)
7
(-)
0.292
(↑0.018
4.160
(↓0.59)
12
(-)
広島
370 0.300
(↓0.033)
4
(↓1)
818
(+1)
53
(+4)
0
(-)
1
(-)
0.224
(↑0.01)
5.070
(↑0.12)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
33201 0.623
(↑0.008)
-
(-)
89214
(+1)
175
(-)
57
(+1)
33
(+1)
0.239
(-)
2.760
(↑0.05)
2
(-)
巨人
33260 0.559
(↑0.007)
3
(-)
84229
(+10)
228
(+3)
63
(+1)
32
(+6)
0.244
(↑0.003)
3.360
(-)
3
(-)
広島
28262 0.519
(↓0.009)
5.5
(↓1)
87220
(+1)
197
(+4)
24
(-)
9
(-)
0.255
(↑0.001)
3.300
(↓0.02)
4
(-)
中日
25290 0.463
(↓0.009)
8.5
(↓1)
89168
(-)
200
(+6)
32
(-)
20
(-)
0.243
(↓0.001)
3.600
(↓0.04)
5
(-)
DeNA
22280 0.440
(↑0.011)
9.5
(-)
93171
(+7)
221
(-)
38
(+2)
17
(-)
0.244
(↑0.002)
3.940
(↑0.08)
6
(-)
阪神
23331 0.411
(↑0.011)
11.5
(-)
86175
(+9)
173
(+7)
42
(+3)
42
(+1)
0.230
(↑0.002
2.830
(↓0.08)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
32201 0.615
(↑0.007)
-
(-)
90225
(+6)
161
(-)
33
(+1)
32
(+1)
0.268
(↑0.001)
2.690
(↑0.05)
2
(-)
楽天
30211 0.588
(↓0.012)
1.5
(↓1)
91177
(-)
152
(+7)
31
(-)
41
(-)
0.234
(↓0.001)
2.820
(↓0.08)
3
(1↑)
ORIX
27290 0.482
(↑0.009)
7
(-)
87152
(+4)
176
(+1)
21
(+1)
30
(-)
0.226
(↑0.001)
2.900
(↑0.03)
4
(1↓)
西武
26281 0.481
(↓0.01)
7
(↓1)
88167
(-)
166
(+1)
35
(-)
20
(-)
0.226
(↓0.001)
2.500
(↑0.03)
5
(-)
ロッテ
23311 0.426
(↓0.008)
10
(↓1)
88166
(+3)
194
(+10)
30
(+1)
52
(-)
0.214
(-)
2.880
(↓0.07)
6
(-)
日本ハム
22330 0.400
(↓0.007)
11.5
(↓1)
88193
(+7)
214
(+9)
48
(+1)
41
(-)
0.244
(↑0.004
3.700
(↓0.11)